JP2017104192A - 吐水装置とこれを備える浴槽装置 - Google Patents

吐水装置とこれを備える浴槽装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、吐水幅が長い膜状の吐水流を吐き出す吐水装置において、吐水方向である前後方向の寸法を小さくすることが可能な吐水装置を提供する。【解決手段】湯または水である浴槽水110を受け入れて左右方向に長い膜状の吐水流112を前向きに吐き出す吐水装置であって、隔壁40を隔てて上下に配設される第1室30と第2室20とを備える。第1室30には浴槽水110を受け入れる給水部32が設けられ、第2室20には吐水流112を吐き出すための吐出口22が設けられ、隔壁40には第1室30と第2室20とを連通する連通部42が設けられる。【選択図】図3

Description

本発明は、水を吐き出すための吐水装置とこれを備える浴槽装置に関する。
従来から、膜状の吐水流を吐き出すための吐水装置が知られる(例えば、特許文献1参照)。これは浴槽に設置され、吐出口から吐水流が吐き出される。膜状の吐水流が滝状に流れ落ちる様子は美観に優れる。
特許第4066459号公報
ところで、特許文献1の吐水装置では、浴槽水を給水側から吐水側に向かって吐水方向である前後方向に助走させながら徐々に横長な水流を形成している。このような吐水装置では助走距離を短くすると吐水流の横幅である吐水幅が狭くなるかあるいは吐水幅が不安定になる。このため、このような吐水装置では吐水幅の長い吐水流を安定して吐き出すために、浴槽水の助走距離を大きくするように前後方向の寸法が大きくなる傾向にある。しかし、このような吐水装置は浴槽のリム部に設けるから、前後方向の寸法が大きい吐水装置は、浴槽のリム部内側から壁までの距離が小さい場合では取り付けることができなかった。
また、特許文献1の吐水装置は、給水された浴槽水を整流して横長な吐水流を実現するために、吐水装置の下側に大きな突出部を設けるものであるから、浴槽にはこの突出部を受け容れる空間を備える必要があり、取付可能な浴槽が限定される問題もあった。
また、リム内側から壁までの距離が小さい場合に、吐水側の部分を浴槽の内側に大きく突出させることも考えられるが、小型の浴槽の場合にはこの突出する部分が入浴時に邪魔になる問題がある。
また、入浴者の肩や首に吐水流をかけてマッサージ効果を与えることで入浴者にリラックス効果をもたらすために、一層吐水幅を広くした吐水流を実現しようとすると、吐水方向の助走距離が長くなり、吐水方向である前後方向が一層大きくなる問題がある。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、吐水幅が長い膜状の吐水流を吐き出す吐水装置において、吐水方向である前後方向の寸法を小さくすることが可能な吐水装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の吐水装置は、湯または水である浴槽水を受け入れて左右方向に長い膜状の吐水流を前向きに吐き出す吐水装置であって、隔壁を隔てて上下に配設される第1室と第2室とを備える。第1室には浴槽水を受け入れる給水部が設けられ、第2室には吐水流を吐き出すための吐出口が設けられ、隔壁には第1室と第2室とを連通する連通部が設けられる。
この態様によると、給水部から受け入れられた浴槽水は、第1室で左右方向に拡幅されて隔壁の連通部を通じて第1室に送られ、第1室は送られた浴槽水をさらに左右方向に拡幅して吐出口から吐出することで、吐水方向である前後方向の助走距離を短くしても安定的に吐水幅を維持できるから、吐水装置の前後方向の寸法を小さくすることができる。
本発明によれば、吐水幅が長い膜状の吐水流を吐き出す吐水装置において、吐水方向である前後方向の寸法を小さくすることが可能な吐水装置を提供することができる。
実施形態に係る吐水装置の斜視図である。 実施形態に係る吐水装置の使用状態を模式的に示す模式図である。 実施形態に係る吐水装置の模式図である。 比較例の吐水装置の模式図である。 実施形態に係る吐水装置の分解斜視図である。 図5のA−A線断面図である。 図5のB−B線断面図である。 図7の部分拡大図である。 図5のC−C線断面図である。 吐水装置を浴槽に取り付ける工程を説明するための図である。 浴槽に取り付けた状態の吐水装置の側断面図である。 吐水装置照明器を取り付けた斜視図である。 吐水装置に枕を取り付けた状態を示す斜視図である。
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図1から13を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面における部材の寸法は、理解を容易にするために適宜拡大、縮小して示される。また、各図面において実施の形態を説明する上で重要ではない部材の一部は省略して表示する。
図1は本発明の実施形態に係る吐水装置10の斜視図を示し、図2は吐水装置10の使用状態を模式的に示す。図2における吐水装置10は強調するため他の部材より拡大して示している。XYZ直交座標系をもとに説明する。方向Xは後述する吐出口22の横幅方向に沿った水平な左右方向に対応し、方向Yは水平な前後方向に対応し、方向Zは鉛直な上下方向に対応する。方向Yおよび方向Zはそれぞれ方向Xに直交に直交する。方向Xは左方向あるいは右方向と、方向Yは前方向あるいは後方向と、方向Zは上方向あるいは下方向と表記することがある。吐水装置10を前方から視て向かって右側を右と、左側を左という。
吐水装置10は浴槽装置200に用いられる。浴槽装置200は、吐水装置10の他に、浴槽210を備える。図2に示すように、浴槽210の内側面には槽底面212に対して傾斜する背側面214が設けられ、背側面214の上側にはリム部216が設けられる。吐水装置10は、リム部216の上側に設置される。吐水装置10は横長偏平に形成され、膜状の横長な吐水流112が吐出口22から前方に吐き出される。
図3(a)は吐水装置10を説明するための模式図を示し、図3(b)はその側面視の断面図を示す。吐水装置10は、湯または水である浴槽水110を受け入れて膜状の吐水流を吐き出す。吐水装置10は、隔壁40を隔てて上下に配設される第1室30と第2室20とを備える。第1室30には浴槽水110を受け入れる給水部32が設けられる。第2室20には吐水流112を吐き出すための吐出口22が設けられる。隔壁40には第1室30と第2室20とを連通する連通部42が設けられる。連通部42は、方向Xに沿った左右方向に離間して配置される複数の通路部44を含む。通路部44は開口または開口の周囲から管状に突出する中空管形状であってもよい。第2室20は、隔壁40が載せられた第1室30の上側に設けられる。
給水部32から給水される浴槽水110は、第1室30内にて方向Xおよび方向Yに拡がり、さらに続けて給水されると第1室30内を徐々に満たして水面が上昇する。さらに浴槽水110が第1室30内に給水されて水面が通路部44に達すると、第1室30内を満たした浴槽水110は通路部44を通じて第2室20に漏れ出す。さらに浴槽水110が第1室30内に給水されると、浴槽水110が第1室30内から通路部44を通じて第2室20に流れ込み、第2室20内にて方向Xおよび方向Yに拡がり第2室20内を徐々に満たして水面が上昇する。第2室20内の水面が上昇して横長なスリット状の吐出口22に達すると、浴槽水110は吐出口22から方向Xに長い膜状の吐水流112となって略水平に吐出される。
ここで、先に比較例について説明する。図4は比較例である吐水装置310を説明するための図である。比較例の吐水装置310は隔壁および第1室を備えない点で吐水装置10と異なる。吐水装置310における第2室320の浴槽水410の水勢は、給水部332から入力される水勢を遮るものがないから、方向Xにて給水部332のある中央部で強く、中央部から方向Xに遠ざかる周辺部にむかって徐々に弱くなり、方向Xにおける水勢の差が大きくなる。
この場合に、給水部332から吐出口322までの方向Yにおける距離が短いと、吐出口322における水勢も方向Xの中央部で強く周辺部で弱く水勢の差が大きくなる。この結果、吐出口322から吐出される吐水流412は、水勢が強い中央部で遠くまで飛翔し、周辺部で水勢が弱くなることで飛翔距離が短くなる。このような吐水流412は、吐出後に短い距離で幅が狭くなり、横長な膜状の吐水流を長い距離に亘って維持することができず、視覚的に劣るものとなる。
以上の比較例の考察を踏まえて、実施の形態の吐水装置10の吐水流112について説明する。既述したように、給水された浴槽水110は第1室30内で十分に方向Xに拡がり隔壁40で遮られることによって均され、その上で複数の通路部44から第2室20に流れ込むから水勢が分散されて、第2室20における方法Xでの水勢の差が小さくなる。その上、第2室20においても方向Xに拡がり、吐出口22から方向Xの寸法が長い膜状の吐水流112を吐出することができる。
また、通路部44が方向Xに離間して複数配置されることによって、通路部44から第2室20に流れ込む浴槽水110の水勢は、それぞれの通路部44の直上で高く周辺部で低くなるが、これらを重ね合わせた総合の水勢は方向Xでの差が小さくなる。この結果、吐出口22から吐出される吐水流112は、中央部から方向Xに離れても飛翔距離を維持できる。このような吐水流112は、前方視の形状が略平坦で、吐水幅が長い膜状の吐水流を長い距離に亘って実現することが可能になる。
次に、吐水装置10の詳細な構造について説明する。図5は吐水装置10の分解斜視図を示し、図6は図5のA−A線に沿った吐水装置10の縦断面を示し、図7は図5のB−B線に沿った吐水装置10の縦断面を示し、図9は図5のC−C線に沿った吐水装置10の縦断面を示す。A−A線は給水部32の中心を鉛直に通る中心線M上において方向Yに沿った線である。B−B線は後述する第1接続部の中心を鉛直に通る中心線N上において方向Yに沿った線である。C−C線は後述する第2接続部の中心を鉛直に通る中心線P上において方向Yに沿った線である。
図5に示すように、吐水装置10は、第1室30が形成される下筐体50と、第1室30の天井面となる中筐体60と、中筐体60の上側に設けられて中筐体60との上下方向隙間に第2室20が形成される上筐体70と、を有する。
(下筐体)
下筐体50は、方向Y(前後方向)にて短く方向X(横方向)にて長い横長偏平形状の部材で、左後方角部と右後方角部とは上面視で曲線状に湾曲する。下筐体50には、第1凹部51、第2凹部52、吐出下壁部22b、第1接続部53、第2接続部54及び給水部32が設けられる。下筐体50の第1凹部51、第2凹部52、吐出下壁部22b、第1接続部53、第2接続部54及び給水部32とは、例えば樹脂材料からモールド成形工程によって一体に形成されてもよい。下筐体50は、第1凹部51、第2凹部52、吐出下壁部22b、第1接続部53、第2接続部54及び給水部32の何れかの部分が別体に形成されて結合されてもよい。
第1凹部51は下筐体50の中程にて上面から下向きに凹むように設けられ、第2凹部52は第1凹部51から下向きに凹むように設けられる。つまり、下筐体50は二段構造の凹部を有する。
第1凹部51は、第2凹部52の左側に左底部51hと、第2凹部52の右側に右底部51mとを有する。第1凹部51は、左底部51hの後方縁から左方縁にかけて上向きに立ち上がる第1左立壁51bと、右底部51mの後方縁から右方縁にかけて上向きに立ち上がる第1右立壁51cと、を有する。左底部51h、右底部51m、第1左立壁51bおよび第1右立壁51cは第2室20を画定する壁体の一部をなす。第1左立壁51bおよび第1右立壁51cは上面視で四分円弧状に湾曲する。
第2凹部52は、底部52aと、底部52aの周縁から上向きに立ち上がる第2凹部立壁56と、によって画定される。第2凹部立壁56は、底部52aの後方縁から上向きに立ち上がる後立壁52bと、底部52aの前方縁から上向きに立ち上がる前立壁52cと、底部52aの右方縁から上向きに立ち上がる右立壁52d、底部52aの左方縁から上向きに立ち上がる左立壁52eと、を含む。右立壁52dと左立壁52eは上面視で半円弧状に湾曲する。第2凹部立壁56の途中には中筐体60を載せて支持するための段部56aが設けられる。
第1左立壁51bは後立壁52bの左側に連続し、第1右立壁51cは後立壁52bの右側に連続する。後立壁52bには、後方に向かって後退する後退部55が設けられる。後退部55は後述する中筐体60の張出部68に対応する形状を有し、後退部55には張出部68が進入する。
吐出下壁部22bは、後述する吐出隙間部22cの下面を画定する壁体で、第1凹部51の左方側の前縁から右方側の前縁に渡って方向X(横方向)に延在する。吐出下壁部22bは前立壁52cの上端に接続される部分を含む。吐出下壁部22bは、方向Yで前方に向かって上側に傾斜する斜面を含む。
第1接続部53は、第2凹部52の底部52aから上向に突出する筒状の部分で、例えば上面視で円形状を有する。第1接続部53には方向Zに延在する上面視で例えば円形の有底孔53cが設けられる。図7に示すように、第1接続部53の中程には方向Zの貫通孔53bが設けられる。貫通孔53bは有底孔53cの底部に一方の開口を有する。第1接続部53は、一つまたは複数設けることが可能で、例えば底部52aの左側部と右側部の2カ所に形成してもよい。第1接続部53は、上筐体70と中筐体60と下筐体50を浴槽210のリム部216に取り付けるための第1締結構造80を構成する。第1締結構造80については後述する。
第2接続部54は、第2凹部52の底部52aから上向に突出する筒状の部分で、例えば上面視で第1接続部53より小径の円形状を有する。第2接続部54には方向Zに延在する上面視で例えば円形の有底孔54cが設けられる。図9に示すように、第2接続部54の中程には方向Zの貫通孔54bが設けられる。第2接続部54は、一つまたは複数設けることが可能で、例えば底部52aの中程に給水部32を挟む2カ所に形成してもよい。第2接続部54は、上筐体70と中筐体60と下筐体50を浴槽210のリム部216に取り付けるための第2締結構造90を構成する。第2締結構造90については後述する。
図6に示すように、給水部32は、第2凹部52の底部52aから下向に突出する中空の管状の部分で、例えば上面視で円形状を有する。給水部32は、一つまたは複数設けることが可能で、例えば底部52aの中程の1カ所に形成してもよい。給水部32は、図外の導管部から供給される水を受け入れて第1室30に供給する。
(中筐体)
中筐体60は第1室30と第2室20とを上下に隔てる隔壁40を構成する。特に、中筐体60は、方向Xに細長い横長偏平形状の下側が開放された箱状の部材で、上面視で両側辺が外側に湾曲する。中筐体60は、天壁部62と、天壁部62の周辺から下向に突出する周辺壁部61と、を含む。周辺壁部61は、前方側で方向Xに延伸する前壁部61aと、後方側で方向Xに延伸する後壁部61bと、左端側で前壁部61aから後壁部61bにかけて延在する左壁部61cと、右端側で前壁部61aから後壁部61bにかけて延在する右壁部61dと、を含む。左壁部61cおよび右壁部61dは上面視で方向Xの外側に膨らみ半円弧状に湾曲している。
天壁部62には、上面部62a、下面部62b、第1接続部64、第2接続部65、通路部44、傾斜面部67が設けられる。上面部62aは天壁部62の上面に方向Xおよび方向Yに延在する。下面部62bは天壁部62の下面に方向Xおよび方向Yに延在する。
第1接続部64は、上面部62aから上向に突出する筒状の部分で、例えば上面視で円形状を有する。第1接続部64には方向Zに延在する上面視で例えば円形の有底孔64cが設けられる。図7に示すように、第1接続部64の中程には方向Zの貫通孔64bが設けられる。第1接続部64は、一つまたは複数設けることが可能で、例えば天壁部62の左側部と右側部の2カ所に形成してもよい。第1接続部64は第1接続部53の上側に被るように接続され、後述する第1締結構造80を構成する。
第2接続部65は、上面部62aから上向に突出する筒状の部分で、例えば上面視で第1接続部64より小径の円形状を有する。第2接続部65には方向Zに延在する上面視で例えば円形の有底孔65cが設けられる。図9に示すように、第2接続部65の中程には方向Zの貫通孔65bが設けられる。第2接続部65は、一つまたは複数設けることが可能で、例えば天壁部62の中程に方向Xに離間する2カ所に形成してもよい。第2接続部65は第2接続部54の上側に被るように接続され、後述する第2締結構造90を構成する。
通路部44は、上面部62aから下面部62bに貫通する複数の開口66を含み、連通部42を構成する。開口66は、例えば上面視で円形状を有し、例えば2カ所以上、好ましくは4カ所以上、より好ましくは8カ所以上に、方向Xに離間して設けることができる。実施の形態の吐水装置10では開口66が15箇所に設けられる。開口66はそれぞれ異なった方向Yの位置に設けられてもよい。
連通部42は、方向Xに沿った左右方向に長い横長偏平形状の開口を含んでもよい。連通部42は複数の貫通孔が方向Xに沿ったスリットによって結合された形状の開口を含んでもよい。特に、連通部42の方向Xの幅が、給水部32の方向Xの幅より大きく形成される場合には、浴槽水110は、第2室20にて給水部32の直上領域である中央の領域から方向Xに沿った左右方向に遠ざかる周辺の領域に向かってより多く拡散するから、吐出口22から左右方向に長い膜状の吐水流112を吐水することができる。
傾斜面部67は、上面部62aにおいて方向Yの中間から前方に向けて上側に傾斜するように形成される。傾斜面部67の勾配は吐出下壁部22bの勾配と略等しく形成されてもよい。
(張出部)
隔壁40の後方部である中筐体60の後壁部61bには、後方に張出す張出部68と張出部68より前方に後退する後退部69とが設けられる。張出部68は、後壁部61bにおいて方向Yで後方に張り出するように形成される。後退部69は、後壁部61bにおいて複数の張出部68の間にて方向Yで前方に後退するように形成される。張出部68と後退部69とはそれぞれ複数設けることができる。つまり、後壁部61bは複数(例えば5つ)の張出部68と複数(例えば4つ)の後退部69とが交互に連続して設けられている。張出部68と後退部69とは滑らかな曲線によって接続されてもよい。張出部68は、下筐体50の後立壁52bの後退部55に対応する形状を有し、後退部55に方向Yにて後向きに進入する。
中筐体60は下筐体50の第2凹部52に嵌合する。中筐体60の周辺壁部61が第2凹部立壁56の段部56aに支持される。中筐体60は、段部56aによって方向Z(上下方向)の位置が規定され、第1室30の天井面を形成する。つまり、第1室30は、第2凹部52の底部52aと、第2凹部立壁56と、中筐体60の周辺壁部61および天壁部62と、によって画定される空間として定義される(特に図6を参照)。
(上筐体)
上筐体70は、方向X(横方向)に細長い横長偏平形状の部材で、左後方角部と右後方角部とは上面視で曲線状に湾曲する。図6に示すように、上筐体70には、上凹部71、後方カバー部72、前凹部73、庇部74、突出部75および吐出上壁部22aが設けられる。図7、9に示すように、上筐体70には、第1接続部77および第2接続部78が設けられる。
上凹部71は、上筐体70の下面から上向に凹むように設けられ、下面視で矩形状に形成される。上凹部71は、天面部71aと、天面部71aの周辺から下向に延在する側面部71bと、を含む。側面部71bの前側部71cは前方側が下がる下向勾配を有する(特に図6を参照)。
(後方カバー部)
後方カバー部72は、上筐体70の後方から下向に突出する薄板状の部分で、後方視で矩形状に形成される。図6に示すように、後方カバー部72は、第2室20の後方から第1室30の後方にかけて連続して覆うように設けられる。後方カバー部72は下筐体50の後方側の大半を覆う形状を有する。後方カバー部72を有することによって、後方視の吐水装置10の意匠性が向上する。
前凹部73は、上筐体70の前方から略方向Yに凹む部分で、例えば、吐水流に向けて演出光を照射する後述する照明器17を収容することができる。前凹部73は前面視で略矩形状に形成される。庇部74は、前凹部73の天面を形成する部分で、前向きに突出する薄板状に形成され、上面視で略矩形状を有する。
突出部75は、上筐体70の前側の下部から前向きに突出する壁状の部分で、上面視で略矩形状に形成される。突出部75の下面には吐出上壁部22aが設けられる。吐出上壁部22aは、後述する吐出隙間部22cの上面を画定する壁体で、上筐体70の上凹部71の前縁から方向Yにて前向きに突出する。
第1接続部77は、上筐体70の上面から方向Zに延在する筒状の部分で、例えば上面視で円形状を有する。第1接続部77は、上筐体70の上面から方向Zに延在する有底孔77cと、有底孔77cの底部から方向Zに貫通する貫通孔77bが設けられる。第1接続部77は、第1接続部64に対応して左側部と右側部の2カ所に形成される。第1接続部77は、第1接続部64の上側に被るように接続され、後述する第1締結構造80を構成する。
第2接続部78は、上筐体70の下面から方向Zに延在する有底孔78bと、有底孔78bに埋め込まれたアンカーナット93とを含む。第2接続部78は、一つまたは複数設けることが可能で、例えば方向Xに離間する2カ所に形成してもよい。第2接続部78は第2接続部65の上側に被るように接続され、後述する第2締結構造90を構成する。
上筐体70は、下筐体50の上側に載置されることで、上凹部71が第2室20の上部を構成する。つまり、第2室20は、上筐体70の天面部71aおよび側面部71bと、中筐体60の天壁部62と、下筐体50の左底部51h、右底部51m、第1左立壁51bおよび第1右立壁51cと、によって画定される空間として定義される。
(吐出口)
吐出上壁部22aと吐出下壁部22bの間には方向Zに狭い隙間である吐出隙間部22cが形成される。吐出隙間部22cの外部空間への出口には吐出口22が設けられる。
第2室20には方向Zの隙間が前向きに徐々に狭くされる絞り部20aが形成される。特に、絞り部20aは上筐体70の天面部71aと中筐体60の天壁部62の上面部62aの方向Zの隙間に形成される。吐出隙間部22cは絞り部20aの前方端に接続される。第2室20に満たされた浴槽水110は、絞り部20aで流速を増して吐出隙間部22cに流れ込み、吐出隙間部22cで流れの方向が整えられて吐出口22から吐き出される。
(第1締結構造)
次に、図7およびその部分拡大図である図8を参照して第1締結構造80について説明する。第1締結構造80は、中空ボルト81、第1ボルト82、アンカーナット83、ナット84、ブッシュ85およびキャップ89を含む。
(中空締結具)
中空ボルト81は、第2室20と第1室30とを結合するための中空締結具であって、別の締結具が挿入される中空部81cを有する。特に、中空ボルト81は、ヘッド部81a、通水部81b、中空部81c、首下部81dおよびねじ部81eを含む。中空ボルト81は、黄銅などの金属材料から機械加工によって、ヘッド部81a、通水部81b、中空部81c、首下部81dおよびねじ部81eが一体に形成される。ヘッド部81aは首下部81dより上の大径の部分で、例えば上面視で円形状を有する。
第2室20と第1室30とは中空部81cを有する中空ボルト81によって結合され、中空ボルト81の中空部81cには第1ボルト82が挿入される。第1締結構造80では、中空ボルト81が上筐体70と中筐体60と下筐体50とを貫通する。第1締結構造80は、中空ボルト81にナット84が螺合されることによって、上筐体70と中筐体60と下筐体50とを一体に締結する。また、第1締結構造80は、中空ボルト81を貫通する第1ボルト82をアンカーナット83に螺合することによって、一体に締結された上筐体70と中筐体60と下筐体50をベース部材102に固定する。
(通水部)
中空ボルト81の上部のヘッド部81aには、中空部81cから外周側に通じる通水部81bが設けられる。通水部81bは中空部81cと外周面とを連通することによって、中空部81cと外周面との間に水滴の通路を形成する。通水部81bは中空部81cの延在方向と交わる方向に延伸して形成される。通水部81bは、例えばヘッド部81aの上端面にて溝状に凹む部分であってもよい。通水部81bは、例えばヘッド部81aの一方の外周部から中心軸Nを通り反対側の外周部まで直線状に形成されてもよい。このように形成することによって、通水部81bは、中空部81cに第1ボルト82が挿入された状態で中空部81cと外周面とを連通できる。
中空部81cは、上下方向に延在する貫通孔であって、例えば第1ボルト82の首下部81dの直径より僅かに大きく、ヘッド部81a外径より小さな内径を有する。首下部81dは、ヘッド部81aより小径の円筒形状を有し下方向に延在する。ねじ部81eは首下部81dの先端側の所定の位置に形成される。ナット84は、例えば外周が上面視で6角形の六角ナットを使用できる。
中空ボルト81は、ねじ部81eを先頭に上筐体70側から方向Zに連通する貫通孔77bと貫通孔64bと貫通孔53bとを突き抜ける。中空ボルト81の下筐体50の下面側に突き出たねじ部81eにナット84がねじ込まれる。ナット84は下筐体50の下面に設けられた凹部53dに収容されてもよい。
第1ボルト82は、ヘッド部82aと、ねじ部82cを有する首下部82bとを含む。
第1ボルト82は、ねじ部82cを先頭に上筐体70側から中空ボルト81の中空部81cに挿入される。第1ボルト82は、中空ボルト81を突き抜けて、浴槽210のリム部216に固定されたベース部材102に埋め込まれたアンカーナット83にねじ込まれる。
ブッシュ85は、中空環状の部材で、例えば樹脂材料などの弾性を有するからモールド成型によって形成される。二つのブッシュ85が、中空ボルト81の首下部81dに嵌装されて、上筐体70と中筐体60の上下方向の隙間および中筐体60と下筐体50の上下方向の隙間に介設される。これらのブッシュ85は、これらの隙間を埋めることで水漏れを抑制するシールを構成する。
キャップ89は、ヘッド部89aと、ヘッド部89aより小径の首下部89b、首下部89bに設けられる係合部89cとを含む。キャップ89は、側面視でT字状、上面視で円形状の部材で、例えば樹脂材料などの弾性を有するからモールド成型によって形成される。係合部89cは、その弾性力により上筐体70の有底孔77cの内周面に摩擦力により係合するように形成される。キャップ89は、第1締結構造80の有底孔77cの開口を覆うことによって、第1締結構造80内への水滴の侵入を抑制する。
(第2締結構造)
次に、図9を参照して第2締結構造90について説明する。第2締結構造90は、第2ボルト91、アンカーナット93およびブッシュ95を含む。第2ボルト91はヘッド部91aと、ねじ部91cを有する首下部91bとを含む。第2ボルト91は、ねじ部91cを先頭に下筐体50側のから方向Zに連通する貫通孔54bと貫通孔65bとを突き抜ける。貫通孔65bから突出した第2ボルト91のねじ部91cは上筐体70の有底孔78bに埋め込まれたアンカーナット93にねじ込まれる。この構成によって、第2ボルト91は下筐体50と中筐体60を上筐体70に結合する。第2ボルト91のヘッド部91aは下筐体50の下面に設けられる凹部54dに収容されてもよい。
ブッシュ95は、中空環状の部材で、例えば樹脂材料などの弾性を有するからモールド成型によって形成される。ブッシュ95は、第2ボルト91の首下部91bに嵌装されて、上筐体70と中筐体60の上下方向の隙間および中筐体60と下筐体50の上下方向の隙間に介設される。ブッシュ95は、これらの隙間を埋めることで水漏れを抑制するシールを構成する。
次に、浴槽210への吐水装置10の取付工程を説明する。図10は吐水装置10を浴槽210に取り付ける工程を説明するための図であり、図11は浴槽210に取り付けた状態の吐水装置10の側断面図である。まず、下筐体50、中筐体60および上筐体70は、中空ボルト81によって2カ所、第2ボルト91によって2カ所の合計4カ所で結合され、吐水装置10が組み立てられる(図7〜9も参照)。
図10に示すように、浴槽210のリム部216には、二つの取付孔部216aと注水孔部216bとが設けられている。ベース部材102の突出筒部102cの外周には、ねじ部を有する接続管部材226が被されて固定される。図11に示すように、この状態で接続管部材226が注水孔部216bに貫挿されてベース部材102がリム部216上に載置される。接続管部材226の外周にはワッシャ232を挟んでナット228がねじ込まれる。さらに、ボルト104がベース部材102の取付用の貫通孔102dから挿入されて、取付孔部216aに埋め込まれた図外のアンカーナットにねじ込まれる。このような手順で、ベース部材102はリム部216に固定される。接続管部材226の下部の先端部には、ポンプからの浴槽水110を受け容れるための導管224が接続される。
次に、組み立てられた吐水装置10がベース部材102の所定の位置に載置される。この際、下筐体50の給水部32から下方に突き出る導水部34がベース部材102の突出筒部102cの内側にOリングを挟んで嵌合する。この状態で、第1ボルト82がアンカーナット83にねじ込まれることによって吐水装置10がベース部材102に固定される。また、キャップ89が有底孔77cに嵌め込まれることで有底孔77cの開口を覆う。さらに所定の配管作業、所定のシール材の塗布およびその他の作業が行われて取付工程が完了する。
次に、このように構成された吐水装置10の動作を説明する。所定の操作によりポンプから供給された浴槽水110は、導管224と突出筒部102cと導水部34を通り、給水部32から第1室30に供給される。浴槽水110は第1室30で方向X及び方向Yに拡がり第1室30を満たす。浴槽水110は第1室30を満たすと連通部42の通路部44を通じて第2室20に供給される。浴槽水110は第2室20で方向X及び方向Yに拡がり第2室20を満たす。浴槽水110は、第2室20を満たすと、流れの方向に沿って絞り部20aで絞られて流速を増して吐出隙間部22cに流れ込む。浴槽水110は吐出隙間部22cで流れの方向が整えられて吐出口22から吐き出される。浴槽水110は、第1室30と第2室20とで2段階に左右方向に拡幅されるから、吐出口22からは横幅の広い膜状の吐水流112が吐き出される。
次に、このように構成された吐水装置10の特徴を説明する。
吐水装置10は、第1室30と第2室20とが隔壁を隔てて上下に配設されるから、浴槽水110は上下方向に移動しながら段階的に拡幅される。このため、前後方向に移動しながら拡幅される場合と比較して、吐水装置の前後方向の寸法を容易に小さくできる。
また、吐水装置10は、上下に設けた第1室30と第2室20とで浴槽水110を縦方向に移動させることで左右方向に長い吐水流112を実現するから、吐水装置の下側への突出を抑えて、幅広い範囲の浴槽に取り付けることができる。
連通部42は方向Xに沿った左右方向に離間して設けられる複数の通路部44を含むから、通路部を一つだけ設ける場合に比べて、第2室20に流れ込む浴槽水110の水勢が方向Xに沿って分散される。このため、浴槽水110の水勢の左右方向の差を抑制して吐水幅の広い吐水流を容易に実現できる。
第2室20は、隔壁40が載せられた第1室30の上側に設けられるから、これらを積み上げることで容易に組立できる。また、給水部32を吐水装置10の下側に設けて浴槽水の循環経路をリム部216の下側に隠すことができるから、浴槽水の循環経路が露出する場合と比較して意匠面で有利である。
第2室20の後方から第1室30の後方にかけて連続して覆う後方カバー部72が設けられるから、後方カバー部72が第2室20と第1室30の上下境界部の隙間を覆うことで、この隙間に水が浸入して残留することを抑制できる。
第2室と第1室とに設けられるボルトなどの締結具の挿通される部分は浴槽水の流れを乱す要因となる。これに対して吐水装置10は、第2室20と第1室30とは中空部を有する中空締結具である中空ボルト81によって結合され、中空部81cには別の締結具である第1ボルト82が挿入されるから、ボルトの挿通部を減らすことができる。この結果、浴槽水110の流れの乱れを抑制できる。
中空ボルト81の上部には、中空部81cから外周側に通じる通水部81bが設けられるから、通水部81bを有しない場合と比較して、上筐体70の有底孔77cに残った水が、通水部81bと中空部81cの隙間とを通じて下側に排出されるから、有底孔77cでの水残りを抑制することができる。
浴槽水が第2室20の内壁に衝突すると前向きの流れをかく乱するから、衝突の影響を小さくするため、第2室の内壁の前後方向の距離は大きい方が好ましい。これに対して吐水装置10は、隔壁40の後方部である中筐体60の後壁部61bに、後方に張出す張出部68と張出部68より前方に後退する後退部69とが設けられる。このため、張出部68を設けない場合と比較して、第2室20の内壁の前後方向の実質的な距離を大きくできる。
(変形例1)
図12は、吐水装置10に照明器17を組み合わせた変形例である浴槽装置220を説明する斜視図である。浴槽装置220は、吐水装置10に照明器17が取り付けられる点で浴槽装置200と相違する。照明器17は収容ケースに収容された例えばLED光源を含む発光部材とその駆動回路とを含む。特に、照明器17は吐水装置10の前凹部73に収容される。浴槽装置220は照明器17を備えることで、吐水流112を照らすことができる。この場合、独特の視覚効果を与え入浴者にリラックス効果を与えることができる。
(変形例2)
図13は、吐水装置10に枕部材101を組み合わせた変形例である浴槽装置230を説明する斜視図である。浴槽装置230は、吐水装置10の上部に枕部材101が取り付けられる点で浴槽装置200と相違する。浴槽装置230は、枕部材101を備えることで、入浴者は、枕部材101に頭を載せてくつろいだ姿勢をとることができる。また、この姿勢で首や肩に吐水流112が当たることでより心地よい刺激が得られる。
以上、本発明の実施の形態をもとに説明した。これらの実施の形態は例示であり、いろいろな変形および変更が本発明の特許請求範囲内で可能なこと、またそうした変形例および変更も本発明の特許請求の範囲にあることは当業者に理解されるところである。従って、本明細書での記述および図面は限定的ではなく例証的に扱われるべきものである。
説明に使用した図面では、部材の関係を明瞭にするために一部の部材の断面にハッチングを施しているが、当該ハッチングはこれらの部材の素材や材質を制限するものではない。
実施の形態の説明では、上下に二つの槽を重ねて設ける例について説明したがこれに限定されない。例えば、上下に二つの槽を重ねると共に、給水側または吐水側に補助的に別の貯留空間を設けるようにしてもよい。
10 吐水装置、 20 第2室、 22 吐出口、 30 第1室、
32 給水部、 40 隔壁、 42 連通部、 44 通路部、
50 下筐体、 51 第1凹部、 52 第2凹部、
53 第1接続部、 54 第2接続部、 60 中筐体、
65 第2接続部、 66 開口、 67 傾斜面部、 68 張出部、
69 後退部、 70 上筐体、 72 後方カバー部、
77 第1接続部、 78 第2接続部、 80 第1締結構造、
81 中空ボルト、 82 第1ボルト、 83 アンカーナット、
84 ナット、 89 キャップ、 90 第2締結構造、
91 第2ボルト、 93 アンカーナット、 101 枕部材、
102 ベース部材、 110 浴槽水、 112 吐水流、
200 浴槽装置、 210 浴槽、 216 リム部。

Claims (8)

  1. 湯または水である浴槽水を受け入れて左右方向に長い膜状の吐水流を前向きに吐き出す吐水装置であって、
    隔壁を隔てて上下に配設される第1室と第2室とを備え、
    前記第1室には浴槽水を受け入れる給水部が設けられ、
    前記第2室には吐水流を吐き出すための吐出口が設けられ、
    前記隔壁には前記第1室と前記第2室とを連通する連通部が設けられることを特徴とする吐水装置。
  2. 前記連通部は左右方向に離間して設けられる複数の通路部を含むことを特徴とする請求項1に記載の吐水装置。
  3. 前記第2室は、前記隔壁が載せられた前記第1室の上側に設けられることを特徴とする請求項1または2に記載の吐水装置。
  4. 前記第2室の後方から前記第1室の後方にかけて連続して覆うカバー部が設けられることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の吐水装置。
  5. 前記第2室と前記第1室とは中空部を有する中空締結具によって結合され、
    前記中空部には、別の締結具が挿入されることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の吐水装置。
  6. 前記中空締結具の上部には、前記中空部から外周側に通じる通水路が設けられることを特徴とする請求項5に記載の吐水装置。
  7. 前記隔壁の後方部には、後方に張出す張出部と、前記張出部より前方に後退する後退部と、が設けられることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の吐水装置。
  8. 請求項1から7のいずれかに記載の吐水装置を備える浴槽装置。
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