JP2017001632A - 熱交換器の固定構造及び熱交換器用固定具 - Google Patents

熱交換器の固定構造及び熱交換器用固定具 Download PDF

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【課題】所望とする特性を開発工数の増加を招くことなく達成することができる熱交換器の固定構造及び熱交換器用固定具を提供する。【解決手段】ラジエータ5の固定構造は、ラジエータ5に付設されたピン5bが挿入される挿入穴部11aを備える第1の構造部11と、サポートメンバ4に形成される取付穴部4aに嵌合する挿通部12bを備える第2の構造部と、を有している。そして、第1の構造部11及び第2の構造部12は、2色成形により一体に成形されて、第1の構造部11と第2の構造部12との境界部Raがラジエータ5への荷重Fの入力によって分離可能に構成されている。【選択図】図2

Description

本発明は、熱交換器の固定構造及び熱交換器用固定具に係り、例えば自動車等の車体に熱交換器を固定する構造及びその固定具に関する。
従来より、車両前端部の構造として、フロントバンパの後方にラジエータやコンデンサ等の熱交換器を搭載したものが知られている。例えば特許文献1には、熱交換器と熱交換器支持パネルの支持メンバとの間に円筒状のブッシュを介在させて両者を固定する構造が開示されている。
この構造において、ブッシュにはその軸方向を貫通する貫通孔が形成されており、ブッシュは熱交換器の端部に突設されたピンに装着される。そして、熱交換器のピンに装着されたブッシュを支持メンバの挿入穴部に挿入し、クリップを挿入穴部の開口部に装着することにより、熱交換器が支持メンバに固定される。
特開2006−21700号公報
しかしながら、特許文献1に開示された手法においては、設計精度が低いという問題がある。振動吸収のためにブッシュに柔らかい部材を用いると走行時に脱落してしまう可能性があり、一方でブッシュに硬い部材を用いるとクリップの取り付けが困難となる。また、ピンの挿抜に伴う摩耗により固定力が低下する可能性があり、一方で強度の高い部材を用いると挿入作業性の悪化や衝突時においてもピンが容易に外れないといった事態を招来する。そのため、開発工数が増大してしまうという不都合がある。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、開発工数の増加を招くことなく所望とする特性を備える熱交換器の固定構造及び熱交換器用固定具を提供する。
かかる課題を解決するために、本発明は、熱交換器に付設された取付突部が挿入される挿入穴部を備える第1の構造部と、車体に形成される取付穴部に嵌合される挿通部を備える第2の構造部と、を有している。そして、第1の構造部及び第2の構造部は、2色成形により一体に成形されて、第1の構造部と第2の構造部との境界部が熱交換器への荷重の入力によって分離可能に構成されている。
本発明によれば、第1の構造部と第2の構造部とを2色成形により一体成形している。そのため、個々の構造部の材料の選択に応じてその特性の調整を容易に行うことができるので、開発工数を削減することができる。
本実施形態に係る熱交換器の固定構造が適用された車両前端部の構造を模式的に示す側面図 車体のサポートメンバにラジエータを固定する固定構造を模式的に示す説明図 ラジエータへの荷重入力状態を示す説明図 ブッシュの第1の変形例を示す説明図 ブッシュの第2の変形例を示す説明図
図1は、本実施形態に係る熱交換器の固定構造が適用された車両前端部の構造を模式的に示す側面図である。車両のフロントエンド部には、車両前後方向に延びるサイドメンバ1が配設され、このサイドメンバ1の前端にはバンパ2を支持するバンパレインフォース3が配設されている。
バンパレインフォース3よりも車両後方には、ラジエータサポートメンバが配設されている。このラジエータサポートメンバは、それぞれが車両幅方向に延在する上下のサポートメンバ4を主体に構成されている。サポートメンバ4は、プレス成形又は樹脂成形されたものである。
サポートメンバ4には、後述する固定具であるブッシュ10を介してラジエータ5が取り付けられている。また、ラジエータ5の前部にはコンデンサ6が、また、ラジエータ5の後部には冷却ファン7がボルト等で固定されて一体化されている。
図2は、車体のサポートメンバ4にラジエータ5を固定する固定構造を模式的に示す説明図である。この固定構造は、ブッシュ10を用いてサポートメンバ4にラジエータ5を固定するものであり、当該ブッシュ10はサポートメンバ4とラジエータ5の端部(以下「ラジエータ端部」という)5aとの間に配設される。
ラジエータ端部5aには、ブッシュ10を取り付けるための取付突部であるピン5bが付設されている。また、サポートメンバ4の所要位置には、ブッシュ10を介してラジエータ5を取り付けるための取付穴部4aが形成されている。
ブッシュ10は、所定の材料から成形された成形品であり、第1の構造部11と第2の構造部12とで構成されている。ブッシュ10は、全体として略円柱状に成形されており、本実施形態では、第1の構造部11は第2の構造部12と比較して大径に成形されている。
第1の構造部11は、ラジエータ端部5aと接続するための部位であり、略円柱状に成形されている。第1の構造部11の中心部には、ラジエータ端部5aのピン5bが挿入される挿入穴部11aが形成されている。挿入穴部11aは、第1の構造部11の軸方向の全域、すなわち、第1の構造部11の端面から、第1の構造部11と第2の構造部12との境界部Raに至るまで連続的に形成されている。
ピン5bは、基端部から突端部(先端部)に至り径が拡大する逆テーパー状に形成されており、挿入穴部11aは、このピン5bと対応する形状に設定されている。すなわち、挿入穴部11aは、第1の構造部11の端面から境界部Raに至って径が拡大する逆テーパー状に形成されている。
なお、ピン5bの突端(先端)は、第1の構造部11と第2の構造部12との境界部Raと対応する位置に設定されており、ブッシュ10の全域を貫くほどの長さは備えていない。このため、十分な強度を確保するように、ピン5bの太さを決定することが好ましい。
これに対して、第2の構造部12は、サポートメンバ4と接続するための部位であり、第1の構造部11と同様に略円柱状に成形されている。第2の構造部12は、台座部12aと、挿通部12bとで構成されており、台座部12aが挿通部12bよりも大径となる段違い形状に設定されている。
台座部12aは、サポートメンバ4の取付穴部4aの周縁領域と当接し、ブッシュ10をサポートメンバ4上に支持する機能を備えている。台座部12aは、所要の厚さ(軸方向の高さ)に設定されており、境界部Raがサポートメンバ4の平面部と比較してオフセットした位置に設定される。
挿通部12bは、サポートメンバ4の取付穴部4aに挿入されて、ブッシュ10及びラジエータ5の固定及び位置決めをする機能を備えている。挿通部12bは、サポートメンバ4の取付穴部4aの内径を基準に、その外径が設定されている。また、挿通部12bの軸方向の高さは、車両走行時の振動等により、ブッシュ10がサポートメンバ4の取付穴部4aから抜け落ちない程度の高さに設定されている。
このような構成のブッシュ10において、第1の構造部11及び第2の構造部12は、2色成形により一体に成形されている。この2色成形においては、互いに異なる特性となる材料が用いられる。
このような材料は、以下に示す要求を満たすように選択されている。まず、第1の構造部11の材料は、主として防振機能のために、弾力のある材料、例えば、ゴム等が用いられる。一方、第2の構造部12の材料は、主として固定機能のために、剛性の高い材料、例えば樹脂等が用いられる。このように、第2の構造部12の硬度は第1の構造部11の硬度よりも高くなるような関係に設定されている。
第2の構造部12を硬くすることでその変形量は小さく抑制されるが、第1の構造部11を柔らかくすることで一定の変形を許容することができる。これにより、第1の構造部11と第2の構造部12とを合わせたブッシュ10全体として所望の変形特性を得ることができる。
また、第1の構造部11と第2の構造部12とを合成することでブッシュ10全体のバネ定数が定まる。具体的には、ブッシュ10のばね定数Kは、第1の構造部11のばね定数(K1)及び第2の構造部12のばね定数(K2)の合成値で表される(1/K=1/K1+1/K2)。そこで、各構造部11,12の材料を適切に選択することで、ブッシュ10全体のバネ定数の調整が可能であり、これにより、必要な振動抑制特性を得ることができる。
さらに、材料強度は、ラジエータ5が1番強く、その次に第2の構造部12、最後に第1の構造部11が強くなるように設定する。上述のように、ラジエータ5と第2の構造部12とで第1の構造部11を挟む構造となっている。そのため、第1の構造部11と第2の構造部12との境界部Raにせん断方向の力が作用することで、第1の構造部11と第2の構造部12とを破断(分離)することができる。
加えて、第1の構造部11の材料に弾力のある材料を用いることで、ラジエータ5のピン5bの圧入が可能となり、取付け作業時におけるブッシュ10の脱落を防止することができる。
つぎに、本実施形態に係るラジエータ5の固定手順を説明する。まず、ラジエータ端部5aのピン5bを、第1の構造部11の挿入穴部11aに挿入する。ここで、ピン5bと
挿入穴部11aとは互いに対応する逆テーパー形状を有しているため、両者ははめ込み構造となる。このため、ピン5bの脱落を効果的に規制することができる。一方で、第1の構造部11を柔軟な構造としているため、ピン5bの組み付け作業性を容易に行うことができる。
つぎに、第1の構造部11と一体成形された第2の構造部12の挿通部12bを、サポートメンバ4の取付穴部4aに挿入する。そして、第2の構造部12の台座部12aがサポートメンバ4に到達すると、ラジエータ5がブッシュ10を介してサポートメンバ4に固定される。
図3は、ラジエータ5への荷重入力状態を示す説明図である。車両の前方より荷重Fが入力すると、ラジエータ5が車両後方側へ向かって押される。この場合、ラジエータ5と第2の構造部12との間に第1の構造部11が挟まれる構造となっているため、第1の構造部11と第2の構造部12との境界部Raにせん断方向の力が作用する。これにより、第1の構造部11と第2の構造部12とが境界部Raで破断(分離)する。
このような動作によれば、ラジエータ5が第1の構造部11の破断に伴って後退することとなり、ラジエータ5のピン5bが折れることなく、後方へと移動することとなる。そのため、ラジエータ5の損壊を抑制することができ、ブッシュ10のみの交換で補修を行うことができる。
このように本実施形態のラジエータ5の固定構造は、ラジエータ5に付設されたピン5bが挿入される挿入穴部11aを備える第1の構造部11と、サポートメンバ4に形成される取付穴部4aに嵌合する挿通部12bを備える第2の構造部12と、を有している。そして、第1の構造部11及び第2の構造部12は、2色成形により一体に成形されて、第1の構造部11と第2の構造部12との境界部Raがラジエータ5への荷重Fの入力によって分離可能に構成されている。
この構成によれば、第1の構造部11と第2の構造部12とを2色成形により一体に成形しているため、第1の構造部11と第2の構造部12との合成によりブッシュ10全体の特性が定まる。そのため、各構造部11,12に用いられる材料の選択に応じて、ラジエータ5の固定機能と振動抑制やばらつき吸収機能といった、ブッシュ10に要求される特性を得ることができる。このため、単独の材料より成形するブッシュと比較して、特性の調整が容易であるため、開発工数を削減することができる。加えて、材料設定に応じて設計自由度を拡大することができる。
また、第1の構造部11と第2の構造部12とを2色成形とすることで、その境界部Raでのせん断方向の力の作用によって、両者を分離させることができる。これにより、ラジエータ5が後方へ移動することが可能になり、荷重入力によってピン5bがサポートメンバ4の取付穴部4aとぶつかりピン5bが折れるといったことがないので、ラジエータ5の損傷を抑制することができる。そして、ブッシュ10の交換のみで足りるため、補修時の作業効率の向上を図ることができる。
さらに、本実施形態において、第2の構造部12の硬度は、第1の構造部11の硬度よりも高く設定されている。
この構成によれば、第2の構造部12の硬度が高いため、ラジエータ5を強固に支持することができる。一方、第1の構造部11の硬度が低いため、ラジエータ5と車体との間の振動を確実に吸収することができる。
また、本実施形態において、ピン5bの突端は、第1の構造部11と第2の構造部12との境界部Raと対応する位置に設定されている。
この構成によれば、ラジエータ5のピン5bの突端が第1の構造部11と第2の構造部12との境界部Raの高さがほぼ同じとなる。そのため、車両前方からの荷重Fの入力によってラジエータ5が車両後方へ移動しようとする際、境界部Raにせん断方向の力を集中的に作用させることができ、より確実に両者の破断を行うことができる。なお、位置が対応する状態とは、両者が同一である状態のみならず、このような作用を得ることができる範囲において一定量ずれた状態も許容するものである。
なお、第1の構造部11と第2の構造部12との破断効率を高めるため、ブッシュ10を以下に示す構成として実現してもよい。
図4は、ブッシュ10の第1の変形例を説明するための断面状態を模式的に示す説明図である。なお、同図では、第1の構造部11と第2の構造部との区別を明確化するため、両者にのみハッチングを施している(図5についても同様)。同図に示す構成のブッシュ10においては、第1の構造部11と第2の構造部12との境界部Raに間隙12cが形成されている。この構成によれば、間隙12cを設けることで、境界部Raにおける破断強度、破損形態の設計精度を向上させることができる。これにより、開発工数をさらに抑制することができる。
図5は、ブッシュ10の第2の変形例を説明するための断面状態を模式的に示す説明図である。同図に示す構成のブッシュ10においては、ピン5bの嵌合部位の周囲、かつ、第1の構造部11と第2の構造部12との境界部Raにスリット11bが形成されている。この構成によれば、スリット11bを設けることで、境界部Raにおける破断強度、破損形態の設計精度を向上させることができる。これにより、開発工数をさらに抑制することができる。
以上、本発明の実施形態にかかる熱交換器の固定構造について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、その発明の範囲内において種々の変形が可能であることはいうまでもない。また、この熱交換器の固定構造を実現する固定具そのものも本発明の一部として機能する。さらに、この固定構造は上下のサポートメンバのいずれに適用することも可能である。加えて、本実施形態では、熱交換器としてラジエータの固定構造を示したが、この構造はコンデンサ等の他の熱交換器に適用してもよく、ラジエータやコンデンサを含むユニットからなる熱交換器に適用してもよい。
1 サイドメンバ
2 バンパ
3 バンパレインフォース
4 サポートメンバ
5 ラジエータ
6 コンデンサ
7 ファン
10 ブッシュ(熱交換器用固定具)
11 第1の構造部
11a 挿入穴部
11b スリット
12 第2の構造部
12a 台座部
12b 挿通部
12c 間隙
Ra 境界部

Claims (5)

  1. 車体に熱交換器を固定する熱交換器の固定構造において、
    前記熱交換器に付設された取付突部が挿入される挿入穴部を備える第1の構造部と、
    車体に形成される取付穴部に嵌合される挿通部を備える第2の構造部と、を有し、
    前記第1の構造部及び前記第2の構造部は、2色成形により一体に成形されて、前記第1の構造部と前記第2の構造部との境界部が前記熱交換器への荷重の入力によって分離可能に構成されることを特徴とする熱交換器の固定構造。
  2. 前記第2の構造部の硬度は、前記第1の構造部の硬度よりも高いことを特徴とする請求項1に記載された熱交換器の固定構造。
  3. 前記第1の構造部と前記第2の構造部との境界部に間隙又はスリットが形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載された熱交換器の固定構造。
  4. 前記取付突部の突端は、前記第1の構造部と前記第2の構造部との境界部と対応する位置に設定されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載された熱交換器の固定構造。
  5. 車体との間に配設される熱交換器用固定具において、
    前記熱交換器に付設された取付突部が挿入される挿入穴部を備える第1の構造部と、
    車体に形成される取付穴部に嵌合する挿通部を備える第2の構造部と、を有し、
    前記第1の構造部及び前記第2の構造部は、2色成形により一体に成形されて、前記第1の構造部と前記第2の構造部との境界部が前記熱交換器への荷重の入力によって分離可能に構成されることを特徴とする熱交換器用固定具。
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