JP2017006003A - ビニールハウス - Google Patents

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Abstract

【課題】気候(又は天候)に合わせてシートを使い分ける事ができ、日光の照度、室温度、或いは与える雨水の量等を調節する事のできるビニールハウスを提供する事。【解決手段】骨組みとなる躯体と、この骨組みに展張されるシートとを備え、当該躯体は、間口方向に所定の間隔をおいて立上り状に設けられた立上り部材と、この立上り部材の上部間にアーチ状に設けられたアーチ部材とからなる躯体構成単位を、棟方向に所定の間隔をあけて複数並べて構成されており、前記躯体における棟方向端部側の何れかの躯体構成単位の立上り部材の上端又はアーチ部材の下端には、前記シートを巻き取る巻き取り装置が設けられており、当該巻き取り装置には、棟方向に延伸すると共に前記シートを巻き取る回転軸が連結されていることを特徴とするビニールハウスを提供する。【選択図】図1

Description

本発明は農芸用のビニールハウスに関し、シートの展張と巻取を円滑に行う事ができ、降雨時にシートを展張するだけでなく、更に日光の照度や室温度を簡易に調節できるようにしたビニールハウスに関する。
ビニールハウスは、温室効果によって室内温暖に保つことができることから、寒冷期においても植物や果実等に適した栽培環境を実現できる農業設備として利用されている。そして、かかるビニールハウスの中には、排気設備等を設け、天井部に滞留する高温空気を排気して室内換気を促す事が出来るものも提供されており、暑い時期であっても、作業者及び育成している果菜に望ましい環境を実現する事ができるようになっている。即ち、当該ビニールハウスを利用することによって、日光による照度、室温度等を調節でき、栽培する植物等に好適な環境を提供する事が可能になる。
そして、かかるビニールハウスは、大規模農園などで利用されている様な大型なものから、個人農家が扱っているような簡易型のものまで様々提供されている。例えば農場等の大型ハウスであれば、天井部に開閉自在の天窓等を設ける事ができ、室内換気を促す事ができるが、設備的に大掛かりなものとなる。一方で、個人農家の多くが扱っている簡易型のビニールハウスは、鋼材や合成樹脂材等でできたパイプ状の躯体が所定間隔で配置され、その躯体に対してビニールシートを被覆したものが一般的である。当該簡易型のビニールハウスは、全体として切妻造の家屋のような構造であって、1枚又は複数枚のビニールシートによって屋根及び側面を被覆して構成されている。このような構造であるが故に、当該ビニールシートの設置にあっては多くの手間及び人手を要し、また作業時間も膨大になるという問題があった。また、気候(又は天候)条件に合わせて、当該ビニールシートを回収し、屋根部分を解放しようとしても、設置の場合と同様に、シートの展張と巻取に多くの手間と時間を要する為、コストと時間の損失が大きく、効率良く栽培することが困難になっていた。
そこで、従前においてもシートの展張や巻取による屋根の開閉時の労力や時間を軽減するべく、容易にビニールシートの巻取り、又は巻き戻しができる装置について種々検討され、提案されている。
例えば、特許文献1(特開2002−078423号公報)では、ビニールシートの張りわたし及びビニールシートの固定と天井部分の開閉操作を一人で実行できるビニールハウスの手動開閉装置を提案している。即ち、該特許文献1では、パイプ状構造体を骨組みとした蒲鉾型等のビニールハウスにおいて、屋根部分を覆うビニールシートを棟に沿って半分に分け、両側の側壁部に該ビニールシートを巻き取るロールを設置すると共に、該ビニールシートの引き出し端部に取付けた引き出し用紐部材を巻き取るリールをそれぞれ反対側の側壁部に設置したビニールハウスの手動開閉装置が提案されている。
また、特許文献2(特開2004−313200号公報)では、安易に設置でき、操作性がよく、経済性にすぐれたビニール巻き取り巻き戻し装置を提案している。即ち、該特許文献2では、設定された温度や降雨時、強風時又は任意時間にビニールハウスの天幕、側幕を自動で開閉するビニール巻き取り巻き戻し装置が提案されている。
さらに、特許文献3(特開2008−306993号公報)では、シートの巻き取り、または引き出しをおこなう巻き取りシャフトが負荷によって撓むことを防ぎ、スムーズなビニールシートの開閉動作を実現できるシート開閉装置を提案している。即ち、該特許文献3では、パイプ部材が適宜の間隔をおいて連設された蒲鉾形態のビニールハウス構造体の側壁部に、ビニールシートを巻き取るロールまたはビニールシート引き出し用紐部材を巻き取るリールを設置したシャフトを水平に維持する支承部材が、前記シャフトの中央領域において前記パイプ状構造体に取り付けられていることを特徴とするビニールハウスのシート開閉装置が提案されている。
特開2002−078423号公報 特開2004−313200号公報 特開2008−306993号公報
前述の通り、従前のビニールハウスにおいて、屋根を構成するビニールシートの巻取り、又は巻き戻しを容易に行う事に着目した装置は種々検討され、提案されている。
しかしながら、何れの先行技術においても、屋根部を開閉するビニールシートは、透明または半透明に形成された単一のシートが用いられていた。この為、屋根の開閉によって降雨時には対応できるものの、日光の照射量を調整する為には、別途、遮光幕等を利用しなければならなかった。特に、遮光幕を利用する場合には、ビニールシートとの併用により、結局は2枚のシートを開閉しなければならず、生育環境の調整(即ち、ビニールハウス内の環境調整)が煩雑なものとなっていた。また、透明または半透明のビニールシートであっても、紫外線や経時劣化等によって透明度が低下してしまい、果実などの作物の生育環境に不適切になってしまう事もあった。
そこで、本発明では気候(又は天候)に合わせて、1枚のシートの巻取又は操出動作だけで、日光の照度、室温度、或いは与える雨水の量等を調節でき、更に必要に応じて屋根部分のビニールシートを全開にできるようにしたビニールハウスを提供する事を第1の課題とする。
また、従来のビニールハウスでは、シートを巻取又は操出を行う回転軸が、巻き取ったシートの円形中心位置となる箇所に固定されていた。しかしながら、シートを巻取ったり又は操出したりした場合には、回転軸に巻き付いているシートの外径が変化することになる。したがって、回転軸を固定してしまうと、外径が変化するシートの巻取部分を能動的に支持するのが困難になり、回転軸の長さ方向中央部分は宙に浮き、歪みや変形が生じる事があった。そして、回転軸に歪みや変形が生じた場合には、シートのスムーズな巻き取りが出来ないという問題があった。そこで、軸の歪みや変形の可能性を極力減じる為に、従来は軸の材料として強度の高い材料を採用したり、軸自体を太くすることも検討されるが、それではコストが嵩んでしまうという問題があった。
そこで、本発明ではシートを巻き取る回転軸を長尺に形成した場合にも、コストを抑えた上で軸に歪みや変形が生じる可能性を極力減ずる事ができ、スムーズなシートの巻き取りが可能となるビニールハウスを提供する事を第2の課題とする。
前記課題の少なくとも何れかを解決するべく、本発明では農芸用のビニールハウスであって、骨組みとなる躯体と、この骨組みに展張されるシートとを備え、当該躯体は、間口方向に所定の間隔をおいて立上り状に設けられた立上り部材と、この立上り部材の上部間にアーチ状に設けられたアーチ部材とからなる躯体構成単位を、棟方向に所定の間隔をあけて複数並べて構成されており、前記躯体における棟方向端部側の何れかの躯体構成単位の立上り部材の上端又はアーチ部材の下端には、前記シートを巻き取る巻き取り装置が設けられており、当該巻き取り装置には、棟方向に延伸すると共に前記シートを巻き取る回転軸が連結されているビニールハウスを提供する。
前記躯体は、本発明にかかるビニールハウスにおいて骨組みとなる要素であり、木材や鋼材、或いは合成樹脂材等の材料を用いて各種パイプ状、丸棒状、或いは角棒状等に形成する事ができる。当該躯体は、間口方向に所定の間隔をおいて立上り状に設けられた立上り部材と、この立上り部材の上部間にアーチ状に設けられたアーチ部材とから構成される。当該立上り部材は直立させて立設しても良いし、斜めに立設しても良い。また、立上り部材の下部は、コンクリートや土等でできた土台に挿入する等して固定する事もできる。特に立上り部材の下部をコンクリートブロック等からなる土台に固定し、これを土中に埋設する事によって、風等によっても倒壊しにくいビニールハウスを実現する事ができる。また、ビニールハウスの荷重を、コンクリートブロック等の土台で受ける事ができる為、土中に沈み込む等の沈下の問題を解消する事ができる。
かかるビニールハウスは、例えば、当該立上り部材を所定の間隔をおいて間口方向に対して左側および右側に複数立設し、当該立上り部材と同数のアーチ部材を立上り部材の上部間に配置する事によって躯体を構成する事もできる。この時の立上り部材およびアーチ部材の使用本数や設置間隔は、立設するビニールハウスの大きさや必要とされる強度に応じて適宜設定する事ができる。
また、当該躯体は、上記立上り部材とアーチ部材に加えて、その他の部材を用いて、より強度を有する構成にしても良い。例えば、アーチ部材の頂部位置(及び/又は中間位置)において、棟方向に並べられたアーチ部材を連結するように設けた棟木部材、同じく棟方向に並ぶアーチ部材を連結する母屋部材、アーチ部材の下端を間口方向に連結する小屋梁部材、アート部材の下端側を棟方向に連結する軒桁部材等を設ける事で、アーチ部材の強度及び位置をより一層安定させる事ができる。また、バンドやジョイント等を用いて当該アーチ部材同士を連結する事で、アーチ部材の揺動を抑える事ができ、ビニールハウスの倒壊や、アーチ部材の揺動によって起こり得るシートの破損や劣化等を防止する事もできる。
本発明にかかるビニールハウスでは、立上り部材の上端又はアーチ部材の下端に、シートを巻き取る巻き取り装置が設けられており、当該巻き取り装置には、棟方向に延伸すると共にシートを巻き取る回転軸が連結されている。即ち、当該回転軸によってシートを巻き取ることが出来る為、シートの巻き取り作業に多くの人手や手間を必要とせず、均等に且つスムーズにシートを巻き取る事ができる。
ここで、本発明で使用するシートについて説明する。使用できるシートの種類(材質や色など)に特に限りは無く、栽培する植物や果実等の種類、或いは気候(又は天候)等を鑑みて適宜選択使用する事ができる。例えば、ハウス内の保温性を重視したい場合にはポリ塩化ビニル製のシートを用いたり、耐候性を重視したい場合にはポリオレフィン系やフッ素樹脂等を用いた硬質シートを使用しても構わない。また、当該シートの端部には、巻き取り作業を容易にするための紐を連結して構成するのが望ましい。シートの端部に紐を連結しておくことで、巻き取り作業を行う上で、紐を通じてシートを巻き取ることが出来る為、巻き取る際直接シートを引っ張る必要が無く、シート自体に破損や損壊が生じる可能性を極力減ずることができる。
なお、当該シートは、従来のように1種類のシート部分で構成しても良いが、本発明では当該シートを、巻き取り方向に異なっている2種類以上のシート部分で構成するのが望ましい。これは、シートを2種類以上のシート部分で構成する事で、気候(又は天候)に合わせてシートを使い分ける事ができる為である。例えば、当該シートをポリ塩化ビニルで形成された透明なシートと、遮光性を有するシートの2種類のシート部分で構成した場合には、通常の天候(晴れ:気温20度程度)の場合には、透明なシート部分を展張りして利用し、天候が30度以上の酷暑になった場合には、透明なシート部分を巻き取り、遮光性のシート部分を展張りして利用する事で、栽培する植物又は果実等に好適な環境を提供する事が可能になる。
特に、本発明では該シートの少なくとも一部をメッシュ状に形成するのが尚望ましい。シートの少なくとも一部をメッシュ状に形成する事によって、日光の照度、室温度、或いは与える雨水の量等を細かく調節する事が可能になる為である。ここで言うメッシュ状とは、網目状に形成されたものを指し、材質および網目の細かさ等は適宜設定する事ができる。例えば、日光の照度をより低くしたい場合には、網目の細かいシート(例えば遮光幕など)を使用する事で対応可能になり、空中を飛行する鳥や虫等の被害を防止したい場合にも、それに応じた網目のシートを使用する事で被害を最小限に抑えることができる。例えば、鳥による獣害を阻止するためには、当該網目は一辺の長さを2cm以下にすることが望ましい。これらのメッシュ状のシート部分は、透明又は半透明なシート部分の一部に形成する事ができ、例えば巻取方向における半分をメッシュ状のシート部分で構成し、透明または半透明なシート部分と、メッシュ状のシート部分とが巻取り方向に隣り合うように構成する事ができる。また、透明または半透明なシート部分における巻取り方向の半分の領域の一部、例えば中心部分や縁部分、或いは点在するようにして、メッシュ状のシート部分を設ける事もできる。
以上の様に、メッシュ状のシート部分と透明または半透明なシート部分とを含む2種類以上のシート部分で構成する事により、ビニールハウス内の生育環境を最適に保ち、また雨天や晴天などの天候の変化にも迅速に対応する事ができる。即ち、従来のように、1種類のシートだけでは、その開閉だけで気候(又は天候)に合わせてビニールハウス内の室温度等を細かく調節するのは困難であったが、シートを2種類以上のシート部分で構成し、特に該シートの少なくとも一部をメッシュ状に形成する事によって、当該シートの巻取加減により、ビニールハウスの屋根部分を、メッシュ状のシート部分、若しくは透明または半透明なシート部分の何れで覆うかを任意に調整する事ができる。よって、日光の照度、室温度、或いは与える雨水の量等を細かく調節する事が可能になる為、栽培する植物又は果実等により好適な環境を提供する事が可能になる。更に、鳥が入り込まない大きさのメッシュを使用することで、果樹などの作物に多くの光を当てる事ができ、劣化による光の照射率の低下に関する問題を解消する事ができる。
また、前記躯体には、所定間隔をおいた躯体構成単位ごとに、回転軸に巻き取られたシートを、回転軸の軸周り自在に支承するローラーを備えたシート受け部を設けるのが望ましい。前記躯体に対して回転軸の軸周り自在に支承するローラーを備えたシート受け部を設ける事で、シートを巻き取る際、当該シート受け部がシートを支承した状態で巻き取りができる為、例えシートが長尺状に形成されていたとしても、回転軸が巻き取ったシートの重みで歪みや変形が生じる可能性を極力減じることができる。当該シート受け部は、回転軸に巻き取られたシートを、回転軸の軸周り自在に支承するために、凡そ円弧状(又は「U」字状)に形成する事ができる。シート受け部を凡そ円弧状に形成する事で、巻き取ったシートが当該シート受け部上にて回転軸の軸周り自在に支承され、スムーズな巻き取りが可能になる。当該シート受け部に設けられるローラーは、巻き取ったシートの外周面を支承するように設けられており、その種類においては特に限りは無い。よって、例えばプラスチックローラーや、外周にゴムリングを付帯したプラスチックローラー、或いは金属製のベアリングローラー等を用いることができる。特に、金属製のベアリングローラーを用いる事で、摩擦抵抗を少なくでき、確実な回転動作が可能になる。
なお、本発明にかかるビニールハウスでは、前記躯体における棟方向端部側の何れかの躯体構成単位の立上り部材の上端又はアーチ部材の下端には、前記シートを巻き取る巻き取り装置が設けられている。当該巻き取り装置の構成としては、例えば回転軸を軸周りに回転させる回転駆動部と、当該回転駆動部を、回転軸の径方向に移動自在に支承する支持部材とから構成する事ができる。
当該回転駆動部は回転軸を軸周りに回転させる動力源であり、手動で回転させるように構成する他、モータやエンジン等の動力を用いて回転させるように構成する事ができる。例えば手動で構成した場合には、ハンドル等を設け、該ハンドルを手動で回転させる事によって、(必要に応じて減速機などを介して)回転軸を軸周りに回転させることができる。特に、ウオーム減速機等を用いる事で、高減速、高増力性を有し、より効率の良いシートの巻き取りが可能になる為、巻き取り作業にかかる時間とコストをより減じる事が可能になる。
また、シートの巻き取り作業の簡易化を鑑みた場合、当該回転駆動部は自動制御可能な構成にしても良い。即ち、当該回転駆動部を動作させるに当たり、室内温度や降雨量、或いは風速等を感知する装置を別途設け、感知した値によって当該回転駆動部を動作させる制御機構を設ける等すると尚良い。設定された条件に基づいてシートの巻き取りが可能になれば、無人でも対応可能にでき、よりコストを抑えた栽培が可能になる。より具体的には、回転駆動部として動力駆動機構を使用すると共に、温度センサ、降雨センサ又は気圧センサ等を設け、これらの検知結果によって回転駆動部が動作するように構成する事ができる。例えば降雨センサにより降雨を感知した場合、或いは気圧センサにより降雨を予測した場合には、シートを展張するように動作し、また温度センサによってハウス内が高温になっている事を検知した場合には、シートを巻き取ってネットで覆うようにすることが望ましい。また、前記電動式の回転駆動部を動作させる為にバッテリーや太陽光パネルその他の発電設備を伴って形成する事もできる。
そして、本発明においては、当該支持部材が、前記回転軸が巻き取ったシートの厚み分だけ、前記回転軸をその径方向に案内する案内溝を備えた構成とするのが望ましい。即ち、上記構成では、シートを巻き取る際、回転軸が案内溝間を巻き取ったシートの厚み分だけ径方向に移動する事ができる。その結果、従来のように回転軸を巻き取ったシートの円形中心位置となる箇所に固定しておく必要が無く、回転軸の中央部分が宙に浮いている状態を回避する事が出来る。よって、回転軸を長尺なものに形成した場合にも、軸に歪みや変形が生じる可能性を極力減じる事ができる。即ち、上記構成とする事で、回転軸の負担を軽減する事ができる他、軸に歪み等が発生しない為、スムーズな巻き取りが可能になる。
さらに、前述したように、シートの端部に巻き取り作業を容易にするための紐を連結して構成した場合には、回転軸に対して、当該紐を巻き取る紐巻取り部分を設けるのが望ましい。そして、当該紐巻取り部分は、回転軸において縮径された溝状であって、シートに繋がっている紐を巻き取った状態において他の部分と面一になる深さに形成されているのが望ましい。上記構成とする事で、シートを巻き取る際、先に紐を巻き取り、当該紐を紐巻き取り部分に収納しておく事ができ、且つ巻き取った紐が回転軸に対して凸状になる事が無いため、シートを傷つけることなく該シートを巻き取ることが可能になる。
本発明にかかるビニールシートでは、立上り部材の上端又はアーチ部材の下端に、シートを巻き取る巻き取り装置が設けられており、当該巻き取り装置には、棟方向に延伸すると共にシートを巻き取る回転軸が連結されている。即ち、当該回転軸によってシートを巻き取ることが出来る為、シートの巻き取り作業に多くの人手や手間を必要とせず、均等に且つスムーズにシートを巻き取る事ができる。
また、シートを2種類以上のシート部分で構成し、特に該シートの少なくとも一部をメッシュ状に形成する事によって、日光の照度、室温度、或いは与える雨水の量等を細かく調節する事が可能になる為、栽培する植物又は果実等により好適な環境を提供する事が可能になる。
なお、本発明にかかるビニールハウスでは、前記躯体における棟方向端部側の何れかの躯体構成単位の立上り部材の上端又はアーチ部材の下端には、前記シートを巻き取る巻き取り装置が設けられている。当該巻き取り装置の構成としては、例えば回転軸を軸周りに回転させる回転駆動部と、当該回転駆動部を支承する支持部材とから構成する事ができる。特に、本発明において、当該支持部材が前記回転軸が巻き取ったシートの厚み分だけ、前記回転軸をその径方向に案内する案内溝を備えた構成とする事で、シートを巻き取る際、回転軸が案内溝間を巻き取ったシートの厚み分だけ径方向に移動する事ができる。その結果、従来のように回転軸を巻き取ったシートの円形中心位置となる箇所に固定しておく必要が無く、回転軸が宙に浮いている状態を回避する事が出来る為、例え回転軸を長尺なものに形成した場合にも、軸に歪みや変形が生じる可能性を極力減じる事ができる。よって、上記構成とする事で、回転軸の負担を軽減する事ができる他、軸に歪み等が発生しない為、スムーズなシートの巻き取りが可能になる。
本実施の形態にかかるビニールハウスの正面図。 巻き取り装置の構成を示す要部側面略図。 巻き取り装置の構成を示す要部正面略図。 シート受け部の構成を示すA−A断面略図。 シートの構成を示す斜視略図。 シートに繋ぐ紐の構成を示す斜視略図。 紐巻取り部分によって紐を巻き取る様態を示す要部正面略図。
以下、図面を参照しながら、本実施の形態にかかるビニールハウスを具体的に説明する。図1は本実施の形態にかかるビニールハウスの正面図を示している。図1に示すように、本実施の形態にかかるビニールハウスVは、間口方向に所定の間隔をおいて立上り状に設けられた立上り部材11と、この立上り部材11の上部間にアーチ状に設けられたアーチ部材12とからなる躯体10を骨組みとし、当該躯体10にシート50を展張りして構成している。当該躯体10は、合成樹脂製でパイプ状に形成しており、立上り部材11を所定の間隔をおいて間口方向に対して左側および右側に複数立設し、当該立上り部材11と同数のアーチ部材12を立上り部材11の上部間に配置する事によって骨組みとして機能させている。
本実施の形態では、アーチ部材12の上部に突起するものが無く、また、当該立上り部材11の下端は、ブロック等による固定部材16によって固定している。さらに、本実施の形態では、アーチ部材12の頂部位置及び中間位置において当該アーチ部材12を支持するように図示しない桁部材を設け、且つジョイントを用いて当該アーチ部材12同士を連結している。その結果、アーチ部材12の揺動を効果的に抑える事ができ、ビニールハウスVの倒壊や、アーチ部材12の揺動によって起こり得るシート50の破損や劣化等を防止できる構成にしている。
また、立上り部材11の上部にはトラス部材15を設けている事で、突風による風圧や予期せぬ荷重がかかった際にも、全体が倒壊しないよう強度が保たれている。そして当該トラス部材15があることによって、該トラス部材15を通じて人が行き来できるようになり、シート50の展張り、又は巻き取り作業が容易にできる構成としている。そして、躯体10における棟方向端部側には、リフト装置30を設け、重量のあるシート50を電動又は手動で昇降できる構成にしている。リフト装置30で引き上げるシートは、躯体10の側壁面に着脱自在に係止したハンガー部材31を使用して回転軸21に巻き取ることができる。即ち、躯体10の側壁面にはU字状にローラを配置したハンガー部材31を棟方向に複数設け、このハンガー部材31に、回転軸を載せる。そしてこの回転軸を回転させながら、シートを巻取り、これをリフト装置30によって引き上げる事ができる。かかるリフト装置30を設けることにより、例えば立上り部材11を長尺に形成した場合であっても、後述する巻き取り装置20に対して、シート50を困難なく設置することができ、シート50の設置にかかる手間や時間を大幅に減じることができる。なお、当該リフト装置30は、不使用時(又は使用時)には倒しておくことが出来るように形成する。また、ビニールハウスが複数棟隣り合って設けられた連棟タイプの場合、このリフト装置30は、持ち上げたビニールシートを隣のビニールハウス意に移動させる為に使用する事ができる。即ち、最初にビニールシートを持ち上げた段階で、リフト装置30を取り外して、これを隣の棟のビニールハウスに設置し、持ち上げたビニールシートを隣のビニールハウスまで引っ張る事ができる。
また、本実施の形態にかかるビニールハウスVでは、当該躯体10の構成単位を、棟方向に所定の間隔をあけて複数並べて構成しており、躯体10における棟方向端部側の立上り部材11の上端には、シート50を巻き取る巻き取り装置20を設けている。図2に示すように、当該巻き取り装置20には、棟方向に延伸すると共にシート50を巻き取る回転軸21が連結されている。即ち、当該回転軸21によってシート50を巻き取ることが出来る構成としている為、シート50の巻き取り作業に多くの人手や手間を必要とせず、均等に且つスムーズにシート50を巻き取る事ができる。
図2及び図3に示すように、当該巻き取り装置20は、回転軸21を軸周りに回転させる回転駆動部22と、当該回転駆動部22を支承する支持部材23とから構成している。本実施の形態では回転駆動部22をハンドルで構成し、該ハンドルを駆動ギア27に連結し、該ハンドルを回転させることによって駆動ギア27から被動ギア28へ回転動力が伝達され、当該被動ギア28の回転動力が回転軸21に伝達する仕組みとしている。その結果、該ハンドルを回転させる事で、回転軸21を軸周りに回転させる事ができる構成としている。本実施の形態では駆動ギア27を被動ギア28の上部に設置しているが、その設置箇所に特に制限は無い。また、この駆動ギア27又は被動ギア28にはラチェット機構などの逆止機構を設けて、シートの展張状態を維持できるようにし、また風などによる意図しないシートの繰り出しを阻止するのが望ましい。
そして、当該巻き取り装置20には、押さえつけ線巻き取り軸26を設け、ハンドルで構成された回転駆動部22'を回転させることによって、図示しない押さえつけ線を巻き取ることができる構成としている。ここで言う押さえつけ線とは、シート50が展張された際に、風雨によってシート50が飛ばされたり、シート50の張りが緩んでしまったりする事を防止する紐状又はベルト状の部材である。当該押さえつけ線を張ったり緩めたりと調整する事で、脱落の無い確実なシート50の展張りが可能となる。即ち、シートの巻取や繰り出し動作を行う際には、この押さえつけ線を緩め、シートを展張した状態においては、この押さえつけ線を巻き取って、シートを締め付けるように構成している。また、この押さえつけ線巻き取り軸26には、ラチェット機構などの逆止部材を設け、押さえつけ線の緊張状態(張りつめた状態)を維持できるように構成するのが望ましい。
また、支持部材23は回転軸21が巻き取ったシート50の厚み分だけ、前記回転軸21をその径方向に案内する案内溝24を備えた構成としている。即ち、本実施の形態にかかる構成では、シート50を巻き取る際、回転軸21が案内溝24間を巻き取ったシート50の厚み分だけ回転軸はその径方向に移動する事ができる。その結果、従来のように回転軸21を巻き取ったシート50の円形中心位置となる箇所に固定しておく必要が無く、回転軸21の中心部分が宙に浮いている状態を回避する事が出来る為、例え回転軸21を長尺なものに形成した場合にも、軸に歪みや変形が生じる可能性を極力減じる事ができる。よって、上記構成とする事で、回転軸21の負担を軽減する事ができる他、軸に歪み等が発生しない為、スムーズな巻き取りが可能になる。
上記支持部材23は、ハンドルからなる回転駆動部22と、前記駆動ギア27及び被動ギア28とから構成される回転モジュール37を支承している。具体的には、これらを一体化しているフレーム36の上端側に形成されたアーム部分36を通す開口を形成し、この開口を突き抜けたアーム部分36の上端に、固定用のボルト35を羅着して、当該回転モジュールの落下を阻止している。特に、前記アーム部分36には所定の間隔で複数のボルト羅着孔を設けておくことにより、前記支持部材23に対する回転モジュール37の高さ位置、より具体的には支承する高さ位置を任意に設定する事ができる。したがって、シートを回転軸に巻き取った状態において、当該回転モジュール37を高い位置に支承しておけば、この回転モジュールの重さは支持部材23によって支持され、巻き取ったシートに作用する事は無い事から、巻き取ったシート同士が貼り付いてしまうなどの問題を解消する事ができる。
特に、本実施の形態では、前記躯体10に対して、棟方向に所定の間隔でシート受け部13を設けている。このシート受け部13は、図2及び図4に示すように、回転軸21に巻き取られたシート50を回転軸21の軸周り自在に支承するローラー14を備えている。また、当該シート受け部13の下方には押さえつけ線軸孔29を設け、押さえつけ線軸26を通す構成にしている。当該シート受け部13は凡そ円弧状に形成し、土台部40によって支持している上、金属製のベアリングローラー14を複数備えた構成としている。上記構成とすることで、シート50を巻き取る際、当該シート受け部13がシート50を支承した状態で巻き取りができる為、例えシート50が長尺状に形成されていたとしても、回転軸21が巻き取ったシート50の重みで歪みや変形が生じる可能性を極力減じることができる。上記の様に、シート受け部13を凡そ円弧状に形成する事で、巻き取ったシート50が当該シート受け部13上にて回転軸21の軸周り自在に支承され、スムーズな巻き取りが可能になる。なお、シートの巻取方向を図4中に矢印で示す様に回転軸の上方を通って時計回りに巻き取る事により、雨水などが巻き取ったシート間に入り込む恐れを無くし、巻き取ったシート同士が付着してしまうなどの問題を回避する事ができる。
図5に示すように、本実施の形態では、シート50を巻き取り方向に異なっている2種類以上のシート部分で構成し、該シートの一部をメッシュ状に形成している。シート50を2種類以上のシート部分で構成する事で、気候(又は天候)に合わせてシート50を使い分ける事ができる。本実施の形態では、当該シート50をポリ塩化ビニルで形成された透明なシートと、遮光性を有するメッシュ状のシートの2種類のシート部分で構成している為、例えば通常の天候(晴れ:気温20度程度)の場合には、透明なシート部分を利用し、天候が30度以上になった場合には、透明なシート部分を巻き取り、遮光性を有するメッシュ状のシート部分を利用する事で、栽培する植物又は果実等に好適な環境を提供できる。さらに、メッシュ状のシートを利用する事によって、空中を飛行する鳥や虫等の被害を防止したい場合にも、被害を最小限に抑えることができる。よって、従来のように、1種類のシートの開閉だけでは気候(又は天候)に合わせてビニールハウス内の室温度等を細かく調節できなかったが、シート50を2種類以上のシート部分で構成し、特に該シートの少なくとも一部をメッシュ状に形成する事によって、単にシートの巻取李又は送り出し動作のみで、日光の照度、室温度、或いは与える雨水の量等を細かく調節する事が可能になる為、栽培する植物又は果実等により好適な環境を提供する事が可能になる。
特に本実施の形態では、透明または半透明なシート部分の基端側を回転軸に固定している。この固定には、例えば粘着テープ53等を使用して行う事ができる。そして、この透明または半透明なシート部分の先端側には、一辺が約2cm程度の開口となるように形成したメッシュ状のシート部分を連結している。このメッシュ状のシート部分には、長さ方向(巻き取り方向)に、ナイロン紐などの補強紐を通しており、このナイロン紐の先端側には、ステンレス製のワイヤー等からなる巻取用の紐52を設けている。この紐52の先端側は、当該紐を巻き取るための回転軸(特に紐巻取り部分52)に連結されており、回転軸の回動によって、当該紐52を巻き取る事ができる。そして、このように構成したシート50では、当該ビニールハウスを使用しない時には、回転軸に透明または半透明なシート部分を巻取り、その上にネット状のシート部分を巻き取る事ができる。この点、仮にネット状のシート部分を巻き取った上に、透明または半透明なシート部分を巻き取ったとすれば、巻き取ったネット状のシート部分のクッション性により、当該透明または半透明なシート部分の巻き取りが困難になってしまう。よって、上記の様に透明または半透明なシート部分の基端側を回転軸に固定する事により、歪みなく均等に、且つコンパクトにシートを巻き取る事ができる。なお、本実施の形態において、巻き取るための紐52は、5m〜10m間隔で設置する事が望ましい。
また、図6に示すように、当該シート50の端部(より詳しくは、ネット状のシート部分の端部)に、巻き取り作業を容易にするための紐52を連結している。当該紐52は紐通し孔51を通してシート50と連結している為、最初に巻き取り作業を開始する際には、紐52を通じてシート50を巻き取ることが出来る。その為、巻き取る際に直接シート50を引っ張る必要が無いため、シート50自体に破損や損壊が生じる可能性を極力減ずることができ、また垂木方向(アーチ部材延伸方向)へのシート送りを簡易に行う事ができる。当該紐52は図6(A)のように、ステンレスワイヤー等の様な細径の紐52を用いても良いし、図6(B)のようにベルト状の紐52を用いても良い。ベルト状の紐52を用いる事で、シート50を巻き取る際、紐52を引っ張っても切れたりする事が無く、安全に巻き取り作業を実施する事が可能になる。一方でステンレスワイヤー等の様な細径の紐52を用いた場合には、十分に長くても紐巻取り部分に巻き取る事ができる。
さらに、本実施の形態では、図7に示すように回転軸21に対して、当該紐52を巻き取る紐巻取り部分25を設けている。当該紐巻取り部分25は、回転軸21において縮径された溝状であって、シート50に繋がっている紐52を巻き取った状態において他の部分と面一になる深さに形成している。上記構成とする事で、シート50を巻き取る際、先に紐52を巻き取り、当該紐52を紐巻き取り部分25に収納しておく事ができ、且つ巻き取った紐52が回転軸21に対して凸状になる事が無いため、シート50を傷つけることなく該シート50を巻き取ることが可能な構成としている。なお、図7ではベルト状の紐52を使用しているが、より長尺の紐を巻き取るためには、当該紐はステンレスワイヤーなどの様に小径でかつ十分な強度を有するものを使用するのが望ましい。
V ビニールハウス
10 躯体
11 立上り部材
12 アーチ部材
13 シート受け部
14 ローラー
15 トラス部材
16 固定部材
20 巻き取り装置
21 回転軸
22 回転駆動部
23 支持部材
24 案内溝
25 紐巻取り部分
26 押さえつけ線巻き取り軸
27 駆動ギア
28 被動ギア
29 押さえつけ線巻き取り軸孔
30 リフト装置
40 土台部
50 シート
51 紐通し孔
52 紐

Claims (5)

  1. 骨組みとなる躯体と、この骨組みに展張されるシートとを備え、
    当該躯体は、間口方向に所定の間隔をおいて立上り状に設けられた立上り部材と、この立上り部材の上部間にアーチ状に設けられたアーチ部材とからなる躯体構成単位を、棟方向に所定の間隔をあけて複数並べて構成されており、
    前記躯体における棟方向端部側の何れかの躯体構成単位の立上り部材の上端又はアーチ部材の下端には、前記シートを巻き取る巻き取り装置が設けられており、
    当該巻き取り装置には、棟方向に延伸すると共に前記シートを巻き取る回転軸が連結されていることを特徴とする、ビニールハウス。
  2. 前記シートは、巻き取り方向に異なっている2種類以上のシート部分で構成されており、該シートの少なくとも一部はメッシュ状に形成されている、請求項1に記載のビニールハウス。
  3. 前記躯体には、所定間隔をおいた躯体構成単位ごとに、回転軸に巻き取られたシートを、回転軸の軸周り自在に支承するローラーを備えたシート受け部が設けられている、請求項1又は2に記載のビニールハウス。
  4. 前記巻き取り装置は、回転軸を軸周りに回転させる回転駆動部と、この回転駆動部を支承すると共に、前記回転軸が巻き取ったシートの厚み分だけ、前記回転軸をその径方向に案内する案内溝を備えた支持部材とからなる、請求項1〜3の何れか一項に記載のビニールハウス。
  5. 前記回転軸には、シートに繋がっている紐を巻き取る紐巻取り部分が設けられており、
    当該紐巻取り部分は、回転軸において縮径された溝状であって、シートに繋がっている紐を巻き取った状態において他の部分と面一になる深さに形成されている、請求項1〜4の何れか一項に記載のビニールハウス。
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