JP2017105934A - 顔料の製造方法 - Google Patents

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尚一 保立
大湊 弘之
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弘之 大湊
岡田 真一
Shinichi Okada
真一 岡田
勝部 浩史
Hiroshi Katsube
浩史 勝部
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Abstract

【課題】 高解像度のインクジェットヘッドを搭載したプリンタにも適用可能な、粗大粒子が低減処理された有機顔料の製造方法を提供する。
【解決手段】 一次粒子の平均粒子径20〜100nmの微細有機顔料を含有する水スラリーに振動を与えた後、3時間以内にスプレー乾燥することを特長とする顔料の製造方法。前記振動は超音波によるものであることが好ましく、前期水スラリーは、粗顔料、水溶性無機塩、水溶性有機溶剤を含有する混合物を機械的に混練した後、水溶性無機塩と水溶性有機溶剤とを除去して得られる微細有機顔料を含有する水スラリーであることが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、顔料の製造方法に関する。
色材として有機顔料を使用した顔料組成物は、有機顔料が有する優れた耐光性を利用して、屋内外問わず、自動車や建材用の塗料分野や、オフセットインキ、グラビアインキ、フレキソインキ、シルクスクリーンインキ等の印刷インキ分野、あるいはインクジェット記録用インク分野やカラーフィルタ用カラーレジスト等様々な用途に使用されている。特にインクジェット記録用インク分野やカラーフィルタ用カラーレジストのような高機能用途に用いられる有機顔料は、塗料や印刷インキの着色に用いられる汎用有機顔料に比べて、高精彩な印刷が要求されることから、より微細な顔料が求められている。
微細な有機顔料を得る方法として、例えば、水スラリー状態にある溶性アゾ顔料または不溶性アゾ顔料の凝集を機械的エネルギーにより破壊した後または破壊しながら、表面処理剤により処理する有機顔料の処理方法や(例えば特許文献1参照)、粗製銅フタロシアニンと溶剤を含む反応混合物を振動及び機械的摩砕力を与えながら乾燥する方法や(例えば特許文献2参照)、顔料を含有する水スラリー(A)をスプレー乾燥させる方法(例えば特許文献3参照)等が知られている。
前記方法は微細な有機顔料を得られるすぐれた方法であるが、時として粗大粒子が多く発生する場合があった。粗大粒子は特に用途がインクジェット記録用インクの場合に問題となり、インクジェットヘッドのノズル目詰まりを引き起こす。特に近年のインクジェットプリンターの高解像度化に伴いインクジェットヘッドのノズルの高密度化及び液滴の微細化、即ちインクを吐出するノズル径の微細化、高集積化が進んでいる(例えば特許文献4参照)。ノズル径の微細化が進むと許容できる異物の大きさも小さくなるため、ノズルの目詰まりが増加し、即ち従来のインクジェットプリンターに適用できていたインクが、新たに開発された高解像度のインクジェットヘッドを搭載したプリンタには使用できないという問題が生じる。
特公平7−94616号公報 特開平8−134368号公報 特開2006−152103号公報 特開2013−993号公報
本発明の課題は、高解像度のインクジェットヘッドを搭載したプリンタにも適用可能な、粗大粒子が低減処理された顔料の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、顔料作製工程における乾燥工程(スプレー乾燥工程)前のスラリーは凝集粒子が多く、乾燥時に乾燥凝集が発生することでさらに粗大粒子が発生してしまうところ、乾燥前に振動を与えて顔料粒子をほぐすことで、乾燥後により微細化した顔料が得られることを見いだし、前記課題を解決した。
即ち本発明は、一次粒子の平均粒子径20〜100nmの微細有機顔料を含有する水スラリーに振動を与えた後、3時間以内にスプレー乾燥する顔料の製造方法を提供する。
本発明の製造方法により得た顔料は、特に水性媒体に分散させた後も粗大粒子が低減されており、高解像度のインクジェットヘッドを搭載したプリンタにも適用可能なインクに好適に使用することができる。
(顔料)
本発明において顔料は特に限定なく従来公知の有機顔料を使用することができる。
具体的には、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、キナクリドンキノン系顔料、ジオキサジン系顔料、アントラピリミジン系顔料、アンサンスロン系顔料、インダンスロン系顔料、フラバンスロン系顔料、ペリレン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、ペリノン系顔料、キノフタロン系顔料、アントラキノン系顔料、チオインジゴ系顔料、ベンツイミダゾロン系顔料、アゾ系顔料等の有機顔料等が挙げられる。本発明の製造方法で、より優れた技術的効果が得られる点で、フタロシアニン系顔料又はキナクリドン系顔料が好適に用いられるが、特に無置換金属フタロシアニン顔料が最適である。粗顔料としても前記したのと同様のものが使用出来る。
一次粒子の平均粒子径100nmを越える粗顔料や有機顔料から、一次粒子の平均粒子径20〜100nmの前記微細有機顔料を得る製造方法は、化成品工業協会出版の「染料と薬品」第5巻第11号(1960)にある様な、従来公知の方法が知られており、特に限定されるものではないが、例えば、アシッドペースト法、ソルトミリング法等が挙げられる。
アシッドペースト法は、合成された粗顔料を、濃硫酸、ポリリン酸等の強酸に溶解し、それを冷水に投入して一次粒子の平均粒子径が20〜100nmの微細有機顔料として析出させる方法である。析出した微細顔料を濾過、洗浄し、顔料のウエットケーキを得る。この方法は、多量の製品を短時間に処理できるので、工業的に、α型銅フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料等の製造によく利用されている。
ソルトミリング法は、まず、一般にニーダーと言われる磨砕機やボールミルで、粗顔料を、無機塩等の磨砕助剤や水溶性溶剤と共に磨砕し一次粒子の平均粒子径が20〜100nmの微細粒子とし、更に微細化された混練物を、水中に取り出し、攪拌し、スラリー状とする。次いで、このスラリーを濾過、洗浄し、無機塩及び水溶性溶剤を除去し、微細有機顔料のウエットケーキを得る。この方法は、β型銅フタロシアニン顔料を工業的に製造する最も一般的な方法である。
ソルトミリング法で使用される磨砕助剤は、その性能、価格の点から塩化ナトリウム(食塩)が一般的であるが、その他に、硫酸ナトリウム(芒硝)、塩化カルシウム等も使用出来る。
また、水溶性溶剤は、ニーダーやボールミル中の混練物の固さを調節するためのもので、一般にジエチレングリコール、エチレングリコール等のグリコール類が使用される。
更に、ソルトミリング法でβ型銅フタロシアニン顔料を製造する場合に、磨砕中に結晶変換してα型銅フタロシアニンとなるのを防止するため少量の適当な有機溶剤を併用するのが一般的である。この際には、例えば、トルエン、キシレン、アセトン、エタノール等を用いることが出来る。
前記した粗顔料の磨砕時に、粗顔料と共に、前記した粗顔料に対応した顔料誘導体を使用することも可能である。
顔料誘導体は、顔料粒子の微細化、顔料分散性の向上、得られた顔料から製造される水性顔料分散液や更に顔料分散体から製造されるインクジェット記録用水性インクの粘度をより低下させ、より高い保存安定性を付与させることが出来、更には塗膜物性の向上等が期待出来る。従って、粗顔料と顔料誘導体とを併用して、一次粒子の平均粒子径が20〜100nmの微細有機顔料を調製することが好ましい。
本発明で使用出来る顔料誘導体は、前記有機顔料を骨格としてなり、前記顔料の骨格に置換基を付加した顔料誘導体である。例えば、フタロシアニン系顔料誘導体、キナクリドン系顔料誘導体、ジケトピロロピロール顔料誘導体、アントラキノン系顔料誘導体、チアジン系顔料誘導体を使用することができる。誘導体部としては、フタルイミドメチル基、スルホン酸基、同N−(ジアルキルアミノ)メチル基、同N−(ジアルキルアミノアルキル)スルホン酸アミド基、がある。これら誘導体は、異なる種類のものを二種以上併用することも出来る。
前記アシッドペースト法やソルトミリング法により、不純物や原料等が洗浄除去され濾過されて得られたウエットケーキは、一般に微細有機顔料と水とを含有し、質量換算で含水率40〜70%を有するものである。この様なウエットケーキは、水に再分散させることで、微細有機顔料を含有する水スラリーとすることが出来る。この水スラリーは、例えば、ディスパー翼を備えた攪拌槽に、前記ウエットケーキを水と共に投入することで調製することが出来る。
(振動)
本発明においては、一次粒子の平均粒子径20〜100nmの微細有機顔料を含有する水スラリーに振動を与えることで、一部に残る顔料の凝集体を破壊させることができる。振動手段は、サンドミル、ビーズミル、ペブミル、パールミル、バスケットミル、ダイノーミル、ボアミル、ビスコミル、モーターミル、SCミル、ドライスミル、アトライター、コロイドミル、ボールミル、ペイントコンディショナー等のメディア分散や、高圧ホモジナイザー、ナノマイザー、アルティマイザー、高速ディスクインペラー、コロイドミル、超音波破砕機等メディアレス分散機が挙げられる。なかでも超音波破砕機が好ましい。
振動を与える手段として超音波破砕機で行う方法の具体的例を示す。即ち、前記顔料の水スラリーを超音波分散機または超音波洗浄機などの超音波破砕機を使用し、超音波破砕機の出力は200〜3000Wでありより好ましくは500〜2000Wであり、超音波破砕機の周波数は15〜40kHzでありより好ましくは15〜25kHzであり、超音波破砕機の顔料1gあたりの電力量は6〜90Wh/gでありより好ましくは15〜60Wh/g、の条件にて振動を与える。このとき水スラリーは滞留していても流動していても良い。
(スプレー乾燥)
前記振動を与えた顔料の水スラリーは、次にスプレー乾燥する。スプレー乾燥には、公知慣用のスプレー乾燥機がいずれも使用できる。
スプレー乾燥機とは、前記水スラリーを微細な霧状にし、これを熱風中に噴出させ、瞬間的に乾燥させ、粉末状の乾燥有機顔料粉末を得る装置である。
顔料の水スラリーを微細な霧状にする代表的な方法として、回転円盤による遠心噴霧と圧力ノズルによる加圧噴霧があり、生産量やスラリーの特性、目的とする乾燥品の粒度に応じて使い分けられる。一般的に、遠心噴霧式のほうが細かな粉体粒度を得ることが出来るので好ましい。この様なスプレー乾燥機としては、例えば、微粒化装置と乾燥装置を兼ね備えた、ニロジャパン(株)製スプレードライヤー等がある。
ここでは、質量換算で含水率3%未満となる様に乾燥が行われ、有機顔料粉末が得られる。尚、この含水率は、日本工業規格JIS K5101−23「加熱減量」に従って測定した乾燥有機顔料の加熱減量(%)である。
こうして得られた顔料は、振動を与えずにスプレー乾燥したもの、あるいは振動を与えながらスプレー乾燥したものより、顔料凝集粒子がより微細化されているため好ましい。
振動を与えた後スプレー乾燥するまでの間は、本発明においては3時間以内に行う。3時間を越えてしまうと、本発明の効果が十分に発揮できず、顔料凝集粒子が十分に微細化できない。その理由として、振動を与えた後一旦破壊された顔料の凝集体は、時間が経過すると再凝集する傾向があることから、3時間を越えると再凝集が進みすぎるのではないかと推定している。この観点から、振動を与えた後スプレー乾燥するまでの間はできる限り短いほうが、顔料の再凝集を防ぐことができ好ましい。より好ましくは2時間以内であり、1時間以内が最も好ましい。
(用途)
本発明の製造方法で得た顔料は、そのまま粉体顔料として使用してもよいし、公知の顔料分散剤で分散させた水性顔料分散液として、自動車や建材用の塗料分野や、オフセットインキ、グラビアインキ、フレキソインキ、シルクスクリーンインキ等の印刷インキ分野、あるいはインクジェット記録用インク分野等様々な用途に使用することができる。特に粗大粒子が低減処理されているのでインクジェット記録用インクに好適に使用することができる。
(水性顔料分散液の製造方法)
前記水性顔料分散液は、前記顔料の高濃度水分散液(顔料ペースト)を作成し、それを水溶性溶媒及び/または水で希釈し、必要に応じてその他の添加剤を添加して調製することができる。
前記顔料を前記水溶性溶媒及び/または水に分散させて顔料ペーストを得る方法は特に限定はなく、公知の分散方法を使用することが好ましい。この時使用する分散剤も、公知の顔料分散剤を使用して水に分散してもよいし、界面活性剤を使用してもよい。
前記顔料分散剤としては水性樹脂がよく、好ましい例としては、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン類、アニオン性基やカチオン性基を有するウレタン樹脂、アニオン性基やカチオン性基を有するラジカル系共重合体樹脂等が挙げられる。アニオン性基やカチオン性基を有するラジカル系共重合体樹脂としては例えば、アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのアクリル系樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのスチレン−アクリル樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、及び該水性樹脂の塩が挙げられる。
前記共重合体の塩を形成するための化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどの水酸化アルカリ金属類、およびジエチルアミン、アンモニア、エチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジプロピルアミン、ブチルアミン、イソブチルアミン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、アミノメチルプロパノール、モルホリンなどが挙げられる。これらの塩を形成するための化合物の使用量は、前記共重合体の中和当量以上であることが好ましい。
また市販品を使用することも勿論可能である。市販品としては、味の素ファインテクノ(株)製品)のアジスパーPBシリーズ、ビックケミー・ジャパン(株)のDisperbykシリーズ、BYK−シリーズ、チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製のEFKAシリーズ等を使用できる。
また、分散方法としては、例えば以下(1)〜(3)を示すことができる。
(1)顔料分散剤及び水を含有する水性媒体に、顔料を添加した後、攪拌・分散装置を用いて顔料を該水性媒体中に分散させることにより、顔料ペーストを調製する方法。
(2)顔料、及び顔料分散剤を2本ロール、ミキサー等の混練機を用いて混練し、得られた混練物を、水を含む水性媒体中に添加し、攪拌・分散装置を用いて顔料ペーストを調製する方法。
(3)メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン等のような水と相溶性を有する有機溶剤中に顔料分散剤を溶解して得られた溶液に顔料を添加した後、攪拌・分散装置を用いて顔料を有機溶液中に分散させ、次いで水性媒体を用いて転相乳化させた後、前記有機溶剤を留去し顔料ペーストを調製する方法。
混練機としては、特に限定されることなく、例えば、ヘンシェルミキサー、加圧ニーダー、バンバリーミキサー、プラネタリミキサーなどがあげられる。
また、攪拌・分散装置としても特に限定されることなく、例えば、超音波ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、ペイントシェーカー、ボールミル、ロールミル、サンドミル、サンドグラインダー、ダイノーミル、ディスパーマット、SCミル、ナノマイザー等を挙げられる。これらのうちの1つを単独で用いてもよく、2種類以上装置を組み合わせて用いてもよい。
前記顔料ペーストに占める顔料量は5〜60質量%であることが好ましく、10〜50質量%であることがより好ましい。顔料量が5質量%より少ない場合は、前記顔料ペーストから調製した水性インクの着色が不充分であり、充分な画像濃度が得られない傾向にある。また、逆に60質量%よりも多い場合は、顔料ペーストにおいて顔料の分散安定性が低下する傾向がある。
また、粗大粒子が、ノズル詰まり、その他の画像特性を劣化させる原因になるため、インク調製前後に、遠心分離、あるいは濾過処理等により粗大粒子を除去することが好ましい。
分散工程の後に、イオン交換処理や限外処理による不純物除去工程を経て、その後に後処理を行っても良い。イオン交換処理によって、カチオン、アニオンといったイオン性物質(2価の金属イオン等)を除去することができ、限外処理によって、不純物溶解物質(顔料合成時の残留物質、分散液組成中の過剰成分、有機顔料に吸着していない樹脂、混入異物等)を除去することができる。イオン交換処理は、公知のイオン交換樹脂を用いる。限外処理は、公知の限外ろ過膜を用い、通常タイプ又は2倍能力アップタイプのいずれでもよい。
前記顔料ペーストを作成した後、適宜希釈し必要に応じた添加剤を添加して、目的に応じた水性顔料分散液を得る。前記水性顔料分散液をインクジェット記録用インクに適用する場合は、更に水溶性溶媒及び/または水、バインダー目的のアニオン性基含有有機高分子化合物等を加え、所望の物性に必要に応じて湿潤剤(乾燥抑止剤)、浸透剤、あるいはその他の添加剤を添加して調製する。
インクの調整後に、遠心分離あるいは濾過処理工程を加えてもよい。
インクの物理特性については特に限定はされないが、インクジェットインクとしての吐出性に考慮して、粘度は1〜10(mPa・s)が好ましく、表面張力は20〜50(mN/m)が好ましく、顔料濃度は1〜10質量%であることが好ましい。
(湿潤剤)
前記湿潤剤は、インクの乾燥防止を目的として添加する。乾燥防止を目的とする湿潤剤のインク中の含有量は3〜50質量%であることが好ましい。
本発明で使用する湿潤剤としては特に限定はないが、水との混和性がありインクジェットプリンターのヘッドの目詰まり防止効果が得られるものが好ましい。例えば、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、分子量2000以下のポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、イソプロピレングリコール、イソブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、メソエリスリトール、ペンタエリスリトール、等が挙げられる。中でも、プロピレングリコール、1,3−ブチルグリコールを含むことが安全性を有し、かつインク乾燥性、吐出性能に優れた効果が見られる。
(浸透剤)
前記浸透剤は、被記録媒体への浸透性改良や記録媒体上でのドット径調整を目的として添加する。
浸透剤としては、例えばエタノール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール、エチレングリコールヘキシルエーテルやジエチレングリコールブチルエーテル等のアルキルアルコールのエチレンオキシド付加物やプロピレングリコールプロピルエーテル等のアルキルアルコールのプロピレンオキシド付加物等が挙げられる。
(界面活性剤)
前記界面活性剤は、表面張力等のインク特性を調整するために添加する。このために添加することのできる界面活性剤は特に限定されるものではなく、各種のアニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤などが挙げられ、これらの中では、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤が好ましい。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルフェニルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、高級脂肪酸塩、高級脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、高級脂肪酸エステルのスルホン酸塩、高級アルコールエーテルの硫酸エステル塩及びスルホン酸塩、高級アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩等が挙げられ、これらの具体例として、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、イソプロピルナフタレンスルホン酸塩、モノブチルフェニルフェノールモノスルホン酸塩、モノブチルビフェニルスルホン酸塩、ジブチルフェニルフェノールジスルホン酸塩などを挙げることができる。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、脂肪酸アルキロールアミド、アルキルアルカノールアミド、アセチレングリコール、アセチレングリコールのオキシエチレン付加物、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールブロックコポリマー、等を挙げることができ、これらの中では、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルキロールアミド、アセチレングリコール、アセチレングリコールのオキシエチレン付加物、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールブロックコポリマーが好ましい。
その他の界面活性剤として、ポリシロキサンオキシエチレン付加物のようなシリコーン系界面活性剤;パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、オキシエチレンパーフルオロアルキルエーテルのようなフッ素系界面活性剤;スピクリスポール酸、ラムノリピド、リゾレシチンのようなバイオサーファクタント等も使用することができる。
これらの界面活性剤は、単独で用いることもでき、又2種類以上を混合して用いることもできる。界面活性剤を添加する場合は、その添加量はインクの全質量に対し、0.001〜2質量%の範囲が好ましく、0.001〜1.5質量%であることがより好ましく、0.01〜1質量%の範囲であることがさらに好ましい。界面活性剤の添加量が0.001質量%未満の場合は、界面活性剤添加の効果が得られない傾向にあり、2質量%を超えて用いると、画像が滲むなどの問題を生じやすくなる。
また、必要に応じて防腐剤、粘度調整剤、pH調整剤、キレート化剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等を添加することができる。
(記録部材)
本発明の水性顔料分散体から作製した水性インクは、特に普通紙に対しても高い光学濃度を発現させることから、特に普通紙への印字に適しているが、その他の吸収性の記録部材に使用してももちろん構わない。
吸水性の記録媒体の例には、普通紙、(微)塗工紙、布帛、インクジェット専用紙、インクジェット光沢紙、ダンボール、木材、などが含まれる。
以下、本発明の実施例を示して詳しく説明する。
なお、特に断りがない限り「部」は「質量部」、「%」は「質量%」である。
また、本実施例、比較例において用いた樹脂は以下のとおりのものである。
(合成例1 アクリル酸系樹脂(A−1)の製造方法)
撹拌装置、滴下装置、還流装置を有する反応容器にメチルエチルケトン100部を仕込み、攪拌しながら反応容器内を窒素置換した。反応容器内を窒素雰囲気に保ちながら加温し、メチルエチルケトン還流状態とした後、滴下装置からスチレン72部、アクリル酸12部、メタクリル酸16部及び重合触媒(和光純薬工業社製/「V−59」)8部の混合液を2時間かけて滴下した。なお滴下の途中より、反応系の温度を80℃に保った。 滴下終了後、同温度でさらに25時間反応を続けた。なお、反応の途中において、原料の消費状況を確認しながら、適宜、重合触媒を追加した。反応終了後、メチルエチルケトンを減圧下で留去し、得られた固体を粉砕して、アクリル酸系樹脂(A−1)の粉体を得た。
以上により、スチレン/アクリル酸/メタアクリル酸=72/12/16(重量%)であり、重量平均分子量9000、酸価180mgKOH/gであるアクリル酸系樹脂(A−1)が得られた。
なお本発明における重量平均分子量は、GPC(ゲル・浸透・クロマトグラフィー)法で測定し、標準物質として使用するポリスチレンの分子量に換算した値である。なお、測定は以下の装置及び条件により実施した。
送液ポンプ:LC−9A
システムコントローラー:SCL−6B
オートインジェクター:SIL−6B
検出器:RID−6A
以上島津製作所社製。
データ処理ソフト:Sic480IIデータステーション(システムインスツルメンツ社製)。
カラム:GL−R400(ガードカラム)+GL−R440+GL−R450+GL−R400M(日立化成工業社製)
溶出溶媒:THF
溶出流量:2ml/min
(実施例1)
(顔料Aの製造方法:工程1)
フタロシアニン粗顔料75部、ジエチレングリコール90部、塩化ナトリウム563部、キシレン1.57部、水酸化ナトリウム0.87部を双腕式ニーダー(吉田製作所製)に入れ、90℃〜95℃で5時間混練した。
(顔料Aの製造方法:工程2)
前記工程1後、内容物を0.4%塩酸で洗浄、ろ過、70℃の温湯で洗浄、ろ過後、顔料の水スラリーを得た。
このときの水スラリーに含まれる顔料の一次粒子の平均粒子径は、80nmであった。
(顔料Aの製造方法:工程3)
前記工程2後、顔料の水スラリーに、超音波分散機(アイワ医科工業株式会社製)にて出力1200W、周波数28kHz、顔料1g当たりの電力量36Wh/gで振動を与えた。その直後にスプレー乾燥し、顔料Aを得た。
(水性顔料分散液 製造方法)
実施例1で得た顔料Aを50部、合成例1で得たアクリル酸系樹脂(A−1)15部、トリエチレングリコール20部、8N水酸化カリウム7.99部を容量0.4LのプラネタリミキサーACM−0.4LVT(株式会社愛工舎製作所)に仕込み、ジャケットを80度に加温し、回転数80rpmにて1時間混練を行った。続いて、撹拌層内の混練物に、撹拌を継続しながらイオン交換水150部を徐々に加え、更に1時間撹拌した後に全量取り出した。この分散液に、トリエチレングリコールとイオン交換水を加え、顔料濃度14.5%に調整した。
(実施例2)
実施例1の(顔料の製造方法:工程3)において、顔料1g当たりの電力量6Wh/gで処理に変更した以外は、実施例1と同様にして顔料組成物、及び水性顔料分散液を得た。
(実施例3)
実施例1の(顔料の製造方法:工程3)において、顔料1g当たりの電力量90Wh/gで処理に変更した以外は、実施例1と同様にして顔料組成物、及び水性顔料分散液を得た。
(比較例1)
実施例1の(顔料の製造方法:工程3)において、超音波分散を行わないことに変更した以外は、実施例1と同様にして顔料組成物、及び水性顔料分散液を得た。
(比較例2)
実施例1の(顔料の製造方法:工程3)において、超音波分散後、3時間を越えた5時間後にスプレー乾燥を行うことに変更した以外は、実施例1と同様にして顔料組成物、及び水性顔料分散液を得た。
(比較例3)
実施例1の(顔料の製造方法:工程3)において、超音波分散と同時に、スプレー乾燥を行うことに変更した以外は、実施例1と同様にして顔料組成物、及び水性顔料分散液を得た。
(比較例4)
実施例1の(顔料の製造方法:工程3)において、スプレー乾燥ではなく、棚段乾燥を行うことに変更した以外は、実施例1と同様にして顔料組成物、及び水性顔料分散液を得た。
(比較例5)
実施例1の(顔料の製造方法:工程3)において、超音波分散ではなく、スリーワンモーターで攪拌を行う(水スラリーに振動は与えられない)ことに変更した以外は、実施例1と同様にして顔料組成物、及び水性顔料分散液を得た。
(比較例6)
実施例1の(顔料の製造方法:工程3)において、顔料1g当たりの電力量3Wh/gで処理に変更した以外は、実施例1と同様にして顔料組成物、及び水性顔料分散液を得た。
(評価方法)
上記実施例1、及び比較例1〜5で作製した水性顔料分散液に対して以下の項目を測定して評価を行った。
<作製直後の粗大粒子数>
実施例1、及び比較例1〜5で作製した水性顔料分散液を、アキュサイザー780APS(インターナショナル・ビジネス社製)にて測定を行った。粗大粒子数は顔料濃度14.5%、水性顔料分散液1ml当たりの粒子数に換算した。
なお、評価基準は表1の通りとした。
Figure 2017105934
結果を表2に示す。
Figure 2017105934
この結果、本願の製造方法で得た実施例1〜3の顔料は、該顔料を使用した水性顔料分散液において、粗大粒子数が10000×10個/mL未満であった。一方比較例1は振動を与えない製造方法であるが、粗大粒子数が100000×10個/mLを超えてしまった。また比較例2は3時間を越えて振動を与えた例であり、比較例3は振動とスプレー乾燥とを同時に行った例であり、比較例4はスプレー乾燥ではなく棚段乾燥を行った例であり、比較例5は振動を与えずに攪拌した後スプレー乾燥した例であり、比較例6は超音波処理を6Wh/g以下で処理した例であるが、いずれも粗大粒子数を10000×10個/mL未満になったものはなかった。

Claims (4)

  1. 一次粒子の平均粒子径20〜100nmの微細有機顔料を含有する水スラリーに振動を与えた後、3時間以内にスプレー乾燥することを特長とする顔料の製造方法。
  2. 前記振動が超音波によるものである請求項1に記載の顔料の製造方法。
  3. 前記超音波の電力量が顔料1g当たり6〜90Wh/gである請求項2に記載の顔料の製造方法。
  4. 前記水スラリーが、粗顔料、水溶性無機塩、及び水溶性有機溶剤を含有する混合物を機械的に混練した後、水溶性無機塩と水溶性有機溶剤とを除去して得られる微細有機顔料を含有する水スラリーである請求項1〜3のいずれかに記載の顔料の製造方法。
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