JP2017010716A - リチウムイオン電池及びリチウムイオン電池システム - Google Patents

リチウムイオン電池及びリチウムイオン電池システム Download PDF

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Abstract

【課題】高温でのサイクル特性に優れるリチウムイオン電池及びリチウムイオン電池システムを提供する。【解決手段】正極と、負極と、電解液と、を備えるリチウムイオン電池であって、前記正極は、集電体と前記集電体の少なくとも片面に塗布された正極合剤とを有し、前記正極合剤は、正極活物質としてリチウム・マンガン・ニッケル複合酸化物を含み、正極導電材としてアセチレンブラック及びグラフェンを含み、前記負極は、負極活物質としてリチウムチタン複合酸化物及び負極導電材を含む、リチウムイオン電池。【選択図】なし

Description

本発明は、リチウムイオン電池及びリチウムイオン電池システムに関するものである。
リチウムイオン電池は、高エネルギー密度の二次電池であり、その特性を活かして、ノートパソコンや携帯電話等のポータブル機器の電源に使用されている。
近年、高性能化、小型化が進む電子機器用電源、電力貯蔵用電源、電気自動車用電源として、入出力特性、エネルギー密度及び充放電サイクル特性に優れるリチウムイオン電池が要求されている。
出力特性、充放電サイクル特性を向上させる手段として、下記特許文献1には、特定の比表面積を有するスピネル構造のリチウムチタン複合酸化物を負極活物質に用いたリチウムイオン電池に関する技術が開示されている。
特開2005−317512号公報
ところで、リチウムイオン電池は、高温でのサイクル特性を向上させることも求められている。
本発明は上記事情を鑑みてなされたものであり、出力特性と高温でのサイクル特性に優れるリチウムイオン電池及びリチウムイオン電池システムを提供することを目的とする。
本発明者らは、正極と、負極と、電解液と、を備えるリチウムイオン電池であって、前記正極は、集電体と前記集電体の少なくとも片面に塗布された正極合剤とを有し、前記正極合剤は、リチウム・マンガン・ニッケル複合酸化物、アセチレンブラック、グラフェンを含み、前記負極は、負極活物質としてリチウムチタン複合酸化物及び負極導電材を含むリチウムイオン電池を用いることにより上記課題を解決し得ることを見出した。
すなわち、本発明は、正極と、負極と、電解液と、を備えるリチウムイオン電池であって、前記正極は、集電体と前記集電体の少なくとも片面に塗布された正極合剤とを有し、前記正極合剤は、正極活物質としてリチウム・マンガン・ニッケル複合酸化物、正極導電材としてアセチレンブラック及びグラフェンを含み、前記負極は、負極活物質としてリチウムチタン複合酸化物及び負極導電材を含むリチウムイオン電池に関する。
また、本発明は、前記正極と前記負極との容量比(負極容量/正極容量)が0.7以上1未満である、上記のリチウムイオン電池に関する。
更に、本発明は、上記のリチウムイオン電池と、充電終止電圧Vfが3.6V≦Vf≦4.0Vの範囲内に制御する充電制御手段と、を具備する、リチウムイオン電池システムに関する。
本発明に係るリチウムイオン電池は、上記構成により出力特性と高温でのサイクル特性に優れる。
本発明によれば、高温でのサイクル特性に優れるリチウムイオン電池を提供することができる。
本発明のリチウムイオン電池の一実施形態を示す斜視図である。 電極群を構成する正極板、負極板及びセパレータを示す斜視図である。
以下、本発明のリチウムイオン電池システムの実施形態について、正極活物質となるリチウム・マンガン・ニッケル複合酸化物、負極活物質となるリチウムチタン複合酸化物、リチウムイオン電池の全体構成の順で説明する。
<リチウム・マンガン・ニッケル複合酸化物>
本実施形態のリチウムイオン電池の正極活物質となるリチウム・マンガン・ニッケル複合酸化物は、スピネル構造のリチウム・マンガン・ニッケル複合酸化物であることが好ましい。スピネル構造リチウム・マンガン・ニッケル複合酸化物はLiNiXMn2-X4(0.3<X<0.7)で表され、安定性の観点からはLiNi0.5Mn1.54が好ましい。前記スピネル構造LiNi0.5Mn1.54の結晶構造をより安定させるために、このスピネル構造リチウム・マンガン・ニッケル複合酸化物のMn/Niサイトの一部を他の金属で置換したものを、正極活物質として用いることもできる。
また、過剰のリチウムを結晶内に存在させたもの、あるいは、Oサイトに欠損を生じさせたものを用いることもできる。Mn/Niサイトを置換させることのできる他の金属としては、例えば、Ti、V、Cr、Fe、Co、Zn、Cu、W、Mg、Al、Ruを挙げることができる。これらは、1種又は2種以上の金属元素で置換することができる。これらの置換可能な金属元素のうち、結晶構造の安定化の観点から、置換元素にTiを用いることが好ましい。
上記のリチウム・マンガン・ニッケル複合酸化物は、高エネルギー密度の観点から、充電状態における電位がLi/Li+に対して、4.5V以上5V以下であることが好ましく、4.6V以上4.9V以下であることがより好ましい。
本実施形態のリチウムイオン電池における正極活物質は、リチウム・マンガン・ニッケル複合酸化物以外の正極活物質を含んでいてもよい。
リチウム・マンガン・ニッケル複合酸化物以外の正極活物質としては、例えば、LixCoO2、LixNiO2、LixMnO2、LixCoyNi1-y2、LixCoy1-yz、LixNi1-yyz、LixMn24及びLixMn2-yy4(前記各式中、MはNa、Mg、Sc、Y、Mn、Fe、Co、Cu、Zn、Al、Cr、Pb、Sb、V及びBからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を示す。x=0〜1.2、y=0〜0.9、z=2.0〜2.3である。)が挙げられる。ここで、リチウムのモル比を示すx値は、充放電により増減する。
上記リチウム・マンガン・ニッケル複合酸化物の含有量は、電池容量を向上できる観点から、正極活物質の総量中、60〜100質量%であることが好ましく、70〜100質量%であることがより好ましく、85〜100質量%であることが更に好ましい。
<リチウムチタン複合酸化物>
本実施形態のリチウムイオン電池の負極活物質となるリチウムチタン複合酸化物は、スピネル構造のリチウムチタン複合酸化物であることが好ましい。スピネル構造リチウムチタン複合酸化物の基本的な組成式は、Li[Li1/3Ti5/3]O4で表され、結晶構造をより安定させるために、スピネル構造リチウムチタン複合酸化物のLi又はTiサイトの一部を他の金属で置換したもの、過剰のリチウムを結晶内に存在させたもの、又はOサイトの一部を他の元素で置換したものを用いることもできる。置換させることのできる他の元素としては、例えば、F、B、Nb、V、Mn、Ni、Cu、Co、Zn、Sn、Pb、Al、Mo、Ba、Sr、Ta、Mg、Caを挙げることができる。これらは、1種又は2種以上の元素で置換することができる。
上記のリチウムチタン複合酸化物の充電状態における電位は、Li/Li+に対して1V以上2V以下となることが好ましい。
本実施形態のリチウムイオン電池における負極活物質は、リチウムチタン複合酸化物以外の負極活物質を含んでいてもよい。
リチウムチタン複合酸化物以外の負極活物質としては、例えば、炭素材料が挙げられる。
リチウムチタン複合酸化物の含有量は、安全性とサイクル特性を向上できる観点から、負極活物質の総量中、70〜100質量%が好ましく、80〜100質量%がより好ましく、90〜100質量%であることが更に好ましい。
<リチウムイオン電池の全体構成>
本実施形態のリチウムイオン電池の正極は、上記リチウム・マンガン・ニッケル複合酸化物を正極活物質とし、これに正極導電材及び結着材を混合し、必要に応じ適当な溶剤を加えて、ペースト状の正極合剤としたものを、アルミニウム箔等の金属箔製の集電体表面に塗布、乾燥し、その後、必要に応じてプレス等によって正極合剤の密度を高めることによって形成することができる。なお、上記リチウム・マンガン・ニッケル複合酸化物だけで正極活物質を構成することもできるが、リチウムイオン電池の特性改善等を目的にとして、リチウム・マンガン・ニッケル複合酸化物にすでに公知のLiCoO2、LiNiO2、LiMn24、LiFePO4、Li(Co1/3Ni1/3Mn1/3)O2等のリチウム複合酸化物を混合して正極活物質とするものであってもよい。
本実施形態のリチウムイオン電池の負極は、上記リチウムチタン複合酸化物を負極活物質とし、これに負極導電材及び結着材を混合し、必要に応じ適当な溶媒を加えて、ペースト状の負極合剤としたものを、銅等の金属箔製の集電体に塗布、乾燥し、その後必要に応じプレス等によって負極合剤の密度を高めることによって形成することができる。なお、上記リチウムチタン複合酸化物だけで負極活物質を構成することもできるが、リチウムイオン電池の特性改善等を目的にとして、リチウムチタン複合酸化物に、すでに公知の炭素材料等を混合して負極活物質とするものであってもよい。
前記正極導電材は、電気伝導性向上と高温でのサイクル特性向上の観点から、アセチレンブラックとグラフェンを混合して用いることを特徴とする。
アセチレンブラックとグラフェンの混合比は、前記正極導電材全体に対して、グラフェンが0.1質量%以上85質量%以下であることが好ましく、1質量%以上50質量%以下であることがより好ましい。前記範囲内であると、出力特性及びサイクル特性をよりバランス良く向上することができる。
前記負極導電材は、電気伝導性を向上できる観点から、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラック、黒鉛等の炭素物質粉状体のうち1種又は2種以上を混合して用いることができる。また、導電材として、カーボンナノチューブ、グラフェン等を少量添加して、電気伝導性を高めることもできる。前記負極導電材としては、レート特性をより向上できる観点から、アセチレンブラックが好ましい。
正極合剤の質量に対する正極導電材の含有量の範囲は次のとおりである。範囲の下限は、導電性に優れる観点で、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは1質量%以上であり、上限は、電池容量を向上できる観点で、好ましくは50質量%以下、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは15質量%以下である。
負極合剤の質量に対する負極導電材の含有量の範囲は次のとおりである。範囲の下限は、導電性に優れる観点で、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは1質量%以上であり、上限は、電池容量を向上できる観点で、好ましくは45質量%以下、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは15質量%以下である。
結着材は、特に限定されず、分散溶媒に対する溶解性や分散性が良好な材料が選択される。具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、ポリイミド、芳香族ポリアミド、セルロース、ニトロセルロース等の樹脂系高分子;SBR(スチレン−ブタジエンゴム)、NBR(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)、フッ素ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム等のゴム状高分子;スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体又はその水素添加物、EPDM(エチレン・プロピレン・ジエン三元共重合体)、スチレン・エチレン・ブタジエン・エチレン共重合体、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体又はその水素添加物等の熱可塑性エラストマー状高分子;シンジオタクチック−1、2−ポリブタジエン、ポリ酢酸ビニル、エチレン・酢酸ビニル共重合体、プロピレン・α−オレフィン共重合体等の軟質樹脂状高分子;ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素化ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン・エチレン共重合体、ポリテトラフルオロエチレン・フッ化ビニリデン共重合体等のフッ素系高分子、ニトリル基含有単量体由来の構造単位を有する樹脂、アルカリ金属イオン(特にリチウムイオン)のイオン伝導性を有する高分子組成物が挙げられる。なお、これらのうち、1種を単独で用いてもよく、2種以上のものを組み合わせて用いてもよい。正極、負極ともに、高密着性の観点から、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)又はニトリル基含有単量体由来の構造単位を有する樹脂を用いることが好ましい。
前記結着材の含有量について、正極合剤の質量に対する結着材の含有量の範囲は次のとおりである。範囲の下限は、正極活物質を充分に結着して充分な正極の機械的強度が得られ、サイクル特性等の電池性能が安定する観点で、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは1質量%以上、更に好ましくは2質量%以上であり、上限は、電池容量や導電性を向上できる観点で、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは10質量%以下である。負極合剤の質量に対する結着材の含有量の範囲は次のとおりである。範囲の下限は、負極活物質を充分に結着して充分な負極の機械的強度が得られ、サイクル特性等の電池性能が安定する観点で、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは1質量%以上である。上限は、電池容量や導電性を向上できる観点で、好ましくは40質量%以下、より好ましくは25質量%以下、更に好ましくは15質量%以下である。
これら活物質、導電材、結着材を分散させる溶剤としては、N−メチル−2ピロリドン等の有機溶剤を用いることができる。
本実施形態のリチウムイオン電池は、一般のリチウムイオン電池と同様、正極及び負極の他に、正極と負極の間に狭装されるセパレータ、非水電解液等を構成要素とすることができる。
セパレータは、正極及び負極間を電子的には絶縁しつつもイオン透過性を有し、かつ、正極側における酸化性及び負極側における還元性に対する耐性を備えるものであれば特に制限はない。このような特性を満たすセパレータの材料(材質)としては、樹脂、無機物、ガラス繊維等が用いられる。
樹脂としては、オレフィン系ポリマー、フッ素系ポリマー、セルロース系ポリマー、ポリイミド、ナイロン等を用いることができる。具体的には、非水系電解液に対して安定で、保液性の優れた材料の中から選ぶことが好ましく、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンを原料とする多孔性シート又は不織布等を用いることが好ましい。また、正極の平均電位がLi/Li+に対して4.7〜4.8Vと高いことを考慮すると、ポリエチレンを耐高電位であるポリプロピレンで挟んだポリプロピレン/ポリエチレン/ポリプロピレンの三層構造をもつものも好ましい。
無機物としては、アルミナ、二酸化珪素等の酸化物類、窒化アルミニウム、窒化珪素等の窒化物類、硫酸バリウム、硫酸カルシウム等の硫酸塩類を用いることができる。例えば、繊維形状又は粒子形状の上記無機物を、不織布、織布、微多孔性フィルム等の薄膜形状の基材に付着させたものをセパレータとして用いることができる。薄膜形状の基材としては、孔径が0.01〜1μm、厚さが5〜50μmのものが好適に用いられる。また、例えば、繊維形状又は粒子形状の上記無機物を、樹脂等の結着材を用いて複合多孔層としたものをセパレータとして用いることができる。更に、この複合多孔層を、正極又は負極の表面に形成し、セパレータとしてもよい。例えば、90%粒径が1μm未満のアルミナ粒子をフッ素樹脂を結着材として結着させた複合多孔層を、正極の表面又はセパレータの正極と対向する面に形成してもよい。
更に、前記正、負極活物質には正、負極集電体が用いられるが、その材質は、正極としては、アルミニウム、チタン、ステンレス、ニッケル、焼成炭素、導電性高分子、導電性ガラス等の他に、接着性、導電性、耐酸化性向上の目的でアルミニウムや銅等の表面にカーボン、ニッケル、チタン、銀等の処理を施したものが使用でき、負極としては、銅、ステンレス、ニッケル、アルミニウム、チタン、焼成炭素、導電性高分子、導電性ガラス、アルミニウム−カドミウム合金等の他に、接着性、導電性、耐還元性向上の目的で銅やアルミニウム等の表面にカーボン、ニッケル、チタン、銀等の処理を施したものが使用できる。なお、正、負極集電体厚さは、電極強度とエネルギー密度の点から、1〜50μmとすることが好ましい。
本実施形態のリチウムイオン電池に用いる電解液は、リチウム塩(電解質)と、これを溶解する非水系溶媒から構成されるものを用いることができる。必要に応じて、添加材を加えてもよい。
リチウム塩としては、LiPF6、LiBF4、LiFSI(リチウムビスフルオロスルホニルイミド)、LiTFSI(リチウムビストリフルオロメタンスルホニルイミド)、LiClO4、LiB(C654、LiCH3SO3、LiCF3SO3、LiN(SO2F)2、LiN(SO2CF32、LiN(SO2CF2CF32等が挙げられる。これらのリチウム塩は、1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、溶媒に対する溶解性、二次電池とした場合の充放電特性、出力特性、サイクル特性等を総合的に判断すると、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF6)が好ましい。
上記リチウム塩の濃度は、非水溶媒に対して0.5〜1.5mol/Lであることが好ましく、0.7〜1.3mol/Lであることがより好ましく、0.8〜1.2mol/Lであることが更に好ましい。リチウム塩の濃度を0.5〜1.5mol/Lとすることで、充放電特性をより向上することができる。
非水系溶媒としては、リチウムイオン電池用の電解質の溶媒として使用可能な非水系溶媒であれば特に制限はないが、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、γ−ブチルラクトン、アセトニトリル、1,2−ジメトキシエタン、ジメトキシメタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、塩化メチレン、酢酸メチルが挙げられる。これらは単独で用いても、2種類以上を併用してもよいが、2種以上の化合物を併用した混合溶媒を用いることが好ましい。
添加材としては、リチウムイオン電池の非水系電解液用の添加材であれば特に制限はないが、例えば、窒素、硫黄又は窒素及び硫黄を含有する複素環化合物、環状カルボン酸エステル、フッ素含有環状カーボネート、その他の分子内に不飽和結合を有する化合物が挙げられる。また、上記添加材以外に、求められる機能に応じて過充電防止材、負極皮膜形成材、正極保護材、高入出力材等の他の添加材を用いてもよい。
非水系電解液中における添加材の割合に特に限定はないが、その範囲は次のとおりである。なお、複数の添加材を用いる場合は、それぞれの添加材の割合を意味する。非水系電解液に対する添加材の割合の下限は、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.2質量%以上であり、上限は、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、更に好ましくは2質量%以下である。
上記他の添加材により、高温保存後の容量維持特性やサイクル特性の向上、入出力特性の向上等を図ることができる。
以上のように構成させるリチウムイオン電池は、その形状は円筒型、積層型、コイン型等、種々のものとすることができる。いずれの形状をとる場合であっても、正極及び負極にセパレータを狭装させ電極体とし、正極集電体及び負極集電体から外部に通ずる正極端子及び負極端子までの間を、集電用リード等を用いて接続し、この電極体を非水電解液とともに電池ケースに密閉して電池が完成する。
本発明の実施形態として、正極板と負極板とをセパレータを介して積層した積層型リチウムイオン電池について説明するが、本発明の実施形態はこれに制限されない。他の実施形態としては、例えば、正極板と負極板とをセパレータを介し積層してなる積層体を巻回した巻回形リチウムイオン電池等を挙げることができる。
図1は本発明のリチウムイオン電池の一実施形態を示す斜視図である。リチウムイオン電池10は、ラミネートフィルム6の電池容器内に、電極群20と電解液を収容したものであり、正極集電タブ2と負極集電タブ4を電池容器外に取り出すようにしている。
そして、図2に示すように、電極群20は正極集電タブ2を取り付けた正極板1、セパレータ5、及び負極集電タブ4を取り付けた負極板3を積層したものである。
なお、正極板、負極板、セパレータ、電極群及び電池の大きさ、形状等は任意のものとすることができ、図1及び図2に示されるものに限定されるわけではない。
本実施形態のリチウムイオン電池システムの充電終止電圧Vfは、3.6V≦Vf≦4.0Vであることが好ましい。Vfが3.6V以上では高い入力特性が得られ、また、Vfが4.0V以下であると正極が高電位になりすぎず、電解液との分解反応が抑制されることで、優れた寿命特性が得られる。より入力特性と寿命特性のバランスが良好なリチウムイオン電池とするためには、3.7V≦Vf≦3.9Vとすることがより好ましい。
本実施形態のリチウムイオン電池システムの充電制御手段は、充電終止電圧Vfを3.6V≦Vf≦4.0Vの範囲内に制御できるものであれば特に制限はないが、例えば、制御ICを用い、まず定電流によりあらかじめ設定された上限電圧まで充電し、その後その電圧に保持して充電する制御方式(定電流/定電圧方式)のものを用いることができる。
本実施形態に用いるリチウムイオン電池は、入力特性の観点から、正極と負極との容量比(負極容量/正極容量)が0.7以上1未満であることが好ましい。この容量比が0.7以上の場合は、電池容量が向上し、高エネルギー密度が得られる傾向となる。また、容量比が1未満の場合には、正極が高電位になることによる電解液の分解反応が生じにくく、リチウムイオン電池の寿命特性が良好となる傾向がある。エネルギー密度と入力特性の観点からは、容量比を0.8以上0.95以下とすることがより好ましい。
なお、「正極容量」及び「負極容量」とは、それぞれ、対極を金属リチウムとする電気化学セルを構成して定電流定電圧充電−定電流放電を行った時に得られる可逆的に利用できる最大の容量を意味する。本明細書では、「正極容量」及び「負極容量」は、上記電気化学セルにおいて、電圧範囲をそれぞれ4.95V〜3.5V及び2V〜1Vとし、定電流充電及び定電流放電時の電流密度を0.1mA/cm2とする上記充放電を行って評価した場合に得られる容量とする。
以上、本発明のリチウムイオン電池の実施形態について説明したが、上記実施形態は一実施形態に過ぎず、本発明のリチウムイオン電池は、上記実施形態を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の形態で実施することができる。
以下、実施例に基づき本実施の形態を更に詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施例によって限定されるものではない。
[実施例1]
正極は、正極活物質としてBET比表面積が0.1m2/g、平均粒径(D50)が28.8μmであるリチウム・マンガン・ニッケル複合酸化物(LiNi0.5Mn1.54)を93.0質量部、正極導電材としてアセチレンブラック(電気化学工業株式会社製)を4.0質量部及びBET比表面積が750m2/gのグラフェンを1.0質量部、結着材としてニトリル基含有単量体由来の構造単位を有する樹脂(日立化成株式会社製、商品名:LSR7)を2.0質量部混合し、適量のN−メチル−2−ピロリドンを添加して混練することでペースト状の正極合剤スラリーを得た。このスラリーを正極用の集電体である厚さ20μmのアルミニウム箔の両面に実質的に均等かつ均質に140g/m2になるように塗布した。その後、乾燥処理を施し、密度2.4g/cm3までプレスにより圧密化し、シート状の正極を作製した。これを幅30mm、長さ45mmに切断して正極板とし、図2に示すようにこの正極板に正極集電タブを取り付けた。
なお、BET比表面積は、例えば、JIS Z 8830に準じて窒素吸着能から測定することができる。評価装置としては、例えば、QUANTACHROME社製、商品名:AUTOSORB−1を用いることができる。BET比表面積の測定を行う際には、試料表面及び構造中に吸着している水分がガス吸着能に影響を及ぼすと考えられることから、まず、加熱による水分除去の前処理を行うことが好ましい。前記前処理では、0.05gの測定試料を投入した測定用セルを、真空ポンプで10Pa以下に減圧した後、110℃で加熱し、3時間以上保持した後、減圧した状態を保ったまま常温(25℃)まで自然冷却する。この前処理を行った後、評価温度を77K(−196℃)とし、評価圧力範囲を相対圧(飽和蒸気圧に対する平衡圧力)にて1未満として測定する。
また、平均粒径(D50)は、レーザー回折・散乱法により求めた粒度分布から求めることができる。
負極は、負極活物質としてリチウムチタン複合酸化物を91.0質量部、負極導電材としてアセチレンブラック(電気化学工業株式会社製)を4.0質量部、結着材としてポリフッ化ビニリデンを5.0質量部混合し、適量のN−メチル−2−ピロリドンを添加して混練することでペースト状の負極合剤スラリーを得た。このスラリーを負極用の集電体である厚さ10μmの銅箔の両面に、実質的に均等かつ均質に85g/m2になるように塗布した。その後、乾燥処理を施し、密度1.9g/cm3までプレスにより圧密化し、シート状の負極を作製した。これを幅31mm、長さ46mmに切断して負極板とし、図2に示すようにこの負極板に負極集電タブを取り付けた。
(電極群の作製)
作製した正極板と負極板とを、厚さ20μm、幅35mm、長さ50mmのポリエチレン微多孔膜からなるセパレータを介して対向させ、積層状の電極群を作製した。
(リチウムイオン電池の作製)
この電極群を、図1に示すように、アルミニウム製のラミネートフィルムで構成された電池容器内に収容させると共に、この電池容器内に、非水電解液を1ml注入後、上記の正極集電タブと負極集電タブとを外部に取り出すようにして電池容器の開口部を封口させて、実施例1〜5及び比較例1〜3のリチウムイオン電池を作製した。非水電解液にはエチレンカーボネートとジメチルカーボネートとを体積比で1:3に混合した混合溶媒に、LiPF6を1.2Mの濃度で溶解させたものを用いた。なお、アルミニウム製のラミネートフィルムは、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム/アルミニウム箔/シーラント層(ポリプロピレン等)の積層体である。
(初回充放電)
上記のリチウムイオン電池を、充放電装置(商品名:BATTERY TEST UNIT、株式会社IEM製)を用いて、25℃において電流値0.2C、充電終止電圧3.8Vで定電流充電し、次いで充電電圧3.8Vで電流値が0.01Cになるまで定電圧充電を行った。なお、電流値の単位として用いたCとは、“電流値(A)/電池容量(Ah)”を意味する。15分間休止後、電流値0.2C、放電終止電圧2.0Vで定電流放電を行った。前記の充放電条件で充放電を3回繰り返した。
(出力特性)
上記の充放電を行ったリチウムイオン電池を用いて、前記充電の15分間休止後、25℃において電流値0.5C、終止電圧2Vの定電流放電を行った。15分間休止を行った後に、25℃において電流値0.5C、充電終止電圧3.4Vで定電流充電し、次いで、充電終止電圧3.4Vで電流値が0.01Cになるまで定電圧充電を行った。15分間休止後、25℃で電流値0.5C、終止電圧2Vの定電流放電を行い、放電容量を測定した(0.5Cでの放電容量)。次いで、15分間後、25℃において電流値0.5C、充電終止電圧3.4Vで定電流充電し、次いで、充電終止電圧3.4Vで電流値が0.01Cになるまで定電圧充電を行った。15分間休止後、25℃で電流値5C、終止電圧2Vの定電流放電を行い、放電容量を測定した(5Cでの放電容量)。そして、以下の式から出力特性を算出した。算出した出力特性を表1に示す。
出力特性(%)=(5Cでの放電容量/0.5Cでの放電容量)×100
(サイクル特性)
上記の出力特性を測定したリチウムイオン電池を用いて、50℃において電流値1C、充電終止電圧3.8Vで定電流充電し、次いで、充電終止電圧3.8Vで電流値が0.01Cになるまで定電圧充電を行った。15分間休止後、25℃で電流値1C、終止電圧2Vの定電流放電を行い、放電容量を測定した(1サイクル目の放電容量)。上記充放電を200サイクル行い、200サイクル後の放電容量(200サイクル後の放電容量)を測定した。そして、以下の式からサイクル特性を算出した。算出したサイクル特性を表1に示す。
サイクル特性(%)=(200サイクル後の放電容量/1サイクル目の放電容量)×100
[実施例2、3]
表1の実施例2、3に示すとおりの割合で、正極導電材としてアセチレンブラック(電気化学工業株式会社製)及び比表面積が750m2/gのグラフェンを混合したこと以外は、実施例1と同様の手法でリチウムイオン電池を作製し、出力特性及びサイクル特性を測定した。出力特性及びサイクル特性の測定結果を表1に示す。
[比較例1〜3]
表1の比較例1〜3に示すとおりの割合で、正極導電材としてアセチレンブラック(電気化学工業株式会社製)及び黒鉛(日本黒鉛工業株式会社製)を混合したこと以外は、実施例1と同様の手法でリチウムイオン電池を作製し、出力特性及びサイクル特性を測定した。出力特性及びサイクル特性の測定結果を表1に示す。
[比較例4〜6]
表1の比較例4〜6に示すとおりの割合で、正極導電材として黒鉛(日本黒鉛工業株式会社製)及び比表面積が750m2/gのグラフェンを混合したこと以外は、実施例1と同様の手法でリチウムイオン電池を作製し、出力特性及びサイクル特性を測定した。出力特性及びサイクル特性の測定結果を表1に示す。
[比較例7]
表1の比較例7に示すとおり、正極導電材としてアセチレンブラック(電気化学工業株式会社製)のみを5質量部混合したこと以外は、実施例1と同様の手法でリチウムイオン電池を作製し、出力特性及びサイクル特性を測定した。出力特性及びサイクル特性の測定結果を表1に示す。
[比較例8]
表1の比較例8に示すとおり、正極導電材として比表面積が750m2/gのグラフェンのみを5質量部混合したこと以外は、実施例1と同様の手法でリチウムイオン電池を作製し、出力特性及びサイクル特性を測定した。出力特性及びサイクル特性の測定結果を表1に示す。
Figure 2017010716
表1の実施例1〜3と比較例1〜3を比較すると、正極導電材としてアセチレンブラック及びグラフェンを用いると、サイクル特性が65%以上と高い値を示しているのに対し、正極導電材としてアセチレンブラック及び黒鉛を用いると、サイクル特性が55%以下と低下することが分かる。
表1の実施例1〜3と比較例4〜6を比較すると、正極導電材としてアセチレンブラック及びグラフェンを用いると、出力特性は80%以上、サイクル特性は65%以上と高い値を示しているのに対し、正極導電材として黒鉛及びグラフェンを用いると、出力特性が75%以下、サイクル特性が50%以下と低下することが分かる。
表1の実施例1〜3と比較例7を比較すると、正極導電材としてアセチレンブラック及びグラフェンを用いると、サイクル特性が65%以上と高い値を示しているのに対し、正極導電材としてアセチレンブラックのみを用いると、サイクル特性が55%と低下することが分かる。
表1の実施例1〜3と比較例8を比較すると、正極導電材としてアセチレンブラック及びグラフェンを用いると、出力特性は80%以上、サイクル特性は65%以上と高い値を示しているのに対し、正極導電材としてグラフェンのみを用いると、出力特性が75%、サイクル特性が30%と低下することが分かる。
以上の結果から、リチウムイオン電池における正極導電材としてアセチレンブラック及びグラフェンを含むことで、出力特性とサイクル特性に優れた電池を得られることが判明した。
1…正極板、2…正極集電タブ、3…負極板、4…負極集電タブ、5…セパレータ、6…ラミネートフィルム、10…リチウムイオン電池、20…電極群。

Claims (3)

  1. 正極と、負極と、電解液と、を備えるリチウムイオン電池であって、
    前記正極は、集電体と前記集電体の少なくとも片面に塗布された正極合剤とを有し、前記正極合剤は、正極活物質としてリチウム・マンガン・ニッケル複合酸化物、正極導電材としてアセチレンブラック及びグラフェンを含み、
    前記負極は、負極活物質としてリチウムチタン複合酸化物及び負極導電材を含む、
    リチウムイオン電池。
  2. 前記正極と前記負極との容量比(負極容量/正極容量)が0.7以上1未満である、請求項1記載のリチウムイオン電池。
  3. 請求項1又は2に記載のリチウムイオン電池と、
    充電終止電圧Vfが3.6V≦Vf≦4.0Vの範囲内に制御する充電制御手段と、を具備する、
    リチウムイオン電池システム。
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