JP2017005171A - 半導体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】掘り起こしによって構成されるフィン部とすることで、掘り起こし前に表面を平坦面とすることが可能で、かつ、より高い冷却効率で半導体モジュールを冷却できるようにする。【解決手段】掘り起こしによってフィン部11c、12cを形成しつつ、フィン部11c、12cに対して凹部11d、12dを冷媒流れの下流側に配置する。また、フィン部11c、12cを楕円弧状とし、凸面側が凹面側よりも冷媒流れの上流側に配置されるようにする。そして、フィン部11c、12cの掘り起こし方向と冷媒流れの方向とが鋭角をなすようにする。これらの構成により、フィン部11c、12cを掘り起こす前には表面を平坦面にできるし、より高い冷却効率で半導体モジュール6を冷却することが可能な半導体装置にできる。【選択図】図2

Description

本発明は、発熱素子が備えられた半導体モジュールを冷却器にて冷却する構造の半導体装置に関するものである。
電動システムの高出力化に伴って、半導体モジュールに備えられるパワー素子の発熱量が増加している。熱抵抗Rthは、発熱素子となるパワー素子の発熱温度をΔTj、発熱量をPとすると、次式で表される。
(数1) Rth(℃/W)=ΔTj÷P
これは、熱抵抗の低い半導体モジュールでは、同じ発熱量であってもΔTjが高くなることを示している。しかしながら、熱抵抗が高いと、温度上限から高電流を流せない。このため、所望の出力(例えば100Arms)を流すためには素子を並列接続したり、素子サイズを増加させることが必要となる。これにより、パワー素子を構成するチップ面積の増大ひいてはコスト増大を招く。すなわち、熱抵抗が高いほどコストが増大するという関係を有していることから、放熱効率を高めることで素子発熱温度を低下させ、素子サイズの縮小を図ることが重要となる。
このため、半導体モジュールを有する半導体装置では、半導体モジュールの放熱効率を高めるために、半導体モジュールにフィン部が形成された放熱板を備えると共に、フィン部を覆うように冷却器を配置している。冷却器の内部空間に冷媒を流動させることで半導体モジュールの放熱を促進させ、半導体モジュールに放熱板を備えることでさらに放熱効率が高められる。
例えば、放熱板として、特許文献1に示すような金属板を堀り起こしてフィン部を構成するものがある。フィン部は、直線状もしくは破線状の刃部を有する掘り起こし工具によって掘り起こされることで構成され、直線状もしくは複数が等間隔に破線状に配置された構成とされている。
また、冷媒通路を構成した冷却ベースの開口部から円柱形状のストレートフィンが複数形成された放熱板を有する筒部を挿入し、筒部の挿入方向後端に備えられたフランジ部にて冷却ベースに筒部を固定する構造のものもある。フランジ部と冷却ベースとの間にはシール部材が設けられ、冷却ベースの開口部はフランジ部およびシール部材によって密閉される。そして、冷却ベース内に形成された冷媒通路に冷媒を流すと、ストレートフィンに衝突するようにして冷媒が流れる。これにより、高い放熱効率が得られるようにしている。
特開2005−216975号公報
しかしながら、特許文献1のように直線状もしくは破線状の刃部を有する掘り起こし工具によってフィン部を掘り起こす形態では、表面積を大きく取って伝熱面を拡げていることから、フィン部を掘り起こす方向に対する垂直方向が冷媒流れ方向となる。すなわち、直線状もしくは破線状に形成されたフィン部が複数列並列的に配置され、複数列のフィン部の間を通過するように冷媒が流れることとなる。このように冷媒流れが一様になることから、冷却効率を高めることが難しい。これは、空冷方式のように冷媒として空気などの気相冷媒が用いられる場合であっても、水冷方式のように冷媒として水などの液相冷媒が用いられる場合であっても同様のことが言える。
また、ストレートフィンが複数形成された放熱板を有する筒部を冷却ベースに挿入する形態では、筒部を冷却ベースの冷媒通路内に挿入できるように、ストレートフィンの先端と冷媒通路の内壁面との間に隙間を設ける必要がある。この隙間をバイパス通路として冷媒がフィン部を通じることなく抜けてしまうため、熱伝達率が下がり、放熱効率を低下させてしまう。また、ストレートフィンを成形などによって形成していて、初めから放熱板の表面が平坦面ではないことから、素子部の接合状態を超音波映像装置(SAT)などによって検査することが難しい。
本発明は上記点に鑑みて、掘り起こしによって構成されるフィン部とすることで、掘り起こし前に表面を平坦面とすることが可能で、かつ、より高い冷却効率で半導体モジュールを冷却することが可能な半導体装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、発熱素子となる半導体素子(51a〜56a)と、半導体素子を覆う板状の樹脂モールド部(18)と、樹脂モールド部に封止されると共に、該樹脂モールド部一面から露出させられ、半導体素子と絶縁されつつ、半導体素子の発した熱の放熱を行う放熱板(11、12)と、を有する半導体モジュール(6)と、半導体モジュールにおける放熱板が露出させられている一面に配置され、冷媒通路(19b)を構成し、該冷媒通路内に冷媒が流されることで放熱板からの放熱を促進させる冷却器(19)と、を備え、放熱板には、該放熱板の表面を掘り起こして形成されたフィン部(11c、12c)が備えられ、該フィン部は先細り形状とされると共に根元部から先端部に至るまで湾曲した楕円弧状とされていることを特徴としている。
このように、掘り起こしによってフィン部を形成すると共に、フィン部を楕円弧状としている。そして、フィン部が楕円弧状とされていることから、フィン部の高さ方向への冷媒の流れを発生させることができる。これらの構成により、フィン部を掘り起こす前には表面を平坦面にできるし、より高い冷却効率で半導体モジュールを冷却することが可能な半導体装置にできる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係の一例を示すものである。
本発明の第1実施形態にかかる半導体装置に備えられる半導体モジュールが構成する三相インバータ回路1の回路図である。 半導体モジュール6の斜視図である。 半導体モジュール6の両面を冷却機器19によって挟む様子を示した斜視図である。 半導体モジュール6の構成部品の分解斜視図である。 半導体モジュール6の上面レイアウト図である。 多層配線バスバー13の斜視図である。 半導体装置の断面図である。 半導体装置の分解図である。 半導体モジュール6の上面図である。 フィン部11c、12c近傍の断面図である。 フィン部11c、12cの上面図である。 フィン部の上部の隙間とバイパス流量割合の関係をシミュレーションした結果を示す図である。 図12のシミュレーションに用いたモデルの上面レイアウト図である。 図12のシミュレーションに用いたモデルの断面図である。 印加荷重に対する変形量の関係を示した図である。 図14のシミュレーションに用いたモデルの断面図である。 図14のシミュレーションに用いたモデルの断面図である。 楕円弧状のフィンのモデルの断面図である。 係数kと熱伝達率/圧損比率との関係を示した図である。 流体ベクトルと熱伝達率/圧損比率との関係を示した図である。 規格化圧力損失と規格化熱伝達率との関係を示した図である。 冷却性能の比較に用いたモデルの断面図である。 凹部11d、12d内における流速コンター図である。 ストレートフィンを基準とした場合における各種構造ごとの冷却効率を調べた結果を示す図である。 冷媒流れの方向とフィン部11c、12cの掘り起こし方向との関係を示した図である。 本発明の第2実施形態にかかるフィン部11c、12cの断面図である。 掘り起こし工具100の側面図である。 掘り起こし工具100の正面図である。 掘り起こし工具100によって掘り起こしたフィン部11c、12cの断面図である。 本発明の第3実施形態にかかるフィン部11c、12cの上面図である。 図26に示すフィン部11c、12cの形成に用いる掘り起こし工具100の正面図である。 第3実施形態の変形例にかかるフィン部11c、12cの上面図である。 図28に示すフィン部11c、12cの形成に用いる掘り起こし工具100の正面図である。 本発明の第4実施形態にかかる半導体装置の斜視図である。 図30に示す半導体装置の分解図である。 2枚の半導体モジュール6それぞれのフィン部11c、12cの配置を示した断面図である。 複数枚の半導体モジュール6を積層した半導体装置が適用されるインバータユニットの斜視図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について説明する。本実施形態では、本発明の一実施形態にかかる半導体モジュールを有する半導体装置の適用例として、例えば三相交流モータなどの駆動を行う三相インバータ回路が備えられた半導体モジュールを有する半導体装置を例に挙げて説明する。
まず、図1を参照して、半導体モジュールに備えられる三相インバータ回路1の構成について説明する。図1に示すように、三相インバータ回路1は、直流電源(外部電源)2に基づいて三相交流モータなどの負荷3を駆動するためのものである。三相インバータ回路1には平滑コンデンサ4が並列接続されており、スイッチング時のリプルの低減やノイズの影響を抑制して一定な電源電圧が形成できるようにしてある。
三相インバータ回路1は、直列接続した上下アーム51〜56が三相分並列接続された構成とされ、上アーム51、53、55と下アーム52、54、56との各中間電位を負荷3となる三相交流モータのU相、V相、W相の各相に順番に入れ替えながら印加する。具体的には、上下アーム51〜56は、それぞれ、発熱素子となるIGBTやMOSFETなどの半導体スイッチング素子51a〜56aおよびFWDなどの還流を目的とした整流素子(片側導通素子)51b〜56bを備えた構成とされる。そして、各相の上下アーム51〜56の半導体スイッチング素子51a〜56aがオンオフ制御されることで、三相交流モータに対して周期の異なる三相の交流電流を供給する。これにより、三相交流モータの駆動を可能としている。
本実施形態では、三相インバータ回路1に備えられる6つの上下アーム51〜56それぞれを構成する半導体スイッチング素子51a〜51fおよび整流素子51b〜56bが形成された半導体チップをモジュール化して一体化している。つまり、6つのアームを一体化した6in1構造の半導体モジュールとして三相インバータ回路1を構成している。
続いて、上記のような回路構成の三相インバータ回路1が備えられた半導体モジュールを有する半導体装置の詳細構造について、図2〜図8を参照して説明する。
図2に示す半導体モジュール6は、図4に示すように、半導体チップ10、上側および下側放熱板11、12、各種端子や配線を一体化した多層配線バスバー13、制御端子14、素子中継電極15およびプレート16、17などを備えた構成とされている。これらのうちの半導体チップ10、制御端子14、素子中継電極15およびプレート16、17などを1アーム分の構成部品ブロックとして、6組の構成部品ブロックが備えられている。そして、6組の構成部品ブロックを多層配線バスバー13と共に上側および下側放熱板11、12で挟み込み、図2に示すように樹脂モールド部18で覆っている。このようにして、半導体モジュール6は、図2に示すように所定の厚みを有する板状部材として構成されている。このような半導体モジュール6は、図3に示すように厚み方向の両側を冷却器19によって挟み込まれることで、放熱を行いながら負荷3の駆動を行うものとして使用される。なお、各冷却器19の相対する二角には貫通孔19aが設けられていると共に、各貫通孔10aそれぞれを繋いで冷媒通路を構成する通路構成部19dが備えられる。これにより、冷却器19の冷却が行われることで、効率的な冷却を可能にしながら半導体モジュール6が使用される。
以下、半導体モジュール6を有する半導体装置の詳細構造について説明するが、樹脂モールド部18にて覆った6アーム分の構成部品ブロックそれぞれの詳細構造は、若干異なっているものの基本構造が同様である。まずは、この樹脂モールド部18にて覆っている構成部品ブロックの基本構造を構成している各部品について説明する。
図4に示す半導体チップ10は、6個のチップ10a〜10fによって構成されている。各チップ10a〜10fは、表面および裏面を有し、それぞれに上アーム51、53、55もしくは下アーム52、54、56を構成する半導体スイッチング素子51a〜56aや整流素子51b〜56bなどが形成されている。例えば、半導体チップ10は、Si、SiC、GaNなどの半導体基板を母材基板として用いて形成されている。本実施形態では、半導体チップ10に形成される半導体スイッチング素子51a〜56aや整流素子51b〜56bを基板垂直方向に電流を流す縦型素子としており、半導体チップ10の表面側と裏面側に各種電極(パッド)が形成され、この電極を介して電気的接続が行われている。本実施形態の場合、各半導体チップ10の裏面側は、はんだやAg焼結材のような高熱伝導材で構成された接合材20を介して下側プレート17の表面側に電気的および物理的に接続されている。そして、下側プレート17の裏面側がはんだやAg焼結材のような高熱伝導材で構成された接合材21を介して下側放熱板12に接合されている。
また、半導体チップ10の表面側は、Cu、Al、Fe等を母材として構成された素子中継電極15に対して、はんだやAg焼結材のような高熱伝導材で構成された接合材22を介して接続されている。さらに、素子中継電極15がはんだやAg焼結材のような高熱伝導材で構成された接合材23を介して上側プレート16の裏面側に電気的および物理的に接続されている。そして、上側プレート16の表面側がはんだやAg焼結材のような高熱伝導材で構成された接合材24を介して上側放熱板11に接合されている。
このような構造により、各半導体チップ10が上側および下側放熱板11、12に対して挟み込まれた構造とされている。
なお、本実施形態では、半導体チップ10は、各アーム51〜56を構成する半導体スイッチング素子51a〜56aや整流素子51b〜56bなどの素子が1チップ内に共に形成されたものとされている。しかしながら、これは単なる一例を示したものであり、各アーム51〜56を構成する半導体スイッチング素子51a〜56aや整流素子51b〜56bなどの素子が別々のチップに形成されていても良い。
上側および下側放熱板11、12は、ヒートシンクに相当するもので、例えばCu、Al、Fe等を主成分とした高熱伝導部材で構成され、一面側が半導体チップ10に向けられ、他面側が図2に示されるように樹脂モールド部18から露出させられている。上側および下側放熱板11、12は、段付形状とされており、外縁部11a、12a(図7参照)に対してそれよりも内側となる内側部11b、12b(図7参照)の方が所定量突出させられている。具体的には、外縁部11a、12aは、その周囲における樹脂モールド部18の一面と同一平面とされており、内側部11b、12bが樹脂モールド部18から所定距離突き出した構成とされている。そして、内側部11b、12bに、内側部11b、12bの表層部を掘り起こし工具によって掘り起こした複数のフィン部11c、12cが形成されている。この複数のフィン部11c、12cの詳細構造については後述する。なお、図7では、樹脂モールド部18内に備えられる各部品については図示しないを省略してある。
また、上側および下側放熱板11、12は、上側および下側プレート16、17が部分的に絶縁材料で構成されることで、半導体チップ10とは絶縁された状態となっている。ただし、上側および下側プレート16、17や素子中継電極15等が高熱伝導材料で構成されていることから、上側および下側放熱板11、12には、半導体チップ10からの熱が高い熱伝導で伝えられる。そして、上側放熱板11のうちの表面側および下側放熱板12のうちの裏面側、つまりフィン部11c、12cが形成された面から放熱が行えるようになっている。
多層配線バスバー13は、本実施形態の半導体モジュール6のうちの各種配線や各種端子を構成する部分である。本実施形態では、多層配線バスバー13は、板状棒状部材で構成され、各相の上アーム51、53、55を構成する半導体チップ10と下アーム52、54、56を構成する半導体チップ10の間を通過するように配置されている。例えば、多層配線バスバー13には、上アーム51、53、55と直流電源2の+端子とを接続する正極側配線、下アーム52、54、56と直流電源2の−端子とを接続する負極側配線、各アーム51〜56と負荷3とを接続する出力配線が備えられている。また、多層配線バスバー13には、各配線と直流電源2や負荷3との接続を行うための各種接続端子13a〜13eが備えられている。
具体的には、図6に示すように、多層配線バスバー13は、一方向を長手方向とした板状棒状部材によって構成されており、図2に示すように一端側と他端側がそれぞれ略四角形状とされた樹脂モールド部18の相対する二辺それぞれから露出させられている。
図6に示すように、多層配線バスバー13の一端側には、上アーム51、53、55と直流電源2の+端子とを接続する正極端子13aおよび下アーム52、54、56と直流電源2の−端子とを接続する負極端子13bが形成されている。また、多層配線バスバー13の他端側には、各U相、V相、W相の各相における上下アーム51〜56の中間電位点と負荷3とを接続する出力端子に相当するU端子13c、V端子13d、W端子13eが備えられている。これら正極端子13a、負極端子13b、U端子13c、V端子13d、W端子13eは、図2に示すように樹脂モールド部18から露出させられている。このような構成により、正極端子13aおよび負極端子13bを介して半導体モジュール6と直流電源2や平滑コンデンサ4との電気的接続が行われている。また、U端子13cやV端子13dおよびW端子13eを介して負荷3となる三相交流モータのU相やV相およびW相との電気的接続が行われている。
このような多層配線バスバー13は、パターニングされた導体層と絶縁層とを積層した多層配線構造によって構成されており、図1に示した三相インバータ回路1の各部を電気的に接続する回路配線を構成している。なお、多層配線バスバー13に備えられた各パッド136a〜136c、139a〜139cは、半導体チップ10a〜10fの所定部位に電気的に接続される。図示しないが、多層配線バスバー13のうち各パッド136a〜136c、139a〜139cが配置された面と反対側の面にも、半導体チップ10a〜10fの所定部位に電気的に接続される複数のパッドが備えられている。そして、多層配線バスバー13に備えられる内部配線と各パッド136a〜136c、139a〜139cが電気的に接続され、内部配線と各端子13a〜13eとが電気的に接続されることで、三相インバータ回路1の配線構造が構成されている。内部配線は、絶縁膜130によって被覆されており、絶縁膜130から露出するようにして各パッド136a〜136c、139a〜139cや各端子13a〜13eが設けられている。
制御端子14は、半導体スイッチング素子51a〜56aのゲート配線などの各種信号線を構成する信号線端子となるものある。例えば、制御端子14は、半導体チップ10の表面側に形成された半導体スイッチング素子51a〜56aのゲートに接続される電極にAu等で構成されるボンディングワイヤ25(図4参照)を介して電気的に接続されている。制御端子14における半導体チップ10とは反対側の端部は、図2に示すように樹脂モールド部18から露出させられており、この露出部分を通じて外部との接続が行えるように構成されている。なお、図4中では、制御端子14がリードフレーム状態で一体化されたものとして記載してあり、下側放熱板12とも一体化された状態とされているが、最終製品とされる際に分断され、各信号線が独立した状態となる。
素子中継電極15は、半導体チップ10側の一面において半導体チップ10の表面の電極との電気的な接続を図りつつ、上側プレート16と電気的に接続される部材である。素子中継電極15は、半導体チップ10と上側プレート16との間をボンディングワイヤ25が配置される分の間隔空けるために備えられている。素子中継電極15は、例えばCu等を主成分とした高熱伝導部材で構成されている。
上側プレート16は、半導体チップ10側の一面において素子中継電極15を介して半導体チップ10の表面の電極との電気的な接続を図りつつ、半導体チップ10と上側放熱板11とを絶縁する役割を果たす。同様に、下側プレート17は、半導体チップ10側の一面において半導体チップ10の裏面の電極との電気的な接続を図りつつ、半導体チップ10と下側放熱板12とを絶縁する役割を果たす。
上側および下側プレート16、17のうちの半導体チップ10側の一面は電気的な接続に加えて熱伝導性が高められるように、Cu、Al等を母材とする高熱伝導部材によって構成されている。また、上側および下側プレート16、17のうち、半導体チップ10側の一面よりも半導体チップ10と反対側に位置する層は、絶縁を図りつつ熱伝導性が高められるように、例えば無機もしくは有機系絶縁材料で構成されている。例えば、Si34、AlN、Al23等のセラミックス絶縁体の両面にCuを母材とする導体板を貼り合せたものによって上側および下側プレート16、17を構成できる。また、絶縁シートを貼り付けたCuプレートと絶縁接着機能を有する接着剤シートをCu等の導体部材で構成されるダイボンドプレートと貼り合せたものによって上側および下側プレート16、17を構成することもできる。
このような構成とされることで、上側プレート16は、半導体スイッチング素子51a〜56aの表面電極(例えばMOSFETのソースやIGBTのエミッタ)および整流素子51b〜56bの第1電極(例えばFWDなどのアノード)と接続される。また、上側プレート16は多層配線バスバー13に備えられる各パッド136a〜136c、139a〜139cとも電気的に接続されている。同様に、下側プレート17については、半導体スイッチング素子51a〜56aの裏面電極(例えばMOSFETのドレインやIGBTのコレクタ)および整流素子51b〜56bの第2電極(例えばFWDなどのカソード)と接続される。また、下側プレート17も多層配線バスバー13の裏面側に備えられる各パッド(図示せず)とも電気的に接続されている。このため、上側および下側プレート16、17は、各アーム51〜56に対しての正極側配線や負極側配線および出力配線の一部を構成している。
また、上記したように、上側放熱板11のうちの表面側および下側放熱板12のうちの裏面側、つまり半導体チップ10が配置される面と反対側の面は共に、樹脂モールド部18から露出させられており、この露出部分において、放熱が行えるようになっている。この放熱面側には、図3に示すように冷却器19が配置される。冷却器19は、図7に示すように内部に形成される空洞部によって流動通路19bが構成されており、この流動通路19b内を冷媒が流動させられるようになっている。このため、上側および下側放熱板11、12の放熱面が冷媒に接することになるが。しかしながら、上側および下側プレート16、17によって半導体チップ10と上側および下側放熱板11、12との間の絶縁が図られていることから、上側および下側放熱板11、12を通じて外部に電流リークが生じることを防止できる。
樹脂モールド部18は、上記した各構成部品を成形型内に配置したのち、成形型内に樹脂を封入することで構成された封止樹脂であり、例えば四角形板状で構成されている。樹脂モールド部18は、絶縁性で、かつ、上側および下側放熱板11、12などの導体部より低い線膨張係数およびヤング率の樹脂で構成される。例えば、主にエポキシ、シリコーン等の有機樹脂によって樹脂モールド部18を構成することができる。樹脂モールド部18からは、四角形板状を構成する各辺から制御端子14の先端および多層配線バスバー13の両端が露出させられており、外部との電気的接続が行えるようになっている。具体的には、四角形板状とされる樹脂モールド部18の相対する2辺より、つまり樹脂モールド部18を挟んだ反対方向に、上アーム51、53、55の制御端子14と下アーム52、54、56の制御端子14が露出させられている。また、四角形板状とされる樹脂モールド部18の異なる相対する2辺より、つまり樹脂モールド部18を挟んだ反対方向に、多層配線バスバー13の両端がそれぞれ露出させられている。また、四角形板状の表裏面それぞれから上側放熱板11と下側放熱板12が露出させられ、良好に放熱が行える構造とされている。
具体的には、制御端子14が一体化されたリードフレーム状態の下側放熱板12の表面側に、上述した各部を搭載する。そして、ボンディングワイヤ25にて半導体チップ10と制御端子14との電気的な接続を終えたのち、その上に上側放熱板11などを搭載する。この状態でこれらを成形型に設置し、成形型内に樹脂を注入してモールド化することで樹脂モールド部18が構成される。この樹脂モールド部18により、上側および下側放熱板11、12の表面に加えて、制御端子14および多層配線バスバー13の露出箇所以外が覆われることで、半導体チップ10などが保護される。
冷却器19は、内部に冷媒通路19bを構成し、冷媒が流動させられることで半導体モジュール6の放熱を促進させるものである。冷却器19は、半導体モジュール6における上側および下側放熱板11、12が配置された両放熱面に配置され、冷却器19によって半導体モジュール6を挟み込むように冷却器19および半導体モジュール6が積層されている。そして、図8に示すように、2つの冷却器19によって半導体モジュール6を挟みつつ、冷却器19および半導体モジュール6をボルト28で締結することで、これらが一体化されている。
具体的には、冷却器19は、図3に示すように、半導体モジュール6と反対側から見た形状が略長方形状とされた中空板状部19cと貫通孔19aが形成された通路構成部19dとを有した構成とされる。中空板状部19c内に構成される中空部を冷媒通路10bとして、一方の貫通孔19aより導入される冷媒が冷媒通路19bを通過したのち、他方の貫通孔19aより排出される。
図7に示すように、中空板状部19cのうち半導体モジュール6側の一面には、冷媒通路19bに繋がる開口部19eが形成されている。この開口部19e内に内側部11b、12bおよびフィン部11c、12cが配置される。内側部11b、12bの外縁形状と開口部19eの形状は一致させられており、内側部11b、12bが開口部19eに嵌め込まれるようにして、冷却器19が半導体モジュール6に組み付けられる。
中空板状部19cのうち半導体モジュール6側の一面は所定の厚みを有した構造とされるが、その厚みが内側部11b、12bの外縁部11a、12aからの突き出し量と一致させられている。
また、図8に示すように、冷却器19と半導体モジュール6との間に、開口部19eを囲むシール部材26が配置されている。このため、冷却器19と半導体モジュール6との間がシール部材26によってシールされ、冷媒漏れが防止されている。
なお、後述するように、半導体モジュール6と冷却器19の積層方向において、冷却器19に形成された冷媒通路19bの寸法がフィン部11c、12cの高さより小さくされている。また、フィン部11c、12cの先端が先細りとされていて変形し易くなっている。このため、フィン部11c、12cは、半導体モジュール6と冷却器19とを組み付けたときに、冷媒通路19bを構成する冷却器19の内壁面にフィン部11c、12cの先端が当接すると共に、当接したときにフィン部11c、12cの先端が変形する。これにより、冷却器19と半導体モジュール6との間において、シール部26が隙間無く配置され、的確にシール機能を発揮できるようになっている。
通路構成部19dは、図3に示すように長方体形状とされていて、その中心位置に貫通孔19aが形成されている。隣り合う冷却器19の通路構成部19dは、貫通孔19aを囲むシール部材27を介して互いに密着させられており、互いの貫通孔19aが繋げられている。貫通孔19aは、冷媒通路19bと連通させられている。このため、互いに密着させられた一方の通路構成部19dの貫通孔19aより導入される冷媒は、冷媒通路10bを通過して、互いに密着させられた他方の通路構成部19dの貫通孔19aより排出される。
なお、上記したように、半導体モジュール6と冷却器19の積層方向において、冷却器19に形成された冷媒通路19bの寸法がフィン部11c、12cの高さより小さくされているが、フィン部11c、12cの先端位置が変形し易くなっている。このため、隣り合う通路構成部19d同士の間において、シール部26が隙間無く配置され、的確にシール機能を発揮できるようになっている。
また、貫通孔19aおよび通路構成部19dは、冷却器19を半導体モジュール6と反対側から見たときの略長方形状における対角の関係に位置する2つの角部に配置されている。具体的には、多層配線バスバー13における正極および負極端子13a、13bが配置された側の端部と、U〜W端子13c〜13eが配置された側の端部が略長方形状とされる冷却器19のもう一方の対角の関係に位置する2つの角部より突き出すように配置されている。これら各端子13a〜13eとずらされた位置に貫通孔19aが配置されている。このため、冷却器19のうち貫通孔19aおよび通路構成部19dによって隠れることなく、各端子13a〜13eと外部配線との電気的接続が行えるようになっている。
以上のような構造により、本実施形態にかかる半導体モジュール6を有する半導体装置が構成されている。続いて、放熱板11、12に形成された複数のフィン部11c、12cの詳細構造について、図2、図7および図9〜図11を参照して説明する。なお、ここでは複数のフィン部11cについて主に説明するが、複数のフィン部12cも複数のフィン部11cと同様の構成とされている。
図2および図9に示すように、内側部11bは、多層配線バスバー13の長手方向と同方向を長辺、それに対する垂直方向を短辺とする長方形状とされている。図2に示すように、この内側部11bの長辺方向をx方向、短辺方向をy方向、内側部11bの法線方向をz方向として、複数のフィン部11cは、x方向およびy方向において所定のレイアウトで配列されている。そして、内側部11bの表面を掘り起こし工具でz軸方向に掘り起こすことで、複数のフィン部11cの1つ1つが構成されている。
本実施形態の場合、複数のフィン部11cは、y方向において等間隔に複数本が並べられた列がx方向において等間隔に複数列並べられている。そして、隣り合う列のフィン部11cのy方向の形成位置がずらされており、y方向において、各列の各フィン部11cが隣の列の隣り合うフィン部11cの中間位置に配置されたレイアウト、つまり千鳥配列のレイアウトで複数のフィン部11cが配列されている。
一方、図9に示すように、冷却器19における冷媒流れ方向は、冷媒が導入される側の貫通孔19aから冷媒が排出される側の貫通孔19aに向かう方向となり、図中矢印A1で示した方向となる。したがって、千鳥配列とされた複数のフィン部11cは、冷媒流れ方向に沿った配列となる。なお、ここでいう複数のフィン部11cが冷媒流れ方向に沿って配列されているとは、複数のフィン部11cが冷媒流れ方向と平行になっていなくても良く、その配列方向と冷媒流れ方向とに角度が付いていても良い。ただし、両貫通孔19aの中心位置を通る直線(図中矢印A1)に対して、複数のフィン部11cが平行に配列されるようにしてあると、冷媒流れを阻害せず、圧力損失を少なくできることから好ましい。
また、複数のフィン部11cは、それぞれy方向に沿って内側部11bの表面を掘り起こすことによって形成されている。このため、複数のフィン部11cの掘り起こし方向(図中矢印B1)に対して冷媒流れ方向(図中矢印A1)とが0°より大きく45°以下の範囲の鋭角をなしている。
複数のフィン部11cの1つ1つは、根元部から先端部に掛けて湾曲した楕円弧状とされている。より詳しくは、図10に示すように、各フィン部11cは、掘り起こし方向に対して平行かつ内側部11bの表面に対する法線方向に平行な平面に切断した断面形状が楕円弧状とされている。そして、各フィン部11cは、先端部が先細り形状とされることで根元部よりも変形し易い構造とされている。図11に示すように、本実施形態では、内側部11bを掘り起こす幅を一定幅としており、図10に示すように、掘り起こし深さを徐々に深くしつつ、掘り起こしの中間位置より深さを一定としている。したがって、各フィン部11cは、根元から掘り起こしの中間位置までは掘り起こし方向と同方向の厚みが一定とされ、中間位置から先端部に掛けて厚みが徐々に薄くなっている。
また、本実施形態では、楕円弧で構成された各フィン部11cのうち内側部11bの表面によって構成される一面を凸面としており、掘り起こした側の一面を凹面としている。このため、各フィン部11cは、冷媒の流速を凸面側で受ける構造となっている。そして、フィン部11cを掘り起こしてできる凹部11dがフィン部11cに対して冷媒流れの下流側に位置するように掘り起こしが行われている。
各フィン部11cの寸法については任意であるが、後述するように掘り起こし後に形成される凹部11dによる冷媒流れの悪化や複雑な乱流の誘発を抑制するために、x方向寸法となる厚みおよびy方向寸法となる幅を1mm以下、z方向寸法となる高さを10mm未満としている。このフィン部11cの高さは、半導体モジュール6と冷却器19の積層方向において、冷却器19に形成された冷媒通路19bの寸法よりも大きい。また、好ましくはフィン部11cの高さと冷媒通路19bの寸法との差がフィン部11cの最大変形量よりも小さくなるように、フィン部11cの高さが設定されている。
次に、このように構成された複数のフィン部11cを有する半導体装置により得られる効果について、図12〜図23を参照して説明する。
(1)本実施形態にかかる半導体装置では、上側および下側放熱板11、12に形成した複数のフィン部11c、12cを上側および下側放熱板11、12の表面を掘り起こすことによって形成している。このため、複数のフィン部11c、12cを掘り起こす前のときには、上側および下側放熱板11、12の表面は平坦面となっており、超音波映像装置などによって内部の素子部の接合状態を検査することが可能となる。
(2)本実施形態にかかる半導体装置では、冷却器19における中空板状部19cのうち半導体モジュール6側の一面の厚みと内側部11b、12bの突き出し量とを一致させている。
このため、フィン部11c、12cは、高さ全域において、冷媒の流動通路19bにおける冷媒の流れ易い場所に曝される。例えば、内側部11b、12bを外縁部11a、12aや樹脂モールド部18と同一平面としても良いが、その場合、冷却器19の厚みによってできる凹部内にフィン部11c、12cの根元部分が隠れ、当該根元部分が冷媒通路19bのうち冷媒の流れ難い場所に位置することになる。しかしながら、本実施形態では、内側部11b、12bを外縁部11a、12aや樹脂モールド部18から突き出させているため、冷却器19の厚みによってフィン部11c、12cの根元部分が隠れず、根元部分まで冷媒の流れ易い場所に位置させることができる。したがって、放熱効率を高めることが可能となり、結果的にフィン部11c、12cの高さを低下させることができ、半導体装置の小型化を図ることもできる。
(3)本実施形態にかかる半導体装置では、半導体モジュール6と冷却器19の積層方向において、冷却器19に形成された冷媒通路19bの寸法がフィン部11c、12cの高さより小さくされている。このため、フィン部11c、12cの先端が冷却器19における中空板状部19cの内壁面に当接し、これらの間に隙間が空かない。したがって、フィン部11c、12cの先端と中空板状部19cとの間の隙間によるバイパス通路が形成されることを防止でき、冷媒がフィン部11c、12cを通じることなく抜ける現象が発生しないようにできる。
例えば、フィン部の上部の幅、つまりバイパス通路の幅とバイパス通路に流れる流量(以下、バイパス流量という)の関係をシミュレーションにより調べた。図12は、その結果を示している。具体的には、図13(a)、(b)に示すように、複数のストレートフィンJ1を千鳥配列としたシミュレーションモデルを用い、ストレートフィンJ1と冷却器J2との間の隙間J3を変化させ、バイパス流量を調べた。シミュレーション条件としては、ストレートフィンJ1の径をD、高さhcを2×Dとし、ストレートフィンJ1の隣り合う列同士でのx方向のピッチを2×D、同じ列同士でのy方向のピッチも2×Dとした。また、冷媒としては60℃の純水を用いた場合を想定した。
図12に示すように、隙間J3が0.1mm以下の際にはバイパス流量の割合が0〜2%程度と低くなっているが、それを超えるとバイパス流量の割合が大きくなり、0.25mmのときには15%となった。そして、隙間J3が大きくなる程バイパス流量の割合が多くなった。
このように、隙間J3が0.1mmを超えると、バイパス流量の割合が大幅に多くなる。背景技術の欄において説明したような、ストレートフィンが複数形成された筒部を冷却ベースに挿入する形態では、ストレートフィンが複数形成された筒部を冷却ベース内に的確に挿入できるように、製造公差やフィンの反りなどを見込んでストレートフィンの高さを設定する必要がある。このため、ストレートフィンの先端と冷却ベースとの間の隙間が大きくなり、バイパス流量が多くなって放熱効率を悪化させることになる。
一方、本実施形態では、フィン部11c、12cの先端が冷却器19における中空板状部19cの内壁面に当接し、これらの間に隙間が空かないようにしている。したがって、フィン部11c、12cの先端と中空板状部19cとの間にバイパス通路が形成されないようにでき、放熱効率の低下を抑制することが可能となる。
(3)本実施形態にかかる半導体装置では、フィン部11c、12cの先端を先細り形状としている。このため、フィン部11c、12cを高さ方向において容易に変形させることができる。したがって、半導体モジュール6と冷却器19の積層方向において、冷却器19に形成された冷媒通路19bの寸法がフィン部11c、12cの高さより小さくされていても、フィン部11c、12cの変形により、その寸法差を吸収できる。
フィン部11c、12cと中空板状部19cとの間の隙間を少なくするには、半導体モジュール6と冷却器19の積層方向において、冷却器19に形成された冷媒通路19bの寸法にフィン部11c、12cの高さを近づければ良い。このときの隙間を0.1mm以下にすれば、バイパス流量の割合を減らせることから、冷却効率の低下を抑制できる。
さらに、その隙間を無くすためには、製造交差や変形などを加味すると、半導体モジュール6と冷却器19の積層方向において、冷却器19に形成された冷媒通路19bの寸法がフィン部11c、12cの高さより小さくされているのが好ましい。しかし、このような寸法関係とした場合、フィン部11c、12cが小さい荷重で容易に変形し、両者の寸法差を吸収できるようにするのが望ましい。
そこで、フィン部11c、12cの形状と荷重印加時の変形量との関係について評価した。図14は、その評価結果を示した図である。図14中のSH−Lは、図15(a)中に示したように、本実施形態と同様、フィン部11c、12cを先細り形状としたものを評価モデルとしている。図14中のFH−Lは、図15(b)中に示したように、ストレートフィンと同様、フィン部11c、12cを根元から先端まで一定径としたものを評価モデルとしている。そして、図15(a)の評価モデルについては、楕円弧のうち根元部から最も突出している先端までの突出量LをL=0.1、0.2、0.4mmで変化させて変形量を調べた。同様に、図15(b)の評価モデルについては、一定径としつつ中腹部を突出させてR形状とし、根元部から最も突出している先端までの突出量LをL=0.1、0.2、0.4mmで変化させて変形量を調べた。
図15(b)に示す形状の場合、根元から先端まで一定径であるため、R形状とされていても荷重に対する変形量は小さい。L=0.1のように、ストレートフィンに近い水準の場合には、荷重を加えても殆どz方向への変形が生じていなかった。R形状の曲率を大きくしすれば、荷重に対する変形量が大きくなるものの、それでも荷重に対する変形量はあまり大きくない。これは、R形状の変曲点となる中腹部にて歪が集中し、荷重に対して持ち応えてしまうためであり、低荷重では変形量が小さくなる。
したがって、フィン部11c、12cをすべて一定径とした場合には、目標値の変形量を得るためには大きな荷重が必要となり、結果的に半導体装置の破壊を招く可能性がある。このことから、このような構成とするのであれば、フィン部11c、12cの先端と中空板状部19bの内壁面との間に隙間を設ける必要があり、バイパス経路が形成されて、放熱効率が低下するという問題を発生させることになる。
一方、本実施形態のように、フィン部11c、12cの先端を先細り形状とした場合、低荷重であっても変形量が大きい。例えば、製造公差や変形などを加味して、フィン部11c、12cの変形量が0.1mmとなることを目標値に設定すると、L=0.2であれば2[N]、L=0.4であれば1[N]の荷重で良い。このように、フィン部11c、12cを先端が先細りとなる楕円弧状とすることで、低荷重で所望の変形量を得ることが可能となる。これは、フィン部11c、12cを先細りの楕円弧状としているためである。すなわち、断面積が小さな先細り形状とすることで変形し易くなっているのに加えて、楕円弧状とすることでよりz方向への変形量が大きくなる。そして、突出量Lが大きくなるほど、変形領域が先端部に移行するため、より低荷重でもz方向への変形を生み出すことが可能になる。
なお、突出量Lが0.2mmで有る場合において、変形量の目標値である0.1mm変形させたときのフィン部11c、12cの歪みを算出すると、0.2%よりも十分に小さいことを確認した。この程度の歪みの場合、フィン部11c、12cの変形は弾性変形領域での変形となる。したがって、フィン部11c、12cの損傷も抑制することが可能となる。
(4)本実施形態にかかる半導体装置では、複数のフィン部11c、12cを楕円弧状としつつ、掘り起こし方向と冷媒流れ方向とが鋭角をなすようにしている。このような構成としているため、複数のフィン部11c、12cによる冷却性能を向上させることが可能となって、放熱効率を向上させることが可能となる。
冷媒通路が決まった流路であっても、フィン部の形状やフィン部に対してどのように冷媒が当たるかによって、冷却性能を表す指標である“熱伝達率”や“圧力損失”の結果は異なる。一般的に、熱伝達率/圧損比率が高いものが冷却性能の高い冷却器と言える。
そこで、楕円弧状のフィンを千鳥配列としたモデルに対し、熱流体解析を実施した。具体的には、図16に示すように、掘り起こし深さに相当する掘り起こし幅W(フィン部の幅に相当)を基準とし、フィン部J1の高さhをh=7×W、突出量LをL=0、0.5×W、1.0×Wと変化させた。そして、掘り起こし方向と冷媒流れの方向(換言すれば流速の方向)とのベクトルを流体ベクトルθ=180°、つまり楕円弧状とされるフィン部J1の凸面側が冷媒流れの上流側に位置すると共に凹面側が下流側に位置するようにしてシミュレーションを行った。そして、楕円弧状が冷却性能にどのように影響するかについて調べたところ、図17に示す結果が得られた。具体的には、突出量Lをフィン部J1の根元部の幅Wで割った値をk(k=L/W)と定義して、Lを変化させて熱伝達率/圧損比率を調べた。なお、kが大きいほど楕円弧の曲率が大きいことを意味しており、k=0、つまりL=0はフィン部J1をストレートピンとした場合に相当している。
この図に示されるように、kが大きいほど、つまり楕円弧の曲率が大きいほど圧損比率が下がった結果、熱伝達率/圧損比率が大きくなって冷却性能が高くなる。流路中腹部の流速コンターを確認したところ、L=0ではピンの流速背面側において低流速領域が広くなっていたが、Lの値を高めるとこの領域が狭くなっていた。ストレートピンの場合、x方向に流れる流体がフィン部に当たった際、流体はxy面方向に避けて下流側に移動する必要がある。z方向については、流体が回り込もうとしても運動量的に等価であるため、回り込みが起こり難い。一方、L>0の場合、つまりフィン部J1を楕円弧とした場合には、フィン部J1が中腹部から反った形状になっており、上部空間に空きが存在することから、z方向についても流体の回り込みが発生する。結果として、フィン部J1の背面の流速も高くなり、圧損比率を小さくできる。
また、図16で示したモデルのうちL=0.5×Wとしたものを用いて、流体ベクトルθを変化させて、楕円弧状が冷却性能にどのように影響するかについて調べたところ、図18に示す結果が得られた。なお、流体ベクトルθが例えばθ=150°、θ=210°の場合のように、x方向(つまりθ=0°または180°)を中心とした反転方向において同じ角度となる場合、楕円弧状が冷却性能に与える影響は同じとなる。このため、図18において、θ=210°はθ=150の結果を参照すれば良い。
図18に示すように、流体ベクトルθが180°の場合、つまり掘り起こし方向がx方向に一致する場合に熱伝達率/圧損比率が高く、掘り起こし方向をx方向に対して一定の角度を与えて設定した場合、さらに熱伝達率/圧損比率が高くなっている。具体的には、流体ベクトルθが135〜225°の場合において、熱伝達率/圧損比率が高くなっていることが判る。ここでいう流体ベクトルθが135〜225°になる場合とは、掘り起こし方向に対して冷媒流れ方向が0〜45°の範囲になる場合であることを意味している。このように、掘り起こし方向に対して冷媒流れ方向を0°より大きく45°以下の範囲の鋭角とする場合、冷媒がまずフィン部の中腹部に当たった後、中腹部より上方に加えて斜め上方へも回り込み易くなると考えられる。特に、掘り起こし方向に対して冷媒流れ方向が0°より大きく30°以下の範囲(流体ベクトルθで言えば150°以上180°未満の範囲)の鋭角になると熱伝達率/圧損比率が高くなっており、これらの範囲が最も冷却効率の高い範囲になると言える。
したがって、複数のフィン部11c、12cを楕円弧状としつつ、掘り起こし方向と冷媒流れ方向とが鋭角をなすようにすることで、複数のフィン部11c、12cによる冷却性能を向上させられ、より放熱効率を向上させることが可能となる。
(5)本実施形態にかかる半導体装置では、凹部11d、12dがフィン部11c、12cに対して冷媒流れの下流側に配置されるようにしている。このため、凹部11d、12dが冷媒流れに与える影響を抑制でき、より冷却性能の向上を図ることができる。
具体的には、凹部11d、12dが冷媒流れに与える影響について、凹部11d、12dが無い場合と凹部11d、12dが有る場合とで流速を変えて調べた。ここでは、最も小さくした流速を1として規格化し、その流速を基準として流速の倍率を変えて、圧力損失と熱伝達率との関係について調べた。そして、図19に示す結果が得られた。なお、流速を規格化したときの圧力損失と熱伝達率であることから、図中では、それぞれ規格化圧力損失と熱伝達率と記載してある。また、他の影響を取り除くため、図20に示すように、フィン部11c、12cを単純なストレートピンとして、実線のように凹部11d、12dが有る場合と破線のように凹部11d、12dが無い場合の冷却性能(熱伝達率・圧力損失)を比較した。
図19に示すように、同一流速で比較すると、凹部11d、12dの有無による圧力損失の差は小さいが熱伝達率に大きな差があり、流速が高まるほどその差が大きくなっていることが分かる。これは、図21に示す流速コンター図を見れば明らかで、フィン部11c、12cの根本部に当たる凹部11d、12dの位置で冷媒流れの“剥離”が発生している。このため、この領域は発生した熱が排出されず、熱伝達面として寄与しなくなる。その結果、熱伝達率が悪化したと推定される。
掘り起こしによってフィン部11c、12cを形成すれば、必然的に凹部11d、12dが形成されるが、この影響を小さくするには、凹部11d、12dがフィン部11c、12cに対して冷媒流れの下流側、つまり流速の背面側に配置されるようにすることである。流速から見てフィン部11c、12cの背面近傍では、必然的に流速が小さくなるため、凹部11d、12dをこの流速が小さくなる背面側にもっていくことでその影響を軽減できる。
加えて、上記したように、図20に示したフィン部11c、12cのモデルを一点鎖線で示したような楕円弧状にすると、z方向の冷媒流れも誘発するため、凹部11d、12d内にも冷媒が流れ込み、凹部内の領域も熱伝達面として使われる。このため、凹部11d、12dが形成されることによる影響を抑制するのに有効である。特に、本実施形態のように、楕円弧状とされるフィン部11c、12cの凸面側を冷媒流れの上流側に位置させると、冷媒がフィン部11c、12cの中腹部に対して当たってz方向への流れを誘発し易い。このため、より上記効果を得ることができる。
以上説明したように、本実施形態にかかる半導体装置では、掘り起こしによってフィン部11c、12cを形成しつつ、フィン部11c、12cを楕円弧状としている。このため、フィン部11c、12cの高さ方向への冷媒の流れを発生させることができる。これらの構成により、フィン部11c、12cを掘り起こす前には表面を平坦面にできるし、より高い冷却効率で半導体モジュール6を冷却することが可能な半導体装置にできる。
また、フィン部11c、12cに対して凹部11d、12dを冷媒流れの下流側に配置している。また、フィン部11c、12cを楕円弧状とし、凸面側が凹面側よりも冷媒流れの上流側に配置されるようにしている。そして、フィン部11c、12cの掘り起こし方向と冷媒流れの方向とが鋭角をなすようにしている。これらの構成により、さらに高い冷却効率で半導体モジュール6を冷却することが可能な半導体装置にできる。
参考として、図19の評価中の流速×2の際におけるストレートフィンを備えた場合の冷却効率を1とし、それを基準として、各構成の有無に応じた半導体装置の冷却効率について調べたところ、図22に示す結果が得られた。
この図に示すように、凹部11d、12dについては、位置関係による影響度が最も高いことが確認され、フィン部11c、12cに対して流速背面側に凹部11d、12dを形成することが好ましいという結果となった。また、フィン部11c、12cを楕円弧状とする場合おいて、冷媒流れの上流側に凸面側を向ける場合と凹面側を向ける場合とを比較すると、凸面側を向けた方がz方向への2次流れを誘発し易く、放熱性能が高くなって好ましいという結果となった。
さらに、フィン部11c、12cの掘り起こし方向については、流速ベクトルθを所定の角度範囲に設定し、掘り起こし方向と冷媒流れ方向とが鋭角(例えば30°)をなすようにすると、掘り起こし方向と冷媒流れ方向とを一致させる場合より放熱性能が高まった。掘り起こし方向と冷媒流れ方向とが鋭角をなすようにする場合については、フィン部11c、12cを楕円弧状とする場合おいて、冷媒流れの上流側に凸面側を向ける場合と凹面側を向ける場合いずれについても、放熱性能が高くなった。
フィン部11c、12cの掘り起こし方向(図中x方向)を冷媒流れ方向に向けつつ、フィン部11c、12cの凸面の向けられる方向が冷媒流れ方向に対して鋭角をなすように、掘り起こし後にフィン部11c、12cを加工することもできるが、加工が難しい。これに対して、図23に示すように、本実施形態では、冷媒の導入される側と排出される側それぞれの貫通孔19aが複数のフィン部11c、12cの備えられた略長方形状の表面および裏面放熱板11、12の対角に位置するようにしている。つまり、フィン部11c、12cの掘り起こし方向と凸面の向けられる方向とを一致させつつ、各貫通孔19aの中心を結ぶ直線とx方向とが0°より大きく45°以下の鋭角の角度αをなすようにしている。これにより、フィン部11c、12cの掘り起こし方向、つまり凸面の向けられる方向と冷媒流れの方向とが角度αをなすようにできる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対してフィン部11c、12cの形状を変更したものであり、その他については第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
図24に示すように、本実施形態でも、内側部11b、12bの表面の掘り起こしによってフィン部11c、12cを楕円弧状としているが、フィン部11c、12cの凸面側を冷媒流れの下流側、凹面側を冷媒流れの上流側に向けている。
このように、凹面側を冷媒流れの上流側に向けるようにした場合、上記した図23に示したように、凸面側を冷媒流れの上流側に向ける場合と比較して、冷却効率が多少低下するものの、基本的には第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、掘り起こしによってフィン部11c、12cを形成する場合、掘り起こし後の形状は本実施形態のような形状になり易い。このため、本実施形態の構造のフィン部11c、12cの加工を容易に行える。これに対して、第1実施形態の構造の場合、掘り起こした後にフィン部11c、12cの形状加工を行うなど、本実施形態の構造と比較すると加工が難しい。したがって、本実施形態の構造の半導体装置を製造する際の製造工程の簡略化を図ることが可能となる。
例えば、図25(a)および図25(b)に示すように、刃先100aを有する掘り起こし工具100を用いてフィン部11c、12cの掘り起こしを行う。刃先100aは、基部100bより垂直方向に折り曲げられたL字形状とされ、先端部が直線状とされている。このような刃先100aを有する掘り起こし工具100を用いて、掘り起こし深さを徐々に深くしつつ、掘り起こしの中間位置より深さが一定となるように内側部11b、12bの表面を掘り起こす。これにより、図25(c)に示すように、凹部11d、12dが形成されると共に凸面側が凹部11d、12dと反対側を向き、凹面側が凹部11d、12d側に向けられたフィン部11c、12cを形成することができる。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態は、第2実施形態に対してフィン部11c、12cの形状およびそれを形成するための掘り起こし工具100の刃先100aの形状を変更したものである。その他については第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
図26に示すように、本実施形態では、フィン部11c、12cのうち掘り起こした面側を平坦面にせず、凹部11d、12d側に突き出す曲面としている。
上記したように、凹部11d、12dは冷媒流れに影響を与える要因となるが、凹部11d、12d内の容積が少ないほど冷媒流れに与える影響は少なくなる。また、フィン部11c、12cの形状としては圧損を考慮すると断面円形状が有利である。
上記した第1、第2実施形態では、フィン部11c、12cの断面形状は矩形状であり、凹部の断面形状も矩形状となる。これに対して、本実施形態のように、フィン部11c、12cのうちの掘り起こした面側を曲面、具体的には楕円弧状の面としている。このため、本実施形態の構造によれば、フィン部11c、12cのうち冷媒流れの下流側に位置している面側での冷媒の流速低下を抑制することが可能となる。また、本実施形態の構造によれば、凹部11d、12dについても断面矩形状ではなく角部を無くした構造となることから、凹部11d、12d内の容積についても第1、第2実施形態の構造と比較して少なくできる。したがって、凹部11d、12dの冷媒流れに与える影響を抑制することが可能となり、ひいては冷却性能の更なる向上を図ることが可能となる。
このような構造については、図27に示すように、掘り起こし工具100の刃先100aの先端形状を変更することで加工可能である。すなわち、刃先100aを半楕円弧状とすれば、掘り起こしによって形成したフィン部11c、12cの掘り起こし面の断面形状を楕円弧状の曲面とすることができる。
(第3実施形態の変形例)
第3実施形態では、フィン部11c、12cのうちの掘り起こした面側を先細り形状とした一例として、フィン部11c、12cの断面形状を楕円弧状の曲面とした。この他の先細り形状、例えば図28に示すように、フィン部11c、12cのうちの掘り起こした面側をV字形状の面としても良い。このようにしても、第3実施形態と同様の効果を得ることができる。このような構造については、図29に示すように、掘り起こし工具100の刃先100aの先端形状をV字形状とすることで加工可能である。
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対して半導体モジュール6を複数枚積層するものであり、その他については第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
図30および図31に示すように、半導体モジュール6を2枚備えるようにし、3つの冷却器19の間に2枚の半導体モジュール6が配置された構造としている。具体的には、1つの冷却器19を挟んだ両側に1枚ずつ半導体モジュール6を配置し、更に2枚の半導体モジュール6および1つの冷却器19を挟むように両側に1つずつ冷却器19を配置した構造としている。
図示していないが、2枚の半導体モジュール6に挟まれた冷却器19には、表裏面の両側に開口部19eが形成されている。そして、一方の開口部19eには一方の半導体モジュール6の上側放熱板11の内側部11bおよびフィン部11cが挿入され、他方の開口部19eには他方の半導体モジュール6の下側放熱板12の内側部12bおよびフィン部12cが挿入されている。
また、2枚の半導体モジュール6に挟まれた冷却器19については、フィン部11c、12cの両方が挿入されることになることから、図32に示すようにフィン部11c、12cとが重ならないように、互いの先端部がずれて配置されるようにしている。そして、フィン部11c、12cの高さ方向における冷却器19に形成される流動通路19bの寸法hcがフィン部11c、12cの両方の高さ2×dcを足した合計よりも小さくなるようにしている。このようにすることで、フィン部11c、12cの両先端の間に隙間が形成されないようにすることができ、隙間を通じての冷媒抜けが生じないようにできて、冷却効率を向上させることが可能となる。
このように複数枚の半導体モジュール6を積層した半導体装置は、例えば図33に示すようなインバータユニットに適用される。図33に示したインバータユニットは、略長方体形状とされ、一面側には、半導体モジュール6や冷却器19の積層方向において通路構成部19bに繋げられたパイプ部材200が備えられている。パイプ部材200の先端にはナット部201が備えられ、このナット部201において図示しない他のパイプ部材などと連結されることで、冷媒の導入および排出が行われるようになっている。
また、半導体モジュール6や冷却器19の積層方向と直交する一方向を法線方向とする一面から多層配線バスバー13の一端側が突き出し、当該一面と反対側の面から多層配線バスバー13の他端側が突き出している。多層配線バスバー13の一端側に配置された正極および負極端子13a、13bには正極ターミナル202aおよび負極ターミナル202bが接続され、これら各ターミナル202a、202bに図示しない電源の正極および負極が接続されて電力供給がなされる。多層配線バスバー13の他端側に配置されたU〜W端子13c〜13eにはU、V、Wターミナル202c〜202eが接続されている。これら各ターミナル202c〜202eに対してインバータユニットによって駆動される図示しないモータのU〜W端子が接続されて、各相に対応した電流供給がなされる。
ここでは半導体モジュール6を2枚備える例を示しているが、積層数を増やすほど、例えば昇圧機能を向上させることが可能となる。このため、昇圧機能が求められる電動システムに対しても対応可能となる。
また、2枚の半導体モジュール6の各U〜W端子13c〜13eを同じモータのU〜W端子に接続することで、2枚の半導体モジュール6による並列駆動を行うこともできるし、異なるモータのU〜W端子に接続することで2つのモータの駆動を行うこともできる。その場合、2枚の半導体モジュール6の正極および負極端子13a、13bを異なる電源に接続すれば、異なる電圧によって2つのモータの駆動を行うこともできる。
なお、その場合には、隣り合う半導体モジュール6の正極および負極端子13a、13bの間やU〜W端子13c〜13eの間を絶縁することが必要になる。したがって、図32に示したように隣り合う正極および負極端子13a、13bの間やU〜W端子13c〜13eの間などに絶縁材料にて構成されるスペーサ203を備えるようにすると好ましい。
また、インバータユニットは、四隅に配置された柱状のステー204と、半導体モジュール6の積層方向に延設されて2本のステー204を連結している支持部材205とによって構成される外枠部にて囲まれている。外枠部における各ステー204の両端には、制御回路が備えられたプリント基板206がネジ止めなどによって固定されている。このプリント基板206に形成されたスルーホール内に制御端子14が挿通され、はんだ付けされることで制御端子14と制御回路とが電気的に接続されている。そして、パイプ部材200が設けられた一面側において、冷却器19の表面に平滑コンデンサ4を構成するコンデンサモジュール207が固定されている。コンデンサモジュール207は、例えば誘電率が高いチタン酸バリウムで構成されるセラミックコンデンサとされ、板状部材とされている。勿論、PP材などのフィルムコンデンサによってコンデンサモジュール207を構成しても良いが、小型大容量のセラミックコンデンサを用いることで、冷却器19が配置される程度の僅かな空間を有効に利用して、コンデンサモジュール207を搭載することが可能となる。これにより、インバータユニットの小型化が図れるようにしている。
このように、半導体モジュール6を複数枚備えた構造とすることができる。そして、このような半導体モジュール6を複数枚備えた構成によってインバータユニットを構成することもできる。
(他の実施形態)
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。
具体的には、掘り起こしによって形成されるフィン部11c、12cの形状が楕円弧状であって、先端が先細りとなっていて、加えて掘り起こし方向と冷媒流れの方向とが鋭角をなす構造であれば良い。例えば、フィン部11c、12cが形成される長方形状の上側および下側放熱板11、12の対角の位置に冷媒の導入および排出が行われる貫通孔19aが配置されている必要は無い。すなわち、掘り起こし方向と冷媒流れの方向とが鋭角をなすようにフィン部11c、12cや冷媒導入および排出が行われる貫通孔19aが配置されていれば、上記各実施形態で示した配置でなくても良い。
また、発熱素子として半導体スイッチング素子51a〜56aを例に上げて説明したが、発熱素子となる半導体素子が形成されていて、冷却器19によって半導体素子の冷却を行う半導体装置であれば、他の構成に対しても本発明を適用できる。
また、フィン部11c、12cを楕円弧状としたが、楕円弧状とは円弧状も含む概念である。また、フィン部11c、12cの根元部から中腹部にかけては同じ厚みとし、中腹部から先端部に掛けて徐々に厚みが薄くなる先細りとなるようにしたが、根元部から先端部に掛けて全域にわたって徐々に厚みが薄くなる先細り形状であっても良い。
なお、上記実施形態では、外部電源となる直流電源2の正極側と正極端子13a、負極側と負極端子13bとを直接接続する形態について説明したが、正極端子13aは外部電源からの電圧印加が行われる端子で、負極端子13bは低電位点に接続される端子である。このため、正極端子13aと外部電源との間や負極端子13bと接地電位点との間に抵抗などの要素が備えられていても良い。
1 三相インバータ回路
6 半導体モジュール
10 半導体チップ
11、12 上側および下側放熱板
11b、12b 内側部
11c、12c フィン部
11d、12d 凹部
13 多層配線バスバー
18 樹脂モールド部
19 冷却器

Claims (10)

  1. 発熱素子となる半導体素子(51a〜56a)と、前記半導体素子を覆う板状の樹脂モールド部(18)と、前記樹脂モールド部に封止されると共に、該樹脂モールド部の一面から露出させられ、前記半導体素子と絶縁されつつ、前記半導体素子の発した熱の放熱を行う放熱板(11、12)と、を有する半導体モジュール(6)と、
    前記半導体モジュールにおける前記放熱板が露出させられている一面に配置され、冷媒通路(19b)を構成し、該冷媒通路内に冷媒が流されることで前記放熱板からの放熱を促進させる冷却器(19)と、を備え、
    前記放熱板には、該放熱板の表面を掘り起こして形成されたフィン部(11c、12c)が備えられ、該フィン部は先細り形状とされると共に根元部から先端部に至るまで湾曲した楕円弧状とされていることを特徴とする半導体装置。
  2. 前記フィン部の掘り起こし方向と前記冷媒が流れる方向である冷媒流れ方向とが鋭角をなしていることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. 楕円弧状とされた前記フィン部の凸面側が前記冷媒流れの上流側に向けられ、凹面側が前記冷媒流れの下流側に向けられていることを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
  4. 楕円弧状とされた前記フィン部の凹面側が前記冷媒流れの上流側に向けられ、凸面側が前記冷媒流れの下流側に向けられていることを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
  5. 前記フィン部よりも下流に、該フィン部を掘り起こして形成された凹部(11d、12d)が位置していることを特徴とする請求項2ないし4のいずれか1つに記載の半導体装置。
  6. 前記フィン部の掘り起こし方向と前記冷媒流れ方向とのなす角度が0°より大きく45°以下の鋭角であることを特徴とする請求項2ないし5のいずれか1つに記載の半導体装置。
  7. 前記放熱板は、該放熱板における外縁部(11a、12a)と、該外縁部よりも内側となる内側部(11b、12b)とを有して構成され、前記内側部が前記外縁部から突き出していると共に該内側部の表面を掘り起こすことで前記フィン部が形成されており、
    前記冷却器は、前記冷媒通路を構成する中空板状部(19c)を有し、該中空板状部に、前記冷媒通路に繋がると共に前記内側部および前記フィン部が挿入される開口部(19e)が形成され、該中空板状部における前記開口部が形成された一面の厚みが前記内側部の前記外縁部からの突き出し量とされていることを特徴とする請求項2ないし6のいずれか1つに記載の半導体装置。
  8. 前記フィン部の高さよりも、前記冷媒通路における前記フィン部の高さ方向の寸法の方が小さくされていることを特徴とする請求項7に記載の半導体装置。
  9. 前記冷却部を挟んで2つの前記半導体モジュールが配置され、
    前記冷却部における前記中空板状部のうち2つの前記半導体モジュールが配置される面それぞれに、2つの前記半導体モジュールに備えられた前記放熱板の前記フィン部および前記内側部が挿入される前記開口部が備えられており、
    2つの前記半導体モジュールそれぞれの前記フィン部の高さの合計よりも、該フィン部の高さ方向における前記冷媒通路の寸法が小さくされ、
    2つの前記半導体モジュールそれぞれの前記内側部の表面方向において、2つの前記半導体モジュールそれぞれの前記フィン部の形成位置がずらされていることを特徴とする請求項7に記載の半導体装置。
  10. 前記フィン部における前記掘り起こし側の面の断面形状が先細り形状とされていることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1つに記載の半導体装置。
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