JP2017013662A - 自転車用操向装置及びこれを備えた三輪自転車 - Google Patents

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Abstract

【課題】 乗員の容易なハンドル操作によって2つの前輪を左右に傾け旋回性を高めることができ、前輪間の操縦性に影響が少ない位置に大きなスペースを確保できる自転車用操向装置、及びこれを備えた旋回性と操縦性に優れる三輪自転車を提供することを目的とする。
【解決手段】 前二輪式自転車用の操向装置において、左右2つの独立したハンドルとハンドルシャフトを備え、さらにハンドルシャフト間に揺動自在に連結されたリンク機構を設けることにより、乗員がハンドルを傾斜させることで対称性を保ちながら安定して2つの前輪を旋回方向の内側に傾斜でき、旋回性を高めることができる。
また、前輪間の中心にハンドルシャフトが起立していないため、静的安定領域内の低い位置に大きなスペースを確保することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、前二輪式自転車用の操向装置に関する。特に、前二輪式三輪自転車に適した操向装置に関する。
近年、高齢者や子供連れの母親にとって安全で扱いやすく環境にも優しい乗り物として、三輪自転車が注目されている。
従来からある三輪自転車としては、乗員がサドルに腰掛け両足で交互にペダルを踏み込みクランクアームを回転させて駆動する一般的な二輪自転車の構造を基本に、後輪部分又は前輪部分を二輪式に改装して、2つの車輪の間に荷台やチャイルドシートを設置したものが知られている。
しかし、従来の後二輪式三輪自転車は、大きな荷重が掛かる左右2つの踏み込みペダルが、1つの前輪と2つの後輪の接地点を結んだ三角形の内側(静的安定領域)のやや外側に位置するため、ペダルの踏み込み時に横転しやすく安定性に劣る問題があった。
また、2つの後輪を支持するフレーム構造が固定的で後輪やフレームを傾ける機構が十分ではないため、旋回時の車体の適度な傾斜や乗員の円滑な重心移動が難しく、遠心力の影響を受け安定性や旋回性が悪かった。
一方、従来の前二輪式三輪自転車は、後二輪式三輪自転車と比較して安定性に優れ横転しにくい構造ではあるものの、前輪操向部の構造が一般的な二輪自転車と同様で前輪間に設置した荷台やシートの位置が高く前方にも突出しているため、前輪荷重時にハンドルが取られやすく操縦性に劣る問題があった。
また、2つの前輪を支持するフレーム構造が固定的で前輪やフレームを傾ける機構が十分ではないため、上記の後二輪式三輪自転車と同様に安定性や旋回性が悪かった。
そこで、構造的に安定性に優れた前二輪式三輪自転車の前輪操向部に、2つの前輪を左右に傾ける機構を設けて走行安定性を向上させた前二輪式三輪自転車が開発されている。
例えば特許文献1には、2つの前輪が2つのサイドポストと高さ方向に重なって配置されて重心が低く、2つのサイドポスト間に上下2つの揺動アームを連結して2つの前輪を左右に傾ける機構を設け、走行時や乗降車時の安定性を向上させた三輪自転車が開示されている。
特開2010−163145号公報
しかしながら、上記の前二輪式三輪自転車は、傾斜面の走行(バンク走行)時の安定性を向上させるためにサイドポストの傾きに連動して前輪が傾く機構を設けたものであり、乗員が能動的にハンドル操作して2つの前輪を左右に傾け、旋回性や小回り性を向上させるものではない。
また、従来の前二輪式三輪自転車と同様に前輪間の中心にハンドルバーが連結されたハンドルシャフトが起立しているため、静的安定領域内の低い位置に荷台やシートを設置するための十分なスペースを確保することができない。
本発明では、乗員の容易なハンドル操作によって2つの前輪を左右に傾け旋回性や小回り性を高めることができ、前輪間の安定性や操縦性に影響が少ない位置に大きなスペースを確保できる前二輪式自転車用操向装置、及びこの自転車用操向装置を備え、走行安定性や旋回性に優れる三輪自転車を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため本発明の自転車用操向装置は、操向用の左右2つのハンドルと、自転車のフレームの前部で前方に延出した操向部支持フレームと、該操向部支持フレームを挟んで左右に配置された2つのハンドルシャフトと、該2つのハンドルシャフトの外側に配置された左右2つの前輪と、前記2つのハンドルの下端部に外端部が連結され前記2つのハンドルシャフトの上端部に内端部が連結された左右2つのハンドルクランクと、前記操向部支持フレームの上部に中心部が揺動自在に連結された上部リンクと、該上部リンクの両端部に揺動自在に連結され前記2つのハンドルシャフトの上部を回動自在に支承する左右2つの上部軸受けと、前記操向部支持フレームの下部に内端部が揺動自在に連結された左右2つの下部リンクと、該下部リンクの外端部に揺動自在に連結され前記2つのハンドルシャフトの下部を回動自在に支承する左右2つの下部軸受けと、前記2つのハンドルシャフトの下端部に連結され前記2つの前輪を回転自在に軸支する左右2つの前輪支持部材と、前記2つのハンドルシャフトの間に連結されたタイロッドと、を備えた自転車用操向装置である。
本発明の自転車用操向装置は、横転しにくい前二輪式とハンドルシャフトの下端部に前輪が軸支された低重心の構成により、自転車の走行安定性が向上する。
これに加えて、左右2つのハンドルシャフト間に揺動自在に連結された上部リンク及び左右2つの下部リンクから構成されるリンク機構を備えており、旋回時に両手で左右2つのハンドルを旋回方向の内側に傾けることによって、対称性を保ちながら安定して左右2つの前輪を旋回方向の内側に傾けることができ、自転車の旋回性や小回り性が向上する。
さらに、左右2つの独立したハンドル及びハンドルシャフトを備えることにより、前輪間の静的安定領域内の低い位置に荷台やシートを設置するための大きなスペースを確保することができる。
また、本発明の自転車用操向装置において、左右2つのハンドルを上方に向かって延伸させてもよい。これにより、上記のハンドル操作による前輪傾斜を、両手でバランスを取りながら旋回時の重心移動を利用してより効果的に行うことができる。
さらに、本発明の自転車用操向装置において、左右2つのハンドル又は左右2つのハンドルシャフトを、上方に向かうに従って互いの間隔が狭まるように内傾斜して支承してもよい。これにより、車幅の拡大を抑制しながら、一定のハンドルクランク長を維持し、ハンドル間の下方に大きなスペースを確保することができる。
また、本発明の三輪自転車は、足置きスペースが設けられたフレームと、駆動用の1つの後輪と、本発明の自転車用操向装置と、を備えた三輪自転車である。
本発明の三輪自転車は、本発明の自転車用操向装置を備えているため、横転しにくく低重心であり走行安定性に優れている。また、旋回時に足置きスペースにおいた片足を軸足にして上記のハンドル操作による前輪傾斜を効果的に行うことができ、旋回性や小回り性に優れている。
さらに、本発明の三輪自転車において、左右2つのハンドルの間に荷台又はシートを備え、該荷台の積載時又は該シートの着座時の荷重点を、左右2つの前輪の接地点を結ぶ直線よりも後輪側に位置させてもよい。これにより、重量物の積載時や乗員の着座時にも、ハンドルを取られることが少なく良好な走行安定性と操縦性を維持することができる。
本発明の自転車用操向装置によれば、前二輪式と低重心の構成により自転車の走行安定性が向上する。また、容易なハンドル操作により前二輪を旋回方向内側に傾斜できるため自転車の旋回性が向上する。さらに、左右2つの独立したハンドルとハンドルシャフトを備えるため前輪間の操縦性に影響が少ない位置に大きなスペースを確保できる
また、本発明の三輪自転車は、上記自転車用操向装置を備えているため走行安定性や操縦性に優れている。さらに、ハンドル操作による前輪傾斜を効果的に行うことができるため旋回性にも優れている。
本発明の自転車用操向装置を備えた三輪自転車を示す正面図である。 本発明の自転車用操向装置を備えた三輪自転車を示す平面図である。 自転車用操向装置の上下リンク連結部周辺の構造を示す右側面図である。 自転車用操向装置のタイロッド連結部周辺の構造を示す平面図である。 本発明の三輪自転車のハンドルを傾斜させた状態を示す正面図である。 本発明の三輪自転車が段差に乗り上げた状態を示す正面図である。 本発明の三輪自転車にパッセンジャーシートを装着した形態を示す右側面図である。 本発明の三輪自転車にパッセンジャーシートを装着した形態を示す平面図である。
本発明の自転車用操向装置及びこれを備えた三輪自転車の実施形態について、以下図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明はこれらの実施形態によって限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
また、説明が省略されている構造、材質、製法等については、当該技術分野の当業者に知られたものであってよく、例えば一般的な二輪自転車の構造、材質、製法等と同一又は実質的に同一のものとすることができる。
本明細書においては、本発明の自転車用操向装置を備えた三輪自転車の前進方向を基準とし、前進方向を前、その反対方向を後、左方向を左、右方向を右、重力方向を下、その反対方向を上として、その位置や方向を説明する。また、前進時の駆動輪の回転方向を正回転、その反対方向の回転を逆回転とする。さらに、各図において同一符号は同一又は同等の構成要素を表しており、重複する説明を省略する。
図1は本発明の一実施形態である自転車用操向装置1を備えた立ち乗り式三輪自転車4を正面から見た正面図であり、図2は上方から見た平面図である。
また、図3は自転車用操向装置1の上下リンク連結部の周辺を図1中のA−A線側から見た右側面図であり、図4は自転車用操向装置1のタイロッド連結部の周辺を図3中のB−B線側から見た平面図である。なお、図面を分かりやすくするために一部の構造を省略して図示している。
図1、図2及び図3に示すように本実施形態において自転車用操向装置1は、平行する左右2つのサイドフレーム10L、10Rの前端部に、門型のフロントフレーム11が架設された自転車のフレーム体の前部に組み付けられている。
そして、フロントフレーム11の梁部に前方に直角に延伸する左右一対の平板状部材からなる操向部支持フレーム12が固設されている。
操向部支持フレーム12の前端部には、角柱状部材が前方に向かって約10°の傾斜角で狭装されボルトとナットで締結固定されており、操向部支持フレーム12の前端部上面に上部リンク連結部13が突設され、前端部下面に下部リンク連結部14が突設された構造となっている。上部リンク連結部13の中央には前後方向に貫通する軸孔が設けられ滑り軸受けが嵌入され、下部リンク連結部14の左右両側には前後方向に貫通する2つの軸孔が設けられ各々滑り軸受けが嵌入されている。
上部リンク15は前後一対の平板状部材から形成され、その中央部と両端部に軸孔が設けられている。上部リンク15はその中央部が上部リンク連結部13を挟んで前後に配設され、連通した軸孔に連結用ボルトが挿通されナットで締結され、上部リンク15の中央部と上部リンク連結部13が揺動自在に連結されている。
また、左右2つの下部リンク16L、16Rは、各々、前後一対の平板状部材から形成され、その両端部に軸孔が設けられている。下部リンク16Lの内端部が下部リンク連結部14の左側を、下部リンク16Rの内端部が下部リンク連結部14の右側を挟んで前後に配設されている。その連通した軸孔に連結用ボルトが挿通されナットで締結され、下部リンク16L、16Rの内端部が下部リンク連結部14の左右両側に揺動自在に連結されている。
2つの前輪を左右に傾けるリンク機構が同一形状で等長の上部リンクと下部リンクから構成されていると、上部リンクと下部リンクの加工や組立に厳密な精度が要求され、加工や組立に問題があるとリンク機構が安定して動作せず、ハンドル操作による前輪傾斜が困難になる問題があった。本実施形態のように、上部リンクと下部リンクを不等長にして下部リンクを2分割することにより、上部リンク及び下部リンクの加工や組立に厳密な精度が要求されず、製造コストが低減されリンク機構の信頼性も向上する。
なお、上部リンク及び下部リンクの形状は本実施形態に限定されず、1つ又は前後一対の好適な形状を持つ平板状部材、パイプ状部材、直棒状部材等から形成されてもよい。また、下部リンク連結部と左右2つの下部リンク内端部との連結は、左右2箇所に分割せず同軸に重ねて連結してもよい。
左右2つの上部軸受け17L、17R及び下部軸受け18L、18Rは、各々、略直方体部材から形成されている。その基部には上下方向に貫通する軸孔が設けられ転がり軸受けが嵌入されており、内端部には前後方向に貫通する軸孔が設けられ滑り軸受けが嵌入されている。
そして、前後一対の平板状部材から形成される上部リンク15の両端部の間に左右2つの上部軸受け17L、17Rが挟装され、連通した軸孔に連結用ボルトが挿通されナットで締結され、上部リンク15の両端部と上部軸受け17L、17Rの内端部が揺動自在に連結されている。
また、前後一対の平板状部材から形成される左右2つの下部リンク16L、16Rの外端部の間に左右2つの下部軸受け18L、18Rが挟装され、連通した軸孔に連結用ボルトが挿通されナットで締結され、下部リンク16L、16Rの外端部と下部軸受け18L、18Rの内端部が揺動自在に連結されている。
左右2つのハンドルシャフト19L、19Rは、操向部支持フレーム12を挟んで左右に配置されている。ハンドルシャフト19L、19Rの上部は上部軸受け17L、17Rの上下方向の軸孔に嵌挿され回動自在に支承されており、ハンドルシャフト19L、19Rの下部は下部軸受け18L、18Rの上下方向の軸孔に嵌挿され回動自在に支承されている。
すなわち、ハンドルシャフト19L、19Rの上部が上部軸受け17L、17Rを介して上部リンク15の両端部に、軸心回りに回動自在に且つ左右方向に揺動自在に支承されている。また、ハンドルシャフト19L、19Rの下部が下部軸受け18L、18Rを介して下部リンク16L、16Rの外端部に、軸心回りに回動自在に且つ左右方向に揺動自在に支承されている。
なお、左右2つのハンドルシャフトと上部リンク及び左右2つの下部リンクとの連結形態は、ハンドルシャフトを軸心回りに回動自在に且つ左右方向に揺動自在に支承できればよく、上記の実施形態に限定されない。
例えば、左右2つのパイプ状部材の上部と下部に転がり軸受けを嵌入し、その連通孔に左右2つのハンドルシャフトを嵌挿して軸心回りに回動自在に支承し、さらにパイプ状部材の上部と上部リンクの両端部、及びパイプ状部材の下部と左右2つの下部リンクの外端部とを左右方向に揺動自在に連結した形態でもよい。
次に、左右2つのハンドルクランク20L、20Rは、上下一対の平板状部材の両端部に連結孔を設け、その連結孔に2本のパイプ状部材を貫入溶接して形成されている。
ハンドルクランク20L、20Rの内端部には、ハンドルシャフト19L、19Rの上端部が嵌合され固定されている。
また、ハンドルクランク20L、20Rの外端部には、上方に延伸する左右2つのハンドル21L、21Rの下端部が嵌合され、上下方向に位置調整可能に固定されている。
左右2つのハンドル21L、21Rはパイプ状部材からなり、後方に向かってやや斜め上方に延伸し、その中央部付近でやや屈曲して上部がほぼ垂直に延伸した略くの字型に形成されている。その上部には、左右2つの樹脂製のグリップ22L、22Rと、左右2つのブレーキレバー23L、23Rが装着されている。本実施形態の立ち乗り式三輪自転車4では、ハンドル21L、21Rの高さ調整のみで子供から大人まで乗車が可能である。
なお、ブレーキレバー23L、23R以外のブレーキ機構及び泥よけは、図面を分かりやすくするために省略している。
ここで、左右2つの上部軸受け17L、17Rの軸間距離は、左右2つの下部軸受け18L、18Rの軸間距離よりも狭く、ハンドルシャフト19L、19Rは、上方に向かうに従い互いの間隔が狭まるように約8°の内傾斜角を持たせて支承されている。
これに平行して、ハンドル21L、21Rも、上方に向かうに従い互いの間隔が狭まるように約8°の内傾斜角を持たせてハンドルクランク20L、20Rに支持されている。
ハンドルクランクはハンドルによる前輪の操向操作時にテコの働きをすることから、円滑な操向操作のためには一定の長さが必要である。本実施形態のようにハンドル及びハンドルシャフトの両方又は一方を内傾斜させることで、車幅の拡大を抑えながら一定のクランク長を確保することができ、さらには2つのハンドル間の下部に荷台やシートを設置するための広いスペースを確保することができる。本実施形態では車幅を600mm以内に抑えながら、120mmのクランク長を確保し、さらにはハンドル間へのパッセンジャーシートの設置を可能としている。
さらに、本実施形態において自転車用操向装置1は、直立姿勢を保持して走行性や操縦性を安定させるための姿勢保持機構を備えている。
操向部支持フレーム12の前端部上面に突設された上部リンク連結部13の上面には、さらに戻しバネ固定部24が連設され、その中央に前後方向に貫通する連結孔が設けられている。
取付ブラケット25は前後一対の平板状部材から形成され、その中央部と両端部に連結孔が設けられている。取付ブラケット25はその中央部が戻しバネ固定部24を挟んで前後に配設され、連通した連結孔に固定用ボルトが挿通されナットで締結固定されている。
また、前後一対の平板状部材から形成される上部リンク15には、中央の軸孔を挟んで左右両側にさらに2つの軸孔が設けられている。
左右2つの戻しバネ26L、26Rはコイルバネからなり、左右方向の揺動を適度に抑制して安定した操作感を付与する好適なバネ定数を有している。
左右2つの上ホルダー27L、27Rは下向きに開口したカップ状に形成され、その内部に戻しバネ26L、26Rの上端部が固定され、その上部には前後方向に貫通する連結孔が設けられている。
また、左右2つの下ホルダー28L、28Rは上向きに開口したカップ状に形成され、その内部に戻しバネ26L、26Rの下端部が固定され、その下部には前後方向に貫通する軸孔が設けられている。
そして、前後一対の平板状部材から形成される取付ブラケット25の両端部の間に、上ホルダー27L、27Rの上部が挟装され、連通した連結孔に固定用ボルトが挿通されナットで締結され固定されている。
また、前後一対の平板状部材から形成される上部リンク15の中央の軸孔を挟んで左右両側に、下ホルダー28L、28Rの下部が挟装され、連通した軸孔に連結用ボルトが挿通されナットで締結され揺動自在に連結されている。
次に、ハンドルシャフト19L、19Rの下端部には、左右2つの前輪支持部材29L、29Rが連結固定されている。
図4に示すように前輪支持部材29L、29Rの後部には、後方に向かって延伸する左右2つのタイロッド連結部30L、30Rが固設され、タイロッド31の両端部がボールジョイントを介してタイロッド連結部30L、30Rに揺動可能に連結されている。
なお、左右2つのハンドルシャフトとタイロッドとの連結形態は、ハンドルの操向操作により左右2つの前輪を連動してスムーズに転向できればよく、上記の実施形態に限定されない。例えば、左右2つのハンドルクランクにタイロッド連結部を設けて、タイロッドの両端部を揺動可能に連結してもよい。
また、ハンドルクランク20L、20Rの外端部には、前方に向かって斜め下方向に延伸する左右2つのフロントフォーク32L、32Rが固設されている。
左右2つの前輪33L、33Rは、各々、前輪支持部材29L、29Rとフロントフォーク32L、32Rの下端部との間に配置され、そのハブ軸(固定軸)34L、34Rの両端がナットで締結固定されている。左右2つの前輪33L、33Rのハブ体35L、35Rは、その軸孔に貫挿されたハブ軸34L、34Rにより、転がり軸受けを介して回転自在に軸支されている。
本実施形態のように、ハンドルシャフト19L、19Rの下端部と略同じ高さに前輪33L、33Rを軸支することにより、自転車全体の重心を低くすることができ、走行安定性や乗降性を向上させることができる。
なお、本実施形態の立ち乗り式三輪自転車4における前輪のハブ軸、ハブ体、スポーク、リム、タイヤなどの構造は、一般的な二輪自転車における前輪の構造と同様である。
上記の構成により本発明の自転車用操向装置1は、前輪33L、33Rの操向機構に加えて、ハンドルシャフト19L、19Rの間に揺動自在に連結された上部リンク15及び下部リンク16L、16Rから構成される略台形のリンク機構を備えている。
本発明の自転車用操向装置1を備えた立ち乗り式三輪自転車4では、操向時にハンドル21L、21Rを左右に操向すると、ハンドルクランク20L、20Rのテコの働きにより操向軸であるハンドルシャフト19L、19Rが軸心回りに左右に回動し、タイロッド31で連結された前輪33L、33Rが連動して左右に転向する。
この操向時の前輪33L、33Rの転向に加えて、旋回開始時又は旋回中に乗員が両手でハンドル21L、21Rを旋回方向の内側に傾斜させると、リンク機構により対称性を保ちながら左右2つの前輪33L、33Rを旋回方向の内側に傾斜させることができ、旋回性や小回り性を向上させることができる。
ここで図5は、本発明の自転車用操向装置1を備えた立ち乗り式三輪自転車4のハンドルを左側に傾斜させたときの状態を、前方からみた正面図である。
図5に示すようにハンドル21L、21Rを左側に傾斜させると、ハンドルクランク20L、20Rを介してハンドル21L、21Rに固結されているハンドルシャフト19L、19Rと、前輪支持部材29L、29Rを介してハンドルシャフト19L、19Rに軸支されている前輪33L、33Rが左側に傾斜する。
これに従動して、ハンドルシャフト19L、19Rの上部に上部軸受け17L、17Rを介して揺動自在に連結された上部リンク15が、上部リンク連結部13を支点に右回りに揺動する。また、ハンドルシャフト19L、19Rの下部に下部軸受け18L、18Rを介して揺動自在に連結されている下部リンク16L、16Rが、下部リンク連結部14を支点に右回りに揺動する。
このリンク機構の補助動作により、左右2つの前輪33L、33Rを、対称性を保ちながら安定して傾斜させることができる。
なお、上部リンク15が上部リンク連結部13を支点に右回りに揺動すると、上部リンク15の左側に揺動自在に連結された下ホルダー28Lと、取付ブラケット25の左側に連結固定された上ホルダー27Lとの間に固定された戻しバネ26Lが、上方向に圧縮される。また、上部リンク15の右側に揺動自在に連結された下ホルダー28Rと、取付ブラケット25の右側に連結固定された上ホルダー27Rとの間に固定された戻しバネ26Rが、下方向に伸張される。
ハンドル21L、21Rを傾斜姿勢から戻そうとすると、これらの戻しバネ26L、26Rの反発力が付勢力となりスムーズに直立姿勢に復帰することができる。
通常、自転車の旋回時に乗員は、遠心力による旋回方向外側への転倒を防ぐため、自然に旋回方向内側に重心を移動させようとするが、上記のハンドル操作による前輪傾斜はこの原理を利用したものである。
本実施形態のように左右2つのハンドルが、上方に向かって略直線状に延伸しグリップの端面が上方を向いているスティック型であると、旋回時に乗員が両手でバランスを取り易くこの操作をより効果的に行うことができる。
また、左右に段差や傾斜がある路面を走行する際に、左右2つの前輪33L、33Rの接地点に高さ方向の差異が生じると、リンク機構の天秤動作により車体が大きく傾くことなく走行安定性が向上する。
ここで図6は、本発明の自転車用操向装置1を備えた立ち乗り式三輪自転車4が、路面の左側にある段差に乗り上げた状態を前方からみた正面図である。
図6に示すように左側の前輪33Lが段差に乗り上げ上方に突き上げられると、前輪支持部材29Lを介して前輪33Lを軸支しているハンドルシャフト19Lと、ハンドルクランク20Lを介してハンドルシャフト19Lに固結されているハンドル21Lも上方に突き上げられる。
これに従動して、下部リンク16L及び上部リンク15を介してハンドルシャフト19Lに連結されている操向部支持フレーム12の前部が少し上方に持ち上がると共に、上記と同様に、上部リンク15が上部リンク連結部13を支点に右回りに揺動し、下部リンク16L、16Rが下部リンク連結部14を支点に右回りに揺動する。
このリンク機構の天秤動作により、2つの前輪33L、33R間の高さ方向の差異の大部分が吸収されるため、車体が大きく傾くことなく直立走行を維持することができる。
さらに、図1及び図2に示すように本発明の立ち乗り式三輪自転車4は、平行する左右2つのサイドフレーム10L、10Rの中央部に架設されたステップフロア40と、ペダル41を上下に踏み込み後輪(駆動輪)42を回転駆動する1ペダルの片足踏み込み式の駆動装置を備えている。
前記のハンドル操作による前輪傾斜は、軸足があるとバランスが取り易く重心移動がし易くなるため、足置きスペースを有するフレームを備えた自転車において効果的に行うことができる。さらに、単一ペダルの片足踏み込み式の駆動装置を備えた自転車においてより効果的に行うことができる。
次に、図7は本発明の一実施形態である自転車用操舵装置1とパッセンジャーシートを備えた立ち乗り式三輪自転車4を右側から見た側面図であり、図8は上方から見た平面図である。
図7及び図8に示すようにパッセンジャーシートは、自転車用操舵装置1のハンドル21L、21Rの間で、ハンドルシャフト19L、19Rの直上に設置されている。
フロントフレーム11の左右2本の支柱の上端部には、左右2つの逆L字型の板状部材からなる取付ステー43L、43Rが前方に向かって延設されており、この取付ステー43L、43Rとパッセンジャーシートの座面とがボルトとナットで締結され、自転車のフロントフレーム11の上部にパッセンジャーシートが固定されている。
本発明の自転車用操向装置1を備えた立ち乗り式三輪自転車4は、左右2つの独立したハンドルシャフト19L、19R及びハンドル21L、21Rを備えているため、従来の前二輪式三輪自転車のようにフレームの前部で車体の幅方向の中心にハンドルバーが連結固定されたハンドルシャフトが起立していない。そのため、前輪間の安定性や操縦性に影響が少ない位置に荷台やシートを設置することができる。
具体的には、左右2つのハンドル21L、21R間でハンドルシャフト19L、19R直上の低い位置であり、且つ、乗客が自然な姿勢で着座した場合のシート単体の荷重点や、荷物を荷台の中心に積載した場合の荷台単体の荷重点が、左右2つの前輪33L、33Rの接地点を結ぶ直線Cよりも後方となる位置、即ち、2つの前輪と1つの後輪の接地点を結んだ三角形の内側(静的安定領域)となる位置に設置できる。これにより、前輪操向部に大きな荷重が掛かる乗客のシート着座時や荷物の荷台積載時にもハンドルが取られることが少なく、良好な操縦性と旋回性を維持することができる。
本発明の立ち乗り式三輪自転車では、むしろ乗客のパッセンジャーシート着座時や重量物の荷台積載時の方が、車体の低い位置の静的安定領域内にウエイトを積載した状態となり、車体の静的安定性や走行安定性に寄与するものである。
なお、本発明の自転車用操向装置1を備える自転車は、本実施形態によって限定されるものではなく種々の変更が可能である。
例えば、自転車用操向装置1は四輪自転車にも用いることもでき、またサドルを備える自転車や2ペダルの両足踏み込み式駆動装置を備える自転車に用いてもよい。さらに、人力駆動による自転車だけでなく人力をアシストする動力源を備える自転車に用いてもよい。
1・・・自転車用操向装置、10L,10R・・・サイドフレーム、11・・・フロントフレーム、12・・・操向部支持フレーム、13・・・上部リンク連結部、14・・・下部リンク連結部、15・・・上部リンク、16L,16R・・・下部リンク、17L,17R・・・上部軸受、18L,18R・・・下部軸受、19L,19R・・・ハンドルシャフト、20L,20R・・・ハンドルクランク、21L,21R・・・ハンドル、22L,22R・・・グリップ、23L,23R・・・ブレーキレバー、24・・・戻しバネ固定部、25・・・取付ブラケット、26L,26R・・・戻しバネ、27L,27R・・・上ホルダー、28L,28R・・・下ホルダー、29L,29R・・・前輪支持部材、30L,30R・・・タイロッド連結部、31・・・タイロッド、32L,32R・・・フロントフォーク、33L,33R・・・前輪、34L,34R・・・前輪のハブ軸、35L,35R・・・前輪のハブ体。
4・・・立ち乗り式三輪自転車、40・・・ステップフロア、41・・・ペダル、42・・・後輪(駆動輪)、43L,43R・・・取付ステー、C・・・2つの前輪の接地点を結ぶ直線。

Claims (5)

  1. 操向用の左右2つのハンドルと、自転車のフレームの前部で前方に延出した操向部支持フレームと、該操向部支持フレームを挟んで左右に配置された2つのハンドルシャフトと、該2つのハンドルシャフトの外側に配置された左右2つの前輪と、前記2つのハンドルの下端部に外端部が連結され前記2つのハンドルシャフトの上端部に内端部が連結された左右2つのハンドルクランクと、前記操向部支持フレームの上部に中心部が揺動自在に連結された上部リンクと、該上部リンクの両端部に揺動自在に連結され前記2つのハンドルシャフトの上部を回動自在に支承する左右2つの上部軸受けと、前記操向部支持フレームの下部に内端部が揺動自在に連結された左右2つの下部リンクと、該下部リンクの外端部に揺動自在に連結され前記2つのハンドルシャフトの下部を回動自在に支承する左右2つの下部軸受けと、前記2つのハンドルシャフトの下端部に連結され前記2つの前輪を回転自在に軸支する左右2つの前輪支持部材と、前記2つのハンドルシャフトの間に連結されたタイロッドと、を備えた自転車用操向装置。
  2. 左右2つのハンドルが上方に向かって延伸している請求項1に記載の自転車用操向装置。
  3. 左右2つのハンドル又は左右2つのハンドルシャフトが、上方に向かうに従って互いの間隔が狭まるように内傾斜して支承されている請求項2に記載の自転車用操向装置。
  4. 足置きスペースを有するフレームと、駆動用の1つの後輪と、請求項1から3のいずれかに記載の自転車用操向装置と、を備えた三輪自転車。
  5. さらに、左右2つのハンドルの間に荷台又はシートを備え、該荷台の積載時又は該シートの着座時の荷重点が、左右2つの前輪の接地点を結ぶ直線よりも後輪側に位置している請求項4に記載の三輪自転車。

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