JP2017006409A - 競技用シューズ、及び競技用シューズの製造方法 - Google Patents

競技用シューズ、及び競技用シューズの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】従来に比べて安価でありながら、個人の足の形状にフィットし易い競技用シューズ及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】足のかかと、足の裏、つま先、及び足の甲を覆う内側部材210と、内側部材210の内、少なくとも足の裏を覆う部位を外側から覆う中間部材220A、220Bと、中間部材220A,220Bを外側から覆う外側部材230A、230Bと、を備えた競技用シューズ200であって、中間部材220A,220Bは、内側部材210及び外側部材230A,230Bよりも剛性が高く、少なくとも高強度の繊維を含む、競技用シューズ200である。
【選択図】図1

Description

本発明は、競技用シューズ、及び競技用シューズの製造方法に関する。
従来、個人の足にあわせた競技用シューズを単品方式で製造する場合、その個人の足の形状をシリコンなどで型取りして、石膏などで内型を作成し、ある程度のへこみを丸めたり、製品の成形後の収縮などを考慮して修正しながら、内型を仕上げる。
そして、仕上げた内型を利用して、その個人の足にあわせた競技用シューズを製造する方法がある。
一方、量産方式で競技用シューズを製造する場合、多くの人の足に合うように作られた内型(図示省略)を複数のサイズに応じて予め複数種類用意する。
そして、図7に示す様に、あるサイズのシューズ100を製造する場合、アッパー110は柔らかい材料を縫製などで組み立て、アウトソール120はおおむね樹脂の射出成型で作成する。そしてアッパー110を足型(図示省略)に添わせるため引っ張りながら足型に固定したのち、20分程度加熱したり、たたいたりして足型になじませて、冷却後、事前にバックル140が取り付けられたアッパー110は、ゴム部材150が事前に取り付けられたアウトソール120と接着した後、足型を抜く。
足型を抜いた後、更に、自転車競技用のクリート160をねじ止めする方法が知られている。
尚、図7は、従来の量産方式で製造される自転車競技用シューズ100の概略断面図である。
しかしながら、従来の「個人の足にあわせた競技用シューズを単品方式で製造する場合」では、個人によって大きく異なる足の形状に概ねフィットするシューズを作成することが出来るが、内型は、個人の足の形に合わせて作成する必要があると共に、製品の収縮度なども考慮する必要がある為、一足のシューズを製造する為に膨大なコストがかかるという問題があった。
一方、従来の「量産方式で競技用シューズを製造する場合」では、同じサイズのシューズについては、同じ内型を使用して量産出来るので、一足のシューズを製造する為のコストは大幅に削減できるが、はじめから隙間170(図7参照)の存在を容認した構造であるため、各人で異なる足の形状のそれぞれにフィットさせることが困難であるという問題があった。
本発明は、上記従来の課題に鑑みて、従来に比べて安価でありながら、個人の足の形状にフィットし易い競技用シューズ、及び競技用シューズの製造方法を提供することを目的とする。
第1の本発明は、
足のかかと、足の裏、つま先、及び足の甲を覆う第1部材と、
前記第1部材の内、少なくとも前記足の裏を覆う部位を外側から覆う第2部材と、
前記第2部材を外側から覆う第3部材と、を備えた競技用シューズであって、
前記第2部材は、前記第1部材及び前記第3部材よりも剛性が高く、少なくとも高強度の繊維を含む、競技用シューズである。
また、第2の本発明は、
前記高強度の繊維、及び熱硬化性樹脂を含み、
前記第2部材は応力外皮構造を有している、上記第1の本発明の競技用シューズである。
また、第3の本発明は、
前記第1部材及び前記第3部材は、前記第2部材に含まれた前記熱硬化性樹脂を介して前記第2部材に接着されている、上記第2の本発明の競技用シューズである。
また、第4の本発明は、
足のかかと、足の裏、つま先、及び足の甲を覆う第1部材と、前記第1部材の内、少なくとも前記足の裏を覆う部位を外側から覆う第2部材と、前記第2部材を外側から覆う第3部材と、を有する競技用シューズの製造方法であって、
個人の足の形状データに基づいて、前記第1部材を作成する第1部材作成工程と、
前記個人の足の形状データに基づいて、前記第3部材を作成する第3部材作成工程と、
前記第1部材作成工程により作成された前記第1部材の内側の空間に詰め物を挿入する挿入工程と、
前記詰め物が挿入された前記第1部材の内、少なくとも前記足の裏を覆う部位の外側に前記第2部材の素材を配置する、又は前記第3部材の内側に前記第2部材の素材を配置する配置工程と、
前記配置工程により配置された前記第2部材の素材を介して前記第1部材の上に前記第3部材を被せる工程と、
前記第1部材、前記第2部材、及び前記第3部材の素材を接着する接着工程と、を備えた競技用シューズの製造方法である。
また、第5の本発明は、
前記第2部材の素材は、前記高強度の繊維、及び熱硬化性樹脂を含むシート状の素材であり、
前記接着工程では、前記第1部材、前記第2部材、及び前記第3部材の素材を加圧し加熱して前記接着を行い、
前記第1部材作成工程、及び前記第3部材作成工程では、3次元プリンターを用いて前記第1部材、及び前記第3部材を作成する、上記第4の本発明の競技用シューズの製造方法である。
本発明によれば、従来に比べて安価でありながら、個人の足の形状にフィットし易い競技用シューズ、及びその製造方法を提供することが出来る。
(a):本発明の実施の形態のバックル式の自転車競技用シューズ(左足用)の外観を示す右側面図、(b):図1(a)に示すバックル式の自転車競技用シューズ(左足用)の外観を示す左側面図 図1(a)に示すバックル式の自転車競技用シューズ(左足用)の断面図 (a):本実施の形態のバックル式の自転車競技用シューズ(左足用)の内側部材の右側面図、(b):図3(a)に示すバックル式の自転車競技用シューズ(左足用)の内側部材の左側面図 (a):本実施の形態のバックル式の自転車競技用シューズ(左足用)の外側部材の右側面図、(b):図4(a)に示すバックル式の自転車競技用シューズ(左足用)の外側部材の左側面図 (a):本実施の形態のバックル式の自転車競技用シューズ(左足用)の中間部材の素材としてのカーボンファイバープリプレグシートの右側面図、(b):図5(a)に示すバックル式の自転車競技用シューズ(左足用)の中間部材の素材としてのカーボンファイバープリプレグシートの左側面図 (a):ケーブル式の自転車競技用シューズ(左足用)の外観を示す右側面図、(b):図6(a)に示すケーブル式の自転車競技用シューズ(左足用)の外観を示す左側面図 従来の量産方式で製造される自転車競技用シューズの概略断面図
以下に、本発明の競技用シューズの一実施の形態としての自転車競技用シューズの構成について、図面を用いて説明すると共に、その製造方法について説明する。
まず、本実施の形態のバックル式の自転車競技用シューズ200の構成について、図1(a)〜図2を用いて説明する。
図1(a)は、本実施の形態のバックル式の自転車競技用シューズ(左足用)200の外観を示す右側面図であり、図1(b)は、図1(a)に示すバックル式の自転車競技用シューズ(左足用)200の外観を示す左側面図である。
また、図2は、図1(a)に示すバックル式の自転車競技用シューズ(左足用)200の断面図である。
通常、自転車競技用シューズなどの競技用シューズにおいては、長時間の使用や、靴を通じペダルに加わる大きな力からの疲労、炎症への対策が重要である。
そこで、(1)個人により大きく異なる足のサイズ、形状に良くフィットし、きつすぎたり、緩かったりすることからの痛みを生じてはいけない。また、(2)人の力を無駄なく伝えるために、たわまない十分な剛性が必要である。また、(3)上記(1)、(2)の事項を満たし、かつ軽量であり、加速減速に必要なエネルギーが最少なこと、が競技上のメリットとなる。
本実施の形態で説明する自転車競技用シューズは、この様な観点から提案するものである。
即ち、本実施の形態のバックル式の自転車競技用シューズ200は、図1(a)〜図2に示す様に、(1)アキレス腱の一部と、足のかかと、足の裏、つま先、及び足の甲を覆う形状を有する樹脂製の内側部材210と、(2)内側部材210の内、足のかかと、足の裏、及び足の指の下面側を覆う部位を外側から覆う形状のモノコックフレーム構造(応力外皮構造)を有する炭素繊維製の第1中間部材220Aと、内側部材210の内、足の甲を覆う部位を外側から覆う形状のモノコックフレーム構造(応力外皮構造)を有する炭素繊維製の第2中間部材220Bと、を有する中間部材220と、(3)第1中間部材220Aを外側から覆う形状を有する樹脂製の第1外側部材230Aと、第2中間部材220Bを外側から覆う形状を有する樹脂製の第2外側部材230Bと、を有する外側部材230と、を備えた構成である。
尚、第1中間部材220Aと第2中間部材220Bは、内側部材210やバックル260により互いに連結されているので、応力による変形に対して、連結して力を分散し、変形を少なくする構造を成している。即ち、第1中間部材220Aと第2中間部材220Bは、協働してモノコックとして機能する。
更に、本実施の形態のバックル式の自転車競技用シューズ200は、図1(a)〜図2に示す様に、(4)その他の部材として、競技用自転車のペダル(図示省略)と固定するためのクリート250が、自転車競技用シューズ200の靴底にねじ止めされていると共に、バックル260、及び歩行時の滑り防止用のゴム部材270が組み付けられている。
また、本実施の形態の自転車競技用シューズ200の内側部材210と外側部材230は、個人の足の3次元データに基づいて3次元プリンターを用いて形成されたナイロン製の部材である。従って、個人により大きく異なる足のサイズ、形状に良くフィットし、きつすぎたり、緩かったりすることからの痛みを生じない構成である。
尚、内側部材210と外側部材230の材料としては、ナイロンが好ましいが、PC(ポリカーボネート)PU(ポリウレタン)、ABSなどでも良い。また、これに限らず、例えば強度、耐候性のある樹脂材料であればどの様な材料でも良い。
また、本実施の形態の自転車競技用シューズ200の中間部材220の素材は、熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を含むカーボンファイバープリプレグシートである。エポキシ樹脂を含むカーボンファイバープリプレグシートを加圧しながら加熱し、一定時間保持することにより、熱硬化樹脂であるエポキシ樹脂が硬化し、カーボンファイバープリプレグシートを硬化させて、同時に内側部材210と外側部材230を接着している。カーボンファイバープリプレグシートが硬化することによりモノコックフレーム構造が形成される。
尚、本実施の形態の自転車競技用シューズ200の中間部材220の素材は、熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を含むカーボンファイバープリプレグシートである場合について説明したが、これに限らず、要するに、中間部材220は、内側部材210及び外側部材230よりも剛性が高く、少なくとも高強度の繊維(高強度繊維と呼ぶこともある)を含む部材であればどのようなものであっても良い。従って、中間部材220の素材としては、例えば、炭素繊維又はガラス繊維を含むような軽量高剛性な素材であっても良い。また、例えば、竹を加工したり、クモの糸を加工したりした高強度の繊維を含む素材であっても良い。
尚、本願明細書において「高強度の繊維(高強度繊維)」とは、ナイロンやポリエステル繊維の2.5倍以上の断面積あたり強度、即ち、2500MPa以上の強度を持つ繊維をいい、例えば、上述した炭素繊維やガラス繊維の他、高強力ポリエステル繊維、高強力ビニロン繊維、アラミド繊維、ヘテロ環含有芳香族繊維、ボロン繊維などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。ここで、1MPa≒10kg/cm2である。
これにより、たわまない十分な剛性を発揮出来て、力をペダルに無駄なく伝えることが出来る。
次に、内側部材210に設けられたヒンジ構造について、図1(a)〜図2を用いて説明する。
本実施の形態のバックル式の自転車競技用シューズ200は、内側部材210の足の甲の部分が、開閉可能に構成されている。
即ち、図1(a)〜図2に示す様に、内側部材210の甲の部分には、切り込み部211と、ヒンジ部212(図1(a)、図3(a)では、破線で示した)とが設けられており、内側部材210の甲の部分は、ヒンジ部212を開閉軸として、左右方向に開閉可能な構成である。
具体的には、切り込み部211は、図1(b)に示した左側面の足の甲の上端部211Aから小指側に達し、更につま先部211Bを経由して、図1(a)に示した右側面の親指の付け根部211Cに至るまで設けられている。また、ヒンジ部212は、内側部材210上の右側面の親指の付け根部211Cから、右側面の足の甲の上端部211Dに至る直線部分であり、且つ、第2中間部材220B及び第2外側部材230Bにより覆われていない部分である。
このヒンジ構造により、人は容易に自転車競技用シューズ200を履いたり脱いだり出来る。
上記構成によれば、カーボンファイバーの中間部材220の内、足の下半分の第1中間部材220Aは、および足の甲の部位を覆う第2中間部材220Bは協働して一体構造(モノコックフレーム構造)であり、靴としての剛性が高く軽量であり、力の伝達時に変形が少なく、選手の疲労を減らすことが出来ると共に、自転車用シューズに必要なペダルへの高い力の伝達に寄与する。一方、靴の上半分に相当する甲の部分を覆うパーツは、靴に足を入れる際、開く必要があり、内側部材210の形成後に加工する切り込み部211(図1(b)参照)と、可動のために樹脂のみで覆いカーボンでは覆わない部分、即ち、ヒンジ部212(図1(a)参照)を持つ。しかしながら、甲など広い部分をカーボンファイバーで覆い、自転車ペダリングでの前方向、及び上方向への力の伝達を、足のずれや、高い圧力を防ぎながら実現出来る。従って、弱い力の締め付けで十分である。
また、上記構成によれば、靴底やかかと部は、高い剛性を有しながら、足の形状に完全にフィットするため、ペダリング時に部分的な高い圧力が生じない。また足形状にあった突起があるため、足と靴とにスラスト力が生じる際、ずれが発生しないという効果を発揮する。
尚、本実施の形態の内側部材210は、本発明の第1部材の一例にあたり、本実施の形態の中間部材220は、本発明の第2部材の一例にあたり、また、本実施の形態の外側部材230は、本発明の第3部材の一例にあたる。
次に、本実施の形態のバックル式の自転車競技用シューズ200の製造方法について、図3(a)〜図5(b)を用いて説明する。
図3(a)は、本実施の形態のバックル式の自転車競技用シューズ(左足用)200の内側部材210の右側面図であり、図3(b)は、図3(a)に示すバックル式の自転車競技用シューズ(左足用)200の内側部材210の左側面図である。
図4(a)は、本実施の形態のバックル式の自転車競技用シューズ(左足用)200の外側部材230の右側面図であり、図4(b)は、図4(a)に示すバックル式の自転車競技用シューズ(左足用)200の外側部材230の左側面図である。
図5(a)は、本実施の形態のバックル式の自転車競技用シューズ(左足用)200の中間部材220の素材としてのカーボンファイバープリプレグシート1220の右側面図であり、図5(b)は、図5(a)に示すバックル式の自転車競技用シューズ(左足用)200の中間部材220の素材としてのカーボンファイバープリプレグシート1220の左側面図である。
尚、図5(a)、図5(b)に示すカーボンファイバープリプレグシート1220は、第1中間部材220Aの素材としての第1カーボンファイバープリプレグシート1220Aと、第2中間部材220Bの素材としての第2カーボンファイバープリプレグシート1220Bとから構成されている。
本実施の形態における製造方法の概要は次の通りである。
即ち、3次元スキャナーを用いて、個人の足の形状を正確にデータ化した後、足の運動時の変形に備え、つま先に余分な隙間分の肉をつけ、指の間の深い凹みを緩和するなどの加工後、クリート250を取り付ける部分に肉厚を付加し、
(1)3次元プリンターを用いて、足に接する、即ち、足の形状にフィットした樹脂製の薄い内側部材210を成形する。また、3次元プリンターを用いて、樹脂製の外側部材230を成形する。
(2)そして、外側部材230の内側に沿って、又は、内側部材210の外側に沿って、モノコックフレーム構造を得るための強度と剛性を持つカーボンファイバープリプレグシート1220などを中間部材220の素材として貼り付ける。
(3)そして、カーボンファイバープリプレグシート1220を介して内側部材210の上に外側部材230を被せる。
(4)そして、この様に組み立てた3部品に圧力をかけながら熱を加え、カーボンファイバープリプレグシート1220に含まれている熱硬化性樹脂を硬化させ、3部品を接着する。
尚、3部品の加圧、加熱に際しては、内側部材210の内側の空間には、詰め物(図示省略)を挿入する。また、3部品の外側は、機密性の高いナイロンなどのバッグを被せて真空引き、ないしはゴムなどを介し圧力をかけ、カーボンファイバープリプレグシートに使用する熱硬化型の樹脂を加熱して硬化させる。加圧の手段としては、液体又は気体を用いても良いし、或いは機械的に加圧しても良く、要するに加圧手段はどの様な手段であっても良い。
次に、図面を用いて具体的に説明する。
工程A)個人の足に合わせたシューズを作る為に、その個人の足の形状を、3次元スキャナーを用いてデータ化する。
工程B)工程Aで作成した足の3次元データから、材料の厚み、収縮度などを計算して3次元CADでデータを作成し、その3次元CADデータに対して、上述した通り、つま先に余分な隙間分の肉を付加し、指の間の深い凹みを緩和し、更にクリート250を取り付ける部分に肉厚を付加する等の修正をし、その3次元CADデータに基づいて3次元プリンターを用いて、足に接する、即ち、足の形状にフィットした樹脂製(本実施の形態では、ナイロン製)の薄い内側部材210(図3(a)、図3(b)参照)と、後述する工程Cで作成するカーボンファイバープリプレグシート1220(中間部材220の素材に対応する)(図5(a)、図5(b)参照)の外側を覆う樹脂製のカバーである外側部材230(図4(a)、図4(b)参照)とをそれぞれ作成する。
なお、内側部材210、及び外側部材230の材料としては、ナイロンが好ましい。また、PC(ポリカーボネート)、PU(ポリウレタン)、ABSなどでも良い。また、これに限らず、例えば強度、耐候性のある樹脂材料であればどの様な材料でも良い。また、内側部材210や外側部材230の材料としてABSを用いる場合、カーボンファイバープリプレグシート1220に含まれる熱硬化性樹脂としては、60℃程度で硬化するエポキシ樹脂が使用可能である。
また、工程Bにおいて、3次元プリンターを用いて内側部材210を成型後、切り込み部211(図3(a)、図3(b)参照)を形成する。
また、工程Bにおいて、3次元プリンターを用いて外側部材230を成型する際、後述する、第1中間部材220Aの素材としての第1カーボンファイバープリプレグシート1220Aを外側から覆う形状を有する樹脂製の第1外側部材230Aと、第2中間部材220Bの素材としての第2カーボンファイバープリプレグシート1220Bを外側から覆う形状を有する樹脂製の第2外側部材230Bと、を分離した状態で成形する(図4(a)、図4(b)参照)。
工程C)次に、工程Bで作成した内側部材210の内側の空間に詰め物(図示省略)を挿入する。
ここで、詰め物としては、個人の足の形に合わせた従来の内型である必要は無い。何故ならば、工程Bで作成した内側部材210は、個人の足の3次元CADデータに基づいて3次元プリンターを用いて作成されており、その個人の足の正確な形状は内側部材210により確保されているからである。
以上のことから、本願発明の詰め物は、要するに、外側からの圧力に対して、内側部材を内部から支えることができさえすれば、どの様な部材であっても良い。
従って、本実施の形態で用いる詰め物は、例えば、砂を固めて足の形にした物、3次元プリンターで作成した足の形をした物、或いは大豆など球状物を袋へ入れた物でも良い。
尚、3次元プリンターで作成した足の形をした物は、個人の足の形状から既に得られている3次元データを利用すれば、短時間で作成することが出来るので、従来の内型の様に、シリコンで足の型を取り、そこに石膏を流し込んで石膏型を作り、さらに熟練者が手で形を修正する場合と比べて、製造コストを大幅に削減出来る。
工程D)そして、第1外側部材230A(図4(a)、図4(b)参照)の内側に第1カーボンファイバープリプレグシート1220A(図5(a)、図5(b)参照)を貼り付ける。
また、第2外側部材230B(図4(a)、図4(b)参照)の内側に第2カーボンファイバープリプレグシート1220B(図5(a)、図5(b)参照)を貼り付ける。
尚、カーボンファイバープリプレグシート1220は、外側部材230の内側に貼る方がカーボンファイバープリプレグシートの平面に戻ろうとする力が自身を外側部材230に押し付けるためはがれにくいが、少し熱を加え、粘着力を出したカーボンファイバープリプレグシートであれば、内側部材210の外側にカーボンファイバープリプレグシート1220を貼り付けてもよい。
尚、第1カーボンファイバープリプレグシート1220Aと、第2カーボンファイバープリプレグシート1220Bの形状は、一般には、2cm幅ほどの細いシートを用いることが出来る。このシートをお互い重ねながら、外側部材230にいろいろな方向を持たせ、貼っていき、余った部分を切る。外側部材230は3次元形状なので、シートの幅が広すぎるとしわができるが、シートはある程度貼っている際変形し、外側部材230の3次元形状になじむ。
更に、作成した外側部材230とカーボンファイバープリプレグシート1220を内側部材210の上から被せる。
即ち、これにより、第1外側部材230A(図4(a)、図4(b)参照)は、第1カーボンファイバープリプレグシート1220A(図5(a)、図5(b)参照)を介して、内側部材210の内の、足のかかと、足の裏、及び足の指の下面側を覆う舟形の部位を外側から覆い、第2外側部材230Bは、第2カーボンファイバープリプレグシート1220Bを介して、内側部材210の内の、足の甲を覆う部位を外側から覆う。
ここで、カーボンファイバープリプレグシート1220を内側部材210の外側に貼り付ける場合は、カーボンファイバープリプレグシート1220の位置ずれを防止するために、内側部材210の表面において、第1カーボンファイバープリプレグシート1220Aと、第2カーボンファイバープリプレグシート1220Bとを貼り付けるべき範囲に予めマークを付けておいても良い。
これにより、工程Dでは、内側部材210、カーボンファイバープリプレグシート1220、及び外側部材230の3部品が組み立てられる。
工程E)次に、工程Dで組み立てられた3部品に対して、外側から薄くて気密性の高いナイロンなどのバッグを被せて真空引きすることで、カーボンファイバープリプレグシート1220の中の空気が除去されて3部品が密着する。
更に、真空引きにより内圧が低下することで、3部品に対して外気圧による加圧が行われると共に、3部品を加熱することにより、カーボンファイバープリプレグシート1220に使用されている熱硬化性樹脂(本実施の形態ではエポキシ樹脂)を硬化させて、3部品を接着させる。これにより、3部品の接着強度を上げることが出来る。また、これにより、カーボンファイバープリプレグシート1220は、モノコックフレーム構造(応力外皮構造)を有した上述した中間部材220(図2参照)となる。
尚、工程Eでは、カーボンファイバープリプレグシート1220に使用されている熱硬化性樹脂が一般的なエポキシ樹脂の場合、加熱温度は約120℃であり、加熱時間は約90分である。更に、徐々に冷却することで1時間程度を要する。また、この場合、詰め物の材料は、耐熱性のあるナイロン、砂、大豆などの小さな玉が好ましい。
尚、外側から圧力をかけるやり方として、例えば、ゴムなどを介して液体や気体、機械的な圧力で加圧する方法であっても良く、その場合は、大きめの大雑把な形状の外型を使用する。
また、モノコックフレーム構造を形成するものとして、カーボンファイバープリプレグシート1220の他に、強度剛性が高く軽量な部材として、グラスファイバーを用いても良く、また、割れ対策には芳香族ポリアミド系樹脂のケブラー(登録商標)を使用しても良い。
工程F)工程Eで作成された互いに接着された3部品から詰め物を取り出す。
上記構成Eにおける、靴の加圧加熱での成形後、カーボンファイバープリプレグシート1220を素材とする中間部材220は、外側部材230により3次元上精密におおわれている。そのため、本実施の形態の製造方法によれば、穴だらけのエポキシ樹脂の平滑化、バリ取り、塗装などの後処理を大きく削減し、製造のコストを下げるとともに、塗装の剥げ落ちによる外観劣化が防げる。
そして、多少はみ出した接着剤を取り除き、表面をきれいにした後、他のパーツとして、クリート250、バックル260、及びゴム部材270を組み付ける(図1(a)、図1(b)参照)。
これにより、本実施の形態の自転車競技用シューズ(左足用)200が完成する。
右足用の自転車競技用シューズ(図示省略)についても、上記と同様の方法で作成する。
尚、本実施の形態の工程Bは、本発明の第1部材作成工程と第3部材作成工程とを含む一例にあたる。また、本実施の形態の工程Cは、本発明の挿入工程の一例にあたる。また、本実施の形態の工程Dは、本発明の配置工程の一例にあたる。また、本実施の形態の工程Eは、本発明の接着工程の一例にあたる。
尚、本実施の形態の自転車競技用シューズ200、及びその製造方法においては、まず人の足を瞬時に、かつ正確に3次元でデータ化できるスキャナーをもって数方向からデータを取り、これらのデータを組み合わせて足の全体のデータを作成し、ここから足の指の間などの深いへこみをいくらか修正する。これにより、指の間の深いへこみが緩和されるので、平面状のシートであるカーボンプリプレグシートを沿わすことが出来ると共に、加圧時には、外側からゴムで一定以上の圧力をかけることが出来る。さらに指の先にいくらかゆとりを持たせるなど、選手の快適さと競技での足のサポートの高さの妥協点を探る。
製造上の問題を避け、選手を満足させる形状データが作成できたら、(1)内側に配置する、3次元プリンターを用い形成する薄い靴(図2の内側部材210参照)のデータを作成し、(2)外側に配置する、3次元プリンターを用い形成する薄いカバー(図2の外側部材230参照)のデータを作成し、3次元プリンターで作成し、(3)その間にカーボンファイバープリプレグシートの層(図2の中間部材220参照)を挟む。
内側に正確なかつある程度強度剛性のあるシェル形状の薄い靴(図2の内側部材210参照)があるため、ことさら内側に金属製などの型を必要とせず、シェルの内側に詰め物として例えば、大豆を袋に入れたものなどを挿入することで成型時の外からの圧力に耐え変形せず、3つの部材に圧力をかけることができる。
また、カーボンファイバーのプリプレグシートは3次元成形した内側の薄い靴(図2の内側部材210参照)、および外側のパーツ(図2の外側部材230参照)にて挟まれているため、エポキシ樹脂の付着が少なく詰め物は容易に取り出すことが出来る。
成形後は外側から圧力をかけていたナイロンやゴムなどへのエポキシ樹脂の付着が少なく、外す難しさが少なく、また、後処理として、多少樹脂のバリなど除去する程度で、製品となる。
外型はゴムなどの薄膜をかぶせ真空引きをしたり、砂、大豆などの小さな玉を介したりし、圧力をかけることができる。
この様に、従来の内型に代えて、大雑把な形状の詰め物を利用することにより、製造コストを削減でき、また離型剤、バリ取りなど後処理の費用を大きく削減できる。
以上説明した様に、本実施の形態の製造方法によれば、3次元スキャナーを用いて取り入れた足の形状から、一定の編集をくわえて、足にフィットする薄い樹脂のシューズ(図2、図3(a)、図3(b)の内側部材210参照)とカバー(図2、図4(a)、図4(b)の外側部材230参照)とを作り、内側部材210、または外側部材230へカーボンファイバープリプレグシート1220(図5(a)、図5(b)参照)を適度に貼り合わせた後、組み合わせ、離型剤や金属の型など用いずに自転車競技などに用いるシューズを作成する。
この方法によれば、自転車競技などに用いるシューズを安価に製造できるほかに、足の測定から数時間という短い時間で製品が製造できる。
また、構造的に、個人の足に完全にフィットしているため、圧力が分散し、足と靴の間の緩み、滑りがなく、従来の靴に比べ疲労や足へのストレスを大きく減らし、部分的な炎症も減らすことが出来る。
また、カーボンファイバーはモノコック状になるが、足の形状に完全にフィットし、痛みを生じない。足とのずれがなく、部分的な圧力のばらつきがない。この様な特有の効果を有するシューズは、従来の大量生産方式の靴では実現できない。
また、靴の形状が足の形状にフィットしているため、足を抜き差しできる範囲、オーバーハングではない部分は硬く作ることができ、高さの高いモノコックフレーム構造のため、曲げに対し非常に剛性が高くなり、結果として従来の大量生産方式の靴に比べ30%〜50%という非常に軽量でかつ高剛性の靴が作れる。
尚、上記実施の形態では、バックル式の自転車競技用シューズについて説明したが、これに限らず例えば、図6(a)、図6(b)に示す様な、ケーブル式の自転車競技用シューズ300についても、上記と同様の効果を発揮する。
ここで、図6(a)は、ケーブル式の自転車競技用シューズ(左足用)300の外観を示す右側面図であり、図6(b)は、図6(a)に示すケーブル式の自転車競技用シューズ(左足用)300の外観を示す左側面図である。図1(a)、図1(b)と基本的に同じ構成部材には同じ符号を付し、その説明を省略する。
図6(a)、図6(b)に示す通り、内側部材210の切り込み部とヒンジ部が、バックル式の自転車競技用シューズ200と異なる。即ち、この構成では、左側切り込み部213Lと右側切り込み部213Rが設けられている。具体的には、左側切り込み部213Lは、図6(b)に示した左側面の足の甲の上端部213LAからつま先部213LBに向けて設けられており、右側切り込み部213Rは、図6(a)に示した右側面の足の甲の上端部213RAからつま先部213RBに向けて設けられている。そして、左右のつま先部213LBと213RBの間の「切れ込み」が無い部分が、ヒンジ部214として前後方向に開閉する部分である。
また、図6(a)、図6(b)に示す通り、テンションをかけるためのケーブル310が、左側ケーブルガイド320Lと右側ケーブルガイド320Rに引っ掛けられている。右側ケーブルガイド320R(親指側)は、ケーブル310が外れるが、左側ケーブルガイド320L(小指側)は、ケーブル310が外れない構成である。また、符号330は一般的なケーブル巻き取り装置である。この構成により、親指側、即ち右側ケーブルガイド320Rからケーブル310を外し、甲部の内側部材210を上向きに開き、足を靴の中に入れ、甲部の内側部材210を閉じて、ケーブル310を右側ケーブルガイド320Rにかけて、ケーブル巻き取り装置330で適度に巻き取り、足と靴とを緩み無く、適度に締め付けることが出来る。
また、上記実施の形態では、バックル260は後付けする構成について説明したが、これに限らず例えば、バックル260のラチェット部は外側部材230と一体でも良い。
また、上記実施の形態では、本発明の競技用シューズを、自転車競技用シューズとして実現した場合について説明したが、これに限らず例えば、スケート競技用、サッカー競技用などに適用しても良く、足にフィットすること、足と靴との間のずれが生じないこと、及び剛性を有していること、等の条件が要求される競技用シューズであれば、どの様な競技用シューズにも適用可能である。
尚、上記実施の形態と基本的には同様の構造であるが、より安価にするため、やや大きめの靴を先に作っておき、足の3次元データとの差として生じる隙間を埋めるための、樹脂、ないしは発泡体のみを作成し、靴の内側に貼り付ける構成でも良い。
また、上記実施の形態では、本発明の第2部材の一例として、内側部材210の内の、足のかかと、足の裏、及び足の指の下面側を覆う舟形の部位を外側から覆う第1中間部材220A(図2参照)と、内側部材210の内の、足の甲を覆う部位を外側から覆う第2中間部材220B(図2参照)とを備えた競技用シューズについて説明したが、これに限らず例えば、本発明の第2部材の一例としては、内側部材210の内、少なくとも足の裏を覆う部位を外側から覆う部材であれば良い。従って、例えば、内側部材210の内の、足の甲を覆う部位を外側から覆う第2中間部材220Bを備えない構成であっても良い。
本発明の競技用シューズ、及びその製造方法によれば、従来に比べて安価でありながら、個人の足の形状にフィットし易い競技用シューズ、及びその製造方法を提供することが出来るという効果を発揮し、スケート競技用、サッカー競技用など様々な競技用シューズとして有用である。
200 自転車競技用シューズ(左足用)
210 内側部材
220 中間部材
230 外側部材
250 クリート
260 バックル
270 ゴム部材

Claims (5)

  1. 足のかかと、足の裏、つま先、及び足の甲を覆う第1部材と、
    前記第1部材の内、少なくとも前記足の裏を覆う部位を外側から覆う第2部材と、
    前記第2部材を外側から覆う第3部材と、を備えた競技用シューズであって、
    前記第2部材は、前記第1部材及び前記第3部材よりも剛性が高く、少なくとも高強度の繊維を含む、競技用シューズ。
  2. 前記第2部材は前記高強度の繊維、及び熱硬化性樹脂を含み、
    前記第2部材は応力外皮構造を有している、請求項1に記載の競技用シューズ。
  3. 前記第1部材及び前記第3部材は、前記第2部材に含まれた前記熱硬化性樹脂を介して前記第2部材に接着されている、請求項2に記載の競技用シューズ。
  4. 足のかかと、足の裏、つま先、及び足の甲を覆う第1部材と、前記第1部材の内、少なくとも前記足の裏を覆う部位を外側から覆う第2部材と、前記第2部材を外側から覆う第3部材と、を有する競技用シューズの製造方法であって、
    個人の足の形状データに基づいて、前記第1部材を作成する第1部材作成工程と、
    前記個人の足の形状データに基づいて、前記第3部材を作成する第3部材作成工程と、
    前記第1部材作成工程により作成された前記第1部材の内側の空間に詰め物を挿入する挿入工程と、
    前記詰め物が挿入された前記第1部材の内、少なくとも前記足の裏を覆う部位の外側に前記第2部材の素材を配置する、又は前記第3部材の内側に前記第2部材の素材を配置する配置工程と、
    前記配置工程により配置された前記第2部材の素材を介して前記第1部材の上に前記第3部材を被せる工程と、
    前記第1部材、前記第2部材、及び前記第3部材の素材を接着する接着工程と、を備えた競技用シューズの製造方法。
  5. 前記第2部材の素材は、前記高強度の繊維、及び熱硬化性樹脂を含むシート状の素材であり、
    前記接着工程では、前記第1部材、前記第2部材、及び前記第3部材の素材を加圧し加熱して前記接着を行い、
    前記第1部材作成工程、及び前記第3部材作成工程では、3次元プリンターを用いて前記第1部材、及び前記第3部材を作成する、請求項4に記載の競技用シューズの製造方法。
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