以下に本発明の実施の形態を遊技機たるスロットマシンを例に図面を参照しつつ説明する。なお、図1はスロットマシンの分解斜視図、図2は扉形前面部材を省略した状態を示すスロットマシンの分解斜視図、図3はスロットマシンの斜視図、図4は扉形前面部材を省略した状態を示すスロットマシンの縦断面図、図5は図4のZ1部拡大図、図6はコネクタホルダーを移動させた状態を示す図4のZ1部拡大図、図7は扉形前面部材を省略した状態を示すスロットマシンの横断面図、図8(a)は図7のZ2部拡大図、図8(b)はコネクタホルダーを移動させた状態を示す図7のZ2部拡大図、図9は図8(a)の要部を示す拡大図、図10は背板側を示すスロットマシン要部の横断面図、図11はケース部材の分解斜視図、図12はケース部材を後ろから見た斜視図、図13(a),(b)はコネクタホルダーの仮止め状態を説明するケース部材の要部の斜視図、図14は配線中継部材の分解斜視図、図15は配線中継部材のカバー体を省略した正面図、図16,図17はコネクタホルダーの分解斜視図、図18はケース部材を止めるストッパの斜視図、図19は他の形態を示すストッパの斜視図、図20,図21はケース部材のガイド構造を示す要部の断面図、図22は把手の他の形態を示す図柄変動表示装置の部分斜視図、図23はケース部材と外本体側のストッパとの関係を示す要部の斜視図、図24は配線窓と図柄変動表示装置のリールとの関係を示す要部の断面図、図25はスロットマシン上部の縦断面図、図26はメダル放出装置を省略してスロットマシンの下半部を示す斜視図、図27は図26の分解斜視図、図28はスロットマシンの裏側から放熱口を見た背面図、図29は電源装置を示すスロットマシンの一部断面部分正面図、図30は電源装置を下から見上げた状態を示す斜視図、図31は他の形態を示すもので外本体の側板と電源装置の要部断面図、図32は他の形態を示す照明装置の概略断面図、図33は透明板と発光ユニットを分解して示す扉形前面部材の斜視図、図34は透明板を分解して示す扉形前面部材の斜視図、図35は透明板を装着した扉形前面部材の図33A−A線相当断面図、図36はヒンジ金具の分解・組み立て斜視図、図37はヒンジ金具の連鎖を示す線図、図38は扉形前面部材を示す要部の横断平面図、図39は開く途中の扉形前面部材を示す要部の横断平面図、図40は扉形前面部材の上半部を示す裏側から見た斜視図、図41は連結具を縦方向に切断した断面斜視図、図42は他のヒンジ金具の例を示す扉形前面部材の要部横断平面図、図43は図42の扉形前面部材の開く途中を示す要部の横断平面図、図44は機種ユニットにおいて前面開閉部材を開いた状態を示す斜視図、図45は連結具を連結したまま扉形前面部材を開いた状態を示す斜視図である。
[1.第1の実施形態]
本発明における第1の実施形態のスロットマシン1は、図1及び図2に示すように、前面が開口する箱形の外本体100と、該外本体100の前面に回転軸100aをもって横開きの扉状に回動可能に取り付けた扉形前面部材200と、複数の図柄を駆動手段で変動させる図柄変動表示装置300と、前記外本体100に対し着脱自在であって前面に開口部401を有するケース部材400と、任意の画像を表示する画像表示体500と、を有する。
[2.外本体]
外本体100は、図1〜図4に示したように底板101の左右に側板102,102を取着すると共に該側板102,102の頂部に天板103を設置して正面視縦長「口」字形の枠状となし、その枠の背に背板104を固着して前面のみ開口する箱形に形成してなる。前記左右の側板102,102は前縁が後傾状態に僅かに傾斜する台形になっており、従って外本体100の開口は後傾状態の傾きを有する。また、前記天板103には、遊技機設置島(図示せず)に設置した状態で該遊技機設置島の上桟600(図25想像線参照)と対向する領域内に複数(実施形態では4個)の貫通孔132,132…が穿設されている。
[2−1.外本体−仕切板]
外本体100内には高さのほぼ中央に棚板状の仕切板105が設けられている。該仕切板105は金属製であって、図1,図2に示したように中央に突段部106を有する正面視略凸形であり、両端に形成した垂直な取付片107を外本体100の側板102,102内面に固着し、また、後端に形成した垂直な取付片108を外本体100の背板104内面に固着して取り付けられる。なお、仕切板105の後端の取付片108にはバーリング加工(下孔の孔径をポンチで広げながら短筒状の突起を立ち上げる金属加工)による筒状突起(図示せず)が形成されており、該筒状突起を外本体100の背板104にプレ加工した小孔(図示せず)に打ち込んで位置決めされる。また、仕切板105の両横の最奥部には外本体100の背板104との間に配線用の開口109が形成されている。
[2−1−1.外本体−仕切板−下スペース]
外本体100内の前記仕切板105より下のスペースには、遊技媒体たるメダルを前記扉形前面部材200の前面下部にあるメダル用受皿201に放出するメダル放出装置110と、メダル放出装置110からオーバーフローするメダルを貯めるメダル用補助収納箱111と、電源装置112等が設けられている。
[2−1−1−1.外本体−仕切板−下スペース−メダル放出装置]
前記メダル放出装置110は、駆動手段を内蔵した装置本体110aにメダル貯留用のホッパ110bを取り付けたものであり、装置本体110aの前面にメダルの放出口110cが設けられていて、ホッパ110b内にあるメダルが前記駆動手段の作動により放出口110cに向けて1枚ずつ送り出される。また、ホッパ110bには溢れたメダルを排出させるオーバーフロー樋110dが設けてあり、そのオーバーフロー樋110dの突端下方に前記したメダル用補助収納箱111が臨む。なお、メダル放出装置110のメダル放出機構は、現在公知のどのようなものを採用してもよく、よって詳細な説明を省略する。
[2−1−1−2.外本体−仕切板−下スペース−電源装置]
前記電源装置112は、図26〜図30に示したように、外本体100の底板101と、正面向かって左側の側板102と、背板104の三部材が直交する内側コーナー部分に取り付けられている。電源装置112は、前記メダル放出装置110等の電気部品に電気を供給するためのものであって発熱しやすい部品であり、従って外本体100の背板104には電源装置112の取付部位に放熱口104aが開設されている。
電源装置112の装置ケース112aは、透明な合成樹脂で形成されている。こうすることにより装置ケース112aの内部が見えるから、電源装置112の基板112s(図30参照)等に対する不正工作の発見が容易になる。装置ケース112aは、上面をカバーする上面板112bと、外本体100の背板104に対向する後面板112cと、該後面板112cの反対側をカバーする正面板112dと、スロットマシン1の内部に向かう側をカバーする側面板112eと、上面板112bと側面板112eの境界部分を面取り形態にカバーする斜面板112fと、底部をカバーする底面板112r(図30参照)で形成されている。一方、装置ケース112aの、外本体100の側板102に対向する側の面はカバーされておらず開放状態にあるが、この開放面は外本体100に取り付けた状態で外本体100の側板102によって塞がれる。
なお、外本体100の側板102には図26,図27に示したように凸面部102aを設けて段状のガード部102bを形成し、該ガード部102bの下に装置ケース112aの上面板112bの一側を潜り込ませる仕様になっている。これにより装置ケース112aの一面をカバーしなくてもガード部102bによって装置ケース112aと側板102の継ぎ目が塞がれるから異物の差込みが行えない。図31は前記ガード部102bを溝状にした他の実施形態を示すものであり、この例では装置ケース112aの上面板112bの縁を側板102側に若干突出させてその先をガード部102bの溝に嵌め込むようになっている。
このように電源装置112の装置ケース112aにおいて、外本体100の側板102に当接する側の面をカバー無しの開放構造にして使用時に前記側板102で塞がるようにした場合は、装置ケース112a内への基板112s等の組み込みが開放面を使って行い易く、また、装置ケース112aに基板112s等を組み込んだ後の開放面へのカバー付けが不要であるから作業性が向上する。
前記装置ケース112aの上面板112b、側面板112e、斜面板112f、後面板112c、底面板112rには多数の通気孔112g,112g…が形成されていて内部に熱がこもらないようになっている。装置ケース112aは、底部に設けた脚部112h,112h…によって高床式に持ち上げられており、装置ケース112aの底面板112rと外本体100の底板101の間に通気空間112iが形成されている。従って、通気空間112iから底面板112rの通気孔112g,112g…を通って低層の比較的冷たい空気が装置ケース112a内に導入できる。実施形態の通気空間112iは、外本体100の前記放熱口104aに連通するようになっているため、機裏の冷たい空気を通気空間112iに導入することができる。なお、装置ケース112aの後面板112cと底面板112rの境界部に前記通気空間112iを嵩上げする逆L字形の段部112j(図30参照)を形成すれば、脚部112hの高さと放熱口104aの高さにズレがあっても通気空間112iを放熱口104aに連通させることができる。
[2−1−1−2−1.外本体−仕切板−下スペース−電源装置−固定]
電源装置112は、装置ケース112aの正面板112dの一側辺に対して直角である取付片112kと、装置ケース112aの後面板112cから外本体100の背板104に向けて突設した突部112mと、外本体100の背板104に開設した放熱口104aと、の組合せにより外本体100に固定される。
すなわち、放熱口104aの輪郭は装置ケース112aの後面板112cの輪郭より小さく形成されており、従って電源装置112は外本体100の背板104に当たって放熱口104aを通らない。また、装置ケース112aの後面板112cに突設した突部112mは、前記放熱口104aに内接する位置にあり、電源装置112の浮き上がり動作に抗すべく放熱口104aの上辺に内接する水平な突片112m−1と、電源装置112の横転動作に抗すべく放熱口104aの縦辺に内接する垂直な突片112m−2で構成される。従って、電源装置112を外本体100の側板102の内面に沿わせて押し込み、放熱口104aに突部112mを差し込むだけで、装置ケース112aの後面(奥側)の上方向(浮き上がり)と図26において右方向(横転)への固定が完了する。もちろん電源装置112は、下方向に対しては外本体100の底板101によって、また、図26において左方向に対しては外本体100の側板102によってその動きが規制されるため、放熱口104aに突部112mを嵌め込むだけの単純な操作で、手前に引っ張る方向以外について電源装置112の動きが完全に規制できる。
一方、正面板112dに突設した取付片112kにはビス用の透孔112pが複数穿設されており、該透孔112pの少なくとも1個に木ねじ112qを通して外本体100の側板102に固定する。これにより手前に引っ張る方向についても電源装置112の動きが規制されるため、1本の木ねじ112qで外本体100への電源装置112の確実な固定が可能である。
[2−1−1−2−2.外本体−仕切板−下スペース−電源装置−電源コード]
電源装置112には外部から電気の供給を受けるための電源コード(図示せず)が接続されている。そして、従来は前記放熱口104aの横に膨出部を設けてそこから前記電源コードを引き出すようにしていたが、この位置では電源コードを束ねても地面にすれる危険性が高い。スロットマシン1は、製造途中で電源を投入する場合があり、そのときに備えて外本体100の外に電源コードを出しておかなければならないから、製造ライン上での移動の際やライン間での移動の際に電源コードが地面にすれたり、スロットマシン1の底板101の下に入って挟まるおそれがある。
これに対し実施形態の放熱口104aは、その上辺から上に向けてコード引出口104bを拡張し、そこから電源コードを引き出すようにしている。これにより束ねた電源コードを宙づり状態にぶら下げるに十分な高さが確保できる。よってスロットマシン1を製造する工程で誤って電源コードを傷めてしまうトラブルが激減する。
以上のように本発明のスロットマシン1は、電源装置112を外本体100の内側コーナー部分にセットして1本の木ねじ112qをねじ込むだけで取り付けが完了するため、従来に比べて電源装置112の取付作業の大幅な省力化が可能である。また、本発明では、1つの面に対してネジ止めすれば固定が完了するので、特に、固定する部位を電源装置112の前方(手前)に持ってきた場合は視認しやすく、確実に固定できる。ちなみに、従来は電源装置112の複数の面或は部材に対してネジ止めする必要があり、特に、背板104に固定するネジは視認しにくいため忘れる可能性があった。
また、放熱口104aは、電源装置112の冷却手段として必要なものであるから、この放熱口104aを電源装置112の固定に利用しても余分な工程やコストは殆ど発生しない。却って、固定のために放熱口104aの位置と電源装置112の位置を一致させることになるから冷却効率が向上する。加えて、装置ケース112aを実施形態のごとく合成樹脂製にした場合には、取付用の突部112mも一体成形できるため殆どコストが掛からない。よって電源装置112の取り付けに要するトータルのコストも従来に比べて削減できる。
さらにまた、装置ケース112aを合成樹脂製にした場合には、電源装置112の発熱対策として有用な装置ケース112aの脚部112hや段部112jも殆どコストをかけずに実施できるメリットがある。
[2−1−2.外本体−仕切板−上スペース]
一方、外本体100内の仕切板105より上のスペースには前記ケース部材400が納められ、また、外本体100の背板104の内面には後述する配線手段の中核となる配線中継部材113が取り付けられ(図1,図2参照)、さらに背板104には配線中継部材113より上方に放熱用の通気口133が形成されている。
[3.扉形前面部材]
図3に扉形前面部材200の表側が、また、図1に扉形前面部材200の裏側が示されている。扉形前面部材200は、表側の下方にメダル用受皿201を有し、また、表側のほぼ中央に操作部202が設けられている。この操作部202には、メダル投入用の投入口203と、後述するメイン基板409のメモリにデータとして蓄えられているメダルから1枚のみの投入(引き落と)を指示する1枚投入ボタン205と、同じく1回のゲームで使用可能な最高枚数(例えば3枚)の投入を指示するMAX投入ボタン206と、後述するメダルセレクタ207の中に詰まったメダルをメダル用受皿201に戻すためのメダル返却ボタン208と、メイン基板409のメモリにデータとして蓄えられているメダルの貯留解除命令(精算による放出命令)を入力するための貯留解除スイッチ209と、前記図柄変動表示装置300を作動させる始動レバー210と、図柄変動表示装置300の各リール301a,301b,301cを停止させる3個のリール停止ボタン211a,211b,211c等が設けられている。もちろんここに示した操作部202の構成は1つの例示であり、これらに限定されるものではない。
また、前記投入口203の裏側にはメダルセレクタ207が設けられており、そのメダルセレクタ207の横にメダル樋212が、また、下に返却樋213が接続している。メダルセレクタ207は内蔵したソレノイド(図示せず)をON・OFFさせることによって流路を切り替える公知のものであり、遊技者からのメダルの投入を待つ遊技状態のときには流路をメダル樋212側に、また、規定枚数を超えたメダルの投入など、メダルの投入を拒否する遊技状態のときには流路を返却樋213側に設定する。前記メダル樋212は、扉形前面部材200が外本体100の前面に被さる閉じ位置にあるときその突端がメダル放出装置110のホッパ110b内に臨むようになっており、投入口203からメダルセレクタ207を通ってメダル樋212に流れたメダルはホッパ110bに行き着く。一方、前記返却樋213は表側のメダル用受皿201に繋がっており、投入口203からメダルセレクタ207を通って返却樋213に流れたメダルはメダル用受皿201に戻る。
[3−1.扉形前面部材−透視窓]
扉形前面部材200は、外本体100の前面全体をカバーする大きさであって、その上半部は、図33,図34に示したように、透明板214aで覆ったゲーム用の透視窓214になっている。実施形態の透視窓214並びに透明板214aは、前記画像表示体500と図柄変動表示装置300が上下に並んで見えるよう通常より大きくなっており、扉形前面部材200と一体の額フレーム216によって画像表示体500と図柄変動表示装置300の領域が視覚上、上下に区画されている。このように一枚の透明板214aを、画像表示体500と図柄変動表示装置300の双方をカバーする大きさに設定しておけば、画像表示体500と図柄変動表示装置300の配置が上下入れ替わっても、そのまま使用することができる。
[3−1−1.扉形前面部材−透視窓−透明板]
透明板214aは、透明な合成樹脂(例えば耐衝撃性、耐擦傷性、光学特性に優れたゴム入りのメタクリル樹脂、実施形態では三菱レイヨン株式会社製「アクリペット(登録商標)IR D30」を使用)をほぼ逆さ台形にした上広がりの形態であって、底辺を除く三辺(左右側辺と上辺)の周縁に、遊技者と向かい合う側を前面としてその前面側に膨出する縁部材214b,214b,214bを、樹脂成型用型枠を用いての樹脂成型時に一体成型してなる。このように平らな板状の透明板214aの周縁に縁部材214bを一体に成型した場合には、縁部材214bが補強バーになって透明板214a全体の強度を高めるため、透明板214aが上記のように画像表示体500と図柄変動表示装置300の双方をカバーする程度に大きくても撓みや歪みが生じにくい。
前記縁部材214bは、図35に示したように、後面側に開口する殻構造(中実でなく、内部に空間がある殻のような構造であり、各部の肉厚は任意である。)になっており、その内部空間に発光ユニット217と、必要に応じて例えば表面に模様や文字を施した装飾部材(図示せず)が組み込まれる。
なお、図34では、発光ユニット217が扉形前面部材200に取り付けられているように描かれているが、実際の発光ユニット217は、図35に示したように縁部材214bの中に嵌め込まれている。従って、透明板214aと発光ユニット217は、一体の部品として取り扱われる。
縁部材214bの形状は図示したものに限定されず、発光ユニット217や装飾部材のデザインに合わせて任意に変更可能である。また、縁部材214bを設ける部位も実施形態のように透明板214aの周縁の三辺に限定されず、最低限、何れかの一辺に設けるだけでもよい。
その他、図33,図34において符号218は、透明板214aの上の左右コーナー部分に設けた固定部材であって、透明板214aの裏側から透孔214c(図33拡大図参照)に通したビス(図示せず)により、縁部材214bと縁部材214bの間に嵌った図34の状態で止められている。該固定部材218は、外見上コーナー飾りとしての役割を果たす一方、扉形前面部材200と透明板214aの夫々の上のコーナー部分に設けた通孔200a,214d(図33拡大図参照)に対し扉形前面部材200の裏側から通したビス(図示せず)に螺合し、もって透明板214aを扉形前面部材200に固定するナット的な役割を果たす。
また、図33〜図35において、符号217aは発光ユニット217の発光体、217bは発光体217aを支持する反射部材である。左右に位置する発光ユニット217の反射部材217bは、図35に示したように、棒状の発光体217aの光をスロットマシン1の周囲に向けて多く反射するように角度が設定されている。なお、透明板214aの縁部材214bの内部に発光ユニット217を組み込んだ形態は、発光体217aをスロットマシン1の、より手前側に配置することができるから、あたかも岬の突端にある灯台のごとく、光を周囲に向けて放射させる場合に有利である。また、上に位置する発光ユニット217の反射部材217bは、発光体217a(光源217a−1と導光板217a−2の組合せ)の光をスロットマシン1の上方に向けて多く反射するように設定されている。
以上の構成である発光ユニット217は、遊技中、特に大当たりが出た場合などに点灯して大当たりの発生を周囲にアピールする演出を行うことができる。このように周囲に対しアピール度の高い演出を行うことによって、大当りを得た遊技者に注目させることができ、多くの者の視線が遊技者に優越感を抱かせるから、遊技がさらに盛り上がる。また、大当たりが出ていることを周囲にアピールすることにより、その機種の人気が高まり、稼働率が向上することも期待される。
実施形態の透明板214aは以上のような構成であって、扉形前面部材200の裏側に設けた凹溝219(図34拡大図参照)に対し、板状の底辺を扉形前面部材200の前面から斜めに差し入れて建具式に嵌め込み、その状態で透明板214aを直立させて扉形前面部材200の前面に全ての縁部材214b,214b,214bを当接させ、さらに扉形前面部材200の裏から通したビス603(図1参照)によって固定する。図35は、このときの扉形前面部材200の要部を切断したものであり、この図35から明らかなように、もし仮に、遊技者が扉形前面部材200と縁部材214bの境から異物を無理矢理差し込んだとしても、その異物の先が縁部材214bの内部を横断して透明板214aの裏側に到達する余地は殆どない。従って、優れた防犯効果を発揮する。
[3−2.扉形前面部材−錠装置]
扉形前面部材200の自由端側の一側には専用キー(図示せず)を使って開閉操作する錠装置215が設けてある。
[4.図柄変動表示装置]
図柄変動表示装置300はリール回転式表示装置であって、モータ等の駆動手段303で個別に回転可能な例えば3個のリール301a,301b,301cと、該リール301a,301b,301cを組込み・収容する装置ケース302とを有し、リール301a,301b,301cの周面に描いた複数の図柄(図示せず)の組合せで遊技を行う周知のものである。
前記装置ケース302は、あたかも横倒しにした八角柱から正面(遊技者)に向かう3面を除いた変形六角柱形態であって、底部板304と、天板部305と、図11において向かって右側の右側板306と、同じく左側の左側板307と、後面を覆う垂直な後部板308と、天板部305と後部板308の間に設けた上斜板309と、底部板304と後部板308の間に設けた下斜板310で囲った箱形であり、前記リール301a,301b,301cの円弧の一部が装置ケース302の正面からはみ出す状態になっている。
また、装置ケース302の天板部305には指掛可能な使用状態と、天板部305に伏した不使用状態とに変化可能な把手311が設けられており、該把手311に指を掛けて持ち運ぶようになっている。
このように装置ケース302の天板部305に上記のごとく変化可能な把手311を設ける構成は、ケース部材400の強度アップ策と密接に関連する。すなわち、実施形態では後述するようにケース部材400の開口部401に補強桟402を設け、もってケース部材400の開口部401に画像表示体500を片持ちさせるに十分な強度を付与しているが、そのような補強桟402は開口部401を横切るから装置ケース302のケース部材400への出し入れに対し、明らかに障害となる。これに対し実施形態のように把手311を変化可能にして天板部305に伏させておけば、把手311の出っ張りがなくなるから、装置ケース302が補強桟402の下を難なく通過できるのである。従って、装置ケース302の天板部305に上記のように変化可能な把手311を設けてこそ、ケース部材400の開口部401に該開口部401を横切る向きの補強桟402を設けることが可能になる。ちなみに、従来の装置ケースは、天部板から把手が出っ張っていてそれが障害になるため、ケース部材の開口部に補強桟を設ける余地がない。
なお、実施形態の把手311は、立てた使用状態と伏した不使用状態とに揺動して変化させる構造としたが、把手311を使用状態と不使用状態とに変化させ得る構造は、実施形態に限定されない。例えば図22に示したように、天板部305に2つのベルト通し314,314を切り起こし、該ベルト通し314,314に例えば合成樹脂や革製であって両端に抜け止め部315,315を設けてなる帯状の把手311を挿通し、図22の伏した不使用状態から中央を引き上げて指掛可能な使用状態に変化させる構造にするなど、指掛可能な使用状態と、天板部305に伏した不使用状態とに変化可能であれば、どのような構造であってもよい。
また、実施形態の装置ケース302の底部板304には図4,図11に示したようにフランジ状の下把手316が突設されており、該下把手316をつかんで装置ケース302を押し込み又は引っ張ることにより、ケース部材400への出し入れが行い易くなっている。
[5.ケース部材]
ケース部材400は、前記外本体100の仕切板105から上のスペースにほぼ合致する大きさであって、底板403と、該底板403の左右両横に立設した側板404,404と、底板403の後縁に立設した後面板405と、該後面板405と前記側板404,404の上面を覆う天板406とからなり、前面に開口部401を有する箱形である。
該ケース部材400は、底板403が金属製で、側板404,404、後面板405、天板406が合成樹脂製であり、側板404,404と天板406の開口部401内面に金属製の補強部材407,407,407が設けられ、さらに側板404,404の補強部材407,407の間に開口部401を横切る金属製の補強桟402が掛け渡されている。そして、この補強桟402を境にそれより下が前記図柄変動表示装置300の設置領域として、また、補強桟402より上の開口部401が前記画像表示体500の設置領域として、さらにまた、画像表示体500より後方のケース部材400で囲われた領域が配線作業空間408として割り当てられ、その配線作業空間408の後面板405の内壁面に、主たる制御基板であるメイン基板409が装着され、さらにメイン基板409以外の制御基板等(例えばサブ基板510(図44参照))も配線作業空間408内に装着されている。
ケース部材400の天板406には、図1に示したように天窓部443,443が形成されている。この天窓部443,443は、天板406の強度を保つための補強帯444を挟んで2つに分けられており、その夫々が前記外本体100の貫通孔132,132…を通る軸線との交点を含む領域にあり、該貫通孔132,132…より十分に広く開口している。もっとも天窓部443の前側の周縁は前側に位置する貫通孔132の近くに寄せられている。そうすることにより天窓部443の周縁を基準として手探りで貫通孔132が見つけ出せるから、たとえ天窓部443の中を作業者が覗き込めなくとも貫通孔132の位置が素早く簡単に割り出せる。ここで、天窓部443が本発明の開口部としても機能している。つまり、ケース部材400の上面に開口部として複数の天窓部443を備えることにより、軽量化を図ることができ、輸送時や交換時における作業者の負担を一層軽減することが可能になる。
ケース部材400の後面板405の外面には図2,図5,図6,図12に示したように複数のボス410,410が突設されており、該ボス410を外本体100の背板104にプレ加工したボス孔114,114に嵌めて位置決めされる。なお、このボス410,410は、図2,図5に示したように後述する配線窓411近くに設けられており、一方、外本体100側のボス孔114,114は前記配線中継部材113近くに設けられており、これによりケース部材400の配線窓411と背板104の配線中継部材113の位置決めが正確になる。
一方、ケース部材400の底板403の底面には、図2に示したように凹段部412が形成されており、該凹段部412が前記仕切板105の突段部106に嵌まり合う。凹段部412の後面板405側の端部には後方に向かって拡大する向きのテーパ部413が設けてあり、該テーパ部413に案内され仕切板105の突段部106とケース部材400の凹段部412との嵌め合わせが円滑に行える。このようにケース部材400の凹段部412と仕切板105の突段部106の嵌め合いによってケース部材400が仕切板105の奥に真っ直ぐに案内されるが、例えば図20に示したように仕切板105に凹溝形態のレール部材115を敷設又は一体にプレス成形し、一方、ケース部材400の底板403に車輪414を設置し、該車輪414をレール部材115の溝内で転がらせるようにしてもよい。或は、図21に示したように仕切板105に凸形態のレール部材116を敷設又は一体にプレス成形し、一方、ケース部材400の前記車輪414の両端に鍔415,415を形成し、該車輪414の鍔415,415でレール部材116を挟ませるようにしてもよい。
また、ケース部材400は、仕切板105上の所定の位置にセットした状態で、図1,図2,図18,図23に示した揺動レバー形態のストッパ117で止められている。このストッパ117は、図1,図2に示したように仕切板105の前端部と、天板103に垂設した2つの取付具118,118とに軸着されており、図18実線のようにケース部材400の一部に係合する作動姿勢と、図18想像線のようにケース部材400に係合しない非作動姿勢とを手動で切り替えてケース部材400の仕切板105上における前方向の動きを規制する。なお、ストッパ117を図19に示したように鍵形にしてケース部材400に設けた引掛部416に係合させるようにすれば、ケース部材400の仕切板105上における上方向の動きも規制することができる。
また、天板103の取付具118に軸着したストッパ117は、図23に示したようにケース部材400の側板404と天板406のコーナー部に貫設した係止孔442に臨む位置にあり、ケース部材400を所定の位置に押し込んだ状態でケース部材400の内側から作動姿勢と非作動姿勢の切り替えが行えるようになっている。
また、ケース部材400の後面板405には外本体100の背板104側に貫通する長孔形態の配線窓411が開設されている。該配線窓411は、図4,図5,図24に示したようにケース部材400に設置した図柄変動表示装置300の装置ケース302の上斜板309に対応し且つ前記メイン基板409の下側の位置にあり、上斜板309の上にある横長の空きスペース417(或は上斜板309とメイン基板409の間に形成される横長の三角スペース417と観念してもよい。)と背板104を結ぶ開口として機能する。
また、ケース部材400には図5,図12に示したように空きスペース417の高さのほぼ中間位置に棚板状の仮止め部材418(以下「仮止め棚」ともいう。)が設けられており、また、後面板405の外側であって配線窓411の両横にケース部材400の左右側面に抜ける配線通路たる凹み419,419が形成されている。
なお、前記配線窓411の配置を、図柄変動表示装置300のリール301a,301b,301cを基準に特定するならば、配線窓411は、図24に示したように図柄変動表示装置300のリール301a,301b,301cの回転中心を通る水平面HLと、リール301a,301b,301cの最高高さ位置を通る水平面HHとの間の範囲を下限とする状態、つまりその範囲内に下辺を置く高さに配置したものである、と言い換えることもできる。
[6.画像表示体]
画像表示体500は、例えば、少なくとも液晶ディスプレイ(他にもプラズマディスプレイや有機ELディスプレイ等でもよい。)で構成される画像表示可能なパネル形のユニットであり、ケース部材400の前面開口を開閉可能に閉鎖する前面開閉部材90(図44参照)としても機能している。なお、画像表示体500は、図11においてケース部材400の左側の側板404に設けた補強部材407にヒンジ金具420を取り付けて(取付位置は図11斜線部参照)、該ヒンジ金具420により回動自在に支持されている。
また、図44に示すように、画像表示体500の裏面側には、サブ基板510が組付けられている。このため、液晶ディスプレイ等の画像表示体500とサブ基板510とを一体的に構成することが可能になり、取扱いが容易になるとともに、両者を繋ぐ配線が省略でき、ケース部材400内における配線作業空間408の煩雑さを抑制できる。また、画像表示体500が開かれると、サブ基板510がケース部材400内から飛び出すように出現するため、サブ基板510に対する作業性を著しく向上させることができる。
[6−1.画像表示体−ヒンジ金具]
図36は、ヒンジ金具420の分解・組み立て斜視図である。なお、ヒンジ金具420は、上下が対称な構造であるため、主として上部について説明する。ヒンジ金具420は、前記ケース部材400の補強部材407に取り付く固定部材420aと、画像表示体500の裏側(図36の破線領域500s参照)に取り付く回動部材420bと、該回動部材420bと固定部材420aを連結する短リンク420c及び長リンク420dで構成される。
ヒンジ金具420の固定部材420aは、棚板形態である横向きの固定片420eを有し、該固定片420eの上面に長リンク420dの一端をピンP1で、また、固定片420eの下面に短リンク420cの一端をピンP2で回動自在に軸着する。一方、ヒンジ金具420の回動部材420bは、棚板形態である横向きの軸承片420fを有し、該軸承片420fの上面に長リンク420dの一端をピンP3で、また、軸承片420fの下面に短リンク420cの一端をピンP4で回動自在に軸着する。
こうして固定片420eと軸承片420fと長リンク420dと短リンク420c及びピンP1〜P4は、図37の線図に示したように四節回転連鎖を構成し、その連鎖の中でも特に、最短リンクである軸承片420fに向かい合う固定片420eを固定リンクとする、いわゆる両てこ機構を構成する。この両てこ機構は、図37(a)〜(c)に示したように、画像表示体500の回動軌道を、扉形前面部材200の回転軸100aを中心とする回動軌道に近似させるべく、それぞれのピン位置が設定されている。つまり、ヒンジ金具420が回転中心移動機構として機能しており、扉形前面部材200の回動位置が変化しても、扉形前面部材200の回動外縁側と画像表示体500の回動外縁側との距離が略一定になるようにしている。
なお、長リンク420dと短リンク420cは、画像表示体500がほぼ90度回動した(開いた)状態で上下に重なり合うように重合領域420g,420hが設定されており(例えば長リンク420dの重合領域420gを三角形に膨出させて短リンク420cの重合領域420hに重なるようにする。)、その重合領域420g,420hの夫々にピン孔420i,420jが形成されている。このピン孔420i,420jは、両者を同軸上に揃えて棒状の止めピン(図示せず)を差し込むことにより長リンク420dと短リンク420cを連結し、もって両てこ機構をロックして画像表示体500を開いた位置に固定するためのものである。
[6−2.画像表示体−ロック片]
図11,図12に示したように、ケース部材400の縦の補強部材407のうち前記ヒンジ金具420を設けた補強部材407の反対側の補強部材407(図11において向かって右側)にはロック片421が軸着されており、該ロック片421を図11の状態から時計回りに回動させるとその先端が画像表示体500の裏側に突設した受部508に係合し、この状態で画像表示体500がケース部材400の開口部401の上部を閉じた位置にロックされる。一方、前記ロック片421をロック状態から逆向きに回動させると画像表示体500のロックが解除され、ヒンジ金具420を中心に回動自在になる。通常、ケース部材400を外本体100に装着する前の状態では画像表示体500を閉じ位置にロックして無用な回動を防止し、一方、ケース部材400を外本体100に装着した状態では画像表示体500のロックを解除して回動自在とする。
[6−3.画像表示体−連結具]
ところで、外本体100の扉形前面部材200とは別に、ケース部材400に開閉可能な画像表示体500が設けられることから、ケース部材400内を視認したりケース部材400内で作業したりする場合には、まず手前側の扉形前面部材200を開放し、その後さらに奥側の画像表示体500を開放しなければならず、これにより作業性を低下させたり煩わしさを与えることが懸念される。
そこで、本例のスロットマシン1では、画像表示体500の回動方向を扉形前面部材200の回動方向と同方向にするとともに、扉形前面部材200と画像表示体500を適宜な連結具700で連結し、扉形前面部材200の開閉に連動して画像表示体500も一緒に開閉させるようにしてある。これによれば、扉形前面部材200を開放させると、連結具700を介して画像表示体500も同方向に回動し、ケース部材400の前面が開放される。つまり、画像表示体500が扉形前面部材200に連れ回ることとなり、一回の横開き操作によって外本体100内は勿論、ケース部材400の内部までも視認させることが可能になる。
ここで、前記のように実施形態の扉形前面部材200と画像表示体500とは、ヒンジ金具420の両てこ機構によって、画像表示体500の回動軌跡が扉形前面部材200の回転軸100aを回転中心とする回動軌跡に近似するようになっているものの、それでもなお両者の動きには相対的なずれが生じる。そこで、実施形態の連結具700は、図40及び図41に示したように、画像表示体500の自由端側の裏面に固定鞘部材701を形成し、該固定鞘部材701の内部に摺動自在な状態にロッド702を納め、そのロッド702の先端を扉形前面部材200の裏面(具体的には錠装置215のベース部材215a)に対し、止め軸703で回転可能な状態に連結してある。こうすることにより、図39のように、扉形前面部材200の開閉に連動して画像表示体500が扉形前面部材200の付属部品であるかのごとく一緒に開閉し、その際生じる両者の動きの相対的なずれを連結具700のロッド702が固定鞘部材701に出入りして吸収する。
なお、ロッド702が画像表示体500の回動外縁(自由端)から最も突出したときの最大突出長さは、画像表示体500が開放位置である場合(例えば90°開放された場合)の、扉形前面部材200の回動外縁(止め軸703の位置)と画像表示体500の回動外縁との距離に基づいて設定されている。このため、ロッド702の長さを必要最小限の長さとすることができ、連結具の大型化を抑制することが可能になる。
また、前記止め軸703は、錠装置215のベース部材215aの一部を曲げて形成した支持片215b,215b,215bに対し、上下動自在に装着されており、スプリング703aにより常時下向きに付勢されている。よって、この止め軸703は、スプリング703aの付勢に抗して上動させることが可能であり、上動させて下端を浮かせることによって前記連結具700のロッド702の着脱が可能である。すなわち、ロッド702の先端部分に形成された軸孔部702aに対し上方から止め軸703を挿入させ、スプリング703aの付勢力によって保持することが可能になっている。
また、図40において、符号704は連結具700の固定鞘部材701の上面に設けた弾性的な片持ち梁式のストッパであって、前記止め軸703から外したロッド702を固定鞘部材701の内部に納めて保持するためのものであり、ロッド702の上面に形成した溝705の端部の引掛壁702bに係合してロッド702の盲動を防止する。ロッド702には、その側面に摺動方向と直交する方向に摘み片706が突設されており、該摘み片706を摘んでロッド702を強制的に移動させることにより前記ストッパ704のロックが外れるようになっている。また、固定鞘部材701の先端側底面には、抜止め防止片701aが垂下され、ロッド702の溝705内に挿入されている。この抜止め防止片701aは、ロッド702が最も突出した際に引掛壁702bと当接し、ロッド702が固定鞘部材701から抜け出ることを阻止するものである。
また、図40において、連結具700の近傍にある符号509は、画像表示体500の回動外縁側の裏面に突設した係合部である。該係合部509は、ケース部材400の開口部401を横切る補強桟402に係合して、閉じ位置にある画像表示体500の自由端側の荷重を支えるものである。なお、図11に示したように、補強桟402には、前記係合部509を補強桟402の上面に円滑に導くべく、画像表示体500に向かって下り傾斜する滑り台式の案内部402aが設けてある。また、画像表示体500の係合部509は、画像表示体500とは別の潤滑性に優れた合成樹脂で形成されており、画像表示体500に対し着脱自在(交換自在)に装着されている。
ところで、扉形前面部材200と画像表示体500の回動軌跡の相違に起因する動きの相対的なずれは、上記のような伸縮自在なロッド形式の連結具700の他、柔軟なワイヤーにしても吸収することができる。但し、連結具が柔軟なワイヤー等であると、扉形前面部材200を閉じる段階で扉形前面部材200が開いたまま停止している画像表示体500にぶつかることになって、円滑さを損なうおそれがある。これに対し、例えば画像表示体500に巻バネなどの付勢手段を設けて常時閉じ方向に付勢するようにすればよい。そうすることにより扉形前面部材200の閉じ動作に際し、画像表示体500が上記付勢力の作用で連結具を引っ張りつつ自力で閉じるから、扉形前面部材200と画像表示体500がぶつからない。もちろん扉形前面部材200と画像表示体500の連れ回りのための手段は上記に限定されない。例えば、上記において連れ回りのための一要素たるヒンジ金具420は、上記のような両てこ機構の構造に限定されず、図41,図42に示したような、単独のピン420kを中心にして画像表示体500を回動させる単純なものであってもよい。
ケース部材400に対する画像表示体500の取着手段をヒンジ構造にして該画像表示体500を扉状に回動させ得る構成に、上記のように画像表示体500を閉じ位置にロックするロック手段(上記のロック片421)を付加した場合には、ケース部材400を外本体100に装着した状態で原則ロックを継続させ、配線作業空間408内のチェック等、必要な時にのみロックを解除する、という取り扱いを選択することも可能であり、その場合には画像表示体500によって配線作業空間408内の重要部品(例えばメイン基板409やサブ基板510)がブロックできるから、防犯性能の向上に効果がある。
ケース部材400の開口部401上縁と閉じた画像表示体500の上縁との前後間には隙間10が設けられており、該隙間10に通した指で天板406の前記補強部材407が掴めるようになっている。また、ケース部材400の天板406の前方中央部分(天窓部443,443の間の補強帯444)には把手口422が形成されており、該把手口422に通した指で天板406の補強部材407が掴めるようになっている。従ってケース部材400は、取り扱う場所や姿勢に応じて該把手口422と前記隙間10との適宜な使い分けが可能である。例えば、ケース部材400を外本体100に組み込む前の搬送時には把手口422を使って鞄形態に持ち運ぶ方がバランスがよく、一方、ケース部材400を外本体100に装着した状態では、図4に示したように把手口422が外本体100の奥に隠れて指が入らないため、前記隙間10から補強部材407に指を掛けてケース部材400を引っ張り出す、という具合である。なお、ケース部材400の底板403の正面中央には前記した装置ケース302の下把手316(図4,図11参照)が突出しており、該下把手316を持って押し込み又は引っ張ることで外本体100へのケース部材400の出し入れが容易に行える。この場合の下把手316は、装置ケース302がケース部材400にビスで固着されていることよりケース部材400と一体であり、従ってケース部材400の底板403の正面に下把手316が突設されているに等しい。
[6−4.画像表示体−枠部材]
画像表示体500は、ケース部材400の開口部401の前記補強桟402から上の領域のほぼ全部を覆う大きさである。また、画像表示体500の下側には、ケース部材400の開口部401の前記補強桟402から下の領域、つまり図柄変動表示装置300の前方領域を額縁状に囲う枠部材501が一体に垂設されており、該枠部材501により前記図柄変動表示装置300のリール301a,301b,301cが縁取られる。この枠部材501の表面は装飾面になっており、適宜な模様等が描かれている。なお、図示しないが、枠部材501にはLED等の発光源と、その発光源を制御する発光制御基板と、発光源の前方に配置され光を透過可能な装飾部材とから構成された電飾部が設けられている。ここで、画像表示体500と枠部材501とを組合せたものを、以下、前面開閉部材90(図44参照)として説明する。
[6−4−1.画像表示体−枠部材−照明装置]
前記枠部材501の裏側上下には照明装置502が設けられており、該照明装置502によって図柄変動表示装置300の図柄が明るく照らされる。枠部材501は画像表示体500の下に垂設されていて図柄変動表示装置300に近いから、そのような枠部材501に照明装置502を組み込むことで光源を図柄変動表示装置300に近づけることができる。従って枠部材501に照明装置502を組み込む手段は、従来の照明装置に比べて低光量でも十分な明るさが確保できる、という特徴がある。
実施形態として例示した照明装置502は、図4に示したように、図の紙面と直交する方向(スロットマシン1の幅方向であってリール301a…の回転軸と同方向)に細長い帯状の基板503に多数の発光ダイオード(以下LEDという。)504を並べたものであり、下側の照明装置502は、上面を例えば乳白色の透光性蓋板505で塞いだチューブ枠506の中にLED504を上向きにして配置し、一方、上側の照明装置502は、断面上向きコ字状の例えば乳白色である透光性カバー507内にLED504を下向きにして配置してなる。
なお、上側の照明装置502は、照明方向を図4に示したように真下より遊技者側、すなわち透明板214a側に向かう斜め下向きに設置してある。実施形態では比較的強い指向性を持ったLED504の主たる照射領域の中心線L(図4拡大図参照)を透明板214aに対し斜めに向かわせるべく、基板503のLED取付面の向きが、前記透明板214a側に向けて斜め下向きに傾けられている。
また、もし照明装置502の光源として蛍光灯のような棒状発光体を採用した場合には、図4の基板503を板状又は光源を包むような凹面状の反射部材に変更し、直射光と反射光の総和により方向付けられる主たる照射領域の中心線が、透明板214a側の裏面に斜めに当たるように設定すればよい。以上のように照明装置502の照射照準を透明板214aに設定すれば、漏れた一部の光がリール301a,301b,301cの外周面を照らしても殆ど影響はない。
実験によれば、照明装置502の照明方向をリール301a,301b,301cの周面側に向けた場合には、湾曲するリール301a,301b,301cの特定部分が強く反射して見辛くなるのに対し、上記のように主たる照射領域の中心線Lを透明板214aに対し斜めに向かわせた場合には、透明板214aを介してリール外周面が照らされることにより、リール301a,301b,301cの広い範囲が明るく見え易くなることが確認できた。その理由として、照明装置502から照射した光が扉形前面部材200の透視窓214に嵌めた透明板214aに当たって反射し全体に拡散するか、或は透明板214aが明るく照らされることでリール301a,301b,301cの広い範囲が明るく見えるか、或はそれらの相乗作用によるものと推測される。
以上のような上側の照明装置502の構造は、下側の照明装置502にも採用することができ、もちろん図32に示したように下側の照明装置502にのみ採用することもできる。なお、図32は図4の上側の照明装置502を下側に配置し、下側の照明装置502を上側に配置したものであるため、上記照明装置502の説明の「上」を「下」に読み替え、「下」を「上」に読み替えればよい。
ところで照明装置502の光源として実施形態のようにLEDを採用した場合には、(a)低電圧で駆動するため高電圧(例えば、起動時は約800V、動作時は約600V)で駆動する従来の冷陰極管より安全性が高い、(b)冷陰極管より寿命が長い、(c)ガラス管である冷陰極管より丈夫である、(d)多色発光が可能であるため演出の幅を広げることができる、(e)インバータと組合せて使用する冷陰極管より軽く、従って画像表示体500を支えるヒンジ金具420の負担が少ない、というメリットがある。
[7.配線手段]
前記外本体100に取り付けられている例えばメダル放出装置110や電源装置112及び扉形前面部材200の操作部202にある例えば各投入ボタン205,206や始動レバー210(以下、これらの総称として単に「本体側電気部品」という場合もある。)と、ケース部材400にある例えばメイン基板409等(ケース部材側の電気部品の総称として単に「ケース部材側電気部品」という場合もある。)とは電気的に接続されている。そして、実施形態のスロットマシン1は、前面開閉部材90とケース部材400とからなる機種ユニット50(図44及び図45参照)が外本体100に対し着脱自在であるため、機種ユニット50の交換等に際して本体側電気部品(筐体側電気部品)とケース部材側電気部品とを簡単に接続又は切り離すための合理的な配線手段が設けられている。
[7−1.配線手段−配線中継部材]
前記のように外本体100の背板104の内面上部には、図14に示した配線中継部材113が取り付けられている。該配線中継部材113は図4,図5に示したように、前記ケース部材400の配線窓411に対応する位置にあって該配線窓411からケース部材400の空きスペース417に臨むようになっている。配線中継部材113は、前記本体側電気部品につながる本体側配線類119と、前記ケース部材側電気部品につながるケース側配線類423とを中継するものであって、外本体100の背板104にビス止めされる取付板120と、該取付板120の前面に被さるカバー体121と、該カバー体121と前記取付板120の間に納められる複数(実施形態では大小2枚)のコネクタ基板(以下「コネクタ接続用端子基板」という場合もある。)122,123とからなる。
前記2枚のコネクタ基板122,123のうち、図14,図15において左側に位置する大きい方のコネクタ基板122は取付板120に対して固定的に取り付けられており、前記メイン基板409につながっているハーネス424の先端のコネクタ425と対をなすコネクタ124が設けられている。
一方、図14,図15において右側に位置する小さい方のコネクタ基板123は、取付板120とカバー体121の間の隙間に非固定的な遊動可能状態に取り付けられており、従って図15拡大図に示したように上下方向に移動可能であり、また、左右方向にも移動し得る。この小さいコネクタ基板123には、メイン基板409以外のケース部材側電気部品につながっているハーネス426の先端のコネクタ427と対をなすコネクタ125が設けられている。なお、該コネクタ125と前記コネクタ124は、プリント基板にハンダ付け等の固着手段で固着する基板固着型であり、安価なDIN規格のものが使われている。
また、取付板120の前面に被さるカバー体121は、前記コネクタ124,125が通る大小2つの開口126,127と、該開口126,127と横並びの位置に突設した支持筒128と、下半部前方に張り出すトンネル状の配線ダクト129と、を有する。
配線中継部材113に接続する本体側配線類119は、前記配線ダクト129の内部を通るか、または配線中継部材113の取付板120の下側前面に突設したフック形状の配線止め130に束ねられた状態で、図1一点鎖線Lに示したように外本体100の側板102,102側に振り分けられ、該側板102,102と背板104のコーナー付近でほぼ垂直に向きを変え、その多くは仕切板105の奥に設けた配線用の開口109を通って本体側電気部品に夫々接続される。もちろん仕切板105より上の領域に本体側電気部品(例えば図1において側板102の内面に設けた外部中継端子板131)がある場合には、仕切板105の配線用の開口109とは無関係にそのまま接続される。
ここまでで説明した配線手段から、次のような技術的思想が把握できる。
(a)ケース部材400の後面板405に、図柄変動表示装置300のリール301a,301b,301cの回転中心を通る水平面とリール301a,301b,301cの最高高さ位置を通る水平面との間に自己の下辺が位置する高さにして配線窓411を形成する。
(b)外本体100の背板104に、本体側電気部品につながる本体側配線類119と、ケース部材側電気部品につながるケース側配線類423とを中継する配線中継部材113を設置する。
(c)外本体100の側板102,102の内面沿いに配線を通す上下方向の配線経路を形成する。
(d)配線中継部材113につながる本体側配線類119をケース部材400の側方に導き、そこから前記配線経路を通って本体側電気部品に接続する。
以上(a)〜(d)の構成要素を備えた遊技機は、図柄変動表示装置300のリール301a,301b,301cの後ろを本体側配線類119が通らず、外本体100の側板102,102沿い(背板104とのコーナーを含む(図10参照)。)に設けた配線経路を迂回するため、リール301a,301b,301cを外本体100の背板104近くにまで寄せることが可能になり、従来の構成、すなわち、本体側配線類119が背板104のほぼ中央を下ってリール301a,301b,301cの後ろを通っていた従来の構成に比べて、リール301a,301b,301cの径を大きくすることができる。なお、リール301a,301b,301cの径は大きい方が、回転時の迫力が増す。
[7−2.配線手段−コネクタ425,427]
上記のように配線中継部材113に設けられている2つのコネクタ124,125には、ケース部材400のメイン基板409につながっているハーネス424の先のコネクタ425と、メイン基板409以外のケース部材側電気部品につながっているハーネス426の先のコネクタ427がそれぞれ接続されている。
この2つのコネクタ425,427は、図16に示したように1つのコネクタホルダー428に一体に取り付けられている。該コネクタホルダー428は、コネクタ425,427がビス止めされるホルダー主体429と、ほぼ中央に透孔430を有し前記ホルダー主体429の両横に突設した板状の取着片431と、該取着片431の透孔430に装着した周知のボタン形パネルファスナー432(商品名「ナイラッチ」:登録商標)と、からなり、図5,図8(a)に示したように配線中継部材113の前記支持筒128の先に取着片431を当て、該取着片431のボタン形パネルファスナー432を支持筒128に差し込んでロックしてある。従ってコネクタホルダー428が固定手段たる支持筒128に固定され、ひいては配線中継部材113に固定されるため、コネクタ425,427とコネクタ124,125の結合が外れない。
[7−2−1.配線中継基板−コネクタ425,427−仮止め棚]
上記のようにコネクタ425,427は配線中継部材113のコネクタ124,125に接続されているが、ケース部材400が外本体100に組み込まれる前、つまり工場出荷から設置完了までの間、コネクタ425,427は、ケース部材400に設けた仮止め棚418に仮止めされている。
前記仮止め棚418は、図5,図6,図12,図13に示したようにケース部材400の内側から前記配線窓411に向かわせた棚板状の部材であり、図6に示したようにコネクタホルダー428を載置するほぼ水平なベンチ部433と、そのベンチ部433の両端に立設したベンチ側板434と、各ベンチ側板434に突設した3本の内向き爪片435,435,435とを有する。この内向き爪片435,435,435の中央の1本と他の上下の2本との間にはコネクタホルダー428の取着片431が嵌まり得る間隔が設けてある。なお、一方のベンチ側板434は、先端に指掛部436を延設した薄板構造であって、指掛部436に指を掛け図8(b)矢示X方向に力を加えることにより一端支持の板バネのごとく外向きに反らせ得るようになっており、その反らせた状態で内向き爪片435,435,435からコネクタホルダー428の取着片431が簡単に外れるようになっている。図8(a)の想像線は指掛部436の先を鍵形に折り曲げた例を示したものであり、こうすることにより矢示Yのようにボタンを押す感覚でコネクタホルダー428の取外しが楽に行える。
しかして、図6に示したように前記仮止め棚418のベンチ部433にコネクタホルダー428を載置し、該コネクタホルダー428の取着片431をベンチ側板434の内向き爪片435,435,435の間に嵌めることによってコネクタホルダー428が仮止め棚418に仮止めされる。もちろん仮止めと言っても、ケース部材400の輸送中にコネクタホルダー428が仮止め棚418から外れない強度を有する設定になっており、従ってケース部材400が外本体100に組み込まれる前までは、コネクタホルダー428と一体のコネクタ425,427はケース部材400に設けた仮止め棚418に仮止めされて動かない。よってケース部材400を輸送したり、ケース部材400を外本体100に組み込む作業の最中に、ハーネス424,426の先にあるコネクタ425,427が、ケース部材400内の部品に当たってその部品はもちろん、自らも損傷する、というようなおそれがない。
そして、図8(b)→図8(a)に示したように、ケース部材400を外本体100に固定した後の配線工程で、上記のように一方のベンチ側板434を外向きに反らせてコネクタホルダー428を仮止め棚418から外し、そのコネクタホルダー428を自己の取着片431が配線中継部材113の支持筒128に当たる位置まで移動させれば、コネクタ425,427が配線中継部材113のコネクタ124,125に嵌まるから(その詳細は後述する。)、その状態で取着片431のボタン形パネルファスナー432を押し込んで取着片431を支持筒128にロックする。なお、このとき図5,図6に二点鎖線で示したように、ベンチ部433にガイド用の案内レール440を設けておけば、コネクタホルダー428を奥に押し込むだけでよいため、作業性が向上する。
以上のようにして配線中継部材113に取り付けたコネクタホルダー428は、外本体100の背板104を支持基盤として安定し、ケース部材から離間していて接触しないため、輸送時の振動等で外本体100と機種ユニット50が相対的に動いても無理な負荷が加わらない。
ここまでの説明から、次のような技術的思想が把握できる。
(a)前面が開口し背面を背板で覆った箱形であって電源装置その他の本体側電気部品を備えた外本体と、
(b)前記外本体に対し着脱自在なケース部材に複数の図柄を変動させる図柄変動表示装置その他のケース部材側電気部品を設けた機種ユニットと、
(c)前記本体側電気部品につながる本体側配線類と、前記ケース部材側電気部品につながるケース側配線類とを中継すべく前記外本体の背板に取り付けた配線中継部材と、
(d)前記ケース側配線類の先端に取り付けたコネクタと、
(e)該コネクタに取り付けたコネクタホルダーと、
(f)該コネクタホルダーを仮止めするためケース部材に設けた仮止め部材と、
(g)前記コネクタホルダーを前記配線中継部材に固定するための固定手段と、を有し、(h)機種ユニットを外本体に装着する前の状態で前記コネクタホルダーを仮止め部材に仮止めし、機種ユニットを外本体に装着した状態で前記コネクタホルダーを仮止め部材から固定手段に付け替えてコネクタホルダーのコネクタを配線中継部材に接続するようにしたことを特徴とする
(i)遊技機。
上記の遊技機は、機種ユニット50の外本体100への装着とコネクタ同士の結合とを別々に行うようにしたものであるが、これとは対照的に、例えば機種ユニット50に直接コネクタを取り付け、機種ユニット50を外本体100に押し込む動作で自動的にコネクタ同士を結合させる、という方式が考えられる。しかしこの方式は、質量の大きな機種ユニット50が輸送中などに外本体100の内部で振動した場合、大きな負担がコネクタ結合部に掛かるため信頼性に不安があり、その対策にコストが掛かる課題がある。
また、本発明の遊技機は、外本体100に1枚の扉形前面部材200を取り付け、該扉形前面部材200に対して機種ユニット50を物理的に独立させた構成であるが、これとは対照的に、扉形前面部材を上下2段に分割し、上部の扉形前面部材を機種ユニット50側の部品とする遊技機も考えられる。しかし、このような遊技機では、遊技中に興奮した遊技者が上部の扉形前面部材を叩いた場合にコネクタ結合部に直接衝撃が加わるためコネクタの結合が不安定になるおそれがあり、さらに上下の扉形前面部材同士の継ぎ目に対し新たな防犯構造を要する課題がある。
これに対し本発明の遊技機は、外本体100に1枚の扉形前面部材200を取り付け、該扉形前面部材200に対して機種ユニット50を物理的に独立させた構成であり、さらに、コネクタホルダー428を配線中継部材113に接続した後、該コネクタホルダー428は、図5に示したように外本体100に固定した部品(配線中継部材113)と結合し機種ユニット50から離間した独立構造になっているため、プリント基板にハンダ付けして用いる低コストで一般的なコネクタを使用した場合でも、輸送中においても、遊技中においても信頼性・耐久性に不安がない。また、機種ユニット50のみが機種変更時の交換対象であり、扉形前面部材200は交換対象とならないため、機種変更のための遊技場の負担も軽くなる。
[7−2−2.コネクタ425,427とコネクタ124,125の結合]
前記のようにコネクタ425とコネクタ427は、1つのコネクタホルダー428に取り付けられている。こうすることによりコネクタホルダー428を配線中継部材113の所定の位置にセットする1回の動作で2つのコネクタ425,427の接続が完了する。しかし現実の問題として、2つのコネクタ425,427とコネクタホルダー428という独立した要素を寄せ集めて一体にする構造では、コネクタ425,427とコネクタ124,125の「正確な位置決め」という困難な問題に直面する。すなわち2つのコネクタ425,427と配線中継部材113側のコネクタ124,125の4要素の位置決めが全て正確でなければ、コネクタ425,124とコネクタ427,125の一括結合は不可能であるのに、そのような位置決めの精度を量産品レベルのコストで達成するのは困難だからである。そのような問題を解決する1つの手段として、プリント基板にハンダ付けすることなく結合時の融通性を高める機構を施したいわゆるドロワーコネクタを使用する方法が考えられるが、ドロワーコネクタ自体が高価であるため、まだコスト面の負担が大きい。
これに対し実施形態の配線手段では、基板支持部材たる配線中継部材113のコネクタ基板122,123を分割してそれぞれにコネクタ124,125を装着し、そのコネクタ基板122,123の少なくとも一方を、配線中継部材113の取付板120とカバー体121の間の隙間に非固定的に納めてコネクタ427とコネクタ125の結合方向と直交する方向(ここでの「直交」は、厳密な90度にこだわらず、社会通念上のほぼ90度という程度の意味である。)に遊動可能状態にする手段を講じている。かかる構成においてコネクタホルダー428の結合照準をコネクタ425とコネクタ124に定めた場合、もう一方のコネクタ427とコネクタ125の相対位置に若干の狂いがあっても、コネクタ基板123が遊動してその狂いを矯正すべく移動するから、コネクタ427とコネクタ125の結合も可能になる。
ここまでの説明から、次のような技術的思想が把握できる。
(1)「2以上の配線用のコネクタと、その各コネクタと対をなす2以上の配線用のコネクタとを有する遊技機において、一方のコネクタグループを1つのコネクタホルダーに固着すると共にこれらと対をなす他のコネクタグループをコネクタ基板に装着し、さらにそのコネクタ基板をコネクタ毎に分割してその1つを基板支持部材に固定すると共に他のコネクタ基板を基板支持部材に対しコネクタの結合方向と直交する方向に遊動可能な状態に取り付けるようにしたことを特徴とする遊技機。」
(2)「前面が開口し背面を背板で覆った箱形であって電源装置その他の本体側電気部品を備えた外本体と、前記外本体に対し着脱自在なケース部材に複数の図柄を変動させる図柄変動表示装置その他のケース部材側電気部品を設けた機種ユニットと、前記本体側電気部品につながる本体側配線類と、前記ケース部材側電気部品につながるケース側配線類とを中継すべく前記外本体の背板に取り付けた配線中継部材と、前記ケース側配線類の先端に取り付けた2系統以上のコネクタと、該2系統以上のコネクタをコネクタグループとして一括支持するコネクタホルダーと、該コネクタホルダーを前記配線中継部材に固定するための固定手段と、前記2系統以上のコネクタグループの各コネクタと対をなしプリント基板に固着して使用する基板固着型のコネクタによる他のコネクタグループと、前記背板に取り付けた配線中継部材に取り付けられ、前記他のコネクタグループのコネクタを固着してなるコネクタ接続用端子基板と、を有し、該コネクタ接続用端子基板をコネクタ毎に分割してその1つを前記配線中継部材に固定すると共に他のコネクタ接続用端子基板を配線中継部材に対しコネクタの結合方向と直交する方向に遊動可能な状態に取り付けるようにしたことを特徴とする遊技機。」
(3)「2以上の配線用のコネクタと、その各コネクタと対をなす2以上の配線用のコネクタとを有する遊技機において、一方のコネクタグループをコネクタ基板を介して基板支持部材に固着すると共にこれらと対をなす他のコネクタグループを1つのコネクタホルダーに装着し、さらにそのコネクタホルダーに対しコネクタグループの中の1つのコネクタを固定すると共に他のコネクタをコネクタホルダーに対しコネクタの結合方向と直交する方向に遊動可能な状態に取り付けるようにしたことを特徴とする遊技機。」
(4)「前面が開口し背面を背板で覆った箱形であって電源装置その他の本体側電気部品を備えた外本体と、前記外本体に対し着脱自在なケース部材に複数の図柄を変動させる図柄変動表示装置その他のケース部材側電気部品を設けた機種ユニットと、前記本体側電気部品につながる本体側配線類と、前記ケース部材側電気部品につながるケース側配線類とを中継すべく前記外本体の背板に取り付けた配線中継部材と、前記ケース側配線類の先端に取り付けた2系統以上のコネクタと、該2系統以上のコネクタをコネクタグループとして一括支持するコネクタホルダーと、該コネクタホルダーを前記配線中継部材に固定するための固定手段と、前記2系統以上のコネクタグループの各コネクタと対をなしプリント基板に固着して使用する基板固着型のコネクタによる他のコネクタグループと、前記背板に取り付けた配線中継部材に取り付けられ、前記他のコネクタグループのコネクタを固着してなるコネクタ接続用端子基板と、を有し、前記コネクタホルダーに対しコネクタグループの中の1つのコネクタを固定すると共に他のコネクタをコネクタホルダーに対しコネクタの結合方向と直交する方向に遊動可能な状態に取り付けるようにしたことを特徴とする遊技機。」
以上の遊技機は、固定したコネクタ接続用端子基板のコネクタに照準を合わせてコネクタホルダーを操作するようにすれば、他のコネクタ同士の相対位置に製造誤差等で若干の狂いがあっても、非固定のコネクタ接続用端子基板がコネクタごと遊動してその狂いを矯正すべく移動し誤差を吸収するから、結合照準でないコネクタ同士の結合も可能になる。従って1つのコネクタホルダーを用いて複数系統のコネクタの一括接続が可能である。しかも使用しているコネクタは、プリント基板にハンダ付けして用いるような汎用的で安価な例えばDIN規格のものであり、コストも安い。
また、コネクタホルダーは、ナイラッチ(登録商標)等の固定手段で配線中継部材、ひいては該配線中継部材を介して外本体の背板に確実に固定される。一方、コネクタホルダーと機種ユニットの間では、フレキシブルなハーネスを介してつながっているのみであり、機種ユニットが動いたとしても、その動きはフレキシブルなハーネスが吸収するので、コネクタホルダーに動きは伝わらない。このため、たとえ輸送中の振動により外本体と機種ユニットの間に相対的な動きが生じても、コネクタホルダーは、外本体のみと一緒に動き、機種ユニットの干渉を受けないから、コネクタの結合部には全く負荷が掛からない。よってコネクタ結合の信頼性が非常に高い。
なお、実施形態のように、小さいコネクタ125に対応する小さいコネクタ基板123を遊動可能とし、大きいコネクタ425,コネクタ124同士を結合の基準に定める構成は、その逆の構成に比べてコネクタ425,124,427,125の結合が楽に行える。小さいコネクタ基板123の方が軽い力で扱えるため、狂いの自動矯正が容易だからである。また、実施形態では、図9のようにコネクタ425,124の方がもう一方のコネクタ427,125より先に結合するようになっており、そうすることにより結合照準のコネクタ同士が合わせやすい。
また、図9に拡大して示したように凸形のコネクタ425,427の凸部先端の周縁角部及び/又は凹形のコネクタ124,125の差込口の周縁角部に面取り部C(直線的な面取り、曲線的な面取りのいずれも可)を形成しておけば、面取り部Cのテーパに沿った誘導作用が、コネクタ同士の結合性をより良好にする。
また、実施形態のように、配線中継部材113のコネクタ基板122,123を遊動可能にする構成の他、コネクタホルダー428側のコネクタ425,427の何れか一方を遊動可能にすることも可能であり、その場合も上記と同様の作用効果が得られる。なお、かかるコネクタホルダー428の具体例を図17に示した。この例では、コネクタホルダー428のホルダー主体429に雌ねじ付きの受筒429aを突設し、一方、コネクタ427の両横に遊孔427aを有する耳片427bを形成し、コネクタホルダー428の受筒429aにコネクタ427の遊孔427aを遊嵌させ、座金付きのビス427cをもって耳片427bの抜け止めとしている。そうすることによりコネクタ427は、コネクタホルダー428に対し、遊孔427aと受筒429aの径の差の範囲で自由に遊動し得る。この場合のコネクタ基板122,123は、一体にして取付板120に固定すればよい。また、実施形態では2つのコネクタを1つのコネクタグループとして取り扱ったが、1つのコネクタグループのコネクタ数は2以上でもよい。
また、実施形態では図4,図12に示したように、ケース部材400の後面板405の裏側であって、前記図柄変動表示装置300の装置ケース302の下斜板310に向けて凹ませたケーブル溝437が形成され、該ケーブル溝437の両端近傍にケース部材400の側板404(又は後面板405)を貫く配線口438,438が開設されている。この配線口438,438とケーブル溝437は、図柄変動表示装置300とメイン基板409等とを接続するためのものであり、図11において図柄変動表示装置300の装置ケース302の向かって右側面(扉形前面部材200の非ヒンジ側の側面)に設けたリール基板312のケーブル313(図12参照)を1つの配線口438からケース部材400の外に引き出し、そのケーブル313を図12のようにケーブル溝437に納め、さらにそのケーブル313の先を他の配線口438からケース部材400の中に戻してメイン基板409等につなぐようにしてある。なお、ケーブル溝437には所定の間隔でケーブル止め439が設けられていて、ケーブル溝437からケーブル313が脱落しないようになっている。
しかしてメイン基板409等とリール基板312は、共にケース部材400の中にあるケース部材側電気部品であり、本来、ケース部材400の外にケーブル313を引き出す要はない。それを敢えてケース部材400に配線口438,438とケーブル溝437を設けてケーブル313を外伝いに迂回させるようにした理由は次のとおりである。
リール基板312の設置場所は、限られたスペースの中でコネクタを抜き差しする配線の作業性を考慮すると、図柄変動表示装置300(装置ケース302)の側面のうち扉形前面部材200の非ヒンジ側に相当する側が好ましい。もし逆に、扉形前面部材200のヒンジ側に相当する装置ケース302の側面にリール基板312を設けると、開ききった扉形前面部材200(図1参照。)とリール基板312が近接位置で向かい合うため、コネクタの抜き差しに必要な広い作業空間が確保できないからである。
しかし一方、リール基板312の接続対象たる基板類(メイン基板409,サブ基板510,画像表示体500等)の接続部がケース部材400の扉形前面部材200のヒンジ側に相当する側にあると、ケーブル313がケース部材400の内部を横切る格好になる。そうすると前記装置ケース302をケース部材400に装着する際にケーブル313を噛み込んだり、逆に装置ケース302を引き出す際にケーブル313を引っ掛けるおそれがある。
これに対し実施形態のように、ケース部材400に配線口438,438とケーブル溝437を設けてケーブル313を外伝いに迂回させるようにすれば、上記したようなケーブル313のトラブルは生じない。また、配線作業は、装置ケース302を所定の位置から若干引き出した状態で行う方が作業性がよく、それに伴って配線口438からリール基板312までのケーブル313の長さは、配線代とでも言うべき余裕が設けられている。従って装置ケース302を所定の位置にセットした状態でケーブル313に弛みが生じ、引き出し量によってはケーブル313の弛みが大きくなる。そのようなケーブル313の弛みが大きい場合には、配線口438と横並びの位置にある、装置ケース302の下斜板310とケース部材400の奥のコーナー部分との間に出来る三角スペースにケーブル313の弛んだ部分を逃がすことができる。
また、実施形態のようにケーブル溝437を装置ケース302の下斜板310に向かわせて膨らませるようにした場合には、ケース部材400の奥と装置ケース302の下斜板310との間にできるデッドスペースの有効活用に役立つ。なお、配線口438,438とケーブル溝437を使った配線は、リール基板312のケーブル313に限定する必要はなく、ケース部材400の内部を横切るケーブル全てに適用できる。
その他、図11中、符号441は機能分離中継端子板である。
以上のように構成されるスロットマシン1は、ケース部材400を外本体100に装着し、必要な配線を完了した完成品の状態で工場から出荷される。そして、その完成品のまま遊技場の遊技機設置島に取り付けられるが、このとき図25想像線のように、外本体100の天板103と遊技機設置島の上桟600とを木ねじ等の固定部材601で止める場合は、扉形前面部材200と画像表示体500を開放し、外本体100の貫通孔132に対しケース部材400の内側から天窓部443越しに固定部材601を挿通させ、さらにドライバー等の工具602で天窓部443越しに固定部材601を締め付けて外本体100の天板103と遊技機設置島の上桟600とを固定的に連結する。なお、貫通孔132は複数設けられているため、必要に応じてその中から任意に選択して使用することができる。例えば、上桟600の位置やサイズにばらつきがあってもその上桟600に対応する貫通孔132を選択することができる。また、遊技機をまるごと入れ替える場合に、使用する貫通孔132を変更すれば、上桟600の同じ位置に固定部材601の穴が開く弊害(いわゆる、ばか穴化)が防止できる。
ところで、図25に示したように外本体100とケース部材400の間には隙間Sが形成されており、画像表示体500等から発生した熱が画像表示体500の冷却ファン(図示せず)で煽られ、ケース部材400の天窓部443から前記隙間Sを通って背板104の通気口133に至り、そこから遊技機設置島の内部に抜ける。このとき背板104とケース部材400の間に配線中継部材113がありこれが障壁のごとく作用して前記隙間Sを広範囲に塞ぐから、隙間Sを流れる熱気がこの部分で遮られ、配線中継部材113より上方にある背板104の通気口133から積極的に外部に放出される。従って放熱効果が高い。
[8.各リールの図柄、図柄列]
各リール301a,301b,301cには、例えば図46に示すように、複数種類の図柄が一定間隔に配置されることで構成された図柄列(配列番号0番から20番までで示した合計21個の図柄)が表記されたリール帯(図柄帯)が付されている。図46では、各リール301a,301b,301cに付されたそれぞれのリール帯321a,321b,321cに表記された図柄列を平面的に展開した状態を示す。なお、図柄列中に配置された図柄を識別するために上記配列番号を便宜的に記している。また、図46では、リール帯321aが付されるリール301aを左リール、リール帯321bが付されるリール301bを中リール、リール帯321cが付されるリール301cを右リールとして示しており、以下の説明でも、必要に応じて左リール301a、中リール301b、右リール301cと表記する。
そして、各リール301a,301b,301cは、各々の図柄列中に配置された図柄のうち、連続する所定数(例えば、3つ)の図柄が開口部401(図柄表示窓ともいう、以下では図柄表示窓401として統一する)を介して視認可能となるように配置されている(次に説明する図47参照)。
また、図柄の種類は、例えば図46の場合、「数字「7」を示す図柄が施された7図柄(後述の図112では「7図柄」が2種類あるため、「赤7図柄」と「白7図柄」と呼び分けることもある)」、「文字「BAR」を含む図柄が施された「BAR図柄」」、「チェリーの図柄が施された「チェリー図柄」」、「スイカの図柄が施された「スイカ図柄」」、「リプレイ図柄」、「ベルの図柄が施された「ベル図柄」」、及び「爆弾のようなキャラクタを模した図柄が施された「ボム図柄」」がある。なお、後述の図112では、ベル図柄は、ベルのなかに描かれた星の数によって、1個の星が描かれた「ベル1図柄」と2個の星が描かれた「ベル2図柄」とに分けられる。また、図112では、これらの図柄の他に、「ブランク1図柄」及び「ブランク2図柄」も示されている。
図46に示された配列の場合、「7図柄(赤7図柄)」は、リール帯321aにおいては配列番号の10番の1つ、リール帯321bにおいては配列番号20番の1つ、リール帯321cにおいては配列番号20番の1つが相当する。「BAR図柄」は、リール帯321aにおいては配列番号4番・15番・20番の3つ、リール帯321bにおいては配列番号4番・12番の2つ、リール帯321cにおいては配列番号19番の1つが相当する。「チェリー図柄」は、リール帯321aにおいては配列番号5番・14番の2つ、リール帯321bにおいては配列番号2番・6番・10番・14番・18番の5つが相当し、リール帯321cには存在しない。「スイカ図柄」は、リール帯321aにおいては配列番号9番の1つ、リール帯321bにおいては配列番号1番の1つ、リール帯321cにおいては配列番号3番・7番・11番・15番の4つが相当する。「ベル図柄」は、リール帯321aにおいては配列番号1番・3番・6番・8番・11番・13番・16番・18番の8つ、リール帯321bにおいては配列番号3番・7番・11番・15番・19番の5つ、リール帯321cにおいては配列番号4番・8番・12番・16番・21番の5つが相当する。「リプレイ図柄」は、リール帯321aにおいては配列番号2番・7番・12番・17番・19番の5つ、リール帯321bにおいては配列番号5番・9番・13番・17番・21番の5つ、リール帯321cにおいては配列番号1番・5番・9番・13番・17番の5つが相当する。「ボム図柄」は、リール帯321aにおいては配列番号21番の1つ、リール帯321bにおいては配列番号8番・16番の2つ、リール帯321cにおいては配列番号2番・6番・10番・14番・18番の5つが相当する。図112に示された配列については説明を省略する。なお、図柄の種類は一例であって、これらの種類に限られるものではない。
[9.枠部材]
図47は、正面視したスロットマシン1において図柄表示窓401を含む枠部材501付近を中心に拡大したところを示している。図47によれば、枠部材501の中央部には図柄表示窓401が形成され、図柄表示窓401の周囲にはランプやLED等による複数の表示器(後述する「各種表示器」に相当)が配置されていることが示されている。そして、図柄表示窓401を通して3本のリール(リール301a,301b,301c)の一部が視認可能にされる。また、枠部材501の上方には、画像表示体500の演出表示面が配置されていることが示され、画像表示体500に表示される画像等(動画を含む)が遊技者から視認可能となっている。以下では、図47に示した上記の各構成を詳しく説明する。
[9−1.図柄表示窓]
図47に示すように、図柄表示窓401からは、各リール301a,301b,301cの図柄列中の図柄のうち、連続する3つの図柄が視認可能となっている。この図柄が表示されている3つの位置を上から「上段(または上段位置)」(例えば、リール301aの「BAR図柄」が表示されている位置)、「中段(または中段位置)」(例えば、リール301bの「リプレイ図柄」が表示されている位置)、「下段(または下段位置)」(例えば、リール301cの「ベル図柄」が表示されている位置)という。
上記のことから、図柄表示窓401内では、「段数×リールの数」個の図柄を表示させることが可能である。従って、スロットマシン1では「段数(3)×リールの数(3)」より図柄表示窓401内には最大で9個の図柄を表示させることができる。
枠部材501(表示パネルともいう、以下では表示パネル501として統一する)の左側端(図柄表示窓401から見て左側には、各種のランプが備えられており、そのうち、「BET1」,「BET2」,「BET3」と記されているのがBETランプ(ベットランプ)614である。BETランプの数字(上記の「BET1」,「BET2」,「BET3」の1,2,3の数字)はそれぞれベット数(賭け数のこと、賭けたメダルの枚数に応じた数のこと)に対応している。すなわち、「1」は1ベット(賭けたメダルの枚数は1枚)、「2」は2ベット(賭けたメダルの枚数は2枚)、「3」は3ベット(MAXベットともいう、賭けたメダルの枚数は3枚)に対応しているということである。
ベット数に応じて有効となる並びが決められている。この「有効となる並び」は有効ラインとも呼ばれる。以下では有効ラインと統一して称する。後述する所定の当選役に対応する図柄の組合せは、一つの有効ライン上に並んで表示されてはじめて当該当選役に対応する図柄の組合せ態様として表示されたと判断されるものである。すなわち、所定の当選役に対応する図柄を構成する各図柄が図柄表示窓401内に個々に表示されたとしても、それぞれの図柄がいずれかの有効ライン上に並んでいなければ(すなわち所定の当選役に対応する図柄の組合せが有効ライン上に並んでいなければ)、所定の当選役に対応する図柄の組合せ態様が表示されたとは判断されないことになる。なお、このように、所定の当選役に対応する図柄の組合せが有効ライン上に並んでいない場合は、バラバラな図柄の組合せ態様(すなわちハズレの図柄の組合せ)が表示されたと判断される。
次に、ベット数及び有効ラインについて具体的に説明する。第1の実施形態のスロットマシン1では、一例として、通常遊技状態(一般遊技状態)、ボーナス内部状態、及びボーナスゲーム中を通じて、3枚掛けによる遊技が規定又は推奨される(規定数3枚)ものとする。但し、規定数は全ての遊技状態で同一数に限定される必要はなく、例えば、ボーナスゲーム中に制御されるボーナス状態では、2枚掛けによる遊技が行われる(規定数2枚)ようにしてもよい。また、第1の実施形態のスロットマシン1における有効ラインは、3本のリール301a〜301cに跨って形成される直線型の5本のラインとする。具体的には、図47に示した有効ライン623a〜623eに相当し、それぞれのラインについて、中段ライン623a、上段ライン623b、下段ライン623c、右下がりライン623d、右上がりライン623eと呼ぶこともある。また、複数の有効ライン623a〜623eを総称するときは、単に有効ライン623と呼ぶ。
なお、ベット数及び有効ラインは、上記例に限られるものではない。例えば、有効ラインは図柄表示窓401内で遊技者から視認可能なラインであればよく、例えば、1又は複数の直線型の並びの他、山型やV字型の並び等にしてもよい。また、有効ラインの数も2本に限られるものではなく、1本や複数本の有効ラインを設定してもよい。例えば、後述する第2〜第4の実施形態では、中段ライン623aだけを有効ラインとする。さらに、遊技におけるメダルのベット数に応じて有効ライン数が変化するようにしてもよい。
[9−2.各種表示器]
図47に示すように、表示パネル501には、図柄表示窓401の周囲に、スロットマシン1の遊技状態に合わせて点灯(あるいは点滅)可能なランプやLED等による複数の表示器が配置されている。このような複数の表示器のうち、特別表示LED612以外の各種表示器について説明する。
エラーランプ604は、スロットマシン1の遊技中に何かトラブル、故障等(これらを以後は「エラー」と呼ぶ)が生じた場合に点灯(あるいは点滅)を開始し、現在エラーが生じていることを遊技者等(ホールの係員なども含む)に知らせる役割を持ったランプである。図47では、エラーランプ604の近傍に、エラーを略して「ERR」という文字が描かれている。なお、エラーランプ604による点灯や点滅だけでエラーの詳細を示すことは難しいことから、スロットマシン1は、別途備えられた特別表示LED612において、発生したエラーの詳細を示す情報を表示することができる。
リプレイランプ606は、ゲーム結果がリプレイ(後述する)となった場合に、再遊技(新たにメダルを賭けずにもう一度遊技ができること)ができることを遊技者に知らせる役割を持ったランプである。図47では、リプレイランプ606の近傍に、リプレイを略して「REP」という文字が描かれている。
スタートランプ608は、ベット数がMAXベットに達すると点灯(あるいは点滅)を開始し、遊技者に始動レバー210の操作(始動操作)を促す役割を持ったランプである。図47では、スタートランプ608の近傍に、スタートを略して「STR」という文字が描かれている。
メダルINランプ610は、ベット数が最大(MAXベット)になるまで点灯(あるいは点滅)を続けることにより、遊技者にベットを促す役割を持ったランプである。図47では、メダルINランプ610の近傍に、インサート(遊技用価値の投入)を略して「INS」という文字が描かれている。
貯留枚数表示LED613は、遊技者によるメダルの投入又はゲーム結果に伴うメダルの払出によって遊技者が利用可能なメダル(遊技用価値)が貯留されている場合に、その貯留数を表示することにより、遊技者にメダルの貯留枚数を知らせる役割を持った表示器であって、2つの横並びの7セグメントLED(左側が貯留枚数表示LED613a、右側が貯留枚数表示LED613b)によって構成される。例えば、遊技者が利用可能なメダルの貯留枚数の上限を50枚として、その上限枚数が貯留されている場合には、貯留枚数表示LED613aに「5」が表示されるとともに、貯留枚数表示LED613bに「0」が表示されることによって、「50」というメダルの貯留枚数が遊技者から識別可能に表示される。
BETランプ614(614a〜614c)は、ゲームの開始時に始動レバー210が操作される前に、規定数を上限としてメダル(遊技用価値)を賭けるBET操作が行われた場合に、そのBET数を表示することにより、1回のゲームにおける遊技用価値の賭け数(BET数)を知らせる役割を持った表示器であって、BET数に対応する3つのランプから構成される。具体的には、BET数が1枚のときはBETランプ614cが点灯し、BET数が2枚になるとBETランプ614cに加えてBETランプ614bが点灯し、BET数が上限の3枚(MAXBET)になると、さらにBETランプ614aが点灯することで全てのBETランプ614a〜614cが点灯する。
なお、上述したこれらの表示器は、メイン基板409によってその表示が制御されるとする(後述の図48を参照)。
また、これらの他に後述するボーナスゲームの当選を告知するボーナス告知ランプや、ボーナスゲームなどでのメダルの累計払出枚数を表示したり、ボーナスゲームをカウントしたりする7セグメントLED等を別途設けてもよい。
また、貯留枚数表示LED613や特別表示LED612(後述)等の表示器は、当該表示器で表示すべき情報を表示可能でさえあれば、7セグメントLEDに限定されない。例えば、セグメントの個数は「7」とは異なる個数(14セグや16セグ)であってもよいし、LEDの代わりにLCD(液晶ディスプレイ)やVFD(蛍光表示管)や有機EL等が用いられてもよい。
[9−3.特別表示LED]
特別表示LED612は、ゲーム結果に伴うメダル(遊技用価値)の払出がある場合に、その払出数を表示することにより、遊技者に遊技用価値の払出枚数を知らせる払出枚数表示の役割を持った表示器であって、2つの横並びの7セグメントLED(左側が特別表示LED612a、右側が特別表示LED612b)によって構成される。具体的には、特別表示LED612a,612bを用いて2桁の数字を表示することができ、ゲーム結果に伴って15枚のメダルが払出される場合には、メダルが1枚ずつ払い出されるタイミングに合わせて「01」、「02」、・・・、「15」というように表示内容を変化させていくことで、遊技用価値(メダル)の払出状況をリアルタイムで遊技者に知らせることができる。
また、本実施形態のスロットマシン1では、特別表示LED612は、上記の払出枚数表示の役割とは別に、当該ゲームにおける「指示機能」による指示内容を表示する指示機能表示の役割を持つ。「指示機能」の詳細は後で説明するが、概要を示すと、本実施形態のスロットマシン1では、所定条件の成立時に「指示機能」による指示の発生が決定されると、特別表示LED612において、指示機能表示としてリール301a〜301cの押下位置や停止順(停止操作におけるリール停止ボタン211a〜211cの押し順や押し位置、と読み替えられる)等を示す情報が表示され、当該表示の内容に応じたリール301の停止操作が行われると、遊技者にとって有利なゲーム結果が提供される。
なお、指示機能において、指示の発生に影響を及ぼす性能(具体的には、指示機能に係る抽選及び状態遷移の管理等)は主基板409によって制御され、具体的には、指示機能に係る抽選や状態遷移の制御だけでなく、特別表示LED612における指示機能表示もメイン基板409によって管理される。一方で、本実施形態のスロットマシン1では、メイン基板409による決定結果に基づいて、指示機能表示の表示先以外の他の表示手段(例えば画像表示体500)でも、同内容の指示機能の指示を表示させることも可能としているが、このような表示については、メイン基板409以外の周辺基板(例えばサブ基板510)によって制御されてもよい。特別表示LED612、メイン基板409、及びサブ基板510の接続関係は、図48に例示される。
具体的には例えば、遊技における内部抽選の結果に基づいて、特定の押し順による停止操作が行われることで何らかの有利な特典が遊技者に付与され得るとき(例えば、ATやART機能を有する遊技機において、いわゆる押し順小役に当選した場合)、メイン基板409(特にCPU1110)の制御下で、遊技者に有利な「適正な押し順」(例えば押し順小役の場合には、最大の払出が得られる停止順)の指示内容が特別表示LED612に表示される。したがって、このような場合、遊技者は、特別表示LED612における指示機能表示の表示内容を解することで適正な押し順を認識することができる。一方で、特別表示LED612における指示機能表示の表示内容と同様の情報が、メイン基板409からサブ基板510にコマンド等によって送信されることにより、当該コマンドを受信したサブ基板510のCPU1118は、「適正な押し順」を示す画像を画像表示体500に表示させることができる。指示機能表示の具体的な表示例は、[11−3−4]で後述する。
なお、本実施形態のスロットマシン1では、3本のリール301a〜301cを用いていることから、その押し順(リール301の停止順)は、「左−中−右」、「左−右−中」、「中−左−右」、「中−右−左」、「右−左−中」、「右−中−左」の6通りが存在する。以下の説明では、それぞれの押し順を、順に、「順押し」、「挟み押し」、「中順押し」、「中逆押し」、「逆挟み押し」、「逆押し」と呼ぶ。また、上記のような6通りの押し順を区別する以外に、第1に停止するリール301を重視して3通りの押し順を区別するようにしてもよく、このとき、左リール301aを第1に停止する「左押し」、中リール301bを第1に停止する「中押し」、右リール301cを第1に停止する「右押し」と呼ぶ。
スロットマシン1では、このような指示機能表示を、表示パネル501における何れかの表示器で機能を兼用する態様で行うことを可能としている(本例では、払出枚数表示を行う特別表示LED612に表示される)。すなわち、特別表示LED612では、指示機能表示と払出枚数表示とが行われることになるが、例えばそれぞれの表示期間を分けることによって、両者を混同させることなく表示可能にしている。なお、本実施形態では払出枚数表示の機能と兼用しているが、その他の機能を有する表示器で兼用してもよいし、又は、指示機能表示専用の表示器を設けてもよい。
さらに、本実施形態のスロットマシン1では、異常状態としてエラーが検出された場合に、エラーランプ604が点灯してエラーの発生を通知する一方で、特別表示LED612が、当該エラーの種別を識別可能に表示するエラー情報表示の機能も有する。指示機能表示、払出枚数表示、及びエラー情報表示の表示タイミングについては、[11−3−5]や[11−3−7]等で後述する。
[10.スロットマシンの内部構成]
図48は、スロットマシン1に装備されている各種の機構要素や電子機器類、操作部材等の構成を概略的に示している。スロットマシン1は遊技の進行を統括的に制御するためのメイン基板409を有しており、このメイン基板409にはCPU1110をはじめROM1112、RAM1114、入出力インタフェース1116等が実装されている。メイン基板409は、遊技の結果(遊技用価値の獲得)に影響を与える機能、具体的には例えば、当選役、ボーナス、AT等の抽選や、それらの抽選結果に基づく遊技状態の制御、指示機能による指示の決定、さらには入賞役に基づく払出等を管理する。
また、スロットマシン1は、図48では図示が省略された構成の一例として、扉形前面部材200の開放状態を検知する扉開放検知スイッチ、貯留解除スイッチ209(貯留メダル清算スイッチ)、メダルセレクタ207内に設けられたメダルセレクタ内レバー検出センサ、及び、リール停止ボタン211a〜211cのそれぞれの周囲で点灯可能な停止ボタンLED(停止ボタンLED_1,停止ボタンLED_2,停止ボタンLED_3)等を備える。これらの構成は、メイン基板409によって制御される。
前述した1枚投入ボタン205,206や始動レバー210、リール停止ボタン211a,211b,211c、貯留解除スイッチ209等はいずれもメイン基板409に接続されており、これら操作ボタン類は図示しないセンサを用いて遊技者による操作を検出し、検出された操作信号をメイン基板409に出力することができる。具体的には、始動レバー210が操作されると前述した図柄変動表示装置300を始動させる(リール301a,301b,301cの回転を開始させる)操作信号がメイン基板409に出力され、リール停止ボタン211a,211b,211cが操作されると、リール301a,301b,301cをそれぞれ停止させる操作信号がメイン基板409に出力される。
なお、以下では必要に応じて、リール301a,301b,301cをそれぞれ左リール301a,中リール301b,右リール301cと呼ぶ。そして、これに対応するそれぞれのリール停止ボタン211a,211b,211cを左リール停止ボタン211a,中リール停止ボタン211b,右リール停止ボタン211cと呼ぶ。
またスロットマシン1にはメイン基板409とともにその他の機器類が収容されており、これら機器類からメイン基板409に各種の信号が入力されている。機器類には、図柄変動表示装置300のほか、メダル放出装置110等がある。
図柄変動表示装置300はリール301a,301b,301cをそれぞれ回転させるためのリール駆動モータ341a,341b,341cを備えている(左リール駆動モータ341a、中リール駆動モータ341b、右リール駆動モータ341c)。このリール駆動モータはステッピングモータからなり、それぞれのリール301a,301b,301cは独立して回転、停止することができ、その回転時には図柄表示窓401にて複数種類の図柄が上から下へ連続的に変化しつつ表示される。
また各リール301a,301b,301cの回転に関する基準位置を検出するための位置センサ331a,331b,331cを有しており、各リール301a,301b,301cにはそれぞれ位置センサ331a,331b,331cがリール内に対応して設けられている(左リール位置センサ331a、中リール位置センサ331b、右リール位置センサ331c)。これら位置センサからの検出信号(インデックス信号)がメイン基板409に入力されることで、メイン基板409では各リールの停止位置情報を得ることができる。
メダルセレクタ207内には、前述したソレノイド207aや投入センサ207bが設置されている。投入センサ207bは、メダル投入口203から投入されたメダルを検出し、メダルの検出信号をメイン基板409に出力する。ソレノイド207aがOFFの状態のとき、投入されたメダルは投入センサ207bで検出される。逆にソレノイド207aがONの状態のときは、メダルセレクタ207内で投入センサ207bに到達する通路がロックアウトされてメダルの投入が受け付けられなくなり、遊技者がメダルを投入しても、メダルセレクタ207を通って返却樋213に流れたメダルはメダル用受皿201に戻る。このとき合わせて投入センサ207bの機能が無効化されるので、メダル投入によるベットまたはメダルの貯留のいずれも行われなくなる。
メダル放出装置110は、払い出されたメダルを1枚ずつ検出する払出センサ110eを放出口110c内に有しており、この払出センサ110eからメダル1枚ごとの払出メダル信号がメイン基板409に入力されている。また、遊技メダル用補助収納箱111にはメダル満タンセンサ111aが設けられており、内部に貯留されたメダルの貯留数が所定数量を超えた場合、メダルが所定数量を超えた検出信号をメイン基板409に出力する。このとき画像表示体500、特別表示LED612、エラーランプ604等によりメダル貯留の異常を知らせるエラー表示が行われ、遊技者やホール従業員等に異常が発生したことが報知される(後述の図86に示す「補助収納庫満タンエラー」に相当)。
一方、メイン基板409からは、図柄変動表示装置300やメダル放出装置110に対して制御信号が出力される。すなわち、前述した各リール駆動モータ341a,341b,341cの起動及び停止を制御するための駆動パルス信号がメイン基板409から出力される。またメダル放出装置110には、有効ライン上に停止した図柄の組合せの種類に応じてメイン基板409から駆動信号が入力され、これを受けてメダル放出装置110はメダルの払い出し動作を行う。このときメダル放出装置110内に払い出しに必要な枚数のメダルが不足しているか、あるいはメダルが全く無い状態であった場合、払出センサ110eによる枚数検出が滞ることとなる。そして所定時間(例えば1.5秒間)が経過すると、払出センサ110eより払い出しメダルの異常信号がメイン基板409へ出力され、これを受けてメイン基板409は、メダルの払い出しに異常が発生したことを知らせる内容をエラーランプ604、特別表示LED612、画像表示体500等に表示させて遊技者やホール従業員等に異常が発生したことを報知する(後述の図86に示す「払出メダルエンプティエラー」に相当)。なお、メイン基板409と各種表示器(エラーランプ604、スタートランプ608、特別表示LED612、貯留枚数表示LED613等)とは例えばハーネスで接続され、メイン基板409は対応ポートを介してこれらの各表示器における点灯や表示を操作することができる。
スロットマシン1は、メイン基板409とは異なる周辺基板としてサブ基板510を備えており、このサブ基板510にはCPU1118やROM1120、RAM1122、入出力インタフェース1130、VDP(Video Display Processor)1124、AMP(オーディオアンプ)1126、音源IC1128等が実装されている。サブ基板510はメイン基板409から各種の指令信号を受け、画像表示体500の表示や照明装置502等の発光(または点灯、点滅、消灯等)及びスピーカ512の作動を制御している。
さらに、メイン基板409に外部中継端子板131を設けた場合には、スロットマシン1はこの外部中継端子板131を介して遊技場のホールコンピュータ1200に接続される。外部中継端子板131はメイン基板409から送信される各種信号(投入メダル信号や払出メダル信号、遊技ステータス等)をホールコンピュータ1200に中継する役割を担っている。なお、図48における接続構成は本実施形態のスロットマシン1における一例に過ぎない。例えばその他の接続構成として、メイン基板409だけでなく、メイン基板409以外の周辺基板(例えばサブ基板510)も外部中継端子板131に接続可能にするようにしてもよく、このような場合、外部中継端子板131に接続された各種の基板から、様々な信号を外部中継端子板131に送信し、外部中継端子板131を介してホールコンピュータ1200に出力することができる。具体的には、サブ基板510が管理する遊技上の諸情報や、サブ基板510が管理可能な緊急情報(例えば、スロットマシン1の構成部品等の誤作動や不具合を通知するエラー情報)をホールコンピュータ1200に出力することができるようになる。
その他、電源装置112には、設定キースイッチ112tやリセットスイッチ112u、電源スイッチ112v等が付属している。これらスイッチ類はいずれもスロットマシン1の外側に露出しておらず、扉形前面部材200を開けることではじめて操作可能となる。このうち電源スイッチ112vは、スロットマシン1への電力供給をON−OFFするためのものであり、設定キースイッチ112tはスロットマシン1の設定(例えば設定1〜6)を変更するためのものである。またリセットスイッチ112uはスロットマシン1で発生したエラーを解除するためのものであり、更には設定キースイッチ112tとともに設定を変更する際にも操作される。なお、上述したこれらのスイッチは、メイン基板409上に設置されてもよい。
以上がスロットマシン1の内部構成例である。スロットマシン1によるゲームは、遊技者がメダルの賭け数を決定した状態で始動レバー210を操作すると各リール301a,301b,301cが回転し、この後、遊技者がリール停止ボタン211a,211b,211cを操作すると、対応する各リール301a,301b,301cが停止制御され、そして、全てのリール301a,301b,301cが停止すると、有効ライン上での図柄の組合せ態様からゲーム結果を判断し、必要に応じて該当する当選役に対応する規定数のメダルが付与される。
前述したとおり、各リール301a,301b,301cには、それぞれリール帯321a,321b,321cが付されている(図46参照)。そして、全てのリール301a,301b,301cを停止させた際に図柄表示窓401内に表示される表示内容(有効ライン上に表示された図柄の組合せ態様)から所定の当選役に対応する図柄の組合せ態様(図柄組合せ)が表示されたか否かが判断される。具体的には、図柄表示窓401内で前述の有効ライン623に所定の当選役に対応する図柄組合せが表示されているか否かが判断される。
なお、スロットマシン1が複数の有効ラインを有するとしたとき、当該複数の有効ラインの夫々で当選役に対応する図柄組合せが表示されているか否かが判断される。その結果、複数の当選役の図柄組合せが表示されていると判断された場合は、表示された各当選役に対応する払出数を合算した数量のメダルの払出が行われる。なお、スロットマシン1では、1回あたりのメダルの払出数の上限値として所定枚数(例えば15枚)を規定することができる。このような場合に、複数の有効ライン上に表示された各当選役に対応する払出数の合算が当該上限値を超えるときは、上限値の所定枚数のメダルが払い出され、上限値の超過分は切り捨てられる。また、上限値の超過分を次回以降のゲームに分割して払い出す等もしない。
以下では、所定の当選役に対応する図柄の組合せ態様がいずれか一つの有効ライン上に表示された場合のことを、(所定の)当選役に対応する図柄(これを当選役図柄という)の組合せが揃う、あるいは当選役図柄が揃った、という。
図46で例示したスロットマシン1の図柄には、「7図柄」、「BAR図柄」、「チェリー図柄」、「スイカ図柄」、「リプレイ図柄」、「ベル図柄」、及び「ボム図柄」があることは既に述べたとおりであるが、このうち、「7図柄」及び「BAR図柄」は他の図柄に比べて目立ち易く、識別しやすい図柄となっている。ここでいう識別のし易さとは、リールの回転中や、リールの停止した状態を含めて遊技者が容易に図柄を識別することができる度合いの高さのことをいう。これらの図柄はリールの回転中もその色彩や図柄の大きさから、遊技者が停止操作する際に、これらの図柄が図柄表示窓401内に停止されるように狙って停止操作することが容易となっている(すなわち目押しすることが容易である)。また、特に「7図柄」は、各リール301a,301b,301cにおいて1つしか配置されていないので、目押しすることが容易である。
リール帯321a〜321cに付された各図柄は、基本的には、それだけでは象徴的な図柄(図柄1つだけでは当選役に対応しない)に過ぎないものであるが、所定の組合せとなることにより当選役に対応する図柄の組合せとなるものである。すなわち、所定の遊技特典が付与される。以下に、図49に示された各当選役に対応して許容される図柄の組合せ態様について説明する。なお、本実施形態では、例外的な図柄の組合せ態様として「チェリー役」の図柄組合せがあり、具体的には、有効ライン623の左リール301aに「チェリー図柄」が停止しさえすれば、他リール(中リール301b,右リール301c)の停止図柄が何であっても、チェリー役の図柄組合せとして判定される。
[10−1.当選役と図柄の組合せ]
ここで、スロットマシン1の当選役(入賞役と呼ばれるものを含む)と、これに対応する図柄の組合せについて、図49、図50及び図51を用いて説明する。
図49は、第1の実施形態のスロットマシン1において当選役の抽選(内部抽選)に用いられる抽選テーブルの一例である。図49に示す抽選テーブル(当たり値判定テーブルともいう)は、予めROM1112等に格納されている。詳細は後述するが、スロットマシン1ではメイン基板409のCPU1110が当選役の抽選を行い、このような抽選は「内部抽選」とも呼ばれる。内部抽選で何らかの役に当選した場合、当該役(当選役)に対応して予め定められた条件装置の作動が許容される。したがって、図49では「条件装置」と「当選役」とを読み替えてもよい。
なお、詳細は後述するが、図49で抽選される当選役には、単独役と同時当選役とが含まれている。同時当選役は、単独役が同時に当選するものであることから単独役と同一名称の役による組合せで表記されるが、そして以降の説明においては、このような同時当選役についても、1つの「当選役」として扱うことがある。これは、「条件装置」についても同様である。
図50は、図49に示した抽選テーブルにおける各当選役の当選確率を説明するための図である。図50に示された当選確率は、全ての置数の合計と各当選役の置数との比率によって算出可能であって、例えば、図49において全ての置数の合計は遊技状態ごとに何れも65536であって、そのうち、通常時のBB1の置数が4800であることから、図50における通常時のBB1の当選確率は、1/13.65(4800/65536)となる。また、図50における通常時のBB2の当選確率は、1/20.48(3200/65536)である。このようなBB1,BB2の当選確率は、従来の一般的な遊技機におけるBB当選確率(多くの場合、1/200〜1/500程度)に比べ、格段に高い当選確率である。
図51は、それぞれの条件装置(または当選役)に対応する図柄組合せを説明するための図である。なお、図51に示された図柄組合せは、一般に「役構成」とも呼ばれる。なお、図51の役構成は、図柄表示窓401内に表示されたリール301a〜301cに跨った直線ライン上に何れかにおける「見た目上」の構成とする。すなわち、第1の実施形態のように有効ライン623が全ての上記直線ラインに対応している(有効ライン623a〜623e)の場合は、「見た目上」の役構成と有効ライン623上の図柄組合せとは一致するが、有効ライン623が上記直線ラインと完全に一致していない場合は、「見た目上」の役構成と有効ライン623における実際の図柄組合せとが相違することがある。そして、後述する図115の図柄組合せも「見た目上」の役構成を示すものとする。
なお、第1の実施形態のスロットマシン1では、リール301を停止させる停止操作の手順として、特段の押し順の教示が行われない遊技の際は、左リール301aを最初に停止させる(すなわち、リール停止ボタン211aに対して最初に停止操作を行う)「左押し(「順押し」又は「挟み押し」)」を推奨する。ただし、このような推奨手順に沿った停止操作が行われなかった場合、すなわち、中押しや右押しが行われた場合に、どのような処理を行うか(例えば遊技者にとって不利な措置を行うか否か、等)は、設計上の仕様によってどのようにも設定し得るものとする。
また、スロットマシン1では、内部抽選によって1または複数の役に当選したことに基づいて、当該当選した役に対応する条件装置の作動が許容されるが、このとき、複数種類の条件装置の作動が許容されてもよい。そしてこのとき、リール停止ボタン211の押し順に応じて、リール301を停止させる際の図柄の引き込み制御が異なる優先制御(例えば、「枚数優先制御」又は「図柄組合せ数優先制御」)のもとで実行されるように設定される場合には、押し順に基づいて停止出目の態様を異ならせることができ、結果として払出枚数に差異を付けることもできる。
ここで、「枚数優先制御」とは、複数の条件装置の作動が許容されているときに、入賞時の払出枚数が最も多くなるような条件装置を優先し、「引き込み可能な図柄」のうちから当該条件装置に対応する図柄組合せの図柄を有効ライン上に引き込んで停止させる引き込み制御のことをいう。また、「図柄組合せ数優先制御」とは、複数の条件装置の作動が許容されているときに、「引き込み可能な図柄」によって表示し得る図柄組合せの数が最も多くなるような条件装置を優先し、当該条件装置に対応する図柄を有効ライン上に引き込んで停止させる引き込み制御のことをいう。
なお、リール301の停止時に有効ライン上に引き込み可能な図柄は、リール停止ボタン211に対する停止操作を行った時点のリール301の位置に基づいて制限されるため(具体的には例えば、最大4コマまでの引き込みが許容される)、この停止操作のタイミング(押しタイミング)次第で、引き込み可能な図柄と引き込み不能な図柄とが発生する。その結果、停止出目の態様は押しタイミングによっても異なるものであり、押しタイミングに応じた条件装置の優先度も予め設定される。
このように、スロットマシン1では、内部抽選の当選役に基づいて複数の条件装置の作動を許容するとともに、リール301における図柄の引き込み制御に関して異なる優先制御を設定することによって、「適正な押し順」に基づく遊技が行われた場合に、「不適正な押し順」に基づく遊技が行われた場合よりも、遊技者にとって有利な特典(例えば、比較的多くのメダルの払出)を付与し得る停止出目で停止させることができる。
また、スロットマシン1では、押し順によって付与特典の有利度合いを変え得る役(いわゆる、押し順小役)について、当選役に応じた図柄組合せが停止することによって遊技媒体の払出が行われる「小役」に限るものではなく、他にも例えば、再遊技の権利が付与される「リプレイ役」に押し順を用いるようにしてもよい(いわゆる、押し順リプレイ)。以下では、このような押し順リプレイについて簡単に説明する。なお、厳密にはリプレイ役は、対応する図柄組合せが有効ライン上に停止したとしても遊技用価値が払い出されないことから「小役」ではないが、説明の便宜上「押し順小役」に含めている。また、押し順リプレイは、リプレイ役の1つであるから、その当選時にどのような押し順や押し位置で停止操作が行われたとしても、必ず何れかのリプレイ役の図柄組合せが有効ライン上に停止し、再遊技の特典が付与されることに変わりはない。
スロットマシン1において押し順リプレイを用いる場合、前述の押し順ベルと同様に、押し順リプレイの当選役を押し順の数に応じて複数種類用意し、さらに、各押し順リプレイについて、その当選時に作動が許容される複数の条件装置の組合せを用意する。そして、これら複数の条件装置の組合せに対して「特定の押し順」で停止操作が行われた場合に「特定の図柄組合せ」が停止するような優先制御を設定することで、「当選時に特定の押し順で停止操作が行われた場合に特定の図柄組合せを現出させ得る」という特別なリプレイ役を実現することができ、「特定の図柄組合せ」の現出によって、図柄表示窓401内における停止出目を特徴的な態様にすることができる。具体的には例えば、所定の押し順リプレイが当選したとき、逆押しという「特定の押し順」で停止操作が行われた場合にのみ、図柄表示窓401内の所定のライン上に「特別な図柄揃い」が表示されるような「特定の図柄組合せ」を停止可能にすることができる。
このような押し順リプレイの利用方法の一例としては、図柄表示窓401内の所定のライン上に上記「特定の図柄組合せ」が現出された場合に、遊技用価値の払出以外の遊技特典が付与されるようにする(リプレイ役なので遊技用価値の払出はない)。遊技特典の付与とは、具体的には例えば、有利な遊技状態への移行、ATゲーム数・RTゲーム数の上乗せ等が挙げられる。そして、本実施形態のスロットマシン1では、押し順リプレイに当選して上記の遊技特典が付与される場合に、「特定の押し順」を指示機能に基づいて指示することによって、「特定の図柄組合せ」を停止可能な遊技方法を遊技者に通知することができ、遊技興趣を高めることができる。なお、押し順リプレイの当選時に上記の遊技特典が付与されない場合には、「特定の押し順」で停止操作を行わせないようにする(例えば、「特定の押し順」以外の停止方法を指示する等)ことが好ましい。
[10−1−1.当選役の種類]
図49を参照しながら、スロットマシン1において当選役を決定するために用いられる抽選テーブルについて説明する。スロットマシン1では、遊技状態に応じて異なる抽選テーブルが用意されており、現在の遊技状態に応じた抽選テーブルを用いて、複数の役のうちから当選役を選ぶ内部抽選が行われる。なお、図49では、内部抽選で選択される当選役について、1の当選役が単独で選ばれる「単独役」と、2以上の当選役が同時に選ばれる「同時当選役(重複役を含む)」とが示されている。具体的には例えば、「ベル」は、「ベル役」のみが単独で当選する単独役であり、「ベル+1枚役」は、「ベル役」と「1枚役」とが同時に当選する同時当選役である。詳細は[10−1−2]で後述する。
まず、図49に例示された遊技状態について説明する。
「通常時」は、ボーナスゲーム中でなく、かつボーナスフラグが未成立である通常の遊技状態であり、「通常状態」、「通常遊技状態」、「一般遊技状態」等とも呼ぶ。詳細は図49の各当選役の置数及び払出数から算出可能であるが、「通常時」においては、1ゲームあたりの遊技媒体の投入枚数に対する払出枚数の比率(出玉率)は1を超えることはなく、すなわち、理論上は遊技を重ねるにつれて、遊技者の手持ちメダルは減少する。出玉率は、「1」の場合は手持ちメダルが増減しない現状維持を示し、「1未満」の場合は手持ちメダルが減少することを示し、「1より上」の場合は手持ちメダルが増加する状態を示す。したがって、有利状態への移行期待度等を考慮せずに出玉率だけで判断する場合、出玉率が「1より上」の場合は、遊技者にとって有利な遊技状態となり、出玉率が「1未満」の場合は、遊技者にとって不利な遊技状態となる。また、出玉率が「1」の場合は、手持ちメダルの枚数としては遊技者に有利不利はないが、遊技に要する時間を考慮すると、遊技者にとって不利な遊技状態となる。
但し、「通常時」は、出玉率だけを見ると遊技者にとって不利な遊技状態ではあるが、有利遊技状態(BB1ゲーム、BB2ゲーム)への移行期待度合いを考慮すると、遊技者にとっては当該有利遊技状態に次いで有利な遊技状態といえる。詳しく説明すると、図49に示されたように、「通常時」は、BB1及びBB2に対する置数の振分が「4800」及び「3200」と多く、それぞれの当選確率も「1/13.8」及び「1/20.48」と、従来の一般的な遊技機に比べて格段に高く設定されている(図50参照)。そして、BB1とBB2とを合算した場合の当選確率は「1/8.19」という極めて高いものとなる。このようにBB1及びBB2の当選確率が非常に高いことから、「通常時」は有利遊技であるBB1ゲームまたはBB2ゲームに移行しやすい遊技状態であり、この点を考慮すると、出玉率が1を超えないとしても、遊技者に有利な遊技状態と考えることができる。
なお、本実施形態では、出玉率について「1」を基準値として説明するが、本発明にかかる出玉率の基準値は「1」に限るものではなく、その他の所定値が用いられてもよい。但し、ここでいう出玉率の基準としての「所定値」は、遊技者またはホール経営者にとっての有利・不利の境界値に近い値であることが好ましく、そのような「所定値」を用いることで、出玉率が「所定値」を超える場合には遊技者にとって有利(ホール側には不利)、出玉率が「所定値」を下回る場合には遊技者にとって不利(ホール側には利益)と考えることができる。また、上記の出玉率の基準としての「所定値」は、遊技機の設定に応じて異なる値であってもよい。
図49の抽選テーブルでは、「通常時」に内部抽選によって当選することでボーナスフラグが成立する当選役として、「BB1」、「BB2」、「MB」、及び「SB」が用意されている。ここで、「BB1」及び「BB2」は第一種特別役物(いわゆる、一種BB)に係る役物連続作動装置の作動契機となる当選役であり、「MB」は第二種特別役物(いわゆる、二種BB,CT)に係る役物連続作動装置の作動契機となる当選役であり、「SB」は普通役物の作動契機となる当選役である。また、BB1またはBB2の当選を契機として第一種特別役物に係る役物連続作動装置が作動しているとき、「一種BB(JAC)」は、第一種特別役物の作動契機となる当選役である。同様に、MBの当選を契機として第二種特別役物に係る役物連続作動装置が作動しているとき、「二種BB(JAC)」は、第二種特別役物の作動契機となる当選役である。
「BB1内部中」は、内部抽選によってボーナス役(具体的には、BB1)に当選してBB1のボーナスフラグが内部成立したときから当該ボーナス役に基づくボーナスゲーム(BB1ゲーム)に移行するまでに制御されるボーナス内部状態の遊技状態であって、「BB1内部状態」とも呼ぶ。ゲームの開始時(レバーON時)に制御されている遊技状態が「BB1内部中」である場合、当該ゲームよりも前のゲームでBB1のボーナスフラグが内部成立し、当該ゲームはボーナス(BB1)の当選成立状態が持ち越されているゲームである。
「BB2内部中」は、内部抽選によってボーナス役(具体的には、BB2)に当選してBB2のボーナスフラグが内部成立したときから当該ボーナス役に基づくボーナスゲーム(BB2ゲーム)に移行するまでに制御されるボーナス内部状態の遊技状態であって、「BB2内部状態」とも呼ぶ。ゲームの開始時(レバーON時)に制御されている遊技状態が「BB2内部中」である場合、当該ゲームよりも前のゲームでBB2のボーナスフラグが内部成立し、当該ゲームはボーナス(BB2)の当選成立状態が持ち越されているゲームである。
「BB1一般中」は、内部抽選によってボーナス役(具体的には、BB1)に当選し、かつ当該ボーナス役に対応する図柄組合せ(BB1の図柄組合せ)が表示されたことに基づいて作動するボーナスゲーム(BB1ゲーム)による有利遊技状態のうち、第一種特別役物が作動しているボーナスゲーム中(一種BB中)ではなく、かつそのボーナスフラグが未成立である(一種BB(JAC)に当選していない)ときに制御される遊技状態である。この遊技状態を「BB1一般状態」とも呼ぶ。
「BB2一般中」は、内部抽選によってボーナス役(具体的には、BB2)に当選し、かつ当該ボーナス役に対応する図柄組合せ(BB2の図柄組合せ)が表示されたことに基づいて作動するボーナスゲーム(BB2ゲーム)による有利遊技状態のうち、第一種特別役物が作動しているボーナスゲーム中(一種BB中)ではなく、かつそのボーナスフラグが未成立である(一種BB(JAC)に当選していない)ときに制御される遊技状態である。この遊技状態を「BB2一般状態」とも呼ぶ。
なお、本実施形態では、「BB1」と「BB2」とをまとめて「BB」と呼ぶことがある。同様に、「BB1内部中」と「BB2内部中」とをまとめて「BB内部中」と呼び、さらに、「BB1一般中」と「BB2一般中」とをまとめて「BB一般中」、「BB1ゲーム」と「BB2ゲーム」とをまとめて「BBゲーム」と呼ぶ。
「一種BB(JAC)内部中」は、BBゲームによる有利遊技状態のうち、「BB1一般中」または「BB2一般中」において第一種特別役物を作動させるためのボーナスフラグが成立した(一種BB(JAC)に当選した)ものの、ボーナスゲーム(一種BB)に移行せずにボーナスの当選成立状態が持ち越されている遊技状態である。この遊技状態を「一種BB内部状態」とも呼ぶ。
「一種BB中」は、BBゲームによる有利遊技状態のうち、内部抽選によって第一種特別役物の作動契機となる当選役(一種BB(JAC))に当選し、かつ当該当選役に対応する図柄組合せが表示されたこと(JAC IN)に基づいて作動する、第一種特別役物によるボーナスゲーム中の遊技状態である。
「MB内部中」は、内部抽選によってボーナス役(具体的には、MB)に当選し、かつ当該ボーナス役のボーナスゲーム(MBゲーム)に移行せずにボーナスの当選成立状態が持ち越されているボーナス内部状態の遊技状態であって、「MB内部状態」とも呼ぶ。
「MB一般中」は、内部抽選によってボーナス役(具体的には、MB)に当選し、かつ当該ボーナス役に対応する図柄組合せ(MBの図柄組合せ)が表示されたことに基づいて作動するボーナスゲーム(MBゲーム)による遊技状態のうち、第二種特別役物が作動しているボーナスゲーム中(二種BB中)ではなく、かつそのボーナスのフラグが未成立である(二種BB(JAC)に当選していない)ときに制御される遊技状態である。この遊技状態を「MB一般状態」とも呼ぶ。
「二種BB(JAC)内部中」は、MBゲーム中の「MB一般中」において第二種特別役物を作動させるためのボーナスフラグが成立した(二種BB(JAC)に当選した)ものの、ボーナスゲーム(二種BB)に移行せずにボーナスの当選成立状態が持ち越されている遊技状態である。この遊技状態を「二種BB内部状態」とも呼ぶ。
「二種BB中」は、MBゲーム中の内部抽選によって第二種特別役物の作動契機となる当選役(二種BB(JAC))に当選し、かつ当該当選役に対応する図柄組合せが表示されたこと(JAC IN)に基づいて作動する、第二種特別役物によるボーナスゲーム中の遊技状態である。このボーナスゲームは、「二種BBゲーム」や「CT」とも呼ばれる。
「SB中」は、内部抽選によってボーナス役(具体的には、SB)に当選し、かつ当該ボーナス役に対応する図柄組合せ(SBの図柄組合せ)が表示されたことに基づいて作動するシングルボーナスゲーム(SBゲーム)中の遊技状態である。なお、内部抽選でSBに当選した場合、該当選したゲームでSBの図柄組合せが表示されるものとする。また、SBゲームは1ゲームで終了する。
なお、スロットマシン1に用意されるボーナスの種類や個数は上記の組合せに限定されるものではなく、例えば、SBが備えられていなくてもよい。また、BB1ゲームやBB2ゲームが第二種特別役物に係る役物連続作動装置であってもよい。
次に、図49に例示された当選役(条件装置)の種類について説明する。
図49に示すように、第1の実施形態によるスロットマシン1では、遊技状態ごとに各当選役についての当選確率(又は置数)が定められており、各遊技状態に対応して予め用意された抽選テーブルを用いて内部抽選が行われる。そして、スロットマシン1では、内部抽選の結果として何らかの役に当選すると、当選役に応じた条件装置が作動し、作動した条件装置に対応する図柄組合せが有効ライン上に表示されるように、後述するリール停止処理が行われる。そして、有効ライン上に表示された図柄組合せによって何らかの入賞役が示された場合は、当該入賞役に基づいたメダルの払出が行われる。入賞役に基づいたメダルの払出において、遊技状態や遊技の掛けメダル数(規定数)に応じてメダルの払出数が異なるように設定されてもよい。このとき、規定数に応じた抽選テーブルを別途用意することが好ましい。
第1の実施形態のスロットマシン1では、一の条件装置とリール制御のパターンとが1対1で対応しているので、一の当選役に対して複数のリール制御パターンを用意したい場合には、一の当選役に対して複数の条件が成立する場合もある。こうすることで、一の当選役に対して、複数パターンの停止出目(有効ライン上に表示される図柄組合せ)を用意することが可能となる。
図49に示された当選役は、ボーナス役、小役、又はリプレイ役(再遊技役)に大別することができ、前述の何れの役にも当選しない場合に「はずれ」と呼ぶ。ここで、「はずれ」は、厳密には当選役ではない。しかし、当選役に関する内部抽選の結果が図49に示された各当選役であった場合と同様に、当選役に関する内部抽選の結果が「はずれ」であった場合は、当該結果に基づいて(すなわち、「はずれ」という当選役に当選したかのようにして)その後の内部処理が設定されることから、以下では、便宜上、「はずれ」を当選役に含めて説明することがある。
それぞれを簡単に説明すれば、「ボーナス役」は、ボーナスゲームの実行契機となる役であって、具体的には「BB1」、「BB2」、「MB」、及び「SB」がボーナス役に相当する。前述したように、「BB1」及び「BB2」は第一種特別役物に係る役物連続作動装置の作動契機となる当選役であり、「BB1」または「BB2」に内部当選し、対応する図柄組合せが表示されることで、第一種特別役物に係る役物連続作動装置が作動する(BBゲームが実行される)。また、「MB」は第二種特別役物に係る役物連続作動装置の作動契機となる当選役であり、「MB」に内部当選し、対応する図柄組合せが表示されることで、第二種特別役物に係る役物連続作動装置が作動する(MBゲームが実行される)。また、「SB」は普通役物の作動契機となる当選役であり、SBの図柄組合せは必ず当選ゲームで入賞するように制御されることから、「SB」に内部当選することで、1ゲーム間のシングルボーナスが実行される。
そして、スロットマシン1では、遊技機の仕様として、第一種特別役物の作動中(一種BB中)、第二種特別役物の作動中(二種BB中)、及び普通役物の作動中(SB中)以外の遊技状態では、小役の当選確率は変化しない。なお、再遊技役は、便宜上は払出数「0」としているが、入賞によって遊技媒体が払出される当選役ではないことから厳密には小役ではなく、上記の置数の仕様からは除外される。
「リプレイ役(再遊技役)」は、メダルを再投入することなく次回のゲームが実行可能にされる役である。リプレイ役に対応する図柄組合せ(例えば図51参照)が有効ライン623に表示されることで、次のゲームに対する再遊技の権利が付与される。
なお、上記のボーナス役及びリプレイ役は、それぞれに対応する図柄組合せが有効ライン623に表示されたとしても、遊技媒体の払出は行われない。
「小役」は、その入賞によって所定枚数のメダルの払出が行われる役であって、具体的には図49の場合、「ベル」、「チェリー」、「スイカ」、「1枚役」、「2枚役」、及び「全役(CT用)」が小役に相当する。なお、図49には例示されていないが、リール301の停止順(押し順)や停止位置(押し位置)によって入賞時の払出枚数が異なる可能性がある小役については、総称として押し順小役や押し位置小役という表記をすることがあり、これに対して押し順や押し位置によって入賞時の払出枚数が変わらない小役については、押し順不問小役や押し位置不問小役と表記することができる。各当選役の詳細は後述する。
また、「はずれ」は、当選役に関する内部抽選の結果、何れの当選役も選ばれていないことを意味する。「はずれ」であった場合は、ボーナス役の成立状態が持ち越されている場合(すなわち、ボーナス内部状態)を除き、何れの当選役に対応する図柄組合せも停止されることはない。一方、ボーナス内部状態で「はずれ」となった場合は、内部成立しているボーナス役に対応する図柄組合せが停止し得る。
なお、図49の場合、ボーナス内部状態に相当する「BB1内部中」、「BB2内部中」、または「MB内部中」における各小役および再遊技役の当選確率は、通常状態である「通常時」と変わらないように置数が設定されている(具体的には、後述の図50参照)。図49の場合、このような置数の振分が行われることで、BB1,BB2,MBに当選したことに基づくボーナス内部状態においては、遊技者の手持ちメダルは、通常状態と変わらないペースで消費される。さらにいえば、図49の場合は、MB一般中も、通常状態とほぼ同様の消費ペースで遊技者の手持ちメダルが消費される。なお、上記のボーナス内部状態では、各小役や再遊技役について「通常時」と異なる置数が設定されてもよいが、このような場合には手持ちメダルの消費ペースが変わる可能性がある。
また、内部抽選の結果が「はずれ」ではなく、いずれかの役(ボーナス役、リプレイ役、小役)に当選したとしても、当該当選役に対応する図柄の組合せは、後述する引き込み制御を実行可能な範囲で図柄表示窓524内(より厳密には有効ライン623)に停止されるように狙って適正なタイミング(押し位置)で停止操作(リール停止ボタン211a〜211cを押す操作)が行われないと、有効ライン上に当選役に対応する図柄の組合せを表示させることができないことがある(但し、当選役によっては、配列上や停止制御等の工夫によって、特段の適正な操作を行わなくても有効ライン623上に対応する図柄の組合せが表示されるものもある)。したがって、抽選の結果、いずれかの役に当選したにもかかわらず、この当選役に対応する図柄の組合せが有効ライン上に表示されなければ、「はずれ」が選ばれたときと同様に、後述する図52のステップS6においてゲーム結果がハズレである旨が判定される。なお、第1の実施形態のスロットマシン1では、何らかの当選役に当選したにもかかわらずゲーム結果がハズレとなる場合に、無作為に「はずれ」の図柄組合せを表示させるのではなく、当該当選役に基づいた入賞を取り零したことを示す所定の図柄組合せ(停止出目)を図柄表示領域に表示させるように制御するようにしてもよい。そして、このようなハズレ時に表示される図柄組合せ(停止出目)のことを、以下では「零し(又は、零し目)」と呼ぶ。
また、本実施形態に関する説明では、以上の「零し(零し目)」とは別に、「ばらけ(ばらけ目)」という表現を用いることがある。「ばらけ(ばらけ目)」とは、停止出目の特徴を遊技者が比較的容易に認識し易い「揃い目」ではなく、一見ばらばらの図柄が組み合わされたような停止出目(所謂「ばらけ目」)であることを意味する。すなわち、「ばらけ目」は、図柄組合せの表示態様に関する区分の1つであり、ばらけ目であってもハズレとは限らないため、メダルの払出が行われることもある。
[10−1−2.当選役の当選形態]
図49に例示した当選役のうち、「BB1」、「BB2」、「SB」、「再遊技」、「ベル」、「チェリー」、「スイカ」、「1枚役」、「2枚役」、「全役(CT用)」、及び「二種BB(JAC)」は、1回の抽選機会において一つの役のみが選び出される単独役である。単独役が当選した場合は、当該当選役に基づいた条件装置が作動することに基づいて、後のリール停止制御が行われる。しかし、スロットマシン1では、図49に例示した当選役のうちの「MB+チェリー」、「ベル+1枚役」、「ベル+2枚役」、「ベル+1枚役+2枚役」、及び「一種BB(JAC)+1枚役」のように、複数の当選役が同時に選び出される同時当選役が用意されてもよい。このような同時当選は、1回の抽選機会において複数の当選役が同時に選び出されることを意味し、例えば、「ベル+1枚役」のように複数の小役(「ベル」と「1枚役」)が同時に選び出される場合や、「MB+チェリー」のようにボーナス役(「MB」)と小役(「チェリー」)とが同時に選び出される場合がある。
内部抽選によって同時当選役が選ばれた場合には、当該同時当選役に含まれるそれぞれの当選役に基づいた条件装置が同時に作動することに基づいて、後のリール停止制御が行われる。そして、同時当選役に当選したときのリール停止制御では、予め定められた優先順位(例えば、『再遊技>小役>ボーナス』や、『再遊技>ボーナス>小役』のような優先順位)に従って当選役の図柄組合せの表示が許容されるなかでリール停止処理が行われ、入賞した役に応じた特典の払い出しが行われる。なお、遊技機の仕様や小役の組合せ、又は有効ラインの設定方法等によっては、同時当選役を共に入賞させるような制御が行われるようにしてもよく、同時入賞が発生した場合には夫々の入賞した役に応じた特典の払い出しが行われる。何れにしても、小役は、当選ゲームでのみ入賞し得る「非持ち越し役」であり、当選ゲームで入賞できなかった当選役の当選成立状態は、次ゲーム以降に持ち越されないことから、小役の同時当選が選ばれたとしても、当選ゲームで入賞できなかった小役に対しては、当該小役に応じたメダルの払い出しは行われない。
また、ボーナス役と小役とが同時当選した場合について、このような組合せで選ばれる役は重複役ともいう。ボーナス役と小役とが同時当選した場合も、小役同士の同時当選の場合と同様に、夫々の当選役に対応する条件装置が同時に作動し、予め定められた優先順位(例えば、『再遊技>小役>ボーナス』や、『再遊技>ボーナス>小役』のような優先順位)に従って当選役の図柄組合せの表示が許容されるなかでリール停止処理が行われ、入賞した役に応じた特典の払出が行われる。但し、ボーナス役については、上述したように当選ゲームで対応する図柄組合せが表示されなかったとしても、次ゲーム以降に当該ボーナス役の図柄組合せが表示されるまで当該ボーナス役の当選成立状態が持ち越される「持ち越し役」とすることができる。具体的には、ボーナス役は「持ち越し役」であり、リプレイ役や小役は「非持ち越し役」である。このように重複役の当選によって「持ち越し役」と「非持ち越し役」とが同時当選したときも、何れの図柄組合せの表示を許容するかは、リール停止処理によって制御される。そして、当選ゲームで「持ち越し役」に対応する図柄組合せが表示されなかった場合は、「持ち越し役」の当選成立状態は次ゲーム以降に持ち越される。但し、このような「次ゲーム」において、別の小役に当選したときは、「持ち越し役」と「別の小役」との両方が当選成立している状態となるが、この場合は、互いに別の抽選機会(ゲーム)において選び出されているから、重複役には相当しない。
なお、同時当選の場合に何れの当選役に対応する図柄の組合せが優先して有効ライン上に表示されるようになるかは、リール停止処理における優先順位の設定に基づいて決定される。
以下では、上記で大別した当選役について、図50や図51も参照しながら詳細に説明していく。
[10−1−3.ボーナス役]
まず、ボーナス役について詳細に説明する。ボーナス役は、内部抽選によって当選役として選ばれた場合に、対応する図柄組合せが表示されたとしても、遊技媒体の払出は行われず、遊技状態の移行が行われる。また、ボーナス役に当選し、かつ、当該ボーナス役に対応する図柄組合せが表示されなかった場合には、当該ボーナス役に対応する図柄組合せが表示されるまでの間、ボーナス内部状態に制御される。なお、ボーナス役に対応する図柄組合せが表示された場合に、所定数の遊技媒体が払出されるようにしてもよい。
ここで、ボーナス役の当選に伴う遊技状態の移行タイミングについて補足する。通常遊技状態(通常時)における内部抽選でボーナス役に当選したとすると、当該ボーナス役に当選したタイミングで当該ボーナス役のボーナスフラグが内部成立し、遊技状態はボーナス内部状態に移行する。そして、当該ゲームにおいて有効ライン上に当該ボーナス役に対応する図柄組合せが停止した場合は、当該ボーナス役にかかるボーナスゲームの遊技状態(例えば、BB1一般中)に移行し、次ゲームからボーナスゲームが実行される。また、当該ゲームにおいて有効ライン上に当該ボーナス役に対応する図柄組合せが停止しなかった場合には、ボーナスフラグが内部成立した状態が維持されたまま(すなわち、ボーナス内部状態に制御されたまま)、次ゲームが行われる。そして、ボーナス内部状態で開始されたゲームで有効ライン上に当該ボーナス役に対応する図柄組合せが停止した場合は、ボーナスゲームの遊技状態(例えば、BB1一般中)に遊技状態が移行し、次ゲームからボーナスゲームが実行される。
すなわち、スロットマシン1では、1ゲームのなかで制御される遊技状態が変更されることがある。上記例でいうと、通常遊技状態からボーナス内部状態に移行する場合や、ボーナス内部状態からボーナスゲームの遊技状態に移行する場合である。しかし、何れの場合も、当選役の内部抽選、リールの停止制御、及び特典の付与という1ゲーム内の一連の遊技進行は当該ゲームの開始時に制御されていた遊技状態に沿って行われる。本発明の説明では、特段の限定がない限りは、ゲームの開始時に制御されていた遊技状態を、当該ゲームの遊技状態とする(例えば、後述の図54,図55における遊技状態の表示)。また、後述の図56に示す「遊技状態ごとの平均滞在ゲーム数」も、各ゲームの開始時の遊技状態に基づいて平均滞在ゲーム数を示したものである。
[10−1−3−1.BB1]
図49に示された当選役「BB1」は、第一種特別役物(いわゆる、一種BB)に係る役物連続作動装置に関するボーナス役である。当該ボーナス役が当選役として選ばれると、対応する条件装置(BB1)が作動し、リール停止処理が行われ、表示された図柄組合せに基づいて特典が付与される。具体的には、条件装置「BB1」に対応する図柄組合せ(図51によれば「赤7」の図柄揃い)が表示されることで、BB1に基づくボーナスゲーム(BB1ゲーム)が実行される。このボーナスゲームは、複数ゲームに亘って遊技者がメダルを集中して獲得できる機会が設けられるゲームであり、「BB1ゲームに関する終了条件」を満足するまで継続する。「BB1ゲームに関する終了条件」が成立すると、遊技状態は通常状態(通常時)に移行する。なお、本実施形態においては、ボーナス役「BB1」,「BB2」は単独役でなく、重複役であってもよいし、単独役と重複役とで設けられてもよい。
図46を参照すると、「BB1」に対応する図柄組合せ(「赤7」の図柄揃い)は、リール301a〜301c全てにおいて、リール停止ボタン211に対する停止操作のタイミング次第では、必ずしも有効ライン上に引き込むことができない配列となっている。しかし、「BB1」は当選フラグを持ち越し可能な持ち越し役であり、当選ゲームで対応する図柄組合せである「赤7」の図柄揃いが表示されなかった(揃えられなかった)としても、次ゲーム以降に当選成立状態が持ち越され、当該図柄組合せが停止されるまで、ボーナス内部状態(BB1内部中)として遊技が行われる。
そして、ボーナス内部状態に制御されているときに、内部抽選の結果、リプレイ役や小役に当選した場合は、予め定められた優先順位に従って、表示され得る当選役が決定される。具体的には、当該優先順位が『再遊技(リプレイ役)>小役>ボーナス』であるとし、このとき、ボーナス内部状態としてBB1の成立状態が維持されていても、BB1の図柄組合せを表示し得る機会は、内部抽選でリプレイ役にも小役にも当選しなかったとき(すなわち、はずれ)に限られる。
次に、BB1ゲーム中の遊技状態について詳しく説明する。図49を参照して前述したように、本実施形態におけるBB1ゲーム中の遊技状態には複数の遊技状態が含まれる。具体的には図49の場合、BB1ゲーム中に一種BB(JAC)に当選するまでは「BB1一般中」の遊技状態に制御され、一種BB(JAC)に当選した場合、一種BB(JAC)に対応する図柄組合せが表示されるまで(JAC INするまで)は「一種BB(JAC)内部中」の遊技状態に制御される。そして、JAC INした後は、「一種BB中」の遊技状態に制御されて一種BBによるボーナスゲームが行われる。一種BBによるボーナスゲームは、一種BBに関する規定の終了条件(具体的には例示せず)が満たされた時点で終了し、前述した「BB1ゲームに関する終了条件」が満たされていない場合は「BB1一般中」の遊技状態に移行される。
また、「BB1ゲームに関する終了条件」の具体例として、本実施形態のスロットマシン1では、当該BB1ゲーム中に払出された遊技媒体の総払出数(規定上限数)が280枚に到達することとする。なお、「BB1ゲームに関する終了条件」は、上記例以外の条件であってもよく、例えば、当該BB1ゲームにおけるゲーム数が規定の上限数(例えば30ゲーム)に到達したときであってもよいし、当該BB1ゲームで実行された一種BBのボーナスゲームの回数(JAC INの回数)が規定の上限数(例えば3回)に到達したとき等であってもよい。
ここで、BB1ゲームに含まれる各遊技状態(BB1一般中、一種BB(JAC)内部中、一種BB中)における当選役の振分及び出玉率等について、図49,図50を参照しながらそれぞれの特徴を説明する。
「BB1一般中」では、「通常時」と比べて、リプレイの振分がなくなる一方、「一種BB(JAC)+1枚役」に置数が設定されている。「一種BB(JAC)+1枚役」の当選確率が比較的高い(1/3.28)ことから、「BB1一般中」の遊技状態は比較的早期(約4ゲーム)に別の遊技状態に移行するが、同時当選役の一方である「1枚役」の図柄組合せの停止が優先的に制御されることによって、「BB1一般中」から「一種BB中」に直接移行することはなく、「一種BB(JAC)内部中」を経由する。なお、本実施形態において、「一種BB(JAC)」の当選役は、「一種BB(JAC)+1枚役」のように必ずしも重複役である必要はなく、単独役であってもよい。また、単独役と重複役の両方が用意されてもよい。
「一種BB(JAC)内部中」は、「ベル+1枚役」(当選確率1/13.11)及び「ベル+2枚役」(当選確率1/131.07)に当選した場合に、払出がその他の遊技状態における1枚または2枚ではなく13枚とされることから、出玉率が大幅に高められ、「一種BB(JAC)内部中」は出玉率が1を超える遊技状態となる。さらに、「一種BB(JAC)内部中」では、リプレイの置数が通常時よりも多く設定されることで、再遊技の現出割合が高められることで、出玉率が1を超える遊技状態の滞在ゲーム数を引き延ばすことができる。当選確率でいえば、通常時は1/7.30であるのに対し、一種BB(JAC)内部中は1/1.31と大幅に上昇する。また、「一種BB(JAC)内部中」から「一種BB中」への移行条件となる「ハズレ」が選択される確率は、1/29.35と現実的に当選可能な値となっており、平均で30ゲーム程度の滞在を経てJAC INすることが想定できる。
「一種BB中」では、図49,図50に示したように、2枚払出の「チェリー」、4枚払出の「スイカ」、13枚払出の「ベル+1枚役+2枚役」、及び「はずれ」が内部抽選による主な当選役に設定されており、特に13枚の払出が見込まれる「ベル+1枚役+2枚役」の当選確率が、はずれを除いた全ての当選役のうちで最も高く設定されることで(1/6.55)、出玉率が1を超える遊技状態となる。
このように、図49に示されたBB1ゲームでは、少なくとも「一種BB(JAC)内部中」及び「一種BB中」において出玉率が1より大きくなるように制御され、かつ、BB1ゲーム中にこれらの遊技状態に滞在している割合は、「BB1一般中」に滞在している割合よりもかなり高い。すなわち、BB1ゲーム全体を通した遊技状態は、出玉率が1より大きい遊技者に有利な遊技状態といえる。
[10−1−3−2.BB2]
図49に示された当選役「BB2」は、第一種特別役物(いわゆる、一種BB)に係る役物連続作動装置に関するボーナス役である。当該ボーナス役が当選役として選ばれると、対応する条件装置(BB2)が作動し、リール停止処理が行われ、表示された図柄組合せに基づいて特典が付与される。具体的には、条件装置「BB2」に対応する図柄組合せ(図51によれば「赤7−赤7−BAR」の図柄揃い)が表示されることで、BB2に基づくボーナスゲーム(BB2ゲーム)が実行される。このボーナスゲームは、複数ゲームに亘って遊技者がメダルを集中して獲得できる機会が設けられるゲームであり、「BB2ゲームに関する終了条件」を満足するまで継続する。「BB2ゲームに関する終了条件」が成立すると、遊技状態は通常状態(通常時)に移行する。なお、本実施形態において、BB1ゲームとBB2ゲームとでは、それぞれの終了条件だけが異なっている。
図46を参照すると、「BB2」に対応する図柄組合せ(「赤7−赤7−BAR」の図柄揃い)は、中リール301b及び右リール301cにおいて、リール停止ボタン211に対する停止操作のタイミング次第では、必ずしも有効ライン上に引き込むことができない配列となっている。しかし、「BB2」は当選フラグを持ち越し可能な持ち越し役であり、当選ゲームで対応する図柄組合せである「赤7−赤7−BAR」の図柄揃いが表示されなかった(揃えられなかった)としても、次ゲーム以降に当選成立状態が持ち越され、当該図柄組合せが停止されるまで、ボーナス内部状態(BB2内部中)として遊技が行われる。
そして、ボーナス内部状態に制御されているときに、内部抽選の結果、リプレイ役や小役に当選した場合は、予め定められた優先順位に従って、表示され得る当選役が決定される。具体的には、当該優先順位が『再遊技(リプレイ役)>小役>ボーナス』であるとし、このとき、ボーナス内部状態としてBB2の成立状態が維持されていても、BB2の図柄組合せを表示し得る機会は、内部抽選でリプレイ役にも小役にも当選しなかったとき(すなわち、はずれ)に限られる。
次に、BB2ゲーム中の遊技状態について詳しく説明する。図49を参照して前述したように、本実施形態におけるBB2ゲーム中の遊技状態には複数の遊技状態が含まれる。具体的には図49の場合、BB2ゲーム中に一種BB(JAC)に当選するまでは「BB2一般中」の遊技状態に制御され、一種BB(JAC)に当選した場合、一種BB(JAC)に対応する図柄組合せが表示されるまで(JAC INするまで)は「一種BB(JAC)内部中」の遊技状態に制御される。そして、JAC INした後は、「一種BB中」の遊技状態に制御されて一種BBによるボーナスゲームが行われる。一種BBによるボーナスゲームは、一種BBに関する規定の終了条件(具体的には例示せず)が満たされた時点で終了し、前述した「BB2ゲームに関する終了条件」が満たされていない場合は「BB2一般中」の遊技状態に移行される。
また、「BB2ゲームに関する終了条件」の具体例として、本実施形態のスロットマシン1では、当該BB2ゲーム中に払出された遊技媒体の総払出数(規定上限数)が110枚に到達することとする。なお、「BB2ゲームに関する終了条件」が上記例以外の条件であってもよいことは、「BB1ゲームに関する終了条件」の場合と同様である。
ここで、BB2ゲームに含まれる各遊技状態(BB2一般中、一種BB(JAC)内部中、一種BB中)における当選役の振分及び出玉率等について、図49,図50を参照しながらそれぞれの特徴を説明する。
「BB2一般中」では、「通常時」と比べて、リプレイの振分がなくなる一方、「一種BB(JAC)+1枚役」に置数が設定されている。「一種BB(JAC)+1枚役」の当選確率が比較的高い(1/3.28)ことから、「BB2一般中」の遊技状態は比較的早期(約4ゲーム)に別の遊技状態に移行するが、同時当選役の一方である「1枚役」の図柄組合せの停止が優先的に制御されることによって、「BB2一般中」から「一種BB中」に直接移行することはなく、「一種BB(JAC)内部中」を経由する。なお、本実施形態において、「一種BB(JAC)」の当選役は、「一種BB(JAC)+1枚役」のように必ずしも重複役である必要はなく、単独役であってもよい。また、単独役と重複役の両方が用意されてもよい。
「一種BB(JAC)内部中」は、「ベル+1枚役」(当選確率1/13.11)及び「ベル+2枚役」(当選確率1/131.07)に当選した場合に、払出がその他の遊技状態における1枚または2枚ではなく13枚とされることから、出玉率が大幅に高められ、「一種BB(JAC)内部中」は出玉率が1を超える遊技状態となる。さらに、「一種BB(JAC)内部中」では、リプレイの置数が通常時よりも多く設定されることで、再遊技の現出割合が高められることで、出玉率が1を超える遊技状態の滞在ゲーム数を引き延ばすことができる。当選確率でいえば、通常時は1/7.30であるのに対し、一種BB(JAC)内部中は1/1.31と大幅に上昇する。また、「一種BB(JAC)内部中」から「一種BB中」への移行条件となる「ハズレ」が選択される確率は、1/29.35と現実的に当選可能な値となっており、平均で30ゲーム程度の滞在を経てJAC INすることが想定できる。
「一種BB中」では、図49,図50に示したように、2枚払出の「チェリー」、4枚払出の「スイカ」、13枚払出の「ベル+1枚役+2枚役」、及び「はずれ」が内部抽選による主な当選役に設定されており、特に13枚の払出が見込まれる「ベル+1枚役+2枚役」の当選確率が、はずれを除いた全ての当選役のうちで最も高く設定されることで(1/6.55)、出玉率が1を超える遊技状態となる。
このように、図49に示されたBB2ゲームでは、少なくとも「一種BB(JAC)内部中」及び「一種BB中」において出玉率が1より大きくなるように制御され、かつ、BB2ゲーム中にこれらの遊技状態に滞在している割合は、「BB2一般中」に滞在している割合よりもかなり高い。すなわち、BB2ゲーム全体を通した遊技状態は、出玉率が1より大きい遊技者に有利な遊技状態といえる。
[10−1−3−3.MB]
図49に示された当選役「MB+チェリー」は、ボーナス役である「MB」と小役である「チェリー」との同時当選役である。このうち、「MB」は、第二種特別役物(いわゆる、二種BB)に係る役物連続作動装置に関するボーナス役である。当該ボーナス役が当選役として選ばれると、対応する条件装置(MB)が作動し、リール停止処理が行われ、表示された図柄組合せに基づいて特典が付与される。具体的には、条件装置「MB」に対応する図柄組合せ(図51によれば「リプレイ」−「リプレイ」−「ボム」の図柄揃い)が表示されることで、MBに基づくボーナスゲーム(MBゲーム)が実行される。MBのボーナスゲームは、「MBゲームに関する終了条件」を満足するまで継続するが、本実施形態では、全体として出玉率が少なくとも1を超えないとする。「MBゲームに関する終了条件」が成立すると、遊技状態は通常状態(通常時)に移行する。
本実施形態では、「MB+チェリー」が内部抽選で当選することによって条件装置「MB」の作動が許容されるが、その当選ゲームにおいては、同時当選役を構成する「チェリー」の当選に基づく条件装置「チェリー」の作動が優先される。より具体的には、「チェリー」の図柄組合せの表示が「MB」の図柄組合せの表示よりも優先される。そして、「チェリー」の図柄組合せを有効ライン上に引き込み可能なタイミングでリールの停止操作が行われた場合には、条件装置「チェリー」の作動によって「チェリー」の図柄組合せが停止するため、「MB」に対応する図柄組合せが表示されることはなく、ボーナス内部状態の「MB内部中」に移行する。一方、「チェリー」の図柄組合せを有効ライン上に引き込みできないタイミングでリールの停止操作が行われた場合には、条件装置「MB」の作動が許容される。図46,図51によれば、「MB」の図柄組合せはリールの停止タイミングに拘わらず有効ライン上に引き込み可能なので、このような場合は「MB」の図柄組合せが表示されて「MB一般中」に移行する。なお、本実施形態において、「MB」と同時当選する役は、小役「チェリー」に限られるものではなく、例えば、他の小役やリプレイ役であってもよい。
そして、ボーナス内部状態に制御されているときに、内部抽選の結果、リプレイ役や小役に当選した場合は、予め定められた優先順位に従って、表示され得る当選役が決定される。具体的には、当該優先順位が『再遊技(リプレイ役)>小役>ボーナス』であるとし、このとき、ボーナス内部状態としてMBの成立状態が維持されていても、MBの図柄組合せを表示し得る機会は、内部抽選でリプレイ役にも小役にも当選しなかったとき(すなわち、はずれ)に限られる。
なお、図46を参照すると、「MB」に対応する図柄組合せ(「リプレイ」−「リプレイ」−「ボム」の図柄揃い)は、リール301a〜301c全てにおいて、リール停止ボタン211に対する停止操作のタイミングに拘わらず、必ず有効ライン上に引き込むことができる配列となっている。したがって、「MB内部中」の内部抽選でリプレイ役または小役に当選しなかった場合(すなわち、はずれの場合)には、必ず当該ゲームで「MB」に対応する図柄組合せが表示される。
次に、MBゲーム中の遊技状態について詳しく説明する。図49を参照して前述したように、本実施形態におけるMBゲーム中の遊技状態には複数の遊技状態が含まれる。具体的には図49の場合、MBゲーム中に二種BB(JAC)に当選するまでは「MB一般中」の遊技状態に制御され、二種BB(JAC)に当選した場合、二種BB(JAC)に対応する図柄組合せが表示されるまで(JAC INするまで)は「二種BB(JAC)内部中」の遊技状態に制御される。そして、JAC INした後は、「二種BB中」の遊技状態に制御されて二種BBによるボーナスゲームが行われる。二種BBによるボーナスゲームは、二種BBに関する規定の終了条件(具体的には例示せず)が満たされた時点で終了し、前述した「MBゲームに関する終了条件」が満たされていない場合は「MB一般中」の遊技状態に移行される。
また、「MBゲームに関する終了条件」の具体例として、本実施形態のスロットマシン1では、当該MBゲーム中に払出された遊技媒体の総払出数(規定上限数)が253枚に到達すること、もしくは、内部抽選でSBに当選すること(SBゲームが作動すること)とする。SBゲームについては後述する。なお、「MBゲームに関する終了条件」は、上記例以外の条件であってもよい。
ここで、MBゲームに含まれる各遊技状態(MB一般中、二種BB(JAC)内部中、二種BB中)における当選役の振分及び出玉率等について、図49,図50を参照しながらそれぞれの特徴を説明する。
「MB一般中」では、「通常時」と比べて、「BB1」、「BB2」、及び「MB+チェリー」への振分がなくなり、振分けられていた置数は、「二種BB(JAC)」への「1」の振分以外は全て「はずれ」に回されている。具体的には、はずれとなる確率は1/1.52とかなりの高確率となる。図49,図50の場合は、遊技媒体の払出に期待できる小役の当選確率及び払出数は通常時と変わっていないことから、「MB一般中」における出玉率は少なくとも1を超えない低水準に抑制される。
「二種BB(JAC)内部中」は、「MB一般中」に「二種BB(JAC)」に当選することで移行する可能性がある遊技状態であるが、その当選確率は1/65536と極めて低いことから、図49の抽選テーブルを用いるとき、MBゲームにおいて「二種BB(JAC)内部中」に移行することは極めて稀であり、MBゲームの殆どはMB一般中に滞在したまま進行する。
しかし、上記の極めて低い当選確率を乗り越えて「二種BB(JAC)」に当選できた場合、「二種BB(JAC)内部中」では、BB1ゲームやBB2ゲームに「一種BB(JAC)内部中」に制御された場合と同様に、「ベル+1枚役」(当選確率1/13.11)及び「ベル+2枚役」(当選確率1/131.07)に当選した場合の払出が13枚に増加することから、一時的に出玉率を高くすることができる。その結果、全体を通しての出玉率が1を超えないMBゲームにおいて、MBゲームの終了条件に早期に到達することに期待できることから、遊技者に不利なMBゲームの滞在期間を短縮する機会が与えられる。
なお、「二種BB(JAC)内部中」の場合は、はずれに当選する確率も高いため(当選確率1/1.52)、このとき二種BBに対応する図柄組合せ(図51によれば「赤7」−「BAR」−「赤7」の図柄揃い)が表示された場合には「JAC IN」となり、出玉率が1を超えない「二種BB中」に移行してしまう。本実施形態では、「二種BB(JAC)」の当選を極めて稀なプレミアとして扱うこともでき、このような場合には、「二種BB(JAC)内部中」から「二種BB中」への移行を抑制するための特別な遊技方法を遊技者に教示するようにしてもよい。すなわち、「二種BB(JAC)内部中」の内部抽選ではずれとなった場合に、二種BBに対応する図柄組合せ(図51によれば「赤7」−「BAR」−「赤7」の図柄揃い)を引き込めないような停止タイミングによるリールの停止操作を遊技者に教示してもよい。具体的には例えば、右リール301cを「赤7図柄(配列番号20番)」を避けた停止タイミングで停止させるように教示する。
「二種BB中」では、図49,図50に示したように、シングルボーナス役である「SB」、または二種BBボーナス専用役である「全役(CT中)」だけが内部抽選で当選し得る役となっており、はずれがない。このうち、「SB」については後述するとして、「全役(CT中)」は、どのような停止タイミングでリール301を停止させても必ず入賞する小役である。図49の抽選テーブルを用いる場合、「全役(CT中)」の入賞に伴う遊技媒体の払出数は2枚であるから、投入数の3枚に満たず、出玉率は1を超えない。ただし、このような払出数は一例であって、2枚より少なくてもよいし(1枚)、2枚より多くてもよい(例えば13枚)。
このように、図49に示されたMBゲームでは、その滞在ゲームの大部分が「MB一般中」とされ、かつ、「MB一般中」の出玉率が少なくとも1を超えないようにされることで、「MBゲームの終了条件」を満足するまで遊技者にとって不利なゲームが継続されることになる。言い換えれば、本実施形態におけるMBゲームは、MBゲームのボーナスゲームに掛けられた数よりも多くの遊技媒体の獲得が困難になるように制御されたボーナスゲームである。すなわち、図50に示した抽選確率の通りに内部抽選で当選役が選ばれた場合、MBゲームの前後で遊技者の手持ちメダルは増加しないように制御される。なお、MBゲームのこのような特徴は、他の実施形態でも同様である。
そして、本実施形態のスロットマシン1では、このようにMB当選時からMBゲームが終了するまでのゲーム期間に制御される遊技状態について、出玉率が1を超えない遊技状態を含むようにすることで、全ての遊技状態を通じての出玉率を抑制するゲーム期間を実現している。なお、本実施形態のスロットマシン1では、「MB一般中」とMBゲーム全体とで、出玉率が低水準(例えば1を超えない)に抑制されていればよいので、「二種BB(JAC)内部中」並びに「二種BB中」における出玉率は高水準(例えば1以上)であっても構わない。
[10−1−3−4.SB]
図49に示された当選役「SB」は、普通役物に関するボーナス役である。当該ボーナス役が当選役として選ばれると、対応する条件装置(SB)が作動し、リール停止処理が行われ、表示された図柄組合せに基づいて特典が付与される。具体的には、条件装置「SB」に対応する図柄組合せ(図51によれば「BAR」の図柄揃い)が表示されることで、SBに基づくボーナスゲーム(SBゲーム)が実行される。なお、本実施形態では、当選役「SB」に当選したゲームで「SB」に対応する図柄組合せが必ず表示されるとする。このような表示を実現するために、例えば、図51に例示された図柄組合せ(「BAR」の図柄揃い)以外にも「SB」に対応する図柄組合せを用意する(例えば、「BAR」−「BAR」−「ボム」の図柄揃いでも良いとする)等してよい。
このSBゲームは、1ゲームの間だけ「SB中」の遊技状態に制御されて行われるボーナスゲームであり、SBゲームの終了後は「通常時」の遊技状態に制御される。したがって、前述のMBゲーム中に「SB」に当選した場合は(「SB」の図柄組合せが同じゲームで表示されるとする)、「SBゲーム」が作動することによってMBゲームは終了することになり、不利なゲーム期間と位置付けられたMBゲームからの脱出できるという点で遊技者に有利な状況となる。なお、図49によれば「SB中」の抽選テーブルにも「SB」の置数が振分られているが、SBゲーム中に「SB」に当選した場合は、次のゲームでもSBゲームが実行される。
[10−1−4.再遊技役(リプレイ)]
次に、再遊技役であるリプレイについて説明する。図49に示された当選役「リプレイ」は、リプレイ(再遊技役)の当選役である。リプレイ役の当選時には、リプレイ用の条件装置(リプレイ)が作動し、有効ライン623の何れかにリプレイ役に対応する図柄組合せの停止表示が許容され、これに基づいて、後述するリール停止処理(図52のステップS5)が行われる。スロットマシン1では、リプレイの当選時には、リプレイ役の図柄組合せが必ず有効ライン上に表示されるように制御されることで、リプレイの図柄組合せが揃ったと判定され、その結果、リプレイ役の特典として、次ゲームにおいて、改めてメダルを投入もしくはベット操作(貯留されたメダルを投入するための操作)をすることなく自動ベットされ、前回のゲームと同様のゲームを再び実行する再遊技が可能となる。なお、リプレイの図柄組合せが有効ライン上に表示されたとしても、賞としてのメダルは払い出されない。
このリプレイゲームの遊技特典の特徴は、メダルの払出しを行わない代わりに次回のゲームで新たにメダルを消費する(新たにメダルを掛ける)必要がないことである。またリプレイはメダルの払い出しを伴わない当選役であるため、例えばその当選確率を高くすることにより、当選頻度が高くなったとしてもホールにとっての不利益は少ない。従って、スロットマシン1では、通常状態において、概ね7回に1回程度は当選する確率としている。これにより、遊技者が消費するメダルの量(一定時間当たりにつき消費するメダル数)をある程度一定の範囲に保つことが可能となる。つまり、リプレイという当選役にゲーム進行における過剰なメダルの消費を抑える役割を持たせることができるということになる。
また、各リール301a,301b,301cにリプレイ役に対応する図柄の組合せ態様を構成する図柄をそれぞれ満遍なく配置する(例えば、リプレイ役に対応する図柄の組合せ態様を構成する図柄と、同じくリプレイ役に対応する図柄の組合せ態様を構成する図柄との間に配置される他の図柄(リプレイ役に対応する図柄の組合せ態様を構成しない図柄)を1個から最大でも4個までにする)ことにより、リプレイ役に対応する図柄の組合せ態様を目押しの必要なく揃えることのできるものとすることができる。そしてこのような場合、表示される当選役の優先順位を『再遊技(リプレイ役)>小役>ボーナス』とすれば、仮にリプレイ役の条件装置とその他の役(小役やボーナス役)の条件装置とが同時に作動したとしても、常にリプレイ役に対応する図柄組合せが停止表示されることになり、その他の役に対応する図柄組合せが停止表示されることはない。
[10−1−5.小役]
次に、小役について詳細に説明する。内部抽選によって小役が当選役として選ばれた場合には、対応する条件装置の作動が許容される。そして、リール301の停止処理によって当該小役に対応する図柄組合せが表示された場合には、当該小役が「入賞」したと判定され、入賞による特典として、予め定められた数の遊技媒体が払出される。このような特性から、小役は入賞役とも呼ばれる。以下では、各小役について個々説明する。
[10−1−5−1.ベル役]
図49に示された当選役「ベル」は、当選時にメダルの払出が期待できる入賞役である。「ベル」が当選役として選ばれると、対応する条件装置(ベル)が作動し、リール停止処理が行われ、表示された図柄組合せに基づいて特典が付与される。具体的には、条件装置「ベル」に対応する図柄組合せ(図51によれば「ベル」の図柄揃い)が表示されることで、ベル役の入賞と判定され、13枚の遊技媒体が払出される。
なお、本実施形態では、単独役としてのベル役とは別に、「ベル+1枚役」、「ベル+2枚役」、及び「ベル+1枚役+2枚役」といった同時当選役に含まれるベル役も用意されている。これら同時当選役が選ばれた場合は、予め定められた優先順位に基づいて、それぞれの当選役に対応する条件装置の作動が制御され、リール停止処理を経て表示された図柄組合せに基づいて特典が付与される。例えば、「ベル+1枚役」の場合、原則的には1枚役の条件装置が優先して作動されることで、1枚役の図柄組合せが停止して、1枚の遊技媒体が払出される。但し、「一種BB(JAC)内部中」及び「二種BB(JAC)内部中」に制御されているときは、ベル役の条件装置が優先して作動されることで、ベル役の図柄組合せが停止して、13枚の遊技媒体が払出される。「ベル+2枚役」の場合も同様である。また、「ベル+1枚役+2枚役」の場合は、常にベル役の条件装置が優先して作動されることで、ベル役の入賞に伴う13枚の払出に期待できる。
また、本実施形態では、上記のようなベル役が用意されるとしたが、例えばスロットマシン1においてATやART等の機能を備えるようにする場合は、リール301の押し順や押し位置によって払出枚数を変更できる押し順小役・押し位置小役としてベル役を利用するようにしてもよい。押し順小役・押し位置小役はベル役に限らず、その他の小役で対応してもよい。詳細は省略するが、このような場合、押し順や押し位置によって図柄組合せの表示の優先制御が変更される条件装置を複数種類用意することで、押し順や押し位置によってリール停止処理を経て表示される図柄組合せを変化させて、遊技媒体の払出枚数を変更することができる。押し順小役の場合、最大枚数の遊技媒体の払出に期待できる特定の押し順を「適正な押し順」、そうでない押し順を「不適正な押し順」と呼ぶ。
[10−1−5−2.チェリー役]
図49に示された当選役「チェリー」は、当選時にメダルの払出(2枚)が期待できる入賞役である。本実施形態では、単独役としての「チェリー」以外に同時当選役としての「MB+チェリー」が用意されている。「MB」で前述したように、「MB+チェリー」に当選した場合は、条件装置「MB」よりも条件装置「チェリー」の作動が優先される。
但し、図51の図柄組合せを参照すると「チェリー」役の入賞を示す図柄組合せは左リール301aに「チェリー」図柄が停止する「チェリー」−「任意」−「任意」の図柄揃いであるが、図46の配列を参照するとチェリー図柄は左リール301aに2つしか配置されておらず、左リール301aの停止タイミングによっては有効ライン上に引き込まれないこともある。したがって、「チェリー」が当選役として選ばれた場合であっても、必ずしも「チェリー」役の入賞によって2枚の遊技媒体が払出されるとは限らず、チェリーの零し目が表示されて遊技媒体の払出が行われないこともある。
[10−1−5−3.スイカ役]
図49に示された当選役「スイカ」は、当選時にメダルの払出(4枚)が期待できる入賞役である。本実施形態では、「スイカ」は単独役であり、スイカに対応する図柄組合せ(図51によれば「スイカ」の図柄揃い)が表示された場合に、スイカ役の入賞と判定されて4枚の遊技媒体が払出される。なお、図46の配列を参照すると、「スイカ」図柄は左リール301a、中リール301b、右リール301cの何れにおいても常に有効ライン上に引き込み可能な配置にはなっていない。したがって、「スイカ」が当選役として選ばれた場合であっても、リール301の停止タイミングによっては「スイカ」図柄が引き込まれずに取り零しとなることもある。
[10−1−5−4.その他の小役]
図49に示したように、本実施形態では、その他の小役として「1枚役」、「2枚役」、「全役(CT用)」等が用意されているが、上述してきた小役と同様に、当選時に対応する条件装置の作動が許容され、リール停止処理を経て表示された図柄組合せに基づいて遊技媒体の払出が行われるものであり、詳細な説明は省略する。各小役に対応する図柄組合せについては、図51に例示した通りである。
[10−1−6.当選役のまとめ]
以上がスロットマシン1におけるそれぞれの当選役と、それぞれの当選役に対応する図柄の組合せ態様である。なお、これらは一例にすぎず、図49に表記されていない当選役や条件装置が用意されてもよく、当選役の種類をさらに増やすことや、あるいは減らすこともできる。また、図柄についても同様で、様々な図柄や図柄組合せ態様を設定することができる。さらに、上記で述べた当選役は全てを必ず設けることに限定されるものではなく、適宜必要な種類の当選役を選ぶこととしてもよい。
例えば、ボーナス役と小役(又はリプレイ役)との重複当選が設定されてもよい。このような重複役の当選時にどの役の図柄組合せが優先して有効ライン上に表示されるかは、リール停止処理によって制御される。
また例えば、比較的低い当選確率が設定された希少役(チェリーやスイカ等)について、当選時の特典が異なる「強」・「弱」のような複数種類の小役を用意したり、押し順や押し位置によって払出枚数が異なる小役を用意したり、当選時または当選に基づく特定の図柄組合せが表示されたことを契機として遊技状態(RT状態)の変更が行われる特殊リプレイ役を用意したりしてもよい。
また、ATゲーム等のために用意される押し順小役の代わりに、押し位置小役を用意してもよい。詳細な説明は省略するが、押し位置小役とは、リール停止ボタン211の停止操作が、適正な停止タイミング(押し位置)で行われたときと不適正な停止タイミングで行われたときとで、異なる入賞態様を示すような小役である。このような押し位置小役を搭載する場合には、ATゲーム等において、適正な押し位置を遊技者が容易に認識できるような教示又は告知を行うようにすることで、押し位置小役の当選時に、遊技者が対応役を容易に入賞させることができるようにし、多くのメダル獲得を可能にすることができる。
なお、スロットマシン1の遊技者は、当選役の抽選確率、当選役に対応する図柄組合せ及びその払出枚数、並びに図柄の配列等に基づいて、内部抽選によって選ばれた当選役を知り得ない状況において最大の払出を期待できるような遊技方法を見出すことができる場合がある。このような遊技方法を、以下では「最大効率打法」と仮称する。最大効率打法で遊技を行うときは、リールの停止位置によっては、当選役に対応する最も払出枚数が多い図柄組合せを有効ライン上に引き込むことが困難となるような役(スイカ役、チェリー役、チャンス目役等)について、それらの当選確率や払出枚数を考慮して、期待値的に最大の払出となるような特定のタイミングで何れかのリール停止ボタン211の押下操作を行い、停止した図柄態様に応じた適切なタイミングで、残りのリール停止ボタン211の押下操作を行うことで、複数種類の当選役に対応する図柄組合せを引き込み可能にして多くの払出を獲得する。換言すれば、最大効率打法は、当選役の取りこぼしを極力抑制するような遊技方法といえる。
[11.ゲーム処理]
次に、スロットマシン1におけるゲーム処理の流れについて説明する。以下のゲーム処理は、メイン基板409(主にCPU1110等)にて実行される制御プログラム上の処理手順に沿って進行する。
図52は、スロットマシン1における基本的な1ゲームの処理手順を一通り示している。先ずステップS1では、ゲームスタートに備えるための初期設定を実行する。特に電源の立ち上げ時等においては、前述した各種装置の接続及び作動状況を確認するとともに、バックアップデータの有無を確認し、バックアップデータが存在する場合には、電源断前の状態に復帰させる処理を実行する。バックアップデータが存在しない場合には、所定の初期値を設定する等、予め定められた処理を実行する。
次のステップS2では、投入口203から投入されたメダルの枚数により、あるいはすでに貯留されているメダルがある場合にはMAX投入ボタン206(あるいは1枚投入ボタン205)の押下操作により賭け数が決定され、始動レバー210の操作待ちの状態となる。すなわち、1回のゲームの賭け数が決定され、始動レバー210の操作が可能な状態となるまでがBET処理にて実行される。なお、スロットマシン1を、3枚のメダルを投入することによってゲームの実行が可能となる3枚掛け専用機とする場合には、1枚投入ボタン205が備えられなくてもよい。
ステップS3では、ステップS2において操作待ちの状態となった始動レバー210の操作によりゲームをスタートさせるとともに、いずれかの当選役を内部抽選の結果とするか否かを決定するための内部抽選処理を実行する。この内部抽選処理とは、以降のステップS4にて回転を開始する全てのリール301a,301b,301cが停止状態(遊技者の停止操作により停止状態となること)となる前の段階において、いずれかの当選役を当該ゲームの抽選結果とするかを決定するために実行されるものである。すなわち、この抽選の抽選結果がいずれかの当選役に該当する場合に限り、リール301a,301b,301cの停止操作が行われたときに、該当する当選役に対応する図柄組合せが有効ライン上に停止することが許容されるのである。
次いで、ステップS31では、特別表示LED612における表示内容を制御することで遊技者に所定の操作方法を教示する「指示機能」に関する処理として指示機能処理を行う。本例の指示機能処理では、指示機能の表示に関する中心的な制御を全てメイン基板409が管理する。一方、指示機能処理に関する補助的な制御(画像表示体500におけるナビ表示等)はサブ基板510が管理してもよいものとするが、このような場合でも、サブ基板510が画像表示体500等に表示させるナビ表示の表示内容は、メイン基板409による指示機能の決定結果に従ったもの(指示機能表示と相違ない内容)に制限される。なお、スロットマシン1において、指示機能による指示内容(指示機能表示の表示内容と読み替えてもよい)は、メイン基板409が当該ゲームにおける当選役に基づいて決定する。また、メイン基板409に制御されて特別表示LED612に表示される指示機能表示の表示内容と、サブ基板510に制御されて画像表示体500等に表示されるナビ表示の表示内容とは、1対1の対応関係に限定されず、1対n(複数パターン)の対応関係であってもよい。すなわち、メイン基板409によって特別表示LED612で何らかの指示機能表示が行われるとき、サブ基板510は、画像表示体500等におけるナビ表示について、当該指示機能表示に対応する表示態様でナビ表示を実行させるものの、ナビ表示の具体的な表示態様は1種に限定される必要はなく、当該指示機能表示に対応する複数種類の表示態様のうちの何れかの表示態様でナビ表示を行うようにさせてもよい。このような場合、何れの表示態様によるナビ表示を行うかは、サブ基板510が決定してもよいし、メイン基板409が指定してもよい。また、スロットマシン1は上記構成に限定されるものではなく、例えば、指示機能処理に関する全ての処理をメイン基板409が行うようにしてもよい。
本例では、ステップS31における指示機能処理の内容は、ステップS3における内部抽選処理の結果に基づいて決定されるとするが、その処理はステップS4のリール回転処理が開始されるよりも前に終了することが好ましい。
次にステップS4では、ステップS3の内部抽選処理の終了に伴い全てのリール301a,301b,301cの回転を開始させるリール回転処理を実行する。このリール回転処理においては、全てのリール301a,301b,301cの回転が開始された時点でリール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作を有効とし、リール停止ボタン211a,211b,211cが有効になったことを知らせる操作有効ランプ(図示しない)を点灯させるとともに、次回のリール回転処理が実行されるまでのタイマカウントを開始する。なお、操作有効ランプは各リール停止ボタン211a,211b,211cにそれぞれ内蔵されるランプである。
ステップS5では、遊技者によるリール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作が受け付けられて、その受け付け順に操作有効ランプを消灯させるとともに、対応するリール301a,301b,301cの回転を停止させるリール停止処理を実行する。
次のステップS6では、ステップS5において全てのライン301a〜301cが停止状態になったと判定した時点で、「有効ライン」上に当選役図柄が揃っているか(いずれかの当選役に該当する図柄の組合せ態様が表示されているか)に基づいて、当選役の判定を行う判定処理を実行する。具体的には、「有効ライン上に表示された表示内容(図柄の組合せ態様)」と「当選役に対応して有効ライン上に停止することが許容される図柄組合せ」とを照合することによって当選役を判定する。また、ステップS6の判定処理は、「有効ライン上に表示された表示内容(図柄の組合せ態様)」のみに基づいて判定するようにしてもよい。なお、前述したように本実施形態のスロットマシン1では、有効ライン623a〜623eの5本が有効ラインとされる(図47参照)。
ステップS7では、ステップ6において判定された当選役に対応する遊技特典の内容に基づくメダルの払出処理を実行する。また、ステップS6で判定された当選役がBB1やBB2等のように遊技状態の変更を伴う当選役である場合には、それぞれ遊技状態の変更(図49に示される遊技状態の変更)や再遊技等による各種遊技特典の付与を実行する。
以上が、スロットマシン1の基本的な1ゲームの処理手順である。ここで、ステップS2(BET処理)〜ステップS4(リール回転処理)は、遊技者によって行われる一連の外部操作(始動操作)を契機として内部処理が行われるものである。従って、これらの処理(ステップS2、ステップS3、ステップS31、ステップS4)をまとめて始動処理と呼ぶ。以下ではこの始動処理の具体的な説明をする。
[11−1.始動処理]
図53は、始動処理で行われる各処理を具体的に示したものである。
始動処理では、まずステップS101にてメダルの投入または1枚投入ボタン205、MAX投入ボタン206の操作が待ち受けられる。MAXベット操作またはメダル投入があると、ステップS101の判定が満たされ、ステップS102に移る。なお、この判定はMAXベットに相当するメダルの投入(つまり、規定数3枚の遊技の場合は3枚以上のメダルの投入、規定数2枚の遊技の場合は2枚以上のメダルの投入)やMAXベットとなる1枚投入ボタン205、MAX投入ボタン206の操作が有った場合にのみ満たされるものとしている。
次のステップS102では、受付処理として、ベット数(この例ではMAXベットのみ)を決定するとともに、ベット数に応じた有効ラインランプを点灯させる。第1の実施形態のスロットマシン1は、例えば規定数3枚のとき3枚のメダルが投入されると、リール301a〜301cを跨ぐ直線上の5本のライン(中段ライン623a、上段ライン623b、下段ライン623c、右上がりライン623d、右下がりライン623e)が有効ラインとなり、これを示す有効ラインランプを点灯させる。
ステップS103では、始動レバー210の操作を有効化する。始動レバー210の操作が有効化されると、この始動レバー210の操作が受け付けられるまで操作待ちの状態となり、次のステップS104に移る。
次のステップS104では、始動レバー210の操作が有効化されているか、またその場合は始動レバー210の操作が受け付けられたかを判定する。先のステップS103にて始動レバー210の操作が有効化されている場合、遊技者による始動レバー210の操作が受け付けられると、この判定が満たされ、次のステップS105へ移る。
また、上記のステップS101にて遊技者がベット操作またはメダル投入をしない、あるいはMAXベットに至らないうちはステップS101の判定が満たされず、ステップS104に移る。このときはステップS104の判定も満たされず、ステップS101に戻り、以降の処理を繰り返す。
また、リプレイゲームでは、新たにメダルのベットを必要としない。これは、後述するリプレイゲーム処理にてMAXベットコマンドがRAM1114に格納されている場合、自動的にMAXベット状態にする。これにより、ステップS101の判定が満たされることになる。
ステップS105では、ステップS104での始動レバー210の操作を受けて、始動レバー210の操作を無効化する。
次にステップS106では、始動レバー210の操作があると、リール301a,301b,301cの回転が開始されるとともに、この始動レバー210の操作に基づいて乱数の抽出を行う。乱数の抽出を行った後、次のステップS107に移る。なお、このときの乱数を抽出するタイミングについては、始動レバー210の操作後直ぐに行ってもよいし、他にも例えば、所定時間(例えば0.5秒後など)後に行うなど、プログラミングの過程で適切な抽出タイミングを設定することができる。
ステップS107では、抽出された乱数値(以下では、抽出乱数値という)からいずれの当選役に該当するかの当たり判定(乱数値の照合)を行う。この当たり判定では、後述する当たり値判定テーブルにて抽出乱数値を照合する。ここで行われる乱数値の照合とは、予め決められた当選役の乱数値に、抽出乱数値が該当(合致、一致)するか否かを判定することである。このとき抽出乱数値がいずれかの当選役に該当すると判定された場合、該当する当選役に対応する条件装置をON(=1)にする。なお、抽出された乱数値と当たり判定テーブルとを照合して行われる当たり判定における各当選役についての当選確率は、図50に示したとおりである。
そして、フラグ処理では、当該ゲームにて抽出乱数値の照合を行う際に、判定の基準となる当たり値判定テーブルを決定する場合、後述するBBゲーム中フラグなどのゲーム状態フラグを参照して当該ゲームにおける当たり値判定テーブル(抽選テーブル)を決定する。すなわち、当該ゲームにてON(=1)状態となっているゲーム状態フラグ(遊技状態フラグ)に対応する当たり値判定テーブルをセットして抽出乱数値の照合を行う。ゲーム状態フラグは、遊技状態に応じたフラグがそれぞれ用意されているとし、例えば、通常状態中フラグ、ボーナス内部中フラグ、ボーナス中フラグがあるとする。そして、ボーナス内部中フラグ及びボーナス中フラグのいずれもOFF(=0)状態となっている場合には、常に通常状態中フラグをON(=1)状態とする。
一方、ステップS107にて、抽出乱数値がいずれの当選役にも該当しないと判定された場合、いずれの当選役にも該当しない「ハズレ」となり、いずれの条件装置も作動させない。ここで、いずれかの条件装置がONになっているとき(作動/成立しているとき)には、その成立している条件装置に対応する図柄組合せを揃えることが可能となる。従って、いずれの条件装置も成立していないハズレである場合は、いずれの当選役に対応する図柄組合せも、有効ライン上に揃えることができないことになる。上記のステップS106及びステップS107はスロットマシン1の内部にて乱数抽選を行ってものであり、以下ではこれらのステップのことを、まとめて内部抽選、あるいは内部抽選を行う等という。なお、この乱数の抽出からフラグ処理までは内部抽選(前述の図52のステップS3)に相当する。
なお、図52で前述したように、本実施形態のスロットマシン1では、ステップS31に示した指示機能処理が行われる。図53には不図示であるが、この指示機能処理は、図53のステップS107のフラグ処理の一部として実行されても良いし、又は、ステップS107のフラグ処理が完了してから、ステップS108でウェイトタイマタイムアップがタイムアップするまでの間に実行されてもよい。
また、本実施形態のスロットマシン1では、フラグ処理又は指示機能処理が実行される所定のタイミングで、当選役に基づいて作動が許容された条件装置のグループや、発生する指示機能の指示内容等、メイン基板409側で決定される情報の少なくとも一部が、それぞれコマンド通信によってメイン基板409から周辺基板(例えば、サブ基板510)に通知される(後述の「指示情報コマンド」に相当)。なお、これらの情報を通知するためのコマンドは、適宜纏められたコマンドであってもよい。
また、本実施形態のスロットマシン1において指示機能処理が行われた結果としてメイン基板409から周辺基板(例えばサブ基板510)に送信されるコマンドは、以下のようなコマンド態様を採用することができる。すなわち、当選役をその種別(ベル役、リプレイ役、レア役等)や押し順(順押し、中押し、押し順不問等)などに基づいてグループ分けしておき、内部抽選によって選ばれた当選役に対し、当該当選役が含まれるグループを識別可能な形態でメイン基板409から周辺基板(例えばサブ基板510)にコマンドを送信することができる。なお、当選役のグループ化における分類基準は、上記の例に限定されるものではなく、任意に設定することができる。例えば、同一種別の小役のなかで押し順の有無を分類基準に加えてもよく、また、全ての当選役を押し順の有無だけでグループ化するなどしてもよい。また、当選役をグループ化するのではなく、当選役に基づいた条件装置をグループ化するようにしてもよい。以下では、このようなグループ化された当選役を通知するコマンドについて、より詳細に説明する。
まず、グループ化された当選役を通知するコマンド送信について、指示機能表示が実行される場合、グループ化された当選役の内訳が全て分かるようなコマンド(所謂、「完全ナビ」が可能なコマンド)を送信するようにしてもよい。このとき、コマンドを受信したサブ基板510は、選ばれた当選役がどのような種別の役であってどのような押し順であるかといった情報を認識できることから、遊技者にとって有利なリール停止方法を確実に教示可能なナビ表示(所謂、「完全ナビ」)を表示させることができる。
また、グループ化された当選役を通知するコマンド送信について、指示機能表示が実行される場合、グループ化された当選役の内訳の一部が分かるようなコマンド(例えば第1停止のみを教示可能な「部分ナビ」)を送信するようにしてもよい。このとき、コマンドを受信したサブ基板510は、選ばれた当選役に関して一部の情報を認識できることから、遊技者にとって有利なリール停止方法を部分的に教示可能なナビ表示(例えば第1停止のみを教示可能といった、所謂「部分ナビ」)を表示させることができる。
また、グループ化された当選役を通知するコマンド送信について、指示機能表示が実行されない場合には、グループ化された当選役の内訳がわからないようなコマンドを送信するようにしてもよい。このとき、コマンドを受信したサブ基板510は、当該コマンドが示すグループに基づいて、選ばれた当選役が当該グループに含まれる当選役であることや指示機能表示の実行可否は認識可能であるものの、それ以上の情報を認識できない。例えば、当選役が押し順ベルの何れかであることは分かるものの、その適正な押し順や具体的な当選役の内訳については分からない、という程度で認識することができる。
さらに、指示機能表示が実行される場合には、グループ化される当選役を特定の小役に限定する必要はなく、他の役を含めて(例えば、押し順ベルと押し順リプレイ)グループ化するようにしてもよい。すなわち、この場合、当選役として押し順ベルが選ばれた場合でも、押し順リプレイが選ばれた場合でも、適正な押し順が同じである場合には、同じグループを示すコマンドが送信されることを意味する。また、指示機能表示が実行されない場合にも、グループ化される小役を押し順ベルに限定する必要はなく、他の役を含めて(例えば、押し順ベルと押し順リプレイ)グループ化するようにしてもよいが、このような場合には、当該コマンドを受信した周辺基板(例えばサブ基板510)では当選役の種別(リプレイなのかベルなのか)が判別不能になり、指示機能表示とは関係ない状態での当選役の教示ができない(例えば、指示機能が実行されない場合に、リプレイに当選したことを示すリプレイナビを画像表示体500に表示させることなどができない)ことから、押し順ベルと押し順リプレイとを別個とするなど、押し順小役の種別ごとにグループ化してコマンドを送信するほうが望ましい。
本実施形態のスロットマシン1は、このようにグループ化された当選役を通知するコマンドを送信することによって、メイン基板409で消費される容量を軽減できるとともに、周辺基板側が独自に当選役及びその押し順を判断することを抑止することができる。
次のステップS108では、前回の始動処理(具体的には当該ゲームの1回前のゲーム)にてスタートさせたウェイトタイマがタイムアップ(例えば4.1秒経過)したか否かを判定する。なお、このウェイトタイマと呼ばれるタイマは、当該ゲームにおいてリールの回転が開始されたときから次回のゲームでリールの回転が開始されるまでの所定時間(例えば、4.1秒)の経過を計測するものである。ここで、ウェイトタイマがタイムアップ(既に4.1秒経過した)となった場合にはこの判定が満たされ、次のステップS109に移る。また、この判定はウェイトタイマがタイムアップするまでループする。
ステップS109では、全てのリール301a,301b,301cの回転を開始させる。そして全てのリール301a,301b,301cの回転の速さが一定となると、それぞれのリール停止ボタン211a,211b,211cの操作有効ランプを点灯させる。この点灯により、遊技者はリール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作が有効になったことを知ることとなる。
なお、スロットマシン1では、回転を開始したリールは遊技者による停止操作(リール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作)が受け付けられるまで上記の一定の速さで回転を維持し続けるものである。
次にステップS110では、ウェイトタイマをリセットするとともに、次回の始動処理までウェイトタイマをスタートさせ始動処理は終了となる。
[11−2.内部抽選確率]
上記のとおり、スロットマシン1では、内部抽選の結果(抽出乱数値の照合の結果)が当該ゲームで該当する当選役(以下では、該当当選役をいう)として許容される。ここで該当当選役が許容されると、該当当選役に対応する条件装置を作動させて、この作動した条件装置の情報は、内部抽選の結果を示す情報コマンドとして以降の処理(リール停止処理、判定処理、払出処理等)に反映されることになる。
スロットマシン1では、乱数抽出を行う際の乱数値の範囲(これを抽出範囲という)を予め決めておくものである。この抽出範囲は、例えば、0から16383までの整数値(つまり、2の14乗=16384個の乱数)等と決めることができる。なお、第1の実施形態では、抽出範囲の乱数値を、便宜上、0から65535までとするが、これに限られないことはいうまでもない。この乱数の抽出範囲を拡大すると、その分だけ抽出可能な乱数値の範囲(いわゆる分母)が大きくなるので特定の乱数値が偏って抽出されるといった事象が起こりにくくなる。
上記の抽出範囲内においては、さらにそれぞれの当選役に対応する乱数値が予め割り当てられている。例えば、抽出範囲(第1の実施形態のスロットマシン1では「0」から「65535」まで)内の乱数値のうち、当選役「BB1」に対応する乱数値を「1」とすれば、抽出乱数値が「1」となった場合に、内部抽選の結果は「BB1に当選した」ということになり、BB1の条件装置が当該ゲームでの情報コマンドとして処理されることになる。また、これを利用すると、抽出範囲及びBB1に対応する乱数値から、BB1の当選確率(BB1が内部抽選の結果として選び出される確率、抽選確率)を算出することができる。図49の例では、通常状態におけるBB1の当選確率は、〔BB1に対応する乱数値の総個数/抽出範囲内の乱数値の総個数〕が4800/65536となることから、2種BBの当選確率は1/13.65となる(図50参照)。
このように全ての当選役にはそれぞれ対応する乱数値が決められており、これらの乱数値は、それぞれの当選役に対応する当たり値と呼ばれる。上記の例(BB1)では、抽出範囲内の乱数値「1」がBB1に対応する当たり値ということになる。また、当たり値が複数存在する場合、例えば、所定役の当たり値を抽出範囲内の連続する乱数値「1」、「2」、「3」、「4」とすれば、この所定役の当たり値の範囲は乱数値「1」から「4」までとなる。そして、抽出乱数値が乱数値「1」から「4」までのいずれかに該当すると判定される(照合される)と、内部抽選の結果として「所定役に当選した」ということになる。なお、第1の実施形態のスロットマシン1では、図49に示したように、一の当選役のみに当選する単独役(例えばBB1、チェリー、リプレイ等)が用意されている他に、複数の当選役が同時に当選する同時当選役(ボーナス役+小役が同時当選する「重複役」を含む)が用意されている。そして、このような同時当選役の当たり値についても、同様の設定が行われる。
このことから全ての当選役はその当たり値の範囲が決められ、内部抽選で抽出乱数値がいずれかの当選役の当たり値の範囲に該当するか否かが判定されることになる。このとき、抽出乱数値がいずれの当選役の当たり値の範囲にも該当しない場合は、ハズレ、となる。すなわち、ハズレの当たり値の範囲は、全ての当選役の当たり値の範囲以外ということになる。なお、当たり値は当選許容値とも呼ばれることもある。
ところで、単独役とは、1つの抽出乱数値に対して1つの当選役が対応するものであり、同時当選役とは、1つの抽出乱数値に対して、複数(例えば2つ)の当選役が対応するものである。つまり、抽出された乱数値が同時当選役の当たり値に該当する場合、複数の当選役のいずれにも当選したということになる。このとき、複数当選役のそれぞれの当選役に対応する条件装置が同時に成立する(作動が許容される)。ただし、各当選役に対応する複数の条件装置が同時に成立したとしても、同時当選役に対する条件装置の優先度が設定されるため、実際には、成立した条件装置に対応する図柄組合せの全てが有効ライン上に停止し得るとは限らない。例えば、リプレイ役とボーナス役とが同時当選した場合、リプレイ役の引き込みが優先されるとすれば、ステップS5のリール停止処理はリプレイ役の引き込みを優先するように行われ、さらに、リプレイ役に対応する図柄組合せは押し順や押しタイミングに拘わらず常に有効ライン上に停止可能であることから、結果として、ボーナス役に対応する図柄組合せが有効ライン上に停止することはできず、常にリプレイ役の図柄組合せが停止されることになる。
[11−3.遊技状態の制御処理]
以下では、スロットマシン1において行われる遊技状態の制御処理について説明する。
[11−3−1.遊技状態移行制御処理]
図54は、メイン基板409に搭載されたCPU1110により実行される遊技状態移行制御処理を示すフローチャートである。図54には、本実施形態のスロットマシン1に搭載された複数種類のボーナスゲームをまとめて見たときの遊技状態の移行制御処理が示されている。各ボーナスゲームを考慮した遊技状態の移行(遷移)については、図55を参照して後述する。
先ず、ボーナスゲーム中であるか否かが判断され(ステップS151)、ボーナスゲーム中であると判断された場合は(ステップS151のYES)、当該ボーナスゲームの終了条件が満たされたか否かを確認する(ステップS152)。ボーナスゲームの終了条件が満たされていない場合は(ステップS152のNO)、ボーナス中の遊技状態が維持されたままリターンする。
ステップS152でボーナスゲームの終了条件が満たされた場合は(ステップS152のYES)、ボーナスゲームが終了し、通常状態(一般状態)に移行される(ステップS153)。通常状態では、一定期間にわたってゲームを実行したときに、この一定期間内に、ゲームの結果として払い出されるメダル枚数よりも遊技者がゲームを実行するために賭けるメダル枚数の方が多くなる。すなわち、通常状態は、遊技者がゲームを実行すると、それに伴ってメダル枚数が減少していく遊技状態である。
ステップS151においてボーナスゲーム中でないと判断されると(ステップS151のNO)、ボーナス内部中(ボーナス内部状態)であるか否かが判断される(ステップS154)。すなわち、内部抽選においてボーナス役に当選すると、当該ボーナス役に対応した条件装置が作動するが、このボーナス役に対応する条件装置は、内部抽選に当選したゲームにおいてボーナス役に対応する図柄組合せが有効ラインに表示されなかったとしても、次ゲーム以降においても、ボーナス役に対応する図柄組合せが有効ラインに表示されるまで継続して作動する。
ステップS154でボーナス内部状態であると判断された場合は、その後、ボーナス役に対応する図柄組合せが有効ラインに表示されたかの判断が行われる(ステップS155)。ステップS155でボーナス役に対応する図柄組合せが有効ラインに表示されたと判断されると(ステップS155のYES)、遊技状態がボーナス中(ボーナス状態)に移行し(ステップS156)、ボーナスゲームが実行される。また、ステップS155で否定結果が得られた場合は(ステップS155のNO)、ボーナス内部中の遊技状態が維持されたままリターンする。
一方、ステップS154においてボーナス内部状態ではないと判断されたときは、内部抽選でボーナス役(ボーナス役を含む重複役であってもよい)に当選したか否かが判断される(ステップS157)。ステップS157においてボーナス役に当選したと判断された場合は(ステップS157のYES)、遊技状態がボーナス内部状態に移行する(ステップS158)。なお、ボーナス役に当選したゲームでボーナス役に対応する図柄組合せが有効ラインに表示された場合は、ボーナス内部状態でのゲームは行われず、遊技状態がボーナス状態に制御されてボーナスゲームが実行される。また、ステップS157においてボーナス役に当選しなかったと判断された場合は(ステップS157のNO)、通常状態に制御された遊技状態のままリターンする。
第1の実施形態のスロットマシン1において、このような遊技状態の遷移はメイン基板409によって制御される。なお、図49等の例では特に触れていないが、本実施形態のスロットマシン1は、AT機能を備えることを否定するものではない。但し、スロットマシン1がAT機能を備えるとした場合であっても、ATゲームの実行は、基本的には、上記の遊技状態の制御とは別系統で制御される。すなわち、通常状態及びボーナス内部状態の何れの遊技状態においても、ATゲームを実行することができる。但し、規則等の制限に抵触する場合はその限りではなく、例えば、ボーナス状態ではATゲームを実行できないとする。
[11−3−1−1.遊技状態の移行に関する特徴]
ボーナスゲームをまとめて見た場合の遊技状態の移行制御については、上述した通りであるが、ここでは、各ボーナスゲームを含む全ての遊技状態について、相互の移行関係を中心に説明する。
図55は、第1の実施形態における遊技状態の移行関係を説明するための図である。なお、図55に示す遊技状態の移行関係は、後述する第2及び第4の実施形態でも同様である。図55に示された各遊技状態の詳細は、[10−1−1]〜[10−1−3−4]において主にボーナス役に関連して説明した通りである。
図55では、BB1ゲームとBB2ゲームについて、ボーナスゲームの終了条件である遊技媒体の払出数の規定上限数にこそ違いはあるものの、出玉率が1を超える有利なゲーム期間と言う点で同じことから、まとめてBB中としている。なお、図55では、ボーナス役に対応する図柄組合せの停止について、遊技媒体の払出を伴わないことから厳密には「入賞」とは言えないが、便宜的に「入賞」という言葉で記載している。後述する図118も同様である。
また、図55では、SB中に行われた内部抽選によって、BB1,BB2,MB(当選役は「MB+チェリー」)に当選した場合に、それぞれのボーナスフラグが成立して遊技状態が移行される点については記載が省略されているが、SBの当選確率(1/289.94)とSB中の各ボーナスの当選確率(1/13.65〜1/27.31)とを考慮すると、SB中に各ボーナスに当選する確率は稀(数千分の一の確率)であるため、大きな影響はない。
図56は、遊技状態ごとの平均滞在ゲーム数を説明するための図である。図56には、スロットマシン1における特徴的な遊技状態ごとの平均的な滞在ゲーム数が示されており、パターン1は第1の実施形態の場合であり、パターン2,3は、それぞれ後述する第2,第3の実施形態の場合である。なお、前述したように、図56に示した各遊技状態は、ゲーム開始時の遊技状態を意味し、ゲーム中で遊技状態が変更した場合も含まれる。図56に示した滞在ゲーム数は、各実施形態の抽選テーブル(第1の実施形態では図49や図50)等に示された具体的な数値(置数や当選確率)に基づいて算出されたものであるが、算出過程については説明を省略する。
図56において、「BB1」は、BB1ゲーム全体、すなわち「BB1一般中」、「一種BB(JAC)内部中」、及び「一種BB中」をまとめた遊技状態に相当し、「BB2」は、BB2ゲーム全体、すなわち「BB2一般中」、「一種BB(JAC)内部中」、及び「一種BB中」をまとめた遊技状態に相当し、「MB」は、MBゲーム全体、すなわち「MB一般中」、「二種BB(JAC)内部中」、及び「二種BB中」をまとめた遊技状態に相当する。そして、パターン1〜3の何れにおいても、「通常時」、「MB内部中」及び「MB」は出玉率が1を超えないように設定され、「BB1」及び「BB2」は出玉率が1を超えるように設定されている。なお、図56の「MB」における滞在ゲーム数は、MB中にSB役に当選した場合にMBゲームが中断されることに伴う短縮分については考慮していないが、当選役「MB」の当選率はそれほど高くない(図50によれば、1/289.94)ため、図56に示された遊技状態ごとの滞在ゲーム数の大勢に変化を与えるほどではない。また、何れの実施形態においても、「BB1内部中」及び「BB2内部中」の滞在ゲーム数は数ゲームのため、図56では記載を省略している。
図55及び図56等を参照しながら、本実施形態における遊技状態の移行に関する特徴について説明する。
まず、「BB中」は、BB1ゲーム及びBB2ゲームが行われて出玉率が1を超えることから、確実に遊技者に有利なゲーム期間であり、「BB中」の遊技状態に制御される機会が多いほど、遊技者が獲得する遊技媒体は増加する。「BB中」に移行するためには、「通常時」において「MB」に当選してしまうよりも前に「BB1」または「BB2」に当選する必要がある。すなわち、本実施形態のスロットマシン1は、遊技者が遊技媒体を多く獲得するためには「通常時」における当選状況が重要という特徴を有しており、この特徴によって、「通常時」における遊技者の興趣を大いに高めることができる。
ここで、「通常時」における遊技状態の移行について、具体的な数値を参照しながら説明する。「通常時」の平均滞在ゲームは6.3ゲームであり、「通常時」におけるMB役(実際には「MB+チェリー」)の当選確率は1/27.31であるのに対して、「通常時」におけるBB1役またはBB2役の当選確率は1/8.19(合成確率)と、MBの当選確率よりも高い。すなわち、「通常時」においては、1/27.31の確率でMB役(「MB+チェリー」)に当選してしまう前に、1/8.19を引き当ててBB1役またはBB2役に当選することができるか否かという、遊技者の運に任せたゲーム期間が創出される。理論上は、「通常時」と「BB中」との間を4〜5回程度ループすることに期待でき、このような「通常時」を遊技者の興趣が最も高まるゲーム期間にすることができる。
しかし、「通常時」において、ひとたびMB役に当選してしまうと、その後、MBゲームを経て「通常時」に戻ってくるまでの間、スロットマシン1ではBB1及びBB2に当選する機会が一切なくなる。この状態は、言い換えれば、有利な遊技状態の無抽選期間が創出されることに相当する。ここで、図56によれば、本実施形態の場合、MB内部中の平均滞在ゲーム数は1.5ゲームと短期であるが、その後のMB中の平均滞在ゲーム数は、247.4ゲームという長期的なものとなる。本実施形態では、「MB内部中」及び「MB中」は全体的な出玉率が1を超えないように設定されることで、MB役に当選してからMBゲームが終了するまでの250ゲーム近くに亘って、遊技者にとって不利なゲーム期間を創出することができる。
このように、本実施形態では、一旦MB役に当選してしまった場合は、運良くSB役に当選してMBゲームを中断できた場合を除いて、長期のゲーム期間に亘って遊技者の手持ちメダルを減少させることになるが、この不利なゲーム期間の長期化によって、全ての遊技状態を通じた全体の出玉率を抑制する効果を実現している。
本実施形態のスロットマシン1では、上記の不利なゲーム期間を長期化させるために、例えば、「MB内部中」もしくは「MB中」に制御されるゲーム期間(図56によれば、1.5+247.4=248.9ゲーム)の割合を、他の遊技状態に制御されるゲーム期間(図56によれば「通常時」は6.3ゲーム、「BB1」は141.8ゲーム、「BB2」は57.7ゲーム)よりも高めるように構成することを特徴とする。
また、本実施形態のスロットマシン1では、「MB内部中」もしくは「MB中」における1以下の出玉率がより下がるように置数や払出枚数を設定することによって、上記の不利なゲーム期間をさらに長期化させることができる。
以上のように構成することで、本実施形態のスロットマシン1は、MB役当選からMBゲーム終了までの不利なゲーム期間を長期化させて出玉率を抑制できる一方で、全てのゲーム期間を通じた出玉率を抑制・維持しながらも、「通常時」を遊技者に有利なBBゲームの当選役(BB1,BB2)に当選し易い遊技状態とすることができる。すなわち、有利状態への期待度合いが高い高期待期間を創出することができ、遊技者の興趣を大きく高める遊技機を提供することができる。
そして、BBゲーム終了後は再度通常時に制御されることを加味すると、本実施形態のスロットマシン1によれば、「通常時」を、不利なMBよりも有利なBBに内部当選しやすい「高期待期間」にできるだけでなく、BBゲームの実行を挟んで「高期待期間」を繰り返し現出させることができる(通常時とBBゲームのループ)。かくして、このようなループ性の高い高期待期間が創出されることで、遊技者の興趣をさらに高めることができる。
[11−3−1−2.第1の実施形態の特徴]
以上に説明してきたことをまとめると、本実施形態のスロットマシン1は次のような特徴を備えていることが示される。
まず、本実施形態のスロットマシン1では、ボーナスゲームとして、遊技媒体の増加が容易となるように制御された第1のボーナスゲーム(BBゲーム(BB1ゲーム,BB2ゲーム)に相当)と、ボーナスゲームに掛けられた数よりも多くの遊技媒体の獲得を困難にするように制御された第2のボーナスゲーム(MBゲームに相当)とが用意される。さらに、第1のボーナスゲーム及び第2のボーナスゲームの何れとも異なる第3のボーナスゲーム(SBゲーム)も用意される。各ボーナスゲームはメイン基板409によって制御される。
そして、本実施形態のスロットマシン1は、通常遊技状態における内部抽選では、第2のボーナス役(MB役)と異なる役(例えばチェリー役)とが同時当選することがあり、このとき、同時当選した「異なる役」にかかる図柄組合せの表示を第2のボーナス役にかかる図柄組合せの表示よりも優先する制御を実行することで、第2のボーナス役にかかる図柄組合せの表示が阻止されることを特徴とする。図49を例にとれば、上記の同時当選は、重複役「MB+チェリー」の当選に相当する。このとき、MB役よりもチェリー役の図柄組合せの表示が優先されることは、[10−1−3−3]で説明した通りであり、その結果、MB役の図柄組合せが停止することが抑制される。このような特徴を備えることにより、遊技者に有利な通常遊技状態でMB役に当選した場合に、遊技者にとって不利な遊技期間(MB内部中〜MBゲーム)への移行が行われるだけでなく、MB内部中のゲームを経由し得るようにし、MB内部中に滞在したゲーム数の分、当該不利な遊技期間の滞在期間を引き延ばすことができる。そして、このような特徴によれば、MB役という遊技者にとって好ましくない内部抽選の結果が得られた場合に、MB役の図柄組合せが即座に表示されてしまうことを抑制し得ることから、有利な遊技期間から不利な遊技期間への移行タイミングを遊技者に察知させ難くすることができる。その結果、不利な遊技期間への転落を察知した遊技者が遊技の継続をあきらめるような事態を抑制し、遊技を継続させる効果に期待できる。
さらに、本実施形態のスロットマシン1は、「異なる役」にかかる図柄組合せの表示に関する優先制御が行われたとしても、第2のボーナス役に応じたボーナス内部状態における内部抽選では、通常遊技状態における内部抽選で第2のボーナス役に当選する確率の逆数分のゲームが行われるよりも早く、当該第2のボーナス役にかかる図柄組合せの表示を可能にすることを特徴とする。例えば図50を参照すると、通常遊技状態(通常時)における内部抽選で第2のボーナス役(MB役)に当選する確率は、1/27.31であるから、その逆数分のゲームとは、27〜28ゲームである。これに対して、第2のボーナス役に応じたボーナス内部状態(MB内部中)における内部抽選で第2のボーナス役にかかる図柄組合せ(MB役の図柄組合せ)が表示可能になるのは、はずれが選ばれた場合であるから、その確率は1/1.52である。すなわち、理論上は、MB内部中で開始されるゲームが1〜2ゲーム経過するまでに内部抽選ではずれが選ばれ、このゲーム数は、上述した「逆数分のゲーム」である27〜28ゲームよりも早いことが示される。このような特徴を備えることで、先の段落で説明したようにMB役に当選した場合にはMB内部中を必ず経由するようにして「不利な遊技期間」の滞在ゲーム数が引き延ばされる一方で、MB内部中における滞在ゲーム数を過剰に引き延ばすことなく、次の遊技状態であるMBゲーム中(より具体的にはMB一般中)に移行させることができるため、遊技者の興趣を著しく損なうことを抑制する効果に期待できる。
さらに、本実施形態のスロットマシン1は、第2のボーナスゲームにおいて、当該第2のボーナスゲームにおける遊技媒体の総払出が規定の上限数に到達するか、第3のボーナス役に当選することによって、当該第2のボーナスゲームを終了させることを特徴とする。第2のボーナスゲームの終了条件については、[10−1−3−3]で「MBゲームに関する終了条件」の具体例を示した通りであり、具体的には、MBゲーム中に払出された遊技媒体の総払出数(規定上限数)が253枚に到達すること、もしくは、内部抽選でSBに当選すること(SBゲームが作動すること)である。このような特徴を備えることで、第2のボーナスゲームという遊技者にとって不利な当該ボーナスゲームが、所定の終了条件を満足しない限り継続する制御が実現される。
さらに、本実施形態のスロットマシン1は、上記した第2のボーナスゲームに関する終了条件が成立したことによって第2のボーナスゲームが終了された場合に、第2のボーナス役よりも第1のボーナス役の現出割合が高い通常遊技状態に制御することを特徴とする。具体的には、図49によれば、通常遊技状態(通常時)における内部抽選では、第2のボーナス役の現出割合は全置数65536のうち2400である(当選確率でいうと、1/27.31)である。これに対して、第1のボーナス役の現出割合は、全置数65536のうち8000(BB1が4800、BB2が3200)である(合成した当選確率でいうと、1/8.19)ことから、第2のボーナス役の現出割合よりも高いことが示される。なお、図49の例では、BB1とBB2という複数の第1のボーナス役について、それぞれの現出割合が第2のボーナス役の現出割合よりも高くなっているが、本実施形態のスロットマシンの特徴としては、通常遊技状態において、少なくとも第1のボーナス役全体での現出割合が第2のボーナス役の現出割合よりも高ければよい。
本実施形態のスロットマシン1によれば、このような特徴を備えることで、通常遊技状態では、第2のボーナス役(MB役)の現出に伴って遊技者に不利な遊技期間が開始されるよりも、遊技媒体の増加が容易となる非常に有利な遊技期間が開始されることへの期待度合いが高くなるため、通常遊技状態を遊技者が有利な報酬(第1のボーナスゲームによる遊技媒体の払出)を享受しやすい遊技期間とすることができる。そして、このような通常遊技状態に制御されたとき、遊技者の興趣を大きく高めることができる。
なお、上述したように、本実施形態のスロットマシン1において、SBは、MBゲーム中に当選すると遊技者にとって不利な(出玉率が1を超えない)MBゲームのゲーム期間を短縮することができる点で遊技者にとって有利な遊技展開に期待できるボーナス役といえる。また、本実施形態および他の実施形態のスロットマシン1がSBを備えていない場合であっても、これまで述べたMB内部中及びMBゲーム中の特徴によって、MB役当選からMBゲーム終了までの不利なゲーム期間を比較的長期にするとともに、通常時を有利なBBゲームに高確率で当選しやすい遊技期間とすることができる。
[11−3−2.指示機能処理]
図52のステップS31で説明したように、第1の実施形態のスロットマシン1では、メイン基板409が、ステップS3における内部抽選処理によって当選役を選び出した後(抽選テーブルは、図49参照)、メイン基板409によって指示機能処理の中心的な処理が行われ、特別表示LED612で指示の発生が表示される場合には(指示機能表示)、周辺基板(例えばサブ基板510)が同内容の指示機能の指示を他の表示器等で演出表示させることができる(ナビ表示、指示発生演出)。なお、指示機能表示及びナビ表示の表示態様は様々であってよいが、どちらの表示もメイン基板409によって決定された指示機能の指示内容に沿った表示内容であることが求められる。
図57は、指示機能処理の大まかな処理の流れを説明するための図である。図57では、スロットマシン1で行われる指示機能処理に関して、メイン基板409で実行される一連の処理と、メイン基板409からのコマンドを受けてサブ基板510で実行される一連の処理とが併記されている。
なお、以下の指示機能処理に関する説明では様々なフラグが用いられるが、これらのフラグは、指示機能処理を実行する基板内のメモリ(例えば、メイン基板409のRAM1114、及びサブ基板510のRAM1122)で保持される内部フラグであり、各基板のCPU等(例えば、CPU1110やCPU1118)によって値の書き換えや読み取りが行われる。また、メイン基板409と周辺基板(例えばサブ基板510)との間で同名のフラグが用いられるとき、基本的にこれらの内部フラグは共通のデータ形式を有するとし、メイン基板409から周辺基板側にコマンド等の信号が送信されることによって、当該フラグの値が同期されるものとする。
また、上記の内部フラグの他に、変数データが用いられることもあるが、これらの変数データも、当該変数データを参照する基板のメモリ(例えば、メイン基板409の場合はRAM1114、サブ基板510の場合はRAM1122)に保持されるとし、その値は、CPU等(例えば、メイン基板409の場合はCPU1110、サブ基板510の場合はCPU1118)によって、読み込み又は書き換えが行われるとする。
まず、図57のステップS61では、メイン基板409が、指示機能を発生させるか否かに関する処理(指示機能発生処理)を実行する。
そして、指示機能発生処理の結果、指示機能を発生させると決定された場合は、メイン基板409は、当該ゲームの当選役に基づいた指示機能表示を特別表示LED612に表示させる処理を行う(ステップS62)。この指示機能表示によって、特定の状況において、当選役に関する適正な停止順を示したり、所定の図柄を所定の停止順で揃えるべきことを示したりすることができる。
なお、ステップS61においてメイン基板409が指示機能表示を行う必要がないと判断したゲームの場合、ステップS62において特別表示LED612での具体的な指示機能表示は行われない。
メイン基板409は、ステップS61の指示機能発生処理の結果に基づいてステップS62で指示機能表示を行う一方で、指示機能表示における表示内容(指示内容)と同様の情報を、コマンド等によって周辺基板(例えば、サブ基板510)に送信する(指示情報コマンド)。なお、指示機能表示が行われない場合は、その旨を指示情報コマンドで通知してもよいし、指示情報コマンドを送信しないようにしてもよい。但し、指示情報コマンドが送信されない場合は、受信側で所定の時間経過後に当該コマンドの未受信を判定する必要がある。このようにすることで、周辺基板(サブ基板510)では、指示情報コマンドの受信に基づいて、当該ゲームにおいて指示機能表示が行われるか否かを認識可能となるだけでなく、指示機能表示の表示内容(指示内容)も把握することができる。
そして、メイン基板409から指示情報コマンドを受信した周辺基板(ここではサブ基板510)は、当該指示情報コマンドに含まれる情報に基づいて、図57のステップS63〜S65に示す処理を行う。なお、図57に示した指示機能処理では、メイン基板409によって指示機能発生処理(ステップS61)が初めに実行されるが、その後のメイン基板409及びサブ基板510による処理(具体的には、ステップS62の処理、及びステップS63〜S65の処理)については、互いの処理の実行タイミングを制限するものではない。
まず、ステップS63では、周辺基板(例えば、サブ基板510)が、当該ゲームで指示機能表示が行われる(又は行われた)か否かを判定し、指示機能表示が行われる(又は行われた)と判定した場合には(ステップS63のYES)、ステップS64の処理として指示発生演出処理を行う。また、周辺基板(例えば、サブ基板510)は、ステップS63において、指示機能表示が行われない(又は行われなかった)と判定した場合には(ステップS63のNO)、ステップS65の処理として指示機能関連処理を行う。
ステップS64における指示発生演出処理は、画像表示体500やその他の表示器等において、リール301の停止順や停止位置(狙う図柄)等を遊技者に教示する「指示発生演出」を表示させるための処理である。なお、指示発生演出によって遊技者に示される教示内容は、指示機能表示処理によって特別表示LED612に表示される表示内容に沿ったものに制限される。例えば、指示機能表示によって特別表示LED612で「順押し」を示す指示内容が表示されたにも拘わらず、指示発生演出内容によって示される教示内容が「逆押し」であるといったことは許容されない。また、特別表示LED612で「順押し」を示す指示内容が表示されて、指示発生演出内容による教示として「左リール301aを第1に停止すべき」旨が示されたとしても、その後の第2に停止すべきリール301bが教示されないような場合も許容されない。また、指示発生演出による教示内容が特別表示LED612に表示される表示内容に沿ったものに限定されることは、上述した押し順だけに限定されるものではなく、指示機能表示で押し場所の目安が決定された場合にも適用される。すなわち、例えば、指示機能表示によって特別表示LED612で「全リールで赤7図柄を狙うべき」ことを示す指示内容が表示されたにも拘わらず、指示発生演出内容によって示される教示内容が「BAR図柄を狙わせる」ものであったり、「一部のリールでのみ赤7図柄を狙わせる」ものであったりすることは許容されない。
また、指示発生演出の具体的な演出形態については、押し順や図柄を液晶画面に表示させたり、各リール301a〜301cに対応付けられたLEDを点灯させたり等、様々な演出形態が従来知られており、それらの何れか又は組合せを利用すればよい。
ステップS65における指示機能関連処理は、特別表示LED612において指示機能表示が表示されない場合でありながらも、サブ基板510が指示機能に関連する所定の演出画面の表示(例えば、何らかの連続演出に対応する演出画面表示)等を行うための処理である。
以上のステップS61〜S65の処理が行われることによって、指示機能処理は終了する。以下では、指示機能処理として行われる各処理(ステップS61〜ステップS65)について説明する。
[11−3−3.指示機能発生処理]
図57のステップS61に示した指示機能発生処理は、指示機能を発生させるか否かに関する処理であって、メイン基板409が、内部抽選の当選役や遊技状態に基づいて、特別表示LED612に指示機能表示を行うか否かを決定する。例えば、特定の当選役に当選した場合に、当該当選役に対応する図柄組合せを停止させるために所定の押し順を教示する表示態様で指示機能を実行させることがある。また、スロットマシン1が押し順小役を利用したAT機能を備えるとする場合に、内部抽選で選ばれた押し順小役に関する「適正な押し順」を教示する表示態様で指示機能を実行させることも考えられる。
なお、これまでに述べてきた通り、本実施形態のスロットマシン1は、図49等においてAT機能を備えた抽選テーブルは例示されていないように、AT機能について必須の構成ではないが、AT機能を備えることを否定するものではない。そして、以下の説明では、指示機能全般に関して理解を容易にするために、押し順小役を利用したAT機能を備える場合を例に挙げることがある。AT機能については、一般的に採用されている役構成を選択可能であり、ATゲームの当選を経てATゲームが開始された場合に、押し順小役に当選したときには「適正な押し順」を教示することで遊技者に有利な払出を実現するものである。また、ATゲームが行われるゲーム数(ATゲーム数)について、所定の条件を満たした場合に付与される特典としてATゲーム数の延長(上乗せ)が行われることも一般的に採用することができる。
[11−3−4.指示機能表示処理]
本実施形態のスロットマシン1において、メイン基板409は、指示機能発生処理の結果、指示機能を発生させると決定した場合に、当該ゲームの当選役に基づいた指示内容(具体的には、リール301a〜301cをどのような順番やどのようなタイミングで停止させるべきか)を指示機能表示として特別表示LED612に表示させる(指示機能表示処理)。指示機能表示処理において、メイン基板409は、予め用意された複数の表示態様(例えば、ROM1112等に表示用データを保持)のうちから、特別表示LED612に表示させる指示機能表示の表示態様を選択する。以下では、特別表示LED612を用いて表示される指示機能表示について、詳しく説明する。
[11−3−4−1.指示機能表示(第1例)]
まず、本実施形態のスロットマシン1における指示機能表示の第1例を説明する。第1例では、スロットマシン1は、図47に示したように、横並びに配置された2個の7セグメントLED(特別表示LED612a,612b)を備えるとし、この特別表示LED612a,612bを用いて2桁の文字や数字を表示することによって指示機能表示を行う。
図58,図59は、第1例の指示機能表示を説明するための図(その1,その2)である。図58は特別表示LED612aの表示態様を示し、図59は特別表示LED612bの表示態様を示している。図58,図59ともに、「セグ表示」欄には、7セグメントLEDに表示される英数字が示され、「内容」欄には、表示された英数字が意味する内容が示されている。さらに、図59では、「ナビ表示」欄に、対応する指示機能表示が行われるときに画像表示体500等における演出表示(ナビ表示)の表示概要が示され、「使用用途」欄に、当該表示が使用される場面や状況が示されている。サブ基板510によって制御されるナビ表示については、後の[11−3−5]でも説明する。
第1例の指示機能表示では、指示機能表示に関するルールの一例として、以下の規則を設けるとする。
(1)7セグメントLED(7セグ)を2個使って指示機能表示を行う(特別表示LED612a,612b)。特別表示LED612aは押し場所の目安を示す情報を表示し、特別表示LED612bは押し順を示す情報を表示する。
(2)指示機能表示が行われる期間について、少なくともリール停止ボタン211a〜211cに対する押下操作(リール停止操作)の受付が開始されるまでに、指示機能表示が開始され、回転中の最後のリール301に対応するリール停止操作が行われたリール停止ボタン211から遊技者の手が離れたタイミングで、特別表示LED612における表示は、指示機能表示から払出枚数表示に切り替えられる。すなわち、指示機能表示の期間と払出枚数表示の期間とは重複しない。なお、当該ゲームの結果、遊技用価値(メダル)の払出がなかった場合、すなわち払出枚数が「0」であった場合は、払出枚数表示を行わなくてもよい。補足要件として、指示機能表示が行われ、かつ、払出枚数表示が行われない場合、払出枚数表示が行われる場合と同じタイミングで指示機能表示を解除する(非表示)ものとするが、別例として、払出処理が完了するまで指示機能表示を継続する等してもよい。
(3)特別表示LED612で指示機能表示が行われているゲームにおいて、回転中のリール301a〜301cのうちから何れかのリールが第1停止された際に、停止されたリールが指示機能表示(特別表示LED612b)で第1停止すべきリールとして示されたリールではなかった場合(すなわち、指示内容とは異なるリールが第1停止された場合)や、リール停止ボタン211の押下タイミングが指示機能表示(特別表示LED612a)で押し場所の目安として示された位置に対応しないタイミングであった場合(すなわち、指示内容とは異なる位置でリールの停止操作が行われた場合)であっても、全てのリール301に対する停止操作が終了するまで特別表示LED612における表示態様は変更しない。
なお、本実施形態のスロットマシン1において、指示機能を発生させると決定した場合に、指示機能表示として特別表示LED612a,612bにどのような指示内容を表示させるかは、メイン基板409が当該ゲームにおける当選役に基づいて決定する。まず、メイン基板409が決定可能な指示内容について、図58,図59(詳細は後で説明する)を用いて簡単に説明する。
メイン基板409は、特別表示LED612aに表示される「押し場所の目安」の指示内容について、当該ゲームの当選役に基づいた「適正な押し場所」を否定しない範囲で、任意に指示内容を決定することができる。具体的には例えば、「BB1(赤7図柄揃い)」が当選役として選ばれたとき、メイン基板409は、特別表示LED612aに「2」(赤7図柄)を表示させるような指示内容を決定してもよいが、それ以外にも、「赤7図柄」を狙った遊技方法を否定しないことから、「0」(指定なし)を表示させるような指示内容を決定してもよい。
また、メイン基板409は、「押し場所の目安」の指示内容と同様に、特別表示LED612bに表示される「押し順」の指示内容について、当該ゲームの当選役に基づいた「適正な押し順」を否定しない範囲で、任意に指示内容を決定することができる。例えば、順押しを「適正な押し順」とする小役が当選役として選ばれたゲームで指示機能を発生させるとする。このとき、メイン基板409は、「押し順」の指示内容を「左・中・右」(6択押し順)に決定することができ、図59の表示例(詳細は後述する)によれば、特別表示LED612bに「1」が表示される。また、第2停止及び第3停止を明らかにせず、第1停止の「左」だけを明らかにする指示内容として、「左第一(2択)」を指示内容としてもよく、このとき、図59の表示例(詳細は後述する)によれば、特別表示LED612bに「A」が表示される。また、「適正な押し順」を否定しない範囲という条件から、押し順の指示内容には、「適正な押し順」による遊技手順が少なくとも含まれていればよい。すなわち、左リール301aが第1停止される可能性を有する指示内容として、「左第一or右第一」(図59のセグ表示「E」)や「左第一or中第一」(図59のセグ表示「F」)を指示内容としてもよいし、さらには、押し順を不明とする指示内容(図59のセグ表示「0」)としてもよい。
次に、図58,図59に示す表示例を具体的に説明する。まず、図58を参照すると、押し場所の目安として、「0(指定なし)」、「1(chance図柄)」、「2(赤7図柄)」、「3(BAR図柄)」の4通りの数字が表示設定されている。なお、押し場所の目安として「0」が表示される場合は、押し順の目安を指定しない、すなわち、当該ゲームにおいて特定の停止タイミングによる操作を指示しないことを意味するが、このような場合であっても、停止タイミングを意識せずにリール停止ボタン211の押下操作(不特定の停止操作)を行った場合に必ずしも何らかの当選役に基づいた図柄組合せが有効ライン上に揃うとは限らない。すなわち、「指定なし」が選択されたゲームにおいて当選役に基づいた図柄組合せを確実に停止させようとする場合は、前述した最大効率打法のように当選役の取りこぼしを防ぎ得る所定の停止タイミングで停止操作を行うことが求められる。具体的には例えば、AT中に押し順ベルに当選した場合などは、特別表示LED612aには「0」が表示されるが、押し順ベルは適正な押し順による停止操作でさえあれば停止タイミングには関係なく(取りこぼしなく)ベル役の図柄組合せを揃えることができる。一方、例えば、当選役が停止タイミングによっては取りこぼす可能性がある役(例えばスイカ役)であるときに特別表示LED612aに「0」と表示されるような場合は、停止タイミングを考慮せずにリール停止ボタン211の押下操作を行ってしまうとスイカ役を取りこぼす可能性があり、確実にスイカ役を入賞させるためには、スイカ役の図柄組合せを構成する図柄が引き込み可能な範囲にあるときの適切なタイミングでリール停止ボタン211の押下操作を行う必要がある。
ここで、押し場所の目安とされる図柄は、リール301が回転中に、遊技者が比較的視認しやすい図柄であることが好ましいが、適切なタイミングで目安とされた図柄を狙って停止操作させたとしても、必ずしも当該図柄を有効ライン上に停止させる必要はない。
また、図58に示した「1」〜「3」にそれぞれ対応する図柄については、その対応図柄を任意に変更してもよい。例えば、「1」で対象となる「chance図柄」は、「正」図柄や「義」図柄としてもよし、その他の図柄に適用させてもよい。また、「2」の対象図柄を赤7図柄ではなく「青7」図柄としてもよい。なお、図58に示すセグ表示は一例に過ぎず、特別表示LED612aで表示可能な範囲でセグ表示のパターンを増減させて設定することができる。例えば、図58に例示した以外の図柄(例えばスイカ図柄)についてセグ表示を追加してもよい。また、押し場所の目安として設定される図柄は、1つに限定するものではなく、例えば、押し場所の目安として「赤7図柄又は青7図柄の何れか」とするようなセグ表示を設定してもよい。また、図58,図59に共通するが、「内容」と「セグ表示」との対応関係は1対1である必要はなく、同一の「内容」を示す複数の「セグ表示」が用意されてもよい。
次に、図59を参照すると、16通りの表示パターンが表示設定されており、セグ表示の表示内容として「0」〜「9」,「A」〜「F」の英数字が割り当てられている。以下に、各表示パターンが意味する内容を細かく説明する。なお、7セグメントに表示するとき、大文字の「B」及び「D」は、それぞれ数字の「8」及び「0」と区別ができない可能性があるため、図59では「b」及び「d」の小文字で表示することにしている。
特別表示LED612bにおける表示「0」は、押し順を限定しない(押し順不問)ときに用いられる。但し、「使用用途」欄に記載されているように、押し順不問の当選役であるときのみ使用されるわけではなく、択一によって入賞し得る当選役であるときに、敢えて押し順を教示しない場合にも使用することができる。押し順不問の当選役には、押し順ベルやリプレイが含まれる他、チャンス目やスイカ、チェリー等の低当選役(レア役)も含まれる。したがって、レア役の当選時に指示機能表示が行われる場合、特別表示LED612bにおける表示は「0」となるが、このとき、ナビ表示において、「チャンス!」等の期待表示やレア役の種別表示を行わせるようにしてもよい。このような表示を行うことで、通常とは異なる期待度の高いゲームであることを遊技者に示唆又は教示することができる。また、択一によって入賞し得る当選役のときに敢えて押し順を教示しない、という後者の場合には、適正な押し順が教示されないことから、ナビ表示例は「?・?・?」となる。
特別表示LED612bにおける表示「1」〜「6」は、適正な押し順として、3つのリール301a〜301cそれぞれの停止順が定められる場合に用いられるもので、所謂6択の押し順を表示することができる。指示機能表示で6択の押し順が表示されるとき、ナビ表示では、少なくとも、第1に停止すべきリール及び第2に停止すべきリールが教示される。第3に停止すべきリールは、消去法的には明らかとなるが、敢えて明示してもよい。
また、特別表示LED612bにおける表示「7」〜「9」は、適正な押し順として、3つのリール301a〜301cのうち何れかのリールを第1に停止すればよいかが定められる場合に用いられるもので、所謂3択の押し順を表示することができる。指示機能表示で3択の押し順が表示されるとき、ナビ表示では第1に停止すべきリールが教示される。
なお、本実施形態のスロットマシン1では、図48,図49等を参照して説明したように5択の押し順ベルが用意されているが、このような場合、3択の押し順表示では表示パターンが不足するため、6択の押し順表示を利用したり、一部だけ(中押しの押し順ベルの場合だけ)3択の押し順表示を利用したりすればよい。
特別表示LED612bにおいて上記「1」〜「9」のような押し順が表示される場合、特別表示LED612aにおける表示と特別表示LED612bにおける表示との両方に従った停止操作が行われると、最も多い払出枚数となる停止形で押し順ベルが入賞するなど、遊技者に有利な遊技結果が提供される。なお、最も多い払出枚数となる停止系を得るためには、取りこぼしが発生し得る当選役の場合に適切なタイミングでの停止操作が必要となることは前述した通りである。
また、前段落で述べた「遊技者に有利な遊技結果が提供される」ことには、「遊技者に不利な遊技結果が提供されることを抑制する」ことが含まれる。以下に、具体例を挙げて説明する。例えば、押し順によって異なる図柄組合せが停止するような押し順リプレイが用意され、当該押し順リプレイの当選時には、「特定の押し順」による停止操作が行われた場合に、「BAR」−「BAR」−「赤7」の図柄揃いが停止し得るとする。この「BAR」−「BAR」−「赤7」の図柄揃いは、例えばAT中に当該押し順リプレイに当選し、ATゲーム数が上乗せされることが内部的に決定された場合に、当該上乗せを教示する演出の1つとして用いられるとする。このような押し順リプレイの当選時、ATゲーム数が上乗せされる場合に「特定の押し順」を指示機能表示することは、「遊技者に有利な遊技結果」の提供に繋がる。一方、当該押し順リプレイに当選しながらもATゲーム数が上乗せされない場合に「特定の押し順」を指示機能表示してしまうと、当該指示に従った停止操作によって「BAR」−「BAR」−「赤7」の図柄揃いが停止したとしても、ATゲーム数の上乗せという「遊技者に有利な遊技結果」が提供されないため、「遊技者に不利な遊技結果」が提供されてしまう。本実施形態のスロットマシン1では、このような「遊技者に不利な遊技結果」の提供を抑制するために、上記の押し順リプレイ当選時にATゲーム数が上乗せされない場合には、「特定の押し順」を避けるような押し順を指示機能表示させることができる。このような指示機能表示に沿って遊技が行われることで、ATゲーム数が上乗せされない「BAR」−「BAR」−「赤7」の図柄揃いが現出されることがなくなるため、「遊技者に不利な遊技結果が提供されることを抑制する」ことができ、結果として「遊技者に有利な遊技結果が提供される」ことになる。
一方、特別表示LED612bにおける表示「A」〜「F」は、「1」〜「9」が表示される場合とは異なり、遊技者に有利な遊技結果に繋がり得る押し順の「一部」を表示させる場合に用いられる。例えば、表示「A」の場合、左リール301aを第1に停止させるべきことだけを示すものであって、中リール301b又は右リール301cの何れを第2に停止させるべきかは示さないため、遊技者は、第2停止させるリールを選択(2択一)しなければならない。また例えば、表示「d」の場合、左リール301aを第1に停止させてはならないことだけが示され、中リール301b又は右リール301cの何れを第1に停止させるべきかは示されない。そして、第1停止で適正な押し順(例えば中リール301b)を選択したとしても、第2停止では再び、回転中の残り2つのリール301(この場合は左リール301a又は右リール301c)の何れを停止させるかを選ばせることで、結果的に4択一とすることができる。なお、第1停止での選択だけで適正な押し順を満たすとすれば、2択一にできる。
このように、特別表示LED612bにおいて上記「A」〜「F」のような押し順が表示される場合は、表示内容に従った停止操作を行ったとしても、必ずしも適正な押し順になるとは限らないが、最終的に適正な押し順を選ぶことができた場合には、最も多い払出枚数となる停止形で押し順ベルが入賞するなど、遊技者に有利な遊技結果が提供される。
以上、特別表示LED612a,612bそれぞれにおける表示例を説明したが、実際には、これらを組合せた2桁の値が特別表示LED612に表示されることで当該ゲームにおける指示内容が示される。後述の図67では、具体的な表示例を示している。
そして、本実施形態のスロットマシン1では、このような第1例の指示機能表示が行われることによって、指示内容を把握し易い表示態様で指示機能表示が行われることから、遊技者は、特別表示LED612a,612bを見ながら適正なリール停止操作を実行することができ、指示機能表示が行われない場合よりも有利な遊技結果に期待することができる。また、このような指示機能表示が行われる表示器に対して、遊技者の注目を集め易くすることで、従来の遊技機にはなかった遊技性を創出することができる。
また、図58,図59に示したような表示例は、押し場所の目安とする図柄及び押し順を必ずしも全て必要とせず、適宜、図柄や押し順がグルーピングされている。このような表示例を採用することによって、メイン基板409が指示機能表示を行うために必要とするデータの容量を軽減することが期待できる。
[11−3−4−2.指示機能表示(第2例)]
次に、本実施形態のスロットマシン1における指示機能表示の第2例を説明する。第2例の指示機能表示では、スロットマシン1は、1個のドット付き7セグメントLED(図63に示す特別表示LED612c)を備えるとし、この特別表示LED612cで所定の模様を表示することによって指示機能表示を行う。
図60は、第2例の指示機能表示で用いる表示器を説明するための図である。第2例の指示機能表示では、指示機能表示を行う表示器としてドット付き7セグメントLED(特別表示LED612c)を用いる。図60に示すように、特別表示LED612cは、所謂、7セグメントLEDにドットLEDが追加されて構成されており、合計で8箇所の点灯可能部位を有するセグメントLEDである。図60には、特別表示LED612cの点灯法則の一例が示されており、8箇所の点灯可能部位が、8ビット2進数で表記されたデータの各桁ビット(下位から順に、1bit,2bit,・・・,8bit)に対応するようにされている。したがって、指示内容を示す対象データ(指示機能表示用データ)を8ビット2進数で表記することによって、特別表示LED612cで当該対象データに対応する指示機能表示を実現することができる。具体的には例えば、対象データの第2ビットが立っている(下位から2番目の桁の値が「1」である)場合に、図60の「2bit」で示された点灯可能部位が点灯される。なお、このような表示法則は一例に過ぎず、例えば、対象データの値が容易に読み取れないように所定の処理を行って点灯させるようにしてもよい。
図61,図62は、第2例の指示機能表示を説明するための図(その1,その2)である。第2例の指示機能表示では、指示機能表示に関するルールの一例として、以下の規則を設けるとする。
(1)ドット付き7セグメントLED(特別表示LED612c)を1個使って指示機能表示を行う。特別表示LED612cは、8ビット2進数で表記された「指示機能表示用データ」の各桁ビットに対応して点灯制御が行われる。なお、図61,図62に示したように、「指示機能表示用データ」のうち、上位4ビット(5bit〜8bit)には、押し場所の目安を示す情報が保持され(図61)、下位4ビット(1bit〜4bit)には、押し順を示す情報が保持される(図62)。
(2)第1例で説明した指示機能に関するルール(2)と同じ。
(3)第1例で説明した指示機能に関するルール(3)と同じ。
なお、本実施形態のスロットマシン1において、指示機能を発生させると決定した場合に、指示機能表示として特別表示LED612cにどのような指示内容を表示させるかは、第1例の場合と同様、メイン基板409が当該ゲームにおける当選役に基づいて決定する。また、図61や図62に例示された具体的な指示内容は、図58及び図59に例示された指示内容と対応しているため、説明の繰り返しを省略する。
まず、図61に示した「セグ表示」について説明する。図61では、指示機能表示用データのうち、押し場所の目安を示す上位4ビットの具体例を例示している。具体的には、押し場所の目安が「指定なし」の場合は第5ビット目に「1」が立てられ、押し場所の目安が「chance図柄」の場合は第6ビット目に「1」が立てられ、押し場所の目安が「赤7図柄」の場合は第7ビット目に「1」が立てられ、押し場所の目安が「BAR図柄」の場合は第8ビット目に「1」が立てられる。そして、図60に示した点灯法則に従って、特別表示LED612cにおいてそれぞれの「内容」に対応する「セグ表示」が行われる。
次に、図62に示した「セグ表示」について説明する。図62では、指示機能表示用データのうち、押し順を示す下位4ビットの具体例を例示している。具体的には、下位4ビット「0000」〜「1111」の16通りそれぞれに異なる指示内容が設定されている。そして、特別表示LED612cにおいて各桁ビットに対応した「セグ表示」が行われる。
そして、図61の「2進数表示」に示した上位4ビットと図62の「2進数表示」に示した下位4ビットとは、異なる桁で表示されるため、実際に使用される指示機能表示用データは、押し場所の目安を示す上位4ビット(図61)と押し順を示す下位4ビット(図62)とを組み合わせた2進数8ビットのデータで表すことができ、特別表示LED612cにおける指示機能表示も、上位4ビット及び下位4ビットのそれぞれを同時に表示することができる。
図63は、第2例の指示機能表示の具体的な表示例を説明するための図である。図63では、図61,図62の例示に基づいて特別表示LED612cに表示される指示機能表示の表示例と、当該指示機能表示に対応して画像表示体500等に表示されるナビ表示の表示例とが示されている。なお、ナビ表示の詳細については、後段の[11−3−5]において、第1例の指示機能表示の具体例として、図67を参照しながら図63と同じ指示内容について詳しく説明するので、ここでは説明を省略する。
図63によれば、まず、No.1には、指示内容が、押し場所の目安が「指定なし」(図61のNo.0)で押し順が「不問」(図62のNo.0)であるときの表示例が示されている。このとき、特別表示LED612cでは、上位4ビットの「0001」と下位4ビットの「0000」とを合わせた「00010000」という2進数8ビットの指示機能表示用データに対応した点灯表示が行われ、より具体的には、5bitに対応する点灯可能部位だけが点灯される。
次に、図63のNo.2には、指示内容が、押し場所の目安が「指定なし」(図61のNo.0)で押し順が「左・右・中」(図62のNo.2)であるときの表示例が示されている。このとき、特別表示LED612cでは、上位4ビットの「0001」と下位4ビットの「0010」とを合わせた「00010010」という2進数8ビットの指示機能表示用データに対応した点灯表示が行われ、より具体的には、2bit及び5bitに対応する点灯可能部位が点灯される。
次に、図63のNo.3には、指示内容が、押し場所の目安が「赤7図柄」(図61のNo.2)で押し順が「右第一(2択)」(図62のNo.12)であるときの表示例が示されている。このとき、特別表示LED612cでは、上位4ビットの「0100」と下位4ビットの「1100」とを合わせた「01001100」という2進数8ビットの指示機能表示用データに対応した点灯表示が行われ、より具体的には、3bit、4bit及び7bitに対応する点灯可能部位が点灯される。
そして、本実施形態のスロットマシン1では、このような第2例の指示機能表示が行われることによって、一見して指示内容を把握し難いい表示態様で指示機能表示が行われることから、特別表示LED612cで指示機能表示が行われていることに遊技者が気付いたとしても、指示内容を即座に把握することはできないという新たな遊技性が創出される。例えば、特別表示LED612cにおける指示機能表示の表示法則を知りたいという好奇心を喚起する効果に期待できる。また、仮に、特別表示LED612cにおける表示態様から指示内容を把握することが非常に困難な場合でも、当該指示内容に基づいたナビ表示が行われることによって遊技者に正しいリール停止操作が教示されることから、遊技者にとっての不利益にはならず、本実施形態のスロットマシン1は、指示機能表示が行われた場合に、遊技者の遊技興趣を高めることができる。
また、第2例のような指示機能表示では、計算処理で一般的に利用される2進数表記の指示機能表示用データを用いることから、メイン基板409が指示機能の指示内容を決定し、特別表示LED612に指示機能表示を行わせるときの処理負担を軽減しながらも、指示内容を把握し難い表示態様を容易に実現することができる。詳しく説明すると、プログラム上で登録されている条件装置番号(グループ化される場合にはグループに割り当てられる番号)が8ビット2進数で表記されるとして、このような条件装置番号をそのまま指示機能表示用データとして指示機能表示で出力可能にすることで、余分な変換処理を抑制することができ、メイン基板409における処理負担を軽減することができる。また、このような場合、上記の条件装置番号を敢えて別の番号等に変更することなく、指示内容を把握し難い表示態様を実現することができる。
以上、第1例及び第2例に示したように、本実施形態のスロットマシン1は、メイン基板409の管理下で、様々な表示方法を採用して指示機能表示を実現することができる。
[11−3−4−3.表示態様の変更]
次に、指示機能表示が行われる表示器(特別表示LED612)における表示態様の変更について説明する。
上述してきたように、スロットマシン1では、当選役に基づいた指示内容を指示機能表示として特別表示LED612に表示させることができる。ここで、指示機能表示によって示される指示内容は、遊技者にとって有利な結果をもたらし得る遊技方法(すなわち、適正なリール停止操作)であるから、遊技者が当該リール停止操作を実行可能な遊技タイミングまでに指示機能表示が表示される必要がある。言い換えれば、本実施形態のスロットマシン1において指示機能表示が行われる場合、リール停止ボタン211に対する押下操作が受付可能となる前の特定タイミングにおいて、次に実行されるべき「適正なリール停止操作」に関する正しい指示内容(例えば、どのリール停止ボタン211a〜211cに対して、どの押し場所を目安に停止操作するべきか)が、特別表示LED612に指示機能表示されなければならない。特別表示LED612の表示態様の変更において、後述に記載する「特定タイミング」とは、このような意味を示す。
ところで、本実施形態のスロットマシン1では、このような指示機能表示の表示タイミングに関する原則が特別表示LED612に適用される一方で、[9−3]等で述べたように、特別表示LED612に指示機能表示以外の情報を表示することもできる(例えば、払出表示、エラー表示やその他の演出表示等)。
従って、本実施形態のスロットマシン1では、特別表示LED612において指示機能表示が行われる場合、特別表示LED612における上記「特定タイミング」での表示態様が、次に実行されるべき「適正なリール停止操作」に関する正しい指示内容の指示機能表示でさえあれば、上記の「特定タイミング」以外のタイミングでは、特別表示LED612における表示態様を他の表示態様に変更することができる。以下では、特別表示LED612における表示態様の変更について詳しく説明する。
なお、本実施形態のスロットマシン1では、以下に詳しく説明するように特別表示LED612における表示態様を変更するとき、変更前後で表示態様が変化することで当該変更を遊技者に気付かせ易くすることができるが、それ以外にも、特別表示LED612以外の構成部品を用いて当該変更を示唆又は教示するようにして、遊技者に気付かせ易くするようにしてもよい。具体的には例えば、所定の表示器(LED、ランプ等)を点灯又は点滅させたり、スピーカから特定の音声を出力させたり、画像表示体500の液晶表示面に「特別表示LED612を見ろ!」といった演出画面を表示させたりしてもよい。さらに、画像表示体500で所定の演出画面を表示させるときには、それまでに表示されていた演出画面の進行を一時的に停止する等すれば、遊技者に対してより確実に、表示変更に気付かせることができる。
本実施形態のスロットマシン1は、このように特別表示LED612における表示態様を遊技者から気付かれ易く変更する場合に、表示態様が変更されたこと(又は変更されること)を遊技者により確実に認識させることができるので、通常とは異なる特別な演出が行われている印象を遊技者に抱かせ、特別な特典の付与等に対して、遊技者の期待感を高める効果を奏する。また、変更後に表示される指示機能表示の指示内容が、より有利なゲーム結果に繋がり得る指示内容となることを遊技者に期待させることができる。
また、本実施形態のスロットマシン1では、上記のように遊技者に気付かせ易く表示態様を変更するようにしてよい一方で、逆に表示態様を遊技者に気付かれ難い態様で変更するようにしてもよい。具体的には、上記のような遊技者に気付かせ易くするための演出を行わず、特別表示LED612における表示自体を遊技者から気付かれ難い態様で変更するようにできる。より具体的には例えば、特別表示LED612において「8」の表示を「0」に変えるようにして変更前後の点灯箇所の相違箇所を比較的少なくしたり、点灯領域が狭いドットセグを点灯(点滅)又は消灯するような変更にしたり、セグの輝度を変更(単なるON/OFFの切替の他に、階調制御による輝度度合いの変更を含む)したりする等がある。
本実施形態のスロットマシン1は、このように遊技者に気付かれ難い表示態様の変更を行う場合に、遊技者が気付かないうちに表示態様が変更したかのような演出を実現可能であるため、何れかのタイミングで当該表示変更に気付いた遊技者に対して、大きな驚きを与えることができ、遊技興趣を高めることができる。また、いつ表示態様の変更が行われるのかと常日頃から遊技者に意識させることもできるため、遊技に対する集中力を高め得る。
なお、本実施形態のスロットマシン1では、全てのリール301が停止されていない状態(全てのリール301が回転している状態)で遊技者に気付かれ難い表示態様の変更を行う場合であっても、第一停止リールに関する指示内容(第一に停止させるべきリール301の押し順や押し場所の目安)については、変更しないようにすることが望ましい。なお、特別表示LED612においてこのような表示態様の変更を行う場合には、画像表示体500等におけるナビ表示による指示内容も、第一停止リールに関する指示内容を変更させないほうが望ましい。
より詳しく説明すると、まず、押し順の指示内容を変更させないほうがよい理由としては、表示態様の変更によって第一停止リールに関する指示内容が変更されると、変更後の指示内容に気付かない遊技者は変更前の指示内容に沿って遊技を進めてしまう(最新の指示内容に反する押し順で遊技操作を行ってしまう)ことになり、遊技者の不利益となるおそれがあるためである。したがって、第一停止リールに関する指示内容を変更しないようにすることで、遊技者の不利益を回避することができ、遊技興趣の低下を抑制することができる。
また、押し場所の目安の指示内容を変更させないほうがよい理由としては、例えば、赤7図柄揃いに対応する条件装置が作動しているかのような指示内容A(例えば、押し順は逆押し、押し場所の目安は赤7図柄とし、全リール停止時に赤7図柄を揃えられることを示す指示内容)の表示態様を発生させた後で表示態様を変更させるとき、第一停止させるためにリール停止ボタン211(この場合は、逆押しにしたがってリール停止ボタン211c)が押される前に、赤7図柄を狙っても揃わない別の条件装置が作動していることを示す指示内容B(例えば、指示内容Aと同様の停止操作(押し順は逆押し、押し場所の目安は赤7図柄)を指示するものの、第三停止リールの停止時に赤7図柄を揃えられないことを示す指示内容)の表示態様に変更されてしまうと、赤7図柄を狙ったとしても揃わないことが遊技者に事前に分かってしまい、遊技興趣が低下するおそれがあるためである。したがって、このような場合には、指示内容Aからの変更後の表示態様は、指示内容Aから反しない指示内容C(少なくとも、押し順は右リール第一停止とし、押し場所の目安に赤7図柄を含むようにし、リール全停止時に赤7図柄が揃う可能性を否定しない指示内容)の表示態様とすることで、遊技者が少なくとも右リール301cを第一停止させるまでは、変更前に示された指示内容Aに沿った遊技結果(赤7図柄揃い)に期待できるようにすることが好ましい。
なお、指示内容Cに基づく表示態様の具体例としては、「押し順は逆押し、押し場所の目安は赤7図柄又はBAR図柄」といったものが挙げられる。このような指示内容Cの場合、リール帯321c(右リール301c)には赤7図柄及びBAR図柄の両方を引き込み可能な停止位置は存在しないとすると、右リール301cを第一停止させるときに、赤7図柄又はBAR図柄の何れを押し場所の目安として狙うかを遊技者に選択(択一)させることができる。そして、内部的に赤7図柄揃いに対応する条件装置が作動しているときに、遊技者が適正な押し順かつ赤7図柄を引き込み可能なタイミングでリール停止操作を行った場合には、赤7図柄揃いが停止する。また、内部的に赤7図柄揃いに対応する条件装置が作動していなかったり、適正な押し順やタイミングによる停止操作が行われなかったりした場合は、赤7図柄揃いは停止しない。なお、押し場所を遊技者に択一させるような指示内容は、リールの第二停止及び第三停止でも行うことができる。
また、本実施形態のスロットマシン1において、第一停止リールに関する指示内容(押し場所の目安)の変更は、上記例(指示内容Aから指示内容Cへの変更)に限定されるものではない。別例として、指示内容Cから指示内容Aに変更するようにしてもよい。このような場合、特別表示LED612で指示内容Cの表示態様が示されている間は、逆押しで赤7図柄揃いが停止するかもしれないという不確定な情報しか提供されないが、その後、第一停止リールに対する操作が行われる前に(フリーズ処理を並行して実施してもよい)、指示内容Aに基づく表示態様に変更されることによって、逆押しで赤7図柄揃いが停止するという確定情報が提供されることになり、リール301を停止させる前から、赤7揃いによる特典の付与について遊技者に期待させることができる。
また、第一停止リールに関する指示内容(押し場所の目安)の変更に関して、さらに別の例として、指示内容Bから指示内容Aに変更するようにしてもよい。このような場合、特別表示LED612で指示内容Bの表示態様が示されている間は、逆押しで赤7図柄を狙っても赤7図柄揃いが停止しない不揃い確定情報が提供されるが、その後、第一停止リールに対する操作が行われる前に指示内容Aに基づく表示態様に変更されることによって、逆押しで赤7図柄揃いが停止するという確定情報が提供されることになる。ここで、指示内容Bから指示内容Aへの表示態様の変更について、フリーズ制御を実施する等して遊技者に気付かれ易い態様で行う場合は、リール301を停止させる前から遊技者の興趣を高めることができる。一方、指示内容Bから指示内容Aへの表示態様の変更について、遊技者に気付かれ難い態様で表示態様の変更を行う場合は、遊技者は指示内容Aの確定情報に気付かないままリール301の停止操作を行ってしまうことも想定されるが、そのような場合であっても、全リール301の停止後に、赤7図柄は揃わないと思っていた遊技者の認識に反して赤7図柄揃いを停止させ得るため、遊技者に驚きと喜びを与えることができ、興趣向上に期待できる。
なお、本実施形態のスロットマシン1では、表示態様の変更に伴って第一停止リールに関する指示内容を敢えて変更する場合には、フリーズ制御等を挟むことによって、リール停止ボタン211に対する停止操作の受付を開始する停止ボタン押下受付開始の時間を延期したりすることで、変更後の指示内容に沿わない誤った遊技操作を遊技者に行わせることを抑制するようにすることが望ましい。
また、このような表示態様の変更の一例として、本実施形態のスロットマシン1では、本来意図されていなかった遊技手順(例えば押し順ミス)で遊技が行われた場合に、遊技者から気付かれ難い態様で表示態様を変更(消去を含む)することができる(詳細は[11−3−4−3−1]で後述する)。このようなスロットマシン1によれば、以後の遊技手順について遊技者が混乱することを防止できるため、安心して遊技を継続させることができる。
従来の遊技機では、例えばAT状態等の有利遊技状態に制御されているとき、画像表示体500等によって適正な停止操作が教示されていたが、当該教示に沿った遊技を繰り返すだけの単調な作業になりがちになるという課題があった。これに対して、本実施形態のスロットマシン1は、メイン基板409によって管理される特別表示LED612において停止操作を指示する指示機能表示を行うとともに、特別表示LED612における表示態様を、遊技者に気付かせ易い態様、又は遊技者に気付かせ難い態様で変更可能にできるため、従来の遊技機とは違い、スロットマシン1の遊技演出に多様性を付加することができる。
[11−3−4−3−1.表示変更のタイミング]
本実施形態のスロットマシン1では、指示機能表示が行われる場合、遊技者によってリール停止ボタン211の押下操作が行われても当該押下操作を有効な操作として受け付けないという条件を満たす任意のタイミング(リール停止操作を受付不能とするタイミング)で、メイン基板409が、特別表示LED612における表示態様を変更させることができる。以下では、このような表示変更の代表的な変更タイミングを挙げ、表示変更に伴う具体的な処理例を説明する。
(1)始動レバー押下〜停止ボタン押下受付開始
まず、代表的な第1の変更タイミングとして、ゲームの開始時に始動レバー210の操作が行われたとき(始動レバー押下)から、リール停止ボタン211a〜211cに対する押下操作の受付が開始されるとき(停止ボタン押下受付開始)までの期間が挙げられる。厳密には、停止ボタン押下受付開始の直前に表示態様を変更するのではなく、遊技者がリール停止ボタン211a〜211cに対する停止操作を開始してしまう前に表示態様の変更に気付き得るように、停止ボタン押下受付開始より前に一定時間を確保したタイミングで表示態様を変更することが好ましい。
スロットマシン1では、始動レバー210の操作が行われると、メイン基板409によって当選役に関する内部抽選が行われ、当該内部抽選の抽選結果に基づいて指示機能表示の指示内容が決定される。そして、上記の第1の変更タイミングで特別表示LED612の表示態様を変更する場合には、例えば、始動レバー押下後のタイミングで、特別表示LED612に第1の表示態様を表示させ、その後、リール停止ボタン211に対する押下操作が受付可能になる前に、特別表示LED612の表示態様を第2の表示態様に変更する。
なお、このとき、リール301の回転制御時にフリーズ制御を追加し、当該フリーズ制御の実行中に特別表示LED612の表示態様を第2の表示態様に変更することが、より好ましい。このようにフリーズ制御の実行中に表示態様を変更することによって、リール停止ボタン211に対する押下操作の受付が開始されない期間に、確実に表示態様を変更できるとともに、遊技者に対して、何らかの特別な演出(ここでは表示態様の変更)が行われることに気付かせ易くする効果も実現できる。
また、このような場合、第2の表示態様は、第1停止されるべきリール301に関する正しい指示内容を示す指示機能表示の表示態様であることが求められる一方、第1の表示態様は、正しい指示内容ではない指示機能表示の表示態様であってもよいし、さらには、指示機能表示以外の表示態様であってもよい。具体的な表示態様例は[11−3−4−3−2]で後述する。また、第1の表示態様と第2の表示態様との間に、さらに別の表示態様が表示されるようにしても構わない。
このように、第1の変更タイミングで特別表示LED612の表示態様が変更されることによって、特別表示LED612に表示された表示態様が少なくとも1度は変更されるため、特別な演出が行われていると遊技者に感じさせることができ、遊技興趣を高めることができる。特に、フリーズ制御の実行中に表示態様が変更される場合には、明らかに通常のリール制御とは異なるフリーズ制御を挟むことによって、特別感を更に高めることができる。なお、希少度合いの高い抽選結果が得られた場合にこのようなフリーズ制御を行うようにすれば、遊技者の期待度を格段に高めることができる。
また、第1の変更タイミングのうち、第一停止ボタン押下受付開始の直前のタイミングで表示態様を変更する場合には、[11−3−4−3]で前述したように、第一停止リールに関する指示内容(第一に停止させるべきリール301の押し順や押し場所の目安)については、変更しないようにすることが望ましい。
以上のように、本実施形態のスロットマシン1では、第1の変更タイミングとして、始動レバー押下の直後から停止ボタン押下受付開始の直前までの期間内の任意のタイミングで、表示態様の変更を行うことができる。特に、遊技者が第一停止ボタン押下の操作態様を変更させ難い「第一停止ボタン押下受付開始の直前のタイミング」で表示態様を変更する場合には、第一停止リールに関する指示内容を維持しながら表示態様を変更することによって遊技者の不利益を回避することができる。また、遊技者が第一停止ボタン押下の操作態様を変更し得る「停止ボタン押下受付開始より前に一定時間を確保したタイミング(フリーズ制御中を含む)」で表示態様を変更する場合には、当該変更によって遊技者の期待感を高めさせることができる。
(2)第一停止ボタン押下〜第二停止ボタン押下受付開始(又は、第二停止ボタン押下〜第三停止ボタン押下受付開始)
次に、代表的な第2の変更タイミングとして、何れかのリール停止ボタン211の押下操作が行われたとき(例えば、第一停止ボタン押下)から、残りの回転中のリール301に対応するリール停止ボタン211の押下操作の受付が開始されるとき(例えば、第二停止ボタン押下受付開始)までの期間が挙げられる。なお、第2の変更タイミングの場合も、第1の変更タイミングの場合と同様、可能であれば、当該期間の終端(例えば、第二停止ボタン押下受付開始)よりも前に一定時間を確保したタイミングで表示態様を変更することが好ましい。
第2の変更タイミングで特別表示LED612の表示態様を変更する場合、例えば、ゲームが開始されてリール301が回転を始めた後、第一停止ボタン押下(リール停止ボタン211の何れかが最初に押下操作されること)までは、特別表示LED612に第1の表示態様を表示させておき、第一停止ボタン押下後に残りの停止ボタンの押下受付が開始されるまでに、特別表示LED612の表示態様を第2の表示態様に変更する。
第2の変更タイミングで表示態様を変更する具体的な状況としては、本来意図されていた表示変更と、本来意図されていなかった表示変更とが想定される。ここで、上記の第1の表示態様は、第一停止ボタン押下が行われる直前に表示されていることから、少なくとも第一停止ボタンに関して「正しい指示内容」を示す指示機能表示である必要がある。一方、上記の第2の表示態様は、以下に詳述するように、本来意図されていた表示変更か、本来意図されていなかった表示変更かによって、異なる種別の表示態様を採用することができる。
まず、本来意図されていた表示変更とは、当該ゲームの進行に伴って特別表示LED612における表示態様が第1の表示態様から第2の表示態様に変更されることが、メイン基板409によって予め(少なくとも、第一停止ボタン押下が行われる前に)決定されていた場合の表示変更を意味する。
このような本来意図されていた表示変更の場合は、第一停止ボタン押下後に、フリーズ制御を実行する等して、第二停止ボタン(残りのリール停止ボタン211)の押下操作を受付不可な期間を延長し、当該フリーズ制御中に第1の表示態様から第2の表示態様に表示変更させることが好ましい。そして、このとき、第2の表示態様は、第二停止ボタンに関する「正しい指示内容」を示す指示機能表示が表示される。
なお、本来意図されていた表示変更の際、第1の表示態様が示す指示内容は、第2の表示態様が示す指示内容と同一である必要はなく、例えば、第1の表示態様で示す指示内容が、第一停止ボタンに関する「グループ表示」であって、第2の表示態様で示す指示内容が、全リールの押し順を特定可能な「セグ表示」であってもよい。「グループ表示」については、[11−3−4−3−2]で後述する。
また、本来意図されていた表示変更の際に、第1の表示態様が示す指示内容と第2の表示態様が示す指示内容とを同一にする場合は、同一の指示内容を示す異なる表示態様を表示変更するようにすればよい。同一の指示内容を示す異なる表示態様についても、[11−3−4−3−2]で後述する。
次に、本来意図されていなかった表示変更とは、当該ゲームの進行が想定されていなかった遊技手順で行われた場合等に、メイン基板409によって予め(少なくとも、第一停止ボタン押下が行われる前に)決定されていなかった表示変更が行われることを意味する。具体的には、第一停止ボタン押下時に、指示機能表示(この場合は第1の表示態様)で示された指示内容とは異なるリールに対応するリール停止ボタン211が押下されてしまった場合、所謂、押し順ミスの場合が考えられる。
押し順ミスが発生した場合、例えば、第一停止ボタン押下時に押し順ミスが発生すると、残りの第二停止ボタン押下や第三停止ボタン押下について、特別表示LED612にそれまでの指示機能表示を継続表示しても、指示内容に沿った遊技操作ができない可能性がある。具体的には例えば、指示内容として「右・左・中」の押し順が示されたにも拘わらず、第一停止で左リール301aを停止させてしまったとき、指示内容がそのまま継続されると、第二停止すべき対象リールが既に停止された左リール301aとなってしまい、どのような遊技を行うべきか遊技者を混乱させてしまうおそれがある。このような場合に、スロットマシン1のメイン基板409は、大別して以下の3通りの制御を行うことができる。
第1の制御は、押し順ミスが発生しても、当所の指示機能表示を継続する制御である。この場合、第1の表示態様から第2の表示態様への表示変更は行わなくてよい。但し、押し順を間違ったことを教示するような特別な表示態様による第2の表示態様を用意しておき、押し順ミスの発生時には、このような第2の表示態様に表示変更するようにしてもよい。このとき、画像表示体500等でも、押し順ミスが発生したことを遊技者に告知することが好ましい。このような制御を行う場合には、指示機能表示の指示内容が変更されなかったとしても、押し順ミスを行ってしまったことを明確に認識できることで、指示機能表示の指示内容と以後の遊技手順とが対応不能であったとしても、納得して遊技を進めさせることができる。
第2の制御は、押し順ミスが発生した場合には、それまで表示されていた指示機能表示を消去する制御である。このような制御も表示態様の変更の1つと捉えると、当該表示態様の変更によって、指示内容に沿った遊技操作ができなくなる状況を解消し、以後の遊技手順について遊技者が混乱することを防止することができる。また、第1の表示態様による指示機能表示を消去した後、特別表示LED612において、指示機能表示を消去したことを告知するような表示態様を第2の表示態様として表示するようにしてもよい。このような表示態様の変更が行われることによって、第1の表示態様が消えた理由を遊技者に認識させることができるため、その後の遊技に不安を抱えさせることなく遊技の継続を促進することができる。
第3の制御は、第一停止ボタン押下で押し順ミスが発生したとき、残りの停止操作について少しでも有利な操作手順を指示する指示内容となるように、指示機能表示を第2の表示態様に変更させる制御である。
例えば、押し順によって入賞時のメダル払出数が9枚、2枚、1枚の何れかとなる押し順ベルの当選役に当選して指示機能表示が行われる場合、本来の指示内容(第1の表示態様)に沿って正しい停止操作を行えば、ベル役に入賞して9枚のメダル払出に期待できる。しかし、押し順ミスが発生して、指示内容とは異なるリール停止ボタン211を第一に停止操作してしまうと、条件装置の優先作動の関係上、以後の2つのリール停止ボタン211をどのように停止操作したとしても、9枚のメダル払出には期待できなくなる。しかし、本実施形態のスロットマシン1では、このような状況になったとしても、少しでも有利な操作手順として、2枚のメダル払出に期待できるような操作手順を、第2の表示態様として改めて指示機能表示させることができる。
このように、本実施形態のスロットマシン1では、本来意図されていなかった表示変更が行われる場合であっても、少しでも遊技者に有利な指示内容になるように表示態様を変更することによって、押し順ミス等によって不利なゲーム結果を受けてしまう遊技者を救済することができる。そして、このような救済制御を実現可能な遊技機が提供されることによって、押し順ミスを行ってしまった遊技者を過剰に落胆させることなく、遊技継続の意欲を維持させることに期待できる。
なお、上述した押し順ベルの例では、第一停止ボタンで押し順を誤った時点で最多の払出数(9枚)には期待できなかったが、本実施形態のスロットマシン1では、第一停止ボタンで押し順を誤ったとしても、救済措置の押し順として、押し順小役の各当選役に対応するかたちで、特定の図柄及び特定の押し順を狙って残りの停止操作を行った場合に最多の払出数に期待できるような「救済用の押し順」を用意するようにしてもよい。そして、押し順ミスが発生した場合には、このような救済用の押し順を指示内容とする第2の表示態様に表示変更することで、押し順を誤ったとしても遊技者に最多枚数のメダル獲得の機会を与えることができるため、遊技者の遊技興趣の低下を抑制することができる。
また、上述した第3の制御によって第1の表示態様から第2の表示態様に特別表示LED612における表示を変更する場合には、画像表示体500による画像出力やスピーカによる音声出力等を併用して、当該変更を遊技者が確実に察知できるようにすることが好ましい。
以上が、指示機能表示が行われる場合に、特別表示LED612の表示態様が変更される代表的な変更タイミングであるが、本実施形態のスロットマシン1は、これらの変更タイミングに限定されるものではなく、リール停止ボタン211の押下操作が受け付けられないタイミングでさえあれば、その他のタイミング(例えば、全リール301の停止後や払出処理の完了後等)でも特別表示LED612の表示態様を変更することができる。
このように、本実施形態のスロットマシン1は、遊技途中であっても、リール停止ボタン211の押下操作を受け付けない所定の変更タイミングで、遊技の進行状況に応じて特別表示LED612の表示態様を変更することができる。特に、押し順ミスのように本来意図されない遊技操作が行われたときであっても、当該遊技操作に基づいて特別表示LED612の表示態様を変更することによって、次の遊技操作に対する適正な指示内容を示すことができる。その結果、押し順ミスのように意図しないかたちで不適正な遊技操作が行われてしまったとしても、当該ゲームに対する救済を提供することができ、遊技者の興趣低下を抑制することができる。
また、従来の遊技機では、リールや演出表示装置(スロットマシン1におけるリール301や画像表示体500に相当)だけに遊技者の視線が集中しがちになり、遊技機全体への遊技者の関心が低下するおそれが少なからずあったが、本実施形態のスロットマシン1では、遊技者によるリール停止操作を受け付けないタイミングで、指示機能表示が行われる表示器(特別表示LED612)における表示態様を変更することができるため、当該表示器に対して遊技者の関心を集めることができる。その結果、遊技者による注目対象が広がることで、従来の遊技機に比べて、遊技機全体に対する遊技者の関心を高めることに期待できる。
[11−3−4−3−2.表示変更例]
以下では、本実施形態のスロットマシン1における特別表示LED612の表示態様の変更について、上述してきた以外の表示変更例を挙げる。
(1)指示機能表示間での表示変更
まず、特別表示LED612において、指示機能表示間で表示態様を変更する表示変更例を示す。指示機能表示において、1つの指示内容に対して1又は複数の指示機能表示の表示態様が設定されても良いことは、前述した通りである。そこで、特別表示LED612において指示機能表示を行うときに、1の表示態様(例えば、前述した第1の表示態様)から、当該表示態様と同一の指示内容を示す別の表示態様(例えば、前述した第2の表示態様)に変更することができる。
図64,図65は、複数の表示態様が設定された指示機能表示の表示例を説明するための図(その1,その2)である。図64に示す「セグ表示1」及び「セグ表示2」は、特別表示LED612aにおける指示機能表示の表示例であり、図65に示す「セグ表示1」及び「セグ表示2」は、特別表示LED612bにおける指示機能表示の表示例である。なお、図64,図65の「セグ表示1」は、それぞれ図58,図59における「セグ表示」の表示例と同じため、説明を省略する。
図64,図65によれば、特別表示LED612(特別表示LED612a,612b)において同一の指示内容を示す複数の表示例として、「セグ表示1」と「セグ表示2」とが設定されている。個別の表示を見ると、特別表示LED612aにおける「セグ表示1」の表示例「0」〜「3」にそれぞれ対応して、「セグ表示2」の表示例では「4」〜「7」が順に設定され(図64)、特別表示LED612bにおける「セグ表示1」の表示例「0」〜「F」にそれぞれ対応して、「セグ表示2」の表示例では、「F」〜「0」がセグ表示1の場合とは逆順に設定されている(図65)。
そして、このような「セグ表示1」と「セグ表示2」とを比較すると、特別表示LED612における表示(特別表示LED612a,612bを合わせた表示)は、同じ指示内容の指示機能表示を示す場合でも、常に異なるセグメント表示となる。具体例として、押し場所の目安が「赤7図柄」で押し順が「右・中・左」の指示内容とするとき、「セグ表示1」及び「セグ表示2」の表示を説明する。まず、「セグ表示1」の場合、特別表示LED612aには、「赤7図柄」の押し場所の目安に対応する「2」が表示され、特別表示LED612bには、「右・中・左」の押し順に対応する「6」が表示される。これに対して「セグ表示2」の場合は、特別表示LED612aには、「赤7図柄」の押し場所の目安に対応する「6」が表示され、特別表示LED612bには、「右・中・左」の押し順に対応する「9」が表示される。すなわち、特別表示LED612全体でみると、「セグ表示1」の場合には「26」が表示され、「セグ表示2」の場合には「69」が表示されることになり、お互いが異なるセグメント表示となる。
そして、図64,図65に示す「セグ表示1」及び「セグ表示2」を[11−3−4−3−1]で説明したような第1の表示態様及び第2の表示態様とすることによって、同一の指示内容を示す指示機能表示でありながら、特別表示LED612(612a,612b)における表示態様を変更することができる。前述の具体例でいえば、「26」という表示態様を「69」という表示態様に変更することができる。このように、何れも識別容易な表示態様の間で表示変更を行うことによって、スロットマシン1では、遊技者に対して一見して特別表示LED612に示された指示内容が変更されたかのような遊技演出を実現することもできるし、表示態様の変更前後の指示内容を把握できたとしても、その表示態様が同一の指示内容で敢えて変更された場合に、特別な演出が行われているような印象を抱かせることができ、遊技結果に対する期待感を高めることができる。
また、指示機能表示間での表示変更の他の例としては、図58,図59で例示したように識別容易な表示態様(以後、「明瞭な表示態様」とも呼ぶ)による指示機能表示と、図61,図62で例示したように識別困難な表示態様(以後、「不明瞭な表示態様」とも呼ぶ)による指示機能表示とを用いて、これらを第1の表示態様及び第2の表示態様として、特別表示LED612における表示態様を変更させるようにすることもできる。なお、図58,図59はドットなしの7セグメントLEDを2個使用し、図61,図62はドット付きの7セグメントLEDを1個使用する点が異なっているが、ドット付きの7セグメントLEDを用いるようにすれば、ドットなしの7セグメントLEDによる表示も可能なので、この差異による影響はなくなる。
そして、本実施形態のスロットマシン1では、「明瞭な表示態様」と「不明瞭な表示態様」との間で表示変更を行うことによって、特別表示LED612における表示態様の明瞭度合いの変化を遊技者に感じさせ、当該ゲームに対する遊技者の期待感を高めることができる。特に、「不明瞭な表示態様」から「明瞭な表示態様」に表示態様が変更される場合のほうが、指示内容を把握しやすくなる等、遊技者に明確な情報が提供されることになるため、遊技者の期待感をより高めることができる。
また、本実施形態のスロットマシン1は、特別表示LED612における表示の明瞭度合いを可変にする表示変更を行う場合に、当該表示変更を遊技者に気付かれ易い態様で行うようにすることで、特別な演出が発生しているという印象を遊技者に強く与えることができる。さらに、本実施形態のスロットマシン1は、遊技者に対して、ゲームごとに指示機能表示の表示態様が変更するかもしれないという意識を抱かせ得るため、ゲームの単調化を抑制し、特別表示LED612に対する関心を高めさせて遊技興趣を高める効果を奏する。
また、本実施形態のスロットマシン1において、特別表示LED612における表示態様の変更は、第1の表示態様から第2の表示態様に変更する1回の変更に限るものではない。図59を用いて具体例を挙げると、逆押しを適正な押し順とする6択押し順のベル役が当選役として選ばれたとき、特別表示LED612bにおける第1の表示態様として「右第一(2択)」の押し順を示す「C」が表示されるとして、その後、[11−3−4−3−1]で説明したような表示変更のタイミングの条件を満たす期間に、「C」と「6」の表示態様が交互に高速表示されるようにし、最終的な第2の表示態様として「右・中・左」の押し順を示す「6」が表示されるようにしてもよい。このような表示態様の変更が行われるとき、第一停止ボタン押下までは特別表示LED612bに「C」が表示されていたとしても、第一に停止操作すべきはリール停止ボタン211cであることは変わらないため、正しい指示内容の指示機能表示が行われる。これは、特別表示LED612bに「6」が表示されていても同じである。そして、第二停止ボタン押下までに特別表示LED612bの表示態様が「6」に変更されれば、リール停止ボタン211bを第二に停止操作すべきことが明確になるため、遊技者は、6択の適正な押し順で停止操作を行うことができる。一方、第二停止ボタン押下まで特別表示LED612bの表示態様が「C」のままであれば、遊技者は、第二に停止操作するリール停止ボタンをリール停止ボタン211a,211bの何れかから択一で選択することになるが、その後特別表示LED612bの表示態様が「6」に変更されると、当該ゲームにおける適正な押し順の解答が示される(正解表示)。
なお、このように表示態様の変更によって停止操作に関する正解表示を行う場合、本実施形態のスロットマシン1では、特別表示LED612における表示は適正な押し順を示す程度に留め、主な正解表示(例えば、正解か否かの教示等)は、サブ基板510に管理される表示器(例えば画像表示体500)で行うようにしてもよい。但し、全てのリール301が停止する前(リール全停止前)に特別表示LED612における表示態様を変更して正解表示を行ってしまうと、変更後の表示態様で正解の停止操作として示される指示内容が、既に停止されたリールに対する停止操作を指示してしまう可能性がある。そこで、リール全停止後に、特別表示LED612における表示態様を変更して適正な押し順(正解の押し順)を表示するようにしたほうが望ましく、さらに、所定時間経過後には特別表示LED612を消灯させる等することが望ましい。但し、正解ではない押し順でリール301の停止操作が行われても、メダル(遊技用価値)の払出がある場合には、所定時間経過後を待って正解の押し順を表示することなく、リール全停止後ただちに、特別表示LED612に払出表示を行わせるようにするほうが望ましい。本実施形態のスロットマシン1では、上記したような正解表示の処理を行うことによって、ゲーム途中で解答が分かってしまうことによる興趣低下を防止しながら、単位ゲームを通じて遊技者を楽しませることができる。
また、上記のような高速変更を伴って表示態様の変更を行う場合は、高速変更される表示態様のうちに、正しい指示内容を示す表示態様が含まれて最終的に何れかの表示態様が表示されるようにしてもよいし、正しい指示内容を示す表示態様が含まれない状態で高速変更が行われた後に最終的に正しい指示内容を示す表示態様が表示されるようにしてもよい。そして、高速変更の変更パターンを複数種類用意すれば、変更パターンによって期待度に差異を付けることができるため、遊技性を高めることができる。なお、このような表示態様の変更パターンは、「高速」変更に限定するものではなく、表示態様が変化していることを遊技者が認識できる程度の変更パターンであればよい。具体的には例えば、0.5秒ごとに表示態様を切り替えるようにしてもよい。また例えば、始動レバー210の押下操作から停止ボタン押下受付開始となるまでの最短時間(ウェイトタイマがタイムアップしていて所謂ウェイトがない状態での所要時間)に表示態様が変更されるようにしてもよい。また例えば、リール301のインデックス位置が最も遠い場所にあるケースを想定してリール301が一周するために要する時間で表示態様が変更されるようにしてもよい。
また、指示機能表示間での表示変更の更に別の例として、グループ化された指示機能表示の表示態様を利用する例が挙げられる。ここでいう「グループ化された指示機能表示の表示態様」とは、所定の法則に従って複数の指示内容をグループに纏め、当該グループに対応して設定される表示態様(グループ表示)を意味し、例えば、第一に停止すべきリール(リール停止ボタン)が同一である指示内容をグループ化することができる。
図66は、指示機能表示におけるグループ表示の一例を説明するための図である。図66は、特別表示LED612bにおける表示例を示すものであり、「グループ表示」欄以外の記載は、図59と同じであるため、説明を省略する。図66によれば、第一に停止すべきリールが左リール301aである指示内容(具体的には、No.1,2,7,10)について、「L」というグループ表示を行うとし、第一に停止すべきリールが中リール301bである指示内容(具体的には、No.3,4,8,11)について、「c」というグループ表示を行うとし、第一に停止すべきリールが右リール301cである指示内容(具体的には、No.4,5,9,12)について、「r」というグループ表示を行うとしている。
図66に示す「グループ表示」を用いて特別表示LED612bにおける表示態様の変更を行う場合、第1の表示態様として、第一に停止すべきリールに関する正しい指示内容の「グループ表示」を特別表示LED612bに表示させ、第2の表示態様として、第二以降に停止すべきリールに関する正しい指示内容の「セグ表示」を特別表示LED612bに表示させる。具体的には例えば、逆押しを適正な押し順とする6択押し順のベル役が当選役として選ばれたとき、第1の表示態様として「r」を表示させ、その後、[11−3−4−3−1]で説明したような表示変更のタイミングの条件を満たす期間に、第2の表示態様として「6」を表示させる。このような表示変更を行う場合、第1の表示態様が表示されている間は、遊技者は、右リール301cを第一に停止させるべきという情報しか得られないが、第2の表示態様に変更された時点で、第二以降に停止させるべきリールの情報も得ることができるため、表示態様の変更に関心を抱かせることができる。
なお、上記したような指示機能表示間での表示変更は、適正な押し順を的中させられるか否かで特典の付与度合いが変更されるような遊技期間(例えば、チャンスゾーン)において、特に高い効果をもたらすことができる。すなわち、このような遊技期間を遊技中の遊技者は、表示態様の変更が行われて部分的な指示内容から完全な指示内容に変化してほしいと熱望し、特別表示LED612における表示動向に注目するため、遊技性を高めるだけでなく、スロットマシン1全体における特別表示LED612の重要性を高めることができる。
(2)指示機能表示と指示機能表示以外との間での表示変更
前述したように、本実施形態のスロットマシン1では、特別表示LED612における指示機能表示の表示態様について、リール停止ボタン211に対する押下操作が受付可能となる特定タイミングにおいて、次に実行されるべき「適正なリール停止操作」に関する正しい指示内容が示されていればよいので、例えば、当該特定タイミングより前(又は後)の遊技期間において、特別表示LED612に指示機能表示以外による表示態様が表示されてもよい。そこで、以下では、指示機能表示と指示機能表示以外との間での表示変更例として、特別表示LED612において、指示機能表示以外による表示態様から指示機能表示の表示態様への簡易な表示変更例を示す。
例えば、特別表示LED612として7セグメントLEDを利用し、[11−3−4−3−1]で説明した第1の変更タイミングで、特別表示LED612の表示態様を第1の表示態様から第2の表示態様に変更するとする。第1の表示態様として「0」〜「3」のセグ表示を用意する。この第1の表示態様は、指示機能表示以外による表示態様、すなわち、指示機能表示で用いられる「セグ表示」には含まれない表示態様であり、指示内容は対応付けられていない。一方、第2の表示態様として「4」〜「7」のセグ表示を用意する。この第2の表示態様は、指示機能表示で用いられる表示態様であり、それぞれに指示内容が対応付けられている。
このような場合に、まず、始動レバー押下後に、第1の表示態様として特別表示LED612に「0」を表示し、停止ボタン押下受付が開始される前に、リール301のフリーズ制御を実行させる。そして、当該フリーズ制御の実行中に、特別表示LED612の表示態様を「1」,「2」,「3」と順次変更させていき、フリーズ制御が終了する前に、第2の表示態様として例えば「5」を表示させる。その後、フリーズ制御の終了後に停止ボタン押下受付が開始され、遊技者は「5」の表示態様が示す指示内容に従って、リール停止ボタン211の停止操作を行う。ここで、第2の表示態様で表示される「5」は、当選役抽選の結果に基づいて事前に決定されている。このような表示態様の変更を行うことによって、当初は「0」と表示されたものが、フリーズ制御中に増加表示されていくので、いくつまで数値が増えるか、遊技者に楽しみを与えることができる。そして、最終的な数値が高いほど有利なゲーム結果が得られるようにすれば、遊技者に、表示態様の変更結果に大きな関心を抱かせることができる。
また、上記の簡易例では、指示機能表示以外による表示態様として、指示機能表示による表示態様と類似した表示(当例では何れも数字という点で類似)を用いたことによって、表示態様の変更前後で遊技者に連続性を感じさせることができる。なお、本実施形態のスロットマシン1では、必ずしも類似した表示を用いる必要はなく、指示機能表示による表示態様とは明らかに異なる異表示から変更させるようにしてもよい。このような場合は、特別表示LED612に異表示が表示された時点で、表示態様の変更が行われることを遊技者に予感させることができ、遊技者の期待感を高めることができる。
(3)その他の表示変更例
本実施形態のスロットマシン1は、メイン基板409の管理下で、様々な表示方法を採用して指示機能表示を実現することができるが、上述してきた以外の特別表示LED612における表示変更例を示す。
このような表示変更例としては、指示機能表示を行う表示器(特別表示LED612)として、これまでの説明で用いてきたセグメントLEDとは別種の表示器を用いて表示変更を行うことが挙げられる。このような別種の表示器は、例えば、複数色を表示可能なセグメントLED(所謂、フルカラーLED表示器)、液晶ディスプレイ、ドットディスプレイ、ランプ等に相当する。
例えば、特別表示LED612をフルカラーLED表示器とする場合、通常は緑色で指示機能表示を行うようにしながら、表示態様を変更するときには赤色に表示色を変更することができる。一般的に、緑色よりも赤色の方が遊技者に気付かれ易いとすれば、このように表示色を変更して表示態様を変更することによって、遊技者に表示態様の変更に気付かれ易くすることができる。また、通常時と変更時との表示色を、視覚的には比較的類似した色(例えば、赤色と橙色といった暖色系統同士の色や、青色と紫色といった寒色系統同士の色)とする場合には、特別表示LED612における表示色を注意深く見ながら遊技する遊技者だけが、表示態様が変更されることをいち早く察知することができる、という細やかな遊技性を付加することもできる。
また例えば、特別表示LED612を液晶ディスプレイとする場合は、フルカラーLED表示器を用いたときと同様に表示色の変更を実装できるだけでなく、表示自体の明度を変化させることもできる。すなわち、表示態様を変更する場合には、特別表示LED612における表示明度を通常よりも高くするようにすれば、表示態様が変更されることを遊技者に予感させることができ、遊技興趣を高める効果が期待できる。また、セグメントLEDを用いる場合よりも、多様な表示態様を実現することができる。
また例えば、特別表示LED612をドットディスプレイとする場合は、セグメントLEDを使用する場合よりも多様な表示態様を実現することができる。なお、ドットディスプレイは、液晶ディスプレイよりは表示態様の多様性は劣るものの、消費電力の抑制や制御信号の単調さという点で、液晶ディスプレイに勝る利点がある。また、上述したように特別表示LED612を液晶ディスプレイやドットディスプレイ等にした場合であっても、これらがメイン基板409によって管理されることは変わらない。
以上、[11−3−4−3]以降で説明したように、本実施形態のスロットマシン1は、メイン基板409によって管理される特別表示LED612に指示機能表示を表示させる遊技機であって、特別表示LED612における表示態様を1ゲーム(単位ゲーム)の途中で変更することができる。ここで、スロットマシン1における指示機能表示の基本的な流れをいうと、当選役に関する内部抽選(当選役抽選)で選ばれた当選役に基づいて、指示機能の指示内容が決定され、当該指示内容を示す指示機能表示が行われる。そして、当選役抽選は単位ゲームで1回しか行われない。したがって、遊技者視点では、当選役に基づいて1つの表示態様で指示機能表示が示される。しかし、本実施形態のスロットマシン1では、上述したように、単位ゲーム内で特別表示LED612における表示態様を変更することができるため、単位ゲーム内で当選役が変わらないにも拘わらず、特別表示LED612で複数種類の表示態様を表示することができる。この結果、遊技者に対しては、単位ゲームの中で抽選結果が変わったかのような印象を与えることができる。そして具体的には、低期待役の可能性が高い指示内容を示す表示態様(例えば、第1例の指示機能表示で「00」)が示されたとしても、高期待役の可能性が高い指示内容を示す表示態様(例えば、第1例の指示機能表示で「2C」)等に変化することに期待を抱かせることができ、単位ゲーム全体に亘って遊技者の遊技興趣を維持する効果を奏する。
また、本実施形態のスロットマシン1は、上述したように単位ゲーム内で特別表示LED612の表示態様を変更可能とすることで、スロットマシン1全体における特別表示LED612の重要性を高めることができ、特別表示LED612に注目しながら遊技を進めるという遊技スタイルを提供することができる。かくして、本実施形態のスロットマシン1によれば、液晶ディスプレイ(スロットマシン1では画像表示体500に相当)等における演出表示に過度の重点が置かれる傾向があった従来の遊技機に比べて、斬新な遊技スタイルを提供することによって、遊技者の遊技興趣を高めることができる。
また、本実施形態のスロットマシン1では、次ゲーム以降に当選フラグを持ち越し可能な持ち越し役(例えば、図49に示した「BB1」のようなボーナス役)が当選役として選ばれ、当該当選役に関する指示機能表示を行うような場合には、当選ゲームの1ゲームで指示機能表示を完結させなくてもよく、当選ゲーム又は以後のゲームからの複数ゲームに亘って指示機能表示を表示するようにしてもよい。具体的には例えば、当選役抽選によってBB役(持ち越し役)とスイカ役(非持ち越し役)とが同時当選したとき、当選ゲームでは、当該BB役の図柄組合せを揃えさせるような指示内容を示す指示機能表示が行われるとする。しかし、この当選ゲームではBB役の図柄組合せが有効ライン上に停止せず、BB役が入賞しなかった場合には、当選ゲームで表示された指示機能表示を次ゲームまで継続して表示するようにしてもよい。また、当選ゲームと次ゲームとの間で指示機能表示が一旦消されるとしても、次ゲームの指示機能表示が当選ゲームの指示機能表示を引き継ぐような表示態様で行われるようにしてもよい。このようにすることで、本実施形態のスロットマシン1は、複数ゲームに亘る指示機能表示を可能にし、遊技者にとって有利な結果を得る機会を単位ゲーム(1ゲーム)を超えて教示し、遊技者の期待感を大きく高めることができる。
[11−3−5.指示発生演出処理]
本実施形態のスロットマシン1において、メイン基板409は、指示機能発生処理の結果に基づいて特別表示LED612で指示機能表示を行う一方で、指示機能表示における表示内容(指示内容)と同様の情報を指示情報コマンドで送信することによって、周辺基板(例えば、サブ基板510)に指示内容を通知する。なお、図53の説明で前述したように、指示機能が発生する場合にメイン基板409から周辺基板に送信される指示情報コマンドは、当該ゲームで選ばれた当選役が含まれるグループを識別可能な形態(当選役をグループ化したコマンド)で送信される。
このような、当選役をグループ化したコマンドについて、具体例で説明する。まず例えば、順押しを適正な押し順とする押し順ベル役(便宜的に「AT1」とする)が内部抽選で選ばれ、指示機能表示で全ての適正な押し順が表示される場合に、当選役をグループ化したコマンドとして、「順押しの押し順ベルグループに当選した」といった情報が通知される。ここで、「AT1」とは別に、順押しを適正な押し順とする押し順ベル役「AT2(便宜上の呼称)」も用意されているとすると、「AT2」も「順押しの押し順グループ」にグループ化される。したがって、指示機能表示で全ての適正な押し順が表示されるときに「AT2」が当選役として選ばれた場合も、「AT1」の場合と同じコマンドが通知されることになる。また例えば、「AT1」が当選役として選ばれ、指示機能表示で適正な押し順のうち第1停止リールだけが表示される場合には、当選役をグループ化したコマンドとして、「第1停止が左リールである押し順ベルグループに当選した」といった情報が通知される。ここでさらに、適正な押し順の第1停止が左リールであるその他の押し順ベル役として「AT3」,「AT4」も用意されているとすると、当選役「AT2」〜「AT4」は「第1停止が左リールである押し順ベルグループ」にグループ化される。したがって、指示機能表示で適正な押し順のうち第1停止リールだけが表示されるときに「AT2」〜「AT4」の何れかが当選役として選ばれた場合も、「AT1」の場合と同じコマンドが通知されることになる。そして、このような指示情報コマンドを受信したサブ基板510は、指示機能表示の表示内容に沿った指示発生演出(所謂、ナビ表示)を画像表示体500等で表示させる(指示発生演出処理)。
すなわち、本実施形態のスロットマシン1は、指示機能を発生させる際、特別表示LED612で指示機能表示を行う一方で、当該指示機能における指示内容と同内容のナビ表示を画像表示体500に表示させることによって、より遊技者が認識しやすい態様で当該指示内容を告知する。
また、図52のステップS31の説明等で前述したように、サブ基板510が制御するナビ表示の表示態様は、メイン基板409が制御する指示機能表示の表示態様に対して1対1の関係である必要はなく、指示機能表示による指示内容に反しない表示内容であれば、サブ基板501が複数の表示態様のうちからナビ表示させる表示態様を決定するようにしてよい(1対nの対応関係)。
図67は、第1例の指示機能表示の具体的な表示例を説明するための図である。図67では、図58,図59で例示した指示機能表示の表示例に対応するかたちで、ナビ表示の表示例が示されている。図67によれば、まず、指示機能表示が「00」であるとき、これはすなわち、特別表示LED612aに「0」が表示され、特別表示LED612bに「0」が表示される場合であるが、このとき、実質的な指示内容が存在しないため、遊技者は、特段の図柄を狙う必要はなく、押し順も任意に選択すればよい。AT中に押し順不問のリプレイに当選したとき等はこのような表示を行う。したがって、ナビ表示の表示例として、全てのリールに「?」が表示されている。
次に、指示機能表示が「02」であるとき、これはすなわち、特別表示LED612aに「0」が表示され、特別表示LED612bに「2」が表示される場合であるが、このとき、遊技者は、特段の図柄を狙う必要はないが、挟み押し(左・右・中)の停止順でリール301を停止させることが求められる。AT中に上記「AT3」や「AT4」の押し順ベルに当選したときはこのような表示を行う。したがって、ナビ表示の表示例としては、左リール301aの対応位置に「1」、中リール301bの対応位置に「3」、右リール301cの対応位置に「2」と表示することで、左・右・中の挟み押しの停止順が教示される。このナビ表示では、さらに、押し順ベルが当選しているという指示情報コマンドの内容に基づいて、停止順を示す画像の表示色をベルを想起させる黄色にしたり、次に停止させるべきリール(例えば、全てのリール301が回転中のときは、第1に停止させるリールであり、2つのリールが回転中のときは、第2に停止させるリールに相当)を他の停止順を示す画像よりも強調表示したりしてもよい。
また、本実施形態のスロットマシン1におけるナビ表示では、画像表示体500に表示する指示内容を音声出力によって通知(又は補佐)するようにしてもよく、具体的には、第1に停止させるリールが左リール301aであるとき、リールの第1停止が行われる前のタイミングで「左だ!」といった音声を出力するような例が挙げられる。音声出力を行うときは、当選役の種別(ベル役、リプレイ役、レア役など)や遊技状態(高確状態や低確状態など)等に基づいて、異なる音声出力(例えば、キャラクタ、台詞、イントネーション等が異なる)を使い分けることができる。このように音声出力も含めたナビ表示を行うことによって、遊技者に対する指示内容の通知をより確実にするとともに、遊技状況に応じた変化のあるナビ表示を提供して遊技者の興趣を高めることに期待できる。
次に、指示機能表示が「2C」であるとき、これはすなわち、特別表示LED612aに「2」が表示され、特別表示LED612bに「C」が表示される場合であるが、このとき、遊技者は、赤7図柄を狙いながら右リール301cを第1に停止させることが求められ、その後は、左リール301a又は中リール301bの何れかについて、赤7図柄を狙いながら第2停止させる選択が求められる。図49には例示していないが、例えば、押し順によって停止形の異なる特殊リプレイ役を用意するとき、当該特殊リプレイ役の当選時に、このような指示機能表示を行うことで、適正な押し順で停止操作が行われると特定の図柄揃いが停止するようなリール演出を実現することができる。したがって、ナビの表示例としては、右リール301cの対応位置に「1」と示して、その他のリール301a,301bの対応位置には停止順不明を意味する「?」を示すことで、停止順は右リール301cの第1停止だけを教示する。さらに、押し場所の目安を教示するために、「赤7図柄を狙え」という演出表示を行っている。
このように、本実施形態のスロットマシン1では、指示機能表示とナビ表示とを並行して表示可能にすることで、指示機能による指示内容をより確実に遊技者に伝えることができる。
図68は、各種の表示器等による表示期間の一例を示すタイミングチャートである。図68では、縦軸に各種の表示器等が記載され、横軸方向に示された1回のゲームの進行過程のどのタイミングで表示や送信が行われるか等の表示期間が示されている。
まず、図68の縦軸に記載された各項目について説明する。なお、以降の説明において、同様の形式で他のタイミングチャートを用いるが、それぞれのタイミングチャートの見方は同様であるので、項目の説明は省略する。
指示情報801は、指示情報コマンドに相当し、指示情報801がONのときは「送信」を意味し、メイン基板409からサブ基板510に指示情報コマンドが送信される。指示情報801がOFFのときは「待機」を意味し、メイン基板409からサブ基板510に対して指示情報コマンドは送信されない。
指示機能802は、メイン基板409によって制御される指示機能に相当し、指示機能802がONのときは「表示」を意味し、特別表示LED612で指示機能表示が行われる。指示機能802がOFFのときは「非表示」を意味し、特別表示LED612で指示機能表示は行われない。
払出枚数803は、遊技の結果として払い出される遊技用価値の数に相当し、払出枚数803がONのときは「表示」を意味し、特別表示LED612で払出枚数表示が行われる。払出枚数803がOFFのときは「非表示」を意味し、特別表示LED612で払出枚数表示は行われない。なお、払出枚数に関する情報は、メイン基板409のRAM1114に格納され、RAM1114内の格納場所やプログラム処理によっては、電源断等を経ても再表示可能にすることができる。
セグエラー804は、エラーが検出されたときに当該エラーの詳細(例えば種別や内容)がセグメントLEDに表示されることに相当し、セグエラー804がONのときは「表示」を意味し、特別表示LED612においてエラーの詳細が報知される(エラー表示)。セグエラー804がOFFのときは「非表示」を意味し、特別表示LED612においてエラー表示は行われない。
液晶ナビ805は、サブ基板510によって制御される指示機能のナビ表示に相当し、液晶ナビ805がONのときは「表示」を意味し、画像表示体500の液晶画面においてナビ表示が行われる。液晶ナビ805がOFFのときは「非表示」を意味し、画像表示体500の液晶画面においてナビ表示は行われない。なお、液晶ナビ805では、指示機能802における表示内容に反しない内容でナビ表示が行われる。なお、詳細な説明は省略するが、液晶ナビ805の表示などサブ基板510による表示に関するデータは、サブ基板510のRAM1122に格納され、電源断などが発生しても適宜データを読み戻すことができるとする。
液晶エラー806は、エラーが検出されたときに当該エラーの詳細(例えば種別や内容)が液晶ディスプレイに表示されることに相当し、液晶エラー806がONのときは「表示」を意味し、画像表示体500の液晶画面においてエラーの詳細が報知される。液晶エラー806がOFFのときは「非表示」を意味し、画像表示体500の液晶画面においてエラーの詳細は報知されない。なお、液晶エラー806では、セグエラー804における報知に反しない内容でエラーの報知が行われる。
エラー発生807は、エラーの発生状況を示すものであるが、本図ではメイン基板409が当該エラーを検出していることと読み替えてよい。エラー発生807がONのときは、ONになったタイミングでエラーが発生した(エラーを検出した)ことを意味し、エラー発生807がOFFのときは、エラーが発生していない(エラーを検出していない)ことを意味する。なお、エラー発生807がONになった後にOFFになった場合には、OFFになったタイミングでエラーが解消されたことを意味する。
なお、指示情報801からセグエラー804までの表示や送信は、メイン基板409によって管理され、液晶ナビ805及び液晶エラー806の表示は、サブ基板510によって管理される。
また、図68及びその他の図面において、「第一停止ボタン」は、回転中のリール301a〜301cに対応するリール停止ボタン211a〜211cのうち、最初に押下操作が行われたリール停止ボタン211のことを意味する。同様に、「第二停止ボタン」は、2番目にリール301の停止操作が行われたリール停止ボタン211のことを意味し、「第三停止ボタン」は、3番目(すなわち最後)にリール301の停止操作が行われたリール停止ボタン211のことを意味する。
次に、図68に示された各表示器等の表示期間(送信期間などを含む)について説明する。図68のタイミングチャートは、指示機能が実行されることが決定されたゲームにおいてエラーが発生することなくゲームが進行し、かつ、当該ゲームで払出が発生しなかった状況下で示されている。
図68において、指示情報801によれば、指示情報コマンドは、始動レバー210の押下操作が行われたときに送信される。また、指示機能802によれば、特別表示LED612における指示機能表示は、リール停止ボタン211の押下操作が受付可能になるタイミングから、全てのリール301に対する停止操作が終了する(第三停止ボタン押下)まで表示される。また、液晶ナビ805によれば、ナビ表示は、リール301の回転開始時から表示開始され、表示終了のタイミングは指示機能表示と同じになっている。なお、図68の例では、ナビ表示の開始が指示機能表示の開始よりも先になっているが、ナビ表示は指示情報コマンドの内容に基づいて表示され、かつ、指示情報コマンドの内容は指示機能表示における指示内容と同様であることから、指示機能表示と相違ない内容でナビ表示が行われることに変わりはない。但し、必ずしもこのような表示順序に限定するものではない。
また、図68のタイミングチャートでは、「停止ボタン押下受付開始」のタイミングと指示機能802がONになるタイミングとが同じように見えるが、厳密には、リール停止ボタン211の押下受付を開始した後に、特別表示LED612で指示機能の表示が開始されることはない。すなわち、本実施形態のスロットマシン1では、「停止ボタン押下受付開始」のタイミングよりも先に、指示機能802の「表示」が行われるものであり、メイン基板409のCPU1118によるプログラム上の処理においても、停止ボタン押下受付開始となるタイミングよりも先に、指示機能表示が実行される。このような「停止ボタン押下受付開始」と「指示機能表示」とのタイミングは、他の例で示すタイミングチャートでも同様である。
また、図68では、特別表示LED612における指示機能表示の開始タイミングをリール停止ボタン211の押下操作が受付可能になるタイミングとし、画像表示体500におけるナビ表示の開始タイミングをリール301の回転開始時としたが、これらは表示タイミングの一例である。すなわち、スロットマシン1では、始動レバー210の押下操作が行われたときからリール停止ボタン211の押下操作が受付可能になるまでの期間における任意のタイミングで、上記表示(指示機能表示及び表示ナビ)を開始させるようにしてよい。
次に、図68とは異なる状況での表示期間例を説明する。図69は、各種の表示器等による表示期間の別例を示すタイミングチャートである。図69のタイミングチャートは、指示機能が実行されることが決定されたゲームにおいてエラーが発生することなくゲームが進行した点は図68と同じであるが、当該ゲームで払出が発生した状況を示している点で異なる。図69では、図68の横軸に示された遊技経過の他に、リール全停止の後に、遊技用価値(メダル)の払出が開始される「払出開始」と、払出が完了した「払出完了」と、次ゲームの開始のための「メダル投入(BET可)」とが追加されている。
図69によれば、遊技用価値の払出が行われる際、特別表示LED612において払出枚数表示が行われるが、当該表示は、同じく特別表示LED612で「第三停止ボタン押下」まで表示される指示機能表示と重複しない表示期間となることが分かる。また、図69では、指示機能802が表示される期間を「第三停止ボタン押下」までとしているが、別例として、「払出開始」まで継続して表示させるようにしてもよい。このような場合でも、指示機能802の表示期間は、払出枚数803の表示期間とは重複しない。
[11−3−6.指示機能関連処理]
指示機能関連処理は、特別表示LED612において指示機能表示が表示されない場合でありながらも、サブ基板510が指示機能に関連する所定の演出画面の表示(例えば、何らかの連続演出に対応する演出画面表示)等を行うための処理である。
サブ基板510は、指示機能関連処理においてその実行を決定した場合、画像表示体500の液晶画面等を利用して、所定の演出画面を表示させる。なお、指示機能関連処理の開始タイミングは、必ずしも指示機能発生処理(図57のステップS61)の完了後である必要はなく、例えば、指示機能発生処理の途中から並行して行うなどしてもよく、このような場合に全体的な処理に要する時間の短縮が可能であるが、少なくとも、前述した指示情報コマンド、及び条件装置コマンドの受信が可能なタイミング以降であることが好ましい。
[11−3−7.期待度表示処理]
本実施形態のスロットマシン1では、[11−3−4]以降で説明したように、メイン基板409が行う制御処理(指示機能表示処理)によって、特別表示LED612において、当選役に基づいた指示内容(所定の遊技操作に関する指示内容)を指示機能表示として表示させることができる。さらに、本実施形態のスロットマシン1では、メイン基板409が行う別の制御処理(期待度表示処理)によって、指示機能表示が行われる表示器(特別表示LED612)において、遊技が行われることによって付与され得る特典に対する期待度合いを示唆する期待表示(以後、「期待度表示」と記す)を表示させることができる。以下では、このような「期待度表示」について詳しく説明する。
なお、メイン基板409による期待度表示処理は、図52に示した1ゲーム(単位ゲーム)の処理手順のうち、内部抽選処理(ステップS3)が開始されてから、単位ゲームが終了するまでの任意のタイミングで実行可能な処理とし、後述する期待度表示の様々な具体例に応じた適切なタイミングで、特別表示LED612における期待度表示が行われる。また、期待度表示は、指示機能表示が行われるゲームで常に表示される必要はなく、例えば、指示機能表示が行われずに期待度表示だけが行われてもよいし、期待度表示が行われずに指示機能表示だけが行われてもよい。
また、期待度表示は、遊技が行われることによって付与され得る特典に対する期待度合いを示唆する表示であるが、この場合の「特典」には、遊技者に有利な様々な特典を含めることができる。具体的には、有利遊技(ボーナスゲームやATゲーム等)の確定、有利なAT抽選遊技状態(高確状態や超高確状態等)への移行、有利遊技のストックや期間延長(ATストックやATゲーム数上乗せ等)、及び、当選役に基づいた図柄組合せの入賞に伴う遊技用価値(メダル)の払出等は、何れも「特典」に相当する。また、適正な押し順に正解するか否かに基づいて有利遊技の実行が決められるような特殊状態(所謂、チャンスゾーンの一例)がある場合に、適正な押し順の教示をストックすること(所謂、ナビストック)も、「特典」に含めることができる。
本実施形態のスロットマシン1では、このような特典のうちの少なくとも何れかの特典について、その期待度合いを示唆する期待度表示を行うことができる。なお、特典に対する「期待度合い」は、上記の特典の付与の有無に対する期待度合い(例えば、ボーナスやATの当選期待度)であってもよいし、上記の特典の付与量に対する期待度合い(ATゲーム数上乗せにおける上乗せゲーム数の期待度)であってもよい。特典の付与の有無に対する期待度合いの場合は、後述するパーセント表示又はレベル表示の何れの表示方法であってもよいが、特典の付与量に対する期待度合いの場合は、付与量をパーセント表示することは困難であるため、パーセント表示よりもレベル表示のほうが好ましい。またこの他にも、特典の付与量に対する期待度合いの場合は、期待できる特典の付与量を期待度表示で表示するようにしてもよい。
そして、本実施形態のスロットマシン1では、当選役に関する抽選、指示機能表示、上記特典の付与等の処理は、全てメイン基板409によって管理されるため、メイン基板409によって期待度表示が管理されることによって、当該期待度表示に対する信頼度を高めることができる。なお、期待度表示で示される期待度合いは、必ずしも常に特典の付与に関する実際の期待度合いである必要はなく、メイン基板409が、演出上の期待度合いを決定して表示するようにしてもよい。但し、後述する「確定表示」や「プレミア表示」の場合は、遊技者を落胆させないためにも、実際の期待度合いに基づいて、必ず特典の付与が行われる状況でのみ当該表示を許容することが好ましい。
[11−3−7−1.期待度表示の表示態様(第1類型)]
期待度表示処理において、メイン基板409は、予め用意された複数の表示態様(例えば、ROM1112等に表示用データを保持)のうちから、特別表示LED612に表示させる期待度表示の表示態様を選択する。ここで、本実施形態のスロットマシン1では、指示機能表示で用いられ得る複数の表示態様のうちの何れかの表示態様によって期待度表示を行うようにすることができる。以後、このような表示態様による期待度表示を「第1類型の期待度表示」と呼ぶ。第1類型の期待度表示を行う場合は、期待度表示用の表示態様を新たに用意しなくてもよいため、指示機能表示用に予め用意された表示態様のデータ(例えばROM1112等に格納される)を流用する等して、期待度表示を行うことが可能となる。
以下では、第1類型の期待度表示が行われるスロットマシン1において、指示機能表示及び期待度表示がどのような表示態様で行われるか、パターン1,2の具体例を挙げて説明する。
(1)パターン1
図70,図71は、第1類型の期待度表示(パターン1)を説明するための図(その1,その2)であって、図70には指示機能表示の表示例が示され、図71には期待度表示の表示例が示されている。本パターンでは、指示機能表示及び期待度表示が行われる表示器の一例として特別表示LED612a,612bを用いるとする。このとき、指示機能表示の表示態様及び期待度表示の表示態様は、2個のセグメントLED(特別表示LED612a,612b)の表示を組合せた2桁の表示によって現出される。
まず、図70(A)には、指示機能表示において押し場所の目安を示す情報を表示する特別表示LED612aの表示例が示されている。また、図70(B)には、指示機能表示において押し順を示す情報を表示する特別表示LED612bの表示例が示されている。図70(B)の表示例は、図59で示した第1例の指示機能表示における特別表示LED612bの表示例と同じであるため、詳細な説明は省略する。
図70(A)の表示例は、図58で示した第1例の指示機能表示における特別表示LED612aの表示例を基に拡張したものである。具体的に説明すると、図58では、4種類の指示内容(「指定なし」,「chance図柄」,「赤7図柄」,「BAR図柄」)に1対1対応するかたちで、4種類のセグ表示パターン(「0」〜「3」)が用意されていたが、図70(A)の場合は、上記4種類の指示内容に1対n対応するかたちで、16種類のセグ表示パターン(「0」〜「9」,「A」〜「F」)が用意されている。例えば、指示機能表示として特別表示LED612aで「0」,「4」,「8」,[C]が表示される場合、何れも「指定なし」の指示内容を示す。なお、押し場所の目安に関して同一の指示内容を有する表示態様のうち何れを選ぶか(前述の例でいえば「0」,「4」,「8」,[C]の何れを選ぶか)は、所定の処理手続に従って決定してもよいし、ランダムで選択するようにしてもよい。
そして、図70(A),図70(B)の表示例を用いれば、特別表示LED612(特別表示LED612a及び612b)では2桁の文字又は数字からなる指示機能表示が可能であり、当該指示機能表示によって、当該ゲームにおける所定の遊技操作(押し場所の目安及び押し順)に基づいた指示内容を示すことができる。具体的には例えば、指示機能表示として特別表示LED612で「21」,「61」,「A1」,「E1」の何れが表示された場合も、「赤7図柄を狙った順押しの停止操作」が当該指示機能表示の指示内容となる。
次に、図71(A)は、期待度表示における特別表示LED612aの表示例であり、図71(B)は、期待度表示における特別表示LED612bの表示例である。図71(A),図71(B)に示したように、特別表示LED612a,612bによる期待度表示は、それぞれ「0」〜「9」又は「F」の何れかのセグ表示によって行われる。そして、図71(A),図71(B)の表示例を用いれば、特別表示LED612(特別表示LED612a及び612b)では2桁の文字又は数字からなる期待度表示が可能であり、当該期待度表示によって特典の期待度合いを示唆することができる。
ここで、上記したような2桁の期待度表示が示す期待度合いについて、具体例で説明する。なお、このような期待度表示は、以後に説明する他の期待度表示(第1類型のパターン2や第2類型のパターン1,2による期待度表示)でも同様とする。
特別表示LED612で「00」〜「99」までの2桁の数字が表示される場合は、当該期待度合いのパーセント表示とすることができる。すなわち、最低値の「00(0%)」の場合は特典に期待できず、最高値の「99(99%)」の場合は特典に多いに期待できる。
また、特別表示LED612による期待度表示における上位桁の表示(すなわち特別表示LED612aのセグ表示)が「F」であった場合には、特典の付与が確定するか、又は所定量以上の付与量による特典の付与が確定する「確定状況」を示すものとする。従って、特別表示LED612aに「F」が表示された場合は、特別表示LED612bのセグ表示に拘わらず「確定表示」となる。
さらに、特別表示LED612a,612bの双方のセグ表示が「F」であった場合(すなわち特別表示LED612のセグ表示が「FF」であった場合)は、上記した確定表示のなかでもさらに特別なプレミア表示とする。プレミア表示が現出される場合は、リール301のフリーズ制御を並行させたり、サブ基板510に制御される画像表示体500において特定の表示演出を実行させたりする等して、希少性の高い特別な状況であることを強調することが好ましい。また、プレミア表示が現出される場合は、その他の確定表示が現出される場合よりも大きな特典が付与されるようにしてもよい。
そして、本実施形態のスロットマシン1において第1類型の期待度表示(パターン1)が行われる場合、期待度表示で用いられる表示態様(図71(A),図71(B)参照)は、指示機能表示で用いられる複数の表示態様(図70(A),図70(B)に示したセグ表示の組合せ)の何れかに一致する。例えば、特別表示LED612における「91」という表示は、指示機能表示の場合は「chance図柄を狙った順押しの停止操作」という指示内容を示すことができる一方、期待度表示の場合は特典に対する「91%」の期待度合いを示すことができる。
なお、本実施形態のスロットマシン1では、このように期待度示唆を行う場合を想定して、指示機能表示に使用する数値情報を期待度表示に活用することが望ましいが、これに限るものではなく、例えばアルファベットのみを使用するように構成し、一見して期待度合いが分かりづらいようにすることもできる。このようにする場合には、特別表示LED612にアルファベットが表示されたとしても、遊技者は一瞬のうちに期待度合いを判別することが困難であるため、遊技者の期待感を維持する効果に期待できる。
(2)パターン2
次に、第1類型の期待度表示が行われる場合のパターン2の具体例を説明する。図72は、第1類型の期待度表示(パターン2)を説明するための図であって、期待度表示の表示例が示されている。第1類型のパターン2では、指示機能表示の表示例は、図58,図59で示した第1例の指示機能表示を流用するものとする。
第1類型のパターン2の期待度表示は特別表示LED612(特別表示LED612a,612b)によって2桁で表示されるが、図72(A)は特別表示LED612aにおけるセグ表示例を示したものであり、図72(B)は特別表示LED612bにおけるセグ表示例を示したものである。
図72(A)によれば、特別表示LED612aでは、期待度表示の際に「0」〜「3」の何れかが表示される。図72(A)に示したセグ表示は、例えば期待度合いの期待レベルを示すとすることができ、「0(レベル0)」から「3(レベル3)」の順に、期待レベルが高くなる。また、図72(B)によれば、特別表示LED612bでは、期待度表示の際に「0」〜「9」,「F」の何れかが表示される。図72(B)に示したセグ表示は、図72(A)に示したセグ表示と同様に、期待度合いの期待レベルを示すために用いることができる(「0」から「9」にかけて期待度合いが高くなる)。このとき、「F」のセグ表示は特典の付与等が確定する確定表示を意味する。
また、図72(B)に示したセグ表示は、期待度合いの期待レベルを示す以外にも、例えば、同じゲーム内で指示機能表示が行われる場合に、当該指示機能表示の指示内容に基づいたセグ表示とすることができる。具体的には、期待度表示が行われる同一ゲーム内の指示機能表示において、押し順を示す情報として特別表示LED612bに「0」〜「9」の何れかがセグ表示される場合、期待度表示においても特別表示LED612bに同じセグ表示を行わせるようにしてもよい。このようなセグ表示を行うことによって、遊技者が期待度表示を指示機能表示と見誤った場合であっても、適正な押し順に基づいた停止操作を行わせることができ、遊技者が不利益を被ることを防止できる。
なお、期待度表示において指示機能表示の指示内容に基づいたセグ表示を行わせる場合、上記例のように、指示機能表示と全く同じセグ表示を行う必要はなく、例えば、何れかのリール301を第1停止させる前に、第1停止すべきリール301を認識できるような指示内容に対応するセグ表示を期待度表示で表示させるようにしてもよい。具体的には例えば、押し順の指示内容として「右第一(2択)」が決定されたとき、図59の表示例によれば、指示機能表示として特別表示LED612bに「C」がセグ表示される。このとき、期待度表示における特別表示LED612bの表示態様は、右リール301cが第1停止されるような指示内容のセグ表示であればよいという観点から、「5(右左中)」、「6(右中左)」、「9(右第一)」の何れかのセグ表示を表示させるようにしてもよい。
そして、本実施形態のスロットマシン1において第1類型の期待度表示(パターン2)が行われる場合、期待度表示で用いられる表示態様(図72(A),図72(B)参照)は、指示機能表示で用いられる複数の表示態様(図58,図59に示したセグ表示の組合せ)の何れかに一致する。例えば、特別表示LED612における「11」という表示は、指示機能表示の場合は「chance図柄を狙った順押しの停止操作」という指示内容を示すが、期待度表示の場合は特典に対する期待度合いが「レベル1」であると示すことができる。
なお、以上のパターン1及びパターン2に示した第1類型の期待度表示が行われる際に、指示機能表示と期待度表示とがどのような順序やタイミングで特別表示LED612に表示されるかについては、[11−3−7−3]以降で詳しく説明する。何れにしても、このような第1類型の期待度表示が行われることによって、本実施形態のスロットマシン1では、指示機能表示の表示態様を利用した期待度表示を行うことができる。
そして、本実施形態のスロットマシン1では、第1類型の期待度表示が行われる場合に、指示機能表示又は期待度表示の何れとも認識し得る表示態様で特別表示LED612における表示が行われるため、何れの表示が行われているのかを遊技者に楽しませることができる。
なお、本実施形態のスロットマシン1において、指示機能表示の指示内容に基づいた遊技操作(適正な停止操作)でゲームが進行された場合には、遊技者に有利な有利特典が付与され得る。具体的には例えば、押し順ベル役に当選して指示機能表示が行われ、当該指示機能表示の指示内容に沿って適正な停止操作が行われることによって、押し順ベル役に対応する複数通りの図柄組合せのうち最も払出数の多い図柄組合せが停止し、当該最も多い払出数のメダルが付与される。一方、期待度表示では、特典の期待度合いを示唆することができるが、期待度表示が期待度合いを示唆する特典は、指示機能表示によって導かれる有利特典とは異なる異特典とすることができる。ここでの異特典とは、具体的には例えば、ボーナスゲームやATゲーム等の確定に関する期待度合いや、ATゲーム数の上乗せ等に関する期待度合い等に相当する。本実施形態のスロットマシン1は、このような指示機能表示及び期待度表示について、共通の表示態様を用いて特定の表示器(特別表示LED612)に表示可能とすることにより、当該表示態様が表示された場合に、異なる種類の特典(有利特典及び異特典)に対する期待感を同時に抱かせるとともに、当該表示態様が指示機能表示によるものか期待度表示によるものかを遊技者に楽しませることができるため。かくして、本実施形態のスロットマシン1によれば、ゲームに飽きさせず、ゲームの単調化を抑制し得る遊技機を提供することができる。
例えば、特別表示LED612における表示について、指示機能表示と思ってリールの停止操作を行ったとして、当該停止操作を行って指示機能表示が消滅されるタイミング以降にまで当該表示が残っていた場合には、指示機能表示ではなく期待度表示であったことが分かるため、当該表示が示す期待度合いに応じて遊技者は特典の付与に期待することができる。したがって、遊技者は、特別表示LED612に何らかの表示が現出された際に、指示機能表示ではないことを祈りながら遊技を進めることとなるため、期待度表示が現出されること、すなわち、特典の付与に対する期待を遊技者に抱かせることができる。
なお、前段の例では、特別表示LED612に現出された表示態様が、指示機能表示によるものか期待度表示によるものかを判別し難い状態のまま遊技が進められる場合で説明したが、本実施形態はこれに限るものではない。具体的には例えば、特別表示LED612に現出された表示態様を点滅させたり、表示色を変更したりする等によって、当該表示態様が期待度表示によるものである可能性が高いとすることもできるし、又は例えば、現出された当初は指示機能表示と同じ態様で表示しながらも、その後に前述のような点滅表示等を行うようにすることによって、当該表示態様が期待度表示によるものである可能性が高いとするようにしてもよい。
そして、このような期待度表示では、当選役を抽選し、当該抽選の抽選結果に基づいて特典の付与を決定するメイン基板409自身によって表示内容が決定され、メイン基板409が管理する特別表示LED612に表示されることから、当選役抽選の抽選結果に直結した特典の期待度合いが表示されることを遊技者に想定させることができ、期待度表示に対する信頼感を高めることができる。
また、本実施形態のスロットマシン1では、第1類型の期待度表示が行われ得る場合に、もし指示機能表示が行われたとしても、さらに期待度表示が行われることによって、特典の付与に対する期待度合いの高い当選役が選ばれたこと(高期待役の当選)に期待させることができる。
詳しく説明すると、頻繁に指示機能表示が実行されるATゲームなどの遊技状態では、主に押し順ベルやリプレイ等の当選時に指示機能表示が行われる。しかし、当選役に関する説明(例えば[10−1]など)で前述したように、押し順ベルやリプレイは、内部抽選で比較的当選し易い高当選役であって、有利遊技に関する期待度合いが低い「低期待役」である。これに対し、有利遊技に関する期待度が高い「高期待役」とされるスイカ役、チェリー役、チャンス目役等は、内部抽選で比較的当選し難い低当選役であるが、これらの高期待役は、押し順によって払出枚数に変化が出ない押し順不問役であるため、ATゲーム中であっても必ずしも指示機能表示を必要としない。すなわち、ATゲームなどの遊技状態にあっては、指示機能表示が行われた時点で、低期待役に当選している可能性が高く、特典の付与に関する期待度が低くなってしまう傾向がある。
このような課題に対して、本実施形態のスロットマシン1では、第1類型の期待度表示として、指示機能表示の表示態様を利用した期待度表示が行われることから、ATゲーム中などに特別表示LED612に指示機能表示が行われたとしても、期待度表示であることに期待させることができる。そして、特別表示LED612における表示が期待度表示であれば、高期待役に当選したことに期待できるため、指示機能表示が行われたとしても高期待役への期待感を維持させたまま、当該ゲームを楽しませることができる。
なお、本実施形態のスロットマシン1では、当選役抽選で低期待役が選ばれた場合よりも、当選役抽選で高期待役が選ばれた場合のほうが、期待度表示が実行されやすいようにすることが望ましい。具体的には例えば、当選役が押し順ベル役(低期待役の一例)である場合には、期待度表示の作動確率を0.01(1%)とする一方、当選役が弱スイカ役(高期待役の一例)である場合には、期待度表示の作動確率を0.50(50%)とすれば、期待度表示が行われたときには高期待役に当選している可能性が高いため、期待度表示に対する遊技者の期待感を効果的に高めることができる。
ここで、期待度表示が行われたときに高期待役に当選している可能性を高くするための期待度表示の作動確率の設定方法について、上記例を用いて補足説明する。例えば、通常状態又はボーナス内部状態において、押し順ベル役全体の当選確率が、3200/65536であり、弱スイカ役の当選確率は、800/65536とすれば、各当選役の当選確率に期待度表示の作動確率を乗算することで、当該当選役の期待度表示出現確率(すなわち、当該当選役に当選し、かつ、期待度表示が行われる確率)を算出することができる。押し順ベル役の期待度表示出現確率は、(32000/65536×0.01)であり、弱スイカ役の期待度表示出現確率は、(800/65536×0.50)である。そして、低期待役の期待度表示出現確率と高期待役の期待度表示出現確率との割合を比較することで、期待度表示が行われたときに、当選役が高期待役である割合(又は当選役が低期待役である割合)を算出することができる。例えば、押し順ベル役と弱スイカ役との期待度表示出現確率の割合を算出すると、55.56%で弱スイカ役が占めることが分かり、単純に押し順ベル役又はスイカ役の当選時のみで期待度表示が行われ得るとした場合には、期待度表示が行われたときの半分以上で弱スイカ役(高期待役)に当選していることになる。このような考え方を全当選役に広げると、全当選役の期待度表示出現確率のうち、高期待役の期待度表示出現確率が、少なくとも50%以上を占めるようにすれば、期待度表示が行われたときに高期待役に当選している可能性を高くすることができる。なお、高期待役当選時の作動確率を高く設定しすぎると、期待度表示が行われないときには高期待役への当選にほぼ期待できないと感じさせてしまうおそれがある。したがって、期待度表示が行われなくてもある程度の期待感を抱けるように、作動確率の上限に関する基準値(例えば70%)を設けるようにしてもよい。
そして、本実施形態のスロットマシン1では、第1類型の期待度表示が行われる場合に、上述したように高期待役への期待感を抱かせ得ることから、指示機能表示に従った遊技操作を繰り返すだけの単調なゲーム性になりがちなATゲーム中であっても、特別表示LED612における表示が指示機能表示か期待度表示かを楽しませることによって、遊技の単調化を抑制する効果を実現することができる。
なお、第1類型の期待度表示では、指示機能表示に用いられる全ての表示態様を、期待度表示の表示態様として用いなくてもよい。また、プレミア表示などのごく一部の表示については、指示機能表示には用いられない期待度表示固有の表示態様を用いるようにしてもよい。
また、第1類型の期待度表示を行うとき、遊技者が特別表示LED612に表示された期待度表示を指示機能表示と誤認してしまった場合は、当該表示に対応する指示機能表示の指示内容に従って停止操作が行われる可能性が考えられる。このような場合に、結果的に遊技者に不利な操作手順が誘導されてしまうと、遊技者の興趣が低下してしまうおそれがあるため、第1類型の期待度表示を行うときは、期待度表示を指示機能表示と読み替えた場合の操作手順が不利な操作手順になり得る表示態様を避けて期待度表示を行うことが好ましい。
期待度表示を指示機能表示と読み替えた場合の操作手順が不利な操作手順になり得る表示態様を避けて期待度表示を行うことは、特に、リール停止ボタン211a〜211cに対するリール停止操作が行われる前に、期待度表示が行われるときに考慮すべきである。具体的には例えば、指示機能表示で示されるべき指示内容が「逆押し」であるとするとき、「逆押し」の指示内容に対応するセグ表示で期待度表示を行うか、少なくとも、第1停止されるリール301が右リール301cとなるような指示機能表示の表示態様を用いて期待度表示を行うことが好ましい。図70の表示例を参照すれば、特別表示LED612bにおけるセグ表示として、右リール301cを第1に停止するような指示内容のセグ表示は、「5(右左中)」、「6(右中左)」、「9(右第一)」、「C(右第一(2択))」がある。したがって、このような場合にパーセント表示による期待度表示を行う場合には、特別表示LED612の下位桁の表示(すなわち、特別表示LED612bにおける表示)を「5」、「6」、「9」の何れかとすればよい。なお、第二停止すべきリールまで考慮すると、セグ表示「6(右中左)」は「逆押し」に反する停止態様であることから、できれば期待度表示の下位桁は「5」又は「9」とすることが好ましい。
[11−3−7−2.期待度表示の表示態様(第2類型)]
第1類型の期待度表示では、指示機能表示で用いられ得る複数の表示態様のうちの何れかの表示態様によって期待度表示を行うようにすることを説明したが、本実施形態のスロットマシン1では、指示機能表示で用いられ得る複数の表示態様の何れとも異なる表示態様で期待度表示を行うことができる。以後、このような表示態様による期待度表示を「第2類型の期待度表示」と呼ぶ。第2類型の期待度表示を行う場合は、指示機能表示用の表示態様とは別に期待度表示用の表示態様を用意しておく必要があるため、期待度表示の複数の表示態様に対応する複数の表示データが、ROM1112等に予め格納される。
以下では、第2類型の期待度表示が行われるスロットマシン1において、指示機能表示及び期待度表示がどのような表示態様で行われるか、パターン1,2の具体例を挙げて説明する。
(1)パターン1
図73は、第2類型の期待度表示(パターン1)を説明するための図であって、期待度表示の表示例が示されている。第2類型のパターン1の期待度表示は特別表示LED612(特別表示LED612a,612b)によって2桁で表示されるが、図73(A)は特別表示LED612aにおけるセグ表示例を示したものであり、図73(B)は特別表示LED612bにおけるセグ表示例を示したものである。第2類型のパターン1では、指示機能表示の表示例は、図58,図59で示した第1例の指示機能表示を流用するものとする。したがって、指示機能表示が行われる場合、特別表示LED612aには「0」〜「3」のうちの何れかがセグ表示され、特別表示LED612bには「0」〜「9」,「A」〜「F」のうちの何れかがセグ表示される。
図73(A)によれば、特別表示LED612aでは、期待度表示の際に「L」,「H」,「F」の何れかがセグ表示される。ここで、特別表示LED612aにおける「L」のセグ表示は期待度合いが比較的低いことを意味し、「H」のセグ表示は期待度合いが比較的高いことを意味する。また、「F」のセグ表示は特典の付与(又は所定量以上の付与量による特典の付与)が確定することを意味する(確定表示)。また、図73(B)によれば、特別表示LED612bでは、期待度表示の際に「0」〜「9」,「F」の何れかがセグ表示される。ここで、特別表示LED612bにおける「0」〜「9」のセグ表示は、期待度合いの期待レベルを示すものであり、「0」が最も期待度合いが低い期待レベルで「9」が最も期待度合いが高い期待レベルとなる。また、特別表示LED612bにおける「F」のセグ表示は、特別表示LED612aで「F」がセグ表示される確定表示のなかでも、さらに特別なプレミア表示に用いられる。プレミア表示の詳細は、図71(B)で前述したのと同様であるため説明を省略する。第2類型のパターン1の期待度表示でプレミア表示が行われる場合は、特別表示LED612に「FF」が表示される。
このような第2類型のパターン1の期待度表示が行われる場合、特別表示LED612による2桁の表示態様は、上位桁(「L」,「H」,「F」)でおおまかな期待度合いを示し、下位桁(「0」〜「9」,「A」〜「F」)でさらに詳細な期待度合いを示すことができる。
そして、2個のセグメントLED(特別表示LED612a,612b)における表示態様を個別に捉えるのではなく、2桁の表示態様で表示する特別表示LED612として捉え、このような2桁からなる期待度表示の表示態様を指示機能表示の表示態様(図58,図59参照)と比較すると、指示機能表示の上位桁には、期待度表示の上位桁(「L」,「H」,「F」)が表示されることはないため、2桁からなる期待度表示の表示態様は、指示機能表示の表示態様とは異なる表示態様によって現わされることが分かる。
すなわち、本実施形態のスロットマシン1において第2類型のパターン1の期待度表示が行われる場合には、指示機能表示又は期待度表示の何れによるものか明示されることなく特別表示LED612に何らかの表示態様が現出されたとしても、当該表示態様の上位桁(特別表示LED612a)が「L」,「H」,「F」の何れかであれば期待度表示であり、「0」〜「3」の何れかであれば指示機能表示であることが判別可能となる。
(2)パターン2
次に、第2類型の期待度表示が行われる場合のパターン2の具体例を説明する。図74は、第2類型の期待度表示(パターン2)を説明するための図であって、期待度表示の表示例が示されている。第2類型のパターン2では、指示機能表示の表示例は、図61,図62で示した第2例の指示機能表示を流用するものとする。したがって、この場合に期待度表示及び指示機能表示が表示される特別表示LED612は、より具体的には、1個のドット付き7セグメントLED(特別表示LED612c)である。
図61,図62に関して前述したように、特別表示LED612cを用いた指示機能表示では、上位4ビットで押し場所の目安を示し、下位4ビットで押し順を示す、合計8ビットの2進数データ(指示機能表示用データ)に基づいて、当該データの各桁ビットに対応した点灯制御を行うことにより、特別表示LED612cで押し場所の目安と押し順とを共に示すことができる。
一方、図74によれば、特別表示LED612cを用いた第2類型のパターン2の期待度表示では、期待度合いの高低に基づいて「0」〜「9」のセグ表示が行われる。また、第2類型のパターン2の期待度表示において、「F」のセグ表示は確定表示とする。なお、図61のNo.2と図62のNo.15との組合せで指示機能表示が行われる場合のセグ表示(数字の「3」という表示になる)との重複を避けるため、期待度表示で「3」をセグ表示する場合にはドットセグを点灯させるようにしている。
このような第2類型のパターン2の期待度表示が行われる場合、期待度表示の表示態様は、「0」〜「9」,「F」の何れかの英数字となる。一方、指示機能表示の表示態様は、8ビットの2進数データ(指示機能表示用データ)の各桁ビットに対応した点灯制御となることから記号的な表示になる可能性が高く、図61,図62の表示例を組合せた具体例で比較すると、期待度表示の表示態様とは1つも重複しない。
すなわち、本実施形態のスロットマシン1において第2類型のパターン2の期待度表示が行われる場合には、指示機能表示又は期待度表示の何れによるものか明示されることなく特別表示LED612(特別表示LED612c)に何らかの表示態様が現出されたとしても、当該表示態様が「0」〜「9」,「F」の何れかであれば期待度表示であり、それ以外であれば指示機能表示であることが判別可能となる。
なお、以上のパターン1及びパターン2に示した第2類型の期待度表示が行われる際に、指示機能表示と期待度表示とがどのような順序やタイミングで特別表示LED612に表示されるかについては、[11−3−7−3]以降で詳しく説明する。何れにしても、このような第2類型の期待度表示が行われることによって、本実施形態のスロットマシン1では、指示機能表示の表示態様とは異なる表示態様で期待度表示を行うことができる。
そして、本実施形態のスロットマシン1では、第2類型の期待度表示が行われる場合に、特別表示LED612に表示された表示態様について、指示機能表示又は期待度表示の何れが表示されているかを識別可能であるため、遊技者に誤認させることなく期待度表示による期待演出を実行することができ、期待度表示が現出されることによって遊技興趣を高めることができる。また、指示機能表示及び期待度表示は、メイン基板409によって管理される特別表示LED612で表示されるため、サブ基板510によって管理される画像表示体500における演出(例えば、ナビ表示や期待度に関する画面表示)の有無に拘わらず、上述したような遊技興趣の向上を実現することができる。
そして、このような期待度表示では、当選役を抽選し、当該抽選の抽選結果に基づいて特典の付与を決定するメイン基板409自身によって表示内容が決定され、メイン基板409が管理する特別表示LED612に表示されることから、当選役抽選の抽選結果に直結した特典の期待度合いが表示されることを遊技者に想定させることができ、期待度表示に対する信頼感を高めることができる。
また、本実施形態のスロットマシン1では、第2類型の期待度表示が行われ得る場合に、指示機能表示とは異なる表示態様が特別表示LED612に表示された時点で期待度表示が行われたことが明確になるため、ゲーム途中の当該時点から遊技者の特典への期待感を高めることができる。特に、第1類型の期待度表示でも述べたことであるが、当選役抽選で高期待役が選ばれた場合は低期待役が選ばれた場合よりも期待度表示が実行されやすいようにすれば(例えば、第1類型で例示したように、当選役が押し順ベル役の場合は期待度表示の作動確率を0.01とする一方で、当選役が弱スイカ役の場合は期待度表示の作動確率を0.50にする等)、期待度表示が行われたときには高期待役に当選している可能性が高いという状況を創出できるため、期待度表示に対する遊技者の期待感を効果的に高めることができる。
また、ATゲームなどの頻繁に指示機能表示が実行される遊技状態では、押し順ベル等の当選時に指示機能表示が表示され、指示機能表示の指示内容に従った遊技操作を繰り返すだけの単調なゲーム性になりがちであるが、本実施形態のスロットマシン1によれば、第2類型の期待度表示が行われ得るようにすることで、指示機能表示とは異なる表示態様による期待度表示が発生する可能性を生み出すことができ、ATゲーム中などの遊技の単調化を抑制することができる。
なお、図70〜図74に例示した期待度表示は、特別表示LED612に少なくとも何らかの表示態様が表示された場合に期待度合いを示唆するものであったが、特別表示LED612に何も表示しない状態についても1つの期待度表示(例えば、最低期待度)として捉えるようにしてもよい。
[11−3−7−3.期待度表示に関する優先表示]
本実施形態のスロットマシン1は、メイン基板409が管理する特別表示LED612において、所定の遊技操作に関する指示内容を示す指示機能表示だけでなく、特典の期待度合いを示唆する期待度表示も表示することができる。そして、メイン基板409は、単位ゲーム(1ゲーム)の間に、期待度表示又は指示機能表示の何れかを優先して特別表示LED612に表示させるよう制御することができる(優先表示)。
ここで、本実施形態のスロットマシン1における上述の優先表示は、優先制御の観点から、表示タイミングに優先度を付けた表示制御(タイミングの優先表示)と、表示層に優先度を付けた表示制御(レイヤーの優先表示)とに分けることができる。また、上述の優先表示は、優先対象の観点から、期待度表示を指示機能表示よりも優先して表示させる期待度優先表示と、指示機能表示を期待度表示よりも優先して表示させる指示機能優先表示とに分けることができる。
以下では、このような種々の優先表示について、それぞれ具体例を挙げて詳しく説明する。
[11−3−7−3−1.タイミングの優先表示]
ここでは、タイミングの優先表示について説明する。タイミングの優先表示では、期待度表示と指示機能表示との間に表示タイミング上の優先度の差異を設けることによって、単位ゲームのなかで、期待度表示と指示機能表示とを表示する際に、高い優先度を付けられた表示が、低い優先度を付けられた表示よりも先に特別表示LED612に表示される。表示タイミング上の優先度の差異の設定は、予め優先度が設定された情報がROM1112に格納されてもよいし、遊技状態や当選役抽選の抽選結果等に基づいて単位ゲームごとにメイン基板409が設定する処理を行うようにされてもよい。
そして、タイミングの優先表示では、高い優先度を付けられた表示がOFFにされただけでは、低い優先度を付けられた表示は特別表示LED612に表示されない。高い優先度を付けられた表示がOFFにされた後、低い優先度を付けられた表示が別途ONにされることで、当該低い優先度の表示が行われ、単位ゲーム内で期待度表示及び指示機能表示の両方が特別表示LED612に表示されることになる。
(1)期待度優先表示
まず、期待度表示に指示機能表示よりも高い優先度が付けられる期待度優先表示について説明する。なお、指示機能表示の優先度は期待度表示よりも低いとするが、指示機能表示には、低い優先度が明示的に付されてもよいし、特に優先度が付されない初期状態で取り扱われてもよい。
また、期待度優先表示において、単位ゲーム内で期待度表示及び指示機能表示を共に表示させる場合、特別表示LED612において期待度表示が指示機能表示よりも先に表示されることになるが、このような場合でも、指示機能表示が行われるべき表示タイミングまでには指示機能表示に切り替えられることが好ましい。具体的には例えば、指示機能表示によって第一停止リールに関する指示内容を表示することが決定されたゲームでは、第一のリール停止操作が行われる前(より具体的には、第一のリール停止操作が受付可能な状態となる前であり、後述の図75(A)に示す「停止ボタン押下受付開始」よりも前に相当する)の所定タイミングまでに、それ以前に表示されていた期待度表示をOFFにするとともに指示機能表示をONにするようにして、当該所定タイミング以降は第一のリール停止操作の操作態様を指示するような指示機能表示が特別表示LED612に表示されるようにすることが好ましい。
また、単位ゲーム内で期待度表示が行われた後に指示機能表示が行われたとして、当該指示機能表示の指示内容に基づいた遊技操作が終了した後(例えば、第三停止ボタン押下後)は、特別表示LED612に再び期待度表示を表示させるようにしてもよい。そして、再び表示された期待度表示の表示態様は、先に表示された期待度表示の表示態様と異なるものであってもよく、具体的には例えば、先の期待度表示では「30%」の期待度合いを示す表示態様とし、再び表示された期待度表示では「80%」の期待度合いを示す表示態様とすることで、同一の単位ゲーム内で期待度合いを変化(上昇又は低下)させるなどしてもよい。
図75は、タイミングの優先表示(期待度優先表示)が行われるときの表示例を説明するための図である。図75(A)は、各種の表示の表示期間を示すタイミングチャートであり、図75(B)は、当該表示例における画像表示体500の液晶画面例の推移を示す図である。
図75(A)の横軸に記載された各項目は、ゲームの進行過程における代表的なタイミングであるが、フリーズ開始及びフリーズ終了の項目以外は、図68などで説明した各項目と共通であるので、詳細な説明は省略する。なお、「フリーズ開始」及び「フリーズ終了」は、リール301の回転制御時にフリーズ制御を行うときの開始タイミング及び終了タイミングを示しており、このフリーズ制御が行われている期間中は、リール停止ボタン211に対する操作が行われても受け付けられず無効とされるため、リール301を停止させるための停止操作をリール停止ボタン211に対して行うことはできない。
図75(A)の縦軸には、表示期間を示す各種の表示として、指示機能表示701、期待度表示702、及び液晶演出表示703が記載されている。指示機能表示701及び期待度表示702はともに特別表示LED612(より具体的には、特別表示LED612a,612b,612cの少なくとも何れか)に表示され、ONのときは当該表示が行われ、OFFのときは当該表示が行われないことを意味する。図75(A)では、指示機能表示701又は期待度表示702がONのときにセグ表示例が記載されているが、このセグ表示例は、図70の指示機能表示例及び図71の期待度表示例に対応したセグ表示例とする。ただし、このようなセグ表示例は一例にすぎず、その他の指示機能表示例(例えば、図58,図59,図61,図62,図64〜図66などを参照)や、その他の期待度表示例(例えば、図72〜図74を参照)に対応したセグ表示例であってもよい。
また、図75(A)の液晶演出表示703は、サブ基板510によって管理される画像表示体500に表示される演出表示に相当し、ONのときは、画像表示体500において期待度表示又は指示機能表示に関する演出表示が行われることを意味し、OFFのときは、画像表示体500において期待度表示又は指示機能表示に関する演出表示が行われないことを意味する。なお、一般的に画像表示体500では、単位ゲーム全体を通じて何らかの演出表示がされており、図75(A)や後述する同様のタイミングチャートにおいて液晶演出表示703がOFFであったとしても、画像表示体500で何ら演出表示がされていないことを意味するものではない。
図75(B)には、図75(A)において液晶演出表示703がONになっているときに画像表示体500に表示される期待度表示又は指示機能表示に関する演出表示の画面例が示されている。図75(B)の画面例は、特別表示LED612における期待度表示又は指示機能表示の表示態様に基づいて、所定の演出表示を画像表示体500に表示させるときの一例であり、このような場合には、画像表示体500による演出表示が補助することによって、遊技者に対して、特別表示LED612における各表示の表示態様をより確実に伝えることが可能になる。しかし、本実施形態のスロットマシン1では、必ずしもこのような期待度表示又は指示機能表示に関する演出表示を行わせなくてもよい。
図75(A),図75(B)の各項目について上述した説明は、後述する同様の図面(図76〜図78)においても同様であり、以後は説明を省略する。
図75(A),図75(B)を参照して遊技進行に伴う表示の変化を説明すると、まず、遊技開始後、リール回転開始からフリーズ開始までの期間に、期待度表示702がONにされ、特別表示LED612で表示態様「30」の期待度表示が行われる。図71を参照すれば、表示態様「30」の期待度表示は、特典への期待度合いが30%であることを意味する。なお、上記の期待度表示が表示される期間は、停止ボタン押下受付開始よりも前なので、遊技者はリール301を停止する遊技操作(リール停止ボタン211に対する停止操作)を行うことはできない。また、特別表示LED612が表示態様「30」で期待度表示を行っている間、液晶演出表示730では「CHANCE?」という(a)の演出表示が行われることによって、当該ゲームに何かしら期待できるかもしれないことを遊技者に示唆している。但し、(a)の演出表示による期待感は、後述する(d)の演出表示ほど強い期待感を与えるものではない。
その後、フリーズ制御が開始すると、期待度表示702はOFFにされるが、フリーズ開始直後のタイミングではまだ指示機能表示701はONにされていないため、特別表示LED612には何も表示されない。そして、フリーズ開始後に所定時間が経過した時点で指示機能表示701がONにされることで、特別表示LED612で表示態様「31」の指示機能表示が行われる。図70を参照すれば、表示態様「31」の指示機能表示は、「押し場所の目安がBAR図柄、かつ押し順が順押し」の指示内容を意味する。そして、このような指示機能表示は、全てのリール301に対する停止操作が終了するタイミング(第三停止ボタン押下)まで継続表示され、その後OFFにされる。なお、液晶演出表示703では、まず、フリーズ制御が実行されている間は、フリーズ専用の演出画面を表示する((b)の演出表示)。そして、フリーズ終了後は、指示機能表示701がONとなっている間、表示態様「31」の指示機能表示の指示内容に基づいたナビ表示を表示する((c)の演出表示)。(b)の演出表示が行われることによって、フリーズ制御が発生していることを遊技者に通知し、(c)の演出表示が行われることによって、指示機能表示の指示内容を補佐して遊技者に適正な遊技操作を促すことができる。
そして、第三停止ボタン押下後は、指示機能表示701がOFFにされるとともに期待度表示702が再びONにされ、特別表示LED612で期待度表示が行われる。なお、図75(A)に示したように、再度ONにされた期待度表示702では、先の期待度表示における表示態様「30」とは異なる表示態様「80」が表示され、30%から80%に上昇した期待度合いが示される。また、期待度表示702の再度のONに伴って液晶演出表示703の表示態様も変更され、図75(B)に示したように「CHANCE!!」という(d)の演出表示が行われることによって、当該ゲームにおける期待感を(a)の演出表示よりも高めることができる。
その後、遊技が進行すると、払出完了をもって単位ゲーム(1ゲーム)が終了する。そして、次ゲームのためのメダル投入が行われると、液晶演出表示703では、「ボーナス確定!!」という(e)の演出表示が表示されることにより、終了した前ゲームにおいてボーナスという特典の付与が確定したことを教示する。(e)の演出表示は、次ゲームにおける演出表示を妨げないように、始動レバー押下が行われたタイミングでOFFにされる。
このように、本実施形態のスロットマシン1では、図74に例示したようなタイミングの優先表示(期待度優先表示)が行われることによって、指示機能表示よりも高い優先度を付けられた期待度表示が単位ゲーム内で先に特別表示LED612に表示されることから、単位ゲーム内の比較的早期の段階から特典に対する期待感を遊技者に与えることができる。特に、ATゲーム中など指示機能表示が頻繁に表示される遊技状態のときは、指示機能表示とは異なる表示が急に発生し得ることによって、毎ゲーム、遊技者に緊張感や期待感を抱かせることができる。
また、ATゲーム中など指示機能表示が頻繁に表示される遊技状態では、期待度表示が先に表示されることによって、指示機能表示が行われない押し順不問役の低当選役(詳細については、[11−3−7−1]などの記載を参照)に当選したことを予感させることができ、このような低当選役は特典に対する期待度合いが比較的高い高期待役であることから、特典の付与に対する遊技者の期待感を大きく向上させることができる。
また、本実施形態のスロットマシン1では、タイミングの優先表示(期待度優先表示)が行われることによって、期待度表示よりも優先度の低い指示機能表示についても、当該指示機能表示によって教示される所定の遊技操作を遊技者が実行可能なタイミングで特別表示LED612に指示機能表示を行うことができるため、当該所定の遊技操作を遊技者が実行できずに不利益を被ることを防止することができる。そしてさらに、指示機能表示の表示期間の終了後に、表示態様を可変にして期待度表示を再度表示可能にすることで、先の期待度表示における期待度合いが相対的に低かったとしても、再度の期待度表示で期待度合いが高くなるかもしれないという希望を遊技者に抱かせることができる。かくして、本実施形態のスロットマシン1によれば、タイミングの優先表示(期待度優先表示)が行われることによって、単位ゲーム全体を通じて遊技結果に対する遊技者の関心を維持させることができ、遊技興趣の低下を抑制することができる。
また、このような本実施形態のスロットマシン1によれば、サブ基板510によって管理される画像表示体500における液晶演出表示が、特別表示LED612で表示される期待度表示及び指示機能表示の表示内容を補助することによって、遊技者に対してより確実に情報を通知することができる。
(2)指示機能優先表示
次に、指示機能表示に期待度表示よりも高い優先度が付けられる指示機能優先表示について説明する。なお、期待度表示の優先度は指示機能表示よりも低いとするが、期待度表示には、低い優先度が明示的に付されてもよいし、特に優先度が付されない初期状態で取り扱われてもよい。
また、指示機能優先表示において、単位ゲーム内で期待度表示及び指示機能表示を共に表示させる場合、特別表示LED612において指示機能表示が表示された後に期待度表示が表示されることになるが、この期待度表示は、指示機能表示を表示させるべき期間を避けたタイミングで表示される。
具体的な「指示機能表示を表示させるべき期間」は、多くの場合は、少なくとも停止ボタン押下受付開始(その一定時間前)から第三停止ボタン押下までの期間であり、このような場合には、第三停止ボタン押下後の何れかのタイミングで期待度表示が表示されることが好ましい。但し、第一のリール停止操作を行った時点で指示機能表示による指示内容が満たされるなどの場合(例えば、第一停止リールだけを指示する指示内容の場合)は、「指示機能表示を表示させるべき期間」は上述の限りではなく、このような場合には、全てのリール301a〜301cに対する停止操作の完了(第三停止ボタン押下)を待つことなく、それ以前のタイミング(例えば、第一のリール停止操作後)に期待度表示を行うようにしてもよい。
図76は、タイミングの優先表示(指示機能優先表示)が行われるときの表示例を説明するための図である。図76(A)は、各種の表示の表示期間を示すタイミングチャートであり、図76(B)は、当該表示例における画像表示体500の液晶画面例の推移を示す図である。
図76(A),図76(B)を参照して遊技進行に伴う表示の変化を説明すると、まず、遊技開始後、リール回転開始からフリーズ制御を経て第一停止ボタン押下までの期間に、指示機能表示701がONにされ、特別表示LED612で表示態様「29」の指示機能表示が行われる。図70を参照すれば、表示態様「29」の指示機能表示は、「押し場所の目安が赤7図柄、かつ押し順が右第一停止」の指示内容を意味する。この指示内容は、リール301cが第一に停止されれば残りのリール301a,301bの停止順は何れであってもよいことから、第一停止リールだけを指示する指示内容に相当するため、表示態様「29」の指示機能表示は、第一停止ボタン押下が行われたタイミングでOFFにされている。この期間において、液晶演出表示703では、表示態様「29」の指示機能表示の指示内容に基づいたナビ表示を表示する((a)の演出表示)。
第一停止ボタン押下のタイミングでは、指示機能表示701がOFFにされるとともに、期待度表示702がONにされることで、特別表示LED612で表示態様「F9」の期待度表示が行われる。図71を参照すれば、表示態様「F9」の期待度表示は、特典の付与に関する確定演出である。期待度表示はリール全停止のタイミングまで継続表示される。この期間の液晶演出表示703では、期待度表示に基づいて、「激熱!」という特典への期待度がかなり高いことを示唆する演出表示((b)の演出表示)を表示させるため、遊技者の期待感を高めることができる。
なお、図76(A)において期待度表示の表示態様の下位桁を「9」としているのは、指示機能表示で押し順を示す表示態様の「9」を引き継いだためである。このようにすることで、特別表示LED612における表示が指示機能表示から期待度表示に変更されたことを遊技者が気付かなかったとしても、押し順を示す表示態様を変えないことによって遊技操作上の不安感を与えないようにすることができる。
図76(A)によれば、リール全停止のタイミングで期待度表示702がOFFにされた後は、指示機能表示701及び期待度表示702の何れも単位ゲームが終了するまでOFFの状態となる。このとき、液晶演出表示703では、「ボーナス確定!!」という(c)の演出表示が表示されることにより、当該ゲームでボーナスという特典の付与が確定したことを教示する。
このように、本実施形態のスロットマシン1では、図75に例示したようなタイミングの優先表示(指示機能優先表示)が行われることによって、期待度表示よりも高い優先度を付けられた指示機能表示が単位ゲーム内で先に特別表示LED612に表示されることから、指示機能表示が表示されたとしても、その後の単位ゲーム内に期待度表示が表示される可能性があるため、期待度表示が現出することへの期待感を遊技者に抱かせ、単位ゲーム全体を通じて遊技興趣を維持させる効果を奏する。特に、ATゲーム中など指示機能表示が頻繁に表示される遊技状態のときは、指示機能表示が表示されてしまっても、その後に期待度表示が表示された場合には、当該ゲームで特典の付与に期待することができるため、遊技者の興趣を向上させることができる。
また、本実施形態のスロットマシン1では、タイミングの優先表示(指示機能優先表示)が行われることによって、特別表示LED612において、単位ゲーム内の早期に指示機能表示を行うことができるため、当該指示機能表示に基づいた適正な遊技操作を確実に遊技者に教示することができ、指示機能表示を見落とすなどして遊技者が不利な遊技操作を行ってしまう危険性を回避することができる。かくして、このような本実施形態のスロットマシン1によれば、不利な遊技操作を行ってしまうことによる遊技者の遊技興趣の低下を抑制し、遊技者に安心感を与える遊技機を提供することができる。
また、このような本実施形態のスロットマシン1によれば、サブ基板510によって管理される画像表示体500における液晶演出表示が、特別表示LED612で表示される期待度表示及び指示機能表示の表示内容を補助することによって、遊技者に対してより確実に情報を通知することができる。
[11−3−7−3−2.レイヤーの優先表示]
ここでは、レイヤーの優先表示について説明する。レイヤーの優先表示では、期待度表示のための表示層と指示機能表示のための表示層との間に表示制御上の優先度の差異を設けることによって、単位ゲームのなかで、期待度表示と指示機能表示とが並行して表示器(例えば特別表示LED612)に出力される場合であっても、高い優先度を付けられた表示層(上位表示層)が優先して特別表示LED612に表示される。表示制御上の優先度の差異の設定は、予め優先度が設定された情報がROM1112に格納されてもよいし、遊技状態や当選役抽選の抽選結果等に基づいて単位ゲームごとにメイン基板409が設定する処理を行うようにされてもよい。
そして、レイヤーの優先表示では、期待度表示と指示機能表示とが並行して出力されている状況(両者ONの状況)から、高い優先度を付けられた表示層(上位表示層)の出力がOFFにされた場合には、特別表示LED612における表示は、低い優先度を付けられた表示層(下位表示層)の表示に切り替えられる。
なお、レイヤー層の優先表示について、表示層の出力先となる表示器が特別表示LED612のようなセグメントLEDである場合は、並行して出力された表示層のうち優先度の高い表示層だけが表示されるが、例えば、液晶ディスプレイのように重畳表示を可能な表示器が出力先として選択される場合には、出力された表示層を同時に重畳表示するとともに、優先度の高い表示層については、色、明度、又は表示周期等に差異を設けて強調表示するようにしてもよい。但し、このような重畳表示を行う場合には、例えば、指示機能表示の表示層が強調表示されているときには画像表示体500で当該指示機能表示の指示内容に基づいた演出表示を行うなど、強調表示されている表示層を遊技者が認識できるような補助制御が行われることが好ましい。
本実施形態のスロットマシン1では、このようなレイヤー層の優先表示を行うことによって、それぞれの表示(期待度表示及び指示機能表示)の間で、表示期間の空白が発生しないように等といった相互的な表示タイミングを考慮して出力タイミングを調整しなくても、それぞれの出力タイミングで出力するだけで、上位表示層の優先表示、及び表示層の切り替えが実現できるため、メイン基板409による表示制御上の負荷を低減することができ、ひいては、メイン基板409のプログラム容量の削減に寄与することができる。
以下では、レイヤーの優先表示について、期待度優先表示及び指示機能優先表示をそれぞれ説明するが、どのような優先表示を行うとしても、指示機能表示が行われるべき表示タイミングでは指示機能表示の表示態様が特別表示LED612に表示されるようにする点は、上述したタイミングの優先表示の場合と同様である。
(1)期待度優先表示
まず、レイヤー優先表示のうち、期待度表示の表示層を上位表示層とし、指示機能表示の表示層を下位表示層とすることによって実現される期待度優先表示について説明する。
図77は、レイヤーの優先表示(期待度優先表示)が行われるときの表示例を説明するための図である。図77(A)は、各種の表示の表示期間を示すタイミングチャートであり、図77(B)は、当該表示例における画像表示体500の液晶画面例の推移を示す図である。
図77に示す表示例は、図49には例示されていない当選パターンであるが、当選役抽選によって、ボーナス役(例えば「BB1」)と高期待役(例えば「強スイカ役」)とに同時当選した場合の表示例とする。
図77(A),図77(B)を参照して遊技進行に伴う表示の変化を説明すると、まず、遊技開始後、リール回転開始からフリーズ開始後の所定タイミングまでの間、上位表示層である期待度表示702が出力され(ON)、特別表示LED612で表示態様「90」の期待度表示が行われる。図71を参照すれば、表示態様「90」の期待度表示は、特典への期待度合いが90%というかなりの高期待度を意味する。なお、上記の期待度表示が表示される期間は、停止ボタン押下受付開始よりも前なので、遊技者はリール301を停止する遊技操作(リール停止ボタン211に対する停止操作)を行うことはできない。
一方、下位表示層である指示機能表示701は、リール回転開始後しばらくしてからONにされているものの、期待度表示702がONにされている期間は特別表示LED612に表示されない(図77(A)における破線部分に相当)。そして、フリーズ制御が終了する前に期待度表示702がOFFにされると、上位表示層の出力がなくなるため、特別表示LED612の表示は、期待度表示702から指示機能表示701に切り替えられ、表示態様「26」の指示機能表示が行われるようになる。図70を参照すれば、表示態様「26」の指示機能表示は、「押し場所の目安が赤7図柄、かつ押し順が逆押し」の指示内容を意味する。その後、指示機能表示701のON状態は、第三停止ボタン押下まで続くが、この間に上位表示層である期待度表示702はON状態にならないため、特別表示LED612では指示機能表示が継続して表示される。
また、液晶演出表示703では、リール回転開始からフリーズ終了までの間は、期待度表示702の表示内容に基づいた演出表示として、高期待度を示唆する「激熱!」という(a)の演出表示が行われることで、当該ゲームが特典に関する期待度合いが非常に高いことを遊技者に認識させることができる。その後、フリーズ制御が終了してからは、指示機能表示701の指示内容に基づいたナビ表示として、赤7図柄を逆押しで狙わせるような(b)の演出表示が行われることで、特別表示LED612だけでなく、画像表示体500からも、遊技者に適正な遊技操作を教示することができるため、遊技者が不適正な遊技操作を行わないよう抑制することができる。
その後、遊技が進行すると、払出完了をもって単位ゲーム(1ゲーム)が終了する。そして、次ゲームのためのメダル投入が行われると、「ボーナス確定!!」という(c)の演出表示が行われることで、終了した前ゲームにおいてボーナスという特典の付与が確定したことを教示できる。
なお、サブ基板510は、リール301の停止位置や遊技者による操作態様等に基づいて、(c)のボーナス確定演出の表示タイミングを変更するようにしてもよい。具体的には例えば、指示機能表示701の指示内容に沿って逆押しで全リールが停止されたものの、停止タイミングがずれて赤7図柄揃いが停止しなかった場合や、同時当選した強スイカ役の図柄組合せが停止した場合には、図77(A)に示したような次ゲームでの表示を行わせる。一方、指示機能表示701の指示内容に沿って適正な停止操作が行われた結果、赤7図柄揃いが停止した場合には、リール全停止のタイミングで(c)のボーナス確定演出を表示させるようにすればよい。このように、サブ基板510がリール301の停止位置等に基づいて液晶演出表示の表示タイミングを調整することによって、遊技状況とのずれが少ない演出表示が可能になり、遊技進行上の違和感を抱かせないようにすることができる。
このように、本実施形態のスロットマシン1では、図77に例示したようなレイヤーの優先表示(期待度優先表示)が行われることで、特別表示LED612に期待度表示を表示させるとともに、適切なタイミングで指示機能表示に切り替えて適正な遊技操作を遊技者に教示することができるため、期待度表示による高期待役当選への期待感と、適正な遊技操作を行うことによる遊技結果への期待感との両方を高めることができる。特に、図77のように高期待度の期待度表示が現出された場合は、不適正な遊技操作によって特典の付与機会を失ってしまわないように、その後の指示機能表示によって指示される遊技操作に対して注意深くさせることができる。
したがって、本実施形態のスロットマシン1では、押し順によって停止形の異なる特殊リプレイ役に当選したときなど、遊技者に適正な停止操作を行わせることが特に重要な状況において、レイヤーの優先表示(期待度優先表示)を行うことによって、遊技者に不利な遊技操作をさせない抑止効果に大きく期待できる。
また、本実施形態のスロットマシン1では、レイヤーの優先表示(期待度優先表示)を行うことによって、ATゲーム中など指示機能表示が頻繁に表示される遊技状態で期待度表示が優先表示されたとき、指示機能表示が行われない押し順不問役の低当選役(詳細については、[11−3−7−1]などの記載を参照)に当選したことを予感させることができ、このような低当選役は特典に対する期待度合いが比較的高い高期待役であることから、特典の付与に対する遊技者の期待感を大きく向上させることができる。
(2)指示機能優先表示
次に、レイヤー優先表示のうち、指示機能表示の表示層を上位表示層とし、期待度表示の表示層を下位表示層とすることによって実現される指示機能優先表示について説明する。
図78は、レイヤーの優先表示(指示機能優先表示)が行われるときの表示例を説明するための図である。図78(A)は、各種の表示の表示期間を示すタイミングチャートであり、図78(B)は、当該表示例における画像表示体500の液晶画面例の推移を示す図である。図78に示す表示例は、当選役抽選によって、弱チェリー役に当選した場合の表示例とする。
図78(A),図78(B)を参照して遊技進行に伴う表示の変化を説明すると、まず、遊技開始後、リール回転開始から払出開始までの間、下位表示層である期待度表示702が「76」の表示態様で出力される(ON)。図71を参照すれば、表示態様「76」の期待度表示は、特典への期待度合いが76%であることを意味する。但し、図78(A)に破線で示したように、フリーズ開始後の所定タイミングから第三停止ボタン押下までの間は、上位表示層である指示機能表示701が出力される(ON)ため、特別表示LED612では期待度表示は行われない。したがって、表示態様「76」の期待度表示が特別表示LED612で表示される期間は、リール回転開始からフリーズ開始後の所定タイミングまでの「先表示期間」と、第三停止ボタン押下から払出開始までの「後表示期間」となる。
そして、特別表示LED612は、「先表示期間」から「後表示期間」までの間、指示機能表示として表示態様「36」を表示する。図70を参照すれば、表示態様「36」の指示機能表示は、「押し場所の目安がBAR図柄、かつ押し順が逆押し」の指示内容を意味する。なお、当該ゲームにおける当選役は弱チェリーであるから、本来は押し順不問役であるが、BAR図柄を狙って逆押しで停止操作を行った場合には、図52に示した小物19(弱チェリー対応の条件装置)の図柄組合せを有効ライン上に引き込めるため、当該指示内容で遊技操作を行わせても遊技者にとって不利な遊技結果とはならない。
図78(A)に示された特別表示LED612における表示態様の変更を纏めると、リール回転開始からフリーズ開始後の所定タイミングまでは、表示態様「76」の期待度表示が行われ、その後の第三停止ボタン押下までは、表示態様「36」の指示機能表示に切り替えられ、第三停止ボタン押下から払出開始までは、再び表示態様「76」の期待度表示に切り替えられる。
液晶演出表示703の液晶画面例の推移をみると、リール回転開始からフリーズ終了までの間は、「!」という(a)の演出表示が行われることで、当該ゲームで何かが起こるかもしれないことを遊技者に示唆している。なお、この表示期間は停止ボタン押下受付開始前であるから、(a)の演出表示の意味する内容が分からなかったとしても、遊技者にその後の遊技操作を迷わせるような影響は与えない。
次に、フリーズ終了時から第三停止ボタン押下までの間は、特別表示LED612では表示態様「36」の指示機能表示が行われているが、このとき、液晶演出表示703では指示機能表示701の指示内容に基づいたナビ表示として、BAR図柄を逆押しで狙わせるような(b)の演出表示が行われる。(b)の演出表示が行われることで、特別表示LED612だけでなく、画像表示体500からも、遊技者に適正な遊技操作を教示することができるため、遊技者が不適正な遊技操作を行わないよう抑制することができる。
第三停止ボタン押下から払出開始までの間は、特別表示LED612では表示態様「76」の期待度表示が行われているが、このとき、液晶演出表示703では、遊技者を期待度表示に注目させるための演出として、「セグに注目!」という(c)の演出表示が行われる。このような(c)の演出表示を行うことによって、指示機能表示が行われる前の期待度表示を見逃した遊技者がいたとしても、再度表示された期待度表示を認識させるように促すことができるため、期待度表示が行われていることを遊技者に確実に認識させることが期待できる。
その後、遊技が進行すると、払出完了をもって単位ゲーム(1ゲーム)が終了する。そして、次ゲームのためのメダル投入が行われると、前ゲームにおいて期待度表示が示唆した特典の付与が行われなかったことを教示するために、「残念!ハズレ」という(d)の演出表示が行われる。なお、期待度表示が示唆した特典の付与が行われた場合には、「上乗せ成功!」のような特典の付与を教示する演出表示を行えばよい。また、(d)の演出表示が行われるタイミングについては、図77(B)における(c)の演出表示と同様に、サブ基板510が、適宜、表示タイミングを変更するようにしてよい。
このように、本実施形態のスロットマシン1では、図78に例示したようなレイヤーの優先表示(指示機能優先表示)が行われることで、指示機能表示が表示されたとしても、その後の単位ゲーム内に期待度表示が表示される可能性があるため、期待度表示が現出することへの期待感を遊技者に抱かせ、単位ゲーム全体を通じて遊技興趣を維持させる効果を奏する。特に、ATゲーム中など指示機能表示が頻繁に表示される遊技状態のときは、指示機能表示が表示されてしまっても、その後に期待度表示が表示された場合には、当該ゲームで特典の付与に期待することができるため、遊技者の興趣を向上させることができる。
また、本実施形態のスロットマシン1では、レイヤーの優先表示(指示機能優先表示)が行われることによって、指示機能表示の表示態様を出力しさえすれば最優先で特別表示LED612に表示されるため、遊技者に適正な遊技操作を教示するための適切なタイミングで、確実に指示機能表示を実行させることができる。その結果、当該指示機能表示に基づいた適正な遊技操作を確実に遊技者に教示することができ、指示機能表示を見落とすなどして遊技者が不利な遊技操作を行ってしまう危険性を回避することができる。かくして、このような本実施形態のスロットマシン1によれば、不利な遊技操作を行ってしまうことによる遊技者の遊技興趣の低下を抑制し、遊技者に安心感を与える遊技機を提供することができる。
また、このような本実施形態のスロットマシン1によれば、サブ基板510によって管理される画像表示体500における液晶演出表示が、特別表示LED612で表示される期待度表示及び指示機能表示の表示内容を補助することによって、遊技者に対してより確実に情報を通知することができる。特に、図78(B)で説明した(c)の演出表示のように、特別表示LED612を注目させるような演出を行うことによって、特別表示LED612の重要性を高めることができる。
また、本実施形態のスロットマシン1によれば、レイヤーの優先表示を行う場合の特徴として、特別表示LED612において上位の表示層の下に別の表示層を出力しておくことで、上位の表示層の出力がOFFにされた場合に、表示の切り替えに要する時間以外にはタイムラグを発生させることなく下位の表示層を表示させることができるため、極めて短時間の間に次の表示態様を表示させることが可能で、緊迫感を持った表示演出を実現できる。具体的には例えば、図78(B)で説明した(b)の演出表示から(c)の演出表示への切り替え等のように、遊技者が第三停止ボタンを押下した瞬間(又は第三停止ボタンから手を離した瞬間)に、指示機能表示の表示態様から期待度表示の表示態様に切り替えるといったことができるため、各遊技操作を行うたびに特別表示LED612の表示態様が変化することを遊技者に期待させることができる。
また、本実施形態のスロットマシン1によれば、タイミングの優先表示又はレイヤーの優先表示の何れが行われる場合も、遊技の進行に関する制御を行うメイン基板409によって管理される表示器(特別表示LED612)において、指示機能表示及び期待度表示という異なる種類の表示を現出可能にし、さらに、単位ゲームの間に指示機能表示及び期待度表示の何れをも表示し得る状況下で指示機能表示又は期待度表示の何れかを優先表示することができる。従来の一般的なスロットマシンでは、サブ基板によって管理される演出表示装置(本実施形態のスロットマシン1では画像表示体500に相当)において様々な演出表示が行われることによって遊技者に多くの情報を提供することができていたものの、それだけでは遊技者の興趣を維持することが困難になっているという課題があったが、本実施形態のスロットマシン1によれば、このような課題を解決でき、従来の遊技機にはなかった新たなゲーム性を付加した遊技機を提供することができる。
[11−3−7−4.その他の期待度表示]
上述の[11−3−7−1]〜[11−3−7−3]では、指示機能表示が行われる表示器(特別表示LED612)において期待度表示を表示する場合の処理について説明してきたが、本実施形態のスロットマシン1では、その他の期待度表示を行うこともできる。以下では、本実施形態のスロットマシンにおいて実行可能なその他の期待度表示について列挙して説明する。なお、以下に列挙する期待度表示は、[11−3−7−1]〜[11−3−7−3]で説明した期待度表示と適宜組合せて利用することができる。
(1)指示機能表示の表示形態の変更に基づいた期待度表示
本実施形態のスロットマシン1では、特別表示LED612で表示される指示機能表示の表示態様を、表示内容を維持したまま表示形態を変更することによって期待度表示を行うようにすることができる。
表示形態の変更とは、具体的には例えば、期待度表示を行わない通常時は指示内容に応じたセグ表示が点灯するだけとした場合に、低速点滅(長時間周期による点滅)を行った場合には、図73(A)のセグ表示「L」のような低期待度の期待度表示とし、高速点滅(短時間周期による点滅)を行った場合には、図73(A)のセグ表示「H」のような高期待度の期待度表示とすることが挙げられる。このような表示形態は一例に過ぎないが、様々な表示形態に基づいて期待度合いの異なる期待度表示を実行することによって、特典に関する期待度として、例えば、ATゲームの上乗せが行われる期待度に差異を出したり、上乗せされるゲーム数の多寡を示唆したりすることができる。
(2)予告表示としての期待度表示
本実施形態のスロットマシン1では、特別表示LED612において指示機能表示が行われる際に、具体的な指示内容を示す表示態様が表示される前に、当該表示態様とは別の所定の表示態様(点滅表示や指示機能表示に類似したフェイク表示)を表示可能にし、当該所定の表示態様が表示された場合には、特典に関する期待度が高くなるといった期待度表示を行うようにしてもよい。
具体的には例えば、特別表示LED612において、「13」という表示態様で指示機能表示が行われようとするとき、「13」という表示態様が完全に表示され終わる前にセグメントが高速点滅した場合に、特典への期待度が高いゲームであることを示す期待度表示が行われたとしてもよい。また、このような高速点滅が発生した場合は、その後、指示機能表示の「13」という表示態様を完全に表示することなく(指示機能表示を中止して)、所定の期待度表示に表示態様を切り替えたり、画像表示体500において特典への期待感を示唆する演出を行わせたりする等してもよい。なお、指示機能表示が中止される場合は、内部的には、押し順小役当選時などに指示機能表示を行うと判定されたゲームではなく、例えば、押し順不問の高期待役(チェリー役やスイカ役等)に当選したゲームであることが好ましい。
(3)表示態様を段階的に変更可能な期待度表示
本実施形態のスロットマシン1では、[11−3−7−1]〜[11−3−7−3]で上述したように、特別表示LED612で所定の期待度表示を表示可能とする場合に、期待度表示の表示態様を多段階に分けて表示することによって、表示時間や表示回数が増えていくにつれて期待度合いを高める期待度表示を行うようにしてもよい。
具体的には例えば、期待度表示として最終的に「50」という表示態様が表示されると決定されたとき、特別表示LEDに一回で「50」と表示するのではなく、「10」、「20」、「50」といったように複数段階に分けて徐々に期待度合いが高くなるような表示を行うようにすることができる。段階的な期待度表示の具体的な表示過程は、上記例のような漸増表示に限定するものではなく、例えば、期待度合いを下げてから最後に高い期待度合いを表示するようにしたり、ランダムな期待度合いを何度か表示した後に最終的な期待度合いを表示するようにしたりすることができる。
また、本実施形態のスロットマシン1では、特別表示LED612において期待度表示を行う場合に、当該期待度表示によって示される期待度合いの対象(対象特典)を、同じ単位ゲーム内で表示された指示機能表示によって示唆することもできる。具体的には、特別表示LED612において、期待度表示として「10」、「20」という表示態様を経て最終的に「50」という表示態様が表示された後、「赤7図柄を狙え」という指示内容の指示機能表示が表示された場合に、期待度表示による「50%」の期待度合いは、指示機能表示で示唆された「赤7図柄揃い」に対する期待度合いとする。すなわち、例え期待度表示によって100%の期待度合いが示唆されたとしても、その対象特典は、指示機能表示の指示内容によって変化するため、赤7図柄揃いのような高特典になる場合もあれば、ベル図柄揃いのような低特典になってしまう場合もある。このように、期待度表示による期待度合いの対象を指示機能表示と関連付けることによって、本実施形態のスロットマシン1では、期待度表示によって示唆される期待度合いだけでなく、指示機能表示によって示唆される対象特典にも意味を持たせることができるため、単位ゲームを通じて遊技者の関心を維持することができる。
(4)出玉に関係する抽選の実行を示す特定態様の表示可否を演出する期待度表示
本実施形態のスロットマシン1では、指示機能表示が行われる表示器(特別表示LED612)において、特定態様が表示された場合に出玉に関係する抽選を行うとしたとき、特別表示LED612で所定の期待度表示を行うことによって、特定態様が表示されるか否かを段階的に演出するような期待度演出を実現することができる。
図79は、特定態様の表示可否を演出する期待度表示を説明するための図である。図79では、1個のセグメントLED(特別表示LED612c)において、段階的に表示態様が変化する期待度表示の表示遷移が示されている。ここでは、「3」がセグ表示されたときに、「特定態様」が表示されたとして、出玉に関係する抽選(例えば、ATゲーム数の上乗せ)が行われるとする。図79に示すように、特別表示LED612cでは、まず、7セグメント部分が、「(a)上段点灯」、「(b)中段点灯」、「(c)下段点灯」、「(d)右上段点灯」の順で追加点灯されていく。その後、一定の待機時間を経て「(e)右下段点灯」となれば、セグ表示として特定態様の「3」が完成するので、出玉に関係する抽選が行われることが確定する(期待度演出の成功結果)。一方、(d)の後に、「(f)左下段点灯」となった場合は、セグ表示として「2」が表示されるので、出玉に関係する抽選は行われないことが示される(期待度演出の失敗結果)。なお、期待度演出の結果は、画像表示体500でも明示されるようにすることが好ましい。
本実施形態のスロットマシン1では、図79に例示したような期待度表示が行われることにより、指示機能表示を表示するための表示器(例えば特別表示LED612c)において、指示機能表示とは別の期待度表示を表示可能にするだけでなく、当該表示器だけで完結する期待度演出をも実行可能にする。かくして、メイン基板409によって管理される当該表示器において、重要な演出を実行可能な斬新な遊技機を提供することができる。なお、このようにメイン基板409によって管理される表示器(例えば特別表示LED612)で期待度演出が行われる場合には、サブ基板510によって管理される表示器(例えば画像表示体500)において「7セグメント表示器を見ろ」といったような注意喚起の表示を行わせて、期待度演出が行われる表示器に遊技者の関心を集めるようにすることが好ましい。
以上が、第1の実施形態のスロットマシン1における遊技状態の説明であるが、このような遊技状態の制御に関して各種の内部抽選で用いられる抽選テーブルは、それぞれ1通りである必要はなく、例えば、複数の設定値(例えば、設定値1から4までの4段階)を設け、設定値ごとに異なる抽選テーブルが用いられるようにしてもよい。具体的には、それぞれの設定値では内部抽選確率に格差(段階的な差、極端な差など)がつけられている。この設定値は、設定値1<設定値2<設定値3<設定値4、というように設定値が高くなるほどボーナス当選役やAT当選率等の抽選確率が優遇されるようにするとよい。例えば、設定値1に比べると設定値4ではBB1の当選確率が高く決められているのでBB1に当選する可能性が高いといったようなことである。このように段階的な設定値を設けることにより、設定値ごとに特徴を持たせて遊技者が設定値の推測する際の手掛かりとしたり、ホール等の経営に合わせた設定値にてスロットマシン1の運用をしたり、といったことが可能となる。なお、上記のような設定値に限られることはない。
[11−4.リール停止処理]
始動処理が終了すると、一定速度で回転を続けているリールを停止させるための操作(停止操作、つまりリール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作)待ちの状態となる。図80では、一例として「テーブル方式」によるリール停止処理の内容を示している。以下では、リール停止制御の処理の流れを説明する。
リール停止処理では、まずステップS201で、当該ゲームでの内部抽選の結果に対応して作動した条件装置にしたがってリール停止制御テーブルを選択する。このリール停止制御テーブルは予め全ての条件装置に1対1で対応するパターンが用意されており、これらは読み出し専用のテーブルデータとしてメイン基板409のROM1112に格納されている。
上記のステップS201にて成立している条件装置に基づいてリール停止制御テーブルが選択された状態になると、各リール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作が受け付けられるまで待ち受け状態となる(ステップS202,S210,S217)。これらの待ち受け状態で、左リール301a、中リール301b、右リール301cの各リールがすでに停止しているか否か、あるいは第1リール停止フラグがONとなっていない状態(F=0、つまりOFFの状態)であるか否かを判定するとともに、合わせてリール停止ボタン211a,211b,211cのいずれかが押下されたかについても判定する。全てのリール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作が受け付けられるまでは、ステップS209の判定が満たされず、ステップS202以降の処理を繰り返す。
ここで、リール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作の受け付けられた順番(停止操作手順)は、前述したように、「順押し」、「挟み押し」、「中順押し」、「中逆押し」、「逆挟み押し」、「逆押し」の6通りに分けられるが、図80に関する以下の説明では、これらの押し順を、第1に押下操作が行われたリール停止ボタン211に着目して3通りの押し順に分類する。すなわち、第1停止リールが左リール301aである場合を「順押し」、中リール301bである場合を「中押し」、右リール301cである場合を「逆押し」と呼ぶ。
ステップS202では、左リール301aが停止状態となったことを示すフラグ(左リール停止フラグLF)がOFF(LF=0)であり、なおかつ、左リール停止ボタン211aの押下操作が受け付けられたかを判定する。ステップS201で、リール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作の待ち受け状態から「順押し」の停止操作手順に沿って最初(第1番目)に左リール停止ボタン211aが押下されたとすると、ステップS202の判定が満たされ、ステップS203に移る。
ステップS203では、第1リール停止フラグがOFF(F=0)であるか判定する。ここでいう「第1リール」とは第1番目に停止操作が受け付けられる、あるいは第1番目に停止するリールのことをいう。この例(「順押し」)では、左リール301aの停止操作が第1番目に受け付けられるので、第1リール停止フラグがOFFの状態(F=0)となっている。従って、ステップS203の判定は満たされ、次のステップS204に移る。
次のステップS204では、左リール301aについて第1リール停止処理が行われる。この第1リール停止処理では、作動している条件装置に対応するリール停止制御テーブルに基づいて内部抽選フラグに対応する当選役図柄の停止位置の制御を実行する。
ステップS206では、残りの中リール301b、右リール301cのリール停止制御テーブルを決定する。前述のとおり、スロットマシン1の有効ラインは右上がりラインと右下がりラインとの2ラインのみであるため、この時点で残りのリール(中リール301b、右リール301c)の停止制御テーブルは1つに決定することができる。つまり、第1停止リール(この場合は左リール301a)の図柄表示窓401内の図柄(これを停止目と呼ぶ、以下同様)のうち特に上段位置または下段位置の図柄が当選役図柄となる可能性のある図柄であった場合、その該当図柄を基準とした有効ライン上に残りのリール(中リール301b、右リール301c)の該当当選役図柄を揃えることの可能なリール停止制御テーブルを選択することになる。
ステップS207では、第1リール停止フラグをON(F=1)として、次のステップS208に移る。
次いでステップS208では、左リール停止フラグLFをON(LF=1)として、ステップS209に移る。
そして、ステップS209では、全てのリール301a,301b,301cが停止状態となったかを判定する。この例では、まだ左リール停止フラグLFがONとなっただけであり、中リール301b及び右リール301cはまだ回転中であることから、この判定が満たされず、ステップS202に戻り以降の処理を繰り返し実行する。
そして、再びステップS202以降の処理が実行される場合、すでに左リール301aは停止状態となっているのでステップS202の判定は満たされず、ステップS210に移る。
ステップS210では、中リール301bが停止状態となったことを示すフラグ(中リール停止フラグMF)がOFF(MF=0)であり、なおかつ、中リール停止ボタン211bの押下操作が受け付けられたかを判定する。ここでは「順押し」の停止操作手順に沿うため、中リール停止ボタン211bの押下操作が受け付けられることとなる。従って、ステップS210の判定が満たされ、次のステップS211に移る。
ステップS211では、上記のステップS203と同様に第1リール停止フラグがOFF(F=0)であるか判定する。そして、この時点ではすでに第1リール停止フラグはON(F=1)となっているため、この判定が満たされず、ステップS213に移る。
ステップS213では、中リール停止処理として、作動している条件装置に対応するリール制御テーブル(この場合は上記のステップS206で決定したリール停止制御テーブル)に基づいて該当当選役図柄の停止位置の制御を実行する。そして、このとき中リール301bは第2番目に停止するリール(第2リール)となり、ステップS212,S214,S215は全て迂回され、ステップS216に移り、中リール停止フラグMFをON(MF=1)としてステップS209に移る。
そして、再度ステップS209では、左リール301a及び中リール301bが停止状態となっただけであり、まだ右リール301cは回転中で停止状態(右リール停止フラグRFがOFFとなっている)となっていないので、この判定が満たされず、ステップS202に戻り、再度以降の処理を繰り返し実行する。
さらに、3度目のステップS202以降の処理では、先ずステップS217で右リール停止フラグMFがOFF(MF=0)であり、なおかつ、右リール停止ボタン211cの押下操作が受け付けられたかを判定していくことになるが、以降のステップS218,S220等の処理は、上記のステップS210以降の処理(ステップS211,S213)と同様であるため詳細な説明は省略する。
そして、ステップS223にて、右リール停止フラグRFをON(MF=1)として、ステップS209に移る。
最後にステップS209では、この時点において、全てのリール301a,301b,301cが停止状態となっていることから、この判定が満たされ、リール停止処理が終了する。
なお、「中押し」の停止操作手順の場合も上記と同様の説明ができるため詳細は省略する。ただし、「逆押し」の停止操作手順の場合は上記の説明と一部異なる点があるため、以下に説明する。
「逆押し」の停止操作手順で、上記の「順押し」あるいは「中押し」の停止操作手順と異なる点は、ステップS221(第1リール停止処理の後に残りのリール停止制御テーブルの決定)についてである。すなわち、「逆押し」の停止操作手順では、右リール301cのみが停止状態となり、なおかつ、右リール301cの停止目のうち、下段位置にいずれかの当選役図柄があった場合、まだ2つの有効ラインのいずれにも該当当選役図柄を揃えることが可能である。従って、ステップS221の段階では、いずれの有効ラインにも該当当選役図柄を揃えることのできるリール停止制御テーブルを複数用意しておき、いずれかを選び出すものとすればよい。
[11−4−1.リール停止制御]
上記のリール停止処理では、成立フラグに対応した当選役図柄(該当当選役図柄)を極力図柄表示窓401内に引き込むリール停止制御を行う(いわゆる、引き込み制御といわれる)。具体的には、遊技者によるリールの停止操作が受け付けられた時点で、図柄表示窓401内に停止させることが可能な範囲(該当当選役図柄を引き込むことが可能な範囲、例えば、図柄4個分)を予め決めておき、その範囲内に該当当選役図柄がある場合、これを図柄表示窓401内に引き込んでリールを停止させる制御を実行する。なお、ここでいう「引き込むことが可能な範囲」とは、リールの停止操作が受け付けられてから当該リールが停止するまでに、リールの回転方向にみて移動が可能な図柄の最大数のことをいう。例えば、引き込み可能な範囲を最大で図柄4個分とすれば、当該リールの停止操作が受け付けられた場合、その位置を基点にしてさらに図柄4個分までリールの回転移動が可能となる。
従って、このようなリール停止制御によれば、リールの停止操作が受け付けられた時点で、図柄表示窓401内に該当当選役図柄がなかったとしても、該当当選役図柄が引き込み可能な範囲内にあれば、その該当当選役図柄を図柄表示窓401内にまで移動させたうえで停止させることが可能となる。また、この引き込み制御を行うことにより、遊技者は該当当選役図柄の目押しのタイミングが多少早かったとしても、引き込み可能範囲内に当該当選役図柄があれば、その当該当選役図柄を図柄表示窓401内に引き込んで停止させることができる。従って、取りこぼし(当該当選役図柄を揃えることができずに当該当選役に対応する遊技特典を獲得できずにその遊技特典が消滅してしまうこと)が生じることを極力抑えることができる。
スロットマシン1では、リプレイ役や一部の押し順不問の小役に対応する条件装置が作動している場合には、遊技者の目押しを必要とせずに必ず該当当選役図柄を揃えることができる。これは、リプレイ役、小役等のそれぞれに対応する図柄組合せを構成する図柄について、対応するそれぞれの当選役図柄が最大で4個分の図柄おきに配置されているからである(前述の図46参照)。リールの引き込み制御において、最大引き込み数が4個(4コマ)とされるとき、上述のように最大4個分の間隔で配置された図柄は、押しタイミング(押し位置)に拘わらず、常に有効ラインに引き込むことが可能となる。このような配置状態にある図柄組合せについて「引き込みが1である」と表すことがある。
具体的には例えば、所定のリプレイ役の当選時にリプレイ図柄が中段に揃うとするとき、リプレイ図柄について着目すると、左リール301a上では、リプレイ図柄からリプレイ図柄までの間が4コマ以内となるように配置されている(図46参照)。これにより、左リール301aでは、リールのどの位置で停止操作が受け付けられても、リプレイ役に対応する条件装置が作動している限り、必ずリプレイ図柄を有効ライン上のいずれかに引き込んで停止させることができる。
また、内部抽選の結果がボーナス役と小役との重複役であるような場合は、ボーナス図柄よりも小役を優先的に引き込むものとしている。ボーナス役と小役との重複役に当選した場合、この当選したゲームにおいては小役に対応する図柄組合せが表示されたとしても、当該ボーナス役の成立状態が次ゲーム以降に維持され、次ゲーム以降の小役(又はリプレイ役)が成立しなかったゲームにおいて、当該ボーナス役に対応する図柄組合せが表示される。
以上がテーブル方式によるリール停止処理の一例である。これとは別にコントロール方式によるリール停止処理があるが、これについても公知の処理を適用可能であるため、ここでは具体的な説明を省略する。また、第1の実施形態においてコントロール方式またはテーブル方式のいずれのリール停止処理を実行してもよく、どの方式を採用するかは制御プログラムを構築するにあたって適宜決定すればよい。
[11−5.判定処理]
リール停止処理が終了すると、メイン基板409は、図柄表示窓401内にていずれかの有効ライン上に当選役図柄が揃っているか(いずれかの当選役に該当する図柄の組合せ態様が表示されているか)否かについて判定を行う。図81では、この判定処理の内容を具体的に説明する。
リール停止処理により全てのリール301a,301b,301cが停止した状態となると、図柄表示窓401内の停止目の態様から、いずれかの有効ライン上に当選役図柄が揃っているか(当選役に対応する図柄の組合せ態様が表示されているか)否かを判定する。なお、特に全てのリール301が停止状態となった場合の停止目は停止出目と呼ばれる。
まず、ステップS301では、ボーナスゲーム中であるかを判定する。これは、所定のゲーム状態フラグ(例えばボーナスゲーム中フラグ)のON状態(=1)、OFF状態(=0)を判定することである。ボーナスゲーム中フラグがON(=1)となっていると、ステップS301の判定が満たされるので、ステップS302の処理に移行する。また、ボーナスゲーム中フラグがOFF(=0)となっていると、ステップS301の判定が満たされず、ステップS312の処理に移行する。
ステップS302では、有効ライン上に停止した図柄組合せがボーナス図柄(ボーナス役に対応する図柄組合せ)であるか否かを判定する。図柄組合せの判定を具体例で説明すると、ボーナスを図49等に示したBB1とすれば、BB1に対応する図柄組合せとは、有効ライン上に「赤7」の図柄並びであり(図51参照)、何れかの斜めライン上にこのような図柄並びが停止しているときに、BB1図柄(ボーナス図柄)が停止したと判定できる。このようにして、ボーナス図柄の図柄組合せが有効ライン上に停止したと判定した場合は(ステップS302のYES)、ボーナスゲームの開始に関するボーナスゲーム開始処理を行い(ステップS303)、その後、処理を終了する。ボーナスゲーム開始処理については、図82を参照して後述する。一方、ステップS302において有効ライン上に停止した図柄組合せがボーナス図柄ではないと判定した場合は(ステップS302のNO)、ステップS304の処理に移行する。
ステップS304では、有効ライン上に停止した図柄組合せがリプレイ図柄(リプレイ役に対応する図柄組合せ)であるか否かを判定し、リプレイ図柄であると判定した場合は、リプレイゲーム処理を実行する(ステップS305)。このリプレイゲーム処理では、当該ゲームでのベット数と同じベット数(この例ではMAXベット)にて次回のゲームを開始させるために、MAXベットコマンドをRAM1114に一旦記憶させる。このコマンドに基づき、次回のゲームを再遊技として開始させることができる。ステップS305の処理後は、リプレイ当選フラグをOFF(=0)にして(ステップS306)、処理を終了する。
ステップS304において有効ライン上に停止した図柄組合せがリプレイ図柄ではないと判定した場合は(ステップS304のNO)、次なる判定処理として、当該図柄組合せが小役図柄(小役の入賞を示す図柄組合せ)であるか否かを判定する(ステップS308)。ステップS308で小役図柄であると判定した場合は、ステップS309の処理として、揃っている小役図柄に応じた規定枚数のメダルの払い出しを実行する(メダル放出装置110より規定枚数のメダルを払い出す)。そして、メダルの払出枚数を表示する(払出枚数表示LED612に表示する)。これにより、遊技者には当該小役に対応した規定枚数のメダルが払い出されたことが報知(告知、表示)される。そして、ステップS309の処理が終了した後は、該当する小役当選フラグをOFF(=0)にして(ステップS310)、処理を終了する。
ステップS308において有効ライン上に停止した図柄組合せが小役図柄ではないと判定した場合(ステップS308のNO)、上記のステップS302,S304,S308のいずれの判定も満たされず、有効ライン上にはいずれの当選役図柄も揃っていない。なお、このときの出目は「ハズレ目(バラバラな図柄の組合せ態様)」とも呼ばれる。このような場合には、ハズレ処理を実行する(ステップS311)。ハズレ処理では、この時点でON(=1)状態となっている当選フラグがボーナスを除く他の当選フラグの場合、当該当選フラグをOFF(=0)にする。また、いずれの当選フラグもON(=1)となっていない場合(このときはハズレフラグがON(=1)となっている)には、ハズレフラグをOFF(=0)にする。ステップS311のハズレ処理の後は、判定処理を終了する。
上記のステップS302からステップS311までの処理は、遊技状態が通常状態又はボーナス内部状態に制御されている場合に実行する処理となる。次に、ステップS301の判定が満たされなかった場合に行われるステップS312以降の処理について説明する。ここでの処理は、遊技状態がボーナス状態に制御されたボーナスゲーム(BBゲーム)中に実行する処理である。
ステップS312では、有効ライン上にボーナスゲーム時払出図柄が揃っているかを判定する。ここでいう「ボーナスゲーム時払出図柄」とは、ボーナスゲーム中に揃うことでメダルの払出が行われる図柄組合せの総称を意味し、具体的には、ボーナスゲーム時払出役(本例では、通常状態又は内部状態において払出が規定された小役と同じとしているが、特別なボーナス専用役を用意してもよい)に対応する図柄組合せである。ステップS312で肯定判定が得られた場合は、揃っているボーナスゲーム時払出図柄に応じた規定枚数のメダルの払出処理を実行する(ステップS313)。メダルの払出処理では、メダル放出装置110より規定枚数のメダルを払い出すとともに、メダルの払出枚数を払出枚数表示LED612に表示する。このようなメダルの払出処理によって、遊技者には当該ボーナスゲーム時払出役に対応した規定枚数のメダルが払い出されたことが報知(告知、表示)される。
ステップS313に次いで、ステップS314では、当該ボーナスゲームを終了させるか否かを判定するボーナスゲーム終了判定処理を実行し(詳細は図83を参照して後述する)、その後、判定処理を終了する。
ステップS312においてボーナスゲーム時払出図柄が停止していないと判定した場合は(ステップS312のNO)、当該成立フラグをOFF(=0)にして(ステップS315)、処理を終了する。ステップS312でNOとなるパターンとしては、ボーナスゲーム時払出役に当選したが取り零した場合、及び、ボーナスゲーム時払出役に当選しなかった場合が考えられる。ステップS315の処理において、前者の場合は、ボーナスゲーム時払出役の成立フラグをOFFにし、後者の場合は、ハズレフラグをOFFにする。なお、ボーナスゲーム中に必ず当選するようなボーナス専用役が用意され、さらに、そのボーナス専用役の当選時には取り零しなく当該役の入賞を可能とするような場合には、ステップS315の処理を省略してもよい。
以上のステップS301〜S315の処理が、メイン基板409(特にCPU1110)によって行われる遊技状態の判定処理であるが、スロットマシン1がAT機能を備える場合には、この他に、ATゲームに関する判定処理(ATゲーム判定処理)が行われる。
ATゲーム判定処理では、1回の遊技ごとに、ATゲームの継続、終了、及びゲーム数管理等に関する判定処理(ATゲーム判定処理)が行われる。ATゲーム判定処理は、指示の発生に影響を及ぼす性能の処理に相当するため、メイン基板409が実行する。
なお、ATゲーム判定処理が行われるタイミングは、図81に示す判定処理のうちの適当なタイミングであれば良いが、ここでは、一例として、ステップS306,S310,S311,S314,S315の各処理の後に、ATゲーム判定処理が行われるとする。ATゲーム判定処理の詳細については、[11−5−3]で図84を参照しながら説明する。
[11−5−1.ボーナスゲーム開始処理]
前述の図81のステップS302の判定が満たされた場合、ボーナスゲーム開始処理を実行する。このボーナスゲーム開始処理について図82を用いて説明する。
まず、ステップS401では、ボーナスフラグ(例えば、BB1フラグ)がON(=1)となっているかを判定する。ステップS401の判定が満たされると、ステップS404に移る。ステップS404では、ボーナスゲーム中フラグをON(=1)にするとともに、ボーナスフラグをOFF(=0)にする。次いでステップS406にて、ボーナスゲーム中の累計払出枚数カウントをクリアする。これにより、次のゲームから累計払出枚数の累算が実行される。そして、次ゲームからは、ボーナスゲームの規定数(本例ではBB1ゲームの規定数は3枚)のベット数でボーナスゲームが開始される。
また、ステップS401の判定が満たされない場合、ステップS402に移り、エラー処理を実行する。このような場合となるのは、ボーナスフラグがOFF(=0)であるにも関わらず、ボーナス図柄が揃ってしまうような場合が該当する。すなわち、何らかの不正な手段(例えば、ゴト行為)が行われたか、あるいはスロットマシン1に故障が生じたか、いずれかの場合に起こり得るものである。従って、エラー処理では、エラーランプ604の点灯や、その他前述のLED等にエラー発生を知らせる表示を行う。
[11−5−2.ボーナスゲーム終了判定処理]
続いて、前述の図81のステップS314のボーナスゲーム終了判定処理について図83を用いて説明する。
まず、ステップS451では、前述の図81のステップS313にてメダルの払い出しがあったことを受けて、ボーナスゲーム中の累計払出枚数に当該ゲームの払出枚数を加算する。
次にステップS452では、累計払出枚数がボーナスごとに規定された総払出枚数(例えばBB1の場合は280枚)を超えたか否かを判定する。このステップS452の判定が満たされない場合、ステップS454に移り、ボーナスゲーム中の累計払出枚数を表示する(払出枚数表示LED612等に表示する。なお、累計払出枚数は表示用のLED等を別途設けてこれに表示するものとしてもよい)。
一方、ステップS452の判定が満たされなかった場合は、ボーナスゲーム中フラグをOFF(=0)にし(ステップS460)、処理を終了する。
[11−5−3.ATゲーム判定処理]
図84は、ATゲーム判定処理の処理手順を示すフローチャートである。[11−3−2]等で前述したように、ATゲームは、AT抽選でATに当選したことに基づいて実行されるゲームであり、ATゲームが実行されているときに押し順小役(押し順ベル)の当選役に当選すると、「適正な押し順」等の指示情報が特別表示LED612に表示される(指示機能表示)とともに、当該指示機能表示に沿った教示演出(ナビ表示)が画像表示体500等に表示される。ATゲーム判定処理は、このようなATゲームの開始、継続、並びに終了等に関する判定処理であり、ATの制御主体であるメイン基板409(特にCPU1110)によって実行される。以下では、図84を参照してATゲーム判定処理の一例を説明する。
まず、ATゲームの概要を説明する。ATゲームは、ATゲームの開始条件が成立した場合に開始され、ATの終了条件が成立するまでの間、以降のゲーム期間で継続して実行される。[11−3−2]以下の指示機能処理で説明したように、ATゲームの開始条件が満たされた場合には、所定の内部フラグ(ATフラグ)がON(=1)にされてATゲームが開始され、ATゲームの終了時にはATフラグはOFF(=0)にされる。なお、ATフラグのようなATゲームに関する内部フラグや後述するATゲーム数等の情報は、ATゲームを制御するメイン基板409内のメモリ(例えば、RAM1114)で保持されるが、サブ基板510内のメモリ(例えば,RAM1122)でも同様の情報が保持されるようにしてもよい。
ATゲームが開始される条件(ATフラグがONになる条件)については、[11−3−2]以下で詳述した通りであるが、簡単に言えば、AT抽選でATに当選した状態(AT内部フラグがON)で、当該当選したATの開始条件が成立することである。また、これも既述したことであるが、ATフラグがONにされてATゲームが開始するときは、AT内部フラグはOFFにされる。
図84のステップS501では、ATゲーム判定処理の最初の処理として、現在のATフラグを前ゲームのATゲーム判定処理におけるATフラグと比較して、ATフラグがON(=1)になったか否かを判定する。すなわち、ステップS501では、前ゲームから現ゲームにかけて、ATフラグがOFFからONになったか否かを判定する。前ゲームのATゲーム判定処理におけるATフラグの値は、別途記憶されているとする。ATフラグがONになったと判定された場合は(ステップS501のYES)、AT開始時のATゲーム数をセットし(ステップS502)、処理を終了する。AT開始時のATゲーム数(所謂、初期ゲーム数)は、固定ゲーム数が予め設定されるようにしてもよいし、AT当選時にゲーム数が抽選されてもよいし、その他の方法によって決定されてもよいが、ここでは一例として、前述の指示機能処理で決定済みの初期ゲーム数がAT開始時のATゲーム数としてセットされるとする。
このようなステップS502の処理が行われることで、次ゲームからATゲームが開始される。なお、ATゲームの開始時には、ATゲームの開始、及びATゲーム数を遊技者に明示する演出が行われる(例えば、AT開始画面の表示)。
一方、ステップS501でATフラグがONになったとは判定されなかった場合、すなわち、ATフラグがOFFであるか、ATフラグが前ゲームからONである場合は(ステップS501のNO)、ATフラグがON(=1)であるか否かを判定する(ステップS505)。ATフラグがONであると判定された場合は(ステップS505のYES)、ATゲーム中の1ゲームが行われたということであるから、ATゲーム数の値を「1」減算する処理を行う(ステップS506)。ステップS505においてATフラグがONではないと判定された場合は(ステップS505のNO)、ATゲーム中ではないので、そのまま処理を終了する。
ここで、スロットマシン1が、ATゲーム開始時に決定された開始時ゲーム数とは別に、ATゲーム中に所定の条件を満たしたことに基づいて、ATゲーム数を追加する上乗せ機能を有しているとすると、ATゲーム数の上乗せが行われる際は、所定の内部フラグ(上乗せフラグ)がON(=1)にされるとともに、追加されるATゲーム数(上乗せゲーム数)が決定される。なお、上乗せが決定される条件は特に限定せず、役抽選における特定の当選役の当選であってもよいし、別の何らかの抽選結果に基づいて決定される等してもよい。また、上乗せゲーム数の決定方法についても、特段の方法に限定しない。そして、以下のステップS507〜S509の処理は、ATゲーム数の上乗せ機能を有する場合に行われる処理である。
まず、ステップS507では、上乗せフラグがON(=1)であるか否かを判定する。上乗せフラグがONであった場合は(ステップS507のYES)、現在のATゲーム数に上乗せゲーム数を加算する処理を行い(ステップS508)、上乗せフラグをOFF(=0)にする(ステップS509)。この結果、残りのATゲーム数が上乗せ分だけ増加することになり、遊技者にとって有利なATゲームの継続期間が延長される。
ステップS509の処理後(上乗せ機能を有しない場合は、ステップS506の処理後)、現在のATゲーム数が「0」であるか否かを判定し(ステップS510)、「0」であった場合は、ATゲームの終了条件を満たすことになるので、ATフラグをOFF(=0)にして(ステップS511)、処理を終了する。なお、このとき、ATゲームの終了を遊技者に明示するだけでなく、一連のATゲームに関する情報(例えば、当該ATゲームにおける払出メダルの総数やATゲーム継続数等)も遊技者に明示するようにしてよい。
ステップS510の判定で、現在のATゲーム数が「0」ではなかった場合は(ステップS510のNO)、ATゲームの終了条件を満たしていないため、ATフラグを変更せずに処理を終了する。その結果、以降のゲームでもATゲームが継続される。
なお、図84で説明したATゲーム判定処理は、ATゲーム用の遊技状態に制御されるゲーム期間(ATゲーム期間)が、1ゲームごと1カウント減算される方式である場合の処理例であるが、ATゲーム期間が他の減算方式(例えば、ATナビの出現回数によってATゲーム期間が定められる方式)によって管理される場合は、当該減算方式に応じた適切なATゲーム判定処理を行うことが望ましい。
また、スロットマシン1がAT機能を備える場合、ATゲーム判定処理のために、ATゲームの開始を示す内部フラグ(例えばAT開始フラグ)をATフラグとは別に用意してもよい。AT開始フラグは、AT初当り抽選に当選してATゲームの開始条件が満たされたときにON(=1)にされる内部フラグとする。このような場合、ATゲーム判定処理による一連の処理において、ステップS501でAT開始フラグがONであるか否かを判定し、AT開始フラグがONであった場合は、ステップS502でATの初期ゲーム数をセットした後に、ATフラグをONにするとともにAT開始フラグをOFFにするような処理を行えばよく、ステップS501でAT開始フラグがOFFであった場合は、ステップS505以降の処理を行うようにすればよい。
[11−6.演出動作の制御]
以上は、主にメイン基板409による制御の例であるが、スロットマシン1では、ゲームの進行にあわせてサブ基板510により各種演出動作の制御を実行する。これはメイン基板409から出力される各種コマンド(情報コマンド、出力信号)に基づいて、サブ基板510(主にCPU1118等)にて実行するものである。前述の通りメイン基板449から出力された各種コマンドは、一旦、RAM1122に記憶される。そして、当該コマンドに基づき、予め用意された演出態様を選択し、実行するものである。このような演出態様は、演出態様データテーブル(図示しない)としてROM1120内に格納されており、当該コマンドに対応する演出態様が複数用意されている。
例えば、演出態様としては、当該ゲームのみで完結するもの(以下、単発演出態様という)や、複数のゲームにわたって行われるもの(以下、連続演出態様という)などが含まれる。このうち、単発演出態様には、当該当選フラグを示唆する演出(示唆演出、告知演出、詳細は後述)、メダルの払い出しを知らせる演出(払出演出、なお、払い出し枚数までを知らせる態様でもよい)などがある。
示唆演出は、遊技者に当該当選フラグを直接的に知らせる演出(告知演出)とは異なり、当該当選フラグを間接的に知らせる演出のことをいう、例えば、当該当選フラグに該当する当選役の形、色などを表現した表示等を行うといったことである。また、示唆演出は、当該当選フラグがない場合(つまり、ハズレの場合)にも行われる。この場合には、ハズレであることを気付きにくい内容の演出とする(例えば、いずれの当選役とも取れるような曖昧な内容)。これにより、当該ゲームがハズレであることを遊技者に気付きにくくすることができる。
告知演出は、例えば、当該当選フラグがボーナス役であった場合やAT抽選でAT当選した場合等に、「ボーナス確定!」や「AT当選!」等、遊技に関する結果を遊技者に明確に知らせることのできるものである。この演出は、特にボーナスやATなど遊技者にとって喜ばしい当選役(メダルを大量に獲得できる可能性があるため)について実行させるとより効果的である。すなわち、遊技者がAT等に当選した際に、そのことを祝福する意味合いを持たせることができるからである。
また、連続演出態様としては、通常状態、ボーナス内部状態、ボーナス状態等の遊技状態に対応したものがある。これらは、遊技状態がどのようになっているかを明確にするものであり、遊技者はこれらの演出(連続演出)が行われることにより、現在の遊技状態が、例えば通常状態であるのかボーナス内部状態であるのか、といった区別を付けることが容易となる。
また、第1の実施形態のスロットマシン1では、上記のような遊技状態(通常状態、ボーナス内部状態、ボーナス状態)に対応した連続演出態様だけでなく、ATの前兆演出等のように、遊技者に有利な特別遊技(例えばATゲーム)に移行するか否かを示唆又は教示する態様で連続演出を実行するようにしてもよい。また、このような連続演出は、周辺基板(例えばサブ基板510)による制御に限定されるものではなく、メイン基板409によって制御されてもよい。さらに、このような連続演出は、1ゲームで完結するようにしても良いが、複数ゲームに亘って関連する演出内容が表示される態様で連続して実行され、最後にその結果が表示されることが一般的である。例えば、有利状態への当選の有無を結果で教示する前兆演出において、最初に1ゲームのタイトル表示が行われ、その次から1ゲームから複数ゲームに亘る「連続演出」が行われるとすれば、これらの一連の演出も全体的には連続演出といえる。そして、このような連続演出(例えば前兆演出)の結果が表示された時点で、遊技者は、以後のゲームで特別遊技が行われる特別遊技状態に移行するか否かを認識することができる。
なお、以上に述べた各種の演出態様は、画像表示体500による画像の表示や、スピーカ512等による効果音の発生、LED装飾等による発光や点灯等、として実行させることができる。このような演出態様は、遊技者が長い時間ゲームを続けている場合など、退屈な印象を与えづらくすることができるものである。なお、演出態様は、画像表示体500、スピーカ512、LED装飾等で実行されることに限られるものではない。例えば、画像表示体500に代えて、ELディスプレイ(Electroluminescence Display)や、ドットLEDを用いてもよい。さらに、キャラクタを模した人形や、可動可能な模型等や、サイドリール(例えば、各リールとは別の位置に配され、演出の一環として遊技者の操作に因らずにその始動と停止を実行するもの)や、あるいは、ランプなどの照明(例えば、回転灯に代表される回転可能なライト等)を設けて各種演出を実行させるものとしてもよい。このような方法をとれば、液晶表示等を用いずとも遊技者を十分に楽しませることが可能である。
[11−6−1.ボーナスに関する報知演出]
上述のように、本実施形態のスロットマシン1では様々な演出動作を実行可能であるが、これらの演出動作のうちでも、「複数種類のボーナス役(BB1,BB2,MB,SB)を備え、各ボーナス役に当選しボーナスゲームが実行されることによって様々な遊技状態に遷移する」という本実施形態の特徴に着目することで、ボーナスに関する特徴的な報知演出を実行することができる。
まず、第一種特別役物に係る役物連続作動装置による「BB1」及び「BB2」については、各ボーナス役「BB1」または「BB2」の当選に基づいて、ボーナスフラグの成立を報知する告知演出を実行可能である。この告知演出は、演出が実行された時点で何らかのボーナス(または特定のボーナス)当選が確定するような演出態様でもよいし、ボーナス非当選(はずれ)の報知結果を含む演出態様であってもよい。また、告知演出の実行タイミングは、各ボーナス役「BB1」または「BB2」に当選したゲームで報知する「即報知」であってもよいし、当選ゲームの後、ボーナスゲームが作動せずに(すなわち、ボーナス内部状態に制御された状態で)数ゲームが経過する間に、ボーナスフラグの成立を報知する「後報知」であってもよい。
特に、「後報知」で告知演出を行う場合には、連続した演出内容を数ゲームに亘って表示し、その後、成立しているボーナスフラグを告知する「連続演出態様」を採用してもよい。本実施形態では、内部抽選で「BB1」または「BB2」に当選したとしても、それぞれのボーナス役に対応する図柄組合せが即表示されるとは限らず、ボーナス内部状態(BB1内部中、BB2内部中)に制御されるゲーム期間が存在し得る。したがって、このようなゲーム期間において、上記の連続演出態様による後報知を行うことができる。
より具体的な演出内容としては例えば、BBのボーナスに当選しているか否かを煽る演出態様や、BB1とBB2の何れに当選したかを煽る演出態様が考えられる。本実施形態では、BB1,BB2の何れのボーナスゲームも遊技者には有利なゲーム期間であるから、BBのボーナスに当選しているか否かという煽り演出は、遊技者の興趣を高める効果が得られる。また、BB1ゲームのほうがBB2ゲームよりも遊技者に有利(ボーナスゲームにおける総払出枚数が多い)ことから、BB1とBB2との間での煽り演出も、遊技者の興趣を高める効果がある。
また、本実施形態では、MBに当選した場合も、当選ゲームでMBに対応する図柄組合せが表示されるとは必ずしも限らない(MBの当選後、MB内部中に移行することがある)ことから、さらに別の演出内容として、BB1とBB2との煽りだけではなく、BBとMBとの煽りを行うようにすることもできる。ここで、本実施形態におけるMBボーナスは、出玉率が1を超えないように制御された「遊技者にとって不利なゲーム期間」であることから、BBとMBとの間での煽り演出の結果は遊技者が受ける有利/不利に直結するため、遊技者のドキドキ感を大きく高める効果が期待できる。
なお、当選ゲームから遅くとも所定のゲーム数が経過するまでの間に、「即報知」または「後報知」によってボーナスの成立が必ず報知されるように制御される場合、このような報知演出をまとめて「完全告知」と呼ぶ。本実施形態のスロットマシン1では、「完全告知」を行うようにしてもよいし、所定の条件が成立したときに「即報知」または「後報知」による告知演出を行うようにしてもよい。「完全告知」を行う場合は、ボーナス役に当選してから少なくとも数ゲームの間に、ボーナスフラグの成立が必ず告知されることで、遊技者に安心感を与えることができる。また、所定の条件が成立したときに告知演出を行う場合は、当該告知演出が行われなくてもボーナスフラグが成立している可能性が残ることから、遊技者に常にボーナスの期待を抱かせることができる。
また、本実施形態におけるこれらの告知演出は、サブ基板510によって制御される画像表示体500の液晶画面上で実行されてもよいし、メイン基板409によって制御される指示機能によって特別表示LED612で押し順や押し位置が教示されるようにしてもよい。そしてこのとき、図46の配列を利用すると、遊技者をより楽しませる演出が可能となる。具体的には、左リール301aに配列番号10番の「赤7」図柄を、中リール301bに配列番号20番の「赤7」図柄をそれぞれの下段に狙わせる指示を表示させる。このとき、左リール301a,中リール301bのそれぞれ下段に「赤7」図柄が停止したとすれば、下段ライン623bが「赤7」−「赤7」という図柄の並びになるとともに、右下がりライン623eが「リプレイ」−「リプレイ」という図柄の並びになる。この状況は、3種類のボーナス役に対応する図柄組合せのリーチ状況となる(所謂、トリプルリーチ)。具体的には、図51の図柄組合せを参照すると、右リール301cの下段に「赤7」図柄が停止するとBB1、「BAR」図柄が停止するとBB2、「ボム」図柄が停止するとMBの図柄組合せが揃うことになる。したがって、このような指示演出を行う場合には、最後の右リール301cの下段に配列番号18番(「ボム」図柄)〜配列番号20番(「赤7」図柄)を狙わせるようにすることで、何れの図柄が止まるかを楽しませることによって、最後のリールが停止するまで遊技者の興趣を高めることができる。
[11−6−2.特定ゾーンにおける煽り演出]
また、本実施形態のスロットマシン1では、特定のゲーム期間を遊技者の関心が高い期間とすることができるため、当該特定のゲーム期間(特定ゾーン)において遊技者の注意を惹き付けるような煽り演出を実行するようにしてもよい。以下に特定ゾーン及び煽り演出についてより詳しく説明する。
本実施形態では、通常時(通常状態)が、従来の遊技機よりも非常に高い確率で「BB1」及び「BB2」に当選し得るように設定されることで、BB1ゲームまたはBB2ゲームへの移行が期待できる遊技状態となっている。さらに、BB1ゲームまたはBB2ゲームが終了した後は、遊技状態が再び通常時に制御されることから、比較的短いゲーム期間の間にBB1ゲームまたはBB2ゲームが連続して作動し、まとまった量の遊技媒体が得られるゲーム展開に期待することができる(本実施形態の例では、BB1ゲーム1回の総払出数は280枚を超え、BB2ゲーム1回の総払出数は110枚を超える)。
このことから、本実施形態における通常時は、遊技者にとって有利な展開に期待できる遊技状態であり、さらに、各種のボーナスゲーム(BB1ゲーム、BB2ゲーム、MBゲーム、SBゲーム)の終了後の遊技状態が通常時に制御されることから、ボーナスゲーム終了後の所定のゲーム期間を、有利なボーナス役の当選(BB1,BB2)に期待できる「特定ゾーン」として、煽り演出を実行することができる。煽り演出には、映像(画像表示体500)、音(スピーカ512)、光(照明装置502や特別LED表示612等)などを用いることができる。例えば、特定ゾーンの間、その他のゲーム期間とは異なる音声パターンやLED表示パターンで出力を行ったり、より遊技者の関心を惹きつけるような派手な出力態様を行ったりしてよい。そして、このような煽り演出を行うことで、所謂「連荘ゾーン」として「特定ゾーン」を明示しながら遊技を楽しませることができる。
「特定ゾーン」の設定例としては、例えば、各ボーナスゲーム終了後に所定のゲーム数が経過するまで(例えば32ゲーム)の間を「特定ゾーン」とすることが考えられる。このような場合、ボーナスゲーム終了後、所定のゲーム数を消化するまでの間が有利なボーナスゲームに移行しやすいチャンス期間であると遊技者に感じさせることができ、遊技興趣を高めることができる。
また、「特定ゾーン」の別の設定例としては、特定のゲーム数経過ではなく、各ボーナスゲーム終了後に内部抽選でボーナス役「MB」(本実施形態では「MB+チェリー」)に当選し、「MB」に対応する図柄組合せが表示されるまで(言い換えれば、「MB一般中」に制御される直前まで)を「特定ゾーン」とすることも考えられる。図51によれば、「MB」に対応する図柄組合せ(「リプレイ」−「リプレイ」−「ボム」)は遊技者が識別し易いものであるため、「MB」に対応する図柄組合せの表示によって遊技者にとって不利なゲーム期間(MBゲーム)が開始されることは遊技者から察知し易い。したがって、このような図柄組合せが表示された以降にまで煽り演出を実行することは遊技者の心情に沿わないと考えられる。そして、このような「特定ゾーン」で煽り演出を実行させることによって、遊技者に対しては、見た目上だけでなく内部状態的に、有利なボーナスゲームに移行しやすいチャンス期間において煽り演出がされると感じさせることで、遊技者の信頼を得て遊技興趣を高めることができる。
[11−7.異常状態発生時の処理]
本実施形態のスロットマシン1において異常状態が発生した際に行われる処理について詳しく説明する。
スロットマシン1では、遊技中に異常状態が発生すると、検出されたエラーの種別に応じてエラーの告知が行われる。特に、メイン基板409が検出可能なエラーの場合は、エラーランプ604が点灯(又は点滅)するとともに、特別表示LED612で当該エラーの種別を示すエラー表示を行うことができる。なお、特別表示LED612では、通常は指示機能表示及び払出枚数表示が行われる。また、エラー検出されない場合もあるが、急な電源断も異常状態に含まれる。
上記のような異常状態が発生した場合、通常のゲーム状態に復帰させるためには、エラー解除を行う必要がある(電源断の場合は、電源復帰後にエラー表示が残らなければよい)。エラー解除の方法は発生したエラーによって異なるが、電源断(OFF/ON)を必要とする場合も多い。
[11−7−1.RAMクリア]
ここで、メイン基板409に搭載されたRAM1114におけるデータ値のクリア(RAMクリア)を説明する。
本実施形態のスロットマシン1では、設定変更や電源のOFF/ON等の特定の操作時に、それぞれの操作に応じたアドレス範囲で、メイン基板409のRAM1114に保持されるデータの値を消去又は初期値に書き換えるクリア処理(RAMクリア)が行われる。したがって、エラー解除処理が行われる際も、電源のOFF/ONを伴う場合には、RAM1114の保持データの一部がクリアされる可能性がある。
しかし、指示機能表示中にエラー解除処理が行われたり、メダルの払出中に電源断が発生したりした際、RAMクリアによって指示機能表示や払出枚数表示のために用いられるデータがクリアされると、遊技の継続に支障を与えるケースが想定される。スロットマシン1では、このような課題に鑑みて、RAM1114におけるRAMクリアの対象範囲を予め定めている。
図85は、RAMのデータブロックを説明するための図である。図85には、RAM1114の内部的なイメージが示されており、上端をメモリアドレスの始端とし、下端をメモリアドレスの終端としている。例えば、未使用領域1114zは、データの読み書きが行われていないデータ領域(換言すれば、使用済領域以外のデータ領域)であって、メモリアドレスの終端側にまとまっている。図85に示すように、RAM1114では、格納するデータの種類に応じて複数の「エリア」が予め定められている。また、RAMクリアの対象範囲として、「クリア範囲0」〜「クリア範囲4」の5通りが定められている。なお、それぞれのクリア範囲には、未使用領域1114zが含まれるようにしてもよい。
まず、RAMクリアのクリア範囲について説明する。「クリア範囲0」は、基本的には実施されることがない、全消去に相当する対象範囲を意味する。すなわち、クリア範囲0でのRAMクリアは、通常のメンテナンスやエラー処理では行われることはない。別の視点で言えば、設定値データエリア1114aは、クリア範囲0でRAMクリアが行われるとき以外はデータ値がクリアされることはない。このことは、設定値データエリア1114aは基本的にクリアされないことを意味する。
「クリア範囲1」は、設定キースイッチ1112tを操作して行われる設定変更開始時にRAMクリアが行われる対象範囲を意味する。具体的には、図85に示す使用済領域内のデータエリアのうち、扉フラグエリア1114b以下の全てのデータエリアが対象となり、設定値データエリア1114aはクリアされない。
「クリア範囲2」は、リセットスイッチ112uを操作して行われるリセット時にRAMクリアが行われる対象範囲を意味する。具体的には、図85に示す使用済領域内のデータエリアのうち、ランプONデータエリア1114d以下のデータエリアが対象となり、設定値データエリア1114a〜扉監視タイマエリア1114cはクリアされない。
「クリア範囲3」は、ボーナス終了時にRAMクリアが行われる対象範囲を意味する。クリア範囲0〜クリア範囲2までのRAMクリアは、それぞれのRAMクリアが実行される契機としてホール店員等による作業が必要であるが、ボーナス終了時のRAMクリアは、ボーナス終了後の内部処理で自動的に実行される。ボーナス終了時のRAMクリアでは、具体的には、図85に示す使用済領域内のデータエリアのうち、リプレイ投入枚数エリア1114j以下のデータエリアが対象となり、設定値データエリア1114a〜指示機能表示エリア1114iはクリアされない。
なお、「クリア範囲3」は、単なる電源のOFF/ONを行った時にRAMクリアが行われる対象範囲でもある。すなわち、設定変更やリセット操作が行われることなく電源のOFF/ONが行われた場合には、「クリア範囲3」で対象範囲とされるデータエリアがクリアされる。そして、指示機能表示エリア1114iは「クリア範囲3」には含まれないため、電源のOFF/ONによって指示機能の指示内容が消去されない。
「クリア範囲4」は、毎ゲームの開始時にRAMクリアが行われる対象範囲を意味する。毎ゲーム開始時のRAMクリアは、例えば、メダルの賭け数が決定された状態で始動レバー210が操作されたときの内部処理で自動的に実行される。毎ゲーム開始時のRAMクリアでは、具体的には、図85に示す使用済領域内のデータエリアのうち、表示フラグエリア1114l以下のデータエリアが対象となり、設定値データエリア1114a〜割込チェック用タイマエリア1114kはクリアされない。
次に、図85に示された各データエリアを簡単に説明する。設定値データエリア1114aには、スロットマシン1で設定されている設定値が格納される。
扉フラグエリア1114bには、扉形前面部材200(又は前面開閉部材90)の開閉状態を示す情報が格納され、扉監視タイマエリア1114cには、扉形前面部材200(又は前面開閉部材90)が開いていることを認識するための時間情報が格納される。
ランプONデータエリア1114dには、ランプ(例えば、リプレイランプ606やスタートランプ608等、表示パネル501に配置された表示器)の点灯に関する情報が格納される。クレジット枚数エリア1114eには、クレジット枚数(メダル貯留枚数)を示す情報が格納される。クレジット表示エリア1114fには、メダル貯留枚数を貯留枚数表示LED613に表示させるための情報が格納される。ペイアウト枚数エリア1114gには、当該ゲームで何枚の遊技用価値が払い出されたかというペイアウト枚数(メダル払出枚数)を示す情報が格納される。ペイアウト表示エリア1114hには、メダル払出枚数を特別表示LED612に表示させるための情報が格納される。指示機能表示エリア1114iには、指示機能表示を特別表示LED612に表示させるための、指示機能による指示内容に相当する情報が格納される。
リプレイ投入枚数エリア1114jには、リプレイ動作時に投入する遊技用価値の数(リプレイ時のメダル投入数)が格納される。割込チェック用タイマエリア1114kには、割込処理を実行するために必要なタイマ情報が格納される。
表示フラグエリア1114lには、特別表示LED612に表示されたエラー表示状態を示す情報が格納される。メダル払出枚数エリア1114mには、当該ゲームの結果として払い出す遊技用価値の払出枚数が格納される。投入可能枚数エリア1114nには、遊技用価値の投入が可能か否かの状態を示す情報が格納される。メダル投入枚数エリア1114oには、ゲームの開始前に投入された遊技用価値の枚数が格納される。乱数格納エリア1114pには、条件装置で使用する乱数が格納される。
このように、メイン基板409のRAM1114では、様々な行動(設定変更時や電源OFF/ON時など)ごとにRAMクリアが行われる範囲を設定することによって、効率良いメモリ制御の実現に期待できる。
なお、RAM1114は、遊技機におけるメイン基板409の記憶領域として利用可能な範囲(容量)が規定されており、プログラム等のデータは当該規定された範囲内に格納しなければならない。しかし、近年では、試験信号に係る処理及び不正に関する処理については、当該処理のためのプログラムに関するデータを上記規定された範囲外の未使用領域(例えば、図85の未使用領域1114z)に格納することが許されている。但し、このような未使用領域の利用は、指示機能を有する遊技機に限られるとする。
また、スロットマシン1において、電源断等を経てRAMクリアが行われた後に、RAMクリア前に表示されていたデータを再表示するか否かは、メイン基板409のCPU1110(又はサブ基板510のCPU1118)が、データの種別ごとに決定することができる。すなわち、CPU1110(又はCPU1118)は、電断復帰時に、RAMクリアされなかったデータエリアに格納されたデータを参照して可能な限りデータを再表示するようにしてもよいし、特定のデータ(例えば、払出枚数表示に関するデータやナビ表示に関するデータ等)については、理論的には再表示することができても、プログラム制御によって再表示しないようにしてもよい。なお、このとき、RAM1114のスタックポイントに退避したデータを参照することも含まれる。
[11−7−2.エラー表示]
次に、特別表示LED612におけるエラー表示について説明する。図86は、特別表示LEDによるエラー表示を説明するための図である。スロットマシン1では、図86の「報知種別」欄に記載されたエラー(後述するが、エラーではないものも一部含む)が検出された際に、特別表示LED612で「SEG」欄に示したような所定のセグメント表示をすることによって、検出されたエラーの種別を識別可能に報知する。図86の「報知種別」欄に示された各エラーのうち、サブ基板510で検出される「通信異常(シリーズコードエラー時)」以外の各エラーは、その発生時に各エラーの検出信号がメイン基板409に通知される。なお、図86に示したエラーは、スロットマシン1で検出可能なエラーの一部であり、図示したエラーの他にも、メイン基板409又はサブ基板510で検出可能なエラーが存在する。
以下に、図86の「報知種別」欄に示した各エラーの概要を説明する。
「RAMエラー」は、メイン基板409のRAM1114が壊れているときに報知されるエラーである。一方、「通信異常(シリーズコードエラー時)」は、メイン基板409からサブ基板510に送信されるシリーズコードに異常があったときに検出されるが、サブ基板510によって検出されるため、特別表示LED612にはエラー表示されない。
「設定変更中」又は「設定確認中」は、エラーではないが、その作業中に「設定値」が特別表示LED612に表示(報知)されることから、図86に記載されている。スロットマシン1の設定値は、例えば、RAM1114の設定値データエリア1114aに格納されている。なお、「設定変更中」による報知タイミングは、所定の設定変更操作の開始時とし、「設定確認中」による報知タイミングは、所定の設定確認操作の開始時とする。
「不正払出エラー」は、異常な払出があったときに報知されるエラーである。具体的には、メダル放出装置110が有する駆動手段(不図示)の作動によってホッパ110bからメダルが払い出されるとき以外に払出カウントスイッチ(不図示。メダルの払出枚数をカウントするためのスイッチで、例えばメダル放出装置110に設けられる)がON状態になったときに検出される。なお、図86では、当該エラーを検出したタイミングが「メイン遊技非停止時」であるか「メイン遊技停止時」であるかによって、その報知優先度が異なって設定され、具体的には、「メイン遊技非停止時」に検出したほうが高い優先度とされている。但し、何れのタイミングに検出しても、特別表示LED612では同じ「HF」がセグメント表示される。
「投入メダル通過時間1エラー」、「投入メダル通過時間2エラー」、「メダル通過順序1エラー」、「メダル通過順序2エラー」、「メダル通過間隔時間エラー」、及び「投入メダル逆行エラー」は、メダルがメダル投入口203から投入されてホッパ1110bに到達するまでの過程に異常があったときに報知されるエラーである。ここでいう異常には、メダルの通過経路に関する異常の他、メダル以外の異物投入等による異常等も含まれる。
スロットマシン1では、メダル投入口203から投入されたメダルは、投入センサ207bで通過を検出された場合に(ソレノイド207aがOFF状態の場合)、その後、レバーセンサ、セレクタセンサ、シュートセンサの各センサで通過を検出されながらホッパ110bに到達する。レバーセンサ、セレクタセンサ、シュートセンサは、メダルセレクタ207に設けられるセンサであって、それぞれが設けられた所定位置においてメダルの通過を検出する(不図示)。また、ソレノイド207aがON状態の場合は、投入センサ207bへの経路がロックアウトされることにより、メダルは、メダル投入口203から投入されても、メダルセレクタ207及び返却樋213を経由してメダル用受皿201に戻される。投入センサ207bで通過を検出されたメダルがこのような正常な過程(規定メダル通過シーケンス)を経て移動しなかったときに、メイン基板409では、各センサにおける検出の有無や検出時間等に基づいて上記の各エラーを検出する。
各エラーの概要を説明する。「投入メダル通過時間1エラー」は、投入センサ207bの付近にメダル(メダル以外の異物等も含む)が滞留したときに報知されるエラーであり、具体的には、投入センサ207bによるメダル検出が所定時間(例えば100ms)継続したときに検出される。「投入メダル通過時間2エラー」は、レバーセンサの付近にメダル(メダル以外の異物等も含む)が滞留したときに報知されるエラーであり、具体的には、レバーセンサによるメダル検出が所定時間(例えば500ms)継続したときに検出される。なお、「投入メダル通過時間2エラー」の検出対象期間は常時とするが、当該エラーの報知タイミングはメダル受付開始時(払出処理完了後などの遊技終了時でもよい)とする。
「メダル通過順序1エラー」は、レバーセンサによるメダル検出が未検出(OFF)であるのに、セレクタセンサによるメダル検出が行われたときに報知されるエラーである。より具体的には、セレクタセンサによってメダル通過が検出された以前の所定期間(例えば300ms)に、レバーセンサによるメダル検出がされていなかった場合に、当該エラーが検出される。「メダル通過順序2エラー」は、セレクタセンサによるメダル検出の後、シュートセンサによるメダル検出が行われなかったときに報知されるエラーである。より具体的には、セレクタセンサによってメダル通過が検出された後の所定期間(例えば400ms)に、シュートセンサによるメダル検出がされなかった場合に、当該エラーが検出される。
「メダル通過間隔時間エラー」は、正常時には想定されない態様でメダルが通過したような場合に報知されるエラーである。具体的には、メダルセレクタ207に設けられた各センサにおいて、正常時に想定される最短のメダル通過間隔(すなわち、連続でメダルが投入された場合の通過間隔)よりも短い通過間隔で何らかの物体が通過したという状況が所定頻度(例えば、5回連続)に亘って検出された場合に、当該エラーが検出される。
「投入メダル逆行エラー」は、メダルが規定メダル通過シーケンス以外の経路で移動し、特に、逆行する動きを検出した場合に報知されるエラーである。具体的には、メダルセレクタ207に設けられた各センサ(投入センサ207b、レバーセンサ、セレクタセンサ、シュートセンサ等)によるメダル検出の検出順序に基づいて検出される。
また、「払出メダルジャムエラー」、「払出メダルエンプティエラー」、及び「補助収納庫満タンエラー」は、メダルの払出や貯留に関する異常があったときに報知されるエラーである。各エラーの概要を説明すると、まず、「払出メダルジャムエラー」は、ホッパ110bからのメダル払出中にメダルが詰まったときに報知されるエラーである。具体的には、払出カウントスイッチが所定期間(例えば200ms)以上、ON状態になった場合に、当該エラーが検出される。また、「払出メダルエンプティエラー」は、ホッパ110b内のメダルが空になったときに報知されるエラーである。具体的には、ホッパ110bからのメダルが正常に払い出されず払出の再試行(払出リトライ)が行われるとき、払出リトライ後の所定期間(例えば1500ms)以上に亘って払出カウントスイッチがON状態にならなかった場合に、当該エラーが検出される。また、「補助収納庫満タンエラー」は、メダル用補助収納箱111が満タンになったときに報知されるエラーである。具体的には、メダル用補助収納箱111のメダル満タンセンサ111aが所定基準を超えるメダルの収納を検出した場合に、当該エラーが検出される。
図86の「優先度」欄は、エラー間での報知の優先度合いを示す。本例では、上記優先度は、同時に複数のエラーが検出された場合の優先度合いを意味するとし、仮に1つのエラーが検出された後に当該エラーよりも優先度の高いエラーが検出されたとしても、表示内容は変更しないとする。但し、スロットマシン1におけるエラー表示の優先度は、これに限定されるものではなく、前記例において、後で検出された優先度の高いエラーの表示に切り替えるように定めてもよい。また、「SEG」欄には、特別表示LED612における表示例が示されている。なお、何れにしても、スロットマシン1では、複数のエラーが検出された場合には、それらのエラーが解除されない限りは、遊技を再開する(次ゲームを行う)ことはできない。
また、「報知方法」欄において、「映像」が「○」になっているときは、例えば画像表示体500でエラーを報知する画像が表示される。但し、「映像」による報知画像は、特別表示LED612におけるエラー表示と相違ない表示内容であることが求められる。「音」が「○」になっているときは、例えばスピーカ512から報知音が出力される。「ランプ」が「○」になっているときは、例えばエラーランプ604が点灯又は点滅する。なお、音出力やランプ出力等による報知では、検出されたエラーの優先度に応じて報知態様を変更してもよく、例えば、優先度の高いエラーを検出した場合は、優先度が低いエラーに比べて強調されるような報知態様にしてよい。
また、「リセット解除」欄には、リセットスイッチ112uを操作して行われるリセットによって当該エラーを解除可能か否かが示されている。リセット解除が可能なエラーは、リセットによってエラー解除する際、RAM1114に格納されているデータのうち、「クリア範囲2」のデータエリア(図85参照)がクリアされることになる。
また、「応答性」欄に「即」と記載されている場合は、スロットマシン1が動作中であるときに当該エラーをメイン基板409側で検出可能であることを意味する。例えば、不正払出エラーが検出されると、メイン基板409は、当該検出を通知するコマンドを即時発行する。すなわち、「即」と記載されていても、当該エラーの検出時に必ずしも即時でエラー表示をしなくてもよく、例えば、遊技の結果が得られた後(払出処理の終了後、又は、払出処理の開始前)にエラー表示をするようにしても良い。なお、不正払出エラーは、遊技用価値が不正に払い出されていることを意味する緊急性の高いエラーである。
[11−7−3.エラー発生時処理]
以下では、スロットマシン1において前章で説明したエラーが遊技中に発生した際の処理(エラー発生時処理)について説明する。エラー発生時処理の具体的な詳細は、スロットマシン1がエラーに関してどのような要件定義を備えているかによって異なる。ここでは、スロットマシン1は、以下に示すようなエラーに関する要件定義(第1の要件定義)を備えるとし、このような場合に行われるエラー発生時処理の詳細を説明する。
(1)複数のエラーに対して重要度に基づいたグループ分け(例えば、強エラーと弱エラー)を行わない。
(2)ゲーム中にエラーを検出しても、当該ゲームの進行を継続し、当該ゲーム終了後に当該エラーを表示する。
(3)ゲーム中にエラーを検出しても、指示機能表示を継続して表示する。
図87,図88は、第1の実施形態におけるエラー発生時処理を説明するためのフローチャート(その1,その2)である。図87及び図88は合わせて1つのフローチャートになっており、このフローチャートは、1ゲームの全体的な処理手順は図52で示した処理手順に基づいて、さらに、エラー発生時に行われる処理を詳しく示している。なお、図87,図88では、非電断時(すなわち、電源がOFFにならない状態)でゲームが進行するときの処理手順例を示している。一方、後述する図89は、第1の実施形態における電断復帰処理の処理手順例を示すフローチャートである。図89は、図87,図88の処理において電源OFF/ONが行われたときにもその処理手順が適用される。
[11−7−3−1.エラー発生時処理(非電断時)]
図87,図88を参照しながら、エラー発生時処理を含む1ゲームの処理手順(非電断時)を説明する。なお、全体的な処理の流れは図52に示した一連の処理と重複するため、説明済の処理については、詳細な説明を省略する。また、特段の記載がない場合は、図87,図88の各処理はメイン基板409(主にCPU1110)によって実行される。また、各処理が行われる状況を分かりやすくするため、図68に示した「遊技機の状態」との対応も示す。
まず、図87では、図52のBET処理で説明したように遊技用価値(具体的にはメダル)が規定数投入された後、遊技者による始動レバー210の押下操作が行われることによってゲームが開始される(ステップS801)。このような遊技の流れは、図68に示した「メダル投入」から「始動レバー押下」に対応している。
始動レバー210の押下操作が行われてゲームが開始されると、内部抽選処理が行われ(ステップS802)、当選役に基づいて作動が許容される条件装置が取得される(ステップS803)。
次に、ステップS804では、特別表示LED612で指示機能表示が可能な区間であるか否かが判定される。ここで、指示機能表示が可能な区間とは、指示機能による指示機能表示を実行可能なゲーム(例えば、ATゲーム中)を意味する。なお、これまでは、指示機能表示がATゲーム中に行われることを主に説明してきたが、本実施形態のスロットマシン1では、ATゲーム以外の特定のゲーム期間(例えば、ATに比較的当選しやすいチャンスゾーン(CZ)等)であっても指示機能表示を行うようにしてもよい。このような場合、ATゲーム以外のゲームでも、ステップS804で肯定判定が得られる。
ステップS804において指示機能表示が可能な区間であると判定された場合(具体的には、メイン基板409が指示機能による指示を行うと判定した場合)には(ステップS804のYES)、ステップS803で取得された条件装置に基づいて、指示機能による指示内容を決定する(ステップS805)。次いで、ステップS805で決定された指示内容をRAM1114の指示機能表示エリア1114iに格納する(ステップS806)。
その後、リール301の回転を開始させる(ステップS807)。ステップS807のタイミングは、図68に示した「リール回転開始」に対応する。そして、サブ基板510に指示情報コマンドを送信することによって、指示機能による指示内容を通知する(ステップS808)。この結果、サブ基板510は、受信した指示情報コマンドに基づいて、ナビ表示に関する所定の表示タイミングで、画像表示体500等にナビ表示を行わせることができる。なお、スロットマシン1において、ステップS808における指示情報コマンドの送信は、リール301の回転開始(ステップS807)よりも前のタイミングで行うようにしてもよい。
その後、ステップS806でRAM1114に格納した指示内容を、指示表示機能に関する所定の表示タイミングで特別表示LED612に表示させる(指示機能表示)(ステップS809)。指示機能表示の具体的な表示例は、図58や図59に示した通りである。また、「ナビ表示」や「指示機能表示」に関する所定の表示タイミングについては、図68を参照しながら前述した通りである。そして、ステップS809における指示機能表示の後、ステップS810では、リール停止ボタン211a〜211cの押下操作の受付が開始される。
一方、ステップS804において指示機能表示が可能な区間ではないと判定された場合(具体的には、メイン基板409が指示機能による指示を行うと判定しなかった場合)には(ステップS804のNO)、ステップS805,S806,S808,S809に示したような指示機能に関する処理が行われることなく、リール301の回転が開始され(ステップS811)、リール停止ボタン211aの押下操作の受付が開始される(ステップS812)。
ステップS810及びステップS812は、図68に示した「リール停止ボタン押下受付可」に対応する。そして、ステップS810又はステップS812の処理が行われた後は、ステップS813の処理に進む。
ステップS813では、遊技者によって第一停止ボタンの押下(リール停止ボタン211a〜211cのうち1番目の停止操作)が行われる。このとき、停止操作が行われたリール停止ボタン211に対応するリール301に対して、図80で説明したようなリール停止処理が行われる。ステップS813のタイミングは、図68に示した「第一停止ボタン押下」に対応する。
次いで、メイン基板409は、ステップS813における第一停止ボタンの押下から、その後行われる第二停止ボタンの押下までの間において、エラーが検出されたか否かを判定する(ステップS814)。ステップS814でエラーが検出されなかった場合は(ステップS814のNO)、ステップS815の処理が行われる。ステップS814でエラーが検出された場合は(ステップS814のYES)、ステップS819の処理が行われる。図88では、ステップS814でエラーが検出された場合は、回転中の残りのリール301に対応するリール停止ボタンの停止操作を待つことなくステップS819の処理が行われるように示されているが、残りのリール301に対するリール停止操作を行ってからステップS819の処理が行われるようにしてもよい。これはステップS816の場合も同様である。このようなエラー検出以後の処理は、エラーの種別に応じて優先度(重要度)に差異を設け、当該優先度に基づいて処理を使い分けるようにしてもよい。例えば、「HF(不正払出エラー)」のように普通に遊技している状況では発生しにくいエラーは、優先度の高いエラーとするべきである。そして、このような優先度の高いエラーが検出された場合には、回転中の残りのリール301に対応するリール停止ボタン211の停止操作を待つことなくステップS819の処理が行われるようにするほうが好ましい。
ステップS815では、遊技者によって第二停止ボタンの押下(リール停止ボタン211a〜211cのうち2番目の停止操作)が行われる。このとき、停止操作が行われたリール停止ボタン211に対応するリール301に対して、図80で説明したようなリール停止処理が行われる。ステップS815のタイミングは、図68に示した「第二停止ボタン押下」に対応する。
次いで、メイン基板409は、ステップS815における第二停止ボタンの押下から、その後行われる第三停止ボタンの押下までの間において、エラーが検出されたか否かを判定する(ステップS816)。ステップS816でエラーが検出されなかった場合は(ステップS816のNO)、ステップS817の処理が行われる。ステップS816でエラーが検出された場合は(ステップS816のYES)、回転中の残りのリール301に対応するリール停止ボタンの停止操作を待つことなく、ステップS819の処理が行われる。
ステップS817では、遊技者によって第三停止ボタンの押下(リール停止ボタン211a〜211cのうち3番目の停止操作)が行われる。このとき、停止操作が行われたリール停止ボタン211に対応するリール301に対して、図80で説明したようなリール停止処理が行われる。ステップS817のタイミングは、図68に示した「第三停止ボタン押下」に対応する。
次いで、メイン基板409は、ステップS817における第三停止ボタンの押下後から所定時間が経過するまでの間(例えば、全リール301が停止するまでの間)に、エラーが検出されたか否かを判定する(ステップS818)。その後、ステップS818におけるエラー検出の有無に拘わらず、ステップS819の処理が行われる。
ステップS819では、特別表示LED612における指示機能表示を終了させる。但し、ステップS804において指示機能表示が可能な区間ではないと判定された場合(ステップS804のNO)には、ステップS809における指示機能表示が行われていないため、ステップS819では特段の処理を行う必要はない。
その後、ステップS820では、全リール301(リール301a〜301c)が停止し、有効ライン上に停止した図柄組合せに基づいた入賞の判定が可能になる。ステップS820のタイミングは、図68に示した「全リール停止」に対応する。
なお、図88に示したように、ステップS819及びステップS820の処理は、それまでの遊技中におけるエラー検出の有無に拘わらず行われるが、その後の処理は、エラーが検出されたと判定されたか否かによって異なる。具体的には、それまでの遊技中にエラーが検出されていない場合には、ステップS821からの処理が行われ、それまでの遊技中にエラーが検出された場合には、ステップS825からの処理が行われる。
まず、それまでの遊技中にエラーが検出されていない通常時の処理として、ステップS821では、遊技用価値の払出の有無が判定される。遊技用価値の払出では、有効ライン上に停止した図柄組合せに基づいて入賞役の停止が確認された場合に、当該入賞役に応じた遊技用価値が払い出される。ステップS821で払出がないと判定された場合は(ステップS821のNO)、エラーも検出されていないので、当該ゲームを終了する。ステップS821で払出があると判定された場合は(ステップS821のYES)、特別表示LED612における払出枚数表示を開始する(ステップS822)とともに、遊技用価値(メダル)の払出処理を行う(ステップS823)。その後、エラーは検出されていないので、当該ゲームを終了する。
一方、それまでの遊技中にエラーが検出されていたときの処理としては、まず、遊技用価値の払出の有無が判定される(ステップS824)。
ステップS824の処理は、エラーが検出されなかった場合の処理(ステップS821)と同じであり、払出があると判定された場合(ステップS824のYES)に行われるステップS822(払出枚数表示)及びS823(払出処理)の処理も同じである。
但し、それまでの遊技中にエラーが検出されていたときは、特別表示LED612にエラー表示を行わせるためにステップS826,ステップS827の処理が行われる。なお、ステップS823で払出処理が行われた場合は、払出処理の終了後、特別表示LED612に表示されていた払出枚数表示をクリア(ステップS825)してから、ステップS826以降の処理が行われる。ステップS824で払出がないと判定された場合は、そのままステップS826以降の処理が行われる。
ステップS826では、特別表示LED612に、それまでに検出されたエラーの種別を表示させる(エラー表示)。エラー表示の表示例は、図86に示した通りである。その後、ホール店員や営業所等によってエラー表示で報知されたエラーに応じたエラー解除処理が行われ(ステップS827)、ゲームが終了する。
以上、図87,図88に示した処理が行われることによって、第1の実施形態のスロットマシン1では、ゲーム中にエラーが検出された場合に、特別表示LED612において、指示機能表示や払出枚数表示を遮ることなく、エラー表示を行って検出されたエラーの種別を遊技者又はホール店員等に報知することができる。
以下では、図87,図88のフローチャートに示した処理手順に基づいて遊技が進められるなかで、エラーが発生したとするとき、各種の表示器等による表示期間がどのようになるかを、具体的な状況下で例示する。
図90〜図93は、第1の実施形態におけるエラー発生時の表示期間例(その1〜その4)を示すタイミングチャートである。図90〜図93は、全て指示機能が発生する状況(例えばAT中)であるとする。
まず、図90〜図92の場合は、エラーの発生時(検出時)に、サブ基板510が制御する表示器(例えば画像表示体500)に即座にエラーの詳細を表示させる、という設定でタイミングチャートが示されている。すなわち、エラー発生807がONになると同時に液晶エラー806もONとなる。但し、液晶エラー806がONになっている間は、液晶ナビ805は「表示」できないとする。このような設定は、例えば、メイン基板409がエラーを検出したタイミングで当該エラーの検出情報をサブ基板510にコマンド送信することによって実現できる。
図90では、遊技用価値が払い出されないゲームにおいて、リール回転開始のタイミングでエラーが発生している。このとき、画像表示体500におけるエラーの表示(液晶エラー806)が同時に行われる一方、特別表示LED612におけるエラー表示(セグエラー804)は、リール全停止に至るまで行われない。
図91では、遊技用価値が払い出されるゲームにおいて、停止ボタン押下受付開始のタイミングでエラーが発生している。このとき、液晶エラー806が同時にON(表示)になるとともに、エラーの発生前からON(表示)になっていたナビ表示805が、液晶エラー806のONに伴ってOFF(非表示)に変更される。そして、セグエラー804は、リール全停止となって、その後に遊技用価値の払出処理が完了した段階ではじめてON(表示)となる。
図92では、遊技用価値が払い出されないゲームにおいて、第二停止ボタン押下のタイミングでエラーが発生している。このとき、液晶エラー806が同時にON(表示)になるとともに、エラーの発生前から「表示」されていたナビ表示805が、液晶エラー806のONに伴ってOFF(非表示)に変更される。そして、セグエラー804は、リール全停止になってはじめてON(表示)となる。
このように、図90〜図92の場合は、エラーが発生した際、特別表示LED612では遊技終了後にエラー表示される一方で、画像表示体500では即座にエラーの発生が表示されることから、遊技者等のエラーの発生をいち早く報知することができる。また、特別表示LED612において、指示機能表示、払出枚数表示、及びエラー表示のそれぞれの表示期間を重ねることなく表示することができる。但し、図90〜図92の場合、遊技進行は中断されないものの、液晶エラー806が「表示」になった段階で液晶ナビ805は「非表示」にされることから、ナビ表示を見ながらの指示機能に沿った停止操作ができなくなるケースがある。
一方、図93の場合は、サブ基板510が制御する表示器(例えば画像表示体500)におけるエラーの詳細な表示は、メイン基板409が制御するエラー表示(特別表示LED612におけるエラー表示)のタイミングに合わせる、という設定でタイミングチャートが示されている。すなわち、エラー発生807がONになったとしても、セグエラー804が「表示」となるまで液晶エラー806は「表示」にされない。このような設定は、例えば、メイン基板409が、サブ基板510に対して、エラーの検出情報を送信するだけでなく、特別表示LED612でエラー表示させるタイミングを通知することで実現できる。
図93では、遊技用価値が払い出されるゲームにおいて、第一停止ボタン押下のタイミングでエラーが発生している。このとき、指示機能に関する表示(指示機能802及び液晶ナビ805)は第三停止ボタン押下まで継続して表示され、その後の払出処理までは通常通りに進行する。そして、払出が完了すると特別表示LED612及び画像表示体500におけるエラーの表示(セグエラー804及び液晶エラー806)が行われる。その後、当該エラーに応じたエラー解除処理が行われて当該エラーが解消すると、セグエラー804及び液晶エラー806はOFF(非表示)となり、エラー発生807もOFFとなる。
このように、図93の場合は、エラーが発生しても、特別表示LED612及び画像表示体500では遊技終了後(厳密には、払出がある場合の払出完了時、又は払出がない場合の全リール停止時)にエラーが表示されることで、遊技進行及び遊技操作(具体的には、ナビ表示を見ながらの指示機能に沿った停止操作等)を妨げることなく、当該ゲームにおけるエラーの検出を確実に報知することができる。すなわち、図93の場合は、特別表示LED612における指示機能表示、払出枚数表示、及びエラー表示について、それぞれの表示が意味を持つ(当該表示が有効に作用する)表示期間を確保できるとともに、それぞれの表示期間を重ならないようにすることができる。
[11−7−3−2.電断復帰処理]
図89を参照しながら、第1の実施形態のスロットマシンにおける電断復帰処理の処理手順を説明する。図89に示す電断復帰処理は、エラー解除処理における電源のOFF/ON、エラー非発生時の単なる電源OFF/ON、又は停電等による急な電源断からの復帰等、全ての電断復帰時で行われる。
図89では、まず、全ての状態からの電断処理が開始される。ステップS901では、何れかの電源電圧が所定の閾値以下であるか否かを判定する。所定の閾値判定の具体例をあげると、電源装置112が24V電源と+12V電源とを備えているとするとき、24V電源の電源電圧が20.4V以下であるか、又は、+12V電源の電源電圧が10.5V以下であるか、を判定する。何れの電源電圧も所定の閾値以下ではないと判定された場合は(ステップS901のNO)、処理を終了する。
ステップS901において何れか電源電圧が所定の閾値以下であると判定された場合は(ステップS901のYES)、RAM1114においてスタックポインタを退避エリアに格納する処理を行う(ステップS902)。ステップS902の処理や後述のステップS907の処理は、[11−7−1]のRAM1114のデータエリアに関する説明でも述べた通りである(図85も参照)。
その後、RAM1114に対するデータの保護処理(RAMプロテクト処理)を行ったのち(ステップS903)、スロットマシン1は電源遮断状態となる(ステップS904)。なお、上述のRAMに関する処理は、メイン基板409のRAM1114に限られるものではなく、サブ基板510のRAM1122でも同様の処理を行うようにしてよい。
そして、ホール関係者や自動再起動によって電源の復帰操作が行われると(ステップS905)、まず、何れかの電源電圧が所定の閾値以上であるか否かを判定する(ステップS906)。ここでの所定の閾値は、ステップS901に例示したのと同じ閾値を用いてよい。何れの電源電圧も所定の閾値以上ではないと判定された場合は(ステップS906のNO)、処理を終了する。
ステップS906において何れか電源電圧が所定の閾値以上であると判定された場合は(ステップS906のYES)、ステップS902でRAM1114の退避エリアに格納したスタックポインタを参照し、必要なデータを読み出す(ステップS907)。
そして、貯留枚数表示LED613を表示可能な状態に復帰させる処理を行い(ステップS908)、特別表示LED612を表示可能な状態に復帰させる処理を行う(ステップS909)。
次いで、ステップS904で電源遮断状態にする直前の状態(電断前状態)において、何れかのリール301a〜301cが回転中であったか否かを判定する(ステップS910)。
電断前状態に何れかのリール301a〜301cが回転中であったと判定された場合は(ステップS910のYES)、リール停止操作が完了していないことを意味するので、リール301を電断前の回転状態に復帰させるとともに、RAM1114(より具体的には、図85に示した指示機能表示エリア1114i)に格納した指示機能の指示内容を特別表示LED612に表示させる(ステップS911)。その後、ステップS916に進む。
電断前状態に何れのリール301a〜301cも回転中ではなかったと判定された場合は(ステップS910のNO)、電断前状態が「リール全停止」かつ「払出あり」の状況であったか否かを判定する(ステップS912)。「リール全停止」かつ「払出あり」の状況であったと判定された場合は(ステップS912のYES)、特別表示LED612に払出枚数を表示させる。払出枚数に関する情報は、例えば、RAM1114の退避させたスタックポインタを参照する他、ペイアウト表示エリア1114hを参照する等して読み出すことができる。その後、ステップS916に進む。
一方、ステップS912において、「リール全停止」ではない、又は「払出なし」の状況であったと判定された場合は(ステップS912のNO)、エラーが検出されているか否かを判定する(ステップS914)。エラーが検出されていると判定された場合は(ステップS914のYES)、検出したエラーに関する情報を特別表示LED612に表示させる(ステップS915)。このとき、エラーランプ604を点灯させる等してもよい。その後、ステップS916に進む。ステップS914で否定判定が得られた場合は、そのままステップS916に進む。
以上のステップS905〜S915の各処理が行われた後、ステップS916では、その他の復帰処理(詳細は省略)が行われ、スロットマシン1は、ステップS904で電源遮断状態になる前の電源前状態に復帰する。
以上、図89に示した電断復帰処理が行われることによって、第1の実施形態のスロットマシン1では、電源断が発生した後でも、電源断前のデータの損失を防止しながら、データや表示等の適切な復帰を実現することができる。
以下では、ゲームの進行中に電源断が発生したとするとき、図89のフローチャートに示した処理手順に基づいて電断復帰処理が行われることによって、各種の表示器等による表示期間がどのようになるか、具体的な状況下で例示する。
図94〜図96は、ゲーム中に図89に示す電断復帰処理が行われるときの(各種の表示器による)表示期間例(その1〜その3)を示すタイミングチャートである。図94〜図96は、全て指示機能が発生する状況(例えばAT中)であるとし、前述の図68や図69と同様に、各種の表示器による表示期間例を示している。また、図94〜図96には不図示であるが、スロットマシン1は、電源断の前にリール301a〜301cの少なくとも何れかが回転中であった場合には、電源復帰後に、自動的な内部処理によって回転していたリール301の回転が再開される。
図94の場合は、エラーは特に検出されることなく、「停止ボタン押下受付開始」と「第一停止ボタン押下」との間で電源の遮断が発生している。なお、図94は、「停止ボタン押下受付開始」と同時に電源が遮断された、としてもよい。このとき、指示内容を「表示」していた指示機能802及び液晶ナビ805は、電源の遮断によって「非表示」となるが、その後に電源が復帰すると、電源断前の表示内容を再度「表示」する(図89のステップS911に相当)。そして、電断復帰後は、通常と同じように遊技が進行する。また、1ゲームを通じてエラーは検出されないため、セグエラー804や液晶エラー806は「非表示」のままとなる。
図95の場合は、遊技用価値が払い出されるゲームにおいて、「停止ボタン押下受付開始」のタイミングでエラーが発生し、その後、「第一停止ボタン押下」の前に電源の遮断が発生している。ここでの電源の遮断は、発生したエラーに伴う電源断でもよいし、別の理由による電源断であってもよい。このようなとき、エラーの発生に伴って液晶エラー806が即座に「表示」されるとすれば、液晶ナビ805は、それまで「表示」を終了して「非表示」となる。その後、電源遮断を経て電源復帰しても、エラーが解除されたわけではないので、画像表示体500において、液晶ナビ805が「非表示」で液晶エラー806が「表示」という状態が維持される。
一方、図95の場合、特別表示LED612では、即座にエラー表示をしないので、停止ボタン押下受付開始のタイミングから指示機能802が「表示」される。その後の電源断を経た電源復帰後も、「表示」の内容をRAM1114から読み出すことで再表示できる(図89のステップS911に相当)。そして、特別表示LED612では、払出完了の後にセグエラー804が「表示」される。
図96の場合は、遊技用価値が払い出されるゲームにおいて、エラーは特に検出されることなく、リール全停止後の払出処理の途中で電源の遮断が発生している。このとき、払出開始までは通常の遊技と変わらず、電源の遮断によって払出枚数803が「非表示」となってしまうが、電源復帰後は再度「表示」される(図89のステップS913に相当)ので、払出を完了することができる。
以上、図94〜図96に例示したように、スロットマシン1では、ゲーム中に電源が遮断されたとしても、電源復帰時に図89に示した電断復帰処理が行われることによって、メイン基板409が管理する表示状況を遮断前に復帰させることができる。
[11−7−4.その他のエラー発生時処理]
上記[11−7−3]では、スロットマシン1におけるエラー発生時処理の一例を説明したが、以下では、エラー発生時処理のその他の処理例について説明する。
[11−7−4−1.各エラー発生時処理における共通点及び相違点]
その他のエラー発生時処理に関する以下の説明では、スロットマシン1が「エラーに関する要件定義」として、上述の第1の要件定義とは異なる第2〜第6の要件定義を備える場合のそれぞれについて、エラー発生時処理を説明する。また、説明の過程での混同を避けるために、第1の要件定義を備えるスロットマシン1をスロットマシン1aとし、第2〜第6の要件定義を備えるスロットマシン1を、それぞれスロットマシン1b〜スロットマシン1fと表記する。したがって、例えば、図87や図88等の説明で記載した「第1の実施形態におけるエラー発生時処理」とは、「第1の要件定義を備えたスロットマシン1aにおけるエラー発生時処理」と読み替えることができる。
スロットマシン1b〜1fとスロットマシン1aとを比較すると、エラー発生時処理に関する要件定義が異なるため、当該要件定義に基づいたエラー発生時処理の処理手続が異なるが、その他の制御処理や構成等は、これまでに説明してきたスロットマシン1と共通である。したがって、共通部分を改めて説明することは省略し、相違点を中心に説明していく。
[11−7−4−2.第2の要件定義に基づくエラー発生時処理]
スロットマシン1bは、エラー発生時処理に関する第2の要件定義として、以下のような要件を備えることとする。
(1)複数のエラーに対して重要度に基づいたグループ分けを行う。具体的には、遊技進行に関する重要度が比較的高いエラーを「強エラー」とし、「強エラー」よりも遊技進行に関する重要度が低いエラーを「弱エラー」とする。
(2)ゲーム中に弱エラーを検出した場合は、当該ゲームの進行を継続し、当該ゲーム終了後に当該エラーを表示する。
(3)ゲーム中に強エラーを検出した場合は、当該エラーが解除されるまでゲームの進行を止める。
(4)ゲーム中に強エラーを検出した場合は、当該エラーの解除後に、指示機能表示を復活させる。
第2の要件定義によれば、弱エラーのみが発生した場合に求められる処理は第1の要件定義と変わらない。したがって、スロットマシン1bでは、弱エラーのみが発生した場合には、第1の要件定義に基づくエラー発生時処理で示した各種の表示器による表示期間例(図90〜図93)を、第2の要件定義に基づくエラー発生時処理として適用できる。
また、スロットマシン1bは、電断発生時の復帰処理についても、図89に示したスロットマシン1の処理を流用可能であり、したがって、図94〜図96に示した電断時の表示期間例をスロットマシン1bに適用できる。
なお、「強エラー」と「弱エラー」の分類基準は、特に限定するものではないが、例えば図86に示したエラーの「優先度」に基づいて、優先度の高いエラーを「強エラー」にすればよい。また例えば、全てのエラーを「強エラー」に設定しても構わない。
図97,図98は、スロットマシン1bにおけるエラー発生時処理を説明するためのフローチャート(その1,その2)である。以下では、第1の要件定義に基づくエラー発生時処理のフローチャート(図87,図88)との相違点を中心に、第2の要件定義に基づくエラー発生時処理の処理手順を説明する。
まず、図97に示したステップS801〜S812までの処理は、図87のステップS801〜S812の処理と同様であり、説明を省略する。
次に、図98では、遊技者によって第一停止ボタンの押下が行われ、停止操作が行われたリール停止ボタン211に対応するリール301に対してリール停止処理が行われる(ステップS830)。
次いで、メイン基板409は、ステップS830における第一停止ボタンの押下から、その後行われる第二停止ボタンの押下までの間において、エラーが検出されたか否かを判定する(ステップS831)。ステップS831でエラーが検出されなかった場合は(ステップS831のNO)、ステップS833の処理が行われる。ステップS831でエラーが検出された場合は(ステップS831のYES)、ステップS832の処理として、検出されたエラーが強エラーであるか否かが判定される。強エラーであると判定された場合は(ステップS832のYES)、ステップS839の処理が行われ、強エラーではない、すなわち弱エラーであると判定された場合は(ステップS832のNO)、ステップS833の処理に進む。
ステップS833では、第二停止ボタン押下が行われるが、その後には、ステップS831〜S832と同様に、エラーが検出されたか否か(ステップS834)、検出されたエラーが強エラーであるか否か(ステップS835)という判定が行われる。また、ステップS836に示す第三停止ボタン押下の後も、同様の判定処理(ステップS837,S838)が行われる。
このようにステップS830〜S838においてエラーの検出が判定された結果、強エラーが検出された場合には、ステップS839の処理として、強エラー発生直前の状態を保持して遊技の進行が停止される。遊技の進行が停止されると、遊技者は回転中のリール301を停止させることができなくなる。なお、強エラー発生直前の状態を保持する具体的な処理としては、RAM1114等に各種のデータを退避させること等が想定される。
そして、ステップS839で遊技進行が停止された後は、発生した強エラーに対応するエラー解除処理が必要となるため、ステップS840では、当該エラー解除処理が行われて強エラーが解除されたか否かが判定される。ステップS840では、強エラーの解除が確認されない限りは次の処理に進まない。そして、強エラーの解除が確認された場合は(ステップS840のYES)、処理のリターンとして、エラー発生時点から再度の処理が開始される。
一方、ステップS830〜S838においてエラーの検出が判定された結果、何れの期間でも強エラーが検出されなかった場合には(ステップS837のNO、又はステップS838のNO)、特別表示LED612における指示機能表示を終了させる(ステップS841)。なお、ステップS841の処理が行われる場合は、強エラーが検出されていないだけであり、弱エラーが検出されているケースは含まれる。
その後、ステップS842では、全リール301(リール301a〜301c)が停止し、有効ライン上に停止した図柄組合せに基づいた入賞の判定が可能になる。ステップS843では、遊技用価値の払出の有無が判定され、払出ありと判定された場合は、特別表示LED612に払出枚数表示を行わせる(ステップS844)とともに、払出処理を実行する(ステップS845)。
ステップS843で払出なしと判定された場合、又は、払出ありと判定されてステップS845の処理が終了した場合は、ステップS846の処理として、エラー検出の有無が判定される。ステップS846でエラーなしと判定された場合は(ステップS846のNO)、そのまま処理を終了する。
また、ステップS846でエラーありと判定された場合は(ステップS846のYES)、ステップS830〜S838までの間に弱エラーが検出されていたことを意味するので、当該弱エラーのエラー表示を行う必要がある。したがって、特別表示LED612に表示されていた払出枚数表示をクリアし(ステップS847)、当該弱エラーの詳細を特別表示LED612にエラー表示させる(ステップS848)。その後、ステップS848でエラー表示されたエラーのエラー解除処理が行われると(ステップS827)、一連の処理が終了する。
以上、図97,図98に示した処理が行われることによって、スロットマシン1bでは、ゲーム中に弱エラーが検出された場合には、遊技進行が継続されてゲーム終了後に弱エラーのエラー表示が行われる一方、ゲーム中に強エラーが検出された場合には、即座に遊技進行が停止されてエラー解除処理の実行が求められる。また、強エラーの発生時には遊技進行が中断されるものの、エラー解除処理後は、指示機能表示が復活することから、遊技者は指示内容を確認しながらの遊技を続行することが可能となる。
以下では、スロットマシン1bにおいて、図97,図98のフローチャートに示した処理手順に基づいて遊技が進められるなかでエラーが発生したとき、各種の表示器等による表示期間がどのようになるかを、具体的な状況下で例示する。
図99は、スロットマシン1bにおけるエラー発生時の表示期間例を示すタイミングチャートである。図99は、指示機能が発生する状況(例えばAT中)であるとする。
図99では、第一停止ボタン押下のタイミングで弱エラーが発生し(弱エラー発生807aがON)、さらに、第二停止ボタン押下のタイミングで強エラーが発生している(強エラー発生807bがON)。スロットマシン1bでは、弱エラーが発生しても遊技は中断されず、特別表示LED612における指示機能表示も「表示」が維持される。また、図99の例では、画像表示体500も、弱エラーの発生時に液晶エラー806を「表示」しない。
一方、強エラーが発生した場合は、即座に、特別表示LED612では指示機能表示に替えてエラー表示が行われ(指示機能802の「非表示」とセグエラー804の「表示」)、画像表示体500ではナビ表示に替えてエラーの表示が行われる(液晶ナビ805の「非表示」と液晶エラー806の「表示」)ことで遊技が中断される。しかし、「非表示」にされた指示機能802及びナビ表示805は、その後に強エラーに対するエラー解除処理が完了すると、再び「表示」されるようになるため、強エラー発生前の状況から遊技を再開することができる。
[11−7−4−3.第3の要件定義に基づくエラー発生時処理]
スロットマシン1cは、エラー発生時処理に関する第3の要件定義として、以下のような要件を備えることとする。
(1)複数のエラーに対して重要度に基づいたグループ分けを行う。具体的には、遊技進行に関する重要度が比較的高いエラーを「強エラー」とし、「強エラー」よりも遊技進行に関する重要度が低いエラーを「弱エラー」とする。
(2)ゲーム中に弱エラーを検出した場合は、当該ゲームの進行を継続し、当該ゲーム終了後に当該エラーを表示する。
(3)ゲーム中に強エラーを検出した場合は、当該エラーが解除されるまでゲームの進行を止める。
(4)ゲーム中に強エラーを検出した場合は、指示機能表示を中止し、当該エラーの解除後も復活させない。
このような第3の要件定義の(1)〜(3)は、第2の要件定義の(1)〜(3)と同じであり、(4)だけが異なる。
したがって、スロットマシン1cでは、第2の要件定義を備えたスロットマシン1bと同様に、弱エラーのみが発生した場合には、第1の要件定義に基づくエラー発生時処理で示した各種の表示器による表示期間例(図90〜図93)を適用できる。また、電断発生時の復帰処理についても、第1の要件定義に基づくエラー発生時処理で示した図89の処理を流用可能であることから、図94〜図96に示した電断時の表示期間例を、スロットマシン1cに適用できる。
図100,図101は、スロットマシン1cにおけるエラー発生時処理を説明するためのフローチャート(その1,その2)である。図100,図101の処理をスロットマシン1bの説明で用いた図97,図98の処理と比較すると、図101のステップS880だけが異なる。すなわち、図101では、ステップS840において強エラーが解除されたと判定された場合に、ステップS880の処理として、メイン基板409が特別表示LED612の表示内容をクリアし、その後、エラー発生時点から再度の処理が開始される。
そして、ステップS880の処理を行うことによって、スロットマシン1cは、強エラーが発生した場合のエラー解除後に、特別表示LED612における指示機能表示を復活させないようにすることができる。
このようなスロットマシン1cによれば、遊技に与える影響の重要度が高い「強エラー」の発生時には、当該強エラーの解除処理が行われたとしても、当該強エラーの発生前の状態に完全に復帰させることを抑制することができる。具体的には、エラー復帰後に指示機能表示を行わないことによって、強エラーが発生した異常なゲームにおいて指示機能の指示内容に沿った遊技操作を困難にすることができる。このようにすることで、強エラーが発生するような不正行為が行われたときに、遊技者に特典を容易に付与しないようにすることができる。
以下では、スロットマシン1cにおいて、図100,図101のフローチャートに示した処理手順に基づいて遊技が進められるなかでエラーが発生したとき、各種の表示器等による表示期間がどのようになるかを、具体的な状況下で例示する。
図102は、スロットマシン1cにおけるエラー発生時の表示期間例を示すタイミングチャートである。図102は、指示機能が発生する状況(例えばAT中)であるとする。
図102では、スロットマシン1bの説明で用いた図99と同様に、第一停止ボタン押下のタイミングで弱エラーが発生し(弱エラー発生807aがON)、さらに、第二停止ボタン押下のタイミングで強エラーが発生している(強エラー発生807bがON)。ただし、図102では、スロットマシン1cの要件定義(第3の要件定義)に従って、弱エラーが発生しても遊技は中断されず、特別表示LED612における指示機能表示も「表示」が維持される。また、図102の例では、画像表示体500も、弱エラーの発生時に液晶エラー806を「表示」しない。
一方、強エラーが発生した場合は、即座に、特別表示LED612では指示機能表示に替えてエラー表示が行われ(指示機能802の「非表示」とセグエラー804の「表示」)、画像表示体500ではナビ表示に替えてエラーの表示が行われる(液晶ナビ805の「非表示」と液晶エラー806の「表示」)ことで、遊技が中断される。そして、その後にエラー解除処理が行われたとしても、図101のステップS880に示したように指示機能表示の表示内容がクリアされることから、復帰後は、特別表示LED612に指示機能表示は再表示されない。また、図102の例では、液晶ナビも同様に復帰後の表示が行われない。したがって、スロットマシン1cにおいては、強エラーの解除復帰後、遊技者は指示機能の指示内容を認識できず、指示機能が発生しないなかで遊技を進めることになる。
[11−7−4−4.第4の要件定義に基づくエラー発生時処理]
スロットマシン1dは、エラー発生時処理に関する第4の要件定義として、以下のような要件を備えることとする。
(1)複数のエラーに対して重要度に基づいたグループ分けを行う。具体的には、遊技進行に関する重要度が比較的高いエラーを「強エラー」とし、「強エラー」よりも遊技進行に関する重要度が低いエラーを「弱エラー」とする。
(2)ゲーム中にエラーを検出した場合、強エラー又は弱エラーの何れであっても、当該ゲームの進行を継続する。
(3)ゲーム中にエラーを検出した場合、強エラー又は弱エラーの何れであっても、指示機能表示を中止しない。
(4)ゲーム中に強エラーを検出した場合には、メイン基板409が外部中継端子板131に所定のコマンド(例えば、外端板通信コマンド)を送信することで、外部中継端子板131を介して接続される外部機器(例えばホールコンピュータ1200やデータ表示器等)にエラー情報を出力する。
このようなスロットマシン1dにおける第4の要件定義は、第3の要件定義と(1)しか共通していないが、その他の要件定義を鑑みたとき、弱エラーのみが発生した際に求められる処理は第3の要件定義に基づくエラー発生時処理と同様(すなわち、第1又は第2の要件定義に基づくエラー発生時処理とも同様)であることが分かる。
したがって、スロットマシン1dでは、第2の要件定義を備えたスロットマシン1bや第3の要件定義を備えたスロットマシン1cと同様に、弱エラーのみが発生した場合には、第1の要件定義に基づくエラー発生時処理で示した各種の表示器による表示期間例(図90〜図93)を適用できる。また、電断発生時の復帰処理についても、第1の要件定義に基づくエラー発生時処理で示した図89の処理を流用可能であることから、図94〜図96に示した電断時の表示期間例を、スロットマシン1dに適用できる。
なお、スロットマシン1dにおけるエラー発生時処理では、外部中継端子板131(「外端板」と省略して記載することがある)を介して、所定のエラー検出結果を外部に出力することを特徴としている。スロットマシン1dは、メイン基板409に外部中継端子板131を設けることによって、外部中継端子板131を介して遊技場の外部機器(ホールコンピュータ1200やデータ表示器等)に接続される。外部中継端子板131はメイン基板409から送信される各種信号(投入メダル信号や払出メダル信号、遊技ステータス等)を外部機器に中継する役割を担っている。
図103,図104は、スロットマシン1dにおけるエラー発生時処理を説明するためのフローチャート(その1,その2)である。以下では、第1又は第2の要件定義に基づいたエラー発生時処理のフローチャート(図87,図88,図97,図98)との相違点を中心に、第4の要件定義に基づくエラー発生時処理の処理手順を説明する。
まず、図103に示したステップS801〜S812までの処理は、図97のステップS801〜S812の処理と同様であり、説明を省略する。
次に、図104では、図98のステップS813〜S832の処理と同様に、ステップS850〜S852において、第一停止ボタン押下の後、エラーが検出されたか否か、さらに、当該エラーが強エラーであるか否かが判定される。但し、図98の場合は、強エラーであると判定された場合には遊技が一時停止される(図98のステップS839)のに対して、図104では強エラーであると判定されても遊技進行は継続され、代わりに、外部中継端子板131に強エラーの発生を示すコマンド(外端板通信コマンド)が送信される(ステップS853)。
図104では、ステップS853において、外部中継端子板131に強エラーの発生情報が送信されることで、外部中継端子板131を介して接続される外部機器(例えばホールコンピュータ1200)に強エラーの発生情報を出力することができる。その間、スロットマシン1dにおける遊技の進行は止まらず、次の停止ボタン押下処理(ステップS854)に進む。
図104では、第二停止ボタン押下(ステップS854)や第三停止ボタン押下(ステップS858)のときも、ステップS850〜S853に示したような停止ボタン押下後の処理が繰り返されるので、ステップS861までの詳細な説明を省略する。
ステップS850〜S861の処理をまとめると、リール停止ボタン211が押下されて全てのリール301に対する停止操作が行われるまでの間に、エラーが検出されたかを繰り返し判定し、特に強エラーが検出されたと判定した場合は、即座に外部中継端子板131を介して強エラーの発生を通知する。
そして、図104に示すステップS862〜S870の処理は、図88のステップS819〜S827の処理と同じであるため、詳細な説明を省略する。図104に示すステップS862〜S870の処理の概要としては、全てのリール301に対する停止操作が終わった時点で指示機能表示をクリアし、リール301の全停止処理を行ったのち、入賞役に基づいた払出を行い、ゲーム中にエラーが検出された場合には、払出処理の完了後に特別表示LED612にエラー表示を行い、エラー解除処理を待つ。
なお、図104のステップS869に示したエラー表示は、ゲーム中に検出したエラーが強エラーであったとしてもエラー表示を行う点で、図88のステップ826に示したエラー表示(弱エラーのエラー表示)とは異なる。すなわち、図104では、強エラーが検出されたときに、外部中継端子板131を介して外部機器にエラー発生を通知する一方で、遊技終了後には当該エラーのエラー表示をスロットマシン1d自身でも行うため、強エラーの発生をより確実に報知することができる。
以上、図103,図104に示した処理が行われることによって、スロットマシン1dでは、ゲーム中に強弱何れのエラーが検出されても遊技進行が継続されてゲーム終了後に当該エラーのエラー表示が行われる。また、ゲーム中に強エラーが検出された場合には、即座に外部中継端子板131を介して外部機器にエラー発生が通知されるため、外部機器(例えばホールコンピュータ1200)を管理しているホール関係者が重要なエラーの発生に気付き易くできるし、エラーの発生状況を正確にデータ管理することも可能となる。また、このような強エラーが発生しても遊技の進行は中断させないことで、遊技者に対する負担を抑制する効果も期待できる。
以下では、スロットマシン1dにおいて、図103,図104のフローチャートに示した処理手順に基づいて遊技が進められるなかでエラーが発生したとき、各種の表示器等による表示期間がどのようになるかを、具体的な状況下で例示する。
図105は、スロットマシン1dにおけるエラー発生時の表示期間例を示すタイミングチャートである。図105は、指示機能が発生する状況(例えばAT中)であるとする。また、図105では、メイン基板409が強エラー検出を示す情報を外部中継端子板131にコマンド送信するタイミングを示すものとして、外端板通信808が追加されている。外端板通信808がONのときは、メイン基板409から外部中継端子板131に対して上記のコマンドの送信が有ることを意味する。外端板通信808がOFFのときは、上記のコマンドが送信されないことを意味する。
図105では、スロットマシン1bの説明で用いた図99やスロットマシン1cの説明で用いた図102と同様に、第一停止ボタン押下のタイミングで弱エラーが発生し(弱エラー発生807aがON)、さらに、第二停止ボタン押下のタイミングで強エラーが発生している(強エラー発生807bがON)。
ただし、図105では、スロットマシン1dの要件定義(第4の要件定義)に従って、強弱何れのエラーが発生しても遊技が中断されず、エラー表示は遊技終了後に行われる。そのため、指示機能表示802や液晶ナビ805の「表示」は、エラーの発生によって妨げられない。但し、強エラーが検出されたときは、即座にメイン基板409が強エラー検出を示す情報を外部中継端子板131にコマンド送信する(外端板通信808がON)ため、外部中継端子板131を介して接続された外部機器に、強エラーの発生をほぼリアルタイムで通知することができる。
そして、図105に示したように、遊技終了後(より具体的には、払出完了後(払出がないゲームの場合はリール全停止後))にエラー表示が行われることで(セグエラー804の「表示」、及び液晶エラー806の「表示」)、次の遊技を始める前にエラーの解除を行わせることができる。
[11−7−4−5.第5の要件定義に基づくエラー発生時処理]
スロットマシン1eは、エラー発生時処理に関する第5の要件定義として、以下のような要件を備えることとする。
(1)複数のエラーに対して重要度に基づいたグループ分けを行う。具体的には、遊技進行に関する重要度が比較的高いエラーを「強エラー」とし、「強エラー」よりも遊技進行に関する重要度が低いエラーを「弱エラー」とする。
(2)ゲーム中にエラーを検出した場合、強エラー又は弱エラーの何れであっても、当該ゲームの進行を継続する。
(3)ゲーム中にエラーを検出した場合、強エラー又は弱エラーの何れであっても、指示機能表示を中止しない。
(4)ゲーム中に強エラーを検出した場合には、メイン基板409がエラー専用の表示器に所定のコマンド(例えば、表示態様変更コマンド)を送信することで、当該表示器における表示態様をエラー発生時用の特定表示に変更させる。
このようなスロットマシン1eにおける第5の要件定義の(1)〜(3)は、第4の要件定義の(1)〜(3)と同じであり、(4)だけが異なる。
したがって、スロットマシン1eでは、第2の要件定義を備えたスロットマシン1b、第3の要件定義を備えたスロットマシン1c、及び第4の要件定義を備えたスロットマシン1dと同様に、弱エラーのみが発生した場合には、第1の要件定義に基づくエラー発生時処理で示した各種の表示器による表示期間例(図90〜図93)を適用できる。また、電断発生時の復帰処理についても、第1の要件定義に基づくエラー発生時処理で示した図89の処理を流用可能であることから、図94〜図96に示した電断時の表示期間例を、スロットマシン1eに適用できる。
図106,図107は、スロットマシン1eにおけるエラー発生時処理を説明するためのフローチャート(その1,その2)である。図106,図107の処理をスロットマシン1dの説明で用いた図103,図104の処理と比較すると、図107におけるステップS881,S882,S883だけが異なる。
図107では、第一停止ボタン押下が行われると(ステップS850)、エラーの検出の有無が判定され(ステップS851)、エラーありと判定された場合には、当該エラーが強エラーであるか否かが判定される(ステップS852)。このステップS852で強エラーと判定されたとき(ステップS852のYES)、ステップS881の処理として、メイン基板409はエラー専用の表示器に「表示態様変更コマンド」を送信し、当該表示器における表示態様をエラー発生時用の特定表示に変更させる。
ここで、「表示態様変更コマンド」は、少なくとも強エラーが発生したことを特定の表示器(例えば、エラーランプ604を兼用してもよい)に報知させるための手段の1つであって、当該特定の表示器において強エラーの発生を報知する特定表示を行わせることができれば、コマンド形式でなくてもよい。また、「表示態様変更コマンド」は、強エラーの発生を伝えるだけでなく、発生したエラーの詳細(種別等)を伝えるものであってもよい。
また、ステップS882やステップS883の処理は、それぞれ、第二停止ボタン押下(ステップS854)又は第三停止ボタン押下(ステップS858)が行われた後のエラー検出チェックにおいて、ステップS881と同様の処理が行われるものであるから、説明を省略する。
このように、スロットマシン1eでは、ステップS881,S882,S883の処理が行われることによって、強エラーが発生したことを特定の表示器で報知することができる。スロットマシン1eは、このような特定の表示器を指示機能表示が行われる表示器(特別表示LED612)とは別に備えることによって、即座に報知すべき強エラーが発生した場合に、指示機能表示(さらにはナビ表示)を妨げずに遊技の進行を継続させながらも、当該強エラーの発生を確実に報知することが可能となる。
以下では、スロットマシン1eにおいて、図106,図107のフローチャートに示した処理手順に基づいて遊技が進められるなかでエラーが発生したとき、各種の表示器等による表示期間がどのようになるかを、具体的な状況下で例示する。
図108は、スロットマシン1eにおけるエラー発生時の表示期間例を示すタイミングチャートである。図108は、指示機能が発生する状況(例えばAT中)であるとする。また、図108では、メイン基板409が強エラー検出時に、特定の表示器に対して表示態様を変更させる「表示態様変更コマンド」の送信タイミングを示すものとして、表示態様変更809が追加されている。表示態様変更809がONのときは「送信」を意味し、上記の表示態様変更コマンドが特定の表示器に対して送信される。表示態様変更809がOFFのときは「待機」を意味し、特定の表示器に対して表示態様変更コマンドは送信されない。また、図108には、特定の表示器における表示態様の変更タイミングは図示していないが、表示態様変更809が「ON(送信)」となった直後に変更されるとする。
図108では、スロットマシン1dの説明で用いた図105等と同様に、第一停止ボタン押下のタイミングで弱エラーが発生し(弱エラー発生807aがON)、さらに、第二停止ボタン押下のタイミングで強エラーが発生している(強エラー発生807bがON)。
ここで、前述したように、スロットマシン1dの要件定義(第5の要件定義)は、(1)〜(3)が第4の要件定義の(1)〜(3)と同じで、(4)だけが異なる。この点に着目して、図108とスロットマシン1dの説明で用いた図105とを比較すると、図105では、強エラーの検出時に外部中継端子板131にコマンドが送信されたのに対して、図108では、同じタイミングで表示態様変更コマンドが送信されることで、特定の表示器における表示態様が変更される点が相違している。しかし、それ以外の各表示器による表示期間は図105と図108とで同様である。
また、図108には図示されていないが、特定の表示器における表示態様の変更は、当該変更の原因となった強エラーのエラー解除が行われるまで継続されることが好ましい。
なお、特定の表示器における「強エラー発生時用の特定表示」の表示態様の例としては、通常からエラーの発生報知に用いられるエラーランプ604を兼用する場合、通常のエラー報知時は点灯するのに対し、強エラー検出に基づく特定表示の場合は点滅させるなど、表示態様を変更すればよい。また、専用の特定の表示器を用いる場合、強エラーの種別に応じて報知パターン(点灯パターン、表示画像、音声出力パターン、音量等)を変化させることで、より詳細なエラー報知を実現することができる。
スロットマシン1eによれば、このような「強エラー発生時用の特定表示」を可能にすることによって、遊技への影響度が大きい強エラーの発生時に、速やかに確実にエラー発生を報知できるようにするとともに、指示機能表示や払出枚数表示を行う特別表示LED612や、ナビ表示を行う画像表示体500に対して、それぞれの表示内容に干渉しないようにすることで、遊技の円滑な進行を可能にすることが期待できる。
そして、図108に示したように、遊技終了後(より具体的には、払出完了後(払出がないゲームの場合はリール全停止後))にエラー表示が行われることで(セグエラー804の「表示」、及び液晶エラー806の「表示」)、次の遊技を始める前にエラーの解除を行わせることができる。
[11−7−4−6.第6の要件定義に基づくエラー発生時処理]
スロットマシン1fは、エラー発生時処理に関する第6の要件定義として、以下のような要件を備えることとする。
(1)複数のエラーに対して重要度に基づいたグループ分けを行う。具体的には、遊技進行に関する重要度が比較的高いエラーを「強エラー」とし、「強エラー」よりも遊技進行に関する重要度が低いエラーを「弱エラー」とする。
(2)ゲーム中にエラーを検出した場合、強エラー又は弱エラーの何れであっても、当該ゲームの進行を継続する。
(3)ゲーム中にエラーを検出した場合、強エラー又は弱エラーの何れであっても、指示機能表示を中止しない。
(4)ゲーム中に強エラーを検出した場合には、メイン基板409による指示機能表示の制御パターンを変更することによって、特別表示LED612における指示機能表示の表示態様を、強エラーが検出されたことが分かる表示態様に変更する。
このようなスロットマシン1fにおける第6の要件定義の(1)〜(3)は、第4又は第5の要件定義の(1)〜(3)と同じであり、(4)だけが異なる。
したがって、スロットマシン1fでは、これまでに説明してきた他の要件定義を備えたスロットマシン1b〜1eと同様に、弱エラーのみが発生した場合には、弱エラーのみが発生した場合には、第1の要件定義に基づくエラー発生時処理で示した各種の表示器による表示期間例(図90〜図93)を適用できる。また、電断発生時の復帰処理についても、第1の要件定義に基づくエラー発生時処理で示した図89の処理を流用可能であることから、図94〜図96に示した電断時の表示期間例を、スロットマシン1fに適用できる。
図109,図110は、スロットマシン1fにおけるエラー発生時処理を説明するためのフローチャート(その1,その2)である。図109,図110の処理をスロットマシン1dの説明で用いた図103,図104の処理や、スロットマシン1eの説明で用いた図106,図107の処理と比較すると、図110におけるステップS884,S885,S886だけが異なる。
すなわち、第6の要件定義に基づいたエラー発生時処理では、図110に示すように、各停止ボタン押下後のエラーチェックにおける強エラーの判定(ステップS852,S856,S860)において強エラーが検出されたと判定された場合に、メイン基板409がエラー発生時用の指示機能表示を行わせるためのコマンドを送信することによって(ステップS884,S885,S886)、特別表示LED612における指示機能表示の表示態様を、指示内容だけを表示する表示態様(パターン1の指示機能表示)から、強エラーが検出されたことを指示内容と合わせて表示する表示態様(パターン2の指示機能表示)に変更する。
ここで、コマンドによって指示機能表示を制御する場合に指示機能表示の表示形態を変更する具体的な制御の一例を説明すると、強エラー検出時にパターン2の指示機能表示を行わせる場合に、通常のパターン1用のコマンドでは使用しない所定ビットを立てるようにすることで、指示内容を示す情報と、強エラーを示す情報とを合わせてコマンド送信することができる。なお、特別表示LED612におけるパターン2の表示例としては、パターン2のときは点滅表示させるようにしたり、エラー情報と指示情報とを交互に表示させるようにしたり、ビットセグを点灯させるようにしたりすればよい。
なお、スロットマシン1eの説明で「表示態様変更コマンド」について述べたように、スロットマシン1a〜1fにおける各要件定義を満たすためには、情報の通信形式は必ずしもコマンド形式である必要はなく、指示機能表示の制御においてコマンド以外の形式で入出力制御が行われてもよい。
このように、スロットマシン1fでは、ステップS884,S885,S886の処理が行われることによって、指示機能表示を中断することなく、特別表示LED612で強エラー発生を合わせて報知することができる。
したがって、スロットマシン1fによれば、ゲーム中にエラーが発生したとき、それが強エラーであったとしても遊技進行を中断しないことで遊技者による遊技機会を確実に提供することができる。さらにその一方で、強エラーの発生を速やかに、遊技者等から視認しやすい場所(表示パネル501上の特別表示LED612)で報知することができるため、スロットマシン1fに対する安全性も担保することが期待できる。
以下では、スロットマシン1fにおいて、図109,図110のフローチャートに示した処理手順に基づいて遊技が進められるなかでエラーが発生したとき、各種の表示器等による表示期間がどのようになるかを、具体的な状況下で例示する。
図111は、スロットマシン1fにおけるエラー発生時の表示期間例を示すタイミングチャートである。図111は、指示機能が発生する状況(例えばAT中)であるとする。また、図111では、強エラー検出時に、指示機能表示の表示パターンが通常時のパターン1からエラー発生時のパターン2に変更されることから、それぞれのパターンにおける指示機能表示の表示期間を示すものとして、他図で用いていた「指示機能802」の代わりに、「指示機能(パターン1)802a」と「指示機能(パターン1)802a」とが追加されている。
図111では、スロットマシン1dの説明で用いた図105や、スロットマシン1eの説明で用いた図108等と同様に、第一停止ボタン押下のタイミングで弱エラーが発生し(弱エラー発生807aがON)、さらに、第二停止ボタン押下のタイミングで強エラーが発生している(強エラー発生807bがON)。
ここで、前述したように、スロットマシン1fの要件定義(第6の要件定義)は、(1)〜(3)が第4又は第5の要件定義の(1)〜(3)と同じで、(4)だけが異なる。この点に着目して、スロットマシン1fにおける表示期間(図111)を、スロットマシン1dの場合(図105)やスロットマシン1eの場合(図108)と比較すると、強エラーの検出時に、図105では外部中継端子板131にコマンドが送信され、図108では特定の表示器に表示態様変更コマンドが送信されたのに対して、図111では、同じタイミングで、指示機能表示の表示態様のパターンを変更することで、特別表示LED612においてパターン2の指示機能表示を表示させる点が相違している。しかし、それ以外の各表示器による表示期間は、図105、図108、図111で同様である。
また、図111によれば、強エラーが発生した第二停止ボタン押下のタイミング(強エラー発生807bがONになるタイミング)で、機能表示802aの「表示」が指示機能802bの「表示」に切り替えられる。そして、パターン2の指示機能表示は、第三停止ボタン押下のタイミングまで継続して表示される。すなわち、スロットマシン1fでは、強エラーが検出されたことによって指示機能表示がパターン2に変更されたとしても、指示機能表示による本来の表示期間が終わるまで、パターン2の指示機能表示が継続されることを意味している。
このようなスロットマシン1fによれば、エラーの発生によって遊技進行が中断することなく、さらには、指示機能の指示内容も継続して表示される一方で、重要な強エラーの発生時には指示機能表示の態様を変更することで当該エラーの発生を報知することを可能にするため、遊技の円滑な進行と異常状態に対する速やかな対応とを両立させる遊技機を実現することができる。
また、詳細は図示された通りであるが、サブ基板510に制御される液晶エラー806も、セグエラー804と同じ遊技終了後のタイミングで「表示」される。したがって、図111に示したように、遊技終了後(より具体的には、払出完了後(払出がないゲームの場合はリール全停止後))にエラー表示が行われることで、次の遊技を始める前にエラーの解除を行わせることができる。
なお、スロットマシン1a〜スロットマシン1fは、エラー発生時処理に関するそれぞれの要件定義が干渉しない範囲で、適宜組合せてもよい。例えば、第1の要件定義に基づくエラー発生時処理を、弱エラーに関する限定的な処理とすれば、第2〜第6の要件定義に組合せることができる。また例えば、第4〜第6の要件定義における強エラー検出時の処理をそれぞれ組み合わせれば、強エラー検出時に幅広い報知を実現することができる。
[12.第2の実施形態]
本発明における第2の実施形態のスロットマシンについて説明する。第2の実施形態のスロットマシンは、以下に詳述する図柄配列、抽選テーブル、及び当選役に対応する図柄組合せ等(例えば、図112,図113,図114,図115)について異なっている点以外は、第1の実施形態のスロットマシン1と同様の構成及び制御を備え(流用可能であり)、共通する構成及び制御によって得られる効果も同様である。したがって、第2の実施形態のスロットマシンについては、第1の実施形態との相違点について中心に説明し、共通する構成や制御及び効果については流用によって説明を省略する。
[12−1.図柄列]
図112は、第2の実施形態のスロットマシン1においてリール帯の図柄列を平面的に展開した展開図である。第1の実施形態で例示した図柄列(図46)と比較すると、図112では、「ボム」図柄がない一方、新たな図柄が追加されている。具体的には、「白7」図柄、「ブランク1」図柄、及び「ブランク2」図柄が追加され、また、「ベル」図柄も「ベル1」図柄と「ベル2」図柄とに分けられる。
「白7」図柄は、例えばリール帯321aにおいて配列番号18番に配置された図柄であり、枠取りされた態様で数字「7」を示す図柄が施された図柄である。図112の配列によれば、「白7」図柄は各リール帯321a〜321cに1ずつしか配置されていないため、適正なタイミングで停止操作が行われないと有効ライン上に停止させることができない図柄である。図115を参照して後述するが、「白7」図柄は、「BB2」の図柄組合せに含まれる。
「ブランク1」図柄は、例えばリール帯321aの配列番号7番に配置された図柄であって、「BB中JAC」の図柄組合せに含まれる(図115参照)。図112の配列によれば、「ブランク1」図柄の配置は、リール帯321aでは配列番号7番・8番の2つ、リール帯321bでは配列番号13番の1つ、リール帯321cでは配列番号4番・5番の2つとなっているため、適正なタイミングで停止操作が行われないと有効ライン上に停止させることができない図柄である。
「ブランク2」図柄は、例えばリール帯321bの配列番号7番に配置された図柄であって、「BB中JAC」の図柄組合せに含まれる(図115参照)。図112の配列によれば、「ブランク2」図柄の配置は、リール帯321aにはなく、リール帯321bでは配列番号7番の1つ、リール帯321cでは配列番号1番・9番の2つとなっているため、適正なタイミングで停止操作が行われないと有効ライン上に停止させることができない図柄である。
「ベル1」図柄と「ベル2」図柄は、どちらもベルの絵柄が施された図柄であるが、絵柄に含まれる星柄の個数が1個か2個かという違いを有している。内部的には、「ベル1」図柄と「ベル2」図柄は別物の図柄として扱われる。「ベル1」図柄の配置は、リール帯321aでは配列番号11番・16番・20番の3つ、リール帯321bでは配列番号1番・4番・9番・14番の4つ、リール帯321cでは配列番号2番・6番・10番・15番・19番の5つとなっており、図柄の配置間隔を考慮すると、適正なタイミングで停止操作が行われないと有効ライン上に停止させることができない図柄である。また、「ベル2」図柄の配置は、リール帯321aでは配列番号2番・6番の2つ、リール帯321bでは配列番号17番の1つ、リール帯321cでは配列番号12番の1つとなっており、適正なタイミングで停止操作が行われないと有効ライン上に停止させることができない図柄である。
なお、後述する図115では、「1枚役」に対応する図柄組合せ(「ベル1/ベル2」−「リプレイ」−「リプレイ」の図柄揃い)における左リール(「ベル1/ベル2」)のように、2種類の図柄が表示されるものがある。これは、「ベル1」図柄または「ベル2」図柄の何れかであればよいことを意味するものであり、「ベル1」図柄と「ベル2」図柄がともに「ベル」図柄(ベル態様の図柄)であると捉えれば、「1枚役」に対応する図柄組合せは、「ベル」−「リプレイ」−「リプレイ」の図柄揃いであるとも言える。そして、図112の図柄列では、「ベル1」図柄と「ベル2」図柄を「ベル」図柄としてまとめて見た場合には、いずれのリール帯321a〜321cにおいても、「ベル」図柄の配置間隔は最大で4コマである(ベル以外の図柄が4コマまでしか連続して配置されない)ことから、「ベル」図柄は、どのようなタイミングで停止操作を行っても何れかを有効ライン上に停止させることができる図柄である。
以上が第2の実施形態のスロットマシンにおける図柄列の一例であるが、第2の実施形態では必ずしも図112に例示された図柄列を用いる必要はなく、後述する抽選テーブルや図柄組合せの引き込み制御を実現可能な範囲で、図柄の種類及び配列を適宜変更してよい。これは、後で説明する第3及び第4の実施形態のスロットマシンでも同様である。
[12−2.抽選テーブル]
図113は、第2の実施形態のスロットマシンにおいて当選役の抽選(内部抽選)に用いられる抽選テーブルの一例であり、図114は、図113に示した抽選テーブルにおける各当選役の当選確率を説明するための図である。また、図115は、図113に示した条件装置(または当選役)に対応する図柄組合せを説明するための図である。なお、第2の実施形態のスロットマシンにおける有効ラインは、一例として、中段ライン623a(図47参照)の1ラインとする。
図113に例示された第2の実施形態のスロットマシンの抽選テーブルは、第1の実施形態で例示された抽選テーブル(図49)と比較すると、以下のような相違点を有している。なお、図113に例示された条件装置や遊技状態のうち、第1の実施形態で図49に例示されたものと同じものは、その説明を省略する(後の図116や図119も同様)。
第一に、図113では、図49に比べて、「チェリー」及び「スイカ」の当選役の入賞に伴う払出数が「1」に変更され、「MB」の重複役が「MB+チェリー」から「MB+1枚役」に変更されている。MBと同時当選する役は、小役「1枚役」に限られるものではなく、停止タイミングに拘わらず有効ライン上に図柄組合せを引き込み可能なものであれば、他の小役やリプレイ役であってもよい。そして、第2の実施形態では、「MB」に関する当選役は「MB+1枚役」の重複役しか設定されず(図113において「MB+チェリー」の重複役しか設定されないのと同様)、かつ、「MB+1枚役」に内部当選したときには、必ず引き込みできる1枚役の条件装置が優先して作動することにより、「MB」に関する当選役に内部当選したとしても、当該ゲームで「MB」に対応する図柄組合せ(図115によれば「リプレイ」−「リプレイ」−「ベル1またはベル2」の図柄揃い)が表示されることはない。すなわち、第2の実施形態では、第1の実施形態のスロットマシン1と同様に、「MB+1枚役」に内部当選すると、必ず「MB内部中」に移行し、その後、「MB」に対応する図柄組合せが表示された場合にMBゲームが開始されて「MB一般中」に制御される。
第二に、図113によれば、第2の実施形態では、JAC内部中(一種BB(JAC)内部中、二種BB(JAC)内部中)及び一種BB中以外の遊技状態において、小役による遊技媒体の払出の期待度合いが全体的に図49よりも抑えて設定されている。詳しくは、「チェリー」や「スイカ」の払出数が図113よりも低い枚数に設定され、かつ、遊技時に掛ける規定数以上の遊技媒体の払出が得られる高払出役(規定数が3枚の場合、払出数が3枚以上の小役)に対する置数(当選確率)が図113よりも低く設定されている。具体的には例えば「通常時」の場合、「高払出役」は「ベル(13枚払出)」及び「ベル+1枚役+2枚役(13枚払出)」であるが、何れの当選確率も1/65536しかない(図114参照)。
一方、第2の実施形態では、JAC内部中(一種BB(JAC)内部中、二種BB(JAC)内部中)及び一種BB中以外の遊技状態において、遊技時に掛ける規定数よりも多くの遊技媒体の払出が得られない低払出役(規定数が3枚の場合、払出数が2枚以下の小役)に対する置数(当選確率)が図113よりも高く設定されている。例えば「通常時」において、「低払出役」のうち現実的な当選確率を有する小役は「ベル+1枚役(1枚払出)」及び「ベル+2枚役(2枚払出)」であるが、それぞれの当選確率は、「1/3.28」と「1/3.64」となっている(合算確率だと1/1.72)。すなわち、「通常時」(「MB内部中」や「MB一般中」などの遊技状態でも同様)では、1/1.72という高確率で上記の低払出役に当選することができる。しかしこのような場合でも、払出枚数は平均的に1.5枚程度に抑えられることから、「通常時」などの遊技状態における出玉率は1を大きく下回ることが分かる。
なお、「JAC内部中(一種BB(JAC)内部中、二種BB(JAC)内部中)」においては、中心的な当選小役となる「ベル+1枚役」及び「ベル+2枚役」の払出数が13枚にされることから、出玉率は1を大きくこえる。また、「一種BB中」は、1/1.56という高確率で「ベル+1枚役+2枚役(13枚払出)」に内部当選することから、出玉率は1を大きく超え、全ての遊技状態のなかで最も高い出玉率に期待できる遊技状態となる。
第三に、図113によれば、第2の実施形態では、「MB内部中」の内部抽選によって、ゲームに掛けられたよりも少ない数の遊技媒体が払出される当選役(低払出役)または再遊技役に極めて高確率で内部当選する。具体的には図113の場合、「低当選役」のうち1枚払出の当選役は「チェリー」、「スイカ」、「1枚役」及び「ベル+1枚役(1枚払出)」であり、2枚払出の当選役は「2枚役(2枚払出)」及び「ベル+2枚役(2枚払出)」である。図113によれば、「MB内部中」における低払出役の置数の合計は「40405」となる。また、再遊技役(リプレイ)の置数は「24500」である。したがって、図113によれば、「MB内部中」における低払出役または再遊技役の当選確率は、64905/65536という極めて高い確率となる。そして、低払出役または再遊技役の条件装置は、MBの条件装置よりも優先して作動し、これらの条件装置はリールの停止タイミングに拘わらず有効ライン上に停止することができる図柄組合せに対応している。以上のことから、第2の実施形態では、「MB内部中」に極めて高い確率で低払出役または再遊技役に内部当選し、このとき、低払出役または再遊技役の図柄組合せが現出されるため、MBの図柄組合せは表示されず、MBゲームの「MB一般中」に移行しない。
なお、第2の実施形態において「MB内部中」から「MB一般中」に移行するための条件となる「はずれ」については、その当選確率は1/104.03となっており、第1の実施形態(図49,図50参照)よりも大幅に低く設定されている。
第四に、図113の抽選テーブルでは、「MB内部中」における「リプレイ」の当選確率が、「通常時」よりも高くなっている(1/7.30から1/2.67に上昇)。つまり、「通常時」から「MB内部中」への遊技状態の移行をリプレイの出現割合に基づいて推測することができることから、遊技者に遊技結果に対する興味をより強く持たせることができる。
但し、有利なボーナスゲーム(BB1ゲーム,BB2ゲーム)に移行しやすいチャンス期間である「通常時」と、上記の有利なボーナスゲームに移行する可能性がなく「MB一般中」にしか移行先がない不利なゲーム期間である「MB内部中」とでは、遊技者の興趣が大きく変化するものであるため、「MB内部中」への移行が容易に判別されると、不利なゲーム期間を嫌って遊技者が遊技をやめてしまうおそれもある。そこで、遊技者の興趣低下を抑制し、ホール利益を確保する観点から、「MB内部中」への移行を推測し難くするにしてもよい。具体的には例えば、「MB内部中」においてBBの煽り演出(はずれ結果)を発生させることで、遊技者のBBへの期待感を持続させるようにしてもよい。また、「MB内部中」におけるリプレイの当選確率の上昇を抑えて設定することで、遊技状態の移行推測自体を難しくするようにしてもよい。
[12−3.遊技状態の移行]
第2の実施形態のスロットマシンにおいて、それぞれの遊技状態における当選確率等の特徴は上述した通りである。以下では、このような第2の実施形態のスロットマシンにおける遊技状態の移行に関して、第1の実施形態のスロットマシン1とは異なる特徴を中心に説明する。
まず、各遊技状態の移行関係については、第1の実施形態で示した図55と同様である。すなわち、遊技者が比較的短期間で多量の遊技媒体を獲得可能な有利な遊技期間としてBBゲーム(BB1ゲーム,BB2ゲーム)が用意され、このようなBBゲームが作動するために必要なボーナス役(BB1,BB2)の当選機会は、「通常時」に限られる。厳密には、「SB中」も当選機会が与えられるが、SBが必須の構成ではない点、SB自体の突入率が比較的低いことから割愛する。一方で、MB役の当選によって移行する「MB内部中」、及びMB役の図柄組合せが表示されることで作動する「MBゲーム」については、少なくともその何れかにおいて、出玉率が抑えられる。さらに、「MB内部中」及び「MBゲーム」に制御されている間は、遊技者にとって有利な遊技期間となるBB1ゲーム,BB2ゲームへの移行機会が与えられない(言い換えれば、内部抽選によって当選役「BB1」,「BB2」の当選機会が得られない)ということもあり、これらの遊技状態に制御されている間は、遊技者にとって不利なゲーム期間となる。以上は、第1の実施形態における遊技状態の移行に関する特徴と共通する。
そして、第2の実施形態では、上記した第1の実施形態との共通点に加えて、「MB内部中」において、MBの図柄組合せを表示可能ゲームが到来し難くすることで、「MB内部中」のゲーム滞在数を長期化するという特徴をさらに備えている。
[12−2]で「MB内部中」の内部抽選に関する特徴を説明した通り、図113の抽選テーブルを用いる場合、「MB内部中」は極めて高確率(例えば64905/65536)で、低払出役または再遊技役に当選し、1枚ないしは2枚の遊技媒体が払出されるか再遊技が付与される。このとき、MBの図柄組合せは表示されないため、遊技者の手持ちメダルが減少する傾向のまま、「MB内部中」の遊技状態が継続される。
そして、「MB内部中」からMBゲーム「MB一般中」に遊技状態が移行するためには、内部抽選の結果が「はずれ」にならないといけないが、図114によればその確率は1/104.03と決して高いものではない。その結果、第2の実施形態では、ひとたびMB役(「MB+1枚役」)に当選すると、相当期間「MB内部中」に滞在させることができる。具体的には、図56のパターン2に示したように、第2の実施形態における「MB内部中」の平均滞在ゲーム数は100ゲームを超える長いものとなる(図56によれば104.0ゲーム)。
このように、第2の実施形態によれば、MB役の当選に基づいて制御される「MB内部中」において、何らかの小役や再遊技に高確率で当選するようにしてMBの図柄組合せが現出される機会を抑制することで、MBの図柄組合せが表示可能なゲームの到来を引き延ばすことができる。その結果、MB役の当選からMBゲームの終了までの遊技者に不利なゲーム期間を、第1の実施形態の場合よりもさらに長期化させることができるため、当該不利なゲーム期間による出玉のマイナスをより多く蓄積することができる。なお、不利なゲーム期間が長期化することは、ホール側には利益となる一方で遊技者の興趣を低下させる要因ではあるが、その後の有利なゲーム期間に対する遊技者の期待感を高める側面も有する。
そして、不利なゲーム期間を長期化させて出玉のマイナスを蓄積させることで、全てのゲーム期間を通じた出玉率を所定レベルに維持しながらも、別の特定のゲーム期間(「通常時」に相当)を、出玉を得やすいゲーム期間とすることができる。具体的には、「通常時」において、BBのボーナス役の当選確率を従来の遊技機では考え難い高確率(BB1とBB2の合算で1/8.19)にすることができる。また、「通常時」における「MB+1枚役」の当選確率は、1/27.31であり、BB役の合算当選確率よりも格段に低い。
かくして、本実施形態のスロットマシンによれば、特定の遊技状態(通常時)において、遊技者に有利な遊技展開をもたらすボーナス役(BB1,BB2)の当選確率を、遊技者に不利な遊技展開をもたらすボーナス役(MB(実際は「MB+1枚役」の重複役))の当選確率よりも高くすることによって、MB(MB+1枚役)よりもBB(BB1またはBB2)に内部当選しやすい遊技期間を実現することができる。さらに、BBゲーム終了後は再度通常時に制御されることを加味すると、MBよりもBBに内部当選しやすい遊技期間をBBゲームの実行を挟んで繰り返し現出させることができる(通常時とBBゲームのループ)。したがって、本実施形態のスロットマシンによれば、特定の遊技期間(「通常時」の遊技状態)における遊技者の興趣を大幅に向上させ得る遊技機を提供することができる。
[12−4.第2の実施形態の特徴]
以上に説明してきたことをまとめると、本実施形態のスロットマシンは次のような特徴を備えていることが示される。
まず、本実施形態のスロットマシンでは、ボーナスゲームとして、遊技媒体の増加が容易となるように制御された第1のボーナスゲーム(BBゲーム(BB1ゲーム,BB2ゲーム)に相当)と、ボーナスゲームに掛けられた数よりも多くの遊技媒体の獲得を困難にするように制御された第2のボーナスゲーム(MBゲームに相当)とが用意される。さらに、第1のボーナスゲーム及び第2のボーナスゲームの何れとも異なる第3のボーナスゲーム(SBゲーム)も用意される。各ボーナスゲームはメイン基板409によって制御される。これは、第1の実施形態のスロットマシン1と同じである。
そして、本実施形態のスロットマシンは、通常遊技状態における内部抽選で第2のボーナス役(MB役)に当選するときには、第2のボーナス役とは異なる役(例えば図113によれば、1枚役)が必ず同時当選し、このとき、同時当選した役にかかる図柄組合せの表示を第2のボーナス役にかかる図柄組合せの表示よりも優先する制御を実行することで、第2のボーナス役にかかる図柄組合せの表示が阻止されることを特徴とする。図113を例にとれば、上記の同時当選は、重複役「MB+1枚役」の当選に相当する。ボーナス役と小役とに同時当選した場合には、小役の図柄組合せの表示が優先される制御が働くことについては、[10−1−3−3]で説明した通りであり、その結果、MB役の図柄組合せが停止することが抑制される。また、図113によれば、MB役の単独役は用意されておらず、MB役の当選は必ず1枚役との同時当選になるようにされている。このような特徴を備えることにより、遊技者に有利な通常遊技状態でMB役に当選した場合に、遊技者にとって不利な遊技期間(MB内部中〜MBゲーム)への移行が行われるだけでなく、MB内部中のゲームを必ず経由させることで、MB内部中の滞在ゲーム数の分、当該不利な遊技期間の滞在期間を引き延ばすことができる。そして、このような特徴によれば、MB役という遊技者にとって好ましくない内部抽選の結果が得られたとしても、当該ゲームでMB役の図柄組合せが即座に表示されてしまうことを完全に防ぐことができるため、有利な遊技期間から不利な遊技期間への移行タイミングを遊技者から容易には察知し難くすることができる。その結果、不利な遊技期間への転落を察知した遊技者が遊技の継続をあきらめるような事態を抑制し、遊技を継続させる効果に期待できる。
さらに、本実施形態のスロットマシンは、第2のボーナス役に応じたボーナス内部状態(MB内部中)における内部抽選では、第2のボーナス役よりもかかる図柄組合せの表示が優先される所定役(小役や再遊技役)が通常遊技状態における第1のボーナス役よりも高い当選確率で選ばれることによって、第2のボーナス役にかかる図柄組合せの表示を阻止することを特徴とする。例えば図113や図114を参照すると、MB内部中の内部抽選において、第2のボーナス役にかかる図柄組合せの表示が優先される制御が実行される「はずれ」が選ばれるのは、全置数65536のうち630の振分に過ぎない(当選確率でいえば1/104.03)。これ以外の64906の振分では小役や再遊技役が選ばれるようにされており(当選確率でいえば、1/1.01)、このような場合には、図柄組合せの表示が優先されることから、第2のボーナス役にかかる図柄組合せの表示が阻止される。すなわち、理論上は、MB役(MB+1枚役)に当選したあと、MBゲームが開始されるまでの間、100ゲーム以上がMB内部中に制御されて実行されることになる。これは、図56でも示した通りである。このような特徴を備えることで、MB役に当選した後に、比較的長期間でMB内部中に制御されることになるため、遊技者にとって不利な遊技期間の滞在ゲーム数を、第1の実施形態の場合よりもさらに引き延ばすことができる。この結果、ホール側に利益となる遊技期間を確保しやすくなるだけでなく、遊技者に有利な通常遊技状態(通常時)における有利度合いとの差異が大きくなることで遊技性にメリハリをつけることができる。
さらに、本実施形態のスロットマシンは、第2のボーナスゲームにおいて、特定条件が成立するまでは第2のボーナスゲームの終了を阻止することを特徴とする。ここでの特定条件とは、例えば[10−1−3−3]で「MBゲームに関する終了条件」の具体例として示したように、MBゲーム中に払出された遊技媒体の総払出数(規定上限数)が253枚に到達すること、もしくは、内部抽選でSBに当選すること(SBゲームが作動すること)である。このような特徴を備えることで、第2のボーナスゲームという遊技者にとって不利な当該ボーナスゲームが、特定条件を満足しない限り継続する制御が実現される。
さらに、本実施形態のスロットマシンは、上の3つの段落で述べたような遊技者にとって不利な遊技期間を長期化させるそれぞれの特徴を備える一方で、これらを乗り越えた場合に、通常遊技状態から始まる、遊技媒体の増加に期待できる一連の有利期間を創出することを特徴とする。さらに詳しくは、当該一連の有利期間では、通常遊技状態において第2のボーナス役よりも第1のボーナス役の現出割合が高いこと、及び、第1のボーナス役に応じたボーナス内部状態(BB1内部中,BB2内部中)に制御されるゲーム期間は、第2のボーナス役に応じたボーナス内部状態(MB内部中)に制御されるゲーム期間よりも短いこと、を特徴とする。ここで、具体的な「一連の有利期間」は、「通常時」〜「BB内部中」〜「BB中」〜「通常時」〜「BB内部中」〜「BB中」・・・といったように、「通常時」と「BBゲーム」とがループし得る期間に相当する(図55参照)。そして、図113,図114によれば、この有利期間のうちの通常遊技状態(通常時)における内部抽選では、第2のボーナス役の現出割合は全置数65536のうち2400である(当選確率でいうと、1/27.31)である。これに対して、第1のボーナス役の現出割合は、全置数65536のうち8000(BB1が4800、BB2が3200)である(合成した当選確率でいうと、1/8.19)ことから、第2のボーナス役の現出割合よりも高いことが示される。また、MB内部中に制御されるゲーム期間は、図56を参照すれば、理論上は104ゲームもあり、BB内部中(BB1内部中,BB2内部中)の平均滞在ゲーム数よりも長い。具体的なBB内部中の平均滞在ゲーム数については、例えば図114を参照すれば、理論上は、BB内部中に「はずれ」が選択される確率(1/4.06)の逆数分のゲームであるから、ほぼ4ゲームとなる。なお、この算出値は、BB役に対応する図柄組合せを停止可能なゲームにおいて当該図柄組合せの引き込みが1である場合のものであるが、仮にBB役に対応する図柄組合せの引き込みが1でないとしても、4ゲームに1回程度の割合で停止可能なゲームが現れることと、MB内部中の平均滞在ゲーム数が100ゲームを超えることとを比較すれば、やはり、第1のボーナス役に応じたボーナス内部状態に制御されるゲーム期間のほうが短いといえる。
本実施形態のスロットマシンは、このような特徴を備えることにより、この有利期間では、通常時のゲームにおいて、MB役よりもBB役(BB1,BB2)に当選しやすいことで、遊技者に有利なBBゲームに移行しやすくなり、遊技媒体の増加に期待できるゲーム期間が創り出される。さらに、BBゲームの終了後は再度、通常時に制御されることを加味すれば、MB役に当選するまで際限なく遊技媒体の増加に期待できるゲーム期間が創り出される。したがって、このような有利期間の創出によって、遊技者の興趣を大いに高めることができる。また、BB内部中の平均滞在ゲーム数がMB内部中の平均滞在ゲーム数よりも短くされることで、「一連の有利期間」の通常遊技状態においてBB役に当選した場合に、比較的早期にBBゲームの開始を実現することができるため、一連の有利期間を通じて遊技媒体の増加速度を高めることができる。すなわち、「一連の有利期間」において、短時間で大量の遊技媒体を獲得し得ることで、遊技者の興趣を高めることができる。
[13.第3の実施形態]
本発明における第3の実施形態のスロットマシンについて説明する。本実施形態では、図柄配列や当選役に対応する図柄組合せ等は第2の実施形態で例示したもの(図112,図115)を流用し、抽選テーブルは新たに例示して説明する(図116,図117)。以下では、本実施形態が第1または第2の実施形態と異なる点を中心に説明し、共通する構成や制御及び効果については説明を省略する。
[13−1.抽選テーブル]
図116は、第3の実施形態のスロットマシンにおいて当選役の抽選(内部抽選)に用いられる抽選テーブルの一例であり、図117は、図116に示した抽選テーブルにおける各当選役の当選確率を説明するための図である。なお、第3の実施形態のスロットマシンにおける有効ラインは、一例として、中段ライン623a(図47参照)の1ラインとする。
図116に例示された第3の実施形態のスロットマシンの抽選テーブルは、第2の実施形態で例示された抽選テーブル(図113)と比較すると、以下のような相違点を有している。
図116には、「MB」に関する当選役として、重複役(図113の場合「MB+1枚役」)がなく、単独役の「MB」だけとされている。そして、「MB」に対応する図柄組合せ(図115によれば「リプレイ」−「リプレイ」−「ベル1/ベル2」の図柄揃い)は、リールの停止タイミングに拘わらず有効ライン上に引き込み可能な図柄組合せとされる。このようにすることで、第3の実施形態では、単独役の「MB」に内部当選した場合に、当該ゲームで必ず「MB」に対応する図柄組合せが表示されるようになり、「MB一般中」に遊技状態が移行する。したがって、図116には「MB内部中」の遊技状態が記載されているが、実際には「MB内部中」に制御されることはない。
また、図116では、第1の実施形態で例示した図49や、第2の実施形態で例示した図113と同様に、BB役(BB1,BB2)について、単独役として記載されているが、本実施形態のスロットマシンの特徴をより有効に表すためには、少なくとも何れかのBB役について、小役または再遊技役との重複役が用意されることが好ましい。さらに言えば、同時当選する小役または再遊技役に対応する図柄組合せは引き込みが1であることが好ましい。重複役と単独役との振分比率は特に限定するものではないが、通常時に小役または再遊技役に連続当選した場合にBB役の当選への期待度合いを高めるという本実施形態の効果(詳細は後述する)を高めるためには、重複役の比率が高いほうがより好ましい。
このような観点から、本実施形態にかかる以降の説明では、図116に例示した抽選テーブルを用いるものの、BB1及びBB2については、引き込みが1の図柄組合せに対応した何れかの小役または再遊技役と必ず同時当選する重複役として説明する。但し、前述したように、本実施形態において、MBは必ず単独役として当選し、その図柄組合せの引き込みが1であることは変わらない。
この他にも、図116と図113との間には、「1枚役」の置数が異なるという若干の相違点があるが、これは本実施形態の特徴とは格段の関係がない。すなわち、第3の実施形態では、単独役の「MB」に当選したときに「MB内部中」を経ることなく「MB一般中」に移行するという点以外は、第2の実施形態と同様の構成を備えるものであり、当該同様の構成によって第2の実施形態と同じ効果を得ることができる。
[13−2.遊技状態の移行]
図118は、第3の実施形態における遊技状態の移行関係を説明するための図である。[13−1]で図116の抽選テーブルを参照しながら説明したように、第3の実施形態では、「MB」は単独役のみが用意され、かつ、「MB」の図柄組合せの引き込みが1とされる(停止タイミングに拘わらず有効ライン上に図柄組合せが停止する)ことによって、「MB」に内部当選したときに、「MB内部中」に制御されることなく、当該ゲームで「MB」の図柄組合せが停止して「MB中」に移行する。図118にも、この「MB内部中」が存在しないという特徴が示されており、それ以外は、第1または第2の実施形態における遊技状態の移行関係(図55)と同様である。なお、[10−1−3]で前述したように、「MB」に内部当選したゲームで「MB」の図柄組合せが有効ライン上に停止した場合であっても、厳密には、内部当選してから図柄組合せが有効ライン上に停止するまでの間は、「MB内部中」の遊技状態に制御される。しかし、このような「MB内部中」の制御は、1ゲームの途中での一時的なものであり、ゲーム開始時の内部抽選において参照される抽選テーブルの決定等に影響を与えるものではないことから、実質的には、「MB内部中」を経由しない、または「MB内部中」に制御されない、といえるものである。本実施形態では、このような認識のもと、「MB」に内部当選したときに、「MB内部中」に制御されることなく、当該ゲームで「MB」の図柄組合せが停止して「MB中」に移行する、として説明を行うものであり、図118も同様の認識に基づいて示されている。
ここで、MBゲームが作動する「MB中」は、遊技者に不利な遊技状態ではあるが、遊技媒体の総払出数が規定上限数(例えば253枚)に到達すれば「通常時」に移行できることから、小役に当選していけば少しずつMBゲームの終了に近づくことができる、という救いがある遊技状態である。また、「MB中」には、「MB一般中」または「二種BB中」の内部抽選でSBに当選すれば(図117によれば1/284.94の当選確率)、SBゲームが開始されて即時にMBゲームを終了させられるというチャンスも残されている。
これに対し、「MB内部中」は、遊技者に不利な遊技状態であるだけでなく、その移行先の遊技状態も不利な「MB中」しかないことから、遊技者にとって良いことがない遊技状態である。「MB内部中」は内部抽選で「SB」に当選する機会はないことから(図116参照)、不利な遊技状態を抜け出すチャンスが与えられない。
第3の実施形態のスロットマシンによれば、このように遊技者にとって不利益しかない「MB内部中」に制御されないようにできることから、MBゲームが実行された場合の不利なゲーム期間はあるものの、遊技者の負担を軽減することができる。また、遊技者にとって不利益しかない遊技状態(「MB内部中」)を持たないようにすることで、遊技者の興趣低下を抑制する効果に期待できる。
なお、第3の実施形態のスロットマシンでは、第1及び第2の実施形態と同様に、「ボーナスに関する報知演出(詳細は[11−6−1]参照)」や「特定ゾーンにおける煽り演出(詳細は[11−6−2]参照)」を実行するようにしてもよく、このような各種の演出が実行されることによって、遊技者の興趣をさらに高めることができる。
但し、第3の実施形態の場合は、単独役「MB」が用意され、かつ、MBの図柄組合せが引き込み1であることから、MBに関する連続演出を実行することは適切ではない。したがって、ボーナス当選に関する連続演出を行う場合は、MBは除外して、「BB間(BB1またはBB2)」もしくは「はずれ」との間で煽りを行うようにすることが好ましい。
[13−3.第3の実施形態の特徴]
以上に説明してきたことをまとめると、本実施形態のスロットマシンは次のような特徴を備えていることが示される。
まず、本実施形態のスロットマシンでは、ボーナスゲームとして、遊技媒体の増加が容易となるように制御された第1のボーナスゲーム(BBゲーム(BB1ゲーム,BB2ゲーム)に相当)と、ボーナスゲームに掛けられた数よりも多くの遊技媒体の獲得を困難にするように制御された第2のボーナスゲーム(MBゲームに相当)とが用意される。さらに、第1のボーナスゲーム及び第2のボーナスゲームの何れとも異なる第3のボーナスゲーム(SBゲーム)も用意される。各ボーナスゲームはメイン基板409によって制御される。これは、第1及び第2の実施形態のスロットマシンと同じである。
そして、本実施形態のスロットマシンは、第2のボーナスゲームにおいて特定条件が成立した場合に、第2のボーナスゲームを終了させて、通常遊技状態から始まる、遊技媒体の増加に期待できる一連の有利期間を創出することを特徴とする。ここで、第2のボーナスゲームにおける「特定条件」とは、例えば[10−1−3−3]で「MBゲームに関する終了条件」の具体例として示したように、MBゲーム中に払出された遊技媒体の総払出数(規定上限数)が253枚に到達すること、もしくは、内部抽選でSBに当選すること(SBゲームが作動すること)である。また、具体的な「一連の有利期間」は、「通常時」〜「BB内部中」〜「BB中」〜「通常時」〜「BB内部中」〜「BB中」・・・といったように、「通常時」と「BBゲーム」とがループし得る期間に相当する(図118参照)。このような特徴を備えることにより、本実施形態のスロットマシンは、遊技者に不利な第2のボーナスゲームに関するゲーム期間(第2のボーナス役に当選してから第2のボーナスゲームが終了するまで)を備えながらも、当該ゲーム期間の終了後には遊技者に有利な一連の有利期間を提供することで、メリハリの利いた遊技性を確立し、遊技者の興趣を高めることができる。
また、本実施形態のスロットマシンは、上記の「有利期間」に関するさらに詳しい特徴として、有利期間のうち通常遊技状態で行われる内部抽選において、第2のボーナス役(MB)が他の役と同時当選しないようにする一方で、第1のボーナス役(BB1,BB2)が小役または再遊技役と同時当選し得るようにすることで、小役または再遊技役に当選し続けた場合に、第2のボーナス役の当選に伴う遊技状態に制御されることなく当該有利期間の滞在を維持するとともに、第1のボーナス役の当選への期待度合いを高めることを特徴とする。
この特徴について詳しく説明する。[13−1]で述べたように、本実施形態における内部抽選の当選役として、BB1,BB2は少なくとも何れかの重複役による当選パターンが用意される(小役または再遊技役と同時当選し得る)一方で、MBは重複役が用意されず単独役としての「MB」役だけが用意される(例えば、図116参照)、その図柄組合せの引き込みは1とされる。このような本実施形態のスロットマシン1で、通常遊技状態(通常時)において、単独役であるMB役に当選した場合、当選ゲームにおいては、MB役以外の当選役に対応する図柄組合せが表示される制御は実行されず、引き込みが1であることから、MB役の図柄組合せ(図115によれば「リプレイ」−「リプレイ」−「ベル1/ベル2」の図柄揃い)が必ず有効ライン上に表示される。そして、このような図柄組合せが遊技者から識別容易であれば、遊技者は当選ゲームでリール301a〜301cが停止した時点で、MB役の当選及びMBゲームの開始を察知することができる。一方、重複役のBB役(BB1,BB2)に当選した場合、当選ゲームにおいては、同時当選した小役または再遊技役の図柄組合せの表示が優先して制御される。ここで同時当選した小役または再遊技役の図柄組合せの引き込みが1であれば、常にこれらの小役または再遊技役の図柄組合せが有効ライン上に表示される。引き込みが1ではない小役に同時当選した場合や、はずれが選ばれた場合は、零し目やはずれ目が表示される。
以上のことを踏まえると、本実施形態のスロットマシンでは、通常時においてMB役の図柄組合せ(図115によれば「リプレイ」−「リプレイ」−「ベル1/ベル2」の図柄揃い)が表示されない限りは、MB役に内部当選していることはなく、遊技者に有利な「有利期間」が継続されるため、視覚的な情報から遊技者に安心感を与え、遊技を続行する意欲を強く持たせることができる。さらに、通常時においてBB役(BB1,BB2)と同時当選し得る何れかの小役または再遊技役に当選した場合(対応する図柄組合せが表示され続ける場合、と読み替えてもよい)には、単に「有利期間」が継続するだけなく、BB役に同時当選している可能性を含むことになる。そして、これらの小役または再遊技役の当選(または図柄組合せの現出)が連続すればするほど、BB役に同時当選してBB役のボーナスフラグが内部成立している確率は高くなる。すなわち、本実施形態のスロットマシンは、このような特徴を備えることにより、有利期間において内部抽選で上記の小役や再遊技役に当選し続けた場合に、MB役の当選に伴う遊技者に不利なゲーム期間に移行することなく、遊技媒体の増加が容易なボーナスゲーム(BBゲーム)に対する期待度合いを高めることができるものであり、比較的頻繁に現出される小役または再遊技役の表示によってBBゲームに期待できるという点でも、遊技者の興趣を大いに高める効果を実現することができる。
[14.第4の実施形態]
本発明における第4の実施形態のスロットマシンについて説明する。
本実施形態のスロットマシンは、第二種特別役物に係る役物連続作動装置の作動中(MBゲーム)における二種BBの作動契機当選(JAC当選)及び二種BBの作動(JAC IN)に関して、特徴的な構成を備える。したがって、第4の実施形態は、これまでに説明した第1乃至第3の実施形態のスロットマシンに適宜組合せることができ、そのような場合には、組合せた各実施形態による効果を得ることができる。
本実施形態では、図柄配列や当選役に対応する図柄組合せ等は第2の実施形態で例示したものを流用し、抽選テーブルは新たに例示して説明する(図119,図120)。以下では、本実施形態の特徴的なMBゲーム内の制御を中心に説明する。
[14−1.抽選テーブル]
図119は、第4の実施形態のスロットマシンにおいて当選役の抽選(内部抽選)に用いられる抽選テーブルの一例であり、図120は、図119に示した抽選テーブルにおける各当選役の当選確率を説明するための図である。
図119に例示された第4の実施形態のスロットマシンの抽選テーブルは、第1〜第3の実施形態で説明した抽選テーブル(図49,図113,図116)と比べると、MBゲーム中に制御される遊技状態(具体的には、「MB一般中」、「二種BB(JAC)内部中」、「二種BB中」)について以下のような特徴を備えている。なお、MBゲーム中に制御される各遊技状態は、図119の場合、すべて出玉率が1を超えないように設定されている。
まず、「MB一般中」では、「二種BB(JAC)」に内部当選しやすいように設定されている。具体的には、これまでの抽選テーブルでは「二種BB(JAC)」の置数は「1」しかなかったが(例えば、図49)、図119の場合「二種BB(JAC)」の置数は「18000」と多く振分けられている(当選確率は1/3.64)。この当選確率は、MB一般中において当選しやすい他の役(例えば、1/3.28で当選する「1枚役」や1/3.64で当選する「2枚役」)と同程度であり、第4の実施形態では、「MB一般中」にJAC当選しやすいことが分かる。
次に、「二種BB(JAC)内部中」は、これまでの第1〜第3の実施形態と変わりはない。但し、第4の実施形態では、「二種BB(JAC)」の図柄組合せが停止する機会が所定程度は確保されることが好ましく、図119の場合は、18552/65536の確率で、はずれが選ばれることで、「二種BB(JAC)」の図柄組合せを停止可能なゲーム(JAC INが可能なゲーム)が発生する。
なお、第4の実施形態では、「二種BB(JAC)」の図柄組合せの引き込みは1であってもよいし、1でなくてもよい。そして、引き込みが1でない場合には、何らかの教示演出(指示機能表示でもよい)によって、当該図柄組合せを揃えられるように教示してもよい。例えば図115の場合、「二種BB(JAC)」の図柄組合せ(「白7」−「BAR」−「赤7」の図柄揃い)は引き込みが1ではないため、はずれが選ばれたゲームにおいて、「白7」−「BAR」−「赤7」を狙わせる教示演出を行うことができる。
次に、「二種BB中」では、ほぼすべての振分が当選役「全役(CT用)」に振分けられる(図119によれば65306/65536)。なお、「全役(CT用)」の図柄組合せは引き込みが1である。このため、二種BBゲーム中(CT中)は、ほぼ確実に「全役(CT用)」に当選し、当該役の図柄組合せが表示されて遊技媒体の払出(図119では2枚)が行われる。
第4の実施形態では、「二種BBに関する規定の終了条件」について、一例として「1ゲームの実行」とする。つまり、「JAC IN」によって二種BBに制御されると、1ゲームだけ二種BBゲーム(CT)が実行されたのち、二種BBが終了する。なお、「1ゲームの実行」は一例であって、2ゲーム以上であってもよいし、または、遊技媒体の総払出が所定枚数に到達したことであってもよい。ただし、二種BBゲーム1回あたりの実行ゲーム数を短くすれば(例えば1ゲームで終了)、1回のMBゲームのなかで「JAC IN」〜「二種BBゲーム」という流れを繰り返すことができる。そして、詳細は後述するが、第4の実施形態ではこのように「JAC IN」の回数を増やすことによって、MBゲームの滞在時間を引き延ばす、という特徴的な効果を実現することができる。
[14−2.遊技状態の移行]
[14−1]で上記したように、第4の実施形態では、MBゲーム中の遊技状態の移行について、特徴的な構成が備えられる。すなわち、「二種BB(JAC)」に当選し、「JAC IN」を経て二種BBゲーム(CT)に移行しやすいという遊技状態の移行パターンが実現される。
図55を参照すると、MBゲームは、所定の終了条件が成立する(例えば、遊技媒体の総払出数が253枚の規定上限数に到達する)か、SB役に当選してSBゲームが開始されるまでは、「MB一般中」〜「二種BB(JAC)内部中」〜「二種BB中」の遊技状態をループする。ここで、第1〜第3の実施形態で説明してきたMBゲームの抽選テーブル(例えば図113)によれば、「MB一般中」において二種BB(JAC)の当選確率が極めて低く設定されていたため、現実的にはほぼ全てのMBゲームが「MB一般中」に制御されていた。しかし、第4の実施形態のMBゲームは、ある程度頻繁に二種BB(JAC)に当選し、さらに「JAC IN」するように設定されることで、遊技媒体の払出が行われないゲームの分、余分にMBゲームの滞在期間を引き延ばすことができる。
図121は、第4の実施形態におけるMBゲーム滞在期間の引き延ばしを説明するための図である。図121には、第4の実施形態におけるMBゲーム中の遊技進行の一例が詳細に示されている。以下では、図121に示された各ゲームの遊技進行を確認しながら、第4の実施形態の特徴について、具体例で説明する。
まず、第1ゲームの開始時点において、遊技状態は「MB一般中」に制御されており、MBゲームに関する終了条件(253枚の規定上限数)に到達するまでに必要な払出枚数(図中の「残り払出枚数」)は200枚とする。また、各ゲームにおける遊技媒体の掛け数は3枚とする。
そして、第1ゲームでは、内部抽選で「2枚役」に当選したとする(図120によれば当選確率は1/3.64)。2枚役に対応する図柄組合せは引き込みが1なので、当該図柄組合せが有効ラインに停止することで2枚の遊技媒体が払出される。したがって、第1ゲームにおける遊技媒体の出入りは、遊技のために掛けられた遊技媒体の規定数3枚(IN3枚)に対して、遊技の結果として払出された遊技媒体は2枚(OUT2枚)となり、「残り払出枚数」は198枚となる。
次に、第2ゲームでは、遊技状態は「MB一般中」のままで、内部抽選で「二種BB(JAC)」に当選したとする(図120によれば当選確率は1/3.64)。
このとき、図115に示した「MB中JAC」の図柄組合せのように「二種BB(JAC)」に対応する図柄組合せの引き込みが1でなく、引き込み可能なタイミングで停止操作が行われなかったとすると、当該ゲームで「二種BB(JAC)」に対応する図柄組合せが停止できずに「二種BB(JAC)内部中」に移行する。このとき、遊技媒体の払出は行われない。したがって、第2ゲームにおける遊技媒体の出入りは、遊技のために掛けられた遊技媒体の規定数3枚(IN3枚)に対して、遊技の結果として払出された遊技媒体は0枚(OUT0枚)となり、「残り払出枚数」は198枚のままで減らない。
なお、第2ゲームにおいて「二種BB(JAC)」に対応する図柄組合せを引き込み可能なタイミングで停止操作が行われた場合や、元々、「二種BB(JAC)」に対応する図柄組合せの引き込みが1だった場合は、「二種BB(JAC)内部中」の第3ゲームを経由せずに「二種BB中」の第4ゲームが行われる。
第3ゲームでは、「二種BB(JAC)内部中」の内部抽選ではずれが選ばれ、「二種BB(JAC)」に対応する図柄組合せを引き込み可能なタイミングで停止操作が行われたとする。この結果は「JAC IN」となるため、二種BBゲーム(CT)が開始され、遊技状態は「二種BB中」に移行する。ただし、「JAC IN」に対する遊技媒体の払出は行われない。したがって、第3ゲームにおける遊技媒体の出入りは、遊技のために掛けられた遊技媒体の規定数3枚(IN3枚)に対して、遊技の結果として払出された遊技媒体は0枚(OUT0枚)となり、「残り払出枚数」は198枚のままで減らない。
次に、「二種BB中」に制御された第4ゲームでは、低確率で当選するSBを除けば、内部抽選で必ず「全役(CT用)」に当選し、「全役(CT用)」に対応する図柄組合せは引き込みが1であることから、入賞に基づいて2枚の払出が行われる。したがって、第4ゲームにおける遊技媒体の出入りは、遊技のために掛けられた遊技媒体の規定数3枚(IN3枚)に対して、遊技の結果として払出された遊技媒体は2枚(OUT2枚)となり、「残り払出枚数」は196枚に減る。なお、上記したように「1ゲームの実行」を「二種BBに関する規定の終了条件」としているため、第4ゲームの実行によって二種BBゲームは終了条件を満たし、再び「MB一般中」に制御される。
すなわち、第5ゲームでは、第1ゲームまたは第2ゲームと同様の「MB一般中」のゲームが行われることになり、その後再び「二種BB(JAC)」に内部当選することで、第2ゲーム〜第4ゲームのゲーム進行が繰り返され、「残り払出枚数」が0枚になるまでMBゲームが進められる。
上記のようなゲーム進行のうち、特に「二種BB(JAC)」に内部当選する第2ゲームから二種BBゲームが終了する第4ゲームまでに注目すると、合計で3ゲームが実行されているにも拘わらず、「残り払出枚数」は198枚から196枚へ2枚しか減っていない。これは、当該3ゲーム間のうち、遊技媒体が払出されるゲームが、二種BBゲームで「全役(CT用)」が入賞する第4ゲームだけであり、「二種BB(JAC)」に当選して「JAC IN」しなかった第2ゲームと「JAC IN」した第3ゲームでは遊技媒体の払出がないためである。また、当該3ゲーム間における遊技媒体のIN/OUTの総計は、IN9枚(3枚+3枚+3枚)に対してOUT2枚(0枚+0枚+2枚)しかなく、差し引き7枚の手持ちメダルが減少する。1ゲームあたりに換算すると、「残り払出枚数」は1ゲームあたり約0.67枚の減少、遊技媒体の差し引きは1ゲームあたり約2.33枚の減少となる。
これに対し、前述の第1〜第3の実施形態で例示したMBゲームの場合は、ほぼすべてのMBゲームが「MB一般中」に制御されて消化されることから、図121の第1ゲームに示したイメージで、小役に当選するごとに「残り払出枚数」が減っていく。したがって、例えば3ゲーム間に亘って2枚役に当選し続けたとすると、「残り払出枚数」は6枚減少する。またこのとき、遊技媒体のIN/OUTの総計は、IN9枚に対してOUT6枚(2枚+2枚+2枚)となり、差し引きすると手持ちメダルの減少は3枚に止まる。1ゲームあたりに換算すると、「残り払出枚数」は1ゲームあたり2枚の減少、遊技媒体の差し引きは1ゲームあたり1枚の減少となる。
以上の結果を比較すると、図121で例示した第2ゲームから第4ゲームのゲーム進行は、第1〜第3の実施形態で例示したMBゲームの進行と比べて、「残り払出枚数」の減少速度を抑制でき、また、遊技者の手持ちメダルの減少速度を高めることができる。
すなわち、第4の実施形態によれば、MBゲーム中に「JAC」の当選及び「JAC IN」が一定割合以上の頻度で発生することで、これらが発生しない場合に比べて、MBゲームの規定上限数の蓄積を抑制できるため、遊技媒体の払出に関するMBの終了条件に到達するゲームの到来を遅延させることができる。簡易な表現で言い換えれば、MBゲームの消化に要するゲーム数を長期化させることができる。
また、第4の実施形態によれば、MBゲーム中に「JAC」の当選及び「JAC IN」が一定割合以上の頻度で発生することで、これらが発生しない場合に比べて、遊技に伴って消費される遊技媒体の消費速度を高め、遊技者にとってより不利なゲーム期間とすることができる。
なお、図121の具体例では、JAC当選後に「JAC IN」しない場合として、「二種BB(JAC)内部中」に制御される第3ゲームを説明したが、第4の実施形態では、「二種BB(JAC)内部中」を経由することなく「二種BB中」に移行する場合(すなわち、「二種BB(JAC)」の図柄組合せの引き込みが1である場合)も、「JAC IN」を挟むことに変わりはない。図121の具体例でいうと、JAC当選した第2ゲームで「JAC IN」し、次に第4ゲームが行われたとしても、これらの2ゲーム間における「残り払出枚数」の減少は2枚(0枚+2枚)しかなく、遊技媒体のIN/OUTの総計は、IN6枚(3枚+3枚)に対してOUT2枚(0枚+2枚)で差し引き4枚の減少となる。1ゲームあたりに換算すると、「残り払出枚数」は1ゲームあたり1枚の減少、遊技媒体の差し引きは1ゲームあたり2枚の減少となる。したがって、このような場合も、「二種BB(JAC)内部中」を経由する場合と同様に、上記した「MBゲームの消化に要するゲーム数の長期化」及び「遊技媒体の消費速度の増加」という効果が得られる。
なお、図119に抽選テーブルでは、「全役(CT用)」の払出を2枚としたが、例えば払出をさらに下げて1枚に設定してもよい。このような場合には、上記した「MBゲームの消化に要するゲーム数の長期化」及び「遊技媒体の消費速度の増加」の効果はさらに顕著になる。
具体的には例えば、図121の第2ゲームから第4ゲームの3ゲーム間で計算すると、「残り払出枚数」の減少は1枚(0枚+0枚+1枚)で、遊技媒体のIN/OUTの総計はIN9枚(3枚+3枚+3枚)に対してOUT1枚(0枚+0枚+1枚)で差し引き8枚の減少となる。1ゲームあたりに換算すると、「残り払出枚数」は1ゲームあたり約0.33枚の減少、遊技媒体の差し引きは1ゲームあたり約2.67枚の減少となる。また、「二種BB(JAC)内部中」を経由しない場合についても、図121の第2ゲーム(JAC IN有り)と第4ゲームの2ゲーム間で計算すると、「残り払出枚数」の減少は1枚(0枚+1枚)で、遊技媒体のIN/OUTの総計はIN6枚(3枚+3枚)に対してOUT1枚(0枚+1枚)で差し引き5枚の減少となる。1ゲームあたりに換算すると、「残り払出枚数」は1ゲームあたり0.5枚の減少、遊技媒体の差し引きは1ゲームあたり2.5枚の減少となる。
第4の実施形態では、このように「全役(CT用)」の払出を1枚とした場合、JAC当選から2種BB終了に亘るゲーム期間において、1ゲームあたりの平均払出数(1ゲームあたりの「残り払出枚数」の減少数に相当)が1枚未満にできることから、遊技媒体の最小単位数よりも少ない平均払出を実現することができる。
以上に述べたように、第4の実施形態によれば、MBゲームにおいて、頻繁に二種BB(JAC)の当選と「JAC IN」とが可能にされることで、遊技媒体の払出が行われないゲームの分だけ、「JAC IN」が発生し難いMBゲームの場合よりもMBゲームの滞在期間を引き延ばすことができ、遊技者に不利なMBゲームを長期化させることができる。
また、第4の実施形態のスロットマシンでは、第1〜第3の実施形態と同じく、MBゲーム中(より具体的には「MB一般中」や「二種BB中」)にMBゲームを途中終了することができる「SB」の当選機会を与えてもよいため(図119参照)、遊技者に不利なゲーム期間としてのMBゲームを単に長期化させるだけでなく、この不利なゲーム期間からの脱出経路を提供して遊技性を高めることができる。
[14−3.特殊な報知演出]
第4の実施形態のスロットマシンでは、第1〜第3の実施形態のスロットマシンと同様に「ボーナスに関する放置演出」([11−6−1]参照)や「特定ゾーンにおける煽り演出」([11−6−2]参照)を実行することができるが、これらの演出に加えて、二種BBゲーム(CT)が繰り返されるという特徴に基づいて、MBゲームの終了を示唆する特殊な報知演出(天井示唆演出と呼ぶ)を実行することができる。
[14−2]で詳述したように、第4の実施形態では、MBゲーム中にJAC当選及び二種BBゲーム(CT)を繰り返すことによってMBゲームの滞在期間を長期化することができる。ここで、MBゲームの主な終了条件は、遊技媒体の総払出数が規定上限数に到達することである一方、CTの実行時には、SB当選か所定枚数以上の遊技媒体の払出が必ず行われる(図119の場合は「全役(CT用)」による2枚の払出)。したがって、MBゲームは、少なくとも所定回数のCTが実行されるまでには終了するといえる。
具体的に説明すると、MBゲームにおける規定上限数が253枚で、CTにおける「全役(CT用)」の払出が2枚とすれば、127回のCT実行による総払出枚数は254枚となる。このことから、MBゲーム中にCT以外での小役の入賞(「MB一般中」や「二種BB(JAC)内部中」における小役の入賞)が全くなかったとしても、遅くとも127回という「所定回数」のCTが実行されるまでにはMBゲームにおける総払出枚数が規定上限数に到達する。
そして、第4の実施形態では、上記したCT実行に関する所定回数(例えば127回)に基づいて、MBゲームの終了を示唆する天井示唆演出を実行することができる。例えば、上記CT実行に関する「所定回数(例えば127回)」からMBゲームにおけるCTの実行回数を減算して「残CT回数」を表示することで、MBゲーム終了にどの程度近づいているかを示唆する。
そして、天井示唆演出で表示される「残CT回数」は、リール301の停止によって「全役(CT用)」の図柄組合せが表示されたときに1ずつ減算されるようにしてもよいし、「二種BB(JAC)」の図柄組合せが表示されたとき(すなわち「JAC IN」)に1ずつ減算されるようにしてもよい。また、これらの図柄組合せが表示されるごとに1ずつ減算するのではなく、複数回の表示後にまとめて減算して表示するようにしてもよい。
また、「残CT回数」は、常に遊技者から視認可能に表示することで遊技の進行状況を明示するようにしてもよいが、所定の条件を満たした場合に遊技者から視認可能に表示するようにしてもよい。例えば「残CT回数」が30回となったところで表示を開始したり、前回のBB1ゲームまたはBB2ゲームが終了してから300回のゲームが行われたときに表示を行ったり等が考えられる。このような場合、所定の条件を達成することで遊技者はMBゲームの残り期間を推測できるようになるため、不利なゲーム期間であるMBゲームが続いたとしても、所定の条件の達成を目指す遊技意欲を抱かせることができる。そして、天井示唆演出によってMBゲームの終了が近いことが示唆されると、遊技者の興趣を高めることができる。また、「残CT回数」を遊技者が把握できるようにすると、MBゲームが終了間近であることを知らずに遊技を終了してしまうことによる遊技者の不満を防止することができ、遊技機に対して信頼感を抱かせる効果にも期待できる。
なお、前述したように、MBゲームの終了条件となる遊技媒体の総払出数には、二種BBゲーム(CT)中の払出だけでなく、CT以外での小役の入賞(「MB一般中」や「二種BB(JAC)内部中」における小役の入賞)に伴う払出もカウントされる。このようなCT以外での小役の入賞回数が多くなると、CTの実行回数だけに基づく「残CT回数」が、実際にMBゲームが終了するまでの条件と乖離してしまうおそれがある。そこで、第4の実施形態における天井示唆演出では、上記したようなCTの実行回数に基づく「残CT回数」の表示に、CT以外での小役の入賞に伴う払出を加味するようにしてもよい。
具体的には例えば、CT以外での小役の入賞による遊技媒体の払出数をCT実行による遊技媒体の払出に換算して「残CT回数」に追加反映させる。1回のCT実行による払出数が2枚で、CT以外での小役で10枚の払出があったとすると、5回分のCT実行に換算して、「残CT回数」を一気に5減算するといった方法が考えられる。このとき、通常とは異なる告知演出を表示させる(例えば、「短縮チャンス」という文字を表示する)ようにすれば、特別な演出と感じさせることで遊技者の興趣を高めることができる。また、このようにCT以外での小役の入賞による払出を一部でも反映させるようにすることで、MBゲームの終了について、より正確な示唆演出を実現できるため、天井示唆演出に対する遊技者の関心を高める効果が得られる。
なお、CT以外での小役の入賞に伴う払出も反映させてMBゲームの終了タイミングを示唆する天井示唆演出の場合、第4の実施形態だけに限定されず、第1〜第3の実施形態でもMBゲームの天井示唆演出として実行可能である。
また、第4の実施形態による天井示唆演出における表示内容は、MBゲームの終了を示唆するための表示であればよく、上記に説明した「残CT回数」による表示に限定するものではない。例えば、実行中のMBゲームにおける「総CT回数」によって表示してもよい。また例えば、CTの回数ではなく、CT中に払出された遊技媒体の総払出数を示す「獲得枚数」によって表示してもよい。さらに、この「獲得枚数」には、MBゲーム中にCT以外で払出された遊技媒体の総払出数を加算してもよい。また、MBゲームの終了条件に関する規定上限数から現在の「獲得枚数」を差し引いた「残獲得枚数」によって表示してもよい。
以上に説明してきたように、第4の実施形態では、様々な演出態様による天井示唆演出を実行することができる。そして、天井示唆演出の出力手段には、画像、音、光など、様々な手段を採用することができる。具体的には例えば、天井示唆演出として表示すべき表示内容(天井に関する回数や枚数)が、サブ基板510によって制御される画像表示体500で表示されてもよいし、メイン基板409によって制御される特別表示LED612で表示されてもよいし、その他の表示器(例えばセグ表示器)で表示されてもよい。また、天井に関する回数や枚数の表示は、カウントダウンの形式であってもよいし、カウントアップの形式であってもよい。また、回数や枚数をそのまま数字で示す表示態様に限るものではなく、例えば、回数や枚数による複数の範囲を予め設定し(例えば、所定回数までの残り回数が100回以上の範囲と、100回未満の範囲など)、現状がどの範囲に属するかに応じてLEDの点滅パターンを変更したり、LEDの発光色を変更したりするような表示態様であってもよい。
以上は、本発明のスロットマシン1の一形態であるが、これに限定されることはない。スロットマシン以外の遊技機、例えば、パチンコ機や、パチンコ機とスロットマシンとを融合させてなる遊技機等であっても本発明を適用することができる。