JP2017009122A - 軸受装置およびポンプならびに軸受装置の組立方法および排油溝位置調整方法 - Google Patents

軸受装置およびポンプならびに軸受装置の組立方法および排油溝位置調整方法 Download PDF

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Abstract

【課題】使用条件により変化する回転軸に加わる荷重の方向に応じて、給油溝と排油溝との位置を調整できると共に、簡便な構成で安価な軸受装置を提供する。
【解決手段】軸受部材11が軸受ハウジング12内に設けられ、回転軸5が軸受部材11に挿通され、軸受部材11に、潤滑油18を回転軸5と軸受部材11との間に供給する給油孔19a,19bと、潤滑油18を回転軸5と軸受部材11との間から排出する排油孔21とが設けられ、軸受部材11に、給油孔19a,19bに連通する給油溝23と、排油孔21に連通する排油溝24とが形成され、軸受部材11は、軸受ハウジング12に対して、回転軸5の周方向へ回動自在であり、軸受部材11を周方向において軸受ハウジング12に位置決めする位置決め手段32が設けられている。
【選択図】図2

Description

本発明は、ポンプ等に用いられる軸受装置、および、軸受装置を備えたポンプ、ならびに、軸受装置の組立方法および排油溝位置調整方法に関する。
従来、この種の軸受装置としては、例えば図18に示すように、荷重点の垂直面からの偏位量に応じて、軸受101の分割面102を水平面に対して偏位方向と同方向に傾斜させたジャーナル軸受103が開示されている。これにより、給油溝104と排油溝105とを最適な位置に設けることができる。尚、このようなジャーナル軸受103は例えば下記特許文献1に記載されている。
特開平2−159411 特開平8−128441
しかしながら上記の従来形式では、回転軸106に加わる荷重Fが特定の方向Sである場合を想定しており、従って、同じポンプを異なる回転数で使用する場合や配管の圧損の変化又は水槽の水位の変化等のポンプの使用条件の変化によって荷重Fが特定の方向Sとは異なった他の方向に加わる場合、上記の従来例では十分に対応し切れないといった問題がある。
これに対し、上記特許文献2には、図19に示すように、軸受メタル111をピニオン112により回動して、給油ポケット113の位置を調節可能とする構成が開示されている。この場合、軸受メタル111を回動自在に支持するための支持部材(ベアリング等:図示無し)やピニオン112を回転駆動するためのモータ114等が必要となり、さらには、軸受メタル111の外周に、ピニオン112に歯合する複数の歯を形成する必要があるため、構成が非常に複雑になりコストアップするといった問題がある。
本発明は、使用条件により変化する回転軸に加わる荷重の方向に応じて、給油溝と排油溝との位置を調整できると共に、簡便な構成で安価な軸受装置およびポンプならびに軸受装置の組立方法および排油溝位置調整方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本第1発明は、軸孔を有する軸受部材が軸受ハウジング内に設けられ、
回転軸が軸受部材の軸孔に挿通されて支持される軸受装置であって、
軸受部材に、潤滑油を回転軸と軸受部材との間に供給する給油孔と、潤滑油を回転軸と軸受部材との間から排出する排油孔とが設けられ、
軸受部材の内周面に、給油孔に連通する給油溝と、排油孔に連通する排油溝とが形成され、
軸受部材は、軸受ハウジングに対して、回転軸の周方向へ回動自在であり、
軸受部材を周方向において軸受ハウジングに位置決めする位置決め手段が設けられているものである。
これによると、回転軸に加わる荷重の方向を予め想定し、この荷重の方向に応じて、軸受部材を回転軸の周方向へ回動することにより、容易に、給油溝と排油溝とを最適な位置にすることができる。また、その後、給油溝と排油溝との位置を容易に変更することも可能となる。
この際、位置決め手段で軸受部材を軸受ハウジングに位置決めすることにより、軸受部材が不用意に回動することはなく、給油溝と排油溝との位置が最適な位置からずれることはない。
本第2発明における軸受装置は、位置決め手段は、排油溝を、周方向において、使用条件に応じた最適な位置に位置決めするものである。
本第3発明における軸受装置は、排油溝は、位置決め手段によって、回転軸と軸受部材との間に形成される油膜を寸断しない位置に位置決めされているものである。
本第4発明における軸受装置は、位置決め手段は、回転自在な軸受部材に後付けされることにより、軸受部材の回動を防止して軸受部材を最適な位置に固定するものである。
本第5発明における軸受装置は、軸受部材の外周面と軸受ハウジングの内周面との間には、供給用周溝が全周にわたり形成され、
給油孔が供給用周溝に連通しているものである。
本第6発明における軸受装置は、軸受部材の外周面と軸受ハウジングの内周面との間には、排出用周溝が全周にわたり形成され、
排油孔が排出用周溝に連通しているものである。
本第7発明における軸受装置は、位置決め手段はピンであり、
ピンが、回転軸の周方向において、軸受部材と軸受ハウジングとに係合するものである。
これによると、ピンで軸受部材を軸受ハウジングに位置決めすることができるため、軸受装置の構成が簡便化され、安価になる。
本第8発明における軸受装置は、ピンの一端部が係合可能な第1係合部を、軸受部材の周方向における複数箇所に設け、
ピンの他端部が係合可能な第2係合部を、軸受ハウジングに設け、
ピンの一端部が第1係合部のいずれかに係合するとともに他端部が第2係合部に係合するものである。
これによると、ピンの一端部を第1係合部に係合し、ピンの他端部を第2係合部に係合することにより、ピンを介して軸受部材を軸受ハウジングに位置決めすることができる。この際、回転軸に加わる荷重の方向に応じて、複数の第1係合部のうちから最適な位置にある第1係合部を選択することにより、荷重の方向が異なった場合でも、給油溝と排油溝とを最適な位置に調整することができる。
本第9発明における軸受装置は、位置決め手段は軸受部材の軸受ハウジングによる締り嵌めであるものである。
これによると、軸受部材を軸受ハウジングによって締り嵌めすることで、軸受部材が軸受ハウジング内に位置決めされるため、例えばピン等で位置決めする場合よりも細かく軸受部材の角度調整を行うことができ、また、軸受装置の構成が簡便化され、安価になる。
本第10発明は、上記第1発明から第9発明のいずれか1項に記載の軸受装置によって回転軸が支持されていることを特徴とするポンプである。
本第11発明は、軸孔を有する分割可能な軸受部材が分割可能な軸受ハウジング内の嵌込部に設けられ、
回転軸が軸受部材の軸孔に挿通されて支持され、
軸受部材に、潤滑油を回転軸と軸受部材との間に供給する給油孔と、潤滑油を回転軸と軸受部材との間から排出する排油孔とが設けられ、
軸受部材の内周面に、給油孔に連通する給油溝と、排油孔に連通する排油溝とが形成された軸受装置の組立方法であって、
軸受ハウジングを一方および他方のハウジング部に分割し、
軸受部材を一方および他方の軸受片に分割し、
一方の軸受片を、回転軸の周方向へ回動して、回転軸と一方のハウジング部内の嵌込部との間に嵌め込み、
他方の軸受片を一方の軸受片に接合して軸受部材を組立てることにより、軸受部材を回転軸に外嵌し、
排油溝が使用条件に応じた最適な位置になるように、軸受部材を回転軸の周方向へ回動して位置決め手段により位置決めし、
他方のハウジング部を一方のハウジング部に接合して軸受ハウジングを組立てるものである。
これによると、軸受装置を組み立てる際、予め想定された回転軸に加わる荷重の方向に応じて、容易に、給油溝と排油溝とを最適な位置に調整することができる。
本第12発明は、軸孔を有する軸受部材が軸受ハウジング内に設けられ、
回転軸が軸受部材の軸孔に挿通されて支持され、
軸受部材に、潤滑油を回転軸と軸受部材との間から排出する排油溝が設けられ、
軸受部材は、軸受ハウジングに対して、回転軸の周方向へ回動自在であり、
軸受部材を周方向において軸受ハウジングに位置決めする位置決め手段が設けられている軸受装置を有するポンプにおける排油溝位置調整方法であって、
回転軸を有する回転体の重量から求められる鉛直方向の荷重と、ポンプの計画運転点から求められる吐出反力とを合成して、運転時に回転体に作用する運転荷重の方向を求め、
回転軸の軸心を通る鉛直方向の直線から運転荷重の方向までの運転荷重角度と、運転荷重の方向から回転軸と軸受部材との間の油膜厚さが最小となる最小油膜厚さの位置までの最小油膜角度と、吐出反力変動角度とを求め、
軸受部材を回転軸の周方向へ回動して、回転軸の回転方向における鉛直方向の直線から排油溝までの角度が運転荷重角度と最小油膜角度と吐出反力変動角度とを足し合わせた角度になるように排油溝を位置させ、
この位置で軸受部材を位置決め手段により固定するものである。
これによると、鉛直方向の直線から排油溝までの角度が運転荷重角度と最小油膜角度と吐出反力変動角度とを足し合わせた角度になることにより、回転軸と軸受部材との間に形成される油膜の圧力分布が軸受部材の排油溝で寸断されるのを防止することができる。これにより、油膜の最高圧力を低く抑えて油膜の厚さを十分に確保し、油膜を軸受部材と回転軸との間に確実に介在させることができ、薄くなった油膜が排油溝などにより途切れて回転軸が軸受部材に直接接触してしまうのを防止することができる。
以上のように本発明によると、回転軸に加わる荷重の方向に応じて、軸受装置の給油溝と排油溝との位置を調整できると共に、軸受装置を簡便な構成で且つ安価にすることができる。
本発明の第1の実施の形態における軸受装置を備えたポンプの図である。 同、軸受装置の断面図である。 図2におけるX−X矢視図である。 同、軸受装置の軸受部材の一部切欠き正面図である。 図4におけるX−X矢視図である。 図4におけるY−Y矢視図である。 図4におけるZ−Z矢視図である。 同、軸受装置の軸受ハウジングの一部切欠き正面図である。 図8におけるX−X矢視図である。 同、軸受装置の組立方法を示す図である。 同、軸受装置の組立方法を示す図である。 同、軸受装置の組立方法を示す図である。 同、軸受装置の組立方法を示す図である。 同、軸受装置の組立方法を示す図である。 同、ポンプの吐出量を100%にしたときの軸受装置の油溝の最適な位置を示す概略図である。 同、ポンプの吐出量を100%より減らしたときの軸受装置の油溝の最適な位置を示す概略図である。 参考例として、ポンプの吐出量を100%にしたときの軸受装置の油溝の不適切な位置を示す概略図である。 従来の軸受装置の図である。 別の従来の軸受装置の図である。
本発明は、軸孔を有する軸受部材が軸受ハウジング内に設けられ、回転軸が軸受部材の軸孔に挿通されて支持される軸受装置であって、軸受部材に、潤滑油を回転軸と軸受部材との間に供給する給油孔と、潤滑油を回転軸と軸受部材との間から排出する排油孔とが設けられ、軸受部材の内周面に、給油孔に連通する給油溝と、排油孔に連通する排油溝とが形成され、軸受部材は、軸受ハウジングに対して、回転軸の周方向へ回動自在であり、
軸受部材を周方向において軸受ハウジングに位置決めする位置決め手段が設けられているものである。
これによると、回転軸に加わる荷重の方向を予め想定し、この荷重の方向に応じて、軸受部材を回転軸の周方向へ回動することにより、容易に、給油溝と排油溝とを最適な位置にすることができる。また、その後、給油溝と排油溝との位置を容易に変更することも可能となる。
この際、位置決め手段で軸受部材を軸受ハウジングに位置決めすることにより、軸受部材が不用意に回動することはなく、給油溝と排油溝との位置が最適な位置からずれることはない。
また、本発明の軸受装置は、位置決め手段はピンであり、ピンが、回転軸の周方向において、軸受部材と軸受ハウジングとに係合するものである。
これによると、ピンで軸受部材を軸受ハウジングに位置決めすることができるため、軸受装置の構成が簡便化され、安価になる。
また、本発明の軸受装置は、ピンの一端部が係合可能な第1係合部を、軸受部材の周方向における複数箇所に設け、ピンの他端部が係合可能な第2係合部を、軸受ハウジングに設けたものである。
これによると、ピンの一端部を第1係合部に係合し、ピンの他端部を第2係合部に係合することにより、ピンを介して軸受部材を軸受ハウジングに位置決めすることができる。この際、回転軸に加わる荷重の方向に応じて、複数の第1係合部のうちから最適な位置にある第1係合部を選択することにより、荷重の方向が異なった場合でも、給油溝と排油溝とを最適な位置に調整することができる。
また、本発明の軸受装置は、位置決め手段は軸受部材の軸受ハウジングによる締り嵌めであるものである。
これによると、軸受部材を軸受ハウジングによって締り嵌めすることで、軸受部材が軸受ハウジング内に位置決めされるため、例えばピン等で位置決めする場合よりも細かく軸受部材の角度調整を行うことができ、また、軸受装置の構成が簡便化され、安価になる。
また、本発明の軸受装置は、軸受部材は、回転軸を縦断する切断面によって、一方および他方の軸受片に二分割され、軸受ハウジングは、回転軸を縦断する切断面によって、一方および他方のハウジング部に二分割されているものである。
また、本発明は、上記発明のいずれかの軸受装置によって回転軸が支持されていることを特徴とするポンプである。
また、本発明は、軸孔を有する分割可能な軸受部材が分割可能な軸受ハウジング内の嵌込部に設けられ、回転軸が軸受部材の軸孔に挿通されて支持され、軸受部材に、潤滑油を回転軸と軸受部材との間に供給する給油孔と、潤滑油を回転軸と軸受部材との間から排出する排油孔とが設けられ、軸受部材の内周面に、給油孔に連通する給油溝と、排油孔に連通する排油溝とが形成された軸受装置の組立方法であって、軸受ハウジングを一方および他方のハウジング部に分割し、軸受部材を一方および他方の軸受片に分割し、一方の軸受片を、回転軸の周方向へ回動して、回転軸と一方のハウジング部内の嵌込部との間に嵌め込み、他方の軸受片を一方の軸受片に接合して軸受部材を組立てることにより、軸受部材を回転軸に外嵌し、軸受部材を回転軸の周方向へ回動して位置決め手段により位置決めし、他方のハウジング部を一方のハウジング部に接合して軸受ハウジングを組立てるものである。
これによると、軸受装置を組み立てる際、予め想定された回転軸に加わる荷重の方向に応じて、容易に、給油溝と排油溝とを最適な位置に調整することができる。
本発明は、上記発明に記載されたポンプにおける軸受装置の排油溝位置調整方法であって、回転軸を有する回転体の重量から求められる鉛直方向の荷重と、ポンプの計画運転点から求められる吐出反力とを合成して、運転時に回転体に作用する運転荷重の方向を求め、回転軸の軸心を通る鉛直方向の直線から運転荷重の方向までの運転荷重角度と、運転荷重の方向から回転軸と軸受部材との間の油膜厚さが最小となる最小油膜厚さの位置までの最小油膜角度と、吐出反力変動角度とを求め、軸受部材を回転軸の周方向へ回動して、回転軸の回転方向における鉛直方向の直線から排油溝までの角度が運転荷重角度と最小油膜角度と吐出反力変動角度とを足し合わせた角度になるように排油溝を位置させ、この位置で軸受部材を位置決め手段により固定するものである。
これによると、鉛直方向の直線から排油溝までの角度が運転荷重角度と最小油膜角度と吐出反力変動角度とを足し合わせた角度になることにより、回転軸と軸受部材との間に形成される油膜の圧力分布が軸受部材の排油溝で寸断されるのを防止することができる。これにより、油膜の最高圧力を低く抑えて油膜の厚さを十分に確保し、油膜を軸受部材と回転軸との間に確実に介在させることができ、薄くなった油膜が排油溝などにより途切れて回転軸が軸受部材に直接接触してしまうのを防止することができる。
以下、上記本発明における実施の形態を、図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態では、図1に示すように、1は横軸多段式のポンプであり、吐出口2側には、吐出流量を調節する流量調節弁3が接続されている。また、ポンプ1は、ケーシング4内において横方向に配設された回転軸5と一体的に回転自在な羽根車6と、回転軸5を支持する滑り軸受装置7とを有している。尚、回転軸5と羽根車6とで回転体8が構成されている。
滑り軸受装置7は以下のような構成を有している。
図2,図3に示すように、滑り軸受装置7は、軸孔10を有する軸受部材11と、軸受ハウジング12とを有している。回転軸5は、軸本体5aと、軸受箇所において軸本体5aに外嵌された円筒状のスリーブ5bとを有しており、スリーブ5bの取付部分が軸受部材11の軸孔10に挿通されて支持される。
軸受ハウジング12はポンプ1のケーシング4に着脱自在に取り付けられている。軸受ハウジング12内には、回転軸5の軸心方向Aにおける両端面に開口する嵌込孔14(嵌込部の一例)が形成されている。軸受部材11は、嵌込孔14に嵌め込まれて、軸受ハウジング12内に設けられている。
図4〜図7に示すように、軸受部材11は、円環状の軸受バックメタル16と、軸受バックメタル16の内周に設けられた軸受メタル17とを有している。軸受部材11の外周面と嵌込孔14の内周面とはそれぞれ同径の球面状に形成されている。
図2,図4に示すように、軸受部材11には、潤滑油18を回転軸5のスリーブ5bの外周面と軸受部材11の内周面との間に供給する二本(複数本)の給油孔19a,19bと、潤滑油18をスリーブ5bの外周面と軸受部材11の内周面との間から排出する一本(単数本)の排油孔21とが形成されている。
給油孔19a,19bと排油孔21とは、回転軸5の周方向Bにおいて180°振り分けられた位置に形成されている。また、軸心方向Aにおいて、両給油孔19a,19bは軸受部材11の両端部に位置し、排油孔21は両給油孔19a,19b間に位置している。
図4,図6,図7に示すように、軸受部材11の内周面には、軸心方向Aに細長い給油溝23と排油溝24とが形成されている。一方の給油孔19aの一端部は給油溝23の一端部に開口している。また、図2,図5に示すように、一方の給油孔19aの他端部は、軸受部材11の外周面に全周にわたり形成された一方の供給用周溝26aに開口している。同様に、他方の給油孔19bの一端部は給油溝23の他端部に開口している。また、他方の給油孔19bの他端部は、軸受部材11の外周面に全周にわたり形成された他方の供給用周溝26bに開口している。
図2,図8,図9に示すように、軸受ハウジング12には、一方の供給用周溝26aに連通する一方の給油通路27aと、他方の供給用周溝26bに連通する他方の給油通路27bとが形成されている。尚、これら給油通路27a,27bには、給油用ポンプ等を用いて潤滑油18を軸受装置7に供給する給油用配管等(図示省略)が接続されている。
また、軸受ハウジング12の嵌込孔14の内周面には、排出用周溝29が全周にわたり形成されている。尚、排油孔21の一端部は排油溝24の中央部に開口し、排油孔21の他端部は排出用周溝29に開口している。さらに、軸受ハウジング12には、排出用周溝29に連通する排油通路30が形成されている。尚、排油通路30には、軸受装置7から排出された潤滑油18を回収する回収用配管等(図示省略)が接続されている。
図3に示すように、軸受部材11は、軸受ハウジング12に対して、周方向Bへ回動自在である。また、軸受ハウジング12内には、軸受部材11を周方向Bにおいて軸受ハウジング12に位置決めするピン32(位置決め手段の一例)が設けられている。
図4,図5に示すように、軸受部材11の外周部には、複数の係合孔34(第1係合部の一例)が周方向Bにおける複数箇所に所定角度おきに形成されている。図3,図8,図9に示すように、軸受ハウジング12の嵌込孔14の内周には、径方向外向きに窪んだ係合凹部35(第2係合部の一例)が形成されている。ピン32の一端部が係合孔34に挿入されると共に他端部が係合凹部35に嵌まり込むことにより、ピン32は、周方向Bにおいて軸受部材11と軸受ハウジング12とに係合し、軸受部材11の周方向Bへの回動を防止し、位置決めの役割を果たす。
図4,図6,図7に示すように、軸受部材11は、軸心方向Aに沿って回転軸5を縦断する切断面によって、一方および他方の軸受片11a,11bに二分割されている。これら両軸受片11a,11bは、複数のねじ37(接合具の一例)によって、分割可能に接合されている。
また、図8に示すように、軸受ハウジング12は、軸受部材11と同様に、軸心方向Aに沿って回転軸5を縦断する切断面によって、一方および他方のハウジング部12a,12bに二分割されている。これら両ハウジング部12a,12bは、複数のボルト38(接合具の一例)によって、分割可能に接合されている。
以下、上記構成における作用を説明する。
ポンプ1を運転して回転軸5が回転している際、図2に示すように、潤滑油18は、両給油通路27a,27bから両供給用周溝26a,26bを経て両給油孔19a,19bを流れ、両給油孔19a,19bから給油溝23に流入し、給油溝23からスリーブ5bの外周面と軸受部材11の内周面との間に供給される。
また、スリーブ5bの外周面と軸受部材11の内周面との間の潤滑油18は、排油溝24に集められ、排油溝24から排油孔21を通って排出用周溝29に流入し、排出用周溝29から排油通路30を通って軸受装置7から排出される。これにより、スリーブ5bの外周面と軸受部材11の内周面との間に潤滑油18の油膜が形成される。
この際、図3に示すように、ピン32の一端部がいずれかの係合孔34に挿入されると共に他端部が係合凹部35に嵌まり込むことにより、ピン32は周方向Bにおいて軸受部材11と軸受ハウジング12とに係合し、これにより、軸受部材11は周方向Bにおいて軸受ハウジング12に対して位置決めされ、軸受部材11が不用意に周方向Bに回動することはなく、給油溝23と排油溝24とが最適な位置からずれることはない。
また、ピン32で軸受部材11を軸受ハウジング12に位置決めすることができるため、軸受装置7の構成が簡便化され、安価になるとともに組立も容易に行える。
以下に、軸受装置7の組立方法を説明する。
組立手順1
先ず、図10に示すように、軸受ハウジング12のいずれか一方のハウジング部12bをポンプ1のケーシング4に取り付ける。尚、この際、ケーシング4が上下二分割される構成の横軸ポンプ等の場合においては、分割した下部のケーシング側に一方のハウジング部12bを取付けると、作業性が良い。
組立手順2
次に、ねじ37を取り外して、軸受部材11を一方および他方の軸受片11a,11bに分割し、いずれか一方の軸受片11aを、回転軸5の周方向Bへ回動して、図11に示すように、回転軸5と一方のハウジング部12b内の嵌込孔14との間に嵌め込む。
組立手順3
その後、ねじ37を用いて、図12に示すように、他方の軸受片11bを一方の軸受片11aに接合する。これにより、軸受部材11が組み立てられて回転軸5に外嵌される。
組立手順4
次に、最適な位置の係合孔34にピン32の一端部を挿入し、図13に示すように、軸受部材11を回転軸5の周方向Bへ回動して、給油溝23と排油溝24の位置を最適な位置にし、ピン32の他端部を係合凹部35に嵌め込むことによって、軸受部材11を軸受ハウジング12に位置決めする。
組立手順5
その後、ボルト38を用いて、図14に示すように、他方のハウジング部12aを一方のハウジング部12bに接合し、軸受ハウジング12を組み立てることにより、軸受装置7がポンプ1に取り付けられる。
尚、ポンプ1の運転時、図1に示すように、吐出口2からの吐出量は流量調節弁3によって調節される。この際、回転軸5と羽根車6とからなる回転体8に作用する運転荷重Fの方向は、回転体8の重量から求められる鉛直方向の荷重と、ポンプ1の計画運転点の吐出量および揚程から求められる吐出反力とを合成した力の方向に相当する。
次に、軸受装置7の排油溝位置調整方法を説明する。
例えば、図15に示すように、流量調節弁3を開いてポンプ1の吐出量を100%にして使用する場合、上記のように鉛直方向の荷重と吐出反力とを合成して運転荷重Fの方向を予め求め、さらに、回転軸5の軸心を通る鉛直方向の直線Dから運転荷重Fの方向までの運転荷重角度α1を求める。
また、運転荷重Fの方向から回転軸5の外周面と軸受部材11の内周面との間の油膜厚さTが最小となる最小油膜厚さの位置P1までの最小油膜角度β1を求める。尚、この最小油膜角度β1は、流体潤滑設計に基づいて、軸受部材11の内径や幅、ジャーナルの外径、潤滑油18の比熱、密度、粘度、外部放熱量、軸受部材11の荷重、ジャーナルの回転速度などから求められる。また、運転荷重Fと油膜の最小厚さ箇所とはそれぞれ、鉛直方向の直線Dから回転軸5の回転方向Cへずれた位置に生じる。
さらに、吐出反力変動角度γ1を求める。尚、吐出反力変動角度γ1とは、ポンプ1を運転しているときの駆動機や吐出条件の変動に伴う吐出反力の変化による角度変化であり、本説明では回転軸5の回転方向Cへの変化分をγ1とする。但し、変動は正・負両方に生じるので、回転方向Cとは反対方向にも同様に−γ1の変化が発生することがあり、吐出反力変動角度の全幅としては2×γ1となる。
ここで、吐出反力変動角度は、ポンプ1の口径やプラントの構成により変るが、大き過ぎると、給油溝23の位置が油膜にかかって不具合が生じるため、一般的に5°〜15°の範囲で設定される。
上記のように運転荷重角度α1と最小油膜角度β1と吐出反力変動角度γ1とを求めた後、上記組立手順4と同様にして、軸受部材11を回転軸5の周方向Bへ回動し、回転方向Cにおける鉛直方向の直線Dから排油溝24までの角度が運転荷重角度α1と最小油膜角度β1と吐出反力変動角度γ1とを足し合わせた角度になるように、排油溝24を位置させる。
その後、上記組立手順4と同様にして、ピン32を用いて軸受部材11を軸受ハウジング12に位置決めすることにより、容易に、給油溝23と排油溝24とが最適な位置に固定される。尚、この際、予め開けておいた複数の係合孔34のうちから最適な位置の係合孔34を選択し、選択した係合孔34にピン32を挿入する。ここで、上記最適な位置の係合孔34とは、運転荷重角度α1と最小油膜角度β1とを足し合わせた角度よりも大きく、運転荷重角度α1と最小油膜角度β1と吐出反力変動角度γ1とを足し合わせた角度に一番近い位置にある係合孔34のことである。
その後、上記組立手順5と同様にして、他方のハウジング部12aを一方のハウジング部12bに接合し、軸受ハウジング12を組み立てる。
或は、図16に示すように、流量調節弁3の開度を絞ってポンプ1の吐出量を100%よりも減らして使用する場合、運転荷重Fの方向が変化し、求められる運転荷重角度、最小油膜角度、吐出反力変動角度はそれぞれ、α2,β2,γ2となる。
この場合も、上記と同様に、軸受部材11を回転軸5の周方向Bへ回動し、回転方向Cにおける鉛直方向の直線Dから排油溝24までの角度が運転荷重角度α2と最小油膜角度β2と吐出反力変動角度γ2とを足し合わせた角度になるように、排油溝24を位置させ、その後、最適な位置の係合孔34を選択し、ピン32を挿入して位置決めすることにより、給油溝23と排油溝24とを最適な位置に固定すればよい。これにより、運転荷重Fの方向が異なった場合でも、容易に給油溝23と排油溝24とを最適な位置に調整することができる。
尚、図15,図16に示すように、運転荷重Fの方向が変化しても、それに応じて鉛直方向の直線Dから排油溝24までの角度を運転荷重角度α1,α2と最小油膜角度β1,β2と吐出反力変動角度γ1,γ2とを足し合わせた角度にすることにより、回転軸5の外周面と軸受部材11の内周面との間に形成される油膜の圧力分布Gが排油溝24で寸断されるのを防止することができる。これにより、油膜の最高圧力を低く抑えて油膜の厚さTを十分に確保し、油膜を回転軸5の外周面と軸受部材11の内周面との間に確実に介在させることができ、薄くなった油膜が排油溝24などにより途切れて回転軸5の外周面が軸受部材11の内周面に直接接触するのを防止することができる。
尚、図15に対する参考例として、図17に示すように、ポンプ1の吐出量を100%にして使用する場合、鉛直方向の直線Dから排油溝24までの角度が運転荷重角度α1と最小油膜角度β1と吐出反力変動角度γ1とを足し合わせた角度よりも大幅に小さいと、油膜の圧力分布Gが排油溝24で寸断されてしまう。これにより、油膜の圧力が高くなって油膜の厚さTが薄くなり、最小油膜厚さの位置P1付近において油膜が途切れ、回転軸5の外周面が軸受部材11の内周面に直接接触する虞がある。
上記実施の形態では、図4に示すように、複数の係合孔34を45°のピッチで軸受部材11に設けているが、45°のピッチに限定されるものではなく、さらに細かいピッチ(例えば30°や15°ピッチ)であってもよい。或は、均等なピッチではなく、位置決めする可能性の高い位置(頻度の多い位置)に、細かいピッチで係合孔34を設けてもよい。
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態では、位置決め手段の一例としてピン32を用いたが、第2の実施の形態では、位置決め手段の別の例として、軸受部材11が嵌込孔14に締り嵌めによって嵌め込まれて、軸受ハウジング12内に位置決めされている。
以下、上記構成における作用を説明する。
上記組立手順4と同様にして、軸受部材11を回転軸5の周方向Bへ回動し、給油溝23と排油溝24の位置を最適な位置にした後、上記組立手順5と同様にして、他方のハウジング部12aを一方のハウジング部12bに接合し、軸受ハウジング12を組み立てる。これにより、軸受部材11が軸受ハウジング12の嵌込孔14に締り嵌めによって嵌め込まれるため、上記第1の実施の形態におけるピン32等の特別な部材を使用せずに、軸受部材11を任意の位置に位置決めすることができる。これにより、ピン32を用いる場合よりも細かく給油溝23と排油溝24の位置を決めることができるとともに、係合孔34や係合凹部35も不要になるため、軸受装置7の構成が簡便化され、安価になる。
上記各実施の形態では、図2に示すように、回転軸5は軸本体5aとスリーブ5bとを有しているが、スリーブ5bを備えていない回転軸5であってもよい。尚、この場合は、軸受部材11の内周面と軸本体5aの外周面との間に油膜が形成される。
上記各実施の形態では、図1に示すように、軸受装置7を横軸多段式のポンプ1に設けたが、横軸多段式以外の他の形式のポンプに設けてもよい。また、ポンプ1以外の、回転軸5を備えた機器に設けてもよい。
1 ポンプ
5 回転軸
7 軸受装置
8 回転体
10 軸孔
11 軸受部材
11a,11b 軸受片
12 軸受ハウジング
12a,12b ハウジング部
14 嵌込孔(嵌込部)
18 潤滑油
19a,19b 給油孔
20 排油孔
23 給油溝
24 排油溝
32 ピン(位置決め手段)
34 係合孔(第1係合部)
35 係合凹部(第2係合部)
B 周方向
C 回転方向
D 鉛直方向の直線
F 運転荷重
T 油膜厚さ
α1,α2 運転荷重角度
β1,β2 最小油膜角度
γ1,β2 吐出反力変動角度

Claims (12)

  1. 軸孔を有する軸受部材が軸受ハウジング内に設けられ、
    回転軸が軸受部材の軸孔に挿通されて支持される軸受装置であって、
    軸受部材に、潤滑油を回転軸と軸受部材との間に供給する給油孔と、潤滑油を回転軸と軸受部材との間から排出する排油孔とが設けられ、
    軸受部材の内周面に、給油孔に連通する給油溝と、排油孔に連通する排油溝とが形成され、
    軸受部材は、軸受ハウジングに対して、回転軸の周方向へ回動自在であり、
    軸受部材を周方向において軸受ハウジングに位置決めする位置決め手段が設けられていることを特徴とする軸受装置。
  2. 位置決め手段は、排油溝を、周方向において、使用条件に応じた最適な位置に位置決めすることを特徴とする請求項1記載の軸受装置。
  3. 排油溝は、位置決め手段によって、回転軸と軸受部材との間に形成される油膜を寸断しない位置に位置決めされていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の軸受装置。
  4. 位置決め手段は、回転自在な軸受部材に後付けされることにより、軸受部材の回動を防止して軸受部材を最適な位置に固定することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の軸受装置。
  5. 軸受部材の外周面と軸受ハウジングの内周面との間には、供給用周溝が全周にわたり形成され、
    給油孔が供給用周溝に連通していることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の軸受装置。
  6. 軸受部材の外周面と軸受ハウジングの内周面との間には、排出用周溝が全周にわたり形成され、
    排油孔が排出用周溝に連通していることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の軸受装置。
  7. 位置決め手段はピンであり、
    ピンが、回転軸の周方向において、軸受部材と軸受ハウジングとに係合することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の軸受装置。
  8. ピンの一端部が係合可能な第1係合部を、軸受部材の周方向における複数箇所に設け、
    ピンの他端部が係合可能な第2係合部を、軸受ハウジングに設け、
    ピンの一端部が第1係合部のいずれかに係合するとともに他端部が第2係合部に係合することを特徴とする請求項7記載の軸受装置。
  9. 位置決め手段は軸受部材の軸受ハウジングによる締り嵌めであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の軸受装置。
  10. 上記請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の軸受装置によって回転軸が支持されていることを特徴とするポンプ。
  11. 軸孔を有する分割可能な軸受部材が分割可能な軸受ハウジング内の嵌込部に設けられ、
    回転軸が軸受部材の軸孔に挿通されて支持され、
    軸受部材に、潤滑油を回転軸と軸受部材との間に供給する給油孔と、潤滑油を回転軸と軸受部材との間から排出する排油孔とが設けられ、
    軸受部材の内周面に、給油孔に連通する給油溝と、排油孔に連通する排油溝とが形成された軸受装置の組立方法であって、
    軸受ハウジングを一方および他方のハウジング部に分割し、
    軸受部材を一方および他方の軸受片に分割し、
    一方の軸受片を、回転軸の周方向へ回動して、回転軸と一方のハウジング部内の嵌込部との間に嵌め込み、
    他方の軸受片を一方の軸受片に接合して軸受部材を組立てることにより、軸受部材を回転軸に外嵌し、
    排油溝が使用条件に応じた最適な位置になるように、軸受部材を回転軸の周方向へ回動して位置決め手段により位置決めし、
    他方のハウジング部を一方のハウジング部に接合して軸受ハウジングを組立てることを特徴とする軸受装置の組立方法。
  12. 軸孔を有する軸受部材が軸受ハウジング内に設けられ、
    回転軸が軸受部材の軸孔に挿通されて支持され、
    軸受部材に、潤滑油を回転軸と軸受部材との間から排出する排油溝が設けられ、
    軸受部材は、軸受ハウジングに対して、回転軸の周方向へ回動自在であり、
    軸受部材を周方向において軸受ハウジングに位置決めする位置決め手段が設けられている軸受装置を有するポンプにおける排油溝位置調整方法であって、
    回転軸を有する回転体の重量から求められる鉛直方向の荷重と、ポンプの計画運転点から求められる吐出反力とを合成して、運転時に回転体に作用する運転荷重の方向を求め、
    回転軸の軸心を通る鉛直方向の直線から運転荷重の方向までの運転荷重角度と、運転荷重の方向から回転軸と軸受部材との間の油膜厚さが最小となる最小油膜厚さの位置までの最小油膜角度と、吐出反力変動角度とを求め、
    軸受部材を回転軸の周方向へ回動して、回転軸の回転方向における鉛直方向の直線から排油溝までの角度が運転荷重角度と最小油膜角度と吐出反力変動角度とを足し合わせた角度になるように排油溝を位置させ、
    この位置で軸受部材を位置決め手段により固定することを特徴とする軸受装置の排油溝位置調整方法。
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