JP2017071079A - 熱伝導シート、熱伝導シート積層体及び熱伝導シート成形体 - Google Patents

熱伝導シート、熱伝導シート積層体及び熱伝導シート成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】熱伝導性に異方性を有する、熱伝導シートを提供する。【解決手段】第1の合成樹脂と、グラフェン積層構造を有する炭素材料とを含む、複数の第1の樹脂組成物層2と、第2の合成樹脂を含む、複数の第2の樹脂組成物層3と、を備え、第1の合成樹脂100重量部に対する上記炭素材料の含有量が、50重量部以上、150重量部以下であり、第1の樹脂組成物層2と、第2の樹脂組成物層3が、交互に積層されており、熱伝導シート1のシート平面において、任意の方向をx方向、x方向に直交する方向をy方向とし、熱伝導シート1の厚み方向をz方向としたときに、x方向の熱伝導率λx、y方向の熱伝導率λy及びz方向の熱伝導率λzが、min(λx,λy)/λz≧5を満たしている、熱伝導シート1。【選択図】図1

Description

本発明は、熱伝導シート、並びに該熱伝導シートを用いた熱伝導シート積層体及び熱伝導シート成形体に関する。
従来、携帯電話やパーソナルコンピュータなどの電子機器の筐体には、熱伝導性に優れた金属板が用いられている。近年では、このような金属板の代替材料として、面方向と厚み方向との双方における熱伝導性に優れた熱伝導シートが注目を集めている。
例えば、下記の特許文献1には、グラフェン積層体である黒鉛と、導電性材料層とを備える熱伝導シートが開示されている。特許文献1では、黒鉛のグラフェン間に導電性材料層がインターカレートされており、それによってグラフェンの面内方向だけでなく、厚み方向における熱伝導性が高められるとされている。
特開2012−96937号公報
しかしながら、特許文献1のような熱伝導シートや金属板を電子機器の筐体に用いた場合、筐体全体が熱くなることがあった。そのため、電子機器が持ちにくかったり、膝などに載せづらかったりする場合があった。また、特許文献1の熱伝導シートは、脆く、成形性が十分ではなかった。
本発明の目的は、熱伝導性に異方性を有する、熱伝導シートを提供することにある。また、本発明の他の目的は、上記熱伝導シートを用いた熱伝導シート積層体及び熱伝導シート成形体を提供することにある。
本発明に係る熱伝導シートは、熱伝導シートであって、第1の合成樹脂と、グラフェン積層構造を有する炭素材料とを含む、複数の第1の樹脂組成物層と、第2の合成樹脂を含む、複数の第2の樹脂組成物層と、を備え、前記第1の合成樹脂100重量部に対する前記炭素材料の含有量が、50重量部以上、150重量部以下であり、前記第1の樹脂組成物層と、前記第2の樹脂組成物層とが、交互に積層されており、前記熱伝導シートのシート平面において、任意の方向をx方向、該x方向に直交する方向をy方向とし、前記熱伝導シートの厚み方向をz方向としたときに、前記x方向の熱伝導率λx、前記y方向の熱伝導率λy及び前記z方向の熱伝導率λzが、min(λx,λy)/λz≧5を満たしている。
本発明に係る熱伝導シートの別の特定の局面では、前記λx及び前記λyが、max(λx,λy)≧2W/(m・K)を満たしている。
本発明に係る熱伝導シートの他の特定の局面では、前記第1及び第2の樹脂組成物層の積層数の総和が、4層以上、1000層以下である。
本発明に係る熱伝導シートのさらに他の特定の局面では、前記第2の樹脂組成物層が、前記グラフェン積層構造を有する炭素材料とは異なる炭素材料又は該炭素材料とは異なる無機フィラーをさらに含む。
本発明に係る熱伝導シートのさらに他の特定の局面では、前記グラフェン積層構造を有する炭素材料が、黒鉛又は薄片化黒鉛である。
本発明に係る熱伝導シートのさらに他の特定の局面では、前記グラフェン積層構造を有する炭素材料のグラフェンシートの積層数が、100層以上である。
本発明に係る熱伝導シートのさらに他の特定の局面では、前記グラフェン積層構造を有する炭素材料の平均粒径が、0.1μm以上、100μm以下である。
本発明に係る熱伝導シートのさらに他の特定の局面では、前記グラフェン積層構造を有する炭素材料の厚みが、30nm以上である。
本発明に係る熱伝導シートのさらに他の特定の局面では、前記第1及び第2の合成樹脂が、それぞれ、ポリオレフィンである。
本発明に係る熱伝導シートのさらに他の特定の局面では、前記第1の合成樹脂の230℃における溶融粘度が、前記第2の合成樹脂の230℃における溶融粘度より低い。
本発明に係る熱伝導シート積層体は、発泡樹脂層と、前記発泡樹脂層の少なくとも一方側の主面上に積層された、本発明に従って構成される熱伝導シートとを備える。
本発明に係る熱伝導シート成形体は、本発明に従って構成される熱伝導シート又は熱伝導シート積層体の成形体である。
本発明に係る熱伝導シートのさらに他の特定の局面では、電子機器、屋外通信用固定装置又はスマートメータの筐体に用いられる。
本発明に係る熱伝導シート積層体のさらに他の特定の局面では、電子機器、屋外通信用固定装置又はスマートメータの筐体に用いられる。
本発明に係る熱伝導シート成形体のさらに他の特定の局面では、電子機器、屋外通信用固定装置又はスマートメータの筐体に用いられる。
本発明によれば、熱伝導性に異方性を有する熱伝導シートを提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係る熱伝導シートを示す模式的断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る熱伝導シートを示す模式的断面図である。 本発明の一実施形態に係る熱伝導シート積層体を示す模式的断面図である。 (a)は、実施例及び比較例で得られた熱伝導シート積層体の成形に用いた容器状の上下一対金型の模式的平面図であり、(b)は、そのA−A線に沿う模式的断面図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
[熱伝導シート]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る熱伝導シートを示す模式的断面図である。図1に示すように、熱伝導シート1は、第1の樹脂組成物層2と、第2の樹脂組成物層3とを備える。第1の樹脂組成物層2と、第2の樹脂組成物層3とは、交互に積層されている。熱伝導シート1の両側の表面側には、いずれも第1の樹脂組成物層2が配置されている。
より具体的に熱伝導シート1では、6層の第1の樹脂組成物層2と、5層の第2の樹脂組成物層3とが、第1の樹脂組成物層2から順に交互に積層されている。熱伝導シート1では、第1及び第2の樹脂組成物層2,3の積層数の総和が11層である。
第1の樹脂組成物層2は、第1の合成樹脂と、グラフェン積層構造を有する炭素材料とを含む。上記第1の合成樹脂100重量部に対する上記炭素材料の含有量は、50重量部以上、150重量部以下である。第2の樹脂組成物層3は、第2の合成樹脂を含む。
ところで、熱伝導シート1は、x方向の熱伝導率λx、y方向の熱伝導率λy及びz方向の熱伝導率λzが、min(λx,λy)/λz≧5を満たしている。
本明細書において、上記x方向は、熱伝導シートのシート平面における任意の方向である。上記y方向は、上記シート平面において、上記x方向に直交する方向である。また、上記z方向は、熱伝導シートの厚み方向である。従って、上記z方向は、上記x方向及び上記y方向に直交する方向である。
上記x方向、y方向及びz方向の各方向における熱伝導率は、それぞれ、下記式(1)を用いて計算することができる。
熱伝導率(W/(m・K))=熱拡散率×密度×比率 …(1)
式(1)において、上記x方向、y方向及びz方向の各方向における各方向における熱拡散率は、例えば、べテル社製、品番名:サーモウェーブアナライザを用いて測定することができる。
上記min(λx,λy)とは、λx及びλyのうち、熱伝導率が低い方の値を意味するものとする。従って、min(λx,λy)/λz≧5は、λx及びλyのうち、低い方の熱伝導率のλzに対する比が、5以上であることを意味している。
上記のように、熱伝導シート1では、λx,λy及びλzが、min(λx,λy)/λz≧5を満たしているため、面方向の熱伝導率が、厚み方向の熱伝導率より高くなっている。よって、熱伝導シート1は、熱伝導性に異方性を有している。
熱伝導性により一層の異方性を持たせる観点から、λx,λy及びλzは、min(λx,λy)/λz≧10を満たしていることが好ましく、min(λx,λy)/λz≧20を満たしていることがより好ましい。なお、min(λx,λy)の上限値は、高ければ高いほど好ましいが、材料の性質上、3000程度とすることが望ましい。
また、本発明においては、上記λx及びλyが、max(λx,λy)≧2W/(m・K)を満たしていることが好ましい。上記max(λx,λy)は、λx及びλyのうち、熱伝導率が高い方の値を意味するものとする。従って、max(λx,λy)≧2W/(m・K)は、λx及びλyのうち、熱伝導率が高い方の熱伝導率が2W/(m・K)以上であることを意味している。
max(λx,λy)が上記範囲にある場合、面方向における熱伝導性をより一層高めることができ、熱伝導性により一層の異方性を持たせることができる。
さらに、上記λzは、λz≦2W/(m・K)であることが好ましい。λzが上記範囲内にある場合、厚み方向の熱伝導率が低められ、熱伝導性により一層の異方性を持たせることが可能となる。
また、熱伝導シート1では、x方向及びy方向のうち少なくとも一方向における引張破断伸びが、10%以上であることが好ましい。この場合、熱伝導シート1の靱性をより一層高め、成形性をより一層高めることができる。上記引張破断伸びは、JIS K 7161に準拠して測定された値のことをいうものとする。
上記引張破断伸びは、上記x方向及び上記y方向の双方において測定した値が、10%以上であることが好ましい。その場合、熱伝導シート1の靱性をより一層高め、成形性をより一層高めることができる。もっとも、本発明においては、上記引張破断伸びのうち、上記x方向及び上記y方向のうち一方向の値のみが、10%以上であってもよい。
熱伝導シート1の靱性をより一層高め、成形性をより一層高める観点からは、上記熱伝導シート1の引張破断伸びは、15%以上であることが好ましく、20%以上であることがより好ましい。なお、剛性確保の観点から、上記熱伝導シート1の引張破断伸びの上限値は、40%程度とすることが好ましい。
熱伝導シート1は、上記x方向及び上記y方向のうち少なくとも一方向において、曲げ剛性が、0.1(N/mm)以上であることが好ましく、1.0(N/mm)以上であることがより好ましい。上記曲げ剛性とは、JIS K 7171に準拠して測定された値のことをいう。より具体的に、上記曲げ剛性とは、JIS K 7171に従って測定した荷重−変位曲線において、原点を通る傾きの大きさを試料の幅で除した値である。
熱伝導シート1のような本発明に係る熱伝導シートは、上記のように、厚み方向の熱伝導性が低いため、携帯電話や、パーソナルコンピュータなどの電子機器の筐体に用いた場合において、人体に触れるシート表面側が熱くなりにくい。しかも、面方向においては、熱伝導性が優れているため、面方向において十分に放熱することができる。そのため、電子機器が熱くなって持ちにくくなったり、膝などに載せづらくなったりする問題が生じ難い。そのため、本発明の熱伝導シートは、携帯電話や、パーソナルコンピュータなどの電子機器の筐体に用いることができる。
また、本発明の熱伝導シートは、耐錆性、耐候性及び剛性が高められている。そのため、屋外通信用固定装置やスマートメータの筐体に好適に用いることができる。また、必要に応じて片面または両面にメッキ処理や耐熱、遮熱塗料等を塗布することで、さらなる耐候性の向上を図ってもかまわない。
なお、屋外通信用固定装置やスマートメータなどの筐体に用いられる場合には、電磁波透過性が要求されることがある。このような電磁波透過性は、グラフェン積層構造を有する炭素材料の添加量や剥離度により、調節することができる。
上記のように、本発明の熱伝導シートは、発熱体や直射日光などによって温められたシート表面部位の熱を水平方向に拡散することができ、かつシート裏面に熱を伝えにくくすることができる。
従って、本発明の熱伝導シートは、建築、自動車、航空、船舶及び電子材料などの様々な分野で用いることができる。
また、用途に応じて熱伝導シートの弾性率を調整することもできる。弾性率の調整は、グラフェン積層構造を有する炭素材料の種類や、配合割合を変更することにより行うことができる。
このように本発明の熱伝導シートにおいては、目的とする用途に応じて、物性を適宜調整することができる。
以下、本発明の熱伝導シートについてさらに詳細に説明する。
(第1の樹脂組成物層)
第1の樹脂組成物層は、第1の合成樹脂と、グラフェン積層構造を有する炭素材料とを含む。
第1の樹脂組成物層の厚みとしては、使用する成形品の目的に応じて適宜設定しうるため、特に限定されない。例えば、フィルム製品として使用する場合は、好ましくは10μm以上、より好ましくは20μm以上、好ましくは200μm以下、より好ましくは100μm以下である。また、屋外通信用固定装置やスマートメータの筐体として用いる場合には、好ましくは2μm以上、より好ましくは2.5μm以上、好ましくは6μm以下、より好ましくは4.5μm以下である。
第1の合成樹脂;
上記第1の合成樹脂としては、特に限定されず、様々な公知の合成樹脂を用いることができる。好ましくは、上記合成樹脂として熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。熱可塑性樹脂を用いる場合、熱伝導シートの成形性をより一層高めることができる。
上記熱可塑性樹脂としては、特に限定されず、例えば、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンなどのポリエチレン類や、ホモポリプロピレン、ブロックポリプロピレン、ランダムポリプロピレンなどのポリプロピレン類、ノルボルネン樹脂等の環状ポリオレフィン類、ポリ酢酸ビニル、エチレン酢酸ビニル等の酢酸ビニル共重合体類、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等のポリ酢酸ビニル誘導体類、PET、ポリカーボネート、ポリ乳酸等のポリエステル類、ポリエチレンオキサイド、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルエーテルケトン等のポリエーテル樹脂類、PMMA等のアクリル系樹脂類、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン等のスルホン系樹脂類、PTFE、PVDF等のフッ素化樹脂類、ナイロン等のポリアミド樹脂類、ポリ塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン化樹脂類、ポリスチレン、ポリアクリロニトリルやそれらの共重合樹脂類などを挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、複数を併用してもよい。好ましくは、安価であり、加熱下の成形が容易であるポリオレフィンを用いることが望ましい。
グラフェン積層構造を有する炭素材料;
上記グラフェン積層構造を有する炭素材料としては、特に限定されないが、黒鉛、カーボンナノチューブ、薄片化黒鉛及びグラフェンなどを用いることができる。好ましくは、黒鉛又は薄片化黒鉛である。これらは、単独で用いてもよく、複数を併用してもよい。
上記薄片化黒鉛とは、元の黒鉛を剥離処理して得られるものであり、元の黒鉛よりも薄いグラフェンシート積層体をいう。薄片化黒鉛におけるグラフェンシートの積層数は、元の黒鉛より少なければよい。
上記グラフェン積層構造を有する炭素材料において、グラフェンシートの積層数は、100層以上であることが好ましく、1000層以上であることがより好ましく、1500層以上であることがさらに好ましく、2000層以上であることが特に好ましいい。
積層数が上記下限以上である場合、グラフェン積層構造を有する炭素材料のコストを抑えることができる。一方、フィラーとしての剛性補強効果の観点から、グラフェンシートの積層数の上限は、3500程度である。
なお、黒鉛におけるグラフェンシートの積層数は、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて黒鉛の厚みを測定し、グラフェンシートの厚み0.33nm/層で除すことで求めることができる。
また、薄片化黒鉛のグラフェンシートの積層数は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて測定することができ、各薄片化黒鉛の積層数の相加平均をいう。
上記グラフェン積層構造を有する炭素材料の平均粒径は、0.1μm以上、100μm以下であることが好ましい。上記炭素材料の平均粒径が小さすぎると、熱伝導シートの面方向における熱伝導性を十分に高められない場合がある。上記炭素材料の平均粒径が大きすぎると、熱伝導シートが脆くなり、成形性が悪くなる場合がある。
なお、上記平均粒径とは、面方向の最大外寸のことをいう。平均粒径は、たとえば、レーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定することができる。
上記グラフェン積層構造を有する炭素材料の厚みは、30nm以上であることが好ましく、300nm以上であることがより好ましく、500nm以上であることがさらに好ましく、660nm以上であることが特に好ましい。炭素材料の厚みが、上記下限以上である場合、グラフェン積層構造を有する炭素材料のコストを抑えることができる。一方、フィラーとしての剛性補強効果の観点から、炭素材料の厚みの上限は、1200nm程度である。
上記グラフェン積層構造を有する炭素材料の含有量は、合成樹脂100重量部に対して、50重量部以上、150重量部以下の範囲にあることが好ましい。上記炭素材料の含有量が少なすぎると、熱伝導シートの面方向における熱伝導性を十分に高められない場合がある。上記炭素材料の含有量が多すぎると、熱伝導シートが脆くなり、成形性が悪くなる場合がある。
上記炭素材料は、上記合成樹脂中に分散されていることが好ましい。上記炭素材料が、合成樹脂中に分散されている場合、熱伝導シートの面方向における熱伝導性をより一層高めることができる。
上記炭素材料を、上記合成樹脂中に分散させる方法については、特に限定されないが、合成樹脂と、炭素材料とを混練することにより分散させることができる。
上記混練方法については、特に限定されないが、例えば、プラストミルなどの二軸スクリュー混練機、単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ロールなどの混練装置を用いて、加熱下において混練する方法などが挙げられる。これらのなかでも、押出機を用いて溶融混練する方法が好ましい。
他の成分;
また、第1の樹脂組成物層には、任意成分としてさまざまな添加剤が添加されていてもよい。添加剤としては、例えば、フェノール系、リン系、アミン系、イオウ系などの酸化防止剤;ベンゾトリアゾール系、ヒドロキシフェニルトリアジン系などの紫外線吸収剤;金属害防止剤;ヘキサブロモビフェニルエーテル、デカブロモジフェニルエーテルなどのハロゲン化難燃剤;ポリリン酸アンモニウム、トリメチルフォスフェートなどの難燃剤;各種充填剤;帯電防止剤;安定剤;顔料などが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、複数を併用してもよい。
(第2の樹脂組成物層)
第2の樹脂組成物層は、第2の合成樹脂を含んでいる。なお、第2の樹脂組成物層には、グラフェン積層構造を有する炭素材料が含まれていないことが好ましい。第2の樹脂組成物層中にグラフェン積層構造を有する炭素材料が含まれていない場合、熱伝導シートの厚み方向の熱伝導性をより一層低めることができる。よって、この場合、熱伝導シートの熱伝導性により一層の異方性をもたせることができる。
第2の樹脂組成物層の厚みとしては、使用する成形品の目的に応じて適宜設定しうるため、特に限定されない。例えば、フィルム製品として使用する場合は、好ましくは10μm以上、より好ましくは20μm以上、好ましくは200μm以下、より好ましくは100μm以下である。また、屋外通信用固定装置やスマートメータの筐体として用いる場合には、好ましくは2μm以上、より好ましくは2.5μm以上、好ましくは6μm以下、より好ましくは4.5μm以下である。
第2の合成樹脂;
上記第2の合成樹脂としては、特に限定されず、様々な公知の合成樹脂を用いることができる。好ましくは、上記合成樹脂として熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。熱可塑性樹脂を用いる場合、熱伝導シートの成形性をより一層高めることができる。
上記熱可塑性樹脂としては、特に限定されず、例えば、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンなどのポリエチレン類や、ホモポリプロピレン、ブロックポリプロピレン、ランダムポリプロピレンなどのポリプロピレン類、ノルボルネン樹脂等の環状ポリオレフィン類、ポリ酢酸ビニル、エチレン酢酸ビニル等の酢酸ビニル共重合体類、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等のポリ酢酸ビニル誘導体類、PET、ポリカーボネート、ポリ乳酸等のポリエステル類、ポリエチレンオキサイド、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルエーテルケトン等のポリエーテル樹脂類、PMMA等のアクリル系樹脂類、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン等のスルホン系樹脂類、PTFE、PVDF等のフッ素化樹脂類、ナイロン等のポリアミド樹脂類、ポリ塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン化樹脂類、ポリスチレン、ポリアクリロニトリルやそれらの共重合樹脂類などを挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、複数を併用してもよい。好ましくは、安価であり、加熱下の成形が容易であるポリオレフィンを用いることが望ましい。
なお、第2の合成樹脂は、第1の合成樹脂と同じ合成樹脂であってもよいし、他の合成樹脂であってもよい。もっとも、第1の合成樹脂の230℃における溶融粘度は、第2の合成樹脂の230℃における溶融粘度より低いことが望ましい。
他の成分;
第2の樹脂組成物層には、上記グラフェン積層構造を有する炭素材料とは異なる炭素材料がさらに含まれていてもよい。このような炭素材料としては、例えば、カーボンファイバー、カーボンナノチューブ、カーボンナノコイルなどが挙げられる。
第2の樹脂組成物層には、上記炭素材料とは異なる無機フィラーが含まれていてもよい。このような無機フィラーとしては、例えば、タルク、マイカ、ワラストナイト、硫酸バリウム、シリカ、炭酸カルシウム、ガラスファイバー、アルミナ、セラミックス系フィラーなどが挙げられる。
第2の樹脂組成物層には、任意成分としてさまざまな添加剤が添加されていてもよい。添加剤としては、例えば、フェノール系、リン系、アミン系、イオウ系などの酸化防止剤;ベンゾトリアゾール系、ヒドロキシフェニルトリアジン系などの紫外線吸収剤;金属害防止剤;ヘキサブロモビフェニルエーテル、デカブロモジフェニルエーテルなどのハロゲン化難燃剤;ポリリン酸アンモニウム、トリメチルフォスフェートなどの難燃剤;各種充填剤;帯電防止剤;安定剤;顔料などが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、複数を併用してもよい。
(製造方法)
本発明の熱伝導シートの製造方法は、特に限定されず、例えば、以下の方法により製造することができる。
まず、第1の合成樹脂と、グラフェン積層構造を有する炭素材料とを、混練することにより複合材料を得る。上記混練の方法については、特に限定されないが、例えば、プラストミルなどの二軸スクリュー混練機、単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ロールなどの混練装置を用いて、加熱下において混練する方法などが挙げられる。
続いて、得られた複合材料をプレス加工、押出加工、カレンダー成形等によって成形し、第1の樹脂組成物層を形成するための第1のシートを作製する。なお、第1のシートにおけるグラフェン積層構造を有する炭素材料の種類や、配合割合などを変更することによって、各方向における熱伝導率や、引張破断伸びを適宜調整することができる。
同様に、第2の合成樹脂をプレス加工、押出加工、カレンダー成形等によって成形し、第2の樹脂組成物層を形成するための第2のシートを作製する。
次に、上記のように作製した複数の第1のシートと複数の第2のシートとを、交互に積層させ、プレス加工により融着させる。続いて、常温でプレスすることにより、熱伝導シートを得る。
例えば、上記熱伝導シート1では、作製した第1及び第2のシートを、第1のシートが両側の表面側にくるように交互に11枚積層させ、加熱プレス加工により融着させる。続いて、常温でプレスすることにより、上記熱伝導シート1を得る。
なお、本発明の熱伝導シートは、以下の製造方法により得てもよい。
まず、第1の合成樹脂と、グラフェン積層構造を有する炭素材料とを、上述した方法により加熱下において混練して複合材料を得る。
次に、上記複合材料と第2の合成樹脂とを共押出し成形することにより、第1の樹脂組成物層上に第2の樹脂組成物層が積層された2層以上の積層体を得る。上記積層体を得る方法は特に限定されず、例えば、ウェットラミネーション法、ドライラミネーション法、押出コーティング法、多層溶融押出法、ホットメルトラミネーション法及びヒートラミネーション法などが挙げられる。
好ましくは、上記積層体を得る方法として、製造が容易である多層溶融押出法を用いることができる。上記多層溶融押出法としては、例えば、マルチマニホールド法及びフィードブロック法などが挙げられる。
上記フィードブロック法による上記積層体の製造方法としては、例えば、以下に述べる方法が挙げられる。第1の押出機に上記複合材料を導入し、第2の押出機に上記第2の合成樹脂を導入する。上記第1の押出機及び上記第2の押出機から上記複合材料及び第2の合成樹脂を同時に押出す。上記第1の押出機及び上記第2の押出機から押出された上記複合材料及び第2の合成樹脂は、フィードブロックに送られる。上記フィードブロックでは、上記第1の押出機及び上記第2の押出機から押出された上記複合材料及び第2の合成樹脂が合流する。それによって、第1の樹脂組成物層上に第2の樹脂組成物層が積層された積層体を得ることができる。
次に、上記積層体を多層形成ブロックへと移送し、上記多層形成ブロックにおいて多層化して、層数が10層以上の樹脂組成物層からなる熱伝導シートを得ることができる。本製造方法では、上記フィードブロックの下流部に、分割積層可能な多層形成ブロックが取り付けられている。上記多層形成ブロックにおいて上記積層体を分割し、分割された上記積層体を繰り返し積層して、層数が10層以上の樹脂組成物層からなる熱伝導シートを得ることができる。
なお、上記多層成形は、上記の方法に限定されず、適宜の多層化方法及び装置により行うことができる。例えば、上記積層体を繰り返し折り返すことにより多層化して、層数が10層以上の樹脂組成物層からなる熱伝導シートを得てもよい。
(他の実施形態)
図2は、本発明の第2の実施形態に係る熱伝導シートを示す模式的断面図である。図2に示すように、熱伝導シート11では、第1の樹脂組成物層12と、第2の樹脂組成物層13が交互に積層されている。第1及び第2の樹脂組成物層12,13の積層数の総和は、100層である。熱伝導シート11のように、第1及び第2の樹脂組成物層12,13の積層数の総和は、100層以上であってもよい。なお、その他の点は、第1の実施形態と同様である。
本発明においては、少なくとも2層の第1の樹脂組成物層と、少なくとも2層の第2の樹脂組成物層とが、交互に積層されていればよい。従って、第1及び第2の樹脂組成物層の積層数の総和が、少なくとも4層以上であればよい。
第1及び第2の樹脂組成物層の積層数の総和は、好ましくは10層以上であり、より好ましくは100層以上であり、好ましくは1000層以下であり、より好ましくは500以下である。
第1及び第2の樹脂組成物層の積層数の総和が上記下限以上である場合、熱伝導シートにより一層の異方性を持たせることができる。他方、第1及び第2の樹脂組成物層の積層数の総和が上記上限以下である場合、より一層の薄型化を図ることができる。
なお、上述したように、本発明においては、少なくとも2層の第1の樹脂組成物層と、少なくとも2層の第2の樹脂組成物層とが、交互に積層されていればよく、他の第1及び第2の樹脂組成物層は交互に積層されていなくともよい。また、第1及び第2の樹脂組成物層以外の他の層が積層されていてもよい。
[熱伝導シート積層体]
図3は、本発明の一実施形態に係る熱伝導シート積層体を示す模式的断面図である。図3に示すように、熱伝導シート積層体21は、第1,第2の熱伝導シート22,23と、発泡樹脂層24とを備える。
発泡樹脂層24は、第1の主面24aと、第1の主面24aと対向している第2の主面24bとを備える。発泡樹脂層24の第1の主面24a上に、第1の熱伝導シート22が設けられている。他方、発泡樹脂層24の第2の主面24b上に、第2の熱伝導シート23が設けられている。従って、発泡樹脂層24は、第1,第2の熱伝導シート22,23に挟まれるように設けられている。熱伝導シート積層体21は、発泡樹脂層24の両面に第1,第2の熱伝導シート22,23が設けられた3層構造の熱伝導シート積層体である。なお、本発明において、熱伝導シート積層体21を構成する各層の積層数は特に限定されない。
第1,第2の熱伝導シート22,23は、それぞれ、上述した本発明の熱伝導シートである。
発泡樹脂層24は、熱可塑性樹脂により構成されている。発泡樹脂層24は、内部に複数の気泡セルを有する。発泡樹脂層24の発泡倍率は、3cc/g以上、30cc/g以下とすることが好ましい。上記発泡樹脂層の発泡倍率を上記範囲内とすることにより、熱伝導シート積層体をより一層軽量にし、成形性をより一層高めることができる。
上記発泡樹脂層を構成する材料としては、特に限定されないが、熱可塑性樹脂であることが好ましい。上記熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィンであることが好ましい。上記ポリオレフィンとしては、エチレン単独重合体であるポリエチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのポリエチレン系樹脂、プロピレン単独重合体であるポリプロピレン、プロピレン−α−オレフィン共重合体などのポリプロピレン系樹脂、ブテン単独重合体、ブタジエン及びイソプレンなどの共役ジエンの単独重合体または共重合体からなる群から選択された少なくとも1種を用いることができる。上記ポリオレフィンとしては、ポリエチレン又はポリプロピレンを用いることが好ましい。
また、上記発泡樹脂層には、任意成分としてさまざまな添加剤を用いてもよい。添加剤としては、例えば、フェノール系、リン系、アミン系、イオウ系などの酸化防止剤;ベンゾトリアゾール系、ヒドロキシフェニルトリアジン系などの紫外線吸収剤;金属害防止剤;ヘキサブロモビフェニルエーテル、デカブロモジフェニルエーテルなどのハロゲン化難燃剤;ポリリン酸アンモニウム、トリメチルフォスフェートなどの難燃剤;各種充填剤;帯電防止剤;安定剤;顔料などが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、複数を併用してもよい。
上記発泡樹脂層は、市販品の発泡樹脂シートを成形することにより形成することができる。もっとも、発泡性樹脂を押出成形することによって作製してもよく、製造方法は特に限定されない。また、上記発泡樹脂層は、2枚以上の発泡樹脂シートを成形することによって、作製してもよい。
上記熱伝導シート積層体の製造方法については、特に限定されない。例えば、まず、発泡樹脂シートの表面に熱伝導シートを構成する材料を押出ラミネートして積層板を作製する。続いて、得られた積層板を発泡樹脂層面同士が重なるように2枚積層し、熱プレスすることにより、第2の熱伝導シート、発泡樹脂層及び第1の熱伝導シートがこの順で積層された熱伝導シート積層体を得ることができる。
なお、上記実施形態では、3層の積層体であったが、発泡樹脂層と、発泡樹脂層の少なくとも一方の主面上に積層された本発明の熱伝導シートとを備える限りにおいて、積層数は特に限定されない。
[熱伝導シート成形体]
本発明の熱伝導シート成形体は、上述した本発明の熱伝導シート又は熱伝導シート積層体を成形することにより得られる。
上記熱伝導シート又は熱伝導シート積層体の成形は、例えば、プレス加工、押出加工、押出ラミ加工などにより行うことができる。
本発明の熱伝導シート積層体及び熱伝導シート成形体には、上記のように、本発明の熱伝導シートが用いられている。従って、本発明の熱伝導シート積層体及び熱伝導シート成形体は、電子機器、屋外通信用固定装置又はスマートメータなどの筐体に好適に用いることができる。
[実施例及び比較例]
以下、本発明の具体的な実施例及び比較例を挙げることにより、本発明の効果を明らかにする。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
ポリプロピレン(PP、プライムポリマー社製、商品名「E−150GK」)95重量部と、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SEBS、旭化成ケミカルズ社製、商品名「H1062」)5重量部と、黒鉛A(伊藤黒鉛社製、商品名「CNP7」、積層数1300層、平均粒径7μm、厚み420nm)100重量部とを、ラボプラストミル(東洋精機社製、品番「R100」)を用いて、200℃で溶融混練することにより複合材料を得た。得られた複合材料を、温度200℃、圧力20MPa及び時間5分の条件で、プレス加工によりシート状に成形して、その後常温プレスすることで厚み0.1mmの樹脂シートAを得た。
次に、ポリプロピレン(PP、プライムポリマー社製、商品名「E−150GK」)95重量部と、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SEBS、旭化成ケミカルズ社製、商品名「H1062」)5重量部とを、上記と同様にラボプラストミル(東洋精機社製、品番「R100」)を用いて、200℃で溶融混練することにより樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を、温度200℃、圧力20MPa及び時間5分の条件で、プレス加工によりシート状に成形して、その後常温プレスすることで厚み0.1mmの樹脂シートBを得た。
同様にして得られた複数の樹脂シートA及びBを最表面に樹脂シートAがくるように交互に合計11層配置し、温度200℃、圧力20MPa及び時間5分の条件で、プレス加工により11層の樹脂シートA及びBを熱融着させ、その後常温プレスすることで厚み1.1mmの熱伝導シートを得た。
(実施例2)
実施例1における黒鉛Aの代わりに、薄片化黒鉛B(xGScience社製、商品名「xGnPM−5」、積層数180層、平均粒径5μm、厚み60nm)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、厚み1.1mmの熱伝導シートを得た。
(実施例3)
第1の層の材料として、ポリプロピレン(PP、プライムポリマー社製、商品名「E−150GK」)95重量部と、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SEBS、旭化成社製、商品名「H1062」)5重量部と、黒鉛A(伊藤黒鉛社製、商品名「CNP7」、積層数1300層、平均粒径7μm、厚み420nm)100重量部とを用意した。
第2の層の材料として、ポリプロピレン(PP、プライムポリマー社製、商品名「E−150GK」)95重量部と、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SEBS、旭化成社製、商品名「H1062」)5重量部とを用意した。
上記第1の層の材料と上記第2の層の材料とを、2台の押出機により押出して、第1の層及び第2の層を形成した。押し出された第1の層と第2の層とを、フィードブロック内において、第1の層と第2の層とを積層して、シート状の積層体を製造した。次に、複数の多層形成ブロックにおいて、上記積層体を分割し、分割された上記積層体をさらに積層することにより多層成形して、1層あたりの厚み2μm、層数256の積層体からなる厚み0.5mmの熱伝導シートを得た。
(実施例4)
1層あたりの厚みを0.5μmとし、層数を1024としたこと以外は、実施例3と同様にして厚み0.5mmの熱伝導シートを得た。
(実施例5)
実施例1の樹脂シートBを形成する際に、さらにタルク(日本タルク社製、商品名「MS−P」)100重量部を添加したこと以外は、実施例1と同様にして厚み1.1mmの熱伝導シートを得た。
(実施例6)
実施例1の樹脂シートAを形成する際に、黒鉛Aの部数を50重量部としたこと以外は、実施例1と同様にして厚み1.1mmの熱伝導シートを得た。
(比較例1)
実施例1の樹脂シートAを形成する際に、黒鉛Aを添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にして厚み1.1mmの熱伝導シートを得た。
(比較例2)
実施例1の樹脂シートAを形成する際に、ポリプロピレン及びスチレン−エチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SEBS)の代わりに、単独でポリプロピレン(PP、プライムポリマー社製、商品名「E−150GK」)を用いたこと、並びに黒鉛Aの代わりに、黒鉛C(伊藤黒鉛社製、商品名「SG−BH8」、積層数15000層、平均粒径8μm、厚み5000nm)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして厚み1.1mmの熱伝導シートを得た。
(比較例3)
熱伝導シートとして、厚み70μmの市販のグラファイトシート(パナソニック社製、商品名「EYGS121807」)を使用した。
(評価)
実施例及び比較例で得られた熱伝導シートについて、下記の評価を行った。結果を下記の表1に示す。
熱伝導性;
実施例及び比較例の熱伝導シートについて、x方向、y方向及びz方向における熱伝導率(λx、λy及びλz)を、それぞれ、以下の式を用いて求めた。
各方向の熱伝導率は、下記式(1)を用いて計算することができる。
熱伝導率(W/(m・K))=熱拡散率×密度×比率 …(1)
式(1)において、各方向の熱拡散率は、べテル社製、品番名:サーモウェーブアナライザを用いて測定した。
上記のようにして得られたλx、λy及びλzを用い、min(λx,λy)/λz、max(λx,λy)及びλzを得た。
引張破断伸び;
引張破断伸びは、max(λx,λy)の方向において、JIS K 7161の引張試験に準拠して行った。
曲げ剛性;
JIS K 7171に準拠して、試験速度50mm/分、スパン間距離100mmで、max(λx,λy)の方向において、測定を行い、曲げ剛性を算出した。
結果を下記の表1に示す。
Figure 2017071079
(実施例7)
発泡樹脂層を構成するPP系発泡体(積水化学工業社製、商品名「ソフトロンSP」、発泡倍率:15倍、厚み:5mm)の両面に、実施例1の要領で作製した2枚の熱伝導シート(第1,第2の熱伝導シート)を積層して、熱プレスすることにより、厚み6mmの熱伝導シート積層体を得た。
(実施例8)
発泡樹脂層を構成するPP系発泡体(積水化学工業社製、商品名「ソフトロンSP」、発泡倍率:20倍、厚み:4mm)の両面に、実施例2の要領で作製した2枚の熱伝導シート(第1,第2の熱伝導シート)を積層して、熱プレスすることにより、厚み6mmの熱伝導シート積層体を得た。
(比較例4)
発泡樹脂層を構成するPP系発泡体(積水化学工業社製、商品名「ソフトロンSP」、発泡倍率:20倍、厚み:4mm)の両面に、比較例2の2枚の熱伝導シート(第1,第2の熱伝導シート)を積層して、熱プレスすることにより、厚み6mmの熱伝導シート積層体を得た。
(比較例5)
発泡樹脂層を構成するPP系発泡体(積水化学工業社製、商品名「ソフトロンSP」、発泡倍率:15倍、厚み3mmを2枚重ねたもの)の両面に、比較例3の2枚の熱伝導シート(第1,第2の熱伝導シート)を積層して、熱プレスすることにより、厚み6mmの熱伝導シート積層体を得た。
(評価)
実施例7,8及び比較例4,5で得られた熱伝導シート積層体について、下記の評価を行った。結果を下記の表2に示す。
シート上面温度;
170mm×170mmのシート形状の試料の中央部に、25mm×25mmのヒーターを、グリースを介して取り付け、ヒーター取付け部を下側にして、シート形状の試料を水平な状態に保った。ヒーターの温度を105℃になるように電圧調整し、ヒーター取付け面と反対面の温度をサーモグラフィで観察し、15分後のシート上面の温度を「シート上面温度」として計測した。結果を下記表2に示す。なお、表2において評価記号は以下のとおりである。
◎・・・シート上面温度が40℃未満
○・・・シート上面温度が40℃以上、60℃未満
×・・・シート上面温度が60℃以上
成形性;
得られた熱伝導シート積層体について、長さ320mm×幅320mmの試験片を切り出した。続いてこの試験片を単発成形機(三光機工社製、品番:SPF−00001)に固定し、試験片の表面温度が170℃に達するまで加熱した。加熱後に単発成形機から取り出し、図4(a)及び(b)に示す容器状の上下一対金型を用いてプレス成形した。なお、図4(a)は、容器状の上下一対金型を示す模式的平面図であり、図4(b)は、そのA−A線に沿う模式的断面図である。
次に、成形後の試験片(成形品)について外観品質を評価した。結果を下記の表2に示す。表2において評価記号は以下の通りである。
なお、成形品の外側面(凸面)において、しわ(長さ2mm以上)、凹凸(高低差0.1mm以上)、光沢ムラおよび破れが生じている部分の面積を不良面積と定義した。
◎・・・不良面積が全体面積の10%未満
○・・・不良面積が全体面積の10%以上、20%未満
×・・・不良面積が全体面積の20%以上
Figure 2017071079
1,11…熱伝導シート
2,12…第1の樹脂組成物層
3,13…第2の樹脂組成物層
21…熱伝導シート積層体
22…第1の熱伝導シート
23…第2の熱伝導シート
24…発泡樹脂層
24a…第1の主面
24b…第2の主面

Claims (15)

  1. 熱伝導シートであって、
    第1の合成樹脂と、グラフェン積層構造を有する炭素材料とを含む、複数の第1の樹脂組成物層と、第2の合成樹脂を含む、複数の第2の樹脂組成物層と、を備え、前記第1の合成樹脂100重量部に対する前記炭素材料の含有量が、50重量部以上、150重量部以下であり、前記第1の樹脂組成物層と、前記第2の樹脂組成物層とが、交互に積層されており、前記熱伝導シートのシート平面において、任意の方向をx方向、該x方向に直交する方向をy方向とし、前記熱伝導シートの厚み方向をz方向としたときに、前記x方向の熱伝導率λx、前記y方向の熱伝導率λy及び前記z方向の熱伝導率λzが、min(λx,λy)/λz≧5を満たしている、熱伝導シート。
  2. 前記λx及び前記λyが、max(λx,λy)≧2W/(m・K)を満たしている、請求項1に記載の熱伝導シート。
  3. 前記第1及び第2の樹脂組成物層の積層数の総和が、4層以上、1000層以下である、請求項1又は2に記載の熱伝導シート。
  4. 前記第2の樹脂組成物層が、前記グラフェン積層構造を有する炭素材料とは異なる炭素材料又は該炭素材料とは異なる無機フィラーをさらに含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱伝導シート。
  5. 前記グラフェン積層構造を有する炭素材料が、黒鉛又は薄片化黒鉛である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱伝導シート。
  6. 前記グラフェン積層構造を有する炭素材料のグラフェンシートの積層数が、100層以上である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱伝導シート。
  7. 前記グラフェン積層構造を有する炭素材料の平均粒径が、0.1μm以上、100μm以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の熱伝導シート。
  8. 前記グラフェン積層構造を有する炭素材料の厚みが、30nm以上である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の熱伝導シート。
  9. 前記第1及び第2の合成樹脂が、それぞれ、ポリオレフィンである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の熱伝導シート。
  10. 前記第1の合成樹脂の230℃における溶融粘度が、前記第2の合成樹脂の230℃における溶融粘度より低い、請求項1〜9のいずれか1項に記載の熱伝導シート。
  11. 発泡樹脂層と、前記発泡樹脂層の少なくとも一方側の主面上に積層された、請求項1〜10のいずれか1項に記載の熱伝導シートとを備える、熱伝導シート積層体。
  12. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の熱伝導シート又は請求項11に記載の熱伝導シート積層体の成形体である、熱伝導シート成形体。
  13. 電子機器、屋外通信用固定装置又はスマートメータの筐体に用いられる、請求項1〜10のいずれか1項に記載の熱伝導シート。
  14. 電子機器、屋外通信用固定装置又はスマートメータの筐体に用いられる、請求項11に記載の熱伝導シート積層体。
  15. 電子機器、屋外通信用固定装置又はスマートメータの筐体に用いられる、請求項12に記載の熱伝導シート成形体。
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