JP2017100848A - 無端状平ベルトおよびその製造方法 - Google Patents

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Haruhide Okamura
東英 岡村
良寛 小西
Yoshihiro Konishi
良寛 小西
小野 充昭
Mitsuaki Ono
充昭 小野
直道 中井
Naomichi Nakai
直道 中井
甲斐 直樹
Naoki Kai
直樹 甲斐
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Abstract

【課題】ベルト圧着時の圧力ムラによる接着不良や、圧力ムラをなくすために高圧着させることによってひき起こされる機械への高負荷、ベルトの摩耗量増加、破断による短寿命化等を抑制することができる無端状平ベルトを提供する。【解決手段】内部ゴム層1とこの内部ゴム層1内に埋設されかつベルト幅方向に所定のピッチで螺旋状に巻回されたコード心線11とを含む心体層18と、内部ゴム層1に貼付された補強布2と、この補強布2の表面に積層された表面ゴム層3とを備えた無端状平ベルト17であり、心体層18のベルト周方向の引張弾性率が100〜5000MPa、ベルト幅方向の引張弾性率が1〜2000MPa、かつ、補強布2のベルト周方向の引張弾性率が0.1〜2000MPa、ベルト幅方向の引張弾性率が200〜2000MPaである。【選択図】図3

Description

本発明は、例えば、紙管巻き用ベルトのような、ねじれた状態で走行する用途に適した無端状平ベルトおよびその製造方法に関する。
従来、高速伝動用ベルトとして使用されている平ベルトには、ポリアミドフィルムを心体とした帯状のベルトの両端をスカイバー継手、フィンガー継手等の継手形状に加工した後、接着剤や熱接着を用いて一体に接着して無端状ベルトとするのが一般的である。
しかしながら、接着剤は通常、柔軟性が乏しいので、小径のプーリやねじれた状態でベルト走行させる場合、継手部でベルトが部分的に硬くなり、その部分に応力が集中しやすく、短期間で継手部に亀裂が発生したり、ベルトが破断に至ってしまうケースが発生してしまう。
また、例えば,紙管の製造においては、図14に示すように、紙テープ41をマンドレル42に螺旋状に巻き付けられて製造される。マンドレル42に巻き付けられた紙テープ41は,平ベルト43により軸方向に搬送される(特許文献1)。平ベルト43は、強くねじられて、接着剤の塗布された紙管の原紙を圧着させて送り出す機能を有する。
このように,紙管の製造に用いられる平ベルトは,強くねじられながら紙テープに巻き付けて圧着しながら高速走行する。そのため、ベルトは紙管に対してある一定角度で巻き付けて、紙管に圧着させながら走行させなければならず、巻付きの圧力にムラが発生しやすい。また、圧力ムラをなくすためにベルト張力をさらに上げて高圧着させると、ベルトが偏摩耗により短寿命化し、場合によっては破断してしまうケースも発生する。さらにはベルト張力をあげることで機械側への負荷が増大し、例えば紙テープを巻くマンドレルにベルトが強く巻き付けられているため、マンドレルが早期摩耗して、紙管不良が発生し、短期間にマンドレルの交換が必要となる。またベルトを強く巻くことにより消費電力も増大し、ランニングコストもかかってしまう。さらに、ベルトを単純に柔らかくして巻き付けを良くしても、強くねじられている為、ベルト変形量が大きくなってベルト同士が擦れることで偏摩耗し、短寿命に至ってしまう。
一方、継手部がない無端状平ベルトの従来の製法として、補強布の両端を繋ぎ合せて、ベルト寸法に応じた円筒状金型外面に被せ、これにコード心線を巻き掛け、さらにゴムシート等を被せて加硫成形させる方法が行われている。この無端状平ベルトは、ベルト自体に継手がなく、耐屈曲性や耐ねじれ走行にも優れるといった利点がある。しかし、この方法では、円筒状金型外面に材料を積層してベルト成形しているため、ベルト周長は金型周長に依存し、それぞれの周長ごとに円筒状金型を所有する必要がある。
特許文献2,3には、筒状横編布(丸編布)を2本のロール間に伸長状態で巻き掛け、ベルト幅方向に一定のピッチでコード心線を巻いて、一体に接着した無端ベルトが開示されている。補強布の繋ぎ合わせ部がないため、前記したような問題が発生しないが、ベルト周長は、使用する筒状横編布の周長によって決まるため、長さの異なる種々の無端状平ベルトを製造することが困難である。特に周長の長いベルトを作製することは困難であった。
実公平6−27865号公報 特開2005−314850号公報 特開2013−180832号公報
本発明の主たる課題は、ベルト圧着時の圧力ムラによる接着不良や、圧力ムラをなくすために高圧着させることによってひき起こされる機械への高負荷、ベルトの摩耗量増加、破断による短寿命化等を抑制することができる無端状平ベルトを提供することである。
本発明の他の課題は、円筒状金型を使用せず、周長の長いベルトであっても容易に作製することができる無端状平ベルトの製造方法を提供することである。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下の構成からなる。
(1)内部ゴム層と、この内部ゴム層内に埋設されかつベルト幅方向に所定のピッチで螺旋状に巻回されたコード心線とを含む心体層と、前記内部ゴム層に貼付された補強布とを備え、前記心体層のベルト周方向の引張弾性率が100〜5000MPa、ベルト幅方向の引張弾性率が1〜2000MPaであり、かつ、前記補強布のベルト周方向の引張弾性率が0.1〜2000MPa、ベルト幅方向の引張弾性率が200〜2000MPaであることを特徴とする無端状平ベルト。
(2)前記内部ゴム層における前記補強布が貼付されていない面、または前記補強布における前記内部ゴム層に貼付された面と反対側の面に表面ゴム層が貼付されている(1)に記載の無端状平ベルト。
(3)前記補強布は、内部ゴム層に貼付された面と反対側の面に表面ゴム層が貼付されており、コード心線を中心として対称性を有するように、コード心線を埋設した内部ゴム層の両面に補強布および表面ゴム層がこの順で積層されている(1)に記載の無端状平ベルト。
(4)前記補強布のベルト周方向の糸材料が、伸縮性を有する加工糸または弾性糸である(1)〜(4)のいずれかに記載の無端状平ベルト
(5)前記表面ゴム層の表面に微細な凹凸形状が施され、表面ゴム層の厚みが0.1〜5mmである(1)〜(4)のいずれかに記載の無端状平ベルト。
(6)補強布の表面にゴムシートを貼付するか、あるいは補強布の表面に液状ゴムを塗布乾燥させ、補強布の表面に内部ゴム層を形成する工程と、前記補強布の両端を接合して無端状にする工程と、無端状にした補強布の表面にコード心線を補強布の幅方向に所定のピッチで螺旋状に巻回し、前記内部ゴム層内に埋設して心体層を得、補強布と心体層との積層体を得る工程と、前記積層体を加熱加圧して加硫成形を行う工程とを含み、前記心体層のベルト周方向の引張弾性率が100〜5000MPa、ベルト幅方向の引張弾性率が1〜2000MPa、かつ、前記補強布のベルト周方向の引張弾性率が0.1〜2000MPa、ベルト幅方向の引張弾性率が200〜2000MPaであることを特徴とする無端状平ベルトの製造方法。
(7)無端状に形成した前記補強布を、少なくとも2つの回転ロール間に巻き掛け、この回転ロールを回転させてコード心線を補強布の幅方向に所定のピッチで螺旋状に巻回する(6)に記載の無端状平ベルトの製造方法。
(8)ベルト表面に表面ゴム層形成用のゴムシートを重ねあわせ、加圧下で加硫成形する(6)または(7)に記載の無端状平ベルトの製造方法。
(9)紙管巻き用ベルトである(1)〜(5)のいずれかに記載の無端状平ベルト。
本発明の無端状平ベルトによれば、心体層のベルト周方向の引張弾性率が100〜5000MPa、ベルト幅方向の引張弾性率が1〜2000MPa、かつ、前記補強布のベルト周方向の引張弾性率が0.1〜2000MPa、ベルト幅方向の引張弾性率が200〜2000MPaであるので、紙管巻き用ベルトのような、ベルトをねじりながら巻き付けて送り出す用途において、ねじりに対するベルト幅方向の剛性が保持されつつ、巻付き圧力を均等化でき、低張力でも安定に送り出すことができるとともに、ベルトの高寿命化、省電力化にもつながる。
また、本発明の無端状平ベルトの製造方法によれば、あらかじめ、補強布の両端を接着して無端状にするので、従来のように円筒状金型を使用することなく、ベルトの周長の長さを自由に設計でき、周長の長いベルトであっても容易に作製することができる。
本発明の一実施形態に係る無端状平ベルトを示す概略横断面図である。 本発明の他の実施形態に係る無端状平ベルトを示す概略横断面図である。 本発明のさらに他の実施形態に係る無端状平ベルトを示す概略横断面図である。 本発明の製造方法の一実施形態を説明するための工程図である。 (a)〜(c)は本発明における補強布の接合工程の一例を示す説明図である。 本発明における補強布の継手形状を示す斜視図である。 (a)〜(e)は本発明における補強布の他の継手形状を示す斜視図である。 糸を使った補強布の縫合による継手形状を示す説明図である。 本発明におけるコード心線の巻き掛け工程を示す説明図である。 実施例におけるベルト巻き付け圧着試験の方法を示す概略斜視図である。 ベルト巻き付け圧着試験におけるベルトの疑似紙管への巻き付け角度を示す概略斜視図である。 (a)はベルト巻き付け圧着試験における圧力分布の測定点を示す概略斜視図、(b)は測定結果の一例を示す図である。 実施例および比較例の試験結果を示す図である。 紙管の製造例を示す概略図である。
以下、本発明の実施形態に係る無端状平ベルトを、図1を参照して説明する。図1に示す無端状平ベルト15は、無端状平ベルト15の幅方向(矢印wで示す)に所定のピッチで螺旋状に巻回されたコード心線11を内部ゴム層1に埋設した心体層18と、この心体層18の片面に貼付された補強布2と、補強布2が貼付されていない心体層18の片面、および補強布2における心体層18に貼付された面と反対側の面にそれぞれ貼付された表面ゴム層3とからなる。
図2に示す無端状平ベルト16は、表面ゴム層3が心体層18の片面にのみ貼付された他は上記無端状平ベルト15と同様の構造を有する。
図3に示す無端状平ベルト17は、コード心線11を内部ゴム層1に埋設した心体層18の両面に補強布2、2’を貼付し、この補強布2の心体層18と反対側の面にそれぞれ表面ゴム層3を貼付した構造を有し、その他は上記無端状平ベルト15と同様の構造を有する。この例では、コード心線11を中心として対称性を有するように、コード心線11を内部ゴム層1に埋設した心体層18の両面に補強布2、2’および表面ゴム層3が積層されている。
(心体層18)
心体層18は、補強布2の片面にゴムシートを貼り合わせるか、あるいは液状ゴムを補強布2の面に塗布乾燥させることにより形成した内部ゴム層1の内部にコード心線11を埋設したものである。
(内部ゴム層1)
内部ゴム層1の材質としては、例えば、ニトリルゴム、カルボキシル化ニトリルゴム、水素添加ニトリルゴム、クロロプレンゴム、クロロスルフォン化ポリエチレン、ポリブタジエンゴム、天然ゴム、EPM、EPDM、ウレタンゴム、アクリルゴムからなる群より選択される少なくとも1種が挙げられる。この内部ゴム層1の厚さは0.1〜2.0mmであるのがよい。
(コード心線11)
前記内部ゴム層1中には、ベルトの長さ方向にコード心線11が埋設される。このコード心線11は、ベルトの幅方向に所定のピッチで螺旋状に巻回される。コード心線11は、ベルト走行時の斜行抑制のために、繊維がS撚に撚られたコード心線11aとZ撚に撚られたコード心線11bとを交互に配列するのが好ましい。
コード心線11としては、例えばポリアミド(PA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ビニロン等の繊維が単独または混合して使用される。ポリアミド繊維としては、例えばポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド46、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド610、及びこれらの共重合等のポリアミド繊維や他のポリマーとブレンドすることでも形成される。またPET、PBT、PTT、ビニロンも他の材料とのブレンドすることも可能である。また、PA、PET、PBT、PTTまたはビニロンの繊維は、性能を損なわない範囲で他の繊維を含有していてもよい。
コード心線11の太さは、長繊維または短繊維を引きそろえて撚りをかけた撚糸として、通常470〜25200dtex、好ましくは880〜18800dtexであるのがよい。
内部ゴム層と、この内部ゴム層内に埋設されかつベルト幅方向に所定のピッチで螺旋状に巻回されたコード心線から構成される心体層18は、ベルト周方向の引張弾性率が100〜5000MPa、好ましくは500〜3000MPaであり、ベルト幅方向の引張弾性率が1〜2000MPa、好ましくは10 〜500MPaである。心体層18の引張弾性率が上記範囲内にあると、ベルトの周方向の伸びが抑制され、ひねり走行に対する耐久性に優れる。一方、心体層18の引張弾性率が上記範囲を下回る場合は、ベルト張力が低くなり、例えば紙管を送り出す伝達能力を満たすことができなくなる。逆に上記範囲を超える場合は、ねじりによるベルト幅方向の張力差が大きくなるため、巻付き圧力が不均一となり圧着がうまくできなくなり、高圧着させる必要が生じ、短期間でベルト幅方向の永久伸びの差が生じやすく、圧着不良に繋がるため好ましくない。
(補強布2)
補強布2は、ベルトに耐久性を付与するものである。補強布2は、ベルト周方向の引張弾性率が0.1〜2000MPa、好ましくは1〜200MPaである。また、補強布2のベルト幅方向の引張弾性率は、200〜2000MPa、好ましくは300〜1000MPaである。このように補強布2はベルト周方向に伸縮性を有すると共に、ひねりに対するベルト幅方向に剛性が保持され、巻き付き圧力を均等化できる。
補強布2のベルト周方向に、前記した引張弾性率で表される伸縮性を付与するには、例えばベルト周方向に加工糸が用いられる。加工糸とは、一般に、フィラメ ント糸に細かい捲縮を与え、その捲縮を熱処理によって固定し、伸縮性とかさ高性を与えた糸をいう。材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリアミド等の繊維糸が使用できる。また他に伸縮性を有する糸材料として、カバードヤーンとして、ウレタン弾性糸、ポリエーテル・エステル系高弾性糸、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)等が使用できる。
ベルト幅方向に前記した引張弾性率を付与する補強布2の材料としては、例えばポリアミド繊維、アラミド繊維、ポリエステル繊維、ガラス繊維、綿糸、ビニロン繊維、及びポリケトン繊維から成る群より選択される少なくとも1つの材料から形成される。これらの繊維のフィラメント糸に捲縮を与えないか、あるいはわずかに捲縮を与えた状態で使用される。
(表面ゴム層3)
表面ゴム層3は、無端状平ベルト15の表面において、ベルトと搬送物や動力伝達装置との間で安定した伝達能力を持つ摩擦伝動に適したものが好ましい。このような表面ゴム層3の材質としては、例えばニトリルゴム、カルボキシル化ニトリルゴム、水素添加ニトリルゴム、クロロプレンゴム、クロロスルフォン化ポリエチレン、ポリブタジエンゴム、天然ゴム、EPM、EPDM、ウレタンゴム、アクリルゴム、シリコンゴムなどが挙げられる。表面ゴム層3の厚さは0.1〜5mm、好ましくは0.2〜3mmであるのがよい。
前記表面ゴム層3は、搬送物との摩擦係数の低下を防止するため、表面に微細な凹凸形状のパターン(いわゆる目付形状のパターン)が形成されていてもよい。
前記表面ゴム層3の表面に設けられる上記パターンは、加硫成形時に形成することができるが、加硫前または加硫後であってもよい。形成方法としては、例えば、未加硫の状態の前記表面ゴム層3の表面に微細な凹凸形状のパターンが施された成形ロール、もしくは布パターン素材を載置し、ついで加圧加硫して前記布パターン素材を前記表面ゴム層3の表面に強く押し付け、そのまま加硫をすすめて加硫完了後に前記布パターン素材をはがすことで表面ゴム層3の表面に凹凸を設けることができる。
次に、本発明の無端状平ベルトの製造方法を、図面を参照して説明する。
本発明の一実施形態に係る無端状平ベルト15の製造方法は、図4に示すように、下記工程(I)ないし(V)を含み、工程(I)〜(V)の順で行う。
(I)補強布2にゴムシートを貼付または液状ゴムを塗布乾燥する補強布処理工程
(II)両端部にそれぞれ互いに対応する凸部と凹部とを形成する補強布2の打ち抜き加工工程
(III)補強布2を無端状にする両端接着工程
(IV)無端状にした補強布2の表面にコード心線11を巻き掛けて積層体を得る巻き掛け工程
(V)積層体を加熱加圧して加硫成形を行う工程
<工程(I)>
図5(a)に示すように、帯状の補強布2の表面にゴムシートを貼付するか、あるいは液状ゴムを塗布乾燥させた後、所定の長さに切断する。ゴムシートの貼付は、接着剤を使用してもよく、あるいは加熱加圧による接着でもよい。使用するゴムシートの厚さまたは液状ゴムの塗布量は、形成される内部ゴム層1の厚さに応じて調整する。
<工程(II)>
図5(b)に示すように、補強布2のそれぞれの端面同士の凹凸部が嵌合して接着される、いわゆるフィンガー継手形状4の凸部4aと凹部4bを形成するために、補強布打ち抜き加工を行う。フィンガー継手形状4では、補強布2の一端にベルトの長手方向に突出する複数の略二等辺三角形の凸部4aが幅方向に連続して鋸刃状に形成され、他端に凸部4aに対応する形状の凹部4bを設けた形状を有する。
前記補強布2にフィンガー継手形状4を形成する方法としては、打ち抜き加工が挙げられるが、切削加工にて形成してもよい。打ち抜き加工後、次の接着工程に送られる。
<工程(III)>
図5(c)に示すように、フィンガー継手形状4で嵌合された補強布2の継手部をプレス機5にて加熱加圧し、両端を接着させて無端状にする。
図6は、このようにして接合された継手形状を示している。図6に示す凸部4aと凹部4bの幅Wは、通常5〜100mm、好ましくは10〜30mmであり、長さLは、通常1000〜20000mm、好ましくは50〜150mmであるのがよい。
また、図6に示すフィンガー継手形状では、継手は補強布2の長さ方向に直交して形成されているが、図7(a)に示すように、補強布2の長さ方向に対して傾斜して形成されたフィンガー継手形状(矢印F1で示す)であってもよい。またフィンガー継手形状は、前記した凸部4aや凹部4bが二等辺三角形以外の形状、例えば図7(b)〜(e)に矢印F2〜F5で示すような、四角形、略半円形、台形、凸形等の凹凸形状であってもよい。
なお、工程(II)、工程(III)のような接着でなく、図8に示すように、糸10a、10bで補強布2の両端12a、12bを縫合してもよい。図8は。ミシンによる縫合状態を示しており、一方が上糸10aで、他方が下糸10bとなり、これらの糸10a、10bを絡ませることにより、補強布2の両端12a、12bをしっかりと接合することができる。なお、下糸10bにおいて、補強布2の裏側に位置しているために見えない部位は破線で示している。補強布2の両端12a、12bは、図8に一点鎖線で示すように、互いに突き合わせた状態で縫合されているか、隙間がある状態で縫合してもよい。
<工程(IV)>
図9に示すように、無端状の補強布2を、駆動プーリ7aと受動プーリ7bの少なくとも2軸からなるコード巻き装置7に巻き掛けて適正な張力を与えながら、コード張力制御装置6にて張力を制御したコード心線11を、補強布2の幅方向に所定のピッチで螺旋状に巻き回す(ワインディング加工)。これにより、コード心線11は補強布2に巻き付けられて、補強布2と心体層18(内部ゴム層1とコード心線11)からなる積層体20を得る。この積層体20は、心体層18の両面に補強布2を設けるものであってもよい。
コード心線11は、S撚に撚られたコード心線11aとZ撚に撚られたコード心線11bとが交互に補強布2の幅方向に配列されるように巻き付けるのが、ベルトの斜行を防止するうえで好ましい。また、無端状の補強布2の周長が長い場合、コード巻き装置7の駆動プーリ7aと受動プーリ7bとの間に1または2以上のガイドローラ(図示せず)を設けて、行程を長くすればよい。
<工程(V)>
積層体20の両面に、表面ゴム層3形成用のシート状のゴム素材を重ね合わせ、加熱加圧して、内部ゴム層1および表面ゴム層3の加硫成形を同時に行う。ゴム素材の重ね合わせと、加硫成形とは、連続的に行うようにしてもよい。かくして、図1に示す無端状平ベルト15が得られる。
また、積層体20の片面のみに、表面ゴム層3形成用のシート状のゴム素材を重ね合わせ、加熱加圧すると、図2に示す無端状平ベルト16が得られる。
さらに、図9に示す工程(IV)において、コード心線11を、補強布2の幅方向に所定のピッチで螺旋状に巻き掛けた後、内部ゴム層1の補強布2を貼付した面とは反対面に他の補強布2’を貼付し、それら補強布2、2’の外面に表面ゴム層3を形成すると、図3に示す無端状平ベルト17が得られる。
以下、実施例を挙げて本発明の無端状平ベルトおよびその製造方法を説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
補強布の材料としてポリアミド66長繊維を用い、ベルト周方向に220dtexの加工糸を71本/25mm、ベルト幅方向に235dtexの糸を108本/25mmの糸密度で織った帆布を補強布として使用した。次に、NBR(ニトリルブタジエンゴム)シートを貼付した後、帆布の両端を突合せて配置し、100℃でプレス加工を行い、無端状の帆布を形成した。
次に、図9に示すようなコード巻き装置7の駆動プーリ7aと受動プーリ7bに無端状の帆布を巻き掛け、コード心線として2100dtexのポリアミド66長繊維を引き揃えて12600dtexとして撚りをかけた撚糸を用い、コード心線の張力制御装置にて張力制御しながら、無端状の帆布のNBRシート中に螺旋状に埋没させた後、外面にポリアミド帆布(補強布)を巻き付けて、積層体を得た。
次に、積層体の両面に厚さ1mmのNBRシートを貼付して加硫成形を行い、図3に示すような構造を有する厚さ4.6mm、幅115mm、周長3300mmの無端状平ベルトを得た。
(実施例2)
コード心線として1400dtexのポリアミド66長繊維を引き揃えて5600dtexとした糸を使用した他は、実施例1と同様にして、厚さ4.2mm、幅115mm、周長3300mmの無端状平ベルトを得た。
(実施例3)
コード心線として470dtexのポリアミド46長繊維を引き揃えて5640dtexとした糸を使用した他は、実施例1と同様にして、厚さ4.2mm、幅115mm、周長3300mmの無端状平ベルトを得た。
(比較例1)
厚さ2.0mmのポリアミドフィルムの両面にそれぞれポリアミド帆布およびNBRシートを順に貼り合せて加硫成形後、両端部を接着剤により接合して、ベルト厚が4.0mm、幅115mm、周長3300mmの無端状平ベルトを得た。
<巻付け圧着試験>
図10に示すように、径が76.2mmの樹脂管である疑似紙管21を一対のプーリ22,22(径200mm)の間に設置し、無端状平ベルト23をひねって、疑似紙管21に巻付け、両プーリ22,22間に巻き掛けた。このとき、図11に示すように、疑似紙管21へのベルト23の挿入角度θは60度とした。また、ベルト走行時に疑似紙管21に加わる圧力の分布状態を計測するために、疑似紙管21の外周面には、フィルム式圧力分布測定システムI-SCAN(タクタイルセンサシステム;ニッタ(株)製)が巻き付けてある。この状態で、室温下、平ベルト23を静止状態で引張り、疑似紙管21に加わる圧力分布を計測した。
圧力分布は、図12(a)に示すように、疑似紙管21へのベルト23の入り部(I)から中間部(II)を経て送り部(III)までの間で計測した。計測した圧力分布状態の一例を図12(b)に示す。図12(b)において、ベルト23内の濃色部Cは高圧着部位であり、淡色になるに従って圧力が低下していくことを示している。
<引張弾性率>
引張弾性率をJ I S L 1096 に準拠して測定した。一般に引張弾性率は応力-歪み曲線の比例限度に補助線を引いて、フックの法則に従い、以下の式から求めることができる。
式: E=σ/ε
(E:引張弾性率(MPa),σ:比例限度の引張強さ(MPa),ε:比例限度の歪み)
各材料についての比例限度の引張強さσおよび比例限度の歪みεは、引張試験より得られた応力-歪み曲線の歪み量0〜0.05の範囲から求めた。
<取付ベルト張力>
巻付け圧着試験を行う際に、図10に示すように、無端状平ベルト23をねじって、疑似紙管21に巻付け、両プーリ22,22間に巻き掛けて伸張させた状態で、ベルト23を音波式ベルト張力計(品名U-508:ゲイツ・ユニッタ・アジア(株)製)を、図10に示す符号Mで示す位置に取り付けてベルト張力を測定した。
これらの試験結果を図13に示す。図13に示すように、比較例1は、濃色で表示される高圧着部位が入り側のベルトに多く存在し、全体として巻付き圧力が均等化されていない。これに対して、実施例1〜3では、高圧着部位が少なく、全体として巻付き圧力が均等化されていることがわかる。
従って、本発明の無端状平ベルトは、ベルトをねじって走行させて巻き付ける紙管巻機のような用途に適していることがわかる。
1 内部ゴム層
2 補強布
3 表面ゴム層
4 フィンガー継手形状
4a 凸部
4b 凹部
10a、10b 縫い糸
11 コード心線
15 無端状平ベルト
16 無端状平ベルト
17 無端状平ベルト
18 心体層
20 積層体
21 疑似紙管
22 プーリ
23 無端状平ベルト

Claims (9)

  1. 内部ゴム層と、この内部ゴム層内に埋設されかつベルト幅方向に所定のピッチで螺旋状に巻回されたコード心線とを含む心体層と、
    前記内部ゴム層に貼付された補強布とを備え、
    前記心体層のベルト周方向の引張弾性率が100〜5000MPa、ベルト幅方向の引張弾性率が1〜2000MPaであり、かつ、
    前記補強布のベルト周方向の引張弾性率が0.1〜2000MPa、ベルト幅方向の引張弾性率が200〜2000MPaであることを特徴とする無端状平ベルト。
  2. 前記内部ゴム層における前記補強布が貼付されていない面、または前記補強布における前記内部ゴム層に貼付された面と反対側の面に表面ゴム層が貼付されている請求項1に記載の無端状平ベルト。
  3. 前記補強布は、内部ゴム層に貼付された面と反対側の面に表面ゴム層が貼付されており、コード心線を中心として対称性を有するように、コード心線を埋設した内部ゴム層の両面に補強布および表面ゴム層がこの順で積層されている請求項1に記載の無端状平ベルト。
  4. 前記補強布のベルト周方向の糸材料が、伸縮性を有する加工糸または弾性糸である請求項1〜3のいずれかに記載の無端状平ベルト
  5. 前記表面ゴム層の表面に微細な凹凸形状が施され、表面ゴム層の厚みが0.1〜5mmである請求項1〜4のいずれかに記載の無端状平ベルト。
  6. 補強布の表面にゴムシートを貼付するか、あるいは補強布の表面に液状ゴムを塗布乾燥させ、補強布の表面に内部ゴム層を形成する工程と、
    前記補強布の両端を接合して無端状にする工程と、
    無端状にした補強布の表面にコード心線を補強布の幅方向に所定のピッチで螺旋状に巻回し、前記内部ゴム層内に埋設して心体層を得、補強布と心体層との積層体を得る工程と、
    前記積層体を加熱加圧して加硫成形を行う工程と
    を含み、
    前記心体層のベルト周方向の引張弾性率が100〜5000MPa、ベルト幅方向の引張弾性率が1〜2000MPa、かつ、前記補強布のベルト周方向の引張弾性率が0.1〜2000MPa、ベルト幅方向の引張弾性率が200〜2000MPaであることを特徴とする無端状平ベルトの製造方法。
  7. 無端状に形成した前記補強布を、少なくとも2つの回転ロール間に巻き掛け、この回転ロールを回転させてコード心線を補強布の幅方向に所定のピッチで螺旋状に巻回する請求項6に記載の無端状平ベルトの製造方法。
  8. ベルト表面に表面ゴム層形成用のゴムシートを重ね合わせ、加圧下で加硫成形する請求項6または7に記載の無端状平ベルトの製造方法。
  9. 紙管巻き用ベルトである請求項1〜5のいずれかに記載の無端状平ベルト。
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