JP2017013233A - 木造構造物の製造方法、木造構造物、接続方法およびモジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】強度のある柱・梁を簡易に作成すること。
【解決手段】固定対象の角材2a〜2eそれぞれに形成された凹部5の底部同士の少なくとも一部が互いに対向するように、角材2a〜2eをボルト3a、3bにより固定し、角材2a〜2eよりも硬度の高い、または同程度の硬度を備える挿入部材6を、凹部5が互いに対向することで形成される開口部内に挿入する。
【選択図】図2

Description

本発明は木造構造物の製造方法、木造構造物、接続方法およびモジュールに関する。
木造建築において、比較的大きな空間を必要とする場合、大きな断面の梁材が必要となる。しかし、大きな断面の梁材は、乾燥の難しさや運搬・ストック等が大変である。
そこで、断面寸法の小さい木材(板材)を接着剤等で再構成して作られる集成材が知られている。近年、大きな断面積をもつ集成材を公共施設の梁等に用いようとする試みが行われている。
単に集成材を重ねただけでは、鉛直荷重がかかるとずれが生じ、構造的には個々の部材を横に並べただけの効果しか発揮できない。そこで、集成材全体の剛性を高める方法が知られている。例えば、所要の厚みと幅および長さとを有するひき板または小角材を、繊維方向を互いに平行させて集成接着して形成した集成材主体に、所要深さと幅を有するスリットを長さ方向に沿って形成するとともに、スリット内に補強用の板状体を嵌め込んで、集成材主体と一体化させたことを特徴とする構造材が知られている。
また、木造建築において、比較的大きな空間を必要とする場合、その空間の大きさに合わせて大きな断面の梁材が必要となる。しかし、標準的な断面を超える大きな断面の梁材は、注文を受けてから製造するため、納品までの時間を必要とする。また、大きな断面の梁は長さも長いため、運送する際もより大きな車両を必要とする。
特開2008−230032号公報
例えば、特許文献1においては、板状体を挿入するスリットの幅の位置を合わせないと、板状体を嵌め込むことが困難である。
ところで、大きい空間に必要な大きな断面の梁は、断面から見る縦方向の寸法を大きくとることが必要な性能を確保する上で有効である。
しかし、標準的な断面の梁材を重ねるだけでは、荷が加わった際に、梁材同士がスリップしてしまい、断面から見る縦方向を重ねた分だけ大きくした効果は得られない。
一般的には、ボルトやビスなどで重ねた梁材を連結する方法が考えられる。しかし、ビスやボルトなどの線状の部材では、スリップに抵抗する面積も少なく、断面から見る縦方向を重ねた分だけ大きくした効果は得づらい。
1つの側面では、本発明は、複数の部材を束ねることで、強度のある柱・梁を簡易に作成することを目的とする。
上記目的を達成するために、開示の木造構造物の製造方法が提供される。この木造構造物の製造方法は、固定対象の複数の木材それぞれに形成された凹部の底部同士の少なくとも一部が互いに対向するように、複数の木材を固定手段により固定し、木材よりも硬度の高い、または同程度の硬度を備える挿入部材を、凹部が互いに対向することで形成される開口部内に挿入する。
1態様では、複数の部材を束ねることで、強度のある柱・梁を簡易に作成することができる。
実施の形態の木造構造物を示す図である。 実施の形態の木造構造物の構造を説明する図である。 凹部と挿入部材の大きさを説明する図である。 配送および製造の容易さを説明する図である。 第1の応用例の木造構造物を説明する図である。 第2の応用例の木造構造物の完成品を示す図である。 第2の応用例の木造構造物の構造を説明する図である。 第3の応用例の木造構造物の完成品を示す図である。 第3の応用例の木造構造物の構造を説明する図である。 第4の応用例の木造構造物を説明する図である。 第4の応用例の木造構造物の角材を説明する図である。 実施の形態の木造構造物を用いた軸組みを説明する図である。 第5の応用例を説明する三面図である。 第6の応用例の木造構造物を説明する図である。 図14に示す断面B−B線での断面図である。 図14に示す断面C−C線での断面図である。 図14に示す断面D−D線での断面図である。 木造構造物同士の接合を説明する図である。 第6の応用例の木造構造物の変形例を説明する図である。
以下、実施の形態の木造構造物を、図面を参照して詳細に説明する。
<実施の形態>
図1は、実施の形態の木造構造物を示す図である。
実施の形態の木造構造物1は、例えば、木造建築物の柱や梁等に用いることができる。
木造構造物1は、固定対象の複数の角材2a〜2eを備えている。
図2は、実施の形態の木造構造物の構造を説明する図である。
角材2a〜2eの所定の位置には、金属製のボルト(固定手段)3a、3bを挿入する貫通孔4が設けられている。ボルト3a、3bが、貫通孔4に挿入され、角材2aの上部および角材2eの下部に設けられたナット(図示せず)により締め付けられることで角材2a〜2eが互いに固定されている。
角材2a〜2eそれぞれの大きさ(サイズ)は、例えば、幅、厚さ、長さが、105mm×105mm×3000mmである。また、ボルト3a、3bの直径は、例えば10mmである。
また、角材2a〜2eそれぞれの互いに対向する面、すなわち、角材2aの下面、角材2b〜2dの上面および下面、並びに角材2eの上面には、少なくとも一部が互いに対向する凹部(溝部)5が所定間隔毎に設けられている。各凹部5は、それぞれ角材2a〜2eの幅方向に亘って設けられている。
これらの凹部5が互いに対向することで形成される開口部内には、直方体の挿入部材6が配置されている。この挿入部材6は、例えば角材2a〜2eがボルト3a、3bにより固定された状態で互いに対向する凹部5に圧入されることで開口部内に配置される。なお、挿入部材6の奥行きの長さは、角材2a〜2eの幅と同じ長さであり、例えば105mmである。
挿入部材6の構成部材としては、例えば、樹脂や鋼材等の角材2a〜2eよりも硬度が高いもの、または同程度の硬度を備えるものが挙げられ、一例として(JIS G 3101(一般構造用圧延鋼材))である。
図3は、凹部と挿入部材の大きさを説明する図である。
挿入部材6の断面の長さh1(例えば25mm)は、角材2a〜2eそれぞれに設けられた凹部5の深さの倍の長さh2(例えば20mm)と同じか、それよりやや大きく形成されている。また、挿入部材6の断面の幅h3(例えば15mm)は、凹部5の幅h4(例えば10mm)と同じか、それよりやや大きく形成されている。これにより、挿入部材6を凹部5内に配置したときに、凹部5と挿入部材6との間に空隙が形成されることを抑制することができる。なお、本実施の形態では、挿入部材6の形状を直方体としたが、挿入部材6の挿入のし易さを考慮して、挿入部材6の形状が楔のようなテーパ状になっていてもよい。
このような構造の木造構造物1によれば、凹部5内に挿入部材6を配置することにより、木材の繊維方向に直行して接する面を多くしている。従って、角材2a〜2eそれぞれの係合部が横滑りする方向への強度(滑り度合いを止める性能)が高くなっている。
仮に、ボルトの本数を増やす等してボルト3a、3bの挿入方向から角材2a〜2eの横滑りを抑制しようとする場合は、ボルトを挿入する加工精度を要する。なおかつ、ボルト1本1本の面積は、挿入部材6と凹部5とが係合する面積に比べて小さい。この場合、奥行きも有効に使えない。これに対し、木造構造物1によれば、挿入部材6を圧入するようにした。これにより、角材2a〜2eそれぞれの係合部が横滑りする方向への強度を高くすることができる。
また、木造構造物1の長手方向に挿入部材6とボルト3a、3bとを交互に配置することで、木造構造物1の強度を確保することができる。
次に、図1および図2を用いて木造構造物1の製造方法を説明する。
[工程1] まず、それぞれの対向する面に少なくとも1つの凹部5が形成され、凹部5の深さ方向とはねじれの関係にある方向に貫通孔4が設けられた角材を2a〜2eを用意する。
[工程2] 次に、固定させる角材2a〜2eに形成された凹部5の底部5a同士の少なくとも一部が互いに対向する状態で、角材2a〜2eそれぞれの貫通孔4を貫通するボルト3a、3bを挿入することにより角材2a〜2eを固定する。
[工程3] 角材2a〜2eそれぞれの凹部5が互いに対向することで開口部が形成される。この開口部内に挿入部材6をハンマー等を用いて圧入する。挿入部材6は、角材2a〜2eに比べて硬いので、挿入部材6は、凹部5を押し広げて凹部5内にめり込んでいく。このように、圧入された挿入部材6は凹部5に密着する。
このように、挿入部材6を凹部5に圧入することにより、例えば図3に示すように、凹部5の底部同士が多少ずれた状態で対向していた場合でも、木造構造物1を製造することができる。これは、組み合わせる際にそれぞれの上下のずれが、ある程度揃っていないと組み合わせられない集合材に比べて製造しやすいというメリットがある。また、仮に、角材を組み合わせるために凹部の断面を削ったり、クリアランスをとったりすると、横滑りする方向への強度が落ちる場合があるが、本実施の形態では、挿入部材6を圧入するようにした。これにより、角材2a〜2eそれぞれの係合部が横滑りする方向への強度を高くすることができる。
また、ボルト3a、3bを用いて角材2a〜2eを固定した後に、ボルト3a、3bの挿入方向とは、ねじれの関係にある方向から挿入部材6を挿入するようにした。このため、例えば、ボルトの挿入方向と同方向から何らかの部材を挿入する場合に比べ、ずれに対する応力を発揮する断面を大きくとることができる。すなわち、挿入部材6は、表面に薄く平たく伸ばして遣った構造をなしている。このため、せん断剛性(せん断のしにくさ)を大きくとることができる。
仮に、105mm×105mmの角材(一般的に柱に使用される部材)という木材の流通資材の中でも普及価格となる材料の重ね合せによって木造構造物1を作成することができる。このため、例えば300mm×300mmの柱を用意する場合を考えると、前述した本実施の形態の木造構造物の製造方法により、一般的な集成材を用意する場合に比べ、約半分のコストで同様の断面を用意することができる。
このように、一般的に特注サイズ(例えば、幅、厚さが450mmを超えるサイズ)と言われるサイズであっても容易に製造することができる。
また、断面形状のみならず、柱の長さも任意の長さに製造することができる。
図4は、配送および製造の容易さを説明する図である。
図4(a)は、配送の際の梱包状態を示している。梱包の際には、共通の大きさの角材20を束ねて配送する。なお、角材20には角材2a〜2eと同様に凹部および貫通孔が設けられているが、図4では、凹部および貫通孔の記載を省略している。
そして、建築現場にて角材20を展開し、作成する大きさの柱や梁を製造する。
図4(b)は、角材20の展開を説明する図である。図4(b)では角材20を中央部から切断することにより生成した角材20aと、角材20とをボルト、ナットおよび挿入部材を用いて組み合わせることにより、図4(c)に示すように木造構造物30を製造する。
このように、一定の大きさの角材(例えば、105mm×105mm×3000mm)を用いて、様々な大きさの木造構造物を製造することができるため、共通化により角材の生産の効率化を図ることができる。また、建築現場への配送および木造構造物の製造も容易となる。
以上述べたように、木造構造物1によれば、角材2a〜2eを重ね合せることで、強度のある小さな梁・柱から大きな梁・柱までを簡易に実現することができる。このため、例えば一般木造住宅や、小〜中規模の公共建築物等に適した梁や柱を簡易に製造し、建築することができる。
また、木造構造物1を用いることで、鉄骨やRC造等のように柱と梁だけで構造をくみ上げることができる。
また、木造構造物1によれば、角材2a〜2eを束ねていくだけで大きな断面ができるため、国から発信されている木材利用促進法の中の公共建築物における木材利用拡大という目標(※国の目標:低層の公共建築はすべて木造化を図る。国産材使用率50%)への利用も期待することができる。
なお、本実施の形態では、ボルト3a、3bおよびナットを用いて角材2a〜2eを固定した。しかし、角材2a〜2eの固定方法は、ボルトおよびナットに限定されない。
また、本実施の形態では、角材2a〜2eを用いたが、本実施の形態の木造構造物の構成材料となる木材としては、その他に縦継ぎ材、構造用集成材、構造用合板、LVL(単板積層材)、OSB、MDF等が挙げられる。
次に木造構造物の応用例を説明する。以下に示す応用例の木造構造物は、前述した木造構造物1の構成を基本とするものである。
<第1の応用例>
図5は、第1の応用例の木造構造物を説明する図である。
図5(a)は、第1の応用例の木造構造物を示す図であり、図5(b)は、第1の応用例の木造構造物1aの分解図である。
第1の応用例の木造構造物1aは、断面がH型をなすH型綱のような構造をなしている。このため、断面効率(重量当たりの曲げ剛性や曲げ強度)が優れている。
木造構造物1aは、H型綱でいうフランジに相当する部位の角材2f、2gと、H型綱でいうウェブに相当する部位の角材2hとを有している。
角材2f〜2hの所定の位置には、ボルト3c、3dを挿入する貫通孔7が設けられている。また、角材2f〜2hそれぞれの互いに対向する部位、すなわち、角材2fの下面の角材2hに対向する部位、角材2hの上面および下面、並びに角材2gの角材2hに対向する部位には、少なくとも一部が互いに対向する凹部8が所定間隔毎に設けられている。
角材2f〜2hは、それぞれボルト3c、3dが挿入されることにより固定されており、角材2f〜2hそれぞれに設けられた凹部内には、挿入部材9が圧入されている。なお、挿入部材9の奥行きの長さは、角材2hの幅と同じ長さである。
例えば天井面に幅が狭いと骨組みが貧弱に見えてしまうが、木造構造物1aを用いることで断面が確保できることから、視覚的な効果も得られる。
<第2の応用例>
図6は、第2の応用例の木造構造物の完成品を示す図であり、図7は、第2の応用例の木造構造物の構造を説明する図である。なお、図7に示す角材2i〜2rには角材2a〜2eと同様に凹部および貫通孔が設けられているが、図7では、凹部および貫通孔の記載を省略している。
第2の応用例の木造構造物1bは、8本の角材2i〜2rが組み合わされることにより形成されている。木造構造物1bの中央には開口部31が形成されている。
この木造構造物1bは、平面毎に、それぞれ4つのボルトにより、隣り合う3つの角材同士がそれぞれ固定されている。例えば、ボルト3eにより、角材2i、2j、2kが固定されている。ボルト3fにより、角材2k、2m、2nが固定されている。ボルト3gにより、角材2n、2p、2qが固定されている。ボルト3hにより、角材2q、2r、2iが固定されている。
隣り合う角材2i〜2rの互いに対向する面には、少なくとも一部が互いに対向する凹部が所定間隔毎に設けられている。これらの凹部内には、挿入部材10が例えば圧入により挿入されている。
図7では、木造構造物1bにおけるボルトと、挿入部材10との配置状態を図示している。木造構造物1bの1つの側面から2つの挿入部材10が挿入されることにより、1つの平面には合計8つの挿入部材10が配置されている。
このように、角材の組み合わせと、ボルト、挿入部材の配置パターンにより、任意の幅、厚さの木造構造物を容易に製造することができる。
また、中央には開口部31が形成されているため、この開口部31に他の部材(例えばLANケーブル等)を通すことができる。
<第3の応用例>
図8は、第3の応用例の木造構造物の完成品を示す図であり、図9は、第3の応用例の木造構造物の構造を説明する図である。
第3の応用例の木造構造物1cは、角材41a〜41iを有している。
この木造構造物1cは、ビスにより、隣り合う3つの角材同士がそれぞれ固定されている。例えば、ビス3iにより、角材41d、41i、41hが固定されている。ビス3jにより、角材41f、41i、41bが固定されている。
角材41i、および角材41iに隣り合う角材41b、41d、41f、41hの互いに対向する面それぞれには、少なくとも一部が互いに対向する凹部が、両端部にそれぞれ2箇所ずつ設けられている。これらの凹部内には、挿入部材11が例えば圧入により挿入されている。図9に示す角材41b、41d、41f、41h、41iには凹部および貫通孔が設けられているが、図9では、凹部および貫通孔の記載を省略している。
角材41a、41c、41e、41gは、隣り合う角材の面に接着剤が塗布されることにより、隣り合う角材に接着されている。例えば、角材41aは、角材41b、41hに接着されている。これら角材41a、41c、41e、41gは、挿入部材11が凹部内に挿入された後に、隣り合う角材に接着される。
ところで、図9において、角材41b、41d、41f、41hに設けられた凹部の位置は、角材の端部周辺であり、中央部には凹部は設けられていない。これは、例えばこの木造構造物1cを用いて作成した梁に鉛直荷重が作用して中央部がたわんだ場合、せん断応力と曲げ応力が発生する。例えば木造構造物1cのように複数の角材を束ねているつなぎ材には1面せん断が作用するが、この1面せん断力は、端部に近ければ近いほど大きいことが知られている。従って、角材41b、41d、41f、41hにおける凹部の配置位置を端部付近に配置することで、せん断耐力の低下を抑制している。
この木造構造物1cによれば、木造構造物1bに比べて挿入部材やボルトの数を減らすことができる。
<第4の応用例>
図10は、第4の応用例の木造構造物を説明する図である。
図10(a)に示すモジュール50は、土台51と、梁52と、それぞれ同じ構造をなす柱(木造構造物)53a、53bとを備えている。梁52の下部には、横架材54が設けられている。横架材54と梁52と柱53a、53bとに囲まれる領域には、開口部55が形成されている。開口部55の下部には、金属製の筋交いを備える複数の耐力壁56a〜56dが設けられている。
各耐力壁56a〜56dは、横架材54および土台51を共通に持ち、中央2つの耐力壁56b、56cは、筋交いが片掛けであり、外側2つの耐力壁56a、56dは、筋交いがたすき掛けになっている。
柱53a、53bの構造は、前述した木造構造物1、1a、1b、1cと同じ構造である。図10(a)には、柱53a、53bのボルトおよび挿入部材の配置パターンを図示している。
図10(b)は、図10(a)のA−A線で断面を切った柱を示す図である。
柱53aは、平面視でL字型をなしている。
この柱53aは、ボルト3kを用いることにより角材2t、2vが固定されている。ボルト3mを用いることにより角材2t、2uが固定されている。そして、角材2t、2vそれぞれに設けられた凹部には、挿入部材12aが配置されている。角材2t、2uそれぞれに設けられた凹部には、挿入部材12bが配置されている。
図11は、第4の応用例の木造構造物の角材を説明する図である。
図11では、一例として角材2tを図示している。角材2tには、角材2vに対向する面に凹部2t1が設けられている。また、角材2tには、角材2uに対向する面に凹部2t2が設けられている。
このように、挿入部材12a、12b同士の干渉を避けるため、同一平面上ではなく所定の間隔を隔てて凹部2t1、2t2が、交互に配置されている。
また、図11にはボルト3kが貫通する貫通孔2t3を図示している。
このような柱53a、53bを用いることで、水平荷重時の、角材2t、2u、2v同士のずれを抑制することができる。また、実施の形態の木造構造物の製造方法によれば、柱53a、53bのようなL字型の加工も容易であるため、直方体や立方体の柱を用いる場合に比べ角の張り出しを抑えることができる。
<比較例>
図12は、実施の形態の木造構造物を用いた軸組みを説明する図である。
図12(a)は、実施の形態の柱53a、53bを用いた軸組であり、図12(b)は、実施の形態の木造構造を用いないときの軸組(比較例)である。
軸組60が軸組70と異なる点は、耐力壁を設けなくても基準の強度の確保が可能なことである。これによって、より開放的で空間価値が高い自由な設計を行うことができる。このため、狭小地や密集地などにおいては、その特徴を活かした効果的な開発事業や住宅を提供することができる。
具体的には、比較例の軸組70は、柱の太さが軸組60に比べ細いため、強度を確保するために、耐力壁等を多く用いている。このため、空間が細かく仕切られている。これに対し、本実施の形態の柱53a、53bを用いた軸組70によれば、柱53a、53bにより強度が確保されるため、空間を広くとることができる。
<第5の応用例>
図13は、第5の応用例を説明する三面図である。
図13において、正面図、側面図、および平面図を図示している。
第5の応用例のモジュール80は、土台81と、梁82と、柱83a、83bとを備えている。土台81と梁82との間の長さは一例として2587mmである。
土台81と、梁82と、柱83a、83bとにより囲まれた領域で形成される(画成される)開口部には、厚さが24mmの面材(構造用合板)84a、84bが設けられている。これら面材84a、84bは、複数のハイブリッド座金85およびボルト3pにより、留めつけ部材86a、86bに留めつけられている。また、留めつけ部材86a、86bと柱83a、83bとは複数のハイブリッド座金87およびボルト3nにより固定されている。これにより、面材84a、84bは、面材84a、84bを留めつけている留めつけ部材86a、86bを介して柱83a、83bに留めつけられている。
柱83a、留めつけ部材86a、ハイブリッド座金87、ボルト3nおよび挿入部材13により木造構造物1eが形成されている。柱83b、留めつけ部材86b、ハイブリッド座金87、ボルト3nおよび挿入部材13により木造構造物1fが形成されている。
木造構造物1e、1fの構造は、前述した木造構造物1、1a、1bと同じ構造である。例えば、留めつけ部材86aと柱83aとは、200mm間隔で複数のボルト3nで固定されている。留めつけ部材86aと柱83aそれぞれの互いに対向する面には、少なくとも一部が互いに対向する凹部が所定間隔毎に設けられている。これらの凹部が互いに対向することで形成される開口部内には、直方体の挿入部材13が配置されている。
図13の下部に示すモジュール80の平面図には柱83a、83bのボルト3nおよび挿入部材13の配置パターンを図示している。平面図に示すように、本実施の形態のモジュール80では、面材84aがボルト3pによって留めつけ部材86a、86bに留めつけられることにより、面材84aの面84a1が、柱83aの面83a1、および柱83bの面83b1とほぼ平行になっている。
例えば、面材84a、84bを釘等を用いて直接柱83a、83bに打ち付けると、釘の径が細いため、水平荷重がかかると面材84a、84bが柱83a、83bから外れてしまう場合があった。これを抑制するために、釘の径を太くしたり、釘の本数を増やしたり、面材84a、84bの厚みを大きくすると、柱83a、83bからはみ出る領域が大きくなってしまう。
モジュール80によれば、柱83aおよび留めつけ部材86a、並びに柱83bおよび留めつけ部材86b、それぞれの係合部が横滑りする方向への強度を高くすることができる。また、面材84a、84bを留めつけ部材86a、86bに留めつけ、モジュール80の平面視および側面視での凹凸を抑制することで、面材84a、84bの厚さを大きく(例えば24〜28mm)した場合でも外観をすっきりさせることができる。また、面材84a、84bの厚さを大きくすることで、釘の代わりにボルト3nおよびハイブリッド座金85を用いて面材84a、84bが柱83a、83bから外れてしまうことを抑制できる。
<第6の応用例>
図14は、第6の応用例の木造構造物を説明する図である。
第6の応用例のモジュール90は、直列に連結された木造構造物1g、1h、1iを備えている。木造構造物1g、1iの長さh5、h6はそれぞれ2500mm、木造構造物1hの長さh7は、5000mmであるため、モジュール90の長さは10000mmである。
図14では、木造構造物1hおよび木造構造物1iの一部を拡大した図を吹き出しにて示している。
木造構造物1g、1h、1iそれぞれの基本構成は、木造構造物1aと同様である。例えば、木造構造物1hは、角材14a、14b、14cを備えている。角材14a、14cの厚さは、一例として105mm、角材14bの厚さは、一例として390mmである。角材14a、14b、14cの所定の位置には、ボルト3qを挿入する貫通孔が設けられている。ボルト3qが、貫通孔に挿入され、角材14aの上部および角材14cの下部に設けられたハイブリッド座金により締め付けられることで角材14a、14b、14cが互いに固定されている。
また、角材14a、14b、14cそれぞれの互いに対向する面、すなわち、角材14aの下面、角材14bの上面および下面、並びに角材14cの上面には、少なくとも一部が互いに対向する凹部(溝部)が所定間隔毎に設けられている。
これらの凹部が互いに対向することで形成される開口部内には、直方体の挿入部材15が配置されている。
隣り合う挿入部材15の間隔は333mmもしくは334mmである。
図15は、図14に示す断面B−B線での断面図であり、図16は、図14に示す断面C−C線での断面図である。なお、図15、図16には、60分の燃えしろ16を図示している。
図16に示すように、角材14a、14b、14cの所定の位置には、金属製のボルト3qを挿入する貫通孔17a、17b、17cが設けられている。貫通孔17a、17b、17cに挿入されたボルト3qは、ハイブリッド座金18a、18bにより固定されている。
これら木造構造物1gと木造構造物1h、および木造構造物1hと木造構造物1iとは、それぞれ4本のボルトを用いることにより接合されている。
次に、木造構造物1hと木造構造物1i同士の接合を説明する。
図17は、図14に示す断面D−D線での断面図である。
図17に示すように、木造構造物1hと木造構造物1iとは、ボルト91a、91b、91c、91dにより接合されている。ボルト91a、91b、91c、91dとしては、例えばM16ボルト SCM435 JIS G 3509等が挙げられる。
図18は、木造構造物同士の接合を説明する図である。
図18では説明を分かり易くするため、角材14aと角材14dを図示し、それ以外の角材の図示を省略している。
角材14aの接合面から角材14aの内部に向かって、それぞれボルト91a、91b(図18には図示せず)を挿通する孔部14a1、14a2が設けられている。角材14dの接合面から角材14dの内部に向かって、それぞれボルト91a、91bを挿通する孔部14d1、14d2が設けられている。
また、角材14aには、一方の側面14a3に開口し、孔部14a1に連通する開口部14a4と、他方の側面14a5に開口し、孔部14a2に連通する開口部14a6とが設けられている。角材14dには、一方の側面14d3に開口し、孔部14d1に連通する開口部14d4と、他方の側面14d5に開口し、孔部14d2に連通する開口部14d6とが設けられている。
角材14aと角材14dとを接合する際には、ボルト91aを孔部14a1、14d1に挿入し、ボルト91bを孔部14a2、14dに挿入した状態で木造構造物1hの端面と木造構造物1iの端面を当接させる。これにより、開口部14a4、14d4にボルト91aの端部が位置し、開口部14a6、14d6にボルト91bの端部が位置する。そして、開口部14a4、14d4から座金およびナットを入れて締め、開口部14a6、14d6から座金およびナットを入れて締めることで角材14aと角材14dとが接合される。角材14cと角材14fも同様の方法で接合することができる。
このような構造にすることで、木造構造物1g、1h、1iを容易に直列に接続することができる。また、大きな断面の梁・柱を簡易に作成できる。
なお、本実施の形態では、木造構造物1gと木造構造物1h、および木造構造物1hと木造構造物1iとは、それぞれ4本のボルトを用いることにより接合されている。しかし、木造構造物同士を接合するボルトの本数は、これに限られない。
<変形例>
図19は、第6の応用例の木造構造物の変形例を説明する図である。
変形例のモジュール95は、木造構造物1j、1k、1mを備えている。木造構造物1j、1k、1mの構造は、それぞれ紙面手前側の側部から紙面奥側の側部に開口する開口部1j1、1k1、1k2、1m1を備える点以外は、木造構造物1g、1h、1iと同様である。図19に示すように、開口部1j1、1k1、1k2、1m1に対応する角材の部位には、挿入部材およびボルトが設けられていない。
ところで、梁に鉛直荷重が作用して中央部がたわんだ場合、せん断応力と曲げ応力が発生する。例えば木造構造物1cのように複数の角材を束ねているつなぎ材には1面せん断が作用するが、この1面せん断力は、端部に近ければ近いほど大きいことが知られている。従って、開口部1j1、1k1、1k2、1m1の配置位置を木造構造物1j、1k、1mの接合部分の近傍に配置することで、せん断耐力の低下を抑制している。
なお、前述した各実施の形態では、挿入部材を配置する間隔を一定のものとした。しかし、これに限らず、端部に近づくにつれて、挿入部材の間隔を狭める等、挿入部材の配置間隔は、一定のものに限定されない。
以上、本発明の木造構造物の製造方法、木造構造物、接続方法およびモジュールを、図示の実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物や工程が付加されていてもよい。
また、本発明は、前述した各実施の形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
1、1a、1b、1c、1e、1f、1g、1h、1i、30 木造構造物
2a〜2t、14a〜14f、20、20a、41a〜41i 角材
3a〜3h、3k〜3q ボルト
4、7 貫通孔
5、8 凹部
6、9、10、11、12a、12b、13、15 挿入部材

Claims (9)

  1. 固定対象の複数の木材それぞれに形成された凹部の底部同士の少なくとも一部が互いに対向するように、複数の木材を固定手段により固定し、
    前記木材よりも硬度の高い、または同程度の硬度を備える挿入部材を、前記凹部が互いに対向することで形成される開口部内に挿入する、
    ことを特徴とする木造構造物の製造方法。
  2. 前記複数の木材にはそれぞれ貫通孔が設けられており、
    前記凹部の底部同士の少なくとも一部が互いに対向する状態で前記複数の木材それぞれの貫通孔を貫通する貫通部材を挿入することにより前記複数の木材を固定する請求項1に記載の木造構造物の製造方法。
  3. 前記挿入部材を圧入する請求項1または2に記載の木造構造物の製造方法。
  4. 前記凹部は、前記複数の木材それぞれの幅方向に亘って設けられている請求項1ないし3のいずれかに記載の木造構造物の製造方法。
  5. 固定対象の複数の木材それぞれに形成された凹部の底部同士の少なくとも一部が互いに対向するように、複数の木材を固定する固定手段と、
    前記凹部が互いに対向することで形成される開口部内に配置され、前記木材よりも硬度の高い、または同程度の硬度を備える挿入部材と、
    を有することを特徴とする木造構造物。
  6. 前記固定手段は、ボルトとナットの組合せ、またはビスであり、前記凹部と前記固定手段が前記複数の木材の長手方向に沿って交互に設けられている請求項5に記載の木造構造物。
  7. 前記凹部は前記複数の木材それぞれの端部周辺に設けられている請求項5または6に記載の木造構造物。
  8. 複数の木造構造物を接続する接続方法であって、
    前記複数の木造構造物は、それぞれ木造構造物の一面に形成された開口部と、前記開口部に連通し、前記木造構造物同士の接合面に向かって形成された孔部とを備え、
    前記孔部にボルトを挿入した状態で前記木造構造物の端面同士を当接させ、
    前記複数の木造構造物それぞれの前記開口部内に配置された前記ボルトの端部を前記開口部にナットを挿入して締め上げることで前記木造構造物同士を固定する、
    ことを特徴とする接続方法。
  9. 複数の木造構造物が接続されて形成されたモジュールであって、
    前記複数の木造構造物は、それぞれ木造構造物の一面に形成された開口部と、前記開口部に連通し、前記木造構造物同士の接合面に向かって形成された孔部とを備え、
    前記孔部にボルトが挿入された状態で前記木造構造物の端面同士を当接させたときに、前記複数の木造構造物それぞれの前記開口部内にボルトが配置され、前記開口部に挿入されたナットを用いて前記木造構造物同士が固定される、
    ことを特徴とするモジュール。
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