JP2017017277A - 熱処理装置および熱処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】チャンバー内の汚染を低減することができる熱処理装置および熱処理方法を提供する。【解決手段】チャンバー6内にてサセプター74によって保持される半導体ウェハーWの下面にハロゲンランプHLから光照射を行って予備加熱した後、上面にフラッシュランプFLからフラッシュ光を照射してフラッシュ加熱を行う。ガス供給源85から送給された処理ガスをヒータ22によって加熱してチャンバー6内に供給する。また、流量調整バルブ21によってチャンバー6内に供給する処理ガスの流量を増加する。チャンバー6内に高温の処理ガスを大流量で供給してそのガス流を形成することにより、加熱処理時に半導体ウェハーWの膜から放散された汚染物質をチャンバー6外に排出してチャンバー6内の汚染を低減することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、半導体ウェハー等の薄板状精密電子基板(以下、単に「基板」と称する)に光を照射することによって該基板を加熱する熱処理装置および熱処理方法に関する。
半導体デバイスの製造プロセスにおいて、不純物導入は半導体ウェハー内にpn接合を形成するための必須の工程である。現在、不純物導入は、イオン打ち込み法とその後のアニール法によってなされるのが一般的である。イオン打ち込み法は、ボロン(B)、ヒ素(As)、リン(P)といった不純物の元素をイオン化させて高加速電圧で半導体ウェハーに衝突させて物理的に不純物注入を行う技術である。注入された不純物はアニール処理によって活性化される。この際に、アニール時間が数秒程度以上であると、打ち込まれた不純物が熱によって深く拡散し、その結果接合深さが要求よりも深くなり過ぎて良好なデバイス形成に支障が生じるおそれがある。
そこで、極めて短時間で半導体ウェハーを加熱するアニール技術として、近年フラッシュランプアニール(FLA)が注目されている。フラッシュランプアニールは、キセノンフラッシュランプ(以下、単に「フラッシュランプ」とするときにはキセノンフラッシュランプを意味する)を使用して半導体ウェハーの表面にフラッシュ光を照射することにより、不純物が注入された半導体ウェハーの表面のみを極めて短時間(数ミリ秒以下)に昇温させる熱処理技術である。
キセノンフラッシュランプの放射分光分布は紫外域から近赤外域であり、従来のハロゲンランプよりも波長が短く、シリコンの半導体ウェハーの基礎吸収帯とほぼ一致している。よって、キセノンフラッシュランプから半導体ウェハーにフラッシュ光を照射したときには、透過光が少なく半導体ウェハーを急速に昇温することが可能である。また、数ミリ秒以下の極めて短時間のフラッシュ光照射であれば、半導体ウェハーの表面近傍のみを選択的に昇温できることも判明している。このため、キセノンフラッシュランプによる極短時間の昇温であれば、不純物を深く拡散させることなく、不純物活性化のみを実行することができるのである。
このようなキセノンフラッシュランプを使用した熱処理装置として、特許文献1,2には、半導体ウェハーの表面側にフラッシュランプ等のパルス発光ランプを配置し、裏面側にハロゲンランプ等の連続点灯ランプを配置し、それらの組み合わせによって所望の熱処理を行うものが開示されている。特許文献1,2に開示の熱処理装置においては、ハロゲンランプ等によって半導体ウェハーをある程度の温度まで予備加熱し、その後フラッシュランプからのパルス加熱によって所望の処理温度にまで昇温している。
特開昭60−258928号公報 特表2005−527972号公報
フラッシュランプアニールの処理対象となる半導体ウェハーにはレジスト膜等の種々の膜が形成されていることもある。このような膜付きの半導体ウェハーに対してフラッシュ光を照射して加熱処理を行うと、半導体ウェハーを収容するチャンバーの内壁やサセプター等のチャンバー内の構造物が汚染されることがある。これは、半導体ウェハーに成膜されている各種膜がフラッシュ加熱により燃焼することによって、チャンバー内の構造物に炭素系の汚染物質が付着することが原因であると推定される。
チャンバー内構造物が汚染されると、それ自体が後続の半導体ウェハーに対する汚染源となる。また、光照射時にはチャンバーの内壁面にて反射された光も半導体ウェハーに照射されるのであるが、チャンバーの内壁面が汚染されると、汚染箇所では反射率が低下するため、光照射時の半導体ウェハーの面内温度分布が不均一となる。そうすると、フラッシュ加熱処理の処理結果に影響を与えるとともに、半導体ウェハーに不均一な温度分布に起因した反りが生じるという問題も発生する。さらに、特許文献1,2に開示されるように、半導体ウェハーの両面にランプを配置している場合には、サセプターが汚染されると、光の透過率が低下するという問題も生じる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、チャンバー内の汚染を低減することができる熱処理装置および熱処理方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、基板に光を照射することによって該基板を加熱する熱処理装置において、基板を収容するチャンバーと、前記チャンバー内にて基板を支持するサセプターと、前記サセプターに支持された基板に光を照射する光照射部と、前記チャンバー内に処理ガスを供給するガス供給部と、前記ガス供給部から前記チャンバーに供給される前記処理ガスを加熱するガス加熱部と、を備えることを特徴とする。
また、請求項2の発明は、請求項1の発明に係る熱処理装置において、前記ガス加熱部は、前記チャンバー内に供給される前記処理ガスが100℃以上となるように前記処理ガスを加熱することを特徴とする。
また、請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明に係る熱処理装置において、前記処理ガスは、窒素、酸素またはアルゴンであることを特徴とする。
また、請求項4の発明は、請求項1から請求項3のいずれかの発明に係る熱処理装置において、前記ガス供給部から前記チャンバーに供給される前記処理ガスの流量を増加する流量増加部をさらに備えることを特徴とする。
また、請求項5の発明は、請求項1から請求項4のいずれかの発明に係る熱処理装置において、前記光照射部は、前記チャンバーの一方側から基板にフラッシュ光を照射するフラッシュランプを含むことを特徴とする。
また、請求項6の発明は、請求項5の発明に係る熱処理装置において、前記光照射部は、前記チャンバーの他方側から基板に光を照射するハロゲンランプをさらに含むことを特徴とする。
また、請求項7の発明は、基板に光を照射することによって該基板を加熱する熱処理方法において、チャンバー内のサセプターにて基板を支持する支持工程と、前記チャンバー内に処理ガスを供給するガス供給工程と、前記サセプターに支持された基板に光を照射する光照射工程と、を備え、前記ガス供給工程は、前記チャンバーに供給する前記処理ガスを加熱するガス加熱工程を含むことを特徴とする。
また、請求項8の発明は、請求項7の発明に係る熱処理方法において、前記ガス加熱工程では、前記チャンバー内に供給される前記処理ガスが100℃以上となるように前記処理ガスを加熱することを特徴する。
また、請求項9の発明は、請求項7または請求項8の発明に係る熱処理方法において、前記処理ガスは、窒素、酸素またはアルゴンであることを特徴とする。
また、請求項10の発明は、請求項7から請求項9のいずれかの発明に係る熱処理方法において、前記ガス供給工程は、前記チャンバーに供給する前記処理ガスの流量を増加する流量増加工程を含むことを特徴とする。
また、請求項11の発明は、請求項7から請求項10のいずれかの発明に係る熱処理方法において、前記光照射工程では、前記チャンバーの一方側からフラッシュランプによって基板にフラッシュ光を照射することを特徴とする。
また、請求項12の発明は、請求項11の発明に係る熱処理方法において、前記光照射工程では、さらに前記チャンバーの他方側からハロゲンランプによって基板に光を照射することを特徴とする。
請求項1から請求項6の発明によれば、チャンバーに供給される処理ガスを加熱するため、チャンバー内に高温の処理ガス流が形成され、加熱処理時に基板から放散された汚染物質をチャンバー外に排出してチャンバー内の汚染を低減することができる。
特に、請求項4の発明によれば、チャンバーに供給される処理ガスの流量を増加するため、汚染物質をより効果的にチャンバー外に排出することができる。
請求項7から請求項12の発明によれば、チャンバーに供給する処理ガスを加熱するため、チャンバー内に高温の処理ガス流が形成され、加熱処理時に基板から放散された汚染物質をチャンバー外に排出してチャンバー内の汚染を低減することができる。
特に、請求項10の発明によれば、チャンバーに供給する処理ガスの流量を増加するため、汚染物質をより効果的にチャンバー外に排出することができる。
本発明に係る熱処理装置の構成を示す縦断面図である。 保持部の全体外観を示す斜視図である。 保持部を上面から見た平面図である。 保持部を側方から見た側面図である。 移載機構の平面図である。 移載機構の側面図である。 複数のハロゲンランプの配置を示す平面図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明に係る熱処理装置1の構成を示す縦断面図である。本実施形態の熱処理装置1は、基板として円板形状の半導体ウェハーWに対してフラッシュ光照射を行うことによってその半導体ウェハーWを加熱するフラッシュランプアニール装置である。処理対象となる半導体ウェハーWのサイズは特に限定されるものではないが、例えばφ300mmやφ450mmである。熱処理装置1に搬入される前の半導体ウェハーWには不純物が注入されており、熱処理装置1による加熱処理によって注入された不純物の活性化処理が実行される。なお、図1および以降の各図においては、理解容易のため、必要に応じて各部の寸法や数を誇張または簡略化して描いている。
熱処理装置1は、半導体ウェハーWを収容するチャンバー6と、複数のフラッシュランプFLを内蔵するフラッシュ加熱部5と、複数のハロゲンランプHLを内蔵するハロゲン加熱部4と、を備える。チャンバー6の上側にフラッシュ加熱部5が設けられるとともに、下側にハロゲン加熱部4が設けられている。また、熱処理装置1は、チャンバー6の内部に、半導体ウェハーWを水平姿勢に保持する保持部7と、保持部7と装置外部との間で半導体ウェハーWの受け渡しを行う移載機構10と、を備える。また、熱処理装置1は、チャンバー6内に加熱された処理ガスを供給する機構を備える。さらに、熱処理装置1は、ハロゲン加熱部4、フラッシュ加熱部5およびチャンバー6に設けられた各動作機構を制御して半導体ウェハーWの熱処理を実行させる制御部3を備える。
チャンバー6は、筒状のチャンバー側部61の上下に石英製のチャンバー窓を装着して構成されている。チャンバー側部61は上下が開口された概略筒形状を有しており、上側開口には上側チャンバー窓63が装着されて閉塞され、下側開口には下側チャンバー窓64が装着されて閉塞されている。チャンバー6の天井部を構成する上側チャンバー窓63は、石英により形成された円板形状部材であり、フラッシュ加熱部5から出射されたフラッシュ光をチャンバー6内に透過する石英窓として機能する。また、チャンバー6の床部を構成する下側チャンバー窓64も、石英により形成された円板形状部材であり、ハロゲン加熱部4からの光をチャンバー6内に透過する石英窓として機能する。
また、チャンバー側部61の内側の壁面の上部には反射リング68が装着され、下部には反射リング69が装着されている。反射リング68,69は、ともに円環状に形成されている。上側の反射リング68は、チャンバー側部61の上側から嵌め込むことによって装着される。一方、下側の反射リング69は、チャンバー側部61の下側から嵌め込んで図示省略のビスで留めることによって装着される。すなわち、反射リング68,69は、ともに着脱自在にチャンバー側部61に装着されるものである。チャンバー6の内側空間、すなわち上側チャンバー窓63、下側チャンバー窓64、チャンバー側部61および反射リング68,69によって囲まれる空間が熱処理空間65として規定される。
チャンバー側部61に反射リング68,69が装着されることによって、チャンバー6の内壁面に凹部62が形成される。すなわち、チャンバー側部61の内壁面のうち反射リング68,69が装着されていない中央部分と、反射リング68の下端面と、反射リング69の上端面とで囲まれた凹部62が形成される。凹部62は、チャンバー6の内壁面に水平方向に沿って円環状に形成され、半導体ウェハーWを保持する保持部7を囲繞する。
チャンバー側部61および反射リング68,69は、強度と耐熱性に優れた金属材料(例えば、ステンレススチール)にて形成されている。また、反射リング68,69の内周面は電解ニッケルメッキによって鏡面とされている。
また、チャンバー側部61には、チャンバー6に対して半導体ウェハーWの搬入および搬出を行うための搬送開口部(炉口)66が形設されている。搬送開口部66は、ゲートバルブ185によって開閉可能とされている。搬送開口部66は凹部62の外周面に連通接続されている。このため、ゲートバルブ185が搬送開口部66を開放しているときには、搬送開口部66から凹部62を通過して熱処理空間65への半導体ウェハーWの搬入および熱処理空間65からの半導体ウェハーWの搬出を行うことができる。また、ゲートバルブ185が搬送開口部66を閉鎖するとチャンバー6内の熱処理空間65が密閉空間とされる。
また、チャンバー6の内壁上部には熱処理空間65に処理ガスを供給するガス供給孔81が形設されている。ガス供給孔81は、凹部62よりも上側位置に形設されており、反射リング68に設けられていても良い。ガス供給孔81はチャンバー6の側壁内部に円環状に形成された緩衝空間82を介してガス供給管83に連通接続されている。ガス供給管83はガス供給源85に接続されている。また、ガス供給管83の経路途中にはバルブ84、流量調整バルブ21およびヒータ22が介挿されている。ガス供給源85が供給する処理ガスの種類は特に限定されるものではなく、処理目的に応じて適宜に選択されるものであるが、例えば、窒素(N2)、アルゴン(Ar)、ヘリウム(He)などの不活性ガス、または、酸素(O2)、水素(H2)、塩素(Cl2)、塩化水素(HCl)、オゾン(O3)、アンモニア(NH3)などの反応性ガスを用いることができる。
バルブ84が開放されると、ガス供給源85から緩衝空間82に処理ガスが送給される。緩衝空間82に流入した処理ガスは、ガス供給孔81よりも流体抵抗の小さい緩衝空間82内を拡がるように流れてガス供給孔81から熱処理空間65内へと供給される。ガス供給管83を流れて熱処理空間65に供給される処理ガスの流量は流量調整バルブ21によって規定される。すなわち、ガス供給源85およびバルブ84がチャンバー6内に処理ガスを供給するガス供給部に相当し、流量調整バルブ21がチャンバー6に供給される処理ガスの流量を増加する流量増加部に相当する。なお、流量増加部としては、流量調整バルブ21に代えてマスフローコントローラを用いるようにしても良い。
ヒータ22は、ガス供給管83を流れる処理ガスを加熱する。ヒータ22によって加熱された処理ガスがガス供給孔81から熱処理空間65に供給される。すなわち、ヒータ22がチャンバー6に供給される処理ガスを加熱するガス加熱部に相当する。
一方、チャンバー6の内壁下部には熱処理空間65内の気体を排気するガス排気孔86が形設されている。ガス排気孔86は、凹部62よりも下側位置に形設されており、反射リング69に設けられていても良い。ガス排気孔86はチャンバー6の側壁内部に円環状に形成された緩衝空間87を介してガス排気管88に連通接続されている。ガス排気管88は排気部190に接続されている。また、ガス排気管88の経路途中にはバルブ89が介挿されている。バルブ89が開放されると、熱処理空間65の気体がガス排気孔86から緩衝空間87を経てガス排気管88へと排出される。なお、ガス供給孔81およびガス排気孔86は、チャンバー6の周方向に沿って複数設けられていても良いし、スリット状のものであっても良い。また、ガス供給源85および排気部190は、熱処理装置1に設けられた機構であっても良いし、熱処理装置1が設置される工場のユーティリティであっても良い。
また、搬送開口部66の先端にも熱処理空間65内の気体を排出するガス排気管191が接続されている。ガス排気管191はバルブ192を介して排気部190に接続されている。バルブ192を開放することによって、搬送開口部66を介してチャンバー6内の気体が排気される。
図2は、保持部7の全体外観を示す斜視図である。また、図3は保持部7を上面から見た平面図であり、図4は保持部7を側方から見た側面図である。保持部7は、基台リング71、連結部72およびサセプター74を備えて構成される。基台リング71、連結部72およびサセプター74はいずれも石英にて形成されている。すなわち、保持部7の全体が石英にて形成されている。
基台リング71は円環形状の石英部材である。基台リング71は凹部62の底面に載置されることによって、チャンバー6の壁面に支持されることとなる(図1参照)。円環形状を有する基台リング71の上面に、その周方向に沿って複数の連結部72(本実施形態では4個)が立設される。連結部72も石英の部材であり、溶接によって基台リング71に固着される。なお、基台リング71の形状は、円環形状から一部が欠落した円弧状であっても良い。
平板状のサセプター74は基台リング71に設けられた4個の連結部72によって支持される。サセプター74は石英にて形成された略円形の平板状部材である。サセプター74の直径は半導体ウェハーWの直径よりも大きい。すなわち、サセプター74は、半導体ウェハーWよりも大きな平面サイズを有する。サセプター74の上面には複数個(本実施形態では5個)のガイドピン76が立設されている。5個のガイドピン76はサセプター74の外周円と同心円の周上に沿って設けられている。5個のガイドピン76を配置した円の径は半導体ウェハーWの径よりも若干大きい。各ガイドピン76も石英にて形成されている。なお、ガイドピン76は、サセプター74と一体に石英のインゴットから加工するようにしても良いし、別途に加工したものをサセプター74に溶接等によって取り付けるようにしても良い。
基台リング71に立設された4個の連結部72とサセプター74の周縁部の下面とが溶接によって固着される。すなわち、サセプター74と基台リング71とは連結部72によって固定的に連結されており、保持部7は石英の一体成形部材となる。このような保持部7の基台リング71がチャンバー6の壁面に支持されることによって、保持部7がチャンバー6に装着される。保持部7がチャンバー6に装着された状態においては、略円板形状のサセプター74は水平姿勢(法線が鉛直方向と一致する姿勢)となる。チャンバー6に搬入された半導体ウェハーWは、チャンバー6に装着された保持部7のサセプター74の上に水平姿勢にて載置されて保持される。半導体ウェハーWは、5個のガイドピン76によって形成される円の内側に載置されることにより、水平方向の位置ずれが防止される。なお、ガイドピン76の個数は5個に限定されるものではなく、半導体ウェハーWの位置ずれを防止できる数であれば良い。
また、図2および図3に示すように、サセプター74には、上下に貫通して開口部78および切り欠き部77が形成されている。切り欠き部77は、熱電対を使用した接触式温度計130のプローブ先端部を通すために設けられている。一方、開口部78は、放射温度計120がサセプター74に保持された半導体ウェハーWの下面から放射される放射光(赤外光)を受光するために設けられている。さらに、サセプター74には、後述する移載機構10のリフトピン12が半導体ウェハーWの受け渡しのために貫通する4個の貫通孔79が穿設されている。
図5は、移載機構10の平面図である。また、図6は、移載機構10の側面図である。移載機構10は、2本の移載アーム11を備える。移載アーム11は、概ね円環状の凹部62に沿うような円弧形状とされている。それぞれの移載アーム11には2本のリフトピン12が立設されている。各移載アーム11は水平移動機構13によって回動可能とされている。水平移動機構13は、一対の移載アーム11を保持部7に対して半導体ウェハーWの移載を行う移載動作位置(図5の実線位置)と保持部7に保持された半導体ウェハーWと平面視で重ならない退避位置(図5の二点鎖線位置)との間で水平移動させる。水平移動機構13としては、個別のモータによって各移載アーム11をそれぞれ回動させるものであっても良いし、リンク機構を用いて1個のモータによって一対の移載アーム11を連動させて回動させるものであっても良い。
また、一対の移載アーム11は、昇降機構14によって水平移動機構13とともに昇降移動される。昇降機構14が一対の移載アーム11を移載動作位置にて上昇させると、計4本のリフトピン12がサセプター74に穿設された貫通孔79(図2,3参照)を通過し、リフトピン12の上端がサセプター74の上面から突き出る。一方、昇降機構14が一対の移載アーム11を移載動作位置にて下降させてリフトピン12を貫通孔79から抜き取り、水平移動機構13が一対の移載アーム11を開くように移動させると各移載アーム11が退避位置に移動する。一対の移載アーム11の退避位置は、保持部7の基台リング71の直上である。基台リング71は凹部62の底面に載置されているため、移載アーム11の退避位置は凹部62の内側となる。なお、移載機構10の駆動部(水平移動機構13および昇降機構14)が設けられている部位の近傍にも図示省略の排気機構が設けられており、移載機構10の駆動部周辺の雰囲気がチャンバー6の外部に排出されるように構成されている。
図1に戻り、チャンバー6の上方に設けられたフラッシュ加熱部5は、筐体51の内側に、複数本(本実施形態では30本)のキセノンフラッシュランプFLからなる光源と、その光源の上方を覆うように設けられたリフレクタ52と、を備えて構成される。また、フラッシュ加熱部5の筐体51の底部にはランプ光放射窓53が装着されている。フラッシュ加熱部5の床部を構成するランプ光放射窓53は、石英により形成された板状の石英窓である。フラッシュ加熱部5がチャンバー6の上方に設置されることにより、ランプ光放射窓53が上側チャンバー窓63と相対向することとなる。フラッシュランプFLはチャンバー6の上方からランプ光放射窓53および上側チャンバー窓63を介して熱処理空間65にフラッシュ光を照射して半導体ウェハーWをフラッシュ加熱する。
複数のフラッシュランプFLは、それぞれが長尺の円筒形状を有する棒状ランプであり、それぞれの長手方向が保持部7に保持される半導体ウェハーWの主面に沿って(つまり水平方向に沿って)互いに平行となるように平面状に配列されている。よって、フラッシュランプFLの配列によって形成される平面も水平面である。
キセノンフラッシュランプFLは、その内部にキセノンガスが封入されその両端部にコンデンサーに接続された陽極および陰極が配設された棒状のガラス管(放電管)と、該ガラス管の外周面上に付設されたトリガー電極とを備える。キセノンガスは電気的には絶縁体であることから、コンデンサーに電荷が蓄積されていたとしても通常の状態ではガラス管内に電気は流れない。しかしながら、トリガー電極に高電圧を印加して絶縁を破壊した場合には、コンデンサーに蓄えられた電気がガラス管内に瞬時に流れ、そのときのキセノンの原子あるいは分子の励起によって光が放出される。このようなキセノンフラッシュランプFLにおいては、予めコンデンサーに蓄えられていた静電エネルギーが0.1ミリセカンドないし100ミリセカンドという極めて短い光パルスに変換されることから、ハロゲンランプHLの如き連続点灯の光源に比べて極めて強い光を照射し得るという特徴を有する。すなわち、フラッシュランプFLは、1秒未満の極めて短い時間で瞬間的に発光するパルス発光ランプである。なお、フラッシュランプFLの発光時間は、フラッシュランプFLに電力供給を行うランプ電源のコイル定数によって調整することができる。
また、リフレクタ52は、複数のフラッシュランプFLの上方にそれら全体を覆うように設けられている。リフレクタ52の基本的な機能は、複数のフラッシュランプFLから出射されたフラッシュ光を熱処理空間65の側に反射するというものである。リフレクタ52はアルミニウム合金板にて形成されており、その表面(フラッシュランプFLに臨む側の面)はブラスト処理により粗面化加工が施されている。
チャンバー6の下方に設けられたハロゲン加熱部4の内部には複数本(本実施形態では40本)のハロゲンランプHLが内蔵されている。ハロゲン加熱部4は、複数のハロゲンランプHLによってチャンバー6の下方から下側チャンバー窓64を介して熱処理空間65への光照射を行って半導体ウェハーWを加熱する光照射部である。ハロゲン加熱部4は、サセプター74に支持された半導体ウェハーWの下面に石英のサセプター74を透過してハロゲン光を照射する。
図7は、複数のハロゲンランプHLの配置を示す平面図である。本実施形態では、上下2段に各20本ずつのハロゲンランプHLが配設されている。各ハロゲンランプHLは、長尺の円筒形状を有する棒状ランプである。上段、下段ともに20本のハロゲンランプHLは、それぞれの長手方向が保持部7に保持される半導体ウェハーWの主面に沿って(つまり水平方向に沿って)互いに平行となるように配列されている。よって、上段、下段ともにハロゲンランプHLの配列によって形成される平面は水平面である。
また、図7に示すように、上段、下段ともに保持部7に保持される半導体ウェハーWの中央部に対向する領域よりも周縁部に対向する領域におけるハロゲンランプHLの配設密度が高くなっている。すなわち、上下段ともに、ランプ配列の中央部よりも周縁部の方がハロゲンランプHLの配設ピッチが短い。このため、ハロゲン加熱部4からの光照射による加熱時に温度低下が生じやすい半導体ウェハーWの周縁部により多い光量の照射を行うことができる。
また、上段のハロゲンランプHLからなるランプ群と下段のハロゲンランプHLからなるランプ群とが格子状に交差するように配列されている。すなわち、上段の各ハロゲンランプHLの長手方向と下段の各ハロゲンランプHLの長手方向とが直交するように計40本のハロゲンランプHLが配設されている。
ハロゲンランプHLは、ガラス管内部に配設されたフィラメントに通電することでフィラメントを白熱化させて発光させるフィラメント方式の光源である。ガラス管の内部には、窒素やアルゴン等の不活性ガスにハロゲン元素(ヨウ素、臭素等)を微量導入した気体が封入されている。ハロゲン元素を導入することによって、フィラメントの折損を抑制しつつフィラメントの温度を高温に設定することが可能となる。したがって、ハロゲンランプHLは、通常の白熱電球に比べて寿命が長くかつ強い光を連続的に照射できるという特性を有する。すなわち、ハロゲンランプHLは少なくとも1秒以上連続して発光する連続点灯ランプである。また、ハロゲンランプHLは棒状ランプであるため長寿命であり、ハロゲンランプHLを水平方向に沿わせて配置することにより上方の半導体ウェハーWへの放射効率が優れたものとなる。
また、制御部3は、熱処理装置1に設けられた上記の種々の動作機構を制御する。制御部3のハードウェアとしての構成は一般的なコンピュータと同様である。すなわち、制御部3は、各種演算処理を行う回路であるCPU、基本プログラムを記憶する読み出し専用のメモリであるROM、各種情報を記憶する読み書き自在のメモリであるRAMおよび制御用ソフトウェアやデータなどを記憶しておく磁気ディスクを備えている。制御部3のCPUが所定の処理プログラムを実行することによって熱処理装置1における処理が進行する。
次に、熱処理装置1における半導体ウェハーWの処理手順について説明する。ここで処理対象となる半導体ウェハーWはイオン注入法により不純物(イオン)が添加された半導体基板である。その不純物の活性化が熱処理装置1によるフラッシュ光照射加熱処理(アニール)により実行される。以下に説明する熱処理装置1の処理手順は、制御部3が熱処理装置1の各動作機構を制御することにより進行する。
まず、給気のためのバルブ84が開放されるとともに、排気用のバルブ89,192が開放されてチャンバー6内に対する給排気が開始される。バルブ84が開放されると、ガス供給孔81から熱処理空間65に処理ガスが供給される。本実施形態においては、処理ガスとして窒素がガス供給源85からチャンバー6内に供給される。チャンバー6内に供給される窒素の流量は流量調整バルブ21によって規定されており、本実施形態では50L/分〜60L/分とされる。
また、ヒータ22がガス供給管83を通過する窒素を加熱する。本実施形態においては、ヒータ22はガス供給管83を通過する窒素を350℃に加熱する。但し、350℃はヒータ22が設置されている部位における窒素の温度である。ヒータ22によって350℃に加熱された窒素がガス供給孔81からチャンバー6内に供給される時点では、約200℃となっている。これは、ガス供給管83などのガス通過経路によって窒素ガスから熱が奪われるためである。
また、給気とともにバルブ89が開放されると、ガス排気孔86からチャンバー6内の気体が排気される。ガス供給孔81から給気を行いつつガス排気孔86から排気を行うことにより、チャンバー6内の熱処理空間65の上部から供給された高温の窒素ガスが下方へと流れ、熱処理空間65の下部から排気される。このようにして、チャンバー6内の熱処理空間65に高温の窒素ガス流が形成される。
また、バルブ192が開放されることによって、搬送開口部66からもチャンバー6内の気体が排気される。さらに、図示省略の排気機構によって移載機構10の駆動部周辺の雰囲気も排気される。なお、チャンバー6内の熱処理空間65への高温窒素ガスの供給は、ロット(同一条件にて同一内容の処理を行う対象となる1組の半導体ウェハーW)の最初の半導体ウェハーWについての処理を開始する前から実行されている。また、熱処理装置1における半導体ウェハーWの熱処理時には高温の窒素ガスが熱処理空間65に継続的に供給されており、その供給量は処理工程に応じて適宜変更される。
続いて、ゲートバルブ185が開いて搬送開口部66が開放され、装置外部の搬送ロボットにより搬送開口部66を介してイオン注入後の半導体ウェハーWがチャンバー6内の熱処理空間65に搬入される。搬送ロボットによって搬入された半導体ウェハーWは保持部7の直上位置まで進出して停止する。そして、移載機構10の一対の移載アーム11が退避位置から移載動作位置に水平移動して上昇することにより、リフトピン12が貫通孔79を通ってサセプター74の上面から突き出て半導体ウェハーWを受け取る。
半導体ウェハーWがリフトピン12に載置された後、搬送ロボットが熱処理空間65から退出し、ゲートバルブ185によって搬送開口部66が閉鎖される。そして、一対の移載アーム11が下降することにより、半導体ウェハーWは移載機構10から保持部7のサセプター74に受け渡されて水平姿勢にて下方より保持される。半導体ウェハーWは、パターン形成がなされて不純物が注入された表面を上面として保持部7に保持される。また、半導体ウェハーWは、サセプター74の上面にて5個のガイドピン76の内側に保持される。サセプター74の下方にまで下降した一対の移載アーム11は水平移動機構13によって退避位置、すなわち凹部62の内側に退避する。
半導体ウェハーWが石英にて形成された保持部7によって水平姿勢にて下方より保持された後、ハロゲン加熱部4の40本のハロゲンランプHLが一斉に点灯して予備加熱(アシスト加熱)が開始される。ハロゲンランプHLから出射されたハロゲン光は、石英にて形成された下側チャンバー窓64およびサセプター74を透過して半導体ウェハーWの裏面(表面とは反対側の主面)から照射される。ハロゲンランプHLからの光照射を受けることによって半導体ウェハーWが予備加熱されて温度が上昇する。なお、移載機構10の移載アーム11は凹部62の内側に退避しているため、ハロゲンランプHLによる加熱の障害となることは無い。
ハロゲンランプHLによる予備加熱を行うときには、半導体ウェハーWの温度が接触式温度計130によって測定されている。すなわち、熱電対を内蔵する接触式温度計130が保持部7に保持された半導体ウェハーWの下面にサセプター74の切り欠き部77を介して接触して昇温中のウェハー温度を測定する。測定された半導体ウェハーWの温度は制御部3に伝達される。制御部3は、ハロゲンランプHLからの光照射によって昇温する半導体ウェハーWの温度が所定の予備加熱温度T1に到達したか否かを監視しつつ、ハロゲンランプHLの出力を制御する。すなわち、制御部3は、接触式温度計130による測定値に基づいて、半導体ウェハーWの温度が予備加熱温度T1となるようにハロゲンランプHLの出力をフィードバック制御する。予備加熱温度T1は、半導体ウェハーWに添加された不純物が熱により拡散する恐れのない、200℃ないし800℃程度、好ましくは350℃ないし600℃程度とされる(本実施の形態では600℃)。なお、ハロゲンランプHLからの光照射によって半導体ウェハーWを昇温するときには、放射温度計120による温度測定は行わない。これは、ハロゲンランプHLから照射されるハロゲン光が放射温度計120に外乱光として入射し、正確な温度測定ができないためである。
半導体ウェハーWの温度が予備加熱温度T1に到達した後、制御部3は半導体ウェハーWをその予備加熱温度T1に暫時維持する。具体的には、接触式温度計130によって測定される半導体ウェハーWの温度が予備加熱温度T1に到達した時点にて制御部3がハロゲンランプHLの出力を調整し、半導体ウェハーWの温度をほぼ予備加熱温度T1に維持している。
このようなハロゲンランプHLによる予備加熱を行うことによって、半導体ウェハーWの全体を予備加熱温度T1に均一に昇温している。ハロゲンランプHLによる予備加熱の段階においては、より放熱が生じやすい半導体ウェハーWの周縁部の温度が中央部よりも低下する傾向にあるが、ハロゲン加熱部4におけるハロゲンランプHLの配設密度は、半導体ウェハーWの中央部に対向する領域よりも周縁部に対向する領域の方が高くなっている(図7参照)。このため、放熱が生じやすい半導体ウェハーWの周縁部に照射される光量が多くなり、予備加熱段階における半導体ウェハーWの面内温度分布を均一なものとすることができる。さらに、チャンバー側部61に装着された反射リング69の内周面は鏡面とされているため、この反射リング69の内周面によって半導体ウェハーWの周縁部に向けて反射する光量が多くなり、予備加熱段階における半導体ウェハーWの面内温度分布をより均一なものとすることができる。
ハロゲンランプHLからの光照射によって半導体ウェハーWの温度が予備加熱温度T1に到達して所定時間が経過した時点にてフラッシュ加熱部5のフラッシュランプFLが半導体ウェハーWの表面にフラッシュ光照射を行う。このとき、フラッシュランプFLから放射されるフラッシュ光の一部は直接にチャンバー6内へと向かい、他の一部は一旦リフレクタ52により反射されてからチャンバー6内へと向かい、これらのフラッシュ光の照射により半導体ウェハーWのフラッシュ加熱が行われる。
フラッシュ加熱は、フラッシュランプFLからのフラッシュ光(閃光)照射により行われるため、半導体ウェハーWの表面温度を短時間で上昇することができる。すなわち、フラッシュランプFLから照射されるフラッシュ光は、予めコンデンサーに蓄えられていた静電エネルギーが極めて短い光パルスに変換された、照射時間が0.1ミリセカンド以上100ミリセカンド以下程度の極めて短く強い閃光である。そして、フラッシュランプFLからのフラッシュ光照射によりフラッシュ加熱される半導体ウェハーWの表面温度は、瞬間的に1000℃以上の処理温度T2まで上昇し、半導体ウェハーWに注入された不純物が活性化された後、表面温度が急速に下降する。このように、熱処理装置1では、半導体ウェハーWの表面温度を極めて短時間で昇降することができるため、半導体ウェハーWに注入された不純物の熱による拡散を抑制しつつ不純物の活性化を行うことができる。なお、不純物の活性化に必要な時間はその熱拡散に必要な時間に比較して極めて短いため、0.1ミリセカンドないし100ミリセカンド程度の拡散が生じない短時間であっても活性化は完了する。
フラッシュ加熱処理が終了した後、所定時間経過後にハロゲンランプHLも消灯する。これにより、半導体ウェハーWが予備加熱温度T1から急速に降温する。降温中の半導体ウェハーWの温度は接触式温度計130または放射温度計120によって測定され、その測定結果は制御部3に伝達される。制御部3は、測定結果より半導体ウェハーWの温度が所定温度まで降温したか否かを監視する。そして、半導体ウェハーWの温度が所定以下にまで降温した後、移載機構10の一対の移載アーム11が再び退避位置から移載動作位置に水平移動して上昇することにより、リフトピン12がサセプター74の上面から突き出て熱処理後の半導体ウェハーWをサセプター74から受け取る。続いて、ゲートバルブ185により閉鎖されていた搬送開口部66が開放され、リフトピン12上に載置された半導体ウェハーWが装置外部の搬送ロボットにより搬出され、熱処理装置1における半導体ウェハーWの加熱処理が完了する。
ところで、処理対象となる半導体ウェハーWの表面にはレジスト膜や絶縁膜等の種々の膜が形成されていることがある。このような膜形成のなされた半導体ウェハーWにフラッシュ光を照射して加熱処理を行うと、膜の燃焼や残留溶媒成分の揮発等によってチャンバー6内の熱処理空間65に炭素系の汚染物質が放散されることがある。熱処理空間65に放散された汚染物質がチャンバー6の内壁面やサセプター74等のチャンバー内構造物に付着すると、その付着箇所が汚染されることとなる。このような汚染は、後続の半導体ウェハーWに対する汚染源となるのみならず、光照射加熱時における半導体ウェハーWの照度分布の乱れの原因ともなる。
そこで、本実施形態においては、ヒータ22によって加熱された高温の処理ガスをチャンバー6内の熱処理空間65に供給してガス流を形成している。チャンバー6内に高温の処理ガスを流すことによって、加熱処理時に半導体ウェハーWの膜から放散された汚染物質をチャンバー6外に排出してチャンバー6内の汚染を低減することができる。その結果、チャンバー6の内壁面やサセプター74等のチャンバー内構造物の汚染を抑制することができる。
高温の処理ガスを供給することによって汚染物質がチャンバー内構造物に付着するのを抑制する効果を得るためには、チャンバー6内に供給される時点での処理ガスの温度が100℃以上となるように、ヒータ22がガス供給管83を通過する処理ガスを加熱する必要がある。処理ガスの温度が高くなるほど、汚染の抑制効果も高くなるが、過度に高温の処理ガスを供給すると半導体ウェハーWの熱処理に影響を与えることとなる。このため、チャンバー6内に供給される時点での処理ガスの温度が半導体ウェハーWの設定処理温度未満となるように、ヒータ22はガス供給管83を通過する処理ガスを加熱しなければならない。半導体ウェハーWについての処理温度が多段階に設定されている場合には、それらのうちの最も低い設定処理温度未満にチャンバー6内に供給される処理ガスの温度がなるように、ヒータ22が処理ガスを加熱する。本実施形態では、チャンバー6内に供給される時点での窒素ガスの温度が予備加熱温度T1未満となるように、ヒータ22がガス供給管83を通過する窒素ガスを加熱する。
また、チャンバー6内に高温の処理ガスを供給することによって、既にチャンバー6の内壁面やサセプター74等のチャンバー内構造物に付着している汚染物質を除去するクリーニング効果を得ることもできる。
また、チャンバー6内に供給する処理ガスの流量が多くなるほど、汚染物質をチャンバー6外に排出する効果が高まり、汚染物質がチャンバー内構造物に付着するのを抑制することができる。本実施形態においては、通常は20L/分〜30L/分のところ、流量調整バルブ21が窒素ガスの流量を50L/分〜60L/分の大流量に増加してチャンバー6内に供給している。これにより、汚染物質がチャンバー内構造物に付着する前にチャンバー6外に排出され、チャンバー6内における汚染をより効果的に低減することができる。
チャンバー6内に供給する処理ガスの流量としては、チャンバー6内の容積をDとしたときに、0.5D/分〜5D/分とすれば良い。このような大流量にて、チャンバー6内に処理ガスを供給することにより、汚染物質をチャンバー6外に排出する効果を高めて、チャンバー6内における汚染をより効果的に低減することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、この発明はその趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態においては、高温の窒素ガスをチャンバー6内に供給するようにしていたが、処理ガスの種類は窒素ガスに限定されるものではなく、酸素またはアルゴン等であっても良い。特に、酸素のような反応性に富む処理ガスを加熱してチャンバー6内に供給することによって、既にチャンバー内構造物に付着している汚染物質を除去するクリーニング効果をより高めることができる。
また、上記実施形態においては、フラッシュ加熱部5に30本のフラッシュランプFLを備えるようにしていたが、これに限定されるものではなく、フラッシュランプFLの本数は任意の数とすることができる。また、フラッシュランプFLはキセノンフラッシュランプに限定されるものではなく、クリプトンフラッシュランプであっても良い。また、ハロゲン加熱部4に備えるハロゲンランプHLの本数も40本に限定されるものではなく、上段および下段に複数する配置する形態であれば任意の数とすることができる。
また、半導体ウェハーWに光を照射して加熱する光照射部としては、フラッシュランプFLやハロゲンランプHLに限定されるものではなくレーザー光源であっても良い。
また、本発明に係る熱処理装置によって処理対象となる基板は半導体ウェハーに限定されるものではなく、液晶表示装置などのフラットパネルディスプレイに用いるガラス基板や太陽電池用の基板であっても良い。また、本発明に係る技術は、高誘電率ゲート絶縁膜(High-k膜)の熱処理、金属とシリコンとの接合、或いはポリシリコンの結晶化に適用するようにしても良い。
1 熱処理装置
3 制御部
4 ハロゲン加熱部
5 フラッシュ加熱部
6 チャンバー
7 保持部
10 移載機構
21 流量調整バルブ
22 ヒータ
65 熱処理空間
74 サセプター
83 ガス供給管
85 ガス供給源
HL ハロゲンランプ
FL フラッシュランプ
W 半導体ウェハー

Claims (12)

  1. 基板に光を照射することによって該基板を加熱する熱処理装置であって、
    基板を収容するチャンバーと、
    前記チャンバー内にて基板を支持するサセプターと、
    前記サセプターに支持された基板に光を照射する光照射部と、
    前記チャンバー内に処理ガスを供給するガス供給部と、
    前記ガス供給部から前記チャンバーに供給される前記処理ガスを加熱するガス加熱部と、
    を備えることを特徴とする熱処理装置。
  2. 請求項1記載の熱処理装置において、
    前記ガス加熱部は、前記チャンバー内に供給される前記処理ガスが100℃以上となるように前記処理ガスを加熱することを特徴とする熱処理装置。
  3. 請求項1または請求項2記載の熱処理装置において、
    前記処理ガスは、窒素、酸素またはアルゴンであることを特徴とする熱処理装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の熱処理装置において、
    前記ガス供給部から前記チャンバーに供給される前記処理ガスの流量を増加する流量増加部をさらに備えることを特徴とする熱処理装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の熱処理装置において、
    前記光照射部は、前記チャンバーの一方側から基板にフラッシュ光を照射するフラッシュランプを含むことを特徴とする熱処理装置。
  6. 請求項5記載の熱処理装置において、
    前記光照射部は、前記チャンバーの他方側から基板に光を照射するハロゲンランプをさらに含むことを特徴とする熱処理装置。
  7. 基板に光を照射することによって該基板を加熱する熱処理方法であって、
    チャンバー内のサセプターにて基板を支持する支持工程と、
    前記チャンバー内に処理ガスを供給するガス供給工程と、
    前記サセプターに支持された基板に光を照射する光照射工程と、
    を備え、
    前記ガス供給工程は、前記チャンバーに供給する前記処理ガスを加熱するガス加熱工程を含むことを特徴とする熱処理方法。
  8. 請求項7記載の熱処理方法において、
    前記ガス加熱工程では、前記チャンバー内に供給される前記処理ガスが100℃以上となるように前記処理ガスを加熱することを特徴する熱処理方法。
  9. 請求項7または請求項8記載の熱処理方法において、
    前記処理ガスは、窒素、酸素またはアルゴンであることを特徴とする熱処理方法。
  10. 請求項7から請求項9のいずれかに記載の熱処理方法において、
    前記ガス供給工程は、前記チャンバーに供給する前記処理ガスの流量を増加する流量増加工程を含むことを特徴とする熱処理方法。
  11. 請求項7から請求項10のいずれかに記載の熱処理方法において、
    前記光照射工程では、前記チャンバーの一方側からフラッシュランプによって基板にフラッシュ光を照射することを特徴とする熱処理方法。
  12. 請求項11記載の熱処理方法において、
    前記光照射工程では、さらに前記チャンバーの他方側からハロゲンランプによって基板に光を照射することを特徴とする熱処理方法。
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