JP2017016749A - ブレーカー及びそれを備えた安全回路。 - Google Patents

ブレーカー及びそれを備えた安全回路。 Download PDF

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Abstract

【課題】端子とランドとの間で、容易かつ良好なはんだの浸潤が得られるブレーカーを提供する。【解決手段】ブレーカー1は、温度変化に応じて電流を遮断する電流遮断手段10と、電流遮断手段10を収容するケース7と、一端部101がケース7の内部に収容されて電流遮断手段10と接続されると共に、他端部102がケース7の外部に露出された複数の端子片100とを備える。複数の端子片100のうち少なくも一つは、金及び銀のグループから選択された少なくとも一方を含む金属のめっき層103を、他端部102に有する。【選択図】図1

Description

本発明は、電気機器の2次電池パック等に内蔵される小型のブレーカー等に関するものである。
従来、各種電気機器の2次電池やモーター等の保護装置(安全回路)としてブレーカーが使用されている。ブレーカーは、充放電中の2次電池の温度が過度に上昇した場合、又は自動車、家電製品等の機器に装備されるモーター等に過電流が流れた場合等の異常が生じた際に、2次電池やモーター等を保護するために電流を遮断する。このような保護装置として用いられるブレーカーは、機器の安全を確保するために、温度変化に追従して正確に動作する(良好な温度特性を有する)ことと、通電時の抵抗値が安定していることが求められる。
ブレーカーには、温度変化に応じて動作し、電流を導通又は遮断する熱応動素子が備えられている。特許文献1には、熱応動素子としてバイメタルを適用したブレーカーが示されている。バイメタルとは、熱膨張率の異なる2種類の板状の金属材料が積層されてなり、温度変化に応じて形状を変えることにより、接点の導通状態を制御する素子である。同文献に示されたブレーカーは、固定片、可動片、熱応動素子、PTCサーミスター等の部品が、ケースに収納されてなり、固定片及び可動片の端子が電気機器の電気回路に接続されて使用される。上記特許文献1に示されたブレーカーにおいて、固定片は、ケース本体(樹脂ベース)にインサート成形により組み込まれる(同文献の段落(0031)等参照)。
WO2011/105175号公報
上記特許文献1に開示されたブレーカーでは、固定片及び可動片に端子を有する。固定片及び可動片は、例えば、リン青銅を主成分とする金属板をプレス加工することにより形成されている(同文献の段落(0031)、(0032)等参照)。端子は、2次電池又は回路基板から延出された板状のリードと接続される。従来、端子とリードとの接続には、通常、抵抗溶接が適用されている。
近年、生産効率の向上を狙って、ブレーカーを2次電池又はプリント回路基板に直接的に実装する形態が検討されており、さらには、ブレーカーの端子と回路基板に形成されているランドとの接続にリフロー方式のはんだ付けを用いることが検討されている。はんだ付けによる導体の接続にあっては、溶融はんだの浸透性、すなわち、いわゆるはんだのぬれ性(浸潤)が問題となる。はんだのぬれ性が悪化すると、端子とランドとの間にはんだが十分に浸透せず、両者間の電気抵抗が増大する。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、端子とランドとの間で、容易かつ良好なはんだの浸潤が得られるブレーカーを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、温度変化に応じて電流を遮断する電流遮断手段と、前記電流遮断手段を収容するケースと、一端部が前記ケースの内部に収容されて前記電流遮断手段と接続されると共に、他端部が前記ケースの外部に露出された複数の端子片とを備えたブレーカーにおいて、前記複数の端子片のうち少なくも一つは、金及び銀のグループから選択された少なくとも一方を含む金属のめっき層を、前記他端部に有することを特徴とする。
本発明に係る前記ブレーカーにおいて、前記電流遮断手段は、前記ケースに対して固定された固定接点と、前記固定接点に対して接離可能に移動する可動接点が設けられ、前記可動接点を前記固定接点に押圧して接触させる可動片と、温度変化に伴って変形することにより前記可動接点が前記固定接点から離反するように前記可動片を作動させる熱応動素子とを有し、前記複数の端子片は、前記固定接点が設けられる第1端子片を含み、前記めっき層は、前記第1端子片の前記一端部から前記他端部にわたって連続的に形成されていることが望ましい。
本発明に係る前記ブレーカーにおいて、前記めっき層は、前記固定接点を含む領域に形成されていることが望ましい。
本発明に係る前記ブレーカーにおいて、前記第1端子片は、前記固定接点が設けられた第1表面と、前記第1表面とは反対側の第2表面とを有する板状金属からなり、前記めっき層は、前記第1表面及び前記第2表面に形成されていることが望ましい。
本発明に係る前記ブレーカーにおいて、前記第1表面に形成されている前記めっき層の厚さは、前記第2表面に形成されている前記めっき層の厚さよりも大きいことが望ましい。
本発明に係る前記ブレーカーにおいて、前記第1端子片の前記一端部と前記他端部とは、前記第1端子片の厚さ方向に段違いに配されていることが望ましい。
本発明に係る前記ブレーカーにおいて、前記複数の端子片は、前記可動片に接続される第2端子片を含み、前記めっき層は、前記第2端子片のうち、前記ケースの内部に収容された領域から前記ケースの外部に突出する領域にわたって連続的に形成されていることが望ましい。
本発明に係る前記ブレーカーにおいて、前記第2端子片は、前記可動片と接続される接続部が設けられた第3表面と、前記第3表面とは反対側の第4表面と、前記第3表面から前記第4表面に至る側端面とを有する板状金属からなり、前記めっき層は、前記第3表面、前記第4表面及び前記側端面に形成されていることが望ましい。
本発明に係る前記ブレーカーにおいて、前記電流遮断手段は、前記第1端子片と前記第2端子片とを接続する正特性サーミスターをさらに有し、前記第1端子片は、前記一端部に前記正特性サーミスターと当接して支持する支持部を有し、前記固定接点と前記支持部とは、前記第1端子片の厚さ方向に段違いに配されていることが望ましい。
本発明に係る前記ブレーカーにおいて、前記めっき層は、前記支持部を回避して形成されていることが望ましい。
本発明の電気機器用の安全回路は、前記ブレーカーを備えたことを特徴とする。
本発明のブレーカーは、温度変化に応じて電流を遮断する電流遮断手段と、電流遮断手段を収容するケースと、複数の端子片とを備える。各端子片は、一端部がケースの内部に収容されると共に、他端部がケースの外部に露出される。そして、各端子片の一端部は、電流遮断手段と接続されている。他端部は、2次電池又は回路基板等の外部回路と接続可能とされる。
複数の端子片のうち少なくも一方は、金属のめっき層を、他端部に有する。めっき層は、金及び銀のグループから選択された少なくとも一方を含んでいる。金及び銀は、はんだのぬれ性に優れ、溶融はんだが接続部位の隅々に容易に浸透する。これにより、端子とランドとの間の電気抵抗が低減され、回路にブレーカーを設けたことによる電圧降下や発熱が低減される。また、金及び銀は、自身の抵抗率が小さいため、端子における電圧降下や発熱がより一層低減される。
本発明の一実施形態によるブレーカーの概略構成を回路基板と共に示す側面図。 上記ブレーカーの内部の構成を示す組立斜視図。 通常の充電又は放電状態における上記ブレーカーを示す断面図。 過充電状態又は異常時などにおける上記ブレーカーを示す断面図。 上記ブレーカーの第1端子片の構成を示す斜視図。 上記ブレーカーの第2端子片の構成を示す斜視図。 上記ブレーカーの第1端子片の製造工程を時系列で示す斜視図。 上記ブレーカーの第2端子片の製造工程を時系列で示す斜視図。 本発明の上記ブレーカーを備えた2次電池パックの構成を示す平面図。 本発明の上記ブレーカーを備えた安全回路の回路図。
本発明の一実施形態によるブレーカーについて図面を参照して説明する。図1は、ブレーカーの構成を示している。ブレーカー1は、温度変化に応じて電流を遮断する電流遮断手段10と、電流遮断手段10を収容するケース7と、複数の端子片100とを備えている。
本実施形態のブレーカー1は、プリント回路基板400の表面に実装可能に構成されている。プリント回路基板400の表面には、ランド401がパターン状に形成されている。端子片100は、ランド401と電気的に接続される。端子片100とランド401との接続には、はんだ402が用いられる。本実施形態では、例えば、リフロー方式のはんだ付けが適用されている。
各端子片100は、一端部101と他端部102とを有している。一端部101は、ケース7の内部に収容されて、電流遮断手段10と電気的に接続されている。他端部102は、ケース7の外部に露出され、ブレーカー1の外部回路であるランド401と電気的に接続可能とされている。
端子片100の他端部102の表面には、めっき層103が形成されている。めっき層103は、はんだのぬれ性に優れた金属、例えば、金、銀又はスズを含む金属からなる。このような金属からなるめっき層103が他端部102の表面に形成されていることにより、溶融はんだが他端部102とランド401との接続部位の隅々に容易に浸透する。これにより、端子片100とランド401との間の電気抵抗が低減され、回路にブレーカー1を設けたことによる電圧降下や発熱が低減される。また、余剰な溶融はんだによって球状のいわゆるはんだボールがランド401の周辺に形成されることが抑制され、はんだボールによる回路の短絡が抑制されうる。
めっき層103としては、上記金属のうち、好ましくは金及び銀のグループから選択された少なくとも一方を含む金属が適用されうる。金及び銀は、自身の電気抵抗率が小さいため、端子片100における電圧降下や発熱がより一層低減される。例えば、金を含む金属によってめっき層103を構成する場合、その表面に酸化被膜が形成されにくく、端子片100とランド401との間の電気抵抗を低減できる。また、銀を含む金属によってめっき層103を構成する場合、端子片100の電気抵抗を低減できる。
図2乃至4は、ブレーカー1の内部の構成を示している。電流遮断手段10は、固定接点21と、可動片4と、熱応動素子5と、PTC(Positive Temperature Coefficient)サーミスター6とを有している。固定接点21は、ケース7に対して固定されている。可動片4の先端部には、固定接点21に対して接離可能に移動する可動接点41が設けられている。可動片4は、可動接点41を固定接点21に押圧して接触させる。熱応動素子5は、温度変化に伴って変形することにより、可動接点41が固定接点21から離隔するように可動片4を作動させる。PTCサーミスター6は、熱応動素子5を介して可動片4と第1端子片2を導通させる。
ケース7は、ケース本体(第1ケース)71とケース本体71の上面に装着される蓋部材(第2ケース)81等によって構成されている。
本実施形態の端子片100は、第1端子片2と第2端子片3とを含んでいる。第1端子片2及び第2端子片3は、例えば、銅等を主成分とする金属板(この他、銅−チタン合金、洋白、黄銅などの金属板)をプレス加工することにより形成され、ケース本体71にインサート成形により埋め込まれている。
第1端子片2の一端部101には、固定接点21及びPTCサーミスター6を支持する支持部23が形成されている。PTCサーミスター6は、第1端子片2の支持部23に3箇所形成された凸状の突起(ダボ)24の上に載置されて、突起24に支持される。
固定接点21は、例えば、銀又は金等の金属がメッキ等により可動接点41に対向する位置に形成され、ケース本体71の内部に形成されている開口73aの一部から露出されている。支持部23は、ケース本体71の内部に形成されている開口73dから露出されている。
本出願においては、特に断りのない限り、第1端子片2において、固定接点21が形成されている側(すなわち図1において上側)を表側、その反対側を裏側として説明している。他の部品、例えば、可動片4及び熱応動素子5等についても同様である。
第2端子片3の一端部101は、可動片4と接続される。一端部101は、ケース本体71の内部に設けられた開口73bから露出し、可動片4と電気的に接続される接続部33を含む。
可動片4は、板状の金属材料をプレス加工することにより、長手方向の中心線に対して対称なアーム状に形成されている。可動片4の材料としては、第1端子片2と同等の銅等を主成分とするものが好ましい。この他、銅−チタン合金、洋白、黄銅などの導電性弾性材料を用いてもよい。
可動片4の先端部には、可動接点41が形成されている。可動接点41は、固定接点21と同等の材料によって形成され、溶接の他、クラッド、かしめ(crimping)等の手法によって可動片4の先端部に接合されている。
可動片4の先端部には、第2端子片3と電気的に接続される接続部42が形成されている。第2端子片3の接続部33と可動片4の接続部42とは、例えば、溶接によって固着されている。
可動片4は、可動接点41と接続部42との間に、弾性部43を有している。弾性部43は、接続部42から可動接点41の側に延出されている。接続部42において第2端子片3の接続部33と固着されることにより可動片4が固定され、弾性部43が弾性変形することにより、その先端に形成されている可動接点41が固定接点21の側に押圧されて接触し、第1端子片2と可動片4とが通電可能となる。可動片4と第2端子片3とは、電気的に接続されているので、第1端子片2と第2端子片3とが通電可能となる。
可動片4は、弾性部43において、プレス加工により湾曲又は屈曲されている。湾曲又は屈曲の度合いは、熱応動素子5を収納できる限り特に限定はなく、動作温度及び復帰温度における弾性力、接点の押圧力などを考慮して適宜設定すればよい。また、弾性部43の裏面には、熱応動素子5に対向して一対の突起(接触部)44a,44bが形成されている。突起44a,44bと熱応動素子5とは接触して、突起44a,44bを介して熱応動素子5の変形が弾性部43に伝達される(図2乃至図4参照)。
熱応動素子5は円弧状に湾曲した初期形状をなし、熱膨張率の異なる薄板材を積層することにより形成される。過熱により動作温度に達すると、熱応動素子5の湾曲形状は、スナップモーションを伴って逆反りし、冷却により復帰温度を下回ると復元する。熱応動素子5の初期形状は、プレス加工により形成することができる。所期の温度で熱応動素子5の逆反り動作により可動片4の弾性部43が押し上げられ、かつ弾性部43の弾性力により元に戻る限り、熱応動素子5の材質及び形状は特に限定されるものでないが、生産性及び逆反り動作の効率性の観点から矩形が望ましく、小型でありながら弾性部43を効率的に押し上げるために正方形に近い長方形であるのが望ましい。なお、熱応動素子5の材料としては、例えば、高膨脹側に銅−ニッケル−マンガン合金又はニッケル−クロム−鉄合金、低膨脹側に鉄−ニッケル合金をはじめとする、洋白、黄銅、ステンレス鋼など各種の合金からなる熱膨張率の異なる2種類の材料を積層したものが、所要条件に応じて組み合わせて使用される。
PTCサーミスター6は、第1端子片2と熱応動素子5との間に配設されている。すなわち、PTCサーミスター6を挟んで、第1端子片2の支持部23は、熱応動素子5の直下に位置している。熱応動素子5の逆反り動作により第1端子片2と可動片4との通電が遮断されたとき、PTCサーミスター6に流れる電流が増大する。PTCサーミスター6は、温度上昇と共に抵抗値が増大して電流を制限する正特性サーミスターであれば、動作電流、動作電圧、動作温度、復帰温度などの必要に応じて種類を選択でき、その材料及び形状はこれらの諸特性を損なわない限り特に限定されるものではない。本実施形態では、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム又はチタン酸カルシウムを含むセラミック焼結体が用いられる。セラミック焼結体の他、ポリマーにカーボン等の導電性粒子を含有させたいわゆるポリマーPTCを用いてもよい。
ケース7を構成するケース本体71及び蓋部材81は、難燃性のポリアミド、耐熱性に優れたポリフェニレンサルファイド(PPS)、液晶ポリマー(LCP)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などの熱可塑性樹脂により成形されている。上述した樹脂と同等以上の特性が得られるのであれば、樹脂以外の材料を適用してもよい。
ケース本体71には、可動片4、熱応動素子5及びPTCサーミスター6などを収容するための収容凹部73が形成されている。収容凹部73は、可動片4を収容するための開口73a,73b、可動片4及び熱応動素子5を収容するための開口73c、並びに、PTCサーミスター6を収容するための開口73d等を有している。なお、ケース本体71に組み込まれた可動片4及び熱応動素子5の端縁は、収容凹部73の内部に形成されている枠によってそれぞれ当接され、熱応動素子5の逆反り時に案内される。
図3に示されるように、蓋部材81には、カバー片9がインサート成形によって埋め込まれている。カバー片9は、上述した銅等を主成分とする金属板又はステンレス鋼等の金属板をプレス加工することにより形成される。カバー片9は、図3及び図4に示されるように、可動片4の表面と適宜当接し、可動片4の動きを規制すると共に、蓋部材81のひいては筐体としてのケース7の剛性・強度を高めつつブレーカー1の小型化に貢献する。カバー片9の外面側には、樹脂が配されている。
図2に示されるように、第1端子片2、第2端子片3、可動片4、熱応動素子5及びPTCサーミスター6等を収容したケース本体71の開口73a、73b、73c等を塞ぐように、蓋部材81が、ケース本体71に装着される。ケース本体71と蓋部材81とは、例えば超音波溶着によって接合される。
図3は、通常の充電又は放電状態におけるブレーカー1の動作を示している。通常の充電又は放電状態においては、熱応動素子5は初期形状を維持し(逆反り前であり)、固定接点21と可動接点41は接触し、可動片4の弾性部43などを通じてブレーカー1の第1端子片2と第2端子片3との間は導通している。可動片4の弾性部43と熱応動素子5とは接触しており、可動片4、熱応動素子5、PTCサーミスター6及び第1端子片2は、回路として導通している。しかし、PTCサーミスター6の抵抗は、可動片4の抵抗に比べて圧倒的に大きいため、PTCサーミスター6を流れる電流は、固定接点21及び可動接点41を流れる量に比して実質的に無視できる程度である。
図4は、過充電状態又は異常時などにおけるブレーカー1の動作を示している。過充電又は異常により高温状態となると、動作温度に達した熱応動素子5は逆反りし、可動片4の弾性部43が押し上げられて固定接点21と可動接点41とが離隔する。このとき、固定接点21と可動接点41の間を流れていた電流は遮断され、僅かな漏れ電流が熱応動素子5及びPTCサーミスター6を通して流れることとなる。PTCサーミスター6は、このような漏れ電流の流れる限り発熱を続け、熱応動素子5を逆反り状態に維持させつつ抵抗値を激増させるので、電流は固定接点21と可動接点41の間の経路を流れず、上述の僅かな漏れ電流のみが存在する(自己保持回路を構成する)。この漏れ電流は安全装置の他の機能に充てることができる。
過充電状態を解除し、又は異常状態を解消すると、PTCサーミスター6の発熱も収まり、熱応動素子5は復帰温度に戻り、元の初期形状に復元する。そして、可動片4の弾性部43の弾性力によって可動接点41と固定接点21とは再び接触し、回路は遮断状態を解かれ、図4に示す導通状態に復帰する。
図5(a)は、表側から視た第1端子片2であり、図5(b)は、裏側から視た第1端子片2である。図5において、めっき層103が形成されている領域はハッチングにて示される。第1端子片2において、めっき層103は、ケース7の内部に収容された一端部101からケース7の外部に突出する他端部102にわたって連続的に形成されている。これにより、第1端子片2にめっき層103を形成する際、第1端子片2の一端部101から他端部102にかけてマスキング処理等を施す必要がなくなり、ブレーカー1の生産性が高められる。
めっき層103は、第1端子片2の表側で、固定接点21を含む領域に形成されている。これにより、金又は銀を含む金属からなるめっき層103によって固定接点21が構成され、可動接点41との間の接触抵抗が低減される。
第1端子片2は、固定接点21が設けられた第1表面2aと、第1表面2aとは反対側の第2表面2bとを有する板状金属からなる。第1表面2aは第1端子片2の表側に、第2表面2bは第1端子片2の裏側にそれぞれ配される。
本実施形態では、めっき層103は、第1端子片2の第1表面2a及び第2表面2bに形成されている。第1端子片2の一端部101の第1表面2aに形成されているめっき層103aによって固定接点21が構成される。
一方、第1端子片2の他端部102の第2表面2bに形成されているめっき層103bは、ブレーカー1がプリント回路基板400に実装されたとき、ペースト状のはんだ402が塗布されているランド401上に載置され、はんだ402と当接される。従って、はんだ402が溶融すると、他端部102とランド401との接続部位の隅々に容易に浸透する。これにより、第1端子片2とランド401との間の電気抵抗が低減され、回路にブレーカー1を設けたことによる電圧降下や発熱が低減される。
図5において、第1端子片2の第1表面2aに形成されているめっき層103aは、濃いハッチングで示され、第2表面2bに形成されているめっき層103bは、薄いハッチングで示される。めっき層103aの厚さは、めっき層103bの厚さよりも大きい。例えば、めっき層103aの厚さは、好ましくは1〜5μmであり、めっき層103bの厚さは、好ましくは0.1〜0.5μmである。めっき層103aの厚さを上記範囲に設定することにより、固定接点21の厚さを十分に確保することが可能となり、可動接点41が動作する際のアーク放電の影響を抑制できる。一方、上記範囲の厚さのめっき層103bは、十分なはんだのぬれ性をもたらすことができる。
固定接点21が形成されている第1端子片2の一端部101とプリント回路基板400のランド401に接続される他端部102とは、第1端子片2の厚さ方向に段違いに配されている。このような第1端子片2は、固定接点21のレイアウトの自由度を高める。例えば、図3及び4中、固定接点21の高さが適宜設定されることにより、固定接点21と可動接点41との接触圧力が適正化されると共に、ブレーカー1の温度特性が適切に設定されうる。
一方、第1端子片2の一端部101において、固定接点21と支持部23とは、第1端子片2の厚さ方向に段違いに配されている。このような第1端子片2によれば、上述のごとく固定接点21の高さを適宜設定しつつ、固定接点21と支持部23との段差領域にPTCサーミスター6等を収容でき、容易にブレーカー1の低背化を図ることが可能となる。
本実施形態では、めっき層103aは、支持部23を回避して形成されている。
仮に、支持部23にめっき層103aが形成される場合、第1端子片2の製造ロット間又は製造ロット内で、めっき層103aの厚さにばらつきが生ずるおそれがある。このようなめっき層103aの厚さのばらつきは、PTCサーミスター6の姿勢に影響を及ぼし、ひいては図3に示される導通状態又は図4に示される遮断状態で、熱応動素子5及び可動片4の姿勢を変動させるおそれがある。その結果、導通状態での固定接点21と可動接点41との接触圧力及び遮断状態での固定接点21と可動接点41との距離が変動し、ブレーカー1の導通抵抗や温度特性に影響を及ぼすおそれがある。
一方、本実施形態では、支持部23の表面にめっき層103aが形成されていないので、第1端子片2の製造ロット間又は製造ロット内で、電流遮断状態でのPTCサーミスター6、熱応動素子5及び可動片4の姿勢は、安定する。従って、ブレーカー1の導通抵抗が低く、温度特性に優れたブレーカー1を容易に製造することが可能となる。なお、図5(a)に示されるように、支持部23に突起24が設けられている第1端子片2にあっては、突起24を回避してめっき層103が形成されていてもよい。
図6(a)は、表側から視た第2端子片3であり、図6(b)は、裏側から視た第2端子片3である。図6において、めっき層103が形成されている領域はハッチングにて示される。第2端子片3においても、めっき層103は、ケース7の内部に収容された一端部101からケース7の外部に突出する他端部102にわたって連続的に形成されている。これにより、第2端子片3にめっき層103を形成する際、第2端子片3の一端部101から他端部102にかけてマスキング処理等を施す必要がなくなり、ブレーカー1の生産性が高められる。
第2端子片3は、可動片4と接続される接続部33が設けられた第3表面3cと、第3表面3cとは反対側の第4表面3dと、第3表面3cから第4表面3dに至る側端面3eとを有する板状金属からなる。第3表面3cは第2端子片3の表側に、第4表面3dは第2端子片3の裏側にそれぞれ配される。
本実施形態では、めっき層103は、第2端子片3の第3表面3c、第4表面3d及び側端面3eに連続的に形成されている。
第2端子片3の一端部101の第3表面3cに形成されているめっき層103cは、可動片4の接続部42当接される。金又は銀を含む金属からなるめっき層103cによって、第2端子片3と可動片4との接触抵抗が低減され、回路にブレーカー1を設けたことによる電圧降下や発熱が低減される。
第2端子片3の他端部102の第4表面3dに形成されているめっき層103dは、ブレーカー1がプリント回路基板400に実装されたとき、ペースト状のはんだ402が塗布されているランド401上に載置され、はんだ402と当接される。はんだ402が溶融すると、他端部102とランド401との接続部位の隅々に容易に浸透する。これにより、第2端子片3とランド401との間の電気抵抗が低減され、回路にブレーカー1を設けたことによる電圧降下や発熱が低減される。
第2端子片3の他端部102の側端面3eに形成されているめっき層103eには、溶融したはんだ402の一部が回り込み、いわゆるフィレット403(図1参照)が形成される。これにより、第2端子片3とランド401との接合が強化されると共に、両者間の電気抵抗がより一層低減される。
図7は、第1端子片2の製造工程を時系列で示している。図7(a)は、第1端子片2の母材である平板状の金属板200を示している。既に述べたように、金属板200は、銅等を主成分とする。
図7(b)は、金属板200にめっき層103a、103bを形成するめっき工程を示している。この工程では、金属板200の表側の面に、めっき層103aが形成される。既に述べたように、めっき層103aの厚さは、1〜5μmである。このようなめっき層103aは、例えば、「電解めっき」の手法により短時間に形成されうる。
めっき層103aは、第1端子片2の一端部101に対応する領域201に形成される。めっき層103aの形成にあたっては、図中二点鎖線で示されるマスキング手段600が併用される。例えば、第1端子片2の支持部23が形成される領域223は、マスキング手段600によってマスクされ、上記領域223にはめっき層103aは形成されない。
領域201を挟んで領域223とは反対側の端縁領域225も、マスキング手段600によってマスクされ、めっき層103aは形成されない。なお、この端縁領域225は、例えば、金属板200及び第1端子片2の搬送の用に供され、ケース本体71と蓋部材81との溶着後等に切断される。端縁領域225にめっき層103aを形成しないことにより、第1端子片2ひいてはブレーカー1の製造コストの低減を図ることが可能となる。
本実施形態では、めっき層103aが、第1端子片2の一端部101に対応する領域201から他端部102に対応する領域202にわたって連続的に形成される。このため、領域201から領域202にかけてマスキング手段600が不要となり、めっき工程を簡素化することが可能となり、第1端子片2ひいてはブレーカー1の製造コストの低減を図ることが可能となる。
一方、金属板200の裏側の面には、めっき層103bが形成される。めっき層103bの厚さは、0.1〜0.5μmである。このようなめっき層103bは、例えば、「無電解めっき」の手法により精度よく形成されうる。
図7(b)に示されるめっき工程では、平板状の金属板200にめっき層103a等が形成される。このため、簡素なマスキング手段600を用いながら領域224を精度よく確実にマスクすることができ、支持部23の表面へのめっき層103aの形成を回避することができる。
図7(c)は、めっき工程の後、プレス工程を経て成形された第1端子片2を示している。プレス工程によって、金属板200は、必要な形状に打ち抜かれると共に、階段状に屈曲された段曲げ部26、27が形成され、第1端子片2が成形される。
ところで、プレス工程では、特に段曲げ部26、27の表面に大きな応力がかかる。従って、例えば、はんだのぬれ性を高める金属材料として一般的なスズをめっき層103aに用いた場合、プレス工程での応力によって、めっき層103aの一部が金属板200から剥離するおそれがある。めっき層103aの一部が剥離することにより生じた剥離片は、ブレーカー1の組立て後、収容凹部73に閉じ込められる。
スズは、金、銀及び銅等の金属と比較すると、電気抵抗率が大きい。このため、上述したスズの剥離片が、収容凹部73内を移動して、固定接点21と可動接点41との間に位置した場合、導通状態での接点間の抵抗値が増大するおそれ、及び、剥離片によって固定接点21及び可動接点41が損傷を受けるおそれがある。
本発明では、めっき層103aの金属材料として用いられる金又は銀は、剥離強度が高く、プレス工程での応力によっても、めっき層103aの一部が金属板200から剥離するおそれが小さい。また、金又は銀は、電気抵抗率が小さくかつ融点が高いので、仮に金又は銀の剥離片が固定接点21と可動接点41との間に位置したとしても、固定接点21と可動接点41とを溶接するおそれが極めて少ない。
図8は、第2端子片3の製造工程を時系列で示している。図8(a)は、第2端子片3の母材である平板状の金属板300を示している。既に述べたように、金属板300は、銅等を主成分とする。
図8(b)は、プレス工程を経て金属板300から成形された第2端子片3を示している。本実施形態では、めっき工程に先立ってプレス工程が実行され、段曲げ部36を有する第2端子片3が成形される。
図8(c)に示されるめっき工程では、第2端子片3にめっき層103c、103d、103e等が形成される。めっき層103c、103d、103eの厚さは、0.1〜0.5μmである。このようなめっき層103c、103d、103eは、例えば、「無電解めっき」の手法により精度よく形成されうる。
本実施形態では、めっき層103c、103d、103eが、第2端子片3の一端部101から他端部102にわたって連続的に形成される。このため、一端部101から他端部102にかけてマスキング手段が不要となり、めっき工程を簡素化することが可能となり、第2端子片3ひいてはブレーカー1の製造コストの低減を図ることが可能となる。なお、第1端子片2と同様に、他端部102の先端領域にめっき層103c、103d、103e等が形成されない領域が設けられていてもよい。
以上のように、本実施形態のブレーカー1によれば、複数の端子片100のうち少なくも一つは、金属のめっき層103を、他端部102に有する。めっき層103は、金及び銀のグループから選択された少なくとも一方を含んでいる。金及び銀は、はんだのぬれ性に優れ、溶融はんだが接続部位の隅々に容易に浸透する。これにより、端子片100とランド401との間の接触抵抗が低減され、回路にブレーカー1を設けたことによる電圧降下や発熱が低減される。また、金及び銀は、自身の抵抗率が小さいため、端子片100における電圧降下や発熱がより一層低減される。
なお、本発明は上記実施形態の構成に限られることなく、少なくとも、温度変化に応じて電流を遮断する電流遮断手段10と、電流遮断手段10を収容するケース7と、一端部101がケース7の内部に収容されて電流遮断手段10と接続されると共に、他端部102がケース7の外部に露出された複数の端子片100とを備えたブレーカー1において、複数の端子片100のうち少なくも一つは、金及び銀のグループから選択された少なくとも一方を含む金属のめっき層103を、他端部102に有していればよい。
従って、端子片100が第1端子片2及び第2端子片3で構成される場合、めっき層103は、第1端子片2及び第2端子片3のうち少なくとも一方に形成されていてもよい。この場合、いずれかの端子片で上記作用効果が得られる。
本実施形態では、一対の第1端子片2と第2端子片3とによって端子片100が構成されているが、さらに別の端子片がブレーカー1に追加されていてもよい。この場合、追加された端子片の他端部102にめっき層103が形成されていてもよい。
ケース7は、二次的なインサート成形等により、樹脂等で密封されていてもよい。この場合、端子片100の他端部102が、プリント回路基板400等のランド401に固定され導通可能なように、ケース7の外側に形成された樹脂から露出していればよい。
また、端子片100は、ケース7から外側に突出する形態に限られず、ケース7の外面の一部を構成する形態であってもよい。
また、ケース本体71と蓋部材81との接合手法は、超音波溶着に限られることなく、両者が強固に接合される手法であれば、適宜適用することができる。例えば、液状又はゲル状の接着剤を塗布・充填し、硬化させることにより、両者が接着されてもよい。また、ケース7は、ケース本体71と蓋部材81等によって構成される形態に限られることなく、2個以上の部品によって構成されていればよい。
また、可動片4をバイメタル又はトリメタル等の積層金属によって形成することにより、可動片4と熱応動素子5を一体的に形成する構成であってもよい。この場合、ブレーカーの構成が簡素化されて、小型化を図ることができる。
本実施形態では、PTCサーミスター6による自己保持回路を有しているが、このような構成を省いた形態であっても適用可能である。
また、第1端子片2、第2端子片3、可動片4、熱応動素子5、PTCサーミスター6及び収容凹部73等の形状も、図1等に示したものに限られず、適宜変更可能である。
また、上記特許文献1に示されるような、第2端子片3と可動片4とが一体に形成されている形態に、本発明を適用してもよい。この場合、一体化された第2端子片3及び可動片4は、めっき層103が形成された後、ケース本体71と蓋部材81とによって挟み込まれて溶着される。
本実施形態では、図7に示される段曲げ部27は、ケース7の外側に露出しているが、段曲げ部26と同様に、ケース7の内部に埋設されていてもよい。
また、本発明のブレーカー1は、2次電池パック、電気機器用の安全回路等にも広く適用できる。図9は2次電池パック500を示す。2次電池パック500は、2次電池501と、2次電池501の出力端回路中に設けたブレーカー1とを備える。図10は電気機器用の安全回路502を示す。安全回路502は2次電池501の出力回路中に直列にブレーカー1を備えている。ブレーカー1を備えた2次電池パック500又は安全回路502によれば、良好な電流遮断動作を確保できる2次電池パック500又は安全回路502を製造できる。
1 ブレーカー
2 第1端子片
2a 第1表面
2b 第2表面
21 固定接点
3 第2端子片
3c 第3表面
3d 第4表面
3e 側端面
4 可動片
41 可動接点
5 熱応動素子
6 PTCサーミスター(正特性サーミスター)
7 ケース
71 ケース本体
100 端子片
101 一端部
102 他端部
103 めっき層
501 2次電池
502 安全回路

Claims (11)

  1. 温度変化に応じて電流を遮断する電流遮断手段と、
    前記電流遮断手段を収容するケースと、
    一端部が前記ケースの内部に収容されて前記電流遮断手段と接続されると共に、他端部が前記ケースの外部に露出された複数の端子片とを備えたブレーカーにおいて、
    前記複数の端子片のうち少なくも一つは、金及び銀のグループから選択された少なくとも一方を含む金属のめっき層を、前記他端部に有することを特徴とするブレーカー。
  2. 前記電流遮断手段は、
    前記ケースに対して固定された固定接点と、前記固定接点に対して接離可能に移動する可動接点が設けられ、前記可動接点を前記固定接点に押圧して接触させる可動片と、温度変化に伴って変形することにより前記可動接点が前記固定接点から離反するように前記可動片を作動させる熱応動素子とを有し、
    前記複数の端子片は、前記固定接点が設けられる第1端子片を含み、
    前記めっき層は、前記第1端子片の前記一端部から前記他端部にわたって連続的に形成されている請求項1記載のブレーカー。
  3. 前記めっき層は、前記固定接点を含む領域に形成されている請求項2記載のブレーカー。
  4. 前記第1端子片は、前記固定接点が設けられた第1表面と、前記第1表面とは反対側の第2表面とを有する板状金属からなり、
    前記めっき層は、前記第1表面及び前記第2表面に形成されている請求項2又は3に記載のブレーカー。
  5. 前記第1表面に形成されている前記めっき層の厚さは、前記第2表面に形成されている前記めっき層の厚さよりも大きい請求項4記載のブレーカー。
  6. 前記第1端子片の前記一端部と前記他端部とは、前記第1端子片の厚さ方向に段違いに配されている請求項2乃至5のいずれかに記載のブレーカー。
  7. 前記複数の端子片は、前記可動片に接続される第2端子片を含み、
    前記めっき層は、前記第2端子片のうち、前記ケースの内部に収容された領域から前記ケースの外部に突出する領域にわたって連続的に形成されている請求項2乃至6のいずれかに記載のブレーカー。
  8. 前記第2端子片は、前記可動片と接続される接続部が設けられた第3表面と、前記第3表面とは反対側の第4表面と、前記第3表面から前記第4表面に至る側端面とを有する板状金属からなり、
    前記めっき層は、前記第3表面、前記第4表面及び前記側端面に形成されている請求項7記載のブレーカー。
  9. 前記電流遮断手段は、
    前記第1端子片と前記第2端子片とを接続する正特性サーミスターをさらに有し、
    前記第1端子片は、前記一端部に前記正特性サーミスターと当接して支持する支持部を有し、
    前記固定接点と前記支持部とは、前記第1端子片の厚さ方向に段違いに配されている請求項2乃至8のいずれかに記載のブレーカー。
  10. 前記めっき層は、前記支持部を回避して形成されている請求項9記載のブレーカー。
  11. 請求項1乃至10のいずれかに記載のブレーカーを備えたことを特徴とする電気機器用の安全回路。
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