JP2017110056A - 樹脂組成物 - Google Patents

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Takahiro Matano
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Abstract

【課題】機能性膜を成膜しなくてもバンドパスフィルターとしての機能を発現させることが可能な樹脂組成物を提供する。【解決手段】硬化性樹脂と無機充填材粒子を含有する樹脂組成物であって、硬化後の硬化性樹脂の屈折率波長依存性を示す曲線と、無機充填材粒子の屈折率波長依存性を示す曲線が互いに交わることを特徴とする樹脂組成物。【選択図】図1

Description

本発明は、バンドパスフィルターとしての機能を有する新規な樹脂組成物に関する。
従来、ガラス基板にバンドパスフィルターや反射防止膜等を成膜した機能性基板が提案されている。このような機能性基板は、ディスプレイのカバーガラスやカメラの赤外線カットフィルター等の種々のデバイス用の部材として利用されている。近年、デバイスの軽量化を目的として、ガラス基板の代わりに樹脂基板が使用されつつある(例えば特許文献1参照)。
特許第2546203号公報
基板への成膜は蒸着法やスパッタリング法等により行うことが一般的であるが、これらの方法は高温プロセスを伴うため、成膜時における樹脂基板の耐熱性が問題になる。
以上に鑑み、本発明は、機能性膜を成膜しなくてもバンドパスフィルターとしての機能を発現させることが可能な樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明の樹脂組成物は、硬化性樹脂と無機充填材粒子を含有する樹脂組成物であって、硬化後の硬化性樹脂の屈折率波長依存性を示す曲線と、無機充填材粒子の屈折率波長依存性を示す曲線が互いに交わることを特徴とする。
本発明の樹脂組成物は、硬化性樹脂と無機充填材粒子を含有し、それぞれの材料が各材質に応じた屈折率を有している。ここで、各材料の屈折率差が小さいと樹脂組成物としての光透過率が大きくなり、一方、各材料の屈折率差が大きいと樹脂組成物としての光透過率が小さくなる。本発明者は、各材料の屈折率には波長依存性があることに着目し、硬化後の硬化性樹脂の屈折率波長依存性を示す曲線と、無機充填材粒子の屈折率波長依存性を示す曲線が互いに交わる場合に、バンドパスフィルターとしての機能を有することを見出した。つまり、各材料の屈折率差が小さい波長域では光透過率が大きくなり、一方、各材料の屈折率差が大きい波長域では光透過率が小さくなる。このようにして、特定波長域の光を選択的に透過するバンドパスフィルターとして機能させることが可能となる。
本発明の樹脂組成物において、硬化後の硬化性樹脂の屈折率波長依存性を示す曲線と、無機充填材粒子の屈折率波長依存性を示す曲線が、可視域において互いに交わることが好ましい。このようにすれば、可視域(例えば波長400〜800nm)においてバンドパスフィルターとして使用することが可能となる。
本発明の樹脂組成物において、硬化後の硬化性樹脂の屈折率波長依存性を示す曲線と、無機充填材粒子の屈折率波長依存性を示す曲線が互いに交わる波長における光透過率が、厚み0.5mmで50%以上であることが好ましい。このようにすれば、バンドパスフィルターとして機能しやすくなる。
本発明の樹脂組成物において、硬化性樹脂として、光硬化性樹脂または熱硬化性樹脂を使用することができる。
本発明の樹脂組成物は、体積%で、硬化性樹脂 20〜95%、無機充填材粒子 5〜80%を含有することが好ましい。このようにすれば、所望のバンドパス特性が得られやすくなる。
本発明の樹脂組成物において、硬化後の硬化性樹脂の屈折率ndが1.40〜1.65、アッベ数νdが25〜60であることが好ましい。
本発明の樹脂組成物において、無機充填材粒子の屈折率ndが1.40〜1.65、アッベ数νdが40〜65であることが好ましい。
本発明の樹脂組成物において、無機充填材粒子がガラスからなることが好ましい。ガラスは組成設計の自由度が高く、屈折率の波長依存性を調整しやすいため、所望のバンドパス特性を有する樹脂組成物が得られやすくなる。
本発明の樹脂組成物において、無機充填材粒子の比表面積が1.5m/g以下であることが好ましい。このようにすれば、無機充填材粒子と樹脂との界面での光散乱を抑制することができる。結果として、光透過率に優れた樹脂組成物が得られやすくなる。
本発明の樹脂組成物成形体は、硬化した樹脂中に無機充填材粒子が分散してなる樹脂組成物成形体であって、樹脂の屈折率波長依存性を示す曲線と、無機充填材粒子の屈折率波長依存性を示す曲線が互いに交わることを特徴とする。
本発明のバンドパスフィルターは、上記の樹脂組成物成形体からなることを特徴とする。
本発明によれば、機能性膜を成膜しなくてもバンドパスフィルターとしての機能を発現させることが可能な樹脂組成物を提供することができる。
硬化後の硬化性樹脂及び無機充填材粒子の屈折率波長依存性を示す曲線、並びに、樹脂組成物成形体の光透過率曲線を模式的に示すグラフである。 実施例におけるアクリル系光硬化性樹脂及びガラスビーズの屈折率波長依存性を示す曲線、並びに、樹脂組成物成形体の光透過率曲線を示すグラフである。
本発明の樹脂組成物は、硬化性樹脂と無機充填材粒子を含有する樹脂組成物であって、硬化後の硬化性樹脂の屈折率波長依存性を示す曲線と、無機充填材粒子の屈折率波長依存性を示す曲線が互いに交わることを特徴とする。
図1は、硬化後の硬化性樹脂及び無機充填材粒子の屈折率波長依存性を示す曲線、並びに、樹脂組成物成形体の光透過率曲線を模式的に示すグラフである。図1に示すように、硬化後の硬化性樹脂及び無機充填材粒子はいずれも屈折率に波長依存性を有している。ここで、硬化性樹脂の屈折率波長依存性は無機充填材粒子の屈折率波長依存性より大きくなっており、短波長側では硬化性樹脂の屈折率は無機充填材粒子の屈折率より大きく、長波長側では硬化性樹脂の屈折率は無機充填材粒子の屈折率より小さくなっている。このようにして、硬化後の硬化性樹脂の屈折率波長依存性曲線と、無機充填材粒子の屈折率波長依存性曲線は交点Iで互いに交わっている。
硬化後の硬化性樹脂及び無機充填材粒子の屈折率差の大きい短波長側及び長波長側では、樹脂組成物の光透過率が小さくなっている。一方、硬化後の硬化性樹脂及び無機充填材粒子の屈折率差が0となる交点I付近では、樹脂組成物の光透過率が大きくなっている。つまり、図1で示される特性を有する本発明の樹脂組成物は、交点I付近の波長の光を選択的に透過させるバンドパスフィルターとして機能する。
交点Iの位置は、透過させたい波長域に応じて適宜調整することが好ましい。例えば、交点Iを可視域に位置させることで、本発明の樹脂組成物を可視域においてバンドパスフィルターとして機能させることができる。
交点Iにおける光透過率は50%以上、60%以上、特に70%以上であることが好ましい。このようにすれば、バンドパスフィルターとして機能しやすくなる。一方、交点I付近より短波長側及び長波長側における光透過率はなるべく低いことが好ましい。例えば、本発明の樹脂組成物を可視域におけるバンドパスフィルターとして使用する場合、可視域における光透過率の最大値(即ち交点Iにおける光透過率)は50%以上、60%以上、特に70%以上であることが好ましく、可視域における光透過率の最小値は40%以下、30%以下、特に20%以下であることが好ましい。
硬化後の硬化性樹脂の屈折率ndは特に限定されないが、一般に1.4〜1.65、さらには1.5〜1.6の範囲にあるため、無機充填材粒子の屈折率ndについても、1.4〜1.65、さらには1.5〜1.6の範囲とすることが好ましい。このようにすれば、各材料の屈折率波長依存性を示す曲線が互いに交わりやすくなる。
アッベ数νdは屈折率波長依存性の指標となる。具体的には、アッベ数νdが大きいほど屈折率波長依存性が小さく(つまり屈折率波長依存性曲線の傾きの絶対値が小さく)なり、アッベ数νdが小さいほど屈折率波長依存性が大きく(つまり屈折率波長依存性曲線の傾きの絶対値が大きく)なる傾向がある。よって、硬化後の硬化性樹脂と無機充填材粒子のアッベ数νdの差が大きいほど、各材料の屈折率波長依存性を示す曲線が互いに交わりやすくなる。また、バンドパス機能(特定波長域の光を選択的に透過させる機能)が向上しやすくなる。具体的には、硬化後の硬化性樹脂と無機充填材粒子のアッベ数νdの差は5以上、10以上、特に15以上であることが好ましい。なお、硬化後の硬化性樹脂のアッベ数νdは一般に25〜60、さらには30〜50の範囲にあるため、無機充填材粒子のアッベ数νdは40〜65、さらには45〜60の範囲で適宜調整することが好ましい。
本発明で使用する硬化性樹脂は、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれであってもよい。
例えば光硬化性樹脂としては、重合性のビニル系化合物、エポキシ系化合物等種々の樹脂を選択することができる。また単官能性化合物や多官能性化合物のモノマーやオリゴマーが用いられる。これらの単官能性化合物、多官能性化合物は、特に限定されるものではない。例えば、以下に光硬化性樹脂の代表的なものを挙げる。
重合性のビニル系化合物の単官能性化合物としては、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、ジンクロペンテニルアクリレート、ボルニルアクリレート、ボルニルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、プロピレングリコールアクリレート、ビニルピロリドン、アクリルアミド、酢酸ビニル、スチレン等が挙げられる。また多官能性化合物としては、トリメチロールプロパントリアクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジシクロペンテニルジアクリレート、ポリエステルジアクリレート、ジアリルフタレート等が挙げられる。これらの単官能性化合物や多官能性化合物の1種以上を単独又は混合物の形で使用することができる。
ビニル系化合物の重合開始剤としては、光重合開始剤及び熱重合開始剤が用いられる。光重合開始剤としては、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノン、キサントン、フルオレノン、ベンズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、ミヒラーケトン等が代表的なものとして挙げることができ、これらの開始剤を1種または2種以上組み合わせて使用することができる。必要に応じてアミン系化合物等の増感剤を併用することも可能である。熱重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジクミルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリル等が代表的なものとして挙げることができる。これらの光重合開始剤又は熱重合開始剤の使用量は、ビニル系化合物に対してそれぞれ0.1〜10重量%であることが好ましい。
エポキシ系化合物としては、水素添加ビスフェノールAジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−m−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート等が挙げられる。これらのエポキシ系化合物を用いる場合には、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート等のエネルギー活性カチオン開始剤を用いることができる。
さらに液状光硬化性樹脂には、レベリング剤、界面活性剤、有機高分子化合物、有機可塑剤等を必要に応じて添加してもよい。
本発明で使用する無機充填材粒子は例えばガラスやセラミックスからなるものを使用することができる。ガラスからなる無機充填材粒子としては、ガラスビーズ、ガラス粉末、ガラスファイバー等が挙げられる。セラミックスからなる無機充填材粒子としては、セラミック粉末、セラミックファイバー等が挙げられる。これらは単独又は混合して使用することが可能である。特にガラスは組成設計の自由度が高く、屈折率の波長依存性を調整しやすいため、所望のバンドパス特性を有する樹脂組成物が得られやすくなる。
無機充填材粒子の光透過率は、本発明の樹脂組成物のバンドパスフィルターとして使用する対象波長域において高いことが好ましい。例えば、本発明の樹脂組成物を可視域におけるバンドパスフィルターとして使用する場合、無機充填材粒子の可視域における光透過率は50%以上、60%以上、特に70%以上であることが好ましい。
無機充填材粒子の形状は特に限定されず、球状、円柱状や角柱状等のロッド等が挙げられる。特に、無機充填材粒子が球状であると、比表面積が小さくなり硬化性樹脂との界面が少なくなることから、樹脂組成物成形体の光透過率を向上させることができる。また樹脂組成物の流動性が向上し、成形性が高まるという利点もある。上記の観点から無機充填材粒子の比表面積は1.5m/g以下、特に1m/g以下であることが好ましい。なお、ファイアポリッシュ等の方法で作製すれば、表面粗さの小さい表面仕上げが可能であり、無機充填材粒子の比表面積を小さくすることとができる。
無機充填材粒子の粒度は、平均粒子径(D50)が0.1〜300μm、1〜200μm、特に3〜100μmであることが好ましい。また最小粒子径は0.1μm以上、特に0.5μm以上であることが好ましく、無機充填材粒子の最大粒子径は500μm以下、特に300μm以下であることが好ましい。無機充填材粒子の粒度が小さいほど充填率を高めることができる。しかし、樹脂組成物の流動性が低下して成形性が悪化したり、界面泡(硬化性樹脂と無機充填材粒子の界面に存在する泡)が抜けにくくなる傾向がある。一方、無機充填材粒子の粒度が大きいほど樹脂組成物における充填率が低下しやすくなる傾向がある。なお無機充填材粒子の粒度はレーザー回折法により測定した値を指す。
無機充填材粒子は、その表面がシランカップリング剤によって処理されていることが好ましい。シランカップリング剤で処理すれば、無機充填材粒子と硬化性樹脂の結合力を高めることができ、より機械的強度の優れた樹脂組成物成形体を得ることが可能になる。さらに、無機充填材粒子と硬化性樹脂のなじみがよくなり、両者の界面に発生する泡が減少して光散乱を抑制できるため、樹脂組成物成形体の光透過率を高めることができる。シランカップリング剤としては、例えばアミノシラン、エポキシシラン、アクリルシラン等が好ましい。なおシランカップリング剤は、用いる硬化性樹脂によって適宜選択すればよく、例えば光硬化性樹脂としてビニル系不飽和化合物を用いる場合にはアクリルシラン系シランカップリング剤が好ましく、またエポキシ系化合物を用いる場合にはエポキシシラン系シランカップリング剤を用いることが好ましい。
さらに、バンドパス特性に影響を与えない範囲で他の無機充填材を添加してもよい。例えば、酸化物ナノ粒子を樹脂組成物において1質量%以下の割合で添加してもよい。酸化物ナノ粒子は可視光波長より小さい粒子であり、可視域において光散乱を発生しにくい。酸化物ナノ粒子としてはZrO、Al、SiO等が使用できる。
無機充填材粒子がガラスビーズ等のガラス粒子からなる場合、その組成としては、SiO−B−R’O(R’はアルカリ金属元素)系ガラス、SiO−Al−RO(Rはアルカリ土類金属元素)系ガラス、SiO−Al−R’O−RO系ガラス、SiO−Al−B−R’O系ガラス、SiO−Al−B−R’O−RO系ガラス、SiO−R’O系ガラス、SiO−R’O−RO系ガラス等が挙げられる。
ガラス粒子を構成するガラスの具体例としては、例えば質量%でSiO 40〜80%、Al 0〜30%、B 0〜20%、CaO 0〜40%、NaO 0〜30%、KO 0〜30%、LiO 0〜10%、TiO 0〜15%、Nb 0〜20%、WO 0〜20%、F 0〜10%を含有するものが挙げられる。
ガラス粒子の着色を抑制するために、ガラス組成中のFe、NiO、Cr及びCuOの含有量が合量で1質量%以下、0.75質量%以下、特に0.5質量%以下であることが好ましい。
またガラス組成中のLa、Gd3、及びBiの含有量は合量で20質量%以下、15質量%以下、特に10質量%以下とすることが好ましい。これらの成分の含有量が多すぎると、着色しやすくなる。また、屈折率が高くなりすぎて、硬化後の硬化性樹脂の屈折率波長依存性を示す曲線と、無機充填材粒子の屈折率波長依存性を示す曲線が互いに交わりにくくなり、バンドパスフィルターとして機能しないおそれがある。
また環境上の理由から、ガラス組成中の鉛、アンチモン、ヒ素、塩素、硫黄の含有量は合量で1質量%以下、0.5質量%以下、特に0.1質量%以下とすることが好ましい。
本発明の樹脂組成物における硬化性樹脂と無機充填材粒子の混合割合は、体積%で、硬化性樹脂 20〜95%、無機充填材粒子 5〜80%であることが好ましい。より好ましくは、硬化性樹脂が35〜95%、40〜90%、特に45〜85%であり、無機充填材粒子が5〜65%、10〜60%、特に15〜55%である。無機充填材粒子の割合が高すぎると、樹脂と接着する表面積が少なくなり、機械的強度が低下する傾向がある。また樹脂組成物の粘度が高くなり過ぎて成形性が低下しやすくなる。一方、硬化性樹脂の割合が高すぎると、バンドパスフィルターとしての機能が発現しにくくなる。
本発明の樹脂組成物を例えばシート状に成形することにより樹脂組成物成形体が得られる。このようにして得られた樹脂組成物成形体はバンドパスフィルターとして機能させることができる。例えば、本発明の樹脂組成物成形体からなるバンドパスフィルターを、蛍光体を含む発光部材の発光面上にカバー部材として配置し、発光特性を調整することが可能である。また、樹脂組成物中に蛍光体を含有させることにより、樹脂組成物成形体に発光特性を付与させても良い。
本発明の樹脂組成物成形体は、上述したような光透過特性に起因して、特徴的な外観を有する。よって、この特徴的な外観を利用して装飾部材等に利用することも可能である。この場合、以下のような方法(光造形法)を用いて立体造形を行うことにより、所望の形状を有する立体造形物を容易に作製することが可能となる。
まず光硬化性樹脂を含む樹脂組成物からなる1層の液状層を準備する。例えば液状の樹脂組成物を満たした槽内に造形用ステージを設け、ステージ上面が液面から所望の深さ(例えば0.2mm程度)となるように位置させる。このようにすることで、ステージ上に液状層を準備することができる。
次に、この液状層に活性エネルギー線、例えば紫外線レーザーを照射して光硬化性樹脂を硬化させ、所定のパターンを有する硬化層を形成する。なお活性エネルギー線としては、紫外線の他に、可視光線、赤外線等のレーザー光を用いることができる。
続いて、形成した硬化層上に、樹脂組成物からなる新たな液状層を準備する。例えば、前記した造形用ステージを1層分下降させることにより、硬化層上に樹脂組成物を導入し、新たな液状層を準備することができる。
その後、硬化層上に準備した新たな液状層に活性エネルギー線を照射して、前記硬化層と連続した新たな硬化層を形成する。
以上の操作を繰り返すことによって硬化層を連続的に積層し、所定の立体造形物を得る。
以下に、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(アクリル系光硬化性樹脂の作製)
まずイソホロンジイソシアネート、モルホリンアクリルアミド及びジブチル錫ジラウレートをオイルバスで加熱した。グリセリンモノメタクリレートモノアクリレートにメチルヒドロキノンを均一に混合溶解させた液を投入し、撹拌混合して反応させた。ペンタエリスリトールのプロピレンオキサイド4モル付加物(ペンタエリスリトールの4個の水酸基にプロピレンオキサイドをそれぞれ1モル付加したもの)を加え、反応させて、ウレタンアクリレートオリゴマーとモルホリンアクリルアミドを含む反応生成物を製造した。
得られたウレタンアクリレートオリゴマーとモルホリンアクリルアミドに、モルホリンアクリルアミド、ジシクロペンタニルジアクリレートを添加した。さらに、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(光重合開始剤)を添加し、無色透明なアクリル系光硬化性樹脂を得た。なお、原料の調合比を適宜変更することにより、表1に示す2種類のアクリル系光硬化性樹脂を作製した。
(ガラスビーズの作製)
質量%で、SiO 52%、Al 14%、B 7%、MgO 0.5%、CaO 25%、SrO 0.5%、NaO 0.8%、KO 0.2%を含有するガラス組成となるように調合した原料を溶融し、成形した後、粉砕することによりガラス粉末を作製した。得られたガラス粉末を酸素バーナーの火炎中に投入することにより球状に成形した。その後、分級をすることで平均粒子径9μm、比表面積0.6m/gのガラスビーズを得た。
(樹脂組成物の作製)
体積%で、アクリル系光硬化性樹脂70%、ガラスビーズ30%となるように混合し、3本ローラーにより混練を行うことにより樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を2枚のスライドガラス(日本地下学社製、厚み1.3mm)の間に厚み0.5mmとなるよう挟持し、500mW、波長364nmの紫外光を照射して、樹脂組成物を硬化させた。これにより、厚み0.5mmの樹脂組成物硬化物を得た。
(特性評価)
硬化後のアクリル系光硬化性樹脂及びガラスビーズの屈折率を屈折率計(島津デバイス製 KPR−2000)を用いて測定した。アッベ数はF線(波長486.13nm)、d線(波長587.56nm)、C線(波長656.27nm)の各波長における屈折率の値を用いて、アッベ数νd={(nd−1)/(nF−nC)}の式より算出した。結果を表2に示す。また、図2に各材料の屈折率波長依存性を示す曲線(破線)を示す。
上記で得られた樹脂組成物硬化物について、可視域における光透過率を分光光度計(島津製作所製UV−3100)により測定した。図2に光透過率曲線(実線)を示す。
図2から明らかなように、実施例の樹脂組成物硬化物は、硬化後のアクリル系光硬化性樹脂の屈折率波長依存性を示す曲線と、ガラスビーズの屈折率波長依存性を示す曲線が互いに交わっており、両曲線の交点付近の波長域における光を選択的に透過した。一方、比較例の樹脂組成物硬化物は、硬化後のアクリル系光硬化性樹脂の屈折率波長依存性を示す曲線と、ガラスビーズの屈折率波長依存性を示す曲線が交わっておらず、可視域において光透過率がほぼ一定であった。

Claims (11)

  1. 硬化性樹脂と無機充填材粒子を含有する樹脂組成物であって、
    硬化後の硬化性樹脂の屈折率波長依存性を示す曲線と、無機充填材粒子の屈折率波長依存性を示す曲線が互いに交わることを特徴とする樹脂組成物。
  2. 硬化後の硬化性樹脂の屈折率波長依存性を示す曲線と、無機充填材粒子の屈折率波長依存性を示す曲線が、可視域において互いに交わることを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 硬化後の硬化性樹脂の屈折率波長依存性を示す曲線と、無機充填材粒子の屈折率波長依存性を示す曲線が互いに交わる波長における光透過率が、厚み0.5mmで50%以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  4. 硬化性樹脂が、光硬化性樹脂または熱硬化性樹脂であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  5. 体積%で、硬化性樹脂 20〜95%、無機充填材粒子 5〜80%を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  6. 硬化後の硬化性樹脂の屈折率ndが1.40〜1.65、アッベ数νdが25〜60であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  7. 無機充填材粒子の屈折率ndが1.40〜1.65、アッベ数νdが40〜65であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  8. 無機充填材粒子がガラスからなることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  9. 無機充填材粒子の比表面積が1.5m/g以下であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  10. 硬化した樹脂中に無機充填材粒子が分散してなる樹脂組成物成形体であって、
    樹脂の屈折率波長依存性を示す曲線と、無機充填材粒子の屈折率波長依存性を示す曲線が互いに交わることを特徴とする樹脂組成物成形体。
  11. 請求項10に記載の樹脂組成物成形体からなることを特徴とするバンドパスフィルター。
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