JP2017013803A - 電子部品包装用カバーテープ - Google Patents

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Hiroki Abe
皓基 阿部
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Abstract

【課題】帯電防止性を維持しつつ、保存時の形状安定性に優れた包装体を形成することが可能な電子部品包装用カバーテープを提供する。
【解決手段】基材層と、前記基材層の一方の面側に設けられるシーラント層と、を有する電子部品包装用カバーテープであって、当該電子部品包装用カバーテープを用いて形成された長さ100mm、幅Tmmの試験片を作製し、前記試験片を60℃という条件下、24時間保存した後における前記試験片の幅をT24mmとしたとき、下記式(1)で算出される幅変化率の値が、80%以上である。
式(1):幅変化率={(T−T24)/T}×100
【選択図】なし

Description

本発明は、電子部品包装用カバーテープに関する。
従来、トランジスタ、ダイオード、コンデンサ、圧電素子レジスタ等の電子部品は、電子機器の製造現場において、当該電子部品を収納することが可能なポケットが連続的に形成されたキャリアテープと、上記キャリアテープにシールするカバーテープとからなる包装体に収容して熱シール処理を施した後、紙製或いはプラスチック製のリールに巻かれた状態で、電子回路基板等に表面実装を行う作業領域まで搬送されている。そして、かかる電子部品は、上述した作業領域内で上記包装体のカバーテープを剥離した後、キャリアテープに形成された上記ポケットから取り出され、電子回路基板等に表面実装されることとなる。上記電子部品については、近年の電子機器の小型化に伴って、さらなる小型化、高度実装化が要求されている。そのため、近年の電子部品は、これまで以上に静電気による影響を受けやすくなってきている傾向にある。
こうした事情に鑑みて、近年、電子部品を搬送するために使用するカバーテープについても、後述する種々の特性を向上させることが要求されてきた。第1にカバーテープに要求される特性は、キャリアテープとの接着性と、キャリアテープから剥離する際に静電気の発生を防ぐことができる程度の剥離性とのバランスである。第2にカバーテープに要求される特性は、包装体の内部に収容した電子部品を検査することができる程度に必要な透明性である。第3にカバーテープに要求される特性は、搬送中にカバーテープと電子部品とが摩擦することにより生じる静電気、キャリアテープからカバーテープを剥離する際に生じる静電気、付着した埃や内容物から発生する静電気等により、包装体内に収容している電子部品が故障してしまうこと(静電破壊されること)を抑制できる程度に必要な帯電防止性である。特に、カバーテープの帯電防止性を向上させる技術については、これまでに種々の検討がなされてきた。
たとえば、特許文献1には、基材層と、帯電防止処理を施したヒートシール層とを有し、上記ヒートシール層側の平均表面粗さ(Ra)が特定の条件を満たすカバーテープが開示されている。
特開2005−225548号公報
上記背景技術の項に前述したように、従来のカバーテープにおいても、上述した3つの特性を向上させることについては、種々検討されてきた。しかしながら、近年カバーテープの各種特性について要求される技術水準は、ますます高くなっている。本発明者らは、従来のカバーテープに関し、以下のような課題を見出した。
具体的には、本発明者は、従来のカバーテープは、当該カバーテープを生産する際に端部が湾曲してしまう、すなわち、耳立ちが生じる等の不都合が生じることを知見した。そこで、本発明者は、従来のカバーテープを用いた場合に上述した不都合が生じる要因について鋭意検討した結果、基材層とそれ以外の層とを構成する樹脂材料の熱収縮率に差がある場合、ラミネート後の冷却工程において熱収縮率の高い樹脂が収縮することにより作製されたカバーテープの端部が湾曲してしまう(カールが生じる)可能性が高いことを見出した。そして、本発明者は、カールが生じたカバーテープを用いた包装体を用いて電子部品を搬送する際に、上記電子部品を上記包装体に収容した後にキャリアテープとカールしたカバーテープとの隙間が開き、キャリアテープに形成されたポケット内で収容した電子部品が回転してしまう、もしくは隙間から電子部品が飛散してしまう可能性があることも見出した。
そこで、本発明は、帯電防止性を維持しつつ、保存時の形状安定性に優れた包装体を形成することが可能な電子部品包装用カバーテープを提供する。
本発明者は、上記課題を達成するために鋭意研究を重ねた結果、当該電子部品包装用カバーテープを用いて形成された長さ100mmの試験片を60℃という条件下、24時間保存する前後での上記試験片の幅の変化量が少なければ少ないほど、良好な帯電防止性を維持しつつ、保存時の形状安定性に優れた包装体を形成することが可能であり、かつ電子部品の付着防止性に優れた包装体を実現するための設計指針として有効であるという知見を得て、本発明を完成させた。
本発明によれば、基材層と、
前記基材層の一方の面側に設けられるシーラント層と、
を有する電子部品包装用カバーテープであって、
当該電子部品包装用カバーテープを用いて形成された長さ100mm、幅Tmmの試験片を作製し、前記試験片を60℃という条件下、24時間保存した後における前記試験片の幅をT24mmとしたとき、下記式(1)で算出される幅変化率の値が、80%以上である電子部品包装用カバーテープが提供される。
式(1):幅変化率={(T−T24)/T}×100
本発明によれば、帯電防止性を維持しつつ、保存時の形状安定性に優れた包装体を形成することが可能な電子部品包装用カバーテープを提供できる。
本実施形態に係る電子部品包装用カバーテープをキャリアテープにシールした状態の一例を示す図である。
本実施形態に係る電子部品包装用カバーテープ(以下、「カバーテープ」とも示す。)は、基材層と、基材層の一方の面側に設けられるシーラント層と、を有するものである。そして、かかるカバーテープは、当該カバーテープを用いて形成された長さ100mm、幅Tmmの試験片を作製し、上記試験片を60℃という条件下、24時間保存した後における上記試験片の幅をT24mmとしたとき、下記式(1)で算出される幅変化率の値が、80%以上となるものである。こうすることで、帯電防止性を維持しつつ、保存時の形状安定性に優れた包装体を形成することが可能であり、かつ電子部品の付着防止性に優れたカバーテープを実現することができる。
式(1):幅変化率={(T−T24)/T}×100
まず、カバーテープの使用方法について、図1を参照して説明する。
図1に示すように、カバーテープ10は、電子部品の形状に合わせて凹状のポケット21が連続的に設けられたキャリアテープ20の蓋材として用いられる。具体的には、カバーテープ10は、キャリアテープ20のポケット21の開口部全面を覆うように、キャリアテープ20の表面に接着(例えば、ヒートシール)させて使用する。なお、後述においては、カバーテープ10と、キャリアテープ20とを接着して得られた構造体のことを、電子部品用の包装体100と称して説明する。
実際、電子機器の製造現場においては、以下の手順で電子部品用の包装体100を作製する。まず、キャリアテープ20のポケット21内に電子部品を収容する。次いで、キャリアテープ20のポケット21の開口部全面を覆うように、キャリアテープ20の表面にカバーテープ10を接着することで、電子部品が包装体100内に密封収容されてなる構造体を得ることができる。かかる電子部品を収容してなる構造体は、上記背景技術の項で述べたように、紙製或いはプラスチック製のリールに包装体100を巻いた状態で、電子回路基板等に表面実装を行う作業領域まで搬送される。上述したリールに包装体100を巻いた状態で電子部品を搬送する際、キャリアテープ20の底面20aは、カバーテープ10の表面10aと接触(摩擦)している。
本発明者は、従来のカバーテープは、当該カバーテープを生産する際に端部が湾曲してしまう、すなわち、耳立ちが生じる等の不都合が生じることを知見した。そこで、本発明者は、従来のカバーテープを用いた場合に上述した不都合が生じる要因について鋭意検討した結果、基材層とそれ以外の層とを構成する樹脂材料の熱収縮率に差がある場合、ラミネート後の冷却工程において熱収縮率の高い樹脂が収縮することにより作製されたカバーテープの端部が湾曲してしまう(カールが生じる)可能性が高いことを見出した。そして、本発明者は、カールが生じたカバーテープを用いた包装体を用いて電子部品を搬送する際に、上記電子部品を上記包装体に収容した後にキャリアテープとカールしたカバーテープとの隙間が開き、キャリアテープに形成されたポケット内で収容した電子部品が回転してしまう、もしくは隙間から収容した電子部品が飛散してしまう可能性があることも見出した。このように、従来のカバーテープは、キャリアテープと、カバーテープとからなる包装体の保存時の形状安定性という点に改善の余地を有していた。
本実施形態に係るカバーテープは、上述したように当該カバーテープを用いて形成された長さ100mm、幅Tmmの試験片を作製し、上記試験片を60℃という条件下、24時間保存した後における上記試験片の幅をT24mmとしたとき、下記式(1)で算出される幅変化率の値が特定の条件を満たすものである。こうすることで、カバーテープを生産する際に加熱処理や冷却処理を施したとしても、当該カバーテープの中央部と端部との間での熱収縮率に差が生じることを抑制し、結果としてカバーテープの端部が湾曲してしまう(カールが生じる、耳立ちが生じる)ことを防ぐことが可能である。そのため、本実施形態に係るカバーテープによれば、当該カバーテープを用いた包装体を用いて電子部品を搬送する際に、上記電子部品を上記包装体に収容した後にキャリアテープとカールしたカバーテープとの隙間から、キャリアテープに形成されたポケットから収容した電子部品が飛散してしまうことをも防ぐことが可能である。
式(1):幅変化率={(T−T24)/T}×100
本実施形態に係るカバーテープにおいて、上記式(1)で算出される幅変化率の値は、80%以上であるが、好ましくは、84%以上であり、さらに好ましくは、85%以上である。こうすることで、より一層保存時の形状安定性に優れた包装体を形成することが可能なカバーテープを実現することが可能となる。
本実施形態に係るカバーテープの幅は、好ましくは、1mm以上100mm以下であり、さらに好ましくは、2mm以上80mm以下であり、最も好ましくは、2mm以上50mm以下である。
以下、本実施形態に係るカバーテープを形成する各層の構成について詳説する。
<基材層>
基材層を構成する材料は、当該基材層に対して中間層やシーラント層を積層してカバーテープを作製する際や、キャリアテープに対してカバーテープを接着させる際に、カバーテープの使用時等に外部から加わる応力に耐えうることができる程度の機械的強度、キャリアテープに対してカバーテープを接着させる際に加わる熱履歴に耐えうることができる程度の耐熱性を有したものであればよい。また、基材層を構成する材料の形態は、特に限定されないが、加工が容易である観点から、フィルム状に加工されたものであることが好ましい。
基材層を構成する材料の具体例としては、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアクリレート系樹脂、ポリメタアクリレート系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ABS樹脂等が挙げられる。中でも、カバーテープの機械的強度を向上させる観点から、ポリエステル系樹脂が好ましく、ポリエチレンテレフタレートであるとさらに好ましい。また、カバーテープの機械的強度、柔軟性を向上させる観点から、ナイロン6を、基材層を構成する材料として用いてもよい。くわえて、基材層を構成する材料中には、帯電防止剤や滑材を含有させてもよい。
基材層は、上述した材料を含む単層フィルムにより形成してもよいし、上述した材料を各層に含む多層構造を有したフィルム、すなわち、多層フィルムを用いて形成してもよい。また、基材層を形成するために使用するフィルムの形態としては、未延伸フィルムであってもよいし、一軸方向又は二軸方向に延伸したフィルムであってもよいが、カバーテープの機械的強度を向上させる観点から、一軸方向又は二軸方向に延伸したフィルムであることが好ましい。
基材層の厚さは、好ましくは、5μm以上25μm以下であり、さらに好ましくは、9μm以上21μm以下である。基材層の厚さが上記上限値以下である場合、カバーテープの剛性が高くなりすぎず、シール後のキャリアテープに対して捻り応力がかかった場合であっても、カバーテープがキャリアテープの変形に追従し、剥離してしまうことを抑制することができる。また、基材層の厚さが上記下限値以上である場合、カバーテープの機械的強度を良好なものとすることができるため、キャリアテープからカバーテープを高速で剥離する場合であっても、カバーテープが破断してしまうことを抑制することができる。
基材層の全光線透過率は、好ましくは、85%以上であり、さらに好ましくは、90%以上である。こうすることで、カバーテープとキャリアテープとからなる包装体において、上記キャリアテープのポケット内に電子部品が正しく収容されているか否かを検査することができる程度に必要な透明性を付与することができる。言い換えれば、基材層の全光線透過率を上記下限値以上とすることにより、カバーテープとキャリアテープとからなる包装体の内部に収容した電子部品を、当該包装体の外部から視認して確認することが可能となる。なお、基材層の全光線透過率は、JIS K7105(1981)に準じて測定することが可能である。
<シーラント層>
本実施形態に係るカバーテープにおいて、シーラント層は、基材層における一方の面に設けられる層である。かかるシーラント層の表面は、上述した方法でカバーテープを使用する場合、キャリアテープと接触することになる。
シーラント層を構成する材料としては、ポリオレフィン系樹脂と、帯電防止剤とを含むものを使用することができる。かかるポリオレフィン系樹脂の具体例としては、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体およびエチレン−メタクリル酸エステル共重合体等が挙げられる。帯電防止剤の具体例としては、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、スメクタイト等の金属フィラー、ポリエーテル/ポリオレフィン共重合体、ポリエーテルエステルアミドブロック共重合体等の帯電防止樹脂、ポリオキシエチレンアルキルアミン、第四級アンモニウム、第四級アンモニウム塩基含有メタクリレート共重合体、第四級アンモニウム塩基含有マレイミド共重合体、ポリスチレンスルホン酸ソーダ、アルキルスルホネート等の界面活性剤、カーボンからなる群より選択される1種またはこれらの混合物が挙げられる。なお、上記カーボンとしては、カーボンブラック、ホワイトカーボン、カーボン繊維、カーボンチューブ等の炭素からなる種々の形状のフィラーを用いることができる。
シーラント層を構成する材料には、搬送中に生じるブロッキングを防止する観点から、ケイ素、マグネシウムまたはカルシウム等を主成分とする酸化物粒子、シリカ、タルク等の無機粒子、ポリエチレン粒子、ポリアクリレート粒子およびポリスチレン粒子等の有機粒子からなる群より選択される1種またはこれらのアロイが含まれていてもよい。
シーラント層の厚さは、キャリアテープに対する接着性と剥離性とのバランスを向上させる観点から、好ましくは、0.2μm以上35μm以下であり、さらに好ましくは、0.2μm以上30μm以下であり、最も好ましくは、0.2μm以上25μm以下である。
シーラント層の表面抵抗値は、種々の要因により発生した静電気を効率よく外部に放出させる観点から、23℃、15%RHの条件で10Ω/□以上1012Ω/□以下とすることが好ましい。
<帯電防止層>
本実施形態に係るカバーテープには、基材層におけるシーラント層が設けられた面とは反対側の面に帯電防止層が設けられていてもよい。かかる帯電防止層の表面は、上述したように、キャリアテープとカバーテープとからなる包装体に電子部品を収容して搬送する際に、キャリアテープの底面と接触する可能性を有している。
帯電防止層を形成する材料としては、エステル化合物を含む材料が挙げられる。以下、帯電防止層を形成する材料について説明する。
帯電防止層を形成する材料は、たとえば、キャリアテープの底面を形成する材料等の電子部品を収容して搬送する際に帯電防止層の表面と接触する対象物を形成する材料と比べて帯電列において正側に位置する「正の化合物」と、上記対象物を形成する材料と比べて帯電列において負側に位置する「負の化合物」とを含むものであることが好ましい。こうすることで、帯電防止層の表面が対象物と接触した際に、摩擦に伴う静電気の発生を抑制することができる。この理由は、帯電防止層の表面が対象物と接触した際に、当該帯電防止層を形成する材料に含まれる正の化合物が正極性に帯電する一方、負の化合物は負極性に帯電することになるため、帯電防止層内において電気的に中和することができるからである。
上述した正の化合物としては、たとえば、キャリアテープの底面を形成する材料等の電子部品を収容して搬送する際に帯電防止層の表面と接触する対象物を形成する材料がポリスチレン等を含む場合が多いことから、アジリジニル化合物とその開環化合物を含むものであることが好ましい。かかるアジリジニル化合物は、一般に、アジリジニル基を有する化合物のことを指し、その具体例としては、N,N´−ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−アジリジカルボキシアミド)、N,N´−ジフェニルメタン−4,4´−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)、トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート)、N,N´−トルエン−2,4−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)、トリエチレンメラミン、トリメチロールプロパン−トリ−β(2−メチルアジリジン)プロピオネート、ビスイソフタロイル−1−2−メチルアジリジン、トリ−1−アジリジニルフォスフィンオキサイド、トリス−1−2−メチルアジリジンフォスフィンオキサイド等が挙げられる。また、上記アジリジニル化合物として、日本触媒社製のケミタイトPZ−33、DZ−22E等の市販品を使用することもできる。なお、アジリジニル化合物の開環化合物は、アジリジニル化合物中のアジリジニル基が開環した状態にある化合物のことを指す。
上述した正の化合物の含有量は、帯電防止層を形成する材料全量に対して、0.2質量%以上98質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上90質量%以下であるとさらに好ましい。こうすることで、塗膜の物理的な強度が高まり接触による帯電防止剤の滑落に強くなる。
上述した負の化合物としては、たとえば、キャリアテープの底面を形成する材料等の電子部品を収容して搬送する際に帯電防止層の表面と接触する対象物を形成する材料がポリスチレン等を含む場合が多いことから、エステル化合物を含むものであることが好ましい。かかるエステル化合物とは、有機酸または無機酸とアルコールとが脱水反応により結合して生成した化合物のことを指し、その具体例としては、ポリエチレンテレフタラート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートやこれらの誘導体等が挙げられる。
上述した負の化合物の含有量は、帯電防止層を形成する材料全量に対して、0.2質量%以上98質量%以上であることが好ましく、0.5質量%以上90質量%以下であるとさらに好ましい。こうすることで、塗膜の物理的な強度が高まり接触による帯電防止剤の滑落に強くなる。
帯電防止層を形成する材料は、当該帯電防止層の表面抵抗値を低下させて摩擦に伴う静電気の発生を抑制する観点から、導電性ポリマーを含むことが好ましい。かかる導電性ポリマーの具体例としては、ポリアニリン、ポリピロール等が挙げられ、中でもポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(PEDOT/PSS)系の化合物を好適に用いることができる。
帯電防止層を形成する材料は、当該帯電防止層を形成する際の濡れ性やレベリング性を向上させる観点から、界面活性剤を含むことが好ましい。かかる界面活性剤は、低分子型の界面活性剤であっても、高分子型の界面活性剤であってもよいが、フッ素アルキル構造を含む界面活性剤を好適に用いることができる。
帯電防止層の摩擦帯電圧は、23℃、50%RHの条件下において、好ましくは、−2200V以上2200V以下であり、さらに好ましくは、−800V以上800V以下であり、最も好ましくは、−500V以上500V以下である。言い換えれば、帯電防止層の摩擦帯電圧の絶対値は、23℃、50%RHの条件下において、好ましくは、2200V以下であり、さらに好ましくは、800V以下であり、最も好ましくは、500V以下である。こうすることで、電子部品を搬送する際の振動により、キャリアテープの底面とカバーテープの表面とが接触して発生する帯電により、電子部品が静電破壊されてしまう、又は基盤実装時にトラブルを引き起こすという不都合が生じることを抑制できる。
<その他の層>
本実施形態に係るカバーテープは、基材層とシーラント層の間に中間層(図示せず)を設けてもよい。こうすることで、カバーテープ全体のクッション性を向上させるとともに、接着対象であるキャリアテープとの密着性を向上させることができる。
上述した中間層を形成する材料としては、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、環状オレフィン系樹脂等が挙げられる。中でも、接着対象であるキャリアテープとの密着性を向上させる観点から、オレフィン系樹脂を含むことが好ましい。
中間層の厚さは、接着対象であるキャリアテープとの密着性を向上させる観点から、好ましくは、10μm以上30μm以下であり、さらに好ましくは、15μm以上25μm以下である。
本実施形態に係るカバーテープは、基材層とシーラント層の間または基材層と帯電防止層の間に接着層を設けてもよい。こうすることで、カバーテープの機械的強度を向上させることができる。
上述した接着層を形成する材料には、樹脂が含まれている。かかる樹脂の具体例としては、ウレタン系のドライラミネート用接着樹脂、アンカーコート用接着樹脂等が挙げられ、一般に、ポリエステルポリオールやポリエーテルポリオールなどのポリエステル組成物とイソシアネート化合物とを組み合わせたもの等を使用することができる。
次に、本実施形態に係るカバーテープの製造方法について説明する。
本実施形態におけるカバーテープの製造方法は、従来の製造方法とは異なるものであって、後述する製造条件を高度に制御する必要がある。すなわち、以下の2つの条件に係る各種因子を高度に制御する製造方法によって初めて、当該カバーテープを用いて形成された長さ100mmの試験片を60℃という条件下、24時間保存する前後での、上記試験片の幅の変化率の値が、上述した特定の条件を満たすカバーテープを得ることができる。
(1)シーラント層を形成する材料と基材層を形成する材料との組み合わせ、
(2)基材層の一方の面にシーラント層を積層する際における、シーラント層を形成する材料の温度と、冷却温度のバランス
ただし、本実施形態におけるカバーテープは、上記2つの条件に係る各種因子を高度に制御することを前提に、たとえば、製造装置の温度設定などの具体的な製造条件は種々のものを採用することができる。言い換えれば、本実施形態におけるカバーテープは、上記2つの条件に係る各種因子を高度に制御すること以外の点については、公知の方法を採用して作製することが可能である。本実施形態におけるカバーテープは、上記2つの条件に係る各種因子を高度に制御することを前提に、基材層の一方の面にシーラント層を押出しラミネート法によって積層することにより作製することができる。なお、シーラント層は、グラビアコーターを用いて溶液製膜してもよい。
また、上述した中間層を形成する場合には、シーラント層を積層する前に基材層におけるシーラント層を形成する面に押出しラミネート法によって当該中間層を積層してもよい。
また、上述した接着層を形成する場合には、従来公知の塗布方法によって、対象となる面に接着層の材料を塗布すればよい。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
以下、本発明を実施例および比較例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例に係るカバーテープの製造>
基材層を形成する材料として、膜厚16μmのポリエチレンテレフタレート製(PET)フィルム(東洋紡社製、E5102)、中間層を形成する材料として、膜厚25μmの低密度ポリエチレン(LDPE)フィルムを準備した。PETフィルムにLDPEフィルムをポリウレタン系接着剤を介してラミネートし、80℃の乾燥炉を通して乾燥させた後に室温に冷却し、さらにシーラント層としてポリオレフィン系接着剤をグラビアコーティング法により膜厚1μmに製膜し、80℃の乾燥炉を通して乾燥させた後に室温に冷却することで、実施例のカバーテープを得た。
<比較例に係るカバーテープの製造>
基材層として、膜厚16μmのPETフィルム(東洋紡社製、E5102)の上に、中間層としてLDPEフィルムを押出ラミネート法により押出温度300℃で厚み20μmに製膜し、製膜した中間層の上にさらにエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)を押出ラミネート法により押出温度240℃で厚み5μmとなるように製膜し、比較例のカバーテープを得た。なお、押出ラミネート装置における冷却ロールの温度は、25℃に設定した。
以上の方法により、実施例及び比較例に係るカバーテープを作製した。得られたカバーテープの幅は、いずれも13.5mmであった。
実施例および比較例の各カバーテープを用いて、以下の評価を行った。
<評価方法>
・耐カール性:各カバーテープを用いて、長さ100mm、幅(T)13mmの試験片を作製した。次いで、試験片を60℃に熱したオーブン内に24時間静置保存した。その後、24時間静置保存した試験片の幅(T24)を測定し、下記式(1)で幅変化率の値を算出した。
式(1):幅変化率={(T−T24)/T}×100
・製造時の耳立ち:得られたカバーテープの外観形状を目視にて確認した。得られたカバーテープの端部に湾曲が生じていない(カールが生じていない、耳立ちが生じていない)ものを○、カバーテープの端部が湾曲している(カールが生じている、耳立ちが生じている)ものを×と判定した。
・部品の回転:紙性キャリアテープに対し、0603サイズのコンデンサを挿入し、5.3mm幅にスリットしたカバーテープを、ヒートシール温度190℃でヒートシールすることにより、包装体を作製した。次いで、得られた包装体をプラスチック製のリールに巻いた状態で搬送した。搬送後、包装体からカバーテープを剥離し、内部に収容してある電子部品の状態を目視にて確認し、上記電子部品が回転しているか否かを判定した。
○:包装体内で電子部品が回転していない。
×:包装体内で電子部品が回転していた。
上記評価項目に関する評価結果を以下の表1に示す。
Figure 2017013803
実施例のカバーテープは、製造時に耳立ちが生じなかったのに対し、比較例のカバーテープは、製造時に耳立ちが生じたものであった。そして、実施例のカバーテープは、帯電防止性を維持しつつ、保存時の形状安定性に優れた包装体を形成することが可能であり、かつ電子部品の付着防止性に優れたものであった。また、実施例のカバーテープを用いた包装体を用いて電子部品を搬送した場合にキャリアテープに形成されたポケット内で収容した電子部品が回転してしまうこともなかった。一方、比較例のカバーテープは、当該カバーテープを用いた包装体を用いて電子部品を搬送した場合にキャリアテープに形成されたポケット内で収容した電子部品が回転してしまうものであった。
10 電子部品包装用カバーテープ(カバーテープ)
10a カバーテープの表面(帯電防止層の表面)
20 キャリアテープ
20a キャリアテープの底面
21 ポケット
100 包装体

Claims (4)

  1. 基材層と、
    前記基材層の一方の面側に設けられるシーラント層と、
    を有する電子部品包装用カバーテープであって、
    当該電子部品包装用カバーテープを用いて形成された長さ100mm、幅Tmmの試験片を作製し、前記試験片を60℃という条件下、24時間保存した後における前記試験片の幅をT24mmとしたとき、下記式(1)で算出される幅変化率の値が、80%以上である電子部品包装用カバーテープ。
    式(1):幅変化率={(T−T24)/T}×100
  2. 前記シーラント層が、ポリオレフィン系樹脂と、帯電防止剤とを含む材料により形成されている、請求項1に記載の電子部品包装用カバーテープ。
  3. 前記基材層が多層構造を有している、請求項1または2に記載の電子部品包装用カバーテープ。
  4. 当該電子部品包装用カバーテープの幅が1mm以上100mm以下である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電子部品包装用カバーテープ。
JP2015129768A 2015-06-29 2015-06-29 電子部品包装用カバーテープ Pending JP2017013803A (ja)

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