JP2017013014A - 有機排水処理システム、有機排水処理方法、及び有機排水処理システムの制御プログラム - Google Patents

有機排水処理システム、有機排水処理方法、及び有機排水処理システムの制御プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】有機排水中から窒素およびリンを効率的に除去することを可能にする有機排水処理システム、有機排水処理方法、及び有機排水処理システムの制御プログラムを提供する。【解決手段】実施形態によれば、有機排水処理システムは、嫌気処理領域、調整処理領域および好気処理領域を順に備えた生物反応槽と、アンモニア濃度測定器と、全窒素濃度測定器と、全リン濃度測定器またはリン酸態リン濃度測定器と、制御部とを具備する。調整処理領域は、嫌気雰囲気、微好気雰囲気または好気雰囲気の1種または2種以上の雰囲気に切り替え可能である。また、各雰囲気が占める範囲を調整可能な領域である。制御部は、窒素除去においては硝化を優先させ、硝化が十分な場合にはリン除去を行うように調整処理領域を制御する制御プログラムを有する。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、有機排水処理システム、有機排水処理方法、及び有機排水処理システムの制御プログラムに関する。
従来、生活排水を浄化処理する下水処理場では、もっとも代表的なプロセスとして、標準活性汚泥法が採用されてきた。標準活性汚泥法は、送風機により水中に空気を供給する曝気槽において、好気微生物により水中の有機汚濁物質を酸化分解するものである。この標準活性汚泥法では、有機物は分解除去できる。
しかしながら、放流先の富栄養化問題の原因物質となる窒素やリンは、標準活性汚泥法では除去できない。そこで、有機物を分解するとともに、窒素及びリンを除去する方法として、標準活性汚泥法の変法である窒素除去型の循環式硝化脱窒法、リン除去型の嫌気−好気活性汚泥法(AO法)、窒素・リン同時除去型の嫌気−無酸素-好気活性汚泥法(A2O)法などの高度処理プロセスの導入が進められている。
こうした高度処理プロセスでは、流入下水から最初沈殿池で沈殿汚泥が除去された一次処理水が生物反応槽に送られる。次いで、生物反応槽内の嫌気槽、無酸素槽および好気槽において微生物の反応により、一次処理水から有機物、窒素、リンが除去される。同時に、生物反応槽において微生物の凝集体であるフロックが形成される。そして、フロックを含む二次処理水が最終沈殿池に送られる。最終沈殿池では二次処理水からフロックが沈殿、除去される。沈殿物の大部分は活性汚泥を含む返送汚泥として最終沈殿池から生物反応槽に戻される。沈殿物の一部は余剰汚泥として最終沈殿池から排出され、濃縮・脱水後に焼却処理される。
有機排水中の窒素分としてのアンモニアの除去プロセスは次の通りである。まず、好気槽においてアンモニアが硝酸イオンに酸化(硝化)される。酸化された硝酸イオンは無酸素槽に返送される。無酸素槽において微生物の作用により硝酸イオンが窒素ガスに還元(脱窒)される。また、リンの除去プロセスでは、嫌気槽において微生物からリンを吐き出させる。次いで好気槽において、微生物にリンを吸収させ、リンを吸収した微生物をフロックとして沈澱除去させる。好気槽において微生物に吸収されるリン量は、嫌気槽において微生物が吐き出すリン量よりも大量である。この吐出量と吸収量の差に基づきリンの除去が行われる。
しかしながら、既存の排水処理装置に、上記の高度処理方法を導入するためには、生物反応槽内に新たに嫌気槽、無酸素槽および好気槽を設ける必要がある。具体的には、攪拌機、ポンプなどの新たな機器の導入ならびに新たなコンクリート躯体の新設が必要となる。このため、既存の設備の改造には時間と手間がかかり、コスト高であるといった課題があった。
こうした課題に対応するために、例えば、有機性排水中の固形分と液分を固液分離する最初沈殿池と、最初沈殿池の越流水を活性汚泥にて処理する生物反応槽と活性汚泥を固液分離する活性汚泥処理法の施設において、生物反応槽内に水の流下方向に配された散気管の調整バルブの開度調整により、嫌気−微好気−好気の運転切替できるゾーン(調整処理領域)を設けた有機排水処理システムが知られている。そして、この調整処理領域を、処理水中の窒素、リン濃度並びにアンモニア濃度の計測値に応じて、リンの処理性能が悪い場合には嫌気運転、窒素の処理性能が悪くかつアンモニアの処理性能が悪い場合は好気運転、その他の場合は微好気運転とすることによって、窒素およびリンを除去できるとされている。しかしながら、こうした有機排水処理システムでは、窒素の除去とリンの除去とを両立させる場合、流入する被処理水の水量や水質の条件によっては窒素およびリンを効率的に除去することが困難になる場合もあった。
特開2015−097976号公報
本発明が解決しようとする課題は、有機排水中から窒素およびリンを効率的に除去することを可能にする有機排水処理システム、有機排水処理方法、及び有機排水処理システムの制御プログラムを提供することである。
実施形態の有機排水処理システムは、嫌気雰囲気、微好気雰囲気または好気雰囲気の1種または2種以上の雰囲気に切り替え可能な調整処理領域を備え、この調整処理領域の雰囲気の範囲を調整する制御部は、窒素除去においては硝化を優先させ、前記アンモニア濃度測定器、および前記全リン濃度測定器またはリン酸態リン濃度測定器により測定された値に基づいて、前記硝化が十分だと判断した場合にはリン除去を行うように前記調整処理領域を制御する制御プログラムを有する。
実施形態に係る有機排水処理システムを示す模式図。 調整処理領域の雰囲気制御の一例を示す模式図。 調整処理領域の雰囲気制御の一例を示す模式図。 調整処理領域の雰囲気制御の一例を示す模式図。 調整処理領域の雰囲気制御の一例を示す模式図。
以下、実施形態の有機排水処理システム、有機排水処理方法、及び有機排水処理システムの制御プログラムを、図面を参照して説明する。
図1に示す本実施形態の有機排水処理システム1は、上流側から順に最初沈殿池2(沈殿池)、生物反応槽3および最終沈殿池4を備えている。また、有機排水処理システム1には、制御部9が備えられている。
生物反応槽3は、微生物による分解作用を利用して汚水を浄化処理するための反応容器である。生物反応漕3には、嫌気処理領域11、調整処理領域12、好気処理領域13が設置されている。調整処理領域12は、嫌気処理領域11と好気処理領域13との間に配置されている。ここで、「間に配置」とは、空間的な概念ではなく、調整処理領域12における処理の順番が、被処理水の流れ沿った上流側から下流側に向かって、嫌気処理領域11と好気処理領域13との間であることを意味している。
生物反応槽3には、浄化処理前の有機排水(被処理水)が導入流路51から流入する流入部と、浄化処理後の有機排水(処理済水)が流出する流出部がある。流入部は、嫌気処理領域11の近傍に設置されている。流出部は、好気処理領域13の近傍に設置されている。
嫌気処理領域11における有機排水の水面高さは、調整処理領域12における有機排水の水面高さよりも高くなっている。調整処理領域12における有機排水の水面高さは、好気処理領域13における有機排水の水面高さよりも高くなっている。このように、嫌気処理領域11、調整処理領域12、好気処理領域13における水面高さが、段階的に低くなるように構成されている。
嫌気処理領域11は、生物反応槽3の内容積のうち、例えば、15〜30%を占める領域とされる。好気処理領域13は、生物反応槽3の内容積のうち、例えば、40〜60%を占める領域とされる。生物反応槽3の内容積の残りが調整処理領域12とされる。
最初沈殿池2は、有機排水(被処理水)を受け入れ、浮遊物質(SS)を沈殿させる一次処理設備である。最初沈殿池2には堰が設けられ、上澄み水が堰を乗り越えてオーバーフローラインに流れ込み、さらにオーバーフローラインから生物反応槽3に流入するようになっている。なお、最初沈殿池2の底部には図示しない汚泥排出ラインが連通し、汚泥が定期的に又は随時に排出されるようになっている。
制御部9は、調整処理領域12を制御するための制御プログラムが格納されたコンピュータである。制御部9は、後述するアンモニア濃度測定器5、全窒素濃度測定器7、および全リン濃度測定器8の測定結果に基づき、調整処理領域12の状態を、嫌気雰囲気、微好気雰囲気または好気雰囲気の1種または2種以上の雰囲気に切り替える。こうした制御プログラムによる制御部9の動作は後述する。
生物反応漕3には、曝気手段としてエアレーション装置20が備えられている。エアレーション装置20は、ブロア21と、ブロア21から延びる空気配管22と、空気配管22に設けられた流量調整弁23と、空気配管22から分岐した分岐管24と、各分岐管24に設けられた開閉弁25a〜25dと、各分岐管24の先端に取り付けられた散気板26a〜26dとから構成されている。散気板26a〜26dは、生物反応漕3の内部に設置されている。
散気板26aは、生物反応漕3の嫌気処理領域11に設置されている。また、散気板26b及び26cは処理水が流れる方向に沿って調整処理領域12内に設置されている。更に、散気板26dは処理水が流れる方向に沿って好気処理領域13に設置されている。
また、各分岐管24に設けられた開閉弁25a〜25dのうち、嫌気処理領域11に向かう分岐管24に設置された開閉弁25aは、常に「閉」とされている。なお、分岐管24、開閉弁25a及び散気板26aの設置は省略してもよい。また、好気処理領域13に向かう分岐管24に設置された開閉弁25dは、常に「開」とされている。更に、調整処理領域12に向かう分岐管24に設置された開閉弁25b及び25cは、開度が自在に設定可能になっている。開閉弁25b及び25cは、後述する制御部9に接続されている。
開閉弁25bおよび25cは、制御部9の指令に基づき、その開度が制御される。これら開閉弁25b及び25cの開度を制御することで、調整処理領域12における雰囲気の範囲を調整可能になっている。たとえば、調整処理領域12の雰囲気を、嫌気雰囲気、微好気雰囲気または好気雰囲気の1種または2種以上に設定できるようになっている。
更に、空気配管22に設けられた流量調整弁23は、風量コントローラ30に接続されている。風量コントローラ30の制御によって、空気配管22における空気の流量が調整可能となっている。
嫌気処理領域11は、バルブが全閉であるため、定常運転時において嫌気性微生物の活性が高まるように嫌気雰囲気(ORP値がマイナス側)となる。より詳細には、ORP値が−200mV以下となる。ここでORP値とは酸化還元電位のことをいう。処理水のORP値がマイナスの場合はその処理水は還元状態にあるといえる。すなわち、曝気しないで嫌気的な状態におかれた汚水は電位が低くなる(マイナスのORP値)。嫌気処理領域11では、微生物からのリンの吐き出しが進むとともに、硝酸イオンから窒素への還元反応が進む。
一方、好気処理領域13は、定常運転時において好気性微生物の活性が高まるように好気雰囲気(ORP値がプラス側)に調整されている。より詳細には、ORP値が50mV以上の範囲になるように調整されている。ORP値がプラスの場合はその処理水は酸化状態にあるといえる。すなわち、曝気が十分で好気的な状態におかれた処理水は電位が高くなる。好気処理領域13では、微生物によるリンの吸収が進むとともにアンモニアから硝酸イオンへの酸化反応が進む。
調整処理領域12は、雰囲気を嫌気雰囲気、微好気雰囲気または好気雰囲気のいずれか1種または2種以上に切り替え可能である。また、調整処理領域12は、嫌気雰囲気、微好気雰囲気および好気雰囲気の各雰囲気が占める範囲を調整可能とされている。本実施形態において、調整処理領域12は、第1領域12aと第2領域12bの2つの領域に分けられている。
第1領域12aは、散気板26bの設置箇所に対応する領域であり、第2領域12bは、散気板26cの設置箇所に対応する領域である。第1領域12aと第2領域12bとは、それぞれ雰囲気を独立して切り替え可能とされている。
ここで、微好気雰囲気とは、ORP値が−50〜50mVの範囲になるように調整された雰囲気をいう。嫌気雰囲気が−200mV以下の範囲の雰囲気であり、好気雰囲気が50mV以上の範囲の雰囲気であるから、微好気雰囲気は、嫌気雰囲気と好気雰囲気の中間の状態にあるといえる。この微好気雰囲気では、硝酸イオンから窒素への還元反応と、アンモニアから硝酸イオンへの酸化反応とが同時に進む。
調整処理領域12における雰囲気の切替は、エアレーション装置20を操作することにより行う。エアレーション装置20は、後述する制御部9の指令によって制御される。エアレーション装置20の各散気板から空気を供給しない場合は嫌気雰囲気となる。エアレーション装置20の各散気板から空気を多量に供給する場合は好気雰囲気となる。エアレーション装置20の各散気板から空気を少量に供給する場合は微好気雰囲気となる。
好気雰囲気と微好気雰囲気の切替は、分岐管24に設けられた開閉弁25b、25cの開度を調整することで行う。例えば、好気雰囲気にする場合は開閉弁25b、25cの開度を全開(100%開)とする。微好気雰囲気にする場合は開閉弁25b、25cの開度を、全開に対して5〜15%の開度とする。
また、各雰囲気の占める範囲を調整するには、調整処理領域12に備えられた2つの散気板26b、26cからの空気供給量を独立に制御することで行う。たとえば、散気板26b、26cの両方の空気供給を止めた場合は、調整処理領域12の全部が嫌気雰囲気となる。また、散気板26bの空気供給を止めるとともに散気板26cから少量の空気を供給した場合は、第1領域12aが嫌気雰囲気となり、第2領域12bが微好気雰囲気となる。また、散気板26bから少量の空気を供給するとともに散気板26cから大量の空気を供給した場合は、第1領域12aが微好気雰囲気となり、第2領域12bが好気雰囲気となる。
更に、散気板26b、26cの両方から大量の空気を供給した場合は、調整処理領域12の全部が好気雰囲気となる。本実施形態においては、調整処理領域12に2つの散気板26b、26cを設置することで調整処理領域12を更に2つの領域(第1領域、第2領域)に分けているが、散気板を更に数多く設置して、調整処理領域12をより多くの領域に分けることで、調整処理領域12における雰囲気をより柔軟に調整することが可能となる。
最終沈殿池4の下流側には図示しない消毒設備が設けられ、消毒された処理水が放流用流路を通って河川や海洋に放流されるようになっている。
また、最終沈澱池4には、返送配管40が備えられる。返送配管40の途中にはポンプ41が備えられている。返送配管40によって、返送汚泥及び処理水の一部が最終沈澱池4から生物反応漕3の上流部に常時戻される。
また、有機排水処理システム1には、アンモニア濃度測定器5と、溶存酸素測定器6と、全リン濃度測定器8とが備えられている。更に全窒素濃度測定器7が備えられていることも好ましい。アンモニア濃度測定器5は、好気処理領域13を流れる処理水のアンモニア濃度を測定する。溶存酸素測定器6は、好気処理領域13を流れる処理水の溶存酸素量を測定する。全窒素濃度測定器7および全リン濃度測定器8は、生物反応槽3及び最終沈殿池4から流出された処理水の全窒素濃度及び全リン濃度をそれぞれ測定する。なお、全リン濃度測定器8に代えて、リン酸態リン濃度測定器を用いることもできる。
アンモニア濃度測定器5及び溶存酸素測定器6は、風量コントローラ30に接続されている。更にアンモニア濃度測定器5は、制御部9にも接続されている。更にまた、全窒素濃度測定器7及び全リン濃度測定器8は、制御部9に接続されている。
制御部9には、生物反応漕3を制御する制御プログラムが格納されている。この制御プログラムは、第1ステップと、第2ステップとからなる。第1ステップは、所定時間毎に、好気処理領域13における処理水のアンモニア濃度、生物反応槽から流出された処理水の全窒素濃度及び全リン濃度をそれぞれ測定させる指令を発する。第2ステップは、これらアンモニア濃度、全リン濃度、及び好ましくは全窒素濃度の測定結果に基づき、調整処理領域12における嫌気雰囲気、微好気雰囲気及び好気雰囲気の範囲を調整する指令を発する。制御プログラムの第1、第2ステップは、たとえば、制御部9を構成する中央演算装置に備えられた機能によって実現される。こうした制御プログラムの動作による有機排水処理方法は、後述する。
次に、本実施形態の有機排水処理システムを用いた有機排水処理方法および有機排水処理システムの制御プログラムについて説明する。
有機排水(被処理水)は,まず最初沈殿池2において、固形分と液分に分離する。液分は導入流路を介して生物反応槽3内に導入させる。生物反応槽3内では微生物の凝集物である活性汚泥の働きにより、有機物質の分解除去と同時に、以下に示す原理で窒素、リンの除去が行われる。
まず、窒素除去の原理を説明する。
有機排水中の窒素成分の大半はアンモニアイオン(NH4 +)の形態で存在する。この窒素分は、酸素が存在する条件下で活性汚泥中に存在する硝化菌の働きにより、(1)式の反応により、硝酸性窒素(NO3 −)まで酸化される。この反応は、主に、好気処理領域13において進行する。
酸素が存在する条件(好気条件)
NH4 ++2O2→NO3 −+H2O+2H+…(1)
この硝酸性窒素が、酸素なしの条件で脱窒菌の働きにより、(2)式の反応により窒素ガスに還元される。この反応は、主に、嫌気処理領域11において進行する。(2)式の(H)は、下水中の有機物質(水素供与体)から与えられるため、この反応の促進のためには有機物が必要となる。有機物は、有機排水中の有機物でもよく、アルコール、カルボン酸等を嫌気処理領域11に供給することでもよい。
酸素なしの条件(嫌気条件)
2NO3 −+10H→N2+2OH−+4H2O … (2)
上述のように、好気雰囲気では、(1)式の反応が主に進行する。また、嫌気雰囲気では、(2)式の反応が主に進行する。更に、微好気雰囲気では、(1)式と(2)式の反応が同時に進む。
ここで、(1)式のアンモニアから硝酸イオンへの反応の進行が不十分の場合は、(2)式の反応が進まず、有機排水中の全窒素濃度が低減できない。従って、有機排水中のアンモニア濃度及び全窒素濃度が高い場合は、(1)式を促進する必要があり、好気雰囲気を増やす必要がある。
一方、(1)式の反応の進行が十分であっても、(2)式の反応が進まない場合は、有機排水中の全窒素濃度が低減できない。従って、有機排水中のアンモニア濃度が低いにも係わらず全窒素濃度が高い場合は、(2)式を促進する必要があるので、微好気雰囲気を増やす必要がある。
次に、リン除去の原理について示す。
リンは、活性汚泥中に存在するリン蓄積菌の働きにより除去される。リン蓄積菌は嫌気雰囲気において、菌体内に蓄積したリンを吐出する。一方、好気雰囲気においては、嫌気雰囲気において菌体から吐出した以上のリンを吸収する。吐出量と吸収量との差分に相当するリンが水中から除去される。リンを体内に蓄えたリン蓄積菌は最終沈殿池4で余剰汚泥として引き抜かれることにより、除去される。また、リン蓄積菌によるリンの除去は、嫌気雰囲気の容積が大きいほど、効果的に進む場合が多い。なお、硝化・脱窒反応が促進される微好気条件ではリン蓄積菌によるリンの吐出は起こらない。
以上の窒素の除去、およびリンの除去の原理に基づき、本実施形態の有機排水処理方法を、制御部9が実行する制御プログラムの動作と合わせて説明する。
本実施形態においては、生物反応槽3の調整処理領域12を好気処理領域とすることにより、脱窒(硝酸イオンを窒素ガスに還元)の前段である硝化(アンモニアから硝酸イオンへの酸化)までにとどめ、次に、この硝化が十分な場合には、生物反応槽3の調整処理領域12を嫌気雰囲気に設定することによって、リンを除去するといった動作を制御プログラムによって行い、窒素(アンモニア)の除去とリンの除去とを行うものである。
具体的には、生物反応槽3の流出側に設置したアンモニア濃度測定器5によって、生物反応槽3の流出側のアンモニア濃度を測定する。また、最終沈澱池4の流出側に設置した全リン濃度測定器8によって、最終沈澱池4の流出側の全リン濃度を測定する。なお、全リン濃度測定器8に代えてリン酸態リン濃度測定器を用いるときには、リン酸態リン濃度を測定する。
調整処理領域12の雰囲気切替(嫌気雰囲気、微好気雰囲気、好気雰囲気)機能は、生物反応槽3の流出側に設置したアンモニア濃度測定器5によって測定された生物反応槽3の流出側におけるアンモニア濃度、および最終沈澱池4の流出側に設置した全リン濃度測定器8により測定された最終沈澱池4の流出側における全リン濃度(全リン濃度測定器8に代えてリン酸態リン濃度測定器を用いるときには、リン酸態リン濃度)に基づき、生物反応槽3の調整処理領域12を嫌気雰囲気および好気雰囲気に切替える。
調整処理領域12の雰囲気切替制御の基本条件は、まず、窒素除去は生物反応槽3の調整処理領域12を好気雰囲気とすることにより、脱窒(硝酸イオンを窒素ガスに還元)の前段である硝化(アンモニアから硝酸イオンへの酸化)までにとどめ、次に、この硝化が十分であると判断された場合には、生物反応槽3の調整処理領域12を嫌気雰囲気とすることによって、リンを除去する。窒素除去に関わるアンモニアは、処理水のBOD濃度を上昇させる原因となるため、BOD濃度に影響を与えない硝酸イオンへの酸化(硝化)まで行うように制御される。
本実施形態における調整処理領域12の具体的な雰囲気切替制御例を図2の模式図を参照して説明する。
調整処理領域12の雰囲気切替制御は、処理水質の状態別(処理水質状態(I)〜(IV))に応じて実施する。制御周期にもとづく制御のタイミングで、次のような判断を行う。制御周期は時間オーダよりも日オーダが好ましいが、限定されるものでは無い。なお、以下の例は、NH4−N目標値とPO4−P目標値に対する余裕しろ(制御上の冗長性)ありの場合である。NH4−N目標値とPO4−P目標値には、例えばそれぞれ1mg/L、2mg/Lであり、余裕しろは、NH4−N目標値およびPO4−P目標値ごとに設定でき、0.1や0.2など調整可能なパラメータである。
<処理水質状態I>
処理水質状態Iは、処理水のNH4−Nが目標上限値(NH4−N目標値+余裕しろ)を超え、かつ処理水のPO4−Pが目標下限値(PO4−P目標値−余裕しろ)以下となる水質状態である。この場合は硝化が不十分かつリン除去が十分なため、硝化を促進するために、調整処理領域12を好気雰囲気が増加するように制御する。
<処理水質状態II>
処理水質状態IIは、処理水のNH4−Nが目標上限値(NH4−N目標値+余裕しろ)を超え、かつ処理水のPO4−Pが目標上限値(PO4−P目標値+余裕しろ)を超える水質状態である。この場合は硝化が不十分かつリン除去が不十分なため、硝化を優先するために、調整処理領域12を好気雰囲気が増加するように制御する。
<処理水質状態III>
処理水質状態IIIは、処理水のNH4−Nが目標下限値(NH4−N目標値−余裕しろ)以下で、かつ処理水のPO4−Pが目標上限値(PO4−P目標値+余裕しろ)を超える水質状態である。この場合は硝化が十分かつリン除去が不十分なため、リン除去を促進するために、調整処理領域12を嫌気雰囲気が増加するように制御する。
<処理水質状態IV>
処理水質状態IVは、処理水のNH4−Nが目標下限値(NH4−N目標値−余裕しろ)以下で、かつ処理水のPO4−Pが目標下限値(PO4−P目標値−余裕しろ)以下となる水質状態である。この場合は硝化が十分かつリン除去が十分なため、調整処理領域12の雰囲気を現状維持する。
生物反応槽3の調整処理領域12の切替について、図3を参照して一例を説明する。なお、この図3において、第1区画は嫌気処理領域11であり、第4区画は好気処理領域13である。そして、第2区画は、調整処理領域12の第1領域12a、第3区画は、調整処理領域12の第2領域12bである。
生物反応槽3の第1区画、第2区画、第3区画、第4区画がとりうる処理雰囲気を、以下の3パターンとする。
(状態1)第1区画:嫌気、第2区画:好気、第3区画:好気、第4区画:好気
(状態2)第1区画:嫌気、第2区画:嫌気、第3区画:好気、第4区画:好気
(状態3)第1区画:嫌気、第2区画:嫌気、第3区画:嫌気、第4区画:好気
制御のタイミングに、処理水質状態Iと処理水質状態IIで生物反応槽3の調整処理領域12を好気雰囲気とする場合は、生物反応槽3を上述した状態3→状態2→状態1の順に1段階切替える。
処理水質状態IIIで生物反応槽3の調整処理領域12を嫌気雰囲気とする場合は、生物反応槽3を上述した状態1→状態2→状態3の順に1段階切替える。
処理水質状態IVで生物反応槽3の調整処理領域12を現状維持とする場合は、生物反応槽3の状態を切替えることなく維持する。
生物反応槽3の調整処理領域12の状態の切替は、1回の制御タイミングで1段階とする。制御のタイミングで、生物反応槽3の調整処理領域12を好気雰囲気とする必要があり、現状の生物反応槽3が状態1の場合は、これ以上調整処理領域12を好気雰囲気とすることができないため、生物反応槽3の状態を切替えることなく、生物反応槽3を状態1のままとする。
制御のタイミングで、生物反応槽3の調整処理領域12を嫌気雰囲気とする必要があり、現状の生物反応槽3が状態3の場合は、これ以上調整処理領域12を嫌気雰囲気とすることができないため、生物反応槽3の状態を切替えることなく、生物反応槽3を状態3のままとする。
生物反応槽3の調整処理領域12の切替の一例として、生物反応槽3の初期状態を図3の状態1とした場合を示す。処理水質状態Iと処理水質状態I Iの場合、生物反応槽3の調整処理領域12を好気雰囲気とする必要があるが、これ以上調整処理領域12を好気雰囲気とすることができないため、生物反応槽3は状態1のままとする。
処理水質状態IIIの場合、生物反応槽3の調整処理領域12を嫌気雰囲気とするため、生物反応槽3を状態1から状態2に切替える。
処理水質状態IVの場合、生物反応槽3の調整処理領域12を現状維持とするため、生物反応槽3を状態1のままにする。
NH4−N目標値とPO4−P目標値に対して余裕しろを設けることにより、エアレーション装置20から調整処理領域12に至るまでの途上に形成された開閉弁25b、25cの無駄な開度調節を不要にできるため、開閉弁25b、25cの機器寿命を延長することが可能となる。
即ち、初期の処理水質状態IIの場合、硝化を優先するために、生物反応槽3の調整処理領域12を好気雰囲気とすることで、硝化が改善されていき、処理水質状態IIIに向かう。処理水質状態IIから処理水質状態IIIに向かう際に、余裕しろを設けている場合、処理水のNH4−N目標上限値(NH4−N目標値+余裕しろ)から処理水のNH4−N目標下限値(NH4−N目標値−余裕しろ)の間は、制御しない領域となるため、開閉弁25b、25cの無駄な開度調節がなくなる。
処理水質状態IIIになると、リン除去を促進するために、生物反応槽3の調整処理領域12を嫌気雰囲気とすることで、リン除去は改善されていき、処理水質状態IVまたは処理水質状態Iに向かう。なお、嫌気雰囲気とすることで硝化が悪化する可能性もあり、この場合は、処理水質状態Iに向かう。処理水質状態IIIから処理水質状態IV に向かう際に、余裕しろを設けている場合、処理水のPO4−P目標上限値(PO4−P目標値+余裕しろ)から処理水のPO4−P目標下限値(PO4−P目標値−余裕しろ)の間は、制御しない領域となるため、開閉弁25b、25cの無駄な開度調節がなくなる。
また、処理水質状態IIIから処理水質状態Iに向かう際に、余裕しろを設けている場合、処理水のPO4−P目標上限値(PO4−P目標値+余裕しろ)から処理水のPO4−P目標下限値(PO4−P目標値−余裕しろ)の間と、処理水のNH4−N目標下限値(NH4−N目標値−余裕しろ)から処理水のNH4−N目標上限値(NH4−N目標値+余裕しろ)の間は、それぞれ制御しない領域となるため、開閉弁25b、25cの無駄な開度調節がなくなる。
処理水質状態IVになると、生物反応槽3の調整処理領域12は現在の状態を維持する。
処理水質状態Iになると、硝化を促進するために、生物反応槽3の調整処理領域12を好気雰囲気とすることで、硝化は改善されていき、処理水質状態Iから処理水質状態IV に向かう。処理水質状態Iから処理水質状態IV に向かう際に、余裕しろを設けている場合、処理水のNH4−N目標上限値(NH4−N目標値+余裕しろ)から処理水のNH4−N目標下限値(NH4−N目標値−余裕しろ)の間は、制御しない領域となるため、開閉弁25b、25cの無駄な開度調節がなくなる。
次に、NH4−N目標値とPO4−P目標値に対する余裕しろなしの場合について、図4の模式図を参照して説明する。制御周期は時間オーダよりも日オーダが好ましいが、限定されるものでは無い。
<処理水質状態I>
処理水質状態Iは、処理水のNH4−Nが目標値を超え、かつ処理水のPO4−Pが目標値以下となる水質状態である。この場合は硝化が不十分かつリン除去が十分なため、硝化を促進するために、調整処理領域12を好気雰囲気が増加するように制御する。
<処理水質状態II>
処理水質状態IIは、処理水のNH4−Nが目標値を超え、かつ処理水のPO4−Pが目標値を超える水質状態である。この場合は硝化が不十分かつリン除去が不十分なため、硝化を優先するために、調整処理領域12を好気雰囲気が増加するように制御する。
<処理水質状態III>
処理水質状態IIIは、処理水のNH4−Nが目標値以下で、かつ処理水のPO4−Pが目標値を超える水質状態である。この場合は硝化が十分かつリン除去が不十分なため、リン除去を促進するために、調整処理領域12を嫌気雰囲気が増加するように制御する。
<処理水質状態IV>
処理水質状態IVは、処理水のNH4−Nが目標値以下で、かつ処理水のPO4−Pが目標値以下となる水質状態である。この場合は硝化が十分かつリン除去が十分なため、調整処理領域12の雰囲気を現状維持する。
なお、NH4−N目標値、PO4−P目標値は、余裕しろありの場合と同様、例えばそれぞれ1mg/L、2mg/Lであるが、目標値を超えてから生物反応槽3の調整処理領域12を変更するのではタイミングが遅いため、目標値よりも少し小さい値(NH4−N目標値、PO4−P目標値をそれぞれ1mg/L、2mg/Lとした時に、例えば、0.5mg/L、1.5mg/Lとなった時点で、生物反応槽3の調整処理領域12を変更してタイミングを早める。
次に、リン除去を改善するために生物反応槽3の調整処理領域12を嫌気雰囲気にした際に、一時的にリン除去が悪化する現象の発生頻度を低減させる実施形態を図5の模式図を参照して説明する。
以下の処理水質状態別の処理では、基本的には処理水NH4−Nをもとに、生物反応槽3の調整処理領域12を変更し、生物反応槽3の調整処理領域12を好気雰囲気としたり、現状維持として、生物反応槽3の調整処理領域12を嫌気雰囲気とするのは、処理水質状態Dとなる場合のみとしている。
制御周期は日オーダよりも時間オーダが好ましいが、この限りではない。なお、処理水のNH4−N目標値とPO4−P目標値に対する余裕しろありの場合を以下に示す。NH4−N目標値とPO4−P目標値は、例えばそれぞれ1mg/L、2mg/Lである。余裕しろは、NH4−N目標値の場合のみであるが、0.1や0.2など調整可能なパラメータである。
余裕しろを設定する意義は、図2に示す実施形態の内容と同様である。また、NH4−N目標値の余裕しろが無い場合もあり、余裕しろが無い場合の意義は図4に示す実施形態と同様である。なお、NH4−N目標値の余裕しろが無い場合に、目標値よりも少し小さい値となった時点で生物反応槽3の調整処理領域12を変更してタイミングを早めることについても、図4に示す実施形態に記載の内容と同様である。
<処理水質状態A>
処理水質状態Aは、処理水NH4−Nが処理水NH4−Nの目標上限値(NH4−N目標値+余裕しろ)を超える水質状態であり、この場合は硝化が不十分なため、硝化を改善するために、生物反応槽3の調整処理領域12を好気雰囲気が増加するようにする。
<処理水質状態B>
処理水質状態Bは、処理水NH4−Nが処理水NH4−Nの目標下限値(NH4−N目標値−余裕しろ)以上で、かつ処理水NH4−Nが処理水NH4−Nの目標上限値(NH4−N目標値+余裕しろ)以下となる水質状態であり、硝化が十分なため、生物反応槽3の調整処理領域12を現状維持とする。
<処理水質状態C>
処理水質状態Cは、処理水NH4−Nが処理水NH4−Nの目標下限値(NH4−N目標値−余裕しろ)を下回り(未満となり)、かつ処理水PO4−PがPO4−P目標値以下となる水質状態であり、硝化が十分かつリンはそれほど悪くないと判断して、生物反応槽3の調整処理領域12を現状維持とする。
<処理水質状態D>
処理水質状態Dは、処理水NH4−Nが処理水NH4−Nの目標下限値(NH4−N目標値−余裕しろ)を下回り(未満となり)、かつ処理水PO4−PがPO4−P目標値を超える水質状態であり、硝化は十分であるがリンが悪化しているため、リン除去を改善するために、生物反応槽3の調整処理領域12を、予めシミュレーションなどで求めておいた、リン除去に効果がある処理雰囲気とする。
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、制御部は、窒素除去においては硝化を優先させ、硝化が十分な場合にはリン除去を行うように調整処理領域を制御することによって、窒素除去及びリン除去が効率的になされ、有機排水中の全窒素濃度及び全リン濃度を低減可能な有機排水処理システム、有機排水処理方法、及び有機排水処理システムの制御プログラムを提供することができる。
また、調整処理領域の雰囲気を制御する開閉弁の無駄な開度調節を無くして、低コストに窒素除去及びリン除去を行うことができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…有機排水処理システム、2…最初沈殿池(沈殿池)、3…生物反応槽、5…アンモニア濃度測定器、7…全窒素濃度測定器、8…全リン濃度測定器、9…制御部、11…嫌気処理領域、12…調整処理領域、13…好気処理領域。

Claims (5)

  1. 被処理水の流れに沿った上流側から下流側に向かって、嫌気処理領域、調整処理領域および好気処理領域を順に備えた生物反応槽と、
    前記好気処理領域における処理水のアンモニア濃度を測定するアンモニア濃度測定器と、
    前記生物反応槽から流出した処理水の全窒素濃度を測定する全窒素濃度測定器と、
    前記生物反応槽から流出した処理水の全リン濃度またはリン酸態リン濃度を測定する全リン濃度測定器またはリン酸態リン濃度測定器と、
    前記アンモニア濃度測定器、前記全窒素濃度測定器および前記全リン濃度測定器または前記リン酸態リン濃度測定器により測定された値に基づいて、前記調整処理領域の雰囲気の範囲を調整する制御部と、
    を具備し、
    前記調整処理領域は、嫌気雰囲気、微好気雰囲気または好気雰囲気のうち、少なくともいずれか一種の雰囲気に切り替え可能であり、かつ、各雰囲気が占める範囲を調整可能であり、
    前記制御部は、窒素除去においては硝化を優先させ、前記アンモニア濃度測定器、および前記全リン濃度測定器または前記リン酸態リン濃度測定器により測定された値に基づいて、前記硝化が十分だと判断した場合にはリン除去を行うように前記調整処理領域を制御する制御プログラムを有することを特徴とする有機排水処理システム。
  2. 被処理水の流れに沿った上流側から下流側に向かって、嫌気処理領域、調整処理領域および好気処理領域を順に備えた生物反応槽と、
    前記好気処理領域における処理水のアンモニア濃度を測定するアンモニア濃度測定器と、
    前記生物反応槽から流出した処理水の全窒素濃度を測定する全窒素濃度測定器と、
    前記生物反応槽から流出した処理水の全リン濃度またはリン酸態リン濃度を測定する全リン濃度測定器またはリン酸態リン濃度測定器と、
    前記アンモニア濃度測定器、前記全窒素濃度測定器および前記全リン濃度測定器または前記リン酸態リン濃度測定器により測定された値に基づいて、前記調整処理領域の雰囲気の範囲を調整する制御部と、
    を具備し、
    前記調整処理領域は、嫌気雰囲気、微好気雰囲気または好気雰囲気の1種または2種以上の雰囲気に切り替え可能であり、かつ、各雰囲気が占める範囲を調整可能な領域であり、
    前記制御部は、窒素除去においては硝化を優先させ、前記アンモニア濃度測定器、および前記全リン濃度測定器または前記リン酸態リン濃度測定器により測定された値に基づいて、前記硝化が十分だと判断し、かつリン濃度が規定値を超過した場合にリン除去を行うように前記調整処理領域を制御する制御プログラムを有することを特徴とする有機排水処理システム。
  3. 前記制御部は、
    前記アンモニア濃度、および前記全リン濃度または前記リン酸態リン濃度についてあらかじめ設定された目標値を格納する目標値設定器と、
    前記目標値と、前記アンモニア濃度測定器、および前記全リン濃度測定器またはリン酸態リン濃度測定器で測定されたそれぞれの測定値とを照らし、前記調整処理領域の雰囲気の範囲を調整する切替判定部と、
    を具備する請求項1または2に記載の有機排水処理システム。
  4. 被処理水の流れに沿った上流側から下流側に向かって、嫌気処理領域、調整処理領域および好気処理領域を順に備えた生物反応槽と、
    前記好気処理領域における処理水のアンモニア濃度を測定するアンモニア濃度測定器と、
    前記生物反応槽から流出した処理水の全窒素濃度を測定する全窒素濃度測定器と、
    前記生物反応槽から流出した処理水の全リン濃度またはリン酸態リン濃度を測定する全リン濃度測定器またはリン酸態リン濃度測定器と、
    前記アンモニア濃度測定器、前記全窒素濃度測定器および前記全リン濃度測定器または前記リン酸態リン濃度測定器により測定された値に基づいて、前記調整処理領域の雰囲気の範囲を調整する制御部と、
    を具備し、
    前記調整処理領域は、嫌気雰囲気、微好気雰囲気または好気雰囲気の1種または2種以上の雰囲気に切り替え可能であり、かつ、各雰囲気が占める範囲を調整可能な領域である有機排水処理システムを用いた有機排水処理方法であって、
    前記調整処理領域に対して、窒素除去においては硝化を優先させ、前記アンモニア濃度測定器、および前記全リン濃度測定器または前記リン酸態リン濃度測定器により測定された値に基づいて、前記硝化が十分だと判断した場合にはリン除去を行うように制御する工程を備えたことを特徴とする有機排水処理方法。
  5. 被処理水の流れに沿った上流側から下流側に向かって、嫌気処理領域、調整処理領域および好気処理領域を順に備えた生物反応槽と、
    前記好気処理領域における処理水のアンモニア濃度を測定するアンモニア濃度測定器と、
    前記生物反応槽から流出した処理水の全窒素濃度またはリン酸態リン濃度を測定する全窒素濃度測定器またはリン酸態リン濃度測定器と、
    前記生物反応槽から流出した処理水の全リン濃度を測定する全リン濃度測定器と、
    前記アンモニア濃度測定器、前記全窒素濃度測定器および前記全リン濃度測定器または前記リン酸態リン濃度測定器により測定された値に基づいて、前記調整処理領域の雰囲気の範囲を調整する制御部と、
    を具備し、
    前記調整処理領域は、嫌気雰囲気、微好気雰囲気または好気雰囲気の1種または2種以上の雰囲気に切り替え可能であり、かつ、各雰囲気が占める範囲を調整可能な領域である有機排水処理システムの前記制御部に実行させるための制御プログラムであって、
    前記調整処理領域に対して、窒素除去においては硝化を優先させ、前記アンモニア濃度測定器、および前記全リン濃度測定器または前記リン酸態リン濃度測定器により測定された値に基づいて、前記硝化が十分だと判断した場合にはリン除去を行うように制御するステップを備えたことを特徴とする制御プログラム。
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