JP2017018483A - 医療用プローブ - Google Patents

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Abstract

【課題】生体組織の表面を隠すことなく生体組織内の血流等の動的成分を測定することができる医療用プローブを提供する。
【解決手段】生体組織Aに対して照射するレーザ光P,Qを伝送し射出端8aから射出する第1の伝送路8と、生体組織Aにおける動的成分の情報を含む生体組織Aからの散乱光を入射端9aにおいて受光して伝送する第2の伝送路9と、射出端8aから射出されたレーザ光P,Qを屈折して生体組織Aに照射するとともに、生体組織Aからの散乱光Rを集光して入射端9aに受光させる、全体として正のパワーを有する光学素子10と、光学素子10により屈折されたレーザ光P,Qの光路に沿って生体組織Aから戻る散乱光Rをレーザ光P,Qの光路から分離して入射端9aに入射させる分離素子11とを備える医療用プローブ2。
【選択図】図2

Description

本発明は、医療用プローブに関するものである。
従来、射出光伝播ファイバを通して生体にレーザ光を照射し、生体からの散乱光を散乱光伝播ファイバを通してフォトダイオードで検出し、ドップラシフトによる散乱光の干渉成分の周波数解析によって血流を測定するレーザ血流計が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2008−278983号公報
しかしながら、特許文献1のレーザ血流計は、センサヘッドを生体の表面に密着させる方式のものであり、血流の測定中には、生体がセンサヘッドに隠れてしまい、血流の大きな血管が発見されても、操作者が血管の位置を視認することができないという不都合がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、生体組織の表面を隠すことなく生体組織内の血流等の動的成分を測定することができる医療用プローブを提供することを目的としている。
上記目的を達成するために本発明は以下の手段を提供する。
本発明の一態様は、生体組織に対して照射するレーザ光を伝送し射出端から射出する第1の伝送路と、前記生体組織における動的成分の情報を含む該生体組織からの散乱光を入射端において受光して伝送する第2の伝送路と、前記射出端から射出された前記レーザ光を屈折させて前記生体組織に照射するとともに、該生体組織からの散乱光を集光して前記入射端に受光させる、全体として正のパワーを有する光学素子と、前記レーザ光の光路に沿って前記生体組織から戻る散乱光を前記レーザ光の光路から分離して前記入射端に入射させる分離素子とを備える医療用プローブを提供する。
本態様によれば、第1の伝送路の射出端から射出されたレーザ光が正のパワーを有する光学素子により屈折されることにより、射出端から射出された状態よりも小さな拡散角度の光束となって生体組織に照射される。生体組織に入射されたレーザ光は生体組織表面および内部において散乱され、散乱光となって正のパワーを有する光学素子により集光され、第2の伝送路の入射端により受光される。受光された散乱光は、生体組織における動的成分の情報を含んでいるので、ドップラシフトによる散乱光の干渉成分の周波数解析によって生体内における変動を測定することが可能となる。
この場合において、正のパワーを有する光学素子によりレーザ光の拡散角度を低減しているので、光学素子を生体組織から離間させても、光密度の高いレーザ光を生体組織に照射することができ、入射端により受光される散乱光の強度を向上してSN比を向上し、生体組織における動的成分を精度よく測定することができる。
また、分離素子によってレーザ光の光路に沿って戻る散乱光がレーザ光の光路から分離されて入射端に入射させられるので、医療用プローブから生体組織までの距離に関わらず、レーザ光を照射した生体組織の領域からの強度の高い散乱光を検出でき、検出感度を向上することができる。
上記態様においては、前記分離素子が、前記射出端から射出された前記レーザ光を透過させる領域に前記散乱光の少なくとも一部を反射する部分反射部を備えるプリズムであってもよい。
このようにすることで、プリズムの部分反射部にレーザ光が入射すると、該レーザ光は部分反射部を透過して生体組織に照射される。一方、生体組織におけるレーザ光の照射位置近傍からレーザ光の光路に沿って戻る散乱光は、プリズムの部分反射部に入射すると、その少なくとも一部が反射されてレーザ光の光路から分離される。これにより、簡易な構成で、生体組織における動的成分を精度よく測定することができる。
また、上記態様においては、前記プリズムが、前記レーザ光を入射させる第1の入射面と、前記散乱光を入射させる第2の入射面とを平行に備え、かつ、これらの入射面が前記レーザ光および前記散乱光の光束の主光線に対して傾斜して配置される、透明な材質からなる平行平板であり、前記第1の入射面の前記レーザ光の入射領域に、前記部分反射部が設けられ、前記第2の入射面を透過し前記部分反射部において反射された前記散乱光が前記第2の入射面に内側から再度入射する領域に、入射した散乱光を反射して前記第1の入射面から射出させる反射領域が設けられていてもよい。
このようにすることで、プリズムの第1の入射面に入射して透過したレーザ光は、第2の入射面も透過して生体組織に照射される。生体組織におけるレーザ光の照射位置からレーザ光の光路に沿って戻る散乱光は、プリズムの第2の入射面に入射して透過した後、第1の入射面のレーザ光の入射領域に設けられた部分反射部においてその一部が反射されることによりレーザ光の光路から分離される。
第1の入射面は、散乱光の光束の主光線に対して傾斜して配置されているので、第1の入射面の部分反射部において反射されると傾斜角度に従う方向に偏向され、第2の入射面の異なる領域に再度入射する。この領域には反射領域が設けられているので、散乱光は反射されて第1の入射面からプリズム外に射出され、第2の伝送路の入射端に入射される。これにより、第1の伝送路の射出端および第2の伝送路の入射端をプリズムの第1の入射面側に対向させて配置することができ、構成を簡略化することができる。
また、上記態様においては、前記分離素子が、前記射出端から射出された前記レーザ光を反射させる領域に前記散乱光の少なくとも一部を透過する部分反射部を備えるプリズムであってもよい。
このようにすることで、プリズムの部分反射部にレーザ光が入射すると、該レーザ光は部分反射部において反射されて生体組織に照射される。一方、生体組織におけるレーザ光の照射位置近傍からレーザ光の光路に沿って戻る散乱光は、プリズムの部分反射部に入射すると、その少なくとも一部が透過してレーザ光の光路から分離される。これにより、簡易な構成で、生体組織における動的成分を精度よく測定することができる。
また、上記態様においては、前記プリズムが、前記レーザ光を入射させる第1の入射面と、前記散乱光を入射させる第2の入射面とを平行に備え、かつ、これらの入射面が前記レーザ光および前記散乱光の光束の主光線に対して傾斜して配置される、透明な材質からなる平行平板であり、前記第1の入射面を透過した前記レーザ光が前記第2の入射面に内側から入射する領域に前記レーザ光を反射する反射領域が設けられ、該反射領域において反射された前記レーザ光が前記第1の入射面に内側から再度入射する領域に前記部分反射部が設けられ、該部分反射部が、前記散乱光を透過させる領域内の一部に部分的に配置されていてもよい。
このようにすることで、プリズムの第1の入射面に入射して透過したレーザ光は、第2の入射面に設けられた反射領域において反射される。第2の入射面がレーザ光の光束の主光線に対して傾斜して配置されているので、第2の入射面の反射領域において反射されると傾斜角度に従う方向に偏向され、第1の入射面の異なる領域に再度入射する。この領域には部分反射部が設けられているので、レーザ光は部分反射部において反射されて第2の入射面からプリズム外に射出され、生体組織に照射される。
一方、生体組織におけるレーザ光の照射位置からレーザ光の光路に沿って戻る散乱光は、プリズムの第2の入射面に入射して透過した後、第1の入射面のレーザ光の入射領域に設けられた部分反射部を含む広い範囲に入射して、部分反射部を除く領域を透過したものレーザ光の光路から分離される。これにより、第1の伝送路の射出端および第2の伝送路の入射端をプリズムの第1の入射面側に対向させて配置することができ、構成を簡略化することができる。
また、上記態様においては、前記第2の伝送路の開口数が、前記第1の伝送路の開口数よりも大きいことが好ましい。
このようにすることで、レーザ光の光束よりも受光できる散乱光の光束を大きくすることができ、十分な光量の散乱光を取り込むことができる。
また、上記態様においては、前記射出端が前記光学素子の焦点距離近傍に配置され、前記入射端が前記光学素子の焦点距離よりも該光学素子から離れた位置に配置されていてもよい。
このようにすることで、入射端に入射される散乱光は、光学素子から生体組織側において、光学素子から生体組織に向かってレーザ光の光束よりも大きく収束する光束となる。これにより、レーザ光を反射する部分反射部の周囲を透過する散乱光を多く確保しつつ、生体組織におけるレーザ光の光束と散乱光の光束との重なりを大きくして、効率よく散乱光を検出することができる。
また、上記態様においては、前記部分反射部が、ハーフミラーであってもよい。
このようにすることで、部分反射部に入射するレーザ光および散乱光は、ハーフミラーの反射率に従って部分的に透過し部分的に反射されるので、レーザ光の光路から散乱光を簡易に分離することができる。
また、上記態様においては、前記部分反射部が、所定の偏光を有する前記レーザ光を透過させる偏光ビームスプリッタであってもよい。
このようにすることで、第1の伝送路によって伝送するレーザ光の偏光方向に応じて部分反射部を構成している偏光ビームスプリッタの偏光方向を設定しておくことにより、部分偏光部におけるレーザ光の損失を少なくして、SN比を向上することができる。
また、上記態様においては、前記レーザ光の光束と前記散乱光の光束とが重なる位置に配置される前記光学素子の面が前記レーザ光の光束の主光線に対して傾斜して配置されていてもよい。
このようにすることで、光学素子の面において反射したレーザ光が散乱光の光束に混じって入射端に入射することを防止してSN比を向上することができる。
また、上記態様においては、前記レーザ光の光束と前記散乱光の光束とが重なる位置に配置される前記分離素子の面が前記レーザ光の光束の主光線に対して傾斜して配置されていてもよい。
このようにすることで、分離素子の面において反射したレーザ光が散乱光の光束に混じって入射端に入射することを防止してSN比を向上することができる。
本発明によれば、生体組織の表面を隠すことなく生体組織内の血流等の動的成分を測定することができるという効果を奏する。
本発明の一実施形態に係る医療用プローブを備える測定システムを示す模式的な全体構成図である。 図1の医療用プローブの先端部および、第1のレーザ光と散乱光との光束の位置関係を示す図である。 図2の医療用プローブの集光レンズに代えてグリンレンズを用いた場合の変形例を示す図である。 図2の医療用プローブの変形例であって、プリズムおよび集光レンズの各面を傾斜させた医療用プローブを示す拡大図である。 図3の医療用プローブの変形例であって、プリズムおよびグリンレンズの各面を傾斜させた医療用プローブを示す拡大図である。 図2の医療用プローブの変形例であって、平行四辺形の縦断面を有するプリズムを備える医療用プローブを示す拡大図である。 図6の医療用プローブのプリズムの(a)第1面、(b)第2面の平面図である。 図6の医療用プローブの変形例であって、プリズムと集光レンズとを入れ替えた医療用プローブを示す拡大図である。 図8の医療用プローブのプリズムの(a)第1面、(b)第2面の平面図である。 図6の医療用プローブの変形例であって、照明用光ファイバと検出用光ファイバとを入れ替えた医療用プローブを示す拡大図である。 図10の医療用プローブのプリズムの(a)第1面、(b)第2面の平面図である。 図10の医療用プローブの変形例であって、検出用光ファイバの入射端を集光レンズの焦点距離よりも大きく集光レンズから離した医療用プローブを示す図である。 図12の医療用プローブにおける第1のレーザ光の光束をハッチングで示す図である。 図12の医療用プローブにおいて、検出用光ファイバの入射端に入射される散乱光の光束をハッチングで示す図である。
本発明の一実施形態に係る医療用プローブ2について、図面を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る医療用プローブ2は、図1に示される測定システム1に備えられている。
この測定システム1は、本実施形態に係る医療用プローブ2と、該医療用プローブ2に供給する第1のレーザ光Pを発生する測定用光源3および第2のレーザ光Qを発生する表示用光源4と、医療用プローブ2により受光された散乱光Rを検出する光検出器5と、該光検出器5により検出された散乱光Rの強度情報を処理して血管Bの有無を判定するプロセッサ6とを備えている。
第1のレーザ光Pは、生体組織Aへの進達度の高い近赤外または赤外の波長を有するレーザ光である。
第2のレーザ光Qは、可視の波長帯域を有するレーザ光である。生体組織Aは赤色であるため、視認性を向上するため、第2のレーザ光Qとしては緑色あるいは青色の波長帯域を有するレーザ光であることが好ましい。
光検出器5は、例えば、フォトダイオードであり、散乱光Rの光量に応じた強度の信号を出力するようになっている。
プロセッサ6は、光検出器5から出力された信号を高速フーリエ変換処理して周波数特性を求め、該周波数特性を解析することによって、太い血管Bの有無を判定し、太い血管Bが存在すると判定された場合には、表示用光源4を作動させて第2のレーザ光Qを医療用プローブ2に供給するようになっている。図中、符号7は、第1のレーザ光Pを伝播する照明用光ファイバ8に、表示用光源4からの第2のレーザ光Qを入射させる光カプラである。
本実施形態に係る医療用プローブ2は、図2に示されるように、測定用光源3に接続され第1のレーザ光Pを伝播する照明用光ファイバ(第1の伝送路)8と、光検出器5に接続され生体組織Aからの散乱光Rを伝播する検出用光ファイバ(第2の伝送路)9と、照明用光ファイバ8の射出端8aおよび検出用光ファイバ9の入射端9aに対して間隔をあけて配置された正のパワーを有する集光レンズ(光学素子)10と、プリズム(分離素子)11とを備えている。
照明用光ファイバ8は、その長手軸に直交する射出端8aを備えている。測定用光源3または表示用光源4から伝送されてきた第1のレーザ光Pまたは第2のレーザ光Qは、射出端8aから所定の開口数の拡散角度をなして射出されるようになっている。
また、検出用光ファイバ9は、その長手軸に直交する入射端9aを備えている。生体組織Aからの散乱光Rのうち、集光レンズ10によって集光された散乱光Rが、所定の開口数の収斂角度をなして入射端9aに入射され、検出用光ファイバ9内を光検出器5まで伝播されるようになっている。
プリズム11は、縦断面が平行四辺形の第1プリズム12と、縦断面が台形の第2プリズム13とを組み合わせて接合することにより、略L字状に構成されている。接合面14にはハーフミラー(部分反射部)14aが設けられている。第1プリズム12および第2プリズム13は、同じ屈折率の光学的に透明な材質、例えば、ガラスにより構成されている。
第2プリズム13の入射面13aは、照明用光ファイバ8の射出端8aに略平行に近接して配置され、射出端8aから射出され入射面13aに直交する方向に入射されるレーザ光P,Qを少ない屈折で入射させるようになっている。
また、第1プリズム12の射出面12aは、検出用光ファイバ9の入射端9aに略平行に近接して配置され、射出面12aから該射出面12aに直交する方向に射出される散乱光Rを少ない屈折で射出させるようになっている。第1プリズム12には、接合面14に平行で、かつ射出面12aに対して45°の角度をなした傾斜面12bが備えられている。この傾斜面12bは散乱光Rを反射するようになっている。
本実施形態においては、集光レンズ10は、照明用光ファイバ8の射出端8aおよび検出用光ファイバ9の入射端9aから、空気換算で集光レンズ10の焦点距離だけ離れた位置に配置されている。これにより、照明用光ファイバ8の射出端8aから射出されたレーザ光P,Qは、プリズム11を透過した後に集光レンズ10によって屈折されることにより略平行光束となって生体組織Aに照射されるようになっている。
一方、生体組織Aからの散乱光Rは、レーザ光P,Qと同一の光路に沿って略平行光束をなして集光レンズ10に入射するもののみが、プリズム11を経由して検出用光ファイバ9の入射端9aに入射されるようになっている。
このように構成された本実施形態に係る医療用プローブ2の作用について以下に説明する。
本実施形態に係る医療用プローブ2を用いて生体組織Aの内部に存在する血管Bの測定を行うには、図1に示されるように、医療用プローブ2を患者の体内に挿入し、先端部を測定したい生体組織Aの表面に対して、間隔をあけて対向させて配置する。
このとき、別途体内に挿入した内視鏡(図示略)によって、医療用プローブ2が対向している領域近傍の生体組織Aの表面を撮影し、モニタ(図示略)に表示しておく。
この状態で、測定用光源3を作動させて第1のレーザ光Pを発生させる。測定用光源3において発生した第1のレーザ光Pは、該測定用光源3に接続する照明用光ファイバ8内を医療用プローブ2の先端部近傍まで伝播される。照明用光ファイバ8により伝播されてきた第1のレーザ光Pは照明用光ファイバ8の射出端8aから射出され、プリズム11を透過した部分が正のパワーを有する集光レンズ10によって屈折されて略平行光となった状態で生体組織Aに照射される。
生体組織Aに照射された第1のレーザ光Pは、生体組織Aの表面および内部において散乱し、集光レンズ10によって集光された散乱光Rが、プリズム11を透過して検出用光ファイバ9の入射端9aに入射され、検出用光ファイバ9によって伝播されて光検出器5により検出される。光検出器5からは、検出された散乱光Rの強度に応じた信号が出力される。出力された信号はプロセッサ6において高速フーリエ変換されることにより、周波数特性が求められる。
生体組織A内に大きな血管Bが存在する場合には、散乱光Rには血流の動的な情報が含まれているので、ドップラシフトにより、散乱光Rに含まれる平均周波数が高くなるように周波数特性が変化する。プロセッサ6においては、この平均周波数が所定の閾値より高い場合に、大きな血管Bが存在すると判定して、表示用光源4から第2のレーザ光Qを射出させる。
表示用光源4から射出された第2のレーザ光Qは、光カプラ7によって照明用光ファイバ8に入射され、射出端8aから生体組織Aに向けて照射される。第2のレーザ光Qは操作者により視認可能な可視のレーザ光であるため、操作者はモニタ表示されている生体組織Aの表面における色の変化によって内部の血管Bの存在を認識することができる。
この場合において、本実施形態に係る医療用プローブ2によれば、照明用光ファイバ8の射出端8aから所定の開口数で拡散する第1のレーザ光Pを正のパワーを有する集光レンズ10によって屈折するので、医療用プローブ2から生体組織Aまでの間隔が大きく開いても、第1のレーザ光Pの光密度を低下させることなく、生体組織Aに照射することができ、大きな強度の散乱光Rを発生させることができる。
第1のレーザ光Pが生体組織Aに照射されることにより、生体組織Aにおいて散乱する散乱光R、特に生体組織Aの内部まで進達して散乱する散乱光Rは、第1のレーザ光Pの照射領域近傍において最も強度が高くなる。本実施形態においては、第1のレーザ光Pの光束と同じ光路を経由して、集光レンズ10によって集光され、第1プリズム12の先端面12cに入射した散乱光Rが、接合面14において部分的に反射されて90°偏向され、傾斜面12bによって反射されてさらに90°偏向されて第1プリズム12の射出面12aから射出されて検出用光ファイバ9の入射端9aに入射する。
その結果、生体組織Aからの散乱光Rのうち、第1のレーザ光Pの光束とほぼ同等の経路を辿って戻る散乱光Rを入射端9aに入射させることができる。
すなわち、本実施形態に係る医療用プローブ2によれば、2つのプリズム12,13の接合面14に設けたハーフミラー14aによって、第1のレーザ光Pと同等の経路を辿って戻る散乱光Rを第1のレーザ光Pの光路から分離するので、集光レンズ10より生体組織A側において、射出端8aから射出された第1のレーザ光Pの光束の主光線と、入射端9aに入射される散乱光Rの光束の主光線とを略一致させることができる。
これにより、第1のレーザ光Pの生体組織Aにおける照射領域と、入射端9aに入射させることができる強度の高い散乱光Rの発生領域とを光軸方向の各位置において、広い範囲にわたって重複させることができる。
その結果、生体組織Aと医療用プローブ2との間隔を変えても、比較的大きな強度の散乱光Rを検出し続けることができ、SN比を向上して高精度の測定を行うことができるという利点がある。生体組織Aに対する医療用プローブ2の距離を厳密に設定せずに済むので、使い勝手を向上することができる。
なお、本実施形態においては、部分反射部としてハーフミラー14aを形成したが、これに代えて、照明用光ファイバ8として偏波保持ファイバを採用し、部分反射部として偏光ビームスプリッタを形成することにしてもよい。この場合の偏光ビームスプリッタは、照明用光ファイバ8を伝送されてきた所定の偏光を有する第1のレーザ光Pおよび第2のレーザ光Qを透過し、他の偏光方向を有する光は反射する性質を有している。これにより、ハーフミラー14aの場合と比較して、散乱光Rの一部は偏光ビームスプリッタを透過して失われるが、生体組織Aに照射する第1のレーザ光Pの強度を増大させることができ、SN比を向上することができるという利点がある。
また、本実施形態においては、集光レンズ10に代えて、図3に示されるように、正のパワーを有するグリンレンズ(光学素子)15を採用してもよい。これにより、プリズム11とグリンレンズ15との間に空間を設ける必要がなく、コンパクトに構成することができる。
また、本実施形態においては、図2および図3に示されるように、プリズム11の先端面12cおよび集光レンズ10あるいはグリンレンズ15の先端面10a,15aにレーザ光P,Qの光束の主光線に直交する平面を有するものを例示したが、これに代えて、図4および図5に示されるように、プリズム11の先端面12cおよび集光レンズ10あるいはグリンレンズ15の先端面10a,15aをレーザ光P,Qの光束の主光線に対して傾斜させてもよい。また、集光レンズ10については、レーザ光P,Qの入射位置を偏心させてもよい。
プリズム11の先端面12c、集光レンズ10の曲面10bおよび集光レンズ10の先端面10aに入射したレーザ光P,Qは、その一部が反射して戻るが、これらの面を傾斜させ、あるいは集光レンズ10を偏心させることで、レーザ光P,Qを散乱光Rの光路とは異なる方向に反射させることができる。すなわち、集光レンズ10の曲面10bおよび集光レンズ10の先端面10aに入射したレーザ光P,Qの一部が、これらの面において反射して、散乱光Rと同一の光路を戻ることを防止することができ、散乱光Rに混じって検出されてしまうことを防止することができるという利点がある。
また、本実施形態に係る医療用プローブ2においては、2つのプリズム12,13を組み合わせた略L字状のプリズム11を備えることとしたが、これに代えて、図6に示されるように、平行四辺形の縦断面を有する単一の平行平板からなるプリズム(分離素子)16を採用することにしてもよい。
この場合には、略平行に配置した照明用光ファイバ8および検出用光ファイバ9の長手軸に対して、プリズム16の2つの平行な平面16a,16bを傾斜して配置する。
射出端8aから射出された第1のレーザ光Pが入射するプリズム16の第1面(第1の入射面)16aには、図7(a)に示されるように、第1のレーザ光Pが外側から入射し散乱光Rが内側から入射する領域を含む範囲(図中のハッチングされた範囲)にコーティングが施されて、ハーフミラー(部分反射部)16cが形成されている。また、プリズム16の第2面16bに入射した散乱光Rが第1面16aのハーフミラー16cによって反射されて、第2面(第2の入射面)16bに内側から再度入射する領域を含む範囲(図中のハッチングされた範囲)には、図7(b)に示されるように、散乱光Rを反射する反射面16dが形成されている。ハーフミラー16cは、散乱光Rが射出する領域とは重複しない領域に設けられている。また、反射面16dも、第1のレーザ光Pおよび散乱光Rが透過する領域とは重複しない位置に形成されている。
また、この場合には、照明用光ファイバ8の射出端8aおよび検出用光ファイバ9の入射端9aは、集光レンズ10から空気換算で集光レンズ10の焦点距離だけ離れた位置に配置されている。これにより、照明用光ファイバ8の射出端8aから射出された第1のレーザ光Pは、プリズム16を透過して集光レンズ10により屈折されると略平行光となって生体組織Aに照射されるようになっている。一方、生体組織Aにおいて生じた散乱光Rは、第1のレーザ光Pの光束と同等の光束をなして戻るものが、集光レンズ10により集光され、プリズム16を透過して検出用光ファイバ9の入射端9aに入射されるようになっている。
このように構成することで、単純な平行平板のプリズム16を使用して、同様の効果を得ることができる。第2面16bを傾斜させているので、第1のレーザ光Pが散乱光Rに混じって戻ることを抑制することができる。
また、本実施形態においては、照明用光ファイバ8および検出用光ファイバ9と集光レンズ10との間にプリズム16を配置する場合について説明したが、図8に示されるように、集光レンズ10とプリズム16とを入れ替えることにしてもよい。集光レンズ10によって略平行光となった第1のレーザ光Pおよび集光レンズ10によって屈折されて入射端9aに入射される略平行光からなる散乱光Rが、略平行光の状態でプリズム16内を透過または反射することにより、同様の効果を得ることができる。この場合のハーフミラー16cおよび反射面16dは図9(a)、(b)に示す通りである。
また、図10および図11(a)、(b)に示されるように、照明用光ファイバ8および検出用光ファイバ9のプリズム16に対する位置を入れ替えることにしてもよい。この場合には、検出用光ファイバ9の開口数を照明用光ファイバ8の開口数より小さくしておくことが好ましい。
すなわち、図10に示す例では、照明用光ファイバ8の射出端8aから射出された第1のレーザ光Pは、第1面16aを透過して第2面16bに内部から入射すると、第2面16bにおいて反射され、第1面16aに再度入射する。図11(a)、(b)に示されるように、この第1面16aにおける入射領域に、入射光束の形状にコーティングされた反射面(図中のハッチングされた範囲)16eを形成しておくことにより、第1のレーザ光Pを全て反射して第2面16bを透過させ集光レンズ10によって生体組織Aに照射させることができる。
一方、第2面16bに入射した散乱光Rは、第1面16aの反射面16eを透過できないが、その周囲の領域を透過したものが検出用光ファイバ9の入射端9aに入射する。反射面16eの領域よりも反射面16eを取り囲むドーナツ状の領域の面積は容易に大きくすることができ、十分な光量の散乱光Rを検出することができる。
また、検出用光ファイバ9の開口数を照明用光ファイバ8の開口数より大きくすることに代えて、または、これに加えて、図12から図14に示されるように、検出用光ファイバ9の入射端9aの位置を、集光レンズ10から、空気換算で集光レンズ10の焦点距離より大きく離す方向にずらすことにしてもよい。この場合の照明用光ファイバ8の射出端8aの位置は、集光レンズ10から、集光レンズ10の焦点距離だけ離れた位置に配置されている。このようにすることで、入射端9aに入射される散乱光Rの光束の形態を、集光レンズ10から生体組織Aに向かって窄む形態にすることができる。
すなわち、照明用光ファイバ8の射出端8aから射出された第1のレーザ光Pは、図13にハッチングで示されるように、集光レンズ10によって略平行光とされて生体組織Aに照射されるので、集光レンズ10に対する生体組織Aの位置が変化しても、第1のレーザ光Pを照射する範囲は大きく変動せず、高い光密度の第1のレーザ光Pを生体組織Aに照射することができる。
一方、生体組織Aにから戻る散乱光Rの光束は、図14にハッチングで示されるように、集光レンズ10から生体組織Aに向かって窄む形態となるので、第1面16aに設けられた反射面16eによって、散乱光Rの光束の中央部分が遮断されるが、生体組織Aにおけるレーザ光Pの光束と散乱光Rの光束との重なりを大きくして、効率よく散乱光Rを検出することができる。すなわち、第1のレーザ光Pが照射された生体組織Aの領域内から戻る強度の高い散乱光Rを検出でき、測定感度を向上することができるという利点がある。
また、本実施形態においては、正のパワーを有する光学素子として単一の集光レンズ10を採用した例を示したが、これに代えて、複数のレンズを備えて、全体として正のパワーを有することとなるレンズ群を採用してもよい。
また、本実施形態においては、第1のレーザ光Pを集光レンズ10によって略平行光に屈折することとしたが、これに代えて、射出端8aから射出された第1のレーザ光Pの拡散角度より小さい拡散角度で拡散する光、あるいは、平行光に近い収斂光に集光することにしてもよい。
2 医療用プローブ
8 照明用光ファイバ(第1の伝送路)
9 検出用光ファイバ(第2の伝送路)
10 集光レンズ(光学素子)
11 プリズム(分離素子)
15 グリンレンズ(光学素子)
16 プリズム(分離素子、平行平板)
16a 第1の入射面
16b 第2の入射面
16c ハーフミラー(部分反射部)
A 生体組織
P レーザ光
R 散乱光

Claims (11)

  1. 生体組織に対して照射するレーザ光を伝送し射出端から射出する第1の伝送路と、
    前記生体組織における動的成分情報を含む該生体組織からの散乱光を入射端において受光して伝送する第2の伝送路と、
    前記射出端から射出された前記レーザ光を屈折させて前記生体組織に照射するとともに、該生体組織からの散乱光を集光して前記入射端に受光させる、全体として正のパワーを有する光学素子と、
    前記レーザ光の光路に沿って前記生体組織から戻る散乱光を前記レーザ光の光路から分離して前記入射端に入射させる分離素子とを備える医療用プローブ。
  2. 前記分離素子が、前記射出端から射出された前記レーザ光を透過させる領域に前記散乱光の少なくとも一部を反射する部分反射部を備えるプリズムである請求項1に記載の医療用プローブ。
  3. 前記プリズムが、前記レーザ光を入射させる第1の入射面と、前記散乱光を入射させる第2の入射面とを平行に備え、かつ、これらの入射面が前記レーザ光および前記散乱光の光束の主光線に対して傾斜して配置される、透明な材質からなる平行平板であり、
    前記第1の入射面の前記レーザ光の入射領域に、前記部分反射部が設けられ、
    前記第2の入射面を透過し前記部分反射部において反射された前記散乱光が前記第2の入射面に内側から再度入射する領域に、入射した散乱光を反射して前記第1の入射面から射出させる反射領域が設けられている請求項2に記載の医療用プローブ。
  4. 前記分離素子が、前記射出端から射出された前記レーザ光を反射させる領域に前記散乱光の少なくとも一部を透過する部分反射部を備えるプリズムである請求項1に記載の医療用プローブ。
  5. 前記プリズムが、前記レーザ光を入射させる第1の入射面と、前記散乱光を入射させる第2の入射面とを平行に備え、かつ、これらの入射面が前記レーザ光および前記散乱光の光束の主光線に対して傾斜して配置される、透明な材質からなる平行平板であり、
    前記第1の入射面を透過した前記レーザ光が前記第2の入射面に内側から入射する領域に前記レーザ光を反射する反射領域が設けられ、
    該反射領域において反射された前記レーザ光が前記第1の入射面に内側から再度入射する領域に前記部分反射部が設けられ、
    該部分反射部が、前記散乱光を透過させる領域内の一部に部分的に配置されている請求項4に記載の医療用プローブ。
  6. 前記第2の伝送路の開口数が、前記第1の伝送路の開口数よりも大きい請求項5に記載の医療用プローブ。
  7. 前記射出端が前記光学素子の焦点距離近傍に配置され、
    前記入射端が前記光学素子の焦点距離よりも該光学素子から離れた位置に配置されている請求項5または請求項6に記載の医療用プローブ。
  8. 前記部分反射部が、ハーフミラーである請求項1から請求項7のいずれかに記載の医療用プローブ。
  9. 前記部分反射部が、所定の偏光を有する前記レーザ光を透過させる偏光ビームスプリッタである請求項1から請求項7のいずれかに記載の医療用プローブ。
  10. 前記レーザ光の光束と前記散乱光の光束とが重なる位置に配置される前記光学素子の面が前記レーザ光の光束の主光線に対して傾斜して配置されている請求項1から請求項9のいずれかに記載の医療用プローブ。
  11. 前記レーザ光の光束と前記散乱光の光束とが重なる位置に配置される前記分離素子の面が前記レーザ光の光束の主光線に対して傾斜して配置されている請求項1から請求項9のいずれかに記載の医療用プローブ。
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