JP2017012446A - 画像処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】医用画像に含まれる対象物の形状に依らず、精度良く抽出する画像処理装置を提供する。【解決手段】画像処理装置は、対象画像であるCT画像などの医用画像をデータサーバから取得しS1100、医用画像に含まれる対象物のシード点情報から概略形状を部分領域ごとに推定しS1120、推定された複数の部分形状を結合し、概略形状として取得しS1130、概略形状に基づいてリンパ節などの対象物の領域を抽出するS1140。【選択図】図3

Description

本発明は、医用画像に画像処理を施す画像処理装置、画像処理システム、画像処理方法、画像処理プログラム、に関する。
近年、医療現場では多くの医用画像が活用されるようになってきている。それに伴い、医師が医用画像をもとに診断を行ったり、治療方針を検討したりする、いわゆる読影と呼ばれる作業の負荷が増加している。そこで、コンピュータで医用画像を解析して得られる情報を診断の助けとするコンピュータ診断支援(Computer Aided Diagnosis:CAD)に関する技術への期待が高まっている。かかる技術においては、病変の特徴を解析したり、良悪性を鑑別したりするために、腫瘍など解析対象領域を特定して抽出する(対象物を抽出する)精度が重要となる。
特許文献1には、入力画像から塊状の対象物の形状を近似する円の半径(期待半径)を求め、期待半径を用いた評価関数に基づいて対象物を抽出することが開示されている。
特許第5231007号公報
腫瘍など解析対象となる病変領域の形状は、規則的な塊状(球形、円形)を示すもののほか、病変の種類や周辺臓器との接触の状態に依って、楕円体状、分葉状、糸状などの形状を示すものが存在する。さらに、上述したような複数の形状の特徴を併せ持つ、不規則な形状を示すものも存在する。対象物の形状を円で近似して対象物を抽出しようとすると、対象物が不規則な形状を有する場合に、外形を正しく求めることが難しく抽出精度が低下するおそれがある。
本発明の実施形態に係る画像処理装置は、医用画像を取得する画像取得手段と、前記対象物に含まれる領域の形状を近似する部分形状を推定し、複数の部分形状を結合した形状を前記対象物の形状を近似する概略形状として取得する概略形状取得手段と、前記概略形状に基づいて前記対象物の領域を抽出する抽出手段と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、対象物の外形を、より精度良く抽出することが可能となる。
第1実施形態に係る画像処理システムの装置構成を示す図である。 第1実施形態に係る画像処理システムの機能構成を示す図である。 第1実施形態に係る画像処理装置100の処理手順を示す図である。 第1実施形態に係る部分形状の推定を説明する図である。 第1実施形態に係る部分形状の推定を説明する図である。 第1実施形態に係る部分形状の結合を説明する図である。 第1実施形態に係る対象物の抽出を説明する図である。 第1実施形態の変形例4に係る部分形状の結合を説明する図である。 第2実施形態に係る画像処理システムの機能構成を示す図である。 第2実施形態に係る画像処理装置の処理手順を示す図である。 第2実施形態に係る概略形状の修正を説明する図である。 第2実施形態に係る概略形状の修正を説明する図である。 第3実施形態に係る画像処理システムの機能構成を示す図である。 第3実施形態に係る画像処理装置の処理手順を示す図である。 第3実施形態に係るシード点の修正を説明する図である。
図1に基づいて本発明の第一の実施形態に係る画像処理装置100及び、画像処理装置100と接続される各装置から構成される画像処理システム190について詳しく説明する。画像処理システム190において、医用画像を取得し、当該医用画像に含まれる対象物の領域を画像処理により抽出する。画像処理システム190は、画像を撮影する画像撮影装置110と、撮影された画像を記憶するデータサーバ120と、画像処理を行う画像処理装置100と、取得された医用画像及び画像処理の結果を表示する表示部160と、操作入力のための操作部170、を有する。医用画像とは、画像撮影装置110により取得された画像データを、診断に好適な画像とするための画像処理等を施して得られる画像である。以下、各部について説明する。
画像処理装置100は、例えばコンピュータであり、本実施形態に係る画像処理を行う。画像処理装置100は、中央演算処理装置(CPU:Central Processing Unit)11、主メモリ12、磁気ディスク13、表示メモリ14を有する。CPU11は、画像処理装置100の各構成要素の動作を統合的に制御する。CPU11の処理により、画像処理装置100が画像撮影装置110の動作も併せて制御するようにしてもよい。主メモリ12は、CPU11が実行する制御プログラムを格納し、CPU11によるプログラム実行時の作業領域を提供する。磁気ディスク13は、オペレーティングシステム(OS:Operating System)、周辺機器のデバイスドライバ、後述する本実施形態に係る画像処理を行うためのプログラムを含む各種アプリケーションソフトを格納する。表示メモリ14は、表示部160に表示するデータを一時的に格納する。表示部160は、例えば液晶モニタであり、表示メモリ14からの出力に基づいて画像を表示する。操作部170は、例えばマウスやキーボードであり、操作者によるポインティング入力や文字等の入力を行う。表示部160は操作入力を受け付けるタッチパネルモニタであってもよく、操作部170はスタイラスペンであってもよい。画像処理装置100は、医用画像を分析した結果を医師の診断に役立てるための、いわゆるコンピュータ診断支援(computer−aided diagnosis:CAD)装置を構成するものであってもよい。上記の各構成要素は共通バス18により互いに通信可能に接続されている。
画像撮影装置110は、例えばコンピュータ断層撮影装置(CT:Computed Tomography)、核磁気共鳴映像装置(MRI:Magnetic Resonance Imaging)、2次元の放射線画像を撮像する放射線撮影装置(DR:Degital Radiography)である。画像撮影装置110は取得した画像をデータサーバ120へ送信する。画像撮影装置110を制御する撮影制御部(不図示)が画像処理装置100に含まれていてもよい。
データサーバ120は、画像撮影装置110が撮影した画像を保持する。データサーバ120は、例えばPACS(Picture Archiving and Communication System)サーバである。画像処理装置100は、データサーバ120から、Ethernet(登録商標)等のネットワークを介して必要なデータを読み込み、データサーバ120に保持された画像を取得する。
次に、図2に基づいて画像処理装置100を構成する各機能構成について説明する。主メモリ12に格納されている、各部の機能を実現するプログラムをCPU11が実行することにより実現される。画像処理装置100は、画像取得部1000、シード点取得部1010、形状推定部1020、形状結合部1030、抽出部1040、表示制御部1050を有する。
画像取得部1000は、本実施形態に係る画像処理の対象とする医用画像を対象画像としてデータサーバ120から取得する。画像取得部1000は、画像撮影装置110により撮影された医用画像を、通信手段(不図示)を介して取得してもよい。シード点取得部1010は、画像取得部1000が取得した画像に含まれる、対象物の領域に属する一又は複数の点(以下、シード点と称する)に関する情報(以下、シード点情報と称する)を取得する。シード点情報とは、例えばそれぞれのシード点の位置を示す座標や、取得したシード点の個数である。形状推定部1020は、シード点取得部1010が取得したシード点に関する情報と、それぞれのシード点の周辺画素の濃度値に関する情報とに基づいて、対象物に含まれる領域(以下、部分領域と称する)の形状を近似する部分形状を推定する。そして、複数の部分領域それぞれの部分形状を推定する。形状結合部1030は、形状推定部1020が取得した複数の部分形状を結合し、対象物領域の概略形状とする。ここで、概略形状とは対象物の形状を近似した形状である。すなわち、形状推定部1020と形状結合部分形状1030が、概略形状取得のための構成である。抽出部1040は、画像取得部1000が取得した対象画像の濃度値に関する情報と、及び形状結合部1030が取得した概略形状に基づいて、対象物の領域を抽出する。表示制御部1050は、抽出部1040が取得した対象物の領域の情報を表示部160に出力し、表示部160に対象物の領域の抽出結果を表示させる。
なお、画像処理装置100が有する各部の少なくとも一部を独立した装置として実現してもよい。画像処理装置100はワークステーションでもよい。各部の機能を実現するソフトウェアとして実現してもよく、機能を実現するソフトウェアは、クラウドをはじめとするネットワークを介したサーバ上で動作してもよい。以下に説明する本実施形態では、各部はローカル環境におけるソフトウェアによりそれぞれ実現されているものとする。
続いて、本発明の第一の実施形態に係る画像処理について説明する。図3は本実施形態の画像処理装置100が実行する処理手順を示す図である。本実施形態は、主メモリ12に格納されている各部の機能を実現するプログラムをCPU11が実行することにより実現される。本実施形態では、対象画像はCT画像であるとして説明する。CT画像は3次元濃淡画像として取得される。また、本実施形態では対象画像に含まれる対象物はリンパ節であるとして説明する。
ステップS1100において、医用画像を取得する。すなわち、画像取得部1000は対象画像であるCT画像をデータサーバ120から取得し、画像処理装置100の主メモリ12上に展開して保持する。別の例では、画像撮影装置110で撮影した画像データを、画像取得部1000は通信手段(不図示)を介して取得し、診断に好適な画像とするための画像処理等を施して、本実施形態に係る画像処理を施す医用画像を取得する。画像撮影装置110が例えばCT装置であった場合、画像撮影装置110からCT値とよばれる相対的なX線吸収係数値の一次元分布を画像データとして取得する。その後、画像取得部1000は画像再構成とよばれる処理を施して、3次元濃淡画像で表される医用画像を得る。画像取得部1000は、画像撮影装置110が画像再構成を行って得られた3次元濃淡画像を取得してもよい。
ここで、本実施形態における対象画像は、直交する3軸(x,y,z)の成分によって識別可能な複数の画素により構成される。付帯情報として取得される画素サイズは、3軸の方向それぞれに対して定義される。本実施形態では、3軸の方向それぞれに対する画素サイズが、r_size_x=1.0mm、r_size_y=1.0mm、r_size_z=1.0mm、の場合を例として説明する。対象画像の濃度値は、画素の3次元配列における画素位置を参照して導出される関数とみなすことができる。本実施形態では対象画像を関数I(x,y,z)として表す。関数I(x,y,z)は、対象画像の撮影領域の3次元の実空間座標(x,y,z)を引数として、その座標における画素値を出力する関数である。
ステップS1110において、シード点情報を取得する。シード点取得部1010は対象物の領域すなわちリンパ節領域に属するn点の座標pseed_i(xseed_i,yseed_i,zseed_i) (i=1, 2, ・・・, n)を、シード点群として取得する。ここで、シード点はリンパ節領域の中心線付近に位置することが好ましい。中心線とは、リンパ節領域の重心(p)を含む任意の2次元平面におけるpを通る線である。
シード点の取得について説明する。まず、表示部160に表示される対象画像の、例えば横断面(Axial)、矢状面(Sagittal)、冠状面(Coronal)の断層像を参照しながら、操作者がマウスといった操作部170を介して操作入力を行う。当該操作入力により得られた、リンパ節領域に含まれる一個の座標を一つ目のシード点pseed_1として取得する。そして、取得したpseed_1の近傍領域において、pseed_1と類似した特徴量を有する画素を、新たにシード点として取得する。別の例では、対象画像に対してヘッセ行列に基づく塊状強調フィルタを適用し、強調されたn個の領域から、例えばそれぞれの領域の重心をシード点として選択する。シード点の個数は予め操作者が設定しておいてもよい。シード点間の間隔を予め操作者が設定しておいて、操作者は対象画像上で対象物の範囲を、たとえば矩形にマウスを介して指定し、その矩形の中心線において設定されたシード点間隔に基づいてシード点を取得するようにしてもよい。
ステップS1120において、対象物の領域に属する複数の点に基づいて複数の部分形状を推定する。形状推定部1020は、ステップS1100で取得した対象画像I(x,y,z)と、ステップS1110で取得したそれぞれのシード点pseed_iを用いて、該シード点を含む部分形状をそれぞれ推定する処理を行う。画像中に含まれる様々な大きさの特徴領域である部分形状を推定するには、例えば画像をスケールによってパラメータ付けられたものとして表現するスケールスペース表現が有効である。画像のスケールスペース表現とは、与えられた画像を漸進的にぼかした画像を積み上げたものである。ここでは、部分形状が球であると仮定し、Laplacian of Gaussian(LoG)カーネルのスケールスペースを用いた部分形状の推定について説明する。これは、様々なスケールのLoGフィルタを適用したとき、部分形状の大きさとするのに適切なスケールが極値をもつことを利用するものである。
まず、シード点pseed_iごとに、pseed_iの座標を原点としたシード点周辺の局所画像領域I´(x,y,z)に対して式1及び式2で表されるLoGカーネルを適用する。
L(x,y,z,h)=I´(x,y,z)*LoG(r) (式1)

ここで、hはLoGカーネルのスケールを表すパラメータである。*は畳み込みを表す演算子である。スケールhを所定の範囲{hmin,・・・,hmax}で変動させたときのL(x,y,z,h)の出力を取得する。hminとhmaxは操作者が任意の値に設定することができる。次に、L(x,y,z,h)の出力の最大値に対応するスケールhを選択する。そして、当該スケールを直径とする球を、シード点周辺の部分形状として取得する。
図4に基づいて、LoGカーネルによるリンパ節の部分形状の推定について説明する。簡単のために、図において全ての形状は全て二次元で示す。図4(a)は、対象画像であるCT画像510であり、CT画像510中には対象物であるリンパ節520、およびステップS1110で取得したシード点530、531、532が示されている。それぞれのシード点を中心とする局所領域に対して上述したLoGカーネルを適用すると、図4(b)に示すように、それぞれの局所領域を近似する球の半径540、541、542が取得される。そして、図4(c)に示すように、取得された3つの半径に対応する球550、551、552が部分形状Q(pseed_i|i=1,・・・n)として推定される。対象物に含まれる複数の部分領域のそれぞれにおいて、式1及び式2に基づいて部分形状を推定すると、部分形状は複数の球として推定される。LoGフィルタによる処理でそれぞれの径に事前に設定した係数を乗じて、係数を乗じた径に対応する球を部分形状として推定してもよい。
ステップS1120の別の例では、部分形状が球又は楕円体のいずれかであると仮定して推定する。例えば、シード点を含む互いに直行する3つの断面において、部分形状である球又は楕円体の径を推定する。具体的には、任意の断面を第一の断面とし、第一の断面において、シード点pseed_iごとに、pseed_iの座標を原点としたシード点周辺の局所画像領域I´(x,y)を円であると仮定する。そして、式3及び式4で表されるLoGカーネルを適用する。
L(x,y,h)=I´(x,y)*LoG(rxy) (式3)

そして、L(x,y,h)の出力の最大値に対応するスケールhを選択する。当該スケールに対応する半径rxyを当該部分形状の第一の径とする。第二の断面と第三の断面においても同様の処理を行い、第二の径であるryzと、第三の径であるrzxを得る。これにより、3軸の各方向において、それぞれ2つずつの径が当該部分形状の径を表す候補として取得される。例えばx軸方向においてはrxyとrzxが当該部分形状のx軸方向の径の候補として取得される。2つの径からx軸方向の径を推定する方法としては、例えば2つの径の平均値を採用する。あるいは、2つの径のうち大きい方を採用するようにしてもよい。同様にして、3軸の各方向の径を推定できる。推定された3軸方向の径を有する楕円体を、形状推定部1020は当該部分形状として推定する。第一の径と第二の径と第三の径がそれぞれ等しい場合は、当該部分形状を球として推定する。第一の径と第二の径と第三の径をそれぞれ3軸方向に有する直方体を当該部分形状としてもよい。直方体に内接する楕円体を当該部分形状としてもよい。
ステップS1120のまた別の例では、3つの径について自由度を有する楕円体モデルによって部分形状を推定する。図5に示すように、当該楕円体モデルをリンパ節の各シード点を中心とした領域にフィッティングし、取得された楕円体を当該部分形状として推定する。
ステップS1120のさらに別の例では、それぞれのシード点から対象物を囲む最小の六面体(bounding box)を推定することにより、複数の六面体を部分形状として推定する。形状は直方体などその他の多面体でもよい。複数の手法を同時に適用し、ユーザが手動で実際の形状と最も近いと思われる部分形状の集合を選択してもよい。
ステップS1120のさらに別の例では、予め部分形状の図形をテンプレートとして設定しておく。操作者は表示部160に表示されている対象画像を参照しながら、テンプレート図形を指定し、指定した図形を用いて形状を近似したい部分領域に含まれる点をシード点として指定する。たとえば、テンプレート図形として球を指定し、ある部分領域に含まれる点を指定すると、指定された点を中心とする球の径を式1及び式2を用いて推定し、当該部分領域を近似する部分形状とする。テンプレート図形としては、球や楕円体や直方体や多面体が挙げられる。
すなわち、ステップS1120では対象物の領域に属する複数の点のうち一つを含む部分領域において、一つの点を含む球または楕円体または多面体のいずれかを、当該部分領域の部分形状として、複数の部分形状のそれぞれを推定する。
ステップS1130では、推定された複数の部分形状を結合し、概略形状として取得する。形状結合部1030は、ステップS1120で取得した部分形状Qを結合し、リンパ節の概略形状を求める。本実施形態においては、ステップ1120で取得された複数の部分形状(Q,Q,・・・Q)の論理和をとることにより結合する。結合された領域が示す形状Qを、リンパ節の概略形状とする。図6(a)に、ステップS1120で取得した部分形状である球550、551、552を示す。図6(b)に、これらの球550、551、552の論理和により結合して取得した概略形状600を示す。
ステップS1130の別の例では、例えばS1120で推定された部分形状に対して、ある係数を乗じた部分形状をそれぞれ結合して概略形状として取得する。これにより取得される概略形状は対象物であるリンパ節よりも大きい形状であることが好ましい。係数は、抽出の対象となる形状よりも大きくなるように実験的に求めておく。操作者が設定するようにしてもよい。すなわち、ステップS1130では、概略形状の領域を対象物よりも大きな領域とするための係数を部分領域の径に乗じて、概略形状を取得するようにしてもよい。
ステップS1140では、概略形状に基づいて対象物の領域を抽出する。抽出部1040は、ステップS1100で取得した対象画像I(x,y,z)と、ステップS1130で取得した概略形状Qを用いて対象物であるリンパ節の領域を抽出する。ステップS1110で取得したシード点群pseed_iのシード点情報を用いてもよい。本実施形態では、濃淡画像から特定の領域を抽出する処理として可変形状モデルを用いた処理を行う。可変形状モデルとは、輪郭形状を所定の評価関数に従って逐次的に変形し、最適化された輪郭を、目的とする領域として抽出する方法である。ここでは、可変形状モデルを用いた処理の一つであるレベルセット法を例として説明する。レベルセット法は、対象物の輪郭のトポロジー変化や特異点の発生などに対応可能な手法である。レベルセット法では、対象物の空間よりも一次元高次の空間で定義した陰関数φにおいて、φ=0である断面(以下、ゼロ等値面と称する)を、抽出する対象物の輪郭として捉える。φの形状を変化させることで、ゼロ等値面の形状を変化させ、対象物の輪郭を変化させる。φの形状を設計するための評価関数により、抽出される輪郭の位置が制御される。概略形状Qに応じた評価関数によりφの形状を設計することで、対象物の領域を概略形状Qから乖離しないように制御する。すなわち、概略形状に基づいて対象物の領域の仮の輪郭を作成し、評価関数により仮の輪郭の変形を制御して、対象物の領域の輪郭を取得する。
以下、レベルセット法を用いた抽出について説明する。抽出の対象物であるリンパ節の領域について、仮の輪郭を作成する。仮の輪郭すなわちゼロ等値面を変形させるために、ゼロ等値面に属する点に速度を与えるための速度関数を構築する。速度関数が、φの形状を設計するための評価関数となる。速度関数は、抽出したい対象物の濃度値や形状特徴等を考慮した項を有し、そのような特性に反する輪郭であるほど速度が大きくなり、そのような特性を有する輪郭であるほど速度が小さくなるように構築される。
第一の特性として、リンパ節の領域内と領域外での濃度値の違いが挙げられる。従って、例えば式5に示すような、エッジ強度に基づく速度関数f(i,j,k)を用いる。

ここで、E(i,j,k)は画素(i,j,k)におけるエッジ強度を表し、αは重み係数である。E(i,j,k)は濃度勾配で表される。別の例では、ソーベルフィルタ、ラプラシアンフィルタといったエッジ検出フィルタを対象画像に適応し、それらの出力値を用いる。f(i,j,k)によって、リンパ節の輪郭形状の変形速度は、濃度値変化が少ない領域で大きく、濃度値変化が大きいエッジ領域付近で小さくなる。これにより、抽出された対象物の輪郭の領域において濃度値変化が大きくなるように輪郭の位置が制御される。
第二の特性として、リンパ節の輪郭はなめらかであることが挙げられる。従って、例えば式6に示すような、曲率に基づく速度関数fκ(i,j,k)を用いる。
κ(i,j,k)=1−β・κ(i,j,k) (式6)
ここで、κ(i,j,k)は画素(i,j,k)における曲率を表し、βは重み係数である。fκ(i,j,k)によって、リンパ節の輪郭形状の変形速度は、曲率が小さい箇所で大きくなり、曲率が大きい場所では小さくなる。これにより、抽出された対象物の輪郭の曲率が大きくなるように輪郭の位置が制御される。
さらに、本発明の第一の実施形態に係る画像処理においては、抽出する対象物の輪郭がステップS1130で取得した概略形状Qから乖離しない、という特性を加える。従って、式7に示すような、ある画素と概略形状Qの輪郭との距離に基づく速度関数f(i,j,k)を用いる。
(i,j,k)=1−γ・d(i,j,k) (式7)
ここで、d(i,j,k)は画素(i,j,k)と概略形状Qの輪郭との距離である。γは重み係数である。画素(i,j,k)と概略形状Qとの距離は、例えば符号付きの距離変換により算出できる。具体的には、図7に基づいて説明する。まず、ステップS1130で取得した概略形状601に対して、符号付きの距離変換を行う。図7に示すように、概略形状601の輪郭上の位置では距離値は0、概略形状601の内部では距離値が負、概略形状601の外部では距離値が正になるように設定する。距離値の絶対値は、例えば画素(i,j,k)とQの輪郭画素との6近傍距離で表す。18近傍距離、26近傍距離で表してもよい。このような符号付きの距離場を用いることによって、f(i,j,k)すなわちリンパ節の輪郭形状の変形速度は、概略形状の輪郭付近で小さく、概略形状の輪郭から離れるほど大きくなる。さらに、概略形状内部では正の速度となるため仮の輪郭は拡張する方向に変形し、概略形状外部では負の速度となるため仮の輪郭は縮小する方向に変形するように設定できる。これにより、抽出された対象物の輪郭が概略形状から乖離しないように輪郭の位置が制御される。
前述した3種類の速度関数を式8のように組み合わせて、レベルセット法の速度関数として用いる。
i,j,k=f(i,j,k)・fκ(i,j,k)・f(i,j,k) (式8)
これにより、対象物の領域の輪郭を、エッジ部分で、なめらかかつ概略形状から乖離しない曲線として抽出できる。式8で示される速度関数により制御される変形が停止あるいは変形量が予め設定しておいた閾値以下になる輪郭を、対象物の抽出結果Rとする。
ステップS1130で対象物よりも大きい概略形状を取得した場合、速度関数がf(i,j,k)の項を有することにより、対象物の輪郭はステップS1120で求めた概略形状の範囲内となるように輪郭の位置が制御される。対象物の輪郭において他の構造物との濃度差が小さい場合、例えばリンパ節が他の臓器と近接した位置にある場合など、抽出の対象であるリンパ節の輪郭よりもエッジ強度の強い輪郭を抽出するおそれがある。f(i,j,k)の項を有することにより、対象物よりも大きい形状で推定された概略形状の範囲内で輪郭を変形させれば良いので、対象物の抽出精度が向上する。
ステップS1140の別の例としては、対象物を抽出する際の制限として概略形状Qを用いる。この例ではリンパ節の抽出を、式9を満たす領域で行う。

ここで、d(P)は画素Pの符号付きの距離場における値を表す。dは操作者が事前に定義した閾値である。dの設定に応じて、リンパ節の抽出処理を概略形状内外の所望の領域で行うことができる。この場合、概略形状Qと画素(i,j,k)との距離に関する項を速度関数には含めないようにしてもよい。
ステップS1140の更に別の例としては、抽出部1040は抽出処理にGraph cutや、Water flow、Dynamic Programmingなどの手法を用いても良い。例えば、Graph cutを用いて抽出する手法では、概略形状Qを抽出するための前景領域Robjとして定義し、対象画像とRobjとの差分領域において、しきい処理で得た領域を背景領域Rbkgとして定義する。そして対象物の期待濃度値などの特徴を用いたデータ項と、隣接画素の値に応じた平滑化項とで定義されるエネルギーを求める。注目画素が設定した特徴と近く、境界において濃度値が大きく異なる場合にエネルギーが小さくなる。このエネルギーを最小化するような境界を、対象物の領域の輪郭として抽出する。
ステップS1140では、上述したような抽出方法に加えて、抽出の対象物であるリンパ節の濃度値や形状に関する情報や、統計的な情報を併せて利用してもよい。
ステップS1140において抽出したリンパ節の領域710を図6(c)に示す。
ステップS1150では抽出の結果を表示する処理を行う。表示制御部1050は、ステップS1140で抽出した形状に関する情報を画像処理装置100に接続された表示部160に送信し、表示する制御を行う。表示制御部1050は、例えば抽出された領域と元の3次元CT画像とを重ね合わせて合成した画像(以下、合成画像と称する)を表示部160に表示させる。別の例では、所定の面で切断した2次元の断面画像との合成画像を表示させる。さらに別の例では、3次元の合成画像をボリュームレンダリングして表示させる。図6(c)に示すように、抽出までの処理に用いたシード点を抽出した領域710に重ね合わせて表示してもよい。
また、表示制御部1050は抽出の結果の表示形態を制御する。例えば、図15(a)のように、抽出された対象物の領域の輪郭を曲線で表示させる。輪郭の内部の色を変えて表示させてもよい。このとき、抽出処理に用いたシード点を併せて表示させてもよい。別の例では、矢印のような図形を対象画像と重ね合わせて表示させ、矢印の先端部が抽出された領域を示すように表示させる。抽出された領域の大きさに応じて上述した表示形態を変更するようにしてもよい。例えば、抽出された領域の大きさが所定の閾値よりも大きい場合は輪郭を曲線で表示し、閾値よりも小さい場合は矢印の先端部で抽出領域の位置を示すようにしてもよい。これらの表示形態により、対象画像の観察が容易になる。
本発明の第一の実施形態に係る画像処理装置では、対象物の形状を近似する概略形状を、複数の部分領域を結合して取得することにより、概略形状の近似の精度が向上する。よって、概略形状に基づいて行われる対象物の抽出の精度が向上する。
続いて、本発明の第二の実施形態について説明する。本実施形態においては、取得した概略形状の形状を修正するステップをさらに有する。取得した概略形状に対して、必要な領域を追加したり、不要な領域を削除したりする処理を行う。そして、修正された概略形状に応じた取得方法により、対象物の領域を抽出する。以下詳述する。
図9に基づいて、本発明の第二の実施形態に係る画像処理装置200を構成する各機能構成について説明する。画像処理装置200は、本発明の第二の実施形態に係る画像処理を実行する。画像処理装置200は、画像取得部1000、シード点取得部1010、形状推定部1020、形状結合部1030、形状修正部1035、抽出部1040、表示制御部1050を有する。第一の実施形態に係る画像処理装置100を構成する各部と同様の機能を有する構成には図2と同一の番号を付しており、説明を省略する。形状修正部1035は、形状推定部1020が推定した部分形状を形状結合部1030が結合して取得した概略形状について、必要な領域を追加したり、不要な領域を削除したりして、より適切な形状に修正するための処理を行う。形状修正部1035により修正された概略形状に基づいて、抽出部1040は対象物の領域を抽出する。
続いて、本発明の第二の実施形態に係る画像処理について説明する。図10は本実施形態の画像処理装置200が実行する処理手順を示す図である。本実施形態は、主メモリ12に格納されている各部の機能を実現するプログラムをCPU11が実行することにより実現される。ステップS2000、S2010、S2020、S2030の処理は図3に示すステップS1100、S1110、S1120、S1130の処理とそれぞれ同様であるため、説明を省略する。
ステップS2035では、取得された概略形状を修正する。形状修正部1035は、ステップS2000で取得した画像の濃度値情報、ステップS2010で取得したシード点情報を用いて、ステップS2030で取得した概略形状を修正する。ステップS2030において、例えば式1に基づいて推定した部分形状に基づいて取得された概略形状では、図11の概略形状610のように不連続であったり、図11の概略形状611のように不適切であったりするおそれがある。不連続であったり、不適切であったりする概略形状に基づいて対象物の抽出処理を行うと、抽出精度が低下するおそれがある。ステップS2035ではより適切な概略形状を取得するために概略形状の修正処理を行う。
修正の手法としては、例えば概略形状に基づいて陰多項式(IP:Implicit Polynomial)で形状を近似し、連続かつより滑らかな形状に修正する。ここで、陰多項式とは、陰関数を多項式の形式で定義したものである。IPによる形状の近似は、陰関数を多項式の形式で表現し、その多項式の係数を取得して行われる。IPによる形状の近似は、例えば特許第5335280号公報に開示されている方法を用いて行う。
IPを用いた概略形状の修正について、図12に基づいて説明する。ステップS2030で取得した概略形状610の表面に属する輪郭点800においてIPの値がゼロとなるような関数を求め、当該関数で表される曲面で近似し、対象物体の表面形状をモデル化する。取得したモデルが表す形状を修正した概略形状をQ´とする。
さらに、輪郭点の位置や関数の次数といった拘束条件を加味することで、様々な概略形状Q´を連続かつなめらかな輪郭をもつ形状として取得することができる。図12に様々な修正された概略形状の例を示す。ここで、拘束条件は操作者が事前に設定しておいてもよいし、様々な条件下での形状を作成して提示し、操作者が最も適切なものを選択するようにしてもよい。
形状修正部1035は、ステップS2030で取得された概略形状が連続した形状であるか否かを判定し、上述したような修正を行う。あるいは、概略形状が連続していない旨を操作者に報知する画面を表示するように、表示制御部1050に出力してもよい。
また、形状修正部1035はステップS2030で取得した概略形状に対して、明らかに対象物に属する領域ではない領域を削除する。形状修正部1035は、ステップS2000で取得した濃度値情報をもとに、概略形状の輪郭の周辺領域で大きな濃度値変化があるか否かを判定する。所定の距離以上の概略形状内部の位置で大きな濃度値変化がある場合には当該概略形状が明らかに対象物に属する領域ではない領域を含んでいると判定する。あるいは概略形状の輪郭を、表示制御部1050を介して表示させ、操作者が適宜修正の指示を入力するようにしてもよい。表示制御部1050は、操作者が修正可能な箇所を示して、当該箇所への操作入力を受け付けるようにしてもよい。
ステップS2035の別の例では、推定された部分形状を修正することにより、概略形状を修正する。例えば、ステップS2020で部分形状を球又は楕円体として推定した場合に、推定された径の大きさを変更することにより、部分形状を修正する。形状修正部1035はステップ2000で取得した濃度値情報をもとに、概略形状の輪郭の周辺領域で大きな濃度値変化があるか否かを判定する。所定の距離以上の概略形状外部の位置で大きな濃度値変化がある場合には当該概略形状が明らかに対象物の属する領域である領域を含んでいないと判定する。その場合には、対応するステップS2020で推定された径を大きく修正して、部分形状を大きくするように修正する。同様の判定に依り、明らかに対象物の属する領域ではない領域を含んでいると判定する。その場合には、対応するステップS2020で推定された径を小さく修正して、部分形状を小さくするように修正する。形状修正部1035は、修正された部分形状を結合し、修正された概略形状として取得する。また、概略形状を構成する部分形状である球又は楕円体の中心点の位置を変更することにより、部分形状を変更し、変更された部分形状に基づいて概略形状を修正してもよい。
形状修正部1035は表示制御部1050を介して修正の処理の過程を表示させてもよい。例えば、修正前の部分形状を示す図形を対象画像に重ねて表示させておく。部分形状が球や楕円体である場合には、径を示す直線等をあわせて表示させておく。操作者は部分形状を示す図形の位置や径の大きさを変更することにより、部分形状を修正する操作を入力できる。
ステップS2040において、対象物の輪郭を抽出する。抽出部1040は、ステップS2000で取得した画像I(x,y,z)、ステップS2010で取得したシード点群pseed_i、及びステップS2035で取得した修正後の概略形状Q’を用いて、対象物を抽出する。ステップS2040の処理は第1実施形態のステップS1140と同様である。ただし、例えばレベルセット法を利用する場合、抽出部1040は、速度関数f(i,j,k)における距離d(i, j, k)を、ステップS2035で得たIPに画素p(i, j, k)を代入して算出してもよい。これにより、抽出処理が高速化される。また、ステップS1140のように、修正後の概略形状Q’に対して符号付きの距離変換を実施し、取得した距離マップに基づいて算出してもよい。
ステップS2050の処理は、第1実施形態のステップS1150と同様の処理であるため、説明を省略する。
本発明の第二の実施形態に係る画像処理装置によれば、対象物領域の概略形状を修正することができる。修正後の概略形状を用いて抽出を行うことにより、対象物の領域を精度よく抽出することができる。
続いて、本発明の第三の実施形態について説明する。本実施形態においては、概略形状と抽出結果との比較に基づいて、処理を繰り返すか否かを判定するステップをさらに有する。処理を繰り返すか否かを判定し、繰り返すと判定された場合、シード点の取得から領域抽出までの処理を再び実施する。以下詳述する。
図13は、本発明の第三の実施形態に係る画像処理装置300を構成する各機能構成について説明する。画像処理装置300は、本発明の第三の実施形態に係る画像処理を実行する。画像処理装置300は、画像取得部1000、シード点取得部1010、形状推定部1020、形状結合部1030、抽出部1040、継続判定部1045、表示制御部1050を有する。第一の実施形態に係る画像処理装置100を構成する各部と同様の機能を有する構成には図2と同一の番号を付しており、説明を省略する。継続判定部1045は、形状結合部1030で取得した概略形状と、抽出部1040で取得した抽出結果に基づいて、繰り返し処理を施すか否かを判定する。繰り返し処理を施す必要があると判定された場合、シード点の取得から領域抽出までを行う各部の処理を再び実施する。形状結合部1030は形状修正部1035を含んでいてもよい。
続いて、本発明の第三の実施形態に係る画像処理について説明する。図14は本実施形態の画像処理装置300が実行する処理手順を示す図である。本実施形態は、主メモリ12に格納されている各部の機能を実現するプログラムをCPU11が実行することにより実現される。ステップS3000、S3010、S3020、S3030、S3040の処理は図3に示すステップS1100、S1110、S1120、S1130、S1140の処理とそれぞれ同様であるため、説明を省略する。
ステップS3045において、継続判定部1045は、ステップS3030で取得した概略形状Qと、ステップS3040で取得した抽出結果Rの比較を行い、繰り返し処理を行うか否かを判定する。例えば、抽出結果Rと概略形状Qの差分Vを求める。差分Vは、例えば式10により算出することができる。
V=Q∪R−Q∩R (式10)
差分Vの体積がしきい値Vより大きい場合、継続判定部1045は、シード点取得部1010から、抽出部1040までの処理を繰り返し行うと判定する。ここで、しきい値Vは式11のように算出してもよい。
=ω・V (式11)
ここでωは係数であり、Vは概略形状Qの体積である。Vは操作者が事前に設定してもよい。すなわち、概略形状と抽出された対象物の領域との類似度に基づいて、概略形状取得および抽出の処理を継続するか否かを判定する。
繰り返し処理を行うと判定された場合、シード点取得部1010、形状推定部1020、形状結合部1030、ならびに抽出部1040は、それぞれの処理を再び実行する。
再度ステップS3010による処理を行い、シード点取得部1010は、対象画像I(x,y,z)、前回取得したシード点pseed_i(i=1,2,・・・,n)、前回取得した部分形状Qi、概略形状Q、および抽出結果Rに基づいて、シード点を取得する。シード点の取得は、操作者が操作部170を介して行ってもよいし、画像処理装置300が自動で行ってもよい。手動でシード点を取得する場合、ユーザが目視で、前回取得した概略形状Qと抽出結果Rを比較しながら、必要なシード点を追加したり、不要なシード点を削除したりしてもよい。
自動でシード点を取得する場合、例えば、図15(a)に示すように、シード点取得部1010は、前回取得した抽出結果700の中心線900から、いくつかの点を新しいシード点として選択し、pseed_iに追加する。点の選択は、例えば中心線900にある全ての点を、一定の間隔で選択する。あるいは、濃度値などの特徴が前回までに取得したシード点pseed_iと類似する点を選択する。別の例では、図15(b)に示すように、抽出結果701と概略形状631の差分領域800から新しいシード点を求めてもよい。この場合は、例えばマルコフ連鎖モンテカルロ(MCMC:Markov chain Monte Carlo methods)法によって、領域800から点群をサンプリングする。サンプリングされた点群から、前回まで取得したシード点533と濃度値などの特徴が類似している点を新しいシード点534、535として取得する。つまり、シード点取得部1010は、前回取得したシード点による概略形状の抽出結果に基づいて、シード点をさらに取得する。シード点取得部1010は、表示制御部1050を介して前回までに取得したシード点及び抽出結果を表示させ、新しく取得したシード点を前回までに取得したシード点と区別可能に表示させてもよい。自動でシード点を取得する場合の別の例として、前回の抽出結果や抽出に用いられた概略形状や部分形状に対する操作入力に基づいて、新しいシード点を取得するようにしてもよい。例えば、操作者が前回の抽出結果を示す曲線上の点を選択し、ある方向に移動させる操作入力に基づいて新しいシード点を取得する。前回の抽出結果と、操作入力により変形させられた曲線が示す領域の差分の領域に新しいシード点を取得する。
さらに、不要なシード点を削除する。例えば、図15(c)に示しているように、抽出結果702から大きく外れた部分形状553に対応するシード点538を削除する。
以上のシード点修正処理を施した後のシード点群をp seed_i(i=1,2,・・・,n)とし、jは繰り返し回数を表す。シード点取得部1010は、表示制御部1050を介してシード点を対象画像に重ねて表示させ、操作者が表示部を参照しながらシード点を削除するようにしてもよい。
本発明の第三の実施形態は、ステップS3010で取得するシード点の個数を、繰り返しの回数に応じて増加させる形態を含む。例えば、ステップS3010でシード点を1つ取得し、ステップS3020、S3030、S3040の処理により対象物の輪郭を抽出し、継続判定部1045が繰り返し処理を行うと判定したとする。ステップS3010に戻り、シード点取得部1010はシード点を少なくとも2つ取得するようにする。
ステップS3020において、形状推定部1020は、対象画像I(x,y,z)とシード点群p seed_iを用いて、ステップS1120と同様に、複数の部分形状を推定する。この際、前回取得した抽出結果Rを参考して推定処理を行うことができる。例えば、抽出結果Rの形状が楕円体である場合、形状推定部1020は、対象物の部分形状を楕円体として推定する。また,前回と同じ方法で部分形状を推定する場合、前回のシード点群と修正後のシード点群が重複しているシード点に対応する部分形状は、前回推定されたものを利用する。これにより、より効率的に処理を実行することができる。新しく取得された部分形状をQ とする。
ステップS3030において、形状結合部1030は、ステップS3020で取得した部分形状Q を結合し、概略形状Qとして取得する。この処理は第1実施形態の図3で説明したステップS1130と同様の処理であるため、説明を省略する。
ステップS3040において、抽出部1040は、ステップS3020で取得した対象画像I(x,y,z)と、ステップS3010で取得したシード点群p seed_i、およびステップS1130で取得した概略形状Qを用いて、対象物を抽出する。この処理は第1実施形態の図3で説明したステップS1140と同様の処理であるため、説明を省略する。
繰り返し処理が必要でないと判断された場合は、ステップS3050での表示制御部は、抽出結果を表示する。ステップS3050の処理は、第1実施形態の図3で説明したS1150と同様の処理であるため、説明を省略する。
本発明の第三の実施形態に係る画像処理装置によれば、対象物領域の抽出結果と、その概略形状との差が小さくなるため、より適切な概略形状と抽出結果を取得することができる。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
上述の各実施形態における画像処理装置および画像処理システムは、単体の装置として実現してもよいし、複数の情報処理装置を含む装置を互いに通信可能に組合せて上述の処理を実行する形態としてもよく、いずれも本発明の実施形態に含まれる。共通のサーバ装置あるいはサーバ群で、上述の処理を実行することとしてもよい。この場合、当該共通のサーバ装置は実施形態に係る画像処理装置に対応し、当該サーバ群は実施形態に係る画像処理システムに対応する。画像処理装置および画像処理システムを構成する複数の装置は所定の通信レートで通信可能であればよく、また同一の施設内あるいは同一の国に存在することを要しない。
本発明の実施形態には、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムを、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータが該供給されたプログラムのコードを読みだして実行するという形態を含む。
したがって、実施形態に係る処理をコンピュータで実現するために、該コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明の実施形態の一つである。また、コンピュータが読みだしたプログラムに含まれる指示に基づき、コンピュータで稼働しているOSなどが、実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
上述の実施形態を適宜組み合わせた形態も、本発明の実施形態に含まれる。
100 画像処理装置
1000 画像取得部
1010 シード点取得部
1020 形状推定部
1030 形状結合部
1040 抽出部
1050 表示制御部
1035 形状修正部
1045 継続判定部

Claims (24)

  1. 医用画像を取得する画像取得手段と、
    前記対象物に含まれる領域の形状を近似する部分形状を推定し、複数の部分形状を結合した形状を前記対象物の形状を近似する概略形状として取得する概略形状取得手段と、
    前記概略形状に基づいて前記対象物の領域を抽出する抽出手段と、を有することを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記概略形状取得手段は、前記対象物の領域に属する複数の点に基づいて前記複数の部分形状を推定するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記概略形状取得手段は、前記複数の点のうち一つの点を含む領域において、該一つの点を含む球または楕円体のいずれかを該領域における部分形状とすることにより、前記複数の部分形状のそれぞれを推定するように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 前記概略形状取得手段は、前記複数の点のうち一つの点を含む領域において、該一つの点を中心とする球または楕円体のいずれかを該領域における部分形状とすることにより、前記複数の部分形状のそれぞれを推定するように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  5. 前記概略形状取得手段は、前記複数の部分形状を、複数の球としてそれぞれ推定するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  6. 前記概略形状取得手段は、前記複数の部分形状を論理和により結合して前記概略形状を取得するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  7. 前記概略形状取得手段は、前記複数の部分形状を結合した形状に基づいて近似された多項式で表される曲面を前記概略形状とするように構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  8. 前記概略形状取得手段は、前記概略形状の領域を前記対象物よりも大きな領域とするための係数を前記部分形状の径に乗じて、該概略形状を取得するように構成されていることを特徴とする請求項7に記載の画像処理装置。
  9. 前記抽出手段は、前記対象物より大きく推定された概略形状の範囲内で前記対象物の領域を抽出するように構成されていることを特徴とする請求項8に記載の画像処理装置。
  10. 前記抽出手段は、前記概略形状に基づいて前記対象物の領域の仮の輪郭を作成し、前記仮の輪郭を変形して前記対象物の領域の輪郭を抽出するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  11. 前記抽出手段は、前記変形を制御するための評価関数を用いて前記対象物の領域の輪郭を抽出するように構成されていることを特徴とする請求項10に記載の画像処理装置。
  12. 前記抽出手段は、前記概略形状の輪郭と前記仮の輪郭との距離に基づく項を有する評価関数を用いて、前記概略形状の輪郭との距離が小さくなるように前記変形を制御して前記対象物の領域を抽出するように構成されていることを特徴とする請求項10又は請求項11のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  13. 前記評価関数は、抽出された前記対象物の領域の輪郭において濃度値変化が大きくなるように前記輪郭の位置を制御するための項と、抽出された前記対象物の領域の輪郭の曲率が大きくなるように前記輪郭の位置を制御するための項と、をさらに有していることを特徴とする請求項12に記載の画像処理装置。
  14. 前記概略形状の形状を修正する形状修正手段をさらに有し、
    前記抽出手段は、前記修正された概略形状に基づいて前記対象物の領域を抽出するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項13のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  15. 前記形状修正手段は、前記部分形状を論理和で結合して得られる概略形状が不連続である場合に、該概略形状を、該論理和で表される領域に基づいて連続した形状に修正するように構成されていることを特徴とする請求項14に記載の画像処理装置。
  16. 前記形状修正手段は、該概略形状を構成する部分形状を変更し、前記変更された部分形状に基づいて該概略形状を修正するように構成されていることを特徴とする請求項14に記載の画像処理装置。
  17. 前記形状修正手段は、前記概略形状を構成する部分形状である球又は楕円体の中心点の位置を変更することにより前記部分形状を変更し、前記変更された部分形状に基づいて該概略形状を修正するように構成されていることを特徴とする請求項16に記載の画像処理装置。
  18. 前記形状修正手段は、前記概略形状を構成する部分形状である球又は楕円体の径を変更することにより前記部分形状を変更し、前記変更された部分形状に基づいて該概略形状を修正するように構成されていることを特徴とする請求項16又は請求項17のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  19. 前記概略形状と前記抽出された前記対象物の領域との類似度に基づいて、概略形状取得手段及び抽出手段による処理を継続するか否かを判定する判定手段を更に有することを特徴とする請求項14乃至請求項18のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  20. 医用画像を取得する画像取得手段と、
    前記医用画像に含まれる対象物の概略形状を、部分領域ごとに推定した複数の部分形状を結合した形状に基づいて取得する概略形状取得手段と、
    前記概略形状に基づいて、前記対象物の領域を抽出する抽出手段と、を有することを特徴とする画像処理システム。
  21. 前記概略形状取得手段は、前記複数の部分形状を、球又は楕円体としてそれぞれ推定するように構成されていることを特徴とする請求項20に記載の画像処理システム。
  22. 医用画像を取得する画像取得ステップと、
    前記医用画像に含まれる対象物の概略形状を、部分領域ごとに推定した複数の部分形状を結合した形状に基づいて取得する概略形状取得ステップと、
    前記概略形状に基づいて、前記対象物の領域を抽出する抽出ステップと、を有することを特徴とする画像処理方法。
  23. 前記概略形状取得ステップにおいて、前記複数の部分形状を、球又は楕円体としてそれぞれ推定することを特徴とする請求項22に記載の画像処理方法。
  24. 請求項22又は請求項23のいずれか一項に記載の画像処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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