JP2017100366A - 樹脂積層体及びその製造方法 - Google Patents

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英人 山澤
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英人 山澤
宏 岡藤
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宏 岡藤
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Abstract

【課題】
反射防止機能、帯電防止機能、防眩機能及び汚れ防止機能等の機能層を有し、表面硬度、耐擦傷性、密着性及び耐クラック性に優れた樹脂積層体及びその製造方法を提供する。
【解決手段】
樹脂基材の少なくとも一方の面に、8Hの鉛筆硬度を有する特定の硬化被膜(A)、及びウレタン(メタ)アクリレート由来の繰り返し単位及びアミノ基を有する(メタ)アクリレート由来の繰り返し単位の少なくとも1種類を含む硬化被膜(B)が順に形成された樹脂積層体。前記樹脂積層体の硬化被膜(B)は、反射防止機能、帯電防止機能、防眩機能及び汚れ防止機能から選ばれる少なくとも一つの機能を有することができる。或いは又、前記樹脂積層体は、前記硬化被膜(B)の表面に、前述した機能を有する機能層(C)をさらに積層することができる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、樹脂積層体及びその製造方法に関する。さらに詳しくは、8Hの鉛筆硬度を有する硬化被膜の表面に、反射防止機能、帯電防止機能、防眩機能及び汚れ防止機能から選ばれる少なくとも一つの機能を有する機能層が形成された樹脂積層体及び該樹脂積層体の製造方法に関する。
従来、液晶テレビ及び携帯電話等のディスプレイを保護するためのディスプレイ用前面板として、透明性を有する樹脂シートに対する需要がある。透明性の高い樹脂シートには、反射防止機能、帯電防止機能、防眩機能及び汚れ防止機能等の機能にくわえて、耐擦傷性や高い表面硬度等の性能が要求されている。
樹脂シートの表面硬度、耐擦傷性等を向上させる手法として、例えば、特許文献1には、特定の多官能(メタ)アクリレート単量体と特定のウレタン(メタ)アクリレート単量体を含む活性エネルギー線硬化性組成物を硬化させてなる硬化被膜が開示されている。
特許文献2には、耐擦傷性、表面硬度、汚れ防止機能を有する樹脂シートにさらに防眩機能を付与する手法として、透明プラスチックフィルム基材の表面に活性エネルギー線硬化樹脂と光拡散性粒子を含有する光拡散層を形成した光学フィルムが開示されている。
また、ハードコート層(硬化被膜)の表面に各種機能層を積層して、樹脂積層体の耐擦傷性と表面硬度を両立する技術として、特許文献3には、樹脂基材の表面に帯電防止層及び低屈折率層を順に積層した樹脂積層体が開示されている。
また、特許文献4には、樹脂基材の表面に、アミノシランを含む高屈折率膜、低屈折率膜がこの順で積層された樹脂積層体が開示されている。
樹脂積層体の表面硬度を満足させる手法として、特許文献5には、樹脂基材の表面に、特定の多官能単量体を含む硬化被膜を積層した樹脂積層体が開示されている。
特開2009−114,248号公報 特開2007−114,760号公報 WO2006/132,180号公報 WO2012/086,749号公報 WO2014/184,983号公報
しかしながら、特許文献1、特許文献2に開示されている技術では、樹脂シートの耐擦傷性は向上するが、表面硬度が十分ではない。
特許文献3に開示されている技術では、樹脂積層体の基材と帯電防止層の界面強度(層間接着力)が十分ではない。
特許文献4に開示されている技術では、樹脂積層体の耐擦傷性、各層間の密着性は向上するが、表面硬度が十分ではない。
特許文献5に開示されている技術では、樹脂積層体の表面硬度は向上するが、樹脂積層体の最外層である硬化被膜の表面に、反射防止層、帯電防止層、防眩層及び汚防層等の機能層をそのまま積層すると、硬化被膜と機能層の密着性が十分でない。
本発明はこれらの問題点を解決することを目的とする。すなわち、本発明は、反射防止機能、帯電防止機能、防眩機能及び汚れ防止機能等の機能層を有し、表面硬度、耐擦傷性、密着性及び耐クラック性に優れた樹脂積層体を提供することを目的とする。
本発明の第1の要旨は、樹脂基材の少なくとも一方の表面に、鉛筆硬度8H以上の硬化被膜(A)を備え、硬化被膜(A)における樹脂基材と接する面と対向する面に硬化被膜(B)を備えたシート状の樹脂積層体である。前記硬化被膜(B)は、ウレタン(メタ)アクリレート由来の繰り返し単位(b2−1)及びアミノ基を有する(メタ)アクリレート由来の繰り返し単位(b2−2)の少なくとも1種類を含むことが好ましい。前記硬化被膜(A)の膜厚が17μm以上40μm以下が好ましい。また、前記硬化被膜(B)は、低屈折率層、高屈折率層、ハードコート層、帯電防止層、防眩層及び防汚層から選ばれる1つの機能を有する層を用いることができる。前記樹脂積層体の表面の鉛筆硬度は8H以上が好ましい。
本発明の第2の要旨は、第1の要旨の樹脂積層体の硬化被膜(B)の表面に、低屈折率層、高屈折率層、ハードコート層、帯電防止層、防眩層及び防汚層から選ばれる少なくとも1つの機能を有する層からなる機能層(C)を設けた、樹脂積層体である。前記樹脂積層体の表面の鉛筆硬度は8H以上が好ましい。
本発明の第3の要旨は、樹脂基材の少なくとも一方の表面に、硬化被膜を備え、硬化被膜(A)における樹脂基材と接する面と対向する面に硬化被膜(B)を備えたシート状の樹脂積層体である。前記硬化被膜(A)が、分子中に3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する単量体由来の繰り返し単位(a1)、分子中に2個以下の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する単量体由来の繰り返し単位(a2)を含む。また、前記硬化被膜(B)は、ウレタン(メタ)アクリレート単位(b2−1)及びアミノ基を有する(メタ)アクリレート単位(b2−2)の少なくとも1種類を含む。前記硬化被膜(A)の膜厚が17μm以上40μm以下が好ましい。前記硬化被膜(A)の鉛筆硬度は8H以上が好ましく、前記樹脂積層体の表面の鉛筆硬度は8H以上が好ましい。
本発明の第4の要旨は、下記工程(1)及び工程(2)を含む樹脂積層体の製造方法にある。
工程(1):樹脂基材の少なくとも一方の表面に、分子中に3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する単量体由来の繰り返し単位(a1)、分子中に2個以下の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する単量体由来の繰り返し単位(a2)を含む硬化被膜(A)を形成する。
工程(2):前記硬化被膜(A)の表面に、ウレタン(メタ)アクリレート単位(b2−1)及びアミノ基を有するメタクリレート単位(b2−2)の少なくとも1種類を含む硬化被膜(B)を形成する。
前記工程(2)の硬化被膜(B)の形成は、硬化被膜(A)の表面に、分子中に3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する単量体(b1)と、ウレタン(メタ)アクリレート単量体(b2−1)及びアミノ基を有する(メタ)アクリレート単量体(b2−2)の少なくとも1種類(ただし、単量体(b1)を除く)と、有機溶剤(b4)を含む硬化性組成物(s1)の塗膜を形成し、硬化して、硬化被膜(B´)とする方法を用いることができる。
本発明の第5の要旨は、第4の要旨の製造方法の工程(2)の硬化被膜(B)を形成する工程が、前記硬化被膜(A)の表面に、分子中に3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する単量体(b1)、及びウレタン(メタ)アクリレート単量体(b2−1)及びアミノ基を有する(メタ)アクリレート単量体(b2−2)の少なくとも1種類(ただし、単量体(b1)を除く)を含む硬化性組成物(s2)の塗膜を形成し、硬化して、硬化被膜(B´´)を形成することを含み、さらに工程(2)の後に、下記工程(3)〜(5)を順次行うことを含む、樹脂積層体の製造方法にある。
工程(3):樹脂フィルムの表面に、低屈折率層、高屈折率層、ハードコート層、帯電防止層、防眩層及び防汚層から選ばれる少なくとも1つの機能を有する層からなる機能層(C)を形成する。
工程(4):前記工程(4)で得られた硬化被膜(B´´)の表面に、前記工程(5)の機能層(C)を貼り合わせる。
工程(5):前記樹脂フィルムを剥離し、樹脂基材の少なくとも一方の表面に、前記硬化被膜(A)、前記硬化被膜(B´´)、前記機能層(C)が順次積層された樹脂積層体を得る。
本発明により、反射防止機能、帯電防止機能、防眩機能及び汚れ防止機能から選ばれる少なくとも一つの機能を有する層を備え、且つ、高い表面硬度、耐擦傷性、密着性及び耐クラック性を有する樹脂積層体を提供することができる。このような樹脂積層体は、液晶テレビ及び携帯電話等のディスプレイを保護するための前面板等に好適である。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明において、「(メタ)アクリレート」及び「(メタ)アクリル酸」は、各々「アクリレート」及び「メタクリレート」から選ばれる少なくとも1種並びに「アクリル酸」及び「メタクリル酸」から選ばれる少なくとも1種のことをいう。
また、「単量体」は未重合の単量体を意味し、「繰り返し単位」は単量体が重合することによって形成された該単量体に由来する単位のことをいう。繰り返し単位は、重合反応によって直接形成された単位であってもよく、ポリマーを処理することによって該単位の一部が別の構造に変換されたものであってもよい。
また、「質量%」とは、特にことわりのない限り、全体量100質量%中に含まれる所定の成分の含有量を示す。
また、明細書中で「第1面」とは、2以上の層からなる積層体において、外側の表面のことをいう。
例えば、樹脂基材1の少なくとも一方の表面に硬化被膜2を備え、該硬化被膜2において樹脂基材1と接する面に対向する面のことを「硬化被膜2の第1面」という。
<樹脂積層体>
本発明の樹脂積層体の第一の様態は、後述する樹脂基材の少なくとも一方の表面に後述する硬化被膜(A)を備え、硬化被膜(A)における樹脂基材と接する面と対向する面に硬化被膜(B)を順次備えたシート状の樹脂積層体である。
第一の様態の樹脂積層体において、前記硬化被膜(A)は、鉛筆硬度8H以上とすることが好ましい。鉛筆硬度の下限が、8H以上であれば、得られた樹脂積層体は高い表面硬度を有し、耐擦傷性が良好となる観点から好ましく、9H以上がより好ましい。一方、鉛筆硬度の上限は、特に制限されるものではない。硬化被膜(A)の鉛筆硬度の値は、後述するように、硬化被膜(A)を構成する(a1)成分及び(a2)成分の種類や含有量、硬化被膜(A)の膜厚等を適宜選択することにより、制御できる。
また、第一の様態の樹脂積層体において、記硬化被膜(B)は、後述するウレタン(メタ)アクリレート由来の繰り返し単位(b2−1)及び後述するアミノ基を有する(メタ)アクリレート由来の繰り返し単位(b2−2)の少なくとも1種類を含むことができる。
前記硬化被膜(B)には、低屈折率層、高屈折率層、ハードコート層、帯電防止層、防眩層及び防汚層から選ばれる1つの機能を有する層からなる機能層を用いることができる。具体的な低屈折率層、高屈折率層、ハードコート層、帯電防止層、防眩層及び防汚層としては、特に制限されるものではなく、公知の樹脂組成物からなる機能層を用いることができる。
これにより、第一の様態の樹脂積層体は、反射防止機能、帯電防止機能、防眩機能及び汚れ防止機能から選ばれる少なくとも一つの機能を備えるとともに、樹脂積層体の表面の鉛筆硬度が8H以上となるので、高い表面硬度、耐擦傷性を有することができる。
さらに、第一の様態の樹脂積層体においては、、ISO 2409:1992に準拠したクロスカット剥離試験による硬化被膜(B)の残存率は、樹脂積層体の耐擦傷性や耐クラック性が良好となる観点から80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましく、100%であることがさらに好ましい。ここでいう硬化被膜(B)の残存率とは、クロスカット剥離試験後に剥離せずに樹脂シート上に残存する硬化被膜(B)の残存率のことをいう。前記残存率の値は、後述するように、硬化被膜(A)を構成する(a1)成分及び(a2)成分の種類や含有量、硬化被膜(A)の膜厚、並びに硬化被膜(B)を構成する(b1)成分、(b2)成分の種類や含有量、硬化被膜(B)の膜厚を適宜選択することにより、制御することができる。
本発明の樹脂積層体の第二の様態は、第一の様態の樹脂積層体の硬化被膜(B)の表面に後述する機能層(C)が積層されたシート状の樹脂積層体である。
第二の様態の樹脂積層体において、前記硬化被膜(A)の鉛筆硬度は8H以上とすることが、第一の様態の樹脂積層体で述べたのと同じ理由で好ましい。
また、第二の様態の樹脂積層体において、記硬化被膜(B)は、低屈折率層、高屈折率層、ハードコート層、帯電防止層、防眩層及び防汚層から選ばれる1つの機能を有する層からなる機能層を用いることができる。具体的な低屈折率層、高屈折率層、ハードコート層、帯電防止層、防眩層及び防汚層としては、特に制限されるものではなく、公知の樹脂組成物からなる機能層を用いることができる。
これにより、第二の様態の樹脂積層体は、反射防止機能、帯電防止機能、防眩機能及び汚れ防止機能から選ばれる少なくとも一つの機能を備えるとともに、樹脂積層体の表面の鉛筆硬度が8H以上とすることができるので、高い表面硬度、耐擦傷性を有することができる。硬化被膜(A)の鉛筆硬度の値は、上述した方法により制御することができる。
第二の様態の樹脂積層体においては、、ISO 2409:1992に準拠したクロスカット剥離試験による前記硬化被膜(B)および前記機能層(C)の残存率は、樹脂積層体の耐擦傷性や耐クラック性が良好となる観点から80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましく、100%であることがさらに好ましい。ここでいう前記硬化被膜(B)および前記機能層(C)の残存率とは、クロスカット剥離試験後に剥離せずに樹脂積層体上に残存する前記硬化被膜(B)および前記機能層(C)の残存率のことをいう。前記残存率の値は、後述するように、硬化被膜(A)を構成する(a1)成分及び(a2)成分の種類や含有量、硬化被膜(A)の膜厚、並びに硬化被膜(B)を構成する(b1)成分、(b2)成分の種類や含有量、硬化被膜(B)の膜厚を適宜選択することにより、制御することができる。
本発明の樹脂積層体の第三の様態は、後述する樹脂基材の少なくとも一方の表面に、下記の硬化被膜(A)を備え、前記硬化被膜(A)における樹脂基材と接する面と対向する面に下記の硬化被膜(B)を備え、前記硬化被膜(B)における硬化被膜(A)と接する面と対向する面に下記の機能層(C)が順次積層されたシート状の樹脂積層体である。
第三の様態の樹脂積層体において、前記硬化被膜(A)は、分子中に3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する単量体由来の繰り返し単位(a1)と、分子中に2個以下の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する単量体由来の繰り返し単位(a2)を含むことができる。
前記硬化被膜(A)の鉛筆硬度は8H以上とすることが、第一の様態の樹脂積層体で述べたのと同じ理由により好ましい。前記硬化被膜(A)の鉛筆硬度は、前記硬化被膜(A)に含まれる前記繰り返し単位(a1)及び前記繰り返し単位(a2)の含有量を適宜調整することにより制御できる。
また、第三の様態の樹脂積層体において、硬化被膜(B)は、ウレタン(メタ)アクリレート単位(b2−1)及びアミノ基を有する(メタ)アクリレート単位(b2−2)の少なくとも1種類を含むことができる。前記の単位(b2−1)及び前記の単位(b2−2)を含むことにより、樹脂積層体において、硬化被膜(B)と硬化被膜(A)との密着性、樹脂積層体の耐擦傷性は良好となる。
これにより、第三の様態の樹脂積層体は、樹脂積層体の表面の鉛筆硬度を8H以上とすることができるので、高い表面硬度、耐擦傷性を有することができる。硬化被膜(A)の鉛筆硬度の値は、後述するように、硬化被膜(A)及び硬化被膜(B)の組成や膜厚等を適宜選択することにより、制御できる。
また、第三の様態の樹脂積層体は、前記硬化被膜(B)の表面に、上述した機能層(C)を積層することもできる。
<樹脂基材>
本発明の樹脂積層体に用いる樹脂基材としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂及びポリカーボネート樹脂が挙げられる。樹脂基材は、上記の樹脂が複数積層されていてもよい。
樹脂基材としては、該樹脂基材を構成する樹脂の総重量を100質量%として、(メタ)アクリル樹脂を90〜100質量%含有することが、樹脂積層体の透明性が良好となる観点から好ましい。
樹脂基材を構成する(メタ)アクリル樹脂は、メチルメタクリレート単位を主成分とする重合体が好ましい。上述したメチルメタクリレート単位を主成分とする重合体としては、前記(メタ)アクリル樹脂の総重量を100質量%として、メチルメタクリレート由来の繰り返し単位を50〜100質量%を含有する重合体が好ましく、80〜100質量%を含有する重合体がさらに好ましく、100質量%からなる重合体がさらに好ましい。
前記(メタ)アクリル樹脂がメチルメタクリレート単位を主成分とする重合体の場合、該重合体を構成するメチルメタクリレートと共重合可能な単量体(以下、「その他の共重合可能な単量体」と略する。)としては、例えば以下が挙げられる。
1)メチルアクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル;
2)(メタ)アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸; 無水マレイン酸、無水イタコン酸等の不飽和カルボン酸無水物;
3)N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド;
4)2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシ基含有ビニル単量体;
5)酢酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエステル;塩化ビニル、塩化ビニリデン及びそれらの誘導体;(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル等の窒素含有ビニル単量体;グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有単量体;
6)スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル単量体。
これらの中で、樹脂基材の吸水率を低下させる点で、n−ブチルアクリレート、tert−ブチルメタクリレート及びイソボニル(メタ)アククリレートが好ましい。
また、その他の共重合可能な単量体としては、上記の単量体以外に、例えば以下が挙げられる。
7)エチレングリコールジ(メタ) アクリレート、1,2−プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等のアルカンジオールジ(メタ)アクリレート;
8)ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコール(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート;
9)ジビニルベンゼン等の分子中に2個以上のエチレン性不飽和結合を有するビニル単量体;
10)エチレン性不飽和ポリカルボン酸を含む少なくとも1 種の多価カルボン酸と少なくとも1種のジオールから得られる不飽和ポリエステルプレポリマー;
11)及びエポキシ基の末端をアクリル変性することにより得られるビニルエステルプレポリマー
これらの中では、樹脂積層体の耐熱性を向上させる点で、ネオペンチルグリコールジメタクリレートが好ましい。
樹脂基材にメチルメタクリレート単位を主成分とする重合体は、樹脂基材原料を重合することにより得ることができる。
樹脂基材原料としては、例えば、下記の(a)〜(c)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(a)メチルメタクリレート50質量%以上100質量%とその他の共重合可能な単量体0質量%以上50質量%を含有するラジカル重合性単量体混合物が挙げられる。
(b)前記ラジカル重合性単量体混合物の一部を重合させた、部分重合体と未重合のラジカル重合性単量体との混合物(以下、「シラップ1」と称する。)
(c)前記ラジカル重合性単量体混合物に、このラジカル重合性単量体の混合物と同一又は異なる組成の単量体原料から得られる(メタ)アクリル樹脂を溶解させた、(メタ)アクリル樹脂とラジカル重合性単量体との混合物(以下、「シラップ2」と称する。)。
樹脂基材原料には、必要に応じて、着色剤、離型剤、酸化防止剤、安定剤、難燃剤、耐衝撃改質剤、光安定剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、連鎖移動剤等の各種添加剤を添加することができる。
前記樹脂基材原料には、重合開始剤を添加することができる。重合開始剤としては、公知の有機過酸化物やアゾ系化合物、公知の有機過酸化物にN,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン等のアミン類を組み合わせたレドックス重合開始剤が挙げられる。重合開始剤の添加量は、樹脂基材原料中のラジカル重合性単量体100質量部に対し、0.005質量部以上5.0質量部以下が好ましい。
樹脂基材原料の重合方法としては、例えば、公知の塊状重合法、溶液重合法、乳化重合法及び懸濁重合法を用いることができる。その中でも(メタ)アクリル樹脂組成物の製造コスト、溶剤使用による環境負荷、(メタ)アクリル樹脂成形体の生産性及び透明性に優れる観点から、塊状重合法が好ましい。
樹脂基材の厚さは、特に制限されるものではないが、0.1mm以上10mm以下とすることができる。0.3mm以上3.0mm以下がより好ましい。なお、本願において樹脂基材の厚みは、ノギスを使用して上面から底面までの距離を任意の5箇所測定した平均値をいう。
<硬化被膜(A)>
本発明の一つの側面として、硬化被膜(A)は、本発明の樹脂積層体を構成する構成要素の1つで、樹脂基材の第1面に形成されているものである。硬化被膜(A)を構成する樹脂組成物は、分子中に3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する単量体由来の繰り返し単位(a1)、分子中に2個以下の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する単量体由来の繰り返し単位(a2)を含む。
なお、本明細書においては、前記(a1)由来の繰り返し単位を構成する単量体のことを「(a1)成分」といい、前記(a2)由来の繰り返し単位を構成する単量体を「(a2)成分」という。
硬化被膜(A)の膜厚は、特に制限されるものではないが、17μm以上40μm以下とすることができる。膜厚の下限は、硬化被膜の耐擦傷性及び表面硬度が良好となる観点から17μm以上が好ましく、20μm以上がより好ましく、25μm以上がさらに好ましい。また、膜厚の上限は、樹脂製品の切断時の割れを抑制でき、樹脂製品の取り扱い時に硬化被膜にクラックが発生するのを抑制でき、加工性が良好となる観点から40μm以下が好ましく、35μmがより好ましい。即ち、硬化被膜の膜厚は、25μm以上35μm以下がより好ましい。ここでいう硬化被膜(A)の膜厚とは、樹脂積層体における硬化被膜(A)の膜厚のことをいう。
本発明において、硬化被膜(A)は、樹脂積層体の表面硬度及び耐擦傷性の点で、鉛筆硬度8H以上の硬度の表面を有するものであることが好ましい。尚、本発明において、鉛筆硬度はJISO 2409:1992に準拠して得られた値である。
<(a1)成分>
本発明において、(a1)成分は、分子中に3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する単量体由来の繰り返し単位を構成する単量体である。
硬化被膜(A)が(a1)成分を含むことにより、樹脂積層体の耐擦傷性及び表面硬度を向上すること、硬化被膜(A)の耐クラック性を向上すること、樹脂基材に対する硬化被膜(A)の密着性を向上することができる。
(a1)成分としては、(メタ)アクリロイルオキシ基を有する単量体が挙げられ、例えば、(メタ)アクリロイルオキシ基を3個以上、20個以下有する単量体が挙げられる。
(a1)成分の具体例としては、各(メタ)アクリロイルオキシ基に結合する残基が炭化水素基又はその誘導体である単量体が挙げられ、その分子内にはエーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合等の結合を含むことができる。
(a1)成分の具体例としては、1モルの多価アルコールと、3モル以上の(メタ)アクリル酸又はその誘導体とから得られるエステル化物及び多価アルコールと、多価カルボン酸又はその無水物と、(メタ)アクリル酸又はその誘導体とから得られる線状のエステル化物が挙げられる。
尚、ここでいう「多価アルコール」とは、分子中に水酸基を2個以上有するアルコールのことをいう。「多価カルボン酸」とは、分子中にカルボキシル基を2個以上有するカルボン酸のことをいう。「(メタ)アクリル酸の誘導体」とは、(メタ)アクリル酸の水素原子が、他の官能基に置換された化合物のことをいう。「線状」とは、直鎖状及び分岐鎖状のことをいう。
1モルの多価アルコールと、3モル以上の(メタ)アクリル酸又はその誘導体とから得られるエステル化物の例としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加物トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加物トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタグリセロールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールテトラ(メタ) アクリレート、エチレンオキシド付加物ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン付加物ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート及びカプロラクトン付加物ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが挙げられる。
多価アルコールと、多価カルボン酸又はその無水物と、(メタ)アクリル酸又はその誘導体とから得られる線状のエステル化物において、多価アルコールと、多価カルボン酸又はその無水物と、(メタ)アクリル酸の好ましい組み合わせ例としては、マロン酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、マロン酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、マロン酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、マロン酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、コハク酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、アジピン酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、グルタル酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、セバシン酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、、フマル酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、イタコン酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(a1)成分としては、上記の中から1種の単量体を単独で又は2種以上の単量体を組み合わせて使用することができる。
(a1)成分としては、硬化被膜(A)の耐擦傷性及び表面硬度の点で、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート及びジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートがより好ましい。
(a1)成分の含有量は特に制限されるものではないが、(a1)成分及び後述する(a2)成分を含む硬化性組成物の総重量100質量%に対して、55質量%以上90質量%以下とすることができる。(a1)成分の含有量の下限は、硬化被膜(A)の耐擦傷性及び表面硬度が良好となる観点から50質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、65質量%以上がさらに好ましい。(a1)成分の含有量の上限は、(a1)成分及び後述する(a2)成分を含む硬化性組成物を硬化させる際の硬化収縮率が低下し、硬化被膜(A)の耐クラック性が良好となり、樹脂基材に対する硬化被膜(A)の密着性が良好となる観点から、が90質量%以下が好ましく、85質量%以下がより好ましく、75質量%以下がさらに好ましい。
<(a2)成分>
本発明において、(a2)成分は、分子中に2個以下の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する単量体由来の繰り返し単位を構成する単量体である。
硬化被膜(A)が(a2)成分を含むことにより、硬化被膜(A)と樹脂基材の密着性が向上すること、硬化被膜(A)の耐クラック性が向上すること及び硬化被膜(A)を積層したときの樹脂積層体の反りを抑制することができる。
(a2)成分としては、例えば、以下のものが挙げられる。
分子内に2個の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート単量体として、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエステルジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAポリエトキシジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート及びヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
分子内に1個の(メタ)アクリロイル基を有する単量体として、例えば、イソボルニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、エチルジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエン(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、テトラクロロフェニル(メタ)アクリレート、2−テトラクロロフェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−トリクロロフェノキシエチル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ペンタクロロフェニル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルポリオキシ(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、トリシクロデカンモノ(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルへキサヒドロフタル酸、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート及び2−メタクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸が挙げられる。
上述した(a2)成分は、1種又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの中でも、硬化被膜(A)と樹脂基材の密着性を高める点で、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートが好ましい。
(a2)成分の含有量は特に制限されるものではないが、(a1)成分及び(a2)成分を含む硬化性組成物の総重量100質量%に対して10質量%以上50質量%以下とすることができる。(a2)成分の含有量の下限は、(a1)成分及び(a2)成分を含む硬化性組成物を硬化させる際の硬化収縮率が低下し、硬化被膜(A)の耐クラック性が良好となる傾向にあり、樹脂基材に対する硬化被膜(A)の密着性が良好となり、また、樹脂基材の表面に硬化被膜(A)を積層した樹脂積層体の反りを抑制できる観点から、10質量%以上が好ましく、15質量%以上がより好ましく、25質量%以上がさらに好ましい。(a2)成分の含有量の上限は、硬化被膜(A)の耐擦傷性及び表面硬度が良好となる観点から50質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、35質量%以下がさらに好ましい。
<その他の添加剤>
硬化被膜(A)の製造に用いられる前記硬化性組成物、又は後述する硬化被膜(B)の製造に用いられる硬化性組成物(s1)及び硬化性組成物(s2)は、必要に応じて有機溶剤、離型剤、滑剤、可塑剤、酸化防止剤、帯電防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、難燃剤、難燃助剤、重合禁止剤、充填剤、顔料、染料、シランカップリング剤、レベリング剤、消泡剤、蛍光剤、連鎖移動剤等の各種添加剤を含有することができる。
<重合開始剤>
硬化被膜(A)の製造に用いられる前記硬化性組成物、又は後述する硬化被膜(B)の製造に用いられる硬化性組成物(s1)及び硬化性組成物(s2)は、公知の重合開始剤を含有することができる。
重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、メチルオルソベンゾイルベンゾエート、4−フェニルベンゾフェノン、t−ブチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン等のアセトフェノン類;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル類;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、等のアシルホスフィンオキサイド類;メチルベンゾイルホルメート;1,7−ビスアクリジニルヘプタン;及び9−フェニルアクリジンが挙げられる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
重合開始剤の添加量は特に制限されるものではないが、硬化性組成物の硬化性を促進させる点で、該硬化性組成物の総重量100質量部(ただし、重合開始剤を除く。)に対して、0.1質量部以上10質量部以下が好ましく、0.1質量部以上5.0質量部以下がより好ましい。
<硬化被膜(A)の形成方法>
硬化被膜(A)の形成方法としては、例えば、硬化被膜(A)の原料となる硬化性組成物を樹脂基材の表面に塗布した後に、前記硬化性組成物の塗膜を加熱すること又は塗膜に活性エネルギー線を照射する方法が挙げられる。
本発明の硬化被膜(A)は、樹脂基材の第1面、又は第1面及び第2面に積層することができ、目的に応じて選択することができる。樹脂基材の第2面とは、樹脂基材において樹脂基材の第1面に対向する面のことをいう。
樹脂基材の表面への硬化性組成物の塗布方法としては、例えば、流延法、ローラーコート法、バーコート法、噴霧コート法及びエアーナイフコート法が挙げられる。
硬化被膜(A)を樹脂基材の表面に積層する方法としては、例えば、以下の2つの方法が挙げられる。
(1)樹脂基材の表面に硬化性組成物の塗膜を形成した後に、該硬化性組成物の塗膜を硬化させる方法。
(2)鋳型の表面に硬化性組成物の塗膜を形成した後に、該硬化性組成物の塗膜を硬化させて、前記鋳型の表面に硬化被膜(A)が積層された型(1)を得る。次いで、前記型(1)と、他の鋳型(型(2))とを、前記硬化被膜(A)が内側になるように対向させて空間を形成するように配置して積層鋳型とする。次いで、前記積層鋳型の空間に樹脂基材原料を流し込み、該樹脂基材原料を注型重合した後に、前記2つの鋳型を除去する方法
上記の方法の中で、(2)の方法は、高い鉛筆硬度を有する硬化被膜(A)が得られる点から好ましい。
(1)及び(2)の方法で硬化性組成物を硬化するに際して、異物等による欠陥が無い良好な外観を有する硬化被膜(A)を得るために、硬化性組成物の塗膜の表面を後述する樹脂フィルムで被覆することができる。また、樹脂フィルムで硬化性組成物の表面を覆った後、JIS K 6253に準拠した硬度40°のゴムロール等のロールを用いて樹脂フィルム面に対して平滑処理を施すことができる。ロールによる平滑処理により、より均一な膜厚の硬化被膜(A)を得ることができ、高い平滑性と所望の膜厚を有する硬化被膜を得ることができる傾向にある。また、硬化性組成物として活性エネルギー線硬化性組成物を使用する場合、樹脂フィルムで硬化性組成物の表面を被覆した後に活性エネルギー線を照射することにより、硬化性組成物の架橋反応が充分に進行して硬化度の良好な硬化被膜が得られる傾向にあり、硬化被膜(A)の耐擦傷性及び表面硬度が良好となる傾向にある。
<樹脂フィルム>
硬化被膜(A)の製造に用いられる樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリプロピレン(PP)フィルム、ポリエチレン(PE)フィルム及びポリフッ化ビニリデン(PVDF)フィルムが挙げられる。これらの中で、コスト及び硬化性組成物の硬化性の点で、PETフィルムが好ましい。
樹脂フィルムの厚みとしては、樹脂フィルムの強度、取り扱い性及びコストの点で、8μm以上125μm以下が好ましい。
<活性エネルギー線>
硬化性組成物を活性エネルギー線で硬化する場合、活性エネルギー線としては、例えば、電子線、紫外線及び可視光線が挙げられるが、装置コストや生産性の観点から紫外線が好ましい。
活性エネルギー線の光源としては、例えば、蛍光紫外線ランプ、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、中圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、Arレーザー、He−Cdレーザー、固体レーザー、キセノンランプ、高周波誘導水銀ランプ及び太陽光が挙げられる。これらの中で、硬化性組成物(a)の硬化速度の点で、蛍光紫外線ランプ及び高圧水銀灯が好ましい。活性エネルギー線の積算光量としては、5mJ/cm以上2,000mJ/cm以下が好ましい。
<硬化被膜(B)>
硬化被膜(B)は、本発明の樹脂積層体を構成する構成要素の1つで、樹脂基材の第1面に積層された硬化被膜(A)における、樹脂基材と接する面と対向する面に形成されているものである。
本発明において、硬化被膜(A)が樹脂基材の第1面及び第2面に積層されている場合、硬化被膜(B)は樹脂基材の第1面に積層された硬化被膜(A)のみに積層されていても、樹脂基材の第1面及び第2面に積層された硬化被膜(A)の両方に積層されていてもよく、目的に応じて選択することができる。
本発明の樹脂積層体において、硬化被膜(B)は、鉛筆硬度が8H以上であり、ISO2409:1992に準拠したクロスカット剥離試験による硬化被膜(B)の残存率が80%以上である。また、硬化被膜(B)の表面の鉛筆硬度を8H以上とすることにより、樹脂積層体の表面に指の爪等による引掻き傷の発生を抑制でき、耐擦傷性の良好な樹脂積層体とすることができる。
本発明の樹脂積層体において、硬化被膜(B)は、低屈折率層、高屈折率層、ハードコート層、帯電防止層、防眩層及び防汚層から選ばれる1つの機能を有する機能層である硬化被膜(B´)、又は、硬化被膜(A)と後述する機能層(C)を接着させる接着層の硬化被膜(B´´)である。
前記硬化被膜(B´)の膜厚は、特に制限されるものではないが、0.6μm以上3μm以下が好ましい。硬化被膜(B´)の膜厚の下限は、硬化被膜の耐擦傷性及び表面硬度が良好となる観点から0.6μm以上が好ましく、1μm以上がより好ましい。また、膜厚の上限は、硬化被膜(A)との密着性が向上する観点から3μm以下が好ましく、2μm以下がより好ましい。即ち、硬化被膜(B)の膜厚は、1μm以上2μm以下が好ましい。
前記硬化被膜(B´´)の膜厚は、特に制限されるものではないが、3μm以上7μm以下が好ましい。硬化被膜(B´)の膜厚の下限は、硬化被膜の外観が良好となる観点から3μm以上が好ましく、4μm以上がより好ましい。また、膜厚の上限は、硬化被膜(A)及び後述する機能層(C)との密着性が向上する観点から7μm以下が好ましく、6.5μm以下がより好ましい。即ち、硬化被膜(B)の膜厚は4μm以上6.5μm以下がより好ましい。
ここでいう硬化被膜(B)の膜厚とは、樹脂積層体における硬化被膜(B)の膜厚のことをいう。硬化被膜(B)の厚みは、厚み方向にミクロトームで幅100nmのサンプルを切り出し、透過型電子顕微鏡(日本電子(株)製JEM−1010(商品名))で樹脂積層体の断面を観察した。
<硬化性組成物(s1)>
本発明において、硬化性組成物(s1)は前記硬化被膜(B´)を得るために使用される原料である。
硬化性組成物(s1)としては、例えば、後述する(b1)成分、後述する(b2−1)成分及び後述する(b2−2)成分の少なくとも1種類、後述する有機溶剤(b4)、後述する重合開始剤を含有する組成物が挙げられる。
さらに、前記硬化性組成物(s1)の粘度を下げる目的で、分子中に1個又は2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する単量体から選ばれる少なくとも1種の単量体を添加することができる。具体的には、上述した(a2)成分と同様のものが挙げられる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
<硬化性組成物(s2)>
本発明において、硬化性組成物(s2)は前記硬化被膜(B´´)を得るために使用される原料である。
硬化性組成物(s2)としては、例えば、後述する(b1)成分、後述する(b2−1)成分及び後述する(b2−2)成分の少なくとも1種類、後述する無機微粒子(b3)、後述する重合開始剤を含有する組成物が挙げられる。
さらに、前記硬化性組成物(s2)の粘度を下げる目的で、分子中に1個又は2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する単量体から選ばれる少なくとも1種の単量体を添加することができる。具体的には、上述した(a2)成分と同様のものが挙げられる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
<(b1)成分>
本発明において、(b1)成分は、分子中に3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する単量体由来の繰り返し単位を構成する単量体のことをいう。(b1)成分は、硬化被膜(B)の硬度を向上させることにより、樹脂積層体の耐擦傷性及び表面硬度を向上させる効果を有する。
(b1)成分としては、前記(a1)成分に記載した単量体と同様のものが挙げられ、例えば、(メタ)アクリロイルオキシ基を一分子中に3個以上20個以下有する単量体が挙げられる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
(b1)成分としては、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが好ましい。
<(b2−1)成分>
本発明において、(b2−1)成分は、ウレタン(メタ)アクリレート由来の繰り返し単位を構成する単量体のことをいう。(b2−1)成分は硬化被膜(B)と硬化被膜(A)との密着性を向上させ、また樹脂積層体の耐擦傷性及び表面硬度を向上させる効果を有する。
(b2−1)成分としては、例えば、1,5−ジイソシアナトペンタン、1,6−ジイソシアナトヘキサン、1,4−ジイソシアナトペンタン、1,6−ジイソシアナト−3,5,5−トリメチルヘキサン、1,6−ジイソシアナト−3,3,5−トリメチルヘキサン、1,12−ジイソシアナトドデカン、1,8−ジイソシアナト−4−イソシアナトメチルオクタン、1,3,6−トリイソシアナトヘキサン、1,6,11−トリイソシアナトウンデカン、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、1,2−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、1,2−水添キシリレンジイソシアネート、1,4−水添キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等のイソシアネート化合物と、ポリエチレングリコール(繰返し単位=6〜20)、ポリプロピレングリコール(繰返し単位=6〜20)、ポリブチレングリコール(繰返し単位=6〜20)1−メチルブチレングリコール(繰り返し単位=6〜20)、ポリテトラメチレングリコール(繰返し単位=6〜20)、ポリカプロラクトンジオール、アルキレン(炭素数2〜10)ジオールのカプロラクトン付加(繰返し単位=2〜10)ジオール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物、フタル酸とアルキレンジオールから誘導されたポリエステルジオール、ポリカーボネートジオール(炭素数4〜6の脂肪族骨格)等のポリオール化合物と、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、N−ヒドロキシエチル−N’,N”−ジ((メタ)アクリロキシエトキシエチル)イソシアヌレート等の水酸基を有する(メタ)アクリレートを反応させたウレタン(メタ)アクリレート;ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、1,2−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、1,2−水添キシリレンジイソシアネート、1,4−水添キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等のイソシアネート化合物やそれらの多量体に、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートやそれらのカプロラクトン付加体等の水酸基を有する(メタ)アクリレートを付加したウレタンポリ(メタ)アクリレート;1,5−ジイソシアナトペンタン、1,6−ジイソシアナトヘキサン(HDI)、1,4−ジイソシアナトペンタン、1,6−ジイソシアナト−3,5,5−トリメチルヘキサン、1,6−ジイソシアナト−3,3,5−トリメチルヘキサン、1,12−ジイソシアナトドデカン、1,8−ジイソシアナト−4−イソシアナトメチルオクタン、1,3,6−トリイソシアナトヘキサン、1,6,11−トリイソシアナトウンデカンヘキサン、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、デカリンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、リジントリイソシアネート等のイソシアネート化合物の単量体または多量体に、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4―ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートやそれらのカプロラクトン付加体等の水酸基を有する(メタ)アクリレートを付加したウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(b1)成分の他の例としては、下式(I)で示されるポリイソシアネート1モルに対して、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−メトキシプロピル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシ(メタ)アクリルアミド等の活性水素を有するアクリルモノマー3モル以上を反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート;トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸のトリ(メタ)アクリレート等のポリ[(メタ)アクリロイルオキシエチル]イソシアヌレート;エポキシポリ(メタ)アクリレート;及びウレタンポリ(メタ)アクリレートが挙げられる。
(I)
(式(I)中、Rは置換基を含んでも良い、炭素数1〜12の2価の炭化水素基を表す。)
式(I)で示されるポリイソシアネートとしては、トリメチロールプロパントルイレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等のイソシアネート化合物の3量化により得られるポリイソシアネートが好ましい。これらは、一種を単独で、又は二種以上を併用して用いることができる。
(b2−1)成分としては、3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有するウレタン(メタ)アクリレートが好ましく、6個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有するウレタン(メタ)アクリレートがさらに好ましい。
<(b2−2)成分>
本発明において、(b2−2)成分は、アミノ基を有する(メタ)アクリレート由来の繰り返し単位を構成する単量体のことをいう。(b2−2)成分は、硬化被膜(B)と硬化被膜(A)との密着性を向上させ、また樹脂積層体の耐擦傷性及び表面硬度を向上させる効果を有する。
(b2−2)成分としては、例えば、アクリルアミド、7−アミノ−3,7−ジメチルオクチル(メタ)アクリレート、t−オクチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、テトラクロロフェニル(メタ)アクリレート、N−ビニルホルムアミド、N−n−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド及び(メタ)アクリロイルモルフォリンが挙げられる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
上述した(b2−1)成分、(b2−2)成分の合計含有量は特に制限されるものではないが、硬化性組成物(s1)又は硬化性組成物(s2)の固形分を100質量%(ただし、重合開始剤を除く。)として、1.0質量%以上15質量%以下とすることができる。含有量の下限は、硬化被膜(A)に対する硬化被膜(B)の密着性が良好となる観点から1.0%以上が好ましく、2.2質量%以上がより好ましい。含有量の上限は、硬化被膜(B)の耐擦傷性及び表面硬度が良好となる観点から15質量%以下が好ましく、10質%以下がより好ましい。
<(b3)成分>
本発明において、(b3)成分は、無機微粒子のことをいう。硬化性組成物(s2)が無機微粒子(b3)を含有することにより、硬化被膜(A)に対する硬化被膜(B´´)の密着性を向上させ、また、硬化被膜(B)の耐擦傷性を向上させることができる。
(b3)成分としては、例えば、アモルファスシリカ、結晶性シリカ、シリカ−アルミナ複合酸化物、カオリナイト、タルク、炭酸カルシウム(カルサイト型、バテライト型)、ゼオライト、アルミナ、ヒドロキシアパタイト等の無機粒子、架橋アクリル粒子、架橋PMMA粒子、架橋ポリスチレン粒子、ナイロン粒子、ポリエステル粒子、ベンゾグアナミン・ホルマリン縮合物粒子、ベンゾグアナミン・メラミン・ホルムアルデヒド縮合物粒子メラミン・ホルムアルデヒド縮合物粒子等の耐熱性高分子粒子及びシリカ・アクリル複合化合物等の有機・無機ハイブリッド微粒子が挙げられる。
無機微粒子(b3)の形状としては、例えば、球状、塊状、板状、繊維状及びフレーク状が挙げられるが、これらの中で、分散性や他の部材に接触した際の粒子の脱落のし難さの点から球状の粒子が好ましい。
無機微粒子(b3)の平均粒子径は特に制限されるものではないが、例えば、硬化被膜中の無機微粒子の分散性が良好となる観点から、平均粒子径1nm以上300nm以下とすることが好ましく、3nm以上100nm以下がより好ましい。
平均粒子径は、粒度分布測定装置SALD−7100(製品名、島津製作所(株)製)を用いて、JIS Z 8825−1準じて測定した値とする。
(b3)成分の含有量は特に制限されるものではないが、硬化性組成物(s2)の固形分の総重量を100質量%(ただし、重合開始剤を除く。)として、1.0質量%以上10質量%以下とすることができる。(b3)成分の含有量の下限は硬化被膜(A)に対する硬化被膜(B)の密着性が良好となる観点から1.0質量%以上以上が好ましく、2.0質量%以上がより好ましい。(b3)成分の含有量の上限は、硬化被膜(B)の耐擦傷性が良好となる観点から10質量%以下が好ましく、7.5質量%以下がより好ましい。
<(b4)成分>
本発明において(b4)成分は、該硬化性組成物(s1)の粘度を下げて塗工性を向上する目的や前記硬化被膜(B´)と硬化被膜(A)との密着性を向上する目的、また硬化被膜(B´)の外観を良好とする目的で、前記硬化性組成物(s1)に少なくとも1種の有機溶剤のことをいう。
(b4)成分としては、例えば、炭化水素系溶剤等の非フッ素溶剤及び含フッ素溶剤が挙げられる。
非フッ素溶剤の具体例としては、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、1−メトキシ−2プロパノール等の一価アルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等の多価アルコール等のアルコール類;酢酸エチル、酢酸ブチル、γ−ブチロラクトン等のエステル類;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;及びジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類が挙げられる。
含フッ素溶剤の具体例としては、含フッ素アルコール、含フッ素エーテル、ハイドロフルオロカーボン及びジトリフルオロメチルベンゼンが挙げられる。
含フッ素アルコールの具体例としては、H(CF(CH−OH、F(CF(CH−OH、F(CFCH=CHCHOH及びF(CFCHCH(I)CHOHで示される化合物が挙げられる。尚、上記の式において、m、n、o、p、q及びrはそれぞれ独立に1〜8の整数を表す。
含フッ素エーテルの具体例としては、R21−O−R22で示される化合物が挙げられる。尚、上記の式において、R21及びR22はそれぞれ独立に炭素数1〜10の直鎖又は分枝のアルキル基であり、R21及びR22の少なくとも一方がフッ素原子を含む。
含フッ素エーテルとしては、例えば、ハイドロフルオロアルキルエーテルが挙げられる。また、含フッ素エーテルの市販品としては、例えば、住友スリーエム(株)製の「HE−7100」(商品名)及び「HFE−7200」(商品名)が挙げられる。
ハイドロフルオロカーボンの具体例としては、鎖状構造及び環状構造のハイドロフルオロカーボンが挙げられる。
ハイドロフルオロカーボンの市販品としては、例えば、三井・デュポンフロロケミカル(株)製の「バートレルHFC43−10mee」(商品名)及び日本ゼオン(株)製の「ゼオローラH」(商品名)が挙げられる。
ジトリフルオロメチルベンゼンの具体例としては、o−ジトリフルオロメチルベンゼン、m−ジトリフルオロメチルベンゼン、p−ジトリフルオロメチルベンゼン及びこれらの混合物が挙げられる。
有機溶剤(b4)は1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。有機溶剤としては、硬化被膜(A)との密着性を向上させ、かつ、硬化被膜(B)の外観を良好とする点で、エタノール、2−プロパノール、酢酸エチル、トルエンが好ましく、酢酸エチルが特に好ましい。
<硬化被膜(B´)の形成方法>
硬化被膜(B´)の形成方法としては、例えば、硬化性組成物(s1)を硬化被膜(A)の表面に塗布した後に、硬化性組成物(s1)の塗膜を加熱又は活性エネルギー線を照射することにより、硬化性組成物(s1)を硬化させて、硬化被膜(B)を形成する方法が挙げられる。
硬化被膜(A)の表面への硬化性組成物(s1)の塗布方法としては、硬化被膜(A)を形成する前記硬化性組成物の塗布方法と同様の方法が挙げられる。
<硬化被膜(B´)>
硬化被膜(B´)は、低屈折率層、高屈折率層、ハードコート層、帯電防止層、防眩層及び防汚層から選ばれる1つの機能を有する層からなる機能層である。
前記低屈折率層とは、屈折率が1.3〜1.5である層のことをいう。低屈折率化のために、前記硬化性組成物(s1)には必要に応じてコロイダルシリカを含有させることができる。コロイダルシリカとしては、多孔質シリカ及び非多孔質シリカから選ばれる少なくとも1種の微粒子を分散媒に分散させてコロイド溶液としたものを使用することができる。ここで、多孔質シリカは粒子内が多孔性又は中空であり、内部に空気を含有した低密度のシリカである。多孔質シリカの屈折率としては1.20〜1.40のものが挙げられ、通常のシリカの屈折率1.45〜1.47に比較して低い。また、本発明においては、必要に応じて、表面がシランカップリング剤処理されたコロイダルシリカを用いることができる。
前記高屈折率層とは、屈折率が1.3〜1.5である層のことをいう。。高屈折率化のために、硬化性組成物(s1)には高屈折率の金属酸化物微粒子を分散させることができる。金属酸化物微粒子としては、例えば、金属アルコキシドを加水分解した後に縮合させて得られる金属酸化物が挙げられる。
金属アルコキシドとしては、下式(II)で示されるものが挙げられる。

M(OR) (II)
(式(II)中、Mは金属原子を表し、Rは炭素数1〜5の炭化水素基を表し、mは金属原子Mの原子価(3又は4)を表す。)
金属原子Mとしては、高屈折率層の屈折率の点で、チタン、アルミニウム、ジルコニウム及びスズが好ましく、チタンがより好ましい。
金属アルコキシドの具体例としては、チタンメトキサイド、チタンエトキサイド、チタンn−プロポキサイド、チタンイソプロポキサイド、チタンn−ブトキサイド、チタンイソブトキサイド、アルミニウムエトキサイド、アルミニウムイソプロポキシド、アルミニウムブトキシド、アルミニウムt−ブトキサイド、スズt−ブトキサイド、ジルコニウムエトキサイド、ジルコニウムn−プロポキサイド、ジルコニウムイソプロポキサイド及びジルコニウムn−ブトキサイドが挙げられる。
本発明においては、上記の金属酸化物膜の更なる高屈折率化を達成する観点から、上記の金属酸化物膜中に、高屈折率の金属酸化物であるZrO、TiO、NbO、ITO、ATO、SbO、In、SnO及びZnOから選ばれる少なくとも1種の微粒子を分散させたものが好ましい。
低屈折率層及び高屈折率層の膜厚の下限は、それぞれ50nm以上が好ましく、70nm以上がより好ましい。また、低屈折率層及び高屈折率層の膜厚の上限は、それぞれ200nm以下が好ましく、150nm以下がより好ましい。低屈折率層及び高屈折率層の膜厚は、それぞれ50nm以上200nm以下が好ましく、70nm以上150nm以下がより好ましい。膜厚がこの範囲であれば、視認される波長の反射光を十分抑制できる傾向にある。
前記反射防止層としては、例えば、硬化被膜(A)より低い屈折率を有する低屈折率層、高屈折率層の上に低屈折率層が積層された2層構造を有する積層構造又は高屈折率層の上に中屈折率層及び低屈折率層が順次積層された3層構造を有する積層構造のものが挙げられる。反射防止層としては、樹脂積層体の表面において樹脂積層体の内部に向かう方向に入射した光の反射光の光量が入射光の光量の0%以上20%以下となるものが好ましく、0%以上10%以下となるものがより好ましく、0%以上5%以下となるものがさらに好ましい。
反射防止層が、高屈折率層の上に低屈折率層が積層された2層構造を有する場合には、例えば、前記低屈折率層の屈折率は1.3〜1.5、高屈折率層の屈折率は1.6〜2.0の範囲であることが好ましい。この範囲であれば、入射光の反射を十分抑制できる。
硬化被膜(B´)を帯電防止層とする場合、硬化性組成物(s1)へ、公知の帯電防止成分を添加すれば良い。帯電防止成分は、電子伝導型の有機化合物や導電性粒子、イオン伝導型の有機化合物などが挙げられる。
π共役系導電性有機化合物としては、脂肪族共役系のポリアセチレン、芳香族共役系のポリ(パラフェニレン)、複素環式共役系のポリピロール等が挙げられる。
導電性微粒子としては、カーボン系、金属酸化物系、導電被覆系微粒子等が挙げられる。
カーボン系微粒子としては、カーボンブラック、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等のカーボン粉末、PAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維等のカーボン繊維等が挙げられる。
金属酸化物系微粒子としては、酸化錫、アンチモンをドープした酸化錫(ATO)、酸化インジウム、スズをドープした酸化インジウム(ITO)、酸化亜鉛、アルミニウムをドープした酸化亜鉛、アンチモン酸亜鉛、五酸化アンチモンなどが挙げられる。
導電被覆系微粒子としては、例えば、酸化チタン(球状、針状)、チタン酸カリウム、硫酸バリウム、マイカ、シリカ等の各種微粒子表面を、酸化錫、ATO、ITO等の帯電防止成分で被覆した導電性微粒子、金及び/またはニッケルなどの金属で表面処理されたポリスチレン、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂等の樹脂ビーズが好ましい。 イオン伝導型の有機化合物としては、四級アンモニウム塩基を有する化合物、ポリスチレンスルホン酸等が挙げられる。
前記防眩層としては、硬化被膜(B´)を防眩層とする場合、防眩層の表面に微細凹凸を形成する方法及び防弦層の内部に光拡散性微粒子を添加して内部散乱により外光を乱反射させる方法の少なくとも1つの方法により外光の映りこみを抑制することができる。光拡散性微粒子としては、有機微粒子又は無機微粒子を使用することができる。有機微粒子としては、例えば、アクリル樹脂(PMMA)、ポリスチレン(PS)、アクリル−スチレン共重合体、メラミン樹脂、ポリカーボート(PC)等を用いることができる。有機微粒子は、架橋や未架橋等の特性には特に限定されるものではなく、任意に選択できる。また、無機微粒子としては、例えば、酸化珪素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化錫、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク、カオリン及び硫酸カルシウムが挙げられる。これらの無機微粒子に対して例えばシランカップリング処理等の有機物処理を施すことにより、該微粒子が有機物に分散し易くすることが好ましい。
前記無機微粒子の大きさは、適宜選択することができる。樹脂積層体表面の微細凹凸の形状としては、表面中心線平均粗さが0.05μm以上0.3μm以下、微細凹凸のピッチが30μm以上200μm以下であることが好ましく、このようになる粒子径の微粒子を用いることになる。
前記防汚層としては、撥水性又は撥油性を有すること、若しくは、親水性又は親油性を有することが好ましい。指紋、皮脂、汗、化粧品等の汚れが付着した際、汚れを除去し易い観点から撥水性と撥油性を有することが好ましい。防汚層に撥水性と撥油性を付与する方法としては、前記硬化性組成物(s1)に、フッ素原子を有する(メタ)アクリレート単量体を添加する方法が挙げられる。前記フッ素原子を有する(メタ)アクリレート単量体は特に限定されるものではなく、公知の化合物を使用できる。
具体的には、へプタデカンフルオロデシルアクリレートである「ビスコート17F」(商品名、大阪有機化学工業(株)製)、パーフルオロオクチルエチルアクリレートである「ライトアクリレートFA−108」(商品名、共栄社化学(株)製)、1,10−ビス(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9−ヘキサデカフルオロデカンである「16−FDA」(商品名、共栄社化学(株)製)が挙げられる。撥水層の撥水性能又は撥油性能を良好とする場合には、パーフルオロポリエーテル基を有する(メタ)アクリレートが好ましい。具体的には、ダイキン工業(株)製「オプツールDAC」(商品名)、DIC(株)製「EXP RS−503」及び「EXP RS−751−k」が挙げられる。
フッ素原子を有する(メタ)アクリレート単量体は1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。 <硬化被膜(B´)>
硬化被膜(B´´)は、硬化被膜(A)と後述する機能層(C)を接着させる接着層である。
<硬化被膜(B´´)の形成方法>
硬化被膜(B´´)の形成方法の好ましい例として、以下の方法が挙げられる。
後述する機能層(C)を形成した樹脂フィルム表面の機能層(C)と、硬化被膜(A)を積層した樹脂積層体とを、硬化性組成物(s2)を介してラミネートする。この硬化性組成物(s2)は、ロールコート、バーコート、スリットダイなどを用いて塗布することにより塗布層を形成することができる。
樹脂フィルム表面に後述する機能層(C)を形成し、さらに該機能層(C)の表面にロールコート、バーコート、スリットダイなどを用いて塗布することにより塗布層を形成する。
前記塗布層が形成された機能層(C)を形成した樹脂フィルム表面を樹脂基材に貼り付ける方法としては、ゴムロールで圧着する方法が挙げられる。この際、樹脂基材の表面温度を40℃〜100℃とすることが好ましい。かかる範囲の温度では、密着性を良好にでき、基材の過度の溶解による硬度低下を抑えることができ、塗膜の黄変を低減できる。樹脂基材の表面温度は、加熱部の設定温度、加熱時間等により調整することができる。樹脂基材の温度の測定方法としては、非接触型表面温度計等、公知の方法が挙げられる。
転写フィルムを介して活性エネルギー線を照射し、硬化性組成物(s2)を硬化させて硬化被膜(B´´)とする。活性エネルギー線としては、紫外線が好ましい。前記樹脂フィルムを剥離し、硬化被膜(A)の上に硬化被膜(B´´)、機能層(C)を順次積層した樹脂積層体を得ることができる。
<機能層(C)>
機能層(C)は、本発明の樹脂積層体を構成する構成要素の1つであり、前記硬化被膜(A)の第1面に形成された硬化被膜(B)の表面に形成されるものである。
機能層(C)は、低屈折率層、高屈折率層、ハードコート層、帯電防止層、防眩層及び防汚層から選ばれる1つの機能を有する機能層であり、上述した硬化被膜(B´)に記載した硬化被膜を用いることができる。
前記機能層(C)の膜厚は、特に制限されるものではないが、0.05μm以上5.0μm以下が好ましい。機能層(C)の膜厚の下限は、樹脂積層体の外観が良好となる観点から0.05μm以上が好ましい。また、機能層(C)の膜厚の上限は、硬化被膜(B)と機能層(C)の密着性が向上する観点から5.0μm以下が好ましい。機能層(C)の膜厚の下限は0.1μm以上がより好ましく、膜厚の上限は3.0μm以下がより好ましい。即ち、機能層(C)の膜厚は、0.1μm以上3.0μm以下がより好ましい。
<機能層(C)の形成方法>
機能層(C)の形成方法は、後述する樹脂フィルムの表面に機能層(C)を一旦転写層として形成したあと、前記硬化被膜(A)の第1面に接着層として設けられた硬化被膜(B)の表面に転写され、樹脂積層体を形成する方法が挙げられる。
機能層(C)を樹脂フィルムの表面に転写層として形成する具体的な方法としては、前記硬化性組成物(s1)に各機能層を形成する成分を添加した後、該硬化性組成物(s1)を樹脂フィルムの表面に塗布し、次いで該硬化性組成物(s1)の塗膜を、加熱又は活性エネルギー線を照射することにより硬化させて、機能層(C)を形成する方法が挙げられる。
樹脂フィルムの表面に硬化性組成物(s1)を塗布する方法としては、上述した硬化被膜(A)を形成する硬化性組成物の塗布方法に記載した方法が挙げられる。
<樹脂フィルム>
硬化被膜(B)の製造に用いられる樹脂フィルムとしては、例えば、活性エネルギー線透過性及び耐溶剤性に優れ、酸素透過性の低いものが挙げられる。
樹脂フィルムの具体例としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、「PETフィルム」という);ナイロンフィルム;ポリカーボネートフィルム;アクリル系フィルム;ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系フィルム;ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース等のセルロース系フィルム及びポリ塩化ビニリデン系フィルムが挙げられる。これらの中で、透明性及び耐溶剤性を有し、酸素の透過率が低い点でPETフィルムが好ましい。
また、離型処理層が形成されている市販のフィルムを使用することができる。
樹脂フィルムの厚みは特に制限されるものではないが、5.0μm以上300μm以下が好ましく、10μm以上200μm以下がより好ましい。樹脂フィルムの厚みの下限が5.0μm以上であれば、フィルムのうねりやたわみによる硬化被膜の外観低下を抑制できる。また、樹脂フィルムの厚みの上限が200μm以下であれば、機能層(C)の膜厚の調整が容易になる。
<樹脂積層体の製造方法>
本発明の樹脂積層体を製造する一実施態様としては、例えば、下記工程(1)及び工程(2)を含む方法が挙げられる。
工程(1):樹脂基材の少なくとも一方の表面に、分子中に3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する単量体由来の繰り返し単位(a1)、分子中に2個以下の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する単量体由来の繰り返し単位(a2)を含む硬化被膜(A)を形成する。
工程(2):前記硬化被膜(A)の表面に、ウレタン(メタ)アクリレート由来の繰り返し単位(b2−1)及びアミノ基を有するメタクリレート由来の繰り返し単位(b2−2)の少なくとも1種類を含む硬化被膜(B)を形成する。
上記の工程(1)としては、例えば、樹脂基材の少なくとも一方の表面に、前記(a1)成分及び前記(a2)成分を含む硬化性樹脂組成物の塗膜を形成をした後、硬化して、樹脂基材の少なくとも一方の表面に硬化被膜(A)が形成された積層樹脂体を形成する方法が挙げられる。
前記工程(1)における、硬化被膜(A)の鉛筆硬度は8H以上であることが好ましい。硬化被膜(A)の表面の鉛筆硬度を8H以上とすることにより、指の爪等による引掻き傷が樹脂積層体の表面に発生することを抑制できるので、耐擦傷性の良好な樹脂積層体を得ることができる。
前記工程(2)において硬化被膜(B)を形成する処理は、下記の工程(2−1)〜(2−3)を含むことができる。
工程(2−1):工程(1)の硬化被膜(A)の表面に、分子中に3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する単量体(b1)、ウレタン(メタ)アクリレート単量体(b2−1)及びアミノ基を有する(メタ)アクリレート単量体(b2−2)の少なくとも1種類(ただし、単量体(b1)を除く)、有機溶剤(b4)を含む硬化性組成物(s1)の塗膜を形成する。
工程(2−2):前記硬化性組成物(s1)の塗膜を乾燥する。
工程(2−3):前記乾燥後の硬化性組成物(s1)の塗膜を硬化して、硬化被膜(B)を形成する。
工程(2−1)の硬化性組成物の塗膜を形成する方法としては、例えば、流延法、ローラーコート法、バーコート法、噴霧コート法、エアーナイフコート法、スピンコート法、フローコート法、カーテンコート法、フィルムカバー法及びディッピング法が挙げられる。
硬化性樹脂組成物の塗膜を硬化する方法としては、塗膜を加熱する方法又は上述したように塗膜に活性エネルギー線を照射する方法が挙げられる。
工程(2−2)乾燥する方法、工程(2−3)の加熱する方法としては、例えば、空気雰囲気下で、遠赤外線ヒーター等の熱源を用いて90〜150℃の条件で熱処理する方法が挙げられる。また、積層鋳型中の樹脂積層体を構成する樹脂組成物の重合率を高めるために、必要に応じて積層鋳型を30〜98℃の温水等の熱源で加熱することができる。また、熱処理後に、必要に応じて送風等の冷却処理を行うことができる。
また、本発明の樹脂積層体を製造する、別の一実施態様としては、前記工程(2)の硬化被膜(B)を形成する工程が、前記硬化被膜(A)の表面に、分子中に3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する単量体(b1)、ウレタン(メタ)アクリレート単量体(b2−1)及びアミノ基を有する(メタ)アクリレート単量体(b2−2)の少なくとも1種類(ただし、単量体(b1)を除く)を含む硬化性組成物(s2)の塗膜を形成し、硬化して、硬化被膜(B´´)を形成することを含み、さらに工程(2)の後に、下記工程(3)〜(5)を行うことを含む方法が挙げられる。。
工程(3):樹脂フィルムの表面に、低屈折率層、高屈折率層、ハードコート層、帯電防止層、防眩層及び防汚層から選ばれる少なくとも1つの機能を有する層からなる、機能層(C)を形成する。
工程(4):前記工程(2)で得られた硬化被膜(B´´)の表面に、前記工程(3)の機能層(C)を貼り合わせる。
工程(5):前記樹脂フィルムを剥離し、樹脂基材の少なくとも一方の表面に、硬化被膜(A)硬化被膜(B´´)、機能層(C)が順次積層された樹脂積層体を得る。
工程(5)において、樹脂フィルムの表面に機能層(C)として反射防止層や防眩層を形成させる場合の具体例を以下に示す。 反射防止層の形成方法としては、例えば、流延法、ローラーコート法、バーコート法、噴霧コート法、エアーナイフコート法、スピンコート法、フローコート法、カーテンコート法、フィルムカバー法及びディッピング法が挙げられる。
防眩層の形成方法としては、例えば、樹脂フィルムの表面に防眩層を積層する場合、防眩層の表面に微細凹凸を形成する方法、及び防弦層中に光拡散性微粒子を添加して内部散乱により外光を乱反射させる方法の少なくとも1つの方法により外光の映りこみを抑制することができる。具体的には、以下の2とおりの方法が挙げられる。
第1の方法においては、活性エネルギー線透過性フィルムの表面に公知の方法で微細凹凸形状を形成した後、微細凹凸形状が形成された面に、防眩層形成用組成物の塗膜を形成した後に、硬化させ、防眩層が積層された活性エネルギー線透過性フィルムを得る。その後、前記工程(4)で得られた硬化性組成物(s2)の塗膜の表面に、上記の防眩層が積層された活性エネルギー線透過性フィルムの防眩層の面が接するように積層した後、活性エネルギー線透過性フィルムを剥離することにより、樹脂積層体の表面に微細凹凸形状の表面を有する防眩層が積層された積層体を得る。
第2の方法は、活性エネルギー線透過性フィルムの表面自体に凹凸形状を持たせる方法であり、例えば、活性エネルギー線透過性フィルムを形成するための粒子を樹脂中に練りこむ方法や、或いはまた、活性エネルギー線透過性フィルムを形成するための樹脂をガラス転移温度以上に加熱した状態で微細凹凸形状を有する型と接触させて型の表面の微細凹凸形状を転写させる方法が挙げられる。
前記工程(5)において機能層(C)の膜厚は、特に制限されるものではないが、樹脂積層体の外観が良好となること、樹脂積層体の全体の膜厚斑が抑制できること及び硬化被膜(B)と機能層(C)の密着性が向上する点から、0.05μm以上5.0μm以下が好ましい。
以下、実施例により本発明を詳しく説明する。尚、実施例における各種評価は下記の方法により実施した。
(1)硬化被膜の膜厚
樹脂積層体の厚み方向にミクロトームで幅100nmのサンプルを切り出し、透過型電子顕微鏡(日本電子(株)製JEM−1010(商品名))で樹脂積層体の断面を観察し、硬化被膜(A)、硬化被膜(B´)及び硬化被膜(B´´)の膜厚を測定した。
の膜厚を測定した。
(2)全光線透過率及びヘイズ値
HAZE METER(日本電色工業(株)製、商品名:NDH4000)を用いてISO 13468−1:1996に示される測定法に準拠して、樹脂積層体の全光線透過率を測定し、ISO 14782:1999に示される測定法に準拠して、樹脂積層体のヘイズ値を測定した。
(3)鉛筆硬度
樹脂積層体の表面硬度が、鉛筆硬度により評価した。硬化被膜(B)を積層する前の樹脂積層体、及び硬化被膜(B)を積層した後の樹脂積層体について、最表層の鉛筆硬度をISO 2409:1992に準拠して測定した。
(4)耐擦傷性
樹脂積層体の最表層の耐擦傷性は、擦傷試験後のサンプルの傷の本数より評価した。擦傷試験は、#000のスチールウール(日本スチールウール(株)製、商品名:ボンスターNo.000)を装着した直径24mmの円形パッドを樹脂積層体の最表層に置き、1,000gの荷重下で20mmの距離を、100回往復させて実施した。
(5)耐クラック性
樹脂積層体の表面の耐クラック性を、樹脂積層体を曲率半径100mm、80mm、60mm及び40mmに曲げた時のクラック発生の有無を観察することにより評価した。耐クラック性の評価は、以下の手順で行った。幅30mm、長さ120mm及び厚み1mmの樹脂積層体を、半円筒形の型であって、断面の弧の曲率半径Rが100mm、80mm、60mm及び40mm、底辺の長さが100mmである木製の型の上に樹脂積層体の硬化被膜の最表層が鉛直方向上側になるように樹脂積層体を載置した。樹脂積層体の全体を型の弧に沿って曲げて、30秒間保持した。その後、樹脂積層体を目視観察し、クラックが発生しない最も小さい曲率半径を測定した。
(6)硬化被膜の残存率
ISO 2409:1992に準拠してクロスカット剥離試験を実施した時の、樹脂積層体の表面に残存している硬化被膜(B)の残存率、又は硬化被膜(B)及び機能層(C)の残存率を評価した。
(7)環境試験後の硬化被膜の残存率
樹脂積層体を温度60℃及び相対湿度95%の恒温恒湿機に100時間放置した後に取り出し、(6)の方法で硬化被膜(B)又は硬化被膜(B)及び機能層(C)の残存率を評価した。
以下において、略称は下記の単量体又は化合物を示す。
ポリアクリレート1:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(60〜70質量%)とジペンタエリスリトールペンタアクリレート(40〜30質量%)の混合物。
ポリアクリレート2:ペンタエリスリトールトリアクリレート(50〜70質量%)とペンタエリスリトールテトラアクリレート(50〜30質量%)の混合物
ジアクリレート1:1,6−ヘキサンジオールジアクリレートBEE:ベンゾインエチルエーテル
ウレタンアクリレート1:ヘキサメチレンジイソシアネートを3量化して得られるトリイソシアネート1モルに対して3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート3モルを反応して得られるウレタン化合物
DEMA:ジエチルアミノエチルメタアクリレート
シリカ微粒子1:シリカ微粒子(平均粒子径10nm)
IPA:イソプロピルアルコール
PGM:プロピレングリコールモノメチルエーテル
架橋アクリル−スチレン粒子:平均粒径3.5μm、30wt%トルエン分散液(綜研化学(株)製、商品名:SX−350HL)
開始剤1:2−ヒロドキシ1−1{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル-プロパン-1-オン
開始剤2:ジフェニル−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フォスフィンオキサイド
開始剤3:ベンゾインエチルエーテル
BYK−UV 3505:アクリル基を有するジメチルポリシロキサン(ビックケミー・ジャパン(株)製、商品名:BYK−UV 3505)
転写フィルム1:帯電防止層を積層した転写フィルム
転写フィルム2:反射防止転写フィルム(尾池工業(株)製、商品名:STEP PAR−1)(PETフィルム、剥離層、反射防止層、硬化塗膜層、接着層の順に積層された積層フイルム)
[製造例1]硬化性組成物(a)の調製
硬化被膜(A)を形成するための硬化性組成物(a)を、次の手順により調製した。ポリアクリレート1を20質量部、ポリアクリレート2を45質量部、ジアクリレート1を35部質量及び開始剤3を1.5質量部を混合し、これを硬化性組成物(a)とした。
[製造例2]帯電防止化合物の合成
撹拌羽根付きガラス製フラスコに、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド188質量部、メタノール228質量部を投入し、撹拌しながらジメチル硫酸136質量部、メタノール41.3質量部の混合物を、フラスコ内の反応溶液の温度が15℃以下を維持するように制御しながら滴下した。滴下を終了した後、さらに30分間撹拌を続け、四級アンモニウム塩基を有する化合物溶液を得た。
この化合物溶液に2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)2.4質量部、n−オクチルメルカプタン2.4質量部、メタノール384質量部、ポリエチレングリコール(23)モノメタクリレートモノメチルエーテル(カッコ内はポリエチレングリコールユニットの数)485質量部を加え、窒素雰囲気下、60℃で6時間重合させた。次いで、得られた化合物を取り出し、50℃で3日間真空乾燥して、帯電防止性を付与する帯電防止化合物を得た。
[製造例3]帯電防止層を積層した転写フィルム1の製造
以下の手順で帯電防止層を積層した転写フィルムを作成した。厚み50μmのPETフィルム「OX−50」(帝人デュポンフィルム(株)製、商品名)の高平滑面上に、ELCOM MR1008SBC(日揮触媒化成(株)製、商品名)を乾燥後の膜厚が1.2μmになるようにバーコーターを用いてコートした後、100℃で5分間乾燥して、PETフィルムの表面に帯電防止層を形成し、これを転写フイルム1とした。
[製造例4] 樹脂基材の原料(Z)の調整
質量平均分子量22万のポリメタクリル酸メチル20質量部及びメタクリル酸メチル80部を含有する混合物を100質量部、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール0.01質量部、アゾビスジメチルバレロニトリル0.05質量部、ジオクチルスルフォサクシネートのナトリウム塩0.005質量部を含有する混合液を調整した後、減圧下での溶存空気を除去して、これを樹脂基材の原料(Z)とした。
〔実施例1〕
鏡面を有するSUS304板を鋳型として用いた。この鋳型の鏡面上に、製造例1で調整した硬化性組成物(a)を塗布し、厚さ12μmのPETフィルムを被せた。塗布した硬化性組成物(a)の塗膜を硬化前被膜(A−1)とよぶ。
前記硬化前被膜(A−1)のPETフィルムの表面に、JIS硬度40°のゴムロールを圧着させて、気泡を含まないように過剰な硬化性組成物(a)をしごき出し、前記鋳型の表面に硬化前被膜(A−2)の塗膜を形成した。次いで、硬化前被膜(A−2)の塗膜が形成された前記鋳型を、PETフィルムが上側になるようにして、出力40Wの蛍光紫外線ランプ(東芝(株)製、商品名:FL40BL)の下方20cmの位置を、2m/分間のスピードで通過させて、PETフィルムを介して蛍光紫外線ランプの光を硬化前被膜(A−2)に照射して、硬化させて、硬化後被膜(A−3)を得た。次いで、硬化後被膜(A−3)からPETフィルムを剥離し、硬化被膜(A−4)が積層された鋳型を得た。
次いで、硬化被膜(A−4)が積層された鋳型の硬化被膜部分を上側にして、出力30W/cmの高圧水銀灯の下方20cmの位置を3m/分間のスピードで通過させて、硬化被膜(A−4)に紫外線を照射してさらに硬化させ、膜厚30μmの硬化被膜(A−4)が鋳型表面に積層された積層型(X)を得た。硬化被膜(A−4)の鉛筆硬度は8Hであった。
次いで、前記積層型(X)と、硬化被膜(A−4)を形成していない別のSUS304板とを、積層型(X)の硬化被膜(A−4)が内側になるように対向させて、これら2枚のSUS304板の周縁部を軟質ポリ塩化ビニル製のガスケットで封じて、積層鋳型(Y)を作製した。
製造例4で調整した樹脂基材の原料(Z)を、前記の積層鋳型(Y)内に注入して軟質ポリ塩化ビニル製のガスケットで完全に封止した後、80℃の水浴中で1時間、次いで130℃の空気炉中で1時間加熱して重合させた。次いで、積層鋳型(Y)を室温まで冷却した後、両側2枚のSUS304板を剥離して、樹脂基材の片側表面に硬化被膜(A−4)が形成された厚さ1mmの樹脂積層体(C−1)を得た。
ポリアクリレート1を42.5質量部、ポリアクリレート2を42.5質量部、DEMAを5 質量部、トルエンを474質量部、酢酸エチルを237質量部、IPAを237質量部、架橋アクリル−スチレン粒子(固形分)を10質量部、開始剤1を5質量部及びBYK−UV 3505を混合し、これを硬化性組成物(s1)とした。前記樹脂積層体(C−1)の硬化被膜(A−4)が形成された面に、前記硬化性組成物(s1)をバーコーターを用いて塗布し、これを樹脂積層体(C−2)とした。
次いで、前記樹脂積層体(C−2)を70℃の熱風乾燥炉で10分間乾燥した後、高圧水銀灯を用いて積算光量600mJ/cm(波長320〜380nmの紫外線エネルギー量)の紫外線を照射して、膜厚1.3μmの硬化被膜を有する樹脂積層体(C−3)を得た。
得られた樹脂積層体(C−3)について、全光線透過率、ヘイズ値、鉛筆硬度、接触角、硬化被膜の残存率及び防汚耐久性を評価した。評価結果を表3に示す。
得られた樹脂積層体(C−3)は、表面の鉛筆硬度が8Hであり、透明性、表面硬度、硬化被膜(A)と硬化被膜(B)の密着性に優れていた。また、耐擦傷性及び耐クラック性が良好であった。
[実施例2〜9]
硬化性組成物(s1)として表1記載の組成物(1〜7)を使用した。硬化被膜(A)の膜厚、硬化被膜(B‘)の組成又は膜厚を表3記載のとおりとした以外は、実施例1と同様の方法で樹脂積層体を得た。評価結果を表3に示す。
[比較例1]
硬化性組成物(s1)の組成物の種類、硬化被膜(A)の膜厚、硬化被膜(B)の組成と膜厚を表3記載のとおりとした以外は、実施例1と同様の方法で樹脂積層体を得た。評価結果を表3に示す。比較例1の樹脂積層体は、硬化性組成物(s1)に含まれる有機溶媒(b4)がPGMであり、硬化性組成物(s1)が(b2−1)成分と(b2−2)成分を含まないため、鉛筆硬度、耐擦傷性、耐クラック製、硬化被膜の残存率が不十分であった。
[実施例10]
硬化被膜(A)の膜厚を表1記載のとおりとした以外は、実施例1と同様の方法で樹脂積層体を得た。評価結果を表3に示す。環境試験後の硬化被膜の残存率と耐クラック性が不十分であった。
[比較例2]
硬化被膜(A)を形成しない以外は、実施例1と同様の方法で樹脂積層体を得た。評価結果を表3に示す。比較例3の樹脂積層体は、硬化被膜(A)がないため、耐擦傷性、鉛筆硬度が不十分であった。
[実施例11]
実施例1で作成した樹脂積層体(C−1)の硬化被膜(A)が形成された面に、硬化性組成物(s2)として、表2記載の組成物9を塗布した。
次いで、前記樹脂積層体(C−1)の組成物9の塗布面に、製造例3で作成した転写フィルム1の帯電防止層が形成された面を、接触するように貼り合わせ、プレスロールの下を2.5m/分の速度で通過させて、前記硬化前被膜(B−1)の膜厚が表4記載のとおりとなるように調整しながら積層することにより、樹脂積層体(D−1)、硬化前被膜(B−1)、転写フィルム1の帯電防止層が順次積層された樹脂積層体(D−2)を得た。得られた樹脂積層体(D−2)を1分間保持した後、樹脂積層体(D−2)を出力120W/cmのメタルハライドランプの下24cmの位置を2.5m/分の速度で通過させて、メタルハライドランプの光を、硬化前被膜(B−1)に、転写フィルム1を介して照射して、硬化させることにより硬化被膜(B´´)を形成して、樹脂積層体(D−3)を得た。
この後、転写フィルム1のPETフィルムを前記の樹脂積層体(D−3)から剥離し、樹脂積層体(D−4)を得た。得られた樹脂積層体(D−4)の評価結果を表4に示す。
[実施例12〜16]
硬化性組成物(s2)として表2記載の組成物(10〜12)を使用した。転写フィルムの種類又は硬化被膜(B´´)の膜厚を表4記載のとおりとした以外は、実施例10と同様の方法で樹脂積層体を得た。得られた樹脂積層体の評価結果を表4に示す。
[比較例3,4]
硬化性組成物(s2)として表2の組成物(13,14)を使用し、さらに転写フィルムの種類又は硬化被膜(B´´)の膜厚を表4記載のとおりとした以外は、実施例12と同様の方法で樹脂積層体を得た。なお、転写フイルム2を使用したときは、転写フイルム2の接着層が硬化被膜(B)に接するように積層した。得られた樹脂積層体の評価結果を表4に示す。硬化性組成物(s2)が(b2−1)成分と(b2−2)成分を含まないため、鉛筆硬度、耐擦傷性、硬化被膜の残存率が不十分であった。また、比較例4は硬化被膜(B´´)の膜厚が大きいため、機能層(C)との密着性が不十分であった。



Claims (22)

  1. 樹脂基材の少なくとも一方の表面に硬化被膜(A)を備え、前記硬化被膜(A)における樹脂基材と接する面と対向する面に硬化被膜(B)を備えたシート状の樹脂積層体であって、
    前記硬化被膜(A)の鉛筆硬度が8H以上であり、
    前記硬化被膜(B)がウレタン(メタ)アクリレート由来の繰り返し単位(b2−1)及びアミノ基を有する(メタ)アクリレート由来の繰り返し単位(b2−2)の少なくとも1種類を含む、樹脂積層体。
  2. 前記硬化被膜(A)の膜厚が17μm以上40μm以下である、請求項1に記載の樹脂積層体。
  3. 前記樹脂積層体の表面の鉛筆硬度が8H以上である、請求項1又は2に記載の樹脂積層体。
  4. 前記樹脂積層体において、ISO 2409:1992に準拠したクロスカット剥離試験による前記硬化被膜(B)の残存率が80%以上である、請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂積層体。
  5. 前記硬化被膜(B)が、低屈折率層、高屈折率層、ハードコート層、帯電防止層、防眩層及び防汚層から選ばれる少なくとも1つの機能を有する層からなる、請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂積層体。
  6. 請求項1又は2に記載の樹脂積層体の硬化被膜(B)の表面に機能層(C)が積層されたシート状の樹脂積層体であって、
    前記機能層(C)が、低屈折率層、高屈折率層、ハードコート層、帯電防止層、防眩層及び防汚層から選ばれる少なくとも1つの機能を有する層からなる、樹脂積層体。
  7. 前記樹脂積層体の表面の鉛筆硬度が8H以上である、請求項6に記載の樹脂積層体。
  8. 前記樹脂積層体において、ISO 2409:1992に準拠したクロスカット剥離試験による前記硬化被膜(B)および前記機能層(C)の残存率が80%以上である、請求項6又は7に記載の樹脂積層体。
  9. 樹脂基材の少なくとも一方の表面に硬化被膜(A)を備え、硬化被膜(A)における樹脂基材と接する面と対向する面に硬化被膜(B)を備えたシート状の樹脂積層体であって、
    硬化被膜(A)が、分子中に3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する単量体由来の繰り返し単位(a1)、分子中に2個以下の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する単量体由来の繰り返し単位(a2)を含み、
    硬化被膜(B)が、ウレタン(メタ)アクリレート由来の繰り返し単位(b2−1)及びアミノ基を有する(メタ)アクリレート由来の繰り返し単位(b2−2)の少なくとも1種類を含む、樹脂積層体。
  10. 前記硬化被膜(A)の鉛筆硬度が8H以上である、請求項9に記載の樹脂積層体。
  11. 前記硬化被膜(A)の膜厚が17μm以上40μm以下である、請求項9又は10に記載の樹脂積層体。
  12. 前記樹脂積層体の表面の鉛筆硬度が8H以上である、請求項9〜11のいずれかに記載の樹脂積層体。
  13. 請求項9〜12のいずれかに記載の樹脂積層体であって、
    前記硬化被膜(B)が、分子中に3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する単量体由来の繰り返し単位(b1)を含み、且つ、低屈折率層、高屈折率層、ハードコート層、帯電防止層、防眩層及び防汚層から選ばれる少なくとも1つの機能を有する層からなる硬化被膜(B´)である樹脂積層体。
  14. 前記硬化被膜(B´)の膜厚が0.6μm以上3μm以下である、請求項13に記載の樹脂積層体。
  15. 請求項9〜11のいずれかに記載の樹脂積層体の硬化被膜(B)の表面に、機能層(C)を備えた樹脂積層体であって、
    前記硬化被膜(B)が、分子中に3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する単量体由来の繰り返し単位(b1)を含む樹脂組成物からなる硬化被膜(B´´)であり、
    前記機能層(C)が、低屈折率層、高屈折率層、ハードコート層、帯電防止層、防眩層及び防汚層から選ばれる少なくとも1つの機能を有する層からなる、樹脂積層体。
  16. 前記硬化被膜(B´´)が無機微粒子(b3)を含む、請求項15に記載の樹脂積層体。
  17. 前記硬化被膜(B´´)の膜厚が3μm以上7μm以下である、請求項15に記載の樹脂積層体。
  18. 前記機能層(C)の膜厚が0.05μm以上5.0μm以下である、請求項15に記載の樹脂積層体。
  19. 下記工程(1)及び(2)を含む樹脂積層体の製造方法。
    工程(1):樹脂基材の少なくとも一方の表面に、
    分子中に3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する単量体由来の繰り返し単位(a1)、分子中に2個以下の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する単量体由来の繰り返し単位(a2)を含む硬化被膜(A)を形成する。
    工程(2):前記硬化被膜(A)の表面に、ウレタン(メタ)アクリレート単位(b2−1)及びアミノ基を有するメタクリレート単位(b2−2)の少なくとも1種類を含む硬化被膜(B)を形成する。
  20. 前記工程(2)の硬化被膜(B)を形成する工程が、前記硬化被膜(A)の表面に、
    ・分子中に3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する単量体(b1)と、
    ・ウレタン(メタ)アクリレート単量体(b2−1)及びアミノ基を有する(メタ)アクリレート単量体(b2−2)の少なくとも1種類(ただし、単量体(b1)を除く)と、
    ・有機溶剤(b4)
    を含む硬化性組成物(s1)の塗膜を形成し、硬化して、硬化被膜(B´)を形成することを含む、請求項19に記載の樹脂積層体の製造方法。
  21. 前記工程(2)の硬化被膜(B)を形成する工程が、前記硬化被膜(A)の表面に、
    ・分子中に3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する単量体(b1)、及び
    ・ウレタン(メタ)アクリレート単量体(b2−1)及びアミノ基を有する(メタ)アクリレート単量体(b2−2)の少なくとも1種類(ただし、単量体(b1)を除く)
    を含む硬化性組成物(s2)の塗膜を形成し、硬化して、硬化被膜(B´´)を形成することを含み、さらに工程(2)の後に、下記工程(3)〜(5)を行うことを含む、請求項19に記載の樹脂積層体の製造方法。
    工程(3):樹脂フィルムの表面に、低屈折率層、高屈折率層、ハードコート層、帯電防止層、防眩層及び防汚層から選ばれる少なくとも1つの機能を有する層からなる、機能層(C)を形成する。
    工程(4):前記工程(2)で得られた硬化被膜(B´´)の表面に、前記工程(3)の機能層(C)を貼り合わせる。
    工程(5):前記樹脂フィルムを剥離し、樹脂基材の少なくとも一方の表面に、前記硬化被膜(A)、前記硬化被膜(B´´)、前記機能層(C)が順次積層された樹脂積層体を得る。
  22. 前記工程(3)において、前記機能層(C)の膜厚が0.05μm以上5.0μm以下となるように機能層(C)を形成する、請求項21に記載の樹脂積層体の製造方法。

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