JP2017009370A - 濃度センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】センサごとの補正データがなくても広い動作温度範囲において高精度の測定ができる濃度センサを提供する。
【解決手段】測定対象物質17中の赤外線の透過度合いを検出することにより測定対象物質中の特定の成分濃度を検出する濃度センサにおいて、検出用赤外線センサと補償用赤外線センサの特性バラつきによる濃度検出誤差を改善するため、第1の光学フィルタセット3と、第1の光学フィルタセットと対向する第2の光学フィルタセット4と第1、第2の赤外線光源1,2と赤外線量を検知する第1、第2の赤外線センサ9,10とを有し、第1の空間13に測定対象物質を配置し、第1の赤外線光源のみを点灯したときの第1の赤外線センサと第2の赤外線センサのそれぞれの信号値と第2の赤外線光源のみを点灯したときの第1の赤外線センサと第2の赤外線センサのそれぞれの信号値とを入力して成分濃度の値を出力する手段を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は濃度センサに関する。
気体中に含まれる特定のガス成分を検出するために、気体中を透過する赤外線の特定の波長成分が測定対象物の成分や濃度により吸収されることを利用し、透過後の赤外線のエネルギーを検出することにより、特定成分の濃度に換算する、NDIR (Non Dispersive Infrared Gas Analyzer)が知られている。NDIRにもさまざまの方式があるが、測定精度を上げるための工夫としては、異なる透過条件を設定し、その条件による透過後の赤外線量の違いを比較する方式が一般的である。
設定される透過条件の違いとしては、ガス成分の吸収波長に相当する帯域のみを透過する光学フィルタを用いる、測定対象ガスそのものを封じ込めたものを特定波長吸収フィルタとして用いるなど、異なる通過・吸収特性を持つフィルタを用意し、透過赤外線量を比較する方法がある。
例えば、特許文献1の図2(表示せず)において、試料ガスを透過した赤外線を、異なる光学フィルタを通し、それぞれの光学フィルタに対して設けられた赤外線センサで赤外線量を検出すことにより濃度を測定する原理が説明されている。
特開2007−225386号公報
ここで問題になるのは検出用赤外線センサと補償用赤外線センサの特性のばらつきである。2つの赤外線センサからの出力値の関係から濃度を決定しているのであるから、赤外線センサの特性のばらつきはそのまま測定値の誤差となって現れる。
検出用赤外線センサと補償用赤外線センサは共に濃度センサ動作時に赤外線を受けるため周囲より温度が上昇する。赤外線センサの動作温度は周囲温度から、赤外線を受けたことによる温度上昇分が上乗せされた温度となる。一般的にこれらの赤外線センサの感度は温度によって変わる、いわゆる感度特性を持つため、動作温度領域に渡っての感度較正データが必要となる。この感度較正データを得るためには、既知の濃度の気体を用いて測定を行い、その時の各赤外線センサからの出力値を記録し、個々の濃度センサごとに較正データを得る。この初期校正のための工程や濃度センサ一つ一つに対応した較正データを格納する手段などが必要となる。
このような個別の初期校正を簡易化するために、ある一点の温度でのみ初期校正を行う方法もあるが、動作温度が初期校正の温度から離れるほど、濃度センサとしての保証精度は低下する。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、検出用赤外線センサと補償用赤外線センサの特性のばらつきの影響を、動作時にその動作温度に応じて補正することが可能な構成をとることにより、センサごとの補正データがなくても広い動作温度範囲において高精度の測定ができる濃度センサを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明における濃度センサは、波長特性の異なる第1の光学フィルタと第2の光学フィルタからなる第1の光学フィルタセットと、
第1の空間を挟んで前記第1の光学フィルタセットと対向する第1の赤外線光源と
第3の光学フィルタと第4の光学フィルタからなる第2の光学フィルタセットと
第2の空間を挟んで第2の光学フィルタセットと対向する第2の赤外線光源と
第1の光学フィルタを通過した赤外線と第3の光学フィルタを透過した赤外線量を検知する第1の赤外線センサと
第2の光学フィルタを通過した赤外線と第4の光学フィルタ透過した赤外線量を検知する第2の赤外線センサと
を有し、
第1の空間に前記測定対象物質を配置し、
第1の赤外線光源のみを点灯したときの第1の赤外線センサと第2の赤外線センサのそれぞれの信号値と
第2の赤外線光源のみを点灯したときの第1の赤外線センサと第2の赤外線センサのそれぞれの信号値とを入力して成分濃度の値を出力する手段を有することを特徴とする。
第1の光学フィルタから第4の光学フィルタの4つの光学フィルタの特性の組み合わせ方としては、まず、第1の光学フィルタは第1の波長特性を有し、第2の光学フィルタは第2の波長特性を有し、第3の光学フィルタと第4の光学フィルタは同一の第3の波長特性を有し、第1の波長特性と第2の波長特性は異なるものとする。
例えば第1の特性を特定成分の濃度の影響を受ける波長特性(検出用波長特性)とし、第2と第3の特性は特定成分の濃度の影響を受けない波長特性(補償用波長特性)とする。
第1の赤外線光源のみ点灯したときは前節の説明と同様に、第1の赤外線センサ検出用赤外線センサ、第2の赤外線センサは補正用赤外線センサセンサとして機能する。
次に第2の赤外線光源のみを点灯したときは、第1の赤外線センサの第2の赤外線センサも同じ赤外線量を受け、温度も同じだけ上昇する。第1の赤外線光源のみを点灯したときの両赤外線センサの動作温度領域まで温度上昇が起これば、両赤外線センサそれぞれの信号から、その温度域における両赤外線センサの感度のばらつきが分かる。ばらつきがなければ両赤外線センサの信号値は同じ値になるはずなので、両信号値の差がその温度域でのばらつきを示すことになる。第1の赤外線光源のみ点灯したときに得られた両信号の差は特定成分の濃度を反映しているので、それに対して第2の赤外線光源を点灯したときの信号差を用いて両赤外線センサのばらつきの影響を補正する。
第1の空間と第2の空間が連結されている場合、そのそれらの空間に測定対象物質が導入されており、第1の空間と第2の空間に存在する特定成分の濃度は同じである。第1の赤外線光源から照射された赤外線は、特定成分特有の波長成分が特定成分の濃度に応じて吸収されたのち第1のフィルタセットに入射する。第2の赤外線光源から照射された赤外線も同じ濃度に応じた吸収ののち第2のフィルタセットに入射する。
第1の光学フィルタから第4の光学フィルタの4つの光学フィルタの特性の別の組み合わせ方としては、
前記第1の光学フィルタと前記第4の光学フィルタは同一の第4の波長特性を有し、
前記第2の光学フィルタと前記第3の光学フィルタは同一の第5の波長特性を有し、
前記第4の波長特性と前記第5の波長特性は異なるものとする。
例えば第4の特性を特定成分の濃度の影響を受ける波長特性(検出用波長特性)とし、第5の特性を特定成分の濃度の影響を受けない波長特性(補償用波長特性)とする
まず、第1の赤外線光源のみ点灯したときを考える。第1の赤外線センサおよび第2の赤外線センサの動作温度は共に周囲温度の上に、第1の赤外線光源からの受光による温度上昇分が加わったものになる。その動作温度において、第1の赤外線センサは検出用波長特性を持つ光学フィルタを透過した赤外線を受けるので特定成分の濃度を反映した信号を出力する検出用センサとして機能する。一方、第2の赤外線センサは、補償用波長特性を持つ光学フィルタを透過した赤外線を受けるので、特定成分の濃度に関係なく、動作温度だけを反映した信号を出力するので補正用赤外線センサとして機能する。
次に第2の赤外線光源のみを点灯したときは、第1の赤外線センサは補償用波長特性を持つ光学フィルタを透過した赤外線を受けるので、補正センサとして機能する。一方、第2の赤外線センサは検出用波長特性を持つ光学フィルタを透過した赤外線を受けるので検出用赤外線センサとして機能する。
このように、第1の赤外線光源のみを点灯したときと第2の赤外線光源のみを点灯したときでは、第1の赤外線センサと第2の赤外線センサとの役割は逆転するため、第1の赤外線光源のみを点灯したときと第2の赤外線光源のみを点灯したときのそれぞれの赤外線センサの信号値を平均することにより、素子感度ばらつきの影響を相殺できる。
本発明の濃度センサは、第1の赤外線光源と第2の赤外線光源はパルス点灯を行い、第1の赤外線センサ及び第2の赤外線センサのそれぞれにおいて、パルス点灯に同期した赤外線の変化量を信号値として用いるとよい。また、前記第1の赤外線センサと前記第2の赤外線センサは、それぞれ熱型赤外線センサであるとよい。更に、前記第1の赤外線センサと前記第2の赤外線センサは、それぞれ量子型赤外線センサであるとよい。
本発明の濃度センサによれば、第1の赤外線光源を点灯したときと第2の赤外線光源を点灯したときの、検出用赤外線センサおよび補正用赤外線センサにおける受光条件の差異から、ガス濃度を反映する信号値とそれを補正するための信号値を得ることができ、個々の濃度センサの初期校正を行なわなくても、広い動作温度範囲で高精度の濃度測定が可能となる。
本発明の第1の実施形態に係る構成図である。 本発明の第2の実施形態に係る構成図である。 本発明の第3の実施形態に係る構成図である。 2つのセンサの出力値からCO2濃度を決定する原理を示す図である。 本発明の第4の実施形態に係る構成図である。 本発明の第5の実施形態に係る構成図である。 本発明の第5の実施形態の動作を説明するタイミングチャートである。 本発明の第6の実施形態に係る構成図である。
(第1実施形態)
図1は本発明による濃度センサの係る第1実施形態の基本構造を概略的に示す図である。
本実施形態においては、測定対象物質は気体であり、気体中に含まれる特定の成分はCO2であり、気体中のCO2濃度を測定する例を説明する。
特定の成分はCO2を含有する測定対象気体17が赤外線を透過するセル101に導入される。
検出ユニット16の上面には第1の光学フィルタセット3、下面には第2の光学フィルタセット4が配置されている。
第1の光学フィルタセットは左側に第1の光学フィルタ5、右側に第2のフィルタ6が並置されている。
第1の光学フィルタ5はCO2の吸収波長帯域のみを透過する波長特性を持つ。具体的には4.2μmを中心波長とするバンドパスフィルタである。CO2を含む気体を透過した赤外線は、4.2μm近傍の波長成分がCO2の濃度に応じて吸収されてしまうため、第1の光学フィルタを通すと赤外線量が減衰する。すなわち、第1の光学フィルタは検出用波長特性(CO2の濃度を反映するための特性)をもつ。
第2の光学フィルタ5はCO2の吸収波長帯域の近傍でありがらCO2の吸収波長帯域を含まない帯域のみを透過する波長特性を持つ。具体的には3.9μmを中心波長とするバンドパスフィルタである。CO2を含む気体を透過した赤外線は、3.9μm近傍の波長成分がCO2の濃度に関係なく吸収されないため、第2の光学フィルタを通しても赤外線量は変化しない。すなわち、第2の光学フィルタは補償用波長特性(CO2の濃度の影響を受けないような特性)を持つ。
これに対し第2の光学フィルタセット4は左右に同じ波長特性を持つ第3、第4の光学フィルタが左右に並置されている。これらの光学フィルタの波長特性は前述の補償用波長特性と同じでもよい。
検出ユニット内部中央には第1の赤外線センサ9と第2の赤外線センサ10が並置されている。
第1の赤外線光源1のみが点灯すると、赤外線は第1の空間13を通過してさらに第1の光学フィルタセット3を透過する。そのうち、第1の光学フィルタ5を透過した赤外線は第1の赤外線センサ9に入射し、第2の光学フィルタ6を透過した赤外線は第2の赤外線センサ10に入射する。
従って第1の赤外線センサ9の信号はCO2濃度を反映し、第2の赤外線センサ10の信号はCO2濃度に関係しない。第1の赤外線センサ9は検出用赤外線センサとして機能し、第2の赤外線センサ10は補正用赤外線センサとして機能する。
本実施例において第1の赤外線センサ9および第2の赤外線センサ10は、赤外線吸収フィルム18の表面に設置された同じ特性の感温素子、例えばチップサーミスタであってよい。赤外線吸収フィルム18は50μm程度の厚みをもち、ポリイミドなどの高分子フィルムであり、表裏どちらからも赤外線を吸収し、上方から表面に入射した赤外線も下方から裏面に入射した赤外線も均等に吸収する構造になっている。従って、このフィルムは、第1から第4の光学フィルタのそれぞれの光学フィルタを透過した赤外線を受光して、その光学フィルタに対応した温度上昇を生じ、第1及び第2の赤外線センサはその温度に応じた信号電圧を出力する。
T°Kの温度に対して、第1の温度センサはV1(T)の信号電圧を発生し、第2の温度センサはV2(T)の信号電圧を発生するとする。
つぎに、CO2の濃度を決定する回路動作を説明する。
赤外線光源1のみが点灯すると、第1の光源のみ点灯したときの第1の赤外線センサと第2の赤外線センサの両方の温度が赤外線を受けて温度上昇するが、CO2の濃度を反映した差電圧ΔVpを発生する。
この差電圧は第2のAD変換機22によりディジタル化された数値Fpとなり、レジスタ104に記憶される。
次に第1の赤外線光源1が消灯し第2の赤外線光源2のみが点灯しているとき、
第3の光学フィルタと第4の光学フィルタは同じ波長特性であるから、第1と第2の赤外線センサは同じ温度に上昇する。従って、第1と第2の赤外線センサが両方とも感度が揃っていれば、出力電圧は等しくなり、電圧差は0となるはずである。もし電圧差が現れれば2つの赤外線の感度オフセットを反映している。AD変換機22は電圧差を数値化し、オフセット値Foを出力する。
光源1のみ点灯したとき電圧差の数値Fpはレジスタ104に蓄えられているので引き算器105によりFpからFoを差し引いた値Fqは、オフセットを補正した値となる。
オフセット電圧自体、動作温度によって変化するが、第1の光源のみ点灯したときと第2の光源のみ点灯したときの第2の赤外線センサの出力が同じになるようにすれば、第1の光源のみ点灯したときと第2の光源のみ点灯したとき第2の赤外線センサは同じ温度になるので、その動作温度でのオフセット値を補正できる。
106はオフセット0と仮定した理想的な濃度決定テーブルである。
第2の赤外線センサの出力電圧はCO2濃度には影響されず動作温度だけに影響されるので、第1のAD変換器21により、動作温度に相当する数値Fsとなる。
このFsと、CO2の濃度を反映し赤外線センサのオフセットの影響を補正された値Fqの組み合わせにより、テーブル106は濃度値を決定する。従って赤外線センサの感度オフセットの影響を補正した濃度測定値が得られる。
図1は、以上の説明に従って第1の光源1が点灯してから消灯したあと第2の光源2が点灯している時点の状態を示す。
(第2実施形態)
図2は本発明による濃度センサの係る第2実施形態の基本構造を概略的に示す図である。
第1の赤外線センサ、第2の赤外線センサの出力をそれぞれ直接AD変換して、レジスタに記憶するようにしたものであり、上記に説明した、差動増幅器の機能、引き算器の機能をすべてテーブル107の中に取り込んだものである。
つまり、第1の光源のみ点灯したときの二つの赤外線センサの出力値をレジスタ108,109記憶しておき、第2の光源のみ点灯したときの2つ赤外線センサの出力値を合わせて、濃度決定テーブル107に入力する。
レジスタ108,109の値の差は図1における差動増幅器103の差電圧に相当し、第2の光源のみ点灯したときの2つの赤外線センサの出力値から、オフセットの情報と動作温度の情報が得られるので、第1の実施例と同じ原理により、オフセットの影響を補正した濃度値を得ることができる。
AD変換器を搭載したワンチッププロセッサ110を用いるばあいに適した構成であり、回路素子の数を減らすことができ、小型化、省電力化が可能になる。
(第3実施形態)
図3は本発明による濃度センサの係る第3実施形態の基本構造を概略的に示す図である。
本実施形態においては、測定対象物質は気体であり、気体中に含まれる特定の成分はCO2であり、気体中のCO2濃度を測定する例を説明する。
気体15が赤外線を透過するセル15に導入される。セル中央部に検出ユニット16が配置されており、セル側壁との間に第1の空間13と第2の空間14が存在する。第1の空間13と第2の空間14は連結しているので気体15は両空間に均等に分布し、両空間におけるCO2の濃度も等しい。
検出ユニット16の上面には第1の光学フィルタセット3、下面には第2の光学フィルタセット4が配置されている。
第1の光学フィルタセットは左側に第1の光学フィルタ5、右側に第2の光学フィルタ6が並置されている。
第1の光学フィルタ5はCO2の吸収波長帯域のみを透過する波長特性を持つ。具体的には4.2μmを中心波長とするバンドパスフィルタである。CO2を含む気体を透過した赤外線は、4.2μm近傍の波長成分がCO2の濃度に応じて吸収されてしまうため、第1の光学フィルタを通すと赤外線量が減衰する。すなわち、第1の光学フィルタは検出用波長特性(CO2の濃度を反映するための特性)をもつ。
第2の光学フィルタ5はCO2の吸収波長帯域の近傍でありがらCO2の吸収波長帯域を含まない帯域のみを透過する波長特性を持つ。具体的には3.9μmを中心波長とするバンドパスフィルタである。CO2を含む気体を透過した赤外線は、3.9μm近傍の波長成分がCO2の濃度に関係なく吸収されないため、第2の光学フィルタを通しても赤外線量は変化しない。すなわち、第2の光学フィルタは補償用波長特性(CO2の濃度の影響を受けないような特性)を持つ。
これに対し第2の光学フィルタセット4は左側に補償用波長特性をもつ第3の光学フィルタ、右側に検出用波長特性も持つ第4の光学フィルタが左右に並置されている。つまり、第1のフィルタセットと比べて、光学フィルタの特性が左右逆になっている。
検出ユニット内部中央には第1の赤外線センサ9と第2の赤外線センサ10が並置されている。
第1の赤外線光源1のみが点灯すると、赤外線は第1空間を通過してさらに第1の光学フィルタセット3を透過する。そのうち、第1の光学フィルタ透過した赤外線は第1の赤外線センサ9に入射し、第2の光学フィルタ透過した赤外線は第2の赤外線センサ10に入射する。従って第1の赤外線センサ9の信号はCO2濃度を反映し、第2の赤外線センサ10の信号はCO2濃度に関係しない。第1の赤外線センサ9は検出用赤外線センサとして機能し、第2の赤外線センサ10は補正用赤外線センサとして機能する。
これとは逆に、第2の赤外線光源2のみが点灯する時は、第1の赤外線センサ9は補正用赤外線センサとして機能し、第2の赤外線センサ10は検出用赤外線センサとして機能する。
本実施例において第1の赤外線センサ9および第2の赤外線センサ10は、赤外線吸収フィルム18の表面に設置された同じ特性の赤外線センサであるとする。赤外線吸収フィルム18表裏どちらからも赤外線を吸収し、上方から表面に入射した赤外線も下方から裏面に入射した赤外線も均等に吸収する構造になっている。従って、第1から第4の光学フィルタのそれぞれの光学フィルタを透過した赤外線を受光して、その光学フィルタに対応した温度上昇を生じ、第1及び第2の赤外線センサはその温度に応じた信号電圧を出力する。
T°Kの温度に対して、第1の温度センサはV1(T)の信号電圧を発生し、第2の温度センサはV2(T)の信号電圧を発生するとする。
つぎに、CO2の濃度を決定する回路動作を説明する。
赤外線光源1のみが点灯しているときに、
第1の光学フィルタを透過した赤外線により第1の赤外線センサの温度D°Kになったとすると、第1の赤外線センサ9はV1(D)の電圧を生じ、この電圧は第1のAD変換機21によりディジタル化された数値F1(D)となり、第1のレジスタ23に記憶される。
また、第2の光学フィルタを透過した赤外線により第2の赤外線センサの温度C°Kになったとすると、第2の赤外線センサ9はV2(C)の電圧を生じ、この電圧は第2のAD変換機22によりディジタル化された数値F2(C)となり、第2のレジスタ24に記憶される。
次に第1の赤外線光源1が消灯し第2の赤外線光源2のみが点灯しているとき、
第2の光学フィルタと第3の光学フィルタは同じ波長特性であるから、第3の光学フィルタを透過した赤外線により第1の赤外線センサの同じくC°Kになり、第1の赤外線センサ9はV1(C)の電圧を生じ、この電圧は第1のAD変換機21によりディジタル化された数値F1(C)となる。
また第4の光学フィルタと第1の光学フィルタは同じ波長特性であるから、第4の光学フィルタを透過した赤外線により第2の赤外線センサ9は同じくD°KになりV2(D)の電圧を生じ、この電圧は第2のAD変換機22によりディジタル化された数値F2(D)となる。
図3は、以上の説明に従って第1の光源1が点灯してから消灯したあと第2の光源2が点灯している時点の状態を示す。
第1の平均計算器25は、入力に第1のレジスタ23の数値と第2のAD変換器22の数値が入力されるので、これら二つの平均値である平均検出用信号値
Fa(D)= ((F1(D)+F2(D))/2 (1)
を出力する。
同様に、第2の平均計算器26は、入力に第2のレジスタ24の数値と第1のAD変換器21の数値が入力されるので、これら二つの平均値である平均補正用信号値
Fa(C)= ((F1(C)+F2(C))/2 (2)
を出力する。
このように、検出用赤外線センサとしての役割と補正用赤外線センサとしての役割を交互に与え、各役割ごとの平均値である平均検出用信号値と平均補正用信号値とをもちいると赤外線センサの感度特性のばらつきを相殺できること説明するが、その前にまず比較の為、従来のように二つのセンサの役割の一方が検出用赤外線センサ、他方が補償用赤外線センサに固定されている場合について説明する。
図4は検出用赤外線センサ、補正用赤外線センサとも誤差のない理想的なものと仮定したときに、これら二つの赤外線センサの出力値からCO2濃度を決定する原理を示したものであり、横軸は検出用赤外線センサの出力値FD(T)、縦軸は補正用赤外線センサの出力値FC(T)として、これら2つの値から決定される等濃度線を描いたものであるが、見易くするために例に用いる値の周辺部を拡大して表示している。
検出用赤外線センサの温度がD°Kであり補正用赤外線センサの温度がC°Kであるとき
FD(D)、FC(C)の交点201を通る等温度線は400ppmのものである事あるからCO2濃度を400ppmと決定する。
次に、赤外線センサの感度に誤差があった場合を説明する。
検出用赤外線センサの温度がDである時に出力数値に最大±dの範囲の誤差があるとすると温度Dに於ける検出用赤外線センサの出力は
最小 Fd(D)−d
最大 Fd(D)+d
となる。
また、補償用赤外線センサの温度がCである時に出力数値に最大±cの範囲の誤差があるとすると温度Cに於ける補償用赤外線センサの出力は
最小 Fc(C)−c
最大 Fc(C)+c
となる。
この赤外線センサの感度誤差による濃度検出誤差が高濃度方向で最大になるのは、
Fd(D)−d、Fc(C)+cの組み合わせとなるときであり、この組み合わせの交点202を通るのは412ppm等濃度線であるため、CO2の濃度は412ppmと決定される。
また、濃度検出誤差が低濃度方向で最大になるのは、
Fd(D)+d、Fc(C)−cの組み合わせとなるときであり、この組み合わせの交点203を通るのは388ppm等濃度線であるため、CO2の濃度は388ppmと決定される。
結果的に濃度検出誤差は最大±12ppmとなる。
以上は従来例のように二つのセンサの役割の一方が検出用赤外線センサ、他方が補償用赤外線センサに固定されている場合である。
次に、2つの赤外線センサに対し、検出用赤外線センサとしての役割と補正用赤外線センサとしての役割を交互に与え、各役割ごとの平均値である平均検出用信号値と平均補正用信号値とを用いると赤外線センサの感度特性のばらつきを相殺できることを次に説明する。

第1の温度センサがD°Kのときの誤差をd1、C°Kの時の誤差をc1
第2の温度センサがD°Kのときの誤差をd2、C°Kの時の誤差をc2
とすると

F1(D)=Fd(D)+d1 (3)
F1(C)=Fc(C)+c1 (4)

F2(D)=Fd(D)+d2 (5)
F2(C)=Fc(C)+c2 (6)


式(1)と式(3)、(5)より
Fa(D)= Fd(D)+(d1+d2)/2 (7)
式(2)と式(4)、(6)より
Fa(C)= Fc(C)+(c1+c2)/2 (8)

ここで、d1とc1は同じ第1の赤外線センサから生じる誤差であるから同じ符号を持つ。つまり、式(3)(4)からわかるように、第1の赤外線センサが基準値より多めにずれたセンサであるならd1、c1とも正であり、基準値より少なめにずれたセンサであるならd1、c1とも負である。
同様にd2、c2も同符号となる。
このようにd1、c1同士が同符号かつd2、c2同士が同符号という条件で、
d1、d2のそれぞれの範囲を±d(d≧0)、
c1、c2のそれぞれの範囲を±c(c≧0)、
と規定すると、図4において、Fa(D)を横軸にFa(C)を縦軸にとるとその交点の領域は204に示す範囲となる。
この領域内を通過する等濃度線のうちで、高濃度方向の限度は図4より交点205を通過する407ppmの等濃度線であり、低濃度方向で限度は図4より交点206を通過する393ppmの等濃度線であるので、濃度検出誤差は最大±7ppmとなり、平均をとらなかった場合の約半分となることがわかる。
しかし実際にはさらに誤差が小さくなることを説明する。
交点205は、d1=d2=0,かつ c1=c2=c という極端な組み合わせの点である。つまり第1、第2の赤外線センサがともに温度D°Kでは誤差0(最少)であるのに温度C°Kでは誤差c(正の最大)となっていることになる。現実にはこのような極端な例は存在しない。
同様に、交点206も、d1=d2=0,かつ c1=c2=‐c という極端な組み合わせの点である。第1、第2の赤外線センサがともに温度D°Kでは誤差0(最少)であるのに温度C°Kでは誤差‐c(負の最大)となっている。現実にはこのような極端な例も存在しない。
つまり、図示された領域204は現実にはもっと縮小されたものである。従って本実施形態によれば誤差は半分よりさらに小さくなる。
(第4実施形態)
図5は本発明による濃度センサの係る第4実施形態の基本構造を概略的に示す図である。第1の赤外線センサ、第2の赤外線センサの出力をそれぞれ直接AD変換して、レジスタに記憶するようにしたものであり、上記に説明した、原理的には第3実施形態と同じであるが、平均計算器の機能を濃度決定テーブル501に含めたものである。
AD変換器を搭載したワンチッププロセッサ110を用いる場合に適した構成であり、回路素子の数を減らすことができ、小型化、省電力化が可能になる。
(第5実施形態)
これまでの説明においては、単に光源を点灯したときに得られる赤外線量を信号値として用いてきたが、このときの赤外線量には他周囲の熱源からの放射など、光源以外からの成分、すなわち背景ノイズが含まれている可能性がある。本実施形態においては、光源をパルス点灯し、点灯に同期して変化する赤外線量、すなわち点灯前の赤外線量と点灯後の赤外線量の増量分を信号値として用いる。
光源の点灯に起因する赤外線量だけを検知することにより、これ以外の赤外線の影響、つまりノイズ成分を排除することができる。
このための構成を図6に、動作のタイミングチャートを図7に示す。
図7において光源1,2の点灯・滅灯のタイミングは L1 On, L2 Onに示される。それぞれの光源が交互に点灯するごとに、動作ステージを順番に区切って Stage 1,2,3…とステージ番号704を定義する。またステージ番号が奇数・偶数により0、1となる信号O/Eを定義する(705)。
Tmp 1は第1の赤外線センサからの信号電圧、Tmp 2は第2の赤外線センサからの信号電圧を示す。
Stage 1 において、光源1点灯前の第1の感温センサの信号値はトリガパルストリガパルス701でレジスタR1にラッチされる。次に光源1点灯後のトリガパルス702により、R1の内容がR2にシフトすると同時に、R1には、点灯後の第1の感温センサの信号値がラッチされる。
この時点で引き算器Sub.1の出力にはR1とR2の内容の差が現れるのでこれはStage1における第1の赤外線センサの温度上昇 1-1D をであり、次のトリガパルス706によりR3にラッチされる。つまり第1の赤外線センサが検出用センサとして動作したときの信号値がR3にラッチされた。
同様にこのタイミングにおいて、第2の赤外線センサが補償用センサとして動作したときの信号値がR5にラッチされる。
このようなパルスシークエンスにより次のトリガパルス707のタイミングでは、R4とR7には、Stage1,2においてそれぞれ第1と第2の赤外線センサが検出用赤外線センサとして動作したときの信号値 (1-1 D, 2-2 D) が蓄えられるので、平均値計算器Av1により、この平均が計算される(Av 1,2 D)。
同様にこのタイミングで、R3とR8には、それぞれ第1と第2の赤外線センサが補償用赤外線センサとして動作したときの信号値 (1-2 C, 2-1C) が蓄えられるので、平均値計算器Av2により、この平均 (Av 1,2C) が計算される。
このようにして、各ステージにおいて、第1の感温センサと第2の感温センサがそれぞれ検出用赤外線センサの役割と補償用赤外線センサの役割を交代して割り当てられたときの平均の信号値が得られる。
また図7からわかるように、Av1, Av2には検出用感温センサとして値と補償用感温そしてとしての値が交互に現れるので、切換器601はステージの奇数・偶数によりAv1, Av2の信号を上下切替えて出力することにより、常に濃度決定テーブルの上位アドレスには補償用温度センサとしての信号値を、下位アドレスには検出用温度センサとしての信号値が現れるようにしている。
これらの上位、下位のアドレス入力により温度決定テーブルは濃度決定を行い濃度値Gを出力する。
このようにして、本実施例によれば、赤外線のノイズ成分が除去されかつ、第1、第2の温度センサの感度バラつきの影響が平均化された濃度値がパルス点灯のタイミング毎に得られる。
(第6実施形態)
これまでの説明においては、わかりやすく原理を説明するために、光源1は上方から赤外線を放射、光源2は下方から赤外線を放射する配置で説明した。
図8は本発明の第6実施形態を示すものであり、第1、第2の光源と同じ側(上方)から赤外線を放射する。第1のセルと第2のセルは隣り合っており、光学フィルタ群も赤外線センサの上方に配置されている。
これは、例えば図1に示す第1実施形態を検出ユニットを境に上下に折り返したものと同等であり、原理的にはこれまでの実施形態ものと同一である。
赤外線センサは、上方のみから赤外線を受光できればよいので、一般的なサーモパイル素子などを使うこともできる特徴を持つ。
以上の実施形態では、第1、第2の赤外線センサは、赤外線吸収フィルム上に配置された赤外線センサ、例えばサーミスタ、焦電素子、金属測温体、熱電対などの熱型赤外線センサとして説明したが、このほかに、上下両面から均等に赤外線を受光できるサーモパイルのようなセンサでもよい。また、熱型赤外線センサではなく、光電子効果を用いた量子型赤外線センサでもよい。
以上説明した通り、本発明の濃度センサは個別の較正をしなくても広い温度範囲で高精度な濃度測定を行うことができる。
1…第1の光源、2…第2の光源、3…第1の光学フィルタセット、4…第2の光学フィルタセット、5…第1の光学フィルタ、6…第2の光学フィルタ、7…第3の光学フィルタ、8…第4の光学フィルタ、9…第1の赤外線センサ、10…第2の赤外線センサ、11…第1の光源用制御信号、12…第2の光源用制御信号、13…第1の空間、14…第2の空間、15…セル、16…検出ユニット、21,22…AD変換器、23,24…レジスタ、101…第1のセル、102…第2のセル、103…差動増幅器、104…レジスタ、105…引き算器、106,107,501…濃度決定テーブル、108,109…レジスタ、110…ワンチッププロセッサ、601…切換器、701,702,706,707…トリガパルス、704…ステージ番号、705…信号O/E

Claims (8)

  1. 測定対象物質中の赤外線の透過度合いを検出することにより前記測定対象物質中の特定の成分濃度を検出する濃度センサであって、
    波長特性の異なる第1の光学フィルタと第2の光学フィルタからなる第1の光学フィルタセットと、
    第1の空間を挟んで前記第1の光学フィルタセットと対向する第1の赤外線光源と
    第3の光学フィルタと第4の光学フィルタからなる第2の光学フィルタセットと
    第2の空間を挟んで前記第2の光学フィルタセットと対向する第2の赤外線光源と
    前記第1の光学フィルタを通過した光と前記第3の光学フィルタを透過した赤外線量を検知する第1の赤外線センサと
    前記第2の光学フィルタを通過した赤外線と前記第4の光学フィルタ透過した赤外線量を検知する第2の赤外線センサとを有し、
    前記第1の空間に前記測定対象物質を配置し、
    前記第1の赤外線光源のみを点灯したときの前記第1の赤外線センサと前記第2の赤外線センサからのそれぞれの信号値と
    前記第2の赤外線光源のみを点灯したときの前記第1の赤外線センサと前記第2の赤外線センサからのそれぞれの信号値とを入力して前記成分濃度の値を出力する手段を有する、
    濃度センサ。
  2. 前記第1の光学フィルタは第1の波長特性を有し、
    前記第2の光学フィルタは第2の波長特性を有し、
    前記第3の光学フィルタと前記第4の光学フィルタは同一の第3の波長特性を有し、
    前記第1の波長特性と前記第2の波長特性は異なる請求項1に記載の濃度センサ。
  3. 前記第1の空間と前記第2の空間は連結している請求項1又は2に記載の濃度センサ。
  4. 前記第1の光学フィルタと前記第4の光学フィルタは同一の第4の波長特性を有し、
    前記第2の光学フィルタと前記第3の光学フィルタは同一の第5の波長特性を有し、
    前記第4の波長特性と前記第5の波長特性は異なる請求項1に記載の濃度センサ。
  5. 前記第1の赤外線光源と前記第2の赤外線光源はパルス点灯を行い、前記第1の赤外線センサ及び前記第2の赤外線センサのそれぞれにおいて、パルス点灯に同期した赤外線の変化量を信号値として用いる、請求項1乃至4の何れか1項に記載の濃度センサ。
  6. 前記第1の赤外線センサと前記第2の赤外線センサは、それぞれ熱型赤外線センサである請求項1乃至5の何れか1項に記載の濃度センサ。
  7. 前記第1の赤外線センサと前記第2の赤外線センサは、それぞれ赤外線吸収フィルムと前記赤外線吸収フィルム上に配置された感温素子とからなる請求項6に記載の濃度センサ。
  8. 前記第1の赤外線センサと前記第2の赤外線センサは、それぞれ量子型赤外線センサである請求項1乃至5の何れか1項に記載の濃度センサ。
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