JP2017000128A - 自然薯と麹菌を生育させた穀類を混合して発酵させた生成物及び/又はその乾燥粉末の製造方法 - Google Patents

自然薯と麹菌を生育させた穀類を混合して発酵させた生成物及び/又はその乾燥粉末の製造方法 Download PDF

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浩治 原田
篠原 伸雄
Nobuo Shinohara
伸雄 篠原
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Abstract

【課題】自然薯及び穀類に由来する糖度の高い、甘い食品素材とその製造方法の提供。
【解決手段】自然薯と麹菌を生育させた米を含む穀類と混合して、45〜60℃に保持することにより、自然薯と米を含む穀類の炭水化物を醗酵分解して、グルコース、マルトース、グリセロール等の糖質を生成させ、更にこれを乾燥することにより、えられる自然薯及び穀類由来の糖度の高い食品素材。これを和菓子、洋菓子、パン、その他の食品の素材として活用する。
【選択図】なし

Description

本発明は、自然薯と麹菌を生育させた米を含む穀類を混合して、発酵させたることで得られる自然薯及び穀類由来の糖度の高い食品素材に関する。
自然薯は古くから漢方薬の素として利用されている。その食する方法は、食品素材としてとろろ料理、和え物、煮付け、揚げ物等として利用されている。また自然薯を粉末にすれば、饅頭、ドーナツ、ふりかけ等に用いられる。しかし、自然薯のこれらの食品への利用方法は、自然薯そのものを生かした料理方法であり、自然薯を発酵させたもの、あるいはその粉末を食品素材として利用されたものではない。
一方、自然薯の糖化液の製造方法について、公開特許公報平3−191800が開示されている。以下、本特許と公開特許公報平3−191800の違いについて述べる。両者の違いは、用いる酵素剤の種類が異なる点にある。すなわち本特許の酵素剤は、Aspergillus oryzaeを生育させ米(以下、米麹)であるのに対して、公開特許公報平3−191800は市販の酵素剤である。市販の酵素剤を複数個用いて複合酵素と称しているが、本特許のようにAspergillus oryzaeを米へ生育させた酵素剤とは、炭水化物の分解に及ぼす影響が全く異なる。米麹の酵素力は、公開特許公報平3−191800に述べている酵素以外に、ヘミセルラーゼ、リパーゼ等10種類以上がある。これらの多くの酵素によって、炭水化物の分解が徐々にバランスよく作用されるものである。
本特許における米麹が分解する炭水化物は、自然薯及び米である。一方、公開特許公報平3−191800では、酵素が分解する炭水化物は自然薯のみである。
従って本特許と平3−191800における分解液中の糖質の成分及び濃度は異なったものになる。
ここで本特許により分解生成された糖質は、甘味源であり、粉末化したものは食品の素材として利用される。また自然薯の成分は、アルギニン、ムチン等の機能性栄養成分を含むものとして広く知られている。特に自然薯の炭水化物を発酵分解して得られる甘味源である糖質の生成を目的とするものである。
甘味源の粉末の使用例として、粉末清涼飲料剤があるが、この場合の甘味源は、多くが砂糖、果糖、人工甘味料(パラチノール等)を混合したものである。しかし本特許の甘味源は発酵分解物である糖質であり、これらの甘味源の複合的な甘みにある。本特許の粉末を粉末清涼飲料剤として、お湯をかけて飲料する場合、複合的なマイルドな甘さと自然薯の香りと粘性を有する。なお得られた発酵生成物を粉末化する場合、熱風乾燥により、乾燥温度70〜80℃、2〜3間が適正である。
公開特許公報平3−19180
自然薯は古くから漢方薬の素として利用されている。その食する方法は、食品素材としてとろろ料理、和え物、煮付け、揚げ物等として利用されている。また自然薯を粉末にすれば、饅頭、ドーナツ、ふりかけ等に用いられる。
しかし、自然薯のこれらの食品への利用方法は、自然薯そのものを生かした料理方法であり、自然薯を発酵させたもの、あるいはその粉末を食品素材として利用されたものではない。
本発明の課題は、自然薯及び穀物の炭水化物を米麹菌で発酵分解し、得られる糖質の生成物を自然薯由来の食品製造の素材とし、自然薯を活用した食品を幅広く活用することにある。
自然薯とAspergillus oryzaeを生育させた米を含む穀類と混合して、45〜60℃に保持することにより、自然薯と米を含む穀類の炭水化物は醗酵分解して、グルコース、マルトース、グリセロール等の糖質に分解され、更にこれを乾燥することによる、自然薯及び穀類由来の糖度の高い食品素材が得られ、これを和菓子、洋菓子、パン、その他の食品の素材として活用することができる。
粉末清涼飲料剤の甘味源の大部分が、砂糖、黒糖、グルコース、人工甘味料(アスペルティーム等)が混合されたものである。しかし本発明のように、自然薯の発酵生成物が甘味源として利用されている例は見られない。本発明は自然薯と米麹の発酵分解による甘味源の生成と、自然薯の機能性栄養成分を含有する粉末を目的とした点に特徴がある。
表1に示す原料配合で混合したものを55℃−3日間保持(発酵分解)させた。
その後、この発酵生成物を70℃−3時間の熱風乾燥し、乾燥粉末を得た。
この乾燥粉末の分析結果及び細菌数を表2にしめした。
Figure 2017000128
発酵終了時のpH=4.60であった。
米麹:市販米(コシヒカリ)を浸漬・蒸し後、麹菌(Aspergilus oryzae)を散布し28℃−48時間、常法通り培養した。(以下、従来麹という)
酢:柳井市大畠特産加工開発部製、みかん果汁(みかん、クエン酸)
乾燥方法:iuchi社製定温乾燥機(型式:LD0−450S)
細菌数の測定:日水製薬製、標準寒天培地を用いた。
糖質の分析:試料を蒸留水で抽出後、その希釈液を島津製作所製液体クロマトグラフ(カラム:Shodex column SH1011)を用いて分析した。
Figure 2017000128
市販品:粉末清涼飲料剤として”くず湯”等が市販されているが、このな中で最も甘いタイプの物を選定した。このものは甘味源として、黒糖、グルコース、人工甘味料(アスパルティーム等)を混合したものである。
ここで発酵温度を45℃とした場合、発酵中に腐敗することがあるが、PHを4.0以下に下げると良い。また発酵温度を60℃とした場合、発酵過多の傾向がある。一方、発酵させるための保持時間を1日とした場合、混合物の十分な攪拌が必要であり、7日とした場合、粘性が強くなることがある。本発明では適正に発酵させるための保持条件を、55℃−2〜3日とした。
表1の結果より、甘味源であるMal、Gul の量は、市販品の量と比較して若干少なかったが、同じ甘味源であるGly(グリセロール)が生成されていることが特徴的であった。市販品の甘味源は、人工的に相当量添加混合されており、市販品は特に黒糖に由来するMalの影響が大きかった。一方、試験区は同じ甘味源であるGlyを含むことから、本発明による発酵生成物が複合的な甘さを有することが認められた。また現在の粉末清涼剤の甘味源の傾向が、消費者の嗜好に対応して、添加物による甘さの増強にある。そこで、甘味源の添加混合を行わない本発明の発酵生成物による甘味源を増強を目標に、表3に示す原料配合で発酵試験を行った。また得られた発酵生成物を70℃−3時間熱風乾燥した粉末の分析結果及び細菌数を表4に示した。
実施例1において、市販品に比較して呈味性を増強する必要を認めたので、糖質を増加させることを目標として以下の表3に示す配合による試験を行った。
ここで試験区の設定の目標は以下のとおりである。
試験区A:米麹の酵素力を高めるため、グルコアミラーゼ系の種麹(Aspergillus oryza)を用いて常法どおり製麹した。
試験区B:試験区Aの呈味力を高めるため、自然薯の3倍量の麹を配合した。
試験区C:自然薯の量に対して従来麹の3倍量を配合した。
試験区D:表1の示した配合により生成される乾燥粉末30gを添加混合した。
Figure 2017000128
Figure 2017000128
Figure 2017000128
自然薯とグルコアミラーゼ系の種麹を用いて作った米麹の混合物である試験区A及びB区において、Mal,Gul,Glyの生成量は、表1の配合に用いられた試験区よりも多かった。
すなわち、自然薯と米の混合物から甘味源を目的とした発酵分解生成物を作る場合、酵素力の強い種麹を用いればよいことが分かった。また試験区A及びBの甘味性は、官能評価で市販品より良好であった。また、自然薯の割合を減らして米麹を3倍量増加させた試験区Cについて、Mal,Gul,Glyの生成量は表1の試験区より多かった。さらに自然薯と米麹を混合して発酵させる場合、既に生成された乾燥粉末を添加すれば、Mal,Gul,Glyが増加することが分かった。このことから、自然薯の混合割合を増加させても、十分な甘味源が得られることが分かった。また本発明ではAspergillus oryzaeを米に生育させた米麹を用いているが麦に生育させた麦麹の場合においても、相当な甘味源が生成されAspergilus oryzaeを生育させた穀類は、米麹のみに及ぶものではない。
自然薯とAspergillus oryzaeを生育させた米を含む穀類と混合して、45〜60℃に保持することにより、自然薯と米を含む穀類の炭水化物は醗酵分解して、グルコース、マルトース、グリセロール等の糖質に分解され、更にこれを乾燥することによる、自然薯及び穀類由来の糖度の高い食品素材が得られ、これを和菓子、洋菓子、パン、その他の食品の素材として活用することができる。

Claims (2)

  1. 自然薯とAspergillus oryzaeを生育させた穀類と混合し、pH調整剤でpHを調整した後、45〜60℃で1〜7日間保持して得られる生成物の製造方法。
  2. 特許請求の範囲(1)で得られる生成物を熱風乾燥した粉末の製造方法。
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