JP2017008044A - ドーパミンシグナル伝達の抑制剤 - Google Patents
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Abstract
Description
しかしながら、フィンゴリモドとドーパミンシグナル伝達経路との関連については知られていない。
[1] ドーパミンの過剰なシグナル伝達に伴う症状を処置または予防するための、2−アミノ−2−[2−(4−オクチルフェニル)エチル]−1,3−プロパンジオールもしくはその誘導体、またはそれらの薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物を含む医薬。
[2] 誘導体がリン酸エステルである、[1]記載の医薬。
[3] 薬学的に許容される塩が塩酸塩である、[1]または[2]記載の医薬。
[4] ドーパミンの過剰なシグナル伝達に伴う症状が、薬物依存およびそれに伴う離脱症状および精神的および/または身体的症状ならびに、ドーパミン補充療法により誘発される症状から選択される1以上の症状である、[1]〜[3]のいずれか記載の医薬。
[5] ドーパミンの過剰なシグナル伝達に伴う症状が、薬物依存およびそれに伴う離脱症状および精神的および/または身体的症状から選択される1以上の症状である、[4]記載の医薬。
[6] 薬物依存が、コカイン、アンフェタミン類、ナルコレプシー治療用薬剤またはADHD治療用薬剤により引き起こされる、[5]記載の医薬。
[7] 薬物依存がコカインにより引き起こされる、[6]記載の医薬。
[8] ドーパミン補充療法により誘発される症状が、ジスキネジア、オンオフ現象、ウェアリングオフ現象、低血圧、不整脈、悪心、呼吸障害、睡眠障害、ドーパミン調節不全症候群、幻覚、衝動性障害、不安、失見当識、錯乱および精神病から選択される1以上の症状である、[4]記載の医薬。
[9] ドーパミン補充療法により誘発される症状がジスキネジアである、[8]記載の医薬。
[10] ドーパミン補充療法を受ける対象が、ドーパミン反応性疾患に罹患している、[8]または[9]記載の医薬。
[11] ドーパミン反応性疾患が、パーキンソン病、パーキンソン症、四肢静止不能症候群およびドーパミン反応性ジストニアから選択される、[10]記載の医薬。
[12] ドーパミン反応性疾患が、パーキンソン病またはパーキンソン症である、[11]記載の医薬。
[13] ドーパミンの過剰なシグナル伝達に伴う症状を処置または予防するための、2−アミノ−2−[2−(4−オクチルフェニル)エチル]−1,3−プロパンジオールもしくはその誘導体、またはそれらの薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物を1以上の薬学的に許容される賦形剤とともに含む、医薬組成物。
[14] ドーパミンの過剰なシグナル伝達に伴う症状を処置または予防するための、2−アミノ−2−[2−(4−オクチルフェニル)エチル]−1,3−プロパンジオールもしくはその誘導体、またはそれらの薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物と他の1以上の薬剤の組合せ剤。
該薬物は、特に、コカインおよびアンフェタミン類の薬物(例えばアンフェタミン、メタンフェタミン、D−(デキストロ)アンフェタミンおよびMDMA)である。これらの薬物の反復投与は、行動感作と呼ばれる自発運動を顕著に増加する傾向にあり、自発運動は、薬物依存の指標として使用し得る。
実験手法
1.マウス線条体スライスの作製およびFTY720Pによる処理
ドーパミン受容体D1(D1R)−DARPP−32/FlagタグおよびD2R−DARPP−32/Mycタグを、それぞれドーパミンD1およびD2受容体プロモーターの制御下にて発現するトランスジェニックマウスである、D1R/D2R−DARPPマウス(Bateup H et al. Nat Neurosci. 2008 Aug;11(8):932-9, Kuroiwa M et al. J Neurochem. 2008 Nov;107(4):1014-26)を断頭し、線条体スライス(350μm)を作製した(マウス1匹から6つの線条体スライスを作製し3群に分ける。該線条体スライスをポリプロピレンインキュベーションチューブ中、アデノシンデアミナーゼ(10μg/mL)を含有するKrebs−HCO3 −緩衝液(和光純薬より、以下試薬を購入し要事調整した。組成:124mM NaCl、4mM KCl、26mM NaHCO3、1.5mM CaCl2、1.25mM KH2PO4、1.5 mM MgSO4および10mM D-グルコース、pH7.4)2ml中に入れ、30℃、95%O2/5%CO2条件下で1時間プレインキュベートした。その後、溶媒であるジメチルスルホキシド(DMSO)(ナカライテスク社より購入)を陰性対照として、該スライスにFTY720P (Cayman Chemicalより購入) (100nM)を投与し、投与後30秒および30分後にそれぞれエッペンドルフチューブに移し、解析を行うまで−80℃で凍結保存した。
2.免疫沈降によるドーパミンD1発現細胞とD2発現細胞の分離
上記マウス3匹分の線条体スライスを1セットとして、それに1%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS: sodium dodecyl sulfate) と50mM フッ化ナトリウム (NaF)を添加し、免疫沈降用溶解バッファー(組成: 50mM Tris−HCl (pH7.5)、150mM NaCl、1mM EDTA、1% Triton X-100、1%SDS、100nM オカダ酸、Phosphatase Inhibitor Cocktail (ロッシュ社より入手))720mL中で超音波破砕を行い、冷却遠心機を用いて、15Krpm、4℃で、20分間遠心分離を行い、上清を保存した。EZViewTM Red 抗Flag(登録商標)M2抗体アフィニティーゲル50μl (Sigma-Aldrich社より購入)およびマグネットビーズ 50μl(Life Technoligies社より購入、カタログ番号14203、Dynabeads(登録商標)M-280 Tosylactivated)に結合させた抗Myc抗体(Novus Biologicals社より入手) (1μg/μl) 30μlを同時に破砕サンプル中に混和し、回転ローターを用いて、4℃で24時間ゆっくり撹拌した後、1.5mlチューブ用マグネットを用いて、抗Myc抗体−マグネットビーズ結合体を沈降させた。上清を回収して遠心分離により沈降させ、抗Flag抗体を回収した。
3.免疫ブロッティング
上記の免疫沈降により分離したそれぞれの試料を用いて、SDS−PAGEによる電気泳動を行った後、ニトロセルロースメンブレン(0.2μm)(Amersham Protran 0.2μm;GE ヘルスケア ジャパン株式会社より購入) への転写を行った。転写後のメンブレン上で、一次抗体として、抗DARPP−32抗体(Cell Signalling社より購入、マウスモノクローナル抗体、希釈条件1:50,000)および抗リン酸化DARPP−32(T34)抗体(Cell Signalling社より購入、ウサギポリクローナル抗体、希釈条件1:1000) を用いて抗体反応を行った。ブロッキングは、Can Get Signal(登録商標)試薬(東洋紡株式会社より購入)を用いて、プロトコール条件にしたがって行った。二次抗体として、抗マウスIgG抗体(Rockland社より購入、カタログ番号610-132-121、Anti-mouse IgG(H and L),IRDye800 conjugated antibody pre-absorbed)および抗ウサギIgG抗体(Life technologies社より購入、カタログ番号A21109、Goat anti-rabbit IgG (H+L) Secondary antibody, Alexa-Fluor 680 conjugate)を使用し、蛍光シグナルをOdyssey infrared imaging system(エムエステクノシステムズ)を用いて検出し、その強度を定量した。同じ実験を4回行い、統計解析を行った。統計解析は、未処理のスライスと比較して、一元配置分散分析法(One-way ANOVA)およびニューマンケウルス法を用いて行った(**p<0.01、*p<0.05)。
ドーパミンD1細胞では、FTY720Pの投与30分後にはDARPP−32 T34のリン酸化レベルは有意に低下していた(図1AおよびB)。この結果より、FTY720Pは、D1受容体を介するドーパミンシグナル伝達の活性化を抑制する作用があることが示される。
オスのC57BL/6NCrマウス(6〜8週齢)(日本エスエルシー株式会社より入手)を用いて、実施例1と同様の方法により、マウス線条体スライスを作製し、FTY720P(100nM)を30分間投与した後、生理食塩水投与群を陰性対照としてコカイン塩酸塩(武田薬品株式会社より購入)を100μMの濃度で1分または2分間投与した。凍結保存したスライスに、1%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS) と50mMフッ化ナトリウム(NaF)を加え、超音波破粋機で破粋を行い、直ちに100℃で10分間静置して蛋白質を抽出した。該抽出試料を用いて、実施例1と同様の方法で免疫ブロッティングを行い、DARPP−32 T34リン酸化シグナルの検出および定量を行った(図2AおよびB)。同じ実験を6回繰り返し、統計解析を行った。統計解析は、対照スライスと比較して、一元配置分散分析法(One-way ANOVA)およびニューマンケウルス法によって(**p<0.01)、ジメチルスルホキシド(DMSO)30分間処置後(陰性対象)コカイン塩酸塩 2分処理のスライス、およびFTY720P 30分間処理後コカイン塩酸塩2分間処理のスライスと比較して、二元配置分散分析法(two-way ANOVA)およびボンフェローニ法を用いて行った(*p<0.01)。
FTY720Pを前投与した線条体スライスにおいて、コカインにより誘発されるDARPP−32 T34リン酸化が有意に抑制された(図2AおよびB)。この結果より、FTY720Pは、コカインにより誘発されるドーパミンシグナル伝達の活性化を抑制することが示される。
実験手法
1日目および2日目
測定用ケージにマウスを入れ、1時間慣らした後、生理食塩水を投与して、1時間測定用ケージに入れ、赤外線検出型自発運動測定装置(ニューロサイエンス)を用いて自発運動量を自動測定した。
3日目
測定ケージにマウスを入れ、1時間慣らした後、FTY720(Cayman Chemicalより購入)(1mg/kg)または、陰性対照として生理食塩水を腹腔内投与し、さらに30分後にコカイン塩酸塩(20mg/kg)を腹腔内投与した。自発運動量を、FTY720または生理食塩水の投与10分後から、コカイン投与50分後まで経時的に測定した(図3A)(n=12)。統計解析は、生理食塩水で前処理したマウスと比較して、二元配置分散分析法(two-way ANOVA)およびボンフェローニ法を用いて行った(**p<0.01、*p<0.05)。FTY720投与後30分間の自発運動量積算値を、生理食塩水を投与したマウスとFTY720を投与したマウスの間で比較し(図3B)、コカイン投与後50分間の自発運動量積算値を、生理食塩水を前投与したマウスとFTY720を前投与したマウスの間で比較した(図3C)。統計解析は、食塩水で前処理したマウスと比較して、独立t検定を用いて行った(**p<0.01)。
生理食塩水を前投与した対照のマウスと比較して、FTY720を前投与したマウスでは、コカイン投与により誘発される自発運動が有意に減少した(図3C)。この結果より、FTY720は、コカインにより誘発される自発運動を抑制することが示される。
実施例2と同様の方法により、マウス線条体スライスに、FTY720P(100nM)を30分間投与した後、生理食塩水投与群を陰性対照としてドーパミンD1作動薬であるSKF81297(Sigma Aldrichより購入)を1μMの濃度で10分間投与し、DARPP−32 T34リン酸化シグナルの検出および定量を行った(図4)。
FTY720Pを前投与した線条体スライスにおいて、ドーパミンD1作動薬、SKF81297により誘発されるDARPP−32 T34リン酸化が有意に抑制された(図4)。この結果より、FTY720Pは、ドーパミンD1作動薬により誘発されるドーパミンシグナル伝達の活性化を抑制することが示される。
実験手法
1日目および2日目
測定用ケージにマウスを入れ、1時間慣らした後、生理食塩水を投与して、1時間測定用ケージに入れ、赤外線検出型自発運動測定装置(ニューロサイエンス)を用いて自発運動量を自動測定した。
3日目
測定ケージにマウスを入れ、1時間慣らした後、FTY720(Cayman Chemicalより購入)(1mg/kg)または、陰性対照として生理食塩水を腹腔内投与し、さらに30分後にR(+)−SKF81297(0.7mg/kg)を腹腔内投与した。自発運動量を、FTY720または生理食塩水の投与10分後から、R(+)−SKF81297投与90分後まで経時的に測定した(図5A)(n=12)。統計解析は、生理食塩水で前処理したマウスと比較して、二元配置分散分析法(two-way ANOVA)およびボンフェローニ法を用いて行った(**p<0.01、*p<0.05)。FTY720投与後30分間の自発運動量積算値を、生理食塩水を投与したマウスとFTY720を投与したマウスの間で比較し(図5B)、R(+)−SKF81297投与後90分間の自発運動量積算値を、生理食塩水を前投与したマウスとFTY720を前投与したマウスの間で比較した(図5C)。統計解析は、食塩水で前処理したマウスと比較して、独立t検定を用いて行った(*p<0.05)。
生理食塩水を前投与した対照のマウスと比較して、FTY720を前投与したマウスでは、ドーパミンD1作動薬投与により誘発される自発運動が有意に減少した(図5C)。この結果より、FTY720は、ドーパミンD1作動薬により誘発される自発運動を抑制することが示される。
Claims (14)
- ドーパミンの過剰なシグナル伝達に伴う症状を処置または予防するための、2−アミノ−2−[2−(4−オクチルフェニル)エチル]−1,3−プロパンジオールもしくはその誘導体、またはそれらの薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物を含む医薬。
- 誘導体がリン酸エステルである、請求項1記載の医薬。
- 薬学的に許容される塩が塩酸塩である、請求項1または2記載の医薬。
- ドーパミンの過剰なシグナル伝達に伴う症状が、薬物依存およびそれに伴う離脱症状および精神的および/または身体的症状ならびに、ドーパミン補充療法により誘発される症状から選択される1以上の症状である、請求項1〜3のいずれか記載の医薬。
- ドーパミンの過剰なシグナル伝達に伴う症状が、薬物依存およびそれに伴う離脱症状および精神的および/または身体的症状から選択される1以上の症状である、請求項4記載の医薬。
- 薬物依存が、コカイン、アンフェタミン類、ナルコレプシー治療用薬剤またはADHD治療用薬剤により引き起こされる、請求項5記載の医薬。
- 薬物依存がコカインにより引き起こされる、請求項6記載の医薬。
- ドーパミン補充療法により誘発される症状が、ジスキネジア、オンオフ現象、ウェアリングオフ現象、低血圧、不整脈、悪心、呼吸障害、睡眠障害、ドーパミン調節不全症候群、幻覚、衝動性障害、不安、失見当識、錯乱および精神病から選択される1以上の症状である、請求項4記載の医薬。
- ドーパミン補充療法により誘発される症状がジスキネジアである、請求項8記載の医薬。
- ドーパミン補充療法を受ける対象が、ドーパミン反応性疾患に罹患している、請求項8または9記載の医薬。
- ドーパミン反応性疾患が、パーキンソン病、パーキンソン症、四肢静止不能症候群およびドーパミン反応性ジストニアから選択される、請求項10記載の医薬。
- ドーパミン反応性疾患が、パーキンソン病またはパーキンソン症である、請求項11記載の医薬。
- ドーパミンの過剰なシグナル伝達に伴う症状を処置または予防するための、2−アミノ−2−[2−(4−オクチルフェニル)エチル]−1,3−プロパンジオールもしくはその誘導体、またはそれらの薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物を1以上の薬学的に許容される賦形剤とともに含む、医薬組成物。
- ドーパミンの過剰なシグナル伝達に伴う症状を処置または予防するための、2−アミノ−2−[2−(4−オクチルフェニル)エチル]−1,3−プロパンジオールもしくはその誘導体、またはそれらの薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物と他の1以上の薬剤の組み合わせ剤。
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| JP2015124397 | 2015-06-22 | ||
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Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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- 2016-06-21 JP JP2016122697A patent/JP2017008044A/ja active Pending
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