JP2016500550A - 一酸化窒素を含むガスを混合する方法 - Google Patents

一酸化窒素を含むガスを混合する方法 Download PDF

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Abstract

一酸化窒素を送達する方法は、酸素を含む第1のガスと一酸化窒素放出剤を含む第2のガスをレセプタクル内で混合してガス混合物を形成するステップであって、該レセプタクルが入口、出口、及び還元剤を有する、該ステップ、該ガス混合物中の該一酸化窒素放出剤を該還元剤に接触させて一酸化窒素を生成するステップ、並びに該一酸化窒素を含むガス混合物を該レセプタクルから哺乳動物に送達するステップを含み得る。
【選択図】 図2

Description

(優先権の主張)
本出願は、引用により全容が本明細書中に組み込まれている2012年11月5日に出願された先行の米国仮特許出願第61/722,621号の恩典を請求するものである。
(技術分野)
本発明は、酸素を含むガス流と一酸化窒素放出剤を含むガス流とをレセプタクル内で混合して、一酸化窒放出剤を一酸化窒素に変換することに関する。
(背景)
ニトロシルラジカルとしても知られる一酸化窒素(NO)は、フリーラジカルであり、重要なシグナル伝達分子である。例えば、NOは、血管の平滑筋を弛緩させ、これにより血管の拡張をもたらし、該血管の血流を増大させることができる。NOは極めて反応性が高く、僅か数秒の寿命であり、体内で急速に代謝され得るため、これらの効果は、小さい生物学的領域に限定され得る。
一部の障害又は生理学的状態は、一酸化窒素の吸入によって仲介され得る。低濃度の吸入一酸化窒素の使用は、障害の進行を防止する、逆転する、又は制限することができる。このような障害には、限定されるものではないが、急性肺血管収縮、外傷、吸引もしくは吸入傷害、肺の脂肪塞栓症、アシドーシス、肺の炎症、成人呼吸窮迫症候群、急性肺水腫、山酔い、心臓手術後の急性肺高血圧症、新生児遷延性肺高血圧症、周生期吸引症候群(perinatal aspiration syndrome)、ヒアリン膜症、急性肺血栓塞栓症、ヘパリン−プロタミン反応、敗血症、喘息及び喘息重積状態、又は低酸素症が含まれ得る。一酸化窒素は、慢性肺高血圧症、気管支肺異形成、慢性肺血栓塞栓症、及び特発性もしくは原発性肺高血圧症、又は慢性低酸素症の治療に使用することもできる。
一般に、一酸化窒素は、個人の肺に吸入される、又は他の方法で送達され得る。治療量のNOの投与により、NOの吸入によって仲介され得る障害もしくは生理学的状態に苦しんでいる患者を治療することができる、又はこのような障害もしくは生理学的状態における従来の処置を補完する、もしくはその必要性を最小限にすることができる。典型的には、NOガスは、窒素ガス(N2)で希釈されて容器に入れられたガスの形態で供給することができる。NOは、O2の存在下で二酸化窒素(NO2)に酸化され得るため、NOガスのタンク内に極微量の酸素(O2)さえも存在しないように十分に注意を払うべきである。NOとは異なり、NO2ガスは、100万分の1のレベルでも、吸入されると非常に毒性が高く、肺で硝酸及び亜硝酸が発生し得る。
(概要)
一態様では、一酸化窒素を送達する方法は、第1のガスと第2のガスを混合してガス混合物を形成するステップを含み得る。
一部の実施態様では、第1のガスは酸素を含み得る。例えば、第1のガスは空気を含み得る。より具体的には、第1のガスは、空気又は酸素富化空気とすることができる。第1のガスは、酸素富化ガス、言い換えれば、酸素が添加されたガスとすることもできる。
一部の実施態様では、この方法は、第1のガスをガス導管を介してレセプタクルに連通させるステップを含み得る。場合によっては、第1のガスは、ガス導管を介して連続的に連通させることができる。別の場合には、第1のガスは、ガス導管を介して間欠的に連通させることができる。一部の実施態様では、第1のガスをガス導管を介してレセプタクルに連通させるステップは、第1のガスをガス導管を介して1回以上のパルスで連通させるステップを含み得る。第1のガスをガス導管を介して連通させるステップは人工呼吸器を用いて行うことができる。
一部の実施態様では、第2のガスは、一酸化窒素放出剤を含み得る。一酸化窒素放出剤は、一酸化窒素(NO)、二酸化窒素(NO2)、四酸化二窒素(N2O4)、又は亜硝酸イオン(NO2 -)の1種以上を含み得る。亜硝酸イオンは、亜硝酸塩、例えば、亜硝酸ナトリウムの形態で導入することができる。一部の実施態様では、第2のガスは、不活性ガス(例えば、N2)を含み得る。他の実施態様では、第2のガスは酸素又は空気を含み得る。
一部の実施態様では、この方法は、第2のガスをガス導管に供給するステップを含み得る。場合によっては、第2のガスは、レセプタクルの直前にある又はレセプタクルにあるガス導管に供給することができる。
一部の実施態様では、第1のガスと第2のガスとをレセプタクル内で混合してガス混合物を形成することができる。一部の実施態様では、レセプタクルは、入口、出口、及び還元剤を有することができる。還元剤は、還元−酸化(レドックス)反応中に電子を別の種に供与することができる1種以上の化合物を含み得る。還元剤は、ヒドロキノン、グルタチオン、及び/又は1種以上の還元金属塩、例えば、Fe(II)、Mo(VI)、NaI、Ti(III)、もしくはCr(III)、チオール、又はNO2 -を含み得る。還元剤は、3,4ジヒドロキシ−シクロブテン−ジオン、マレイン酸、クロコン酸、ジヒドロキシ−フマル酸、テトラ−ヒドロキシ−キノン、p−トルエン−スルホン酸、トリコロール−酢酸(tricholor-acetic acid)、マンデル酸、2−フルオロ−マンデル酸、又は2,3,5,6−テトラフルオロ−マンデル酸の1種以上も含み得る。
一部の実施態様では、還元剤は、抗酸化物質とすることができる。抗酸化物質は、アスコルビン酸、αトコフェロール、及び/又はγトコフェロールを含む任意の数の一般的な抗酸化物質を含み得る。還元剤は、上記の任意の還元剤の塩、エステル、無水物、結晶形態、又は非晶質形態を含み得る。
一部の実施態様では、レセプタクルは担体を含み得る。担体は、少なくとも1つの固体又は非流体表面を有する任意の材料とすることができる(例えば、ゲル)。少なくとも1つの表面の表面積が大きい担体を有することが有利であり得る。好ましい実施態様では、担体は多孔質とすることができる。担体の一例として、表面活性材料、例えば、水を保持できる又は水分を吸収できる表面積の大きい材料を挙げることができる。表面活性材料の特定の例として、シリカゲル又は綿を挙げることができる。
一部の実施態様では、ガス混合物中の一酸化窒素の濃度は、少なくとも0.01 ppm、少なくとも0.05 ppm、少なくとも0.1 ppm、少なくとも0.5 ppm、少なくとも1 ppm、少なくとも1.5 ppm、少なくとも2 ppm、又は少なくとも5 ppmとすることができる。ガス混合物中の一酸化窒素の濃度は、最大100 ppm、最大80 ppm、最大60 ppm、最大40 ppm、最大25 ppm、最大20 ppm、最大10 ppm、最大5 ppm、又は最大2 ppmとすることができる。好ましくは、ガス混合物中の一酸化窒素の濃度は、少なくとも0.01 ppm〜最大40 ppm、少なくとも0.01 ppm〜最大25 ppm、又は少なくとも0.01 ppm〜最大2 ppmとすることができる。
一部の実施態様では、哺乳動物に送達されるガス混合物中の二酸化窒素の濃度は、1 ppm未満、0.5 ppm未満、0.2 ppm未満、0.1 ppm未満、又は0.05 ppm未満とすることができる。
一部の実施態様では、この方法は、ガス混合物中の一酸化窒素放出剤を還元剤に接触させて一酸化窒素を生成するステップを含み得る。
一部の実施態様では、この方法は、一酸化窒素を含むガス混合物をレセプタクルから哺乳動物に送達するステップを含み得る。場合によっては、哺乳動物はヒトとすることができる。
一部の実施態様では、一酸化窒素を含むガス混合物をレセプタクルから哺乳動物に送達するステップは、ガス混合物を、レセプタクルと患者インターフェイスとの間に配置された送達導管に通すステップを含み得る。患者インターフェイスとしては、マウスピース、鼻カニューレ、フェイスマスク、完全密封型フェイスマスク、又は気管内チューブを挙げることができる。患者インターフェイスは、送達導管に接続することができる。送達導管は、人工呼吸器又は麻酔器を含み得る。
一部の実施態様では、レセプタクルの容積は、送達導管の容積よりも大きくすることができる。レセプタクルの容積は、送達導管の容積の少なくとも1.5倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、又は少なくとも5倍とすることができる。
一部の実施態様では、一酸化窒素を含むガス混合物をレセプタクルから哺乳動物に送達するステップは、一酸化窒素を哺乳動物に連続的に供給するステップを含み得る。他の実施態様では、一酸化窒素を含むガス混合物をレセプタクルから哺乳動物に送達するステップは、ガス混合物を哺乳動物に間欠的に供給するステップを含み得る。
一部の実施態様では、一酸化窒素を含むガス混合物をレセプタクルから哺乳動物に送達するステップは、該ガス混合物をパルス注入するステップを含み得る。一部の実施態様では、パルス注入するステップは、ガス混合物を1回以上のパルスで供給するステップを含み得る。一部の実施態様では、パルス注入するステップは、ガス混合物を2回以上のパルスで供給するステップを含み得る。パルスは、数秒から最大数分もの間持続し得る。一実施態様では、パルスは、1秒間、5秒間、10秒間、15秒間、20秒間、25秒間、30秒間、35秒間、40秒間、45秒間、50秒間、55秒間、又は60秒間持続し得る。別の実施態様では、パルスは、1分間、2分間、3分間、4分間、又は5分間持続し得る。好ましい一実施態様では、パルスは、0.5〜10秒間、最も好ましくは1〜6秒間持続し得る。
一部の実施態様では、一酸化窒素を含むガス混合物をレセプタクルから哺乳動物に送達するステップは、ガス混合物を、1回以上のパルスの予め設定された送達順序で哺乳動物に供給することを含み得る。例えば、パルスは、予め設定された間隔で予め設定された時間送達することができる。
一部の実施態様では、レセプタクルの容積は、1回のパルスのガス混合物の体積よりも大きくすることができる。レセプタクルの容積は、1回のパルスのガス混合物の体積の少なくとも1.5倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、又は少なくとも5倍とすることができる。
一部の実施態様では、ガス混合物をレセプタクル内に保持することができる。一部の実施態様では、ガス混合物は、パルスの最中又はパルスとパルスとの間、レセプタクル内に保持することができる。一部の実施態様では、レセプタクル内でのガス混合物の保持は、予め設定された時間とすることができ、この設定時間は、少なくとも1秒間、少なくとも2秒間、少なくとも6秒間、少なくとも10秒間、少なくとも20秒間、少なくとも30秒間、又は少なくとも1分間とすることができる。
一部の実施態様では、各パルスの一酸化窒素の濃度の変動は、10%未満、5%未満、又は2%未満であり得る。一部の実施態様では、間欠的な送達を使用すると、各パルスもしくはオン時間の一酸化窒素の濃度の変動は、10 ppm未満、5 ppm未満、2 ppm未満、又は1 ppm未満であり得る。
他の特徴、目的、及び利点は、以下の説明、添付図面、及び特許請求の範囲から明らかになるであろう。
図1は、レセプタクルの図である。 図2の(a)〜(c)は、レセプタクルを含むシステムの図である。 図3は、レセプタクルを含むシステムを示す図である。 図4は、人工呼吸器の流量と比較した、時間の関数である一酸化窒素及び二酸化窒素の濃度を示すグラフである。 図5は、人工呼吸器の流量と比較した、時間の関数である一酸化窒素及び二酸化窒素の濃度を示すグラフである。 図6は、人工呼吸器の流量と比較した、時間の関数である一酸化窒素の濃度を示すグラフである。 図7は、人工呼吸器の流量と比較した、時間の関数である一酸化窒素の濃度を示すグラフである。 図8は、人工呼吸器の流量と比較した、時間の関数である一酸化窒素の濃度を示すグラフである。 図9は、人工呼吸器の流量と比較した、時間の関数である一酸化窒素の濃度を示すグラフである。
(詳細な説明)
ニトロシルラジカルとしても知られる一酸化窒素は、フリーラジカルであり、肺血管における重要なシグナル伝達分子である。一酸化窒素は、肺動脈圧の上昇によって引き起こされる肺高血圧症を緩和することができる。哺乳動物では、例えば、0.01〜100 ppmの範囲の低濃度の一酸化窒素を吸入すると、肺血管の拡張によって肺高血圧が迅速かつ安全に低下し得る。
一部の障害又は生理学的状態は、一酸化窒素の吸入によって仲介され得る。低濃度の吸入一酸化窒素の使用は、障害の進行を防止する、逆転する、又は制限することができる。このような障害には、限定されるものではないが、急性肺血管収縮、外傷、吸引もしくは吸入傷害、肺の脂肪塞栓症、アシドーシス、肺の炎症、成人呼吸窮迫症候群、急性肺水腫、山酔い、心臓手術後の急性肺高血圧症、新生児遷延性肺高血圧症、周産期呼吸症候群、ヒアリン膜症、急性肺血栓塞栓症、ヘパリン−プロタミン反応、敗血症、喘息及び喘息重積状態、又は低酸素症が含まれ得る。一酸化窒素は、慢性肺高血圧症、気管支肺異形成、慢性肺血栓塞栓症、及び特発性もしくは原発性肺高血圧症、又は慢性低酸素症の治療に使用することもできる。有利なことに、有害な副生物、例えば、二酸化窒素の非存在下で、一酸化窒素を生成して送達することができる。一酸化窒素は、処置を必要とする哺乳動物に送達するのに適した濃度で生成することができる。
一酸化窒素(NO)を治療用途で哺乳動物に送達する場合、二酸化窒素(NO2)の哺乳動物への送達を回避することが重要であり得る。二酸化窒素(NO2)は、一酸化窒素(NO)の酸素(O2)での酸化によって生成し得る。二酸化窒素(NO2)の生成速度は、酸素(O2)濃度に一酸化窒素(NO)濃度の二乗を乗じた値に比例し得る。NOの送達システムは、二酸化窒素(NO2)を一酸化窒素(NO)に変換することができる。加えて、一酸化窒素は、高濃度で二酸化窒素を生成することができる。
一酸化窒素送達システムはレセプタクルを含み得る。レセプタクルは、入口及び出口を備えることができる。レセプタクルは、一酸化窒素放出剤を一酸化窒素(NO)に変換することができる。一酸化窒素放出剤は、二酸化窒素(NO2)、四酸化二窒素(N2O4)、又は亜硝酸イオン(NO2 -)の1種以上を含み得る。亜硝酸イオンは、亜硝酸塩、例えば、亜硝酸ナトリウムの形態で導入することができる。
レセプタクルは、還元剤又は還元剤の組み合わせを含み得る。多数の還元剤を、当業者によって決定される活性及び特性によって使用することができる。一部の実施態様では、還元剤は、ヒドロキノン、グルタチオン、及び/又は1種以上の還元金属塩、例えば、Fe(II)、Mo(VI)、NaI、Ti(III)、もしくはCr(III)、チオール、又はNO2 -を含み得る。還元剤は、3,4ジヒドロキシ−シクロブテン−ジオン、マレイン酸、クロコン酸、ジヒドロキシ−フマル酸、テトラ−ヒドロキシ−キノン、p−トルエン−スルホン酸、トリコロール−酢酸、マンデル酸、2−フルオロ−マンデル酸、又は2,3,5,6−テトラフルオロ−マンデル酸を含み得る。還元剤は、哺乳動物、例えば、ヒトが吸入しても安全であり得る(即ち、非毒性及び/又は非苛性)。還元剤は、抗酸化物質とすることができる。抗酸化物質は、アスコルビン酸、αトコフェロール、及び/又はγトコフェロールを含む任意の数の一般的な抗酸化物質を含み得る。還元剤は、上記の任意の還元剤の塩、エステル、無水物、結晶形態、又は非晶質形態を含み得る。還元剤は、乾燥又は湿潤状態で使用することができる。例えば、還元剤は溶液に溶解することができる。還元剤は、溶液中で様々な濃度とすることができる。還元剤の溶液は、飽和溶液でも不飽和溶液でも良い。有機溶液中の還元剤を使用できるが、水溶液中の還元剤が好ましい。還元剤及びアルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールなど)を含む溶液も使用することができる。
レセプタクルは担体を含み得る。担体は、少なくとも1つの固体又は非流体表面を有する任意の材料とすることができる(例えば、ゲル)。少なくとも1つの表面の表面積が大きい担体を有することが有利であり得る。好ましい実施態様では、担体は多孔質又は浸透性であり得る。担体の一例として、表面活性材料、例えば、水を保持できる又は水分を吸収できる表面積の大きい材料を挙げることができる。表面活性材料の特定の例として、シリカゲル又は綿を挙げることができる。「表面活性材料」という語は、その表面に活性剤を保持する材料を意味する。
担体は還元剤を含み得る。前述の別の方法では、還元剤は担体の一部とすることができる。例えば、還元剤は、担体の表面に存在することができる。これを達成できる1つの方法では、担体の少なくとも一部を還元剤で被覆することができる。場合によっては、システムは、還元剤を含む溶液で被覆することができる。好ましくは、システムは、変換を行う単純かつ有効な機構として、抗酸化物質の水溶液で被覆された表面活性材料を利用することができる。還元剤を含む担体を用いて行われる一酸化窒素放出剤からのNOの生成は、最も効果的な方法であり得るが、還元剤のみを使用して一酸化窒素放出剤をNOに変換することもできる。
状況によっては、担体は、マトリックス又はポリマー、より具体的には親水性ポリマーとすることができる。担体は、還元剤の溶液と混合することができる。還元剤の溶液は、撹拌して、担体でろ過し、次いで脱水することができる。湿潤担体−還元剤混合物を乾燥させて、適切なレベルの水分を達成することができる。乾燥後、担体−還元剤混合物を湿潤状態のままにしても良いし、完全に乾燥させても良い。乾燥は、加熱装置、例えば、オーブン又はオートクレーブで行っても良いし、又は空気乾燥によって行っても良い。
一般に、一酸化窒素放出剤は、一酸化窒素放出剤を含むガスを還元剤に接触させることによってNOに変換することができる。一例では、一酸化窒素放出剤を含むガスを、還元剤を含む担体上を通過させる、又は担体に通すことができる。還元剤がアスコルビン酸(即ち、ビタミンC)である場合、二酸化窒素の一酸化窒素への変換は、周囲温度で定量的であり得る。
生成する一酸化窒素は、ヒトとすることができる哺乳動物に送達することができる。一酸化窒素の送達を容易にするために、システムは患者インターフェイスを含み得る。患者インターフェイスの例として、マウスピース、鼻カニューレ、フェイスマスク、完全密封型フェイスマスク、又は気管内チューブを挙げることができる。患者インターフェイスは、送達導管に接続することができる。送達導管は、人工呼吸器又は麻酔器を含み得る。
図1は、一酸化窒素放出剤をNOに変換することによってNOを発生させるためのレセプタクルの例示的な一実施態様を例示している。レセプタクル100は、入口105及び出口110を備えることができる。レセプタクルの一例として、カートリッジを挙げることができる。カートリッジは、装置、プラットフォーム、又はシステムに対して挿入することができ、かつ取り外すことができる。好ましくは、カートリッジは、装置、プラットフォーム、又はシステムにおいて交換可能であり、より好ましくは、カートリッジは使い捨てとすることができる。スクリーン及びガラスウール115を、入口105及び出口110の一方又は両方に配置することができる。レセプタクル100の残りの部分は担体を含み得る。好ましい一実施態様では、レセプタクル100は、表面活性材料120で満たすことができる。表面活性材料120は、抗酸化物質の飽和水溶液に浸漬して表面活性材料を被覆することができる。スクリーン及びガラスウール115はまた、レセプタクル100に挿入する前に抗酸化物質の飽和水溶液に浸漬することもできる。
一般に、一酸化窒素放出剤をNOに変換するプロセスは、一酸化窒素放出剤を含むガスを入口105に送るステップを含み得る。ガスは、出口110に連通して還元剤に接触することができる。好ましい一実施態様では、ガスは、還元剤で被覆された表面活性材料120を通って出口110に流体連通することができる。表面活性材料が水分を維持し、還元剤が変換で使い尽くされない限り、一般的なプロセスは、周囲温度での一酸化窒素放出剤のNOへの変換において効果的であり得る。
入口105は、一酸化窒素放出剤を含むガスを、該ガスを拡散管又は透過セルに流体連通させるガスポンプから受け取ることができる。入口105は、一酸化窒素放出剤を含むガスを、例えば、一酸化窒素放出剤の加圧容器から受け取ることができる。加圧容器は、タンクと呼ばれることもある。入口105は、窒素(N2)中、空気中、又は酸素(O2)中のNO2ガスとすることができる一酸化窒素放出剤を含むガスを受け取ることができる。僅か数ml/分〜最大5,000 ml/分の流量の範囲の様々な流量及びNO2濃度で試験に成功した。
一酸化窒素放出剤のNOへの変換は、広範囲の濃度の一酸化窒素放出剤で起こり得る。例えば、実験は、空気中濃度が約2 ppm〜100 ppmのNO2、さらには1000 ppmを超えるNO2で行った。一例では、長さが約152.4 mm(約6インチ)、直径が38.1 mm(1.5インチ)のレセプタクルに、最初にアスコルビン酸の飽和水溶液に浸漬したシリカゲルを充填した。湿潤シリカゲルを、Aldrich Chemical社のA.C.S(米国化学会)試薬グレード99.1%純度と指定されたアスコルビン酸及びS8 32-1、グレード40のサイズが35〜70のメッシュと指定されたFischer Scientific International社のシリカゲルを用いて調製した。他のサイズのシリカゲルも有効であり得る。例えば、直径が203.2 mm(8インチ)のシリカゲルも機能し得る。
別の例では、35重量%のアスコルビン酸を水中で混合し、撹拌し、水/アスコルビン酸混合物をシリカゲルに通してろ過することによって調製したアスコルビン酸の飽和水溶液でシリカゲルを湿潤させ、次いで脱水した。NO2のNOへの変換は、還元剤、例えば、アスコルビン酸で被覆されたシリカゲルを含む担体が湿潤している場合は十分に進行し得る。特定の例では、湿潤シリカゲル/アスコルビン酸が充填されたレセプタクルでは、12日間連続で、150 ml/分の流量で空気中1000 ppmのNO2をNOに定量的に変換することができた。
レセプタクルは、吸入治療に使用することができる。一酸化窒素放出剤を、吸入治療中に送達される一酸化窒素に変換するのに加えて、レセプタクルは、吸入治療中に化学的に生じる全てのNO2を除去することができる(例えば、一酸化窒素が酸化されて二酸化窒素が生じる)。このような一例では、レセプタクルは、加圧容器供給源からNOを送達するNO吸入治療のためのNO2スクラバとして使用することができる。レセプタクルは、有害レベルのNO2が誤って患者に吸入されないようにするために使用することができる。
加えて、レセプタクルを使用して、従来のNO吸入治療で吸入治療中に使用される安全装置の一部又は全てを補完又は置換することができる。例えば、あるタイプの安全装置は、NO2の濃度が、通常は1 ppm以上のNO2であるプリセット範囲又は設定範囲を超えたときにガス中のNO2の存在を警告することができる。このような安全装置は、NOを含んだガスを呼吸する患者の直前のNO送達システムにレセプタクルが配置されている場合は不要であろう。レセプタクルは、NOを含んだガスを呼吸する患者の直前で全てのNO2をNOに変換することができ、これにより、装置がガス中のNO2の存在を警告する必要がない。
さらに、吸入機器、ガスライン、又はガス管の出口の近傍に配置されたレセプタクルは、該吸入機器、該ガスライン、又は該ガス管の通過時に起こるNO2の生成に関連した問題を軽減又は排除することもできる。従って、レセプタクルの使用は、従来の適用例では必要であるガス配管を通るガスの迅速な輸送を保障する必要性を低減又は排除することができる。また、レセプタクルにより、NOガスをガスバルーンと共に使用して患者に供給される全てのガスを制御することができる。
あるいは、又はこれに加えて、NO2除去レセプタクルを、送達システムの患者への取り付け具の直前に挿入して、さらに安全性を高め、微量の有毒なNO2も全て除去されるようにすることができる。NO2除去レセプタクルは、微量のNO2を全て除去するために使用されるレセプタクルとすることができる。あるいは、NO2除去レセプタクルは、加熱活性化アルミナを含み得る。サイズが8〜14のメッシュであるASOS-212と指定された、例えば、Fisher Scientific International社から供給される加熱活性化アルミナを含むレセプタクルは、空気流又は酸素気流からの低レベルのNO2の除去で有効であり得、しかもNOガスを損失なく輸送することができる。活性化アルミナ、及び活性化アルミナのように表面積の大きい他の材料を使用してNO2をNO吸入ラインから除去することができる。
別の例では、レセプタクルを使用して、治療ガスの送達のためにNOを生成することができる。一酸化窒素放出剤をNOに変換するレセプタクルの有効性により、二酸化窒素(気体もしくは液体)又は四酸化二窒素をNOの供給源として使用できる。二酸化窒素又は四酸化二窒素が、NOを生成するための供給源として使用される場合は、NOガスを送達システムに供給するための加圧ガス容器がなくても良い。NOを供給するための加圧ガス容器の必要性をなくすことにより、送達システムは、NOガスの加圧ガス容器からNOガスを患者に送達するために使用される従来の装置と比較して単純化することができる。加圧ガス容器を使用しないNO送達システムは、加圧ガス容器に依存する従来のシステムよりも持ち運びが容易であろう。
一部の送達システムでは、ガス中の一酸化窒素放出剤の量は、患者に送達されるべき一酸化窒素の量にほぼ等しくすることができる。例えば、治療量の20 ppmの一酸化窒素が患者に送達される場合は、20 ppmの一酸化窒素放出剤(例えば、NO2)を含むガスをガス容器又は拡散管から放出させることができる。患者に送達するために、20 ppmの一酸化窒素放出剤を含むガスを1つ以上のレセプタクルを通過させて20 ppmの一酸化窒素放出剤を20 ppmの一酸化窒素に変換することができる。しかしながら、他の送達システムでは、ガス中の一酸化窒素放出剤の量は、患者に送達されるべき一酸化窒素の量よりも多くすることもできる。例えば、800 ppmの一酸化窒素放出剤を含むガスを、ガス容器又は拡散管から放出させることができる。800 ppmの一酸化窒素放出剤を含むガスを1つ以上のレセプタクルに通して、800 ppmの一酸化窒素放出剤を800 ppmの一酸化窒素に変換することができる。次いで、患者に送達するために、800 ppmの一酸化窒素を含むガスを酸素(例えば、空気)を含むガスで希釈して、20 ppmの一酸化窒素を含むガス混合物を得ることができる。従来、送達システムのライン又は管で、一酸化窒素を含むガスと酸素を含むガスとを混合して一酸化窒素の濃度を希釈する。一酸化窒素を含むガスと酸素を含むガスとの混合は、二酸化窒素が生成し得るため問題が起こり得る。この問題を回避するために、2つのアプローチが使用されている。第1に、一酸化窒素が酸素に曝露される時間を最小限にして二酸化窒素の生成を低減するために、ガスの混合を患者インターフェイスの直前のライン又は管で行うことができる。第2に、生成する全ての二酸化窒素を一酸化窒素に戻すために、レセプタクルを、ガスの混合が行われるライン又は管の地点の下流の位置に配置することができる。
これらのアプローチは、患者に送達されるガス中の二酸化窒素レベルを最小限にすることができるが、これらのアプローチにはいくつかの欠点がある。重要なことに、これらのアプローチは両方とも、システムのライン又は管で一酸化窒素を含むガスと酸素を含むガスとを混合する。1つの問題は、ガス送達システムのライン及び管が限定された容積を有し得、混合のレベルが制約され得ることであり得る。さらに、ガス送達システムのライン及び管内のガスが、圧力及び流量の変化を受け得る。圧力及び流量の変化により、送達システム全体における混合物中の各ガスの分布量が不均等になり得る。さらに、圧力及び流量の変化により、一酸化窒素がガス混合物中の酸素に曝露される時間が変動し得る。この1つの顕著な例は、送達システムを流れるガスを脈動させる人工呼吸器の使用時に起こる。圧力の変化、流量の変化、及び/又はガスが混合されるラインもしくは管の限定された容積により、ガスの混合が不規則であり得、送達システムの任意の2点間で一酸化窒素、二酸化窒素、一酸化窒素放出剤、及び/又は酸素の量が異なることになる。
これらの問題に対処するために、レセプタクルを使用して第1のガスと第2のガスを混合することができる。第1のガスは、酸素を含むことができる;より具体的には、第1のガスは空気とすることができる。第2のガスは、一酸化窒素放出剤及び/又は一酸化窒素を含み得る。第1のガスと第2のガスをレセプタクル内で混合してガス混合物を形成することができる。この混合は、レセプタクル内のミキサによって行われる能動的な混合とすることができる。例えば、ミキサは、可動支持体とすることができる。レセプタクル内の混合は、受動混合、例えば、拡散の結果とすることもできる。
図2a、図2b、及び図2cに示されているように、レセプタクル200は、ガス導管225に接続することができる。酸素を含む第1のガス230は、ガス導管225を介してレセプタクル200に連通させることができる。第1のガスのガス導管を介した連通は、連続的でも良いし、又は間欠的でも良い。例えば、第1のガスの間欠的な連通は、1回以上のパルスでの第1のガスのガス導管を介した連通を含み得る。第1のガスのガス導管を介した間欠的な連通は、ガスバッグ、ポンプ、手動ポンプ、麻酔器、又は人工呼吸器を用いて行うことができる。
ガス導管はガス供給源を含み得る。ガス供給源は、ガス容器、ガスタンク、透過セル、又は拡散管を含み得る。ガス容器、ガスタンク、透過セル、又は拡散管を含む一酸化窒素送達システムは、例えば、それぞれ引用により全容が本明細書中に組み込まれている米国特許第7,560,076号及び同第7,618,594号に記載されている。あるいは、ガス供給源は、それぞれ引用により全容が本明細書中に組み込まれている米国特許出願第12/951,811号、同第13/017,768号、及び同第13/094,535号に記載されているようにレザバ及びリストリクタを含み得る。ガス供給源は、引用により全容が本明細書中に組み込まれている米国特許出願第13/492,154号に記載されているように圧力容器を含み得る。ガス導管は、1つ以上の追加のレセプタクルも含み得る。一酸化窒素レベルを検出する1つ以上のセンサ、二酸化窒素レベルを検出する1つ以上のセンサ、酸素レベルを検出する1つ以上のセンサ、1つ以上の加湿器、弁、管もしくはライン、圧力制御装置、流量制御装置、較正システム、及び/又はフィルタを含む追加の構成要素もガス導管に含めることができる。
第2のガス240も、レセプタクル200に連通させることができる。第2のガスは、図2b及び図2cに示されているようにガス導管に供給することができる。好ましくは、第2のガス240は、図2bに示されているように、レセプタクル200の直前でガス導管225に供給することができる。第2のガス240は、ガス導管225に接合又は接続することができる第2のガス導管235を介して該ガス導管225に供給することができる。第2のガス240がガス導管225に供給されると、第1のガス230及び第2のガス240の両方が、混合用のレセプタクル200の入口205に連通することができる。あるいは、第2のガス240は、図2aに示されているようにレセプタクル200に供給することができる。例えば、第2のガス240は、レセプタクル200の入口205に直接供給することができる。
第1のガス230及び第2のガス240がレセプタクル200内に進入すると、該第1のガス230と該第2のガス240が混合して、酸素と、一酸化窒素、一酸化窒素放出剤(二酸化窒素とすることができる)、及び二酸化窒素の1つ以上を含むガス混合物242を形成することができる。ガス混合物242は、レセプタクル内の担体220上に存在し得る還元剤に接触することができる。還元剤は、ガス混合物中の一酸化窒素放出剤及び/又は二酸化窒素を一酸化窒素に変換することができる。
次いで、一酸化窒素を含むガス混合物245を哺乳動物、最も好ましくはヒト患者に送達することができる。ガス混合物中の一酸化窒素の濃度は、少なくとも0.01 ppm、少なくとも0.05 ppm、少なくとも0.1 ppm、少なくとも0.5 ppm、少なくとも1 ppm、少なくとも1.5 ppm、少なくとも2 ppm、又は少なくとも5 ppmとすることができる。ガス混合物中の一酸化窒素の濃度は、最大100 ppm、最大80 ppm、最大60 ppm、最大40 ppm、最大25 ppm、最大20 ppm、最大10 ppm、最大5 ppm、又は最大2 ppmとすることができる。
一酸化窒素を含むガス混合物のレセプタクル200から哺乳動物への送達は、該ガス混合物を送達導管に通すことを含み得る。送達導管255は、レセプタクル200と患者インターフェイス250との間に配置することができる。一部の実施態様では、送達導管255は、レセプタクル200の出口210及び/又は患者インターフェイス250に接続することができる。図2a、図2b、及び図2cに点線で示されているように、送達導管は、追加の構成要素、例えば、加湿器又は1つ以上の追加のレセプタクルを含み得る。
ガス混合物の送達は、ガス混合物を哺乳動物に連続的に供給することを含み得る。ガス混合物の送達が、ガス混合物を哺乳動物に連続的に供給することを含む場合は、レセプタクルの容積を、送達導管の容積よりも大きくすることができる。相対的に大きいレセプタクルの容積により、送達の前にガス混合物が完全に混合されるようにすることができる。一般に、レセプタクルの容積の送達導管の容積に対する比率が増加するにつれて、より完全な混合が起こり得る。好ましい混合のレベルは、レセプタクルの容積が送達導管の容積の少なくとも2倍であるときに達成され得る。レセプタクルの容積は、送達導管の容積の少なくとも1.5倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、又は少なくとも5倍とすることができる。
レセプタクルの容積が、送達導管の容積又は該送達導管内のガス混合物の体積よりも大きい場合は、該ガス混合物が該レセプタクルから哺乳動物に直接供給されるのではなく、該レセプタクル又は該送達導管で遅延し得る。この遅延が、ガスの混合に必要な時間を与えることができ、NO濃度が呼吸中に一定に維持される。
この遅延により、レセプタクル内にガス混合物が保持されることになり得る。ガス混合物は、設定時間の間、レセプタクル内に保持することができる。この設定時間は、少なくとも1秒間、少なくとも2秒間、少なくとも6秒間、少なくとも10秒間、少なくとも20秒間、少なくとも30秒間、又は少なくとも1分間とすることができる。
ガス混合物の遅延(即ち、ガス混合物のレセプタクル内での保持)によって起こる混合は有効であり得るため、呼吸内変動が、予め混合されたガスが供給される理想的な条件下で達成され得る呼吸内変動と同一であり得る。これは、「完全混合」と呼ばれることもある。連続的な送達では、これは、哺乳動物に送達されるガス混合物中の一酸化窒素の濃度が、一定時間(例えば、少なくとも1分間、少なくとも2分間、少なくとも5分間、少なくとも10分間、又は少なくとも30分間)一定に維持されることを意味し得る。濃度を一定に維持する場合、この濃度は、送達に望ましい濃度の最大±10%、最大±5%、又は最大±2%の範囲に維持することができる。
ガス混合物の送達は、ガス混合物を哺乳動物に間欠的に供給することを含み得る。ガス混合物の間欠的な送達は、第1のガス又は第2のガスのシステムへの間欠的な連通の結果であり得る。前記別の方法では、第1のガス又は第2のガスのガス導管を介した間欠的な連通は、圧力のかかる領域を増大することになり得、この領域がレセプタクルに及んで、ガス混合物の間欠的な連通をもたらし得る。間欠的な送達は、ガスバッグ、ポンプ、手動ポンプ、麻酔器、又は人工呼吸器を用いて行うことができる。
間欠的な送達は、ガス混合物が患者に送達されるオン時間、及びガス混合物が患者に送達されないオフ時間を含み得る。間欠的な送達は、ガス混合物の1回以上のパルス(Pules)を送達することを含み得る。
オン時間又はパルスは、数秒から最大数分もの間持続し得る。一実施態様では、オン時間もしくはパルスは、1秒間、5秒間、10秒間、15秒間、20秒間、25秒間、30秒間、35秒間、40秒間、45秒間、50秒間、55秒間、又は60秒間持続し得る。別の実施態様では、オン時間又はパルスは、1分間、2分間、3分間、4分間、又は5分間持続し得る。好ましい一実施態様では、オン時間又はパルスは、0.5〜10秒間、最も好ましくは1〜6秒間持続し得る。
間欠的な送達は、複数のオン時間又はパルスを含み得る。例えば、間欠的な送達は、少なくとも1回、少なくとも2回、少なくとも5回、少なくとも10回、少なくとも50回、少なくとも100回、又は少なくとも1000回のオン時間もしくはパルスを含み得る。
ガス混合物の各オン時間又はパルスのタイミング及び継続時間は予め設定することができる。前記別の方法では、ガス混合物を、1回以上のオン時間又はパルスの予め設定された送達順序で患者に送達することができる。これは、例えば、麻酔器又は人工呼吸器を用いて達成することができる。
ガス混合物の送達が、ガス混合物を哺乳動物に間欠的に供給することを含む場合は、レセプタクルの容積は、1回のパルス又はオン時間のガス混合物の体積よりも大きくすることができる。相対的に大きいレセプタクルの容積により、ガス混合物が送達の前に完全に混合されるようにすることができる。一般に、哺乳動物に送達される1回のパルス又はオン時間のガス混合物の体積に対するレセプタクルの容積の比率が増加するにつれて、より完全な混合が起こり得る。好ましい混合のレベルは、レセプタクルの容積が1回のパルス又はオン時間のガス混合物の体積の少なくとも2倍であるときに達成され得る。レセプタクルの容積は、1回のパルス又はオン時間のガス混合物の体積の少なくとも1.5倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、又は少なくとも5倍とすることができる。
レセプタクルの容積が、1回のパルス又はオン時間のガス混合物の体積よりも大きい場合は、該ガス混合物が該レセプタクルから哺乳動物に直接送達されるのではなく、1回以上のパルス又はオン時間に該レセプタクル又は送達導管で遅延し得る。この遅延が、ガスの混合に必要な時間を与えることができ、NO濃度が、送達パルス又はオン時間と送達パルス又はオン時間との間、一定に維持される。
オフ時間の結果としての保持に加えて、体積又は容積の相違によって生じる遅延により、ガス混合物がレセプタクル内に保持されることになり得る。ガス混合物は、レセプタクル内に設定時間保持することができる。設定時間は、パルスもしくはオン時間の最中、又はパルスもしくはオン時間とパルスもしくはオン時間との間とすることができる。設定時間は、少なくとも1秒間、少なくとも2秒間、少なくとも6秒間、少なくとも10秒間、少なくとも20秒間、少なくとも30秒間、又は少なくとも1分間とすることができる。
ガス混合物の遅延(即ち、ガス混合物のレセプタクル内での保持)によって起こる混合は有効であり得るため、呼吸内変動が、予め混合されたガスが供給される理想的な条件下で達成され得る呼吸内変動と同一であり得る。間欠的な送達は、2回以上のパルス又はオン時間でガス混合物を供給することを含む。間欠的な送達を使用すると、各パルス又はオン時間の一酸化窒素の濃度の変動は、10%未満、5%未満、又は2%未満であり得る。言い換えれば、第1のパルスの一酸化窒素の濃度と第2のパルスの一酸化窒素の濃度との間の変動は、第1のパルスの一酸化窒素の濃度の10%未満(又は5%もしくは2%未満)である。別の実施態様では、間欠的な送達を使用すると、各パルス又はオン時間の一酸化窒素の濃度の変動は、10 ppm未満、5 ppm未満、2 ppm未満、又は1 ppm未満であり得る。前記別の方法では、第1のパルスの一酸化窒素の濃度と第2のパルスの一酸化窒素の濃度との間の差異は、10 ppm未満、5 ppm未満、2 ppm未満、又は1 ppm未満である。
図3は、レセプタクルがガスの混合に使用されるシステムの一実施態様の流路の概略図を示している。この構成では、一酸化窒素放出剤を含むガス供給源は、空気中のNO2、例えば、空気中800 ppmのNO2の容器とすることができる。あるいは、ガス供給源は、液体供給源に由来しても良い。液体供給源が使用される場合は、該供給源の濃度が変動し得る。場合によっては、NO2 の濃度は、約1000 ppmから約50 ppmまでとすることができる。液体供給源からのNO2 の濃度は、該供給源の温度を制御することによって制御することができる。
図3に示されている実施態様は、吸気の間に一定の濃度のNOを供給できることを実証している。図3に混合レセプタクルとして示されているレセプタクルの機能は以下を含み得る:
(1)ラインで生成し得る全てのNO2をNOに変換する。
(2)吸入の前に患者回路でNOを十分に混合する。
図4は、20 ppmのNOを送達するように構成された、図3で具現化されたシステムの典型的な応答を示している。NO2値(底部)が示されている(右側の軸)。これらの測定値は、システムの一部である電気化学ガス分析装置を用いて得られた。NO2レベルは、NOレベルが20 ppmであるときは本質的に0であり得ることに留意されたい。中間のプロットによって示されているように、人工呼吸器の流量が示されている(左側の軸)。最悪の状況に焦点を当てるために、人工呼吸器のバイアス流れを0に設定した。
システムは、表1に示されているように設定された乳児用人工呼吸器(Bio-Med Devices CV2+)を用いて21%の酸素中20 ppmのNOを送達した。呼吸速度が遅いと呼気中の停止が長いため、NO混合の最悪のケースとして遅い呼吸速度を使用した。
Figure 2016500550
NO測定値は、製品仕様の範囲内であった(±20%)。レセプタクル内でのNO2のNOへの変換は、混合による遅延によって起こるNO2の生成を上回る。
上記説明されたように、混合は、レセプタクルの容積が人工呼吸器のパルスの体積を超える場合に起こり得る。例えば、6000 ml/分及び40呼吸/分では、パルスの体積は150 mlである。混合チャンバの容積がこの体積の2倍を超えれば、良好な混合が起こり得る。
他方、図5は同じ反応を示しているが、患者と直列である図3に混合レセプタクルとして示されているレセプタクルを使用していない。NO2レベルは、約0.6 ppmと測定され、この値は新生児には許容され得ない。レセプタクルは、生成した全てのNO2をNOに変換する。これらの2つの図面は、レセプタクルがNO2をNOに変換する効果を明確に実証している、即ち、レセプタクルは、患者で測定されるNO2レベルを0.6 ppmから0 ppmに低下させた。
レセプタクルの混合性能を、90%立ち上がり時間が250ミリ秒の高速化学ルミネセンス検出器を用いて評価した。一酸化窒素の呼吸内変動を検出するために超高速NO検出器が必要であった。
図6は、ガスを混合するレセプタクルを用いていない(混合機能のない)システムの応答を示している。このチャートは、図5に示されているNO波形の高速バージョンを示している。底部の線は、人工呼吸器の流量を示している。図から分かるように、レセプタクルが存在しないため、吸気時間中に30 ppmの一酸化窒素のスパイク(上部)が生じた。この大きさの呼吸内変動は許容範囲ではない。
従来の技術は、人工呼吸器回路における急激な呼吸内流量の変化を追跡し、流量センサからの電子信号を使用してNOを回路に導入する弁を同期させることによってこの問題を一部解消している。これは、困難で複雑な電子的な解決策であり、高速センサ、及びリアルタイムで動作する超高速コンピュータアルゴリズムを必要とする。実行することが困難であるため、FDA(米国食品医薬品局)は(指針書で)、これらの一時的な濃度の全期間が呼吸の体積測定期間の10%を超えなければ、NOが平均の0〜150%の範囲で変動することを認めている。
図7は、レセプタクルを含む図4の高速NOバージョンを示している。高速検出器は、図6に使用されている同じ人工呼吸器設定で僅か1 ppmの呼吸内変動も検出することができた。(図4では、電子化学セル及び関連電子機器の応答時間が呼吸間の時間よりも著しく長いため、NO測定値に脈動が示されていない。)相違は、混合機能を果たすレセプタクルの追加だけであった。
NOガスが予め混合され、人工呼吸器を用いて直接送達される場合に理想的な混合が起こり得る。この完全な混合条件は、脈動条件下で化学ルミネセンス測定値を検証するためにベースラインを提供することができる。ブレンダを使用して800 ppmのNOを空気と予め混合して、人工呼吸器のみを用いて送達されるべき20 ppmのガスを生成した。人工肺に送達されるNOを測定するために化学ルミネセンスを使用した。図8はこの結果を示している。NOプロット(上部)のピークから、化学ルミネセンス装置が、流れの脈動性による影響を受けたことが分かる(底部)。NO測定値はほぼ平坦であるが、ある程度の変動がなお存在した。
図9は、同じ実験を示しているが、システムは、呼吸回路にレセプタクルを含む。NO測定値(上部)に小さい振幅の振動が存在した。これらの単純な実験から、人工呼吸器からの脈動流が、化学ルミネセンス装置を用いて完全に平坦なNO応答を実現することができると結論付けられた。さらに、これらの振動は、人工呼吸器の流量測定値(底部)と同期しているため、呼吸回路における圧力変化によるものであり得る。カートリッジ内での混合によって達成された呼吸内変動は、予め混合されたガスを用いて達成できる理想的な呼吸内変動と区別できなかった。加えて、NO2不純物レベルはほぼ0.0 ppmに低減される。
呼吸回路への一定のNOの注入は、レセプタクルが十分な容積を有するミキサであり、かつ該回路からNO2を除去する又はNO2をNOに変換することができるのであれば、単純かつ実行可能な技術であり得る。
1つ以上の実施態様の詳細が、添付の図面及び詳細な説明に記載されている。他の特徴、目的、及び利点は、詳細な説明、添付の図面、及び特許請求の範囲から明らかであろう。本発明の多数の実施態様が説明されてきたが、本発明の概念及び範囲から逸脱することなく様々な変更が可能であることを理解されたい。また、添付の図面は、必ずしも縮尺通りである必要はなく、本発明の様々な特徴及び基本原理のやや簡易な表現を示していることを理解されたい。

Claims (20)

  1. 一酸化窒素を送達する方法であって:
    酸素を含む第1のガスと一酸化窒素放出剤を含む第2のガスをレセプタクル内で混合してガス混合物を形成するステップであって、該レセプタクルが入口、出口、及び還元剤を有する、該ステップ;
    該ガス混合物中の該一酸化窒素放出剤を該還元剤に接触させて一酸化窒素を生成するステップ;及び
    該一酸化窒素を含むガス混合物を該レセプタクルから哺乳動物に送達するステップを含む、前記方法。
  2. 前記一酸化窒素放出剤が二酸化窒素である、請求項1記載の方法。
  3. 前記第1のガスが空気を含む、請求項1又は2記載の方法。
  4. 前記第2のガスが不活性ガス又は酸素を含む、請求項1〜3のいずれか一項記載の方法。
  5. 送達される前記ガス混合物中の一酸化窒素の濃度が、少なくとも0.01 ppmであり、最大2 ppmである、請求項1〜4のいずれか一項記載の方法。
  6. 前記哺乳動物がヒトである、請求項1〜5のいずれか一項記載の方法。
  7. 前記一酸化窒素を含むガス混合物を前記レセプタクルから哺乳動物に送達するステップが、該ガス混合物を、該レセプタクルと患者インターフェイスとの間に配置された送達導管に通すステップを含む、請求項1〜6のいずれか一項記載の方法。
  8. 前記レセプタクルの容積が送達導管の容積よりも大きい、請求項7記載の方法。
  9. 前記レセプタクルの容積が送達導管の容積の少なくとも2倍である、請求項7又は8記載の方法。
  10. 前記一酸化窒素を含むガス混合物を前記レセプタクルから哺乳動物に送達するステップが、該ガス混合物を該哺乳動物に間欠的に供給するステップを含む、請求項1〜9のいずれか一項記載の方法。
  11. 前記一酸化窒素を含むガス混合物を前記レセプタクルから哺乳動物に送達するステップが、該ガス混合物をパルス注入するステップを含む、請求項1〜10のいずれか一項記載の方法。
  12. 前記パルス注入するステップが、前記ガス混合物を、1〜6秒の1回以上のパルスで供給するステップを含む、請求項11記載の方法。
  13. 前記レセプタクルの容積が、1回のパルスの前記ガス混合物の体積よりも大きい、請求項11又は12記載の方法。
  14. 前記レセプタクルの容積が、1回のパルスの前記ガス混合物の体積の少なくとも2倍である、請求項11〜13のいずれか一項記載の方法。
  15. 前記ガス混合物が、パルス間に前記レセプタクルに保持される、請求項11〜14のいずれか一項記載の方法。
  16. 前記ガス混合物を前記レセプタクル内に設定時間保持するステップを含み、該設定時間が少なくとも1秒である、請求項1〜15のいずれか一項記載の方法。
  17. 前記パルス注入するステップが、前記ガス混合物を2回以上のパルスで供給するステップを含み、該各パルスの一酸化窒素濃度の変動が10%未満である、請求項11〜15のいずれか一項記載の方法。
  18. 前記パルス注入するステップが、前記ガス混合物を2回以上のパルスで供給するステップを含み、該各パルスの一酸化窒素濃度の変動が10 ppm未満である、請求項11〜15又は17のいずれか一項記載の方法。
  19. 前記第1のガスをガス導管を介して前記レセプタクルに連通させるステップ、及び前記第2のガスを、該レセプタクルの直前で該ガス導管に供給するステップを含む、請求項1〜18のいずれか一項記載の方法。
  20. 前記第2のガスを前記レセプタクルに供給するステップを含む、請求項1〜18のいずれか一項記載の方法。
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