JP2017002265A - 耐候性樹脂組成物 - Google Patents

耐候性樹脂組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2017002265A
JP2017002265A JP2015130391A JP2015130391A JP2017002265A JP 2017002265 A JP2017002265 A JP 2017002265A JP 2015130391 A JP2015130391 A JP 2015130391A JP 2015130391 A JP2015130391 A JP 2015130391A JP 2017002265 A JP2017002265 A JP 2017002265A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
diol
acid ester
weather resistance
diethanolamine
fatty acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015130391A
Other languages
English (en)
Inventor
順 森田
Jun Morita
順 森田
翔平 百目鬼
Shohei Domeki
翔平 百目鬼
林 達也
Tatsuya Hayashi
林  達也
吉田 光宏
Mitsuhiro Yoshida
光宏 吉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Miractran Co Ltd
Original Assignee
Nippon Miractran Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Miractran Co Ltd filed Critical Nippon Miractran Co Ltd
Priority to JP2015130391A priority Critical patent/JP2017002265A/ja
Publication of JP2017002265A publication Critical patent/JP2017002265A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)

Abstract

【課題】熱可塑性樹脂組成物およびその成形品の耐候性改善方法を提供する。
【解決手段】数平均分子量=750〜3000のポリカプロラクトンジオール、ポリエーテルジオール、ポリカーボネートジオールの少なくとも一種を含む高分子ジオール、数平均分子量=60〜300のジオールである鎖延長剤と、有機ジイソシアネートを含む熱可塑性樹脂組成物に対して耐候性付与剤を用いて耐候性を改善する。
【選択図】なし

Description

本発明は、ジオール成分と有機ジイソシアネート成分との反応によって得られる熱可塑性ポリウレタン樹脂の組成を特定することによって耐加水分解性に優れ、それに対する添加剤として、脂肪族系ノニオン性化合物を用いることによる熱可塑性樹脂組成物の耐候性改善方法およびそれによって得られる熱可塑性成形品の耐候性の改善方法に関する。
ノニオン性化合物、すなわち界面活性効果や帯電防止効果を有する化合物を用いた耐候性に優れた組成物および成形品に関する技術が多数公開されているが、例えば特開平9−85914号公報(特許文献1)では、外層に環状オレフィン成分5〜60モル%を有するポリレフィン樹脂98〜99.9重量%に、界面活性剤を0.1〜2.0重量%添加した樹脂層、あるいは環状オレフィン成分5〜60モル%を有するポリレフィン樹脂60〜97.5重量%に対し、スチレン成分が5〜60重量%であるスチレン系熱可塑性エラストマーを2.5〜40重量%を溶融混合してなる樹脂組成物98〜99.9重量%に、界面活性剤を0.1〜2.0重量%添加した樹脂層、中間層に接着性の樹脂層及び内層に親水性の樹脂層を有する少なくとも3層の樹脂構成を基本構成とする多層プラスチック容器の技術が開示され、界面活性剤配合することにより優れた帯電防止性能及び耐光性能を付与することができると開示されている。そして、当該界面活性剤としては、陰イオン系界面活性剤、陽イオン系界面活性剤、非極性界面活性剤、両極性界面活性剤を用いることができると開示されている。その耐光性の評価を、キセノンウェザーメーター(スガ試験機株式会社製)を用いて、キセノン灯を150時間照射前後の色座標を、JIS K7105に準拠した測定法で測定した色差(ΔE)によって判定している。
一方、例えば特開平11−5968号公報(特許文献2)において、帯電防止剤のみまたは熱可塑性樹脂と帯電防止剤の組み合わせにおいて、当該帯電防止剤として、分子構造中に脂環式炭化水素骨格を導入したポリエーテルエステル系の帯電防止剤を用いることによって、耐水性、耐候性を付与し、かつ帯電防止効果の持続性及び透明性が著しく良好になり、更に、分子構造中にスルホン酸金属塩を導入することにより、従来にない帯電防止効果を発現する技術が開示されている。耐候性の評価を63℃、500時間の条件でのフェードメーター照射後の強度保持率によって判定している。
さらに、特開2002−146113号公報(特許文献3)の技術は、ポリオレフィン樹脂組成物からなる未延伸または延伸フィルムの技術を開示しており、当該ポリオレフィン樹脂組成物は、「ポリオレフィン樹脂に対して、高級アルコールにエチレンオキサイドが付加されたポリオキシエチレンアルキルエーテルと、多価アルコール脂肪酸エステル、脂肪族ジエタノールアミン脂肪酸エステル、脂肪族ジエタノールアミンおよび脂肪酸ジエタノールアミドからなる群から選ばれる1種または2種以上の化合物とを特定割合で用いる」もので、主として帯電防止性を付与する技術である。
さらに、特開2014−141076号公報(特許文献4)は、熱可塑性樹脂多層フィルムに関する技術で、「裏層/中間層/表層の少なくとも三層からなる熱可塑性樹脂多層フィルムの中間層に、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化カリウムからなる群より選ばれる少なくとも一種の無機塩と、アルキルジエタノールアミンおよび/またはグリセリンの脂肪酸エステルを防曇剤として含むことを特徴とする鮮度保持フィルム」に関するもので、アルキルジエタノールアミンおよび/またはグリセリンの脂肪酸エステルは、主として防曇性を付与する役割を果たしている。
特開平9−85914号公報 特開平11−5968号公報 特開2002−146113号公報 特開2014−141076号公報
特許文献1の技術では、界面活性剤を配合することにより優れた帯電防止性能及び耐光性能を付与することができるが、特許文献1の技術は内層に親水性の樹脂層を有する少なくとも3層の樹脂構成を基本構成とするポリオレフィン樹脂を用いた多層プラスチック容器に関するものであり、内層に親水性樹脂層を有しない樹脂構成に関する熱可塑性樹脂、特に耐水性(耐加水分解性)のある熱可塑性ポリウレタン樹脂(以後、TPUという)に関する技術ではない。
そして、特許文献2の技術は、帯電防止剤のみまたは熱可塑性樹脂と帯電防止剤の組み合わせにおいて、当該帯電防止剤として、分子構造中に脂環式炭化水素骨格を導入したポリエーテルエステル系の帯電防止剤を用いることによって、耐水性、耐候性を付与し、かつ帯電防止効果の持続性及び透明性が著しく良好になる技術であって、分子構造中に脂肪族系炭化水素骨格のみならずノニオン性の構造を導入した帯電防止剤に関する技術ではない。また、熱可塑性樹脂が一般的または透明性熱可塑性樹脂または「ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂またはスチレン系樹脂」に関するものでもあり、熱可塑性樹脂、特にTPUに限定した技術ではない。
さらに、特許文献3の技術は、ノニオン系界面活性剤の中でも多価アルコール脂肪酸エステルおよびまたは脂肪族ジエタノールアミン脂肪酸エステルを使用する技術だが、それは主として帯電防止性を付与する技術で、耐候性を付与するものではない。さらに、特許文献3の技術はポリオレフィン樹脂を用いた未延伸または延伸フィルムに関するものであり、熱可塑性樹脂、特にTPUに関する技術ではない。
そして、特許文献4の技術は、同様にノニオン系界面活性剤の中でも多価アルコール脂肪酸エステルおよびまたは脂肪族ジエタノールアミン脂肪酸エステルを使用する技術だが、それは主として防曇性を付与する技術で、耐候性を付与するものではない。さらに、特許文献4の技術は熱可塑性樹脂多層フィルムに関するものであり、熱可塑性樹脂、特にTPUに関する技術ではない。
そこで、本発明者らは、TPUおよびそれを用いた成形品において、添加剤として脂肪族系ノニオン性化合物を使用することによって界面滑性効果や帯電防止性効果だけでなく耐候性の向上に取り組み、前記の問題点が解決できることを見出した。一方、機械的特性および耐加水分解性の面からTPU構造の最適化に取り組み、実用に供することのできるTPUおよびそれを用いた成形品を完成させ、前記の問題点が解決できることを見出した。
なお、本発明でいう「耐候性」は、後述するように屋外暴露試験における色変化(色差変化率)の小さいことをさす。
本発明は、高分子ジオール(A)として数平均分子量=750〜3000の、ポリカプロラクトンジオール、ポリエーテルジオールおよびポリカーボネートジオールから選択される少なくとも一種を含み、鎖延長剤(B)として数平均分子量=60〜300の活性水素化合物を含み、イソシアネート成分(C)として有機ジイソシアネートを含む熱可塑性ポリウレタン樹脂に対して、脂肪族系ノニオン性化合物を含む耐候性付与剤(D)を用いた熱可塑性樹脂組成物の耐候性改善方法であって、耐候性付与剤(D)として、多価アルコール脂肪酸エステル(D−1)および脂肪族ジエタノールアミン脂肪酸エステル(D−2)からなる群から選ばれる1種または2種以上の化合物の組み合わせにおいて、D−1およびD−2がいずれも熱可塑性ポリウレタン樹脂に対して0.1〜2.0質量%であることを特徴とする当該熱可塑性樹脂組成物の耐候性改善方法である。
さらに、本発明は、段落0014に記載の耐候性改善方法により得られる熱可塑性樹脂組成物を用いて熱可塑性成形品を製造することによる、熱可塑性成形品の耐候性改善方法である。
本発明によって、添加剤の使用により耐候性が改善し、さらにTPU組成の特定により実用上使用可能な機械的特性および耐加水分解性を達成して、組成物全体として耐候性および耐加水分解性を有した熱可塑性樹脂組成物を得ることができる。
特に、耐加水分解性についてはTPU組成の特定によってその特性を付与して、組成物全体として耐加水分解性を付与することができるので、加水分解防止剤に依存する必要はない。また、添加剤添加による従来技術よりブリード等による成形品の外観や表面性等の不良が起こらず、外観や表面性等の良好な成形品が得られる。
本発明の耐候性樹脂組成物は、TPUを含む熱可塑性樹脂組成物から得られ、そのTPUは、構成成分として、ジオール成分と有機ジイソシアネート成分との組み合わせからなり、それを構成するジオール成分は、数平均分子量750〜3000の高分子ジオール(A)および数平均分子量=60〜300の鎖延長剤(B)を含む。
高分子ジオール(A)は、両末端にイソシアネート基と反応する水酸基を有するジオールであって、数平均分子量が750〜3000、好ましくは800〜2000、より好ましくは1000〜2000である。
高分子ジオール(A)の数平均分子量が750未満であると、TPUのウレタン基濃度が相対的に高くなり過ぎるために未溶融物が発生したり、TPU溶融物が高粘度化したりして加工時に成形不良を起こし、外観不良になるおそれがある。また、硬さ、100%モジュラス、引張強さ、引裂強さは高くなるものの、伸びが低下し、熱可塑性樹脂本来の特性である柔軟性や可とう性を生かすことができない。
一方、高分子ジオール(A)の数平均分子量が3000を超えると、ウレタン基濃度が相対的に低くなり過ぎるために、所期の物性が得られず、本発明の耐候性樹脂組成物の成形品の耐加水分解性、耐候性が不十分となる。
なお、高分子ジオール(A)の数平均分子量は、JIS K 7252−3(プラスチック―サイズ排除クロマトグラフィーによる高分子の平均分子量及び分子量分布の求め方―第3部:常温付近での方法)に準拠して測定することができる。
このような高分子ジオール(A)としては、耐加水分解性に優れた、ポリラクトンジオール、ポリエーテルジオール、ポリカーボネートジオールの少なくとも一種を含有する。
そして、これらのポリラクトンジオール、ポリエーテルジオール、ポリカーボネートジオールは、高分子ジオール(A)の好ましくは質量基準で90%以上、より好ましくは100%を占めることが好ましい。
ポリラクトンジオール類としては、段落0029から段落0032に記載の低分子ジオール、低分子アミノアルコール、二官能タイプの低分子グリコールエーテル類等の単独又は2種以上の混合物を開始剤として、カプロラクトン、バレロラクトンなどのラクトン類を開環重合して得られる、ポリカプロラクトンジオール、ポリバレロラクトンジオール、さらには、それらに段落0023、段落0024に記載のポリエーテルジオール、ポリカーボネートジオールを共重合した変性タイプのポリラクトン系ジオールなどを挙げることができる。
上記の中でも特に、ポリカプロラクトンジオールが好ましい。
ポリエーテルジオール類としては、鎖延長剤として使用し得る、段落0029から段落0032に記載の低分子ジオール類、低分子アミノアルコール類、二官能タイプの低分子グリコールエーテル類等の単独又は2種以上の混合物を開始剤として、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、アミレンオキサイド等のアルキレンオキサイド、メチルグリシジルエーテル等のアルキルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル等のアリールグリシジルエーテル、テトラヒドロフラン等の環状エーテルモノマー単品又は混合物を公知の方法により付加重合することで得られるものを挙げることができる。
上記の中でも、ポリテトラメチレンエーテルグリコールが好ましい。
ポリカーボネートジオール類としては、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール等のジオ−ル類と、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネート、ジエチレンカーボネート等との脱アルコール反応、脱フェノール反応等で得られるものを挙げることができる。さらには、それらに段落0022、段落0023に記載のポリラクトンジオール、ポリエーテルジオールを共重合した変性タイプのポリカーボネート系ジオールなどを挙げることができる。上記の中でも、ジオール類として1,6−ヘキサンジオールから得られるものが好ましい。
また、本発明の趣旨を損なわない範囲であれば、ポリ(エチレンアジペート)ジオール、ポリ(プロピレンアジペート)ジオール、ポリ(ブチレンアジペート)ジオール、ポリ(ヘキサメチレンアジペート)ジオール、ポリ(ブチレンイソフタレート)ジオールなどのポリエステルジオールを併用しても構わない。
本発明の鎖延長剤(B)は、両末端にイソシアネート基と反応する水酸基を有する活性水素含有化合物であって、以下に説明するように、数平均分子量が60〜300、好ましくは60〜200である。
鎖延長剤の数平均分子量が60未満であると、TPUのウレタン基濃度が相対的に高くなり過ぎるために未溶融物が発生したり、TPU溶融物が高粘度化したりして加工時に成形不良を起こし、外観不良になるおそれがある。また、硬さ、100%モジュラス、引張強さ、引裂強さは高くなるものの、伸びが低下し、熱可塑性樹脂本来の特性である柔軟性や可とう性を生かすことができにくくなる。
一方、鎖延長剤の数平均分子量が300を超えると、ウレタン基濃度が相対的に低くなり過ぎるために、所期の物性が得られず、そのTPUを用いて得られる本発明の耐候性樹脂組成物の成形品の特長である耐加水分解性が不足し、摩擦が大きくなる。
本発明の鎖延長剤(B)としては、例えば低分子ジオール類、低分子アミノアルコール類、二官能タイプの低分子グリコールエーテル類を用いることができる。
低分子ジオール類としては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン等の単品又は2種以上の混合物が挙げられる。
また、熱可塑性樹脂の特性を損なわない範囲であれば、1−デカノール、1−ドデカノール、ステアリルアルコール、1−ドコサノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル等のような官能基数が1の活性水素化合物やグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、ソルビトール等のような官能基数が2より大きい活性水素化合物も併用することができる。
低分子アミノアルコール類としては、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N−n−ブチルジエタノールアミン等の単品又は2種以上の混合物が挙げられる。また、熱可塑性樹脂の特性を損なわない範囲であれば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N−n−ブチルエタノールアミン、N−(β−アミノエチル)イソプロパノールアミン等も使用することができる。
二官能タイプの低分子グリコールエーテル類としては、例えば、1,4−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、2,2−ビス(4−ポリオキシエチレン−オキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ポリオキシプロピレン−オキシフェニル)プロパン、ジメチロールヘプタンエチレンオキサイド付加物、ジメチロールヘプタンプロピレンオキサイド付加物のようなグリコールエーテル等の単品又は2種以上の混合物が挙げられる。
本発明のジオール成分における「鎖延長剤(B)」と高分子ジオール(A)の配合割合は、高分子ジオール(A)の活性水素基モル数に対する鎖延長剤(B)の活性水素基モル数」の比([鎖延長剤(B)の活性水素基モル数]/[高分子ジオール(A)の活性水素基モル数]=R′値)が、TPUのハードセグメント量の指標であり、物性発現を左右するという観点から、R′値は、好ましくは0.1〜15、より好ましくは0.3〜12である。
また、本発明の耐候性樹脂組成物は、TPUを構成するイソシアネート成分として、熱可塑性樹脂本来の特性である柔軟性や可とう性を生かすために有機ジイソシアネート(C)を含む。
具体的には、ジフェニルメタンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート、3,3′−ジメチルビフェニル−4,4′−ジイソシアネート等およびこれらの異性体からなる芳香族ジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,12−ドデカンジイソシアネート、3−メチル−1,5−ペンタンジイソシアネート、トリメチル−ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート等を用いることができる。また、これらの化合物と活性水素基含有化合物との反応によるイソシアネート基末端化合物、あるいは、これらの化合物自体の反応、例えばウレトジオン化反応、イソシアヌレート化反応、カルボジイミド化反応等によるポリイソシアネート変成体等も用いることができる。
これらのジイソシアネートのうち、硬さや物性、耐熱性等の向上の面からジフェニルメタンジイソシアネートが、耐候性、柔軟性の向上の面からは1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートが好ましい。
本発明において、ジオール成分の全活性水素基モル数に対するイソシアネート成分の全イソシアネート基モル数の比([全イソシアネート基モル数]/[全活性水素基モル数]=R値)は、TPUの分子量や粘度を好ましい範囲に調整するという観点から、好ましくは0.7〜1.3、より好ましくは0.8〜1.2である。
本発明に用いることができる耐候性付与剤(D)は、脂肪族系ノニオン性化合物であって、多価アルコール脂肪酸エステル(D−1)および脂肪族ジエタノールアミン脂肪酸エステル(D−2)からなる群から選ばれる1種または2種以上の化合物である。具体的な化合物には、特許文献3で開示された多価アルコール脂肪酸エステルおよび脂肪族ジエタノールアミン脂肪酸エステルからなる群から選ばれる1種または2種以上の化合物を含む。
多価アルコール脂肪酸エステル(D−1)は、1種単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができ、従来公知の方法で調製することができる。
本発明において、多価アルコール脂肪酸エステル(D−1)は、多価アルコール脂肪酸エステル(D−1)および脂肪族ジエタノールアミン脂肪酸エステル(D−2)からなる群から選ばれる1種または2種以上の化合物の組み合わせにおいて、熱可塑性ポリウレタン樹脂に対して、耐候性と耐加水分解性の両立の面から、0.1〜2.0質量%、好ましくは0.1〜1.5重量部、さらに好ましくは0.1〜1.3重量部の割合で用いられる。
D−1の添加量が0.1質量%未満の場合は、耐加水分解性については問題なく、硬度や物性にも影響を与えないが、耐候性が不足する。
D−1の添加量が2.0質量%を超える場合は、耐候性は問題ないが、耐加水分解性が低下するだけでなく、硬度低下や物性低下、TPUとの相溶性低下による成形品の外観不良、表面性不良等の問題や成形加工性が低下するという問題が発生する。
多価アルコール脂肪酸エステル(D−1)は、たとえば下記の一般式[1]で表わされる脂肪酸グリセリンエステル、または下記の一般式[2]で表わされる脂肪酸ジグリセリンモノエステルである。
Figure 2017002265
Figure 2017002265
一般式[1]および[2]において、Rは、水素原子もしくは炭素原子数8〜22の脂肪酸残基である。
上記一般式[1]で表わされる脂肪酸グリセリンエステルとしては、具体的には、ウンデカン酸グリセリンエステル、グリセリンラウレート、グリセリンミリステート、グリセリンパルミテート、グリセリンステアレートなどが挙げられる。中でも、グリセリンステアレートが好ましい。
上記の一般式[1]で表わされる脂肪酸グリセリンエステルは、モノエステル単独、あるいはモノエステルとジエステル、トリエステルとの混合物でもかまわない。
上記一般式[2]で表わされる脂肪酸ジグリセリンモノエステルとしては、具体的には、ウンデカン酸ジグリセリンモノエステル、ジグリセリンモノラウレート、ジグリセリンモノミリステート、ジグリセリンモノパルミテート、ジグリセリンモノステアレートなどが挙げられる。中でも、ジグリセリンモノステアレートが好ましい。
本発明に用いることができる脂肪族ジエタノールアミン脂肪酸エステル(D−2)は、下記の一般式[3]で表わされる。
Figure 2017002265
上記の一般式[3]において、Rは、炭素原子数14〜20のアルキル基であり、Rは、炭素原子数10〜20のアルキル基である。Rの炭素原子数14〜20のアルキル基としては、具体的には、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基などが挙げられる。中でも、オクタデシル基(ステアリル基)が好ましい。
の炭素原子数10〜20のアルキル基としては、具体的には、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基などが挙げられる。中でも、ヘプタデシル基が好ましい。
上記一般式[3]で表わされる脂肪族ジエタノールアミン脂肪酸エステル(D−2)としては、具体的には、テトラデシルジエタノールアミン‐モノウンデカン酸エステル、ペンタデシルジエタノールアミン‐モノウンデカン酸エステル、ヘキサデシルジエタノールアミン‐モノウンデカン酸エステル、ヘプタデシルジエタノールアミン‐モノウンデカン酸エステル、オクタデシルジエタノールアミン‐モノウンデカン酸エステル、ノナデシルジエタノールアミン‐モノウンデカン酸エステル、エイコシルジエタノールアミン‐モノウンデカン酸エステル、テトラデシルジエタノールアミン‐モノラウリン酸エステル、ペンタデシルジエタノールアミン‐モノラウリン酸エステル、ヘキサデシルジエタノールアミン‐モノラウリン酸エステル、ヘプタデシルジエタノールアミン‐モノラウリン酸エステル、オクタデシルジエタノールアミン‐モノラウリン酸エステル、ノナデシルジエタノールアミン‐モノラウリン酸エステル、エイコシルジエタノールアミン‐モノラウリン酸エステル、テトラデシルジエタノールアミン‐モノドデシル酸エステル、ペンタデシルジエタノールアミン‐モノドデシル酸エステル、ヘキサデシルジエタノールアミン‐モノドデシル酸エステル、ヘプタデシルジエタノールアミン‐モノドデシル酸エステル、オクタデシルジエタノールアミン‐モノドデシル酸エステル、ノナデシルジエタノールアミン‐モノドデシル酸エステル、エイコシルジエタノールアミン‐モノドデシル酸エステル、テトラデシルジエタノールアミン‐モノミリスチン酸エステル、ペンタデシルジエタノールアミン‐モノミリスチン酸エステル、ヘキサデシルジエタノールアミン‐モノミリスチン酸エステル、ヘプタデシルジエタノールアミン‐モノミリスチン酸エステル、オクタデシルジエタノールアミン‐モノミリスチン酸エステル、ノナデシルジエタノールアミン‐モノミリスチン酸エステル、エイコシルジエタノールアミン‐モノミリスチン酸エステル、テトラデシルジエタノールアミン‐モノペンタデシル酸エステル、ペンタデシルジエタノールアミン‐モノペンタデシル酸エステル、ヘキサデシルジエタノールアミン‐モノペンタデシル酸エステル、ヘプタデシルジエタノールアミン‐モノペンタデシル酸エステル、オクタデシルジエタノールアミン‐モノペンタデシル酸エステル、ノナデシルジエタノールアミン‐モノペンタデシル酸エステル、エイコシルジエタノールアミン‐モノペンタデシル酸エステル、テトラデシルジエタノールアミン‐モノパルミチン酸エステル、ペンタデシルジエタノールアミン‐モノパルミチン酸エステル、ヘキサデシルジエタノールアミン‐モノパルミチン酸エステル、ヘプタデシルジエタノールアミン‐モノパルミチン酸エステル、オクタデシルジエタノールアミン‐モノパルミチン酸エステル、ノナデシルジエタノールアミン‐モノパルミチン酸エステル、エイコシルジエタノールアミン‐モノパルミチン酸エステル、テトラデシルジエタノールアミン‐モノヘキサデカン酸エステル、ペンタデシルジエタノールアミン‐モノヘキサデカン酸エステル、ヘキサデシルジエタノールアミン‐モノヘキサデカン酸エステル、ヘプタデシルジエタノールアミン‐モノヘキサデカン酸エステル、オクタデシルジエタノールアミン‐モノヘキサデカン酸エステル、ノナデシルジエタノールアミン‐モノヘキサデカン酸エステル、エイコシルジエタノールアミン‐モノヘキサデカン酸エステル、テトラデシルジエタノールアミン‐モノヘプタデカン酸エステル、ペンタデシルジエタノールアミン‐モノヘプタデカン酸エステル、ヘキサデシルジエタノールアミン‐モノヘプタデカン酸エステル、ヘプタデシルジエタノールアミン‐モノヘプタデカン酸エステル、オクタデシルジエタノールアミン‐モノヘプタデカン酸エステル、ノナデシルジエタノールアミン‐モノヘプタデカン酸エステル、エイコシルジエタノールアミン‐モノヘプタデカン酸エステル、テトラデシルジエタノールアミン‐モノオクタデカン酸エステル、ペンタデシルジエタノールアミン‐モノオクタデカン酸エステル、ヘキサデシルジエタノールアミン‐モノオクタデカン酸エステル、ヘプタデシルジエタノールアミン‐モノオクタデカン酸エステル、オクタデシルジエタノールアミン‐モノステアリン酸エステル、ノナデシルジエタノールアミン‐モノオクタデカン酸エステル、エイコシルジエタノールアミン‐モノオクタデカン酸エステル、テトラデシルジエタノールアミン‐モノノナデカン酸エステル、ペンタデシルジエタノールアミン‐モノノナデカン酸エステル、ヘキサデシルジエタノールアミン‐モノノナデカン酸エステル、ヘプタデシルジエタノールアミン‐モノノナデカン酸エステル、オクタデシルジエタノールアミン‐モノノナデカン酸エステル、ノナデシルジエタノールアミン‐モノノナデカン酸エステル、エイコシルジエタノールアミン‐モノノナデカン酸エステル、テトラデシルジエタノールアミン‐モノエイコサン酸エステル、ペンタデシルジエタノールアミン‐モノエイコサン酸エステル、ヘキサデシルジエタノールアミン‐モノエイコサン酸エステル、ヘプタデシルジエタノールアミン‐モノエイコサン酸エステル、オクタデシルジエタノールアミン‐モノエイコサン酸エステル、ノナデシルジエタノールアミン‐モノエイコサン酸エステル、エイコシルジエタノールアミン‐モノエイコサン酸エステルなどが挙げられる。中でも、オクタデシルジエタノールアミン‐モノステアリン酸エステル(ステアリルジエタノールアミンステアレート)が好ましい。
脂肪族ジエタノールアミン脂肪酸エステル(D−2)は、1種単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができ、従来公知の方法により調製することができる。
本発明において、脂肪族ジエタノールアミン脂肪酸エステル(D−2)は、多価アルコール脂肪酸エステル(D−1)および脂肪族ジエタノールアミン脂肪酸エステル(D−2)からなる群から選ばれる1種または2種以上の化合物の組み合わせにおいて、熱可塑性ポリウレタン樹脂に対して、耐候性と耐加水分解性の両立の面から、0.1〜2.0質量%、好ましくは0.1〜1.5重量部、さらに好ましくは0.1〜1.3重量部の割合で用いられる。
D−2の添加量が0.1質量%未満の場合は、耐加水分解性については問題なく、硬度や物性にも影響を与えないが、耐候性が不足する。
D−2の添加量が2.0質量%を超える場合は、耐候性は問題ないが、耐加水分解性が低下するだけでなく、硬度低下や物性低下、TPUとの相溶性低下による成形品の外観不良、表面性不良等の問題や成形加工性が低下するという問題が発生する。
上記の多価アルコール脂肪酸エステル(D−1)や脂肪族ジエタノールアミン脂肪酸エステル(D−2)は、市販品も使用することができ、例えば、エレクトロストリッパーTS5(花王(株)製、グリセリンモノステアレート)、NIKKOL DGMS(日光ケミカルズ株式会社製、ジグリセリンモノステアレート)、エレクトロストリッパーTS6(花王(株)製、ステアリルジエタノールアミン)、エレクトロストリッパーEA(花王(株)製、ラウリルジエタノールアミン)、デノン331P(丸菱油化(株)製、ステアリルジエタノールアミンモノステアレート)、デノン310(丸菱油化(株)製、アルキルジエタノールアミン脂肪酸モノエステル)、レジスタットPE−139(第一工業製薬(株)製、ステアリン酸モノ&ジグリセリドホウ酸エステル)などが挙げられる。
本発明の耐候性樹脂組成物は、TPUと添加剤を適当な比率にてニーダやヘンシェルミキサー等で混合した後、押出機に供給して、通常のTPUを押し出す温度(約150〜220℃)で溶融混練後、ストランドカットまたは水中カットでペレット形状にして調製することができる。
また、添加剤を、前記TPUを製造する際の原料、例えば高分子ジオール成分およびまたはジフェニルメタンジイソシアネート成分に配合し均一に混合した後、反応させて本発明の耐候性樹脂組成物を調製することもできる。
多価アルコール脂肪酸エステル(D−1)や脂肪族ジエタノールアミン脂肪酸エステル(D−2)の添加方法としては、TPUに対して、それぞれ前記記載の量を直接添加する方法以外に、予め高濃度のマスターバッチを作成しておき、そのマスターバッチを濃度換算してTPUに混合する方法も用いることができる。
一方、耐加水分解性を発現に関して、本発明のTPUを構成する高分子ジオール(A)は耐加水分解性に優れているが、多価アルコール脂肪酸エステル(D−1)および脂肪族ジエタノールアミン脂肪酸エステル(D−2)についても耐水性(耐加水分解性)、すなわち水への溶解度の低いタイプが好ましい。
本発明の耐候性付与剤は、耐候性を発現させるために用いるが、前記の通り、その使用量が本発明で開示する量より多くなると本発明の特長とする耐加水分解性を損なうおそれがあるので好ましくない。
本発明の耐候性樹脂組成物を構成するTPUは、公知のTPUの製造方法、例えば、ワンショット法、プレポリマー法、バッチ反応法、連続反応法、ニーダによる方法、押出機による方法等により得ることができる。特に、押出機による方法では、単軸〜多軸スクリュー型押出機を用いると生産性が高くなり好ましい。
そして、本発明の耐候性樹脂組成物は、前記製造方法によって、フレーク、ペレット、パウダー、グラニュール、ロッド、シート、ブロック等の形状として個々に得られる。
例えば、上記のようにして得られた粉末状またはブロック状のような固形物を粉砕してフレーク状のものを得たり、それを押出機に供給して、通常のTPUを押し出す温度(約150〜220℃)で溶融混練後、ストランドカットまたは水中カットによりペレット形状のものを得ることができる。
また、ニーダによる方法では、ニーダに高分子ジオール(A)と鎖延長剤(B)と添加剤(D)を仕込み、撹拌下、100℃に加温後、有機ジイソシアネート(C)を投入し、10〜120分反応させ、冷却することにより粉末状またはブロック状のTPUを製造することができる。なお、これらの方法においては、必要に応じ触媒や添加剤を添加することができる。
前記のTPU製造時の触媒としては、例えば、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、N−メチルイミダゾール、N−エチルモルホリン、1,8−ジアザビシクロ−5,4,0−ウンデセン−7(DBU)等のアミン類、酢酸カリウム、スタナスオクトエート、ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセテート等の有機金属類、トリブチルホスフィン、ホスフォレン、ホスフォレンオキサイド等のリン系化合物が挙げられる。なお、これらの化合物はそれぞれ単独で用いることができ、また、2種以上を混合して使用することもできる。
特に、スズ系触媒については、高分子ジオール(A)の質量に対して0.5〜30ppmの割合で用いるとTPUを比較的短時間で製造することができる。
また、本発明の耐候性樹脂組成物の重合過程または重合後に、本発明で開示している以外に、必要に応じて、TPUを製造する際に通常使用されている熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、加水分解防止剤、耐熱性向上剤、耐候性改良剤、反応性遅延剤、滑剤、可塑剤、帯電防止剤、導電付与剤、抗菌剤、防カビ剤、着色剤、無機および有機充填剤、繊維系補強材、結晶核剤などの各種添加剤を適宜加えることもできる。
本発明の耐候性樹脂組成物の成形は、一般に用いられているTPUの成形方法が適用でき、例えば、押出成形、射出成形、インフレーション成形、ブロー成形、真空成形、遠心成形、回転成形、カレンダー加工、ロール加工、プレス加工等の成形方法で成形できる。
本発明の耐候性樹脂組成物の成形品は、例えば家屋の内装材、通信ケーブル、工業用ケーブル、自動車、各種車両内装材、家電用品、装飾品等屋内外の幅広い分野に用いることができる。
例えば、押出成形関係では、高圧ホース、塗装用ホース、消防ホース、医療用チューブ、油・空圧チューブ、散水用チューブなどのホース・チューブ類;コンベアーベルト、エアーマット、ダイヤフラム、キーボードシート、合成皮革、ライフジャケット、ウェットスーツ、ホットメルト、フレキシブルコンテナーなどのフィルム類;電力、通信ケーブル、コンピュータ配線、自動車配線、各種カールコードなどの電線・ケーブル類;各種ロープ、丸ベルト・Vベルトなどの各種駆動ベルト、スリップ止め、タイミングベルト、視線誘導標などのその他の分野に用いることができる。
射出成形関係では、ボールジョイント、ダストカバー、ペダルストッパー、ドアーロックストライカー、ブッシュ、スプリングカバー、軸受、防振部品、内・外装部品などの自動車部品;各種ギアー、シール材、パッキン類、防振部品、ピッカー、ブッシュ、軸受、キャップ、コネクター、ラバースクリーン、印字ドラムなどの機械・工業部品;野球・ゴルフ・サッカーシューズ等のスポーツシューズのソール及びポイント、婦人靴トップリフト、スキー靴、安全靴などの靴関連部品;ローラー、キャスター、グリップ、時計バンド、イヤータッグ、スノーチェーン、シュノーケル、足ヒレなどのその他の分野に用いることができる。
カレンダー加工関係では、コンベアーベルト、フレキシブルコンテナー、フィルム、ラミネート品などの分野に用いることができる。ブロー成形関係では、各種自動車・車両用ブーツ、各種容器類に、インフレーション成形関係では、薄肉・広幅フィルム類に用いることができる。
さらに、TPUを溶剤に溶解して溶液として使用するタイプとしては、バインダー、接着剤、合成皮革、ロープ・ワイヤ・手袋等の各種コーティングなどの分野にも用いることができる。
実施例および比較例
以下、実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
実施例1〜10、比較例1〜13
(試料の作製)
撹拌機と温度計の付いた反応容器に、高分子ジオール(A)、鎖延長剤(B)、添加剤(D)、酸化防止剤(イルガノックス1010、BASF社製)および紫外線吸収剤(チヌビンP、BASF社製)を表1〜表4に記載の量を均一に混合した。
得られた混合液を100℃に加熱した後、有機ジイソシアネート(C)を表1〜表4に記載の量を加え、ウレタン化反応を行った。反応物が90℃になったところでバット上に流し込み固化させた。得られた固形物を80℃の電気炉で16時間熟成させ、冷却した後、固形物を粉砕しフレーク状のTPUを得た。
得られたフレーク状のTPUを押出機でストランドを押出し、カッターを用いてペレットを作製した。得られたペレットを220〜230℃で射出成形して厚さ2mmのシートを作製し、これを105℃で16時間、アニール後、実施例1〜10および比較例1〜13の試料とした。
また、表1〜表4の使用原料は以下のとおりである。
<A(高分子ジオール)>
*PTMG650:
ポリテトラメチレンエーテルグリコール(数平均分子量=650)、三菱化学株式会 社製
*PTMG850:
ポリテトラメチレンエーテルグリコール(数平均分子量=850)、三菱化学株式会 社製
*PTMG1000:
ポリテトラメチレンエーテルグリコール(数平均分子量=1000)、三菱化学株式 会社製
*PTMG2000:
ポリテトラメチレンエーテルグリコール(数平均分子量=2000)、三菱化学株式 会社製
*プラクセル220UA
ポリ−カプロラクトンジオール(数平均分子量=2000)、株式会社ダイセル製
*ニッポラン980:
ポリヘキサメチレンカーボネートジオール(数平均分子量=2000)、東ソー株式 会社製
*ニッポラン4009
ポリ(ブチレンアジペート)ジオール(数平均分子量=1000)、東ソー株式会社 製
*サンニックスPP−4000
ポリオキシプロピレングリコール(数平均分子量=4160)、三洋化成工業株式会 社製
<B(鎖延長剤)>
*1,4−BG:
1,4−ブタンジオール(数平均分子量=90)、三菱化学株式会社製
*1,6−HG:
1,6−ヘキサンジオール(数平均分子量=118)三菱化学株式会社製
*サンニックスPP−200
ポリオキシプロピレングリコール(数平均分子量=200)、三洋化成工業株式会社 製
*サンニックスPP−400
ポリオキシプロピレングリコール(数平均分子量=400)、三洋化成工業株式会社 製
<C(有機ジイソシアネート)>
*MDI:
4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、東ソー株式会社製
*HDI:
1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、東ソー株式会社製
<D(添加剤)>
<多価アルコール脂肪酸エステル(D−1)>
*エレクトロストリッパーTS5(花王株式会社製):
グリセリンステアレート
*NIKKOL DGMS(日光ケミカルズ株式会社製):
ジグリセリンモノステアレート
<脂肪族ジエタノールアミン脂肪酸エステル(D−2)>
*デノン331P(丸菱油化株式会社製):
ステアリルジエタノールアミンステアレート
*エレクトロストリッパーEA(花王株式会社製):
ラウリルジエタノールアミン
<安定剤>
*イルガノックス1010:
酸化防止剤(BASF社製)
*チヌビンP:
紫外線吸収剤(BASF社製)
Figure 2017002265
Figure 2017002265
Figure 2017002265
Figure 2017002265
(特性試験)
上記手順で作製した成形品としての射出成形シートについて、以下に説明するように各種特性を試験評価した。得られた結果を表5〜表8に示す。
(1)物性(機械的性質)
[硬さ(JIS−A硬度)]
[100%モジュラス(引張応力、MPa)]
[引張強さ(MPa)]
[伸び(%)]
[引裂強さ(kN/m)]
射出成形シートを用いて、JIS K 7311(ポリウレタン系熱可塑性エラストマーの試験方法)に記載の測定方法に従って測定した。実用上備えるべき性質は以下のとおりである。
[硬さ(JIS−A硬度)]
JIS−A硬度は、実用上、56以上であることが望ましい。
[100%モジュラス(引張応力、MPa)]
実用上、3.0MPa以上であることが望まれる。
[引張強さ(MPa)]
実用上、12MPa以上であることが望まれる。
[伸び(%)]
実用上、400%以上であることが望まれる。
[引裂強さ(kN/m)]
実用上、60kN/m以上であることが望まれる。
(2)耐加水分解性
射出成形シートを用いて、JIS K7311(ポリウレタン系熱可塑性エラストマーの試験方法)で規定されているダンベル形状に打ち抜き、試験片とした。試験片を70℃の温水に60日間浸漬し、引張試験機を使用して引張強さを測定した。試験前のシート物性(100%モジュラス)と比較し、その保持率によって耐加水分解性を以下の基準で評価し、AA、AA〜AおよびAを合格とし、BおよびCを不合格とした。
ランク:内容
AA:保持率90%以上
AA〜A:保持率90%未満80%以上
A:保持率80%未満70%以上
B:保持率70%未満50%以上
C:保持率50%未満
(3)色差変化率(耐候性)
JIS K 7219(プラスチック−直接屋外暴露、アンダーグラス屋外暴露及び太陽集光促進屋外暴露試験方法)に従って射出成形シートを屋外暴露にかけて、JIS K7362(プラスチック−アンダーグラス屋外暴露、直接屋外暴露又は実験室光源による暴露後の色変化及び特性変化の測定方法)およびJIS Z 8730(色の表示方法−物体色の色差)に従って、開始時と6ケ月経過後の色差(ΔE)から下記の式にて色差変化率(%)を求め、以下の基準で評価し、AA、AA〜AおよびAを合格とし、BおよびCを不合格とした。
色差変化率(%)
=〔(6ケ月経過後の色差−試験開始時の色差)/試験開始時の色差〕×100
ランク:内容
AA:10%未満
AA〜A:10%以上20%未満
A:20%以上30%未満
B:30%以上50%未満
C:50%以上
(4)外観
射出成形シート表面の状態を目視および触感によって、気泡、塊、異物、クラック、膨潤、ブリード等の有無の程度によって良否を評価し、AA、AA〜AおよびAを合格とし、BおよびCを不合格とした。
ランク:内容
AA:約1/3未満の部分が不良
AA〜A:約1/3の部分が不良
A:約1/2の部分が不良
B:約2/3の部分が不良
C:約2/3を超える部分が不良
Figure 2017002265
Figure 2017002265
Figure 2017002265
Figure 2017002265
本発明の耐候性樹脂組成物は、ジオール成分と有機ジイソシアネート成分の反応によって得られるTPUおよび添加剤から構成される。
そのTPUの組成を、構成するジオール成分の種類と分子量を限定し、鎖延長剤の分子量を特定し、イソシアネート成分として有機ジイソシアネートを用い、特にジオール成分として耐加水分解性に優れた高分子ジオールを用いているので耐加水分解性に優れている。
また、添加剤として、多価アルコール脂肪酸エステルおよび脂肪族ジエタノールアミン脂肪酸エステルを用いているので、耐候性に優れている。
従って、本発明の耐候性改善方法によって得られる耐候性樹脂組成物は、射出成形、押出成形、カレンダー成形等によって成形される屋内外の各種分野における耐加水分解性、耐候性が必要となる用途に有用であり、それに適する成形品を提供することができる。

Claims (2)

  1. 高分子ジオール(A)として数平均分子量=750〜3000の、ポリカプロラクトンジオール、ポリエーテルジオールおよびポリカーボネートジオールから選択される少なくとも一種を含み、鎖延長剤(B)として数平均分子量=60〜300の活性水素化合物を含み、イソシアネート成分(C)として有機ジイソシアネートを含む熱可塑性ポリウレタン樹脂に対して、脂肪族系ノニオン性化合物を含む耐候性付与剤(D)を用いた熱可塑性樹脂組成物の耐候性改善方法であって、耐候性付与剤(D)として、多価アルコール脂肪酸エステル(D−1)および脂肪族ジエタノールアミン脂肪酸エステル(D−2)からなる群から選ばれる1種または2種以上の化合物の組み合わせにおいて、D−1およびD−2がいずれも熱可塑性ポリウレタン樹脂に対して0.1〜2.0質量%であることを特徴とする当該熱可塑性樹脂組成物の耐候性改善方法。
  2. 請求項1に記載の耐候性改善方法により得られる熱可塑性樹脂組成物を用いて熱可塑性成形品を製造することによる、熱可塑性成形品の耐候性改善方法。
JP2015130391A 2015-06-11 2015-06-11 耐候性樹脂組成物 Pending JP2017002265A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015130391A JP2017002265A (ja) 2015-06-11 2015-06-11 耐候性樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015130391A JP2017002265A (ja) 2015-06-11 2015-06-11 耐候性樹脂組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017002265A true JP2017002265A (ja) 2017-01-05

Family

ID=57751306

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015130391A Pending JP2017002265A (ja) 2015-06-11 2015-06-11 耐候性樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2017002265A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018179868A1 (ja) * 2017-03-31 2018-10-04 第一工業製薬株式会社 ポリウレタン樹脂用ポリオール組成物、ポリウレタン樹脂形成性組成物、複合材料

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018179868A1 (ja) * 2017-03-31 2018-10-04 第一工業製薬株式会社 ポリウレタン樹脂用ポリオール組成物、ポリウレタン樹脂形成性組成物、複合材料

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5506659B2 (ja) 1,3−シクロヘキサンジメタノールおよび1,4−シクロヘキサンジメタノールを含む鎖伸長剤の混合物を使用する低ヘイズ熱可塑性ポリウレタン
CA2344784C (en) Aliphatic thermoplastic polyurethanes and use thereof
US11053343B2 (en) Thermoplastic polyurethane resin composition and molded body using said resin composition
CN104884499A (zh) 聚碳酸酯二元醇以及使用聚碳酸酯二元醇而得到的聚氨酯
WO2019069802A1 (ja) ポリウレタン樹脂、成形品、および、ポリウレタン樹脂の製造方法
TW201605928A (zh) 聚碳酸酯二醇及其製造方法暨使用其之聚胺基甲酸酯
KR20000077134A (ko) 특성이 개선된 지방족 소결가능한 열가소성 폴리우레탄성형 조성물
JP2023123869A (ja) 熱可塑性ポリウレタン樹脂エラストマー
EP3960451A1 (en) Thermoplastic polyurethane resin elastomer
US20200362092A1 (en) Thermoplastic polyurethane
JP5282214B1 (ja) 難燃性樹脂組成物
CN101492526A (zh) 热塑性聚氨酯及其用途
US8822624B2 (en) Thermoplastic polyurethane with reduced formation of deposit
WO2018155396A1 (ja) 熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物、および該樹脂組成物を用いた成形体
CN116635204A (zh) 热塑性聚氨酯、包含其的树脂组合物以及由其获得的模塑制品
TW201905020A (zh) 脂族熱塑性聚胺基甲酸酯及其製備與用途
JP2022120570A (ja) ポリエーテルポリカーボネートジオール及びその製造方法
JP5906492B2 (ja) 耐アルカリ性樹脂組成物
JP7583514B2 (ja) 熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物、及び該樹脂組成物を用いた成形体
CN112940213B (zh) 聚脲树脂
JP2014218577A (ja) 防汚性樹脂組成物
JP5568716B1 (ja) 防汚性樹脂組成物
JP2023103002A (ja) ポリエーテルポリカーボネートジオール及びその製造方法
JP5675007B1 (ja) 耐塩素性樹脂組成物、耐塩素性熱可塑性成形品、およびベルト
JP2016121315A (ja) 低摩擦性樹脂組成物