JP2017008157A - ゴム組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
〔1〕 ゴム、微細セルロース繊維又はその改質物、及び可塑剤を含有してなるゴム組成物であって、該微細セルロース繊維の平均繊維径が0.1nm以上200nm以下であり、該微細セルロース繊維を構成するセルロースがカルボキシ基を有するものである、ゴム組成物。
〔2〕 下記工程(I)及び(II)を有する、前記〔1〕記載のゴム組成物の製造方法。
工程(I):可塑剤と微細セルロース繊維又はその改質物の分散液とを混合した後、溶媒の一部を除去して、微細セルロース繊維又はその改質物/可塑剤の混合物を得る工程
工程(II):前記工程(I)で得られた混合物とゴムとを混合する工程
本発明のゴム組成物は、ゴム、微細セルロース繊維又はその改質物、及び可塑剤を含有する。
本発明において使用するゴムは特に限定されないが、補強性の観点からジエン系ゴムが好ましい。ジエン系ゴムとしては、天然ゴム(NR)、ポリイソプレンゴム(IR)、ポリブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ブチルゴム(IIR)、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体ゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)及び変性ゴム等が挙げられる。変性ゴムとしては、エポキシ化天然ゴム、水素化天然ゴム、水素化ブタジエン−アクリロニトリル共重合体ゴム(HNBR)等が挙げられる。これらの中では、ゴム組成物の良好な加工性と高反発弾性を両立させる観点から、天然ゴム(NR)、ポリイソプレンゴム(IR)、ポリブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)及び変性ゴムから選ばれる1種又は2種以上が好ましく、天然ゴム(NR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)及び変性ゴムから選ばれる1種又は2種以上がより好ましい。ジエン系ゴムは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明で用いられる微細セルロース繊維又はその改質物としては、公知の微細セルロース繊維、当該微細セルロース繊維に修飾基が導入された微細セルロース繊維改質物が挙げられる。なお、本明細書において、微細セルロース繊維に修飾基が導入されているとは、微細セルロース繊維表面のカルボキシ基に修飾基がイオン結合及び/又はアミド結合によって結合している状態のことを意味する。より詳しくは、微細セルロース繊維のカルボキシ基が脱プロトン化したところに、修飾基を有するアミンがイオン結合した状態、あるいは、アミド基の炭素原子が微細セルロース繊維のセルロース骨格に共有結合し、窒素原子に直接にあるいは連結基を介して修飾基が共有結合した状態を意味する。
(平均繊維径)
本発明における微細セルロース繊維は、平均繊維径が0.1nm以上200nm以下であるが、平均繊維径が均一な繊維径を持つ微細セルロース繊維改質物を製造する観点から、好ましくは0.2nm以上、より好ましくは0.5nm以上、更に好ましくは0.8nm以上、より更に好ましくは1nm以上である。また、ゴムに含有させてゴム組成物(複合材料ともいう)とした時の機械的強度を十分に向上させると共に高温下での強度を向上する観点から、好ましくは100nm以下、より好ましくは50nm以下、更に好ましくは20nm以下、更に好ましくは10nm以下、より更に好ましくは5nm以下である。なお、本明細書において、セルロース繊維の平均繊維径は、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて測定することができ、具体的には後述の実施例に記載の方法により測定される。一般に、高等植物から調製されるセルロースナノファイバーの最小単位は6×6の分子鎖がほぼ正方形の形でパッキングされていることから、AFMによる画像で分析される高さを繊維の幅と見なすことができる。
微細セルロース繊維のカルボキシ基含有量は、安定な微細化及び修飾基導入の観点から、好ましくは0.1mmol/g以上、より好ましくは0.4mmol/g以上、更に好ましくは0.6mmol/g以上、更に好ましくは0.8mmol/g以上である。また、取り扱い性を向上させる観点から、好ましくは3mmol/g以下、より好ましくは2mmol/g以下、更に好ましくは1.8mmol/g以下である。本発明で用いられる微細セルロース繊維に、カルボキシ基含有量がかかる範囲外である微細セルロース繊維が、意図せずに不純物として含まれることもあり得る。なお、「カルボキシ基含有量」とは、微細セルロース繊維を構成するセルロース中のカルボキシ基の総量を意味し、具体的には後述の実施例に記載の方法により測定される。
微細セルロース繊維の平均アスペクト比(繊維長/繊維径)は、ゴムに含有させて複合材料とした時の機械的強度を十分に向上させる観点から、好ましくは10以上、より好ましくは20以上、更に好ましくは50以上、より更に好ましくは100以上である。また、ゴム組成物中の分散性低下に伴う機械的強度の低下を抑制する観点から、好ましくは1000以下、より好ましくは500以下、更に好ましくは400以下、より更に好ましくは350以下である。平均アスペクト比が上記範囲にある微細セルロース繊維は、ゴムに配合した際にゴム中での分散性に優れ、機械的強度が高く、脆性破壊し難いゴム組成物が得られる。なお、本明細書において、平均アスペクト比は、分散液中のセルロース繊維濃度と分散液の水に対する比粘度との関係から、下記式(1)によりセルロース繊維のアスペクト比を逆算して求める。なお、下記式(1)は、The Theory of Polymer Dynamics,M.DOI and D.F.EDWARDS,CLARENDON PRESS・OXFORD,1986,P312に記載の剛直棒状分子の粘度式(8.138)と、Lb2×ρ=M/NAの関係〔式中、Lは繊維長、bは繊維幅(セルロース繊維断面は正方形とする)、ρはセルロース繊維の濃度(kg/m3)、Mは分子量、NAはアボガドロ数を表す〕から導き出されるものである。また、上記の粘度式(8.138)において、剛直棒状分子をセルロース繊維とする。下記式(1)中、ηSPは比粘度、πは円周率、lnは自然対数、Pはアスペクト比(L/b)、γ=0.8、ρSは分散媒の密度(kg/m3)、ρ0はセルロース結晶の密度(kg/m3)、Cはセルロースの質量濃度(C=ρ/ρS)を表す。
微細セルロース繊維の結晶化度は、ゴムに含有させて複合材料とした時の機械的強度を向上させる観点から、好ましくは30%以上、より好ましくは35%以上、更に好ましくは40%以上、より更に好ましくは45%以上である。また、反応効率を向上させる観点から、好ましくは95%以下、より好ましくは90%以下、更に好ましくは85%以下、より更に好ましくは80%以下である。なお、本明細書において、セルロースの結晶化度は、X線回折法による回折強度値からSegal法により算出したセルロースI型結晶化度であり、下記計算式(A)により定義される。
セルロースI型結晶化度(%)=[(I22.6−I18.5)/I22.6]×100 (A)
〔式中、I22.6は、X線回折における格子面(002面)(回折角2θ=22.6°)の回折強度、I18.5は,アモルファス部(回折角2θ=18.5°)の回折強度を示す〕
なお、セルロースI型とは天然セルロースの結晶形のことであり、セルロースI型結晶化度とは、セルロース全体のうち結晶領域量の占める割合のことを意味する。
本発明で用いられる微細セルロース繊維の改質物は、上記の微細セルロース繊維表面に修飾基が結合しているものを示すが、これは、例えば、微細セルロース繊維表面に既に存在するカルボキシ基を選択して、修飾基を有するアミンをイオン結合及び/又はアミド結合させることにより得られる。なお、本明細書において、微細セルロース繊維の改質物のことを、微細セルロース繊維複合体と記載することもある。
修飾基を有するアミンとしては、後述の修飾基を有するものであればよく、イオン結合の場合は、第1級アミン、第2級アミン、第3級アミンのいずれでもよいが、反応性の観点から、第1級アミン又は第2級アミンが好ましく、第1級アミンがより好ましい。アミド結合の場合は、第1級アミン、第2級アミンのいずれでもよいが、反応性の観点から、第1級アミンが好ましい。
で表される化合物が挙げられる。
微細セルロース繊維複合体は、微細セルロース繊維に修飾基を導入できるのであれば、特に限定なく公知の方法に従って製造することができる。例えば、予め調製された微細セルロース繊維に修飾基を導入する反応を行ってもよいし、微細セルロース繊維を調製する際に修飾基を導入する反応を行ってもよい。なお、微細セルロース繊維は、公知の方法、例えば、特開2011−140632号公報に記載の方法により製造することができる。
〔態様A〕
工程(1):天然セルロース繊維をN−オキシル化合物存在下で酸化して、カルボキシ基含有セルロース繊維を得る工程
工程(2A):工程(1)で得られたカルボキシ基含有セルロース繊維と、修飾基を有するアミンとを混合する工程
〔態様B〕
工程(1):天然セルロース繊維をN−オキシル化合物存在下で酸化して、カルボキシ基含有セルロース繊維を得る工程
工程(2B):工程(1)で得られたカルボキシ基含有セルロース繊維と、修飾基を有するアミンとをアミド化反応させる工程
なお、前記好適な製造方法としては、工程(1)の後に後述する微細化工程を行い、カルボキシ基含有微細セルロース繊維とした後に工程(2A又は2B)を行う方法(第1の製造形態)、及び、工程(1)の後に工程(2A又は2B)を行い、その後に微細化工程を行う方法(第2の製造形態)が挙げられる。
工程(1)は、天然セルロース繊維をN−オキシル化合物存在下で酸化して、カルボキシ基含有セルロース繊維を得る工程である。
次に、上記天然セルロース繊維を、N−オキシル化合物の存在下で酸化処理して、カルボキシ基含有セルロース繊維を得る(以下、単に「酸化処理」と称する場合がある)。
前記酸化反応で得られるカルボキシ基含有セルロース繊維は、触媒として用いるTEMPO等のN−オキシル化合物や副生塩を含む。そのまま次工程を行ってもよいが、精製を行って純度の高いカルボキシ基含有セルロース繊維を得ることもできる。精製方法としては、酸化反応における溶媒の種類、生成物の酸化の程度、精製の程度により最適な方法を採用することができる。例えば、良溶媒として水、貧溶媒としてメタノール、エタノール、アセトン等を用いた再沈殿、ヘキサン等の水と相分離する溶媒へのTEMPO等の抽出、及び塩のイオン交換、透析等による精製等が挙げられる。
第1の製造形態では、前記精製工程後、工程(1)で得られたカルボキシ基含有セルロース繊維を微細化する工程を行う。微細化工程では、前記精製工程を経たカルボキシ基含有セルロース繊維を溶媒中に分散させ、微細化処理を行うことが好ましい。この微細化工程を行うことにより、平均繊維径が前記範囲にある微細セルロース繊維が得られる。
第1の製造形態において、工程(2A)は、前記微細化工程を経て得られたカルボキシ基含有微細セルロース繊維と、修飾基を有するアミンとを混合して、微細セルロース繊維複合体を得る工程である。具体的には、前記カルボキシ基含有微細セルロース繊維と、修飾基を有するアミンとを溶媒中で混合する。
第1の製造形態において、工程(2B)は、前記微細化工程を経て得られたカルボキシ基含有微細セルロース繊維と、修飾基を有するアミンとをアミド化反応させて、微細セルロース繊維複合体を得る工程である。前記混合方法としては、原料が反応する程度のものであれば特に問題なく、具体的には、前記原料を縮合剤の存在下で混合し、カルボキシ基含有微細セルロース繊維に含有されるカルボキシ基と、修飾基を有するアミンのアミノ基とを縮合反応させてアミド結合を形成する。
可塑剤としては、特に限定されず、一般のゴム組成物に用いられる可塑剤が挙げられる。例えば、フタル酸誘導体、イソフタル酸誘導体、テトラヒドロフタル酸誘導体、アジピン酸誘導体、アゼライン酸誘導体、セバシン酸誘導体、ドデカン−2−酸誘導体、マレイン酸誘導体、フマル酸誘導体、トリメリット酸誘導体、ピロメリット酸誘導体、クエン酸誘導体、イタコン酸誘導体、オレイン酸誘導体、リシノール酸誘導体、ステアリン酸誘導体、スルホン酸誘導体、リン酸誘導体、グルタール酸誘導体、グリコール誘導体、グリセリン誘導体、パラフィン誘導体、ポリエステル誘導体、エポキシ誘導体、ポリエーテル誘導体等が挙げられる。好ましくは、ポリエーテルエステル系可塑剤、フタル酸エステル系可塑剤、アジピン酸エステル系可塑剤、トリメリット酸エステル系可塑剤、セバシン酸エステル系可塑剤、リン酸エステル系可塑剤などが挙げられる。具体例としては、セバシン酸ジ2−エチルヘキシル、ジ−(2−エチルヘキシル)アジペート、トリクレジルホスフェート、ジ−(2−エチルヘキシル)フタレートなどが挙げられる。可塑剤は、単一種だけを用いてもよく、また、複数種を組み合わせて用いてもよい。
本発明のゴム組成物には、本発明の目的が損なわれない範囲で、所望により、ゴム工業界で通常用いられる補強用充填材、加硫剤、加硫促進剤、加硫遅延剤、老化防止剤、プロセスオイル、植物油脂、スコーチ防止剤、亜鉛華、ステアリン酸、酸化マグネシウム、ワックス等のタイヤ用、その他一般ゴム用に配合されている各種添加剤を従来の一般的な量で配合させることができる。
工程(I):可塑剤と微細セルロース繊維又はその改質物の分散液とを混合した後、溶媒の一部を除去して、微細セルロース繊維又はその改質物/可塑剤の混合物を得る工程
工程(II):前記工程(I)で得られた混合物とゴムとを混合する工程
微細セルロース繊維に水を加えて、その濃度が0.0001質量%の分散液を調製し、該分散液をマイカ(雲母)上に滴下して乾燥したものを観察試料として、原子間力顕微鏡(AFM、Nanoscope III Tapping mode AFM、Digital instrument社製、プローブはナノセンサーズ社製Point Probe (NCH)を使用)を用いて、該観察試料中のセルロース繊維の繊維高さを測定する。その際、該セルロース繊維が確認できる顕微鏡画像において、微細セルロース繊維を5本以上抽出し、それらの繊維高さから平均繊維径を算出する。
乾燥質量0.5gの微細セルロース繊維又は微細セルロース繊維複合体を100mLビーカーにとり、イオン交換水もしくはメタノール/水=2/1の混合溶媒を加えて全体で55mLとし、そこに0.01M塩化ナトリウム水溶液5mLを加えて分散液を調製し、微細セルロース繊維又は微細セルロース繊維複合体が十分に分散するまで該分散液を攪拌する。この分散液に0.1M塩酸を加えてpHを2.5〜3に調整し、自動滴定装置(東亜ディーケーケー社製、商品名「AUT−50」)を用い、0.05M水酸化ナトリウム水溶液を待ち時間60秒の条件で該分散液に滴下し、1分ごとの電導度及びpHの値を測定し、pH11程度になるまで測定を続け、電導度曲線を得る。この電導度曲線から、水酸化ナトリウム滴定量を求め、次式により、微細セルロース繊維又は微細セルロース繊維複合体のカルボキシ基含有量を算出する。
カルボキシ基含有量(mmol/g)=水酸化ナトリウム滴定量×水酸化ナトリウム水溶液濃度(0.05M)/セルロース繊維の質量(0.5g)
針葉樹の漂白クラフトパルプ(フレッチャー チャレンジ カナダ社製、商品名「Machenzie」、CSF650ml)を天然セルロース繊維として用いた。TEMPOとしては、市販品(ALDRICH社製、Free radical、98質量%)を用いた。次亜塩素酸ナトリウムとしては、市販品(和光純薬工業社製)を用いた。臭化ナトリウムとしては、市販品(和光純薬工業社製)を用いた。
ビーカーに微細セルロース繊維の調製例1で得られたカルボキシ基含有微細セルロース繊維分散液4088.75g(固形分濃度1.3質量%)及びイオン交換水4085gを加え0.5質量%の水溶液とし、メカニカルスターラーにて室温下(25℃)、30分攪拌した。続いて1M塩酸水溶液を245g仕込み室温下、1時間反応させた。反応終了後、アセトンで再沈し、ろ過、その後、アセトン/イオン交換水にて洗浄を行い、塩酸及び塩を除去した。最後にアセトンを加えろ過し、アセトンにカルボキシ基含有微細セルロース繊維が膨潤した状態のアセトン含有酸型セルロース繊維分散液(固形分濃度5.0質量%)を得た。反応終了後、ろ過し、その後、イオン交換水にて洗浄を行い、塩酸及び塩を除去した。アセトンで溶媒置換した後、ジメチルホルムアミド(DMF)で溶媒置換し、カルボキシ基含有微細セルロース繊維が膨潤した状態のDMF含有酸型セルロース繊維分散液(固形分濃度5.0質量%)を得た。この微細セルロース繊維の平均繊維径は3.3nm、カルボキシ基含有量は1.4mmol/gであった。
プロピレングリコール第三級ブチルエーテル132g(1モル)を1Lのオートクレーブに仕込み、75℃に加熱し、フレーク状の水酸化カリウム1.2gを加え、溶解するまで攪拌した。次いで、表1に示す量のエチレンオキシド(EO)とプロピレンオキシド(PO)を110℃で0.34MPaにて反応させた後、Magnesol 30/40(ケイ酸マグネシウム、ダラスグループ社製)7.14gを投入して95℃で中和し、得られた生成物をジ第三級ブチル−p−クレゾール 0.16gを添加、混合した後、濾過して、EO/PO共重合体であるポリエーテルを得た。
44〔EO分子量(44.03)×EO付加モル数(1)〕+522〔PO分子量(58.04)×PO付加モル数(9)〕+58.04〔出発原料中のPO部分分子量(プロピレングリコール)〕=624
を四捨五入して600と算出した。
マグネティックスターラー、攪拌子を備えたビーカーに、微細セルロース繊維の調製例2で得られたカルボキシ基含有微細セルロース繊維分散液35g(固形分濃度5.0質量%)を仕込んだ。続いて、表2に示す種類のアミンを表2に示すアミン基量に相当する量、縮合剤である4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロライド(DMT−MM)を微細セルロース繊維のカルボキシ基1molに対して2.2〜4molに相当する量、N−メチルモルホリン(NMM)を微細セルロース繊維のカルボキシ基1molに対して1.2〜3molに相当する量をそれぞれ仕込み、DMF300g中に溶解させ、反応液を室温(25℃)で14時間反応させた。反応終了後ろ過し、イオン交換水にて洗浄、DMT−MM塩を除去し、アセトンで洗浄及び溶媒置換することで、微細セルロース繊維に、表2に示す種類のアミンがアミド結合を介して連結した微細セルロース繊維複合体を得た。なお、EOPOアミン以外のアミン(C3アミン:プロピルアミン、C12アミン:ドデシルアミン、C18アミン:オクタデシルアミン)は市販品を購入して用いた。
マグネティックスターラー、攪拌子を備えたビーカーに、微細セルロース繊維の調製例2で得られたカルボキシ基含有微細セルロース繊維分散液35g(固形分濃度5.0質量%)を仕込んだ。続いて、表2に示す種類のアミンを表2に示すアミン基量に相当する量を仕込み、イオン交換水300g中に溶解させ、反応液を室温(25℃)で14時間反応させた。反応終了後ろ過し、イオン交換水にて洗浄、アセトンで洗浄及び溶媒置換することで、微細セルロース繊維に、表2に示す種類のアミンがイオン結合を介して連結した微細セルロース繊維複合体を得た。
<アミド結合によるフェニル基修飾>
マグネティックスターラー、攪拌子を備えたビーカーに、微細セルロース繊維の調製例2で得られたカルボキシ基含有微細セルロース繊維分散液35g(固形分濃度5.0質量%)を仕込んだ。続いて、アニリンを表2に示すアミン基量に相当する量、縮合剤であるDMT−MMを微細セルロース繊維のカルボキシ基1molに対して2.5molに相当する量、NMMを微細セルロース繊維のカルボキシ基1molに対して1.4molに相当する量をそれぞれ仕込み、DMF300g中に溶解させ、反応液を室温(25℃)で14時間反応させた。反応終了後ろ過し、イオン交換水にて洗浄、DMT−MM塩を除去し、アセトンで洗浄及び溶媒置換することで、微細セルロース繊維に、フェニル基がアミド結合を介して連結した微細セルロース繊維複合体を得た。
<イオン結合によるEO/PO共重合部修飾>
得られた微細セルロース繊維複合体分散液10g(固形分濃度5.0質量%)に対し、表2に示すEOPOアミンを表2に示すアミン基量に相当する量を仕込み、イオン交換水100g中に溶解させ、反応液を室温(25℃)で14時間反応させた。反応終了後ろ過し、イオン交換水にて洗浄、アセトンで洗浄及び溶媒置換することで、微細セルロース繊維に、アミド結合を介してフェニル基と、イオン結合を介してEO/PO共重合部がそれぞれ連結した微細セルロース繊維複合体を得た。
<可塑剤と微細セルロース繊維又はその改質物の混合物の製造>
微細セルロース繊維複合体の製造例1〜3で製造した微細セルロース繊維複合体の分散液、又は、微細セルロース繊維の調製例2で製造した微細セルロース繊維の分散液に、可塑剤(セバシン酸ジ2−エチルヘキシル、田岡化学工業社製)を表2に示す配合量となるよう添加して超音波ホモジナイザー(US−300E、日本精機製作所社製)にて2分間攪拌後、高圧ホモジナイザー(スギノマシン社製、スターバーストラボ HJP−2 5005)にて100MPaで2パス、150MPaで1パス微細処理させた(25℃)。該均一混合物をガラスシャーレに注ぎ、2日間40℃で真空乾燥を行い、可塑剤と微細セルロース繊維又はその改質物の混合物を製造した。
ゴム成分100質量部に対して、上記で得られた可塑剤と微細セルロース繊維又はその改質物の混合物に表2に示す添加剤を表2の配合処方に従って配合して混合したものを添加し、通常のバンバリーミキサーを用いて混練し、ゴム組成物を調製した。
〔ゴム〕
クロロプレンゴム:デンカクロロプレンDCR−36、電気化学工業社製
天然ゴム(NR):RSS#3、竹原ゴム加工社製
〔可塑剤〕
可塑剤:セバシン酸ジ2−エチルヘキシル、DOS、田岡化学工業社製
〔添加剤〕
亜鉛華:酸化亜鉛、亜鉛華3号、三井金属鉱業社製
ステアリン酸:工業用ステアリン酸、花王社製
酸化マグネシウム:キョーワマグ150、協和化学工業社製
ワックス:ミクロクリスタリンワックス、精工化学社製
老化防止剤:アンチゲン6C、住友化学社製
硫黄:加硫剤、5%オイル処理硫黄、細井化学工業社製
ノクセラーTS:加硫促進剤、大内新興化学工業社製
サンセラーDM−G:加硫促進剤、三新化学工業社製
加硫遅延剤:リターダーCTP、東レ・ファインケミカル社製
(加硫ゴムの作製)各ゴム組成物を20cm×20cmの金型に充填後、150℃にて30分加熱して加硫ゴムを調製した。
動的粘弾性装置(SII社製、商品名「DMS6100」)を用いて、幅5mm、長さ20mmの短冊型サンプルを、窒素雰囲気下、周波数1Hzで、−50℃から150℃まで、1分間に2℃の割合で温度を上昇させて、引張モードで計測した。貯蔵弾性率(E’)は100℃と20℃の値を用いた。貯蔵弾性率の値が大きいほど機械的強度に優れることを示し、20℃の数値は好ましくは70MPa以上であることが機械的強度に優れ、また、100℃の数値は好ましくは8.2MPa以上である場合に高温下での強度が維持されていることを示す。
引張圧縮試験機(SHIMADZU社製、商品名「Autograph AGS−X」)を用いて、JIS K7113に準拠して、成形体の破断伸度引張試験によって測定した。2号ダンベルで打ち抜いたサンプルを支点間距離80mmでセットし、クロスヘッド速度10mm/minで測定した。破断伸度が50%以上の場合に伸縮性に優れていることを示し、その値がより高い方が伸縮性に優れていることを示す。
Claims (5)
- ゴム、微細セルロース繊維又はその改質物、及び可塑剤を含有してなるゴム組成物であって、該微細セルロース繊維の平均繊維径が0.1nm以上200nm以下であり、該微細セルロース繊維を構成するセルロースがカルボキシ基を有するものである、ゴム組成物。
- 微細セルロース繊維の改質物が、微細セルロース繊維のカルボキシ基に炭化水素基又はエチレンオキサイド/プロピレンオキサイド(EO/PO)共重合部が導入されたものである、請求項1記載のゴム組成物。
- 炭化水素基又はエチレンオキサイド/プロピレンオキサイド(EO/PO)共重合部の導入がアミド結合及び/又はイオン結合を介したものである、請求項2記載のゴム組成物。
- 微細セルロース繊維又はその改質物の含有量が、ゴム100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下である、請求項1〜3いずれか記載のゴム組成物。
- 下記工程(I)及び(II)を有する、請求項1〜4いずれか記載のゴム組成物の製造方法。
工程(I):可塑剤と微細セルロース繊維又はその改質物の分散液とを混合した後、溶媒の一部を除去して、微細セルロース繊維又はその改質物/可塑剤の混合物を得る工程
工程(II):前記工程(I)で得られた混合物とゴムとを混合する工程
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