JP2016536603A - 工作機械内で使用するための粗さ測定機器及び工作機械内で粗さ測定する方法 - Google Patents

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Abstract

表面粗さに関して特徴的な測定量を測定するための多方向粗さ測定挿入体において、フィーラピンを収容するためにフィーラピン収容部が配置された支持体と、支持体の運動をワークピースの表面粗さに関して特徴的な測定信号に変換するアナログセンサと、ロッド状シャフトと、該シャフトに取り付けられたフィーラヘッドを有する、支持体に結合されるべきフィーラピンを含み、該ヘッドが、少なくとも該シャフトの1区分に対してほぼ回転対称的な試験体の少なくとも1区分であるか、該ヘッドが、該シャフトの少なくとも1区分の遠位端部に配置された、ほぼ回転対称的な試験体の少なくとも1区分であり、試験体が二重円錐又は二重円錐台形態を有し、試験体の最大直径の領域が、ワークピースの被測定表面との接触個所として形成され、接触個所が2つの二重円錐又は二重円錐台外套面によって形成され、接触個所が、試験体の最大直径の領域内で丸く面取りされている。【選択図】図1

Description

本明細書には、工作機械内で加工されたワークピースの粗さを測定する方法が記載される。さらに、このために具体的に構成された測定フィーラ、及びこのために具体的に構成されたフィーラ先端のような、相応する装置構成部分についても述べられる。この詳細は請求項に定義されているが、しかし明細書及び図面も、構造及び機能形式、並びに方法及び装置構成部分の変形例に関連する情報を含んでいる。
工作機械内で加工されたワークピースにおいて、ワークピースの表面に対する本質的な要件は、ワークピース表面によって発揮されるべき機能(例えば支承面、伝導性、可視面、付着強度、摩擦、シール性)に照らして表面が低廉に製造されていることである。このために、表面の特性(例えば僅かな摩擦、大きい接触面、定義された最小粗さ、鋭い山、僅かな摩耗)をできる限り正確に定義づけ、生産過程で試験することによって、予定された表面機能を最適に発揮し得るようにしなければならない。
実際のワークピース表面(実際表面)は、その理想的な形(目標表面)からずれている。このような差異は複数のカテゴリーに分類される。実際表面は種々異なる波長の波(Wellen)に分けられる。ここで波長は形態偏差(Gestaltabweichungen)の次数とともに減少する(一次:形状偏差、二次:うねり(Welligkeit)、三次:粗さ−溝、四次:粗さ−筋、スケール、円頂)。
ワークピースの表面特性値を測定するために、触覚的測定装置がしばしば使用される。触覚的測定装置の場合、粗さ測定に際しては、ダイヤモンド先端を用いて表面を走行する。このような装置はたいていの場合、誘導変換器を有している。ダイヤモンド先端を備えたフィーラは溝方向に対して垂直に、ワークピース表面全体にわたって走行し、フィーラ先端の垂直方向の行程は誘導変換器内で電気信号に変換される。一次プロフィールのこのような測定信号は普通、アナログ−デジタル変換器を用いて解析コンピュータ内に読み込まれる。
このような表面試験装置は一方向で作業する。すなわちダイヤモンド先端を備えたフィーラはワークピース表面に対して単一の方向でのみ引っ張ることができる。このような表面試験装置は3つの構成部分、つまりフィーラと、送り装置と、ディスプレイ及びドキュメンテーション部を備えた解析装置とを有している。
フィーラはフィーラ先端の鉛直運動を電気的信号に変換する。このために、フィーラは高精度に支承されたフィーラ先端と、誘導変換器とを有している。さらに、フィーラはスキッド(Gleitkufe)によって補足することができる。多様な被測定ジオメトリ、例えば面、軸、孔、インボリュートなどのために多様な種々異なるフィーラ形態が存在する。基本的にはフィーラは、シングルスキッド型フィーラ、ダブルスキッド型フィーラ、及び基準平面フィーラとの間で区別される。スキッドを備えたフィーラは特に手持ち式装置に使用される。スキッドはうねりに追従する。スキッドは高域フィルタとして作用し、プロフィールの肉眼的形状を無視する。スキッドフィーラは形状及びうねりに関する正確なデータを提供しない。このようなフィーラは特に小規模工場の領域で使用される。基準平面フィーラシステムは基準面に対して測定を行い、ひいては一次プロフィールのほとんど変造されていない画像を提供する。フィーラ先端として、丸く面取りされた先端を備えたダイヤモンド円錐体が使用される。フィーラ先端の公称値は先端半径(例えば2μm、5μm、又は10μm)、並びに例えば60°又は90°の、ダイヤモンド円錐体の円錐角、つまりその先端の角度である。
送り装置はワークピース表面全体にわたってプローブを連続的に一定の速度で案内する。送り装置は、基準平面を備えたもの、及び基準平面を備えていないもの、並びに回転送り装置の間で区別される。たいていの測定装置は、基準平面が組み込まれた送り装置を有している。これらの測定装置は、スキッドの有無とは関係なしにフィーラの使用を可能にする。基準平面を備えていない送り装置は、専らスキッドフィーラの使用だけを可能にする。スキッドを備えていないフィーラと組み合わされた、基準平面が組み込まれた送り装置だけが形状、うねり、及び粗さの正確な検出を可能にする。形状測定の正確さは何よりも、基準平面の正確さに依存する。回転送り装置は、円筒形試料を定置のフィーラの下側で回転させる。ワークピースの回転誤差をスキッドフィーラの使用によって排除することができる。
しかしながら、このような種類の表面試験装置は、ワークピースを工作機械のスピンドルから外し、その粗さを測定するために表面試験装置内に導入しなければならない限りにおいて、ワークピース生産中の使用時には問題をはらむ。これが不都合な理由は、ワークピースを工作機械内に再び締め付けることにより、通常、前に実施された加工ステップと比較して、さらなる加工時に寸法安定性が失われてしまう点にある。従って一般には、ワークピースの表面特性は、工作機械内の加工終了後に初めて試験される。しかしこうすると、後加工は例外時にしか可能でない。例えば所要の表面特性が満たされていないときには、そのワークピースは廃棄物に数えられる。
従って工作機械内の加工中にワークピースの表面特性を試験するためには、加工プロセスを止め、工作機械の作業空間に作業者がアクセスできるようにしなければならない。次いで作業者は手動式の表面試験装置によって、ワークピースの所要の表面特性の有無を検査することができる。
続いて、測定結果を次のように分析して評価することができる。すなわち、
a)所要の表面特性が得られた。ワークピースは正常である、
b)所要の表面特性が得られなかった。ワークピースは正常ではないが、しかし後加工することができる、或いは、
c)所要の表面特性が得られなかった。ワークピースは正常ではなく、後加工することもできない。
今や、場合によっては加工を続行することができる。
しかしながら、このようなシーケンスは多大な時間がかかるので、せいぜいのところ製造ロットの統計的検査のために実施することはできるものの、それぞれ個別のワークピースの所要の表面特性を検査するために行うことはできない。
さらに、統計的検査の過程で次のことを確定することができる。
a)工具が正常である、
b)加工パラメータ(送り、回転数、切削深さなど)が正常である、
c)加工条件が正常である(工作機械の振動、スピンドルの回転など)。
さらに、ポータブル試験装置が全くアクセスできない表面もある。
さらに、所与のジオメトリ状態、及び周知の表面試験装置の測定原理に基づいて、ワークピースに設けられた孔の表面特性の測定はせいぜいのところ孔の長手方向において可能であるものの、周囲に沿っては可能ではない。ダイヤモンド先端を備えたフィーラを、例えば5mmから例えば150mmまでの孔の周囲線に沿ってワークピースの孔の表面全体にわたって案内し、その際に孔の表面に対して直角方向のフィーラ先端の行程を検出することは、例えば空間的に不可能である。このような測定は従来、実験室条件下で特殊な装置によってのみ可能である。
従って表面粗さの判定はこれまで、下流側の検査ステップとしてのみ、又は締め付けられたワークピースにおいて行われる手動作業過程としてのみ可能である。カッティングエッジの摩耗又は微小な折れにもかかわらず、製作寸法はいくつかの加工ステップではまだ許容誤差内又は介入限界内にあることがあり、これに対して表面粗さは既に仕様範囲外にあることがある。表面品質のプロセス密接型の(prozessnahe)監視のために不足している部材は、工作機械内で全自動式に使用される粗さ測定装置である。手動式の内部の粗さ測定も、古典的な外部の粗さ測定もこのように実践指向の解決手段ではない。
工作機械内で輪郭測定する装置及び方法が従来技術に基づき公知である。この関連において、ある特許文献に記載された測定システムは、工作機械内で定置の工具及び回転工具を接触測定するために多方向測定フィーラ装置を有している(例えば、特許文献1参照。)。測定システムは輪郭測定を行うために、角錐状又は円錐(台)状の形態を有する種々異なるフィーラエレメントを有するものとして開示されている。しかしながらこの場合、測定フィーラを用いては、定置の工具の測定値しか求められない。ワークピース測定にはこのような装置は適していない。
また、別の特許文献に基づき公知の、輪郭測定を行うための別の多方向測定フィーラは、交換可能なフィーラピンのための収容部を有している(例えば、特許文献2参照。)。この文献にはさらに、球形又はディスク形のフィーラヘッドを備えた種々異なるフィーラピンが記載されている。さらに、複数の半球形及びディスク形の接触個所ジオメトリを備えたフィーラヘッドが記載されている。これらのフィーラヘッドは接触方向に応じて使用される。
粗さ測定装置が、別の特許文献に基づき公知である(例えば、特許文献3参照。)。この文書は、フィーラピンを有するフィーラピン構造を備えた振動検出システムを開示しており、フィーラピンは傾斜円筒として形成されており、ディスク形の接触個所を有している。
ある非特許文献には、輪郭及び粗さを測定するためのフィーラシステム及びフィーラピンが開示されている(例えば、非特許文献1参照。)。この刊行物は、粗さ測定のために規定された、ダイヤモンドを有する2つの円錐形フィーラ先端を開示している。
輪郭及び粗さを測定する別の装置並びに方法が、別の特許文献に開示されている(例えば、特許文献4参照。)。この文献には、表面の輪郭及び粗さを測定するための機器が記載されており、この機器は、少なくともフィーラピン又はフィーラピンホルダが交換されたときに、測定される値に対する測定力を調整することができる。
最後に、別の特許文献には、工作機械内で輪郭及び粗さを測定する装置及び方法が開示されている(例えば、特許文献5参照。)。この装置は、工作機械内の工具の個所に装着することができる。
独国特許出願第1020070412721号 独国特許第10262188号 独国特許出願第10206146号 独国特許出願第19947001号 米国特許出願公開第2002/0059041号
Precitool Werkzeughandel社の企業刊行物Praezisionswerkzeuge, Precicom 225
ワークピース上の表面特性、特に表面部分領域の粗さを測定するために、生産性を高め、可能な限り高い品質要件を満たす方法及び/又は装置を提供するべきである。
従って、表面の粗さに関して特徴的な測定量を測定するための多方向粗さ測定挿入体であって、フィーラピンを収容するためにフィーラピン収容部が配置された支持体と、支持体の運動をワークピースの表面の粗さに関して特徴的な測定信号に変換するアナログセンサと、ロッド状シャフト及びシャフトに取り付けられたフィーラヘッドを有する、支持体に結合されるべきフィーラピンとを含み、フィーラヘッドが、少なくともロッド状シャフトの1区分に対してほぼ回転対称的な試験体の少なくとも1区分であり、或いは、フィーラヘッドが、ロッド状シャフトの少なくとも1区分の遠位端部に配置された、ほぼ回転対称的な試験体の少なくとも1区分である、多方向粗さ測定挿入体が提案される。ほぼ回転対称的な試験体は二重円錐形態又は二重円錐台形態を有している。試験体の最大直径(赤道)の領域は、ワークピースの被測定表面との接触個所として形成されており、接触個所は2つの二重円錐外套面又は二重円錐台外套面によって形成されており、接触個所は、試験体の最大直径の領域内で丸く面取りされている。
このような配置は、工具の代わりに工作機械のスピンドル内でアナログ測定用の測定フィーラを使用することを可能にする。さらに、粗さ測定のために、アナログ測定機能を有する測定フィーラと、ここに記載されたフィーラピンとが組み合わされる。測定フィーラはアナログ感知測定フィーラである。アナログ感知測定フィーラは、粗さ測定のために工作機械のスピンドル内へ導入され、測定データ又は測定フィーラ内に位置するプロセッサにおいて測定データから計算された粗さ値などを無線で(赤外線インターフェイス又はラジオインターフェイスによって)、又は有線接続された状態で工作機械の制御装置へ伝送する。アナログ感知測定フィーラは測定挿入体のフィーラ先端の変位の増減を再現する測定信号を供給する。このことは、フィーラピンがその休止位置から所定の量だけ変位させられるとオン・オフ切り換え信号又はオフ・オン切り換え信号だけしか供給しないデジタル感知測定フィーラとは異なることが判る。
このような測定フィーラの変形例は、小型光バリアの遮断からアナログ測定信号が生成される、例えば回転対称的な測定機構によって機能する。光バリアの遮断開始は、フィーラピンがその休止位置から所定の量だけ変位するときに認識される。アナログ測定信号はさらに、測定挿入体のフィーラ先端がより多く又はより少なく変位させられるときに生じる遮断の増減を再現することもできる。このようにアナログ測定信号が生成される。
粗さ測定挿入体のここに提示された変形例は、具体的に構成されたフィーラピンに結合された測定機構が回転対称的であることに起因して、ワークピースの表面に任意の方向から接触することができる限りにおいて、多方向性である。
多方向粗さ測定挿入体を用いると例えば、孔、又はワークピースにフライス加工された切り欠き内にフィーラピンを走入させ、次いで側方の、孔又はフライス加工部の壁に、粗さ測定挿入体を任意に配向させた状態で接触させることが可能である。このことは従来の粗さ測定装置では可能ではない。それというのも、ダイヤモンド円錐先端を用いた場合、その円錐先端の方向でしか測定することができないからである。
工作機械のスピンドル内で使用することができる多方向粗さ測定挿入体を用いると、工作機械は送り装置として利用される。さらに、工作機械は所要の基準平面をも提供する。
多方向の粗さ測定挿入体の変形例では、粗さ測定挿入体は、環状の支持支承体が形成されたハウジングを有するように構成されている。支持支承体は、X,Y−支承平面と、これに対して垂直な、粗さ測定挿入体の中心軸線Zとを定義する。粗さ測定挿入体は支持体を有しており、この支持体には、フィーラピンを収容するためにフィーラピン収容部が中心に配置されている。粗さ測定挿入体はさらに、伝達部材を有している。伝達部材は、ハウジング内で中心軸線Zに沿って摺動可能に案内されており、これにより支持体の休止位置からの任意の変位を直線運動に変換する。伝達部材はその休止位置において中心軸線Zと少なくとも部分的に整合する。粗さ測定挿入体はさらにアナログセンサを有している。アナログセンサは、伝達部材の直線運動を、ワークピースの表面の粗さに関して特徴的な測定信号に変換する。伝達部材には、ピン状の構成部分又はフィーラピンが結合されている。フィーラピンはロッド状シャフトと、シャフトに取り付けられたフィーラヘッドとを有している。多方向粗さ測定挿入体のフィーラヘッドは、中心軸線Zに対してほぼ回転対称的な試験体の少なくとも1区分を有している。
アナログセンサは上記種類の光バリアであってよい。
多方向粗さ測定挿入体において、ロッド状シャフトは直線状延長部で伝達部材と直接的又は間接的に結合されており、或いは約0°〜約40°で屈曲した状態で伝達部材と直接的又は間接的に結合されていてよい。ロッド状シャフトは約20°〜約30°、好ましくは約25°で屈曲した状態で伝達部材又は支持体と結合されていてよい。このような配置によって表面に到達できない場合、シャフトは90°だけ屈曲することもできる。
多方向粗さ測定挿入体において、特に接触個所は少なくとも、2つの二重円錐外套面又は二重円錐台外套面の区分によって形成されていてよく、接触個所は、試験体の最大直径の領域内で丸く面取りされている。
接触個所は、期待されるべき表面粗さ、ワークピース又は粗さ測定挿入体の送り方向でワークピース又は粗さ測定挿入体が1回転当たり又は1行程当たり進められる距離、又は工具のジオメトリ、ワークピースのジオメトリ、及び材料剛性に応じて確定されていてよい。
多方向粗さ測定挿入体の試験体の接触個所は、最大の直径又は周囲又は半径の領域内で約0.4mm〜約3mmの半径を有し、約30°〜約70°のそれぞれの円錐角を有することができる。試験体の最大周囲、つまり赤道では、試験体は円形形態を有しておらず、楕円形断面、又は円形形状から逸脱したその他の断面形態を有することもできる。
多方向粗さ測定挿入体の試験体の接触個所は、最大直径領域内に約5μm〜約50μmのエッジ半径を有することができる。試験体の接触個所の曲率は一定の値を有することができ、或いは曲率は試験体の接触個所の湾曲領域に沿って変化することができる。後者の変形例は、エッジが試験体の最大直径又は最大周囲、すなわち赤道に、1つの半径で描くことのできるエッジの丸みを有するのではなく、例えば放物線状、又はスプライン曲線状、又はその他のエッジ形状を有する構成を含む。
多方向粗さ測定挿入体において、試験体の接触個所は、最大直径領域内の半径が約1.5mm〜約5mm、又は約0.4mm〜約3mmであり、エッジ半径が約5μm〜約50μmであり、それぞれの円錐角が約30°〜約130°である二重円錐形態又は二重円錐台形態を有することができる。1変形例では、両円錐角は約90°であり、最大直径領域内の半径は約1.5mmであり、エッジ半径はほぼ40μmであってよい。別の変形例では、両円錐角は約120°であり、最大直径領域内の半径は約1.1mmであり、エッジ半径はほぼ10μmであってよい。さらなる変形例では、両円錐角は約60°、最大直径領域内の半径は約1.5mm、エッジ半径はほぼ20μmであってよい。
多方向粗さ測定挿入体の試験体の接触個所は、最大半径の少なくともほぼ軸線方向に配向された送り方向を有することができる。
多方向粗さ測定挿入体は、測定信号から表面の粗さに関して特徴的な少なくとも1つの測定量を検出するために、アナログセンサに接続された処理ユニットを備えていてよく、処理ユニットは粗さ測定挿入体のハウジング内に配置されているか、又はハウジングから分離されている。
このような多方向粗さ測定挿入体による粗さの測定は、凹凸を検出し、接触点の精度を維持するフィーラヘッドの能力に強く依存する。ここに記載した種類の多方向粗さ測定挿入体は、被測定面に物体的に接触するフィーラピンと、フィーラピンの運動を電気的信号に変換するための測定値変換器とを有している。電気的信号は次いでさらに処理される。表面と接触しているフィーラピン部分はフィーラヘッドである。フィーラヘッドは、ワークピースの生産経過中に組み入れられた測定作業に適合したプロフィール形状を有するように構成されている。プロフィール形状の最終的な形状付与に基づき、フィーラヘッドのいくつかのプロフィールが他のプロフィールよりも大きい効果、もしくは被測定面とのより良好な相互作用をもたらす。フィーラピンの大きさ及び形状もしくはプロフィールは周到に選択しなければならない。このような特徴は、粗さ測定中に得られる情報に影響を与える。製造プロセスにおいて工作機械内に位置するワークピースの面の粗さを測定するために、ピン及びフィーラは接触先端又は接触ヘッドを備えた細長いシャフトである。
多方向性測定フィーラのここで開示された変形例では、フィーラピンは、フィーラピンの中心長手方向軸線に対して回転対称的なフィーラヘッドを備えた円筒形ロッド、又は細長い円錐体を有している。ピンは、ボールペンの形状と似た細長いシャフトである。ピンは若干球面状であってよく、これによってピンをより容易に把持することができる。粗さ測定のためのフィーラヘッドは通常、ルビー、硬質金属、又はセラミック材料から成っている。フィーラピン又はフィーラヘッドは、粗さを測定するためにワークピースに接触する。一般には、フィーラヘッドは単一の材料片から成っているが、いくつかのフィーラピン又はフィーラヘッドは、ルビー又はダイヤモンドから形成された挿入体から成っている。この挿入体は、半田付け、押し込み、又は接着によってヘッド内へ挿入されている。フィーラヘッドの材料は測定に影響を与えることができる。フィーラヘッドは例えば合成単結晶ルビーから成るAl23ルビー体、プレス硬質のSi34から成る窒化ケイ素体、焼結ZrO2から成る酸化ジルコニウム体、白色アルミニウムAl23焼結セラミックから成る中空体、シルバースチールから成るディスク、シルバースチールから成る単純なシルバースチールディスク、シルバースチールから成るシルバースチール円筒ディスク、合成ルビーから成る、ルビー体で終わっている円筒ディスク、炭化タングステンから成る、炭化タングステンディスクで終わっている円筒体、炭化タングステン又は他の材料から成る面取りされた周囲エッジを備えた、周囲エッジ角30°〜120°のシルバースチールから成るシルバースチールディスクであってよい。
ロッド又はシャフトは、非磁性のステンレス鋼、セラミック、及び炭素繊維を含む種々異なる材料から成っていてよい。ディスク形のフィーラヘッドは二重円錐体の、その赤道を含む薄い区分である。
大きいディスク直径は、粗さが試験されるべきワークピース表面に対する衝撃もしくは加圧を低減する。比較的細長いシャフトが、被測定個所へのアクセスの際のフレキシビリティのために役立つ。
別の実施形において、多方向粗さ測定挿入体は粗さ測定の他に、表面の輪郭に関して特徴的な測定量を測定するのを可能にする。粗さ測定挿入体のこのような変形例は、同一の工具挿入体を用いて輪郭測定も粗さ測定も行うのを可能にする。プロセスにおける適用時に付加的なサイクル時間が要求されることになる、異なる測定のための工具挿入体の交換は、粗さ測定挿入体のこのような変形例を使用すると必要でなくなる。
このような変形例において、多方向粗さ測定挿入体は、粗さ測定のための第1フィーラヘッドと、輪郭測定のための第2フィーラヘッドとを備えたフィーラピンを有することができる。第1フィーラヘッドは、粗さ測定挿入体の前記変形例に相応するように、ほぼ回転対称的であり且つほぼディスク形の第1試験体の少なくとも1区分である。第2フィーラヘッドは、ほぼ球形又は楕円体形の第2試験体の少なくとも1区分であってよい。第2フィーラヘッドはフィーラピンのシャフトの少なくとも1区分の遠位端部に配置されていてよい。このような実施形態において、第2試験体はこのようなシャフト区分に対してほぼ回転対称的に配置されていてよい。第2フィーラヘッドの接触個所は、第2試験体区分の外套面に相当してよい。
第1変形例において、第1フィーラヘッド及び第2フィーラヘッドはフィーラピンのシャフトの少なくとも1区分の遠位端部に配置されていてよい。第1試験体及び/又は第2試験体はシャフト区分に対して回転対称的であってよい。或いは、第1試験体及び/又は第2試験体の回転軸線はシャフト区分の回転軸線と合致しなくてもよい。さらに、フィーラピンは、第1フィーラヘッドと第2フィーラヘッドとを含む試験ヘッドを有することができる。試験ヘッドはシャフトの1区分の遠位端部に配置されていてよい。試験ヘッドの第1領域内には第1フィーラヘッドが、試験ヘッドの第2領域内には第2フィーラヘッドが配置されていてよい。第1領域及び第2領域は、試験ヘッドの互いに対向する且つ/又は隣接する2つの側に配置されていてよい。試験ヘッドは1つの部分又は2つ以上の部分から提供されてよい。
好ましい実施形態において、第1フィーラヘッドが形成されている第1領域を除いて、試験ヘッドがシャフト区分と結合されている領域を除いて、試験ヘッドは、ほぼ球形又は楕円体形の形態を有している。従って第2試験ヘッドの領域内では、試験ヘッドの形態は第2試験体の形態に相当する。このような構成では、試験ヘッドは、円形もしくは楕円形の面が試験ヘッドに形成されるように、球欠区分もしくは欠けた楕円体の区分を有していてよい。この場合、第1フィーラヘッドは円形もしくは楕円形の面から中心且つ/又は直角に突出することができる。或いは、試験ヘッドは第1領域内に円筒体の形態を成す区分を有することもできる。この円筒体区分には、第1フィーラヘッドが設けられている。円筒体は第1試験体に対して回転対称的であってよい。円筒体の半径は好ましくは第1試験体の最大直径の領域内の半径よりも小さい。
別の変形例において、フィーラピンはフィーラピンの第1区分の遠位端部に配置された第1フィーラヘッドと、フィーラピンの第2区分の遠位端部に配置された第2フィーラヘッドとを有することができる。好ましい実施形態では、第1フィーラヘッドを有する第1区分は、フィーラピンのシャフトの軸方向延長部として形成されている。第2フィーラヘッドを有する第2区分は、第1区分の手前の近位側でシャフトに配置されていてよい。さらに、第2区分は第1区分に対して直角であってよい。第2フィーラヘッドが、シャフトの軸方向延長部に形成された第1区分の遠位端部に設けられていて、第1フィーラヘッドが、シャフトに対して直角に配置された第2区分の遠位端部に設けられている実施形態も考えられる。或いは、第1区分及び第2区分をシャフトの遠位端部で、シャフトに対して直角に設けることもできる。第1区分及び第2区分はシャフトの互いに対向する側に設けることができる。さらに、第1区分及び第2区分の長手方向軸線は互いに直角又は平行であってよい。第1区分及び第2区分の長手方向軸線が互いに合致する実施形態も考えられる。
多方向粗さ測定挿入体は工作機械によって測定空間内へ、ワークピースの被測定表面に対して動かすことができる。接触式に機能する粗さ測定挿入体は、ワークピース表面と接触した状態でこれを検知する。実際のワークピース表面の、その理想形状からの検知された形態偏差毎に、多方向粗さ測定挿入体は対応測定データをその処理ユニットへ供給する。処理ユニットはコンピュータプログラムを含むことができる。その場所で、デジタル・フィルタリングによって、うねりプロフィール及び粗さプロフィールが測定され、また特性値、例えば算術平均粗さ値、二乗平均平方根粗さ値、最大個別粗さ深さ(maximale Einzelrautiefe)、粗さ深さ(Rautiefe)、平均平滑化深さ(mittlere Glaettungstiefe)、平均筋深さ(mittlere Riefentiefe)、平均溝幅(mittlere Rillenbreite)、波深さ(Wellentiefe)、プロフィール深さなどが計算される。
多方向粗さ測定挿入体内に挿入するためのここに提示された種類のフィーラピンは、ロッド状シャフトと、シャフトに取り付けられたフィーラヘッドとを有している。フィーラヘッドは、少なくともロッド状シャフトの1区分に対してほぼ回転対称的な試験体の少なくとも1区分であり、或いは、フィーラヘッドは、ロッド状シャフトの少なくとも1区分の遠位端部に配置された、ほぼ回転対称的な試験体の少なくとも1区分である。ほぼ回転対称的な試験体は二重円錐形態又は二重円錐台形態を有している。試験体の最大直径(赤道)の領域が、ワークピースの被測定表面との接触個所として形成されている。接触個所が2つの二重円錐外套面又は二重円錐台外套面によって形成されており、接触個所は、試験体の最大直径の領域内で丸く面取りされている。
これは、例えば、レコード針の形式でロッドの側方に固定されたダイヤモンド先端を使用する従来の粗さ測定装置とは異なることが判る。
このような規格通りでないフィーラヘッドによる測定は、生産プロセス継続中に規格通りの測定値ではなく、近似値をもたらす。しかしながらこのような近似値は品質管理測定との比較測定によって容易に補償することができる。
表面の粗さに関して特徴的な測定量を測定するための、ここに提示された粗さ測定方法は、上記種類の粗さ測定挿入体を使用する。この方法において、下記ステップ、すなわち、
フィーラヘッドがフィーラヘッドの休止位置から予め決められた変位を成すように、被測定表面にフィーラヘッドを接触させるステップと、
粗さ測定挿入体を被測定表面に対してさらに接近又は後退させることにより、試験荷重(被測定表面におけるフィーラヘッドの接触面に関するフィーラヘッドの圧着力)を調整し、試験荷重の調整はフィーラヘッドの形態、及びワークピースの被測定表面の形態に応じて行われるステップと、
動作モード「粗さ測定」をスイッチオンし、動作モードで、続いて検出された測定信号を記録し且つ/又は処理するステップと、
所定の測定区間を所定の測定方向に沿って走行するステップと、
フィーラ先端の運動を、表面の粗さに関して特徴的な測定信号に変換し、場合によっては測定信号を記録し且つ/又は処理するステップと、
表面の粗さに関して特徴的な少なくとも1つの測定量を測定するために、測定信号を解析するステップと、
少なくとも1つの測定された測定量を機械制御装置へ送信するステップと、が行われる。
このような粗さ測定方法の場合、被測定表面にフィーラヘッドを接触させるステップは、粗さ測定挿入体を工作機械内でワークピースの被測定表面に対して接近させることによって行うことができる。
所定の測定区間を所定の測定方向に沿って走行するステップは、フィーラヘッドによって擦過されるべき経路距離を規定すること、又はフィーラヘッドが測定区間を進む間の時間を規定することを含むことができ、所定の測定方向は、被測定表面に沿って任意に選択可能な方向を含むことができる。
粗さ測定挿入体内のプロセッサ、又は後置のプロセッサにおいて)測定信号を解析するステップは、アナログセンサによって検出された測定信号を記憶して互いに関連づけることにより、表面の粗さに関して特徴的な測定量、すなわち算術平均粗さ値、平均粗さ深さ、二乗平均平方根粗さ値、最大個別粗さ深さ、粗さ深さ、平均平滑化深さ、平均筋深さ、平均溝幅、波深さ、プロフィール深さ、のうちの少なくとも1つにすることを含むことができる。さらに、形態偏差一次及び二次に関する情報を提供することができる。
アナログセンサによって検出された測定信号の解析ステップは、プロフィールフィルタによって測定信号を処理することをも含む。それというのもさもなければ、うねりが粗さを著しく変造してしまうからである。プロフィルフィルタ、例えばデジタル位相補正ガウスフィルタは、フィルタリングされていない一次プロフィール(Pプロフィール)を粗さ(Rプロフィール)とうねり(Wプロフィール)とに分離する。粗さプロフィールは一次プロフィールの、うねりからの偏差(R=P−W)である。粗さプロフィールの基準線もしくは中央線は、長波プロフィール成分に相当する線であり、長波プロフィール成分はガウスフィルタによって検出され抑圧される。ガウスフィルタを使用すると、プロフィール高さの突然に変化に起因する、プロフィールの垂直方向の歪みが低減される。水平方向の位相ずれは全くなくなる。中央線の割り出しのために、ガウスフィルタを用いて、それぞれの点で縦座標高さの重み付け算術平均を計算する。測定区間の始点及び終点を適切に重み付けできるように、フィルタの整定及び減衰(Ein- und Ausschwingen)のために、感知区間は、全測定区間よりも長くなければならない。通常、限界波長の半分毎に前及び後走行区間がある。
プロフィールフィルタの限界波長は、フィルタが正弦波の振幅を半分に低減する波長である。従って限界波長は粗さとうねりとの境界の尺度として理解することができる。限界波長は粗さからより短い波長への移行を定義し、限界波長はうねりをより長い波長に対して区切る。限界波長は周期的プロフィールでは平均溝幅に基づいて、非周期的プロフィールでは被測定粗さ値に基づいて選択することができる。1つの測定の全測定区間は常に限界波長の5倍である。感知区間は6倍である。限界波長が減少するのに伴って、フィルタリングされた粗さプロフィールの振幅は減少し、うねりプロフィールの振幅は増大する。従って、限界波長が短くなると、測定される粗さ値も小さくなる。
フィルタリング済のプロフィールから粗さパラメータを形成する。従って、使用された限界波長は、特に比較測定時に重要である。一次プロフィール、うねり、及び粗さは区別される。プロフィール特性値の値は、互いにすぐ前後に位置する個別測定区間の個別結果を平均することによって得られる。
算術平均粗さ値は、個別測定区間内の粗さプロフィールの縦座標値の算術平均である。算術平均粗さ値は、プロフィールの、中央線からの平均偏差である。
平均粗さ値は山と筋とを区別することができず、種々のプロフィール形状を認識することもできない。この定義は強い平均値形成に基づく。
二乗平均平方根粗さ値は、プロフィール偏差の二乗平均平方根値である。これは平均粗さ値と同様に定義されているが、しかし個々の山及び筋に対してより敏感に反応する。
平均粗さ深さは、1つの個別測定区間内の最大プロフィール山の高さと最大プロフィール谷の深さとの和である。通常、平均粗さ深さは、5つの個別測定区間の結果の平均から得られる。全体的に見て、平均粗さ深さは、表面構造の変化に対して平均粗さ値よりも敏感に反応する。
最大個別粗さ深さは最も大きい個別粗さ深さである。
粗さ深さは、全測定区間内の最も深い筋と最も高い山との鉛直方向の差である。
以下の粗さパラメータは、1つのプロフィールの「水平方向」特徴付け時に役立つ。
平均平滑化深さの定義は平均粗さ深さとほぼ同一である。フィルタリング済のプロフィールを、限界波長に相当する5つの同じ区間に分割する。平均粗さ深さの測定とは異なりここでは、各セグメント内で、中央線から最も高い山までの間隔を推定する。平均平滑化深さはこれら5つの値の算術平均である。
平均筋深さは、平均平滑化深さと同様に形成される。山高さの代わりに筋深さが使用される。
支承面の場合、筋は例えば潤滑材ポケットとして役立つ。山は望ましくない。それというのも、山は摩擦及び摩耗を高めることになるからである。締まり嵌め集成体の場合、同様にしばしば平均平滑化深さを有する状態で加工される。それというのも締まり嵌め集成体はできる限り大きい接触面を必要とするからである。
平均溝幅は1つの個別測定区間内における粗さプロフィールのプロフィールエレメントの幅の算術平均値である。プロフィールエレメントは、凹部が隣接するプロフィール隆起部である。平均溝幅は5つの個別測定区間の結果の平均から得られる。平均溝幅は周期的なプロフィールの場合、フィルタの限界波長を選択するために利用される。
波深さは、粗さがフィルタリングにより除去された後の、フィルタリング済プロフィールの最大深さを示す。
プロフィール深さは、フィルタリングされていない表面プロフィールを含む2つの平行な線の間隔である。これらの線は理想のプロフィール(例えば直線、円)の形状を有する。
ここに記載された粗さ測定方法の特徴はまた、上記方法ステップが工作機械内で実施されることである。粗さ測定挿入体は工具の代わりに、工作機械のスピンドル内で使用され、測定信号及び/又は測定量は工作機械の機械制御装置に出力される。
方法ステップは少なくとも1つの工具による加工ステップの後及び/又は前に、工作機械内でワークピースに施すことができる。
多方向粗さ測定挿入体は、所定の測定区間を所定の測定方向に沿って走行するステップにおいて、試験体の接触個所が試験体のより大きい半径の少なくともほぼ軸線方向に配向された送り方向を有するように配向することができ、より大きい半径の接線方向が、ワークピースの被測定溝方向に対して少なくともほぼ平行に向けられている。
ここに提示された粗さ測定挿入体は以下の利点をもたらす、
(a) 製作プロセスを直接に監視することによって廃棄を最小限にする。
(b) 回転工具及びフライス工具を、表面粗さに妥協することなしにその摩耗限界まで運転することができる。
(c) 下流側で行われる手動の試験を省くことによって生産性及びプロセス確実性が高められる。
ワークピース表面を測定するための、ここに提示された粗さ測定挿入体は切削プロセス中に直接に組み入れることができる。プロセスに組み入れられた状態でワークピース表面を監視することによって、製作プロセスは従来よりも著しく効率的になる。
多大な時間がかかる手動の粗さ測定をなくすことによって、工作機械の停止時間を削減することができる。即座に後加工を行うことにより、廃棄コストが最小限になる。工具を摩耗限界まで運転することができ、予防的に交換しなくてよい。
図面には、フィーラピンの中心長手方向軸線に対して回転対称的なフィーラヘッドを備えた多方向粗さ測定挿入体の実施形態及び変形例が示されている。
図1は、多方向粗さ測定挿入体を休止位置で示す概略側方断面図である。 図2は、多方向粗さ測定挿入体を変位位置で示す概略側方断面図である。 図3は、ワークピース内で多方向粗さ測定挿入体を用いて粗さを測定することを示す図である。 図4は、ワークピースの表面で多方向粗さ測定挿入体を用いて粗さを測定することを示す図である。 図5は、ロッド状シャフトが結合エレメントによって屈曲した状態で伝達部材と結合されている、多方向粗さ測定挿入体の変形例を示す図である。 図5aは、ロッド状シャフトが結合エレメントによって屈曲した状態で伝達部材と結合されている、多方向粗さ測定挿入体の変形例を示す図である。 図6は、種々異なる形態及び寸法を備えた、粗さ測定挿入体のためのフィーラヘッドの変形例を示す。 図7は、種々異なる形態及び寸法を備えた、粗さ測定挿入体のためのフィーラヘッドの変形例を示す。 図8は、種々異なる形態及び寸法を備えた、粗さ測定挿入体のためのフィーラヘッドの変形例を示す。 図9は、種々異なる形態及び寸法を備えた、粗さ測定挿入体のためのフィーラヘッドの変形例を示す。 図10は、種々異なる形態及び寸法を備えた、粗さ測定挿入体のためのフィーラヘッドの変形例を示す。 図11は、粗さ測定挿入体の別の変形例を部分的に破断して示す側方概略図である。 図12aは、粗さ測定及び輪郭測定を行うための2つのフィーラヘッドを備えた粗さ測定挿入体のためのフィーラピンの別の変形例を示す図である。 図12bは、粗さ測定及び輪郭測定を行うための2つのフィーラヘッドを備えた粗さ測定挿入体のためのフィーラピンの別の変形例を示す図である。 図12cは、粗さ測定及び輪郭測定を行うための2つのフィーラヘッドを備えた粗さ測定挿入体のためのフィーラピンの別の変形例を示す図である。 図13aは、粗さ測定及び輪郭測定を行うための2つのフィーラヘッドを備えた粗さ測定挿入体のためのフィーラピンの別の変形例を示す図である。 図13bは、粗さ測定及び輪郭測定を行うための2つのフィーラヘッドを備えた粗さ測定挿入体のためのフィーラピンの別の変形例を示す図である。 図13cは、粗さ測定及び輪郭測定を行うための2つのフィーラヘッドを備えた粗さ測定挿入体のためのフィーラピンの別の変形例を示す図である。 図14aは、1つのフィーラピンの異なる区分で粗さ測定及び輪郭測定を行うために2つのフィーラヘッドが配置されている、粗さ測定挿入体の別の変形例を示す図である。 図14bは、1つのフィーラピンの異なる区分で粗さ測定及び輪郭測定を行うために2つのフィーラヘッドが配置されている、粗さ測定挿入体の別の変形例を示す図である。 図14cは、1つのフィーラピンの異なる区分で粗さ測定及び輪郭測定を行うために2つのフィーラヘッドが配置されている、粗さ測定挿入体の別の変形例を示す図である。
図1及び図2に休止位置もしくは変位位置で示された多方向粗さ測定挿入体Mは、ほぼ円筒形のハウジングを有している。このハウジングは一方では近位側の、図面では上側の、付加部14を備えたハウジング部分12と、他方では、半径方向で見て内方に向いて張り出したハウジングフランジ18を備えた、遠位側の、図面では下側のハウジング部分16とから構成されている。
粗さ測定挿入体Mの両ハウジング部分12及び16は互いに密に且つ不動に結合され、例えば直接に互いにねじ結合されている。半径方向内方に向かって張り出したハウジングフランジ18の近位側、図面では上側は、環状溝の形態を成す環状の支持支承体20が形成されている。支持支承体20は半径方向内側の凸面状の円錐台面22と、半径方向外側の凹面状の円錐台面24とを有している。これら両円錐台面は図示の測定フィーラの場合、軸線方向断面において互いにほぼ直角に配置されている。1変形例では、半径方向外側の凹面状の円錐台面24がより急傾斜に、例えばハウジングフランジ18の遠位端面の平面に対して75°だけ傾斜している。いずれの場合にも、円錐台面22及び24は最小摩擦材料で被覆されるか又はこのような材料から製造されていると目的にかなう。
粗さ測定挿入体Mの遠位側のハウジング部分16の内部には、きのこ形の支持体26が配置されている。この支持体26には、環状の対応受け28が形成されている。対応支承体28はほぼ半円形の断面を有するか、又は異なる半径を備えた複数の円弧区分から構成された断面を有しており、いずれの場合にも、環状ビードと呼ぶことができる。支持体26は図1では休止位置を占め、この休止位置では、対応支承体28は支持支承体20に平らな円形接触線30に沿って接触し、その他の場所には接触しない。このような円形接触線は環状の支持支承体20の半径方向内側の凸面状の円錐台面22に位置している。これに対して、支持支承体の半径方向外側の凹面状の円錐台面24からは、支持体26が休止位置を占めている限り、環状対応支承体28は好ましくは数μm(2〜10μm)の最小間隔を有している。このような間隔は1つの個所でゼロの量まで減少することができる。すなわち、支持体26は僅かに偏心的な休止位置を占め、このような休止位置では、対応支承体28は、支持支承体20の半径方向外側の凹面状の円錐台面24に一点で接触する。接触線30の平面は以下、支承平面X,Yと呼ぶ。この支承平面に対して正規直交して、つまり直角に、測定フィーラM、すなわちそのハウジング12,14の軸線が延びている。この軸線を以下、中心軸線Zと呼ぶ。支持体26は固有の長手方向軸線Tを有している。長手方向軸線Tは支持体26の休止位置において、また純粋に軸線方向の変位時に中心軸線Zと実質的に一致する。
例えば図2に示されているように、粗さ測定挿入体Mの支持体26が傾倒することによりその休止位置から変位させられると、環状の対応支承体28は、環状の支持支承体20の半径方向内側の凸面状の円錐台面22に、半径方向内側の1つの接触点32だけで接触する。さらに、対応支承体28は、支持支承体20の半径方向外側の凹面状の円錐台面24に、半径方向外側の1つの接触点34で接触する。
粗さ測定挿入体Mの支持体26は、中心のフィーラピン収容部36を備えている。フィーラピン収容部36は、遠位方向に長手方向軸線Tに沿って延びており、粗さ測定挿入体Mの支持体26の長手方向軸線Tの方向に摺動可能である。フィーラピン収容部36は、フィーラヘッド40を支持する交換可能なフィーラピン38を収容するように規定されている。
図1及び2に示された粗さ測定挿入体Mの場合、付加部14の遠位端部にはそれぞれ、近位側のハウジング部分12の内部に、中心軸線Zに対して同心的な円環状のばね座42が形成されており、このばね座42には、やはり円環状のばね座44が対向している。ばね座44は支持体26の近位側でその長手方向軸線Tに対して同心的に形成されている。これら両ばね座42及び44間には、円錐台形に巻かれたコイルばね46が締め込まれている。このコイルばねは常に、支持体26を休止位置に保持しようとしている。
近位側のハウジング部分14の付加部14は、ハウジング10の内部から出発する、軸方向の、すなわち中心軸線Zに対して同心的な孔48を有している。孔48内には半径方向で見て、アナログセンサ50と、アナログセンサ50に対して直径方向で対向する、測定ビームのためのエミッタ52とが突入している。図示の例では、エミッタ52は、センサ50、例えば位置検出素子PSD(英語position sensitive detector)と一緒に、アナログ出力信号を含む小型光バリアを形成する。このようなPSD構造エレメントは、生成された光電流の横方向分割効果を利用する。PSDは、シリコンPINダイオード技術に基づいた構造エレメントであって、衝突光信号の積分重心位置の測定を可能にする構造エレメントを意味する。PSDは、例えばPSDに結像された光スポットのエネルギーを、このようなスポットの重心の位置に相当する連続する電気的信号に変換する。1つの方向の位置は2つの出力電流の比から得られる。しかし他のセンサ装置を使用することもできる。
フィーラヘッド40、ひいてはフィーラピン収容部36の休止位置からのいかなる変位も、伝達部材54によってセンサ50に伝えられる。伝達部材54は、細長い真っ直ぐな撓みバーであり、好ましくは直径0.5〜1.2mmの円形横断面を有する引き抜きばね鋼線材から成っている。これにより測定ビームは休止位置とは異なり、図2に示されているように多かれ少なかれ遮断される。このことは、詳しくは図示していない電子装置内で解析される。粗さ測定挿入体Mにとってはとりわけ直径0.8mmのばね鋼線材が適切であることが判っている。しかし特に小さな粗さ測定挿入体Mの場合には、著しく小さな直径、例えば0.2mmの直径のばね鋼線材も考えられる。
伝達部材54は休止位置では粗さ測定挿入体Mの中心軸線Zに沿って直線状に延びている。伝達部材54の遠位端部56は、フィーラピン収容部36の中心に固定されている。伝達部材54は近位端部58の近くでは、案内ブシュ60内で案内されている。案内ブシュ60は伝達部材54の材料、すなわち引き抜きばね鋼線材とは異なり、低摩擦材料、例えばポリアミド又は焼結ブロンズから成っていてよい。しかしながら、案内ブシュ60が、研削された孔を備えた市販の硬化孔ブシュである別の実施態様が特に適切であることが判っている。この場合、伝達部材54はその近位端部58と境を接する区分において、最小摩擦材料で被覆されている。
休止位置では、伝達部材54の近位端部58は案内ブシュ60の近位端部を超えて突出しており、エミッタ52からセンサ50に向かって送出される光ビームの中心にまで達する。
伝達部材54はここではばね鋼線材であり、撓みのために利用可能なその長さは、案内ブシュ60の遠位端部、つまり図面では下端部と、支持体26の近位端面、つまり上端面との間隔と一致する。ばね鋼線材の代わりに剛性ピンを使用することもできる。剛性ピンは揺動式に支承されている。
遠位側のハウジング部分16に形成された環状の支持支承体20と、支持体26に形成された環状の対応支承体28とは、1変形例ではそれぞれ1つの平らな歯列によって形成されている。これにより、支持体26はその休止位置において、また支持体によって支持されたフィーラヘッド40のあらゆる半径方向の変位時に、支持体の長手方向軸線Tを中心として回転するのが阻止される。互いに協働する両歯列のうちの一方は1変形例では円弧状に丸く面取りされている。これにより歯列は支持体26の傾倒時に互いに転動する。
図1に示されたピン状の構成部分であるフィーラピンは、ロッド状のシャフト又はピン38と、ピン38に取り付けられたフィーラヘッド40とを有している.ロッド状のシャフト38はこの変形例では硬質金属から製作されている。ロッド状のシャフト38とフィーラヘッド40とに対して異なる材料を使用することももちろん可能である。フィーラヘッド40は二重円錐形態を有しており、ロッド状のシャフト38に接着されたルビー又はダイヤモンドから製作することができる。フィーラヘッド40は例えば合成単結晶ルビーから成るAl23ルビー二重円錐、プレス硬質のSi34から成る窒化ケイ素二重円錐、焼結ZrO2から成る酸化ジルコニウム二重円錐、白色アルミニウムAl23焼結セラミックから成るアルミニウム中空二重円錐、炭化タングステンから成る二重円錐、又は他の硬質材料から成る二重円錐であってよい。
二重円錐形のフィーラヘッド40は一体であるが、しかしフィーラヘッド40の両端部の小さな半径R4と、フィーラヘッド40の赤道の最大半径R2とを有する2つの対称的な円錐台として形成されていると考えることができる。図1のピン状構成部分はほぼ対称的であるので、フィーラヘッド40の近位区分PPの小さな半径R4は、フィーラヘッド40の遠位区分DPの小さな半径R4と同一である。二重円錐形のフィーラヘッド40の両上面は互いに平行に配向されているので、フィーラヘッド40は概ね樽形状又はディスク形状を有している。図1のピン状構成部分の場合、フィーラヘッド40の赤道の半径R2に対する小さな半径R4の比は0.5〜1である。赤道の領域内では、環状エッジが半径R3で丸く面取りされている。
図1に示されたピン状構成部分の場合、二重円錐形のフィーラヘッド40の円錐角KWはほぼ55°である。
フィーラヘッド40は一般に、非対称的な二重円錐形態を有することもできる。これは赤道(すなわち、フィーラヘッド40の最大の直径又は半径の区分)が二重円錐の真ん中には位置しないことを意味する。
ここに提示された粗さ測定挿入体の測定力は通常、従来のプロフィロメータ(Tastschnittgeraet)よりも高い。ワークピース表面上の荷重を許容し得る範囲内に維持するために、丸い先端を備えた通常の試験円錐の代わりに、ディスク形の試験体を使用する。期待されるべき表面粗さ、送り、工具のジオメトリ、ワークピースのジオメトリ、及び材料剛性に応じて、測定作業に最適な試験体ジオメトリが確定されている。
このために、平らな鋼表面に対するヘルツ応力pHについて考察する。標準的なプロフィロメータHOMMEL-ETAMICにおいて、先端R5μm、圧着力F=1.6mNで、ヘルツ応力pH=6800MPa、及び圧力楕円(Druckellipse)0.3μm × 0.3μmが生じる。
これに対して、赤道における最大直径φ3mm、エッジ半径R=10μm、圧着力F=0.36Nのディスクを備えた、ここに提示された粗さ測定挿入体の配置は、ヘルツ応力pH=7840MPa、及び圧力楕円(Druckellipse)1.0μm × 23μmを提供する。
ここに提示された粗さ測定挿入体のさらなる例は、
ディスクφ3−R=20μm、F=0.36N: pH=5670MPa、圧力楕円:1.4μm × 22μm、
ディスクφ3−R=40μm、F=0.36N: pH=4110MPa、圧力楕円:2.0μm × 21μm
である。
送り方向Vは、ここに提示された粗さ測定挿入体の場合、概ね最大半径の軸線方向にある。最大半径の接線方向は例において、ワークピースの溝方向に対して平行に向けられている。このような配置の場合、試験体又はフィーラヘッド40の周囲線は加工溝(例えば図4参照)の谷に達することができる。
図3は、ワークピースOの孔内の粗さを測定するために多方向粗さ測定挿入体Mをどのように使用するかを示している。
図4は、ワークピースOの表面の粗さを測定するために多方向粗さ測定挿入体Mをどのように使用するかを示している。
図5に示された変形例の多方向粗さ測定挿入体Mの場合、ロッド状のシャフト38は結合エレメントによって、約25°屈曲した状態で伝達部材と結合されている。ワークピースの表面にこのような配置では到達できない場合には、シャフトを約90°だけ屈曲させることもできる(図5a参照)。
図6〜10は、種々異なる形態及び寸法を有するフィーラヘッド40の変形例を示している。
図3〜9では、試験体の接触個所は、最大直径の領域内の半径が0.4mm〜約3mmであり、エッジ半径が約5μm〜50μmであり、またそれぞれの円錐角が約30°〜約130°である、二重円錐形態又は二重円錐台形態を有している。
特に図10が示す配置の場合、フィーラヘッド40はロッド状シャフト38の軸線方向延長部で形成されている。ここでも、送り方向Vは最大半径に対して垂直である。
1変形例では、両円錐角は約90°であり、最大直径領域内の半径は約1.5mmであり、エッジ半径は約40μmである。別の変形例では、両円錐角は約120°であり、最大直径領域内の半径は約1.1mmであり、エッジ半径は約10μmである。さらなる変形例では、両円錐角は約60°であり、最大直径領域内の半径は約1.5mmであり、エッジ半径は約20μmである。
図面において、送り方向はそれぞれ1つの方向に与えられている。しかしながら、粗さ測定のために、ここに提示された粗さ測定挿入体を反対方向に動かすこともできる。
図11には、粗さ測定挿入体のさらなる変形例が示されている。測定機構は、軸線Aに沿ってのみ粗さ測定のために使用し得るように改変され単純化されている。
このような粗さ測定挿入体はハウジング100を有している。ハウジングからは、一方向に変位可能なアナログ測定モジュール120を備えた細長いセンサ収容部110が突出している。ハウジング100内には、測定モジュールによって検出された、ワークピースの表面の粗さを特徴付ける測定信号のために、解析電子装置130を備えた処理ユニットが収納されている。さらに、ハウジング100内には、検出された粗さデータをCNC−制御装置、又はCNC制御装置に前置されたインターフェイスへデータ伝送するための無線赤外線モジュール又はラジオモジュール140が設けられている。
1方向に変位可能なアナログ測定モジュール120は、旋回アーム122を有している。旋回アーム122は、ほぼ方形のばね板の形態を成すばねジョイント124を介して、ほぼプラス/マイナス0.15〜0.35、例えば0.25mmの旋回距離を有してシャフト内に収容されている。さらに、板ばねの形態を成すばねジョイント124は、旋回アームが側方に移動できないことを保証する。このために、ばね板の一方の側は2つのねじ125でセンサベースに固定されている。センサベースは細長いセンサ収容部110に固定されている。ばね板の他方の側は、2つのねじで旋回アーム122にねじ固定されている。旋回アーム122には、ピン126が配置されている。ピン126は光バリア128の測定ビーム内に突入し、旋回アームの変位の程度に応じて多かれ少なかれ測定ビームを遮断する。旋回アーム122の休止位置におけるピン126の基本位置はねじ127によって調整することができる。ねじ127は、細長いセンサ収容部110に対する、休止位置の旋回アーム122の角度位置を固定する。旋回アーム122の自由端部の領域内には、上記種類の、特に図10のフィーラヘッド40が位置している。しかし、粗さを測定するためにワークピースの表面と接触することができる他の変形例も可能である。このために、粗さ測定挿入体は工作機械のスピンドル内に挿入され、工作機械のCNC制御装置によって制御されてワークピースの表面全体にわたって移動させられる。このような粗さ測定挿入体は、工作機械のスピンドルに半径方向又は軸方向でフランジ結合することができる。
機械制御装置への粗さ測定値の出力の他に、CNC制御装置に前置されたインターフェイス150は結果をグラフで表す。これはプロトコル及び解析のために利用することができる。従って、正常でないと評価されることになる表面をプロセスに密接した形で認識することができる。工作機械内の最初の締め付け状態で測定することにより、後加工が容易に可能である。こうして、表面粗さに起因するワークピースの廃棄を最低限まで低減することができる。
測定モジュールはこのような構成によって、約50mNの測定力を得ることができる。このことは小さなばね力及び小さな運動質量によって達成される。多方向測定機構と比べて測定力が小さいので、ヘルツ応力を過度に高くすることなしに、より小さな半径のフィーラヘッドを形成することもできる。これにより粗さ測定は少なくともほぼ規定通りになる。
粗さ測定のための第1のフィーラヘッド40と、輪郭測定のための第2のフィーラヘッド41とを備えたフィーラピンの第1変形例が図12a〜12cに、第2変形例が第13a〜13cに示されている。フィーラピンは円筒形のシャフト38を有している。このシャフトの下端部には軸線方向に試験ヘッド4が配置されている。試験ヘッドは第1フィーラヘッド40と第2フィーラヘッド41とを有している。第1フィーラヘッド40が形成されている領域を除いて、試験ヘッド4がシャフト38と結合されている領域を除いて、試験ヘッド4はほぼ球形の形態を有している。図12a及び13aはそれぞれのフィーラピンの第1フィーラヘッド40を示す側面図である。この図では、第1フィーラヘッド40が試験ヘッド4の左側に配置されている。これとは異なり、図12b及び13bはそれぞれのフィーラピンの第1フィーラヘッド41を示す正面図である。この図ではフィーラピンは図12aもしくは13aに示されたものに対して、シャフト38の周りに約90°の角度で右に向かって回転させられている。図12c及び13cには、さらにそれぞれのフィーラピンが三次元的に示されている。
第1フィーラヘッド40は、二重円錐台形態を有する第1試験体の1区分として形成されている。第1試験体は対称軸線に対して回転対称的である。対称軸線は円筒形のシャフトTの長手方向軸線に対して平行に延びている。第1フィーラヘッド40の接触個所は、第1試験体の最大半径領域内にあり、粗さ測定のための送り方向は接触個所に対して垂直?に規定されている。「シャフトの長手方向軸線内に」と言った方がよいのではないか?第2フィーラヘッド41は、球形の第2試験体の1区分であり、この区分はシャフトTの長手方向軸線に対して回転対称的であり、試験体4の球形区分に相当する。従って第2フィーラヘッド41の接触個所は、試験体4の外套面に部分的に相当し、好ましくは、第1フィーラヘッドと対向する側に形成された領域から、試験ヘッド4の下側の遠位端部の領域まで延びている。
図12a〜12cには、フィーラピンの第1変形例が示されている。このような実施形態において第1試験体は回転軸線Rに対して回転対称的である。回転軸線RはシャフトTの長手方向軸線に対して平行であるが、しかしこれに合致はしない。第1試験体の最大直径領域内の半径、すなわち第1フィーラヘッド40の接触個所と回転軸線Rとの間隔は、第2試験体の半径と、シャフトの長手方向軸線T及び回転軸線Rの間隔との和にほぼ相当する。第1フィーラヘッド40の領域内には、試験ヘッド4は円筒体の1区分を有している。この区分は回転軸線Tに対してやはり回転対称的であり、この区分では、外套面の真ん中に第1フィーラヘッド40が形成されている。円筒体の半径は、第1試験体の最大直径領域内の半径よりも小さい。この領域内では、試験体4の形態は第1試験体と第2試験体との共通部分(Schnittmenge)に相当する。
図13a〜13cには、フィーラピンの第2変形例が示されている。第2変形例において、試験ヘッド4は第1フィーラヘッド40の領域内に球欠区分を有しており、ひいては円形面を有している。この実施形態の場合、第1フィーラヘッド40はロッド状のピンの軸線方向延長部に形成されている。ピンは試験ヘッド4の円形面の真ん中から突出し、円形面に対して直角に配置されている。
試験体40のために切り欠かれた領域を除けば、図12及び13に示された球形の試験体41は標準フィーラピンと同様に、種々異なるベクトル方向の接触のために使用することができる。
図14a〜14cは、粗さ測定のための第1フィーラヘッド40と、輪郭測定のための第2フィーラヘッド41とを備えた粗さ測定挿入体の変形例を示している。これらのフィーラヘッドは、1つのフィーラピンの異なる区分に配置されている。
図14aには、このような粗さ測定挿入体の第1実施形態が示されている。図示のものは、ハウジング100を備えた粗さ測定挿入体である(「ハウジング」という概念は第7頁からの測定機構の説明の個所で既に用いられている。この概念はここでは該当しない。符号100で示された部分は本来はシャフトの太くなった部分にすぎない)。ハウジングには軸線方向で円筒形のシャフトが配置されている。シャフトは、粗さ測定挿入体の遠位端部の方向に延びている。シャフトの遠位端部には、さらに円筒形の第1区分38と、円筒形の第2区分39とが配置されている。第1フィーラヘッド40は円筒形の第1区分38の遠位端部に形成されており、これに対して、第2フィーラヘッド41は円筒形の第2区分39の遠位端部に形成されている。図14aでは、円筒形の第2区分39は、シャフトの軸線方向延長部として構成されている。円筒形の第2区分39の手前の近位側では、円筒形の第1区分38が円筒形の第2区分39に対して直角に配置されている。第1フィーラヘッド40は、円筒形の第1区分38の軸線方向の延長部に形成されている。第1フィーラヘッド40は、二重円錐台形態を備えた第1試験体の1区分である。この区分では、接触個所は最大半径領域内に位置する。粗さ測定のための送り方向は、第1試験体の最大半径に対して垂直に、もしくはシャフトに対して平行に規定されている。第2フィーラヘッド41は、円筒形の第2区分39が第2フィーラヘッド41に結合されている領域を除いて、球形の第2試験体に相当する。この第2試験体の半径は円筒形の第2区分39の半径よりも大きい。第2フィーラヘッド41は円筒形の第2区分39に対して回転対称的である。
図14b及び14cに示された粗さ測定挿入体のさらなる実施形態と、図14aに示された前述の実施形態とは類似しており、また同様の構成部分は同一の符号で示されているので、前述の実施形態との相違点のみをさらに説明する。
図14bに示された粗さ測定挿入体の1変形例の場合、第2フィーラヘッド41の遠位端部が形成された第2区分39も同様にシャフトに対して直角に設けられている。このような実施形態において、円筒形の第1区分38と円筒形の第2区分39とは、これらの長手方向軸線において合致するように、シャフトの互いに対向する側に配置されている。
図14cに示された別の実施形態では、第2フィーラヘッド41を備えた円筒形の第2区分39はシャフトに対して直角に配置されており、これに対して、第1フィーラヘッド40を備えた円筒形の第1区分38はシャフトの軸線方向延長部に形成されている。第1フィーラヘッド40は二重円錐台形態を有し、円筒形の第1区分38に対して回転対称的である。接触個所は第1フィーラヘッド40の最大半径領域内に位置している。従って、粗さ測定挿入体のための送り方向は、前述の実施形態に相応して、シャフトの長手方向軸線に対して平行に規定されている。
なお、本明細書には数値範囲及び数値が開示されたが、開示された値と、上記範囲内のそれぞれの数値下位範囲との間の全ての数値を、同様に開示されたものとして見なすことができる。さらに注目すべきなのは、本明細書中に記載されたピン状構成部分の種々の寸法間の比に対応する数値が示されてはいるものの、本明細書中に記載された種類のそれぞれの特定のピン状構成部分が、本明細書中に示された種々の寸法間のあらゆる比を必ずしも実現しなくてもよいことである。

Claims (20)

  1. 表面の粗さに関して特徴的な測定量を測定するための多方向粗さ測定挿入体において、
    フィーラピンを収容するためにフィーラピン収容部が配置された支持体と、
    該支持体の運動をワークピースの表面の粗さに関して特徴的な測定信号に変換するアナログセンサと、
    ロッド状シャフトと、該ロッド状シャフトに取り付けられたフィーラヘッドとを有する、該支持体に結合されるべきフィーラピンと、を含み、
    該フィーラヘッドが、少なくとも該ロッド状シャフトの1区分に対してほぼ回転対称的な試験体の少なくとも1区分であり、或いは、
    該フィーラヘッドが、該ロッド状シャフトの少なくとも1区分の遠位端部に配置された、ほぼ回転対称的な試験体の少なくとも1区分であり、
    該試験体が二重円錐形態又は二重円錐台形態を有しており、該試験体の最大直径の領域が、ワークピースの被測定表面との接触個所として形成されており、
    該接触個所が2つの二重円錐外套面又は二重円錐台外套面によって形成されており、該接触個所が、該試験体の最大直径の領域内で丸く面取りされている、多方向粗さ測定挿入体。
  2. 前記ロッド状シャフトが直線状延長部で伝達部材と直接的又は間接的に結合されており、或いは約0°〜約100°で屈曲した状態で該伝達部材と結合されている、請求項1に記載の多方向粗さ測定挿入体。
  3. 前記接触個所は、期待されるべき表面粗さ、前記ワークピース又は前記粗さ測定挿入体の送り方向で該ワークピース又は該粗さ測定挿入体が1回転当たり又は1行程当たり進められる距離、又は工具のジオメトリ、ワークピースのジオメトリ、及び材料剛性に応じて確定されている、請求項1又は2に記載の多方向粗さ測定挿入体。
  4. 前記試験体の接触個所が二重円錐形態又は二重円錐台形態を有している、請求項1〜3のいずれか1項に記載の多方向粗さ測定挿入体。
  5. 前記試験体の接触個所が、最大直径の領域内で約1.5mm〜約5mm、又は0.4mm〜約3mmの半径を有し、約30°〜約130°のそれぞれの円錐角を有している、請求項1〜4のいずれか1項に記載の多方向粗さ測定挿入体。
  6. 前記試験体の接触個所が該最大直径の領域内に約5μm〜約50μmのエッジ半径を有しており、該試験体の接触個所の曲率が一定の値を有しており、或いは該曲率が該試験体の接触個所の湾曲領域に沿って変化する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の多方向粗さ測定挿入体。
  7. 前記試験体の接触個所が、より大きい半径の少なくともほぼ軸線方向に配向された送り方向を有している、請求項1〜6のいずれか1項に記載の多方向粗さ測定挿入体。
  8. 前記測定信号から表面の粗さに関して特徴的な少なくとも1つの測定量を検出するために、前記アナログセンサに接続された処理ユニットを備えており、該処理ユニットは前記粗さ測定挿入体のハウジング内に配置されているか、又は該ハウジングから分離されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の多方向粗さ測定挿入体。
  9. 前記フィーラピンが第2のフィーラヘッドを有しており、該第2のフィーラヘッドが、該フィーラピンの前記ロッド状シャフトの少なくとも1区分の遠位端部に配置された、ほぼ球形又は楕円体形の試験体の少なくとも1区分である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の多方向粗さ測定挿入体。
  10. ロッド状シャフトと、該シャフトに取り付けられたフィーラヘッドとを有する、特に請求項1〜6のいずれか1項に記載の、粗さ測定挿入体内に挿入するためのフィーラピンにおいて、
    該フィーラヘッドが、少なくとも該ロッド状シャフトの1区分に対してほぼ回転対称的な試験体の少なくとも1区分であり、或いは、
    該フィーラヘッドが、該ロッド状シャフトの少なくとも1区分の遠位端部に配置された、ほぼ回転対称的な試験体の少なくとも1区分であり、
    該試験体が二重円錐形態又は二重円錐台形態を有しており、前記試験体の最大直径の領域が、ワークピースの被測定表面との接触個所として形成されており、
    該接触個所が2つの二重円錐外套面又は二重円錐台外套面によって形成されており、該接触個所が、該試験体の最大直径の領域内で丸く面取りされている、粗さ測定挿入体内に挿入するためのフィーラピン。
  11. 前記試験体の接触個所が、最大直径の領域内で約1.5mm〜約5mm、又は0.4mm〜約3mmの半径を有し、約30°〜約130°のそれぞれの円錐角を有している、請求項10に記載のフィーラピン。
  12. 前記試験体の接触個所が該最大直径領域内に約5μm〜約50μmのエッジ半径を有しており、該試験体の接触個所の曲率が一定の値を有しており、或いは該曲率が該試験体の接触個所の湾曲領域に沿って変化する、請求項10又は11に記載のフィーラピン。
  13. 前記フィーラピンがさらに第2のフィーラヘッドを有しており、該第2のフィーラヘッドが、該フィーラピンの前記ロッド状シャフトの少なくとも1区分の遠位端部に配置された、ほぼ球形又は楕円体形の試験体の少なくとも1区分である、請求項10〜12のいずれか1項に記載のフィーラピン。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の粗さ測定挿入体によって、
    a)前記フィーラヘッドが該フィーラヘッドの休止位置から予め決められた変位を成すように、被測定表面に該フィーラヘッドを接触させるステップと、
    b)前記粗さ測定挿入体を被測定表面に対してさらに接近又は後退させることにより、試験荷重を調整し、該試験荷重の調整は該フィーラヘッドの形態、及び該ワークピースの被測定表面の形態に応じて行われるステップと、
    c)動作モード「粗さ測定」をスイッチオンし、該動作モードで、続いて検出された測定信号を記録し且つ/又は処理するステップと、
    d)所定の測定区間を所定の測定方向に沿って走行するステップと、
    e)フィーラ先端の運動を、該表面の粗さに関して特徴的な測定信号に変換するステップと、
    f)表面の粗さに関して特徴的な少なくとも1つの測定量を測定するために、該測定信号を解析するステップと、
    g)少なくとも1つの測定された測定量を機械制御装置へ送信するステップとを用いながら、ワークピースの表面の粗さに関して特徴的な測定量を測定する粗さ測定方法。
  15. 被測定表面にフィーラヘッドを接触させる前記ステップa)が、前記粗さ測定挿入体を工作機械内でワークピースの被測定表面に対して接近させることによって行われる、請求項14に記載の粗さ測定方法。
  16. 所定の測定区間を所定の測定方向に沿って走行する前記ステップd)が、前記フィーラヘッドによって擦過されるべき経路距離を規定すること、又は前記フィーラヘッドが該測定区間を進む間の時間を規定することを含み、該所定の測定方向が、被測定表面に沿って任意に選択可能な方向を含む、請求項14又は15に記載の粗さ測定方法。
  17. 測定信号を解析する前記ステップf)が、前記測定信号を記憶して互いに関連づけることにより、前記表面の粗さに関して特徴的な測定量、すなわち算術平均粗さ値、平均粗さ深さ、二乗平均平方根粗さ値、最大個別粗さ深さ、粗さ深さ、平均平滑化深さ、平均筋深さ、平均溝幅、波深さ、プロフィール深さ、のうちの少なくとも1つにすることを含む、請求項14〜16のいずれか1項に記載の粗さ測定方法。
  18. 前記ステップa)〜前記ステップg)が工作機械内で実施され、前記粗さ測定挿入体は工具の代わりに該工作機械のスピンドル内で使用され、測定信号及び/又は測定量は該工作機械の機械制御装置に出力される、請求項14〜17のいずれか1項に記載の粗さ測定方法。
  19. 前記ステップa)〜前記ステップg)が少なくとも1つの工具による加工ステップの後及び/又は前に、前記工作機械内で前記ワークピースに施される、請求項14〜18のいずれか1項に記載の粗さ測定方法。
  20. 前記粗さ測定挿入体が、所定の測定区間を所定の測定方向に沿って走行するステップd)で、前記試験体の接触個所が該試験体のより大きい半径の少なくともほぼ軸線方向に配向された送り方向を有するように配向されており、該より大きい半径の接線方向が、前記ワークピースの被測定溝方向に対して少なくともほぼ平行に向けられている、請求項14〜19のいずれか1項に記載の粗さ測定方法。
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