JP2017106366A - Egrバルブ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】コンパクトな構成でありながら、エンジンの要求性能に適合したEGR性能を発揮することが可能なEGRバルブ装置Uを提供する。【解決手段】バルブハウジング30には、吸気流路2(31)とEGR流路17(32)とをT字状に配置して、その合流部33に回動式バルブ40を配設する。回動式バルブ40は、円弧状弁体41が回転軸42の周りを振り子状に回動し、EGR流路17を開弁するにしたがって、吸気流路2に食み出し、吸気流路2の開度を小さくする。これにより、ひとつの回動式バルブ40によって、EGR流路17の開閉機能と吸気流路2の絞り機能との両機能を同時に得られる。また、リンク部材43は、中央部に伸縮部44を有するくの字形を呈しており、弁体41がストッパ34に衝当することで、弁体41をバルブシート面17Aに押圧し、シール性を高めることができる。【選択図】 図2

Description

本発明は、自動車のごとき車両の内燃機関(以下、「エンジン」ともいう。)に搭載され、排気ガスの一部をEGRガスとして吸気通路に再循環させるEGR装置において、特に、EGR流路と吸気流路との合流部に配設してEGRガス流量を制御するEGRバルブ装置に関する。
従来より、エンジンの排気ガスに含まれるNOx(窒素酸化物)を抑制する排気浄化手段として、排気ガスの一部をEGRガスとして吸気に再循環させるEGR技術が知られている。
このEGR技術は、EGRガスの量を増やすことでNOxの量を減らすことができる反面、EGRガスを過剰に再循環させると、粒子状物質である黒鉛(PM)が発生しやすくなるため、近年、高圧系と低圧系との2系統のEGR装置を組み合わせることで、黒鉛の発生を抑制しつつ、NOxを削減する方式が賞用されている。
かかる方式の場合、とりわけ、低圧系のEGR装置には種々の工夫を要する。つまり、このEGR装置は、排気圧が比較的低い運転領域から吸気負圧の発生が低い運転領域にEGRガスを戻すシステム構成にならざるを得ないため、少量のEGRガスをエンジンに戻すことは可能であるが、多量のEGRガスをエンジンに戻すことが困難となる。
そこで、EGR流路との合流部より吸気上流側の吸気流路に吸気(新気)制御用の吸気絞りバルブを配置することによって、多量のEGRガスをエンジンに戻すことが要求される運転領域では、吸気負圧が大きくなる方向に吸気絞りバルブの開度を制御することで、EGR流路の開度に応じて適量のEGRガスを還流させるEGRバルブ装置が、専ら多用されるようになってきた。
〔従来技術の問題点〕
しかしながら、かかるEGR装置にあっては、EGRバルブおよびこのEGRバルブを開閉駆動する電動アクチュエータのごとき駆動手段のほかに、吸気絞りバルブおよびこの吸気絞りバルブを開閉駆動する同様な駆動手段を必要とするために、システム全体が必然的に大型化し、車両搭載上の制約を余儀なくされることである。
このため、EGRバルブと吸気絞りバルブとの両バルブを共通のバルブハウジングに配設するとともに、この両バルブの開閉制御を共通の駆動手段(電動アクチュエータ)で実行可能にすることで、EGRバルブ装置を1ユニット化しシステム全体の小型化を図る改善策についての探求がなされ、種々の提案のうち一部が実用に供されている。しかるにこれらの装置は、例えば特許文献1にも紹介されているように、あくまでも、EGRバルブと吸気絞りバルブとの2つのバルブを装備する基本構成であることから、バルブ自体の共用化をも図った画期的な改善策が切望されている。
特開2012−177314号公報
殊に近年、車両を取り巻く環境が格段と厳しさを増してきており、これに伴って、この種EGR装置にもより一層の小型化・高性能化が要求されている。したがって、機能的にも体格的にも当該EGR装置の中枢を担うEGRバルブ装置に関し、上記要求に如何にマッチングさせていくかが、当業者にとっての喫緊の課題である。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、EGR機能と吸気絞り機能との両機能をひとつのバルブで達成するというコンパクトな1ユニット構成で、かつ、エンジンの要求性能に適合したEGR性能を発揮することができるEGRバルブ装置を提供することにある。
〔請求項1の手段〕
請求項1に記載のEGRバルブ装置は、エンジンへの吸気を供給する吸気流路、この吸気流路にエンジンの排気ガスをEGRガスとして導くEGR流路、および吸気流路における吸気上流側と吸気下流側との間にEGR流路をT字状に合流させる合流部を具有するバルブハウジングと、このバルブハウジングの合流部に回動可能に配設され、吸気流路およびEGR流路の開度調整を行う回動式バルブと、この回動式バルブを駆動する駆動手段とを基本構成として備えている。
そして、EGR流路は、合流部に開口する開口端として、吸気流路の吸気上流側と吸気下流側とを凹曲面状に結ぶ環状バルブシートを有するとともに、回動式バルブは、弁体として、合流部内においてバルブシートに沿って吸気流路を横切る方向に回動する円弧状弁体を有している。
そして、円弧状弁体が、回動する過程において、バルブシートに着座することでEGR流路を閉塞する第1の位置と、バルブシートから離座するにしたがって吸気流路に食み出して吸気流路の開度を小さくしていく第2の位置との2位置で回動変位することを特徴としている。
上記構成のEGRバルブ装置によれば、ひとつの回動式バルブによって、EGR流路の開閉機能と吸気流路の絞り機能との両機能が同時に得られ、EGR流路の全開時および中間開度時に合流部に適度な吸気負圧を発生させて充分な量のEGRガスを還流させることができる。
しかも、バルブハウジングの合流部に回動式バルブを設けるだけの簡単な構成であり、T字状の合流部を有するバルブハウジング自体も簡単に作製することができる。
したがって、コンパクトな1ユニット構成でありながら、エンジンの要求性能に適合したEGR性能を発揮することができるEGRバルブ装置を提供することができる。
本発明を適用したEGRバルブ装置の第1実施形態の説明に供するもので、回動式バルブがEGR流路を全開して吸気流路を最小開度に絞っている状態時における模式的断面図である(実施例1)。 上記EGRバルブ装置において、回動式バルブがEGR流路を全閉して吸気流路を最大開度にしている状態時における模式的断面図である(実施例1)。 上記EGRバルブ装置の作動説明に供するもので、(a)〜(d)は回動式バルブの回動過程を示す模式的断面図である(実施例1)。 本発明のEGRバルブ装置を適用するエンジンの吸排気システムの全体構成を概略的に示す模式図である。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面に示す実施例と変形例とにしたがって詳細に説明する。
図示の実施例は、本発明を適用するEGRバルブ装置の代表例として、吸排気系に過給機を搭載するエンジンに好適なEGRバルブ装置を示しており、以下の説明では、まず、エンジンの吸排気システムの基本的な構成およびEGRバルブ装置の位置付けを概説したのち、本発明の実施例における特徴点(構成)およびその基本的機能(作用・効果)について順次説明し、最後に本発明の変形例等を要約列挙する。
本発明のEGRバルブ装置を適用する代表的なエンジンの吸排気システムについて、その全体構成とEGRバルブ装置の位置付けを、図4に基づいて説明する。
〔吸排気システムの基本構成〕
エンジン1は、例えば、燃料に軽油を使用するディーゼルエンジン、あるいは、ガソリンを使用するガソリンエンジンであり、吸入空気(吸気、新気)をエンジン1の気筒内に導入する吸気流路2と、気筒内で燃料の燃焼によって発生した排気ガスを大気に排出する排気流路3とを備える。
過給機Kは、例えば、エンジン1より排出される排気ガスのエネルギを回転力に変換する排気タービン4と、この排気タービン4と同軸に連結されるコンプレッサ5とを有し、このコンプレッサ5の回転によって吸気を圧縮して吸気流路2からエンジン1へ供給するターボチャージャである。
吸気流路2には、吸気口6aより取り込んだ外気に含まれる砂埃などの異物を取り除くエアクリーナ6、上記のコンプレッサ5、このコンプレッサ5で圧縮された吸気を冷却するインタークーラ7、吸気量を調整するスロットルバルブ8を組み込んだスロットルボディ9、および、所定の容積室を形成するサージタンク10等が配設されている。
排気流路3には、上記の排気タービン4、排気ガスに含まれる粒子状物質(PM)を補集するDPF11(ディーゼルパティキュレートフィルターの略)等が設けられている。なお、DPF11は、排気浄化装置の一例である。
〔EGR装置の基本構成〕
次に、EGR装置について説明する。
エンジン1の吸排気系には、高圧EGR装置と低圧EGR装置とが設けられている。
高圧EGR装置は、エンジン1から排出された直後の比較的高温および高圧の排気ガスの一部を高圧EGRガスとして吸気側へ還流させる高圧系の排気還流装置である。
この高圧EGR装置は、図4の上方に示しているように、排気タービン4より排気上流側の排気流路3とスロットルバルブ8より吸気下流側の吸気流路2(本実施例ではサージタンク10)とを接続する高圧EGR流路12と、この高圧EGR流路12を通って吸気側へ還流する高圧EGRガスの流量を調整する高圧EGRバルブ13と、吸気側へ還流する高圧EGRガスを冷却する高圧EGRクーラ14と、この高圧EGRクーラ14をバイパスするバイパスEGR流路15と、高圧EGRガスが高圧EGRクーラ14を経由して吸気側に還流するEGR経路とバイパスEGR流路15を通って吸気側に還流するEGR経路とを切り替えるEGR流路切替バルブ16とを備える。
低圧EGR装置は、比較的低温および低圧の排気ガスの一部を低圧EGRガスとして吸気側へ還流させる低圧系の排気還流装置である。
この低圧EGR装置は、図4の下方に示しているように、排気タービン4より排気下流側(本実施例ではDPF11の排気下流側)の排気流路3とコンプレッサ5より吸気上流側の吸気流路2とを接続する低圧EGR流路17と、この低圧EGR流路17を通って吸気側へ還流する低圧EGRガスの流量を調整する低圧EGRバルブ18と、吸気側へ還流する低圧EGRガスを冷却する低圧EGRクーラ19と、低圧EGRバルブ18が低圧EGR流路17を開閉する動作に連動して吸気流路2の開度を調整する吸気絞りバルブ20とを備える。
そして、上記の低圧EGRバルブ18と吸気絞りバルブ20との両バルブ機能を発揮するEGRバルブユニットUに相当する装置が、本発明で対象とするEGRバルブ装置である。
本発明は、低圧EGRバルブ18と吸気絞りバルブ20との両バルブ機能をひとつのバルブで得られるようにした点を最大の特徴とし、コンパクトなEGRバルブユニット(EGRバルブ装置)Uを提供せんとするものであって、その一実施形態を実施例1として、図1および図2を参照しながら説明する。
なお、以下の説明では、各機能要素が低圧系に係るものであるため、「低圧EGRガスおよび低圧EGR流路17」等の低圧系機能要素を、それぞれ単に「EGRガスおよびEGR流路17」等と略称することとする。また、図1および図2において、上方がエアクリーナ6側で吸気流路2の吸気上流側2a、下方がエンジン1側で吸気流路2の吸気下流側2bを示しており、吸気が矢印F のごとく上方から下方へと流れる。
[実施例1]
図1および図2に示すように、EGRバルブ装置をなすEGRバルブユニットUは、バルブハウジング30、回動式バルブ40、および、アクチュエータ50を主要構成要素として備えている。
バルブハウジング30は、大径と小径との2種類の例えばアルミニウム管のごとき円筒管31、32で構成されるもので、吸気流路2を形成する大径の円筒管31に対し、EGR流路17を形成する小径の円筒管32が直交するように挿し込まれ、溶接等により適宜固定されている。これによって、バルブハウジング30は、エンジン1への吸気を矢印Fのごとく供給する吸気流路2、この吸気流路2にエンジン1の排気ガスをEGRガスとして矢印Gのごとく導くEGR流路17、および、吸気流路2における吸気上流側2aと吸気下流側2bとの間にEGR流路17をT字状に合流させる合流部33を有している。
合流部33は、吸気流路2の吸気上流側2aと吸気下流側2bとを凹曲面状に結ぶガイド部33Aを有しており、このガイド部33AにEGR流路17が開口している。したがって、EGR流路17は、合流部33に開口する開口端が、上記ガイド部33Aに沿って、ガイド部33A同様、吸気流路2の吸気上流側2aと吸気下流側2bとを凹曲面状に結ぶ環状のバルブシート17Aになっている。
ここで、ガイド部33Aの表面およびバルブシート17Aの表面で構成されるガイド面は、縦方向(図示上下方向)が上記凹曲面で形成される円弧面を有しているが、横方向(図示左右方向)も吸気流路2の内周面に連接する適宜の円弧面を有しており、全体として、すり鉢状凹曲面を呈している。
また、合流部33の下流側には、回動式バルブ40の回動停止位置(後述する全閉位置)を規定するストッパ34が設けられている。
回動式バルブ40は、バルブハウジング30の合流部33内において回動可能に配設されるもので、円弧状弁体41、回転軸42、および、リンク部材43を有し、円弧状弁体41と回転軸42とをリンク部材43によって連結している。そして、円弧状弁体41が、回転軸42を支点として、吸気流路2内を図2において矢印Rのごとく実線位置から点線位置へと横切るように回動される。
円弧状弁体41は、図2にも示すごとき独特な構造を有するもので、まず外周面が、合流部33のガイド部33Aの表面およびEGR流路17のバルブシート17Aの表面で構成されるガイド面(すり鉢状凹曲面)に適合する凸曲面を呈している。
また、円弧状弁体41は、全体として、矩形状の金属板(例えばステンレス板)をその縦方向および横方向の両方向から湾曲状に折曲して形成されることで、外周面が上記凸曲面を呈する一枚の円弧板41Aで構成されている。そして、円弧板41Aの凸曲面の面積が、バルブシート17Aを含むEGR流路17の最大開口面積より大なる面積を有している。
したがって、円弧状弁体41は、図2の実線位置のごとく、円弧板41Aがバルブシート17Aに着座することで、EGR流路17を閉塞するとともに、吸気流路2を全開する第1の位置と、図2の破線位置のごとく、円弧板41Aがバルブシート17Aより離座することで、EGR流路17を開放するとともに、吸気流路2内に食み出して吸気流路2の開度を小さくしていく第2の位置との2位置を具備することができる。
リンク部材43は、円弧状弁体41と回転軸42とを連結し、円弧状弁体41を回転軸42の周りに振り子のごとく回動させる手段である。
このリンク部材43は、一端43aが円弧状弁体41に結合されるとともに、他端43bが回転軸42に結合されるものであるが、次のごとき独特な構造を備えている。
第1に、リンク部材43は、一本の線状弾性部材(例えばステンレス線)で構成され、中央部分に渦巻き状の伸縮部44を有しており、この伸縮部44に対して巻き戻る方向に荷重が加わることで伸長する。つまり、円弧状弁体41の回動半径を可変することができる。
第2に、リンク部材43は、渦巻き状の伸縮部44を境にして、両端部43a、43bが巻き方向に近接するように「くの字」形に屈曲形成されている。そして、リンク部材43は、その「くの字」形の凸側が開弁回動方向(図2の左回り)に向くように配置されている。
第3に、リンク部材43は、上述のごとき荷重が加わらない常態時においては円弧状弁体41の外周面(凸曲面)とガイド部33A のガイド面(凹曲面)との間に、隙間(後述する隙間S)を形成する回動半径を提供する長さになっている。したがって、円弧状弁体41が矢印Rのごとく回動するに当たり、ガイド部33Aと摺動等干渉する事態を防いでいる。
アクチュエータ50は、例えば、直流モータを動力源とする電動回転式のバルブ駆動手段で、バルブハウジング30に対して出力軸51が吸気流路2内に突出するようにして配設され、出力軸51が回動式バルブ40の回転軸42を兼務している。
アクチュエータ50は、回動式バルブ40の回動位置が、エンジン1の運転状態に応じて設定される制御目標値と一致するように、エンジン制御装置(図示せず)からの信号値によって制御される。
したがって、アクチュエータ50は、回動式バルブ40を、円弧状弁体41がバルブシート面17Aに着座することでEGR流路17を閉塞する全閉位置(図2に示す実線位置)と、バルブシート17Aから完全に離座しEGR流路17を全開する全開位置(図2に示す破線位置)との間で矢印Rのごとく回動変位させる。
〔本実施例の作用〕
次に、上記構成を有するEGRバルブユニット(EGRバルブ装置)Uの作用について説明する。
当該装置には、エンジン1の運転状態として、EGRガスを大量に還流させる第1の運転状態(EGR流路17の全開運転時)と、EGRガスを適度に還流させる第2の運転状態(EGR流路17の中間開度運転時)と、EGRガスを還流させない第3の運転状態(EGR流路17の全閉運転時)との3段階に対応したEGR機能が要求される。
上記の3段階の運転状態におけるEGR機能について順次説明する。
(1)第1の運転状態(EGR流路17の全開運転時)
EGR流路17の全開運転時には、アクチェエータ50により回動式バルブ40の円弧状弁体41が図1の状態(図2の破線位置)まで回動されている。これにより、円弧状弁体41は、バルブシート17Aから完全に離座しEGR流路17を全開するとともに、吸気流路2内に大きく食み出して吸気流路2の開度を最小開度に絞っている。
この状態では、かかる吸気絞り効果により合流部33に吸気負圧が発生するため、多量のEGRガスを矢印GのごとくEGR流路17から吸気流路2へ還流させることができる。
(2)第2の運転状態(EGR流路17の中間開度運転時)
当該運転時は、上述したEGR流路17の全開状態からEGR流路17が全閉状態へ移行していく間(またはその逆の全閉位置から全開位置への移行過程)における運転領域である。
かかる運転領域においては、回動式バルブ40がアクチェエータ50により閉弁方向(図2の右回り)へ順次回動され、図2において破線位置(全開位置)から実線位置(全閉位置)に向けて変位していく。
これにより、円弧状弁体41は、EGR流路17を徐々に閉じるとともに、吸気流路2内への食み出し量が減り、吸気流路2の開度を大きくしていく。
したがって、吸気流路2とEGR流路17との開度に応じた適量のEGRガスがEGR流路17から吸気流路2へと還流される。
(3)第3の運転状態(EGR流路17の全閉運転時)
EGR流路17の全閉運転時には、アクチェエータ50により回動式バルブ40の円弧状弁体41が図2の実線位置まで回動されている。これにより、円弧状弁体41は、バルブシート17Aに着座しEGR流路17を全閉するとともに、吸気流路2内への食み出しがなくなり、吸気流路2の開度を全開している。
この状態では、EGR流路17を閉じているため、EGR流路17から吸気流路2へのEGRガスの還流が停止される。また、吸気流路2の開度を全開しているため、回動式バルブ40がエンジン1への吸気量を妨げることはない。
本実施例においては、特に、回動式バルブ40がEGR流路17を全閉状態にしていく移行過程にも特徴があり、かかる特徴点について、図3を参照しながら詳説する。
回動式バルブ40の開弁位置においては、図3(a)に示すごとく、円弧状弁体41がバルブシート17Aから離座しているが、このとき、リンク部材43は常態時にあり所期の「くの字」形を保持している。したがって、円弧状弁体41の外周面(凸曲面)とガイド部33Aのガイド面(凹曲面)との間には、必ず隙間Sが形成されるため、円弧状弁体41は、開弁もしくは閉弁のいずれの回動方向に回動するにしても、ガイド部33Aに摺動等干渉することなく、円滑に回動変位する。
上記の図3(a)に示す開弁状態から閉弁方向への回動変位が進み、回動式バルブ40が全閉位置に到達すると、図3(b)に示すように、円弧状弁体41がストッパ34に衝当し、回動変位が阻止される。この段階では上記隙間Sが形成されたままである。
ここで、全閉位置に到達しても、エンジン制御装置からアクチュエータ50への指令値は継続されるため、アクチュエータ50は更に回転軸42を回動させる。これにより、図3(c)のごとく、リンク部材43は回転作用力を受けて開弁方向(右回り)の反力(荷重)が加わるため、伸縮部44が巻き戻って伸長し、上記隙間Sを吸収しながら円弧状弁体41の外周面をバルブシート17Aに押付・密着させる。したがって、円弧状弁体41がバルブシート17Aに確実に着座し、EGR流路17を完全に閉塞する。かくして、EGRガスが吸気流路2へ漏れるのを確実に防ぐことができる。
なお、回動式バルブ40は、上記の円弧状弁体41による閉弁状態時においても、図3(d)に示すように、リンク部材43は、完全に伸びきらず、「くの字」形を若干残すべく伸縮部44の大きさが設定されている。このため、円弧状弁体41の外周面がバルブシート17Aに固着するスタック現象を回避することができ、次回の開弁時には円弧状弁体41がバルブシート17Aから順調に離座する。
〔本実施例の効果〕
上記構成を採用するEGRバルブユニット(EGRバルブ装置)Uによれば、次のような効果を奏することができる。
(1)ひとつの回動式バルブ40によって、EGR流路17の開閉機能と吸気流路2の絞り機能との両機能を同時に得られるため、EGR流路17の全開時および中間開度時に合流部33に吸気負圧を発生させて充分な量のEGRガスを還流させることができる。したがって、ひとつの回動式バルブ40を用いる最小数のバルブ構成でありながら、エンジン1の要求性能に適合したEGR性能を確実に得ることができる。
(2)バルブハウジング30の合流部33に回動式バルブ40を設けるだけの簡単な構成であり、T字状の合流部33を有するバルブハウジング30自体も、簡単に作製することができる。
(3)特に、回動式バルブ40は、弁体41を一枚の円弧板41Aで構成しており、この円弧板41Aの大きさを、バルブシート17A を含むEGR流路17の開口面積より大なる面積を有する面積にすることで、EGR流路17の全閉位置からEGR流路17の開弁位置へ移行する過程において、円弧板41Aが吸気通路2内に食み出していくことにより、吸気流路2の開度を小さくしていく構成にしている。したがって、弁体41が一枚の円弧板41Aからなる極めて簡単かつ廉価な構成で、EGR流路17の開閉機能と吸気流路2の吸気絞り機能との両機能を兼務させることができる。
(4)また、回動式バルブ40は、合流部33において、吸気流路2に直交して配設される回転軸42を有し、この回転軸42と円弧状弁体41とをリンク部材43で連結しているため、円弧状弁体41を振り子状に回動させることで、円弧板41Aを吸気流路2内に食み出させることができ、吸気流路2内を有効利用できる。
(5)特に、リンク部材43は、弾性部材で形成され、円弧状弁体41の回動半径を可変する伸縮部44を有しており、合流部33には、円弧状弁体41の全閉位置を規定するストッパ34を設けているため、円弧状弁体41がストッパ34に衝当することで、リンク部材43が伸長して円弧状弁体41をバルブシート17Aに押圧・密着させることが可能となる。したがって、EGRガスがEGR流路17から吸気流路2へ漏れるのを確実に防止することができる。
(6)また、リンク部材43は、中央部に伸縮部44を有するくの字形を呈しており、リンク部材43が上記(5)項のごとく伸長したときにも、くの字形が残存するようにしているため、スタック現象を防ぐことができる。
(7)しかも、リンク部材43は、中央部に渦巻き状の伸縮部44を有する一本の弾性部材で形成しているため、一層の価格低減が図れることは勿論、リンク部材43が吸気流路2内に占める体積が小さく、吸気抵抗を最小限に抑制することができる。
(8)かくして、コンパクトな1ユニット構成でありながら、エンジン1の要求性能に適合したEGR性能を発揮することができるEGRバルブ装置Uを提供することができる。
〔変形例〕
以上本発明の実施形態を一実施例について詳述したが、本発明の精神を逸脱しない範囲で種々変形することが可能であり、その変形例を例示する。
(1)実施例1では、バルブハウジング30の合流部33において、EGR流路17が吸気流路2に対し直角に合流する正T字状にしたが、EGR流路17が吸気流路2に対し斜めに合流する変則T字状タイプであっても良く、この変則T字状タイプも、本発明の特許請求の範囲に記載の「T字状」に包含されることは勿論である。
(2)実施例1においては、バルブハウジング30を大径と小径の2種の円筒管31、32で構成したが、吸気流路2、EGR流路17および合流部33をT字状の孔(ボア)として一体形成したアルミダイカスト製のバルブハウジング30で構成しても良い。
(3)また、円弧状弁体41としては、円弧板41Aの代わりに、例えばステンレス材による冷鍛品を用いても良い。また、弁体41の形状についても、要求される絞り機能に応じて、矩形以外の適宜な形態にしたり、周囲に切欠きを設けたり、貫通穴を穿設するなど種々の変更が可能である。
(4)さらに、リンク部材43の構成も、実施例1に限られるものではない。
例えば、一本の弾性部材を単に「くの字」形に折曲形成し、その折曲部分を“弾性力で円弧状弁体41の回動半径を可変する伸縮部44”として活用する構成にしても良い。
(5)一方、リンク部材43を一本の弾性部材で構成する代わりに、例えば、蝶番構造の伸縮部44を有するリンク部材を用いることもできる。
かかるリンク部材は、円弧状弁体41に結合される一端をなす第1部材と、回転軸42に結合される他端をなす第2部材と、この両部材を屈曲自在に連結する蝶番部と、この蝶番部に設けられ、両部材をくの字形に弾性的に連結する渦巻きばね部材とで構成される。そして、蝶番部とばね部材とによって、弾性力で円弧状弁体41の回動半径を可変する伸縮部44が構築される。
(6)他方、リンク部材43は、弾性機能を全く有しない単なる連結部材であっても良い。つまり、本発明は、EGR流路17の開閉を、円弧状弁体41の凸曲面と、凹曲面状のバルブシート17Aとの組合せによる弁構造で実施する基本構成であることから、弾性機能を全く有しない単なる連結部材であっても、両曲面の良好な摺接によって所望のシール性を確保することができる。
(7)実施例1では、回動式バルブ40の回転軸42をアクチュエータ50の出力軸51で兼務させたが、回転軸42を独立に設けてその両端をバルブハウジング30に回転自在に支持させ、ラック・ピニオン式の駆動手段で駆動するようにしても良い。
(8)以上の実施形態では、低圧側のEGR装置に対し本発明を適用したが、高圧側のEGR装置にも吸気絞りバルブが装備される場合には本発明のEGRバルブ装置を同様に適用することができる。
(9)また、以上の実施形態では、吸排気系にターボチャージャを搭載したエンジン1に本発明のEGRバルブ装置を適用した一例を示したが、ターボチャージャに限定されるものではなく、例えば、吸気通路2に配置されるコンプレッサ5をエンジン1によって駆動するスーパチャージャを搭載したエンジン1に本発明を適用することもできる。この場合、低圧RGR通路17の上流端(低圧EGRガスの取入口)は、排気浄化装置(実施例1ではDPF11)より下流側の排気通路3に接続され、排気浄化装置で浄化された排気ガスの一部が低圧EGRガスとして吸気通路2に還流する。
以上詳述してきた本発明の特徴点および特記すべき作用効果を、特許請求の範囲において従属項として記載した各手段にしたがって要約列挙すれば、次の通りである。
(特徴点1=請求項2の手段)
請求項1に記載のEGRバルブ装置(U)において、
円弧状弁体(41)は、バルブシート(17A )を含むEGR流路(17)の開口面積より大なる面積を有する一枚の円弧板(41A)で構成されており、第1の位置から第2の位置へ移行する過程では円弧板(41A)が吸気通路(2)に食み出すことで吸気流路(2)の開度を小さくしていくことを特徴としている(実施例1参照)。
上記手段によれば、円弧状弁体(41)が一枚の円弧板(41A)からなる極めて簡単かつ廉価な構成で、EGR流路(17)の開閉機能と吸気流路(2)の吸気絞り機能との両機能を得ることができる。
(特徴点2=請求項3の手段)
請求項1または2に記載のEGRバルブ装置(U)において、
回動式バルブ(40)は、吸気流路(2)に直交して配設され、駆動手段(50)により駆動される回転軸(42)を有し、回転軸(42)と円弧状弁体(41)とをリンク部材(43)で連結していることを特徴としている(実施例1参照)。
上記手段によれば、振り子状に回動させて食み出させることができ、吸気流路(2)内を有効利用できる。
(特徴点3=請求項4の手段)
請求項3に記載のEGRバルブ装置(U)において、
リンク部材(43)は、弾性力で前記円弧状弁体の回動半径を可変する伸縮部(44)を有しており、合流部(33)には、円弧状弁体(41)における第1の位置(全閉位置)を規定するストッパ(34)が設けられていて、円弧状弁体(41)がストッパ(34)に衝当することで、リンク部材(43)が伸長して円弧状弁体(41)をバルブシート(17A)に押圧することを特徴としている(実施例1参照)。
上記手段によれば、回動式バルブ(40)の全閉位置では、円弧状弁体(41)で確実にEGR流路(17)を密閉することが可能となる。したがって、EGR流路(17)から吸気流路(2)へのEGRガスの漏れを抑止できる。
また、回動式バルブ(40)の回動変位時には、円弧状弁体(41)が合流部(33)のガイド面より離隔して回動し、ガイド面と干渉するのを防ぐことができる。
(特徴点4=請求項5の手段)
請求項4に記載のEGRバルブ装置(U)において、
リンク部材(43)は、中央部に伸縮部(44)を有する「くの字」形を呈しており、リンク部材(43)が伸長したときにも「くの字」形が残存していることを特徴としている(実施例1参照)。
上記手段によれば、円弧状弁体(41)のスタック現象を防ぐことができる。
(特徴点5=請求項6の手段)
請求項4または5に記載のEGRバルブ装置(U)において、
リンク部材(43)は、中央部に渦巻き状の伸縮部(44)を有する一本の弾性部材で形成されていることを特徴としている(実施例1参照)。
上記手段によれば、一層の価格低減が図れることは勿論、リンク部材(43)が吸気流路(2)内に占める体積が小さく、吸気抵抗を最小限に抑制することができる。
1…エンジン(内燃機関)、2…吸気流路、2a…吸気上流側、2b…吸気下流側、17…低圧EGR流路(EGR流路)、17A…バルブシート、30…バルブハウジング、33…合流部、40…回動式バルブ、41…円弧状弁体、42…回転軸、43…リンク部材、50…アクチュエータ(駆動手段)、U…EGRバルブユニット(EGRバルブ装置)。

Claims (6)

  1. 内燃機関(1)への吸気を供給する吸気流路(2)、この吸気流路(2)に前記内燃機関の排気ガスをEGRガスとして導くEGR流路(17)、および、前記吸気流路における吸気上流側(2a)と吸気下流側(2b)との間にEGR流路(17)をT字状に合流させる合流部(33)を有するバルブハウジング(30)と、
    前記合流部に回動可能に配設され、前記吸気流路および前記EGR流路の開度調整を行う回動式バルブ(40)と、
    前記回動式バルブを駆動する駆動手段(50)と
    を備えるEGRバルブ装置(U)であって、
    前記EGR流路は、前記合流部に開口する開口端が、前記吸気流路の前記吸気上流側と前記吸気下流側とを凹曲面状に結ぶ環状バルブシート(17A)で形成されており、
    前記回動式バルブは、前記合流部内において前記バルブシート面に沿って前記吸気流路を横切る方向に回動する円弧状弁体(41)を有し、
    前記円弧状弁体が、回動する過程において、前記バルブシートに着座することで前記EGR流路を閉塞する第1の位置と、前記バルブシートから離座するにしたがって前記吸気流路の開度を小さくしていく第2の位置との2位置を具備しており、
    前記駆動手段は、前記回動式バルブを、前記第1の位置と前記第2の位置との間で回動変位させることを特徴とするEGRバルブ装置。
  2. 請求項1に記載のEGRバルブ装置において、
    前記円弧状弁体は、前記バルブシートを含む前記EGR流路の開口面積より大なる面積を有する一枚の円弧板(41A)で構成されており、前記第1の位置から前記第2の位置へ移行する過程では前記円弧板が前記吸気通路に食み出すことで前記吸気流路の開度を小さくしていくことを特徴とするEGRバルブ装置。
  3. 請求項1または2に記載のEGRバルブ装置において、
    前記回動式バルブは、前記吸気流路に直交して配設され、前記駆動手段により駆動される回転軸(42)を有し、
    前記回転軸と前記円弧状弁体とをリンク部材(43)で連結していることを特徴とするEGRバルブ装置。
  4. 請求項3に記載のEGRバルブ装置において、
    前記リンク部材は、弾性力で前記円弧状弁体の回動半径を可変する伸縮部(44)を有し、
    前記合流部には、前記円弧状弁体における前記第1の位置を規定するストッパ(34)が設けられており、
    前記円弧状弁体が前記ストッパに衝当することで、前記リンク部材が伸長して前記円弧状弁体を前記バルブシート面に押圧することを特徴とするEGRバルブ装置。
  5. 請求項4に記載のEGRバルブ装置において、
    前記リンク部材は、中央部に前記伸縮部を有するくの字形を呈しており、前記リンク部材が伸長したときもくの字形が残存していることを特徴とするEGRバルブ装置。
  6. 請求項4または5に記載のEGRバルブ装置において、
    前記リンク部材は、中央部に渦巻き状の前記伸縮部を有する一本の弾性部材で形成されていることを特徴とするEGRバルブ装置。
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