JP2017016950A - リチウムイオン二次電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】正極、負極、セパレータ及び電解液と、を電池容器内に備えるリチウムイオン二次電池であって、前記負極は、集電体と前記集電体に塗布された負極合材とを有し、前記負極合材は負極活物質及び負極用バインダを含み、前記負極用バインダがアクリル系樹脂及びポリフッ化ビニリデンを含有するリチウム二次電池。
【選択図】図1
Description
<1>正極、負極、セパレータ及び電解液を電池容器内に備えるリチウムイオン二次電池であって、前記負極は、集電体と前記集電体に塗布された負極合材とを有し、前記負極合材は負極活物質及び負極用バインダを含み、前記負極用バインダがアクリル系樹脂及びポリフッ化ビニリデンを含有するリチウム二次電池。
<2>前記アクリル系樹脂が、ニトリル基含有単量体由来の構造単位を含む、上記<1>に記載のリチウム二次電池。
<3>前記アクリル系樹脂が、更にカルボキシル基含有単量体由来の構造単位を含む、上記<2>に記載のリチウム二次電池。
<4>前記アクリル系樹脂と前記ポリフッ化ビニリデンとの質量比が80:20〜10:90である上記<1>〜<3>のいずれかに記載のリチウム二次電池。
<5>前記アクリル系樹脂が、負極合材の全量に対して5質量%以下である上記<1>〜<4>のいずれかに記載のリチウム二次電池。
<6>前記負極活物質が炭素材料であり、X線回折法(XRD)から測定される炭素網面層間(d(002))が0.34〜0.39nmである上記<1>〜<5>のいずれかに記載のリチウム二次電池。
<7>前記負極活物質がリチウム電位に対して0.1Vとなる電位における充電状態(State of charge)が60%以上である上記<1>〜<6>のいずれかに記載のリチウムイオン電池。
まず、リチウムイオン電池の概要について簡単に説明する。リチウムイオン電池は、電池容器内に、正極、負極、セパレータ及び電解液を有している。正極と負極との間にはセパレータが配置されている。
本実施の形態においては、高容量で長寿命のリチウムイオン電池に適用可能な以下に示す正極を有する。本実施の形態の正極(又は正極板)は、集電体及びその上部に形成された正極合材(又は正極合剤)よりなる。正極合材は、集電体の上部に設けられた少なくとも正極活物質を含む層である。前記正極活物質としてはこの分野で常用されるものを使用でき、例えば、リチウム含有複合金属酸化物、オリビン型リチウム塩、カルコゲン化合物、二酸化マンガン等が挙げられる。リチウム含有複合金属酸化物は、リチウムと遷移金属とを含む金属酸化物又は該金属酸化物中の遷移金属の一部が異種元素によって置換された金属酸化物である。ここで、異種元素としては、例えば、Na、Mg、Sc、Y、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Al、Cr、Pb、Sb、Bなどが挙げられ、Mn、Al、Co、Ni、Mgなどが好ましい。異種元素は1種でもよく又は2種以上でもよい。これらの中でも、リチウム含有複合金属酸化物が好ましい。リチウム含有複合金属酸化物としては、例えば、LixCoO2、LixNiO2、LixMnO2、LixCoyNi1-yO2、LixCoyM1-yOz、LixNi1-yMyOz、LixMn2O4、LixMn2-yMyO4、LiMPO4、Li2MPO4F(前記各式中、MはNa、Mg、Sc、Y、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Al、Cr、Pb、Sb、V及びBよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を示す。x=0〜1.2、y=0〜0.9、z=2.0〜2.3である。)等が挙げられる。ここで、リチウムのモル比を示すx値は、充放電により増減する。また、オリビン型リチウム塩としては、例えば、LiFePO4等が挙げられる。カルコゲン化合物としては、例えば、二硫化チタン、二硫化モリブデン等が挙げられる。正極活物質は1種を単独で使用でき、又は2種以上を併用できる。
本発明において、正極合材の密度は、2.3g/cm3以上3.0g/cm3以下が好ましい。正極合材の密度が2.3g/cm3未満では正極の抵抗が高くなり、入出力特性が低下する可能性がある。一方、正極合材の密度が3.0g/cm3を超えると安全性の低下が懸念され、他の安全対策の強化が必要となる可能性がある。このような観点で更に特性の向上を図るためには、正極合材の密度は、2.50g/cm3以上2.8g/cm3以下がより好ましい。
また、本発明では正極合材の塗布量を50g/m2以上250g/m2以下にすることが好ましい。正極合材の塗布量が50g/m2未満では充放電に寄与する活物質の量が低下し、電池のエネルギー密度が低下する可能性がある。一方、正極合材の塗布量が250g/m2を超えると正極合材の抵抗が高くなり、入出力特性が低下する可能性がある。上記のような観点で更に特性の向上を図るためには、正極合材の正極集電体への片面塗布量は、60g/m2以上200g/m2以下であることがより好ましく、80g/m2以上150g/m2以下であることが更に好ましい。
前記正極活物質の中では、高容量と寿命の観点から、層状型リチウム・ニッケル・マンガン・コバルト複合酸化物(NMC)を含むことがより好ましい。
上記下限未満では、タップ密度(充填性)が低下し、所望のタップ密度が得られなくなる可能性があり、上記上限を超えると粒子内のリチウムイオンの拡散に時間がかかるため、電池性能の低下を招く可能性がある。また、上記上限を超えると、電極の形成時において、結着材や導電材等の他の材料との混合性が低下する可能性がある。よって、この混合物をスラリー化し塗布する際に、均一に塗布できず、スジを引く等の問題を生ずる場合がある。なお、メジアン径d50は、レーザー回折・散乱法により求めた粒度分布から求めることができる。
本実施の形態においては、長寿命のリチウムイオン電池に適用可能な以下に示す負極を有する。本実施の形態の負極(又は負極板)は、集電体及びその両面(若しくは片面)に形成された負極合材(又は負極合剤)よりなる。負極合材は、電気化学的にリチウムイオンを吸蔵・放出可能な負極活物質及び負極バインダ(以下、結着材という場合もある)を含有する。
前記負極活物質としては、炭素材料を含むことが好ましい。前記炭素材料は、結晶構造がそろった黒鉛系のものと、結晶構造が乱れた非黒鉛系のものに大別される。黒鉛系には、天然黒鉛、人造黒鉛がある、非黒鉛系では非晶質炭素があり、結晶構造が乱れてはいるものの、2000〜3000℃の加熱によって黒鉛になりやすい易黒鉛化炭素と、黒鉛になりにくい難黒鉛化炭素がある。前記非晶質炭素は、例えば、石油ピッチ、ポリアセン、ポリパラフェニレン、ポリフルフリルアルコール、ポリシロキサンを熱処理することにより製造することが可能であり、焼成温度を変えることによって、難黒鉛化炭素としたり、易黒鉛化炭素としたりすることが可能である。例えば、500〜800℃程度の焼成温度は難黒鉛化炭素の製造に適しており、800〜1000℃程度の焼成温度は易黒鉛化炭素の製造に適している。前記難黒鉛化炭素は、X線広角回折法により得られるC軸方向の面間隔d002値が、0.36nm以上、0.40nm以下であると定義する。
0.34nm以上、0.36nm未満であることが好ましく、0.341nm以上、0.
355nm以下であることがより好ましく、0.342nm以上、0.35nm以下であることが更に好ましい。
また、本実施の形態における負極は、リチウム電位に対して0.1Vとなる電位における充電状態(State of Charge、以下SOCと略す。)が60%以上であることが好ましい。充電負荷特性の観点からは、リチウム電位に対して0.1Vとなる電位におけるSOCが、65%以上であることがより好ましく、68%以上であることが更に好ましい。リチウム電位に対して0.1Vとなる電位におけるSOCが高いほど、正極でのIRドロップの影響を受けにくく、寿命特性が向上するためである。
また、リチウム電位に対して0.1Vとなる電位における負極のSOCの上限に制限はないが、実用的な観点からは90%以下であることが好ましく、80%以下であることがより好ましい。このような機能を発現する負極活物質としては、例えば、非晶質炭素が挙げられる。
また、前記非晶質炭素の平均粒子径(50%D)は、2.0〜50μmであることが好ましい。平均粒子径がこれらの範囲において5μm以上の場合、比表面積を適正な範囲とすることができ、リチウムイオン二次電池の初回充放電効率が優れると共に、粒子同士の接触が良く入出力特性に優れる傾向がある。一方、平均粒子径が30μm以下の場合、電極面に凸凹が発生しにくく電池の短絡を抑制できると共に、粒子表面から内部へのLiの拡散距離が比較的短くなるためリチウムイオン二次電池の入出力特性が向上する傾向がある。この観点から平均粒子径は、5〜30μmであることがより好ましく、10〜20μmであることが更に好ましい。なお、粒度分布は、例えば、界面活性剤を含んだ精製水に試料を分散させ、レーザー回折式粒度分布測定装置(例えば、株式会社島津製作所製SALD−3000J)で測定することができ、平均粒子径は50%Dとして算出される。
また、負極活物質として、酸化錫や酸化ケイ素等の金属酸化物、金属複合酸化物、リチウム単体やリチウムアルミニウム合金等のリチウム合金、SnやSi等のリチウムと合金形成可能な材料などを炭素材料と併用してもよい。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上のものを組み合わせて用いてもよい。
前記金属複合酸化物としては、リチウムを吸蔵、放出可能なものであれば特に制限はないが、Ti(チタン)、Li(リチウム)又はTi及びLiの双方を含有するものが、高電流密度充放電特性の観点で好ましい。
前記アクリル系樹脂と前記ポリフッ化ビニリデンとの質量比は80 :20〜10:90の範囲が好ましく、70:30〜15:85がより好ましく、40:60〜20:80が更に好ましい。アクリル系樹脂が80%を超えると高抵抗になってしまい、10%未満であると高接着の効果が乏しくなってしまう可能性がある。
結着材の含有量(添加量、割合、量)について、負極合材の質量に対する結着材の含有量の範囲は次のとおりである。範囲の下限は、好ましくは0.1質量%、より好ましくは0.5質量%、更に好ましくは0.6質量%である。上限は、20質量%、好ましくは15質量%、より好ましくは10質量%、更に好ましくは8質量%である。
前記アクリル系樹脂の中でも特に、ニトリル基含有単量体由来の構造単位を含むアクリル系樹脂を用いることが好ましい。
<ニトリル基含有単量体>
前記ニトリル基含有単量体としては、特に制限はないが、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−シアノアクリレート、ジシアノビニリデン、フマロニトリル等が挙げられる。これらの中では、電極の柔軟性・可とう性の観点からは、アクリロニトリルが好ましい。これらのニトリル基含有単量体は、単独で又は二種類以上組み合わせて用いることができる。前記ニトリル基含有単量体としてアクリロニトリル又はメタクリロニトリルとを使用する場合の含有量は、アクリル系樹脂の全量に対して、40〜98質量%、が好ましくは、50〜96質量%がより好ましく、60〜95質量%が更に好ましい。
前記式(II)で表される単量体としては、以下に示す構造を有するものであれば、特に限定されない。
<式(III)で表される単量体>
前記式(III)で表される単量体としては、以下に示す構造を有するものであれば、特に限定されない。
カルボキシル基含有単量体としては、特に制限はないが、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、マレイン酸無水物、イタコン酸、イタコン酸無水物、シトラコン酸、シトラコン酸無水物等が挙げられる。これらの中では、電極の柔軟性及び接着性の観点から、アクリル酸が好ましい。これらのカルボキシル基含有単量体は、単独で又は二種類以上組み合わせて用いられる。カルボキシル基含有単量体を使用する場合の含有量は、アクリル系樹脂の全量に対して、0.1〜20質量%が好ましく、1〜10質量%がより好ましく、2〜6質量%が更に好ましい。
本発明のニトリル基含有単量体由来の構造単位を含む樹脂は、上記ニトリル基含有単量体由来の構造単位と、カルボキシル基含有単量体由来の構造単位と、式(II)及び/又は式(III)で表される単量体由来の構造単位に加え、これらの単量体とは異なる他の単量体の構造単位を適宜組合せることもできる。他の単量体としては、特に限定されないが、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート等の短鎖(メタ)アクリル酸エステル類、塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニル類、マレイン酸イミド、フェニルマレイミド、(メタ)アクリルアミド、スチレン、α−メチルスチレン、酢酸ビニル、(メタ)アリルスルホン酸ナトリウム、(メタ)アリルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレンスルホン酸ナトリウム、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及びその塩などが挙げられる。これらの他の単量体は、単独で又は二種類以上組み合わせて用いることができる。
ニトリル基含有単量体由来の構造単位と、カルボキシル基含有単量体由来の構造単位と、式(II)及び/又は前記式(III)で表される単量体由来の構造単位とのモル比は、例えば、ニトリル基含有単量体由来の構造単位1モルに対して、カルボキシル基含有単量体由来の構造単位が0.01〜0.2モル、好ましくは0.02〜0.1、より好ましくは、0.03〜0.06モルであり、式(II)及び/又は式(III)で表される単量体由来の構造単位が0.001〜0.2モル、好ましくは0.003〜0.05モル、より好ましくは0.005〜0.02モルである。カルボキシル基含有単量体由来の構造単位が0.01〜0.2モル、式(II)及び/又は式(III)で表される単量体由来の構造単位が0.001〜0.2モルであれば、集電体、特に銅箔を用いた負極集電体との接着性及び電解液に対する耐膨潤性に優れ、電極の柔軟性・可とう性が良好となる。
また、上記2種のバインダ以外に第3以上の成分が含まれていても良く、非水系電解液や電極の形成時に用いる分散溶媒に対して安定な材料であれば、特に制限はない。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、芳香族ポリアミド、セルロース、ニトロセルロース等の樹脂系高分子;SBR(スチレン−ブタジエンゴム)、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、フッ素ゴム、NBR(アクリロニトリル− ブタジエンゴム)、エチレン−プロピレンゴム等のゴム状高分子;スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体又はその水素添加物;EPDM(エチレン・プロピレン・ジエン三元共重合体)、スチレン・エチレン・ブタジエン・スチレン共重合体、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体又はその水素添加物等の熱可塑性エラストマー状高分子; シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエン、ポリ酢酸ビニル、エチレン・酢酸ビニル共重合体、プロピレン・α−オレフィン共重合体等の軟質樹脂状高分子;ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素化ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン・エチレン共重合体等のフッ素系高分子;アルカリ金属イオン(特にリチウムイオン)のイオン伝導性を有する高分子組成物などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
負極活物質及び負極バインダを用いて形成した負極合材の構成に特に制限はないが、負極合材の密度の範囲は次のとおりであることが望ましい。負極合材の密度の下限は、好ましくは0.7g/cm3、より好ましくは0.8g/cm3、更に好ましくは0.9g/cm3であり、上限は、2g/cm3、好ましくは1.9g/cm3、より好ましくは1.8g/cm3、更に好ましくは1.7g/cm3である。
本実施の形態の電解液は、リチウム塩(電解質)と、これを溶解する非水系溶媒から構成される。必要に応じて、添加材を加えてもよい。
セパレータは、正極及び負極間を電子的には絶縁しつつもイオン透過性を有し、かつ、正極側における酸化性及び負極側における還元性に対する耐性を備えるものであれば特に制限はない。このような特性を満たすセパレータの材料(材質)としては、樹脂、無機物、ガラス繊維等が用いられる。
リチウムイオン電池のその他の構成部材として、開裂弁を設けてもよい。開裂弁が開放することで、電池内部の圧力上昇を抑制でき、安全性を向上させることができる。
まず、本発明をラミネート電池に適用した実施の形態について説明する。
ラミネート型のリチウムイオン二次電池は、例えば、次のようにして作製できる。まず、正極と負極を角形に切断し、それぞれの電極にタブを溶接し正負極端子を作製する。正極、絶縁層、負極をこの順番に積層した積層体を作製し、その状態でアルミニウム製のラミネートパック内に収容し、正負極端子をアルミラミネートパックの外に出し密封する。次いで、非水電解質をアルミラミネートパック内に注液し、アルミラミネートパックの開口部を密封する。これにより、リチウムイオン二次電池が得られる。
次に、図面を参照して、本発明を18650タイプの円柱状リチウムイオン二次電池に適用した実施の形態について説明する。
図1に示すように、本実施形態のリチウムイオン二次電池1は、ニッケルメッキが施されたスチール製で有底円筒状の電池容器6を有している。電池容器6には、帯状の正極板2及び負極板3がセパレータ4を介して断面渦巻状に捲回された電極群5が収容されている。電極群5は、正極板2及び負極板3がポリエチレン製多孔質シートのセパレータ4を介して断面渦巻状に捲回されている。セパレータ4は、例えば、幅が58mm、厚さが30μmに設定される。電極群5の上端面には、一端部を正極板2に固定されたアルミニウム製でリボン状の正極タブ端子が導出されている。正極タブ端子の他端部は、電極群5の上側に配置され正極外部端子となる円盤状の電池蓋の下面に超音波溶接で接合されている。一方、電極群5の下端面には、一端部を負極板3に固定された銅製でリボン状の負極タブ端子が導出されている。負極タブ端子の他端部は、電池容器6の内底部に抵抗溶接で接合されている。従って、正極タブ端子及び負極タブ端子は、それぞれ電極群5の両端面の互いに反対側に導出されている。なお、電極群5の外周面全周には、図示を省略した絶縁被覆が施されている。電池蓋は、絶縁性の樹脂製ガスケットを介して電池容器6の上部にカシメ固定されている。このため、リチウムイオン二次電池1の内部は密封されている。また、電池容器6内には、図示しない非水電解液が注液されている。
拌機、温度計、冷却管及び窒素ガス導入管を装備した3リットルのセパラブルフラスコに、精製水1804gを仕込み、窒素ガス通気量200ml/分の条件下、撹拌しながら、74℃まで昇温した後、窒素ガスの通気を止めた。次いで、重合開始剤の過硫酸アンモニウム0.968gを精製水76gに溶かした水溶液を添加し、直ちに、ニトリル基含有単量体のアクリロニトリル183.8g、カルボキシル基含有単量体のアクリル酸9.7g(アクリロニトリル1モルに対して0.039モルの割合)及び式(II)で表される単量体のメトキシトリエチレングリコールアクリレート(新中村化学工業株式会社製、商品名:NKエステルAM−30G)6.5g(アクリロニトリル1モルに対して0.0085モルの割合)の混合液を、系の温度を74±2℃に保ちながら、2時間かけて滴下した。続いて、懸濁した反応系に、過硫酸アンモニウム0.25gを精製水21.3gに溶かした水溶液を追加添加し、84℃まで昇温した後、系の温度を84±2℃に保ちながら、2.5時間反応を進めた。その後、1時間かけて40℃まで冷却した後、攪拌を止めて一晩室温で放冷し、ニトリル基含有単量体由来の構造単位を含む樹脂組成物が沈殿した反応液を得た。この反応液を吸引ろ過し、回収した湿潤状態の沈殿を精製水1800gで3回洗浄した後、80℃で10時間真空乾燥して、単離・精製し、ニトリル基含有単量体由来の構造単位を含むアクリル系樹脂を得た。
正極板の作製を以下のように行った。正極活物質である層状型リチウム・ニッケル・マンガン・コバルト複合酸化物(NMC)を用いた。この正極活物質の混合物に、導電材としてアセチレンブラックと、結着材としてポリフッ化ビニリデンとを順次添加し、混合することにより正極材料の混合物を得た。質量比は、活物質:導電材:結着材=90:5:5とした。更に上記混合物に対し、分散溶媒であるN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を添加し、混練することによりスラリーを形成した。このスラリーを正極用の集電体である厚さ20μmのアルミニウム箔の両面に実質的に均等且つ均質に塗布した。その後、乾燥処理を施し、所定密度までプレスにより圧密化した。正極合材密度は2.55g/cm3 とし、正極合材塗布量115g/m2とした。
負極板の作製を以下のように行った。負極活物質としてd002が0.346であり、平均粒径D50が20μmであり、リチウム電位に対して0.1Vとなる電位におけるSOCが70%である非晶質炭素を用いた。この負極活物質に結着材としてポリフッ化ビニリデン若しくはアクリル系樹脂バインダ若しくはそれらの混合物を添加した。これらの質量比は、負極活物質:結着材=92:8若しくは94:6とした。これに分散溶媒であるN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を添加し、混練することによりスラリーを形成した。スラリーの粘度はE型粘度計(東機産業株式会社製,TYPE−H)を用いて25℃で測定し、チクソトロピー性の指標であるTI値(0.5rpm/5rpm)を算出した。このスラリーを負極用の集電体である厚さ10μmの圧延銅箔の両面に実質的に均等且つ均質に所定量塗布した。負極合材密度は1.15g/cm3 とした。
電池の作製例として、例えば、ラミネート型電池の例を示す。
リチウム電位に対して0.1Vとなる電位におけるSOCの測定は、作製した試料負極電極をφ15mmの大きさに打ち抜き、φ16mmの大きさに打ち抜いた対極(金属リチウム)、φ19mmの大きさに打ち抜いたセパレータ、電解液とともにアルゴン雰囲気下でCR2032型コインセルを組み25℃で行った。対極には表面を研磨して酸化皮膜を除去した金属リチウムを使用した。
電解液は,非水電解質(1MのLiPF6を含むエチレンカーボネート/メチルエチルカーボネート/ジメチルカーボネート=2/2/3混合溶液(体積比)に、混合溶液全量に対してビニレンカーボネートを0.8質量%添加したもの、商品名:ソルライト、三菱化学株式会社製)を0.2mL使用した。セパレータにはポリエチレン製多孔質シートのセパレータ(商品名:ハイポア、旭化成株式会社製、厚さが30μm)を使用した。
以上のようにして得られたコインセルを用いて試料電極と対極の間に、電流密度0.1C(リチウム二次電池用負極材料1g当り36mA)の定電流で0V(V vs Li/Li+)まで充電し、0Vの定電圧で電流密度が0.01Cになるまで充電した。放電は,電流密度0.1Cの定電流で1.5V(V vs Li/Li+)までおこなった。この充電,放電する試験を3サイクル行った。
図2に、本発明で使用した負極電極の対Li試験結果の一例として、3サイクル目で測定した電圧(V vs Li/Li+)と放電容量との関係を示す。図2に示すように、0.1Vの時のSOCは、第3サイクル目の充電容量をSOC100%としたときに、同じ3サイクル目の0.1Vまでの充電容量から、下記の(1)式に従って算出した。
SOC=(第3サイクル目の0.1VまでのCC充電容量/第3サイクル目の0VまでのCCCV充電容量)×100 (1)
〈実施例1〜4〉
バインダとして、PVDF(ダイキン工業株式会社製)と合成例1で調整したアクリル系樹脂の混合比を88/12(実施例1)、75/25(実施例2)、63/37(実施例3)、37/63(実施例5)とし,負極活物質:結着材=92:8とした負極電極を作製した。その後、上記作製方法に従ってラミネートセルを作製した。充電レート特性は、25℃での電流値3Cにおける定電流充電(終止電圧4.2V)での充電容量と25℃での電流値0.5Cにおける定電流充電(終止電圧4.2V)での充電容量の割合とした。このときの放電は0.5CAの2.7VCC放電とした。サイクル特性は25℃で1CA、4.2Vの定電流定電圧充電(終止電流値:0.01C)、1CAの定電流放電(終止電圧2.7V)で測定した。充電負荷特性及びサイクル特性の評価は、充放電装置(東洋システム株式会社製 TOSCAT−3200)を用いた。
〈比較例1〉
バインダとして、PVDF(ダイキン工業株式会社製)のみを用いて、負極活物質:結着材=92:8とし、負極電極を作製した。その後、上記作製方法に従ってラミネートセルを作製した。充電負荷特性は、25℃で電流値3Cにおける4.2VCC充電容量/電流値0.5Cにおける4.2VCC充電容量の割合とした。このときの放電は0.5CAの2.7VCC放電とした。サイクル特性は25℃で1CA、4.2VCCCV充電(0.01Ccut)、2.7VCC放電で測定した。充電負荷特性及びサイクル特性の評価は、充放電装置(東洋システム株式会社製 TOSCAT−3200)を用いた。
〈比較例2〉
バインダとして、合成例1で調整したアクリル系樹脂のみを用いて、負極活物質:結着材=92:8とし、負極電極を作製した。その後、上記作製方法に従ってラミネートセルを作製した。充電負荷特性は、25℃で電流値3Cにおける4.2VCC充電容量/電流値0.5Cにおける4.2VCC充電容量の割合とした。このときの放電は0.5CAの2.7VCC放電とした。サイクル特性は25℃で1CA、4.2VCCCV充電(0.01Ccut)、2.7VCC放電で測定した。充電負荷特性及びサイクル特性の評価は、充放電装置(東洋システム株式会社製 TOSCAT−3200)を用いた。
〈比較例3〉
バインダとして、合成例1で調整したアクリル系樹脂のみを用いて,負極活物質:結着材=94:6とし、負極電極を作製した。その後、上記作製方法に従ってラミネートセルを作製した。充電負荷特性は、25℃で電流値3Cにおける4.2VCC充電容量/電流値0.5Cにおける4.2VCC充電容量の割合とした。このときの放電は0.5CAの2.7VCC放電とした。サイクル特性は25℃で1CA、4.2VCCCV充電(0.01Ccut)、2.7VCC放電で測定した。充電負荷特性及びサイクル特性の評価は、充放電装置(東洋システム株式会社製 TOSCAT−3200)を用いた。
上記の実施例及び比較例の結果を以下の表1に示す。
Claims (7)
- 正極、負極、セパレータ及び電解液を電池容器内に備えるリチウムイオン二次電池であって、前記負極は、集電体と前記集電体に塗布された負極合材とを有し、前記負極合材は負極活物質及び負極用バインダを含み、前記負極用バインダがアクリル系樹脂及びポリフッ化ビニリデンを含有するリチウム二次電池。
- 前記アクリル系樹脂が、ニトリル基含有単量体由来の構造単位を含む、請求項1に記載のリチウム二次電池。
- 前記アクリル系樹脂が、更にカルボキシル基含有単量体由来の構造単位を含む、請求項2に記載のリチウム二次電池。
- 前記アクリル系樹脂と前記ポリフッ化ビニリデンとの質量比が80:20〜10:90である請求項1〜3のいずれかに記載のリチウム二次電池。
- 前記アクリル系樹脂が、負極合材の全量に対して5質量%以下である請求項1〜4のいずれかに記載のリチウム二次電池。
- 前記負極活物質が炭素材料であり、X線回折法(XRD)から測定される炭素網面層間(d(002))が0.34〜0.39nmである請求項1〜5のいずれかに記載のリチウム二次電池。
- 前記負極活物質がリチウム電位に対して0.1Vとなる電位における充電状態(State of charge)が60%以上である請求項1〜6のいずれかに記載のリチウムイオン電池。
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