JP2017012186A - 加工果実の製造方法及び加工食品の製造方法 - Google Patents

加工果実の製造方法及び加工食品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】製造工程を省略するとともに、果実本来の味を楽しむことができ、さらに斬新な外観とすることができる加工果実及び加工食品を提供する。
【解決手段】加工果実は、柑橘類の果皮を剥いた後、球状をなしているじょうのうの集合体の外周部のじょうのう膜を剥くとともに果心部を果実の軸方向にくり抜いて、前記果心部に貫通した孔が設けられており、加工食品は、第1実施形態においては、前記加工果実を、ゲル化剤を混入させた糖液とともに密閉容器に充填し、加熱殺菌を施し、第2実施形態では、前記加工果実の前記孔にクリーム状食品を充填している。
【選択図】図1

Description

本発明は、柑橘類を加工した加工果実と、前記加工果実を用いた加工食品に関する。
従来、みかんの自然な風味を味わうことを目的として、特開2009−171910号公報に、柑橘類の果皮、じょうのう膜、及び種子を取り除いた果肉をカップ又は袋等の容器に入れた柑橘食品が開示されている。
また、果肉原料として缶臭のある缶詰みかんを用いず、生みかんを使用して、ゼリー部分との風味バランスのとれ、且つフレッシュな風味、食感を有する生みかん入り常温保存ゼリーを製造することを目的として、特開2006−191846号公報に、じょうのう膜を剥皮した後に、所定の糖度となるまで浸漬用糖液に浸漬した生みかん果肉を、ゲル化剤、抗酸化剤及びゼリー液用糖液を含有するpH3.7以下のゼリー液と共に包装容器に充填し、密封後、加熱殺菌することにより、生みかん入り常温保存ゼリーを製造する方法が開示されている。
特開2009−171910号公報 特開2006−191846号公報
しかし、特許文献1及び特許文献2に開示されている技術では、じょうのう膜を完全に剥皮させるため、外観が略半月状をなすみかんの果肉そのものとなり、外観上の目新しさがなかった。また、一般にじょうのう膜を除去する剥皮工程では、酵素を用いる方法と酸アルカリ処理を施す方法があるが、酵素を用いる方法では手間とコストがかかりやすいという課題があった。また、酸アルカリ処理では、塩酸液に浸漬させた後に水で洗浄し、その後水酸化ナトリウム液に浸漬させ、さらに流水中に数時間さらして、酸、アルカリ、及び残存するじょうのう膜を除去している。このため、果肉から果汁やうまみ成分が流出してしまい、果実本来の味を楽しむことができないという課題があった。
本発明は、上記の点に鑑みなされたもので、柑橘類の果皮を剥いた後、球状をなしているじょうのうの集合体をそのまま加工することで製造工程を省略するとともに、果実本来の味を楽しむことができ、さらに斬新な外観とすることができる加工果実及び加工食品を提供することを目的とする。
本発明の加工果実は、
柑橘類の果皮を剥いた後、球状をなしているじょうのうの集合体の外周部のじょうのう膜を剥くとともに果心部を果実の軸方向にくり抜いて、前記果心部に貫通した孔が設けられていることを特徴とする。
本発明の加工果実によれば、柑橘類の果皮を剥いた後、球状をなしているじょうのうの集合体をそのまま加工するため、じょうのう膜を剥皮させる酵素による処理又は酸アルカリ処理が不要となり、製造工程を省略することができるとともに水資源の節約を図ることができ、さらに果汁の流出が少なくすみ、果実本来の味を楽しむことができる。また、じょうのうの集合体の外周部を剥くため、外周部は砂じょうが露出するとともに残されたじょうのう膜が放射状に現れ、美感に優れた外観とすることができる。また、果心部を果実の軸方向にくり抜き、果心部に貫通した孔が設けられるため、当該部分のじょうのう膜や種も取除かれ、加工果実を食する際に個々の果肉を容易に分離させることができる。
本発明の加工食品は、
上述の加工果実を、ゲル化剤を混入させた糖液とともに密閉容器に充填し、加熱殺菌を施したことを特徴とする。
本発明の加工食品によれば、加工果実を密閉容器に充填し加熱殺菌を施しているため、長期間の保存をすることができるとともに、放射状に残されたじょうのう膜が柔らかくなり、果肉とじょうのう膜とを一緒に食することができる。また、加工果実をゲル化剤を混入させた糖液とともに密閉容器に充填しているため、加工果実がゲル状となった糖液に包まれ、加工果実が崩れにくくなりその形状を保つことができる。
本発明の加工食品は、
上述の加工果実の前記孔に、クリーム状食品を充填したことを特徴とする。
本発明の加工食品によれば、加工果実の果心部に設けられた孔に、クリーム状食品が充填されているため、果肉とクリーム状食品とがミックスされた味を楽しむことができる。また、クリーム状食品としては、生クリーム、カスタードクリーム、チョコレートクリーム等が採用でき、これらの色と果肉の色、さらにはじょうのう膜の色からなる外観を楽しむことができる。
本発明の加工果実及び加工食品によれば、柑橘類の果皮を剥いた後、球状をなしているじょうのうの集合体をそのまま加工することで製造工程を省略するとともに、果実本来の味を楽しむことができ、さらに斬新な外観とすることができる。
本発明の一実施形態に係る加工果実の斜視図である。 図1の加工果実の平面図である。 本発明の一実施形態に係る加工食品を説明する図である。
以下、本発明の加工果実及び加工食品の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の一実施形態に係る加工果実1の斜視図、図2は図1の加工果実1の平面図である。また、図3は本発明の一実施形態に係る加工食品10を説明する図である。なお、本発明に係る加工食品10は、本発明に係る加工果実1を用いて製造される。
先ず、加工果実1の実施の形態について説明する。図1及び図2に示すように、本実施形態の加工果実1は、外周部において砂じょう(果肉4)が露出するとともに、じょうのう膜3が放射状に現れ、果心部には貫通した孔2が設けられている。この加工果実1を製造する工程を以下に説明する。
先ず、グレープフルーツ、オレンジ、ミカン等の柑橘類を洗浄し、殺菌処理を行なった後、刃物を用いて又は手で果皮を除去する。次に略球状をなしているじょうのうの集合体の果心部を、円筒形の刃物を用いて果実の軸方向にくり抜き、果実の果梗部から果頂部にかけて果心部を貫通した孔2を形成させる。そして、略球状をなしているじょうのうの集合体の外周部のじょうのう膜を、刃物で削ぐように剥いて完成する。
このように加工することで、じょうのう膜のうち、じょうのうの外側の円弧をなす部分と、じょうのうの内側の略直線状の辺をなす部分が取除かれ、果実の中心から放射状に広がる面状のじょうのう膜3のみが残される。
次に、加工食品の第1の実施の形態について説明する。図3に示すように、本実施形態の加工食品10は、上述の加工果実1を、ゲル化剤を混入させた糖液とともに密閉容器12に充填したものである。また、加工食品10は、密閉容器12に充填後に加熱殺菌されている。この加工食品10を製造する工程を以下に説明する。
先ず、上述の加工果実1を用意する。次に、ゲル化剤を混入させた糖液を調製する。本実施形態では、水1000グラムに対し砂糖100〜200グラムを溶解させた糖液に、寒天3〜5グラムを加え、100℃まで加熱させることで、ゲル化剤を混入させた糖度10〜20パーセントの糖液を調製した。また、糖液はpHを3.6以上4.0未満とすることが好ましく、クエン酸を0.4グラム添加させた。なお、本実施形態では糖に砂糖を使用したが、砂糖以外にも希少糖、水あめ等の糖類を採用できる。同じく、ゲル化剤として本実施形態では寒天を使用しているが、ゼラチン、カラギーナン等を採用することができる。
そして、密閉容器としてのスタンディング袋12に、加工果実1をゲル化剤を混入させた糖液とともに充填し、スタンディング袋12の上部をヒートシールして密閉する。次に、加工食品の中心温度が75℃で1分間以上、又は65℃で10分間以上保持されるよう加熱殺菌を行なう。このように製造することで、加工果実1の周囲がゲル11で包まれた加工食品10ができあがる。なお、密閉容器としては、上記のスタンディング袋12に限られず、カップ状のプラスチック容器、瓶、缶等の様々なものが採用できる。
次に、第2の実施の形態に係る加工食品(図示せず)について説明する。この加工食品は、上述の加工果実1の果心部を貫通する孔2の中に、クリーム状食品が充填されている。これは、加工果実1を製造した後に、公知のクリーム充填機を用いて、孔2にクリーム状食品を充填するのである。なお、クリーム状食品としては、既にのべたように、生クリーム、カスタードクリーム、チョコレートクリーム等が採用でき、これらの甘さも、加工果実1に用いる柑橘類の糖度に合わせた甘さとすることができる。例えば、比較的酸味の強いグレープフルーツ等では、クリーム状食品の甘さを強くし、食品としての甘さを補うようにすることも可能である。
以上説明したように、本実施形態の加工果実によれば、じょうのう膜を剥皮する際、酵素による処理又は酸アルカリ処理が不要となり、製造コストの低減を図ることができるとともに、果肉から果汁やうまみ成分が流出することがなく、果肉本来の味と香りを楽しむことができる。また、じょうのう膜のうち、果実の果心部から放射状に広がる面上の部分のみが残存するため、加工果実をナイフ、フォーク、箸等で解すことで、容易に個々の果肉を分離させることができ、皮を剥くのに手間がかかりやすい柑橘類を食べやすいものとすることができる。また、外周部は砂じょうが露出するとともにじょうのう膜膜が放射状に現れ、果肉とじょうのう膜とのコントラストを楽しむことができるとともに、果心部には貫通した孔が設けられているため、斬新な外観とすることができ、例えば、美感に優れたカットフルーツとして流通させることができる。
また、以上説明した、第1の実施の形態の加工食品によれば、上述の加工果実の作用効果に加え、加工果実の周囲がゲルで包まれているため、輸送時等の振動や衝撃が加わっても、加工果実の形状が維持されやすくなる。また、密封された容器に充填され、加熱殺菌されているため、長期間の保存をすることができるとともに、加熱によってじょうのう膜が柔らかくなり、果肉とともにじょうのう膜も無理なく食することができる。さらに、ゲル化剤を混入させた糖液の味を調整することにより、様々な味のゼリー菓子として流通させることができる。
また、第2の実施の形態の加工食品によれば、クリーム状食品に様々なものを用いることによって、当該クリーム状食品の味と果肉の味とが合わさった味を楽しむことができる。また、クリーム状食品の種類や甘さを調整することで、酸味の強い柑橘類も無理なく食することができる。また、クリーム状食品の色がアクセントとなって、美感により優れた加工食品とすることができる。
なお、上述の加工果実及び加工食品は本発明の例示であり、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、その構成を適宜変更することができる。
1・・加工果実、2・・孔、3・・じょうのう膜、4・・果肉、
10・・加工食品、11・・ゲル、12・・密閉容器(スタンディング袋)、
本発明は、柑橘類を加工した加工果実の製造方法と、該加工果実の製造方法によって製造された加工果実を用いた加工食品の製造方法に関する。
従来、みかんの自然な風味を味わうことを目的として、特開2009−171910号公報に、柑橘類の果皮、じょうのう膜、及び種子を取り除いた果肉をカップ又は袋等の容器に入れた柑橘食品が開示されている。
また、果肉原料として缶臭のある缶詰みかんを用いず、生みかんを使用して、ゼリー部分との風味バランスがとれ、且つフレッシュな風味、食感を有する生みかん入り常温保存ゼリーを製造することを目的として、特開2006−191846号公報に、じょうのう膜を剥皮した後に、所定の糖度となるまで浸漬用糖液に浸漬した生みかん果肉を、ゲル化剤、抗酸化剤及びゼリー液用糖液を含有するpH3.7以下のゼリー液と共に包装容器に充填し、密封後、加熱殺菌することにより、生みかん入り常温保存ゼリーを製造する方法が開示されている。
特開2009−171910号公報 特開2006−191846号公報
しかし、特許文献1及び特許文献2に開示されている技術では、じょうのう膜を完全に剥皮させるため、外観が略半月状をなすみかんの果肉そのものとなり、外観上の目新しさがなかった。また、一般にじょうのう膜を除去する剥皮工程では、酵素を用いる方法と酸アルカリ処理を施す方法があるが、酵素を用いる方法では手間とコストがかかりやすいという課題があった。また、酸アルカリ処理では、塩酸液に浸漬させた後に水で洗浄し、その後水酸化ナトリウム液に浸漬させ、さらに流水中に数時間さらして、酸、アルカリ、及び残存するじょうのう膜を除去している。このため、果肉から果汁やうまみ成分が流出してしまい、果実本来の味を楽しむことができないという課題があった。
本発明は、上記の点に鑑みなされたもので、柑橘類の果皮及び球状をなしているじょうのうの集合体をそのまま加工することで製造工程を省略するとともに、果実本来の味を楽しむことができ、さらに斬新な外観とすることができる加工果実及び加工食品を提供することを目的とする。
本発明の加工果実の製造方法は、
柑橘類の果皮及び球状をなしているじょうのうの集合体の外周部のじょうのう膜を剥くとともに、果心部を果実の軸方向にくり抜いて前記果心部に貫通した孔を設け、前記じょうのうの集合体の球状を保つことを特徴とする。
本発明の加工果実の製造方法によれば、柑橘類の果皮及び球状をなしているじょうのうの集合体をそのまま加工するため、じょうのう膜を剥皮させる酵素による処理又は酸アルカリ処理が不要となり、製造工程を省略することができるとともに水資源の節約を図ることができ、さらに果汁の流出が少なくすみ、果実本来の味を楽しむことができる。また、じょうのうの集合体の外周部を剥くため、外周部は砂じょうが露出するとともに残されたじょうのう膜が放射状に現れ、美感に優れた外観とすることができる。また、果心部を果実の軸方向にくり抜き、果心部に貫通した孔が設けられるため、当該部分のじょうのう膜や種も取除かれ、加工果実を食する際に個々の果肉を容易に分離させることができる。
本発明の加工食品の製造方法は、
上述の加工果実の製造方法によって製造された加工果実を、糖液とともに密閉容器に充填し、加熱殺菌を施すことを特徴とする。
また、本発明の加工食品の製造方法の好ましい例は、
前記糖液にゲル化剤を混入させたことを特徴とする。
これらの本発明の加工食品の製造方法によれば、加工果実を密閉容器に充填し加熱殺菌を施しているため、長期間の保存をすることができるとともに、放射状に残されたじょうのう膜が柔らかくなり、果肉とじょうのう膜とを一緒に食することができる。また、加工果実を、ゲル化剤を混入させた糖液とともに密閉容器に充填しているため、加工果実がゲル状となった糖液に包まれ、加工果実が崩れにくくなりその形状を保つことができる。
本発明の加工食品の製造方法の好ましい例は、
上述の加工食品の製造方法によって製造された加工果実の前記孔に、クリーム状食品を充填したことを特徴とする。
本発明の加工食品によれば、加工果実の果心部に設けられた孔に、クリーム状食品が充填されているため、果肉とクリーム状食品とがミックスされた味を楽しむことができる。また、クリーム状食品としては、生クリーム、カスタードクリーム、チョコレートクリーム等が採用でき、これらの色と果肉の色、さらにはじょうのう膜の色からなる外観を楽しむことができる。
本発明の加工果実の製造方法及び加工食品の製造方法によれば、柑橘類の果皮及び球状をなしているじょうのうの集合体をそのまま加工することで製造工程を省略するとともに、果実本来の味を楽しむことができ、さらに斬新な外観とすることができる。
本発明の一実施形態に係る加工果実の製造方法によって製造された加工果実の斜視図である。 図1の加工果実の平面図である。 本発明の一実施形態に係る加工食品の製造方法によって製造された加工食品を説明する図である。
以下、本発明の加工果実の製造方法及び加工食品の製造方法の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の一実施形態に係る加工果実の製造方法によって製造された加工果実1の斜視図、図2は図1の加工果実1の平面図である。また、図3は本発明の一実施形態に係る加工食品の製造方法によって製造された加工食品10を説明する図である。なお、本発明に係る加工食品の製造方法によって製造される加工食品10は、本発明に係る加工果実の製造方法によって製造される加工果実1を用いて製造される。
先ず、加工果実1の実施の形態について説明する。図1及び図2に示すように、本実施形態の加工果実1は、外周部において砂じょう(果肉4)が露出するとともに、じょうのう膜3が放射状に現れ、果心部には貫通した孔2が設けられている。この加工果実1を製造する工程を以下に説明する。
先ず、グレープフルーツ、オレンジ、ミカン等の柑橘類を洗浄し、殺菌処理を行なった後、刃物を用いて又は手で果皮を除去する。次に略球状をなしているじょうのうの集合体の果心部を、円筒形の刃物を用いて果実の軸方向にくり抜き、果実の果梗部から果頂部にかけて果心部を貫通した孔2を形成させる。そして、略球状をなしているじょうのうの集合体の外周部のじょうのう膜を、刃物で削ぐように剥いて完成する。
このように加工することで、じょうのう膜のうち、じょうのうの外側の円弧をなす部分と、じょうのうの内側の略直線状の辺をなす部分が取除かれ、果実の中心から放射状に広がる面状のじょうのう膜3のみが残される。
次に、加工食品の第1の実施の形態について説明する。図3に示すように、本実施形態の加工食品10は、上述の加工果実1を、ゲル化剤を混入させた糖液とともに密閉容器12に充填したものである。また、加工食品10は、密閉容器12に充填後に加熱殺菌されている。この加工食品10を製造する工程を以下に説明する。
先ず、上述の加工果実1を用意する。次に、ゲル化剤を混入させた糖液を調製する。本実施形態では、水1000グラムに対し砂糖100〜200グラムを溶解させた糖液に、寒天3〜5グラムを加え、100℃まで加熱させることで、ゲル化剤を混入させた糖度10〜20パーセントの糖液を調製した。また、糖液はpHを3.6以上4.0未満とすることが好ましく、クエン酸を0.4グラム添加させた。なお、本実施形態では糖に砂糖を使用したが、砂糖以外にも希少糖、水あめ等の糖類を採用できる。同じく、ゲル化剤として本実施形態では寒天を使用しているが、ゼラチン、カラギーナン等を採用することができる。
そして、密閉容器としてのスタンディング袋12に、加工果実1をゲル化剤を混入させた糖液とともに充填し、スタンディング袋12の上部をヒートシールして密閉する。次に、加工食品の中心温度が75℃で1分間以上、又は65℃で10分間以上保持されるよう加熱殺菌を行なう。このように製造することで、加工果実1の周囲がゲル11で包まれた加工食品10ができあがる。なお、密閉容器としては、上記のスタンディング袋12に限られず、カップ状のプラスチック容器、瓶、缶等の様々なものが採用できる。
次に、第2の実施の形態に係る加工食品(図示せず)について説明する。この加工食品は、上述の加工果実1の果心部を貫通する孔2の中に、クリーム状食品が充填されている。これは、加工果実1を製造した後に、公知のクリーム充填機を用いて、孔2にクリーム状食品を充填するのである。なお、クリーム状食品としては、既にのべたように、生クリーム、カスタードクリーム、チョコレートクリーム等が採用でき、これらの甘さも、加工果実1に用いる柑橘類の糖度に合わせた甘さとすることができる。例えば、比較的酸味の強いグレープフルーツ等では、クリーム状食品の甘さを強くし、食品としての甘さを補うようにすることも可能である。
以上説明したように、本実施形態の加工果実の製造方法によって製造された加工果実によれば、じょうのう膜を剥皮する際、酵素による処理又は酸アルカリ処理が不要となり、製造コストの低減を図ることができるとともに、果肉から果汁やうまみ成分が流出することがなく、果肉本来の味と香りを楽しむことができる。また、じょうのう膜のうち、果実の果心部から放射状に広がる面状の部分のみが残存するため、加工果実をナイフ、フォーク、箸等で解すことで、容易に個々の果肉を分離させることができ、皮を剥くのに手間がかかりやすい柑橘類を食べやすいものとすることができる。また、外周部は砂じょうが露出するとともにじょうのう膜が放射状に現れ、果肉とじょうのう膜とのコントラストを楽しむことができるとともに、果心部には貫通した孔が設けられているため、斬新な外観とすることができ、例えば、美感に優れたカットフルーツとして流通させることができる。
また、以上説明した、本実施形態の加工食品の製造方法によって製造された、第1の実施の形態の加工食品によれば、上述の加工果実の作用効果に加え、加工果実の周囲がゲルで包まれているため、輸送時等の振動や衝撃が加わっても、加工果実の形状が維持されやすくなる。また、密封された容器に充填され、加熱殺菌されているため、長期間の保存をすることができるとともに、加熱によってじょうのう膜が柔らかくなり、果肉とともにじょうのう膜も無理なく食することができる。さらに、ゲル化剤を混入させた糖液の味を調整することにより、様々な味のゼリー菓子として流通させることができる。
また、第2の実施の形態の加工食品によれば、クリーム状食品に様々なものを用いることによって、当該クリーム状食品の味と果肉の味とが合わさった味を楽しむことができる。また、クリーム状食品の種類や甘さを調整することで、酸味の強い柑橘類も無理なく食することができる。また、クリーム状食品の色がアクセントとなって、美感により優れた加工食品とすることができる。
なお、上述の加工果実の製造方法及び加工食品の製造方法は本発明の例示であり、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、その構成を適宜変更することができる。
1・・加工果実、2・・孔、3・・じょうのう膜、4・・果肉、
10・・加工食品、11・・ゲル、12・・密閉容器(スタンディング袋)、
本発明は、柑橘類を加工した加工果実の製造方法と、該加工果実の製造方法によって製造された加工果実を用いた加工食品の製造方法に関する。
従来、みかんの自然な風味を味わうことを目的として、特開2009−171910号公報に、柑橘類の果皮、じょうのう膜、及び種子を取り除いた果肉をカップ又は袋等の容器に入れた柑橘食品が開示されている。
また、果肉原料として缶臭のある缶詰みかんを用いず、生みかんを使用して、ゼリー部分との風味バランスがとれ、且つフレッシュな風味、食感を有する生みかん入り常温保存ゼリーを製造することを目的として、特開2006−191846号公報に、じょうのう膜を剥皮した後に、所定の糖度となるまで浸漬用糖液に浸漬した生みかん果肉を、ゲル化剤、抗酸化剤及びゼリー液用糖液を含有するpH3.7以下のゼリー液と共に包装容器に充填し、密封後、加熱殺菌することにより、生みかん入り常温保存ゼリーを製造する方法が開示されている。
特開2009−171910号公報 特開2006−191846号公報
しかし、特許文献1及び特許文献2に開示されている技術では、じょうのう膜を完全に剥皮させるため、外観が略半月状をなすみかんの果肉そのものとなり、外観上の目新しさがなかった。
本発明は、上記の点に鑑みなされたもので、柑橘類の果皮及び球状をなしているじょうのうの集合体をそのまま加工することで製造工程を省略するとともに、果実本来の味を楽しむことができ、さらに斬新な外観とすることができる加工果実及び加工食品を提供することを目的とする。
本発明の加工果実の製造方法は、
柑橘類の果皮及び球状をなしているじょうのうの集合体の外周部のじょうのう膜を剥くとともに、果心部を果実の軸方向にくり抜いて前記果心部に貫通した孔を設け前記果心部のじょうのう膜を取除き、前記じょうのうの集合体の球状を保つことを特徴とする。
本発明の加工果実の製造方法によれば、柑橘類の果皮及び球状をなしているじょうのうの集合体をそのまま加工するため、製造工程を省略することができるとともに、果実本来の味を楽しむことができる。また、じょうのうの集合体の外周部を剥くため、外周部は砂じょうが露出するとともに残されたじょうのう膜が放射状に現れ、美感に優れた外観とすることができる。また、果心部を果実の軸方向にくり抜き、果心部に貫通した孔が設けられるため、当該部分のじょうのう膜や種も取除かれ、加工果実を食する際に個々の果肉を容易に分離させることができる。
本発明の加工食品の製造方法は、
上述の加工果実の製造方法によって製造された加工果実を、糖液とともに密閉容器に充填し、加熱殺菌を施すことを特徴とする。
また、本発明の加工食品の製造方法の好ましい例は、
前記糖液にゲル化剤を混入させたことを特徴とする。
これらの本発明の加工食品の製造方法によれば、加工果実を密閉容器に充填し加熱殺菌を施しているため、長期間の保存をすることができるとともに、放射状に残されたじょうのう膜が柔らかくなり、果肉とじょうのう膜とを一緒に食することができる。また、加工果実を、ゲル化剤を混入させた糖液とともに密閉容器に充填しているため、加工果実がゲル状となった糖液に包まれ、加工果実が崩れにくくなりその形状を保つことができる。
本発明の加工食品の製造方法の好ましい例は、
上述の加工食品の製造方法によって製造された加工果実の前記孔に、クリーム状食品を充填したことを特徴とする。
本発明の加工食品によれば、加工果実の果心部に設けられた孔に、クリーム状食品が充填されているため、果肉とクリーム状食品とがミックスされた味を楽しむことができる。また、クリーム状食品としては、生クリーム、カスタードクリーム、チョコレートクリーム等が採用でき、これらの色と果肉の色、さらにはじょうのう膜の色からなる外観を楽しむことができる。
本発明の加工果実の製造方法及び加工食品の製造方法によれば、柑橘類の果皮及び球状をなしているじょうのうの集合体をそのまま加工することで製造工程を省略するとともに、果実本来の味を楽しむことができ、さらに斬新な外観とすることができる。
本発明の一実施形態に係る加工果実の製造方法によって製造された加工果実の斜視図である。 図1の加工果実の平面図である。 本発明の一実施形態に係る加工食品の製造方法によって製造された加工食品を説明する図である。
以下、本発明の加工果実の製造方法及び加工食品の製造方法の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の一実施形態に係る加工果実の製造方法によって製造された加工果実1の斜視図、図2は図1の加工果実1の平面図である。また、図3は本発明の一実施形態に係る加工食品の製造方法によって製造された加工食品10を説明する図である。なお、本発明に係る加工食品の製造方法によって製造される加工食品10は、本発明に係る加工果実の製造方法によって製造される加工果実1を用いて製造される。
先ず、加工果実1の実施の形態について説明する。図1及び図2に示すように、本実施形態の加工果実1は、外周部において砂じょう(果肉4)が露出するとともに、じょうのう膜3が放射状に現れ、果心部には貫通した孔2が設けられている。この加工果実1を製造する工程を以下に説明する。
先ず、グレープフルーツ、オレンジ、ミカン等の柑橘類を洗浄し、殺菌処理を行なった後、刃物を用いて又は手で果皮を除去する。次に略球状をなしているじょうのうの集合体の果心部を、円筒形の刃物を用いて果実の軸方向にくり抜き、果実の果梗部から果頂部にかけて果心部を貫通した孔2を形成させる。そして、略球状をなしているじょうのうの集合体の外周部のじょうのう膜を、刃物で削ぐように剥いて完成する。
このように加工することで、じょうのう膜のうち、じょうのうの外側の円弧をなす部分と、じょうのうの内側の略直線状の辺をなす部分が取除かれ、果実の中心から放射状に広がる面状のじょうのう膜3のみが残される。
次に、加工食品の第1の実施の形態について説明する。図3に示すように、本実施形態の加工食品10は、上述の加工果実1を、ゲル化剤を混入させた糖液とともに密閉容器12に充填したものである。また、加工食品10は、密閉容器12に充填後に加熱殺菌されている。この加工食品10を製造する工程を以下に説明する。
先ず、上述の加工果実1を用意する。次に、ゲル化剤を混入させた糖液を調製する。本実施形態では、水1000グラムに対し砂糖100〜200グラムを溶解させた糖液に、寒天3〜5グラムを加え、100℃まで加熱させることで、ゲル化剤を混入させた糖度10〜20パーセントの糖液を調製した。また、糖液はpHを3.6以上4.0未満とすることが好ましく、クエン酸を0.4グラム添加させた。なお、本実施形態では糖に砂糖を使用したが、砂糖以外にも希少糖、水あめ等の糖類を採用できる。同じく、ゲル化剤として本実施形態では寒天を使用しているが、ゼラチン、カラギーナン等を採用することができる。
そして、密閉容器としてのスタンディング袋12に、加工果実1をゲル化剤を混入させた糖液とともに充填し、スタンディング袋12の上部をヒートシールして密閉する。次に、加工食品の中心温度が75℃で1分間以上、又は65℃で10分間以上保持されるよう加熱殺菌を行なう。このように製造することで、加工果実1の周囲がゲル11で包まれた加工食品10ができあがる。なお、密閉容器としては、上記のスタンディング袋12に限られず、カップ状のプラスチック容器、瓶、缶等の様々なものが採用できる。
次に、第2の実施の形態に係る加工食品(図示せず)について説明する。この加工食品は、上述の加工果実1の果心部を貫通する孔2の中に、クリーム状食品が充填されている。これは、加工果実1を製造した後に、公知のクリーム充填機を用いて、孔2にクリーム状食品を充填するのである。なお、クリーム状食品としては、既にのべたように、生クリーム、カスタードクリーム、チョコレートクリーム等が採用でき、これらの甘さも、加工果実1に用いる柑橘類の糖度に合わせた甘さとすることができる。例えば、比較的酸味の強いグレープフルーツ等では、クリーム状食品の甘さを強くし、食品としての甘さを補うようにすることも可能である。
以上説明したように、本実施形態の加工果実の製造方法によって製造された加工果実によれば、じょうのう膜を剥皮する際の、製造コストの低減を図ることができるとともに、果肉から果汁やうまみ成分が流出することがなく、果肉本来の味と香りを楽しむことができる。また、じょうのう膜のうち、果実の果心部から放射状に広がる面状の部分のみが残存するため、加工果実をナイフ、フォーク、箸等で解すことで、容易に個々の果肉を分離させることができ、皮を剥くのに手間がかかりやすい柑橘類を食べやすいものとすることができる。また、外周部は砂じょうが露出するとともにじょうのう膜が放射状に現れ、果肉とじょうのう膜とのコントラストを楽しむことができるとともに、果心部には貫通した孔が設けられているため、斬新な外観とすることができ、例えば、美感に優れたカットフルーツとして流通させることができる。
また、以上説明した、本実施形態の加工食品の製造方法によって製造された、第1の実施の形態の加工食品によれば、上述の加工果実の作用効果に加え、加工果実の周囲がゲルで包まれているため、輸送時等の振動や衝撃が加わっても、加工果実の形状が維持されやすくなる。また、密封された容器に充填され、加熱殺菌されているため、長期間の保存をすることができるとともに、加熱によってじょうのう膜が柔らかくなり、果肉とともにじょうのう膜も無理なく食することができる。さらに、ゲル化剤を混入させた糖液の味を調整することにより、様々な味のゼリー菓子として流通させることができる。
また、第2の実施の形態の加工食品によれば、クリーム状食品に様々なものを用いることによって、当該クリーム状食品の味と果肉の味とが合わさった味を楽しむことができる。また、クリーム状食品の種類や甘さを調整することで、酸味の強い柑橘類も無理なく食することができる。また、クリーム状食品の色がアクセントとなって、美感により優れた加工食品とすることができる。
なお、上述の加工果実の製造方法及び加工食品の製造方法は本発明の例示であり、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、その構成を適宜変更することができる。
1・・加工果実、2・・孔、3・・じょうのう膜、4・・果肉、
10・・加工食品、11・・ゲル、12・・密閉容器(スタンディング袋)、

Claims (3)

  1. 柑橘類の果皮を剥いた後、球状をなしているじょうのうの集合体の外周部のじょうのう膜を剥くとともに果心部を果実の軸方向にくり抜いて、前記果心部に貫通した孔が設けられていることを特徴とする加工果実。
  2. 請求項1に記載の前記加工果実を、ゲル化剤を混入させた糖液とともに密閉容器に充填し、加熱殺菌を施したことを特徴とする加工食品。
  3. 請求項1に記載の前記加工果実の前記孔に、クリーム状食品を充填したことを特徴とする加工食品。
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