JP2017105936A - 防曇剤組成物 - Google Patents

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真紀 加藤
真司 益子
Shinji Masuko
真司 益子
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Abstract

【課題】低温かつ短時間条件下で、車両灯具に求められる防曇性を有する防曇塗膜を形成できる、防曇剤組成物及びその塗装物品の提供。
【解決手段】(メタ)アクリル共重合体(A)、塩基性化合物(B)、界面活性剤(C)、及び溶剤(D)を含有する防曇剤組成物であって、(メタ)アクリル共重合体(A)が、特定量の、(メタ)アクリル誘導体、スルフォン酸を有する(メタ)アクリル酸エステル、及び(メタ)アクリル酸エステルを共重合したアクリル共重合体であり、溶剤(D)が、少なくとも、C2〜3の1価アルコール(dと2−メチル−2−ブタノール(d2)を含み、沸点が64〜250℃のアルコールの割合が96.5重量%以上であり、溶剤(D)中のd1及びd2の合計割合が、95.5重量%超過であり、d1の割合が、76.5〜96.0重量%である、防曇剤組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、防曇剤組成物及びその塗装物品に関する。
自動車のヘッドランプなどの車両灯具において、灯室内に高湿度の空気が入り込み、外気や降雨などによってレンズが冷やされ、レンズ内面に水分が結露することにより、曇りが生じることがある。その結果、車両灯の輝度が低下し、またレンズ面の美観が損なわれることにより、ユーザーの不快感を引き起こす場合がある。このようなレンズ内面の曇りを防ぐために、レンズ内面に防曇剤組成物を塗装し、防曇塗膜を形成させる方法が知られている。
防曇剤組成物としては、N−メチロール基又はN−アルコキシメチロール基(N−メチロールエーテル基)を有する単量体、スルホン酸基を有する単量体、及びアルキル基を有する単量体を含む単量体混合物から形成される共重合体を含有する防曇剤組成物が知られている(特許文献1)。
特開2011−140589号公報
特許文献1に記載の防曇剤組成物において、車両灯具に必要とされる防曇性を有する防曇塗膜を、数十分程度の硬化時間で得るためには、この防曇剤組成物を80℃程度以上で熱硬化する必要があった。
通常、車両灯具に使用されるレンズには、透明性が高く、耐衝撃性に優れる観点から、ポリカーボネート(PC)樹脂、又はポリメチルメタクリレート(PMMA)樹脂が用いられる。PC樹脂の熱変形温度は130℃程度であるため、上記80℃の熱硬化温度条件下では、PC樹脂が変形することはないが、PMMA樹脂は、これを構成するPMMAの分子量や添加剤などの違いにより、その熱変形温度が65〜90℃程度となるため、上記80℃の熱硬化温度条件下では、使用するPMMA樹脂の種類によっては、これが変形してしまう問題があった。
この問題点を解決するため、PMMA樹脂の種類に依存せずにこの変形を防止できる温度、例えば、60℃程度の温度で硬化でき、かつ防曇塗膜の生産効率を高める観点から、40分程度以内で硬化ができるような、防曇剤組成物が求められている。
本発明は、従来の防曇剤組成物よりも、低温かつ短時間条件下で、車両灯具に求められる防曇性を有する防曇塗膜を形成できる、防曇剤組成物及びその塗装物品を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、N−メチロール基又はN−アルコキシメチロール基(N−メチロールエーテル基)を有する単量体、スルホン酸基を有する単量体、及びアルキル基を有する単量体を含む単量体混合物から形成される特定のアクリル共重合体を含有する防曇剤組成物において、特定の溶剤の混合物を用いることにより、低温かつ短時間条件下で、車両灯具に求められる防曇性を有する防曇塗膜を形成できることを見出した。
すなわち、本発明は、アクリル共重合体(A)、塩基性化合物(B)、界面活性剤(C)、及び溶剤(D)を含有する防曇剤組成物であって、
前記アクリル共重合体(A)が、下記一般式(1)
[前記一般式(1)中、Rは水素原子又はメチル基、Rは水素原子又は炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖アルキル基である。]で表される単量体(a1)、
下記一般式(2)
[前記一般式(2)中、Rは水素原子又はメチル基、XはO又はNH、Rは炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖アルキレン基である。]で表される単量体(a2)、及び
下記一般式(3)
[前記一般式(3)中、Rは水素原子又はメチル基、Rは炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖アルキル基である。]で表される単量体(a3)を含む単量体混合物から形成されるアクリル共重合体であり、
前記単量体混合物中の、単量体(a1)の割合が6重量%超過、13重量%未満、単量体(a2)の割合が11重量%超過、19重量%未満、及び単量体(a1)〜(a3)の合計割合が、90重量%超過であり、
前記塩基性化合物(B)の割合が、単量体(a2)のスルホン酸基に対して60モル%超過、95モル%未満であり、
前記溶剤(D)が、少なくとも、炭素数2〜3の1価アルコール(d1)、及び2−メチル−2−ブタノール(d2)を含む、沸点が64℃以上250℃以下のアルコールを含有し、
前記溶剤(D)中の前記沸点が64℃以上250℃以下のアルコールの割合が96.5重量%以上であり、
前記溶剤(D)中の前記(d1)及び前記(d2)の合計割合が、95.5重量%超過であり、
前記溶剤(D)中の前記(d1)の割合が、76.5重量%以上、96.0重量%以下である、防曇剤組成物に関する。
本発明の防曇剤組成物は、前記単量体混合物に、さらに、下記一般式(4)
[前記一般式(4)中、Rは水素原子又はメチル基、Rは水素原子又は炭素数1〜3の直鎖アルキル基であり、Rは炭素数1〜3の直鎖アルキル基であり、R及びRはそれぞれ同一でもよく、異なっていてもよい。]で表される単量体(a4)を含むことが好ましい。
本発明の防曇剤組成物は、前記溶剤(D)中の、前記(d1)及び前記(d2)以外の沸点が64℃以上250℃以下のアルコール(d3)の割合が、4.5重量%以下であることが好ましい。
本発明は、前記防曇剤組成物を、被塗装物に塗装し、該防曇剤組成物を加熱硬化して得られる塗装物品、に関する。
本発明の防曇剤組成物によれば、例えば、これを60℃で40分間の熱硬化をすることによって得られる防曇塗膜が、車両灯具に求められる防曇性を有するので、従来の防曇剤組成物よりも、低温かつ短時間条件下の熱硬化で防曇性を発揮する防曇塗膜を形成できる、防曇剤組成物及びその塗装物品を提供できる。
本発明の防曇剤組成物は、アクリル共重合体(A)、塩基性化合物(B)、界面活性剤(C)、及び溶剤(D)を含有する。
<アクリル共重合体(A)>
本発明のアクリル共重合体(A)は、少なくとも単量体(a1)〜(a3)を含み、任意成分として単量体(a4)を含む単量体混合物から形成される。
<単量体(a1)>
本発明の単量体(a1)は、下記一般式(1)で表されるN−メチロール基又はN−メチロールエーテル基を有する単量体であり、脱水縮合反応、脱アルコール縮合反応により共重合体に架橋構造を形成し、防曇塗膜に耐水性を付与する機能を有する。
[前記一般式(1)中、Rは水素原子又はメチル基、Rは水素原子又は炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖アルキル基である。]
前記単量体(a1)において、前記一般式(1)で表される化合物としては、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−プロポキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。単量体(a1)は、少なくとも1種を用いればよく、2種以上を組み合わせて用いることができる。
<単量体(a2)>
本発明の単量体(a2)は、下記一般式(2)で表されるスルホン酸基を有する単量体であり、酸触媒としての機能、防曇塗膜の親水性を高める機能、及び防曇塗膜に長期耐水性試験後の呼気防曇性を付与する機能を有する。
[前記一般式(2)中、Rは水素原子又はメチル基、XはO又はNH、Rは炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖アルキレン基である。]
前記単量体(a2)において、前記一般式(2)で表される化合物としては、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−((メタ)アクリロイルオキシ)エタンスルホン酸、3−((メタ)アクリロイルオキシ)−1−プロパンスルホン酸などが挙げられる。単量体(a2)は、少なくとも1種を用いればよく、2種以上を組み合わせて用いることができる。
<単量体(a3)>
本発明の単量体(a3)は、下記一般式(3)で表されるアルキル基を有する単量体であり、防曇塗膜の疎水性を高める機能、防曇塗膜と基材との密着性を高める機能を有する。
[前記一般式(3)中、Rは水素原子又はメチル基、Rは炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖アルキル基である。]
前記単量体(a3)において、前記一般式(3)で表される化合物としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ターシャリーブチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。単量体(a3)は、少なくとも1種を用いればよく、2種以上を組み合わせて用いることができる。
<単量体(a4)>
前記アクリル共重合体(A)を形成する単量体混合物には、さらに、下記一般式(4)で表される(メタ)アクリルアミド系単量体(a4)を含むことが好ましい。単量体(a4)は、防曇塗膜の親水性を高める機能を有する。
[前記一般式(4)中、Rは水素原子又はメチル基、Rは水素原子又は炭素数1〜3の直鎖アルキル基であり、Rは炭素数1〜3の直鎖アルキル基であり、R及びRはそれぞれ同一でもよく、異なっていてもよい。]
前記単量体(a4)において、前記一般式(4)で表される化合物としては、(メタ)アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。単量体(a4)は、少なくとも1種を用いればよく、2種以上を組み合わせて用いることができる。
<その他の単量体>
前記アクリル共重合体(A)を形成できる、前記(a1)〜(a4)以外のその他の単量体としては、(a1)〜(a4)以外の公知の単量体、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレンなどの芳香環を有する単量体;(メトキシ)ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(メトキシ)ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(エトキシ)ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(エトキシ)ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどのアルコキシアルキレングリコール基を有する単量体;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのε−カプロラクトン付加物などのヒドロキシル基を有する単量体;(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、マレイン酸半エステルなどのカルボキシル基を有する単量体及びそのアルカリ金属塩、アンモニウム塩;(メタ)アクロイルモルホリン、N−ビニル−2−ピロリドン、2−ビニルピリジンなどの窒素原子を有する単量体などを用いることができる。
以下に、本発明のアクリル共重合体(A)を形成する単量体混合物中の各単量体成分の割合について説明する。
前記アクリル共重合体(A)を形成する単量体混合物中の単量体(a1)の割合は、6重量%超過、13%未満である。アクリル共重合体(A)を形成する単量体混合物中の単量体(a1)の割合は、防曇塗膜と基材との密着性を高める観点から7重量%以上が好ましく、8重量%以上がより好ましい。アクリル共重合体(A)を形成する単量体混合物中の単量体(a1)の割合は、長期耐水性試験後の防曇塗膜の透明性を維持する観点から、12重量%以下が好ましく、11重量%以下がより好ましい。
前記アクリル共重合体(A)を形成する単量体混合物中の単量体(a2)の割合は、11重量%超過、19重量%未満である。アクリル共重合体(A)を形成する単量体混合物中の単量体(a2)の割合は、防曇塗膜に長期耐水性試験後の呼気防曇性を付与する観点から、12重量%以上が好ましく、14重量%以上がより好ましい。アクリル共重合体(A)を形成する単量体混合物中の単量体(a2)の割合は、防曇塗膜と基材との密着性を高める観点、及び長期耐水性試験後の防曇塗膜の透明性を維持する観点から、18重量%以下が好ましく、16重量%以下がより好ましい。
前記アクリル共重合体(A)を形成する単量体混合物中の単量体(a3)の割合は、防曇塗膜と基材との密着性を高める観点から、60重量%以上が好ましく、65重量%以上がより好ましい。アクリル共重合体(A)を形成する単量体混合物中の単量体(a3)の割合は、防曇塗膜の防曇性を高める観点から、80重量%以下が好ましく、75重量%以下がより好ましい。
前記アクリル共重合体(A)を形成する単量体混合物中の単量体(a1)〜(a3)の合計割合は、90重量%超過である。アクリル共重合体(A)を形成する単量体混合物中の単量体(a1)〜(a3)の合計割合は、長期耐水性試験後の防曇塗膜の透明性を維持する観点から、91重量%以上が好ましく、95重量%以上がより好ましい。
前記アクリル共重合体(A)を形成する単量体混合物中の単量体(a4)の割合は、長期耐水性試験後の防曇塗膜の透明性を維持する観点から、0重量%以上、10重量%未満が好ましく、0重量%以上、9重量%以下がより好ましく、0重量%以上、5重量%以下がさらに好ましい。
前記アクリル共重合体(A)を形成する単量体混合物中のその他の単量体の割合は、10重量%以下が好ましく、5重量%以下がより好ましく、3重量%以下がさらに好ましい。
<アクリル共重合体(A)の製造方法>
本発明のアクリル共重合体(A)は、前記単量体混合物を共重合することにより得られる。共重合体の構造としては、ランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体及びグラフト共重合体のいずれの構造であってもよいが、防曇性をはじめとする防曇剤組成物の効果を向上させることができると共に、防曇剤組成物を容易に調製することができるという観点からランダム共重合体が好ましい。共重合体を得るための重合方法としては、ラジカル重合法、カチオン重合法、アニオンリビング重合法、カチオンリビング重合法などの公知の各種重合方法が採用されるが、特に工業的な生産性の容易さ、多義にわたる性能面より、ラジカル重合法が好ましい。ラジカル重合法としては、通常の塊状重合法、懸濁重合法、溶液重合法、乳化重合法などが採用されるが、重合後にそのまま防曇剤組成物として使用することができる点で溶液重合法が好ましい。
前記溶液重合法に用いる重合溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、s−ブタノール、t−ブタノール、ジアセトンアルコール、2−メチル−2−ブタノール(ターシャリーアミルアルコール)などのアルコール系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、3−メトキシ−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノールなどのアルコールエーテル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル系溶剤;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸t−ブチル、乳酸メチル、乳酸エチルなどのエステル系溶剤;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶剤、ホルムアミド、ジメチルホルムアミドなどのアミド系溶剤、水、などが使用される。これら重合溶剤は、少なくとも1種を用いればよく、2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記重合溶剤の中でも、後述する溶剤(d1)及び/又は溶剤(d2)を用いることが、重合後にそのまま防曇剤組成物として使用できる観点から、好ましい。
前記溶液重合において、アクリル共重合体(A)を形成する単量体混合物は、単量体混合物と重合溶剤の合計100重量部中、重合発熱を抑制して工業的生産を行い易くする観点から、50重量部以下に調整することが好ましく、40重量部以下がさらに好ましい。
前記ラジカル重合における開始剤としては、一般的に使用される有機過酸化物、アゾ化合物などを使用することができる。有機過酸化物としては、ベンゾイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−ヘキサノエートレート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ヘキシルパーオキシピバレートなどが挙げられる。アゾ化合物としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリルなどが挙げられる。ラジカル重合開始剤の使用量は、単量体混合物100重量部に対して0.01〜5重量部であることが好ましい。ラジカル重合開始剤は、反応容器中に滴下しながら重合を行うことが重合発熱を制御しやすくなる点で好ましい。重合反応を行う温度は、使用するラジカル重合開始剤の種類によって適宜変更されるが、工業的に製造を行う上で好ましくは30〜150℃、より好ましくは40〜100℃である。
前記アクリル共重合体(A)の重量平均分子量(Mw)は、防曇塗膜に耐水性を付与する観点から、5,000以上が好ましく、10,000以上がより好ましい。アクリル共重合体(A)の重量平均分子量(Mw)は、防曇剤組成物の塗装性及びハンドリング性を高める観点から、100,000以下が好ましく、50,000以下がより好ましい。
前記アクリル共重合体(A)の重量平均分子量(Mw)は、GPC法にて求めることができる。サンプルは、試料をジメチルホルミアミドに溶解して0.2重量%の溶液とし、0.45μmのメンブレンフィルターでろ過したものを用い、以下の条件にて測定することができる。
<重量平均分子量(Mw)の測定>
・分析装置:CR−4A(島津製作所社製)
・カラム:
KD−802.5(昭和電工社製)
KD−803(昭和電工社製)
KD−80M(昭和電工社製)
・カラムサイズ:8.0×300mm
・溶離液:ジメチルホルムアミド
・流量:1.0ml/min
・検出器:示差屈折計
・カラム温度:55℃
・標準試料:ポリスチレン
<塩基性化合物(B)>
本発明の塩基性化合物(B)は、単量体(a2)のスルホン酸基の一部を中和する機能、及び防曇塗膜に長期耐水性試験後の呼気防曇性を付与する機能を有する。単量体(a2)の一部が塩基性化合物(B)によって中和されることにより、防曇塗膜の親水性をより高められる。
前記塩基性化合物(B)における化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、アンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、ジエチルアミノエタノール、アニリン、α−ナフチルアミン、ベンジルアミン、ピリジン、2,6−ルチジン、イミダゾールなどが挙げられる。塩基性化合物(B)は、少なくとも1種を用いればよく、2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記塩基性化合物(B)の割合は、単量体(a2)のスルホン酸基に対して60モル%超過、95モル%未満である。塩基性化合物(B)の割合は、防曇塗膜に長期耐水性試験後の呼気防曇性を付与する観点から、単量体(a2)のスルホン酸基に対して70モル%以上が好ましく、75モル%以上がより好ましい。塩基性化合物(B)の割合は、長期耐水性試験後の防曇塗膜の透明性を維持する観点から、単量体(a2)のスルホン酸基に対して93モル%以下が好ましく、90モル%以下がより好ましい。
前記塩基性化合物は、アクリル共重合体(A)の重合後に加える方法、アクリル共重合体(A)の重合前の単量体(a2)を含む単量体混合物に加える方法、アクリル共重合体(A)の重合前の単量体(a2)に加える方法によって使用できる。
<界面活性剤(C)>
本発明の界面活性剤(C)は、塗膜表面に付着した水分の表面張力を低下させ、塗膜表面に水膜を形成させることにより防曇性を向上させるための成分である。界面活性剤としては、従来公知のものを全て使用することができ、非イオン系界面活性剤、陰イオン系界面活性剤、陽イオン系界面活性剤及び両性イオン系界面活性剤などが挙げられる。界面活性剤は、少なくとも1種を用いればよく、2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのうち、効果の持続性の点から、陰イオン系界面活性剤を少なくとも1種以上含んでいることが好ましい。
前記非イオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンラウリルアルコール、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテルなどのポリオキシエチレン高級アルコールエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェノールなどのポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類、ポリオキシエチレングリコールモノステアレートなどのポリオキシエチレンアシルエステル類、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレートなどのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、アルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどのリン酸エステル類、シュガーエステル類、セルロースエーテル類などが使用される。
前記陰イオン系界面活性剤としては、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸カリウムなどの脂肪酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウムなどの高級アルコール硫酸エステル類、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルベンゼンスルホン酸塩及びアルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ジアルキルスルホコハク酸塩、ジアルキルホスフェート塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウムなどのポリオキシエチレンサルフェート塩などが使用される。
前記陽イオン系界面活性剤としては、エタノールアミン類、ラウリルアミンアセテート、トリエタノールアミンモノ蟻酸塩、ステアラミドエチルジエチルアミン酢酸塩などのアミン塩、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジラウリルジメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ステアリルジメチルベンジルアンモニウムクロライドなどの第4級アンモニウム塩などが使用される。
前記両性イオン系界面活性剤としては、ジメチルアルキルラウリルベタイン、ジメチルアルキルステアリルベタインなどの脂肪酸型両性イオン系界面活性剤、ジメチルアルキルスルホベタインのようなスルホン酸型両性イオン系界面活性剤、アルキルグリシンなどが使用される。
前記界面活性剤(C)の含有量は、防曇塗膜の防曇性を高める観点から、アクリル共重合体(A)100重量部に対して1重量部以上が好ましく、2重量部以上がさらに好ましい。界面活性剤(C)の含有量は、防曇塗膜の透明性を高める観点、及び防曇塗膜と基材との密着性を高める観点から、アクリル共重合体(A)100重量部に対して、20重量部以下が好ましく、10重量部以下がさらに好ましい。
前記界面活性剤(C)と、アクリル共重合体(A)との混合方法としては、アクリル共重合体(A)を、例えば溶剤(D)などに溶解してその中に界面活性剤(C)を加えてもよく、またアクリル共重合体(A)を製造する際に一緒に界面活性剤(C)を加えてもよい。
<溶剤(D)>
本発明の溶剤(D)は、少なくとも、炭素数2〜3の1価アルコール(d1)、及び2−メチル−2−ブタノール(d2)を含む、沸点が64℃以上250℃以下のアルコールを含有する。
<溶剤(d1)>
本発明の溶剤(d1)は、炭素数2〜3の1価アルコールであり、エタノール(沸点78℃)、n−プロパノール(沸点97℃)、イソプロパノール(沸点82℃)が挙げられる。溶剤(d1)は、少なくとも1種を用いればよく、2種以上を組み合わせて用いることができる。
<溶剤(d2)>
本発明の溶剤(d2)は、2−メチル−2−ブタノール(ターシャリーアミルアルコール)(沸点102℃)である。
<溶剤(d3)>
本発明の溶剤(d3)は、溶剤(d1)及び溶剤(d2)以外の沸点が64℃以上250℃以下のアルコールである。
本発明の溶剤(d3)としては、メチルアルコール(沸点64℃)、プロピレングリコールモノエチルエーテル(沸点120℃)、n−ブタノール(沸点117℃)、イソプロピルジグリコール(沸点207℃)、メチルトリグリコール(沸点249℃)などが挙げられる。
<その他の溶剤>
本発明の防曇剤組成物には、長期耐水性試験後の塗膜の透明性を維持する観点から、高沸点の溶剤、例えば、沸点が250℃超過の溶剤は含まないことが好ましい。
前記溶剤(D)中の、前記沸点が64℃以上250℃以下のアルコールの割合は、96.5重量%以上である。前記溶剤(D)中の、前記沸点が64℃以上250℃以下のアルコールの割合は、長期耐水性試験後の防曇塗膜の透明性を維持する観点から、97重量%以上が好ましく、98重量%以上がより好ましく、99重量%以上がさらに好ましい。
前記溶剤(D)中の溶剤(d1)の割合は、76.5重量%以上、96.0重量%以下である。長期耐水性試験後の防曇塗膜の透明性を維持する観点から、77重量%以上が好ましく、80重量%以上がより好ましく、85重量%以上がさらに好ましい。前記溶剤(D)中の溶剤(d1)の割合は、防曇塗膜に透明性を付与する観点から、95重量%以下が好ましく、94重量%以下がより好ましく、93重量%以下がさらに好ましい。
前記溶剤(D)中の溶剤(d2)の割合は、防曇塗膜に透明性を付与する観点から、4重量%以上が好ましく、5重量%以上がより好ましく、6重量%以上がさらに好ましい。前記溶剤(D)中の溶剤(d2)の割合は、長期耐水性試験後の防曇塗膜の透明性を維持する観点から、23重量%以下が好ましく、20重量%以下がより好ましく、15重量%以下がさらに好ましい。
前記溶剤(d2)の含有量は、防曇塗膜に透明性を付与する観点から、溶剤(d1)1000重量部に対して、40重量部超過が好ましく、45重量部以上がさらに好ましい。溶剤(d2)の含有量は、長期耐水性試験後の防曇塗膜の透明性を維持する観点から、溶剤(d1)1000重量部に対して、310重量部未満が好ましく、300重量部以下がさらに好ましい。
前記溶剤(D)中の溶剤(d1)及び(d2)の合計割合は、95.5重量%超過である。溶剤(D)中の溶剤(d1)及び(d2)の合計割合は、長期耐水性試験後の防曇塗膜の透明性を維持する観点から、96重量%以上が好ましく、97重量%以上がより好ましく、98重量%以上がさらに好ましい。
前記溶剤(D)中の溶剤(d3)の割合は、防曇塗膜に透明性を付与する観点から、4重量%以下が好ましく、3重量%以下がより好ましく、溶剤(D)に含まないことが最も好ましい。
前記溶剤(d3)の含有量は、長期耐水性試験後の防曇塗膜の透明性を維持する観点から、溶剤(d1)1000重量部に対して、50重量部未満が好ましく、45重量部以下がより好ましく、40重量部以下がさらに好ましく、30重量部以下がよりさらに好ましく、溶剤(D)に含まないことが最も好ましい。
<その他の成分>
本発明の防曇剤組成物には、その他の成分として必要によりレベリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤などの慣用の各種添加剤を配合することができる。
<防曇剤組成物の製造>
前記防曇剤組成物は、例えば、アクリル共重合体(A)又はアクリル共重合体(A)の溶液、塩基性化合物(B)、及び界面活性剤(C)を、塗装に適した固形分及び粘度調整を目的として、溶剤(D)を加えて溶解、分散又は希釈をすることによって製造することができる。また、塗装方法により、塗装に適した固形分及び粘度は異なるが、スプレーコート法の場合、アクリル共重合体(A)は、防曇剤組成物中、2重量%以上が好ましく、5重量%以上がさらに好ましく、30重量%以下が好ましく、20重量%以下がさらに好ましい。
<防曇塗膜>
本発明の防曇剤組成物は、通常の塗料において行われる塗装方法により被塗装物に塗装し、乾燥と加熱硬化することによって、被塗装物表面に防曇塗膜を形成することができる。
前記被塗装物としては、その種類は問わず、公知の樹脂基材が使用可能であり、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル・スチレン共重合樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、アセテート樹脂、ABS樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂などが挙げられる。
前記被塗装物への塗装の際には、被塗装物に対する防曇剤組成物の濡れ性を高め、はじきを防止する目的で、塗装前における被塗装物表面の付着異物除去や脱脂、洗浄を行うことが好ましい。具体的には高圧エアやイオン化エアによる除塵、洗剤水溶液又はアルコール溶剤による超音波洗浄、アルコール溶剤などを使用したワイピング、紫外線とオゾンによる洗浄などが挙げられる。塗装方法としては浸漬法、フローコート法、ロールコート法、バーコート法、スプレーコート法などが適している。
前記乾燥は、20〜50℃の温度で0.5〜5分間塗膜中に含まれる溶剤を揮発乾燥させる工程である。
前記加熱は、被塗装物が樹脂基材である場合、加熱温度を樹脂基材の熱変形温度以下に設定することが必要であるが、樹脂基材の僅かな変形を防止する観点から、樹脂基材の熱変形温度より5℃以下が好ましく、10℃以下が好ましい。例えば、樹脂基材がポリメチルメタクリレート樹脂の場合は60℃以下が好ましく、ポリカーボネート樹脂の場合は110℃以下が好ましい。加熱時間は、例えば、加熱温度が60℃の場合、30分以上が好ましく、40分以上がより好ましい。加熱時間は、例えば、加熱温度が110℃の場合、5分以上が好ましく、10分以上がより好ましい。
前記防曇塗膜の膜厚は、防曇塗膜の防曇性を高める観点から、0.5μm以上が好ましく、1.0μm以上がより好ましい。前記防曇塗膜の膜厚は、防曇塗膜の平滑性を高める観点から、10μm以下が好ましく、5μm以下がより好ましい。
防曇塗膜が形成された樹脂部材は、車両灯具に用いることが好ましい。車両灯具として具体的には、前照灯、補助前照灯、車幅灯、番号灯、尾灯、駐車灯、制動灯、後退灯、方向指示灯、補助方向指示灯、非常点滅表示灯などが挙げられる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施によりなんら限定されるものではない。
<原料>
実施例又は比較例で使用した化合物を以下に示す。
<アクリル共重合体(A)>
<単量体(a1)>
N−メチロールアクリルアミド(N−MAA)
N−ブトキシメチルアクリルアミド(N−BMA)
<単量体(a2)>
2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)
2−(メタクリロイルオキシ)エタンスルホン酸(MAES)
<単量体(a3)>
メチルメタクリレート(MMA)
n−ブチルアクリレート(BA)
<単量体(a4)>
N,N−ジメチルアクリルアミド(DMAA)
N,N−ジエチルアクリルアミド(DEAA)
<塩基性化合物(B)>
トリエタノールアミン
イミダゾール
水酸化ナトリウム
<界面活性剤(C)>
ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム(日油社製、商品名:ラピゾールA80)
<溶剤(D)>
<溶剤(d1)>
n−プロパノール(NPA)
<溶剤(d2)>
2−メチル−2−ブタノール(ターシャリーアミルアルコール)(TAA)
<溶剤(d3)>
メチルアルコール(MeOH)
プロピレングリコールモノエチルエーテル(PGM)
n−ブタノール(NBA)
イソプロピルジグリコール(iPDG)
メチルトリグリコール(MTG)
<その他>
ブチルトリグリコール(BTG)
<レベリング剤>
ポリエーテル変性ポリジメリルシロキサン(ビックケミー社製、BYK−333)
<実施例1>
<アクリル共重合体(A)の製造>
攪拌装置、窒素導入管及び冷却管を備えた反応容器に、溶剤(d1)としてn−プロパノール(NPA)275重量部、単量体(a1)としてN−メチロールアクリルアミド(N−MAA)10重量部、単量体(a2)として2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)15重量部、単量体(a3)としてメチルメタクリレート(MMA)55重量部、n−ブチルアクリレート(BA)17.5重量部、単量体(a4)としてN,N−ジメチルアクリルアミド(DMAA)2.5重量部、及び塩基性化合物(B)としてトリエタノールアミン9.7g(単量体(a2)のAMPSのスルホン酸基に対して90モル%に相当する量、計算方法;{AMPS仕込み重量部}÷AMPSのモル質量×90%÷100×{トリエタノールアミンのモル質量}=15÷207.4×90÷100×149.2=9.7)を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら65℃に加熱した。そこへ、ラジカル重合開始剤としてt−ヘキシルペルオキシピバレートの炭化水素希釈品〔日油(株)製の商品名:パーヘキシルPV〕1.6重量部を溶剤(d1)としてNPA35重量部に溶解させたものを3時間かけて滴下した。さらに4.5時間重合を行った後、80℃に昇温し、その温度で1.5時間重合を行って、共重合体(重量平均分子量(Mw)=15万)の実施例1のアクリル共重合体(A)の溶液を得た。
<防曇剤組成物の製造>
上記アクリル共重合体(A)の溶液371.3重量部(アクリル共重合体(A)が100重量部、塩基性化合物(B)が9.7重量部、溶剤(d1)としてNPAが260重量部含まれる)に、NPA740重量部、2−メチル−2−ブタノール(ターシャリーアミルアルコール)(TAA)300重量部を加えて共重合体濃度を7.1重量%に調整し、界面活性剤(C)としてジ2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム〔日油(株)製の商品名:ラピゾールA−80(有効成分80重量%)〕10重量部(純品換算すると8重量部、(残り2重量部はメタノールおよび水))と、レベリング剤としてポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン〔ビックケミー・ジャパン(株)製の商品名:BYK−333〕0.05重量部を混合し、実施例1の防曇剤組成物を得た。
<実施例2〜22>
<アクリル共重合体(A)の製造>
表1に記載の単量体、及び塩基性化合物に変更した以外は、実施例1に記載の方法で、実施例2〜22のアクリル共重合体(A)の溶液を得た。
<防曇剤組成物の製造>
実施例1のアクリル共重合体(A)を、実施例2〜22のアクリル共重合体(A)に変更し、表1の溶剤(D)に変更した以外は、実施例1の防曇剤組成物の製造に記載の方法で、実施例2〜22の防曇剤組成物を得た。
<防曇塗膜の作成>
上記で得られた各防曇剤組成物をポリメチルメタクリレート樹脂板に、硬化後の膜厚が2〜3μmになるようにスプレー塗装法にて塗装を行い、常温で5分間乾燥した後、60℃で40分間の加熱硬化を行い、防曇塗膜の試験片を得た。これらの防曇塗膜について、下記の(1)〜(5)の評価を行った。結果を表1に示す。
(1)スチーム防曇性の評価
防曇塗膜の試験片を40℃に保った温水浴の水面から5cmの高さのところに、試験片を塗膜面が下になるように設置し、温水浴からスチームを防曇塗膜に連続照射し、照射から300秒後の曇りの有無を目視で評価した。曇りが認められず平滑な水膜が形成されているものを◎、曇りが認められないが水膜が平滑ではなく荒れた状態のものを×とした。
(2)塗膜の透明性の評価
防曇塗膜の試験片の透明性を目視で評価した。透明なものを○、白化が認められるものを×とした。
(3)密着性の評価
防曇塗膜の試験片をJIS K 5400 8.5.1に準拠して、防曇塗膜の剥離の有無を目視で評価した。全く剥離が認められないものを○、剥離が認められるものを×とした。
(4)長期耐水性試験後の塗膜の透明性の評価
40℃の温水に防曇塗膜の試験片を240時間浸漬後、室温で乾燥し、防曇塗膜の外観を目視で評価した。初期塗膜の状態と全く同じで変化が認められないものを○、白化や塗膜の溶解が認められるものを×とした。
(5)長期耐水性試験後の呼気防曇性の評価
40℃の温水に防曇塗膜の試験片を240時間浸漬後、室温で乾燥し、防曇塗膜の試験片に、常温で呼気を吹きかけ、曇りの有無を目視で評価した。曇りが認められないものを○、曇りが認められるものを×とした。
総合評価
前記(1)〜(5)の評価において、何れの評価においても×がないものを○、少なくとも何れかの評価で×があるものを×とし、総合評価が○であるものは実用上問題ない。
<比較例1〜17>
<アクリル共重合体(A)の製造>
表2に記載の単量体、及び塩基性化合物に変更した以外は、実施例1に記載の方法で、比較例1〜17のアクリル共重合体(A)の溶液を得た。
<防曇剤組成物の製造>
実施例1のアクリル共重合体(A)を、比較例1〜17のアクリル共重合体(A)に変更し、表2の溶剤(D)に変更した以外は、実施例1の防曇剤組成物の製造に記載の方法で、比較例1〜17の防曇剤組成物を得た。
<防曇塗膜の作成>
実施例に記載の方法で、比較例1〜17の防曇塗膜の試験片を得た。これらの防曇塗膜について、前記(1)〜(5)の評価を行った。結果を表2に示す。
実施例1〜22の防曇剤組成物を、60℃で40分間の条件下で加熱硬化して得られた防曇塗膜は、前記(1)〜(5)の評価基準を全て満たすことが確認された。よって、実施例1〜22の防曇剤組成物によれば、従来の防曇剤組成物よりも、低温かつ短時間条件下で、車両灯具に求められる防曇性を有する防曇塗膜を形成できることがわかった。
比較例1〜2の防曇塗膜は、防曇剤組成物に含まれる溶剤(d2)の含有量が、溶剤(d1)に対して、本願発明の所定量ではない防曇剤組成物から得られた塗膜である。また、比較例3〜9の防曇塗膜は、アクリル共重合体(A)を形成する単量体(a1)〜(a4)、又は塩基性化合物(B)の何れかの含有量が、本願発明の所定量ではない防曇剤組成物から得られた塗膜である。さらに、比較例10〜17の防曇塗膜は、溶剤(D)に含まれる(d1)及び(d2)を含む沸点が64℃以上250℃以下のアルコールの含有量が、本願発明の所定量ではない防曇剤組成物から得られた塗膜である。
これら比較例1〜17の防曇塗膜は、少なくとも前記(1)〜(5)評価における一つの評価基準を満たすことができないことが確認された。よって、比較例1〜17の防曇剤組成物では、従来の防曇剤組成物よりも、低温かつ短時間条件下で、車両灯具に求められる防曇性を有する防曇塗膜を形成できないことがわかった。

Claims (4)

  1. アクリル共重合体(A)、塩基性化合物(B)、界面活性剤(C)、及び溶剤(D)を含有する防曇剤組成物であって、
    前記アクリル共重合体(A)が、下記一般式(1)
    [前記一般式(1)中、Rは水素原子又はメチル基、Rは水素原子又は炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖アルキル基である。]で表される単量体(a1)、
    下記一般式(2)
    [前記一般式(2)中、Rは水素原子又はメチル基、XはO又はNH、Rは炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖アルキレン基である。]で表される単量体(a2)、及び
    下記一般式(3)
    [前記一般式(3)中、Rは水素原子又はメチル基、Rは炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖アルキル基である。]で表される単量体(a3)を含む単量体混合物から形成されるアクリル共重合体であり、
    前記単量体混合物中の、単量体(a1)の割合が6重量%超過、13重量%未満、単量体(a2)の割合が11重量%超過、19重量%未満、及び単量体(a1)〜(a3)の合計割合が、90重量%超過であり、
    前記塩基性化合物(B)の割合が、単量体(a2)のスルホン酸基に対して60モル%超過、95モル%未満であり、
    前記溶剤(D)が、少なくとも、炭素数2〜3の1価アルコール(d1)、及び2−メチル−2−ブタノール(d2)を含む、沸点が64℃以上250℃以下のアルコールを含有し、
    前記溶剤(D)中の前記沸点が64℃以上250℃以下のアルコールの割合が96.5重量%以上であり、
    前記溶剤(D)中の前記(d1)及び前記(d2)の合計割合が、95.5重量%超過であり、
    前記溶剤(D)中の前記(d1)の割合が、76.5重量%以上、96.0重量%以下である、防曇剤組成物。
  2. 前記単量体混合物に、さらに、下記一般式(4)
    [前記一般式(4)中、Rは水素原子又はメチル基、Rは水素原子又は炭素数1〜3の直鎖アルキル基であり、Rは炭素数1〜3の直鎖アルキル基であり、R及びRはそれぞれ同一でもよく、異なっていてもよい。]で表される単量体(a4)を含む、請求項1に記載の防曇剤組成物。
  3. 前記溶剤(D)中の、前記(d1)及び前記(d2)以外の沸点が64℃以上250℃以下のアルコール(d3)の割合が、4.5重量%以下である、請求項1又は2に記載の防曇剤組成物。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載の防曇剤組成物を、被塗装物に塗装し、該防曇剤組成物を加熱硬化して得られる塗装物品。

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