JP2017002178A - オキシメチレン共重合体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】溶融重合法において、オキシメチレン共重合体を、高分子量、高収率で安定的に連続製造可能な製造方法を提供する。【解決手段】トリオキサンとコモノマーの混合原料液と重合開始剤を含む液体とを135℃〜300℃の温度で混合して得られる重合反応原料液を0.1mm以上の線速度で配管内を流通させて、内部に静止型混合エレメントを備えた駆動部を持たないスタティックミキサー型の重合機に導入し、且つ前記重合反応原料液が混合原料液と重合開始剤を含む液体を接触・混合させてから重合機に導入されるまでの時間を0.01〜120秒とする。【選択図】なし
Description
本発明は、オキシメチレン共重合体の製造方法に関する。
オキシメチレン重合体は、機械的性能及び熱的性能に優れており、特にオキシメチレン共重合体はオキシメチレン単独重合体よりも優れた熱安定性及び成形性を有しているため、エンジニアリングプラスチックとして重用されてきた。オキシメチレン共重合体の製造方法としては、多数の文献がある。例えば、特許文献1は、ポリオキシメチレン共重合体の製造を簡単な方法で行うことが出来る反応器として、内部に静止型混合エレメントを備え、長さ及び直径が個々の処理工程で異なる管型の連続反応器を開示している。
また、特許文献2は、重合反応を65℃〜100℃で行う生成したオキシメチレン共重合体が析出する塊状重合法において、トリオキサンと1,3−ジオキソラン、及び重合触媒とを接触・混合させて得られる重合反応原料が流通する配管の閉塞又は狭窄による重合機への供給不良を起こすことなく、長期的に安定な連続運転が可能なオキシメチレン共重合体の製造方法を開示している。具体的には、トリオキサンと1,3−ジオキソランの混合原料液に重合触媒を混合し、重合機に導入してオキシメチレン共重合体を連続的に製造する際、配管内を流通する前記混合原料液の線速度と、前記混合原料液と重合触媒とを接触・混合させてから重合機に導入するまでの時間を、特定の範囲とするオキシメチレン共重合体の連続製造方法を開示している。さらに、特許文献2は、前記混合原料液に重合触媒を導入するための重合触媒導入配管について、前記した配管における閉塞又は狭窄が起こりにくい接続位置や先端の形状についても開示している。
また、特許文献3は、より優れたオキシメチレン共重合体の製造方法として、原料モノマーと重合触媒とを混合する混合領域、重合領域、及び失活領域を有し、かつ混合領域の直径が重合領域の直径の90%未満であり、1〜5区間の失活領域で構成される、スタティックミキシングエレメントを有する管型反応器を用いたオキシメチレン共重合体の製造方法を開示している。
内部に静止型混合エレメントを備えた駆動部を持たないスタティックミキサー型の重合機は、駆動部を持つ二軸のパドル型重合機に比べて簡素な装置であるが、内容物の粘度が低い原料と重合触媒の混合領域と内容物の粘度が高い重合・失活領域の直径を変える必要があるなど、工業的に使用する上では更なる改善が望まれている。特に、重合反応を135℃〜300℃で行う生成したオキシメチレン共重合体を析出させることなく失活させる溶融重合法において、簡素なスタティックミキサー型の重合機を用いて高分子量のオキシメチレン共重合体を高収率で安定的に連続製造する方法は、ほとんど検討がなされていない。
すなわち、本発明の課題は、溶融重合法において、オキシメチレン共重合体を、高分子量、高収率で安定的に連続製造可能な製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記した課題を解決すべく鋭意検討した結果、内部に静止型混合エレメントを備えた駆動部を持たないスタティックミキサー型の重合機を用いて、オキシメチレン共重合体を連続的に製造する際、トリオキサンとコモノマーの混合原料液と重合開始剤を含む液体とを重合反応を行う温度である135℃〜300℃の温度で混合して得られる重合反応原料液を、特定範囲の線速度で配管内を流通させて重合機に導入すること、且つ前記重合反応原料液が混合原料液と重合開始剤を含む液体を接触・混合させてから重合機に導入されるまでの時間を特定の範囲とすることで、高分子量、高収率でオキシメチレン共重合体が安定的に連続製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下である。
(1)内部に静止型混合エレメントを有し、且つ駆動部を有しないスタティックミキサー型の重合機(A)と、トリオキサンとコモノマーを含む混合原料液を前記重合機(A)に供給するための配管(B)と、前記配管(B)の途中に接続された重合開始剤を含む液体を供給するための配管(C)とを有する、重合反応装置を用いるオキシメチレン共重合体の製造方法であって、前記配管(B)と前記配管(C)の接続部において前記混合原料液と前記重合開始剤を含む液体とを混合することにより得られる重合反応原料液が、135℃〜300℃の温度で混合することにより得られ、且つ前記重合反応原料液の前記接続部以降の配管(B)内を流通する線速度が、毎秒0.1mm以上であり、且つ前記重合反応原料液が、前記接続部から重合機(A)の入口に到達するまでの時間が0.01〜120秒である、オキシメチレン共重合体の製造方法。
(2)前記接続部において、配管(C)の先端が配管(B)の内壁と接触しない形態で接続されている、(1)に記載のオキシメチレン共重合体の製造方法。
(3)前記重合反応装置における配管(B)に対する配管(C)の接続角度が配管(B)の川上側を基準として90度以下の角度になるように接続されている、(1)又は(2)に記載のオキシメチレン共重合体の製造方法。
(4)前記重合反応装置における重合機(A)の内径が、重合機(A)内の重合反応を行う領域のうち90%以上の領域で一定である、(1)〜(3)のいずれか一項に記載のオキシメチレン共重合体の製造方法。
(5)前記重合反応装置が、重合機(A)に直列に接続された重合停止剤混合機(D)を更に有し、前記重合停止剤混合機(D)の内径の最大値が重合機(A)の内径の最大値の90%以下である、(1)〜(4)のいずれか一項に記載のオキシメチレン共重合体の製造方法。
(6)前記重合開始剤として、1モル当たりの分子量が1000以下のプロトン酸、プロトン酸無水物、及びプロトン酸エステル化合物からなる群から選択される少なくとも1種を用いる、(1)〜(5)のいずれか一項に記載のオキシメチレン共重合体の製造方法。
(7)少なくとも1種の1モル当たりの分子量が1000以下のプロトン酸の塩を前記重合開始剤とともに用いる、(1)〜(6)のいずれか一項に記載のオキシメチレン共重合体の製造方法。
(8)前記1モル当たりの分子量が1000以下のプロトン酸の塩を、前記配管(C)から前記重合開始剤とともに供給する、(7)に記載のオキシメチレン共重合体の製造方法。
(1)内部に静止型混合エレメントを有し、且つ駆動部を有しないスタティックミキサー型の重合機(A)と、トリオキサンとコモノマーを含む混合原料液を前記重合機(A)に供給するための配管(B)と、前記配管(B)の途中に接続された重合開始剤を含む液体を供給するための配管(C)とを有する、重合反応装置を用いるオキシメチレン共重合体の製造方法であって、前記配管(B)と前記配管(C)の接続部において前記混合原料液と前記重合開始剤を含む液体とを混合することにより得られる重合反応原料液が、135℃〜300℃の温度で混合することにより得られ、且つ前記重合反応原料液の前記接続部以降の配管(B)内を流通する線速度が、毎秒0.1mm以上であり、且つ前記重合反応原料液が、前記接続部から重合機(A)の入口に到達するまでの時間が0.01〜120秒である、オキシメチレン共重合体の製造方法。
(2)前記接続部において、配管(C)の先端が配管(B)の内壁と接触しない形態で接続されている、(1)に記載のオキシメチレン共重合体の製造方法。
(3)前記重合反応装置における配管(B)に対する配管(C)の接続角度が配管(B)の川上側を基準として90度以下の角度になるように接続されている、(1)又は(2)に記載のオキシメチレン共重合体の製造方法。
(4)前記重合反応装置における重合機(A)の内径が、重合機(A)内の重合反応を行う領域のうち90%以上の領域で一定である、(1)〜(3)のいずれか一項に記載のオキシメチレン共重合体の製造方法。
(5)前記重合反応装置が、重合機(A)に直列に接続された重合停止剤混合機(D)を更に有し、前記重合停止剤混合機(D)の内径の最大値が重合機(A)の内径の最大値の90%以下である、(1)〜(4)のいずれか一項に記載のオキシメチレン共重合体の製造方法。
(6)前記重合開始剤として、1モル当たりの分子量が1000以下のプロトン酸、プロトン酸無水物、及びプロトン酸エステル化合物からなる群から選択される少なくとも1種を用いる、(1)〜(5)のいずれか一項に記載のオキシメチレン共重合体の製造方法。
(7)少なくとも1種の1モル当たりの分子量が1000以下のプロトン酸の塩を前記重合開始剤とともに用いる、(1)〜(6)のいずれか一項に記載のオキシメチレン共重合体の製造方法。
(8)前記1モル当たりの分子量が1000以下のプロトン酸の塩を、前記配管(C)から前記重合開始剤とともに供給する、(7)に記載のオキシメチレン共重合体の製造方法。
本発明によれば、重合反応で生成したオキシメチレン共重合体を析出させることなく重合開始剤を失活させる溶融重合法において、簡素な重合反応装置である、内部に静止型混合エレメントを有し、且つ駆動部を有しないスタティックミキサー型の重合機を用いて、オキシメチレン共重合体を高分子量、高収率で安定的に連続的に製造可能な製造方法を提供することができる。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。また「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。さらに組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
本発明のオキシメチレン共重合体の製造方法は、少なくとも、内部に静止型混合エレメントを有し、且つ駆動部を有しないスタティックミキサー型の重合機(A)と、トリオキサンとコモノマーを含む混合原料液を前記重合機(A)に供給するための配管(B)と、前記配管(B)の途中に接続された重合開始剤を含む液体を供給するための配管(C)とを有する、重合反応装置を用いる。その際、配管(B)と配管(C)の接続部において前記混合原料液と前記重合開始剤を含む液体とを混合することにより得られる重合反応原料液が、135℃〜300℃の温度で混合することにより得られること、且つ前記重合反応原料液の前記接続部以降の配管(B)内を流通する線速度が、毎秒0.1mm以上であること、且つ前記重合反応原料液が、前記接続部から重合機(A)の入口に到達するまでの時間が0.01〜120秒であること、を必須要件とする。
そのようにすることで、トリオキサンとコモノマー、及び重合触媒とを接触・混合させて得られる重合反応原料液が流通する配管の閉塞又は狭窄による重合機への供給不良が起こらないので、簡素な重合反応装置である、内部に静止型混合エレメントを有し、且つ駆動部を有しないスタティックミキサー型の重合機を用いて、オキシメチレン共重合体を高分子量、高収率で、安定的に連続製造可能な製造方法を提供できる。
すなわち、上記オキシメチレン共重合体の製造方法によれば、固形物や粉体を重合、粉砕、混合、溶融、移送するために必要な特殊な製造設備を使用することなく、簡素な重合開始剤混合設備とスタティックミキサー型の重合機により、高分子量のオキシメチレン共重合体を高収率で、安定的に連続製造することが可能となり、工業的意義は大きい。以下、本発明を詳細に説明する。
[I:重合反応装置]
本発明のオキシメチレン共重合体の製造に用いることができる重合反応装置は、少なくとも、内部に静止型混合エレメントを有し、且つ駆動部を有しないスタティックミキサー型の重合機(A)と、トリオキサンと1,3−ジオキソランなどのコモノマーを含む混合原料液を前記重合機(A)に供給するための配管(B)と、配管(B)の途中に接続された重合開始剤を含む液体を供給するための配管(C)とを有していれば、その態様は特に限定されるものではない。前記重合反応装置は、上述した重合機(A)、配管(B)、配管(C)のほかに、トリオキサンとコモノマーを含む混合原料液を調製し加熱するための予熱機(以下、本明細書では「第1予熱機」ということもある)、重合停止剤混合機(D)、停止反応機、及び重合反応で生成したオキシメチレン共重合体を含む反応生成物(以下、本明細書では、「重合反応で生成したオキシメチレン共重合体を含む反応生成物」のことを「重合反応物」ということもある)と重合停止剤の混合物から未反応モノマー、分解生成物を除去するための予熱機(以下、本明細書では「第2予熱機」ということもある)を、更に備えていてもよい。最も好ましい形態は、第1予熱機、重合機(A)、重合停止剤混合機(D)、停止反応機、及び第2予熱機を直列に配管で接続した連続重合装置である。以下、各装置について説明する。
本発明のオキシメチレン共重合体の製造に用いることができる重合反応装置は、少なくとも、内部に静止型混合エレメントを有し、且つ駆動部を有しないスタティックミキサー型の重合機(A)と、トリオキサンと1,3−ジオキソランなどのコモノマーを含む混合原料液を前記重合機(A)に供給するための配管(B)と、配管(B)の途中に接続された重合開始剤を含む液体を供給するための配管(C)とを有していれば、その態様は特に限定されるものではない。前記重合反応装置は、上述した重合機(A)、配管(B)、配管(C)のほかに、トリオキサンとコモノマーを含む混合原料液を調製し加熱するための予熱機(以下、本明細書では「第1予熱機」ということもある)、重合停止剤混合機(D)、停止反応機、及び重合反応で生成したオキシメチレン共重合体を含む反応生成物(以下、本明細書では、「重合反応で生成したオキシメチレン共重合体を含む反応生成物」のことを「重合反応物」ということもある)と重合停止剤の混合物から未反応モノマー、分解生成物を除去するための予熱機(以下、本明細書では「第2予熱機」ということもある)を、更に備えていてもよい。最も好ましい形態は、第1予熱機、重合機(A)、重合停止剤混合機(D)、停止反応機、及び第2予熱機を直列に配管で接続した連続重合装置である。以下、各装置について説明する。
前記重合機(A)は、内部に静止型混合エレメントを有し、且つ駆動部を有しないスタティックミキサー型であれば、特に限定されるものではない。ここで、スタティックミキサーとは、駆動部を持たず、内部に設置した静止型混合エレメントにより通過する流体を混合し、また、ジャケットなどを設置することにより外部から除熱、加熱が可能な連続式管型装置のことである。静止型混合エレメントとは、それ自身は外管に固定されており内部を通過する流体の流れを変化させることにより、効果的に通過する流体を混合するために適した形状をもつエレメントのことであり、例えば、長方形の板を180度ねじった形状の右巻きねじれと左巻きねじれの2種のエレメントで構成されたものやお互いに噛み合い交差した板状の格子で構成されているものなどが好適に使用できる。重合機(A)の形状やサイズは、オキシメチレン共重合体の製造形態や製造量に応じて適宜決められるものであって、特に限定されるものではない。上述したスタティックミキサー型の重合機(A)を用いた重合反応においては、重合機の内部領域は、オキシメチレン共重合体が生成し始めているが粘度が比較的低い重合初期領域、オキシメチレン共重合体の生成が進行して粘度が比較的高い重合後期領域に分けられる。このとき、重合機内部を流通する重合反応原料液の線速度を向上させて重合機内部の攪拌効果を高める目的で、重合初期領域の直径を重合後期領域の直径より小さくするなど各領域の直径を変化させてもよいが、簡素な装置とするためには、重合機(A)の内径が、重合機(A)内の重合反応を行う領域のうち90%以上の領域で一定であることが好ましく、重合初期領域と重合後期領域の直径は同一であることがより好ましい。
上述したように、本発明に用いられる重合反応装置は、トリオキサンとコモノマーを含む混合原料液を前記重合機(A)に供給するための配管(B)を備える。当該配管(B)は、トリオキサンとコモノマーを含む混合原料液を調製し、加熱するための第1予熱機と重合機(A)とを接続する配管であるのが好ましい。配管(B)の内径や長さは、オキシメチレン共重合体の製造量に応じて適宜決められるものであって、特に限定されるものではない。
上述したように、本発明に用いられる重合反応装置は、配管(B)の途中に接続された重合開始剤を含む液体を供給するための配管(C)を備える。配管(B)と配管(C)の接続態様は特に限定されるものではないが、配管(B)と配管(C)の接続部において、配管(C)の先端が配管(B)の内壁と接触しない形態で接続されていることが好ましい。配管(C)の先端が配管(B)の内壁と接触しないように接続することで、トリオキサンとコモノマー、及び重合触媒の接触・混合で始まる重合によって生成するオキシメチレン共重合体の析出による閉塞が起こりにくい。また、配管(B)に対する配管(C)の接続角度が配管(B)の川上側を基準として90度以下の角度になるように接続されていることが、好ましい。接続角度を90度以下とすることで、オキシメチレン共重合体の析出による閉塞が起こりにくい。なかでも、配管(C)の先端が配管(B)の内壁面と接触しないように接続されており、且つ配管(B)に対する配管(C)の接続角度が配管(B)の川上側を基準として90度以下の角度になるように接続されていることが、特に好ましい。
上述したように、本発明に用いられる重合反応装置は、トリオキサン、コモノマー、及び必要に応じて添加される溶媒等を混合して、加熱するための第1予熱機を更に有していてもよい。このとき、第1予熱機は、配管(B)を介して重合機(A)に直列に接続されていることが好ましい。第1予熱機の形状やサイズは、オキシメチレン共重合体の製造形態や製造量に応じて適宜決められるものであって、特に限定されるものではないが、熱交換効率の点から、内部に静止型混合エレメントを有し、且つ駆動部を有しないスタティックミキサー型が好ましい。
上述したように、本発明に用いられる重合反応装置は、重合反応物と重合停止剤とを混合するための重合停止剤混合機(D)を更に有していてもよい。重合停止剤混合機(D)において、重合反応物に含まれる重合開始剤と、重合停止剤とが反応して重合開始剤が失活する。本発明においては、重合停止剤混合機(D)は、重合機(A)に直列に接続されていることが好ましい。重合停止剤混合機(D)の形状やサイズは、オキシメチレン共重合体の製造形態や製造量に応じて適宜決められるものであって、特に限定されるものではないが、重合開始剤と重合停止剤の反応を効果的に行うためには、内部に静止型混合エレメントを有し、且つ駆動部を有しないスタティックミキサー型が好ましい。静止型混合エレメントとしては、長方形の板を180度ねじった形状の右巻きねじれと左巻きねじれの2種のエレメントで構成されたものやお互いに噛み合い交差した板状の格子で構成されているものなどが好適に使用できる。オキシメチレン共重合体の含有量が多い重合反応物は粘度が高いため、重合開始剤と重合停止剤との反応を完全に行うには、重合停止剤混合機(D)内を流通する重合反応物と重合停止剤の混合物の線速度を上げて、重合停止剤混合機(D)内部の攪拌を強くすることが好ましい。重合停止剤混合機(D)の内径は特に限定されるものではないが、重合停止剤混合機(D)内を流通する重合反応物と重合停止剤の混合物の線速度を上げるためには、重合停止剤混合機(D)の内径の最大値が、重合機(A)の内径の最大値の90%以下であることが好ましい。
上述したように、本発明に用いられる重合反応装置は、前記重合停止剤混合機(D)で混合された重合反応物と重合停止剤の混合物を更に攪拌して、重合開始剤を失活させるための停止反応機を更に有していてもよい。このとき、停止反応機は、重合停止剤混合機(D)に直列に接続されていることが好ましい。停止反応機の形状やサイズは、オキシメチレン共重合体の製造形態や製造量に応じて適宜決められるものであって、特に限定されるものではないが、重合開始剤と重合停止剤の反応を効果的に行うためには、内部に静止型混合エレメントを有し、且つ駆動部を有しないスタティックミキサー型が好ましい。
上述したように、本発明に用いられる重合反応装置は、重合反応物と重合停止剤の混合物から未反応モノマー、分解生成物を除去するための第2予熱機を更に有していてもよい。このとき、第2予熱機は、停止反応機に直列に接続されていることが好ましい。第2予熱機の形状やサイズは、オキシメチレン共重合体の製造形態や製造量に応じて適宜決められるものであって、特に限定されるものではないが、熱交換効率の点から、内部に静止型混合エレメントを有し、且つ駆動部を有しないスタティックミキサー型が好ましい。
[II:オキシメチレン共重合体の製造方法(原料調合から重合反応の工程)]
本発明のオキシメチレン共重合体の製造方法において、重合反応原料液は、トリオキサンとコモノマーを含む混合原料液と重合開始剤を含む液体とを、配管(B)と配管(C)の接続部において、混合して得る。混合時の温度は、通常135℃〜300℃であり、好ましくは140℃〜220℃であり、最も好ましくは140℃〜190℃である。混合時の温度が135℃〜300℃であると、トリオキサンとコモノマー、及び重合触媒の接触・混合で始まる重合によって生成するオキシメチレン共重合体の析出による配管(B)や配管(C)の閉塞が起こりにくい。
本発明のオキシメチレン共重合体の製造方法において、重合反応原料液は、トリオキサンとコモノマーを含む混合原料液と重合開始剤を含む液体とを、配管(B)と配管(C)の接続部において、混合して得る。混合時の温度は、通常135℃〜300℃であり、好ましくは140℃〜220℃であり、最も好ましくは140℃〜190℃である。混合時の温度が135℃〜300℃であると、トリオキサンとコモノマー、及び重合触媒の接触・混合で始まる重合によって生成するオキシメチレン共重合体の析出による配管(B)や配管(C)の閉塞が起こりにくい。
前記混合原料液と重合開始剤を含む液体とを混合して得られる重合反応原料液が配管(B)内を流通するときの線速度は、通常毎秒0.1mm以上であり、毎秒1.0mm以上がより好ましく、毎秒10.0mm以上が最も好ましい。前記重合反応原料液の線速度が毎秒0.1mm以上であれば、重合進行がもたらす粘度上昇による攪拌効率の低下が起こる前に前記混合原料液と重合開始剤を含む液体との混合が十分に行われるため、高分子量のオキシメチレン共重合体を高収率で製造できる。前記線速度は、前記混合原料液の流量と配管(B)の内径で調節されるが、攪拌効率を上げる目的で、配管(C)の先端部付近の配管(B)の内径を絞ったオリフィスで調節してもよい。
本発明において、前記重合反応原料液が、配管(B)と配管(C)の接続部で前記混合原料液と重合開始剤を含む液体が接触・混合されてから、重合機(A)の入口に到達するまでの時間は、通常0.01〜120秒であり、0.1〜60秒がより好ましく、0.1〜30秒が最も好ましい。前記重合反応原料液が、配管(B)と配管(C)の接続部で前記混合原料液と重合開始剤を含む液体が接触・混合されてから、重合機(A)の入口に到達するまでの時間が0.01〜120秒の範囲であれば、前記混合原料液と重合開始剤を含む液体との混合が十分に行われるため、高分子量のオキシメチレン共重合体を高収率で製造できる。また、前記重合反応原料液が、配管(B)と配管(C)の接続部で前記混合原料液と重合開始剤を含む液体が接触・混合されてから、重合機(A)の入口に到達するまでの時間が0.1〜30秒の範囲であれば、重合開始剤と混合原料液の混合がさらに十分に行われ、且つ、重合の進行がもたらす粘度上昇による圧力損失が過大にならないので、安定して連続製造ができる。
本発明において、重合温度は重合開始剤投入時から重合停止剤投入時までの間、生成したオキシメチレン共重合体が液体状態を維持可能な温度であることが好ましい。重合温度は、通常135〜300℃である。重合温度は、重合開始剤を含む液体において後述するケトン化合物を併用しない場合、140〜220℃が好ましく、140〜190℃が最も好ましい。ケトン化合物を併用する場合、140〜220℃が好ましく、140〜205℃が最も好ましい。重合温度が300℃以下であれば生成したオキシメチレン共重合体の分子量や重合収率が良好であり、135℃以上であれば生成したオキシメチレン共重合体が固体として析出し難く、上述した、液体として取り扱うための簡素な重合反応装置による製造が可能となる。
重合開始剤投入時から重合停止剤投入時までの間、生成したオキシメチレン共重合体が液体状態を維持可能な温度で重合を行った場合、重合反応は弱い吸熱反応の為、反応熱以上の熱量を外部から供給しなければ、重合反応の進行に伴って生成したオキシメチレン共重合体を含む反応生成物(重合反応物)の温度は低下する。これに対して、重合開始剤投入時から重合停止剤投入時までの間、生成したオキシメチレン共重合体が液体状態を維持できない温度で重合を行った場合、生成したオキシメチレン共重合体の結晶化による発熱が重合反応による吸熱を上回るため、その差分の発熱量以上を外部へ除熱しなければ重合反応の進行に伴って重合反応物の温度は上昇する。したがって、重合機の内部温度が大きく上昇する反応では、オキシメチレン共重合体の析出が起こっていると判断できる。
すなわち、本発明においては、重合開始剤投入時から重合停止剤投入時までの間における最大温度差が20℃未満となるような十分に高い重合温度で重合反応を行うことが好ましい。そのような温度で重合反応を行うことで、スタティックミキサー型重合機のような簡素で安価な重合設備による製造を行う際にも、重合反応中のオキシメチレン共重合体の析出によるトラブルを防ぐことができる。
本発明における重合開始剤投入から重合停止剤投入までの時間(重合時間)は、通常0.1〜20分、好ましくは0.4〜5分である。重合時間が20分以下であれば解重合が起こり難く、0.1分以上であれば重合収率が向上する。重合停止剤の投入は、重合収率が通常30%以上、より好ましくは60%以上で行う。
本発明において、重合反応は通常0.15〜50MPa、好ましくは0.15〜20MPaの、少なくとも重合機(A)内の蒸気圧以上の加圧条件下で行われる。
本発明における重合反応の形態としては、不活性溶媒の存在下で行う溶液重合が可能であるが、溶媒の回収コストが不要な実質的に無溶媒下で行う無溶媒重合が好ましい。溶媒を使用する場合、溶媒の種類は特に限定されないが、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素溶剤;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶剤;1,2−ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、1,4−ジオキサン等のエーテル溶剤が挙げられる。なかでも、本発明において必須ではないが、1気圧での沸点が115℃以下の溶媒が好ましい。そのような溶媒は生成したオキメチレン共重合体及び回収したトリオキサンからの蒸留分離が容易である。
本発明において、重合機(A)内を流通する重合反応原料液及び/又は生成したオキシメチレン共重合体を含む反応生成物(重合反応物)の線速度は特に限定されないが、通常毎秒0.01〜5000mm、好ましくは毎秒0.05〜1000mm、最も好ましくは毎秒0.1〜500mmである。そのときのレイノルズ数は、重合機(A)の内径や、重合機(A)内を流通する重合反応原料液及び/又は重合反応物の流速により影響を受けるため、特に限定されるものではないが、通常27000〜0.0000001、好ましくは5000〜0.0000005、最も好ましくは3000〜0.000001である。レイノルズ数が27000〜0.0000001の範囲であれば、重合反応の際、重合反応原料液及び/又は重合反応物の攪拌が十分に行われるので、高分子量、高収率でオキシメチレン共重合体を安定的に連続製造できる。また、レイノルズ数が3000〜0.000001であれば、重合反応原料液及び/又は重合反応物の攪拌が更に十分に行われ、且つ圧力損失が過大とならない。
本発明のオキシメチレン共重合体の製造方法で得られるオキシメチレン共重合体の分子量は、極限粘度の指標で表して、通常0.5〜5dl/gである。極限粘度は、好ましくは0.7〜3.5dl/gであり、最も好ましくは0.9〜2.5dl/gである。
[III:トリオキサンとコモノマーを含む混合原料液]
本発明のオキシメチレン共重合体の製造方法において、トリオキサンとコモノマーを含む混合原料液は、少なくともトリオキサンとコモノマーを含み、これらが混合された液である。
本発明のオキシメチレン共重合体の製造方法において、トリオキサンとコモノマーを含む混合原料液は、少なくともトリオキサンとコモノマーを含み、これらが混合された液である。
本発明において使用されるトリオキサンはホルムアルデヒドの3量体であって、その製造方法は特に限定されず、オキシメチレン共重合体の製造において、回収された未反応のトリオキサンも含まれる。前記トリオキサンは安定剤を含有していても、含有していなくてもよい。保存時の安定性を向上させるなどの為に、トリオキサンが安定剤を含有する場合は、例えば、アミン化合物をトリオキサン1molに対し、通常、トリオキサン1mol当り0.00001〜0.003mmol、好ましくは0.00001〜0.0005mmol、より好ましくは0.00001〜0.0003mmol含有することが好ましい。アミン化合物の含有量が0.003mmol以下であれば、重合開始剤の失活などの悪影響を起こし難く、0.00001mmol以上であればトリオキサンの保存中にパラホルムアルデヒドの発生などが抑制される。
前記トリオキサンに安定剤として含有可能なアミン化合物としては、一級アミン、二級アミン、三級アミン、アルキル化メラミン、ヒンダードアミン化合物等が挙げられる。これらは単独又は2種以上の混合物として使用される。一級アミンとしてはn−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン等が好適に使用される。二級アミンとしては、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ピペリジン、モルホリン等が好適に使用される。三級アミンとしては、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリエタノールアミン等が好適に使用される。アルキル化メラミンとしてはメラミンのメトキシメチル置換体であるモノ、ジ、トリ、テトラ、ペンタ又はヘキサメトキシメチルメラミンあるいはその混合物等が好適に使用される。ヒンダードアミン化合物としては、ビス( 2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)エステル、ポリ〔〔6−(1,1,3,3−テトラメチレンブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル〕〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)イミノ〕ヘキサメチレン〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)イミノ〕、1,2,2,6,6,−ペンタメチルピペリジン、コハク酸ジメチル・1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、及びN,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン・2 ,4−ビス〔N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ〕−1,3,5−トリアジン縮合物等が好適に使用される。中でもトリエタノールアミンが最も好適に使用される。
また、トリオキサンに含まれる水、ギ酸、メタノール、ホルムアルデヒド、メチラール、ジオキシメチレンジメチルエーテル、トリオキシメチレンジメチルエーテル等の金属成分以外の不純物は、トリオキサンを工業的に製造する際に不可避的に発生するものであるが、総量でトリオキサン中100質量ppm以下であることが好ましく、より好ましくは70質量ppm以下、最も好ましくは50質量ppm以下である。なかでも、水は50質量ppm以下であることが好ましく、より好ましくは20質量ppm以下であり、最も好ましくは10質量ppm以下である。
本発明におけるコモノマーは、炭素数2以上のオキシアルキレンユニットを与えるコモノマーであれば、特に限定されないが、好ましくは炭素数2〜6のオキシアルキレンユニットを与えるコモノマーであり、特に好ましくは炭素数2のオキシエチレンユニットを与えるコモノマーである。コモノマーは例えば、環状エーテル、グリシジルエーテル化合物、環状ホルマールなどトリオキサンと共重合可能なコモノマーであれば特に限定されない。コモノマーとして具体的には、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシド、メチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、1,3−ジオキソラン、プロピレングリコールホルマール、ジエチレングリコールホルマール、トリエチレングリコールホルマール、1,3,5−トリオキセパン、1,4−ブタンジオールホルマール、1,5−ペンタンジオールホルマール、1,6−ヘキサンジオールホルマール等が挙げられ、これらからなる群から選択される少なくとも1種が用いられる。コモノマーとして、好ましくはエチレンオキシド、1,3−ジオキソラン、ジエチレングリコールホルマール及び1,4−ブタンジオールホルマールからなる群から選択される少なくとも1種が用いられる。最も好ましくはトリオキサンとの共重合性の点から1,3−ジオキソランが用いられる。
前記コモノマーに含まれる水、ギ酸、ホルムアルデヒド等の金属成分以外の不純物は、総量で1000質量ppm以下であることが好ましく、より好ましくは200質量ppm以下であり、100質量ppm以下が更に好ましく、50質量ppm以下が最も好ましい。
前記コモノマーの使用量はトリオキサンに対して0.4〜45質量%であり、好ましくは1.2〜12質量%、最も好ましくは2.5〜6質量%を使用する。コモノマーの使用量が45質量%以下であれば重合収率及び結晶化速度が低下し難く、0.4質量%以上であれば、不安定部分が減少する。
本発明において、前記混合原料液はトリオキサンとコモノマーとからなり実質的に無溶媒であることが好ましいが、トリオキサン、コモノマー以外に溶媒を使用してもよい。溶媒の種類は特に限定されないが、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素溶剤;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶剤;1,2−ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、1,4−ジオキサン等のエーテル溶剤が挙げられる。なかでも、本発明において必須ではないが、1気圧での沸点が115℃以下の溶媒が好ましい。そのような溶媒は生成したオキメチレン共重合体及び回収したトリオキサンからの蒸留分離が容易である。
[IV:重合開始剤を含む液体]
本発明のオキシメチレン共重合体の製造方法において、重合開始剤を含む液体は、少なくとも重合開始剤を含む。当該重合開始剤は、トリオキサンとコモノマーとの共重合に通常使用されるカチオン性重合開始剤であるプロトン酸であり、プロトン酸無水物又はプロトン酸エステル化合物も用いられる。これらの分子量は、高分子量のオキシメチレン共重合体を、高収率で製造できる点から、1モル当たりの分子量が1000以下であることが好ましい。すなわち、重合開始剤は、1モル当たりの分子量が1000以下のプロトン酸、プロトン酸無水物及びプロトン酸エステル化合物からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
本発明のオキシメチレン共重合体の製造方法において、重合開始剤を含む液体は、少なくとも重合開始剤を含む。当該重合開始剤は、トリオキサンとコモノマーとの共重合に通常使用されるカチオン性重合開始剤であるプロトン酸であり、プロトン酸無水物又はプロトン酸エステル化合物も用いられる。これらの分子量は、高分子量のオキシメチレン共重合体を、高収率で製造できる点から、1モル当たりの分子量が1000以下であることが好ましい。すなわち、重合開始剤は、1モル当たりの分子量が1000以下のプロトン酸、プロトン酸無水物及びプロトン酸エステル化合物からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
前記重合開始剤の1モル当たりの分子量は1000以下が好ましく、より好ましくは800以下、最も好ましくは500以下である。1モル当たりの分子量の下限値は特に限定されず、1モル当たりの分子量は例えば20以上、好ましくは36以上である。
前記プロトン酸、プロトン酸無水物及びプロトン酸エステル化合物としては、例えば、過塩素酸、過塩素酸無水物、アセチルパークロレートなどの過塩素酸及びその誘導体;トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸無水物などのフッ素化又は塩素化されたアルキルスルホン酸及びアリールスルホン酸、その酸無水物並びにそのエステル化合物;ビス(トリフルオロメチル)ホスフィン酸、トリフルオロメチルホスホン酸などのホスフィン酸又はホスホン酸及びその誘導体などが挙げられる。これらは単独又は混合物として使用される。中でも過塩素酸、パーフルオロアルキルスルホン酸、それらの酸無水物及びそれらのエステル化合物からなる群から選択される少なくとも1種が好ましく、製造効率及び経済性を勘案すると、過塩素酸、過塩素酸無水物及び過塩素酸エステル化合物からなる群から選択される少なくとも1種が最も好ましい。
前記重合開始剤の使用量(反応系での存在量)は、主モノマーのトリオキサンに対して、通常0.001質量ppm〜10質量%の範囲であり、好ましくは0.001〜500質量ppmの範囲であり、より好ましくは0.01〜200質量ppmの範囲であり、最も好ましくは0.01〜100質量ppmの範囲である。重合開始剤の使用量が10質量%以下であればオキシメチレン共重合体の分子量の低下などが起き難く、0.001質量ppm以上であれば重合収率の低下などが起き難い。
前記重合開始剤は単独の液として、または溶媒で希釈した溶液として使用される。すなわち、重合開始剤の全部又は一部を溶媒で希釈して使用してもよい。溶媒で希釈する場合、溶媒としては特に限定されないが、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素溶剤;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶剤;1,2−ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、1,4−ジオキサン等のエーテル溶剤が挙げられる。なかでも、本発明において必須ではないが、1気圧での沸点が115℃以下の溶媒が好ましい。そのような溶媒は、生成した共重合体及び回収したトリオキサンからの蒸留分離が容易である。また、1,3−ジオキソラン等のコモノマーの部分量又は全量を溶媒として使用してもよい。
[V:その他の添加物]
本発明オキシメチレン共重合体の製造方法においては、上述した重合開始剤(1モル当たりの分子量が1000以下のプロトン酸、プロトン酸無水物及びプロトン酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも1種)に、更にプロトン酸の塩を併用することが好ましい。これによって、得られるオキシメチレン共重合体の1モル当たりの分子量と重合収率が増大する。その理由は、例えば、前記重合開始剤とプロトン酸の塩の併用によって、重合中の共重合体の分解反応が抑制され、相対的に共重合体の成長反応が優勢となることによるものと推定される。即ち、例えば、135℃以上の重合温度ではプロトン酸の塩が共重合体の活性点近傍の望ましい位置に存在することにより、一般にBack-bitingと呼ばれる、共重合体の活性点がその共重合体自身を攻撃する分解反応が抑制されるものと推定している。
本発明オキシメチレン共重合体の製造方法においては、上述した重合開始剤(1モル当たりの分子量が1000以下のプロトン酸、プロトン酸無水物及びプロトン酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも1種)に、更にプロトン酸の塩を併用することが好ましい。これによって、得られるオキシメチレン共重合体の1モル当たりの分子量と重合収率が増大する。その理由は、例えば、前記重合開始剤とプロトン酸の塩の併用によって、重合中の共重合体の分解反応が抑制され、相対的に共重合体の成長反応が優勢となることによるものと推定される。即ち、例えば、135℃以上の重合温度ではプロトン酸の塩が共重合体の活性点近傍の望ましい位置に存在することにより、一般にBack-bitingと呼ばれる、共重合体の活性点がその共重合体自身を攻撃する分解反応が抑制されるものと推定している。
本発明におけるプロトン酸の塩は、アルカリ成分とプロトン酸とから生成する塩であれば特に制限はない。プロトン酸の塩は、アルカリ成分に由来するカチオンと、プロトン酸に由来するアニオンとから生成する。プロトン酸の塩は、製造効率の観点から、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニア及びアミン化合物からなる群から選択される少なくとも1種のアルカリ成分とプロトン酸とから生成する塩であることが好ましく、アルカリ成分がアルカリ金属及びアルカリ土類金属からなる群から選択される少なくとも1種であることがより好ましい。
前記プロトン酸の塩を構成するプロトン酸はプロトンを放出する化合物であり、高分子量のオキシメチレン共重合体を製造するためには1モル当たりの分子量が1000以下のプロトン酸であることが好ましい。プロトン酸の1モル当たりの分子量は800以下がより好ましく、500以下が最も好ましい。プロトン酸の1モル当たりの分子量の下限値は特に限定されず、1モル当たりの分子量は例えば20以上、好ましくは36以上である。このようなプロトン酸としては、例えば、硫酸、塩酸、リン酸、過塩素酸などの無機酸;フッ素化又は塩素化されたアルキルスルホン酸又はアリールスルホン酸などの有機酸が挙げられる。中でも過塩素酸及びパーフルオロアルキルスルホン酸からなる群から選択される少なくとも1種がより好ましく、製造効率と経済性を勘案すると過塩素酸が最も好ましい。
前記プロトン酸の塩を構成するアルカリ成分は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニア及びアミン化合物からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましく、アルカリ金属及びアルカリ土類金属からなる群から選択される少なくとも1種であることがより好ましい。アルカリ金属にはリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等が含まれる。アルカリ土類金属は広義のアルカリ土類金属であり、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ラジウムの他にベリリウムとマグネシウムも含まれる。アミン化合物には一級アミン、二級アミン、三級アミン、アルキル化メラミン、ヒンダードアミン化合物が含まれる。一級アミンとしてはn−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン等が好適に使用される。二級アミンとしては、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ピペリジン、モルホリン等が好適に使用される。三級アミンとしては、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン等が好適に使用される。アルキル化メラミンとしてはメラミンのメトキシメチル置換体であるモノ、ジ、トリ、テトラ、ペンタ又はヘキサメトキシメチルメラミンあるいはその混合物等が好適に使用される。ヒンダードアミン化合物としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)エステル、ポリ〔〔6−(1,1,3,3−テトラメチレンブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル〕〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)イミノ〕ヘキサメチレン〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)イミノ〕、1,2,2,6,6,−ペンタメチルピペリジン、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、及びN,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス〔N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ〕−1,3,5−トリアジン縮合物等が好適に使用される。
前記プロトン酸の塩は純粋な物質、すなわち、塩として単離された化合物を使用してもよいし、酸アルカリ反応によって生成した物質を精製することなく使用してもよい。酸アルカリ反応によって生成した物質を精製することなく使用する場合のアルカリ成分には、アルカリ金属の単体、アルカリ土類金属の単体、アンモニア、アミン化合物、及びアルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の水酸化物、アルコラート、有機酸塩、無機酸塩若しくは酸化物などが好適に用いられる。
前記プロトン酸の塩の使用量(反応系での存在量)は、主モノマーのトリオキサンに対して、通常0.001質量ppm〜10質量%であり、好ましくは0.01質量ppm〜1質量%であり、最も好ましくは0.01質量ppm〜100質量ppmの範囲で使用される。プロトン酸の塩の使用量が10質量%を以下であれば分子量や重合収率の低下などを起こし難く、0.001質量ppm以上であれば分子量増大効果が見られる。
前記プロトン酸の塩は、上述したトリオキサンとコモノマーを含む混合原料液に溶解又は懸濁させて使用してもよく、上述した重合開始剤を含む液体に溶解又は懸濁させて使用してもよく、前記混合原料液や重合開始剤を含む液体とは別の配管から、重合機(A)に供給してもよい。これらのうち、上述した重合開始剤を含む液体に溶解又は懸濁させて使用することが、高分子量のオキシメチレン共重合体が高収率で得られるので好ましい。
前記プロトン酸の塩は単独であるいは溶液又は懸濁液の形で使用される。すなわち、プロトン酸の塩の全部又は一部を溶媒で希釈して使用してもよい。溶液又は懸濁液として使用する場合の溶媒としては特に限定されないが、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素溶剤;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶剤;1,2−ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、1,4−ジオキサン等のエーテル溶剤が挙げられる。なかでも、本発明において必須ではないが、1気圧での沸点が115℃以下の溶媒が好ましい。そのような溶媒は、生成した共重合体及び回収したトリオキサンからの蒸留分離が容易である。また、トリオキサン、1,3−ジオキソラン等のモノマーやコモノマーの部分量又は全量を溶媒として使用してもよい。
本発明における重合開始剤(好ましくはプロトン酸)とプロトン酸の塩のモル比は特に制限されない。重合開始剤とプロトン酸の塩のモル比は、得られるオキシメチレン共重合体の分子量と重合収率の観点から、1:0.01〜1:2000の範囲が好ましく、1:0.05〜1:10の範囲がより好ましく、1:0.1〜1:5の範囲が最も好ましい。
本発明のオキシメチレン共重合体の製造方法においては、重合開始剤(1モル当たりの分子量が1000以下のプロトン酸、プロトン酸無水物及びプロトン酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも1種)及び1モル当たりの分子量が1000以下のプロトン酸の塩に加え、さらにケトン化合物を添加して重合反応を行うことが好ましい。すなわち、重合開始剤、1モル当たりの分子量が1000以下のプロトン酸の塩及びケトン化合物の存在下に重合反応を行うことが好ましい。
前記ケトン化合物としては、脂肪族ケトン又は芳香族ケトンであれば特に限定されない。ケトン化合物として、好ましくはアセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、ジエチルケトン、2−ヘキサノン、3−ヘキサノン、メチル−t−ブチルケトン、ジn−プロピルケトン、ジイソプロピルケトン、ジイソブチルケトン、ジn−アミルケトン、ステアロン、クロルアセトン、s−ジクロルアセトン、ジアセチル、アセチルアセトン、メシチルオキシド、ホロン、シクロヘキサノン及びベンゾフェノンからなる群から選択される少なくとも1種が用いられる。これらは、1種を単独で、あるいは2種以上を混合して用いることができる。中でもアセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、ジエチルケトン、2−ヘキサノン、3−ヘキサノン、メチル−t−ブチルケトン、ジn−プロピルケトン、ジイソプロピルケトン、ジイソブチルケトン、ジn−アミルケトン、ジアセチル、アセチルアセトン、シクロヘキサノン及びベンゾフェノンからなる群から選択される少なくとも1種がより好ましく、アセトンが最も好ましい。
前記ケトン化合物の使用量(反応系での存在量)は、主モノマーのトリオキサンに対して、通常0.001質量ppm〜30質量%であり、好ましくは0.01質量ppm〜1質量%であり、最も好ましくは0.1質量ppm〜0.5質量%の範囲である。ケトン化合物の使用量が30質量%以下であれば、オキシメチレン共重合体の分子量や重合収率の低下などが起き難く、0.001質量ppm以上であれば、オキシメチレン共重合体の分子量や重合収率の増大効果が見られる。
前記重合開始剤(1モル当たりの分子量が1000以下のプロトン酸、プロトン酸無水物及びプロトン酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも1種)及びプロトン酸の塩に加えて、ケトン化合物を併用することで、重合開始剤とプロトン酸の塩を用いる場合に比べて、より高い重合温度でも、オキシメチレン共重合体の分子量と重合収率の増大効果がより効果的に達成される。これは、例えば、ケトン化合物を併用することで、重合中の共重合体の分解反応が抑制され、相対的に共重合体の成長反応が優勢となることによるものと推定される。
前記ケトン化合物は、上述したトリオキサンとコモノマーを含む混合原料液と混合して使用してもよく、上述した重合開始剤を含む液体と混合して使用してもよく、前記混合原料液や重合開始剤を含む液体とは別の配管から、重合機(A)に供給してもよい。これらのうち、トリオキサンとコモノマーを含む混合原料液と混合、あるいは重合開始剤を含む液体と混合して使用することが、高分子量のオキシメチレン共重合体が高収率で得られるので好ましい。
前記ケトン化合物は単独の液としてまたは溶媒で希釈した溶液として使用される。すなわち、ケトン化合物の全部又は一部を溶媒で希釈して使用してもよい。溶液として使用する場合の溶媒としては特に限定されないが、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素溶剤;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶剤;1,2−ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、1,4−ジオキサン等のエーテル溶剤が挙げられる。なかでも、本発明において必須ではないが、1気圧での沸点が115℃以下の溶媒が好ましい。そのような溶媒は生成した共重合体及び回収したトリオキサンからの蒸留分離が容易である。また、1,3−ジオキソラン等のコモノマーの部分量又は全量を溶媒として使用してもよい。
本発明において、重合反応にケトン化合物を使用する場合、重合開始剤(好ましくはプロトン酸)とケトン化合物のモル比は1:0.1〜1:100000の範囲が好ましく、1:5〜1:10000の範囲がより好ましく、1:50〜1:5000の範囲が最も好ましい。
本発明のオキシメチレン共重合体の製造方法において、重合反応は分子量調整剤の存在下で行ってもよい。例えば、オキシメチレン共重合体の分子量を調節する目的で、分子量調節剤をトリオキサンに対して0.01質量ppm〜10質量%を使用することができ、0.1質量ppm〜1質量%使用することがより好ましい。分子量調節剤としては、カルボン酸、カルボン酸無水物、エステル、アミド、イミド、フェノール化合物、アセタール化合物等が挙げられ、これらからなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。このなかで、フェノール、2,6−ジメチルフェノール、メチラール及びポリオキシメチレンジメトキシドからなる群から選択される少なくとも1種がより好ましく、メチラールが特に好ましい。
前記分子量調節剤は、上述した重合開始剤を含む液体と原料のトリオキサンやコモノマーとを接触・混合する以前に、原料のトリオキサンやコモノマーと混合することが好ましい。そのようにすることで、高分子量のオキシメチレン共重合体を高収率で得やすい。
前記分子量調節剤は単独の液として、または溶媒で希釈した溶液として使用される。すなわち、分子量調整剤の全部又は一部を溶媒で希釈して使用してもよい。溶液として使用する場合の溶媒としては特に限定されないが、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素溶剤;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶剤;1,2−ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、1,4−ジオキサン等のエーテル溶剤が挙げられる。なかでも、本発明において必須ではないが、1気圧での沸点が115℃以下の溶媒が好ましい。そのような溶媒は生成した共重合体及び回収したトリオキサンからの蒸留分離が容易である。また、1,3−ジオキソラン等のコモノマーの部分量又は全量を溶媒として使用してもよい。
本発明のオキシメチレン共重合体の製造方法において、重合反応は、立体障害性フェノール化合物の存在下で共重合を行うことも可能である。立体障害性フェノール化合物を共存させる場合、その使用量はトリオキサンに対し、通常、0.0001〜2.0質量%、好ましくは0.001〜0.5質量%、最も好ましくは0.002〜0.1質量%である。立体障害性フェノール化合物の使用量が2.0質量%以下であれば生成するオキシメチレン共重合体の分子量の低下、重合収率の低下などを起こし難く、0.0001質量%以上であればオキシメチレン共重合体中のギ酸エステル末端基構造などの不安定部分の生成を更に抑制するので、熱又は加水分解安定性の低下などの悪影響は起きない。
前記立体障害性フェノール化合物としては、例えばジブチルヒドロキシトルエン、トリエチレングリコール−ビス−3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート、ペンタエリスリチル−テトラキス−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2’−メチレンビス(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)、3,9−ビス{2−〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル〕プロピオニルオキシ)−1,1−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン、N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナミド〕、3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシベンゼンプロピオン酸1,6−ヘキサンジイルエステル等が挙げられ、これらからなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。中でもトリエチレングリコール−ビス−3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート、ペンタエリスリチル−テトラキス−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート及び3,9−ビス{2−〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル〕プロピオニルオキシ)−1,1−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカンからなる群から選択される少なくとも1種がより好適に使用され、トリエチレングリコール−ビス−3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネートが最も好適に使用される。
前記立体障害性フェノール化合物は、上述したトリオキサンとコモノマーを含む混合原料液と混合して使用してもよく、上述した重合開始剤を含む液体と混合して使用してもよく、前記混合原料液や重合開始剤を含む液体とは別の配管から、重合機(A)に供給してもよい。これらのうち、トリオキサンとコモノマーを含む混合原料液と混合、あるいは重合開始剤を含む液体と混合して使用することが、高分子量のオキシメチレン共重合体が高収率で得られるので好ましい。
前記立体障害性フェノール化合物は単独であるいは溶液の形でトリオキサンに添加される。溶液として使用する場合の溶媒としては特に限定されないが、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素溶剤;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶剤;1,2−ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、1,4−ジオキサン等のエーテル溶剤が挙げられる。なかでも、本発明において必須ではないが、1気圧での沸点が115℃以下の溶媒が好ましい。そのような溶媒は生成した共重合体及び回収したトリオキサンからの蒸留分離が容易である。また、1,3−ジオキソラン等のコモノマーの部分量又は全量を溶媒として使用してもよい。重合反応中の立体障害性フェノール化合物の活性を保つために、重合機入口で立体障害性フェノール化合物を単独であるいはその溶液を添加することが望ましい。
[VI:オキシメチレン共重合体の製造方法(重合反応停止以後の工程)]
本発明において、重合反応の停止は、重合停止剤を重合反応物に添加、混合することにより行うことができる。すなわち、本発明のオキシメチレン共重合体の製造方法は、重合停止剤を添加する工程を更に含むことが好ましい。重合停止剤は、溶融物、溶液又は懸濁液の形態で使用するが、その混合方法は、回分式の場合は重合停止剤を重合反応後に重合機(A)に添加して行い、連続式の場合は重合反応物と重合停止剤を混合装置(重合停止剤混合機(D)、停止反応機)へ連続的に供給して行う。中でも、前述したように静止型混合エレメントを備えた駆動部を持たないスタティックミキサー型の重合停止剤混合機(D)や停止反応機を用いて連続的に混合する方法が好適である。
本発明において、重合反応の停止は、重合停止剤を重合反応物に添加、混合することにより行うことができる。すなわち、本発明のオキシメチレン共重合体の製造方法は、重合停止剤を添加する工程を更に含むことが好ましい。重合停止剤は、溶融物、溶液又は懸濁液の形態で使用するが、その混合方法は、回分式の場合は重合停止剤を重合反応後に重合機(A)に添加して行い、連続式の場合は重合反応物と重合停止剤を混合装置(重合停止剤混合機(D)、停止反応機)へ連続的に供給して行う。中でも、前述したように静止型混合エレメントを備えた駆動部を持たないスタティックミキサー型の重合停止剤混合機(D)や停止反応機を用いて連続的に混合する方法が好適である。
本発明において、重合停止剤混合機(D)及び/又は停止反応機内を流通する重合反応物と重合停止剤の混合物の線速度は通常毎秒0.01〜5000mm、好ましくは毎秒0.05〜1000mm、最も好ましくは毎秒0.1〜500mmである。そのときのレイノルズ数は、重合停止剤混合機(D)及び/又は停止反応機の内径や、流通する重合反応物と重合停止剤の混合物の流速により影響を受けるため、特に限定されるものではないが、通常20〜0.0000001、好ましくは4.0〜0.0000005、最も好ましくは2.0〜0.000001である。レイノルズ数が20〜0.0000001の範囲であれば、重合停止剤と重合開始剤との反応が十分に行われるため、高分子量、高収率でオキシメチレン共重合体を安定的に連続製造できる。また、レイノルズ数が2.0〜0.000001であれば、重合停止剤と重合開始剤との反応が更に十分に行われ、且つ、圧力損失が過大とならない。
前記重合停止剤としては、一級アミン、二級アミン、三級アミン、アルキル化メラミン、ヒンダードアミン化合物等のアミン化合物;三価の有機リン化合物;アルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属のアルコラート等のアルカリ金属の塩、アルカリ土類金属の水酸化物、アルカリ土類金属のアルコラート等のアルカリ土類金属の塩が挙げられ、これらからなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。すなわち、重合停止剤は、アミン化合物、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属のアルコラート、アルカリ土類金属の水酸化物及びアルカリ土類金属のアルコラートからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。重合停止剤は単独又は混合物として使用される。
前記一級アミンとしてはn−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン等が好適に使用される。二級アミンとしては、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ピペリジン、モルホリン等が好適に使用される。三級アミンとしては、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン等が好適に使用される。アルキル化メラミンとしてはメラミンのメトキシメチル置換体であるモノ、ジ、トリ、テトラ、ペンタ又はヘキサメトキシメチルメラミンあるいはその混合物等が好適に使用される。ヒンダードアミン化合物としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)エステル、ポリ〔〔6−(1,1,3,3−テトラメチレンブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル〕〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)イミノ〕ヘキサメチレン〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)イミノ〕、1,2,2,6,6,−ペンタメチルピペリジン、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、及びN,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス〔N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ〕−1,3,5−トリアジン縮合物等が好適に使用される。アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物又はアルコラートとしては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リチウムメトキシド、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、リチウムエトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、マグネシウムメトキシド、カルシウムメトキシド、マグネシウムエトキシド、カルシウムエトキシド等が好適に使用される。
なかでも未反応モノマーを蒸発分離する際のモノマーとの分離が容易である点で、ヒンダードアミン化合物、アルキル化メラミン、アルカリ金属の水酸化物及びアルカリ金属のアルコラートからなる群から選択される少なくとも1種がより好ましい。上記した化合物のうち、ヒンダードアミン化合物としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、コハク酸ジメチル・1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン・2,4−ビス〔N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ〕−1,3,5−トリアジン縮合物がより好適である。アルキル化メラミンとしては、ヘキサメトキシメチルメラミンがより好適である。アルカリ金属の水酸化物又はアルコラートとしては、水酸化ナトリウム、ナトリウムメトキシドがより好適である。そのなかで、ナトリウムメトキシドが最も好適である。
更に重合停止剤として、アミン化合物と、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物又はアルコラートとを併用する方法は、過剰のアルカリ金属又はアルカリ土類金属による着色やオキシメチレン共重合体の分子量低下などの悪影響を抑制することができるので、好適であり、なかでもアミン化合物とナトリウムメトキシドを併用する方法が最も好適である。
上述した重合停止剤は単独で又は溶液若しくは懸濁液の形態で使用される。すなわち、重合停止剤の全部又は一部を溶媒で希釈して使用してもよい。重合停止剤を溶液又は懸濁液の形態で使用する場合、使用される溶媒は特に限定されない。溶媒としては、水、アルコール溶剤に加えて、アセトン、メチルエチルケトン、1,2−ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、1,4−ジオキサン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メチレンジクロライド、エチレンジクロライド等の各種の脂肪族及び芳香族の有機溶剤が使用可能である。これらの中で好ましいものは、水及びアルコール溶剤並びにアセトン、メチルエチルケトン、1,2−ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、1,4−ジオキサン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の脂肪族、芳香族の有機溶剤である。なかでも、本発明において必須ではないが、1気圧での沸点が115℃以下の溶媒が好ましい。そのような溶媒は生成した共重合体及び回収したトリオキサンからの蒸留分離が容易である。重合停止剤には、トリオキサンや1,3−ジオキソラン等のモノマーやコモノマーを溶媒として使用してもよい。また、別に製造したポリアセタールにより重合停止剤を希釈して添加することも好適である。
前記重合停止剤の使用量は、添加した重合開始剤量に対して、通常0.1〜100モル当量であり、好ましくは1〜10モル当量であり、最も好ましくは1〜2モル当量の範囲で使用される。重合停止剤の使用量が100モル当量以下であれば着色や分解によるオキシメチレン共重合体の分子量の低下などを起こし難くい。また、0.1モル当量以上であれば解重合によるオキシメチレン共重合体の分子量の低下などが起き難い。なお、重合停止剤の当量とは、重合開始剤1モルを失活させるのに要するモル数を意味する。
また、重合停止剤として、アミン化合物と、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物又はアルコラートとを併用する場合は、添加した重合開始剤量に対して、アミン化合物は通常0.1〜100モル当量、好ましくは1〜50モル当量、最も好ましくは1〜10モル当量の範囲で使用される。一方、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物又はアルコラートは通常0.001〜50モル当量、好ましくは0.01〜5モル当量、最も好ましくは0.1〜2モル当量の範囲で使用される。0.1モル当量以上のアミン化合物をアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物又はアルコラートと併用することにより、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物又はアルコラートの使用量を50モル当量以下に低減しても十分な重合停止効果を持ち、同時に、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物又はアルコラートのみを用いた場合に見られる過剰のアルカリ金属成分又はアルカリ土類金属成分による着色、オキシメチレン共重合体の分子量低下などの悪影響を抑制することができる。
本発明において重合反応の停止は、通常0.15〜50MPa、より好ましくは0.15〜20MPaの、少なくとも内部の蒸気圧以上の加圧条件下で実施される。重合反応の停止は、通常130〜300℃、より好ましくは135〜250℃の温度範囲で実施される。重合停止剤を添加して重合開始剤を失活させる際の混合時間は、通常0.1〜20分、より好ましくは1〜10分である。
重合反応停止後のオキシメチレン共重合体(以下、「重合反応停止混合物」ともいう)は、通常20〜40質量%の残存モノマーや分解生成物であるホルムアルデヒド、テトラオキサン等の揮発成分を含んでいる。また、このオキシメチレン共重合体は、加熱によってホルムアルデヒドを発生するヘミアセタール末端に起因する熱的不安定部分を通常10質量%以下含有している。これらを除去するため、本発明のオキシメチレン共重合体の製造方法は、引き続き脱気装置によって、揮発成分及び熱的不安定部分の少なくとも一部をガス成分として除去する工程(熱安定化工程)を更に含むことが好ましい。
前記脱気装置としては、フラッシュポット、一軸又は二軸スクリューを備えたベント付き押出機、一軸又は二軸の特殊形状の撹拌翼を備えた横型高粘度液脱気装置(例えば日立プラントテクノロジー社製メガネ翼重合機)、薄膜蒸発器、噴霧乾燥機、ストランド脱気装置などが挙げられ、これらからなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。中でもフラッシュポット、一軸又は二軸スクリューを備えたベント付き押出機、一軸又は二軸の特殊形状の撹拌翼を備えた横型高粘度液脱気装置などからなる群から選択される脱気装置を単独もしくは複数台組み合わせて使用することがより好適である。また、前記揮発成分の脱気を促進するため、水などの大気圧における沸点が200℃以下の物質を、単独でまたはトリエチルアミンなどの塩基性物質とともにこれらの脱気装置に圧入後、減圧し脱気することもできる。脱気装置により分離された揮発成分(ガス成分)は、加圧装置または凝縮装置により液化するか、あるいは吸収装置により吸収され、そのまま、あるいは蒸留等により精製して重合反応にリサイクル使用することができる。
本発明において、オキシメチレン共重合体の製造方法が、揮発成分及び熱的不安定部分の少なくとも一部をガス成分として除去する工程を更に含む場合、当該工程の温度は、例えば130〜300℃であり、好ましくは160〜250℃である。また当該工程の圧力は、例えば0.00001〜50MPaであり、好ましくは0.0001〜5MPaである。
従って、本発明におけるオキシメチレン共重合体の製造方法は、重合反応混合物又は重合反応停止物を、さらに130〜300℃の温度で0.00001〜50MPaの圧力下にフラッシュポット、一軸又は二軸スクリューを備えたベント付き押出機及び一軸又は二軸の撹拌翼を備える横型高粘度液脱気装置からなる群から選択される少なくとも1種の脱気装置中で、揮発成分及び熱的不安定部分の少なくとも一部をガス成分として除去する工程を更に含むことが好ましい。更に、除去されたガス成分を液化し、その一部又は全部を原料トリオキサン中にリサイクルする工程を更に含むことが好ましい。ガス成分の液化方法は特に限定されず、通常用いられる方法から適宜選択することができる。例えば、ガス成分を加圧することで液化することができる。
これらの方法により揮発成分及び熱的不安定部分をガス成分として除去した後、ペレット化し、熱安定性が良好で成形可能なオキシメチレン共重合体を得る事が出来る。
また、上記の揮発成分及び熱的不安定部分を除去する工程中、もしくはその後工程において、一軸又は二軸スクリューを備えた押出機、一軸又は二軸の特殊形状の撹拌翼を備えた横型高粘度液脱気装置、スタティックミキサー等の工業的に通常使用する溶融混合装置によって酸化防止剤、熱安定剤等の安定剤を添加混合することができる。
前記酸化防止剤としては、トリエチレングリコール−ビス−3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート、ペンタエリスリチル−テトラキス−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレンビス(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)、3,9−ビス{2−〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル〕プロピオニルオキシ)−1,1−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン、N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナミド〕、3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシベンゼンプロピオン酸1,6−ヘキサンジイルエステル等の立体障害性フェノール化合物が挙げられ、これらからなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。
前記熱安定剤としては、メラミン、メチロールメラミン、ベンゾグアナミン、シアノグアニジン、N,N−ジアリールメラミン等のトリアジン化合物、ポリアミド化合物、尿素誘導体、ウレタン化合物等の有機化合物;ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、バリウムの無機酸塩、水酸化物、有機酸塩等が挙げられる。なかでも立体障害性フェノール化合物及びトリアジン化合物からなる群から選択される少なくとも1種の安定剤を使用することが好適であり、トリエチレングリコール−ビス−3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネートとメラミンとの組合せが最も好適である。
本発明におけるオキシメチレン共重合体の製造方法は、立体障害性フェノール化合物及びトリアジン化合物からなる群から選択される少なくとも1種の安定剤を添加する工程を更に含むことが好ましい。安定剤を添加する場合、安定剤の使用量は特に制限されず、目的等に応じて適宜選択することができる。安定剤の使用量は例えば、オキシメチレン共重合体に対して0.0001〜10質量%であり、好ましくは0.001〜5質量%である。
本発明の製造方法によって得られる最終製品のオキシメチレン共重合体ペレットは、10torr減圧下で240℃、2時間加熱した場合の重量減少率等の方法で測定される不安定部分を1.5質量%以下、通常1.4〜0.1質量%有し、その割合は少ない。
以上、詳述した本発明の製造方法により、得られたオキシメチレン共重合体は、従来の方法で得られたオキシメチレン共重合体と同じく優れた性質を有し、同じ用途に用いることができる。
また、本発明の製造方法により製造されたオキシメチレン共重合体には、着色剤、核剤、可塑剤、離型剤、蛍光増白剤あるいはポリエチレングリコール、グリセリンのような帯電防止剤、ベンゾフェノン系化合物、ヒンダードアミン系化合物のような光安定剤等の添加剤を、所望により添加することができる。
以下に本発明の実施例及び比較例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。また実施例、比較例において記載した用語及び測定方法を以下に説明する。
<極限粘度の測定>
実施例及び比較例で得られたオキシメチレン共重合体の分子量の評価は、極限粘度を尺度に用いて行った。極限粘度は、2質量%のα−ピネンと0.1質量%のトリn−ブチルアミンを添加したp−クロロフェノール中に、オキシメチレン共重合体を0.1質量%溶解して、オストワルド粘度計を用いて60℃で測定した。極限粘度が0.9dl/g以上であれば、良好である。
実施例及び比較例で得られたオキシメチレン共重合体の分子量の評価は、極限粘度を尺度に用いて行った。極限粘度は、2質量%のα−ピネンと0.1質量%のトリn−ブチルアミンを添加したp−クロロフェノール中に、オキシメチレン共重合体を0.1質量%溶解して、オストワルド粘度計を用いて60℃で測定した。極限粘度が0.9dl/g以上であれば、良好である。
<過塩素酸溶液の調製>
過塩素酸(70質量%水溶液、和光純薬工業株式会社製)をジエチレングリコールジメチルエーテルで希釈して、過塩素酸-ジエチレングリコールジメチルエーテル溶液を、重合反応に使用する直前に調製した。
過塩素酸(70質量%水溶液、和光純薬工業株式会社製)をジエチレングリコールジメチルエーテルで希釈して、過塩素酸-ジエチレングリコールジメチルエーテル溶液を、重合反応に使用する直前に調製した。
<過塩素酸ナトリウム塩溶液の調製>
ナトリウムメトキシド(28質量%メタノール溶液、和光純薬工業株式会社製)と過塩素酸(70質量%水溶液)を1:1のモル比で塩を生成する様に25℃のジエチレングリコールジメチルエーテル中で反応させ、NaClO4−ジエチレングリコールジメチルエーテル溶液を、重合反応に使用する直前に調製した。
ナトリウムメトキシド(28質量%メタノール溶液、和光純薬工業株式会社製)と過塩素酸(70質量%水溶液)を1:1のモル比で塩を生成する様に25℃のジエチレングリコールジメチルエーテル中で反応させ、NaClO4−ジエチレングリコールジメチルエーテル溶液を、重合反応に使用する直前に調製した。
<実施例及び比較例>
・実施例1
第1予熱機、重合機(A)、重合停止剤混合機(D)、停止反応機、及び第2予熱機を直列に配管で接続した連続重合装置を用いて、オキシメチレン共重合体の製造を行った。なお、用いた、第1予熱機、重合機(A)、重合停止剤混合機(D)、停止反応機、及び第2予熱機は、いずれも、内部に静止型混合エレメントを備え、加熱ジャケットを有するスタティックミキサー型であった。
実施例1では、第1予熱機と重合機(A)を接続する内径3mmの配管(B)の途中に、重合開始剤を含む液体を供給するための配管(C)を接続した、連続重合装置を用いた。その際、配管(C)は、配管(B)の内壁に配管(C)の先端部が接触しないように、且つ配管(B)内を流れる液の流れ方向に傾けて、接続した。配管(B)に対する配管(C)の接続角度は、配管(B)の川上側を基準として20度であった。また、重合機(A)の内径は9mmであり、内径が9mmである領域は、重合機(A)の入口から出口までのうち、95%であった。
まず、第1予熱機の入口から、2kg/hrのトリオキサン、0.08kg/hrのコモノマーである1,3−ジオキソラン、及びメチラール(分子量調節剤)のジエチレングリコールジメチルエーテル溶液を、ダブルプランジャーポンプを用いて供給し、これらの原料を第1予熱機内で混合した。その際、メチラールの使用量は、極限粘度を1.1〜1.5dl/gに調節するために必要な量とした。得られた混合原料液は、第1予熱機内で、重合温度である150℃まで加熱した。なお、使用したトリオキサンは、安定剤として立体障害性フェノール化合物であるヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を100質量ppm含有していた。また、水、ギ酸、ホルムアルデヒド等の不純物はそれぞれ20質量ppm以下であった。
一方、重合開始剤を含む液体は、トリオキサンに対して2.5質量ppmの量となる過塩素酸(重合開始剤)と、トリオキサンに対して3.0質量ppmの量となる過塩素酸ナトリウム(NaClO4)を、それぞれ3質量%過塩素酸−ジエチレングリコールジメチルエーテル溶液、0.5質量%NaClO4−ジエチレングリコールジメチルエーテル溶液として、使用直前に混合して調製した。
次に、トリオキサンとコモノマーと分子量調節剤を含む混合原料液を、配管(B)を通じて第1予熱機から重合機(A)に向けて供給すると同時に、ダブルプランジャーポンプを用いて、前述した重合開始剤を含む液体を、配管(C)を通じて連続的に供給した。このようにして得られた前記混合原料液と重合開始剤を含む液体の混合液(重合反応原料液)を、重合機(A)に供給した。このとき、前記した内径3mmの配管(B)内を流れる重合反応原料液の線速度は毎秒71mm、重合反応原料液の配管内の滞在時間4秒であった。
重合反応は、重合機(A)のジャケット温度を前記した重合温度と同じにして行った。重合機(A)は、重合反応原料液の線速度が毎秒8mmとなる条件で運転した。このとき、重合反応原料液の重合機(A)内の平均滞在時間は2分であった。
その後、重合開始剤量の2倍当量のナトリウムメトキシドをジエチレングリコールジメチルエーテル溶液(溶液濃度:5mmol/ml)として、重合機(A)と重合停止剤混合機(D)とを接続する配管の途中に、ダブルプランジャーポンプを用いて連続的に供給した。重合停止剤混合機(D)中で、重合反応物と重合停止剤とを混合後、更に停止反応機へ流通させた。
用いた重合停止剤混合機(D)の内径の最大値は、重合機(A)の内径の最大値の40%であった。重合停止剤混合機(D)、停止反応機のジャケット温度は、重合温度と同じになるようにした。重合停止剤混合機(D)と停止反応機における重合反応物と重合停止剤の混合物の平均滞在時間は合わせて3分であった。
次いで、重合反応物と重合停止剤の混合物を第2予熱機へ供給し、235℃の温度まで加熱し、大気圧のフラッシュポットで放圧することによって、未反応モノマー、分解生成物を蒸発させ、さらに減圧下で低沸点物を除去してオキシメチレン共重合体を取得した。このとき、第2予熱機の出口には背圧弁を設置して、オキシメチレン共重合体の流速が安定するように圧力を調整した。得られたオキシメチレン共重合体の重合収率は70%、極限粘度は1.5dl/gであった。
・実施例1
第1予熱機、重合機(A)、重合停止剤混合機(D)、停止反応機、及び第2予熱機を直列に配管で接続した連続重合装置を用いて、オキシメチレン共重合体の製造を行った。なお、用いた、第1予熱機、重合機(A)、重合停止剤混合機(D)、停止反応機、及び第2予熱機は、いずれも、内部に静止型混合エレメントを備え、加熱ジャケットを有するスタティックミキサー型であった。
実施例1では、第1予熱機と重合機(A)を接続する内径3mmの配管(B)の途中に、重合開始剤を含む液体を供給するための配管(C)を接続した、連続重合装置を用いた。その際、配管(C)は、配管(B)の内壁に配管(C)の先端部が接触しないように、且つ配管(B)内を流れる液の流れ方向に傾けて、接続した。配管(B)に対する配管(C)の接続角度は、配管(B)の川上側を基準として20度であった。また、重合機(A)の内径は9mmであり、内径が9mmである領域は、重合機(A)の入口から出口までのうち、95%であった。
まず、第1予熱機の入口から、2kg/hrのトリオキサン、0.08kg/hrのコモノマーである1,3−ジオキソラン、及びメチラール(分子量調節剤)のジエチレングリコールジメチルエーテル溶液を、ダブルプランジャーポンプを用いて供給し、これらの原料を第1予熱機内で混合した。その際、メチラールの使用量は、極限粘度を1.1〜1.5dl/gに調節するために必要な量とした。得られた混合原料液は、第1予熱機内で、重合温度である150℃まで加熱した。なお、使用したトリオキサンは、安定剤として立体障害性フェノール化合物であるヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を100質量ppm含有していた。また、水、ギ酸、ホルムアルデヒド等の不純物はそれぞれ20質量ppm以下であった。
一方、重合開始剤を含む液体は、トリオキサンに対して2.5質量ppmの量となる過塩素酸(重合開始剤)と、トリオキサンに対して3.0質量ppmの量となる過塩素酸ナトリウム(NaClO4)を、それぞれ3質量%過塩素酸−ジエチレングリコールジメチルエーテル溶液、0.5質量%NaClO4−ジエチレングリコールジメチルエーテル溶液として、使用直前に混合して調製した。
次に、トリオキサンとコモノマーと分子量調節剤を含む混合原料液を、配管(B)を通じて第1予熱機から重合機(A)に向けて供給すると同時に、ダブルプランジャーポンプを用いて、前述した重合開始剤を含む液体を、配管(C)を通じて連続的に供給した。このようにして得られた前記混合原料液と重合開始剤を含む液体の混合液(重合反応原料液)を、重合機(A)に供給した。このとき、前記した内径3mmの配管(B)内を流れる重合反応原料液の線速度は毎秒71mm、重合反応原料液の配管内の滞在時間4秒であった。
重合反応は、重合機(A)のジャケット温度を前記した重合温度と同じにして行った。重合機(A)は、重合反応原料液の線速度が毎秒8mmとなる条件で運転した。このとき、重合反応原料液の重合機(A)内の平均滞在時間は2分であった。
その後、重合開始剤量の2倍当量のナトリウムメトキシドをジエチレングリコールジメチルエーテル溶液(溶液濃度:5mmol/ml)として、重合機(A)と重合停止剤混合機(D)とを接続する配管の途中に、ダブルプランジャーポンプを用いて連続的に供給した。重合停止剤混合機(D)中で、重合反応物と重合停止剤とを混合後、更に停止反応機へ流通させた。
用いた重合停止剤混合機(D)の内径の最大値は、重合機(A)の内径の最大値の40%であった。重合停止剤混合機(D)、停止反応機のジャケット温度は、重合温度と同じになるようにした。重合停止剤混合機(D)と停止反応機における重合反応物と重合停止剤の混合物の平均滞在時間は合わせて3分であった。
次いで、重合反応物と重合停止剤の混合物を第2予熱機へ供給し、235℃の温度まで加熱し、大気圧のフラッシュポットで放圧することによって、未反応モノマー、分解生成物を蒸発させ、さらに減圧下で低沸点物を除去してオキシメチレン共重合体を取得した。このとき、第2予熱機の出口には背圧弁を設置して、オキシメチレン共重合体の流速が安定するように圧力を調整した。得られたオキシメチレン共重合体の重合収率は70%、極限粘度は1.5dl/gであった。
・比較例1
比較例1では、重合開始剤を含む液体を供給するための配管(C)を、第1予熱機と重合機(A)を接続する内径3mmの配管(B)の途中ではなく、重合機(A)の本体に直接接続した以外は、実施例1と同様の連続重合装置を用いて、オキシメチレン共重合体の製造を行った。
また、オキシメチレン共重合体は、重合開始剤を含む液体を、第1予熱機と重合機(A)を接続する配管(B)の途中ではなく、重合機(A)本体に直接接続した重合開始剤を含む液体を供給するための配管(C)から、重合機(A)に直接供給した以外は、実施例1と同様にして、得た。また、分子量調整剤であるメチラールの使用量は絶対量として実施例1と同じ量とした。得られたオキシメチレン共重合体の重合収率は53%、極限粘度は0.8dl/gであった。
比較例1では、重合開始剤を含む液体を供給するための配管(C)を、第1予熱機と重合機(A)を接続する内径3mmの配管(B)の途中ではなく、重合機(A)の本体に直接接続した以外は、実施例1と同様の連続重合装置を用いて、オキシメチレン共重合体の製造を行った。
また、オキシメチレン共重合体は、重合開始剤を含む液体を、第1予熱機と重合機(A)を接続する配管(B)の途中ではなく、重合機(A)本体に直接接続した重合開始剤を含む液体を供給するための配管(C)から、重合機(A)に直接供給した以外は、実施例1と同様にして、得た。また、分子量調整剤であるメチラールの使用量は絶対量として実施例1と同じ量とした。得られたオキシメチレン共重合体の重合収率は53%、極限粘度は0.8dl/gであった。
<実施例及び比較例の説明>
内部に静止型混合エレメントを有し、且つ駆動部を有しないスタティックミキサー型の重合機(A)と、トリオキサンとコモノマーを含む混合原料液を前記重合機(A)に供給するための配管(B)と、配管(B)の途中に接続された重合開始剤を含む液体を供給するための配管(C)とを有する重合反応装置を用いて、オキシメチレン共重合体の製造を行い、その際、前記混合原料液と重合開始剤を含む液体を、配管(B)と配管(C)の接続部において150℃の温度で混合して重合反応原料液を得るときの、配管(B)内を流通する前記重合反応原料液の線速度を毎秒71mmとし、且つ前記重合反応原料液が、配管(B)と配管(C)の接続部から重合機(A)の入口に到達するまでの時間を4秒とした実施例1で得られたオキシメチレン共重合体の重合収率は70%、極限粘度は1.5dl/gであった。
これに対し、重合開始剤を含む液体を供給するための配管(C)を、第1予熱機と重合機(A)を接続する内径3mmの配管(B)の途中ではなく、重合機(A)の本体に直接接続した、重合反応装置を用い、重合開始剤を含む液体を、重合機(A)本体に直接接続した配管(C)から、重合機(A)に直接供給した比較例1で得られたオキシメチレン共重合体の重合収率は53%、極限粘度は0.8dl/gであり、実施例1の結果と比べて、重合収率、分子量の点で著しく劣っていた。
内部に静止型混合エレメントを有し、且つ駆動部を有しないスタティックミキサー型の重合機(A)と、トリオキサンとコモノマーを含む混合原料液を前記重合機(A)に供給するための配管(B)と、配管(B)の途中に接続された重合開始剤を含む液体を供給するための配管(C)とを有する重合反応装置を用いて、オキシメチレン共重合体の製造を行い、その際、前記混合原料液と重合開始剤を含む液体を、配管(B)と配管(C)の接続部において150℃の温度で混合して重合反応原料液を得るときの、配管(B)内を流通する前記重合反応原料液の線速度を毎秒71mmとし、且つ前記重合反応原料液が、配管(B)と配管(C)の接続部から重合機(A)の入口に到達するまでの時間を4秒とした実施例1で得られたオキシメチレン共重合体の重合収率は70%、極限粘度は1.5dl/gであった。
これに対し、重合開始剤を含む液体を供給するための配管(C)を、第1予熱機と重合機(A)を接続する内径3mmの配管(B)の途中ではなく、重合機(A)の本体に直接接続した、重合反応装置を用い、重合開始剤を含む液体を、重合機(A)本体に直接接続した配管(C)から、重合機(A)に直接供給した比較例1で得られたオキシメチレン共重合体の重合収率は53%、極限粘度は0.8dl/gであり、実施例1の結果と比べて、重合収率、分子量の点で著しく劣っていた。
Claims (8)
- 内部に静止型混合エレメントを有し、且つ駆動部を有しないスタティックミキサー型の重合機(A)と、トリオキサンとコモノマーを含む混合原料液を前記重合機(A)に供給するための配管(B)と、前記配管(B)の途中に接続された重合開始剤を含む液体を供給するための配管(C)とを有する、重合反応装置を用いるオキシメチレン共重合体の製造方法であって、前記配管(B)と前記配管(C)の接続部において前記混合原料液と前記重合開始剤を含む液体とを混合することにより得られる重合反応原料液が、135℃〜300℃の温度で混合することにより得られ、且つ前記重合反応原料液の前記接続部以降の配管(B)内を流通する線速度が、毎秒0.1mm以上であり、且つ前記重合反応原料液が、前記接続部から重合機(A)の入口に到達するまでの時間が0.01〜120秒である、オキシメチレン共重合体の製造方法。
- 前記接続部において、配管(C)の先端が配管(B)の内壁と接触しない形態で接続されている、請求項1に記載のオキシメチレン共重合体の製造方法。
- 前記重合反応装置における配管(B)に対する配管(C)の接続角度が配管(B)の川上側を基準として90度以下の角度になるように接続されている、請求項1又は2に記載のオキシメチレン共重合体の製造方法。
- 前記重合反応装置における重合機(A)の内径が、重合機(A)内の重合反応を行う領域のうち90%以上の領域で一定である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のオキシメチレン共重合体の製造方法。
- 前記重合反応装置が、重合機(A)に直列に接続された重合停止剤混合機(D)を更に有し、前記重合停止剤混合機(D)の内径の最大値が重合機(A)の内径の最大値の90%以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のオキシメチレン共重合体の製造方法。
- 前記重合開始剤として、1モル当たりの分子量が1000以下のプロトン酸、プロトン酸無水物、及びプロトン酸エステル化合物からなる群から選択される少なくとも1種を用いる、請求項1〜5のいずれか一項に記載のオキシメチレン共重合体の製造方法。
- 少なくとも1種の1モル当たりの分子量が1000以下のプロトン酸の塩を前記重合開始剤とともに用いる、請求項1〜6のいずれか一項に記載のオキシメチレン共重合体の製造方法。
- 前記1モル当たりの分子量が1000以下のプロトン酸の塩を、前記配管(C)から前記重合開始剤とともに供給する、請求項7に記載のオキシメチレン共重合体の製造方法。
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2015
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