JP2017106263A - 塑性流動性の把握方法 - Google Patents
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Abstract
Description
切羽に対する土圧を均一かつ安定的に作用させるには、チャンバー内における掘削土の塑性流動性を的確に把握し、必要に応じて調整する必要がある。
そのため、特許文献1には、隔壁を貫通してチャンバー内に出没可能に設置された計測ロッドの変形量によって、チャンバー内の掘削土の流動方向とその大きさを推定する方法が開示されている。
また、特許文献2には、掘削機のチャンバー隔壁に設けられた開口からチャンバー内に突出する探査用ロッドを備え、この探査用ロッドのロッド貫入時に発生する振動と貫入抵抗を検出して、チャンバー内の泥土状態を把握する方法が開示されている。
このような観点から、本発明は、チャンバー内の掘削土の塑性流動性を的確に把握することを可能とした掘削土の塑性流動性の把握方法を提供することを目的とする。
なお、前記チャンバー内の掘削土が塑性流動状態であるか否かを推定は、カッターが1回転するたびに行うのが望ましい。
かかる塑性流動性の把握方法によれば、掘削土を直接攪拌する攪拌翼に設置された計測機によってチャンバー内の掘削土の性状を測定するため、塑性流動性の土砂を適時添加材によって保持することができ、切羽に均一かつ安定的に土圧を作用させていることを把握することできる。
切羽に対する土圧を均一かつ安定的に作用させるには、チャンバー内における掘削土の塑性流動性を的確に把握し、加泥材や気泡材等の添加材の注入量および注入箇所を必要に応じて調整する必要がある。
本実施形態では、準備工程と、閾値設定工程と、土圧計測工程と、抗土圧算出工程と、推定工程とを備える塑性流動性の把握方法により、チャンバー内の掘削土の性状を的確に把握する。
カッター3は、前面(切羽側面)に複数のカッタービット(図示せず)を備えていて、回転することで地山を切削する。カッター3の背面には、チャンバー5内の掘削土を攪拌するための攪拌翼31が複数突設されている。なお、攪拌翼31の配置や数は限定されるものではなく、適宜設定すればよい。
図2に示すように、複数の攪拌翼31のうちの少なくとも一部には、土圧計(第一土圧計)6が固定されている。本実施形態では、10個の第一土圧計6が、カッター3に対して均等に分散されるように配置されている。なお、第一土圧計6の配置および数は限定されるものではなく、適宜設定すればよい。例えば、各攪拌翼31に第一土圧計6を設置してもよい。第一土圧計6は、カッター3の回転に伴って回転する。本実施形態の第一土圧計6は、攪拌翼31の回転方向の前面側および後面側に取り付けるものとする。
また、チャンバー隔壁4のチャンバー5側(切羽側)の面には、複数の土圧計(第二土圧計)7が設けられている(図1参照)。第二土圧計7の数や配置は限定されるものではなく、適宜設定すればよい。
第一土圧計6および第二土圧計7は、制御盤8を介して抗力計測システム(図示せず)に連結されている。抗力計測システムは、第一土圧計6および第二土圧計7の計測値を保存するとともに、計測結果に基づいてチャンバー5内の掘削土の抗土圧を算出する。
本実施形態では、予め設定された、粘性土、砂質土および砂礫土の3種類の土質毎に塑性流動状態の土圧の上限値および下限値(以下、「塑性流動状態の土圧の上限値および下限値」を、それぞれ「塑性流動上限値」および「塑性流動下限値」という)の中から、代表土質に対応する値を選定する。
塑性流動上限値および塑性流動下限値は、塑性流動状態であるか否かを判定する際の閾値である。すなわち、チャンバー内の抗土圧が塑性流動上限値を上回っている場合は掘削土が塑性状態であり、抗土圧が塑性流動下限値を下回っている場合は掘削土が流動状態であると評価することができる。
なお、実験方法は前記の方法に限定されるものではない。また、塑性流動上限値および塑性流動下限値の設定方法は限定されるものではなく、例えば、既存のデータ等に基づいて設定してもよい。
本実施形態では、攪拌翼31に設けられた第一土圧計6およびチャンバー隔壁4に設けた第二土圧計7により土圧を計測する。
第一土圧計6は、攪拌翼31が回転(移動)する際に攪拌翼31に作用する土圧を計測する。
第二土圧計7は、チャンバー隔壁4の表面に作用する土圧を計測する。
第一土圧計6および第二土圧計7の計測結果は、攪拌翼31の位置情報とともに抗力計測システムに入力される。
抗土圧は、第一土圧計6の計測値から静止土圧を減ずることにより算出する。ここで、静止土圧は、第二土圧計7による計測値に基づいて算出された、チャンバー隔壁4に作用する土圧である。
抗土圧は、各第一土圧計6の位置において算出するものとする。すなわち、第一土圧計6の高さ位置に対応する静止土圧を当該第一土圧計6の計測値から減ずることにより抗土圧を算出する。第一土圧計6の高さ位置は、カッター3の回転角度に基づいて算出する。
本実施形態では、カッターが1回転するたびに抗土圧を算出するが、抗土圧を算出する頻度は限定されるものではない。
掘削土の性状は、算出された抗土圧を、塑性流動上限値および塑性流動下限値と比較することにより行う。すなわち、抗土圧が塑性流動上限値を上回っている場合には掘削土が塑性状態であると推定し、塑性流動上限値から塑性流動下限値の範囲内の場合は掘削土が塑性流動状態であると推定し、塑性流動下限値を下回っている場合は掘削土が流動状態であると推定する。
土質の性状は、各第一土圧計6の位置毎に推定(判定)し、この推定結果によりトンネル断面に対する性状の分布を算出する。
隣接する第一土圧計6の間の領域は、隣り合う第一土圧計6の抗土圧の差および距離の関係から比例配分することにより抗土圧を算出し、この抗土圧に基づいて性状を推定する。なお、抗土圧の分布の算出方法は限定されるものではない。
本実施形態では、掘削断面積に対する塑性、塑性流動および流動の各性状の割合を面積比率から算出する。面積比率の算出の結果、塑性状態の割合、流動状態の割合または塑性状態および流動状態の割合の合計が、所定の値(例えば、50%)を超えた場合には、抗力計測システムのモニター上に警告が表示されるともに、警告音が鳴るようにする。作業員は、抗力計測システムの警告に応じて、添加材の注入量および注入箇所を調整する。
すなわち、かかる塑性流動性の把握方法によれば、チャンバー5内の掘削土の性状を、画面上で視認することで、簡易かつ的確に把握することができる。そのため、塑性流動化に必要な処理を適切に実施することができる。例えば、性状の分布を確認することで塑性の程度が高い位置に対しては添加材の注入量を増加させ、流動性が高い位置に対しては添加材の注入量を減らすことにより、全体的に均一な塑性流動性を確保するとともに切羽に対する土圧の均一化を図ることができる。なお、本実施形態では、添加材の注入量の調整を、掘削土の性状の分布に基づいて作業員が手動にて行うものとするが、抗力計測システムが掘削土の性状と、土質との関係等に基づいて、信号を発信することで、制御盤8を介して自動的に調整してもよい。
なお、添加材の注入孔は、カッター3とチャンバー隔壁4との両方に形成されている。切羽への土圧の均一化を図る場合には、カッター3に形成された注入孔から添加材を注入する。一方、チャンバー5内の掘削土に対しては、チャンバー隔壁4に形成された注入孔から添加材を注入して、掘削土を攪拌して塑性流動状態にしてから、スクリューコンベアを介して掘削土を排出する。
また、添加材の注入を必要な箇所に必要な分だけ注入することで、材料費の低減化を図ることができる。
まず、粘性土、砂質土および砂礫土に対し、添加材の添加量を変化させて、流動状態、塑性流動状態および塑性状態の気泡混合土を生成する。性状の確認は、スランプ試験により行う。
次に、図4に示すように、気泡混合土10を土槽11に投入し、土圧計12が固定された攪拌棒13を土槽11内で気泡混合土10の層(土層)内で摺動させるとともに、土圧を土圧計12により計測した。土圧の計測は、攪拌棒13の摺動速度を変化させながら行うものとし、各摺動速度毎に3回以上計測する。
性状の異なる気泡混合土10毎に計測した土圧の計測結果に基づいて、塑性流動上限値および塑性流動下限値を設定する。
なお、図5〜図7に示すように、攪拌棒の速度を変化させた場合であっても、土圧計測値に大きな変化は生じなかった。そのため、カッター3の回転軸からの距離(カッター3への取付位置)によって攪拌翼の移動速度に差がある場合であっても抗土圧に差が生じないことが実証された。したがって、カッター3の背面に突設された攪拌翼31に取り付けられた土圧計6の計測値に基づいて掘削土の抗土圧を算出し、ひいては、掘削土の性状の分布の把握に利用することができる。
なお、攪拌棒13の摺動速度の最大速度は、シールド機のカッターを最大回転数で回転させたときのカッターの最も外側に配設された土圧計の位置における速度に設定する。また、攪拌棒13の摺動速度の最小速度は、シールド機のカッターを最小回転数で回転させたときのカッターの最も内側に配設された土圧計の位置における速度に設定する。そして、この最大速度と最小速度の範囲において攪拌棒13の速度を変化させて実験を行い、閾値を設定する。なお、攪拌棒13の摺動速度の範囲は、使用するシールド機の回転数に応じて適宜設定すればよい。
前記実施形態では、掘削土の性状の分布をモニター上に表示する場合について説明したが、性状の分布は必ずしもモニターに表示する必要はない。
2 シールド機本体
3 カッター
4 チャンバー隔壁
5 チャンバー
6 第一土圧計(第一の土圧計)
7 第二土圧計(第二の土圧計)
8 制御盤
Claims (2)
- 塑性流動状態の土層内を移動する物体に作用する抗土圧の上限値および下限値を設定する工程と、
攪拌翼に設けられた第一の土圧計およびチャンバー隔壁に設けた第二の土圧計により土圧を計測する工程と、
前記第一の土圧計の計測結果および前記第二の土圧計の計測結果に基づいてチャンバー内の掘削土の抗土圧を算出する工程と、
前記掘削土の抗土圧と前記上限値および下限値とを比較して、前記チャンバー内の掘削土が塑性流動状態であるか否かを推定する工程と、を備えることを特徴とする塑性流動性の把握方法。 - カッターが1回転するたびに前記チャンバー内の掘削土が塑性流動状態であるか否かを推定することを特徴とする、請求項1に記載の塑性流動性の把握方法。
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