JP2017017070A - 光処理装置および光処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡便な構成で排ガス中のオゾン濃度を低減する。
【解決手段】光処理装置は、紫外線を発する光源部と、被処理物体が、酸素を含む処理気体の雰囲気中で光源部から発せられた紫外線に曝される紫外線処理領域を有する処理部と、紫外線処理領域に酸素を含む処理気体を供給する給気部と、紫外線処理領域から装置外部に処理気体を排出する排気部と、を備える。排気部は、装置外部に連通し、当該紫外線処理領域から処理気体を排出する排気路を備え、排気路は、装置外部に排出する前に処理気体を加熱する加熱空間を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、プリント基板製造工程におけるスミアの除去(デスミア)処理などに用いられる光処理装置および光処理方法に関する。
従来、例えば、半導体や液晶等の製造工程におけるレジストの光アッシング処理、ナノインプリント装置におけるテンプレートのパターン面に付着したレジストの除去処理、液晶用のガラス基板やシリコンウエハなどのドライ洗浄処理、プリント基板製造工程におけるスミアの除去(デスミア)処理などに用いられる光処理装置および光処理方法として、紫外線を用いた光処理装置および光処理方法が知られている。特に、エキシマランプなどから放射される真空紫外線により生成されるオゾンや酸素ラジカル等の活性種を利用した装置や方法は、より効率良く短時間で所定の処理を行うことができることから、好適に利用されている。
例えば特許文献1では、ビアホールのデスミア処理方法として、基板に紫外線を照射する方法が提案されており、酸素を含む雰囲気下で、ビアホールを形成した基板に紫外線を照射することが提案されている。酸素に紫外線を照射すると、オゾンや酸素ラジカルなどの活性種が発生する。スミアは、これらの活性種と結合し、二酸化炭素や水蒸気となって除去される。そして、二酸化炭素や水蒸気は、排ガスとなって処理室外に排気される。
特開2014−239181号公報
上記のように、デスミア処理後の排ガスは処理室外に排気されるが、この排ガス中には、未反応のオゾンが残っている。しかしながら、排ガス中に残存しているオゾンは、排気路の配管の内壁や、排気路の途中に設置された機器(バルブや流量センサ等)を劣化(酸化)させるおそれがある。また、オゾンはそのまま装置外に排気することができないため、排ガス中に残存するオゾンは安全許容濃度以下まで分解する必要がある。
そのため、光処理装置の排気側には、排ガス中のオゾンを分解するためのオゾン分解装置が設置される。しかしながら、排ガス中のオゾン濃度が高いほど、オゾンを分解するための薬品等の消耗が大きくなり、コストが嵩む。
そこで、本発明は、簡便な構成で排ガス中のオゾン濃度を低減することができる光処理装置、その製造方法、及び光処理方法を提供することを課題としている。
上記課題を解決するために、本発明に係る光処理装置の一態様は、紫外線を発する光源部と、被処理物体が、酸素を含む処理気体の雰囲気中で前記光源部から発せられた前記紫外線に曝される紫外線処理領域を有する処理部と、前記紫外線処理領域に前記処理気体を供給する給気部と、前記紫外線処理領域から装置外部に前記処理気体を排出する排気部と、を備え、前記排気部は、前記装置外部に連通し、当該紫外線処理領域から前記処理気体を排出する排気路を備え、前記排気路は、前記装置外部に排出する前に前記処理気体を加熱する加熱空間を備える。
ここで、「処理気体」とは、被処理物体を処理する気体であって、紫外線に曝されることで処理能力を得る気体である。代表例としては、酸素がある。酸素が紫外線に曝されると、酸素ラジカル(活性種)やオゾンが発生して被処理物体の表面や付着物を酸化する。
本発明に係る光処理装置によれば、処理気体を加熱してから外部へ排出する。処理気体中のオゾンは、処理気体が高温であるほど分解しやすい。したがって、処理気体を加熱することで、処理気体中のオゾン濃度を低減することができ、排気路の配管や機器等の劣化を抑制することができる。
さらに、上記の光処理装置において、前記処理部は、加熱機構によって加熱され、前記被処理物体を加熱しながら保持するステージを備え、前記加熱空間は、前記ステージに形成されていてもよい。これにより、ステージの熱を利用して加熱空間を加熱することができる。したがって、処理気体を加熱するための熱源を別に設ける必要がなく、その分のコストを削減することができると共に、装置の大型化も抑制することができる。
また、上記の光処理装置において、前記加熱空間は、前記処理気体を滞留させて加熱してもよい。これにより、処理気体を十分に加熱することができる。
さらに、上記の光処理装置において、前記加熱空間の流路面積が、当該加熱空間と前記装置外部との間を連通する前記排気路の流路面積よりも大きく設定されていてもよい。これにより、確実に加熱空間に処理気体を滞留させることができ、処理気体を十分に加熱することができる。
また、上記の光処理装置において、前記給気部および前記排気部は、前記紫外線処理領域を、前記被処理物体の表面に沿って流れる前記処理気体の流動方向に挟んで対向配置され、前記加熱空間は、前記表面に平行で前記流動方向に対して直交する第一方向に、前記紫外線処理領域の前記第一方向の幅に相当する長さを有して延在し、前記紫外線処理領域から前記加熱空間までの前記排気路は、前記第一方向に間隔を隔てて複数並んで、当該加熱空間に気密に連結され、前記加熱空間から前記装置外部までの前記排気路は、前記加熱空間の長手方向中央部に1つ、当該加熱空間に気密に連結されていてもよい。これにより、紫外線処理領域における処理気体の流れの均一性を乱すことなく、紫外線処理領域から適切に処理気体を排出することができる。
また、本発明に係る光処理装置の製造方法の一態様は、紫外線を発する光源部と、被処理物体が、加熱機構によって加熱されたステージに保持されて、酸素を含む処理気体が流れる雰囲気下で前記光源部から発せられた前記紫外線に曝される紫外線処理領域を有する処理部と、を備える光処理装置の製造方法であって、前記ステージに、前記被処理物体の表面に平行で、且つ当該表面に沿って流れる前記処理気体の流動方向に対して直交する第一方向の側面から、少なくとも前記紫外線処理領域の前記第一方向の幅に相当する長さを有する空間を形成する工程と、前記紫外線処理領域内に位置する前記ステージの表面から前記空間に貫通する第一の貫通孔を、前記第一方向に間隔を隔てて複数形成する工程と、前記ステージの前記表面とは異なる側面から前記空間に貫通する第二の貫通孔を形成する工程と、前記空間の前記第一方向端部の開口を閉塞して、前記紫外線処理領域から前記第一の貫通孔に導入された前記処理気体を前記空間で加熱し、前記第二の貫通孔から前記ステージの外へ排出する排気路を形成する工程と、を含む。このように、比較的簡易な方法で、排気路を形成することができる。
さらに、本発明に係る光処理方法の一態様は、酸素を含む処理気体を、被処理物体が配置された領域に供給する給気工程と、前記処理気体の雰囲気中に配置された被処理物体に、光源から発せられた紫外線を照射する処理工程と、前記処理工程の後、前記領域から導出した前記処理気体を加熱する加熱工程と、加熱された前記処理気体を排出する排気工程と、を含む。このように、紫外線処理領域から導出した処理気体を加熱するので、処理気体中のオゾン濃度を低減してから外部へ排気することができる。
本発明によれば、紫外線処理領域から導出される処理気体(排ガス)を加熱するので、排ガス中のオゾン濃度を低下することができ、排気路の配管や機器等の劣化を抑制することができる。
本実施形態の光処理装置の概略構成を示す断面図である。 本実施形態の光処理装置の概略構成を示す斜視図である。 基板の概略的構造を示す断面構造図である。 デスミア処理における作用の第1段階を示す図である。 デスミア処理における作用の第2段階を示す図である。 デスミア処理における作用の第3段階を示す図である。 デスミア処理における作用の最終段階を示す図である。 温度とオゾンの分解速度との関係を示す図である。 ガス加熱空間におけるオゾン分解作用を示す図である。 光処理装置の製造工程を説明する図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態の光処理装置の概略構成を示す断面図、図2は、本実施形態の光処理装置の概略構成を示す斜視図である。本実施形態では、光処理装置の一例として、例えばフォトデスミア装置への適用例ついて説明する。フォトデスミア装置は、ある一定温度に加熱された基板に対し、酸素を含む雰囲気下で紫外線を照射することにより、基板に形成されたビアホール内のスミアを除去する装置である。
(光処理装置の構成)
図1に示すように、光処理装置100は、光源部である光照射部10と、被処理物体である基板(ワーク)Wを保持する処理部20とを備える。光照射部10は、例えば真空紫外線を発する複数の紫外線光源11を内部に収納し、処理部20が保持する基板Wに紫外線光源11からの光を照射する。
光照射部10は、下方に開口部を有する箱型形状のケーシング14を備える。ケーシング14の開口部には、例えば真空紫外線を透過する、例えば石英ガラス等の窓部材12が気密に設けられている。光照射部10(ケーシング14)の内部は、供給口15から例えば窒素ガス等の不活性ガスが供給されることで、不活性ガス雰囲気に保たれている。光照射部10内の紫外線光源11の上方には、反射鏡13が設けられている。反射鏡13は、紫外線光源11から発せられた光を窓部材12側に反射する。このような構成により、反射鏡13の全幅にほぼ対応した領域Rに対して、ほぼ均等に紫外線光源11の光が照射される。すなわち、領域Rは、窓部材12とステージ21の表面とで挟まれた領域のうち、紫外線が照射される領域であり、基板Wに対して紫外線照射処理(デスミア処理)を行う紫外線処理領域となる。
紫外線光源11は、例えば波長220nm以下、好ましくは波長190nm以下の紫外線(真空紫外線)を出射するものであって、種々の公知のランプを利用できる。ここで、波長220nmとしたのは、紫外線の波長が220nmを超える場合には、樹脂などの有機物質に起因するスミアを分解除去することが困難となるためである。
紫外線光源11としては、例えば、キセノンガスを封入したキセノンエキシマランプ(ピーク波長172nm)、低圧水銀ランプ(185nm輝線)などを用いることができる。なかでも、デスミア処理に用いるものとしては、例えばキセノンエキシマランプが好適である。
処理部20は、紫外線照射処理(デスミア処理)を行う基板Wを表面に吸着して保持するステージ21を備える。ステージ21は、光照射部10の窓部材12に対向して配置されている。ステージ21には、基板Wを吸着するために例えば吸着孔(不図示)が穿たれている。このステージ21は、平坦性や吸着孔の精度を確保するため、例えばアルミニウム材で形成されている。
ステージ21表面の外周部分には、外周溝21aが形成されている。この外周溝21aと光照射部10の窓部材12との間にOリング22が挟まれることで、光照射部10と処理部20とが気密に組み付けられる。なお、特に図示しないが、このOリング22による気密性を阻害しない範囲でステージ21の高さを微調整して、基板Wと窓部材12との距離を高精度に調整する調整機構も備えられているものとする。
ステージ21には、基板Wが載置されて光照射部10からの紫外線が照射される紫外線処理領域(以下、単に「処理領域」という。)Rを基板Wごと加熱するヒータ23が組み込まれている。ヒータ23としては、例えば、シースヒータやカートリッジヒータなどの加熱機構を用いることができる。
ヒータ23には、処理領域Rの加熱温度を所定の設定温度に制御するヒータ制御器(不図示)が接続されている。ここで、上記設定温度は、例えば120℃以上190℃以下とすることができる。
ステージ21の一方(図1の右側)の側縁部には、処理用ガス(処理気体)を処理領域Rに供給するための給気路24が形成されている。給気路24は、第一給気管24aと、ガス加熱空間24bと、第二給気管24cとを含んで構成されている。給気路24には不図示の処理用ガス供給手段が接続されており、少なくとも当該処理用ガス供給手段と給気路24とで、処理領域Rに処理用ガスを供給する給気部を構成する。
また、ステージ21の他方(図1の左側)の側縁部には、デスミア処理後の排ガスをステージ部21外に排出するための排気路25が形成されている。排気路25は、第一排気管25aと、ガス加熱空間25bと、第二排気管25cとを含んで構成されている。排気路25には不図示の排気手段が接続されており、少なくとも当該排気手段と排気路25とで、処理領域Rからデスミア処理後の排ガスを排出する排気部を構成する。
ここで、処理用ガスとしては、例えば、酸素ガス、酸素とオゾンや水蒸気の混合ガス、これらのガスに不活性ガスなどを混合したガスなどが考えられるが、本実施形態では酸素ガスを用いるものとする。処理用ガスは、基板Wに対して光照射部10からの紫外線が照射されている間、第一給気管24a、ガス加熱空間24b、第二給気管24cを通って処理領域Rに供給され、第一排気管25a、ガス加熱空間25b、第二排気管25cを通って排ガスとしてステージ部21外部に排出される。すなわち、処理用ガスは、窓部材12と基板Wとの間の処理領域Rを、図1の右から左へと流れていくこととなる。
第一給気管24aは、例えば図2に示すように、基板W表面を流れる処理用ガスの流れの方向(X方向)におけるステージ21の一方の側縁部のほぼ中央に、X方向に延在して1つ設けられている。また、第二給気管24cは、例えば図2に示すように、ステージ21の当該一方の側縁部におけるステージ21の表面側に鉛直方向(Z方向)に延在して、X方向及びZ方向に直交する方向(Y方向:第一方向)に複数(図2では6つ)並んで設けられている。
ガス加熱空間24bは、第一給気管24a及び第二給気管24cとそれぞれ直交する方向(Y方向)に延在して、第一給気管24a及び第二給気管24cとそれぞれ気密に連結されている。ガス加熱空間24bは、その長手方向(Y方向)に、例えば処理領域RのY方向の幅に相当する長さを有する。ここで、ガス加熱空間24bの内径(流路面積)は、第一給気管24aの内径(流路面積)よりも大きく設定されている。
同様に、第二排気管25cは、例えば図2に示すように、X方向におけるステージ21の他方の側縁部のほぼ中央に、X方向に延在して1つ設けられている。また、第一排気管25aは、例えば図2に示すように、ステージ21の当該他方の側縁部におけるステージ21の表面側にZ方向に延在して、Y方向に複数(図2では6つ)並んで設けられている。
ガス加熱空間25bは、第一排気管25a及び第二排気管25cとそれぞれ直交するY方向に延在して、第一排気管25a及び第二排気管25cとそれぞれ気密に連結されている。ガス加熱空間25bは、その長手方向(Y方向)に、処理領域RのY方向の幅に相当する長さを有する。ここで、ガス加熱空間25bの内径(流路面積)は、第二排気管25cの内径(流路面積)よりも大きく設定されている。ガス加熱空間25bは、排気路25における処理領域R側の端部近傍に設けることが好ましい。
これにより、処理部20に供給された処理用ガスは、図2の矢印で示すように、ステージ21上に載置された基板Wの全面に沿って流れ、基板Wの全面についてデスミア処理が行われる。
上述したように、ステージ21にはヒータ23が設けられており、給気路24および排気路25は、ヒータ23によって加熱されるステージ21の内部に形成されている。そのため、給気路24および排気路25はヒータ23の熱を受け、流路内部を通過する処理用ガスは加熱される。すなわち、処理用ガス供給手段から供給される処理用ガスは、給気路24内で加熱されて処理領域Rに供給される。また、デスミア処理後の処理用ガス(排ガス)は、排気路25内で加熱されてステージ21外に排出され、光処理装置100の外部に排出される。
(基板構造)
光処理装置100による処理対象である基板Wとしては各種の構造の基板Wが用いられるが、ここでは単純化された構造例について説明する。
図3は、基板Wの概略的構造を示す断面構造図である。
基板Wは、例えば、半導体集積回路素子等の半導体素子を搭載するための多層配線基板を製造する途中の中間的な配線基板材料である。
多層配線基板においては、一の配線層と他の配線層とを電気的に接続するため、1つのもしくは複数の絶縁層を厚み方向に貫通して伸びるビアホールが形成される。多層配線基板の製造工程においては、絶縁層31と配線層32とが積層されてなる配線基板材料に、例えばレーザ加工を施すことによって絶縁層31の一部を除去することにより、ビアホール33が形成される。
しかし、形成されたビアホール33の底部や側部の表面には、絶縁層31を構成する材料に起因するスミア(残渣)Sが付着する。このスミアSが付着したままの状態でビアホール33内にメッキ処理を施すと、配線層間の接続不良を引き起こすことがある。このため、ビアホール33が形成された配線基板材料(基板W)に対して、ビアホール33に付着したスミアSを除去するデスミア処理が行われる。
基板Wが図1及び図2に示すステージ21上に載置される際には、ビアホール33の開口が光照射部10に向くように、即ちスミアSが紫外線光源11からの紫外線に曝されるように載置される。
(デスミア処理の手順)
次に、光処理装置100で実行されるデスミア処理の手順について説明する。
先ず、ヒータ制御器(不図示)によって、ステージ21に内蔵されたヒータ23を駆動制御し、処理領域Rの温度を設定温度に制御する。次に、処理部20の外から処理対象の基板Wを搬送し、ステージ21上に載せる。このとき、基板Wは、真空吸着などによりステージ21に保持される。その後、給気路24から処理領域Rに処理用ガスを供給する。そして、処理用ガスが処理領域Rを均一に流れたら紫外線光源11が点灯し、基板Wに対し処理用ガスを介して紫外線を照射する。
紫外線が照射された処理用ガスは、例えばオゾンや酸素ラジカルなどの活性種を生成し、後で詳しく説明するように、ビアホール内のスミアと反応してこれを除去する。処理用ガスとスミアとが反応して生じた、例えば二酸化炭素等のガスは、新しく供給される処理用ガスの流れに乗って下流に運ばれ、排気路25に引き込まれて排気手段により排ガスとして排出される。処理が終わった基板Wは、ステージ21上から処理部20の外に搬出される。
(デスミア処理の作用)
ここで、デスミア処理における詳細な作用について説明する。
図4〜図7は、デスミア処理の工程における各段階を示す図である。
図4に示す第1段階では、処理用ガスに、図4の上方から下方を向いた矢印で示されるように紫外線(UV)が照射されることにより、処理用ガスに含まれる酸素から活性種34であるオゾンや酸素ラジカル(ここでは酸素ラジカルのみを図示)が生成される。この活性種34は、基板Wのビアホール33内に進入する。
図5に示す第2段階では、活性種34がビアホール33内のスミアSと反応してスミアSの一部が分解されるとともに、紫外線がスミアSに照射されることでもスミアSの一部が分解される。このようなスミアSの分解によって、例えば二酸化炭素ガス(CO2)や水蒸気(H2O)などの反応生成ガス35が生成される。
そして、図6に示す第3段階では、反応生成ガス35は、給気路側(図6の右側)から流れてくる、活性種34を含んだ新しい処理用ガスにより、ビアホール33から排気路側(図6の左側)へと押し流される。反応生成ガス35の排出に伴って、活性種34を含んだ新しい処理用ガスがビアホール33内に進入する。
紫外線の照射、活性種34の進入、および反応生成ガス35の排出が繰り返された結果、図7に示す最終段階では、ビアホール33内からスミアが完全に除去される。ビアホール33外に押し流された反応生成ガス35は、基板W上の処理用ガスの流れに乗って、図1及び図2に示す第一排気管25aから排ガスとして排出される。
このように、デスミア処理では、紫外線の照射によって例えば酸素ラジカルやオゾンなどの活性種が生成されてビアホール33内に進入するとともに、紫外線そのものがビアホール33内に照射されることが処理効率向上の為に重要である。このため、図1に示す窓部材12と基板Wとの間の距離は、例えば1mm以下とされることが好ましく、特に0.5mm以下とされることが好ましい。これにより、酸素ラジカルやオゾンを安定して生成することができると共に、基板Wの表面に到達する真空紫外線を十分な大きさの強度(光量)とすることができる。
(ガス加熱空間25bの作用)
上述したように、処理用ガスに紫外線を照射するとオゾンや酸素ラジカル等の活性種が発生し、これらがスミアと反応してデスミア処理が行われる。そして、デスミア処理後の処理用ガスは排ガスとなって排気路25から処理部20外に排出される。しかしながら、排ガス中には未反応のオゾンが残存しており、このオゾンは、配管の内壁を劣化(酸化)させてしまう。また、排気路の途中には処理用ガスの流量を測定したり調整したりするための機器、例えばバルブ、流量コントローラ、流量センサなどを設置するが、オゾンはこれらも劣化(酸化)させてしまう。
また、排ガス中のオゾンを完全に分解してから装置外に排出するために、装置の排気側にはオゾンの分解装置を取り付ける。しかしながら、排ガス中のオゾンの濃度が高いと、オゾン分解装置内のオゾンを分解するための薬品等の消耗が大きく、コストが嵩む。
そこで、光処理装置100では、処理領域Rから導出した排ガスを、排気路25に形成されたガス加熱空間25bで加熱(加温)する。そして、このガス加熱空間25bで排ガスに残存するオゾンを分解してから処理部20の外に排出する。
オゾンは、高温であるほど熱分解しやすい。図8は、1気圧における温度とオゾンの分解速度との関係を示す図である。この図8において、横軸は温度(℃)、縦軸はオゾンの半減期を示している。ここで、オゾンの半減期とは、オゾンの濃度が半分になるまでの時間である。この図8に示すように、温度の上昇に伴い、オゾンの半減期は短くなり、オゾンの分解速度が速くなる。
すなわち、排ガス中のオゾン濃度は、排ガスの加熱温度が高いほど速く低下する。したがって、排ガスの加熱温度は、できるだけ高い方が好ましい。
ところで、フォトデスミアにおいては、オゾンや酸素ラジカルなどの活性種とスミアとの化学反応の速度を速め、デスミア処理速度(スミアが除去される速度)を速めるために、基板Wは120℃以上190℃以下に加熱されている。基板Wを加熱するために、基板Wが載置されるステージ21にはヒータ23が設けられており、ステージ21は当該ヒータ23によって加熱されている。
光処理装置100では、ステージ21の一部に排ガスが通過する排気路25を形成し、この排気路25を介して排ガスを処理部20外に排出する。ステージ21に形成した排気路25を排ガスが通過することにより、排ガスはステージ21により加熱(加温)され、排ガスの温度は高温に保たれる。このように、ステージ21の熱を利用して排ガスの温度を高温に保って、当該排ガスを処理部20外に排出する。
さらに、光処理装置100では、ステージ21に形成した排気路25の途中にガス加熱空間25bを形成する。ここで、ガス加熱空間25bからステージ21外までの第二排気管25cの径は、ガス加熱空間25bの径よりも細い。そのため、ガス加熱空間25bは、第二排気管25cへ流れ込もうとする排ガスを一時的に溜める働きをする。このようにガス加熱空間25bに溜められた排ガスは、ステージ21の熱により十分に加熱(加温)されてから、第二排気管25cを通ってステージ21外に排出される。すなわち、排ガスの温度は、処理領域Rの設定温度(120℃以上190℃以下)に保たれた状態でガス加熱空間25bに滞留する。したがって、ガス加熱空間25bにおいて排ガス中のオゾンの分解を確実に進めることができる。
ガス加熱空間25bにおける排ガスの滞留時間が長いほど、オゾンの分解が進む。ガス加熱空間25bにおける排ガスの滞留時間は、ガス加熱空間25bの大きさ(体積)や排ガスの流速によって決まる。したがって、排ガス中のオゾン濃度が所望値となるように、ガス加熱空間25bの大きさ(体積)や排ガスの流速を設定することが好ましい。
このように、本実施形態では、排ガスが高温であるほど、排ガス中のオゾンの熱分解速度が速いことを利用し、排気路25に、そこを通る排ガスを意図的に加熱する機構を設けることによって、ガス加熱空間25b内で排ガス中のオゾン濃度を低下させる。その結果、ガス加熱空間25bから下流側の排気路25の配管や機器等がオゾンにより劣化されることを抑制することができる。また、装置の排気側に設置したオゾン分解装置の負荷も軽減することができる。
さらに、ステージ21に内蔵されたヒータ23を用いて、処理領域Rから導出される排ガスを加熱するので、排ガスの加熱用に熱源を別に設ける必要がない。そのため、光処理装置100が大型化するのを防止することができると共に、熱源を別に設けることによるコストアップを防止することができる。また、ステージ21に内蔵されたヒータ23を用いるので、処理領域Rから導出される排ガスの温度を、確実に処理領域Rの設定温度に保つことができる。
(実施例)
次に、本発明の効果を確認するために行った実施例について説明する。
図1及び図2に示す構成を参照して、下記の仕様を有する本発明に係る光処理装置を作製した。
[ステージ21]
材質:アルミニウム
処理領域Rの加熱温度:150℃
ガス加熱空間25bの長手方向(Y方向)の長さ:510mm
ガス加熱空間25bの半径:50mm
[紫外線光源11]
キセノンエキシマランプ
発光長:700mm
幅:70mm
入力電力:500W
ランプの数:7本
真空紫外線の照射時間:300秒間
[窓部材12]
材質:石英ガラス
窓部材と基板との距離:0.3mm
[基板W]
構成:銅基板上に絶縁層を積層し、絶縁層にビアホールを形成したもの
寸法:500mm×500mm×0.5mm
絶縁層の厚さ:30μm
ビアホールの直径:50μm
[処理用ガスなどの条件]
処理用ガス:酸素濃度100%
処理用ガスの流速:100mm/s
処理領域Rにおけるオゾン濃度:2%
このような仕様の光処理装置では、ガス加熱空間25bにおいて排ガス中のオゾン濃度(体積分率)は2%から0.02%まで低下させることができた。
図9は、ガス加熱空間25bにおけるオゾン分解作用を示す図である。この図9は、ガス加熱空間24b(長さ510mm、加熱温度150℃)を、排ガス(オゾン濃度2%)が通過した後のオゾン濃度を示す図である。図9において、横軸は、処理領域Rにおける処理ガスの流速(mm/s)、縦軸は、ガス加熱空間25bを通過した後のオゾン濃度である。
図9の曲線41は、ガス加熱空間25bの半径を、その上流側及び下流側の排気管の半径と同じ5mmとした場合のオゾン濃度である。また、曲線42〜44は、ガス加熱空間25bの半径を、その上流側及び下流側の排気管の半径よりも大きくした場合のオゾン濃度である。ここで、曲線42は半径10mm、曲線43は半径20mm、曲線44は半径50mmの場合である。すなわち、ガス加熱空間25bの体積は、半径10mmの場合、約160cm3、半径20mmの場合、約640cm3、半径50mmの場合、約4000cm3である。
この図9に示すように、排ガスの流速が遅いほどオゾン濃度は低くなり、流速を0(流さない)とすると、オゾン濃度は0となる(すべて分解する)。
上記の仕様のように、処理用ガスの流速が100mm/sである場合、ガス加熱空間25bの半径を20mm(体積を約640cm3)とすると、オゾン濃度を2%から1%へ半減することができる。このように、例えば処理用ガスの流速が100mm/sである場合には、ガス加熱空間25bの半径は20mm以上であれば十分なオゾン分解効果が得られる。上記の仕様のように、ガス加熱空間25bの半径を50mmすれば、オゾン濃度は2%から0.02%に低減することができる。
(給気路24の形成方法)
以下、排気路25の形成方法について、図10を参照しながら説明する。
先ず、図10(a)に示すように、ステージ21のX方向端部におけるガス加熱空間25bの形成位置に、側面からY方向にドリル51を通す。これにより、図10(b)に示すように、ステージ21のX方向端部に、Y方向に貫通する空間が形成される。この空間がガス加熱空間25bとなる。すなわち、ドリル51の外径が、ガス加熱空間25bの内径になる。
次に、図10(b)に示すように、ステージ21の表面から空間(ガス加熱空間25b)まで、Y方向に間隔を隔てて複数箇所(図10では3箇所)ドリル52を通す。このとき形成される孔(第一の貫通孔)が、第一排気管25aとなる。すなわち、ドリル52の外径が、第一排気管25aの内径になる。
また、ステージ21のX方向側面から空間(ガス加熱空間25b)までドリル53を通す。このとき形成される孔(第二の貫通孔)が、第二排気管25cとなる。すなわち、ドリル53の外径が、第二排気管25cの内径になる。
最後に、図10(c)に示すように、空間(ガス加熱空間25b)の開口端に、それぞれ蓋(栓)部材25dを詰め、内部の気体がそこから漏れないように溶接する。蓋(栓)部材25dは、ガス加熱空間25bの内径と同径で、ステージ21と同じ材質の部材とする。以上により、ステージ21に排気路25が形成される。
なお、上記の例では、ガス加熱空間25bを形成するために貫通孔を形成する場合について説明したが、一端が閉塞した空間を形成してもよい。
以上の方法により形成された第一排気管25aに、処理領域Rから排ガスが導入されると、当該排ガスは、その温度がステージ21の加熱温度に保たれた状態でガス加熱空間25bに滞留する。そして、その排ガスは、徐々に第二排気管25cに流れ、ステージ21から排出される。
このように、複数箇所(第一排気管25a)から処理領域R内の排ガスが排気路25に導入される。したがって、処理領域Rにおける処理用ガス(排ガス)の流れを均一とすることができる。また、処理領域Rの排ガスは、複数箇所(第一排気管25a)から共通のガス加熱空間25bに導入され、一箇所(第二排気管25c)から排気される。すなわち、比較的簡易な製造方法で、複数箇所(第一排気管25a)から導入された排ガスを同じ条件で加熱し排気する排気路25を形成することができる。
(変形例)
上記実施形態においては、ステージ21に設けられた処理領域Rを加熱するためのヒータ23を、排気路25から処理部20外に排出する排ガスを加熱するための熱源とする場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、上記排ガスを加熱する熱源は、別に設けてもよい。
また、ガス加熱空間25b内の排ガスの温度を検出する温度検出部(温度センサ等)を設け、排ガスを所望の温度にするべくフィードバック制御を行ってもよい。
さらに、上記実施形態においては、排気路25を、断面円形状の流路とする場合について説明したが、断面形状は適宜設定可能である。また、排気路25を、第一排気管25a、ガス加熱空間25b及び第二排気管25cにより構成する場合について説明したが、これに限定されるものではない。すなわち、処理部20から排ガスを排出する前に、当該排ガスを加熱することができる空間が形成されていればよい。
また、上記実施形態においては、第二排気管25cの径をガス加熱空間25bの径よりも細くすることで、ガス加熱空間25bに処理用ガスを滞留させる構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、ガス加熱空間の出口に流路内部に突出する凸部を設けるなどにより、ガス加熱空間に処理用ガスを滞留させるようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、給気路24にガス加熱空間24bを形成する場合について説明したが、ガス加熱空間24bは形成しなくてもよい。但し、処理領域Rを流れる処理用ガスの流れを逆転させる構成の場合には、上記実施形態のように給気路24および排気路25が同一形状である方が、これらをそれぞれ処理用ガスの供給および排出の双方で用いることができるため好ましい。
なお、上記説明では、本発明の光処理装置の一例としてフォトデスミア装置への適用例を示しているが、デスカム装置や表面改質装置にも適用可能である。デスカム装置は、例えば、製造工程で使用されるソルダーレジスト(Photo Solder Resist:PSR)、ドライフィルム(Dry Film Resist:DFR)などの残渣の除去を行う装置である。また、表面改質装置は、例えば、めっき前後のクリーニング、材料表面の粗化などによる密着性改善や濡れ性向上を行う装置である。このように、本発明の光処理装置は、例えば光アッシング処理装置やレジストの除去処理装置、ドライ洗浄処理装置などへ応用可能である。
100…光処理装置、W…基板、10…光照射部、11…紫外線光源、12…窓部材、20…ステージ部、21…ステージ、23…ヒータ、24…給気路、24a…第一給気管、24b…ガス加熱空間、24c…第二給気管、25…排気路、25a…第一排気管、25b…ガス加熱空間、25c…第二排気管、R…処理領域

Claims (7)

  1. 紫外線を発する光源部と、
    被処理物体が、酸素を含む処理気体の雰囲気中で前記光源部から発せられた前記紫外線に曝される紫外線処理領域を有する処理部と、
    前記紫外線処理領域に前記処理気体を供給する給気部と、
    前記紫外線処理領域から装置外部に前記処理気体を排出する排気部と、を備え、
    前記排気部は、前記装置外部に連通し、当該紫外線処理領域から前記処理気体を排出する排気路を備え、
    前記排気路は、前記装置外部に排出する前に前記処理気体を加熱する加熱空間を備えることを特徴とする光処理装置。
  2. 前記処理部は、
    加熱機構によって加熱され、前記被処理物体を加熱しながら保持するステージを備え、
    前記加熱空間は、前記ステージに形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光処理装置。
  3. 前記加熱空間は、前記処理気体を滞留させて加熱することを特徴とする請求項1または2に記載の光処理装置。
  4. 前記加熱空間の流路面積が、当該加熱空間と前記装置外部との間を連通する前記排気路の流路面積よりも大きく設定されていることを特徴とする請求項3に記載の光処理装置。
  5. 前記給気部および前記排気部は、前記紫外線処理領域を、前記被処理物体の表面に沿って流れる前記処理気体の流動方向に挟んで対向配置され、
    前記加熱空間は、前記表面に平行で前記流動方向に対して直交する第一方向に、前記紫外線処理領域の前記第一方向の幅に相当する長さを有して延在し、
    前記紫外線処理領域から前記加熱空間までの前記排気路は、前記第一方向に間隔を隔てて複数並んで、当該加熱空間に気密に連結され、
    前記加熱空間から前記装置外部までの前記排気路は、前記加熱空間の長手方向中央部に1つ、当該加熱空間に気密に連結されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の光処理装置。
  6. 紫外線を発する光源部と、被処理物体が、加熱機構によって加熱されたステージに保持されて、酸素を含む処理気体が流れる雰囲気下で前記光源部から発せられた前記紫外線に曝される紫外線処理領域を有する処理部と、を備える光処理装置の製造方法であって、
    前記ステージに、前記被処理物体の表面に平行で、且つ当該表面に沿って流れる前記処理気体の流動方向に対して直交する第一方向の側面から、少なくとも前記紫外線処理領域の前記第一方向の幅に相当する長さを有する空間を形成する工程と、
    前記紫外線処理領域内に位置する前記ステージの表面から前記空間に貫通する第一の貫通孔を、前記第一方向に間隔を隔てて複数形成する工程と、
    前記ステージの前記表面とは異なる側面から前記空間に貫通する第二の貫通孔を形成する工程と、
    前記空間の前記第一方向端部の開口を閉塞して、前記紫外線処理領域から前記第一の貫通孔に導入された前記処理気体を前記空間で加熱し、前記第二の貫通孔から前記ステージの外へ排出する排気路を形成する工程と、を含むことを特徴とする光処理装置の製造方法。
  7. 酸素を含む処理気体を、被処理物体が配置された領域に供給する給気工程と、
    前記処理気体の雰囲気中に配置された被処理物体に、光源から発せられた紫外線を照射する処理工程と、
    前記処理工程の後、前記領域から導出した前記処理気体を加熱する加熱工程と、
    加熱された前記処理気体を排出する排気工程と、を含むことを特徴とする光処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114126745A (zh) * 2019-06-28 2022-03-01 优志旺电机株式会社 气体处理方法、气体处理装置

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