JP2017013474A - 水性防食塗装及び、水性防食塗装方法 - Google Patents
水性防食塗装及び、水性防食塗装方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】揮発性有機物質が原料・組成に含まれていない、優れた防錆効果の水性防食塗装と、水性防食塗装方法を提案する。【解決手段】セメントと炭酸カルシウムが1:1の質量比割合で混入された水硬性粉体と、液状の、エポキシ樹脂および当該エポキシ樹脂の硬化剤であるポリアミドアミンの混合物、または、セメントと炭酸カルシウムが1:1の質量比割合で混入された水硬性粉体と、アクリル樹脂との混合物に、更に、陰イオン吸着剤を混合した水性下塗り塗料からなる下塗り塗膜、前記下塗り塗膜の上に形成されている、水性アクリル樹脂の固形分が44〜46質量%で分散しているポリマーディスパージョンからなる中塗り材、前記中塗り塗膜の上に形成されている、水性アクリル樹脂をベースの樹脂とし、防錆顔料としてのリン酸亜鉛を含む水性一液型上塗り塗料からなる上塗り塗膜が形成されてなる水性防食塗装。【選択図】なし
Description
本発明は、水性防食塗装及び、水性防食塗装方法に関し、特に、優れた耐候性及び防食性を付与することが可能な水性防食塗装及び、水性防食塗装方法に関する。
従来、橋梁、プラント及びタンク等の各種陸上鋼構造物や海洋鋼構造物には、防食目的としての塗装(以下、防食塗装ともいうことがある)が施されている。
一般に、防食塗装では、下塗り塗料と上塗り塗料とが用いられる。下塗り塗料は、被塗装物に防食・防錆機能を付与する目的で使用されるのが一般的である。上塗り塗料は、一般的に、被塗装物の美観保持を目的として使用され、耐候性に優れている。更に、下塗り塗膜と上塗り塗膜との中間になる中塗り塗料が使用されることがある。中塗り塗料は、下塗り塗膜と上塗り塗膜とに対する付着性を持ち、上塗り塗膜の耐はがれ性、下塗り塗膜の保護などといった塗装系の耐久性向上を目的として用いられる。防食塗装に用いられる中塗り塗料は、上塗り塗膜の耐はがれ性向上を目的として用いられているのが一般的である。
このような防食塗装では、いずれの塗料にも有機溶剤系塗料、すなわち、揮発性有機物質が含まれている塗料を使用することが一般的であった。
揮発性有機物質が含まれている塗料である有機溶剤系塗料を用いた塗装作業は揮発性有機物質の存在ゆえに塗装作業者に与える影響が大きい。
そこで、近年、有機溶剤系塗料から水性塗料への転換が強く要望されるようになってきている。すなわち、揮発性有機物質が原料・組成に含まれていない水性防食塗装、例えば、使用する全ての塗料を水性塗料に転換した水性防食塗装や、水性防食塗装方法が求められている。
例えば、特許第5246977号では、下塗り塗料から上塗り塗料まで、すべての塗料を水性とし、被塗装物に防食・防錆機能を付与する水性防食塗装方法が提案されていた。
一方、本願の発明者は、特開2004−299979号公報(特許第4343570号)において、防錆効果に優れた水性下塗り塗料を提案し、使用する全ての塗料を水性塗料に転換するための一歩となる提案を行っている。
この特開2004−299979号公報(特許第4343570号)で提案した水性下塗り塗料は優れた防錆効果を発揮できるものであったが、その上に塗る上塗り塗料としては依然として、揮発性有機物質が含まれている有機溶剤系塗料が使用されていた。
この発明は、揮発性有機物質が原料・組成に含まれていない、優れた防錆効果の水性防食塗装と、水性防食塗装方法を提案することを目的にしている。
本願発明による水性防食塗装は、
セメントと炭酸カルシウムが1:1の質量比割合で混入された水硬性粉体と、液状の、エポキシ樹脂および当該エポキシ樹脂の硬化剤であるポリアミドアミンの混合物、または、
セメントと炭酸カルシウムが1:1の質量比割合で混入された水硬性粉体と、アクリル樹脂との混合物
に、更に、陰イオン吸着剤を混合した水性下塗り塗料からなる下塗り塗膜、
前記下塗り塗膜の上に形成されている、水性アクリル樹脂の固形分が44〜46質量%で分散しているポリマーディスパージョンからなる中塗り材、
前記中塗り塗膜の上に形成されている、水性アクリル樹脂をベースの樹脂とし、防錆顔料としてのリン酸亜鉛を含む水性一液型上塗り塗料からなる上塗り塗膜
が形成されてなるものである。
セメントと炭酸カルシウムが1:1の質量比割合で混入された水硬性粉体と、液状の、エポキシ樹脂および当該エポキシ樹脂の硬化剤であるポリアミドアミンの混合物、または、
セメントと炭酸カルシウムが1:1の質量比割合で混入された水硬性粉体と、アクリル樹脂との混合物
に、更に、陰イオン吸着剤を混合した水性下塗り塗料からなる下塗り塗膜、
前記下塗り塗膜の上に形成されている、水性アクリル樹脂の固形分が44〜46質量%で分散しているポリマーディスパージョンからなる中塗り材、
前記中塗り塗膜の上に形成されている、水性アクリル樹脂をベースの樹脂とし、防錆顔料としてのリン酸亜鉛を含む水性一液型上塗り塗料からなる上塗り塗膜
が形成されてなるものである。
本願発明による水性防食塗装方法は、
セメントと炭酸カルシウムが1:1の質量比割合で混入された水硬性粉体と、液状の、エポキシ樹脂および当該エポキシ樹脂の硬化剤であるポリアミドアミンの混合物、または、
セメントと炭酸カルシウムが1:1の質量比割合で混入された水硬性粉体と、アクリル樹脂との混合物
に、更に、陰イオン吸着剤を混合した水性下塗り塗料を用いて下塗りを行う工程と、
前記下塗り工程後、水性アクリル樹脂の固形分が44〜46質量%で分散しているポリマーディスパージョンを塗布する工程と、
その後、水性アクリル樹脂をベースの樹脂とし、防錆顔料としてのリン酸亜鉛を含む水性一液型上塗り塗料により上塗りを行う工程
とを備えているものである。
セメントと炭酸カルシウムが1:1の質量比割合で混入された水硬性粉体と、液状の、エポキシ樹脂および当該エポキシ樹脂の硬化剤であるポリアミドアミンの混合物、または、
セメントと炭酸カルシウムが1:1の質量比割合で混入された水硬性粉体と、アクリル樹脂との混合物
に、更に、陰イオン吸着剤を混合した水性下塗り塗料を用いて下塗りを行う工程と、
前記下塗り工程後、水性アクリル樹脂の固形分が44〜46質量%で分散しているポリマーディスパージョンを塗布する工程と、
その後、水性アクリル樹脂をベースの樹脂とし、防錆顔料としてのリン酸亜鉛を含む水性一液型上塗り塗料により上塗りを行う工程
とを備えているものである。
この発明によれば、揮発性有機物質が原料・組成に含まれていない、優れた防錆効果の水性防食塗装と、水性防食塗装方法を提供することができる。
本実施の形態の水性防食塗装は、水性下塗り塗料からなる下塗り塗膜と、水性一液型上塗り塗料からなる上塗り塗膜とを備えている。そして、更に、水性下塗り塗料によって下塗りが行われた後、前記水性一液型上塗り塗料による上塗りが行われる前に、ポリマーディスパージョンの塗布が行われ、これが、前記下塗り塗膜と、前記上塗り塗膜との間に存在しているものである。
本実施の形態の水性防食塗装における水性下塗り塗膜は、
セメントと炭酸カルシウムが1:1の質量比割合で混入された水硬性粉体と、液状の、エポキシ樹脂および当該エポキシ樹脂の硬化剤であるポリアミドアミンの混合物、または、
セメントと炭酸カルシウムが1:1の質量比割合で混入された水硬性粉体と、アクリル樹脂との混合物
に、更に、陰イオン吸着剤を混合した水性下塗り塗料からなる下塗り塗膜である。
セメントと炭酸カルシウムが1:1の質量比割合で混入された水硬性粉体と、液状の、エポキシ樹脂および当該エポキシ樹脂の硬化剤であるポリアミドアミンの混合物、または、
セメントと炭酸カルシウムが1:1の質量比割合で混入された水硬性粉体と、アクリル樹脂との混合物
に、更に、陰イオン吸着剤を混合した水性下塗り塗料からなる下塗り塗膜である。
前記水性下塗り塗料は、揮発性有機物質が含まれていないものであり、本願出願人が特開2004−299979号公報(特許第4343570号)(特許文献2)において提案しているものである。
前記において、陰イオン吸着剤としては、セメントと反応して消費されることがないカルシウム・アルミニウム複合水酸化物、マグネシウム・アルミニウム複合水酸化物が適当で、具体的にはハイドロカルマイト、ハイドロタルサイトが例示される。ハイドロカルマイトは、特に鋼材腐食の促進因子として影響の大きい塩分の吸着能が高い。
前記の水性下塗り塗料の水硬性粉体中のセメントとしては、例えば、普通ポルトランドセメント、アルミナセメント、早強セメント等、通常知られたセメントを採用することができる。
前記水性下塗り塗料の樹脂分であるエポキシ樹脂および当該エポキシ樹脂の硬化剤であるポリアミドアミンや、アクリル樹脂としては、従来から塗料に一般的に用いられているものであればよく、これらに限定されるものではない。
塗装を終えた後、錆が発生するまでの期間は新設塗膜に錆が発生する期間より確実に短い。これは、例えば、凹凸のためケレンによっては除去が著しく困難である等により、残存した錆が影響している。塩分を含む環境下で使用されている鋼構造物あるいは鋼材に生じた錆には錆層と鋼材の界面の錆層側に塩化物ネストと呼ばれる塩分が濃縮した部分が存在することが多い。
塩分等の腐食性イオンを含む錆あるいは塩化物ネストを含む錆がケレンにより除去されずに残存した個所に塗装された場合では、鋼材の腐食は塗り替えによっても抑止されることなく継続するので、新設塗膜に発生するよりも短い期間で塗り替え塗膜に錆が発生することになる。
前記水性下塗り塗料は、ケレンによって除去されずに残った塩分等の腐食性イオンを含む錆あるいは塩化物や硫酸イオンを含むネスト中の塩分等の陰イオンを積極的に除去することにより、高い防錆効果を発揮し、もって塗り替え周期の延伸等、塗り替え塗装系の耐久性向上に貢献できるものである。
前記水性下塗り塗料は、新規塗装をする場合に使用しても良いものであるが、塗替え塗装がなされる鋼材の表面に塗布した際に、特に、高い防錆効果、耐久性向上を発揮できるものである。
前記において、陰イオン吸着剤の前記水性下塗り塗料への添加量は、好ましくは4.0重量%以上の範囲であり、さらに好ましくは8重量%以上である。陰イオン吸着剤の添加量が少ないと鋼材の表面にさび発生が発生してしまうことになり、また添加量が多くなると粘性が高くなり施工性が低下する。
なお、前述したように、揮発性有機物質が含まれていない水性下塗り塗料である、「セメントと炭酸カルシウムが1:1の質量比割合で混入された水硬性粉体と、液状の、エポキシ樹脂および当該エポキシ樹脂の硬化剤であるポリアミドアミンの混合物に、更に、陰イオン吸着剤を混合した水性下塗り塗料」及び、「セメントと炭酸カルシウムが1:1の質量比割合で混入された水硬性粉体と、アクリル樹脂との混合物に、更に、陰イオン吸着剤を混合した水性下塗り塗料」は、いずれも、「アンダーフィックス」(商品名)として、本願出願人から市場に提供されている。
この実施の形態の水性防食塗装では、前記下塗り塗膜の上に、水性アクリル樹脂の固形分が44〜46質量%で分散しているポリマーディスパージョンからなる中塗り材が形成されている。このポリマーディスパージョンも揮発性有機物質を含んでいない。
水に水性アクリル樹脂が分散しているポリマーディスパージョンは、従来から、ポリマーセメントモルタルの技術分野で使用されていたものであり、塗装、塗料に関する技術分野で使用されることは一般的ではなかった。
従来ポリマーセメントモルタルの技術分野で使用されていたポリマーディスパージョンにおいては、分散している水性アクリル樹脂の固形分は35〜46質量%程度であることが一般的であった。
この実施の形態では、前記下塗り塗膜の上に、水性アクリル樹脂の固形分が44〜46質量%で分散しているポリマーディスパージョンを塗布することにしている。塗布されたポリマーディスパージョンによって下塗り塗膜と上塗り塗膜との間に中塗り材が形成されることになる。
前述した、揮発性有機物質を含んでいない、ポリマーディスパージョンは、「水性アクリル樹脂中塗 UF−P」(商品名)として本願出願人から市場に提供されている。
この実施の形態の水性防食塗装における上塗り塗膜は、前記中塗り材の上に形成されている、水性アクリル樹脂をベースの樹脂とし、防錆顔料としてのリン酸亜鉛を含む水性一液型上塗り塗料からなる上塗り塗膜である。この上塗り塗料も揮発性有機物質を含んでいない。
従来、リン酸亜鉛を含む塗料は、この技術分野においては下塗り塗料として一般的に使用されていた。上塗り塗料としてリン酸亜鉛を含む塗料を使用することは、一般的には、従来、この技術分野ではなかった。
この実施形態では、水性アクリル樹脂をベースの樹脂とし、リン酸亜鉛を防錆顔料として含む水性一液型上塗り塗料を使用している。
前述した水性一液型上塗り塗料は、更に、体質顔料としての酸化チタンを含む。体質顔料は、酸化チタンの他、塗料の分野で一般的に用いられるもの、例えば、炭酸カルシウムなども用いることができる。
この実施形態での好ましい配合割合としては、防錆顔料としてのリン酸亜鉛を15〜25質量%、体質顔料としての酸化チタンを5〜10質量%で含む、水性アクリル樹脂をベースの樹脂とする水性一液型上塗り塗料である。
揮発性有機物質を含んでいない前述した水性一液型上塗り塗料は、「水性一液型厚膜型高弾性防錆トップコート UF−1」(商品名)として本願出願人から市場に提供されている。
前述した水性一液型上塗り塗料は、弾性率200%という高弾性で、膨張や収縮を繰り返す金属表面に対しても一体性を常に保持できるものである。
前述した水性下塗り塗料を用いて下塗りを行い、当該下塗り工程後、前述したポリマーディスパージョンを塗布し、その後、前述した水性一液型上塗り塗料により上塗りを行う本実施形態の水性防食塗装方法により、前述した実施形態の水性防食塗装を形成することができる。
上述したように、この実施の形態の下塗り塗膜を形成する水性下塗り塗料は、セメントを含んでいる。そこで、ポリマーセメントモルタルの性状が示され、ピンホールが生じることがある。この点を考慮して、ポリマーセメントモルタルに対して混和する上述のポリマーディスパージョンそのものを下塗り塗膜の上に塗布しているものである。
上述したように、前記水性下塗り塗料によって下塗りが行われた後、前記水性一液型上塗り塗料による上塗りが行われる前に、前記ポリマーディスパージョンの塗布が行われ、これが、前記下塗り塗膜と、前記上塗り塗膜との間に存在している形態にしたのは、このように、前記下塗り塗膜を形成する水性下塗り塗料がセメントを含んでいることによるピンホールの発生に対応し、錆の発生、進行を効果的に防止するためである。
上述したように従来ポリマーセメントモルタルの技術分野で使用されていたポリマーディスパージョンにおいては、分散している水性アクリル樹脂の固形分は35〜46質量%程度であることが一般的であったが、この実施の形態では、前記下塗り塗膜の上に、水性アクリル樹脂の固形分が44〜46質量%で分散しているポリマーディスパージョンを塗布している。
水性アクリル樹脂の固形分が44〜46質量%で分散しているポリマーディスパージョンを使用しているのは、固形分の分散範囲がこの範囲であることが、上述した、水性下塗り塗料がセメントを含んでいることに対応した効果を発揮させる上で好ましいからである。
従来、防食塗装においては、下塗り塗膜と上塗り塗膜とに対する付着性を持ち、上塗り塗膜の耐はがれ性、下塗り塗膜の保護などといった塗装系の耐久性向上を目的として中塗り塗料が用いられていた。すなわち、防食塗装に用いられる中塗り塗料は、塗り塗膜の耐はがれ性向上を目的として用いられているのが一般的であった。
本実施の形態の水性防食塗装は、水性下塗り塗料からなる下塗り塗膜と、水性一液型上塗り塗料からなる上塗り塗膜とを備えていて、前記水性下塗り塗料によって下塗りが行われた後、前記水性一液型上塗り塗料による上塗りが行われる前に、ポリマーディスパージョンの塗布が行われ、これが、前記下塗り塗膜と、前記上塗り塗膜との間に存在しているものである。塗布されたポリマーディスパージョンによって下塗り塗膜と上塗り塗膜との間に形成される中塗り材は、上述した機能の発揮を目的としているものであり、従来の、防食塗装において使用されていた中塗り塗料とは異なる機能の発揮を目的として使用されている。
この実施形態の水性防食塗装、水性防食塗装方法によれば、上述したように水性防食塗装の構成の中に、従来の有機溶剤系塗料に含まれていた揮発性有機物質が含まれていない。
そこで、揮発性有機物質が含まれている従来の有機溶剤系塗料を用いて防食塗装を形成する場合における不具合が生じるおそれのない水性防食塗装、水性防食塗装方法を提供することができる。
(水性下塗り塗料)
「アンダーフィックス」(商品名)を、「セメントと炭酸カルシウムが1:1の質量比割合で混入された水硬性粉体と、アクリル樹脂との混合物に、更に、陰イオン吸着剤を混合した水性下塗り塗料」として準備した。
「アンダーフィックス」(商品名)を、「セメントと炭酸カルシウムが1:1の質量比割合で混入された水硬性粉体と、アクリル樹脂との混合物に、更に、陰イオン吸着剤を混合した水性下塗り塗料」として準備した。
(ポリマーディスパージョン)
「水性アクリル樹脂中塗 UF−P」(商品名)を、「水性アクリル樹脂の固形分が44〜46質量%で分散しているポリマーディスパージョン」として準備した。
「水性アクリル樹脂中塗 UF−P」(商品名)を、「水性アクリル樹脂の固形分が44〜46質量%で分散しているポリマーディスパージョン」として準備した。
(水性一液型上塗り塗料)
「水性一液型厚膜型高弾性防錆トップコート UF−1」(商品名)を、「水性アクリル樹脂をベースの樹脂とし、防錆顔料としてのリン酸亜鉛を含む水性一液型上塗り塗料」として準備した。
「水性一液型厚膜型高弾性防錆トップコート UF−1」(商品名)を、「水性アクリル樹脂をベースの樹脂とし、防錆顔料としてのリン酸亜鉛を含む水性一液型上塗り塗料」として準備した。
なお、当該「水性一液型上塗り塗料」(水性一液型厚膜型高弾性防錆トップコート UF−1)(商品名))に、防錆顔料として含まれているリン酸亜鉛の配合割合は15〜25質量%の範囲、体質含量として含まれている酸化チタンの配合割合は5〜10質量%の範囲にあるものであった。
(水性防食塗装の検討に供する試験片の準備)
1mm厚の鋼板(SS41)を100mm×200mm角に切断し、脱脂したものを、実環境下での防錆能の確認を目的として、千葉県の太平洋沿岸に設置して、1カ年間、暴露して錆びさせた。こうして1カ年暴露して錆びさせたものから浮き錆を除去し、清掃したものを、以下に説明する防食性能の検討試験に供する試験片(錆/金属界面に塩化物イオンが高濃度に濃集した鋼板)とした。
1mm厚の鋼板(SS41)を100mm×200mm角に切断し、脱脂したものを、実環境下での防錆能の確認を目的として、千葉県の太平洋沿岸に設置して、1カ年間、暴露して錆びさせた。こうして1カ年暴露して錆びさせたものから浮き錆を除去し、清掃したものを、以下に説明する防食性能の検討試験に供する試験片(錆/金属界面に塩化物イオンが高濃度に濃集した鋼板)とした。
(本実施例の水性防食塗装の形成)
前記のように準備した試験片に、上記のように準備した水性下塗り塗料、ポリマーディスパージョン、水性一液型上塗り塗料を用い、前述した水性下塗り塗料を用いて下塗りを行い、当該下塗り工程後、前述したポリマーディスパージョンを塗布し、その後、前述した水性一液型上塗り塗料により上塗りを行う水性防食塗装方法により、この実施例の水性防食塗装が形成された試験片を準備した。
前記のように準備した試験片に、上記のように準備した水性下塗り塗料、ポリマーディスパージョン、水性一液型上塗り塗料を用い、前述した水性下塗り塗料を用いて下塗りを行い、当該下塗り工程後、前述したポリマーディスパージョンを塗布し、その後、前述した水性一液型上塗り塗料により上塗りを行う水性防食塗装方法により、この実施例の水性防食塗装が形成された試験片を準備した。
(比較例1の防食塗装の形成)
前記のように準備した試験片に、下塗り塗料、中塗り塗料、上塗り塗料のいずれにも、従来から使用されている、揮発性有機物質が原料・組成に含まれている、溶剤系の下塗り塗料・中塗り塗料・上塗り塗料を用いて、下塗り、中塗り、上塗りをそれぞれ行って、比較例1の防食塗装を形成した。
前記のように準備した試験片に、下塗り塗料、中塗り塗料、上塗り塗料のいずれにも、従来から使用されている、揮発性有機物質が原料・組成に含まれている、溶剤系の下塗り塗料・中塗り塗料・上塗り塗料を用いて、下塗り、中塗り、上塗りをそれぞれ行って、比較例1の防食塗装を形成した。
(比較例2の防食塗装の形成)
前記のように準備した試験片に、上記のように準備した水性下塗り塗料と、比較例1で使用した、従来から使用されている、揮発性有機物質が原料・組成に含まれている、溶剤系の中塗り塗料と、比較例1で使用した、従来から使用されている、揮発性有機物質が原料・組成に含まれている、溶剤系の上塗り塗料を準備した。前記のように準備した試験片に、上記のように準備した水性下塗り塗料を用いて下塗りを行った。次いで、比較例1で使用した、従来から使用されている、揮発性有機物質が原料・組成に含まれている、溶剤系の中塗り塗料を用いて中塗りを行った。その後、比較例1で使用した、揮発性有機物質が原料・組成に含まれている、溶剤系の上塗り塗料を用いて上塗りを行って、比較例2の防食塗装を形成した。
前記のように準備した試験片に、上記のように準備した水性下塗り塗料と、比較例1で使用した、従来から使用されている、揮発性有機物質が原料・組成に含まれている、溶剤系の中塗り塗料と、比較例1で使用した、従来から使用されている、揮発性有機物質が原料・組成に含まれている、溶剤系の上塗り塗料を準備した。前記のように準備した試験片に、上記のように準備した水性下塗り塗料を用いて下塗りを行った。次いで、比較例1で使用した、従来から使用されている、揮発性有機物質が原料・組成に含まれている、溶剤系の中塗り塗料を用いて中塗りを行った。その後、比較例1で使用した、揮発性有機物質が原料・組成に含まれている、溶剤系の上塗り塗料を用いて上塗りを行って、比較例2の防食塗装を形成した。
(防食性能の検討試験)
上記のように準備した、本実施例の水性防食塗装が形成されている試験片、比較例1、比較例2の防食塗装が形成されている試験片それぞれの表面に×の傷を付け、上述した試験片準備のときと同じく、実環境下での防錆能の確認を目的として、千葉県の太平洋沿岸に設置して、4カ年間、暴露して錆びさせた。いずれの試験片にも、防食塗装形成後、「×」の傷を付けたのは、塗装面からの錆の発生・成長だけでなく、傷を付けた個所である塗装面の下側からの錆の発生・成長をも検討するためである。
上記のように準備した、本実施例の水性防食塗装が形成されている試験片、比較例1、比較例2の防食塗装が形成されている試験片それぞれの表面に×の傷を付け、上述した試験片準備のときと同じく、実環境下での防錆能の確認を目的として、千葉県の太平洋沿岸に設置して、4カ年間、暴露して錆びさせた。いずれの試験片にも、防食塗装形成後、「×」の傷を付けたのは、塗装面からの錆の発生・成長だけでなく、傷を付けた個所である塗装面の下側からの錆の発生・成長をも検討するためである。
(本実施例の水性防食塗装による防食性能の検討結果)
図1の写真が、本実施例の水性防食塗装が形成されていた試験片の実環境下での暴露4カ年目の状態である。
図1の写真が、本実施例の水性防食塗装が形成されていた試験片の実環境下での暴露4カ年目の状態である。
図2の写真が、比較例1の防食塗装が形成されていた試験片の実環境下での暴露4カ年目の状態である。
図3の写真が、比較例2の防食塗装の形成れていた試験片の実環境下での暴露4カ年目の状態である。
下塗り塗料、中塗り塗料、上塗り塗料のいずれにも、従来から使用されている、揮発性有機物質が原料・組成に含まれている、溶剤系の下塗り塗料・中塗り塗料・上塗り塗料を用いて、下塗り、中塗り、上塗りをそれぞれ行って防食塗装を形成した比較例1(図2の写真)が、最も、錆の発生・成長が激しかった。
この実施例で準備した水性下塗り塗料と、従来から使用されている、揮発性有機物質が原料・組成に含まれている、溶剤系の中塗り塗料と、従来から使用されている、揮発性有機物質が原料・組成に含まれている、溶剤系の上塗り塗料を用いて防食塗装を形成した比較例2(図3の写真)では、比較1に比較すると錆の発生・成長をかなり抑制できていることを確認できた。
下塗り塗料、中塗り塗料、上塗り塗料のいずれにも、従来から使用されている、揮発性有機物質が原料・組成に含まれている、溶剤系の下塗り塗料・中塗り塗料・上塗り塗料を用いて、下塗り、中塗り、上塗りをそれぞれ行って防食塗装を形成した比較例1と比較すると、溶剤系の下塗り塗料をこの実施例で準備した水性下塗り塗料に替えるだけでも錆の発生・成長を抑制する効果が発揮されることを確認できた。
この実施例で準備した水性下塗り塗料、ポリマーディスパージョン、水性一液型上塗り塗料を用い、本発明の方法により形成した実施例の水性防食塗装(図1の写真)は、錆の発生・成長をもっとも効果的に抑制できていることを確認できた。下塗り塗料、中塗り塗料、上塗り塗料のいずれにも、従来から使用されている、揮発性有機物質が原料・組成に含まれている、溶剤系の下塗り塗料・中塗り塗料・上塗り塗料を用いて、下塗り、中塗り、上塗りをそれぞれ行って防食塗装を形成した比較例1と比較したときに、錆の発生・成長を抑制できる効果は格段であった。また、比較例1と比較して十分な錆発生・成長抑制効果が認められた比較例2と比較しても、より一層優れた錆発生・成長抑制効果を発揮できることを確認できた。
すなわち、この実施例で準備した水性下塗り塗料からなる下塗り塗膜と、この実施例で準備した水性一液型上塗り塗料からなる上塗り塗膜とを備えている構成にし、更に、前記水性下塗り塗料によって下塗りが行われた後、前記水性一液型上塗り塗料による上塗りが行われる前に、この実施例で準備したポリマーディスパージョンの塗布が行われ、これが、前記下塗り塗膜と、前記上塗り塗膜との間に存在している実施例の水性防食塗装が、非常に優れた防錆効果を発揮できるものであることを確認できた。
これらの検討結果から、この実施例の水性防食塗装によれば、高い防錆効果が発揮され、例えば、塗替え周期の延伸等、塗替え塗装系の耐久性向上に貢献できると認められた。すなわち、鋼材に対する新規塗装の場合に限らず、塗替え塗装がなされる鋼材の表面に塗布した際に、高い防錆効果、耐久性向上が発揮できるものと認められた。
以上、この発明の実施形態・実施例を説明したが、本発明は上述した実施形態・実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の記載から把握される技術的範囲において種々に変更可能である。
Claims (2)
- セメントと炭酸カルシウムが1:1の質量比割合で混入された水硬性粉体と、液状の、エポキシ樹脂および当該エポキシ樹脂の硬化剤であるポリアミドアミンの混合物、または、
セメントと炭酸カルシウムが1:1の質量比割合で混入された水硬性粉体と、アクリル樹脂との混合物
に、更に、陰イオン吸着剤を混合した水性下塗り塗料からなる下塗り塗膜、
前記下塗り塗膜の上に形成されている、水性アクリル樹脂の固形分が44〜46質量%で分散しているポリマーディスパージョンからなる中塗り材、
前記中塗り塗膜の上に形成されている、水性アクリル樹脂をベースの樹脂とし、防錆顔料としてのリン酸亜鉛を含む水性一液型上塗り塗料からなる上塗り塗膜
が形成されてなる水性防食塗装。 - セメントと炭酸カルシウムが1:1の質量比割合で混入された水硬性粉体と、液状の、エポキシ樹脂および当該エポキシ樹脂の硬化剤であるポリアミドアミンの混合物、または、
セメントと炭酸カルシウムが1:1の質量比割合で混入された水硬性粉体と、アクリル樹脂との混合物
に、更に、陰イオン吸着剤を混合した水性下塗り塗料を用いて下塗りを行う工程と、
前記下塗り工程後、水性アクリル樹脂の固形分が44〜46質量%で分散しているポリマーディスパージョンを塗布する工程と、
その後、水性アクリル樹脂をベースの樹脂とし、防錆顔料としてのリン酸亜鉛を含む水性一液型上塗り塗料により上塗りを行う工程
とを備えている水性防食塗装方法。
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