以下に、本発明の実施の形態にかかる太陽電池モジュールを図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュール1を受光面側から見た平面図である。図2は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュール1を示す要部断面図であり、図1におけるA−A断面図である。
本実施の形態1にかかる太陽電池モジュール1は、複数の結晶系の太陽電池セル3が接続配線14によって電気的に直列配線接続された太陽電池ストリング2、透光性を有して太陽電池ストリング2の受光面側を保護する受光面側保護部材11、太陽電池ストリング2の裏面側を保護する裏面側保護部材12および太陽電池ストリング2を封止する封止材13を備える。太陽電池ストリング2は、太陽電池モジュール1の受光面側である表面側に配置された受光面側保護部材11と太陽電池モジュール1の受光面と対向する裏面側に配置された裏面側保護部材12との間に挟持された封止材13の中に封止されている。太陽電池モジュール1では、受光面側保護部材11側から光Lが入射する。なお、図1においては、受光面側保護部材11および封止材13を透過して見た状態を示している。
太陽電池ストリング2は、既定の配列方向に配列された複数の太陽電池セル3と、接続配線14とを有する。複数の太陽電池セル3は、既定の配列方向において既定の距離だけ離間して同一平面上に規則的に配列されている。そして、隣接する2つの太陽電池セル3同士は、接続配線14によって電気的に直列に接続されている。図1においては、10個の太陽電池セル3が電気的に直列に接続された5本の太陽電池ストリング2が、さらに電気的に直列配線接続されて、1つの長い太陽電池ストリングが構成されている。
太陽電池セル3としては、片面発電型の結晶系太陽電池セルを用いることができる。太陽電池セル3は、光電変換機能を有する太陽電池基板であってpn接合を有する半導体基板21の受光面側に、図示しないシリコン窒化膜よりなる反射防止膜が形成されている。半導体基板21は、p型シリコンからなるp型半導体基板の受光面側に、リン拡散によってn型不純物拡散層が形成されている。p型シリコンは、単結晶シリコンでもよく、また多結晶シリコンでもよい。また、p型半導体基板の代わりにn型半導体基板を用いた半導体基板を用いてもよい。
また、半導体基板21の受光面には、受光面電極22が設けられている。半導体基板21から光生成キャリアを集電する長尺細長の受光面グリッド電極と、受光面グリッド電極と導通して該受光面グリッド電極から光生成キャリアを集電する受光面バス電極とが、直交するように設けられている。また、半導体基板21における受光面と対向する裏面には、裏面電極23が設けられている。裏面電極23としては、半導体基板21から光生成キャリアを集電する長尺細長の裏面グリッド電極と、裏面グリッド電極と導通して該裏面グリッド電極から光生成キャリアを集電する裏面バス電極とが、直交するように設けられている。
受光面バス電極と裏面バス電極とは、平行に設けられている。受光面バス電極と裏面バス電極とは、接続配線である接続配線14との接合用の接続電極として用いられる。そして、隣接する2つの太陽電池セル3同士は、一方の太陽電池セル3の受光面バス電極と、一方の太陽電池セル3の裏面バス電極とが接続配線14によって電気的に直列に接続されている。
受光面側保護部材11は、太陽電池セル3の受光面側に配置されて、太陽電池セル3の受光面側を保護する。受光面側保護部材11は、太陽電池ストリング2の受光面側に封止材13を介して該封止材13の粘着力により固着されている。本実施の形態にかかる受光面側保護部材11は、板ガラスが用いられている。板ガラスとしては、たとえば酸化シリコン(SiO2),酸化ナトリウム(NaO),酸化カルシウム(CaO)を主成分とする一般のソーダライムガラスが使用される。受光面側保護部材11の特徴については後述する。
裏面側保護部材12は、太陽電池セル3の裏面側に配置されて、太陽電池セル3の裏側を保護する。裏面側保護部材12は、太陽電池ストリング2の裏面側に封止材13を介して該封止材13の粘着力により固着されている。裏面側保護部材12としては樹脂バックシートが用いられ、結晶系太陽電池モジュールで一般的に用いられる耐加水分解ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂シート、オレフィン系樹脂、ポリフッ化ビニル(PVF:Polyvinyl Fluoride)樹脂シート、あるいはこれらを貼り合わせた積層樹脂シートを用いることができる。
封止材13は、透明性すなわち光透過性と絶縁性とに優れた樹脂材料または有機材料からなる透明絶縁膜が用いられる。このような材料としては、たとえばポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate:PET)樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂およびシリコーンゴムなどの絶縁材料を用いることができる。
なお、太陽電池モジュール1に用いる太陽電池セル3としては、結晶型に限定されず、種類を問わず薄膜型などの全ての太陽電池セルが使用可能である。
つぎに、本実施の形態1にかかる受光面側保護部材11の特徴について説明する。図3は、屈折率1.5の平板ガラス面に入射する光の入射角度(°)と反射率(%)との関係を示した図である。図3における入射角度(°)は、入射光を平板ガラス面上に投影した場合の、入射光の投影線と入射光とがなす角度である。ガラス表面に入射する光は、光の入射角度が小さく垂直入射に近い場合、反射率は4%ほどとなる。しかし、光の入射角度が大きくなり、入射光の進行方向がガラス表面に対して平行に近づくと反射率は増大する。そして、入射角度が10°程度まで下がると、反射率は50%を超える。
ガラス表面に対して低屈折率の反射防止膜を形成することによりガラス表面での反射率を低減する方法が知られている。しかしながら、このような処理を行った場合でも、入射角度の小さい、低入射角度で入射する光の反射率の増大を防ぐことはできない。すなわち、屋根などの設置場所に設置された太陽電池モジュールに対して低い高度から入射される光の反射率を低減することができない。したがって、入射角度の小さい、低入射角度で入射する光の反射光に対しては、対策が不十分であり、太陽電池モジュールの光害も主にこのような条件で発生している。そこで、本実施の形態1においては、受光面側保護部材11の受光面に三角溝31を形成して、太陽電池モジュール1の受光面の面方向に対して平行に近い角度で光を入射させない構造としている。
図4は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュール1を受光面側から見た斜視図である。図5は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュール1の要部断面図であり、図4におけるB−B断面図である。図6は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュール1の受光面側保護部材11に対して入射する光の光路について示した図である。図4および図6においては受光面側保護部材11に注目しており、太陽電池モジュール1における他の部材については詳細な図示を省略している。図4に示す太陽電池モジュール1においては、図4における上側が、太陽電池モジュール1が住宅の屋根などの設置場所に設置される際に上側となる。そして、図4に示す太陽電池モジュール1においては、図4における下側が、太陽電池モジュール1が住宅の屋根などの設置場所に設置される際に下側となる。図4および図6においては、理解の容易のため三角溝31の溝底の谷部のラインを点線で示している。
受光面側保護部材11は、縦140cm、横110cm、厚み10cmの外形寸法を有するガラス板である。なお、太陽電池モジュール1の外形寸法は、受光面側保護部材11の面方向における外形寸法は、受光面側保護部材11の面方向の外形寸法である。受光面側保護部材11の受光面、すなわち封止材13と接触していない側の表面には、1方向、すなわち受光面側保護部材11の縦方向に延在する縦溝である三角溝31が形成されている。太陽電池モジュール1の縦方向は、太陽電池モジュール1および受光面側保護部材11の長手方向と同じ方向であり、上述した太陽電池セル3の既定の配列方向に対応する方向であり、太陽電池モジュール1が設置場所に設置された際に太陽電池モジュール1の上部と下部とを結ぶ方向である。
三角溝31は、受光面側保護部材11の横方向に沿った方向に21本が形成されている。受光面側保護部材11の横方向は、受光面側保護部材11の短手方向である。なお、図4においては、理解の容易のため、三角溝31の本数を減らして示している。また、受光面側保護部材11の受光面において、受光面側保護部材11の横方向における両端から2.5cmの幅の領域は、三角溝31が形成されていない平坦面34とされている。
三角溝31は、受光面側保護部材11の横方向に沿った断面形状において、幅5cm、深さ3.5cmの寸法を有し、溝底の谷部の拡開角度が90°、すなわち直角とされている。受光面側保護部材11における三角溝31の内面の表面粗さは、0.01μmRa以上1.0μmRa以下程度である。三角溝31の谷部の拡開角度は、小さいことが好ましい。三角溝31の谷部の角度が大きくなるほど、パネル表面、すなわち受光面側保護部材11の表面がフラットパネルに近くなり、本実施の形態1にかかる受光面側保護部材11による効果を失うためである。また、三角溝31の谷部の拡開角度は、90°未満でないことが好ましい。三角溝31の谷部の拡開角度が90°未満である場合には、三角溝31の内部での反射回数が増大するため、反射光路の予測がし辛くなるためである。このため、本実施の形態1で用いる三角溝31の谷部の角度は、90°であることが最も好ましい。
三角溝31は、受光面側保護部材11の受光面に対してレーザー加工を行うことにより形成されている。なお、三角溝31の形成の方法としては、レーザー加工の他にも、物理的に切り出す方法、研磨を用いる方法を用いることが可能である。また、微細な三角溝31の形成の方法としては、化学的なエッチング処理を用いることも可能である。
三角溝31の内壁のうち、受光面側保護部材11を正面から見て左側に位置する第1の内壁32に入射した入射光が該内壁で反射される場合、この第1の内壁32で反射された反射光は、三角溝31の深さに対して受光面側保護部材11の面方向における該反射光の進行方向の長さが十分に短いと、三角溝31の内壁のうち、受光面側保護部材11を正面から見て右側に位置する第2の内壁33で反射され易く、三角溝31内での複数反射が起こり易くなり、低い高度から入射される光の反射率を低減することができる。三角溝31の内壁のうち、第2の内壁33に入射した入射光が該内壁で反射される場合も同様である。このため、溝についてはより小さく形成することが好ましい。
受光面側保護部材11においては、受光面に入射した光の反射光の方向を三角溝31によって制御および制限することができ、受光面における光の反射率を制限することができる。これにより、太陽電池モジュール1に低い高度から入射される光の反射率を低減することができる。
受光面側保護部材11の受光面に入射して反射する光を該受光面に投影した投影線を考える。この投影線は、図6に示すように、受光面側保護部材11の受光面に入射して反射する光の、受光面側保護部材11の受光面における光の進行方向を示すライン35に対応し、光の進行方向を示すライン35に重なる。三角溝31での反射機構は、投影線に平行な受光面側保護部材11の縦断面と、投影線に垂直な受光面側保護部材11の縦断面と、に分けて考えることができる。投影線に平行な受光面側保護部材11の縦断面は、投影線に平行な面である。
投影線に垂直な縦断面では、光が傾斜45度以下のガラス面に真上から入射する形、つまりガラス面に対して常に入射角45度以上で入射することになる。ここで、ガラスの反射率は、入射角が大きい場合は十分に小さいため、この成分を無視して考える、つまり、三角溝31での反射機構については、投影線、すなわち光の進行方向と平行な縦断面についてのみ考えればよい。
図6に示すように、受光面側保護部材11の受光面の面方向において、受光面側保護部材11の縦方向、すなわち三角溝31の延在方向と直角に交わる軸をXとし、以下では軸Xと呼ぶ。受光面側保護部材11の面方向において、投影線、すなわち光の進行方向を示すライン35と、軸Xとのなす角を面方向でのなす角θとする。ここでの、面方向でのなす角θは、光の進行方向を示すライン35における光の入射地点を挟んで光の入射側のラインと、軸Xにおける光の入射地点を挟んで光の反射側のラインとのなす角である。
また、投影線での受光面側保護部材11の縦断面において、投影線、すなわち光の進行方向と、受光面側保護部材11への入射光とのなす角を垂直面でのなす角φとする。ここでの、垂直面でのなす角φは、入射光が入射した三角溝31の内壁と入射光とのなす角ではなく、受光面側保護部材11の面方向と入射光とのなす角である。また、垂直面でのなす角φは、光の進行方向を示すライン35における、光の入射地点を挟んで光の入射側のラインと、入射光とのなす角である。
受光面側保護部材11における、投影線での縦断面、すなわち光の進行方向に沿った縦断面を考える。面方向でのなす角θが変化するに従って、この縦断面における溝底の谷部の実質的な拡開角度である凹み角kは、面方向でのなす角θが変化するに従って変化する。すなわち、受光面側保護部材11の面方向における光の進行方向によって、凹み角kは、変化する。凹み角kは、三角溝31において対向する2つの内壁である第1の内壁32と第2の内壁33との、投影線での縦断面における三角溝31の溝底でのなす角であり、光の進行方向から見た三角溝31の、溝底での谷部の拡開角度である。
凹み角kは、図7に示すように、光の進行方向を軸Xに平行な方向として光が三角溝31に入射するときの90°から、光の進行方向を三角溝31の延在方向に平行な方向として光が三角溝31に入射するときの180°までの間で変化する。図7は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュール1において1日の時刻毎の光の進行方向から見た、受光面側保護部材11の三角溝31の凹み角kの一例を示した図である。図7では、太陽電池モジュール1の設置条件を、南向き設置、設置角度0°とした場合について示している。
光の進行方向に沿った縦断面における凹み角kは、以下の式(1)で示される。また、図8は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュール1において光の進行方向での縦断面における光の入射および反射の様子を示した模式図である。図8(a)は、入射光L1が三角溝31の第2の内壁33で反射して反射光L2となって三角溝31から出射する場合を示している。図8(b)は、入射光L1が三角溝31の第1の内壁32で反射して反射光L3となり、さらに反射光L3が第2の内壁33で反射して反射光L2となって三角溝31から出射する場合を示している。図8(c)は、入射光L1が三角溝31の第1の内壁32で反射して反射光L2となって三角溝31から出射する場合を示している。
k=2arccos(cos(90°/2)×cosθ)・・・(1)
面方向でのなす角φ、凹み角kを用いて、反射角度rおよび反射率Rの計算を行うことができる。反射角度rは、三角溝31内で反射されて該三角溝31内から出射される反射光と、受光面側保護部材11の面方向とのなす角度である。反射率Rは、受光面側保護部材11の受光面における三角溝31に入射した光の反射率である。三角溝31に入射する光の反射の仕方は、以下の(1)から(3)に示す3通りが存在する。そして、各々の場合の反射角度rおよび反射率Rは、以下の式(2)から式(7)で示される。
(1)φ<90−k/2の場合
r=−φ+k・・・(2)
R=R(φ−k/2+90)・・・(3)
この(1)の場合は、図8における図8(a)に対応する。
(2)90−k/2<φ<180−kの場合
r=φ+2k−180・・・(4)
R=R(φ+k/2−90)×R(−φ+3k/2+270)・・・(5)
この(2)の場合は、図8における図8(b)に対応する。
(3)180−k<φ<180の場合
r=−φ−k+360・・・(6)
R=R(φ+k/2−90)・・・(7)
この(3)の場合は、図8における図8(c)に対応する。
なお、式(2)から式(7)における角度は、受光面側保護部材11における、上記投影線に沿った縦断面、すなわち光の進行方向に沿った縦断面における、三角溝31の溝底の谷部を中心として、光の入射側の仮想受光面となす角度である。仮想受光面は、受光面側保護部材11の面方向と平行な面である。図8(a)から図8(c)においては、仮想受光面および仮想受光面と平行な面を点線で示している。また、90−k/2は、光の進行方向に沿った縦断面における、三角溝31の2つの内壁のそれぞれが受光面側保護部材11の面方向となす角度、すなわち仮想受光面となす角度であり、図8(a)から図8(c)においてはαで示している。
ここで、関数R(φ)は、垂直面でのなす角φの時の、受光面側保護部材11の受光面における、三角溝31が形成された領域における光の反射率を表す。屈折率1.5のガラスの場合、φ=45°の時は、R(φ)=5%である。
以上の式より、太陽光の、面方向でのなすθと垂直面でのなす角φとから、反射角度rおよび反射率Rが算出できる。面方向でのなすθと垂直面でのなす角φとは季節、時刻および太陽電池モジュール1の設置角度と設置方向によって決まる。なお、上記においては、第1の内壁32側から光が入射する場合について示したが、第2の内壁33側から光が入射する場合も同様にして考えることができる。
上記の(1)の場合は、図8(a)に示すように受光面側保護部材11に入射した光の反射光の方向を三角溝31によって制御および制限することができ、低い高度から入射される光を高い高度の反射光として反射することができる。これにより、太陽電池モジュール1に低い高度から入射される光の反射率を低減することができる。
上記の(2)の場合は、図8(b)に示すように受光面側保護部材11に入射した光の反射光の方向を三角溝31によって制御および制限することができる。
上記の(3)の場合は、図8(c)に示すように受光面側保護部材11の三角溝31に入射した光の反射光の光路が図8(b)と異なる。上記の(3)の場合は、受光面側保護部材11の三角溝31の内壁に入射した光の反射光が、反対側の溝表面に入射しない状況、すなわち第1の内壁32に入射した光の反射光が第2の内壁33の表面に入射しない状況である。このような光は、三角溝31の表面に対して垂直に近い角度で入射するため反射率は極めて低くなる。
このような太陽電池モジュール1は、以下のようにして作製される。まず、公知の方法により複数の太陽電池セル3を作製する。そして、接続配線14の一端側を1つの太陽電池セル3における受光面バス電極に接合するとともに他端側を他の太陽電池セル3における裏面バス電極に接合して、該接続配線14によって複数の太陽電池セル3を電気的に直列接続することで太陽電池ストリング2を作製する。
つぎに、封止材13を介して裏面側保護部材12上に太陽電池ストリング2を設置する。つぎに、封止材13を介して太陽電池ストリング2上に、三角溝31の形成面を受光面側として受光面側保護部材11を配置し、これらを真空中で加熱プレスする。これにより、上記の各部材がラミネートされて一体化し、太陽電池モジュール1が得られる。
つぎに、異なる設置条件における太陽電池モジュール1の効果について説明する。太陽電池モジュール1の設置位置は、日本国内の標準的な位置として北緯34°の地点としている。
(太陽電池モジュール1の設置条件1:南向き設置、設置角度40°)
図9および図10に、設置条件1の場合の光の反射の様子を示す。図9は、本実施の形態1にかかる太陽電池モジュール1を設置条件1で設置した場合に受光面側保護部材11の受光面に入射した光の反射光の高度である反射高度(°)と、時刻(時)との関係を示す特性図である。図9(a)は、夏至の日における特性図である。図9(b)は、春分の日および秋分の日における特性図である。図9(c)は、冬至の日における特性図である。
なお、図9および後述する図11、図13、図15においては、0°から90°の高度と、180°から90°の高度は、90°を境にして方向が逆向きである同じ高度である。また、180°から240°は、90°を境にして方向が逆向きであるとともに、水平面よりも下側に向かう方向の高度である。
図9においては、反射高度A1(°)と反射高度B1(°)と太陽高度Sとを示している。反射高度A1(°)は、三角溝31において溝底の谷部に対して東側に位置する内壁に入射して三角溝31内において反射され、三角溝31から出射された反射光の反射高度である。反射高度B1(°)は、三角溝31において溝底の谷部に対して西側に位置する内壁に入射して三角溝31内において反射されて三角溝31から出射された反射光の反射高度である。また、図9においては、受光面側保護部材11の代わりに平面ガラスを備えた比較用の太陽電池モジュールを設置条件1で設置した場合に平面ガラスの受光面に入射した光の反射高度である反射高度C1(°)を併せて示している。
図10は、本実施の形態1にかかる太陽電池モジュール1を設置条件1で設置した場合に太陽電池モジュール1の受光面側保護部材11の受光面に入射した光の反射率である反射率D1(%)と、時刻(時)との関係を示す特性図である。図10(a)は、夏至の日における特性図である。図10(b)は、春分の日および秋分の日における特性図である。図10(c)は、冬至の日における特性図である。また、図10においては、受光面側保護部材11の代わりに平面ガラスを備えた比較用の太陽電池モジュールを設置条件1で設置した場合に平面ガラスの受光面に入射した光の反射率である反射率E1(%)を併せて示している。反射率(%)は、受光面側保護部材11の全面または平面ガラスの全面における反射率(%)である。
設置条件1は、家庭用太陽電池の一般的な設置事例に相当する。実効的な凹み角kは、図9に示すように夏至時には正午付近で急激に上昇し、夏から冬に向かうにつれて時刻による変化が緩やかになる。図9(a)および図9(b)から分かるとおり、比較用の太陽電池モジュールでは、春から秋にかけての日の出および日の入りの時間帯では、光の反射角度が180°以上、すなわち光の入射地点を挟んで反対側、且つほぼ水平方向へと向かう。図10(a)および図10(b)から分かるとおり、この時の反射率はほぼ100%になり、光害を生じさせるおそれがある。
一方、本実施の形態1にかかる太陽電池モジュール1においては、春から秋にかけての日の出および日の入りの時間帯に太陽電池モジュール1に入射する光を、90°程度の比較的高い高度に反射させることができている。そして、図10(a)および図10(b)から分かるとおり、この時の反射率は10%未満であり、光害を生じさせるおそれが非常に低く抑制されている。
また、正午付近に反射光の高度が低下するが、太陽電池モジュール1では、受光面側保護部材11の三角溝31の表面への入射角が小さく、すなわち三角溝31の表面への入射角度が大きくなり、垂直入射に近くなるため、反射率は十分低く保たれている。さらに、太陽電池モジュール1では、横方向における外周縁部の僅かな平坦面34の領域以外には、ガラス面に水平に光が入射することがないため、全時間帯において反射率が低く抑えられている。
(太陽電池モジュール1の設置条件2:南向き設置、設置角度10°)
図11および図12に、設置条件2の場合の光の反射の様子を示す。図11は、本実施の形態1にかかる太陽電池モジュール1を設置条件2で設置した場合に受光面側保護部材11の受光面に入射した光の反射光の高度である反射高度(°)と、時刻(時)との関係を示す特性図である。図11(a)は、夏至の日における特性図である。図11(b)は、春分の日および秋分の日における特性図である。図11(c)は、冬至の日における特性図である。
図11においては、反射高度A2(°)と反射高度B2(°)と太陽高度Sとを示している。反射高度A2(°)は、三角溝31において溝底の谷部に対して東側に位置する内壁に入射して三角溝31内において反射され、三角溝31から出射された反射光の反射高度である。反射高度B2(°)は、三角溝31において溝底の谷部に対して西側に位置する内壁に入射して三角溝31内において反射されて三角溝31から出射された反射光の反射高度である。また、図11においては、受光面側保護部材11の代わりに平面ガラスを備えた比較用の太陽電池モジュールを設置条件2で設置した場合に平面ガラスの受光面に入射した光の反射高度である反射高度C2(°)を併せて示している。
図12は、本実施の形態1にかかる太陽電池モジュール1を設置条件2で設置した場合に太陽電池モジュール1の受光面側保護部材11の受光面に入射した光の反射率である反射率D2(%)と、時刻(時)との関係を示す特性図である。図12(a)は、夏至の日における特性図である。図12(b)は、春分の日および秋分の日における特性図である。図12(c)は、冬至の日における特性図である。また、図12においては、受光面側保護部材11の代わりに平面ガラスを備えた比較用の太陽電池モジュールを設置条件2で設置した場合に平面ガラスの受光面に入射した光の反射率である反射率E2(%)を併せて示している。反射率(%)は、受光面側保護部材11の全面または平面ガラスの全面における反射率(%)である。
設置条件2は、メガソーラーなど、平地に太陽電池モジュールを設置する事例に相当する。設置条件2の場合は、設置条件1と異なり太陽電池モジュールの設置角度を小さくすることで真夏時における太陽高度の低い時間帯でも光を入射させることができ、発電量を稼ぐことができる。しかしながら、比較用の太陽電池モジュールの場合は、設置条件1の場合と同じく日の出および日の入りの時間帯に、入射光を入射方向とは逆方向、すなわち光の入射地点を挟んで反対側、且つほぼ水平方向へとほぼ100%跳ね返してしまい光害を発生させる問題がある。
特に設置条件2の場合は、上述した垂直面でのなす角φ、すなわち入射光と太陽電池モジュールの表面との角度の範囲が狭くなる冬場においても、日の出および日の入りの時間帯の光の反射が比較的大きく発生する。これは、太陽電池モジュールの設置角度が小さい場合には、どの季節であっても日の出および日の入りの時間帯には光入射する角度、すなわち上述したなす角θが約0°になるからである。
一方、本実施の形態1にかかる太陽電池モジュール1においては、設置条件2のような平地設置型の太陽電池モジュールとして使用した場合でも、反射光を90°程度の比較的高い高度に反射させることができ、また反射率を低く抑えることができる。太陽電池モジュール1では、上述したように傾斜部、すなわち三角溝31の内壁に光が入射して反射する。このため、日の出および日の入りの時間帯でも、低い高度から入射される光を高い高度の反射光として反射することができる。これにより、太陽電池モジュール1に低い高度から入射される光の反射率を低減することができ、低い高度への光の反射を十分低く抑えることができる。また、図12(c)から分かるように、冬至時の反射率は、10%未満である。すなわち、太陽電池モジュール1では、設置角度が小さくても冬場での反射率が増大しないため、太陽電池モジュール1の設置角度をより小さくして、さらに発電量を稼ぐことも可能である。
(太陽電池モジュール1の設置条件3:東向き設置、設置角度40°)
図13および図14に、設置条件3の場合の光の反射の様子を示す。図13は、本実施の形態1にかかる太陽電池モジュール1を設置条件3で設置した場合に受光面側保護部材11の受光面に入射した光の反射光の高度である反射高度(°)と、時刻(時)との関係を示す特性図である。図13(a)は、夏至の日における特性図である。図13(b)は、春分の日および秋分の日における特性図である。図13(c)は、冬至の日における特性図である。
図13においては、反射高度A3(°)と反射高度B3(°)と太陽高度Sとを示している。反射高度A3(°)は、三角溝31において溝底の谷部に対して北側に位置する内壁に入射して三角溝31内において反射され、三角溝31から出射された反射光の反射高度である。反射高度B3(°)は、三角溝31において溝底の谷部に対して南側に位置する内壁に入射して三角溝31内において反射されて三角溝31から出射された反射光の反射高度である。また、図13においては、受光面側保護部材11の代わりに平面ガラスを備えた比較用の太陽電池モジュールを設置条件3で設置した場合に平面ガラスの受光面に入射した光の反射高度である反射高度C3(°)を併せて示している。
図14は、本実施の形態1にかかる太陽電池モジュール1を設置条件3で設置した場合に太陽電池モジュール1の受光面側保護部材11の受光面に入射した光の反射率である反射率D3(%)と、時刻(時)との関係を示す特性図である。図14(a)は、夏至の日における特性図である。図14(b)は、春分の日および秋分の日における特性図である。図14(c)は、冬至の日における特性図である。また、図14においては、受光面側保護部材11の代わりに平面ガラスを備えた比較用の太陽電池モジュールを設置条件3で設置した場合に平面ガラスの受光面に入射した光の反射率である反射率E3(%)を併せて示している。反射率(%)は、受光面側保護部材11の全面または平面ガラスの全面における反射率(%)である。
家庭用の太陽電池は、好ましくは南向きの屋根に設置されるべきである。しかしながら、現実には南以外の他の方向に向いている屋根に設置する場合も有り得る。比較用の太陽電池モジュールを東向きに設置する場合は、図14から分かるように全ての季節において、正午付近までは反射率が低い。しかしながら、比較用の太陽電池モジュールを東向きに設置する場合は、図14から分かるように、その後、太陽光が太陽電池モジュールに入射しなくなる時刻に近い時間帯で急激に反射率が上昇し、光害を発生させるおそれがある。
一方、本実施の形態1にかかる太陽電池モジュール1においては、秋から春までの季節においては、太陽光が太陽電池モジュール1に入射しなくなる時刻に近い時間帯においても、反射率を十分低く抑えることができる。なお、太陽電池モジュール1においても、夏では、太陽光が太陽電池モジュール1に入射しなくなる時刻に近い時間帯の反射率が高くなるが、比較用の太陽電池モジュールよりも低く抑えることができる。
(太陽電池モジュール1の設置条件4:北向き設置、設置角度40°)
図15および図16に、設置条件4の場合の光の反射の様子を示す。図15は、本実施の形態1にかかる太陽電池モジュール1を設置条件4で設置した場合に受光面側保護部材11の受光面に入射した光の反射光の高度である反射高度(°)と、時刻(時)との関係を示す特性図である。図15(a)は、夏至の日における特性図である。図15(b)は、春分の日および秋分の日における特性図である。図15(c)は、冬至の日における特性図である。
図15においては、反射高度A4(°)と反射高度B4(°)と太陽高度Sとを示している。反射高度A4(°)は、三角溝31において溝底の谷部に対して西側に位置する内壁に入射して三角溝31内において反射され、三角溝31から出射された反射光の反射高度である。反射高度B4(°)は、三角溝31において溝底の谷部に対して東側に位置する内壁に入射して三角溝31内において反射されて三角溝31から出射された反射光の反射高度である。また、図15においては、受光面側保護部材11の代わりに平面ガラスを備えた比較用の太陽電池モジュールを設置条件4で設置した場合に平面ガラスの受光面に入射した光の反射高度である反射高度C4(°)を併せて示している。
図16は、本実施の形態1にかかる太陽電池モジュール1を設置条件4で設置した場合に太陽電池モジュール1の受光面側保護部材11の受光面に入射した光の反射率である反射率D4(%)と、時刻(時)との関係を示す特性図である。図16(a)は、夏至の日における特性図である。図16(b)は、春分の日および秋分の日における特性図である。図16(c)は、冬至の日における特性図である。また、図16においては、受光面側保護部材11の代わりに平面ガラスを備えた比較用の太陽電池モジュールを設置条件4で設置した場合に平面ガラスの受光面に入射した光の反射率である反射率E4(%)を併せて示している。反射率(%)は、受光面側保護部材11の全面または平面ガラスの全面における反射率(%)である。
設置条件4は、家庭用の太陽電池モジュールとして太陽電池モジュール1を北向きの屋根に設置した場合について述べる。図15(a)および図16(a)から分かるように、夏場では低い高度からの光の入射がなく、全体的に反射率が低くなっている。一方、冬場は基本的に太陽が南向きから入射し、且つ入射高度も低いので発電ができない。したがって、低い高度への光の反射が問題となるのは、夏と冬との間の時期である。春分および秋分の時期には、日の出が真東になり、日の入りが真西になる。このため、比較用の太陽電池モジュールの場合には、図15(b)および図16(b)から分かるように、日の出および日の入りの時間帯において、平面ガラスの面方向とほぼ平行に光が入射してしまい、反射率が高くなる。
一方、本実施の形態1にかかる太陽電池モジュール1においては、図15(b)および図16(b)から分かるように、比較用の太陽電池モジュールの場合のような反射高度が180°付近である、低い高度への光の反射がなく、反射率を十分低く抑えることができる。
上述したように、本実施の形態1にかかる太陽電池モジュール1は、複数の縦溝が受光面側に並列配置された受光面側保護部材11を備える。受光面側保護部材11は、太陽電池モジュール1での反射光の高度を制御および制限することができる。これにより、太陽電池モジュール1は、主に日の出および日の入りの時間帯における光害の原因となる低い高度から入射される光の低い高度への反射を抑制して、光害の原因となる低い高度への光の反射量を低減できる。したがって、本実施の形態1にかかる太陽電池モジュール1によれば、太陽電池モジュール1での反射光による近隣被害である光害を防ぐことができる。
また、本実施の形態1にかかる太陽電池モジュール1は、受光面側保護部材11の表面に縦溝構造を形成した簡略な構造のため、製造が容易であり、受光面側保護部材11の機械的特性においても高い信頼性が得られ破損しにくく、長期間にわたって上述した受光面側保護部材11による光害を防ぐことができるという光学的効果が得られる。
なお、上記においては多数の三角溝31を受光面側保護部材11の表面に設けた場合について説明したが、効果は低減するが1本の三角溝31でも光害の原因となる、水平面よりも低い高度への光の反射量を低減する効果が得られる。また、三角溝31を受光面側保護部材11の横方向において断続的に設ける配置とすることも可能である。
実施の形態2.
実施の形態2では、太陽電池モジュールの設置条件により高い高度から太陽電池モジュールに入射する光、すなわち高入射高度の光の、低い高度への反射の抑制について説明する。図17は、本発明の実施の形態2にかかる太陽電池モジュール41を受光面側から見た斜視図である。図18は、本発明の実施の形態2にかかる太陽電池モジュール41における反射光の光路の一例を示す模式図である。図18においては、太陽電池モジュール41が傾斜を有する屋根に設置された状態について示しており、水平面を点線で示している。
実施の形態2にかかる太陽電池モジュール41は、実施の形態1にかかる太陽電池モジュール1に反射光遮断部が取り付けられている点が、太陽電池モジュール1と異なる。なお以下では、反射光遮断部を含む実施の形態2にかかる太陽電池モジュールを表す場合には太陽電池モジュール41と、太陽電池モジュール41のうち反射光遮断部を含まない実施の形態1にかかる太陽電池モジュール1の構成部分を表す場合には、太陽電池モジュール1と記す。
反射光遮断部は、高い入射高度で太陽電池モジュール1に入射する光が低い高度へ反射されて照射されることを抑制するために設けられ、受光面側保護部材11の下端部近傍に設けられる。反射光遮断部は、太陽電池モジュール1の受光面で反射されて地面側へ向かう反射光を反射し、または吸収して、該反射光の太陽電池モジュール1よりも下方への進行を遮断する。なお、吸収には、無反射状体を含んでもよい。これにより、太陽電池モジュール41は、太陽電池モジュール1の受光面で反射した反射光が周辺の構造物または近隣領域に向かうことを防止でき、地面側に向かう反射光による光害を防ぐことができる。
太陽電池モジュール41は、反射光遮断部として、プラスチック板の表面に銀の蒸着が施された反射板42を備える。反射板42は、縦32cm、横110cm、厚さ1cmの外形寸法を有する。反射板42は、本体部43と取り付け部44とを有する。反射板42は、太陽電池モジュール1の下端部の端面に取り付け部44が接着されることにより、太陽電池モジュール1に取り付けられている。反射板42は、太陽電池モジュール1の面方向と本体部43との間のなす角が40°とされて、本体部43が太陽電池モジュール1の受光面から離間した状態で太陽電池モジュール1に取り付けられている。
本実施の形態2で用いる反射光遮断部としての反射板42は、各種樹脂板、プラスチック板、ガラス板などの基板の表面に銀蒸着を施したもの、またはアルミニウムなどの金属板を使用することができる。反射板42の表面の材料は、光の反射率を高くして太陽電池モジュール1へ返す光を増大させるために、銀を用いることが好ましい。なお、太陽電池モジュール1の受光面で反射して地面へ向かう反射光を抑制できればよいという観点から、反射板42の表面の材料には、アルミニウムなどの金属材料および黒色板など光吸収材料を使用して、反射光を吸収させることもできる。
また、反射板42は、反射板42に横方向から直接入射する光が反対方向へと反射されることを防ぐため、本体部43の太陽電池モジュール1側のおもて面が光散乱面とされてもよい。光散乱面としては、太陽電池モジュール1の受光面と同様に、本体部43の太陽電池モジュール1側のおもて面において縦方向に延在する溝を有する形状、または本体部43の太陽電池モジュール1側のおもて面において縦方向に延在する山折り形状にしてもよい。同様に、反射板42は、本体部43における表面と対向するうら面が光散乱面とされてもよい。また、反射板42に横方向から直接入射する光が反対方向へと反射されることを防ぐため、横方向における反射板42の両端部に遮光板を設けてもよい。
反射板42の本体部43において、本体部43と取り付け部44との境界線に隣接する領域には、図17に示されるように開口部45が形成されている。すなわち、開口部45は、反射板42の本体部43において、太陽電池モジュール1の下端部の上端辺に接する領域における上端辺の上部に形成されている。太陽電池モジュール41においては、太陽電池モジュール1の下端部の上端辺に沿って断続的に矩形形状の4つの開口部45が設けられている。開口部45は、横30cm、幅1cmである矩形形状を有する。
上述した特許文献1の技術では、電池ユニットがコーナーキューブ状の凹み構造で配置されるため、太陽電池モジュールの表面に溜まった汚れが除去されにくく、屋外で運用するに当たっての耐久性の問題があった。また、特許文献1の技術では、太陽電池モジュールの表面の汚れに起因した発電効率の低下の問題があった。
しかしながら、太陽電池モジュール41は、反射板42が開口部45を備えることにより、反射板42の本体部43と太陽電池モジュール1の上面とに挟まれた領域に到達した葉っぱおよびゴミなどの汚れを該開口部45から太陽電池モジュール41の外部に排出できる。また、太陽電池モジュール1の上面を流れて太陽電池モジュール1の下端部に溜まった雨水を効率良く太陽電池モジュール41から排出することができる。すなわち、反射板42が開口部45を備えることにより、反射板42の本体部43と太陽電池モジュール1の上面とに挟まれた領域に汚れおよび雨水が溜まることを防止できる。これにより、太陽電池モジュール41は、上述した耐久性および発電効率の低下の問題の発生を防止できる。
なお、開口部45の大きさ、形状および数量は、反射板42の本体部43と太陽電池モジュール1の上面とに挟まれた領域に到達した汚れを該開口部45から太陽電池モジュール41の外部に排出できる大きさ、形状および数量であればよく、特に限定されない。また、上述した効果が得られれば、開口部45の下辺は、太陽電池モジュール1の下端部の上端辺よりも上方にずれていてもよい。
つぎに、実施の形態1にかかる太陽電池モジュール1に反射板42が取り付けられた太陽電池モジュール41における光の反射機構について説明する。太陽電池モジュール1において、図13および図14に示した設置条件3:東向き設置、設置角度40°の場合では、14時頃から反射率が増大してくる。この時間帯における太陽電池モジュール1での反射光の反射方向、すなわち反射光の太陽電池モジュール1からの出射方向は、三角溝31における2つの内壁の内、どちらの内壁に光が入射したかにより異なる。
入射光が三角溝31において溝底の谷部に対して南側に位置する内壁に入射して三角溝31内において反射され、三角溝31から出射された反射光の反射方向は、215°方向程度である。入射光が三角溝31において溝底の谷部に対して北側に位置する内壁に入射して三角溝31内において反射され、三角溝31から出射された反射光の反射方向は、35°方向程度である。ここで、反射光の反射方向が215°方向とは、光の入射地点を挟んで入射側と反対側であり、且つ水平面から地面に向かって35°の角度で下向きに反射光が進むことを示している。また、反射光の反射方向が35°方向とは、反射光と光の入射方向が同一の方角にあり、且つ水平面から地面に向かって35°の角度で上向きに反射光が進むことを示している。
太陽電池モジュール41では、上述した反射光の反射方向が215°方向のように水平面から地面に向かって下向きに進む反射光を反射板42で反射させて水平面よりも上方に向けて反射させることができ、さらに反射板42の設置角度を調整することにより、反射板42で反射させた光を再び太陽電池モジュール1の受光面を介して太陽電池セル3に入射させることが可能となっている。地面に向かって下向きに進む反射光を反射板42で反射させて水平面よりも上方の角度に反射させることで、太陽電池モジュール1の受光面で反射されて地面側、すなわち水平面よりも下側に向かう反射光を遮断することができる。また、太陽電池モジュール1の受光面で反射されて地面側、すなわち水平面よりも下側に向かう反射光を再び太陽電池モジュール1に入射させることにより、光電変換効率の向上が可能である。
図18において、太陽電池モジュール1の受光面に入射した入射光Liの反射光Lr1と太陽電池モジュール1の面方向とのなす角をなす角a、反射板42と太陽電池モジュール1の面方向とのなす角をなす角bとする。太陽電池モジュール1の受光面における反射光Lr1が反射板42に入射して反射された反射光Lr2は、(180°−a−2b)°の再入射角度cで太陽電池モジュール1に再入射する。
なお、反射光Lr2について、高い高度から太陽電池モジュール1の受光面に入射する入射光Liの反射光量は、太陽電池モジュール41が設置された屋根の傾斜角度dが大きくなるほど増大する。これは、三角溝31の延在方向と太陽電池モジュール1の受光面に入射する入射光の進行方向が近くなるためである。
一方、その代わりに、太陽電池モジュール1の受光面における反射光Lr1と太陽電池モジュール1の面方向とのなす角aは0°に近くなり、この反射光Lr1と太陽電池モジュール1の面方向とが平行に近くなる。このため、反射板42においてこの反射光Lr1を捉え易くなり、太陽電池モジュール1に反射光を再入射させやすくなる。
逆に、屋根の傾斜角度dが30°である、傾斜が緩やかな屋根に太陽電池モジュール41が設置された場合には、反射板42に入射する反射光Lr1の反射光量は屋根の傾斜角度dが40°である場合より若干減る。一方、太陽電池モジュール1の受光面における反射光Lr1と太陽電池モジュール1の面方向とのなす角aは、大きくなる。屋根の傾斜角度dが40°である場合のなす角aは、a≒5°程度である。屋根の傾斜角度dが30°である場合のなす角aは、a≒10°程度である。
本実施の形態2においては、太陽電池モジュール1の受光面の上端部で反射した光を反射板42に入射させるために、反射板42の大きさ、および反射板42と太陽電池モジュール1の面方向とのなす角bを決める必要がある。太陽電池モジュール1の受光面の上端部で反射した光は、太陽電池モジュール1の下端部に到達したときには、太陽電池モジュール1の受光面の縦の長さ×tan(a)の離間距離だけ太陽電池モジュール1の受光面から離れている。この離間距離は、a=5°の場合は、太陽電池モジュール1の受光面の縦の長さ×0.09の長さに相当し、a=10°の場合は、太陽電池モジュール1の受光面の縦の長さ×0.18の長さに相当する。
また、太陽電池モジュール1の受光面で反射した反射光Lr1を太陽電池モジュール1の受光面へ再び返すところまで想定した場合、なす角bについての条件は、より制限される。上述したように屋根の傾斜角度d=40°とした場合、太陽電池モジュール1の受光面への反射光の再入射が可能であり、再入射角度cは約90°前後になり、屋根の傾斜角度d=40°のとき、太陽電池モジュール1に対してsin5°/sin135°で約0.12、屋根の傾斜角度d=30°の時、sin10°/sin130°で約0.23の比率の長さが必要になる。このとき、b=45−a/2である。本実施の形態2では屋根の傾斜角度dが40°から30°まで対応できることを想定して反射板42の長さを設定している。太陽電池モジュール1の受光面の縦の長さが1.4mのとき、反射板42の長さを32cmとすると、前記の条件を満たすことが可能である。
本実施の形態2では、反射板42で反射した光が太陽電池モジュール1に垂直に入射することを想定してなす角bを決めたが、ガラスの反射率は入射角が45°以下であれば十分低く保たれるので太陽電池モジュール1とのなす角についてはもっと広くし、できるだけ反射板42によって正面からの入射光が遮られることを防ぐ設定としてもよい。
上述したように、実施の形態2にかかる太陽電池モジュール41は、反射光遮断部としての反射板42を備えるため、太陽電池モジュール1の受光面で反射されて地面側、すなわち水平面よりも下側に向かう反射光を遮断することができる。これにより、北向き、東向き、または西向きの屋根に太陽電池モジュール1が設置されていても、太陽電池モジュール1の受光面で反射した反射光が周辺の構造物または近隣領域に向かうことを防止できる。したがって、太陽電池モジュール41は、太陽電池モジュール1の受光面で反射されて地面側に向かう反射光による光害を防ぐことができる。
実施の形態3.
実施の形態3では、反射光遮断部が太陽電池モジュール1の受光面への太陽電池モジュール1の正面側からの光の入射を遮らない構造について説明する。図19は、本発明の実施の形態3にかかる太陽電池モジュール51を受光面側から見た斜視図である。太陽電池モジュール51は、反射光遮断部として、太陽電池モジュール1の下端部から離間した状態で太陽電池モジュール1に接続配置された箱形反射光遮断部52を備える。また、箱形反射光遮断部52の内部には反射板53が設置されている。図20は、本発明の実施の形態3にかかる太陽電池モジュール51における反射光の光路の一例を示す模式図である。図20においては、太陽電池モジュール51が傾斜を有する屋根に設置された状態について示しており、水平面を点線で示している。
箱形反射光遮断部52は、太陽電池モジュール1の下端部に対向する側の面が開口された細長の箱形形状を有する。箱形反射光遮断部52の内部には、反射板53が配置されている。反射光遮断部の外面は無反射性の板で覆われている。無反射性の板は、黒色、濃紺などの黒色系の板を用いることができる。これにより、太陽電池モジュール51は、箱形反射光遮断部52の外面で反射されて地面側に向かう反射光による光害を防ぐことができる。
箱形反射光遮断部52は、両端部、すなわち、太陽電池モジュール1の下端部の上端辺に沿った方向において対向する両側の端面が無反射の板で覆われている。すなわち、箱形反射光遮断部52は、反射板53における横方向の両端側に無反射の板を備える構成を有する。これにより、太陽電池モジュール51は、箱形反射光遮断部52内に入射した光が箱形反射光遮断部52外に横方向に照射されることを防止できる。また、太陽電池モジュール1の横方向から反射板53に光が直接入射して横方向の反対側に反射されることを防止できる。
また、箱形反射光遮断部52は、外面を無反射の板で覆う代わりに、光吸収できる材料により形成されてもよい。この場合も、太陽電池モジュール51は、箱形反射光遮断部52の外面で反射されて地面側に向かう反射光による光害を防ぐことができる。
また、箱形反射光遮断部52は、受光面側保護部材11の受光面で反射された反射光が入射する反射光入射領域である内面が無反射の材料または光吸収できる光吸収材料により形成される場合には、反射板53を備えなくてもよい。この場合も、太陽電池モジュール51は、太陽電池モジュール1の受光面で反射して箱形反射光遮断部52内に入射した反射光が周辺の構造物または近隣領域に向かうことを防止できる。
なお、本実施の形態3における箱形反射光遮断部52は、上面および側面が光散乱面とされてもよい。光散乱面としては、受光面側保護部材11の受光面と同様に、受光面側保護部材11の横方向と垂直な面内において延在する溝を有する形状、または受光面側保護部材11の横方向と垂直な面内において延在する山折り形状にしてもよい。
このような太陽電池モジュール51は、太陽電池モジュール1の受光面に入射した入射光Liの反射光Lr1が箱形反射光遮断部52の内部の反射板53に入射して反射された反射光Lr2は、太陽電池モジュール1側に戻される。これにより、太陽電池モジュール1の受光面で反射されて地面側に向かう反射光が周辺の構造物または近隣領域に向かうことを防止できる。したがって、太陽電池モジュール51は、太陽電池モジュール1の受光面で反射されて地面側に向かう反射光による光害を防ぐことができる。
また、箱形反射光遮断部52は、太陽電池モジュール1の下端部の近傍において、太陽電池モジュール1の受光面に垂直な領域に重複しない領域、すなわち太陽電池モジュール1の受光面に垂直な領域に配置されている。これにより、太陽電池モジュール1の受光面への太陽電池モジュール1の正面側からの光の入射を、反射光遮断部が遮ることを防止でき、反射光遮断部に起因した発電量の低下を防止できる。この効果は、北向き以外の向きの屋根に太陽電池モジュール1が設置された場合に、有効である。
実施の形態4.
実施の形態4では複数の反射板を、縦方向において隣接する太陽電池セル3間に対応する領域に設置する構造について説明する。図21は、本発明の実施の形態4にかかる太陽電池モジュール61を受光面側から見た斜視図である。図22は、本発明の実施の形態4にかかる太陽電池モジュール61の要部側面図であり、図21の矢視Cにおける要部側面図である。図23は、本発明の実施の形態4にかかる太陽電池モジュール61の要部側面図であり、図21の矢視Dにおける要部側面図である。
太陽電池モジュール61は、受光面側保護部材11の横方向に延在する複数の反射板62が、太陽電池モジュール1の受光面側保護部材11における受光面上に、受光面側保護部材11の面方向と垂直に配置されている。反射板62は、図23に示すように、縦方向において隣接する太陽電池セル3間に対応する領域に等間隔で設置されている。反射板62は、図22に示すように、本体部63と、本体部63の長手方向の両端に設けられた取り付け部64とを有する。本体部63は、受光面側保護部材11の横方向に沿った断面が、三角溝31の表面形状に沿った形状を有する。反射板62は、取り付け部64が受光面側保護部材11の平坦面34に接着等の方法により取り付けられることにより、本体部63が受光面側保護部材11の表面から離間した状態で受光面側保護部材11の上に配置されている。なお、図23においては、理解の容易のため、取り付け部64の表示を省略している。
このように構成された太陽電池モジュール61では、反射板62を受光面側保護部材11の縦方向に分散して配置することにより、一枚あたりの反射板62の高さを低くすることができる。これにより、太陽電池モジュール61の下端部領域に反射光遮断部を設けて縦の大きさを拡大しなくても、太陽電池モジュール61の縦の大きさの拡大を抑制しつつ、上述した反射板42と同じ効果を得ることができる。本実施の形態4では、太陽電池モジュール1の表面に反射板62を11枚設置している。受光面側保護部材11の縦方向における隣接する反射板62の設置間隔gを11.5cm、反射板62の本体部63の高さ方向の幅eを2cmとした。三角溝31の表面と本体部63の間には、三角溝31上への汚れの滞留防止のために、反射板62の高さ方向の幅eと同じ高さである離間間隙fとして2cmの間隙を設けている。
太陽電池モジュール61では、図23に示すように、太陽電池モジュール61の上方から反射板62の本体部63に入射する入射光L11は、反射板62の本体部63で反射した反射光111となって、太陽電池モジュール61の上方に戻る。また、太陽電池モジュール61の上方から入射して反射板62の本体部63の上方を通過する入射光L12は、受光面側保護部材11の表面の三角溝31で反射した反射光L121となって、太陽電池モジュール61の下方に進む。また、太陽電池モジュール61の上方から入射して反射板62の本体部63の下方を通過する入射光L13は、受光面側保護部材11の表面の三角溝31で反射した反射光L131となって、太陽電池モジュール61の下方に進む。
太陽電池モジュール61を構成する上では、受光面側保護部材11の上方から入射する、受光面側保護部材11で反射させたい光の入射角度βと隣接する反射板62の設置間隔gとにより反射板62の高さ方向の幅eを決める。入射角度βは、受光面側保護部材11の面方向と、受光面側保護部材11の上方から受光面側保護部材11に入射する光とのなす角である。ここで、e=(g×tanβ)/2であり、反射板62の本体部63の高さ方向の幅eと同じ高さである離間間隙fも同様に決められる。この反射板62の高さ位置、すなわち、反射板62の上端位置において入射角度βで入射する光は全て反射板62の本体部63と太陽電池モジュール1の表面とを経由するようになる。本実施の形態4の場合、太陽電池モジュール61の上方から約10°の入射角度βで反射板62に入射する光において成り立つように反射板62の本体部63の高さ方向の幅eを設定した。
本実施の形態4では、想定した入射角度βよりも大きな入射角度で太陽電池モジュール61の上方から入射した光は、反射板62を経由しにくくなる。逆に想定した入射角度βよりも小さな入射角度で太陽電池モジュール61の上方から入射した光は、一部が反射板62の本体部63に複数回入射するため反射方向を制御できなくなる。したがって、複数の反射板62を用いた太陽電池モジュール61の場合は、想定した入射角度βに対してのみ、受光面側保護部材11の上方から入射した光を反射板62で反射して再度上方に戻すことができるという反射板62の効果が得られ、それ以外の場合では、入射角度が入射角度βからずれるにしたがって徐々に効果が少なくなる。本実施の形態4では、上述した太陽電池モジュール1の設置条件4のように太陽電池モジュールを北向き設置とした場合に
三角溝31構造では捉えきれない入射角度βが10°程度の反射光の跳ね返しを目的とするので十分に効果がある。
なお、受光面側保護部材11の縦方向において、反射板62の前後には、太陽電池モジュール61の上方から入射した光が反射板62によって遮光される領域と、反射板62によって入射光が増幅される領域ができる。このため、反射板62を用いることにより、太陽電池セル3の面内に入射光量にムラが発生する。
このような入射光量のムラの影響をできるだけ防ぐために、本実施の形態4では、受光面側保護部材11の縦方向における太陽電池モジュール61内の太陽電池セル3よりも多くの反射板62を配置することが好ましい。すなわち、受光面側保護部材11の縦方向における太陽電池セル3上の領域にも、反射板62を配置する。これにより、受光面側保護部材11の縦方向における、太陽電池セル3への入射光量のムラの発生周期を短くし、太陽電池セル3ごとの入射光量のばらつきを抑えることができる。
太陽電池セル3への入射光量のムラの発生周期を短くし、太陽電池セル3ごとの入射光量のばらつきを抑える観点からは、反射板62は、縦方向において等間隔に配置されればよく、縦方向において隣接する太陽電池セル3間に対応する領域に設置されていなくてもよい。
本実施の形態4では、受光面側保護部材11の縦方向において、反射板62を地面側から11.5cm間隔で11枚設置している。なお、入射角度βが5°から10°の範囲である場合には、受光面側保護部材11の縦方向における上端部の反射板62で反射された反射光を太陽電池セル3に入射させるためには、受光面側保護部材11の縦方向において、最上位置の反射板62の上部には隣接する反射板62の間隔gの2倍の長さのゆとりが必要である。
上述したように、実施の形態4においては、太陽電池モジュール61では、反射板62を受光面側保護部材11の縦方向に分散して配置することにより、一枚あたりの反射板62の高さを低くする。これにより、太陽電池モジュール61の下端部領域に反射光遮断部を設けて縦の大きさを拡大しなくても、上述した反射板42および箱形反射光遮断部52と同様に、太陽電池モジュール61の受光面で反射されて地面側、すなわち水平面よりも下側に向かう反射光を遮断することができる。したがって、太陽電池モジュール61は、太陽電池モジュール1の受光面で反射されて地面側に向かう反射光による光害を防ぐことができる。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。