(実施形態1)
以下では、本実施形態の電磁石装置10を、図1ないし図4に基づいて説明する。図中においては、同じ部材に対し、同じ符号を付して重複する説明を省略する。各図面が示す部材の大きさや位置関係は、説明を明確にするために誇張していることがある。以下の説明において、本実施形態を構成する各要素は、複数の要素を一の部材で構成して一の部材が複数の要素を兼ねる態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現してもよい。
本実施形態の電磁石装置10は、図1ないし図4に示すように、コイル3と、ボビン2と、可動鉄芯1と、接続端子4と、保護素子5と、を備えている。ボビン2は、筒部2aおよび鍔部2bを有している。筒部2aは、コイル3が巻き回しされる。鍔部2bは、コイル3の軸方向に沿った筒部2aの一端部において、軸方向に対して傾斜する方向に突出する。可動鉄芯1は、筒部2aに収納される。可動鉄芯1は、コイル3に生じる電磁力により、軸方向に沿って移動するように構成されている。接続端子4は、コイル3と電気的に接続される。保護素子5は、コイル3への通電が遮断されることで生じるサージ電圧を低減する。
電磁石装置10は、さらに、カバー部6を備えている。カバー部6は、鍔部2bを覆うように、鍔部2bに取り付けられている。接続端子4は、カバー部6によって、鍔部2bとの間に保持されている。接続端子4は、第1接続端子部4aと、第2接続端子部4bと、を有している。第1接続端子部4aは、コイル3の一端と電気的に接続される。第2接続端子部4bは、コイル3の一端と反対の他端と電気的に接続される。第1接続端子部4aと第2接続端子部4bには、コイル3と電気的に並列接続されるように、保護素子5が連結されている。
鍔部2bまたはカバー部6のいずれか一方は、鍔部2bとカバー部6との相対的な位置を決める位置決めピン7aを備えている。鍔部2bまたはカバー部6の他方には、位置決めピン7aと嵌め合わせられる嵌合部7bを備えている。図1ないし図4では、鍔部2bは、カバー部6との相対的な位置を決める位置決めピン7aを備え、カバー部6は、位置決めピン7aと嵌め合わせられる嵌合部7bを備えた例を示している。接続端子4は、位置決めピン7aが挿通される挿通孔7cを有している。
本実施形態の電磁石装置10は、鍔部2bに位置決めピン7aを備え、カバー部6に位置決めピン7aと嵌め合わせられる嵌合部7bを備え、接続端子4に位置決めピン7aが挿通される挿通孔7cを有していることで、より信頼性を高めることができる。
以下では、本実施形態の電磁石装置10について、より具体的に説明する。
電磁石装置10は、可動鉄芯1と、ボビン2と、コイル3と、接続端子4と、保護素子5と、カバー部6とに加え、固定鉄芯9と、継鉄11と、プレート12と、ガイドパイプ13と、復帰ばね14と、を備えている。電磁石装置10は、さらに、電線15と、消音部材16と、アクチュエータ17と、を備えている。
本実施形態の電磁石装置10は、図1、図2および図4で示す電線15から接続端子4を介して、ボビン2に形成されたコイル3へ通電できるように構成されている。電磁石装置10は、コイル3への通電に伴い電磁力を生じる。電磁石装置10は、可動鉄芯1、固定鉄芯9、継鉄11およびプレート12が、コイル3により生じる磁束を通す磁路を形成している。言い換えれば、本実施形態の電磁石装置10は、可動鉄芯1、固定鉄芯9、継鉄11およびプレート12が磁気回路を形成している。
電磁石装置10は、コイル3への通電により励磁状態にされている場合、図2に示すように、可動鉄芯1が固定鉄芯9に引き付けられ、可動鉄芯1が縮むようにボビン2に収納される。電磁石装置10では、可動鉄芯1が固定鉄芯9に引き付けられた場合、復帰ばね14が圧縮されて復帰ばね14の全体が縮んだ状態となる。電磁石装置10では、コイル3への通電が行われていない消磁状態の場合、復帰ばね14のばね力により、可動鉄芯1と固定鉄芯9とが離間し、可動鉄芯1が伸びるようにボビン2から外部に突出する。すなわち、電磁石装置10は、電磁エネルギを機械的な運動に変換している。
電磁石装置10は、コイル3の通電が遮断される場合、コイル3に通電させる電源装置の電源電圧とは逆の方向に瞬間的に電圧値の高いサージ電圧を生じさせる。電磁石装置10は、サージ電圧により、電磁石装置10と電気的に接続されコイル3に生じる電磁力を制御する制御回路に大きな電流を流し、制御回路に損傷を与えるおそれがある。電磁石装置10では、コイル3と保護素子5とを電気的に並列接続させ、サージ電圧に伴う電流を保護素子5で消費させることにより、サージ電圧を低減させる。電磁石装置10では、保護素子5でサージ電圧を低減させることで、制御回路の損傷を防止させることができる。
以下では、本実施形態の電磁石装置10に用いられる各構成について、詳述する。
可動鉄芯1は、円柱状の外形形状をしている。可動鉄芯1は、先端が内部に窪んだ凹所1aaを有している。可動鉄芯1は、図2に示すように、凹所1aaを有する先端と反対側にアクチュエータ17を保持する保持端1aを有している。可動鉄芯1は、ガイドパイプ13を介して、ボビン2の筒部2aに収納されている。可動鉄芯1は、ボビン2における筒部2aに収納できるように、外径が筒部2aの内径よりも小さく、且つガイドパイプ13の内径よりも若干小さく形成されている。可動鉄芯1は、ガイドパイプ13内で移動できるように構成されている。
可動鉄芯1は、コイル3により生じる磁束を通す材料により形成している。可動鉄芯1は、磁束を通す強磁性の剛体より形成することができる。可動鉄芯1の材料としては、たとえば、電磁軟鉄、コバルト、ニッケル、ケイ素鋼、パーマロイやフェライトなどを用いることができる。可動鉄芯1は、円柱状だけに限られず、角柱状や立方体など種々の外形形状とすることができる。可動鉄芯1は、ガイドパイプ13との摩擦を低減させるために、被覆膜で被覆されていてもよい。被覆膜としては、ニッケルなどのめっき、窒化処理により形成された窒化膜、フッ素樹脂や二硫化モリブデンなどが挙げられる。
ボビン2は、円筒状の筒部2aと、筒部2aの両端部から軸方向と垂直な径方向に突出する鍔部2bと、を有している。鍔部2bは、平板環状の外形形状をしている。鍔部2bは、軸方向から見て、矩形状であり、矩形状の中央部に筒部2aと連なって通じる開口孔2aaを有している。以下では、2つの鍔部2bのうち、一方の鍔部2bを第1鍔体2bsと称し、他方の鍔部2bを第2鍔体2btと称することもある。筒部2aは、長手方向の一端に第1鍔体2bsが設けられている。筒部2aは、長手方向の一端と反対の他端に第2鍔体2btが設けられている。
ボビン2は、図1に示すように、接続端子4を保持する端子保持部2fが、筒部2aの一端部に形成された第2鍔体2btに備えられている。端子保持部2fは、筒突起2mと、第1囲繞壁2pと、第2囲繞壁2qと、保持突起2rと、間隙突起2sと、を備えている。端子保持部2fは、複数の位置決めピン7aを有している。筒突起2mは、円筒状の外形形状をしている。筒突起2mは、開口孔2aaを囲み、軸方向に沿って、第2鍔体2btから突出するように構成されている。第1囲繞壁2pは、矩形の平板状の外形形状をしている。第1囲繞壁2pは、軸方向から見て、矩形の第2鍔体2btの一辺に沿って設けられている。第2囲繞壁2qは、矩形の平板状の外形形状をしている。第2囲繞壁2qは、軸方向から見て、第1囲繞壁2pと対向するように第2鍔体2btに設けられている。
保持突起2rは、軸方向から見て、第1囲繞壁2pおよび第2囲繞壁2qが設けられていない第2鍔体2btの辺における中央部に設けられている。保持突起2rは、矩形の平板状の外形形状をしている。保持突起2rは、軸方向に沿って、第2鍔体2btから突出するように構成されている。保持突起2rの先端には、外方へ向かって突出する爪部2tが形成されている。保持突起2rは、爪部2tと反対方向に撓むことができるように弾性を有している。
間隙突起2sは、軸方向から見て、第2鍔体2btの一辺に沿って保持突起2rの両側に設けられている。間隙突起2sは、第2鍔体2btから軸方向に沿った突出量が保持突起2rよりも小さく形成されている。間隙突起2sは、カバー部6と当たって、ボビン2とカバー部6との間に、接続端子4や保護素子5を収容する所定の空間が形成されているように構成されている。
位置決めピン7aは、軸方向から見て、筒突起2mの外周に沿って、複数設けられている。複数の位置決めピン7aは、軸方向に沿って、第2鍔体2btから突出している。図1では、位置決めピン7aを4個設けているが、4個だけに限られない。位置決めピン7aは、円柱状の外形形状をしている。
すなわち、ボビン2は、軸方向から見て、筒突起2mを囲むように、複数の位置決めピン7aが配置され、複数の位置決めピン7aを囲むように、第1囲繞壁2pと第2囲繞壁2qと保持突起2rと間隙突起2sとが第2鍔体2btに配置されている。第2鍔体2btは、カバー部6が取り付けられた状態で、保護素子5を収納する収納凹所2baを備えている。収納凹所2baは、保護素子5の外形形状と相似形で、保護素子5の外形形状よりも若干大きい形状に形成されていればよい。言い換えれば、収納凹所2baは、保護素子5を収納する収納部8aの一部を構成している。
ボビン2は、樹脂材料を用いて形成されている。ボビン2の樹脂材料としては、たとえば、PA(Poly Amide)樹脂を用いることができる。ボビン2の樹脂材料は、PA樹脂だけでなく、PBT(Poly Butylene Terephthalate)樹脂、LCP(Liquid Crystal Plastic)樹脂、PET(Poly Ethylene Terephthalate)樹脂、フェノール樹脂、ABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)樹脂やPP(polypropylene)樹脂などを用いることができる。ボビン2は、樹脂材料を用いる場合、樹脂材料中にガラス繊維を配合させることで機械的強度が高められていてもよい。ボビン2は、たとえば、樹脂材料中に30重量%のガラス繊維が配合された構成とすることができる。樹脂材料中のガラス繊維は、30重量%だけに限られず、5重量%ないし50重量%の範囲内で適宜に含有されていればよい。
コイル3は、ボビン2の筒部2aに線材が巻き回しされて形成される。線材は、表面が絶縁処理された金属線材を用いることができる。金属線材には、たとえば、銅線を用いることができる。金属線材は、たとえば、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂やポリイミド樹脂などの絶縁材により被膜され、表面の絶縁処理が行われている。コイル3は、図4に示すように、外周に外装テープ18が巻かれていることが好ましい。
接続端子4は、コイル3と、電線15と、を電気的に接続させ、コイル3に通電できるように構成されている。接続端子4は、ボビン2の鍔部2bと、カバー部6との間に挟み持たれるように構成されている。接続端子4は、金属材により構成された第1接続端子部4aと、金属材により構成された第2接続端子部4bと、を有している。第1接続端子部4aは、ボビン2から導出したコイル3の一端と電気的に接続される。第2接続端子部4bは、ボビン2から導出したコイル3における一端と反対の他端と電気的に接続される。
第1接続端子部4aと第2接続端子部4bとは、保護素子5によって電気的に接続されている。第1接続端子部4aと第2接続端子部4bとは、筒突起2mを介して、所定の間隔を隔てて端子保持部2fにそれぞれ保持される。接続端子4は、軸方向から見て、第1接続端子部4aと、第2接続端子部4bとを、線対象の構造としている。電磁石装置10は、接続端子4として、第1接続端子部4aと第2接続端子部4bとの2つを備えた構成だけでなく、3つ以上を備えた構成でもよい。以下では、接続端子4の構成を、主として第1接続端子部4aにより説明する。
第1接続端子部4aは、図1に示すように、端子本体部4sと、保持部4tと、挟持部4uと、端子部4vと、を有している。端子本体部4sと保持部4tと挟持部4uと端子部4vとは、一体的に形成されている。
端子本体部4sは、長尺の平板状の外形形状をしている。端子本体部4sは、第2鍔体2btにおける筒突起2m周りに配置できるように構成されている。端子本体部4sは、厚み方向に貫通する挿通孔7cを有している。挿通孔7cは、位置決めピン7aが挿通されるように、位置決めピン7aの外径よりも若干大きく形成されている。端子本体部4sは、長手方向の両端部に挿通孔7cが設けられている。
保持部4tは、平板状の外形形状をしている。保持部4tは、軸方向に沿って、端子本体部4sから突出するように設けられている。保持部4tは、軸方向に沿って切り欠くように形成された溝4taを備えている。溝4taは、保護素子5のリード端子5aの外径よりも若干小さい幅を有している。保持部4tは、溝4taに保護素子5のリード端子5aが圧入されると、リード端子5aを挟み持つことができるように構成されている。保持部4tは、溝4taによって、保護素子5のリード端子5aを挟み持つ構成だけに限られず、端子本体部4sから突出した板部を折り曲げ加工して、かしめることで保護素子5のリード端子5aを保持する構造とすることもできる。
挟持部4uは、コイル3の一端を挟み持つことができるように構成されている。挟持部4uは、接続端子4の一側縁から幅方向に突出する側端縁を折り曲げ加工することにより形成される。
端子部4vは、挟持部4uが形成された端子本体部4sと反対側に設けられている。端子部4vの先端には、電線15の芯線15aが挿入できるように筒状に形成されている。端子部4vは、端子本体部4sにおける鍔部2bから突出した部位を、折れ曲がるように屈曲させた屈曲部4aaを有している。屈曲部4aaは、保持部4tの近傍に形成されている。端子部4vは、かしめにより、電線15と電気的かつ機械的に接続される。端子部4vは、電線15がかしめられた後、ヒュージングが行われてもよい。電磁石装置10は、かしめにより接続端子4と電線15とを接合させる構成だけに限られず、スポット溶接、半田付けやレーザ溶着により接続させてもよい。
接続端子4は、平板状の金属材に、打ち抜き加工、折り曲げ加工や押圧加工を施して形成することができる。接続端子4は、導電性の高い材料を用いることが好ましい。接続端子4の材料としては、たとえば、黄銅を用いることができる。接続端子4の材料は、黄銅だけに限られず、リン青銅、鉄、ステンレスなどを用いることができる。接続端子4は、表面をスズや銀でめっきした構造としてもよい。
保護素子5は、サージ電圧で生ずる電流を消費させることができる構成としている。保護素子5は、たとえば、円柱状の素子本体5bと、素子本体5bの長手方向の両端から突出する一対のリード端子5aと、を備えている。保護素子5は、たとえば、ダイオードが用いられる。保護素子5は、ダイオードだけに限られず、トランジスタを用いてもよい。ダイオードは、整流ダイオードやツェナーダイオードを利用してもよい。保護素子5は、種々の外形形状の構成とすることができる。
カバー部6は、平板状であって、中央部に開口6aaを有する環状の外形形状をしている。カバー部6は、ボビン2の筒突起2mが開口6aaに挿通できるように形成されている。カバー部6は、軸方向から見て、開口6aaを介して対向するように、一対の開口部6ccが形成されている。開口部6ccは、カバー部6の厚み方向に貫通している。カバー部6は、ボビン2に設けられた保持突起2rが開口部6ccに挿入され、開口部6ccの周部に爪部2tが係り合うことができるように形成されている。カバー部6は、軸方向に突出する嵌合部7bが備えられている。
嵌合部7bは、カバー部6の開口6aaの周部に沿って複数設けられている。嵌合部7bは、円筒状の外形形状をしている。嵌合部7bは、位置決めピン7aが挿通され嵌め合される孔部7baを有している。カバー部6は、鍔部2bに取り付けられた状態で、図2および図3に示すように、保護素子5の素子本体5bを収納する収納溝6baを備えている。収納溝6baは、保護素子5の外形形状と相似形で、保護素子5の外形形状よりも若干大きい形状に形成されていればよい。言い換えれば、収納溝6baは、保護素子5を収納する収納部8aの一部を構成している。カバー部6は、第2鍔体2btとの間に、第1接続端子部4a、第2接続端子部4bおよび保護素子5を挟み込んで、爪部2tが開口部6ccの周部に係り合わせることで、鍔部2bに取り付けられる。
カバー部6は、電気絶縁性を有する樹脂材料を用いて形成することができる。カバー部6の樹脂材料としては、たとえば、PA樹脂を用いることができる。カバー部6の樹脂材料は、PA樹脂だけでなく、PBT樹脂、LCP樹脂、PET樹脂、フェノール樹脂、ABS樹脂やPP樹脂などを用いることができる。カバー部6は、樹脂材料中にガラス繊維を配合させることで機械的強度が高められていてもよい。カバー部6は、たとえば、樹脂材料中に30重量%のガラス繊維が配合された構成とすることができる。樹脂材料中のガラス繊維は、30重量%だけに限られず、5重量%ないし50重量%の範囲内で適宜に含有されていればよい。カバー部6は、射出形成により種々の形状に形成することができる。
固定鉄芯9は、先端部9aと、コア本体部9bと、固定部9cと、を備えている。先端部9aは、コア本体部9bの一端に設けられている。先端部9aは、コア本体部9bから離れるにつれ、先細りする円錐台状の外形形状をしている。コア本体部9bは、円柱状の外形形状をしている。固定部9cは、コア本体部9bを介して、先端部9aと反対側に設けられている。固定部9cは、外径がコア本体部9bよりも小さい円筒状の外形形状をしている。固定鉄芯9は、コア本体部9bの外径がガイドパイプ13の内径よりも若干小さい円柱状に形成されている。固定鉄芯9は、先端部9aが可動鉄芯1と対向するように配置される。固定鉄芯9は、固定部9cが継鉄11に固定される。
固定鉄芯9は、先端部9aとコア本体部9bと固定部9cとが一体的に形成されている。固定鉄芯9は、磁束を通す強磁性の剛体より形成されている。固定鉄芯9は、コイル3により生じる磁束を通す材料により形成することができる。固定鉄芯9の材料としては、たとえば、鉄、コバルト、ニッケル、ケイ素鋼、パーマロイやフェライトなどを用いることができる。固定鉄芯9は、可動鉄芯1と同じ材料を用いて構成されていてもよいし、異なる材料を用いて構成されていてもよい。
継鉄11は、基底部11aと、第1側部11bと、第2側部11cと、を備えている。基底部11aは、長尺の矩形平板状の外形形状をしている。基底部11aは、中央部において、厚み方向に貫通する貫通孔11aaを有している。第1側部11bは、矩形平板状の外形形状をしている。第2側部11cは、矩形平板状の外形形状をしている。基底部11aは、長手方向の一側縁に沿って第1側部11bが設けられ、一側縁と反対の他側縁に第2側部11cが設けられている。第1側部11bと第2側部11cとは、対向するように配置されている。継鉄11は、基底部11aと第1側部11bと第2側部11cとで、側面視において、C字状の外形形状に形成されている。
継鉄11は、基底部11aの貫通孔11aaに固定鉄芯9の固定部9cが嵌め込まれている。継鉄11は、たとえば、1枚の板材を折り曲げ加工することにより連続一体的に形成することができる。継鉄11は、コイル3と磁気的に結合するように構成されている。継鉄11の材料としては、たとえば、磁性金属材料を用いることができる。継鉄11の磁性金属材料としては、たとえば、亜鉛メッキ鋼板などを用いることができる。継鉄11は、コイル3で生じる電磁力を増強させる。
プレート12は、平板状の外形形状をしている。プレート12は、中央部において、厚み方向に貫通する通孔12aaを備えている。プレート12は、ガイドパイプ13が挿通できるように、通孔12aaがガイドパイプ13の外径よりも若干大きく形成されている。プレート12は、アクチュエータ17が当たるように、通孔12aaがアクチュエータの外形よりも小さく形成されている。プレート12の材料としては、たとえば、磁性金属材料たる鉄を用いて形成されている。プレート12の磁性金属材料としては、たとえば、亜鉛メッキ鋼板などを用いることができる。プレート12は、継鉄11と同じ材料を用いて形成されていてもよいし、異なる材料を用いて形成されていてもよい。プレート12は、コイル3で生ずる電磁力を増強させる。
ガイドパイプ13は、円筒状の外形形状をしている。ガイドパイプ13は、可動鉄芯1および固定鉄芯9を収納できるように構成されている。ガイドパイプ13は、内部を可動鉄芯1が移動できるように構成されている。ガイドパイプ13は、可動鉄芯1の移動を案内する。ガイドパイプ13は、ボビン2の筒部2aに挿通できるように構成されている。ガイドパイプ13は、固定鉄芯9を収納するように、一端が継鉄11に固着されている。
ガイドパイプ13は、円筒状だけに限られず、角筒状など、可動鉄芯1、ボビン2や固定鉄芯9の外形形状に合わせて種々の形状とすることができる。ガイドパイプ13は、筒状に形成する場合、内形を内部に収納する可動鉄芯1の外形と相似形で若干大きな形状とすることが好ましい。ガイドパイプ13の材料としては、たとえば、銅、JIS G4304で規定されたSUS403のステンレスや樹脂などを用いることができる。
ガイドパイプ13は、可動鉄芯1と摺動しても機械的強度を保てる構成であればよく、ガイドパイプ13と可動鉄芯1との間に別の部材が設けられていてもよい。ガイドパイプ13は、可動鉄芯1との摩擦を低減させるために、表面コーティング材が内面に形成されていてもよい。表面コーティング材としては、ニッケルなどのめっき、窒化処理により形成された窒化膜、フッ素樹脂や二硫化モリブデンなどの被膜が挙げられる。
復帰ばね14は、たとえば、コイルばねで構成されている。復帰ばね14は、可動鉄芯1に挿通され、可動鉄芯1の外周に配置される。復帰ばね14は、一端がアクチュエータ17と接触している。復帰ばね14は、一端と反対の他端がプレート12と接触している。復帰ばね14は、プレート12とアクチュエータ17との間に圧縮状態で設けられている。復帰ばね14は、コイルばねだけに限られず、可動鉄芯1と固定鉄芯9とが離れる向きにばね力を生じさせることができる構成であればよい。
電線15は、芯線15aと、絶縁被覆15bと、を備えている。芯線15aの材料としては、たとえば、銅などの金属材料を用いることができる。絶縁被覆15bの材料としては、たとえば、塩化ビニルを用いることができる。電線15は、コイル3に給電できるように、2本設けられている。接続端子4の端子部4vに固着させた電線15は、軸方向に沿って、アクチュエータ17と反対側から導出できるように配置されている。
外装テープ18は、コイル3の外周に巻かれている。外装テープ18は、たとえば、ポリエステルフィルムを用いることができる。電磁石装置10は、外装テープ18により、電気絶縁性を高めることができる。
消音部材16は、円柱状の外形形状をしている。消音部材16は、両端が先細りしている。消音部材16は、弾性を有している。消音部材16は、凹所1aaよりも若干大きく形成され、凹所1aaに圧入されるように構成されている。消音部材16は、可動鉄芯1が固定鉄芯9に引き付けられる際に、固定鉄芯9との衝突の衝撃を吸収することで、動作音の発生を抑制することができる。消音部材16は、合成ゴムを用いることができる。合成ゴムの材料としては、たとえば、ニトリルゴムを用いることができる。
アクチュエータ17は、軸部17aと、頭部17bと、を備えている。軸部17aは、円柱状の外形形状をしている。軸部17aは、可動鉄芯1の保持端1aを覆うように形成されている。頭部17bは、板状の外形形状をしている。頭部17bは、厚み方向に貫通する連結孔17aaを有している。アクチュエータ17は、ゴム弾性を有する樹脂材料を用いて形成することができる。アクチュエータ17の樹脂材料としては、たとえば、フッ素ゴム、ウレタンゴムやシリコーンゴムなどを用いることができる。電磁石装置10は、可動鉄芯1の移動により、可動鉄芯1に結合したアクチュエータ17を変位させることができる。
以下では、本実施形態の電磁石装置10と、比較例の電磁石装置と、を比較して説明する。
比較例の電磁石装置は、位置決めピン7aや嵌合部7bを有しておらず、コイルと電線とを接続させる接続端子をモールド樹脂によりボビンと一体的に形成されている。比較例の電磁石装置では、コイルと電線とを接続させる接続端子をモールド樹脂によりボビンに一体的に形成することで、接続端子をボビンに保持させることができる。
しかしながら、比較例の電磁石装置では、使用環境により、モールド樹脂の熱膨張や熱収縮に伴って、接続端子がモールド樹脂で変位し、接続端子とコイル、接続端子と電線、接続端子と保護素子との間で接続不良や断線を生じ信頼性が低下するおそれがある。また、比較例の電磁石装置では、接続端子をボビンに保持させるため、射出成型などにより一体的に形成する必要があり、複雑な製造工程となる場合がある。さらに、比較例の電磁石装置では、接続端子を保持するモールド樹脂の機械的強度を高めるため、小型化や軽量化が難しくなる場合もある。
本実施形態の電磁石装置10では、位置決めピン7a、嵌合部7bおよび接続端子4の挿通孔7cを有する比較的簡単な構成で、コイル、電線や保護素子と、接続端子との間の接続不良や断線を抑制し、より信頼性を高めることができる。
本実施形態の電磁石装置10では、接続端子4は、軸方向と交差する方向に沿って、カバー部6と鍔部2bとの間から突出する端子部4vを有している。端子部4vは、軸方向に沿うように、筒部2aに向かって折れ曲がる屈曲部4aaを有している。
電磁石装置10は、接続端子4がカバー部6と鍔部2bとの間から突出し、筒部2aに向かって折れ曲がる構成により、接続端子4が軸方向と直角方向に突出する構成と比較して、電磁石装置10全体の小型化を図ることができる。接続端子4は、軸方向に沿う方向のうち、ボビン2の筒部2aに投影できるように、筒部2aに向かって折り曲げられる方向とすることで、より小型化を図ることができる。
本実施形態の電磁石装置10では、接続端子4は、金属材により構成されている。屈曲部4aaは、金属材の一部であって、他の部分よりも薄肉または幅狭の少なくとも何れか一方の部分であることが好ましい。
電磁石装置10は、屈曲部4aaが金属材の一部が薄肉または幅狭の部分であることにより、屈曲部4aaが均一な金属材の構成と比較して、金属材の折り曲げを誘導させることが容易になる。
本実施形態の電磁石装置10では、端子部4vは、コイル3へ給電する電線15を固定して電気的に接続されている。電線15は、軸方向に沿って延伸するように配置されている。
電磁石装置10は、端子部4vに電線15が接続され、電線15が軸方向に沿って延伸するように配置される構成により、電線15が軸方向と直交する方向に延伸するように配置される構成と比較して、電磁石装置10全体のより小型化を図ることができる。
本実施形態の電磁石装置10では、鍔部2bとカバー部6の少なくとも一方には、保護素子5の少なくとも一部を収納する収納部8aを有している。
電磁石装置10は、鍔部2bとカバー部6の少なくとも一方に、保護素子5の少なくとも一部を収納する収納部8aを備えることで、より小型化を図ることができる。電磁石装置10は、保護素子5を収納する収納部8aを備えることで、保護素子5の位置ずれを抑制することができる。
以下では、電磁石装置10の組立工程について、簡単に説明する。
電磁石装置10の組立工程では、たとえば、所定の金型で予めボビン2が形成される。ボビン2は、たとえば、射出成形機を用いて、金型内に樹脂材料を射出成形することで、形成される。組立工程では、ボビン2とは別途に、接続端子4が平板状の金属材の打ち抜き加工、折り曲げ加工などにより形成される。
次に、組立工程では、ボビン2における第2鍔体2btの端子保持部2fに、接続端子4の端子本体部4sが圧入される。組立工程では、ボビン2の第2鍔体2btから突出する位置決めピン7aが、接続端子4の挿通孔7cに挿入される。組立工程では、ボビン2の筒部2aに線材を巻き回しされてコイル3が形成される。組立工程では、筒部2aに巻き回しされたコイル3の線材が接続端子4の挟持部4uに仮かしめされる。組立工程では、線材が挟持部4uに仮かしめされた後、ヒュージングより線材が接続端子4に機械的に固定され、電気的に接続される。組立工程では、たとえば、接続端子4から突出する不要な線材がカットされる。
組立工程では、電線15の芯線15aが筒状の端子部4vに挿入される。組立工程では、電線15の芯線15aが接続端子4の端子部4vに、かしめられる。組立工程では、電線15の芯線15aが端子部4vにかしめにより固定された後、端子部4vの一部をボビン2の軸方向に曲げる折り曲げ加工がおこなわれる。組立工程では、接続端子4の保持部4tに形成された溝4taに保護素子5のリード端子5aが圧入される。保護素子5は、素子本体5bの一部が収納凹所2baに収納されるまで、リード端子5aが溝4taに圧入される。保護素子5は、第1接続端子部4aと、第2接続端子部4bとに渡って配置されるように連結される。
組立工程では、カバー部6をボビン2に取り付ける場合、接続端子4の端子本体部4sの挿通孔7cから突出した位置決めピン7aを、カバー部6の嵌合部7bにおける孔部7baに挿通させる。組立工程では、ボビン2における保持突起2rを、カバー部6の開口部6ccに挿通させる。組立工程では、保持突起2rの爪部2tでカバー部6を保持することにより、ボビン2とカバー部6との間に接続端子4および保護素子5を挟み持った状態で、カバー部6をボビン2に取り付けることができる。組立工程では、ボビン2における保持突起2rを、カバー部6の開口部6ccに挿通させる工程で、接続端子4をカバー部6によって鍔部2bとの間に保持させることができる。
組立工程では、ボビン2の軸方向に沿って、端子部4vから第1鍔体2bsへ延びるように配置された電線15とコイル3とを覆うように、外装テープ18が少なくとも1回巻かれる。組立工程では、電線15が軸方向に沿って延伸し、第1鍔体2bsと反対側から導出できるように、コイル3が形成されたボビン2に沿わせ折り返させられる。組立工程では、電線15を折り返させられた後、電線15とコイル3とを覆うように、外装テープ18が再び巻かれる。
組立工程では、ボビン2や接続端子4とは別途に継鉄11が金属製の平板の打ち抜き加工、曲げ加工により形成される。継鉄11は、基底部11aの貫通孔11aaに固定鉄芯9の固定部9cが挿入されて固着される。組立工程では、継鉄11と別途にガイドパイプ13が形成される。組立工程では、ガイドパイプ13が固定鉄芯9を囲むように基底部11aに固着される。組立工程では、ガイドパイプ13が固着された継鉄11に、ボビン2の筒部2aが挿入されるように、ボビン2を継鉄11に配置させる。
組立工程では、ボビン2、接続端子4、継鉄11やガイドパイプ13とは別途に、可動鉄芯1が形成されている。可動鉄芯1は、凹所1aaが形成された先端と反対側に予めアクチュエータ17が形成されている。可動鉄芯1は、先端の凹所1aaに消音部材16が挿入されている。
組立工程では、復帰ばね14の一端がアクチュエータ17と当たるように、復帰ばね14を可動鉄芯1に挿入させる。組立工程では、復帰ばね14の他端が、プレート12に固定される。組立工程では、ガイドパイプ13に可動鉄芯1を挿入させる。続いて、組立工程では、基底部11aと対向するようにプレート12が被せられ、プレート12と第1側部11bおよび第2側部11cとが固着させることで、電磁石装置10を組み立てることができる。
(実施形態2)
図5に示す本実施形態の移動体30は、図1に示す電磁石装置10をシフトレバーロック装置32に用いた構成としている。実施形態1と同様の構成には、同一の符号を付して説明は省略する。
本実施形態の移動体30は、図5に示すように、実施形態1の電磁石装置10と、電磁石装置10を搭載する本体31と、を備えている。
本実施形態の移動体30は、実施形態1の電磁石装置10を用いることで、より信頼性を高めることができる。
以下では、電磁石装置10を備えた移動体30について、簡単に説明する。
移動体30は、たとえば、自動変速機を搭載した本体31のシフトレバーロック装置32に電磁石装置10を備えている。電磁石装置10は、たとえば、シフトレバー32aの移動を規制するシフトレバーロック装置32の内部に組み込まれている。シフトレバーロック装置32は、制御装置33の制御回路からの指令により、電磁石装置10のアクチュエータ17を変位させる。シフトレバーロック装置32は、電磁石装置10におけるアクチュエータ17の変位により、アクチュエータ17と連結された被連結部32bがシフトレバー32aに当たる位置とシフトレバー32aに当たらない位置とに移動させることができる。制御装置33は、たとえば、本体31に搭載されたECU(Electronic Control Unit)を利用して構成することができる。移動体30は、自動車だけに限られず、電車などの車両の他、船舶などであってもよい。