JP2017014087A - 路盤材用造粒物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 石炭灰を原料とする路盤材から、ホウ素が溶出することを確実に抑制する。【解決手段】本発明の路盤材用造粒物1の製造方法は、石炭灰2を含む路盤材用造粒物1を造粒するに際しては、ポルトランドセメントまたは高炉セメントから選ばれる1種を含むセメント材3を、3質量%より多く且つ30質量%以下となる添加量で石炭灰2に添加し、Ca溶出源4を、2質量%より多く且つ20質量%以下となる添加量で石炭灰2に添加し、セメント材3及びCa溶出源4が添加された石炭灰2を加水すると共に造粒し、造粒後の石炭灰2に対して蒸気エージングを行う。【選択図】図1
Description
本発明は、石炭灰を用いて路盤材用造粒物を造粒する路盤材用造粒物の製造方法に関するものである。
従来より、石炭を燃料(原料)とする火力発電設備やボイラなどのプロセスからは、石炭灰といわれる粉じん状の副産物が発生することが知られている。この石炭灰は、火力発電所や大型のボイラのような大規模設備では膨大な量となるため、廃棄物の低減を意図し再利用が行われている。石炭灰の再利用方法の1つとして、石炭灰を造粒物の形に成形し、路盤材として用いることが行われている(路盤材用の造粒物(Fly ash pellet))。このように、廃棄物を再利用することで天然資源の枯渇などの問題に対応することが可能となる。
ところで、近年は、上述した燃料の石炭に低品位のものを用いざるを得ない場合があり、低品位の石炭に不純物として含まれるホウ素が問題となっている。つまり、低品位の石炭を燃焼させることで生じる石炭灰の中には、人体にとって有害なホウ素が残存するため、路盤材を製造する際には、このホウ素の溶出を確実に抑制しなければならない。
そこで、特許文献1〜特許文献3には、石炭灰からのホウ素の溶出を抑制する技術が開示されている。
そこで、特許文献1〜特許文献3には、石炭灰からのホウ素の溶出を抑制する技術が開示されている。
例えば、特許文献1には、石炭灰を加湿養生し、その後、高炉セメントなどの固化材を添加することで、石炭灰からホウ素が溶出することを抑制する技術が開示されている。
また、特許文献2には、石炭灰に石灰系材、石膏、水ガラスなどを添加し、これらを水和反応させることで石炭灰を含む安定化処理固化物を形成し、安定化処理固化物中にホウ素を封じ込めることでホウ素の溶出を抑制する技術が開示されている。
また、特許文献2には、石炭灰に石灰系材、石膏、水ガラスなどを添加し、これらを水和反応させることで石炭灰を含む安定化処理固化物を形成し、安定化処理固化物中にホウ素を封じ込めることでホウ素の溶出を抑制する技術が開示されている。
さらに、特許文献3には、石炭灰にCaOまたはCa(OH)2、高炉セメント、硫酸アルミニウムを水の存在下で混合し、石炭灰を固化することで、ホウ素の溶出を抑制する技術が開示されている。
ところで、特許文献1の技術は、ホウ素が含まれた石炭灰に対して、まず加湿養生を行い、次に高炉セメントを固化材として添加して、ホウ素ごと石炭灰を固化する技術である。つまり、特許文献1の技術では、固化材を多配合するのみであって、ホウ素の溶出を防止可能な物質を含むわけではない。そのため、ホウ素の溶出が不十分となる場合がある。
また、特許文献2や特許文献3の技術は、水ガラスや硫酸アルミニウムなどの薬剤を用いるものであり、水ガラスや硫酸アルミニウムなどの比較的高価な薬剤を用いると路盤材の価格も高騰しやすくなる。
また、特許文献2や特許文献3の技術は、水ガラスや硫酸アルミニウムなどの薬剤を用いるものであり、水ガラスや硫酸アルミニウムなどの比較的高価な薬剤を用いると路盤材の価格も高騰しやすくなる。
さらに、特許文献3の石炭灰の処理方法では、実施例などを鑑みるに、添加するセメント量が少ないため、造粒物として十分な強度(圧潰強度)が得られない場合もある。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、原料である石炭灰からホウ素が溶出することを確実に抑制することができ、路盤材として使用するに十分な強度を備えた路盤材料造粒物を製造することができる路盤材用造粒物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、原料である石炭灰からホウ素が溶出することを確実に抑制することができ、路盤材として使用するに十分な強度を備えた路盤材料造粒物を製造することができる路盤材用造粒物の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の路盤材用造粒物の製造方法は以下の技術的手段を講じている。
即ち、本発明の路盤材用造粒物の製造方法は、石炭灰を含む路盤材用造粒物を造粒するに際しては、ポルトランドセメントまたは高炉セメントから選ばれる1種を含むセメント材を、3質量%より多く且つ30質量%以下となる添加量で前記石炭灰に添加し、Ca溶出源を、2質量%より多く且つ20質量%以下となる添加量で前記石炭灰に添加し、前記セメント材及びCa溶出源が添加された前記石炭灰を加水すると共に造粒し、前記造粒後の石炭灰に対して蒸気エージングを行うことを特徴とする。
即ち、本発明の路盤材用造粒物の製造方法は、石炭灰を含む路盤材用造粒物を造粒するに際しては、ポルトランドセメントまたは高炉セメントから選ばれる1種を含むセメント材を、3質量%より多く且つ30質量%以下となる添加量で前記石炭灰に添加し、Ca溶出源を、2質量%より多く且つ20質量%以下となる添加量で前記石炭灰に添加し、前記セメント材及びCa溶出源が添加された前記石炭灰を加水すると共に造粒し、前記造粒後の石炭灰に対して蒸気エージングを行うことを特徴とする。
好ましくは、前記Ca溶出源は、消石灰またはエージング済みの製鋼スラグの少なくとも1種以上を含むとよい。
好ましくは、前記蒸気エージングを、12時間以上行うとよい。
好ましくは、前記蒸気エージングを、12時間以上行うとよい。
本発明の路盤材用造粒物の製造方法によれば、石炭灰を原料とした造粒物からホウ素が溶出することを確実に抑制することができ、路盤材として使用するに十分な強度を備えた路盤材料造粒物を製造することができる。
以下、本発明に係る路盤材用造粒物1の製造方法の実施形態を、図面に基づき詳しく説明する。
図1は、本実施形態の路盤材用造粒物1の製造方法を模式的に示したものである。
本実施形態の路盤材用造粒物1の製造方法は、石炭灰2に対してセメント材3を添加する第1工程と、石炭灰2に含まれるホウ素の溶出を抑制するCaイオンを供給可能なCa溶出源4を添加する第2工程と、Ca溶出源4が添加された石炭灰2を加水すると共に造粒し、造粒後の石炭灰2に対して蒸気エージングを行う第3工程とを備えたものとなっている。
図1は、本実施形態の路盤材用造粒物1の製造方法を模式的に示したものである。
本実施形態の路盤材用造粒物1の製造方法は、石炭灰2に対してセメント材3を添加する第1工程と、石炭灰2に含まれるホウ素の溶出を抑制するCaイオンを供給可能なCa溶出源4を添加する第2工程と、Ca溶出源4が添加された石炭灰2を加水すると共に造粒し、造粒後の石炭灰2に対して蒸気エージングを行う第3工程とを備えたものとなっている。
上述した製造方法に用いられる石炭灰2は、火力発電設備やボイラなどのプロセスにおいて、燃料である石炭を燃焼させた際に発生するものである。この石炭灰2は、フライアッシュとも言われ、軽量であるため浮遊しやすく、電気集塵機などを用いて排煙から集塵されている。このようにして得られた石炭灰2はそのままでは粒度が細かいので、造粒物(ペレット)の形に成形され、成形後の造粒物が路盤材として用いられていることがある。
ところで、この石炭灰2には、低品位の石炭を燃焼させた際にホウ素が含まれている場合があり、この石炭灰2を原料として造粒物を形成した場合、造粒物からホウ素の溶出量が環境基準で定められる1mg/Lを超える可能性がある。そこで、本発明の路盤材用造粒物1の製造方法では、以下に説明する手順で路盤材用造粒物1を製造することで、製造された路盤材用造粒物1からのホウ素の溶出が確実に抑制されるものとしている。
本発明の路盤材用造粒物1の製造方法を構成する各工程について、詳しく説明する。
図1に示す如く、第1工程は石炭灰2にセメント材3を添加するものであり、このセメント材3は後述する第3工程で造粒された造粒物を固化するために加えられる。
第1工程に用いられるセメント材3は、水和硬化により造粒物を固化するものであり、ポルトランドセメントまたは高炉セメントを含んでいる。具体的には、セメント材3は、石炭灰2に向けて、3質量%より多く且つ30質量%以下となる添加量で石炭灰2に添加される。つまり、セメント材3の添加量は、内数、すなわち混合後の全量に対して3質量%より多く且つ30質量%以下となる。
図1に示す如く、第1工程は石炭灰2にセメント材3を添加するものであり、このセメント材3は後述する第3工程で造粒された造粒物を固化するために加えられる。
第1工程に用いられるセメント材3は、水和硬化により造粒物を固化するものであり、ポルトランドセメントまたは高炉セメントを含んでいる。具体的には、セメント材3は、石炭灰2に向けて、3質量%より多く且つ30質量%以下となる添加量で石炭灰2に添加される。つまり、セメント材3の添加量は、内数、すなわち混合後の全量に対して3質量%より多く且つ30質量%以下となる。
なお、石炭灰2に対するセメント材3の添加量の上限は、好ましくは20質量%以下、更に好ましくは15質量%以下となるのが良い。セメント材3を上述した上限を超えて石炭灰2に添加(過剰添加)すると、造粒物の固化に必要な量に対して余分にセメント材3を加えることになり、コストアップの要因になる。
また、石炭灰2に対するセメント材3の添加量の下限が3質量%以下になると、水和硬化が不十分となって造粒物に造粒した場合の圧潰強度が低下し、造粒物を路盤材として用いることが困難になる。
また、石炭灰2に対するセメント材3の添加量の下限が3質量%以下になると、水和硬化が不十分となって造粒物に造粒した場合の圧潰強度が低下し、造粒物を路盤材として用いることが困難になる。
第1工程に続いて行われる第2工程は、石炭灰2に対してCa溶出源4を添加するものであり、Ca溶出源4のCaイオンで石炭灰2に含まれるホウ素の溶出を抑制するために行われる。
上述したCa溶出源4は、ホウ素の溶出を抑制可能なCaイオンを溶出する化合物を含むものであり、具体的には生石灰CaO、消石灰Ca(OH)2、または製鋼スラグ、あるいはこれらの混合物を用いることができる。Ca溶出源4を石炭灰2に添加することでホウ素の溶出量が低減できる原因は、水溶液中でCaイオンがホウ酸イオンが共存すると溶解度の低い沈殿物を形成するためと考えられる。すなわち、Ca溶出源4はホウ素溶出抑制剤として作用する。
上述したCa溶出源4は、ホウ素の溶出を抑制可能なCaイオンを溶出する化合物を含むものであり、具体的には生石灰CaO、消石灰Ca(OH)2、または製鋼スラグ、あるいはこれらの混合物を用いることができる。Ca溶出源4を石炭灰2に添加することでホウ素の溶出量が低減できる原因は、水溶液中でCaイオンがホウ酸イオンが共存すると溶解度の低い沈殿物を形成するためと考えられる。すなわち、Ca溶出源4はホウ素溶出抑制剤として作用する。
なお、このCa溶出源4としては、膨張しやすい生石灰よりは、膨張性の低い消石灰やエージング済み製鋼スラグを用いるのが好ましい。この消石灰やエージング済み製鋼スラグは、生石灰に比べれば水和膨張を起こしにくいので、路盤材とした後に水和膨張を起こすことがない。
また、Ca溶出源4は、石炭灰2に向けて、2質量%より多く且つ20質量%以下となる添加量で石炭灰2に添加される。つまり、Ca溶出源4の添加量は、内数、すなわち混合後の全量に対して2質量%より多く且つ20質量%以下となる。
また、Ca溶出源4は、石炭灰2に向けて、2質量%より多く且つ20質量%以下となる添加量で石炭灰2に添加される。つまり、Ca溶出源4の添加量は、内数、すなわち混合後の全量に対して2質量%より多く且つ20質量%以下となる。
なお、石炭灰2に対するCa溶出源4の添加量の上限は、好ましくは15質量%以下、更に好ましくは10質量%以下となるのが良い。Ca溶出源4を上述した上限を超えて石炭灰2に添加(過剰添加)すると、ホウ素の溶出抑制に必要な量に対して余分にCa溶出源4を加えることになり、コストアップの要因になる。
また、石炭灰2に対するCa溶出源4の添加量の下限が2質量%以下になると、Caイオンの溶出量が不足して十分なホウ素の溶出抑制効果が得られなくなる。
また、石炭灰2に対するCa溶出源4の添加量の下限が2質量%以下になると、Caイオンの溶出量が不足して十分なホウ素の溶出抑制効果が得られなくなる。
なお、上述した第1工程と第2工程を同工程で行ってもよい。すなわち、石炭灰2に対して、セメント材3とCa溶出源4とを同時に添加しても何ら問題はない。
第3工程は、上述したセメント材3及びCa溶出源4が添加された石炭灰2を加水すると共に造粒し、造粒後の石炭灰2に対して蒸気エージングを行うものである。具体的には、この第3工程は、加水で加えられた水(水分)を用いて、石炭灰2中に添加されたセメント材3の水和硬化を促進しつつ造粒を容易にすると共に、蒸気エージングによりCa溶出源4を予め水和膨張させることで造粒物の水和膨張を抑制するものとなっている。
第3工程は、上述したセメント材3及びCa溶出源4が添加された石炭灰2を加水すると共に造粒し、造粒後の石炭灰2に対して蒸気エージングを行うものである。具体的には、この第3工程は、加水で加えられた水(水分)を用いて、石炭灰2中に添加されたセメント材3の水和硬化を促進しつつ造粒を容易にすると共に、蒸気エージングによりCa溶出源4を予め水和膨張させることで造粒物の水和膨張を抑制するものとなっている。
この造粒にはパンペレタイザ、ドラムミキサ、ブリケッティングなどの造粒装置5を用いることができ、これらの造粒装置5を用いることで球状の造粒物を形成することが可能となる。
上述した第3工程の加水で石炭灰2に加えられる加水量は、絶乾状態の造粒物に対して、最大で50質量%を超えないような値、製品などの場合であればより好ましくは20質量%〜30質量%とするのが良い。この加水量は、上述したセメント材3及びCa溶出源4を添加した後の造粒物を基準とする外数であり、完全に乾燥した状態の造粒物の質量を100質量%とした場合の値として示される。
上述した第3工程の加水で石炭灰2に加えられる加水量は、絶乾状態の造粒物に対して、最大で50質量%を超えないような値、製品などの場合であればより好ましくは20質量%〜30質量%とするのが良い。この加水量は、上述したセメント材3及びCa溶出源4を添加した後の造粒物を基準とする外数であり、完全に乾燥した状態の造粒物の質量を100質量%とした場合の値として示される。
加水量が少なすぎる場合は、セメント材3の水和硬化が十分に行われなくなり、十分な圧潰強度を備えた造粒物を得ることが困難になる。また、加水量が50質量%より大きい場合は、過剰に加えられた水分により造粒物が崩壊しやすくなり、造粒物の保形性を維持することが困難になる。
また、上述した第3工程における蒸気エージングは、造粒物の水和膨張を促進するためにエージングピット6内で行われるものであり、最低でも12時間以上行う必要がある。また、蒸気エージングを行う時間は、コストに対する効果を考えると、96時間以内、好ましくは48時間以上、さらに好ましくは24時間以内とされるのが好ましい。
また、上述した第3工程における蒸気エージングは、造粒物の水和膨張を促進するためにエージングピット6内で行われるものであり、最低でも12時間以上行う必要がある。また、蒸気エージングを行う時間は、コストに対する効果を考えると、96時間以内、好ましくは48時間以上、さらに好ましくは24時間以内とされるのが好ましい。
なお、上述した第2工程と第3工程との間、または第3工程の後に、さらに大気エージングを行っても良い。このような大気エージングは、蒸気エージングによる水和をさらに促進させる効果があるので、蒸気エージングに加えて大気エージングを行うことで、造粒物の水和膨張をより確実に抑制することが可能となる。
上述した第1工程〜第3工程を有する造粒物の製造方法を行えば、第2工程で加えられたCa溶出源4から溶出したCaイオンが、ホウ酸イオンの溶出を抑制するので、石炭灰2を原料とする造粒物から、ホウ素が溶出することを確実に抑制することができる。また、第3工程において加水と蒸気エージングを行えば、セメント材3の水和硬化とCa溶出源4の水和膨張が促進されるため、路盤材として使用しても水和により造粒物が自己崩壊することがなく、石炭灰2を路盤材として有効に利用することが可能となる。
上述した第1工程〜第3工程を有する造粒物の製造方法を行えば、第2工程で加えられたCa溶出源4から溶出したCaイオンが、ホウ酸イオンの溶出を抑制するので、石炭灰2を原料とする造粒物から、ホウ素が溶出することを確実に抑制することができる。また、第3工程において加水と蒸気エージングを行えば、セメント材3の水和硬化とCa溶出源4の水和膨張が促進されるため、路盤材として使用しても水和により造粒物が自己崩壊することがなく、石炭灰2を路盤材として有効に利用することが可能となる。
次に、実施例及び比較例を用いて、本発明の造粒物の製造方法の作用効果を詳しく説明する。
実施例及び比較例は、不純物としてホウ素を含む石炭灰2へ、ポルトランドセメントを0質量%〜6質量%、または高炉スラグを0質量%〜20質量%添加すると共に、ホウ素溶出抑制剤として0質量%〜4.8質量%の生石灰、0質量%〜20質量%の消石灰、または0質量%〜4.8質量%の転炉スラグを添加している(質量%は全て内数)。このようにしてセメント材3とホウ素溶出抑制剤が添加された実施例及び比較例については、加水量が40質量%(外数)となるように加水を行った後、蒸気エージングを24時間行って、ホウ素溶出量の分析と、圧潰強度の計測を行った。
実施例及び比較例は、不純物としてホウ素を含む石炭灰2へ、ポルトランドセメントを0質量%〜6質量%、または高炉スラグを0質量%〜20質量%添加すると共に、ホウ素溶出抑制剤として0質量%〜4.8質量%の生石灰、0質量%〜20質量%の消石灰、または0質量%〜4.8質量%の転炉スラグを添加している(質量%は全て内数)。このようにしてセメント材3とホウ素溶出抑制剤が添加された実施例及び比較例については、加水量が40質量%(外数)となるように加水を行った後、蒸気エージングを24時間行って、ホウ素溶出量の分析と、圧潰強度の計測を行った。
なお、石炭灰2のみでセメント材3やホウ素溶出抑制剤が添加されていない比較例1の結果を見ればわかるように、石炭灰2には意図的にホウ素(ホウ酸)を加えることで3mg/L程度(比較例1では3.1mg/L)までホウ素の溶出量を増やしたものを用いている。
また、ホウ素の溶出量の分析は、環境省告示第46号に規定されたホウ素の分析方法に従って行っている。つまり、造粒物を粉砕して2mm篩下とされたものを対象として、環告46号に従って得られた溶出液中のホウ素の濃度をICPで分析している。このようにして求めたホウ素の濃度が1.0mg/L以下となる場合を、「ホウ素の溶出が十分に抑制されている(合格)」と評価した。また、ホウ素の濃度が1.0mg/L以下となる場合であって、さらにホウ素の濃度が0.2mg/Lを下回る場合を、「ホウ素の溶出が確実に抑制されている(優良)」と評価した。
また、ホウ素の溶出量の分析は、環境省告示第46号に規定されたホウ素の分析方法に従って行っている。つまり、造粒物を粉砕して2mm篩下とされたものを対象として、環告46号に従って得られた溶出液中のホウ素の濃度をICPで分析している。このようにして求めたホウ素の濃度が1.0mg/L以下となる場合を、「ホウ素の溶出が十分に抑制されている(合格)」と評価した。また、ホウ素の濃度が1.0mg/L以下となる場合であって、さらにホウ素の濃度が0.2mg/Lを下回る場合を、「ホウ素の溶出が確実に抑制されている(優良)」と評価した。
さらに、圧潰強度については、JIS Z 8841「造粒物」に規定される強度試験方法に従って評価している。つまり、造粒物を無作為に10個選び出し、選び出された造粒物に対して圧潰強度を測定し、測定された強度の平均値を求めた。このようにして求めた圧潰強度が0.4N/mm2以上となる場合を、「路盤材として十分な強度を備えている(合格)」と評価した。また、圧潰強度が0.4N/mm2以上となる場合であって、且つ圧潰強度が1.0N/mm2を超える場合を、路盤材としてより高い圧潰強度を備えている(高強度品)と評価した。
表1を見れば明らかなように、セメント材3やCa溶出源4を用いずに形成された比較例1の造粒物は、「ホウ素の溶出量」が合格判定の基準値である1.0mg/Lを超える3.1mg/Lとなり、また「圧潰強度」も造粒物の形成自体ができず、計測ができないほど小さくなっていて、「ホウ素の溶出量」及び「圧潰強度」の双方が不合格となった結果、総合的な評価は「×」となっている。
また、「セメント材3」としてポルトランドセメントまたは高炉セメントのいずれか4mass%〜6mass%だけ添加し、「Ca溶出源4」を全く添加していない比較例2〜比較例5の造粒物では、「圧潰強度」については合格判定の基準値である0.4N/mm2を超えるものの、「ホウ素の溶出量」が合格判定の基準値である1.0mg/Lを超えるような高濃度となっており、「ホウ素の溶出量」が不合格となった結果、総合的な評価は「△」となっている。
さらに、「Ca溶出源4」として石灰、消石灰、転炉スラグのいずれかを2mass%〜4mass%だけ添加し、「セメント材3」を全く添加していない比較例6〜比較例8の造粒物では、「ホウ素の溶出量」については合格判定の基準値である1.0mg/Lを下回るものの、「圧潰強度」が合格判定の基準値である0.4N/mm2を下回るような低強度となっており、「圧潰強度」が不合格となった結果、総合的な評価は「△」となっている。
さらにまた、「セメント材3」としてポルトランドセメントや高炉セメントを4.8mass%、「Ca溶出源4」として石灰を4.8mass%加えているものの、蒸気エージングを行っていない比較例9、10の造粒物では、「圧潰強度」が不合格となった結果、総合的な評価は「△」となっている。
加えて、「セメント材3」として高炉セメントを4.8mass%、10mass%添加しているものの、「Ca溶出源4」である消石灰の添加量が1.0mass%と少量な比較例11、12の造粒物では、「圧潰強度」については合格判定の基準値である0.4N/mm2を超えるものの、「ホウ素の溶出量」が合格判定の基準値である1.0mg/Lを超えるような高濃度となっており、「ホウ素の溶出量」が不合格となった結果、総合的な評価は「△」となっている。
加えて、「セメント材3」として高炉セメントを4.8mass%、10mass%添加しているものの、「Ca溶出源4」である消石灰の添加量が1.0mass%と少量な比較例11、12の造粒物では、「圧潰強度」については合格判定の基準値である0.4N/mm2を超えるものの、「ホウ素の溶出量」が合格判定の基準値である1.0mg/Lを超えるような高濃度となっており、「ホウ素の溶出量」が不合格となった結果、総合的な評価は「△」となっている。
上述した比較例1〜比較例12に対して、ポルトランドセメントまたは高炉セメントを含むセメント材3を3mass%より多く且つ30mass%以下となる添加量で石炭灰2に添加し、Ca溶出源4を2mass%より多く且つ20mass%以下となる添加量で石炭灰2に添加し、さらにセメント材3及びCa溶出源4が添加された石炭灰2を加水すると共に造粒し、造粒後の石炭灰2に対して蒸気エージングを行った実施例1〜実施例12では、「圧潰強度」については合格判定の基準値である0.4N/mm2を超え、「ホウ素の溶出量」については合格判定の基準値である1.0mg/L以下の低濃度となっており、「圧潰強度」及び「ホウ素の溶出量」とも合格となった結果、総合的な評価も「○」となっている。
このことから、ポルトランドセメントまたは高炉セメントを含むセメント材3を3mass%より多く且つ30mass%以下となる添加量で石炭灰2に添加し、Ca溶出源4を2mass%より多く且つ20mass%以下となる添加量で石炭灰2に添加し、さらにセメント材3及びCa溶出源4が添加された石炭灰2を加水すると共に造粒し、造粒後の石炭灰2に対して蒸気エージングを行えば、原料である石炭灰2からホウ素が溶出することを確実に抑制することができ、路盤材として使用するに十分な強度を備えた路盤材料造粒物を製造することができると判断される。
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。特に、今回開示された実施形態において、明示的に開示されていない事項、例えば、運転条件や操業条件、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な値を採用している。
1 路盤材用造粒物
2 石炭灰
3 セメント材
4 Ca溶出源
5 造粒装置
6 エージングピット
2 石炭灰
3 セメント材
4 Ca溶出源
5 造粒装置
6 エージングピット
Claims (3)
- 石炭灰を含む路盤材用造粒物を造粒するに際しては、
ポルトランドセメントまたは高炉セメントから選ばれる1種を含むセメント材を、3質量%より多く且つ30質量%以下となる添加量で前記石炭灰に添加し、
Ca溶出源を、2質量%より多く且つ20質量%以下となる添加量で前記石炭灰に添加し、
前記セメント材及びCa溶出源が添加された前記石炭灰を加水すると共に造粒し、
前記造粒後の石炭灰に対して蒸気エージングを行う
ことを特徴とする路盤材用造粒物の製造方法。 - 前記Ca溶出源は、消石灰またはエージング済みの製鋼スラグの少なくとも1種以上を含むことを特徴とする請求項1に記載の路盤材用造粒物の製造方法。
- 前記蒸気エージングを、12時間以上行うことを特徴とする請求項1または2に記載の路盤材用造粒物の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2015135265A JP2017014087A (ja) | 2015-07-06 | 2015-07-06 | 路盤材用造粒物の製造方法 |
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| JP2020169957A (ja) * | 2019-04-05 | 2020-10-15 | Jfeスチール株式会社 | ホウ素含有物質からのホウ素溶出判定方法、これを利用したホウ素含有物質からのホウ素溶出抑制方法及びこれらを利用した土木建築用資材の製造方法、並びにスラグ |
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