JP2017106084A - 電気めっきストリップの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】不溶性電極板の表面近傍で発生する酸素ガスを金属ストリップ−不溶性電極板間のギャップから効率的に排出できる電気めっきストリップの製造方法を提供する。
【解決手段】連続的に走行する金属ストリップに対向して配置される不溶性電極板(アノード)20には1以上の貫通孔22を設ける。金属ストリップに対してめっき液を供給する複数の円管状ノズル24の各々は、いずれかの貫通孔22を通るように、金属ストリップPに向けて延在する。本発明では、円管状ノズルの噴出口の直径をA、円管状ノズルの噴出口の中心と、該円管状ノズルが通過する貫通孔における、金属ストリップの走行方向の下流端との距離をB、金属ストリップと不溶性電極板との距離をE、円管状ノズルの噴出口から噴射されるめっき液の流速をF、金属ストリップの走行速度をGとしたとき、2EG/F≦B−A/2を満たすことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、電気めっきストリップの製造方法に関するものである。
金属ストリップの電気めっき方法として、水平方式とラジアルセル方式が知られている。水平方式とは、図8に示すように、ストリップPを水平方向に走行させ、ストリップP−電極板21間のギャップにノズルヘッダー26からめっき液Lを供給し、電極板21をアノード、ストリップPをカソードとして、ストリップPのめっき面と電極板21との間で通電して金属ストリップを電気めっきする方式である。
ラジアルセル方式とは、図9に示すように、通電ロール14にストリップPを巻きつけて走行させ、ストリップPの巻きつけられた部分をめっき液Lに浸漬させ、ストリップPの当該部分に対向して電極板21を配置し、ストリップP−電極板21間のギャップをめっき液Lで満たした状態で、電極板21をアノード、ストリップPをカソードとして、ストリップPのめっき面と電極板21との間で通電して金属ストリップを電気めっきする方式である。ラジアルセル方式では、通電ロール14にストリップPを巻きつけて走行させることで、ストリップPのめっき面と電極板21との距離を近付けることができ、電気めっきにおける抵抗が小さくなり、低電圧で高電流密度が得られる利点がある。
このような電気めっきで用いられる電極板としては、可溶性電極板と不溶性電極板が知られている。可溶性電極板を用いる場合、電気めっきが進行するにつれて電極板が消耗し、ストリップと電極板との距離が次第に大きくなってしまうデメリットがある。一方で、可溶性電極板に含まれるめっき金属のイオン化によってめっき電流が生じるため、ストリップ−可溶性電極板間のギャップにおいて、可溶性電極板の表面近傍からガスが発生しないという利点がある。
不溶性電極板では、電気めっきが進行しても電極板が消耗しないため、ストリップと電極板との距離は一定である。一方で、めっき液中の水の電気分解が行われるため、ストリップ−不溶性電極板間のギャップにおいて、不溶性電極板の表面近傍からガス(酸素ガス)が発生する。当該ギャップにガスが存在すると、電気めっきにおける導電率が低下、すなわちめっき電圧が上昇してしまう。また、ガスがめっき面と接触することにより、めっき外観不良を生ずるという欠点もある。このガスを当該ギャップから効率的に排出することができれば、低電圧で高電流密度が得られる。そのため、不溶性電極板の表面近傍で発生する酸素ガスを金属ストリップ−不溶性電極板間のギャップから効率的に排出することが望まれている。
特許文献1には、その図3を参照して、連続的に走行する鋼板の両面側に鋼板を挟むように各々相対して配置される一対の不溶性電極板と、前記鋼板に対してめっき液を供給する複数の円管状ノズルと、を有する電気めっき装置が記載されている。この電気めっき装置では、不溶性電極板には複数の貫通孔が設けられ、各貫通孔に1つの円管状ノズルが通過するように、複数の円管状ノズルが配置されている。また、貫通孔の中心と円管状ノズルの中心の位置は一致している。この電気めっき装置では、円管状ノズルからめっき液を噴射して鋼板に対してほぼ垂直方向に衝突させて電気めっきすることを特徴としている。そのため、特許文献1では、鋼板に衝突しためっき液は、電極板側に戻ってきて貫通孔を介して鋼板−不溶性電極板間のギャップから排出され、その結果、めっき時に発生する気泡が当該ギャップに留まるのが抑制されると示唆している。
特開2005−272999号公報
しかしながら、本発明者らの検討によると、特許文献1に記載の電気めっき装置には、不溶性電極板の表面近傍で発生する酸素ガスを金属ストリップ−不溶性電極板間のギャップから効率的に排出するという観点で改善の余地があることが判明した。
そこで本発明は、上記課題に鑑み、不溶性電極板の表面近傍で発生する酸素ガスを金属ストリップ−不溶性電極板間のギャップから効率的に排出して、めっき電圧の上昇及びめっき外観不良を抑制することが可能な電気めっきストリップの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、不溶性電極板の表面近傍から発生するガスの、ストリップ−不溶性電極板間のギャップでの移動を詳細に検討し、ストリップの走行に伴うめっき液の随伴流がガスの移動に影響を及ぼすことに着目した。すなわち、ストリップの走行に伴って、円管状ノズルから噴射されためっき液の、ストリップ−不溶性電極板間での流れには、随伴流(ストリップ走行方向の流れ成分)が発生する。そのため、本発明者らは、この随伴流を考慮して、鋼板に衝突しためっき液が電極板に設けた貫通孔から効率的に排出されるように、貫通孔と円管状ノズルとの位置関係を設定した。具体的には、随伴流の大きさに影響する指標との関係で、貫通孔と円管状ノズルとの位置関係を最適化した。その結果、不溶性電極板の表面近傍で発生したガスは、徐々に走行方向下流に移動して、円管状ノズルの位置に来たら、めっき液の流れに沿って移動し、貫通孔を介してストリップ−不溶性電極板間のギャップから最大限効率的に排出される。
特許文献1のめっき装置では、ストリップの走行に伴うめっき液の随伴流が与えるガス移動への影響を何ら考慮していない。そのため、実際には特許文献1の教示に反して、ストリップ−不溶性電極板間のギャップからのガスの排出が不十分であった。
上記知見に基づき完成された本発明の要旨構成は以下のとおりである。
(1)連続的に走行する金属ストリップに対向して配置される不溶性電極板と、前記金属ストリップに対してめっき液を供給する複数の円管状ノズルと、を有する電気めっき装置を用い、前記不溶性電極板をアノード、前記金属ストリップをカソードとして通電して前記金属ストリップを電気めっきする、電気めっき金属ストリップの製造方法であって、
前記不溶性電極板には1以上の貫通孔を設け、
各々の前記円管状ノズルは、いずれかの前記貫通孔を通るように、前記金属ストリップに向けて延在し、
前記円管状ノズルの噴出口の直径をA(mm)、前記円管状ノズルの噴出口の中心と、該円管状ノズルが通過する前記貫通孔における、前記金属ストリップの走行方向の下流端との距離をB(mm)、前記金属ストリップと前記不溶性電極板との距離をE(mm)、前記円管状ノズルの噴出口から噴射されるめっき液の流速をF(mm/s)、前記金属ストリップの走行速度をG(mm/s)としたとき、2EG/F≦B−A/2を満たすことを特徴とする電気めっきストリップの製造方法。
(2)前記貫通孔が複数設けられ、前記金属ストリップの走行方向に沿った複数の位置に、それぞれ複数に分けて配置され、
前記複数の貫通孔は、各々の前記貫通孔を1つの前記円管状ノズルが通るように配置される、上記(1)に記載の電気めっきストリップの製造方法。
(3)前記貫通孔の形状が円形である、上記(2)に記載の電気めっきストリップの製造方法。
(4)前記貫通孔の形状が三角形であり、
前記貫通孔における前記走行方向の下流端が、前記三角形のうちの一辺である、上記(2)に記載の電気めっきストリップの製造方法。
(5)前記貫通孔の形状が、長辺が前記金属ストリップの幅方向、短辺が前記金属ストリップの走行方向に延在した矩形であり、
前記貫通孔が、前記金属ストリップの走行方向に間隔をあけて複数配置され、
各々の前記貫通孔を複数の前記円管状ノズルが通るように、前記円管状ノズルが前記貫通孔の長手方向に間隔をあけて配置される、上記(1)に記載の電気めっきストリップの製造方法。
本発明の電気めっきストリップの製造方法によれば、不溶性電極板の表面近傍で発生する酸素ガスを金属ストリップ−不溶性電極板間のギャップから効率的に排出して、めっき電圧の上昇及びめっき外観不良を抑制することが可能である。
本発明の実施形態で用いる水平方式の電気めっき装置100を側面側から見た断面の概略図である。 本発明の実施形態で用いるラジアルセル方式の電気めっき装置200を側面側から見た断面の概略図である。 水平方式の電気めっき装置100を用いた場合のめっき液の流れを説明する図である。 ラジアルセル方式の電気めっき装置200を用いた場合のめっき液の流れを説明する図である。 本発明の実施形態における、不溶性電極板の貫通孔及び円管状ノズルの配置の一例を示す、不溶性電極板の金属ストリップとの対向面に沿った断面図である。 本発明の実施形態における、不溶性電極板の貫通孔及び円管状ノズルの配置の他の一例を示す、不溶性電極板の金属ストリップとの対向面に沿った断面図である。 本発明の実施形態における、不溶性電極板の貫通孔及び円管状ノズルの配置の他の一例を示す、不溶性電極板の金属ストリップとの対向面に沿った断面図である。 従来の水平方式の電気めっき装置を側面側から見た断面の概略図である。 従来のラジアルセル方式の電気めっき装置を側面側から見た断面の概略図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態による電気めっきストリップの製造方法を説明する。
図1に、本発明の実施形態で用いる水平方式の電気めっき装置100を示す。電気めっき装置100では、ストリップPを水平方向に走行させ、連続的に走行するストリップPの両面側にストリップPを挟むように各々相対して一対の不溶性電極板20(以下、単に「電極板」とも称する。)を配置する。ストリップPの走行方向における不溶性電極板20の上流側及び下流側には、各々ストリップPに通電するためのコンダクターロール10とバックアップロール12が配置されている。
各電極板20の背面(電極板のストリップPとは反対側)には、電極板20と離間してノズルヘッダー26が配置される。ノズルヘッダー26の電極板20に対向する部分は電極板20に略平行で、当該部分から複数の円管状ノズル24が延びている。両電極板20には、該電極板をその主面に対して垂直に貫通する円形の貫通孔22が複数設けられている。そして、複数の貫通孔22の各々に1つの円管状ノズル24が通るように、複数の円管状ノズル24が配置されている。本実施形態では、貫通孔22及びこれと対応する円管状ノズル24は、図1の矢印で示すストリップの走行方向に沿った複数の位置に、それぞれ複数に分けて配置されている。めっき液はノズルヘッダー26から円管状ノズル24に供給され、円管状ノズル24の先端の噴出口から噴射される。
このようにして、ストリップPを水平方向に走行させつつ、ストリップP−電極板20間のギャップにめっき液Lを供給し、電極板20をアノード、ストリップPをカソードとして、ストリップPのめっき面と電極板20との間で通電して金属ストリップを電気めっきする。
図2に、本発明の実施形態で用いるラジアルセル方式の電気めっき装置200を示す。電気めっき装置200では、一対のロール16、及びその間でロール16よりも下方に配置した通電ロール14を用いて、通電ロール14にストリップPを巻きつけて走行させ、ストリップPの巻きつけられた部分に対向して不溶性電極板20を配置する。ストリップPと電極板20との距離がほぼ一定となるように、電極板20は湾曲して配置される。図2では、2つに分割された電極板20が配置される。
湾曲した電極板20の背面には、電極板20と離間してノズルヘッダー26が配置される。ノズルヘッダー26と電極板20との距離がほぼ一定となるように、ノズルヘッダー26の電極板20に対向する部分も湾曲しており、当該部分から複数の円管状ノズル24が延びている。両電極板20には、該電極板をその主面に対して垂直に貫通する円形の貫通孔22が複数設けられている。そして、複数の貫通孔22の各々に1つの円管状ノズル24が通るように、複数の円管状ノズル24が配置されている。本実施形態では、貫通孔22及びこれと対応する円管状ノズル24は、ストリップの走行方向に沿った複数の位置に、それぞれ複数に分けて配置されている。めっき液はノズルヘッダー26から円管状ノズル24に供給され、円管状ノズル24の先端の噴出口から噴射される。
ストリップPの巻きつけられた部分はめっき液Lに浸漬されており、そのため、ストリップP−電極板20間のギャップはめっき液Lも満たされている。この状態で、ストリップPを走行させつつ、電極板20をアノード、ストリップPをカソードとして、ストリップPのめっき面と電極板20との間で通電して金属ストリップを電気めっきする。
図1及び図2の電気めっき装置におけるめっき液の流れを、それぞれ図3及び図4を参照して説明する。ストリップ1が静止していると仮定すると、円管状ノズル24の噴射口から噴射されためっき液Lは、ストリップPの円管状ノズル24と対向する部位に衝突し跳ね返るため、円管状ノズル24の噴射口の中心に向かう流れを形成することとなる。しかし、実際にはストリップPは図3,4中の実線矢印に示す方向に走行しているため、ストリップPの走行に伴ってめっき液の随伴流が発生する。その結果、円管状ノズル24から噴射されためっき液Lは、円管状ノズル24の噴射口の中心位置よりも少し下流側でストリップPに衝突し跳ね返ることで、円管状ノズル24の下流側に向かう流れを形成する。そのため、このようなめっき液の流れが生じていても、ある円管状ノズル24から噴射されためっき液Lが、ストリップPに衝突した後に当該円管状ノズル24が配置されている貫通孔22を通って排出されるように、随伴流の大きさに影響する指標(具体的には、金属ストリップと不溶性電極板との距離E、円管状ノズルの噴出口から噴射されるめっき液の流速F、及び金属ストリップの走行速度G)との関係で、貫通孔と円管状ノズルとの位置関係を設定することが肝要である。そうすれば、貫通孔22を介してめっき液Lとともに、電極板20の表面近傍で発生する酸素ガスを金属ストリップ−不溶性電極板間のギャップから効率的に排出できるからである。
本発明はこのような設計思想に基づいて、以下のような構成を採用することを特徴とする。図5〜図7に、不溶性電極板の貫通孔及び円管状ノズルの配置の例を示す。ここで、本明細書において、A〜Gは以下のように定義される。
A:円管状ノズルの噴出口の直径(mm)
B:円管状ノズルの噴出口の中心と、該円管状ノズルが通過する貫通孔における、金属ストリップの走行方向の下流端との距離(mm)
C:円管状ノズルの噴出口の中心と、該円管状ノズルが通過する貫通孔における、金属ストリップの走行方向の上流端との距離(mm)
D:金属ストリップの走行方向に隣接する円管状ノズルの噴出口間の、走行方向に沿った距離(mm)
E:金属ストリップと不溶性電極板との距離(mm)
F:円管状ノズルの噴出口から噴射されるめっき液の流速(mm/s)
G:金属ストリップの走行速度(mm/s)
本発明では、2EG/F≦B−A/2(以下「式(1)」とも称する。)を満たすことを特徴とする。これは、円管状ノズル24から噴射されためっき液Lが、円管状ノズル24の噴射口の中心位置よりも少し下流側でストリップPに衝突し跳ね返り、電極板20上に戻ってきた位置に、貫通孔22が配置されているために必要な条件となる。2EG/FがB−A/2を超えてしまう場合、めっき液Lが戻ってきた位置に貫通孔22が存在しないため、めっき液Lが電極板20と衝突してしまい、貫通孔22を介して効率的に排出されない。本発明では、この構成を採用することにより、不溶性電極板の表面近傍で発生する酸素ガスを金属ストリップ−不溶性電極板間のギャップから効率的に排出することができ、その結果、めっき電圧の上昇及びめっき外観不良を抑制することが可能である。
図5では、円形の貫通孔22が図5の矢印で示すストリップの走行方向に沿った複数の位置に、それぞれ複数に分けて配置されている。図5中、ストリップの走行方向に沿った第一の位置に、当該走行方向と垂直方向(ストリップの幅方向)に等間隔に配置されている複数の貫通孔を「22A」と表記し、ストリップの走行方向に沿った第一の位置よりも下流の第二の位置に、当該走行方向と垂直方向に等間隔に配置されている複数の貫通孔を「22B」と表記し、ストリップの走行方向に沿った第二の位置よりもさらに下流の第三の位置に、当該走行方向と垂直方向に等間隔に配置されている複数の貫通孔を「22C」と表記した。そして、貫通孔22A,22B,22Cにそれぞれ1つずつ配置される円管状ノズルをそれぞれ「24A」,「24B」,「24C」と表記した。ここで、貫通孔とその貫通孔内に配置される円管状ノズルとの全てのペアは、式(1)を満たすものとする。
図6では、三角形の貫通孔22が図6の矢印で示すストリップの走行方向に沿った複数の位置に、それぞれ複数に分けて配置されている。貫通孔における走行方向の下流端が、三角形のうちの一辺になっている。図6中の貫通孔22A,22B,22C及び円管状ノズル24A,24B,24Cの表記は、図5と同様である。各貫通孔に1つずつ円管状ノズルが配置される点も、図5と同様である。ここで、貫通孔とその貫通孔内に配置される円管状ノズルとの全てのペアは、式(1)を満たすものとする。
図7では、貫通孔22の形状が、長辺が金属ストリップの幅方向、短辺が金属ストリップの走行方向(図7中の矢印方向)に延在した矩形であり、複数の貫通孔22A,22B,22Cが、金属ストリップの走行方向に間隔をあけて配置される。本実施形態では、各々の貫通孔を複数の円管状ノズルが通るように、円管状ノズルが貫通孔の長手方向に間隔をあけて、等間隔に配置される。図7中、貫通孔22A,22B,22Cにそれぞれ配置される複数の円管状ノズルをそれぞれ「24A」,「24B」,「24C」と表記した。ここで、貫通孔22A,22B,22Cと、当該貫通孔内に配置される全ての円管状ノズル24A,24B,24Cは、式(1)を満たすものとする。
式(1)を満たす限り、各パラメータA,B,C,D,E,F,Gの値は限定されないが、当該式を充足しやすくする観点から以下の範囲とすることが好ましい。
金属ストリップと不溶性電極板との距離E(mm)は、特に限定されないが、一般的には2〜20mmである。
円管状ノズルの噴出口から噴射されるめっき液の流速F(mm/s)は、特に限定されないが、一般的には1000〜15000mm/sである。
金属ストリップの走行速度G(mm/s)は、特に限定されないが、一般的には300〜5000mm/sである。
円管状ノズルの噴出口の直径A(mm)は、特に限定されないが、4〜12mmとすることが好ましい。4mm未満の場合、ノズルの内部にゴミが詰まり易く、12mmを超える場合、めっき液の流速を担保するために大量のめっき液が必要だからである。
円管状ノズルの噴出口の中心と、該円管状ノズルが通過する貫通孔における、金属ストリップの走行方向の下流端との距離B(mm)は、特に限定されないが、4〜20mmとすることが好ましい。4mm未満の場合、ノズルと貫通孔の間にゴミが詰まり易く、20mmを超える場合、電極板の面積が狭くなり、電流密度が高くなり電圧が上がるためである。円管状ノズルの噴出口の中心と、該円管状ノズルが通過する貫通孔における、金属ストリップの走行方向の上流端との距離C(mm)は、特に限定されないが、4〜12mmとすることが好ましい。4mm未満の場合、ノズルと貫通孔の間にゴミが詰まり易く、12mmを超える場合、電極板の面積が狭くなり、電流密度が高くなり電圧が上がるためである。図5に示す実施形態の場合、貫通孔の直径は(B+C)となる。式(1)を満たしやすくする観点から、B>Cであることが好ましい。
金属ストリップの走行方向に隣接する円管状ノズルの噴出口間(図5では、ノズル24A−24B間及び24B−24C間)の、走行方向に沿った距離D(mm)は、特に限定されないが、(B+C)〜(B+C+30)mmとすることが好ましい。(B+C)mm未満の場合、電極板の面積が狭くなり、電流密度が高くなり電圧が上がり、(B+C+30)mmを超える場合、貫通孔で排出しきれなかった少量のガスがあった場合に、それが長時間金属ストリップ−不溶性電極板間のギャップに滞留してしまうためである。
不溶性電極板20に設ける貫通孔22の数及び形状は、特に限定されず、電気めっき特性とめっき液の排出効率とのバランスを考慮して適宜設定すればよい。電極板20の材質及び厚さも特に限定されないが、材質としては、イリジウムオキサイドを被覆したチタンが一般的であり、厚さは5〜100mmとすることが一般的である。また、円管状ノズル24の配置も、各々の円管状ノズルがいずれかの貫通孔を通るように金属ストリップに向けて延在する限り、特に限定されない。
本発明で用いる電気めっき装置は、これらの構成の他に、めっき液槽、ギャップを一定に保つ接触ロール等を備えても良い。
電気めっき装置を用いて行う電気めっきの種類は特に限定されない。例えば、電気亜鉛めっき、電気ニッケルめっき、電気クロムめっき等がある。好ましくは、電気亜鉛めっきである。また、電気めっき対象の金属ストリップも特に限定されないが、冷延鋼板とすることが有用である。
(実験例1)
図1に示す水平方式の電気めっき装置を用い、図5に示す形状及び配置の貫通孔及び円管状ノズルを用いて、A,B,C,D,E,F,Gを表1に示すように種々変更して実験を行った。ストリップとして、厚さ0.5mm×幅150mmの冷延鋼帯を用いた。アノード電極はイリジウムオキサイドを被覆したチタンであり、ストリップを概ね覆う幅を有している。めっき液には硫酸亜鉛1.0mol/LをpH1.5に調整して65℃に保って使用した。
評価結果を表1に示す。本発明例では400〜500A/dm2まではめっきやけや、めっきの色差L値の低下を発生することなく良好な外観の亜鉛めっき層を形成できた。ここで、めっきの色差L値は各サンプルについて、色差計(日本電色工業(株)製のSE2000)を用いてSCE(正反射光除去)による明度(L値)の測定を行った。まためっきの色差L値は80以上を良好な外観としている。一方、比較例ではめっきやけや、めっきの色差L値の低下が発生していまい、外観不良の亜鉛めっき層が形成された。またガスが滞留し、めっき電圧が高くなってしまった。
Figure 2017106084
(実験例2)
図2に示すラジアル方式の電気めっき装置を用い、図5に示す形状及び配置の貫通孔及び円管状ノズルを用いて、A,B,C,D,E,F,Gを表2に示すように種々変更して実験を行った。ストリップとして、厚さ0.5mm×幅150mmの冷延鋼帯を用いた。アノード電極はイリジウムオキサイドを被覆したチタンであり、ストリップを概ね覆う幅を有している。めっき液には硫酸亜鉛1.0mol/LをpH1.5に調整して65℃に保って使用した。
評価結果を表2に示す。本発明例では400〜500A/dm2まではめっきやけや、めっきの色差L値の低下を発生することなく良好な外観の亜鉛めっき層を形成できた。ここで、めっきの色差L値は各サンプルについて、色差計(日本電色工業(株)製のSE2000)を用いてSCE(正反射光除去)による明度(L値)の測定を行った。まためっきの色差L値は80以上を良好な外観としている。一方、比較例ではめっきやけや、めっきの色差L値の低下が発生していまい、外観不良の亜鉛めっき層が形成された。またガスが滞留し、めっき電圧が高くなってしまった。
Figure 2017106084
(実験例3)
図1に示す水平方式の電気めっき装置を用い、図6に示す形状及び配置の貫通孔及び円管状ノズルを用いて、A,B,C,D,E,F,Gを表3に示すように種々変更して実験を行った。ストリップとして、厚さ0.5mm×幅150mmの冷延鋼帯を用いた。アノード電極はイリジウムオキサイドを被覆したチタンであり、ストリップを概ね覆う幅を有している。めっき液には硫酸亜鉛1.0mol/LをpH1.5に調整して65℃に保って使用した。
評価結果を表3に示す。本発明例では400〜500A/dm2まではめっきやけや、めっきの色差L値の低下を発生することなく良好な外観の亜鉛めっき層を形成できた。ここで、めっきの色差L値は各サンプルについて、色差計(日本電色工業(株)製のSE2000)を用いてSCE(正反射光除去)による明度(L値)の測定を行った。まためっきの色差L値は80以上を良好な外観としている。一方、比較例ではめっきやけや、めっきの色差L値の低下が発生していまい、外観不良の亜鉛めっき層が形成された。またガスが滞留し、めっき電圧が高くなってしまった。
Figure 2017106084
(実験例4)
図2に示すラジアル方式の電気めっき装置を用い、図6に示す形状及び配置の貫通孔及び円管状ノズルを用いて、A,B,C,D,E,F,Gを表4に示すように種々変更して実験を行った。ストリップとして、厚さ0.5mm×幅150mmの冷延鋼帯を用いた。アノード電極はイリジウムオキサイドを被覆したチタンであり、ストリップを概ね覆う幅を有している。めっき液には硫酸亜鉛1.0mol/LをpH1.5に調整して65℃に保って使用した。
評価結果を表4に示す。本発明例では400〜500A/dm2まではめっきやけや、めっきの色差L値の低下を発生することなく良好な外観の亜鉛めっき層を形成できた。ここで、めっきの色差L値は各サンプルについて、色差計(日本電色工業(株)製のSE2000)を用いてSCE(正反射光除去)による明度(L値)の測定を行った。まためっきの色差L値は80以上を良好な外観としている。一方、比較例ではめっきやけや、めっきの色差L値の低下が発生していまい、外観不良の亜鉛めっき層が形成された。またガスが滞留し、めっき電圧が高くなってしまった。
Figure 2017106084
(実験例5)
図1に示す水平方式の電気めっき装置を用い、図7に示す形状及び配置の貫通孔及び円管状ノズルを用いて、A,B,C,D,E,F,Gを表5に示すように種々変更して実験を行った。ストリップとして、厚さ0.5mm×幅150mmの冷延鋼帯を用いた。アノード電極はイリジウムオキサイドを被覆したチタンであり、ストリップを概ね覆う幅を有している。めっき液には硫酸亜鉛1.0mol/LをpH1.5に調整して65℃に保って使用した。
評価結果を表5に示す。本発明例では400〜500A/dm2まではめっきやけや、めっきの色差L値の低下を発生することなく良好な外観の亜鉛めっき層を形成できた。ここで、めっきの色差L値は各サンプルについて、色差計(日本電色工業(株)製のSE2000)を用いてSCE(正反射光除去)による明度(L値)の測定を行った。まためっきの色差L値は80以上を良好な外観としている。一方、比較例ではめっきやけや、めっきの色差L値の低下が発生していまい、外観不良の亜鉛めっき層が形成された。またガスが滞留し、めっき電圧が高くなってしまった。
Figure 2017106084
(実験例6)
図2に示すラジアル方式の電気めっき装置を用い、図7に示す形状及び配置の貫通孔及び円管状ノズルを用いて、A,B,C,D,E,F,Gを表6に示すように種々変更して実験を行った。ストリップとして、厚さ0.5mm×幅150mmの冷延鋼帯を用いた。アノード電極はイリジウムオキサイドを被覆したチタンであり、ストリップを概ね覆う幅を有している。めっき液には硫酸亜鉛1.0mol/LをpH1.5に調整して65℃に保って使用した。
評価結果を表6に示す。本発明例では400〜500A/dm2まではめっきやけや、めっきの色差L値の低下を発生することなく良好な外観の亜鉛めっき層を形成できた。ここで、めっきの色差L値は各サンプルについて、色差計(日本電色工業(株)製のSE2000)を用いてSCE(正反射光除去)による明度(L値)の測定を行った。まためっきの色差L値は80以上を良好な外観としている。一方、比較例ではめっきやけや、めっきの色差L値の低下が発生していまい、外観不良の亜鉛めっき層が形成された。またガスが滞留し、めっき電圧が高くなってしまった。
Figure 2017106084
本発明の電気めっきストリップの製造方法によれば、不溶性電極板の表面近傍で発生する酸素ガスを金属ストリップ−不溶性電極板間のギャップから効率的に排出して、めっき電圧の上昇及びめっき外観不良を抑制することが可能である。
100,200 電気めっき装置
10 コンダクターロール
12 バックアップロール
14 通電ロール
16 ロール
20 不溶性電極板
22 貫通孔
24 円管状ノズル
26 ノズルヘッダー
L めっき液
P 金属ストリップ

Claims (5)

  1. 連続的に走行する金属ストリップに対向して配置される不溶性電極板と、前記金属ストリップに対してめっき液を供給する複数の円管状ノズルと、を有する電気めっき装置を用い、前記不溶性電極板をアノード、前記金属ストリップをカソードとして通電して前記金属ストリップを電気めっきする、電気めっき金属ストリップの製造方法であって、
    前記不溶性電極板には1以上の貫通孔を設け、
    各々の前記円管状ノズルは、いずれかの前記貫通孔を通るように、前記金属ストリップに向けて延在し、
    前記円管状ノズルの噴出口の直径をA(mm)、前記円管状ノズルの噴出口の中心と、該円管状ノズルが通過する前記貫通孔における、前記金属ストリップの走行方向の下流端との距離をB(mm)、前記金属ストリップと前記不溶性電極板との距離をE(mm)、前記円管状ノズルの噴出口から噴射されるめっき液の流速をF(mm/s)、前記金属ストリップの走行速度をG(mm/s)としたとき、2EG/F≦B−A/2を満たすことを特徴とする電気めっきストリップの製造方法。
  2. 前記貫通孔が複数設けられ、前記金属ストリップの走行方向に沿った複数の位置に、それぞれ複数に分けて配置され、
    前記複数の貫通孔は、各々の前記貫通孔を1つの前記円管状ノズルが通るように配置される、請求項1に記載の電気めっきストリップの製造方法。
  3. 前記貫通孔の形状が円形である、請求項2に記載の電気めっきストリップの製造方法。
  4. 前記貫通孔の形状が三角形であり、
    前記貫通孔における前記走行方向の下流端が、前記三角形のうちの一辺である、請求項2に記載の電気めっきストリップの製造方法。
  5. 前記貫通孔の形状が、長辺が前記金属ストリップの幅方向、短辺が前記金属ストリップの走行方向に延在した矩形であり、
    前記貫通孔が、前記金属ストリップの走行方向に間隔をあけて複数配置され、
    各々の前記貫通孔を複数の前記円管状ノズルが通るように、前記円管状ノズルが前記貫通孔の長手方向に間隔をあけて配置される、請求項1に記載の電気めっきストリップの製造方法。
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