JP2017009603A - タイコグラフィックイメージングの方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、タイコグラフィックイメージングの方法に関する。【解決手段】画素の数が極めて少ない場合、タイコグラフィーを実施する際に問題が生じる。通常、高品質の対象の再構成を得るには、多くの画素数が必要となる(ビニングの後)。本願発明者らは、検出器の画素数よりも多くのノード(例えば512×512ノード)を有する計算面を使用することにより、例えば、16セグメント検出器または32×32画素の検出器を使用した場合であっても、対象の高品質の再構成が行えることを見出した。より大きな画素サイズのため、多くのフラックスが遮蔽され、検出器の、例えば、検出器S/N比およびダイナミックレンジに対する要望が軽減される。【選択図】図8

Description

本願は、タイコグラフィックイメージングの方法に関する。この方法は、
対物面に対象を提供するステップと、
検出器面に画素化検出器を提供するステップであって、前記検出器面は、フレネル伝播関数(propagator)により前記対物面と共役化(conjugated)され、前記検出器は、波面の強度を検出するように構成される、ステップと、
放射線源、および前記対物面に入力波を形成するように構成されたプローブ形成部分を提供するステップと、
前記対象の第1の数学的予測、前記フレネル伝播関数の予測、および前記放射線プローブの予測を提供するステップであって、前記対象の前記数学的予測は、第1の計算面における複数のノードによって表され、各ノードは、複素数である、ステップと、
を有し、
以下のステップ:
前記対象の照射される領域を選択するステップ、
前記領域に放射線を照射するステップ、
前記画素化検出器において得られる波面の強度を検出して、検出器画像を得るステップ、
各照射された領域を、少なくとも一つの他の照射された領域と重ね合わせるステップ、
により、少なくとも2つの画像を取得するステップと、
前記第1の計算面において、前記対象の前記予測を前記プローブの前記予測と掛け合わせた後、および第2の計算面の複数のノードにより表される前記画像の数学的予測に対する、前記フレネル伝達関数を用いた伝播処理の後、前記検出器画像の画素の検出された強度を、前記少なくとも2つの画像において、前記第2の計算面における前記画像の前記数学的予測の対応する領域の強度に整合させることで、前記対象の前記数学的予測を更新するステップを、中断基準に合致するまで反復するステップと、
を有する。
そのような方法は、「タイコグラフィーを介した超解像イメージング」,A.M.Maidenら,J.Opt.Soc.Am.A,vol 28,No4(2011年4月),604-612頁で知られている。本文献は、以降、Maiden[-1-]と称される。
Maidenには、タイコグラフィックイメージングプロセスが記載されている。このプロセスは、2つの部分を有する:画像回復の部分と、画像再構成の部分である。
画像回復部分は、対物面において、入力波で対象を照射するステップと、多くの重なり合う被照射スポットを形成するステップと、を有する。入力波は、対象を通過した後、出力波に変換され、この出力波は回折面を伝播し、画素化検出器が、この検出器面においてその強度(場所に依存する)を検出する。これにより、多くの画像が得られる。
画像再構成の部分は、反復プロセスを有し、ここでは、高速フーリエ変換(FFT)を用いて、対象(対象は、関連の複素数値を有する多くのノードにより記載される)の第1の数学的予測、および入力波の第1の推測から、検出器面での波面の数学的な予測が行われる。次に、検出器での波面の予想値のモジュラス(modulus)、または少なくともそれらのいくつかは、対応する位置で測定強度の平方根により置換され、逆FFTを用いて変換された画像が、対象面に戻される。その後、スポットおよび対象の更新バージョンが決定される。
検出器面での波面の数学的予想におけるノードの数は、検出器の画素の数より多くても良いことに留意する必要がある。ノードの部分は、物理的に検出される領域の外側の領域にあっても良い。ノードは、1体1の関係で画素に対応する。あるノードが対応する画素を有しない場合が生じ得る。その場合、前記ノードは、置換フェーズの間、未変化のままであっても良い。
ゼロに設定するなど、そのような画素を処理する他の方法も想定され得ることに留意する必要がある。しかしながら、これは、収束を妨害するおそれがあり、あるいはアーチファクトが導入されるおそれがある。
また、FFT(および逆FFT)は、検出器面がいわゆる回折面、またはそれに共役化された面と一致する際に、使用され得ることに留意する必要がある。そうでなければ、フレネルオペレータが必要となる。
これは、全ての画像を用いて繰り返される(ただし、いくつかは、例えば画質の問題により、除外されても良い)。再構成は、中断基準に合致した際に終了される。そのような中断基準は、反復の数に基づき、または連続する反復の間での再構成された対象の差異に基づいても良い。
画素化検出器の画素は、一般にビンニングと呼ばれる、相互に追加されたいくつかの放射線感応セルで構成されても良いことが言及される。
また、定義により、回折面は、対象のフーリエ変換が形成される面であるため、回折面は、画像を検出する上で好適な面であることが言及される。ただし、他の面を使用しても良い。これらの他の面は、その上に、回折面が結像される面であって、FFTが依然として使用され得る面であっても良いが、あるいはこれは、FFTがフレネル伝播関数(propagator)によって置換される必要のある、他の面であっても良い。後者の場合、フレネル伝播関数の予測は、同様に予想される必要がある。
対象は、入力波および対象の変換関数の生成物として出力波が計算されるという意味において、薄い対象物であることが仮定されることに留意する必要がある。当業者には明らかなように、これは、得られる複素数の振幅が一つであり、位相が可変であることを意味する。
既知の方法の問題は、対象の高解像再構成のため、多くの画素を有する画素化検出器が必要となることである。画素数の増加は、画素が小さくなることを意味し、これは、画素化検出器の高速読み取り、高ダイナミックレンジ、および検出器の信号対ノイズ比に対する高い要望には、不可欠である。
別の問題は、被照射領域の画像が完全に検出される必要があり、大きな検出器が要求されることである。また、高解像再構成のため、未散乱放射線から散乱される放射線から高解像度結果を得るには、大きなサイズの検出器が必要となる。
別の問題は、大型の不十分な数の画素の検出器面において、被照射領域全体を覆うことを試みると、対象の視野および対物面における入力波が不十分に小さくなることである。これでは、計算領域の外側にプローブの部分が残り、これにより、エイリアシングによる折り返しが生じ、その結果、収束の失敗が生じ、または再構成によりアーチファクトが示される。
また、この方法は、Rodenburgに対する国際出願公開公報WO2005106531A1号により知られている。本願において、検出器面の波面におけるノードの数は、検出器の画素の数と等しいことに留意する必要がある。Maiden[-1-]によって示された方法とは対照的に、全てのノードは、1対1の関係を有する。
「タイコグラフィーを介した超解像イメージング」,A.M.Maidenら,J.Opt.Soc.Am.A,vol 28,No4(2011年4月),604-612頁
本発明は、改善された方法を提供することを目的とする。
このため、本発明による方法は、
前記検出器画像の画素は、前記第2の計算面の2以上のノードに対応し、
前記更新するステップの間、各検出器画素の測定強度は、ノードの対応する数の強度に整合されることを特徴とする。
セルのビニングのため、検出器セルの数と画素の数との間には、差異があっても良い。本願において、画素は、強度値が測定される最小領域である。
本発明は、再構成される対象の解像度は、計算に使用されるノードの数に基づくという洞察に基づくものである。ただし、これは、画像面(第2の計算面または検出器面)のノードと検出器画素の間に、必ずしも1対1の関係があることを必要としない。むしろ、これは、一つの画素の領域に対応するいくつかのノードの強度の寄与が、画素の強度と整合すれば十分である。
厳格な数学的な証明は提供されないものの、従来の方法と本発明による方法の双方は、厚い対象(モジュールまたは振幅が1未満である)でも機能することに留意する必要がある。
また、ノードが2つのセグメントの境界に配置される場合、いくつかの「解」が使用され得ることに留意する必要がある。モデルの大きな劣化を伴わずに、画素の一つにノードを割り当てることができる場合、これは、未変化のままにでき(検出器面のみに出力波の予測の伝播の依存性が生じる)、これは、一定の値、例えばゼロに設定でき、あるいはその強度を、重み付け因子を用いて、両方の画素に分割できる。後者は、検出器が電子/ホール組の発生に基づき、一つの画素において、電子/ホール組の一部が検出され、他の画素において、一部が検出される場合、物理的原理を有する。
ノードが検出器領域の外側に配置される場合も、いくつかの「解」が使用され得る。例えば、これは、未変化のままであっても良く(検出器面のみに出力波の予測の伝播の依存性が生じる)、または一定の値、例えばゼロに設定されても良い。
ある実施例では、検出器の少なくとも一つの画素の信号は、反復更新プロセスにおいて無視され、前記画素に関連する第2の計算面における対応するノードは、反復更新プロセスの間、更新されない。
この実施例は、画素の一つが例えば、「デッド画素」である場合に使用され得る。前記未変化の画素に関連する第2の計算面(検出器面)におけるノードをそのままにすることにより、または、これらをゼロに設定することにより、前記画素の(誤ったまたは機能しない)情報を含まずに、再構成を行うことができる。
例えば、ゼロに設定するなど、そのような画素を処理する他の方法も想定され得ることに留意する必要がある。ただし、これは、変換に害を及ぼすおそれがあり、あるいはアーチファクトが導入されるおそれがある。
ある実施例では、対象の反復更新は、プローブが更新されるまで延長される(入力波面または短い入力波面)。
ある場合、プローブは、良く知られており、変更する必要はない(対象の上部でシフトされる場合を除く)。他の場合には、本方法は、プローブの大まかな予測で開始され(例えばガウシアンプローブプロファイル、またはトップハットプロファイル)、この予測プロファイルが反復され、実際のプローブと整合するように改善される。このための数学的な方法は、当業者には知られている。
別の実施例では、検出器面は、回折面またはその画像である。当業者に知られているように、回折面で形成される画像は、対物面のフーリエ変換である。また、その面の画像(「回折面と共役化(conjugated)された面」とも称される)は、対象のフーリエ変換である。従って、フレネル伝播関数に(高速)フーリエ変換が使用され、フレネル伝播関数の予測は、FFTとなる。しかしながら、別の面を使用して、波面を「捕獲」し、その強度を検出しても良い。
検出器の各画素は、第2の計算面(検出器面における画像の数学的な表記)におけるノードの全数と関連する(または対応する)ことが好ましい。
ある実施例では、画素は、セクターまたはセグメントまたはその一部として形成される。
電子顕微鏡において、そのようなセグメント化検出器は、一般に使用されていることに留意する必要がある。その一例は、TEMにおいて使用される、いわゆる「明視野/暗視野検出器」である。
ある実施例では、放射線は、光放射線または粒子放射線の群からの放射線であり、光放射線は、赤外線、可視光、紫外線、およびX線を有し、粒子放射線は、電子、中性子、原子、およびイオンを有する。
タイコグラフィーは、電子顕微鏡の分野における当業者には知られている。また、x線顕微鏡の分野における当業者にも知られている。また、検出器が強度を検出できるが、検出される波面の位相を検出できない場合、タイコグラフィーが重要となるため、本発明は、他の種類の放射線に対しても興味深い。
ある実施例では、対象の数学的予測を更新するステップは、
対象の予測、フレネル伝播関数の予測、および入力波面の予測を用いて、第2の計算面のノードに対する複素数を計算するステップと、
検出器の各画素のため、各画素に関連する第2の計算面のノードで、複素数をスケール化し、検出器画像の画素の検出強度を、第2の計算面において、画像の数学的予測の対応するノードの積分強度に整合させるステップと、
前記画像の得られたスケール化された数学的予測を、前記対物面に戻るように伝播させるステップと、
前記対象の予測を更新するステップと、
を有する。
これは、ノードの強度の合計(または積分)が、関連する画素によって測定された検出強度と等しくなるまで、各画素について、画素に関連する第2の計算面におけるノードの複素数がスケール化されることを示す。入力波面(プローブ)は、それが十分に把握されないときにのみ、更新される。これは、初期の測定により、タイコグラフィックイメージングにより、レンズ誤差を考慮したプローブの数学的なモデル化により、またはその他の方法により、十分に把握される。
本発明のある態様では、放射線源およびプローブを形成するプローブ形成部と、前記プローブおよびプローブと対象の間の相対位置を制御するプログラム可能な制御器と、前記放射線源により生成される前記放射線に対して感度を有する画素化検出器と、を備える機器であって、前記制御器は、本発明による前述の方法を実行するようにプログラム化されることを特徴とする機器が提供される。
プローブは、入力波として機能することに留意する必要がある。しかしながら、プローブによって照射された一部は、他の部分と重なり合う必要があり、プローブは、極端に小さな直径を有するべきではなく、ある範囲で示される必要がある。
ある実施例では、放射線源は、電子源であり、プローブ形成部分は、電子光学レンズおよび偏向器を有し、検出器は、画素化電子検出器である。
この実施例は、本発明によるタイコグラフィーを実施するように構成された電子顕微鏡に関する。
別の実施例では、放射線源は、X線源であり、プローブ形成部分は、開口を示すダイアフラムを有し、検出器は、画素化X線検出器である。
この実施例は、本発明によるタイコグラフィーを実施するように構成されたX線顕微鏡に関する。
さらに別の実施例では、放射線源は、光源であり、プローブ形成部分は、近接場走査型光顕微鏡プローブを有し、検出器は、画素化光検出器である。
ある実施例では、画素化検出器は、CCDチップまたはCMOSチップを有する。
ある実施例では、前記対象は、機械的走査により、前記プローブに対して移動される。
以下、図面を参照して、本発明について説明する。図において、同一の参照符号は、対応する特徴物を表す。
タイコグラフィー用の機器を概略的に示した図である。 (図2A)タイコグラフィックイメージングの従来のフローチャートを概略的に示した図である。(図2B)本発明によるタイコグラフィックイメージングのフローチャートを概略的に示した図である。 セグメント化検出器を概略的に示した図である。 シミュレーション結果を示した図である。 エアリーディスクを示した図である。 本発明を用いた対象の再構成の結果を示した図である。 検出器面/画素における、再構成された振幅(強度の平方根)を示した図である。 シミュレーション結果を示した図である。 シミュレーション結果を示した図である。 16セグメント検出器を示した図である。
図1には、タイコグラフィー用の機器を概略的に示す。
図1には、放射線106のビームを形成する放射線源102が示されている。放射線のビームは、プローブ形成手段104により操作(集光)される。対象110には、入力波面108が形成される。対象を貫通した放射線の出力波は、画素化検出器114に伝播し、ここで得られた検出器波面(112)の振幅が検出される。
対象の部分の画像を繰り返し取得することにより、各部分が少なくとも一つの他の部分と重なり合い、対象の再構成のため、数学的プロセスに使用され得る画像の組が取得される。
異なる用途のため、この概略的な機器は、異なる形態を取っても良いことに留意する必要がある。
例えば、電子顕微鏡の場合、放射線源は、電子源であり(例えば、タングステンフィラメント、ショットキー源またはフィールドエミッタ、および例えば、1keVから300keVの間のエネルギーまで電子を加速する加速手段)、プローブ形成手段は、複数の電子レンズの形態を取っても良く、対象の上のプローブを検出する検出器を有しても良い。
例えば、X線顕微鏡の場合、プローブ形成手段は、フレネルレンズの形態を取っても良く、あるいは単に、ダイアグラム内の開口で形成されても良い。レンズ/開口または対象のいずれかは、例えばピエゾ素子を用いて、機械的に動かされ、対象の異なる部分が照射されても良い。しかしながら、例えば、その後、X線が生成されるアノードに、電子ビームが衝突する衝突位置を変化させることにより、プローブ形成手段に対して、X線源を移動することも可能である。
この例では、回折面は、無限大であることに留意する必要がある。これは、「かけ離れており」、従って、対象から十分に大きな距離であり、検出器で形成される画像は、ほぼ回折パターンとなる。問題は、画像の直径が大きいことである。対象と検出器の間にレンズを追加することにより、回折面がより好適に配置されるようになる。
図2Aには、タイコグラフィックイメージングの従来のフローチャートを概略的に示す。
図2Aには、数学的再構成において行われるステップが示されている。
ステップ200では、多くの(重複する)画像が取得され、対象、入力波、および伝播関数の数学的予測が行われる。対象の数学的予測は、極めて大まかな予測であっても良く、例えば「空の」対象(全てのノードが一つに設定される)であっても良い。
ゼロのみを有する空の対象から開始すると、うまく動作しないことに留意する必要がある。
また、入力波は、例えば、トップヘッド近似に簡略化され得る。この場合、画像は、回折面において検出され、伝播関数は、フーリエ変換である。
ステップ202では、出口波、すなわち、対象を貫通した入力波が計算される。出力波は、入力波と対象の透過関数の単純なかけ算で計算されると仮定される。
ステップ204では、出力波が検出器面に伝播される。
ステップ206では、各画素において、前記画素に関連するノードに、測定強度の平方根が割り当てられる。
ステップ210では、改変された値を有するこれらのノードは、対物面に向かって逆向きに伝播する。
ステップ212では、対象の(複素)表示が更新される。必要な場合、入力波(プローブ)も更新される。
ステップ214では、中断基準を用いて、反復が完了される。中断基準は、反復の数であっても良く、あるいは連続する反復の間の変化に基づいても良い。基準に合致すると、再構成された対象が結果となり、そうでなければ、さらなる反復が行われる。
反復の完了後に、再構成された対象が現れるが、これは、良好な表示であるとは限られないことに留意する必要がある。あまりに多くの反復により反復が完了した場合、この方法は、収束されない可能性がある。また、連続する反復の間の変化が小さい場合、これは、表示が良好な表示であることを意味しない。
図2Bには、本発明によるタイコグラフィックイメージングのフローチャートを概略的に示す。
図に示すように、ステップ208を除き、全てのステップは、図2Aに示した従来の方法と等しい。測定値をノードに割り当てる代わりに、各画素用に、その画素に対応する全てのノードの強度が、それらの合計(積分)値が測定値と整合するまで、相互にスケール化される。これにより、対物面の視野は、入力波全体を収容できるほど、十分に大きく維持される。これは、入力波の部分が視野からはみ出るような、図2Aに示した方法とは異なる。これにより、本発明は、あまりに少ない検出器画素を使用した際の問題に対処できる。画素は、検出器面において、大きく維持され、被照射検出器面領域全体が収集できる。
図3には、セグメント化された検出器を概略的に示す。
図3には、対物面から見たセグメント化された検出器が示されている。半径300と302の間の面は、4つの四分円302A、302B、302C、302Dに分割される。これらの四分円の各々は、検出器の画素となる。同様に、半径300内の領域は、4つの四分円に分割され、各四分円は、画素となる。従って、得られる検出器は、合計8個の画素を有する。
内側部分を形成する画素は、それらを取り囲む画素と同一の表面積を有しても良い。あるいは、これらは、異なる表面積を有しても良い。他のセグメント化された検出器は、各半径組の間に、5以上の四分円を有しても良く、および/またはより多くの半径の間に、より多くの画素を定めても良い。しかしながら、後に示すように、比較的少ない画素数において、本願発明者らは、高品質の対象の再構成を達成している。
このタイプの検出器は、明視野/暗視野(BFDF)検出器として、電子顕微鏡において既に使用されていることに留意する必要がある。通常、内側の画素(明視野)は、未散乱ビームの検出に使用され、外側画素(暗視野)は、散乱電子に使用される。しかしながら、例えば8×8グリッドに配置された、四角い限られた量の画素を有する検出器を使用することも可能である。
図4A乃至4Cには、透過型電子顕微鏡を使用し、異なる数の画素を用いた、同じ対象の従来の再構成画像を示す(薄い対象のモジュラスは、常に1であるため、位相を示す)。(シミュレーションされた)対象は、アモルファスカーボンの実際の薄い層を表す。高強度スパイクは、炭素原子を表す。データ組を生成するために使用されるプローブは、球面収差が2.7mmmで、開口角が7mradで、シェルツァー(Scherzer)条件からのデフォーカスが50nmの、(シミュレーションされた)実際のプローブである。これは、当業者には良く知られている。
画像は、仮想検出器により測定された、シミュレーションされたデータ組を用いて取得される。ダイナミックレンジに対するいかなる制限もなされない。各画像における検出器のサイズは、一定に維持され、従って、同様の最大散乱角が収集される。しかしながら、仮想検出器は、画素の数および画素サイズが異なり、データはビニングされ(検出器のいくつかの素子のデータが、一つの画素にまとめられる)、図4Aでは、画素の数は、512×512であり、図4Bでは、画素の数は、256×256であり(2×2のビニング)、図4Cでは、画素の数は、128×128(4×4のビニング)である。これは、検出器面でのノードの数が異なること、さらには散乱角を定める角度分解能が異なることを意味する。対象の数学的予測のノードが、検出器画素と1対1の関係を有すると、逆変換の後に再構成される対象の視野は、512×512画素の使用のときに最高となり、128×128画素の使用のとき最低となる。再構成対象は、画素の数が減ると「拡大」される。
図4Aにおいて使用される仮想検出器は、512×512画素を有する。再構成対象(の位相)は、大きな数のドットを示す。
図4Bには、図4Aにおいて使用された同一のシミュレーションデータ組が、2×2でビニングされた際の結果を示す。256×256画素の仮想検出器が得られる。再構成対象(の位相)は、もはやドットを示さず、多くの同一構造は、「エアプレイン」と称される。これは、アーチファクトを表す。注意深い解析により、「エアプレイン」の位置は、図4Aのドットの位置と似通っていることが示されるが、2倍に拡大されている。
図4Cでは、同じデータ組が使用されるが、ビニングは4×4であり、128×128画素の仮想検出器が得られる。対象(の位相)の再構成は、完全に失敗に終わる。
図5A乃至5Cには、従来の方法を用いて得られた、再構成(または既知の予想)プローブの強度を示す。再構成プローブは、仮想検出器により測定された、シミュレーションデータ組を用いて取得される。ダイナミックレンジに対して、いかなる制限もされていない。画像の各々における検出器のサイズは、同位置に維持され、従って、同じ最大散乱角が捕獲される。しかしながら、仮想検出器は、画素の数および画素サイズが異なり、データがビニングされ(検出器のいくつかの素子のデータは、一つの画素に統合される)、図5Aでは、画素の数は、512×512であり(ビニング1×1)、図5Bでは、画素の数は、256×256であり(ビニング2×2)、図5Cでは、画素の数は、128×128である(ビニング4×4)。これは、検出器面におけるノードの数、さらには散乱角を定める角度分解能が、異なることを意味する。プローブの数学的予測のノードは、検出器画素と1対1の関係を有し、逆変換の後に再構成されるプローブの視野は、512×512画素を使用したとき最大となり、128×128画素を使用したとき最小となる。再構成対象の場合、再構成プローブは、画素の数が低下すると、「拡大」される。
図5Aには、エアリーディスク(プローブの振幅)を示す。これは、視野の外部でほとんど強度を有さない。
図5Bには、エアリーディスク(プローブの振幅)を示す。これは、視野の外部で、小さな強度を有し、これは、エイリアシングにより畳まれる(fold)。
図5Cには、エアリーディスク(プローブの振幅)を示す。これは、視野の外側で大きな強度を有し、これは、エイリアシングにより畳まれれ、プローブの大きく歪んだ表示が得られる。
図4A乃至4Cおよび図5A乃至5Cには、従来の方法では、照射全体を収容できる(プローブを完全に含む)、十分に大きな対物面における視野が得られるような画素サイズおよび多くの画素を有する検出器が必要になること、一方、フーリエ空間(検出器面)では、これは、データを完全に網羅することが示されている。これは、再構成されたプローブを観測する際に、最も良く認められる。図5Bに示されている僅かなはみ出しでも、図4Bに示すようなアーチファクトが得られる結果となる。
図6A乃至6Cには、本発明を用いた対象の再構成の結果を示す。前述の場合と同じ(シミュレーション)対象および(シミュレーションされた)プローブ条件が使用されている。
使用された方法では、対物面および検出器面におけるノードの数は、検出器の画素の数とは無関係に、一定に維持される。ノードの数は、512×512であり、図6Aにおける画素の数は、512×512(ビニングなし)であり、図6Bにおける画素の数は、128×128(ビニング4×4)であり、図6Cにおける画素の数は、32×32(ビニング16×16)である。ノードの数を一定に維持することにより、対象の全ての再構成画像が、画素の数によらず、同じ拡大倍率を示す。
使用される画素の数が同一なので、図6Aに示す再構成された対象(の位相)は、図4Aにおける再構成された対象(の位相)と比較可能である。薄いサンプルに関して、位相のみが示されており、振幅は一つであることに留意する必要がある。
図4Cに示した失敗した再構成の場合と同じ数の画素を用いた、図6Bに示す再構成された対象(の位相)は、依然として、優れた結果を示している。再構成される対象の面積は、図6Aの場合よりも小さいことに留意する必要がある。
また、32×32画素のみを用いた、図6Cに示す再構成された対象(の位相)は、対象の再構成部分がさらに制限されるにも関わらず、優れた結果を示す。(従来の再構成に必要な画素数に比べて)このような極めて少ない数でも、高品質の再構成が得られる。
少ない画素数が、必ずしも計算数が減ることを意味しないことに留意する必要がある。少ない画素数を使用すると、同様の結果を得るのに、より多くの画像が必要となる。
図7A乃至7Cには、検出器面/画素における、再構成された振幅(強度の平方根)を示す。ここでも、対物面および検出器面におけるノードの数は、検出器の画素数には依存せず、一定である。
(合計)明視野強度は、合計暗視野強度よりも数桁大きいため、全ての検出器データの再構成において、平均明視野の寄与は差し引かれていることに留意する必要がある。これは、薄い対象である対象の直接の結果である。この減算の結果、中央領域は、より暗く見えるが、この領域には、小さな変化が明らかに示されている。また、これは、本方法を基本的に制限するものではなく、より良い例示のみのため行われることに留意する必要がある。
振幅(amplitude)は、パターンを視認することを可能にするために使用される。そうでなければ、明視野ディスクの外側の強度(これは清算された振幅である)は、極めて低く、明視野ディスク強度を減算した後も、何も視認することはできない。
ノードの数は、512×512であり、図7Aにおける画素の数は、512×512(ビニングなし)であり、図7Bにおける画素の数は、128×128(ビニング4×4)であり、図7Cにおける画素の数は、32×32(ビニング16×16)である。ノードの数は一定に維持され、対象の全ての再構成画像は、画素数に関わらず、同じ拡大倍率を示す。
図7A乃至7Cには、各画素において、前記画素を構成するノードの合計を示す。
図7Aでは、ノードの数および画素の数が等しいため、合計は不要である。ここでは、各画素と各ノードの間に、1対1の関係が存在する。
図7Bでは、各画素は、16のノード(ビニング4×4)に対応し、図には、画素の強度(前記画素に対応する16のノード全ての合計)が示されている。
図7Bでは、各画素は、256個のノード(ビニング16×16)に対応し、図には、画素の強度(前記画素に対応する256のノード全ての合計)が示されている。
図から分かるように、検出される強度の印象は、再構成の粒状態(画素の数に依存する)は異なるものの、相互に似通っている。再構成された検出器データと検出器データの比較では、高い同一性が示されていることに留意する必要がある。
図8Aには、512×512ノードとして表された、オリジナルの対象データ(の位相)(シミュレーションデータ)の組を示す。前述の場合と同じ(シミュレーション)対象と(シミュレーション)プローブ条件が使用されている。これにより、512×512ノードの振幅を示す、図8Bに示す検出器データ組が得られる。ノードが複素数のため、シミュレーション入力データは、位相を表すことができる。(検出器面における)位相は、図8Cに示されている。これらは、全てシミュレーション入力データであり、図8Bのデータを用いて、これに近い再構成を取得することが期待される。通常、これは、512×512画素の検出器によってのみ、可能となる。しかしながら、この場合、16のセグメント検出器(別途図10に示されている)が使用される。図8Dには、シミュレーション入力データを用いた振幅(この16のセグメント検出器により「測定された」信号の平方根)が示されている。
図9Aには、第1の面(対物面)および第2の面(検出器面)の計算のため、16のセグメント検出器および512×512ノードを用いて再構成された対象(の位相)を示す。図9Bには、検出器面における再構成された512×512ノードを示す。図9Cには、再構成された位相情報(しばしば偽色で表示される)を示し、図9Dには、検出器のセグメントに対応するノードの合計の振幅を示す。
図から分かるように、再構成された対象の(位相の)鮮明さは、オリジナルに比べて僅かに劣るが、(ほとんど)全ての特徴が識別できる。また、再構成された領域(検出器領域)において、振幅および位相は、オリジナルデータと極めて似通っている。これは、比較的単純な検出器(僅か16のセグメント)を用いて、対象を高品質の表現で再構成することが可能であることを示唆する。16のエレメントの検出器の読み取り速度が、512×512画素の検出器に比べて、十分に速いことは、良く知られている。また、セグメントの領域がより大きくなるため、検出された信号は、低い信号対ノイズを示し、出力信号のダイナミックレンジは低くなり、これにより、検出器に対する要望が緩和される。
図10には、図8A乃至8D、および図9A乃至9Dのシミュレーションに使用された16セグメント検出器を示す。検出器は、12のセグメント5乃至16のリングで取り囲まれた、4つの内部四分円1乃至4で構成される。検出器は、フォトダイオード技術を用いたシリコン装置、またはStoyanの米国特許US8426831B2に記載のボロン層を用いた、より複雑なシリコン装置であることが好ましい。ただし、検出器をベースとしたシンチレータも想定される。
まとめると、画素の数が極めて少ないとき、従来のタイコグラフィーを実施する際に問題が生じる。通常、対象の高品質の再構成を得るには、(ビニングの後)多くの画素が必要となる。本願発明者らは、検出器の画素数よりも多くのノード(例えば512×512ノード)を有する計算面を使用することにより、例えば、16セグメント検出器または32×32画素の検出器を使用した場合であっても、対象の高品質の再構成が行えることを見出した。より大きな画素サイズのため、多くのフラックスが遮蔽され、検出器の、例えば、検出器S/N比およびダイナミックレンジに対する要望が軽減される。
102 放射線源
104 プローブ形成手段
106 放射線
108 入力波面
110 対象
112 検出器波面
114 画素化検出器

Claims (14)

  1. タイコグラフィックイメージングの方法であって、
    対物面に対象を提供するステップと、
    検出器面に画素化検出器を提供するステップであって、前記検出器面は、フレネル伝播関数により前記対物面と共役化(conjugated)され、前記検出器は、波面の強度を検出するように構成される、ステップと、
    放射線源、および前記対物面に入力波面を形成するように構成されたプローブ形成部分を提供するステップであって、前記入力波面は、前記対象により出力波面に変換される、ステップと、
    前記対象の第1の数学的予測、前記フレネル伝播関数の予測、および前記入力波面の予測を提供するステップであって、前記対象の前記数学的予測は、第1の計算面における複数のノードによって表され、各ノードは、複素数である、ステップと、
    を有し、
    以下のステップ:
    前記対象の照射される領域を選択するステップ、
    前記領域に放射線を照射するステップ、
    前記画素化検出器における検出器波面の強度を検出して、検出器画像を得るステップ、
    各照射された領域を、少なくとも一つの他の照射された領域と重ね合わせるステップ、
    により、少なくとも2つの画像を取得するステップと、
    前記第1の計算面において、前記対象の前記予測を前記プローブの前記予測と掛け合わせた後、および第2の計算面の複数のノードにより表される前記画像の数学的予測に対する、前記フレネル伝播関数を用いた伝播処理の後、前記検出器画像の画素の検出された強度を、前記少なくとも2つの画像において、前記第2の計算面における前記画像の前記数学的予測の対応する領域の強度に整合させることで、前記対象の前記数学的予測を更新するステップを、中断基準に合致するまで反復するステップと、
    を有し、
    前記検出器画像の画素は、前記第2の計算面の2以上のノードに対応し、
    前記更新するステップの間、各検出器画素の測定強度は、ノードの対応する数の強度に整合されることを特徴とする方法。
  2. さらに、前記入力波面の前記数学的予測を更新するステップを反復するステップを有する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記検出器面は、回折面、またはそれに共役化(conjugated)された面であり、
    前記フレネル伝播関数は、フーリエ変換である、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記検出器の各画素は、前記第2の計算面のノードの整数に対応し、
    前記整数は、1よりも大きい、請求項1乃至3のいずれか一つに記載の方法。
  5. 前記画素は、セクターまたはセグメントまたはその一部として形成される、請求項1乃至4のいずれか一つに記載の方法。
  6. 前記検出器の少なくとも一つの画素の信号は、前記反復更新ステップにおいて、無視され、
    前記画素に関連する前記第2の計算面における対応するノードは、前記反復更新ステップの間、更新されない、請求項1乃至5のいずれか一つに記載の方法。
  7. 前記放射線は、光放射線または粒子放射線の群からの放射線であり、
    前記光放射線は、赤外線、可視光、紫外線、およびX線を有し、前記粒子放射線は、電子、中性子、原子、およびイオンを有する、請求項1乃至6のいずれか一つに記載の方法。
  8. 前記対象の前記数学的予測を更新するステップは、
    前記対象の前記予測、前記フレネル伝播関数の予測、および前記入力波の予測を用いて、前記第2の計算面のノードに対する複素数を計算するステップと、
    前記検出器の各画素のため、各画素に関連する前記第2の計算面の前記ノードで、前記複素数をスケール化し、前記第2の計算面において、前記検出器画像の画素の検出強度を、前記画像の前記得られた数学的予測の前記対応するノードの積分強度に整合させるステップと、
    前記画像の前記得られた数学的予測を、前記対物面に戻るように伝播させるステップと、
    前記対象の前記予測を更新するステップと、
    を有する、請求項1乃至7のいずれか一つに記載の方法。
  9. 放射線源およびプローブ形成部と、
    前記プローブおよびプローブと対象の間の相対位置を制御するプログラム可能な制御器と、
    前記放射線源により生成される前記放射線に対して感度を有する画素化検出器と、
    を備える機器であって、
    前記制御器は、請求項1乃至8のいずれか一つに記載の方法を実行するようにプログラム化される、機器。
  10. 前記放射線源は、電子源であり、
    前記プローブ形成部分は、電子光学レンズおよび偏向器を有し、
    前記偏向器は、画素化電子検出器である、請求項9に記載の機器。
  11. 前記放射線源は、X線源であり、
    前記プローブ形成部分は、開口を示すダイアフラムを有し、
    前記検出器は、画素化X線検出器である、請求項9に記載の機器。
  12. 前記放射線源は、光源であり、
    前記プローブ形成部分は、近接場走査型光顕微鏡プローブを有し、
    前記検出器は、画素化光検出器である、請求項9に記載の機器。
  13. 前記画素化検出器は、CCDまたはCMOSチップを有する、請求項9乃至12のいずれか一つに記載の機器。
  14. 前記対象は、機械的走査により、前記プローブに対して移動される、請求項9乃至13のいずれか一つに記載の機器。
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