JP2017031994A - 無段変速機 - Google Patents

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Abstract

【課題】無段変速機において、動力伝達効率の向上をはかる。【解決手段】入力軸10と副軸14との間に傾転可能に設けた第1ボール20と第2ボール30と、入力軸10と第1ボール20、第2ボール30との間で動力伝達可能な摩擦面を有する第1ディスク40、第2ディスク42と、副軸14と第1ボール20、第2ボール30との間で動力伝達可能な摩擦面を有する第3ディスク44、第2ディスク46を備え、これら第1乃至第4ディスク40、42、44、46から第1ボール20、第2ボール30が受けるスラストを、第1ボール20と第2ボール30の接点Eで相殺するようにした。【選択図】図1

Description

本発明は、エンジンで駆動する自動車などに用いる無段変速機(CVT)に関するものでる。
従来、この種の無段変速機としては、対向配置された入力ディスクと出力ディスクの、トロイダル状に形成された曲面に接するパワーローラーを備え、該パワーローラーはトラニオンにより支持され、これが傾転することで無段階の速度比(変速比)を得るものが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
しかしながら、上記の対向配置された入力ディスクと出力ディスクの、トロイダル状に形成された曲面に接するパワーローラーを備えたトロイダル型無段変速機にあっては、入力ディスクと出力ディスクに形成したトロイダル曲面の径方向外側にパワーローラーを設けて、パワーローラーの径方向内側の同一外面が入力ディスクと出力ディスクの両者に接して動力を伝達するため、これら動力の伝達に大きなスラストを作用させることとも関連して、以下のような問題があった。
すなわち、入力ディスクと出力ディスクが互いに反対方向に回転するため、両者の間に作用するスラストを受けるベアリング損失が大きく、それだけ動力伝達効率が低下する。
さらに、パワーローラーに作用する径方向のスラストを支えるベアリング損失が大きく、動力伝達効率が低下する。
特開2013−213563号公報
解決しようとする問題点は、入力軸と出力軸が互いに反対方向に回転することとあいまって、入力ディスクと出力ディスクとパワーローラーの各スラストを受ける、入力軸と出力軸間のベアリングの損失が大きく、動力伝達効率が低い点である。
本発明の目的は、入力軸と出力軸が同じ方向に回転するようにするとともに、パワーローラーに作用するスラストをローラー支持ベアリングで受けないようにして、それぞれの支持ベアリングの回転ロスを大幅に低下させることにある。
本発明の無段変速機は、入力軸と、出力軸と、入力軸および出力軸と平行に配置した副軸と、ケースと、ケースに係止可能なステーターと、入力軸と副軸との間に一対配置されて、ステーターに傾転可能に設けた第1ボール軸と第2ボール軸と、該第1ボール軸、第2ボール軸にそれぞれ回転自在に支持され、直接またはベアリング等を介した接点で互いに接した2個の第1ボールおよび第2ボールと、入力軸または出力軸と回転方向が一体で第1ボールと接して動力伝達可能な摩擦面を有する第1ディスク、および第2ボールと接して動力伝達可能な摩擦面を有する第2ディスクと、副軸と回転方向が一体で、第1ボールと接して動力伝達可能な摩擦面を有する第3ディスク、および第2ボールと接して動力伝達可能な摩擦面を有する第4ディスクと、を備え、第1ディスクおよび第2ディスクから第1ボールおよび第2ボールに作用する推力と、第3ディスクおよび第4ディスクから第1ボールおよび第2ボールに作用する推力とが、第1ボールと第2ボールの接点で相殺されることを特徴とする。
本発明の無段変速機は、第1ボールと第2ボールが接して回転し、第1乃至第4ディスクを介して入力軸と副軸との間で無段変速する際に、第1ボールと第2ボールが第1乃至第4ディスクから受ける推力を第1ボールと第2ボールの接点において相殺するようにした。
したがって、本発明の無段変速機は、入力軸と出力軸とが同じ方向に回転するとともに、従来例のパワーローラーに相当する2個のボールに作用するスラストが互いに相殺されるので、それぞれのボールを支持するベアリングの損失が低減し、動力伝達効率の向上をはかることができる。
本発明の実施例1に係る無段変速機の主要部を示したものであり、図2のA−A線に沿った断面図である。(実施例1) 図1におけるB−B線に沿った断面図である。 図1の無段変速機における作動状態を示す断面図である。 図1の無段変速機における、他の作動状態を示す断面図である。 本発明の実施例2の無段変速機の主要部を示したものであり、図6のC−C線に沿った断面図である。 図5におけるD−D線に沿った断面図である。 本発明の実施例3の無段変速機を示したスケルトン図である。 本発明の実施例4の無段変速機を示したスケルトン図である。
以下、本発明の実施の形態に係る無段変速機を、実施例に基づき図とともに説明する。
図1は、本発明の実施例1に係る無段変速機の主要部を示したもので、図2のA−A線に沿った断面図である。図2は、後述するケース3を除いた、図1におけるB−B線に沿った断面図である。両図ともに後述する入力軸10および出力軸12の中心線より上半分を描いている。
また、図3と図4は、それぞれ図1の状態から後述する速度比を変化させた状態を表した作動図である。
ケース3と一体の第1プレート4、第2プレート5に、それぞれ回転自在に支持された入力軸10と出力軸12とは同じ回転中心である。
なお、以下の説明において、特に断らない場合は「軸方向」「径方向」という表現は入力軸10を念頭においたものである。
入力軸10および出力軸12を中心にしたピッチ円上の等間隔位置に、4個の副軸14が入力軸10および出力軸12と平行に配置され、それらの両端部がそれぞれ第1プレート4および第2プレート5に、ベアリング4a、5aにより回転自在に支持されている。
入力軸10と各副軸14の間には、それぞれ第1ボール20と第2ボール30とを軸方向に並べて配置し、それらのボール20、30は接点Eで接している。第1ボール20と第2ボール30とは、第1ボール軸22および第2ボール軸32に、それぞれベアリング22a、32aで回転自在に支持されている。
図2を参照しながら説明すると、第1ボール軸22および第2ボール軸32は、それぞれ第1トラニオン24および第2トラニオン34に固定されている。
なお、第1ボール20と第2ボール30とは、第1トラニオン24および第2トラニオン34に対して、第1ボール軸22および第2ボール軸32の軸方向に若干動くことができるような隙間を有している。
図1、図2に示すように、第1トラニオン24および第2トラニオン34は、それぞれ第1ホルダー26および第2ホルダー36に、ピン26a、36aで傾転可能に支えられている。
また、第1ホルダー26および第2ホルダー36は、それぞれ第1ステーター28、第2ステーター38にピン28aおよび38a(図1に2点鎖線で表示)により揺動可能に支持されている。
前述のピン26a、36aとピン28a、38aとはやや離れているので、第1ホルダー26および第2ホルダー36が揺動することで、第1ボール20と第2ボール30とは軸方向に移動可能である。
詳細の図示は省略するが、第1ステーター28、第2ステーター38は、それぞれ第1プレート4、第2プレート5に係止されており、後述するように入力軸10を中心に若干(所定の回転範囲)回転できるようにしてある。
なお、図2は第1ボール20側の断面であるが、第2ボール30側の断面もこれと同様である。したがって、ピン28aに相当するのが、ピン38aである。
入力軸10と各第1ボール20および第2ボール30との間にはガイドスリーブ16が備えてあり、このガイドスリーブ16には第1ガイド溝16a、第2ガイド溝16bがそれぞれ4本形成され、この第1、第2ガイド溝16a、16bにはそれぞれ第1ボール軸22および第2ボール軸32の入力軸10側の端部22b、32bが係合している。端部22b、32bは部分的に球状に成形してある。
また、第1、第2ガイド溝16a、16bはヘリカル状の溝であり、図3、図4に見るように、第1ボール軸22および第2ボール軸32が傾転するとともに、ガイドスリーブ16は入力軸10を中心として回転するようになっている。
入力軸10には、第1ディスク40がボールスプライン10aを介して回転方向は一体で軸方向は移動可能に設けてあり、第2ディスク42がスプライン10bとスナップリング10cで一体に設けてある。
第1ディスク40と第2ディスク42は、それぞれ第1ボール20、第2ボール30の外面20a、30aと接してトルクの伝達が可能な摩擦面40a、42aを形成している。
そして、入力軸10には、シリンダー10dとピストン10eが設けてあり、後述する油圧をピストン10eに作用させて、第1ディスク40を第1ボール20に押しつけ、同時にスナップリング10fを介して第2ディスク42を第2ボール30側へ引き寄せる、いわゆるスラストを作用させることができるようになっている。
一方、副軸14には第3ディスク44と第4ディスク46とが一体に設けてあり、第1ディスク40と第2ディスク42と同様に、それぞれ第1ボール20、第2ボール30の外面20a、30aと接してトルクの伝達が可能な摩擦面44a、46aを形成している。
したがって、前述のピストン10eにより第1ディスク40にスラストを作用させると、第1ディスク40および第2ディスク42が2個の第1ボール20および第2ボール30とを軸方向に挟むように、前述の摩擦面40a、42aを第1ボール20、第2ボール30の外面20a、30aに押しつける。
ここで、第1ボール20と第2ボール30は、前述のように第1ボール軸22および第2ボール軸32の軸方向に若干動くことができるので、第1ディスク40および第2ディスク42から第1ボール20および第2ボール30が受けたスラストにより、第1ボール20および第2ボール30は径方向外側へ移動して第3ディスク44および第4ディスク46に押しつけられるように作用する。
すなわち、ピストン10eが発したスラストは、4個の第1乃至第4ディスク40、42、44、46の摩擦面40a、42a、44a、46aと、2個の第1ボール20および第2ボール30の外面20a、30a同士をそれぞれ圧接することになり、それらのスラストは第1ボール20と第2ボール30の接点Eに作用して相殺される。
4個の副軸14は、それぞれ第1外面14aと第2外面14bを形成しており、これらの第1外面14aと第2外面14bを囲んで接する第1サポートリング50と第2サポートリング52が設けてある。すなわち、第1サポートリング50の内面50aと第2サポートリング52の内面52aがそれぞれ4個の副軸14の第1外面14aおよび第2外面14bと接している。第1サポートリング50と第2サポートリング52の間には筒状のスペーサー50bを挿入している。
前述したように、4カ所の摩擦面40a、42a、44a、46aから第1ボール20と第2ボール30に作用するスラストは接点Eにて相殺されるが、スラストに伴って4個の第1乃至第4ディスク40、42、44、46に作用する径方向の力は以下のようになる。
すなわち、第1および第2ディスク40、42は、それぞれ周囲に配置された4個の第1ボール20および第2ボール30に接して径方向の力を受けるので、スラストに伴う径方向の力は互いに打ち消し合って相殺される。
一方、第3、第4ディスク44、46はそれぞれ1個の第1ボール20および第2ボール30から径方向の力を受けるので、それらの径方向の荷重はベアリング4a、5aを介して第1プレート4および第2プレート5に作用する。
しかし、4個の副軸14に接する第1サポートリング50と第2サポートリング52を設けたので、それらにより第3、第4ディスク44、46が第1ボール20および第2ボール30から受ける径方向の荷重を受け持つことができる。
つまり、第1サポートリング50と第2サポートリング52は、4個の副軸14から受けた一部または大部分の径方向の荷重を受けるので、これを相殺することができる。
第4ディスク46には駆動歯車46bが一体になっており、出力軸12と一体の被動歯車12aと噛み合っている。すなわち、被動歯車12aは4個の副軸14から駆動される。
次に、図1と図2に示した実施例1の無段変速機の作用を、図3、図4とともに説明する。
なお、図示は省略するが、図1に示した無段変速機は油圧ポンプおよびコントローラーなどを備えることができ、以下の作動はコントローラーの指示に基づいて行ってもよい。また、実施例1の無段変速機には潤滑を兼ねた適切な作動油が用いられる。
以下の説明における回転方向は、図1において左側から見た場合、または径方向中心側、つまり入力軸10側から見た場合を示す。
入力軸10が回転するとともに、そのトルクに応じた油圧をシリンダー10dに供給するとピストン10eは第1ディスク40を第1ボール20側へ押すとともに、第2ディスク42を第2ボール30側へ引き寄せて、前述したように4個の第3、第4ディスク44、46のそれぞれの接点も合わせて、摩擦面40a、42a、44a、46aと、2個の第1ボール20および第2ボール30の外面20a、30a同士をそれぞれ圧接する。
これにより、入力軸10を時計回りに回転した場合、第1ディスク40は第1ボール20を時計回りに回転させ、第2ディスク42は第2ボール30を反時計回りに回転させる。
また、第1、第2ボール20、30は第3、第4ディスク44、46を介して副軸14を反時計回りに回転させる。なお、動力伝達には関与しないが、第1、第2サポートリング50、52は反時計回りに回転する。
ここで、図3、4にも示すように、第1ディスク40と第1ボール20の接点をF、第2ディスク42と第2ボール30の接点をG、第3ディスク44と第1ボール20の接点をH、第4ディスク46と第2ボール30の接点をI、とする。厳密にはそれぞれの接点位置を特定するのは困難であるが、図示したように各接触部の中央付近を接点として説明する。
そして、接点Fと入力軸10の中心との距離をR1、接点Fと第1ボール軸22の中心との距離をR2、接点Gと第1ボール軸22の中心との距離をR3、接点Gと副軸14の中心との距離をR4、と定義する。なお、接点H、Iは第1、第2ボール20、30同士の接点Eを中心として接点F、Gと対称とみなして説明を省略する。
これらの結果、入力軸10と副軸14の回転速度比(入力軸10の速度/副軸14の速度)は、各接点において滑りがないものとすると、R2・R4/R1・R3と定義できる。また、出力軸12の回転速度はこれに駆動歯車46bと被動歯車12aの歯数比を加味すれば算出できる。そして、出力軸12の回転方向は入力軸10と同じである。
次に入力軸10と副軸14の回転速度比を変化させる場合について説明する。
図1は、入力軸10と副軸14に対して第1、第2ボール軸22、32が直角であるとともに、第1ボール軸22と第2ボール軸32が平行な状態であり、距離R2とR3が同じ値と言えるので、この場合の速度比は後述する速度比範囲のほぼ中央値である。
続いて、図3に示したように第1ボール軸22を反時計回りに、第2ボール軸32をその逆方向に傾転させた場合は、前述の距離R3とR2が図1から変化してR3がR2より小さくなっている。同様に距離R3、R4も変化するが説明を省略する。この結果、図3の状態では図1に較べて減速側に変化する。
このとき、ガイドスリーブ16は図1の位置から回転しているのが分かる。
次に、図4に示したのは、図3とは逆に第1ボール軸22を時計回りに、第2ボール軸32を反時計回りに傾転させた場合である。図4で明らかなように距離R3が距離R2より大きくなっているので、図4の状態では図1に較べて増速側になる。
このときも、ガイドスリーブ16は図1および図3の位置から回転しているのが分かる。
このように、図1を中心として、第1ボール軸22と第2ボール軸32を、接点Eを中心として対称に傾転させることで、図3の状態から図4の状態に速度比を無段階に変化させることができる。
続いて、第1ボール軸22と第2ボール軸32の傾転角を変化させる方法について説明する。
前述したように、第1ボール軸22と第2ボール軸32の傾転角が変化するとともに、ガイドスリーブ16が回転するようになっている。したがって、ガイドスリーブ16を回転させることで第1ボール軸22と第2ボール軸32の傾転角を変化させることが可能であり、特に伝達トルクが小さい場合には有効な手段と言える。
しかし、伝達トルクが大きい場合に、第1ボール軸22と第2ボール軸32の傾転角を変化させるには、以下のような方法で行う。
図2で分かるように、一定の速度比を保った定常状態では、入力軸10の中心と副軸14の中心を結んだ線と第1ボール軸22と第2ボール軸32の中心線が一致しているが、これを変化させることで第1ボール軸22と第2ボール軸32の傾転角を変化させることが可能である。
すなわち、前述した第1ボール軸22と第2ボール軸32を実質的に支えている第1、第2ステーター28、38を、入力軸10を中心にわずかに回転させる。以下、第1ボール20側で説明すると、これにより、図2で見た場合の第1ボール軸22の中心線と接点F、Gの位置関係がずれることになる。この結果、接点F、Gにおいて第1ボール軸22を傾転させる偶力が作用して、それらを傾転させる。そして、所望の速度比に達したところで第1ステーター28を図2で示した位置に戻す。これにより速度比が変化した定常状態になる。
これと同様のことが対称配置された第2ボール30側でも作用する。
なお、この際ガイドスリーブ16は、計8個の各ボール軸22、32の傾転角が互いにずれないように規制する機能を有する。
この第1、第2ステーター28、38を回転させる方法は、一つの手段であり、他の方法としては、例えば第1ボール軸22と第2ボール軸32を図2において左右に平行移動または、それに近い移動をするようにしてもよい。
なお、第1、第2ステーター28、38を回転させる手法は図示を省略したが、油圧で動かすか、または電動モータで動かせばよい。
このように、実施例1によれば、動力伝達のために摩擦面40a、42a、44a、46aと、2個の第1ボール20および第2ボール30の外面20a、30a同士を圧接するスラストは、第1ボール20と第2ボール30の接点Eにおいて相殺するので、各ベアリング22a、32aには作用せず、これらベアリング22a、32aにあってはスラストに伴うロスが発生しない。
一方、上記の各接点F、G、H、Iで生ずる径方向の力については、入力軸10は各副軸14の4方向から作用するのでそれらが互いに相殺する。
各副軸14については、第3ディスク40、第4ディスク42から受ける径方向の荷重を、第1、第2サポートリング50、52が受けられるので、ベアリング4a、5aに作用する荷重を大幅に減らすことができる。
すなわち、入力軸10と副軸14の中心間距離は関連する部材の寸法精度や剛性、熱膨張などに左右されるが、各副軸14の第1、第2外面14a、14bと第1、第2サポートリング50、52の内径は寸法精度を容易に確保しやすいので、上記した第3ディスク40、第4ディスク42から受ける径方向の荷重を受けるのに適している。
また、第1プレート4、第2プレート5を熱膨張係数の大きな材料で作成することで、特に温度が上昇した状態においてベアリング4a、5aに作用する荷重を減らし、第1、第2サポートリング50、52が受け持つ比率を高めて、ベアリング4a、5aのロスを減らすことができる。
また、入力軸10と出力軸12の回転方向が同一であるとともに、両者間にスラストが作用するベアリングがないので、この面でもロスがない。
したがって、動力伝達に伴うスラストによる各部位のベアリングの回転ロスを大幅に減らして、従来例より動力伝達効率を向上することが可能である。
さらに、第1、第2トラニオン24、34や第1、第2ホルダー26、36にはスラストに起因する力は一切作用しないので、これらを頑丈に作る必要がなく、軽量かつ低コストで作ることができるのもメリットである。
次に、本発明の実施例2の無段変速機につき説明する。
図5は、実施例2に係る無段変速機の図6のC−Cに沿った、図1に相当する断面図であり、図6は図5のD−Dに沿った、図2に相当する断面図である。
ただし、図5で、シリンダー10d、ピストン10eの図示は省略したが、実施例1で描いたのと同様である。
ここでは、実施例1と異なる部分を中心に説明し、実施例1と実質的に同じ部分については、同じ符号を付しそれらの説明を省略する。
実施例2における実施例1との、第1の違いは第2ディスク42が、回転方向は出力軸12と一体で、軸方向に関してのみ入力軸10と一体にしたことである。
すなわち、入力軸10と第2ディスク42の間にはスラストベアリング10fが設けられ、実施例1と同様に図示しないシリンダー10d、ピストン10eの作用で、入力軸10を介して第2ディスク42は第2ボール30に押しつけられる。
また、第2ディスク42は、ドッグ歯42b、12b同士の噛み合いで出力軸12と連結されている。
したがって、入力軸10と第1ディスク40から第1ボール20、第3ディスク44を介して副軸14に至る第1CVT1と、副軸14と第4ディスク46から第2ボール30、第2ディスク42を介して出力軸12に至る第2CVT2の、直列した2段階の無段変速が行われる。なお、第1ボール20と第2ボール30は大きさが異なるものとしている。
これらとの関係で、第1ボール20と第2ボール30は、傾転方向と回転速度が実施例1と異なるので両者の間に第2スラストベアリング58を設けている。また、副軸14と出力軸12の間に歯車はない。
第2の違いは、副軸14が6個であり、これに伴って第1、第2ボール20、30等も6対にしている。
第3の違いは、第1、第2ボール軸22、32まわりである。
実施例1にあったトラニオンを省略して第1、第2ボール軸22、32を、第1、第2ステーター28、38に直接支持させたことである。すなわち、第1、第2ボール軸22、32には、それぞれ2個の第1ローラー22cと第2ローラー32cを設けてある。この第1、第2ローラー22c、32cは、第1ステーター28、第2ステーター38に形成した溝28b、38bにそれぞれ係合しており、第1、第2ボール軸22、32の傾転に伴って溝28b、38b内を転動する。
また、ガイドスリーブ16の第1、第2ガイド溝16a、16bは、それぞれ単なる円周溝であり、ガイドスリーブ16は第1、第2ボール軸22、32の傾転に伴って軸方向に移動する。
したがって、第1ボール軸22と第2ボール軸32は、ほぼ平行を保って傾転する。
第4の違いは副軸14まわりである。
6個の副軸14は実施例1と同様に、それぞれ第1外面14aと第2外面14bを形成しており、これらの第1外面14aと第2外面14bを囲んで接するサポートリング50は1個であり、両端に鍔50c、50dを有した筒状にしてある。
また、第3ディスク44と第4ディスク46には、それぞれ摩擦面44a、46aの軸方向反対側に円錐面44c、46cが形成してあり、この円錐面44cに接する円錐内面54aを有した第3サポートリング54と、円錐面46cに接する円錐内面56aを有した第3サポートリング56を備えている。
第3サポートリング54と第3サポートリング56は連結している。
これらに伴って、ベアリング4aとベアリング5aは、それぞれベアリングホルダー6に抱えられ、ベアリングホルダー6はピン6aを介してケース3に揺動可能に取り付けてある。したがって、副軸14は径方向に移動(揺動)可能になっている。
また、第3ディスク44は、副軸14とボールスプライン14cにより軸方向移動可能に連結されている。
第5の違いは、第1、第2ステーター28、38が、これを回転させる第1制御軸28c、第2制御軸38cをそれぞれ有していることである。すなわち、第1制御軸28cで説明すると、図6に見るように第1制御軸28cは回転中心Jの他に偏心軸中心Kの偏心部28dを有していて、第1ステーター28には長孔28eが形成されている。
このため、第1制御軸28cと一体の制御アーム28f(図5参照)を操作して、第1制御軸28cを回転させると、偏心部28dと長孔28eの作用で第1ステーター28はわずかに回転する。第2ステーター38と第2制御軸38cも同様になっており、第1ステーター28と第2ステーター38とは互いに独立した作動を行うことができるようになっている。
なお、第2ステーター38の第2制御軸38cは、第1ステーターの孔28gを通って第2ステーター38と係合している。
また、制御アーム28fは、図示しないアクチュエータで操作する。
次に、図5、図6に示した実施例2に係る無段変速機の作用を説明する。
実施例1で説明したのと同様に、各第1乃至第4ディスク40、42、44、46と第1、第2ボール20、30との接点を、F、G、H、Iとして、各接点と入力軸10、副軸14、第1、第2ボール軸22、32の中心線との距離を図5に示したように、R1乃至R8とする。
図示しないピストンのスラストで、実施例1と同様に第1ディスク40と第2ディスク42が、第1、第2ボール20、30を挟むように圧接し、同様に第3ディスク44と第4ディスク46も第1、第2ボール20、30を挟むように圧接する。
これにより、入力軸10のトルクは第1ディスク40、第1ボール20、第3ディスク44を介して副軸14を駆動し、さらに第4ディスク46、第2ボール30、第2ディスク42を介して出力軸12を駆動する。
その結果、速度比(入力軸10の速度/出力軸12の速度)は、(R2・R4・R6・R8)/(R1・R3・R5・R7)であり、このうち第1、第2ボール軸22、32の傾転により変化するのは、R2、R3、R6、R7である。
これらの無段変速を制御するのは、実施例1の説明と同様に第1ステーター28と第2ステーター38とを回転させて行う。そのため、前述したように第1制御軸28cおよび第2制御軸38cを回転させる。
ここで、実施例1と違うのは第1ボール軸22と第2ボール軸32とがほぼ平行のまま傾転することであり、そのため第1ステーター28と第2ステーター38の回転方向を逆にする必要があり、両者を独立して制御する。
また、前述したように、第1ボール軸22と第2ボール軸32はガイドスリーブ16の軸方向の移動を伴って傾転する。
なお、サポートリング50、第3サポートリング54および第3サポートリング56は、動力伝達には関与しないが逆回転する。
次に、動力伝達に伴うスラストについては、以下のようになる。
入力軸10と第2ディスク42との間の第1スラストベアリング10gにあっては、入力軸10と第2ディスク42が同じ方向に回転するので、例えば速度比が1の際には速度差が0(ゼロ)になるように、互いに逆転する従来例にくらべてベアリングロスが大幅に少なくなる。
また、スラストは第1ボール20と第2ボール30との接点である第2スラストベアリング58に作用する。ここでは実施例1と異なり両者間に僅かの速度差があるので速度比に応じてロスが生ずる。ここでも速度差が0になる場合があり、その状態にあってはロスが生じない。
続いて、スラストに伴う径方向の荷重については、入力軸10にあっては実施例1と同様に6対の第1、第2ボール20、30からの荷重が相殺する。
また、副軸14にあっては、前述したようにベアリング4a、5aはベアリングホルダー6により揺動可能に支持されているので径方向の荷重は作用しない。したがって、第1、第2ボール20、30からの荷重がサポートリング50および第3サポートリング54、第4サポートリング56の両者に作用する。そして、サポートリング50と第3、第4サポートリング54、56の分担比率は第2ディスク42と第3ディスク44の円錐面44c、46cの角度の設定で変化する。
すなわち、円錐面44c、46cを平面に近づけるほど第4サポートリング54、56の負担が減り、サポートリング50の負担が増える。したがって、サポートリング50と第3、第4サポートリング54、56の剛性などを勘案して、円錐面44c、46cの角度を設定する。
実施例2は、前述したように、入力軸10と副軸14の間が第1段の無段変速であり、副軸14と出力軸12の間が第2段の無段変速である。したがって、速度比の幅が第1段と第2段の速度比幅を乗じた値になり、大きな速度比幅を得ることができるのが最大のメリットである。
動力伝達効率については、実施例1に較べるとややベアリングロスが大きいが、前述の大きな変速比幅を確保するため2基の従来の無段変速機を直列に連結するのに較べると、大幅に高くなると言える。
次に、本発明の実施例3の無段変速機について以下に説明する。
図7は、実施例3に係る無段変速機のスケルトン図である。
ここでは、実施例1と異なる部分を中心に説明し、実施例1と実質的に同じ部分については、同じ符号を付しそれらの説明を省略する。
実施例3における実施例1との違いは、副軸14がこれと平行に設けた差動装置60を駆動するようになっていることである。すなわち、駆動歯車46bが差動装置60と一体の被動歯車60aを駆動する。
差動装置60は、車軸60b、60cを介して図示しない車輪を駆動する。
また、副軸14が1個であり、第1ボール20、第2ボール30も1対の構成にしてあって、実施例1にあった第1、第2サポートリング50、52などを有していない。
その他は、実施例1と同様であるので説明を省略する。
なお、副軸14を複数設ける場合は、各副軸14の駆動歯車46b同士を連結するため、それらと噛み合う破線で描いた被動歯車12aを追加して設ければよく、その場合も差動装置60を駆動するのは1個の副軸14のみでよい。
次に、図7に示した実施例3に係る無段変速機の作用であるが、基本的に実施例1で説明したのと同様に入力軸10と副軸14との間で無段変速するので、説明を省略する。
実施例3は、エンジン横置きの前輪駆動車などに用いるのに適した構成であり、特に副軸14を1個にした場合は従来例に較べてコンパクトで軽量にできるのが特徴である。
次に、本発明の実施例4の無段変速機について以下に説明する。
図8は、実施例4に係る無段変速機のスケルトン図である。
ここでは、実施例1と異なる部分を中心に説明し、実施例1と実質的に同じ部分については、同じ符号を付しそれらの説明を省略する。
実施例4における実施例1との違いは、入力軸10と副軸14との間に設けた第1ボール20、第2ボール30の他に、実施例1における駆動歯車46b、被動歯車12aに代えて、軸方向長さを延長した副軸14と出力軸12との間にも第3ボール64と第4ボール66とを設け、副軸14に第5ディスク68と第6ディスク70を、出力軸12に第7ディスク72と第8ディスク74をそれぞれ設けたことである。
詳細の図示や説明は省略するが、出力軸12と副軸14との間の構成は、基本的に入力軸10と副軸14との間の構成と対称かつ同様である。なお、第1ボール20、第2ボール30と第3ボール64、第4ボール66の大きさを異なる構成にしてもよい。
次に、図8に示した実施例4に係る無段変速機の作用であるが、実施例2で説明したのと似ており、入力軸10と第1ディスク40、第2ディスク42から第1ボール20、第2ボール30、第3ディスク44、第4ディスク46を介して副軸14に至る第1CVT1と、延長した副軸14と第5ディスク68と第6ディスク70、第3ボール64、第4ボール66、第7ディスク72と第8ディスク74を介して出力軸12に至る第2CVT2の、2段階の無段変速が行われる。
したがって、実施例2と同様に、速度比の幅を大きくとることができるのが特徴である。
実施例4にあっても、副軸14を複数設けて実施例1で示したような第1、第2サポートリング50、52を備えてさらなる動力伝達効率の向上をはかることができる。
以上説明したように、本発明の各実施例に係る無段変速機は、入力軸10と副軸14との間に第1ボール20と第2ボール30とを対にして設け、入力軸10側の第1ディスク40、第2ディスク42と、副軸14側の第3ディスク44、第4ディスク46とで4方から挟み、これらの4個のディスク40、42、44、46から受けるスラストを第1ボール20と第2ボール30との接点で相殺するようにしたため、入力軸10と副軸14を支持するベアリングにスラストが作用しないのが特徴である。
また、複数の副軸14を設けた場合に第1サポートリング50などにより、複数の副軸14間の径方向の荷重を相殺することも可能であり、いずれも動力伝達効率の向上に貢献するというメリットがある。
また、実施例2、実施例4で説明したように1個の無段変速機でありながら速度比範囲を大きく確保できるのも特徴であり、自動車などの燃費向上にメリットがある。
本発明の無段変速機は、当業者の一般的な知識に基づいて、遊星歯車列と組み合わせて逆転駆動を可能にしたり、トルクコンバータなどを設けて自動車の発進をスムーズにしたりするなどの変更を加えた態様で実施することができる。
本発明の無段変速機は、特に動力伝達効率が高いことを要求される自動車や自転車などの車両や、工作設備や風力発電機などの各種回転機械に広く適用することができる。
10 入力軸
12 出力軸
14 副軸
20 第1ボール
22 第1ボール軸
28 第1ステーター28
30 第2ボール
32 第2ボール軸
38 第2ステーター
40 第1ディスク
42 第2ディスク
44 第3ディスク
46 第4ディスク
50 第1サポートリング
52 第2サポートリング

Claims (6)

  1. 入力軸と、
    出力軸と、
    前記入力軸および前記出力軸と平行に配置した副軸と、
    ケースと、
    前記ケースに係止可能なステーターと、
    前記入力軸と前記副軸との間に一対配置されて、前記ステーターに傾転可能に設けた第1ボール軸と第2ボール軸と、
    該第1ボール軸、第2ボール軸にそれぞれ回転自在に支持され、直接またはベアリング等を介した接点で互いに接した2個の第1ボールおよび第2ボールと、
    前記入力軸または前記出力軸と回転方向が一体で前記第1ボールと接して動力伝達可能な摩擦面を有する第1ディスク、および前記第2ボールと接して動力伝達可能な摩擦面を有する第2ディスクと、
    前記副軸と回転方向が一体で、前記第1ボールと接して動力伝達可能な摩擦面を有する第3ディスク、および前記第2ボールと接して動力伝達可能な摩擦面を有する第4ディスクと、を備え、
    前記第1ディスクおよび前記第2ディスクから前記第1ボールおよび前記第2ボールに作用する推力と、前記第3ディスクおよび前記第4ディスクから前記第1ボールおよび前記第2ボールに作用する推力とが、前記第1ボールと前記第2ボールの前記接点で相殺されることを特徴とする無段変速機。
  2. 前記副軸を複数備えるとともに、前記入力軸の外側に設けたスリーブにガイド溝を形成し、前記第1ボール軸と前記第2ボール軸の前記入力軸側端部を前記ガイド溝に係合させたことを特徴とする請求項1に記載の無段変速機。
  3. 前記入力軸と前記第1ディスクと前記第2ディスクを回転方向に一体として、前記各副軸と前記出力軸との間を歯車で連結したことを特徴とする請求項1もしくは請求項2に記載の無段変速機。
  4. 前記副軸の外周、または前記第3ディスクと前記第4ディスクに形成した円錐外面に接する内面を有したリングまたはスリーブを備えたことを特徴とする請求項1乃至3に記載の無段変速機。
  5. 前記副軸を径方向に移動可能に前記ケースに支持したことを特徴とする請求項4に記載の無段変速機。
  6. 前記ステーターを、前記入力軸を中心に所定の範囲で回転可能にしたことを特徴とする請求項1乃至5に記載の無段変速機。

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