JP2017011107A - 熱電変換素子 - Google Patents

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裕三 永田
Yuzo Nagata
裕三 永田
寛記 杉浦
Hiroki Sugiura
寛記 杉浦
林 直之
Naoyuki Hayashi
直之 林
野村 公篤
Kimiatsu Nomura
公篤 野村
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Abstract

【課題】熱電変換性能に優れると共に、耐曲げ性にも優れる熱電変換素子を提供する。【解決手段】面方向の少なくとも一部に他の領域よりも熱伝導率が高い高熱伝導部12bを有する第1基板12と、第1基板の上に配置される熱電変換層16と、熱電変換層の上に配置される、面方向の少なくとも一部に他の領域よりも熱伝導率が高い高熱伝導部20bを有し、かつ、面方向において自身の高熱伝導部が第1基板の高熱伝導部と完全には重複しない第2基板20と、面方向に熱電変換層を挟むように、熱電変換層に接続される一対の電極26および28と、第1基板と熱電変換層との間および熱電変換層と第2基板との間の少なくとも一方に配置される、ポリマーを含む中間層14と、を有する。熱電変換層が所定量のカーボンナノチューブを含み、中間層の表面エネルギーが50mN/m以下であり、ポリマーのガラス転移温度が15〜130℃である。【選択図】図1

Description

本発明は、熱電変換素子に関する。
熱エネルギーと電気エネルギーを相互に変換することができる熱電変換材料は、熱電発電素子やペルチェ素子のような熱電変換素子に用いられている。このような熱電変換素子を応用した熱電発電は、熱エネルギーを直接電力に変換することができ、可動部を必要とせず、体温で作動する腕時計や僻地用電源、宇宙用電源等に用いられている。
熱電変換素子は、一般的に、板状の基板の上に電極を有し、電極の上にブロック状の熱電変換層(発電層)を有し、熱電変換層の上に板状の電極を有してなる構成を有する(いわゆる、π型やuni leg型の熱電変換素子)。
すなわち、通常の熱電変換素子は、電極で熱電変換層を厚さ方向に挟持し、熱電変換層の厚さ方向に温度差を生じさせて、熱エネルギーを電気エネルギーに変換させている。
これに対して、特許文献1には、高熱伝導部を有する基板を用いることにより、熱電変換層の厚さ方向ではなく、熱電変換層の面方向に温度差を生じさせて、熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電変換素子が記載されている。
具体的には、特許文献1には、P型材料およびN型材料で形成された熱電変換層の両面に、熱伝導率が異なる2種類の材料で構成された柔軟性を有するフィルム基板を設け、熱伝導率が異なる材料を、基板の外面で、かつ、通電方向の逆位置に位置するように構成した熱電変換素子が記載されている。
特許第3981738号公報
一方、近年、熱電変換素子が使用される機器の性能向上のために、熱電変換素子の熱電変換性能のより一層の向上が求められており、種々の熱電変換材料の使用が試みられている。例えば、熱電変換層を構成する材料としてカーボンナノチューブ(以後、「CNT」とも称する)を使用する試みが盛んになされている。特に、熱電変換特性を向上させるためには、熱電変換層中におけるカーボンナノチューブの含有量を向上させることが好ましい。
本発明者らは、特許文献1に記載の熱電変換層の材料としてCNTを使用して熱電変換素子を作製して、その特性(発電量)を評価したところ、昨今要求されるレベルを満たしておらず、更なる改良が必要であることを知見した。
また、近年、曲面や凹凸を有する機器の表面に熱電変換素子を取り付ける要望が増えており、熱電変換素子を折り曲げてもその特性が変化しづらい、耐曲げ性も求められている。しかし、特許文献1に記載の熱電変換層の材料としてCNTを使用して作製された熱電変換素子においては、上記耐曲げ性が十分でなく、改良が必要であった。特に、熱電変換層においてCNTの含有量が多い場合、上記問題が特に顕著であった。
本発明は、上記実情に鑑みて、熱電変換性能に優れると共に、耐曲げ性にも優れる熱電変換素子を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、所定の特性を示す中間層を使用することにより、所望の効果が得られることを見出した。
より具体的には、以下の構成により上記目的を達成することができることを見出した。
(1) 面方向の少なくとも一部に他の領域よりも熱伝導率が高い高熱伝導部を有する第1基板と、
第1基板の上に配置される熱電変換層と、
熱電変換層の上に配置される、面方向の少なくとも一部に他の領域よりも熱伝導率が高い高熱伝導部を有し、かつ、面方向において自身の高熱伝導部が第1基板の高熱伝導部と完全には重複しない第2基板と、
面方向に熱電変換層を挟むように、熱電変換層に接続される一対の電極と、
第1基板と熱電変換層との間、および、熱電変換層と第2基板との間の少なくとも一方に配置される、ポリマーを含む中間層と、を有し、
熱電変換層がカーボンナノチューブを含み、
カーボンナノチューブの含有量が、熱電変換層全質量に対して、50質量%以上であり、
中間層の表面エネルギーが50mN/m以下であり、
ポリマーのガラス転移温度が15〜130℃である、熱電変換素子。
(2) ポリマーが、芳香環を含む、(1)に記載の熱電変換素子。
(3) 芳香環が、多環芳香環である、(2)に記載の熱電変換素子。
(4) ポリマーが、ポリ(メタ)アクリレート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、および、ノボラック系樹脂からなる群から選択される、(1)〜(3)のいずれかに記載の熱電変換素子。
(5) カーボンナノチューブの含有量が、熱電変換層全質量に対して、65質量%以上である、(1)〜(4)のいずれかに記載の熱電変換素子。
(6) 中間層の厚みが100nm以下である、(1)〜(5)のいずれかに記載の熱電変換素子。
(7) 第1基板の他の領域が、高熱伝導部よりも熱伝導率が低い低熱伝導部より構成され、
低熱伝導部が、ガラス転移温度が200℃以上の樹脂を含み、
低熱伝導部の熱膨張係数が30ppm/K以下である、(1)〜(6)のいずれかに記載の熱電変換素子。
(8) 一対の電極のうち少なくとも一方が、有機化合物で表面処理された電極である、(1)〜(7)のいずれかに記載の熱電変換素子。
(9) 有機化合物が芳香環を含む、(8)に記載の熱電変換素子。
本発明によれば、熱電変換性能に優れると共に、耐曲げ性にも優れる熱電変換素子を提供することができる。
(A)は、本発明の熱電変換素子の一例を概念的に示す上面図、(B)は、同正面図、(C)は、同底面図である。 (A)〜(D)は、本発明の熱電変換素子を利用する熱電変換モジュールを説明するための概念図である。 (A)および(B)は、本発明の熱電変換素子に利用可能な基板の別の例を概念的に示す正面図である。
以下、本発明の熱電変換素子および熱電変換素子の製造方法について、添付の図面に示される好適実施例を基に詳細に説明する。
なお、本発明の特徴点としては、熱電変換層にCNTが含有されると共に、所定の特性を示す中間層を使用している点が挙げられる。
本発明者らは、従来技術において、所望の効果が得られない原因を検討したところ、CNTを含む熱電変換層と熱電変換層を挟持する基板との密着性が十分でなく、熱電変換層と基板との間に空隙が生じやすく、結果として基板から熱電変換層への熱伝達効率が十分でないことを知見した。そこで、本発明者らは、所定の特性を示す、ポリマーを含む中間層を用いる方法を考案している。より具体的には、熱電変換層に多く含まれるCNTは比較的疎水的な性質を示す点から、熱電変換層と熱電変換層と接触している基板との間に低い表面エネルギーを示す中間層を設けることにより、両者の密着性がより向上することを知見している。また、中間層中に含まれるポリマーのガラス転移温度が所定値以上であることにより、折り曲げた際に、熱電変換層や電極などの位置づれが生じにくく、かつ、中間層の割れなどが抑制されるため、所望の効果が得られることも見出している。
<熱電変換素子>
図1に、本発明の熱電変換素子の一例を概念的に示す。なお、図1において、(A)は上面図(図1(B)を紙面上方から見た図)、(B)は正面図(後述する基板等の面方向から見た図)、(C)は底面図(図1(B)を紙面下方から見た図)である。
図1に示すように、熱電変換素子10は、基本的に、第1基板12と、中間層14と、熱電変換層16と、粘着層18と、第2基板20と、電極26および電極28とを有して構成される。
具体的には、第1基板12の上に中間層14を有し、中間層14の上に熱電変換層16を有し、熱電変換層16の上に粘着層18を有し、粘着層18の上に第2基板20を有する。さらに、第1基板12と第2基板20との間において、熱電変換層16を第1基板12および第2基板20の基板面方向(以下、単に『面方向』とも言う。言い換えれば、第1基板12および第2基板20を積層する方向とは直交する方向。)に挟むようにして、熱電変換層16に電極26および電極28(電極対)が接続される。
図1に示すように、第1基板12は、低熱伝導部12aおよび高熱伝導部12bを有する。同様に、第2基板20も、低熱伝導部20aおよび高熱伝導部20bを有する。図示例において、両基板は、互いの高熱伝導部が、電極26と電極28との離間方向(すなわち通電方向)に異なる位置となるように配置される。
なお、両基板は、配置位置、および、表裏や面方向(基板面方向)の向きが異なるのみで、構成は同じであるので、第1基板12と第2基板20とを区別する必要が有る場合を除いて、説明は第1基板12を代表例として行う。
図示例の熱電変換素子10において、第1基板12(第2基板20)は、低熱伝導部12a(低熱伝導部20a)となる板状物の、一方の面の半分の領域を覆うように、高熱伝導部12b(高熱伝導部20b)を積層してなる構成を有する。
従って、第1基板12の一面(一方の表面)は、面方向の半分の領域が低熱伝導部12aで、残りの半分の領域は高熱伝導部12bとなる。また、第1基板12の他方の面は、全面が低熱伝導部12aとなる。
なお、本発明の熱電変換素子において、第1基板12(第2基板20)は、低熱伝導部12aの表面に高熱伝導部12bを積層してなる構成以外にも、各種の構成が利用可能である。例えば、第1基板12は、図3(A)に概念的に示すように、低熱伝導部12aとなる板状物の、一方の面の半分の領域に凹部を形成して、この凹部に、表面が均一となるように高熱伝導部12bを組み込んでなる構成でもよい。
さらに、第1基板12は図1(A)に示す積層体で、第2基板20は図3(A)に示す凹部に高熱伝導部を組み込んでなる構成等、第1基板12と第2基板20とで、高熱伝導部の形成方法が異なってもよい。
熱電変換素子10は、例えば、熱源との接触などによる加熱によって温度差が生じることにより、この温度差に応じて、熱電変換層16の内部において、この温度差の方向のキャリア密度に差が生じ、電力が発生する。図示例においては、例えば、第1基板12側に熱源を設け、第1基板12の高熱伝導部12bと、第2基板20の高熱伝導部20bとの間に温度差を生じさせることにより、発電する。すなわち、in plane型である本発明の熱電変換素子10では、図1(A)〜図1(C)に矢印xで概念的に示すように、シート状の熱電変換層16の面方向に熱が流れる。
また、電極26および電極28に配線を接続することにより、加熱等によって発生した電力(電気エネルギー)が取り出される。
そのため、本発明の熱電変換素子10は熱電変換層16を厚くしなくても、電極間のシート状の熱電変換層16において大きな温度差を生じさせることができる。また、熱電変換層16を電極間方向に長くすることにより、面方向の長い距離の温度差によって、より高い発電量が得られる。
本発明の熱電変換素子10は、高熱伝導部および低熱伝導部を有する基板を2枚用い、両基板の高熱伝導部を面方向に異なる位置として、この2枚の基板で熱電変換層を挟持してなる構成(以下、この構成を『in plane型』とも言う)を有し、かつ、熱電変換層16にCNTが所定量以上含まれ、さらに、第1基板12と熱電変換層16との間に所定の中間層14が配置されていることにより、所望の効果が得られることを実現している。
以後、熱電変換素子10に使用される各部材について詳述する。
(第1基板および第2基板)
第1基板12および第2基板20は、上述したように熱電変換層16の両面側に配置され、それぞれ低熱伝導部および高熱伝導部を有する。上述したように、以下の説明では、第1基板12を代表例として行う。
第1基板12は、フィルム状の低熱伝導部12aおよびフィルム状の高熱伝導部12bを有する。低熱伝導部12aは、高熱伝導部12bよりも熱伝導率が低い。言い換えると 、高熱伝導部12bは、低熱伝導部12aよりも熱伝導率が高い。
低熱伝導部12aを構成する材料は、ガラス、セラミックス、樹脂(プラスチック)など、絶縁性を有し、かつ、熱電変換層16や電極26等の形成等に対する十分な耐熱性を有するものであれば、各種の材料からなる物が利用可能である。
好ましくは、低熱伝導部12aには、樹脂(プラスチック)からなるフィルムが利用される。低熱伝導部12aを構成する材料として、樹脂(プラスチック)を用いることにより、軽量化やコストの低下を計ると共に、可撓性を有する熱電変換素子10が形成可能となり、好ましい。
低熱伝導部12aに利用可能な樹脂(プラスチック)としては、具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)、ポリエチレン−2,6−フタレンジカルボキシレート等のポリエステル、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエーテルスルホン、シクロオレフィンポリマー、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、トリアセチルセルロース(TAC)等の樹脂、ガラスエポキシ、液晶性ポリエステル等が例示される。
なかでも、熱伝導率、耐熱性、耐溶剤性、入手の容易性や経済性等の点で、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートは、好適に利用される。
なかでも、熱電変換素子を作製する際の加熱処理時に寸法変化をより抑制できる点で、低熱伝導部12aの熱膨張係数は、30ppm/K以下であることが好ましい。
下限は特に制限されないが、10ppm/K以上の場合が多い。
上記熱膨張係数は平均熱膨張係数であり、具体的には、熱膨張係数測定機((株)リガク製 熱機械分析装置 8310シリーズ)を用いて、圧縮荷重法にて求められる23〜150℃の平均熱膨張係数である。
また、低熱伝導部12aが樹脂から構成される場合、熱電変換素子を作製する際の加熱処理時に寸法変化をより抑制できる点で、樹脂のガラス転移温度は200℃以上が好ましい。上限は特に制限されないが、450℃以下の場合が多い。
樹脂のガラス転移温度の測定方法は、示差走査熱量計[セイコーインスツルメンツ(株)製 製品名「DSC−6200」]を用いて、JIS K 7121(1987)(プラスチックの転移温度の測定方法)に準じた方法により求める。具体的には、3mgの粉末サンプルを、窒素雰囲気下(ガスの流量;80ml/分)で昇温(加熱速度;10℃/分)させて2回測定し、2回目のデータを採用した。
高熱伝導部12bは、低熱伝導部12aよりも熱伝導率が高いものであれば、各種の材料からなるフィルムが例示される。
具体的には、熱伝導率等の点で、金、銀、銅、アルミニウム等の各種の金属が例示される。なかでも、熱伝導率、経済性等の点で、銅およびアルミニウムが好適に利用される。
なお、本発明において、第1基板12の厚さ、低熱伝導部12aの厚さ等は、高熱伝導部12bおよび低熱伝導部12aの形成材料、熱電変換素子10の大きさ等に応じて、適宜、設定すればよい。なお、第1基板12の厚さとは、高熱伝導部12bが無い領域の低熱伝導部12aの厚さである。
また、第1基板12の面方向(基板面と直交する方向から見た際)の大きさ、第1基板12における高熱伝導部12bの面方向の面積率等も、低熱伝導部12aおよび高熱伝導部12bの形成材料、熱電変換素子10の大きさ等に応じて、適宜、設定すればよい。
さらに、第1基板12における高熱伝導部12bの面方向の位置も、図示例に限定されず、各種の位置が利用可能である。
例えば、第1基板12において、高熱伝導部12bは、面方向において低熱伝導部12aに内包されてもよい。あるいは、高熱伝導部12bは、面方向において、一部を第1基板12の端部に位置し、それ以外の領域を低熱伝導部12aに内包されてもよい。
さらに、第1基板12は、面方向に複数の高熱伝導部12bを有してもよい。
なお、図1に示す熱電変換素子10は、第1基板12と第2基板20との間での温度差を生じ易い好ましい態様として、第1基板12および第2基板20は、共に、高熱伝導部12bおよび高熱伝導部20bを積層方向の外側に位置している。
しかしながら、本発明は、これ以外にも、第1基板12および第2基板20が、共に、高熱伝導部12bおよび高熱伝導部20bを積層方向の内側に位置する構成でもよい。または、第1基板12が高熱伝導部12bを積層方向の外側に位置し、第2基板20が高熱伝導部20bを積層方向の内側に位置するような構成でもよい。
なお、高熱伝導部が金属等の導電率を有する材料で形成され、かつ、積層方向の内側に配置される場合で、かつ、中間層14および/または粘着層18が、導電性を有する場合には、高熱伝導部と、電極26および電極28との絶縁性を確保するために、間に絶縁層等を形成してもよい。
図示例の熱電変換素子10は、基板面に直交する方向から見た際に電極間方向において対面して当接するように、第1基板12の高熱伝導部12bと、第2基板20が高熱伝導部20bとが、電極間方向で、面方向の異なる位置に配置される。
本発明の熱電変換素子は、これ以外にも、第1基板の高熱伝導部と、第2基板の高熱伝導部とが、面方向において完全には重複しなければ、各種の構成が利用可能である。言い換えれば、本発明の熱電変換素子は、第1基板の高熱伝導部と第2基板の高熱伝導部とが、面方向(基板面)と直交する方向から見た際に完全には重複しなければ、各種の構成が利用可能である。なお、以下の例においても、高熱伝導部は、図1(B)に示すように低熱伝導部の上に載置されてもよく、または、図3(A)に示すように低熱伝導部に形成した凹部に組み込まれてもよい。
例えば、図1に示す例において、第1基板12の高熱伝導部12bを図中右側に移動し、第2基板20の高熱伝導部20bを図中左側に移動して、両高熱伝導部を、電極間方向(面方向)に離間させてもよい。具体的には、第1基板12の高熱伝導部12bと第2基板20の高熱伝導部20bとは、面方向において、電極26と電極28との離間方向における熱電変換層16の大きさに対して、電極間方向に10〜90%離間させるのが好ましく、10〜50%離間させるのがより好ましい。
または、この両高熱伝導部が離間する構成において、高熱伝導部12bおよび/または高熱伝導部20bに、他方に向かう凸部を設け、面方向において、両基板の高熱伝導部が一部重複するようにしてもよい。
逆に、図1に示す例において、第1基板12の高熱伝導部12bを図中左側に移動し、第2基板20の高熱伝導部20bを図中右側に移動することによって、両基板の高熱伝導部の一部を、面方向で重複させてもよい。
また、例えば、第1基板に円形の高熱伝導部を形成し、第2基板に同サイズ(直径と一辺の長さとが一致)の正方形の高熱伝導部を形成して、両高熱伝導部の中心を面方向で一致させるように、両基板を配置してもよい。この構成でも距離は短いが、両高熱伝導部は、端部(周辺)位置が面方向で異なるので、熱電変換層には面方向の温度差が生じ、厚さ方向に温度差を生じさせる熱電変換素子に比して、効率の良い発電が可能である。
(中間層(密着層))
熱電変換素子10において、第1基板12の上には、中間層14を介して熱電変換層16が配置される。すなわち、熱電変換素子10において、第1基板12と熱電変換層16との間には、中間層14が設けられる。なお、中間層14は、熱電変換層16と接触するように配置される。
このような中間層14が配置されることにより、熱電変換層16と第1基板12との十分な密着性を確保することができ、熱電変換素子10を湾曲または折り曲げた後にも熱電変換層16と第1基板12との間の剥離が生じにくく、湾曲または折り曲げた後でも熱電変換素子10が所望の効果を示しやすく、可撓性により優れる熱電変換素子10を得ることができ、好ましい。
なお、図1においては、第1基板12と熱電変換層16との間に中間層14を配置する態様を示すが、この態様に限定されず、熱電変換層16と第2基板20との間に中間層14が配置されていてもよく、第1基板12と熱電変換層16との間、および、熱電変換層16と第2基板20との間の両方に中間層14が配置されていてもよい。
中間層14は、ポリマーを含む層(ポリマー層)である。
中間層14は、実質的にポリマーからなる層であり、「実質的に」とは中間層中におけるポリマーの含有量が、中間層14全質量に対して、90質量%以上であることを意図する。上限は特に制限されず、100質量%が挙げられる。なお、中間層14には、ポリマー以外の添加剤が含まれていてもよい。
中間層14に含まれるポリマーのガラス転移温度は、15〜130℃であり、熱電変換素子の耐曲げ性がより優れる点で、30〜125℃が好ましく、50〜120℃がより好ましい。
ガラス転移温度が15℃未満の場合、熱電変換素子を曲げた際に各部材(例えば、電極、熱電変換層など)の位置づれが生じやすく、耐曲げ性に劣る。また、ガラス転移温度が130℃超の場合、熱電変換素子を曲げた際に中間層14が割れやすく、熱電変換層16と中間層14との間で空隙が生じやすいため、耐曲げ性に劣る。
なお、上記ポリマーのガラス転移温度の測定方法は、上述した低熱伝導部12aに含まれる樹脂のガラス転移温度の測定方法と同じである。
中間層14の表面エネルギーは、50mN/m以下であり、熱電変換素子の熱電変換特性がより優れる、および/または、熱電変換素子の耐曲げ性がより優れる点(以後、単に「本発明の効果がより優れる点」とも称する)で、47mN/m以下が好ましく、45mN/m以下がより好ましく、40mN/m以下がさらに好ましい。下限は特に制限されないが、15mN/m以上の場合が多い。
上述したように、CNTを所定量以上含む熱電変換層16は比較的疎水的な性質を示すため、中間層14の表面の表面エネルギーが上記範囲であれば、熱電変換層16と中間層14との表面特性が類似し、結果として両者の密着性が向上する。
一方、中間層14の表面エネルギーが50mN/m超である場合、所望の効果が得られない。
上記表面エネルギーの測定方法としては、水、ジヨードメタンを用い、中間層14の表面上にそれらを滴下後、30秒後の接触角を測定し、Owens-Wendtの方法により、連立方程式を解き、分散力成分と水素結合性成分を足すことにより、表面エネルギーを求める。
なお、上記図1においては、中間層14の熱電変換層16側の表面が、上記表面エネルギーを少なくとも示す。
中間層14に含まれるポリマーの構造は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、芳香環(芳香環構造)が含まれることが好ましい。上記ポリマーに芳香環が含まれる場合、熱電変換層16に含まれるCNTと、中間層14の表面上にあるポリマー由来の芳香環とが相互作用して、熱電変換層16と中間層14との密着性がより向上する。
芳香環は、ポリマーの主鎖中に含まれていてもよいし、側鎖中に含まれていてもよい。例えば、ポリスチレン系樹脂においてはポリマーの側鎖に芳香環(ベンゼン環)が導入されており、ノボラック系樹脂においてはポリマーの主鎖に芳香環(ベンゼン環)が導入されている。また、例えば、ポリ(メタ)アクリレート系樹脂の側鎖に適宜芳香環を導入してもよい。
ポリマーに含まれる芳香環としては、炭化水素芳香環であっても、複素芳香環であってもよい。
炭化水素芳香環としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ピレン環、アズレン環、クリセン環、ペリレン環、トリフェニレン環、ペンタレン環、インダセン環、フルオランテン環、アセフェナントリレン環、アセアントリレン環、ナフタセン環、ペンタフェン環、ペンタセン環、ヘキサフェン環などが挙げられる。
複素芳香環としては、例えば、フラン環、チオフェン環、ピロール環、ピロリン環、ピロリジン環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、イミダゾール環、イミダゾリン環、イミダゾリジン環、ピラゾール環、ピラゾリン環、ピラゾリジン環、トリアゾール環、フラザン環、テトラゾール環、ピラン環、チイン環、ピリジン環、ピペリジン環、オキサジン環、モルホリン環、チアジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピペラジン環、トリアジン環、ベンゾフラン環、イソベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、インドール環、インドリン環、イソインドール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、インダゾール環、ベンゾイミダゾール環、キノリン環、イソキノリン環、シンノリン環、フタラジン環、キナゾリン環、キノキサリン環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、カルバゾール環、キサンテン環、アクリジン環、フェナントリジン環、フェナントロリン環、フェナジン環、フェノキサジン環、チアントレン環、インドリジン環、キノリジン環、キヌクリジン環、ナフチリジン環、プリン環、プテリジン環などが挙げられる。
また、ポリマーに含まれる芳香環としては、単環芳香環であっても、多環芳香環(縮合多環芳香環)であってもよい。なかでも、本発明の効果がより優れる点で、多環芳香環が好ましく、環数が3以上の多環芳香環がより好ましい。なお、多環芳香環の環数の上限は特に制限されないが、10以下の場合が多く、5以下の場合がより多い。
多環芳香環とは、2以上の芳香環が縮合して形成される環構造である。
なお、本発明の効果がより優れる点で、ポリマーには、水素結合性基が含まれないことが好ましい。水素結合性基とは、他の官能基と水素結合し得る官能基を意味し、具体的には水酸基、アミノ基、チオール基、カルボキシル基、スルホン酸基、アミド基、リン酸基などが挙げられる。
ポリマーの種類は上述した特性(ガラス転移温度および表面エネルギー)を示すポリマーであれば特に制限されず、公知のポリマー(ポリ(メタ)アクリレート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ノボラック系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリシクロオレフィン系樹脂、ポリシロキサン系樹脂、ポリイミド系樹脂など)が挙げられるが、本発明の効果がより優れる点で、ポリ(メタ)アクリレート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、および、ノボラック系樹脂が好適に挙げられる。なかでも、樹脂骨格が疎水的であり、CNTとの相互作用がより良好な点で、ポリ(メタ)アクリレート系樹脂がより好ましい。
なお、上記ではポリマーの主鎖骨格を構成する樹脂の種類を述べており、上記主鎖骨格の側鎖には適宜官能基が導入されていてもよい。また、上記ポリマーは、上述した樹脂を構成する繰り返し単位を複数種有していてもよい。
上記ポリ(メタ)アクリレート系樹脂は、ポリアクリレート系樹脂およびポリメタアクリレート系樹脂を含む概念である。
なお、ポリ(メタ)アクリレート系樹脂が芳香環を含む場合、以下の式(X)で表される繰り返し単位を含む樹脂であることが好ましい。
式(X)中、Raは、水素原子またはアルキル基(好ましくは、メチル基)を表す。
Lは、単結合または2価の連結基を表す。2価の連結基としては、例えば、2価の炭化水素基(2価の飽和炭化水素基であっても、2価の芳香族炭化水素基であってもよい。2価の飽和炭化水素基としては、直鎖状、分岐状または環状であってもよく、炭素数1〜20であることが好ましく、例えば、アルキレン基が挙げられる。また、2価の芳香族炭化水素基としては、炭素数5〜20であることが好ましく、例えば、フェニレン基が挙げられる。それ以外にも、アルケニレン基、アルキニレン基であってもよい。)、2価の複素環基、−O−、−S−、−SO2−、−NRL−、−CO−、−COO−、−CONRL−、−SO3−、−SO2NRL−、または、これらを2種以上組み合わせた基(例えば、アルキレンオキシ基、アルキレンオキシカルボニル基、アルキレンカルボニルオキシ基など)などが挙げられる。なかでも、アルキレン基、−O−、−COO−、−SO3−、または、これらの組み合わせが好ましい。ここで、RLは、水素原子またはアルキル基(好ましくは炭素数1〜10)を表す。
Arは、芳香環を表す。芳香環の定義は、上述の通りである。
なお、Arには、置換基が置換していてもよい。
中間層14を形成する方法は、使用される材料に応じて適宜最適な方法が選択される。例えば、ポリマーを含む溶液を所定の基板に塗布、乾燥して中間層14を形成する方法、上記ポリマーを含むシート状の中間層14を所定の基板に貼り付ける方法などが挙げられる。
中間層14の厚さは、中間層14の形成材料、第1基板12および第2基板20の大きさ等に応じて、十分な密着力を得られる厚さを、適宜、設定すればよい。
なかでも、熱電変換層と基板との密着性、および、熱電変換素子の薄型化のバランスの点で、100nm以下が好ましく、60nm以下がより好ましい。下限は特に制限されないが、20nm以上の場合が多い。
なお、中間層14は、図示例のように、第1基板12の全面に対応して形成してもよく、第1基板12の熱電変換層16に対応する領域のみに形成してもよい。
(熱電変換層)
熱電変換層16は、熱を電気に変換する機能を有する層である。
熱電変換素子10において、第1基板12の上に、中間層14を介して熱電変換層(発電層)16が配置される。また、熱電変換層16の上には、粘着層18を介して第2基板20が配置される。なお、前述のように、両基板は積層方向において、高熱伝導部を外側に位置する。
熱電変換層16は、面方向の中心を、両基板の低熱伝導部と高熱伝導部との境界に一致して設けられる。
また、熱電変換層16には、面方向に挟むように、電極26および電極28からなる電極対が接続される。
熱電変換層16には、CNTが含まれる。CNTには、1枚の炭素膜(グラフェン・シート)が円筒状に巻かれた単層CNT、2枚のグラフェン・シートが同心円状に巻かれた2層CNT、および、複数のグラフェン・シートが同心円状に巻かれた多層CNTがある。本発明においては、単層CNT、2層CNT、多層CNTを各々単独で用いてもよく、2種以上を併せて用いてもよい。特に、導電性および半導体特性において優れた性質を持つ単層CNTおよび2層CNTを用いることが好ましく、単層CNTを用いることがより好ましい。
単層CNTは、半導体性のものであっても、金属性のものであってもよく、両者を併せて用いてもよい。半導体性CNTと金属性CNTとを両方を用いる場合、組成物中の両者の含有比率は、組成物の用途に応じて適宜調整することができる。また、CNTには金属などが内包されていてもよく、フラーレン等の分子が内包されたものを用いてもよい。
CNTの平均長さは特に限定されず、組成物の用途に応じて適宜選択することができる。具体的には、電極間距離にもよるが、製造容易性、成膜性、導電性等の観点から、CNTの平均長さが0.01〜2000μmが好ましく、0.1〜1000μmがより好ましく、1〜1000μmが特に好ましい。
CNTの直径は特に限定されないが、耐久性、透明性、成膜性、導電性等の観点から、100nm以下が好ましく、50nm以下がより好ましく、15nm以下が好ましい。下限は特に制限されないが、0.4nm以上の場合が多い。
特に、単層CNTを用いる場合には、0.5〜2.2nmが好ましく、1.0〜2.2nmがより好ましい。
本発明は、CNTを修飾または処理したCNTも利用可能である。修飾または処理方法としては、フェロセン誘導体や窒素置換フラーレン(アザフラーレン)を内包する方法、イオンドーピング法によりアルカリ金属(カリウムなど)や金属元素(インジウムなど)をCNTにドープする方法、真空中でCNTを加熱する方法等が例示される。
また、CNTを利用する場合には、単層CNTや多層CNTの他に、カーボンナノホーン、カーボンナノコイル、カーボンナノビーズ、グラファイト、グラフェン、アモルファスカーボン等のナノカーボンが含まれてもよい。
熱電変換層16中におけるCNTの含有量は50質量%以上であり、本発明の効果がより優れる点で、65質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%以上がさらに好ましい。上限は特に制限されないが、100質量%が挙げられる。
熱電変換層16中におけるCNTの含有量は50質量%未満の場合、熱電変換特性が十分でない。
熱電変換層16にはCNT以外の成分が含まれていてもよい。
例えば、熱電変換層16には、必要に応じて、バインダとして樹脂材料が含まれていてもよい。
樹脂材料は、例えば、公知の各種の非導電性の樹脂材料(ポリマー)が利用可能である。
具体的には、ビニル化合物、(メタ)アクリレート化合物、カーボネート化合物、エステル化合物、エポキシ化合物、シロキサン化合物、ゼラチン等の公知の各種の樹脂材料が利用可能である。
熱電変換層16には、必要に応じて、分散剤(CNTの分散剤)が含まれていてもよい。分散剤としては、界面活性剤が好ましく挙げられる。
界面活性剤は、CNTを分散させる機能を有するものであれば、公知の界面活性剤を使用することができる。より具体的には、界面活性剤は、水、極性溶媒、水と極性溶媒との混合物に溶解し、CNTを吸着する基を有するものであれば、各種の界面活性剤が利用可能である。
従って、界面活性剤は、イオン性でも非イオン性でもよい。また、イオン性の界面活性剤は、カチオン性、アニオン性および両性のいずれでもよい。
一例として、アニオン性界面活性剤としては、ドデシルベンゼンスルホン酸等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、ドデシルフェニルエーテルスルホン酸塩等の芳香族スルホン酸系界面活性剤、モノソープ系アニオン性界面活性剤、エーテルサルフェート系界面活性剤、フォスフェート系界面活性剤、デオキシコール酸ナトリウムやコール酸ナトリウム等のカルボン酸系界面活性剤、カルボキシメチルセルロースおよびその塩(ナトリウム塩、アンモニウム塩等)、ポリスチレンスルホン酸アンモニウム塩、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム塩等の水溶性ポリマーなどが例示される。
カチオン性界面活性剤としては、アルキルアミン塩、第四級アンモニウム塩などが例示される。両性界面活性剤としては、アルキルベタイン系界面活性剤、アミンオキサイド系界面活性剤などが例示される。
さらに、非イオン性界面活性剤としては、ソルビタン脂肪酸エステルなどの糖エステル系界面活性剤、ポリオキシエチレン樹脂酸エステルなどの脂肪酸エステル系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテルなどのエーテル系界面活性剤などが例示される。
なかでも、イオン性の界面活性剤は好適に利用され、その中でも、コール酸塩やデオキシコール酸塩は好適に利用される。
上記以外にも熱電変換層16には、ドーパント、消泡剤、乾燥防止剤、防かび剤等が含まれていてもよい。
熱電変換層16の平均厚さは、温度差を付与する観点等から、0.1〜1000μmが好ましく、1〜100μmがより好ましい。
なお、熱電変換層16の平均厚さは、任意の10点における熱電変換層16の厚みを測定し、それらを算術平均して求める。
熱電変換層16の形成方法は特に制限されず、後段にて詳述するが、一例として、水や有機溶剤等の溶剤に、CNT、および、さらに必要に応じて添加される樹脂材料や界面活性剤等の成分を溶解あるいは分散してなるCNT分散液を用いる方法が挙げられる。より具体的には、所定の中間層が配置された基板上に上記CNT分散液を塗布し、成膜し、その後、必要に応じて熱電変換層を洗浄することにより、所望の熱電変換層を形成することができる。
なお、後段にて詳述するが、上記熱電変換層を洗浄する際には、CNTの分散のために使用された界面活性剤や樹脂材料を溶解させることができる溶媒にて実施することが好ましい。上記洗浄処理を実施することにより、熱電変換層中におけるCNTの含有量を高めることができ、結果として熱電変換特性の向上につながる。
(粘着層)
粘着層18は、熱電変換層16と第2基板20との間に配置される層であり、両者の密着性を担保するための層である。なお、熱電変換層16と第2基板20とが直接接触した際に十分な密着性がある場合などは、粘着層18は設けなくてもよく、粘着層18はいわゆる任意の部材である。
粘着層18の形成材料は、第1基板12(低熱伝導部12a)、第2基板20(低熱伝導部20a)の形成材料等に応じて、これらを貼着可能なものが、各種、利用可能である。
具体的には、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ゴム、EVA(Ethylene Vinyl Acetate Copolymer)、α-オレフィンポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、デンプン等が例示される。また、粘着層18は、市販の両面テープや粘着フィルムを利用して形成してもよい。
粘着層18の厚さは、粘着層18の形成材料、第1基板12および第2基板20の形成材料や大きさ等に応じて、十分な密着力が得られる厚さを、適宜、設定すればよい。
(電極)
熱電変換層16には、熱電変換層16を面方向に挟持するように、電極26および電極28が接続される。
電極26および電極28は、必要な導電率を有するものであれば、各種の材料で形成可能である。具体的には、銅、銀、金、白金、ニッケル、クロム、銅合金などの金属材料、酸化インジウムスズ(ITO)や酸化亜鉛(ZnO)等の各種のデバイスで透明電極として利用されている材料等が例示される。なかでも、銅、金、白金、ニッケル、銅合金等は好ましく例示され、金、白金、ニッケルは、より好ましく例示される。
また、電極26および電極28の厚さや大きさ等も、熱電変換層16の厚さや、熱電変換素子10の大きさ等に応じて、適宜、設定すればよい。
なお、本発明の効果がより優れる点で、上記電極26および電極28の少なくとも一方は、有機化合物で表面処理された電極(以後、処理電極とも称する)であることが好ましい。電極26および電極28の少なくとも一方が処理電極である場合、熱電変換層16との密着性がより優れ、本発明の効果がより優れる。
より具体的には、処理電極は、電極を有機化合物により処理することにより得られる電極であり、電極と、電極表面に配置された後述する有機化合物から形成される被覆層とを有する。この被覆層があることにより、CNTとの相互作用が向上し、結果として処理電極と熱電変換層との密着性がより向上し、熱電変換特性(特に、発電量)が向上する。
有機化合物は、低分子化合物であっても、高分子化合物であってもよい。なお、低分子化合物とは分子量が2000以下の化合物を意図し、高分子化合物とは分子量が2000超の化合物を意図する。なお、有機化合物の分子量が多分散である場合、重量平均分子量が2000以下、または、2000超であるかによって、低分子化合物または高分子化合物であるかを判断する。
なかでも、電極表面を被覆する際に欠陥の発生がより抑制される点で、低分子化合物が好ましい。
有機化合物には、芳香環が含まれることが好ましい。芳香環が含まれることにより、処理電極表面の有機化合物由来の芳香環と、熱電変換層中のCNTとの相互作用性がより向上し、本発明の効果がより優れる。
芳香環の定義は、上述の通りである。
有機化合物は、本発明の効果がより優れる点で、チオール基、ジスルフィド基、スルホン酸基、アミノ基、カルボキシル基、リン酸基、および、−M(X)3−n(R)nで表される基からなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。これらの基(以後、これらの基を総称して「相互作用性基」とも称する)は電極と相互作用をしやすい、または、共有結合を形成しやすく、結果として、処理電極と熱電変換層との密着性がより向上する。なお、−M(X)3−n(R)nで表される基は、*−M(X)3−n(R)nで表されるように、*の位置で他の基と結合する。
なかでも、本発明の効果がより優れる点で、チオール基、ジスルフィド基、リン酸基、カルボキシル基がより好ましい。
なお、電極を構成する材料によって、最適な相互作用性基が選択されることが好ましい。例えば、電極を構成する材料が、後段で示す標準電極電位E0が0Vより小さい材料である場合、電極表面が一部酸化されているものが多いため、相互作用性基としてはカルボキシル基、リン酸基が好ましく、標準電極電位が0Vより大きい材料である場合、電極表面が酸化されていないため、相互作用性基としてはチオール基、ジスルフィド基が好ましい。
なお、標準電極電位E0は、25℃の水溶液中における標準電極電位であり、日本化学会編,”化学便覧(基礎編II)”,改訂5版,丸善,pp581−584(2004)に記載の数値を使用することができる。
なお、−M(X)3−n(R)nで表される基中、Mは、Si(ケイ素原子)、Ti(チタン原子)またはZr(ジルコニウム原子)を表す。なかでも、本発明の効果がより優れる点で、Siが好ましい。
Xは、加水分解性基または水酸基を表す。加水分解性基とは、Mに直結し、加水分解反応および/または縮合反応を進行し得る基であり、例えば、アルコキシ基、ハロゲン原子、アシルオキシ基、アルケニルオキシ基などが挙げられる。なかでも、取り扱い性がより優れる点で、アルコキシ基が好ましい。アルコキシ基中の炭素原子の数は特に制限されないが、反応性に優れる点で、1〜5が好ましく、1〜3がより好ましい。
なお、Xが複数ある場合は、複数のXは同一であっても、異なっていてもよい。
Rは、1価の有機基(ただし、加水分解性基および水酸基を除く。)を表す。
1価の有機基としては、加水分解性基および水酸基以外の有機基であればよく、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルカルボニル基、シクロアルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルキルオキシカルボニル基、シクロアルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルアミノカルボニル基、シクロアルキルアミノカルボニル基、アリールアミノカルボニル基、または、これらを組み合わせた基が挙げられる。なかでも、炭素数1〜6のアルキル基、アリール基が好ましく挙げられる。
なお、1価の有機基には、芳香環が含まれていてもよい。
nは、0、1または2を表す。なかでも、本発明の効果がより優れる点で、0または1が好ましく、0がより好ましい。
有機化合物には、上述した芳香環以外にも、他の任意の官能基が含まれていてもよい。
例えば、芳香環と上記相互作用性基との間には、2価の連結基が含まれていてもよい。2価の連結基の定義は、後述の通りである。
(好適態様)
有機化合物の好適態様の一つとしては、本発明の効果がより優れる点で、式(1)で表される化合物、式(2)で表される化合物、または、式(3)で表される繰り返し単位および式(4)で表される繰り返し単位を有する化合物(高分子)が挙げられる。
式(1) X1−L−Y
式(2) Y−L−X2−L−Y
式(1)および式(3)中、X1は、チオール基、スルホン酸基、アミノ基、カルボキシル基、リン酸基、または、−M(X)3−n(R)nで表される基を表す。M、X、および、Rの定義は、上述の通りである。なかでも、X1としては、チオール基、カルボキシル基がより好ましい。
式(2)中、X2は、ジスルフィド基を表す。
式(1)〜式(4)中、Lは、単結合、または、2価の連結基を表す。2価の連結基の定義は、上述の通りである。
式(1)、式(2)、および、式(4)中、Yは、置換または無置換の芳香環を表す。芳香環の定義は、上述の通りである。
なお、Yで表される芳香環には、置換基が置換していてもよい。置換基としては、例えば、上記1価の有機基として例示した基(例えば、アルキル基)が挙げられる。
式(3)および式(4)中、R1およびR2は、それぞれ独立に、水素原子またはアルキル基(好ましくは、メチル基)を表す。
式(3)で表される繰り返し単位および式(4)で表される繰り返し単位を有する化合物(高分子)の重量平均分子量は特に制限されないが、取り扱い性の点から、3000〜500000が好ましい。
化合物中における式(3)で表される繰り返し単位の含有量は特に制限されないが、全繰り返し単位に対して、10〜90モル%が好ましく、20〜80モル%がより好ましい。
化合物中における式(4)で表される繰り返し単位の含有量は特に制限されないが、全繰り返し単位に対して、10〜90モル%が好ましく、20〜80モル%がより好ましい。
なお、式(3)で表される繰り返し単位および式(4)で表される繰り返し単位を有する化合物(高分子)は、その他の繰り返し単位(他の共重合成分由来の繰り返し単位)を有していてもよい。
(処理電極の製造方法)
処理電極の製造方法は特に制限されないが、通常、まず、電極を形成して、その後、電極と有機化合物とを接触させる方法が挙げられる。
被処理物である電極の形成方法は、処理電極の形成材料等に応じて、蒸着、印刷(例えば、スクリーン印刷、メタルマスク印刷、インクジェット印刷など)、粘着・接着剤などを介しての基板への貼り付け等、公知の方法で行えばよい。電極パターンは、蒸着や印刷時にマスクを用いて形成してもよく、電極を面で形成後に、エッチング、サンドブラスト、レーザー彫刻、電子ビーム法等、公知の方法でパターニングして形成してもよい。
有機化合物による表面処理の方法としては、有機化合物と電極とを接触させる方法が好ましく、例えば、有機化合物を含む溶液中に電極を有する基板を浸漬する方法や、電極上に有機化合物を含む溶液を塗布する方法などが挙げられる。特に、有機化合物が上述した相互作用性基を有する場合は、有機化合物と電極とを直接接触させることが好ましい。
上記溶液には、各種溶媒が含まれていてもよい。使用される溶媒の種類は特に制限されず、水や有機溶媒が挙げられる。なお、上記溶液中での有機化合物の濃度は特に制限されないが、生産性および反応性の点で、0.01〜100mmol/Lが好ましく、0.1〜10mmol/Lがより好ましい。
電極と有機化合物(または、有機化合物を含む溶液)との接触時間は特に制限されず、本発明の効果がより優れる点で、1〜72時間が好ましく、10〜48時間がより好ましい。
電極と有機化合物(または、有機化合物を含む溶液)とを接触させた後、必要に応じて、電極表面を溶媒で洗浄してもよい。
<熱電変換モジュール>
図2(A)〜図2(D)に、このような本発明の熱電変換素子10を、複数、直列に接続してなる熱電変換モジュールの一例を示す。なお、図2(A)〜図2(C)は上面図、(D)は正面図である。
本例において、第1基板12Aおよび第2基板20Aは、矩形板状の低熱伝導材料の表面に、一方向に延在する四角柱状の高熱伝導部を、四角柱の低熱伝導部に接触する一辺の長さと等間隔で、四角柱の延在方向と直交する方向に配列してなる構成を有する。
すなわち、第1基板12Aおよび第2基板20Aは、一面の表面の全面が低熱伝導部で、他面の表面が、一方向に延在する低熱伝導部と高熱伝導部とが、延在方向と直交する方向に等間隔で交互に形成された構成を有する(図2(A)、図2(C)および図2(D)参照)。
また、第1基板12Aおよび第2基板20Aの全面が低熱伝導部である表面上には、上述した中間層14および粘着層18が配置されている。
なお、本例においても、第1基板(第2基板)は、低熱伝導部の表面に高熱伝導部を載置した構成以外の、各種の構成が利用可能である。例えば、第1基板は、図3(B)に概念的に示すように、第1基板は、矩形板状の低熱伝導部12aに、一方向に延在する溝を、延在方向と直交する方向に溝の幅と等間隔で形成して、この溝に高熱伝導部12bを組み込んでなる構成でもよい。
図2(B)および図2(C)に概念的に示すように、熱電変換層16は矩形の面形状を有し、第1基板12Aの全面が低熱伝導部12aである側の表面(図2(D)を図中上下方向に表裏反転した状態)側に配置された中間層14上に、低熱伝導部12aと高熱伝導部12bとの境界と中心とを面方向で一致させて形成される。図示例においては、熱電変換層16の図2(B)における横方向(以下、単に『横方向』とも言う)の大きさは、高熱伝導部12bの幅と同じである。なお、言い換えれば、横方向とは、低熱伝導部12aと高熱伝導部12bとの交互の配列方向である。熱電変換層16の図2(B)の横方向の大きさは、高熱伝導部12bの幅に対して0.5倍から2.0倍未満の間に設定されることが好ましい。
熱電変換層16は、横方向に、低熱伝導部12aと高熱伝導部12bとの境界に対して、1境界置きに等間隔で形成される。すなわち、熱電変換層16は、横方向に、高熱伝導部12bの幅(すなわち熱電変換層16の大きさ)と同じ間隔で等間隔に形成される。
また、熱電変換層16は、横方向に等間隔に配列された熱電変換層16の列が、図2(B)における上下方向(以下、単に『上下方向』とも言う)、に等間隔で配列されるように、二次元的に形成される。なお、言い換えれば、上下方向とは、低熱伝導部12aと高熱伝導部12bの延在方向である。
さらに、図2(B)に示すように、熱電変換層16の横方向の配列は、上下方向に隣接する列では、高熱伝導部12bの幅だけ、横方向にズレて形成される。すなわち、上下方向に隣接する列では、熱電変換層16は、高熱伝導部12bの幅だけ、互い違いに形成される。
各熱電変換層16は、電極26によって直列に接続される。具体的には、図2(B)に示すように、図中横方向の熱電変換層16の配列において、電極26(構成を明確にするため、網掛けして示す)が、各熱電変換層16を横方向に挟むように設けられる。これにより、横方向に配列された熱電変換層16が、電極26によって接続される。
さらに、熱電変換層16の横方向の端部では、上下方向に隣接する列の熱電変換層16が、電極26によって接続される。この横方向の列の端部での電極26による上下方向の熱電変換層16の接続は、一方の端部の熱電変換層16は上側の列の同側端部の熱電変換層16と接続され、他方の端部の熱電変換層16は下側の列の同側端部の熱電変換層16と接続される。
これにより、全ての熱電変換層16が、横方向に、複数回、折り返した1本の線のように直列で接続される。
さらに、図2(A)に概念的に示すように、熱電変換層16および電極26の上に、第2基板20Aの全面が低熱伝導部20a側の表面上に配置される粘着層18を下方にして、かつ、低熱伝導部20aと高熱伝導部20bとの境界を第1基板12Aの低熱伝導部12aと高熱伝導部12bとの境界と一致させて、第2基板20Aが積層される。この積層は、第1基板12Aの高熱伝導部12bと第2基板20Aの高熱伝導部20bとが、互い違いになるように行われる。
従って、第1基板12Aの低熱伝導部12aと第2基板20Aの高熱伝導部20bとが面方向に一致して対面し、第1基板12Aの高熱伝導部12bと第2基板20Aの低熱伝導部20aとが面方向に一致して対面する。
これにより、本発明の熱電変換素子10を、多数、直列に接続してなる、熱電変換モジュールが構成される。
ここで、前述のように、熱電変換層16の横方向の配列は、上下方向に隣接する列では、高熱伝導部12b(すなわち高熱伝導部20b)の幅だけ、横方向にズレて形成される。すなわち、上下方向に隣接する列では、熱電変換層16は、高熱伝導部12bの幅だけ、互い違いに形成される。
そのため、折り返した1本の線のように直列に接続された熱電変換層16は、接続方向の一方向の流れにおいて、全ての熱電変換層16が、一方の半分が第1基板12Aの高熱伝導部12bと第2基板20Aの低熱伝導部20aのみの領域とに対面し、他方の半分が第1基板12Aの低熱伝導部12aのみの領域と第2基板20Aの高熱伝導部20bとに対面する。
例えば、図2(B)の上から下への直列の接続方向で見た場合には、図2(A)〜図2(C)に示すように、全ての熱電変換層16が、上流側半分が第1基板12Aの高熱伝導部12bおよび第2基板20Aの低熱伝導部20aのみの領域に対面し、下流側の半分が第1基板12Aの低熱伝導部12aのみの領域および第2基板20Aの高熱伝導部20bに対面する。
従って、第1基板12A側または第2基板20A側に熱源を配置した際に、直列に接続された全ての熱電変換層16で、接続方向に対する熱の流れ方向、すなわち発電した電気の流れ方向が一致し、熱電変換モジュールが適正に発電を行うことができる。
<熱電変換素子の製造方法>
以下、図1に示す熱電変換素子10の製造方法の一例を説明することにより、本発明の熱電変換素子の製造方法について詳細に説明する。
低熱伝導部12aおよび高熱伝導部12bを有する第1基板12(12A)、および、低熱伝導部20aおよび高熱伝導部20bを有する第2基板20(20A)を用意する。
第1基板12および第2基板20は、フォトリソグラフィー、エッチング、成膜技術等を利用して、公知の方法で作製すればよい。
例えば、低熱伝導材料と高熱伝導材料とを積層した板材を用意し、高熱伝導材料の一部をエッチング等によって除去して、第1基板12および第2基板20を作製する方法が例示される。この場合には、第1基板12および第2基板20は、一方の面が、全面にわたって低熱伝導部である平面状で、他方の面が、平面状の低熱伝導部の上に凸状の高熱伝導部が形成された、凹凸を有するものとなる(図1(B)および図2(D)参照)。
別の方法として、シート状の低熱伝導材料の一部にエッチング等によって凹部を形成し、この凹部を埋めるように、マスクを用いる真空蒸着等によって高熱伝導部を形成して、第1基板12および第2基板20を作製する方法が例示される。この場合には、第1基板12および第2基板20は、両面が平面状のものとなる(図3(A)および図3(B)参照)。
また、第1基板12および第2基板20は、市販品も利用可能である。
第1基板12の高熱伝導部12bが形成されていない側の表面に、中間層14を形成する。
中間層14の形成方法は特に制限されないが、所定のポリマーを含む組成物を第1基板12の高熱伝導部12bが形成されていない側の表面上に塗布して、必要に応じて乾燥処理を実施する方法が挙げられる。
塗布方法は特に限定されず、例えば、スピンコート法、エクストルージョンダイコート法、ブレードコート法、バーコート法、スクリーン印刷法、ステンシル印刷法、ロールコート法、カーテンコート法、スプレーコート法、ディップコート法、インクジェット法など、公知の塗布方法を用いることができる。
次いで、中間層14の上に、熱電変換層16を形成する。
熱電変換層16の形成方法としては、水や有機溶剤等の溶剤に、CNT、および、さらに必要に応じて添加される樹脂材料や界面活性剤等の成分を溶解あるいは分散してなるCNT分散液を中間層14上に塗布し、成膜し、その後、必要に応じて塗膜を洗浄することにより、所望の熱電変換層16を形成することができる。
塗布方法としては、例えば、中間層14を形成する際に実施される塗布方法が挙げられる。
なお、熱電変換層16を所定の位置に作製する際には、CNT分散液をパターン状に塗布する方法を用いることができる。
一例として、印刷法によって、中間層14上にCNT分散液をパターン印刷する方法が例示される。印刷方法は、スクリーン印刷、メタルマスク印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷等、公知の各種の印刷法が利用可能である。
また、所定位置に型枠やマスクを設け、この型枠やマスクによって、CNT分散液やペーストをパターン状に塗布する方法も利用可能である。
また、塗布後は、必要に応じて乾燥工程を行う。例えば、熱風を吹き付けることにより溶媒を揮発、乾燥させることができる。なお、乾燥工程を実施する際には、本発明の効果がより優れる点で、中間層に含まれるポリマーのガラス転移温度よりも高い温度で加熱処理を実施することが好ましい。
さらに、CNT分散液等をパターン状に塗布するのではなく、中間層14の全面にCNT分散液を塗布、乾燥した後、レーザー彫刻、サンドブラスト法、電子ビーム法、プラズマエッチング等のエッチングによって不要な部分を除去することにより、熱電変換層16をパターニングして形成する方法も、利用できる。
なお、エッチングは、必要に応じて、フォトリソグラフィーを利用して形成したマスクや、メタルマスク等を用いて行ってもよい。
上記手順により作製された塗膜(未洗浄熱電変換層)に対して、CNTは溶解しないが界面活性剤などの添加剤は溶解する洗浄剤を用いて、未洗浄熱電変換層の洗浄を行って、CNT以外の成分を、一部、除去して、熱電変換層16を形成することが好ましい。
洗浄によって、未洗浄熱電変換層からCNT以外の成分を除去することで、CNTが凝集してネットワークを形成して導電パスを形成する。これにより、熱電変換層16の導電性が向上して、熱電変換性能が高い熱電変換層16を形成できる。
洗浄剤は、CNTは溶解しないが界面活性剤などの他の成分は溶解する液体(溶媒)が、各種、利用可能である。
例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、アセトン、2−ブタノン、プロピレングリコール1−モノメチルエーテル2−アセタート、1−メトキシ−2−プロパノール、ジメチルスルホキシド、ブタノール、sec−ブタノール、イソブチルアルコール、tert−ブタノール、グリセリン、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、酢酸メチル、酢酸エチル、シクロヘキサノン等が例示される。
ここで、洗浄剤は、効率的にCNT以外の他の成分が除去できる点で、ClogP値が−1.4〜1であるのが好ましく、ClogP値が−1.4〜0であるのがより好ましい。
logP値とは、分配係数P(Partition Coefficient)の常用対数を意味し、ある化合物が油(ここではn−オクタノール)と水の2相系の平衡でどのように分配されるかを定量的な数値として表す物性値であり、数字が大きいほど疎水性の化合物であることを示し、数字が小さいほど親水性の化合物であることを示すため、化合物の親疎水性を表す指標として用いることができる。
logP=log(Coil/Cwater)
Coil=油相中のモル濃度
Cwater=水相中のモル濃度
一般に、logP値は、n−オクタノールと水を用いて実測により求めることもできるが、本発明においては、logP値推算プログラムを使用して求められる分配係数(ClogP値)(計算値)を使用する。具体的には、本明細書においては、“ChemBioDraw ultra ver.12”から求められるClog値を使用する。
このような洗浄剤を用いた未洗浄熱電変換層の洗浄は、洗浄剤に未洗浄熱電変換層を曝せる方法が、各種、利用可能である。
一例として、未洗浄熱電変換層を形成した第1基板12を洗浄液に浸漬する方法が例示される。また、浸漬中に、洗浄液を攪拌あるいは循環してもよく、超音波による振動を付与してもよく、洗浄液を加熱または冷却してもよい。
洗浄剤への浸漬時間は、未洗浄熱電変換層における界面活性剤の種類や量、洗浄溶媒(界面活性剤の溶解性)、前述の洗浄条件(温度、攪拌など)等に応じて、適宜、設定すればよい。本発明者らの検討によれば、1分〜24時間程度が、好適である。
なお、上記洗浄処理の後には、必要に応じて、必要に応じて乾燥工程を行う。例えば、熱風を吹き付けることにより溶媒を揮発、乾燥させることができる。なお、乾燥工程を実施する際には、本発明の効果がより優れる点で、中間層14に含まれるポリマーのガラス転移温度よりも高い温度で加熱処理を実施することが好ましい。
次いで、熱電変換層16を面方向で挟むように、電極26および電極28を形成する。
電極26および電極28の形成は、電極26および電極28の形成材料等に応じて、公知の方法で行えばよい。
次いで、第1基板12(中間層14)の全面に対応して、熱電変換層16、電極26および電極28の上に、粘着層18を形成する。または、熱電変換層16の上のみに、粘着層18を形成する。
粘着層18は、粘着層18の形成材料に応じて、塗布法等の公知の方法で形成すればよい。また、両面テープや粘着フィルムを利用して粘着層18を形成してもよいのは、前述のとおりである。
さらに、用意した第2基板20を、高熱伝導部20bが形成されていない側を向けて、熱電変換層16に貼着して、熱電変換素子10を作製する。
このような本発明の熱電変換素子は、各種の用途に利用可能である。
一例として、温泉熱発電機、太陽熱発電機、廃熱発電機などの発電機や、腕時計用電源、半導体駆動電源、小型センサ用電源などの各種装置(デバイス)の電源等、様々な発電用途が例示される。また、本発明の熱電変換素子の用途としては、発電用途以外にも、感熱センサや熱電対などのセンサ素子用途も例示される。
以上、本発明の熱電変換素子および熱電変換素子の製造方法について詳細に説明したが、本発明は上述の例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行ってもよいのは、もちろんである。
以下、本発明の具体的実施例を挙げて、本発明の熱電変換素子について、より詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<CNT分散液の調製>
水20mLに、CNT(名城ナノカーボン社製)500mg、および、デオキシコール酸ナトリウム1500mgを、投入した。
この溶液を、羽根付きホモジナイザーを用いて3分間分散した。得られた分散液を、さらに、高速旋回薄膜分散法(フィルミックス、プライミクス社製)を用いて周速30m/s、5分間攪拌処理を行い、CNT分散液を得た。
<中間層および粘着層の形成>
厚さ25μm、15×12cmのポリイミドフィルム(ユーピレックス(宇部興産)、熱膨張係数:12ppm/K、ガラス転移温度:400℃超)の一面に、幅0.5mm、厚さ70μmの銅ストライプを0.5mm間隔で形成してなる第1基板12Aおよび第2基板20Aを用意した(図2(A)〜図2(D)参照)。
次に、後述する表1に示す各実施例および比較例にて使用されるポリマーをメチルエチルケトン(MEK)に溶解させ、ポリマーの含有量が5質量%の溶液を作製した。
次に、第1基板12Aの全面が低熱伝導部12aである面の表面上に、上記溶液をスピンコーターで塗布(1000rpm、30秒間)することにより、第1基板12A上に中間層14(厚み:50nm)を形成した。
なお、表1にて使用した材料の合成方法は以下の通りである。
(合成例1:ベンジルメタクリレート/メタクリル酸メチル共重合体)
300mLの3つ口フラスコ中に、ベンジルメタクリレート20g、メタクリル酸メチル10g、メチルエチルケトン70gを投入し、窒素雰囲気下で75℃に加熱した。その後、重合開始剤V−601(和光純薬製)を0.5g投入し、2時間反応させた。さらに、重合開始剤V−601(和光純薬製)を0.25g投入し、2時間反応させた。得られた反応液をメタノール中で再沈殿させて目的のポリマーを25g得た。GPC(Gel Permeation Chromatography)測定により、得られたポリマーの重量平均分子量は1万であった。
なお、GPCの測定条件は、以下の通りであった。
カラム:東ソー社製 TSK−GEL SuperH
カラム温度:40℃
流速:1mL/min
溶離液:THF
(合成例2:メタクリル酸/メタクリル酸メチル共重合体)
ベンジルメタクリレートをメタクリル酸に変更した以外は、上記合成例1と同様の手順に従って、所定のポリマーの合成を行った。ポリマーを24g得た。GPC(Gel Permeation Chromatography)測定により、得られたポリマーの重量平均分子量は1万であった。
(合成例3:ナフチルエチルメタクリレートの重合体)
ベンジルメタクリレート20g、メタクリル酸メチル10gをナフチルエチルメタクリレート30gに変更した以外は、上記合成例1と同様の手順に従って、所定のポリマーの合成を行った。GPC(Gel Permeation Chromatography)測定により、得られたポリマーの重量平均分子量は、2万であった。
(合成例4:ピレンメチルメタクリレートの重合体)
ベンジルメタクリレート20g、メタクリル酸メチル10gをピレンメチルメタクリレート30gに変更に変更した以外は、上記合成例1と同様の手順に従って、所定のポリマーの合成を行った。ポリマーを25g得た。GPC(Gel Permeation Chromatography)測定により、得られたポリマーの重量平均分子量は2万であった。
<熱電変換モジュールの作製(実施例1〜13、および、比較例1〜4)>
第1基板12Aの表面上に配置された中間層14の表面の6×6cmの領域に、スクリーン印刷によって0.5×1mmのCNT分散液のパターンを1785個、形成した。なお、パターンは、高熱伝導部12bと低熱伝導部12aとの境界(銅ストライプの境界)と、0.5×1mmのパターンの中心とが一致するように形成した。
パターンを形成した第1基板12Aを、ホットプレート上で50℃で30分加熱し、さらに、130℃で2.5時間加熱することにより、パターンを乾燥した。
次いで、第1基板12Aを、エタノールに14時間、浸漬した。エタノールに浸漬した第1基板12Aを、ホットプレート上で50℃で30分加熱し、さらに、130℃で150分加熱することにより、パターンを乾燥した。
なお、実施例1〜7、実施例9〜16、および、比較例1〜3においては、上記条件によりエタノール洗浄することにより、熱電変換層16中のCNT濃度が95質量%超となり、残りの5質量%以下がデオキシコール酸Naとなった。
また、実施例8は、浸漬時間を14時間から15分とすることにより、熱電変換層16中のCNT濃度が60質量%となり、残りの40質量%がデオキシコール酸Naとなった。
また、比較例4は上記エタノールでの浸漬処理をなくすことにより、熱電変換層16中のCNT濃度が25質量%となり、残りの75質量%がデオキシコール酸Naとなった。
なお、熱電変換層16中でのCNT濃度は、熱重量測定装置(TGA)により、250℃の重量減少率から求めた。
次いで、1785個の熱電変換層16を厚さ200nmの金の電極26で直列に接続した(図2(B)参照)。電極26の形成は、マスクを用いる真空蒸着によって行った。
一方、第2基板20Aの全面が低熱伝導部20aである面に、粘着層18として厚さ25μmの両面テープ(接着剤転写テープ8146−1、3M社製)を貼着した。
この両面テープを、熱電変換層16および第1電極26を覆うように貼着して、図3(A)〜図3(D)に示すような熱電変換モジュールを作製した。なお、第2基板20Aは、熱電変換層16の中心と銅ストライプの境界とが一致し、かつ、第2基板20Aの銅ストライプの延在方向が第1基板12Aの銅ストライプの延在方向と一致し、さらに、面方向において、第1基板12Aの銅ストライプと第2基板20Aの銅ストライプが重ならないように貼着した。
作製した熱電変換モジュールについて、第1基板12A側を下にしてホットプレートに載置し、かつ、第2基板20Aの上に温度制御用のペルチェ素子を設置した。
ホットプレートの温度を100℃で一定に保って、ペルチェ素子の温度を低下することにより、熱電変換モジュールの第1基板12Aと第2基板20Aとの間に、10℃の温度差をつけた。
<熱電変換モジュールの作製(実施例14〜16)>
第1基板12Aの表面上に配置された中間層14の表面の6×6cmの領域に、後述するように熱電変換層16を1785個形成できるように、マスクを用いる真空蒸着によって、0.5×1mmの金電極(厚さ200nm)のパターンを形成した(図2(B)参照)。なお、電極のパターンは、図2(B)に示すように、高熱伝導部12bと低熱伝導部12aとの境界(銅ストライプの境界)と、0.5×1mmのパターンの中心とが一致するように形成した。
得られた電極を有する基板をエタノール100mLに浸け、超音波洗浄を行い、100℃にて1時間乾燥処理を実施した。洗浄した基板を、表1に示す各実施例にて使用する有機化合物(表1中の「電極修飾の有無」欄に記載の化合物)(5mmol/L)のエタノール溶液に室温で24時間浸漬させた。その後、基板を取り出し、エタノールで洗浄後、基板を100℃にて1時間乾燥させることにより、電極の表面処理を行い、処理電極を得た。
次いで、各処理電極間に、スクリーン印刷によってCNT分散液を付与して、0.5×1mmのパターンを1785個、形成した。パターンを形成した第1基板12Aを、ホットプレート上で50℃で30分間加熱し、さらに、130℃で2.5時間加熱することにより、パターンを乾燥した。次いで、第1基板12Aを、エタノールに14時間、浸漬した。エタノールに浸漬した第1基板12Aを、ホットプレート上で50℃で30分間加熱し、さらに、130℃で150分間加熱することにより、熱電変換層16を作製した。ただし、実施例16に関しては、上記130℃を70℃にて実施した。
なお、パターンは、高熱伝導部12bと低熱伝導部12aとの境界(銅ストライプの境界)と、0.5×1mmのパターンの中心とが一致するように形成した。なお、第1基板12A上においては、1785個の熱電変換層16が処理電極で直列に接続されていた(図2(B)参照)。
次に、第2基板20Aの全面が低熱伝導部20aである側に配置されている粘着層18を、熱電変換層16および処理電極側に向けて、第2基板20Aで熱電変換層16および電極を覆うように貼着して、図2(A)〜図2(D)に示すような熱電変換モジュールを作製した。
なお、第2基板20Aは、熱電変換層16の中心と銅ストライプの境界とが一致し、かつ、第2基板20Aの銅ストライプの延在方向が第1基板12Aの銅ストライプの延在方向と一致し、さらに、第1基板12Aと第2基板20Aとで、高熱伝導部と低熱伝導部とが互い違いになるように(面方向において、第1基板12Aの銅ストライプと第2基板20Aの銅ストライプが重ならないよう)に貼着した。
作製した熱電変換モジュールについて、第1基板12A側を下にしてホットプレートに載置し、かつ、第2基板20Aの上に温度制御用のペルチェ素子を設置した。
ホットプレートの温度を100℃で一定に保って、ペルチェ素子の温度を低下することにより、熱電変換モジュールの第1基板12Aと第2基板20Aとの間に、10℃の温度差をつけた。
<評価>
(発電量(熱電変換特性)評価)
作製した熱電変換モジュールの発電量の測定を行い、以下の評価基準に従って評価した。結果を表1にまとめて示す。
AAA:発電量35μW以上
AA:発電量30μW以上35μW未満
A:発電量25μW以上30μW未満
B:発電量20μW以上25μW未満
C:発電量15μW以上20μW未満
D:発電量15μW未満
(耐曲げ性評価)
作製した熱電変換モジュールを、直径32mmのマンドレル屈曲試験機にセットし、5回折り曲げ、その後、熱電変換モジュールの抵抗を測定することにより、耐曲げ性評価を行い、以下の評価基準に従って評価した。結果を表1にまとめて示す。なお、以下の抵抗値変動率(%)は、{(曲げ試験後の熱電変換モジュールの抵抗値)−(曲げ試験前の熱電変換モジュールの抵抗値)/(曲げ試験後の熱電変換モジュールの抵抗値)}×100によって求められる。
AAA:抵抗値変動率5%未満
AA:抵抗値変動率5%以上10%未満
A:抵抗値変動率10%以上15%未満
B:抵抗値変動率15%以上20%未満
C:抵抗値変動率20%以上25%未満
D:抵抗値変動率25%以上
なお、表1中のガラス転移温度および中間層の表面エネルギーは、それぞれ上述した方法により測定した。
表1中の「芳香環の有無」は、中間層に含まれるポリマー中に芳香環が含まれるか否かを示す。また、「ガラス転移温度」は、中間層に含まれるポリマーのガラス転移温度を表す。
また、表1中、「>95」は95超を、「>400」は400超を、「<25」は25未満をそれぞれ表す。
上記表1に示すように、所定の中間層を有する熱電変換モジュール(熱電変換素子)は、熱電変換性能(発電量)に優れると共に、耐曲げ性にも優れることが確認された。
なかでも、実施例1〜4および6と、他の実施例との比較より、中間層中のポリマーが芳香環を有する場合、効果がより優れることが確認された。
また、実施例7よ8との比較より、熱電変換層中におけるCNTの含有量が65質量%以上である場合、効果がより優れることが確認された。
また、実施例12〜16と他の実施例との比較より、芳香環が多環芳香環である場合、効果がより優れることが確認された。
また、実施例14〜16と実施例13との比較より、有機化合物で表面処理された電極(処理電極)を用いた場合、効果がより優れることが確認された。
また、実施例9と10との比較より、表面エネルギーが47mN/m以下の場合、効果がより優れることが確認された。
一方、中間層を使用していない比較例1、中間層の表面エネルギーが所定の範囲でない比較例2および3、並びに、CNT含有量が所定の範囲でない比較例4においては、所望の効果が得られなかった。
10 熱電変換素子
12,12A 第1基板
12a,20a 低熱伝導部
12b,20b 高熱伝導部
14 中間層
16 熱電変換層
18 粘着層
20,20A 第2基板
26,28 電極

Claims (9)

  1. 面方向の少なくとも一部に他の領域よりも熱伝導率が高い高熱伝導部を有する第1基板と、
    前記第1基板の上に配置される熱電変換層と、
    前記熱電変換層の上に配置される、面方向の少なくとも一部に他の領域よりも熱伝導率が高い高熱伝導部を有し、かつ、面方向において自身の前記高熱伝導部が前記第1基板の高熱伝導部と完全には重複しない第2基板と、
    面方向に前記熱電変換層を挟むように、前記熱電変換層に接続される一対の電極と、
    前記第1基板と前記熱電変換層との間、および、前記熱電変換層と前記第2基板との間の少なくとも一方に配置される、ポリマーを含む中間層と、を有し、
    前記熱電変換層がカーボンナノチューブを含み、
    前記カーボンナノチューブの含有量が、前記熱電変換層全質量に対して、50質量%以上であり、
    前記中間層の表面エネルギーが50mN/m以下であり、
    前記ポリマーのガラス転移温度が15〜130℃である、熱電変換素子。
  2. 前記ポリマーが、芳香環を含む、請求項1に記載の熱電変換素子。
  3. 前記芳香環が、多環芳香環である、請求項2に記載の熱電変換素子。
  4. 前記ポリマーが、ポリ(メタ)アクリレート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、および、ノボラック系樹脂からなる群から選択される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱電変換素子。
  5. 前記カーボンナノチューブの含有量が、前記熱電変換層全質量に対して、65質量%以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱電変換素子。
  6. 前記中間層の厚みが100nm以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱電変換素子。
  7. 前記第1基板の前記他の領域が、前記高熱伝導部よりも熱伝導率が低い低熱伝導部より構成され、
    前記低熱伝導部が、ガラス転移温度が200℃以上の樹脂を含み、
    前記低熱伝導部の熱膨張係数が30ppm/K以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の熱電変換素子。
  8. 前記一対の電極のうち少なくとも一方が、有機化合物で表面処理された電極である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の熱電変換素子。
  9. 前記有機化合物が芳香環を含む、請求項8に記載の熱電変換素子。
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