JP2017105285A - 乗員保護装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ヘッドレスト又はシートバックに収納された状態から膨張展開されるエアバッグによって、前面衝突及び側面衝突に対し乗員を効果的に保護することができる乗員保護装置を得る。【解決手段】乗員保護装置10は、ヘッドレスト18に収納され、ガス供給を受けて膨張展開される多方位エアバッグ20が、ガス供給装置32からガスが流入されるフレームダクト35と、フレームダクト35から流入するガスによって着座者Dの頭部Hに対するシート前後方向の前方で膨張展開される前膨張部40と、前膨張部40及びフレームダクト35と仕切られており、ガス供給装置32から流入されるガスによって頭部Hに対するシート幅方向の両側方で前膨張部40及びフレームダクト35よりも高い内圧で膨張展開される一対の横膨張部44と、を含む一体の袋体として構成されている。【選択図】図1

Description

本開示は、乗員保護装置に関する。
衝突時に、シートバックに固定したガス供給パイプを通じて該ガス供給パイプに取り付けられたバッグにインフレータのガスを供給し、該バッグを乗員の前方と側方を取り囲むように膨張させるエアバッグ装置が知られている(特許文献1参照)。また、頭部用のエアバッグがシートのヘッドレストの左右の端部から前方に膨出し、乗員の頭部の前面で互いに接合する一方、頭部用の副エアバッグがシートのヘッドレストの中央部から前方に膨出し、一対の頭部用のエアバッグに接合するエアバッグ装置が知られている(特許文献2参照)。
特開2000−344044号公報 特開2013−018378号公報
ところで、前面衝突の場合は、乗員の頭部からステアリングホイールやインストルメントパネル等までの距離が比較的長く、エネルギ吸収ストロークに余裕がある。一方、側面衝突の場合は、乗員の頭部からサイドウインドウガラス等までの距離が短い。このため、乗員の頭部を前方及び両側方から囲むように膨張展開されるエアバッグにおいて、前面衝突に対し頭部を拘束する部分と、側面衝突に対し乗員の頭部を拘束する部分とでは、求められる性能が異なり、この点について改善の余地がある。
本開示は、ヘッドレスト又はシートバックに収納された状態から膨張展開されるエアバッグによって、前面衝突及び側面衝突に対し乗員を効果的に保護することができる乗員保護装置を得ることを目的とする。
第1態様の乗員保護装置は、ヘッドレスト又はシートバックに収納され、ガス供給を受けて膨張展開されるエアバッグが、ガス供給装置からガスが流入されるダクト部と、前記ダクト部から流入するガスによって乗員の頭部に対するシート前後方向の前方で膨張展開される前膨張部と、前記前膨張部及び前記ダクト部と仕切られており、前記ガス供給装置から流入されるガスによって前記乗員の頭部に対するシート幅方向の両側方で前記前膨張部及び前記ダクト部よりも高い内圧で膨張展開される一対の横膨張部と、を含む一体の袋体として構成されている。
この乗員保護装置では、ガス供給装置からエアバッグにガスが供給されると、前膨張部が乗員の頭部に対するシート前方側で膨張展開され、一対の横膨張部が乗員の頭部に対するシート幅方向の両側方で膨張展開される。
ここで、前膨張部及び該前膨張部にガスを導くダクト部と、一対の横膨張部が仕切られており、一対の横膨張部が前膨張部及びダクト部よりも高い内圧で膨張展開される。このため、前面衝突に対しては、前膨張部で乗員の頭部を拘束しつつ、ヘッドレスト又はシートバックから前膨張部に至るダクト部を含んだエアバッグ自体がシート前後方向に伸びることによってエネルギ吸収が果たされる。一方、側面衝突に対しては、サイドウインドウガラス等の車体側部と乗員頭部との間に挟まれる横膨張部が高い内圧で膨張展開されているので、該横膨張部自体の圧縮変形(底付きしない潰れ)によってエネルギ吸収が果たされる。
このように、第1態様の乗員保護装置では、ヘッドレスト又はシートバックに収納された状態から膨張展開されるエアバッグによって、前面衝突及び側面衝突に対し乗員を効果的に保護することができる。
第2態様の乗員保護装置は、第1態様の構成において、前記ガス供給装置は、作動されるとガスを発生するインフレータと、前記インフレータのガスを前記ダクト部に流出する第1流出口と、該第1流出口よりも流路断面積が大とされ前記インフレータのガスを前記一対の横膨張部に流出する一対の第2流出口とを有するディフューザと、を含んで構成されている。
この乗員保護装置では、インフレータが発生するガスの一部がディフューザの第1流出口からダクト部経由で前膨張部に供給され、インフレータが発生するガスの他の一部がディフューザの一対の第2流出口から一対の横膨張部に供給される。第2流出口の流路断面積が第1流出口の流路断面積よりも大であるため、簡単な構造で、一対の横膨張部を前膨張部よりも高い内圧で膨張展開させることができる。
第3態様の乗員保護装置は、第1態様の構成において、前記ガス供給装置は、作動されて発生したガスを前記ダクト部に流出する第1インフレータと、前記第1インフレータよりも高出力とされ、作動されて発生したガスを前記一対の横膨張部に流出する第2インフレータと、を含んで構成されている。
この乗員保護装置では、第1インフレータが発生するガスがダクト部経由で前膨張部に供給され、第2インフレータが発生するガスが一対の横膨張部に供給される。第2インフレータが第1インフレータよりも高出力であるため、簡単な構造で、一対の横膨張部を前膨張部よりも高い内圧で膨張展開させることができる。
以上説明したように、本開示に係る乗員保護装置では、ヘッドレスト又はシートバックに収納された状態から膨張展開されるエアバッグによって、前面衝突及び側面衝突に対し乗員を効果的に保護することができるという優れた効果を奏する。
実施形態に係る乗員保護装置の作動状態を模式的に示す側面図である。 実施形態に係る乗員保護装置の作動状態を模式的に示す正面図である。 実施形態に係る乗員保護装置を構成する多方位エアバッグの膨張展開状態を示す図であって、(A)は図1の3A−3A線に沿った断面図、(B)は図1の3B−3B線に沿った断面図である。 実施形態に係る乗員保護装置の作動前の概略全体構成を示す図であって、(A)は側面図、(B)は正面図である。 実施形態に係る乗員保護装置を構成する多方位エアバッグの膨張展開過程を説明するための一部切り欠いて見た模式的な拡大側面図である。 実施形態に係る乗員保護装置を構成する多方位エアバッグの膨張展開状態を拡大して示す斜視図である。 実施形態に係る乗員保護装置の多方位エアバッグによる着座者の拘束状態を拡大しつつ模式的に示す図であって、(A)は前面衝突時の拘束状態を示す拡大側面図、(B)は側面衝突時の拘束状態を示す拡大正断面図である。 実施形態の変形例に係る多方位エアバッグの膨張展開状態を拡大して示す斜視図である。
<第1の実施形態>
本実施形態に係る乗員保護装置10について、図1〜図7に基づいて説明する。なお、各図に適宜記す矢印FR、矢印UPは、車両用シート12の前方向(着座者の向く方向)、上方向をそれぞれ示している。以下、単に前後、上下、左右の方向を用いて説明する場合は、特に断りのない限り、シート前後方向の前後、シート上下方向の上下、シート前後方向の前方を向いた場合の左右を示すものとする。なお、各図に適宜記す矢印INは、車両用シート12が搭載された車両としての自動車における車幅方向の中央側を示している。
(乗員保護装置の概略全体構成)
図1〜図4に示されるように、乗員保護装置10は、車両用シート12に搭載されている。車両用シート12は、図示しない自動車の車体における車幅方向の中央に対し左右何れか(本実施形態では左側)にオフセットして配置されている。この車両用シート12は、シート前後方向が車両の前後方向に一致され、シート幅方向が車幅方向に一致されている。この車両用シート12は、シートクッション14と、該シートクッション14の後端に下端が連結されたシートバック16と、該シートバック16の上端に取り付けられたヘッドレスト18とを有して構成されている。
ヘッドレスト18は、図4(A)、図4(B)に示されるように、シートバック16に取り付けられたヘッドレスト本体19と、ヘッドレスト18の後部意匠を構成するバックボードとして機能するモジュールケース34(後述)とを含んで構成されている。図5に示されるように、ヘッドレスト本体19は、ヘッドレストステー19Sを介してシートバック16に取り付けられている。ヘッドレストステー19Sは、シートバック16に支持された下部19SLに対し上部19SUが前方に位置しており、該下部19SLと上部19SUとが傾斜した中間部19SCにて連結されて構成されている。
なお、図1〜図5は、乗員保護装置10により保護すべき乗員のモデルとして衝突試験用のダミー(人形)Dが車両用シート12のシートクッション14に着座した状態を図示している。ダミーDは、例えばWorldSID(国際統一側面衝突ダミー:World Side Impact Dummy)のAM50(米国人成人男性の50パーセンタイル)である。このダミーDは、衝突試験法で定められた標準的な着座姿勢で着座しており、車両用シート12は、当該着座姿勢に対応した基準設定位置に位置している。以下、説明を分かり易くするために、ダミーDを「着座者D」と称する。
図1、図2、図4に示されるように、乗員保護装置10は、着座者Dを各種形態の衝突から保護するための多方位エアバッグ装置20と、サイドエアバッグ装置22と、シートベルト装置24とを備えて構成されている。以下、シートベルト装置24、サイドエアバッグ装置22について概略構成を説明し、その後、多方位エアバッグ装置20の詳細構成を説明することとする。
シートベルト装置24は、3点式のシートベルト装置とされており、一端がリトラクタ26に引き出し可能に巻き取られたベルト(ウエビング)28の他端がアンカ24Aに固定されている。ベルト28にはタングプレート24Tがスライド可能に設けられており、このタングプレート24Tをバックル24Bに係止させることで、ベルト28が着座者Dに装着されるようになっている。そして、ベルト28は、着座者Dへの装着状態で、該ベルト28のうちリトラクタ26からタングプレート24Tまでのショルダベルト28Sが着座者Dの上体に装着され、タングプレート24Tからアンカ24Aまでのラップベルト28Lが着座者Dの腰部Pに装着される構成である。
この実施形態では、シートベルト装置24は、リトラクタ26、アンカ24A、及びバックル24Bが車両用シート12に設けられている、所謂シート付のシートベルト装置とされている。また、この実施形態では、リトラクタ26は、作動されることで強制的にベルト28を巻き取るプリテンショナ機能を有する。リトラクタ26のプリテンショナ機能は、後述するECU60によって作動されるようになっている。
サイドエアバッグ装置22は、インフレータ22Aと、サイドエアバッグ22Bとを備えて構成されており、サイドエアバッグ22Bの折り畳み状態でシートバック16における車幅方向外側の側部に収納されている。インフレータ22Aは、作動されるとサイドエアバッグ22B内でガスを発生するようになっている。このガスによってサイドエアバッグ22Bは、シートバック16の側部から前方に突出され着座者Dに対する車幅方向外側で膨張展開する構成とされている。この実施形態では、サイドエアバッグ22Bは、着座者Dの腰部P、腹部A、胸部B、肩部Sに対する車幅方向外側で膨張展開する構成とされている。
(多方位エアバッグ装置の構成)
図1及び図4(A)に示されるように、多方位エアバッグ装置20は、エアバッグとしての多方位エアバッグ30と、ガス供給装置32と、モジュールケース(エアバッグケースともいう)34とを有して構成されている。多方位エアバッグ30は、後述するようにガス供給装置32がガス供給可能に接続された状態で折り畳まれ、モジュールケース34内に収納されている。このようにモジュール化された多方位エアバッグ装置20は、シートバック16上においてヘッドレスト18に設けられている。以下、具体的に説明する。
<多方位エアバッグ>
多方位エアバッグ30は、平断面視で図3(A)に示されるように、着座者Dの頭部H(以下、単に「頭部H」という場合がある)を前方及び左右両側方から取り囲むように膨張展開される一体の袋体として構成されている。より具体的には、図1〜図3に示されるように、多方位エアバッグ30は、ダクト状に膨張展開されるダクト部としてのフレームダクト35と、頭部Hの前方で展開される前展開部36と、頭部Hの左右両側方で展開される一対の横展開部38とを含んで構成されている。一対の横展開部38の一方は、図7(B)に示されるように、頭部Hと車体側部としてのサイドウインドウガラスSWとの間で膨張展開され、一対の横展開部38の他方は、頭部Hに対する図示しない隣席側で膨張展開されるようになっている。なお、図7(B)では、サイドエアバッグ22Bの図示を省略している。
図1、図2及び図6に示されるように、多方位エアバッグ30は、少なくともフレームダクト35と、前展開部36の後述する前膨張部40と、横展開部38の後述する横膨張部44とが、連通又は非連通状態で区画された一体の袋体として構成されており、折り畳み状態でヘッドレスト18に収納されている。この実施形態における多方位エアバッグ30は、頭部Hの上方で展開される上展開部48と、頭部Hの後方で展開される後展開部55とをさらに含んで構成されている。
[フレームダクト]
フレームダクト35は、シート幅方向の両側にそれぞれ設けられて一対を成しており、それぞれ側面視で下向きに開口する「U」字状に膨張展開される構成である。具体的には、フレームダクト35は、膨張展開状態における側面視で、ヘッドレスト18に沿って上下に延びる後ダクト35Rと、後ダクト35Rの上端から前方に延びる上ダクト35Uと、上ダクト35Uの前端から垂下される前ダクト35Fとを含んでいる。
図6に示されるように、各後ダクト35Rの下端は、連通状態で互いに接続されており、該接続部には、ガス供給装置32からのガスが供給されるガス供給口35Sが形成されている。各フレームダクト35は、ガス供給装置32からのガスを後述する前膨張部40に導くダクト部として機能する。
[前展開部]
前展開部36は、頭部Hの正面で展開される部分を含む前膨張部40と、前膨張部40を複数の膨張部に区画する非膨張部42とを含んで構成されている。この実施形態では、前膨張部40は、それぞれ上下方向を長手方向としてシート幅方向に隣接して膨張展開される一対の上下膨張部40Aと、一対の上下膨張部40Aの下方に位置する下膨張部40Lとを含んで構成されている。一対の上下膨張部40Aは、頭部Hの前方(正面)で膨張展開される構成とされ、下膨張部40Lは、着座者Dの胸部B及び肩部Sの前方で膨張展開される構成とされている。
図2に示されるように、非膨張部42は、一対の上下膨張部40Aをシート幅方向に区画する非膨張部42Aと、各上下膨張部40Aとフレームダクト35の前ダクト35Fとの間に介在される非膨張部42Bとを含んで構成されている。この実施形態では、非膨張部42Aは上下に延びる線状のシームにて構成され、非膨張部42Bは上下に延びる環(無端)状のシームにて囲まれた部分として構成されている。また、前膨張部40は、下膨張部40Lの長手方向両端において、非膨張部42Bの下方に位置する連通路40R(図1、図6参照)を通じて前ダクト35Fの下部と連通されている。また、下膨張部40Lには、一対の上下膨張部40Aの下端が全体として連通されている。
[横展開部]
横展開部38は、ガス供給を受けて頭部Hの側方で膨張展開される横膨張部44と、横膨張部44を複数の膨張部に区画する非膨張部46とを含んで構成されている。この実施形態では、膨張展開状態の横展開部38は、フレームダクト35によって後方、上方、前方の三方から囲まれており、側面視で略矩形状を成している。また、横展開部38は、側面視で頭部Hのほぼ全体にラップする大きさ(面積)を有している。この横展開部38の横膨張部44は、非膨張部46を構成するシームにおける下向きに開口する逆U字状を成すU字状シーム46Aによって、フレームダクト35の全長に亘って該フレームダクト35と仕切られている。これにより、横膨張部44は、前膨張部40及びダクト部としてのフレームダクト35と仕切られている。換言すれば、横膨張部44は、前膨張部40及びフレームダクト35と非連通とされている。
また、この実施形態における非膨張部46は、横膨張部44の下縁からU字状シーム46Aの開口内まで延びる前後一対の縦シーム46Bを含んで構成されている。一対の縦シーム46Bは、横膨張部44の下部44Lを前後に並んで膨張展開される3つの膨張部44L1、44L2、44L3に区画している。なお、横膨張部44の上部44Uは、前後に区画されていない。
図6に示されるように、左右の横膨張部44の構成部分のうち最も後側で膨張展開される膨張部44L3の後端には、それぞれガス供給装置32からのガスが供給されるガス供給口44Sが形成されている。膨張部44L3の後部は、フレームダクト35の後ダクト35Rの下側に回り込んでおり、U字状シーム46Aから連続するシーム46Cによって後ダクト35Rとは仕切られている。
左右の横展開部38は、図3(B)に示されるように、多方位エアバッグ30の膨張展開状態で、それぞれの横膨張部44の下端44Bが着座者Dの肩部S上に接触するようになっている。この横膨張部44の下端44Bの肩部Sに対する接触によって、膨張展開状態の多方位エアバッグ30の着座者D(の頭部H)に対する上下方向の位置が決まる構成である。この位置決め状態で多方位エアバッグ30は、通常の着座姿勢をとる着座者Dに対して、前展開部36、左右の横展開部38、及び後述する上展開部48の何れも頭部Hと接触しない(隙間が形成される)構成とされている。
[上展開部及び後展開部]
上展開部48は、図6に示されるように、それぞれシート幅方向を長手方向として膨張展開される前後一対のクロス膨張部48Aと、前後のクロス膨張部48A間を繋ぐ布状の非膨張部48Bとを含んで構成されている。また、上展開部48は、前側のクロス膨張部48Aと前展開部36(一対の上下膨張部40A)の上端とを繋ぐ布状の非膨張部48Cを含んで構成されている。
前後のクロス膨張部48Aは、フレームダクト35の上ダクト35Uからガス供給を受けて、一対の上ダクト35Uをシート幅方向に連結して膨張展開されるようになっている。これにより、前後のクロス膨張部48Aは、上ダクト35Uとで連続する一体の膨張部を、頭部Hの上方で展開させる構成とされている。また、非膨張部48Bは、前後のクロス膨張部48A間で、上ダクト35Uをシート幅方向に繋いで展開されるようになっている。
後展開部55は、布状の非膨張部とされており、上展開部48における後側のクロス膨張部48Aと左右のフレームダクト35とを繋ぎ、該クロス膨張部48Aと左右のフレームダクト35との間で展開されるようになっている。
<その他>
以上説明した多方位エアバッグ30は、折り畳まれた状態で、ヘッドレスト18内(モジュールケース34)に収納されている。多方位エアバッグ30の折り畳み形態については、展開誘導布58の構成と併せて、モジュールケース34の構成と共に後述する。
また、着座者Dを拘束しない無拘束の膨張展開状態の多方位エアバッグ30は、図1に示されるように、着座者Dを拘束しない無拘束の膨張展開状態のサイドエアバッグ22Bに側面視で重ならない(ラップしない)構成とされている。換言すれば、多方位エアバッグ30とサイドエアバッグ22Bとは、互いの無拘束の膨張展開状態で、少なくとも側面視でラップする膨張展開部分を互いに有しない構成とされている。また、図2に示されるように、無拘束の膨張展開状態の多方位エアバッグ30は、着座者Dを拘束しない無拘束の膨張展開状態のサイドエアバッグ22Bに正面視で重ならない構成とされている。
[ガス供給装置]
図6に示されるように、ガス供給装置32は、ガス発生装置であるインフレータ50と、ガス分配手段であるディフューザ52とを主要部として構成されている。インフレータ50は、燃焼式又はコールドガス式のものが採用され、作動されることでガスを発生するようになっている。この実施形態では、インフレータ50は、シリンダ型のインフレータとされ、図1に示されるようにモジュールケース34内でシート幅方向を長手方向として配置されている。このインフレータ50は、後述する制御装置としてのECU60によって作動が制御されるようになっている。
図6に示されるように、ディフューザ52は、インフレータ50のガスが流入される流入口52Aと、ガスを多方位エアバッグ30に流出する第1流出口52B及び第2流出口52Cとを有する。流入口52Aは、ディフューザ52の基端部に設けられ、インフレータ50から突出されたガス噴出管50Pが気密状態で挿入されている。
第1流出口52B及び第2流出口52Cは、ディフューザ52の先端側で分岐して構成されている。この実施形態では、左右一対の横膨張部44に対応して一対の第2流出口52Cが設けられており、ディフューザ52の先端側は3つの流出口に分岐されている。そして、第1流出口52Bは、多方位エアバッグ30のガス供給口35Sに気密状態で挿入されている。また、一対の第2流出口52Cは、多方位エアバッグ30における左右対応するガス供給口44Sに気密状態で挿入されている。
この実施形態では、ディフューザ52は、多方位エアバッグ30を構成する基布と同等の基布にて構成されており、縫製によって多方位エアバッグ30のガス供給口35S、44Sとの間が気密状態にシールされている。以上により、ガス供給装置32は、インフレータ50が発生したガスをディフューザ52によってフレームダクト35、左右の横膨張部44に分配して供給する構成とされている。また、この実施形態では、多方位エアバッグ30における左右の横膨張部44からはガス供給口44Sを合流させた筒状の接続部44Cが延出されており、該接続部44Cによってディフューザ52の基端側の部分が覆われている。
そして、各第2流出口52Cの流路断面積は、第1流出口52Bの流路断面積よりも大とされている。これにより、ガス供給装置32は、各横膨張部44への単位時間当たりのガス供給量が、フレームダクト35及び前膨張部40への単位時間当たりのガス供給量よりも大となる構成とされている。また、各横膨張部44の容量は、フレームダクト35及び前膨張部40の容量の和と同等以下とされている。以上により、多方位エアバッグ装置20は、多方位エアバッグ30の横膨張部44がフレームダクト35及び前膨張部40よりも高い内圧で膨張展開される構成である。
[モジュールケース]
図1及び図5に示されるように、モジュールケース34は、シートバック16上におけるヘッドレスト本体19の後方に配置されている。この実施形態では、モジュールケース34は、ヘッドレスト18(の後部意匠)を構成するバックボードとされている。すなわち、本実施形態におけるモジュールケース34は、多方位エアバッグ装置20の要素と、ヘッドレスト18の要素とを兼ねて構成されている。したがって、多方位エアバッグ30は、ヘッドレスト18の後部の内側(内部)に配設されていることとなる。
モジュールケース34は、正面視ではヘッドレスト本体19の上端よりも上方に突出すると共に、ヘッドレスト本体19に対しシート幅方向の両側に張り出している。すなわち、モジュールケース34は、ヘッドレスト本体19を後方から覆っている。この実施形態では、モジュールケース34は、ヘッドレスト本体19の後部を上方及び左右両側方から覆っており、上記の通りヘッドレスト18の後部意匠を構成している。
より具体的には、モジュールケース34は、ベース部34Bと、後壁としての主壁34Mと、シート幅方向に対向する一対の側壁34Sとを主要部として構成されている。ベース部34Bは、シートバック16の上端に対する固定部とされている。
主壁34Mは、ベース部34Bの後端から上方に延出されており、シートバック16上に固定された下端に対し上端が前方に位置するように前傾され、かつ側面視で後上向きに凸となる湾曲形状を成している。主壁34Mは、正面視でヘッドレスト本体19の上端よりも上方に突出すると共に、ヘッドレスト本体19に対しシート幅方向の両側に張り出している。
主壁34Mとヘッドレスト本体19との間には、折り畳み状態の多方位エアバッグ30を収納する空間が形成されている。また、主壁34Mの上端は、ヘッドレスト本体19の上方まで至っている。この主壁34Mの上端部とヘッドレスト本体19との間を、膨張展開過程の多方位エアバッグ30が通過する構成とされている。
一対の側壁34Sは、主壁34Mのシート幅方向両端から前方に延出されており、側面視でヘッドレスト本体19の後部を覆っている。一対の側壁34Sとヘッドレスト本体19との間を、膨張展開状態の多方位エアバッグ30における主に後ダクト35Rが通る構成とされている。
以上説明したモジュールケース34は、ヘッドレスト本体19との間に折り畳み状態の多方位エアバッグ30を収納している。また、この多方位エアバッグ30のガス供給口35S、44Sは、モジュールケース34内に配置されている。そして、ディフューザ52を介してガス供給口35S、44Sに接続されたインフレータ50が、そのスタッドボルトがモジュールケース34のベース部34Bを貫通した状態で、シートバックフレームに締結されている(図示省略)。
また、多方位エアバッグ30は、外ロール折りされてモジュールケース34内に収納されている。外ロール折りとは、図5に示されるように側面視でフレームダクト35の展開過程を逆向きに、前端側から上方側かつ後方側に向けたロール状の折り態様とされている。換言すれば、外ロール折りは、図5に想像線にて示されるように、多方位エアバッグ30の展開過程でロール折り部分30Rが頭部H側とは反対側に位置する折り態様とされる。上記の通り横展開部38が上展開部48及び後展開部55に接合されている多方位エアバッグ30は、前展開部36及びフレームダクト35が外ロール折りされる前に横展開部38が内側に折り込まれている。
この折り畳み状態の多方位エアバッグ30は、少なくとも一部がヘッドレスト本体19のヘッドレストステー19Sにおける上部19SU、中間部19SCの後方に配置されている。この実施形態のヘッドレスト本体19は、ヘッドレストステー19Sにおける上部19SU、中間部19SCの後方のクッション材(パッド)19Cが薄く形成され、該クッション材19Cとモジュールケース34との間に折り畳み状態の収納空間が形成されている。多方位エアバッグ30は、ガス供給装置32からガス供給を受けると、外ロール折りが解消されながら、クッション材19Cとモジュールケース34との間からモジュールケース34外に向けて膨張展開される構成である。
この際、モジュールケース34の主壁34Mは、膨張展開過程の多方位エアバッグ30を後方から支持する(前方へ向かうための反力をとる)構成されている。またこの際、モジュールケース34の主壁34Mは、上記した側面視での湾曲形状により、膨張展開過程の多方位エアバッグ30を前方(前上方)に向けて案内する構成とされている。したがって、この実施形態における主壁34Mは、支持壁、案内壁として機能するようになっている。
また、このモジュールケース34内では、誘導布としての展開誘導布58が多方位エアバッグ30と共に折り畳まれて収納されている。モジュールケース34内で展開誘導布58は、上記の通り外ロール折りされた多方位エアバッグ30に対する外側(主壁34M側)に配置された基部がインフレータ50又は多方位エアバッグ30における基端側の部分である後展開部55に接続されている。一方、展開誘導布58の先端側は多方位エアバッグ30のロール折り部分30Rをロール方向(図5では時計方向)とは反対向き(反時計方向)に覆うように該外ロール折り部分30Rの内側(ヘッドレスト18側)に配置されている。
この展開誘導布58は、図5に想像線にて示されるように多方位エアバッグ30の膨張展開(ロール折り解消)に伴ってモジュールケース34外に導出され、多方位エアバッグ30に先行して該多方位エアバッグ30と車室天井との間で展開されるようになっている。また、展開誘導布58は、乗員保護装置10が適用された自動車の天井材よりも多方位エアバッグ30に対する摩擦係数が小さくされている。この実施形態では、展開誘導布58の車室天井側の面はシリコンコートが施されており、展開誘導布58の多方位エアバッグ30との接触面はシリコンコートが施されない低摩擦面とされている。
図4(B)に示されるように、正面視でモジュールケース34とヘッドレスト本体19との間はエアバッグドア33にて閉止されている。エアバッグドア33は、多方位エアバッグ30の展開圧によって脆弱部であるティアライン33Tをきっかけに開裂されることで、該多方位エアバッグ30の前方への膨張展開を許容する構成とされている。
(ECUの構成)
乗員保護装置10を構成する多方位エアバッグ装置20、サイドエアバッグ装置22、及びシートベルト装置24は、図4(A)に示されるように、制御装置としてのECU60によって制御されるようになっている。具体的には、多方位エアバッグ装置20のインフレータ50、サイドエアバッグ装置22のインフレータ22A、シートベルト装置24のリトラクタ26(プリテンショナ機能)は、それぞれECU60に電気的に接続されている。また、ECU60は、衝突センサ62(又はセンサ群)と電気的に接続されている。
ECU60は、衝突センサ62からの情報に基づいて、適用された自動車に対する各種形態の前面衝突(の発生又は不可避であること)を後述する衝突形態毎に検知又は予測可能とされている。また、ECU60は、衝突センサ62からの情報に基づいて、適用された自動車に対する側面衝突(の発生又は不可避であること)を検知又は予測可能とされている。
ECU60は、衝突センサ62からの情報に基づいて側面衝突を検知又は予測すると、インフレータ22A、50を作動させるようになっている。また、ECU60は、衝突センサ62からの情報に基づいて前面衝突を検知又は予測すると、インフレータ50、リトラクタ26を作動させるようになっている。なお、ECU60がインフレータ50、リトラクタ26を作動させる前面衝突の形態は、フルラップ前面衝突、オフセット前面衝突等とされる。
そして、ECU60は、衝突センサ62からの情報に基づいて前面衝突のうち車幅方向一方側に所定値以上オフセットした位置への前面衝突を検知又は予測すると、インフレータ22A、50、及びリトラクタ26を作動させるようになっている。このような車幅方向一方側に所定値以上オフセットした位置への前面衝突には、斜め衝突や微小ラップ衝突等が含まれる。
ここで、斜め衝突(MDB斜突、オブリーク衝突)とは、例えばNHTSAにて規定される斜め前方からの衝突(一例として、衝突相手方との相対角15°、車幅方向のラップ量35%程度の衝突)とされる。この実施形態では、一例として相対速度90km/hrでの斜め衝突が想定されている。また、微小ラップ衝突とは、自動車の前面衝突のうち、例えばIIHSにて規定される衝突相手方との車幅方向のラップ量が25%以下の衝突とされる。例えば車体骨格であるフロントサイドメンバに対する車幅方向外側への衝突が微小ラップ衝突に該当する。この実施形態では、一例として相対速度64km/hrでの微小ラップ衝突が想定されている。
(作用及び効果)
次に、本実施形態の作用について説明する。先ず、各種の衝突形態に対する着座者の保護作用の概要を説明し、その後、横膨張部44が前膨張部40等よりも高い内圧で膨張展開されることによる作用効果を説明することとする。
<概要>
上記構成の乗員保護装置10では、ECU60は、衝突センサ62からの情報に基づいて側面衝突を検知又は予測すると、インフレータ22A、50を作動させる。すると、図1、図2に示されるように、サイドエアバッグ装置22のサイドエアバッグ22Bが着座者Dに対する車幅方向の外側で膨張展開されると共に、多方位エアバッグ装置20の多方位エアバッグ30が着座者Dの頭部Hを取り囲むように膨張展開される。
これにより、着座者Dは、肩部S、胸部B、腹部Aがサイドエアバッグ22Bにて側方から拘束され、頭部Hが多方位エアバッグ30の主に横展開部38によって側方から拘束され、側面衝突に対し保護される。
また、ECU60は、衝突センサ62からの情報に基づいて前面衝突を検知又は予測すると、インフレータ50、リトラクタ26を作動させる。これにより、シートベルト装置24のベルト28がリトラクタ26により強制的に巻き取られると共に、多方位エアバッグ装置20の多方位エアバッグ30が着座者Dの頭部Hを取り囲むように膨張展開される。
これにより、着座者Dは、上体がベルト28にて拘束され、頭部H及び胸部Bが多方位エアバッグ30の主に前展開部36によって前方から拘束され、前面衝突に対し保護される。
さらに、ECU60は、衝突センサ62からの情報に基づいて斜め衝突を検知又は予測すると、インフレータ22A、50、及びリトラクタ26を作動させる。これにより、シートベルト装置24のベルト28がリトラクタ26により強制的に巻き取られると共に、多方位エアバッグ装置20の多方位エアバッグ30が着座者Dの頭部Hを取り囲むように膨張展開される。また、サイドエアバッグ装置22のサイドエアバッグ22Bが着座者Dに対する車幅方向の外側で膨張展開される。
これにより、着座者Dは、肩部S、胸部B、腹部Aがサイドエアバッグ22Bにて側方から拘束され、上体がベルト28にて拘束され、頭部H及び胸部Bが多方位エアバッグ30の前展開部36及び横展開部38の少なくとも一方によって前方及び側方から拘束される。これらのサイドエアバッグ22B、ベルト28及び多方位エアバッグ30により、着座者Dは、斜め衝突に対し保護される。なお、微小ラップ衝突の場合における乗員保護装置10による着座者Dの保護態様についても、斜め衝突の場合の乗員保護装置10による着座者Dの保護態様と概ね同様である。
以上説明したように、乗員保護装置10では、車両用シート12に設けられた多方位エアバッグ装置20、サイドエアバッグ装置22、及びシートベルト装置24によって、各種形態の衝突に対し着座者Dを保護することができる。このため、乗員保護装置10が適用された自動車では、他のエアバッグ装置の設定を省略することができる。例えば、乗員保護装置10が適用された車両用シート12が運転席である場合、ステアリングホイールに設けられる運転席エアバッグ装置やルーフサイド部に設けられるカーテンエアバッグ装置の設定を省略することができる。また例えば、乗員保護装置10が適用された車両用シート12が助手席である場合、インストルメントパネルに設けられる助手席エアバッグ装置やルーフサイド部に設けられるカーテンエアバッグ装置の設定を省略することができる。さらに例えば、乗員保護装置10が適用された車両用シート12が2列目以降の座席である場合、ルーフサイド部に設けられるカーテンエアバッグ装置の設定を省略することができる。
<横膨張部が前膨張部等よりも高い内圧で膨張展開されることによる作用効果>
上記した通り、前面衝突の際には、着座者Dは多方位エアバッグ30の前展開部36すなわち前膨張部40にて前方から拘束される。この際、着座者Dの頭部H及び胸部Bとステアリングホイールやインストルメントパネルとの間には比較的広い(前後に長い)空間が存在している。このため、前面衝突に対しては、前膨張部40による着座者Dの頭部Hの拘束に伴って、図7(A)に示されるように、ヘッドレスト18から前膨張部40に至るフレームダクト35及び横膨張部44を含んだ多方位エアバッグ30が全体として前後に伸びる。この多方位エアバッグ30の前後方向への伸びによって、着座者Dのエネルギ吸収が果たされる。
一方、側面衝突の際には、図7(B)に示されるように、車幅方向の衝突側(ニアサイド)では、横膨張部44が着座者Dの頭部HとサイドウインドウガラスSWとの間で膨張展開される。この際、着座者Dの頭部HとサイドウインドウガラスSWとの間の空間は狭く、ほぼ横膨張部44にて占有されることとなる。このため、横膨張部44には、自らの圧縮変形によるエネルギ吸収性能が(ストロークあたりの荷重)が求められる。
ここで、本実施形態に係る乗員保護装置10では、横膨張部44が前膨張部40及びフレームダクト35に対し高い内圧で膨張展開されるため、側面衝突の際に横膨張部44の圧縮変形(底付きしない潰れ)によって頭部Hのエネルギ吸収が果たされる。一方、前面衝突の際には、多方位エアバッグ30の前後方向の伸びによるエネルギ吸収が果たされるので、前膨張部40は、横膨張部44と比較して、圧縮変形によるエネルギ吸収性能の要求度合いが小さい。本実施形態では、相対的に低い内圧で膨張展開された前膨張部40によって着座者Dの頭部H、胸部Bを柔らかく受け止めつつ、上記の通り多方位エアバッグ30の前後方向の伸びによるエネルギ吸収が果たされる。このため、エネルギ吸収過程で頭部Hに作用する荷重のピークが低く抑えられる。
このように、本実施形態に係る乗員保護装置10(多方位エアバッグ装置20)では、ヘッドレスト18に収納された状態から膨張展開される多方位エアバッグ30によって、前面衝突及び側面衝突に対し着座者Dを効果的に保護することができる。
そして、乗員保護装置10では、インフレータ50が発生するガスを多方位エアバッグ30に流出するディフューザ52の第2流出口52Cの流路断面積が第1流出口52Bの流路断面積よりも大である。このため、簡単な構造で、一対の横膨張部44を前膨張部40よりも高い内圧で膨張展開させることができる。
<ガス供給装置の変形例>
なお、上記した実施形態では、ガス供給装置32がインフレータ50とディフューザ52とを主要部として構成された例を示したが、本開示はこれに限定されない。例えば、ガス供給装置32に代えて、図8に示されるガス供給装置64を備えた構成としても良い。
ガス供給装置64は、2つのインフレータ66、68を備えている。インフレータ66は、フレームダクト35及び前膨張部40にガスを供給するものであり、第1インフレータに相当する。インフレータ68は、一対の横膨張部44にガスを供給するものであり、第2インフレータに相当する。
この変形例では、フレームダクト35のガス供給口35Sから筒状の接続部35Cが延出されており、該接続部35Cにインフレータ66から突出されたガス噴出管66Pが気密状態で挿入されている。また、左右の横膨張部44からはガス供給口44Sを合流させた筒状の接続部44Cが延出されており、該接続部44Cにインフレータ68から突出されたガス噴出管68Pが気密状態で挿入されている。
そして、ガス供給装置64では、インフレータ66よりもインフレータ68の出力が高い。具体的には、インフレータ68は、単位時間当たりのガス発生量、及びガスの総発生量が共にインフレータ66よりも大とされている。インフレータ66、68の出力(容量)は、多方位エアバッグ30の横膨張部44がフレームダクト35及び前膨張部40よりも高い内圧で膨張展開されるように設定されている。
本変形例に係るガス供給装置64を備えた構成においては、インフレータ68がインフレータ66よりも高出力であるため、簡単な構造で、一対の横膨張部44を前膨張部40よりも高い内圧で膨張展開させることができる。
(その他の変形例)
なお、上記した実施形態では、乗員保護装置10がサイドエアバッグ装置22を備えた例を示したが、本開示はこれに限定されない。例えば、乗員保護装置10がサイドエアバッグ装置22を備えない構成としても良い。また、乗員保護装置10がサイドエアバッグ装置を備える構成において、サイドエアバッグ装置が車両用シート12に設けられる構成には限定されない。例えば、サイドドア等に設けられたサイドエアバッグ装置を備えて乗員保護装置10が構成されても良い。さらに、上記した実施形態では、乗員保護装置10が車幅方向外側のサイドエアバッグ装置22を備えた例を示したが、本開示はこれに限定されない。例えば、乗員保護装置10は、車幅方向外側のサイドエアバッグ装置22に代えて又は加えて、車幅方向の中央側に配置されるサイドエアバッグ装置を備える構成としても良い。
また、上記した実施形態では、乗員保護装置10がシートベルト装置24を備えた例を示したが、本開示はこれに限定されない。例えば、乗員保護装置10がシートベルト装置24を備えない構成としても良い。また、乗員保護装置10がシートベルト装置を備える構成において、シートベルト装置が車両用シート12に設けられる構成には限定されない。例えば、リトラクタやアンカ、バックル等が車体側に設けられた構成としても良い。また、乗員保護装置10がシートベルト装置を備える構成において、該シートベルト装置は3点式に限られることはなく、4点式や2点式のシートベルト装置であっても良い。
さらに、上記した実施形態では、車両用シート12のシート幅方向を車幅方向に一致させた例を示したが、本開示はこれに限定されない。例えば、車両用シート12は車体に対し斜めに配置されても良く、車体に対する向きが変更(上下軸回りに回転)可能である構成としても良い。このような構成において、着座者Dの頭部Hを取り囲んで膨張展開される多方位エアバッグ30を備えた構成は、該頭部Hの良好な保護に寄与し得る。また、膨張展開前の多方位エアバッグ30は、ヘッドレスト18に収納されているため、車室内面や車室内構成品と干渉し難く、車両用シート12の車体に対する向きの変更動作を阻害することが抑制又は防止される。さらに、車両用シート12は、車体における車幅方向の中央からオフセットした位置に配置される構成には限られず、例えば、シート幅方向の中央が車体における車幅方向の中央に一致されても良い。
またさらに、上記した各実施形態では、多方位エアバッグ装置20が全体としてヘッドレスト18に収納された例を示したが、本開示はこれに限定されない。例えば、多方位エアバッグ装置の一部又は全部がシートバック16に収納された構成としても良く、バケットタイプのシートのようにヘッドレスト一体型のシートバックに収納された構成としても良い。さらに、多方位エアバッグ装置20は、シートバック16とヘッドレスト18とに跨って設けられても良い。すなわち、本開示は、ヘッドレストとシートバックとが明確に区別される構成に適用されるものには限られない。また例えばシートバック16がバックボードを備える構成では、バックボードとシートバック本体との間に多方位エアバッグ装置20を収納する構成としても良い。また、多方位エアバッグ装置20をヘッドレスト内に設ける構成においては、ヘッドレストの機能を果たせる形態であれば足り、例えばヘッドレストのクッション材と表皮材との間に多方位エアバッグ装置20を設けても良い。
また、上記した各実施形態では、多方位エアバッグ30が正面視におけるモジュールケース34とヘッドレスト本体19の上部及び左右両側部との間を通って膨張展開される例を示したが、本開示はこれに限定されない。例えば、多方位エアバッグ30がヘッドレスト本体19の上方のみから展開される構成としても良い。
またさらに、上記した実施形態では、多方位エアバッグ30が後展開部55を含んで構成された例を示したが、本開示はこれに限定されない。多方位エアバッグは、少なくとも前膨張部、左右の横膨張部を含んで構成されれば足りる。なお、前膨張部、左右の横膨張部に加えて、上膨張部を備えることが好ましい。
また、上記した各実施形態では、多方位エアバッグ30が正面視におけるモジュールケース34とヘッドレスト本体19の上部及び左右両側部との間を通って膨張展開される例を示したが、本開示はこれに限定されない。例えば、多方位エアバッグ30がヘッドレスト本体19の上方のみから展開される構成としても良い。
さらに、上記した実施形態では、多方位エアバッグ30が外ロール折りされた例を示したが、本開示はこれに限定されない。例えば、多方位エアバッグ30が蛇腹折りなどの他の折り畳み態様でヘッドレスト18などに収納されても良い。
またさらに、上記した実施形態では、多方位エアバッグ装置20が展開誘導布58を備えた例を示したが、本開示はこれに限定されない。例えば、展開誘導布58を備えない構成としても良い。また例えば、展開誘導布58を設ける構成に代えて、車室天井の天井材を低摩擦材にて構成したり、車室天井に低摩擦処理を施したりしても良い。
また、上記した実施形態では、ディフューザ52の第2流出口52Cの流路断面積が第1流出口52Bの流路断面積よりも大である例を示したが、本開示はこれに限定されない。一対の横膨張部44が前膨張部40及びフレームダクト35よりも高い内圧で膨張展開される構成であれば、第2流出口52Cの流路断面積が第1流出口52Bの流路断面積と同等以下であっても良い。同様に上記した図8の変形例では、インフレータ68がインフレータ66よりも高出力である例を示したが、本開示はこれに限定されない。一対の横膨張部44が前膨張部40及びフレームダクト35よりも高い内圧で膨張展開される構成であれば、インフレータ68の出力がインフレータ66の出力と同等以下であっても良い。また、例えばインフレータ68が各横膨張部44に対応する一対のインフレータにて構成されても良い。
その他、本開示は、その要旨を逸脱しない範囲で各種変更して実施可能であることは言うまでもない。例えば、上記実施形態、変形例の構成(要素)を適宜組み合わせ又は組み替えても良い。
10 乗員保護装置
16 シートバック
18 ヘッドレスト
30 多方位エアバッグ(エアバッグ)
32 ガス供給装置
35 フレームダクト(ダクト部)
40 前膨張部
44 横膨張部
50 インフレータ
52 ディフューザ
52B 第1流出口
52C 第2流出口
64 ガス供給装置
66 インフレータ(第1インフレータ)
68 インフレータ(第2インフレータ)

Claims (3)

  1. ヘッドレスト又はシートバックに収納され、ガス供給を受けて膨張展開されるエアバッグが、
    ガス供給装置からガスが流入されるダクト部と、
    前記ダクト部から流入するガスによって乗員の頭部に対するシート前後方向の前方で膨張展開される前膨張部と、
    前記前膨張部及び前記ダクト部と仕切られており、前記ガス供給装置から流入されるガスによって前記乗員の頭部に対するシート幅方向の両側方で前記前膨張部及び前記ダクト部よりも高い内圧で膨張展開される一対の横膨張部と、
    を含む一体の袋体として構成されている乗員保護装置。
  2. 前記ガス供給装置は、
    作動されるとガスを発生するインフレータと、
    前記インフレータのガスを前記ダクト部に流出する第1流出口と、該第1流出口よりも流路断面積が大とされ前記インフレータのガスを前記一対の横膨張部に流出する一対の第2流出口とを有するディフューザと、
    を含んで構成されている請求項1記載の乗員保護装置。
  3. 前記ガス供給装置は、
    作動されて発生したガスを前記ダクト部に流出する第1インフレータと、
    前記第1インフレータよりも高出力とされ、作動されて発生したガスを前記一対の横膨張部に流出する第2インフレータと、
    を含んで構成されている請求項1記載の乗員保護装置。
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