JP2017111451A - 偏光板、液晶表示装置及び有機エレクトロルミネッセンス表示装置 - Google Patents
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Abstract
Description
[1]偏光フィルムの少なくとも片面に保護フィルムが積層されている偏光板であって、 前記偏光フィルムは、厚さが10μm以下であり、且つ、偏光フィルムの単位膜厚あたりの突刺し強度Pが3.6gf/μm以上である偏光板。
[2]前記偏光板は、前記保護フィルムに対し、−40℃で30分間の保持と85℃で30分間の保持とを繰り返す冷熱衝撃試験を行い、−40℃及び85℃間における前記保護フィルムのひずみ変化量が一定となった後、前記保護フィルムにおける前記偏光フィルムの透過軸方向と平行である方向に生じる−40℃及び85℃間のひずみ変化量A(με)と、前記突刺し強度P(gf/μm)とが、下記式(1)を満たす、[1]に記載の偏光板。
1>(ひずみ変化量A−540)/(突刺し強度P×21) (1)
[3]前記偏光板は、前記保護フィルムに対し、−40℃で30分間の保持と85℃で30分間の保持とを繰り返す冷熱衝撃試験を行い、−40℃及び85℃間における前記保護フィルムのひずみ変化量が一定となった後、冷熱衝撃試験前と85℃との間のひずみ変化量B(με)と、前記突刺し強度P(gf/μm)とが、下記式(2)を満たす、[1]又は[2]に記載の偏光板。
1>(ひずみ変化量B+25)/(突刺し強度P×42) (2)
[4]前記偏光板は、前記保護フィルムにおける偏光フィルムの透過軸方向と平行である方向の23℃における引張り弾性率が、1000〜10000MPaである、[1]〜[3]のいずれかに記載の偏光板。
[5]前記偏光板は、引張り弾性率と前記保護フィルムの厚さとの積である、前記保護フィルムにおける偏光フィルムの透過軸方向と平行である方向の強度Hが、10〜500N/mmである、[4]に記載の偏光板。
[6]前記偏光フィルムは、80℃の温度で240分間保持したときの、その吸収軸方向の幅2mmあたりの収縮力が、2N以下である、[1]〜[5]のいずれかに記載の偏光板。
[7][1]〜[6]のいずれかに記載の偏光板が、粘着剤層を介して液晶セルに積層されている液晶表示装置であって、
前記粘着剤層は、23℃における貯蔵弾性率が100〜1000KPaである液晶表示装置。
[8][1]〜[6]のいずれかに記載の偏光板が、粘着剤層を介して有機エレクトロルミネッセンスディスプレイに積層されている有機エレクトロルミネッセンス表示装置であって、
前記粘着剤層は、23℃における貯蔵弾性率が100〜1000KPaである有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
本発明の偏光板は、偏光フィルムの少なくとも片面に保護フィルムが積層されており、偏光フィルムが、その厚さが10μm以下であり、且つ、偏光フィルムの単位膜厚あたりの突刺し強度Pが3.6gf/μm以上であることを特徴とする。
1>(ひずみ変化量A−540)/(突刺し強度P×21) (1)
1>(ひずみ変化量B+25)/(突刺し強度P×42) (2)
偏光フィルムは、一軸延伸されたポリビニルアルコール系樹脂層に二色性色素を吸着配向させたものであることができる。偏光フィルムは通常、厚さが20μm以下であると偏光板の薄膜化を実現することができる。本発明では、厚さ10μm以下の偏光フィルムを採用するが、偏光フィルムの厚さは好ましくは8μm以下である。また通常偏光フィルムの厚さは2μm以上である。
ポリビニルアルコール系樹脂の平均重合度は、好ましくは100〜10000であり、より好ましくは1500〜8000であり、さらに好ましくは2000〜5000である。
偏光板から保護フィルムを除去する方法としては、偏光フィルムにダメージが入らなければ溶媒を用いて保護フィルムを溶解する方法や、接着剤と親和性のよい溶液に漬けて保護フィルムを剥離する方法など、従来公知の方法を用いることができる。
上記の偏光フィルムの少なくとも片面に、保護フィルムが積層される。なお、偏光フィルムの片面に保護フィルム(第1保護フィルム)を、他方の面に別の保護フィルム(第2保護フィルム)を積層する場合、第2保護フィルムとしては、第1保護フィルムと同様のものを用いてもよいし、他の樹脂フィルムを用いてもよい。第1保護フィルム及び第2保護フィルムはそれぞれ、熱可塑性樹脂から構成される透明樹脂フィルムであることができる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリプロピレン系樹脂を例とする鎖状ポリオレフィン系樹脂及び環状ポリオレフィン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂;セルローストリアセテート及びセルロースジアセテート等のセルロースエステル系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート及びポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;(メタ)アクリル系樹脂;又はこれらの混合物、共重合物などが挙げられる。
メタクリル酸エステル及びアクリル酸エステル以外の重合性モノマーは、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
延伸倍率(%)=100×{(延伸後の長さ)−(延伸前の長さ)}/(延伸前の長さ)
面配向係数ΔP=(nx+ny)/2−nz
偏光フィルムと第1保護フィルムとの積層及び偏光フィルムと第2保護フィルムとの積層は、それぞれ接着剤層を介して行われる。接着剤層を形成する接着剤としては、紫外線、可視光、電子線、X線などの活性エネルギー線の照射によって硬化し得る活性エネルギー線硬化性接着剤、接着剤成分を水に溶解したもの又は水に分散させた水系接着剤などが挙げられる。
偏光板は、例えば次の方法によって製造することができる。
〔a〕偏光フィルムとしての偏光性能を有するポリビニルアルコール系樹脂フィルム(以下、「偏光フィルム」ともいう)を単層フィルムとして、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムから作製し、その片面又は両面に保護フィルムを貼合する方法。
〔b〕基材フィルムの少なくとも片面にポリビニルアルコール系樹脂を含有する塗工液を塗工することによってポリビニルアルコール系樹脂層を形成した後、得られた積層フィルムに所定の処理を施してポリビニルアルコール系樹脂層を偏光フィルムとし、得られた偏光性積層フィルムに保護フィルムを貼合した後、基材フィルムを剥離する方法。この方法では、基材フィルムを剥離した後、他方の面にも保護フィルムを貼合してもよい。
製造方法〔a〕では、上述したポリビニルアルコール系樹脂を製膜してなるポリビニルアルコール系樹脂フィルムを出発原料として偏光フィルムを作製することができる。ポリビニルアルコール系樹脂を製膜する方法は、例えば、溶融押出法、溶剤キャスト法など、公知の方法を採用することができる。延伸前のポリビニルアルコール系樹脂フィルムの厚さは、例えば10〜150μm程度である。
この染色水溶液におけるヨウ素の含有量は通常、水100重量部あたり0.01 〜1重量部程度である。また、ヨウ化カリウムの含有量は通常、水100重量部あたり0.5 〜20重量部程度である。染色水溶液の温度は通常、20〜40℃程度である。また、染色水溶液への浸漬時間(染色時間)は通常、20〜1800秒程度である。
また、浸漬時間は通常、1〜120秒程度である。
製造方法〔b〕では、基材フィルムにポリビニルアルコール系樹脂をコーティングすることで偏光フィルムとなるポリビニルアルコール系樹脂層を形成することができ、例えば、樹脂層形成工程、延伸工程、染色工程、第1貼合工程及び剥離工程経て偏光フィルムを製造することができる。この製造方法〔b〕の一例として、特許文献1に記載の方法を挙げることができる。
本工程は、基材フィルムの少なくとも片面にポリビニルアルコール系樹脂を含有する塗工液を塗工した後、乾燥させることによりポリビニルアルコール系樹脂層を形成して積層フィルムを得る工程である。このポリビニルアルコール系樹脂層は、延伸工程及び染色工程を経て偏光フィルムとなる層である。ポリビニルアルコール系樹脂層は、ポリビニルアルコール系樹脂を含有する塗工液を基材フィルムの片面又は両面に塗工し、塗工層を乾燥させることにより形成することができる。このような塗工によりポリビニルアルコール系樹脂層を形成する方法は、薄膜の偏光フィルムを得やすい点で有利である。
(メタ)アクリル系樹脂としては、アルキル基の炭素数が1〜6であるポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とする重合体が好ましく、メタクリル酸メチルを主成分(50〜100重量%、好ましくは70〜100重量%)とするメタクリル酸メチル系樹脂より好ましい。
溶媒の例を挙げれば、例えば、ベンゼン、トルエン及びキシレン等の芳香族炭化水素;アセトン、メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトン等のケトン;酢酸エチル及び酢酸イソブチル等のエステル;塩化メチレン、トリクロロエチレン及びクロロホルム等の塩素化炭化水素;エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール及び1−ブタノール等のアルコールである。ただし、有機溶媒を含むプライマー層形成用塗工液を用いてプライマー層を形成すると、基材フィルムを溶解させてしまうこともあるので、基材フィルムの溶解性も考慮して溶媒を選択することが好ましい。環境への影響をも考慮すると、水を溶媒とする塗工液からプライマー層を形成することが好ましい。
本工程は、基材フィルム及びポリビニルアルコール系樹脂層からなる積層フィルムに延伸処理を施し、延伸された基材フィルム及びポリビニルアルコール系樹脂層からなる延伸フィルムを得る工程である。積層フィルムの延伸倍率は、所望する偏光特性に応じて適宜選択することができるが、好ましくは、積層フィルムの元長に対して5倍超17倍以下であり、より好ましくは5倍超8倍以下である。延伸倍率が5倍以下であると、ポリビニルアルコール系樹脂層が十分に配向しないため、偏光フィルムの偏光度が十分に高くならないことがある。一方、延伸倍率が17倍を超えると、高い突刺し強度Pを得にくくなる。
更に延伸時にフィルムの破断が生じ易くなるとともに、延伸フィルムの厚さが必要以上に薄くなり、後工程での加工性及び取扱性が低下するおそれがある。延伸処理は通常、一軸延伸である。
本工程は、延伸フィルムのポリビニルアルコール系樹脂層を二色性色素で染色し、これを吸着配向させて偏光フィルムを形成することにより偏光性積層フィルムを得る工程である。本工程を経て基材フィルムの片面又は両面に偏光フィルムが積層された偏光性積層フィルムが得られる。染色工程は、二色性色素を含有する溶液(染色溶液)に延伸フィルム全体を浸漬することにより行うことができる。染色溶液としては、上記二色性色素を溶媒に溶解した溶液を使用できる。染色溶液の溶媒としては、一般的には水が使用されるが、水と相溶性のある有機溶媒がさらに添加されてもよい。染色溶液における二色性色素の濃度は、0.01〜10重量%であることが好ましく、0.02〜7重量%であることがより好ましく、0.025〜5重量%であることがさらに好ましい。
架橋剤は1種のみを単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
水洗浄温度は、通常3〜50℃、好ましくは4〜20℃の範囲である。浸漬時間は、通常2〜300秒間、好ましくは3〜240秒間である。
本工程は、偏光性積層フィルムの偏光フィルム上、すなわち、偏光フィルムの基材フィルム側とは反対側の面に第1保護フィルムを貼合し、貼合フィルムを得る工程である。偏光性積層フィルムが基材フィルムの両面に偏光フィルムを有する場合は通常、両面の偏光フィルム上にそれぞれ保護フィルムが貼合される。この場合、これらの保護フィルムは同種の保護フィルムであってもよいし、異種の保護フィルムであってもよい。
本工程は、第1保護フィルムを貼合して得られた貼合フィルムから基材フィルムを剥離除去して片面保護フィルム付き偏光板を得る工程である。この工程を経て、偏光フィルムの片面に第1保護フィルムが積層された片面保護フィルム付き偏光板が得られる。偏光性積層フィルムが基材フィルムの両面に偏光フィルムを有し、これら両方の偏光フィルムに保護フィルムを貼合した場合には、この剥離工程により、1枚の偏光性積層フィルムから2枚の片面保護フィルム付き偏光板が得られる。
本工程は、片面保護フィルム付き偏光板の偏光フィルム上、すなわち第1貼合工程にて貼合した保護フィルムとは反対側の面に、もう一方の保護フィルムを、接着剤を介して貼合して偏光板を得る工程である。第2貼合工程を行う場合、第1貼合工程では、第2保護フィルムを貼合してもよく、この場合は本工程で第1保護フィルムを貼合する。
本発明により製造される偏光板は、必要に応じて裁断し、さまざまな表示装置に用いることができる。表示装置とは、表示素子を有する装置であり、発光源として発光素子又は発光装置を含む。表示装置としては、例えば、液晶表示装置、有機エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置、無機エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置、電子放出表示装置(例えば電場放出表示装置(FED)、表面電界放出表示装置(SED))、電子ペーパー(電子インクや電気泳動素子を用いた表示装置、プラズマ表示装置、投射型表示装置(例えばグレーティングライトバルブ(GLV)表示装置、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)を有する表示装置)及び圧電セラミックディスプレイなどが挙げられる。液晶表示装置は、透過型液晶表示装置、半透過型液晶表示装置、反射型液晶表示装置、直視型液晶表示装置及び投写型液晶表示装置などのいずれをも含む。これらの表示装置は、2次元画像を表示する表示装置であってもよいし、3次元画像を表示する立体表示装置であってもよい。
コロナ処理は、春日電機(株)製のコロナ放電装置により行った。具体的には、コロナ表面処理フレーム“STR−1764”、高周波電源“CT−0212”、高圧トランス“CT−T02W”を使用した。
接着剤層の貯蔵弾性率として、23℃における接着剤層の貯蔵弾性率(G′)を次の方法で測定した。まず、偏光フィルムの両面に厚さ40μmの保護フィルム(TAC)を積層した偏光板〔住友化学株式会社製の商品名“スミカラン(登録商標)SRW062”)の片面に、粘着剤層を設けて粘着剤付き偏光板を作製し、次いでこれから4cm×4cmの断片を裁断した。粘着剤層から剥離フィルムを剥がし、露出した粘着剤層について、JIS K7244−10:1999「プラスチック―動的機械特性の試験方法―第10部:平行平板振動レオメータによる複素せん断粘度」に準拠して、Anton−Paar社製の測定器“Physica MCR301”で貯蔵弾性率を測定した。測定には、直径25mmのパラレルプレートを用い、周波数1Hzの捻りせん断法で、23℃の貯蔵弾性率を求めた。
保護フィルムの強度Hは、次の方法で測定した。まず、恒温槽を備える株式会社島津製作所製の万能試験機“オートグラフAG−I”を用いて、測定する保護フィルムを幅10mm×長さ200mmの断片に切り出し、測定機の標線間距離を100mmにしてこれにセットした。次に、JIS K7127:1999「プラスチックフィルム及びシートの引張試験方法」に準じ、セットした断片を試験速度50mm/分で引っ張った際の弾性率を求めた。得られた弾性率から、以下の式により保護フィルムの強度Hを求めた。
保護フィルムの強度H(N/mm)=弾性率(N/mm2)×厚さ(μm)×10-3
染色工程まで経た3層の積層フィルム(基材フィルム/プライマー層/ポリビニルアルコール系樹脂層)に対し、積層フィルムの吸収軸方向が長軸となるように幅2mm×長さ50mmの断片に株式会社荻野精機製作所製のスーパーカッターでカットした。得られた短冊状の積層フィルムから基材フィルムを剥離し、収縮力測定サンプルとした。収縮力測定サンプルを熱機械分析装置〔株式会社日立ハイテクサイエンス製の“TMA/6100”〕にチャック間距離を10mmとしてセットし、試験片を20℃の室内に十分な時間放置した後、サンプルの室内の温度を20℃から80℃まで1分間で昇温させ、昇温後サンプル室内の温度を80℃で維持するように設定した。昇温後4時間放置した後、80℃の環境下で測定サンプルの長辺方向の収縮力を測定した。この測定において、静荷重は0mNとし、治具にはSUS製のプローブを使用した。
保護フィルム2:日本ゼオン株式会社製の商品名“ゼオノアフィルム(登録商標)ZT12−090079”、厚さ20μmの横一軸延伸された環状ポリオレフィン系樹脂フィルム、搬送方向の引張り弾性率は、2200MPa、搬送方向と垂直な方向引張り弾性率は2600MPa。
保護フィルム3:JSR株式会社製の商品名“アートン(登録商標)フィルム”、厚さ15μmの未延伸の環状ポリオレフィン系樹脂フィルム、搬送方向の引張り弾性率は2100MPa、搬送方向と垂直な方向の引張り弾性率は2100MPa。
保護フィルム4:コニカミノルタ株式会社製の商品名“KC2UA”、厚さ25μmの未延伸のTACフィルム、搬送方向の引張り弾性率は5000MPa、搬送方向と垂直な方向の引張り弾性率は5800MPa。
保護フィルム5:厚さ40μmの2軸延伸したアクリル系樹脂フィルム、搬送方向の引張り弾性率は3300MPa、搬送方向と垂直な方向の引張り弾性率は3300MPa。
上記にて用いた4種の保護フィルムについて、コロナ処理を実施し、コロナ処理された面に粘着剤(貯蔵弾性率:390KPa、厚さ:20μm)を貼合し、粘着剤付き保護フィルムを作製した。粘着剤付き保護フィルムの辺と保護フィルムの搬送方向及び搬送方向と垂直な方向が一致するように1辺100mmの正方形にスーパーカッターを用いて切り出し、評価サンプルとした。
ひずみ量(με)=ΔL(変形時の長さ変化量)/L(初期長さ)×106
(1)樹脂層形成工程
基材フィルムとして、厚さ90μmの未延伸のポリプロピレン(PP)フィルム(融点163℃)を使用し、その表面にコロナ処理を行い、コロナ処理面にプライマー層を形成した。プライマー層は、ポリビニルアルコール粉末〔日本合成化学工業株式会社製、平均重合度1100、ケン化度99.5モル%、商品名“Z−200”〕を95℃の熱水に溶解させ、濃度3重量%の水溶液を調製し、これにポリビニルアルコール粉末6重量部に対して5重量部の架橋剤〔田岡化学工業株式会社製、商品名“スミレーズレジン(登録商標)650〕を配合した混合水溶液から形成した。プライマー層の形成は、この混合水溶液を基材フィルムのコロナ処理面に小径グラビアコーターで塗工し、これを80℃で10分間乾燥させた。プライマー層の厚さは0.2μmであった。
上記積層フィルムをフローティングの縦一軸延伸装置を用いて160℃で5.3倍の自由端一軸延伸を実施し延伸フィルムを得た。
その後、延伸フィルムを30℃のヨウ素とヨウ化カリウムの混合水溶液である染色溶液に180秒ほど浸漬して染色した後、10℃の純水で余分なヨウ素液を洗い流した。次いで78℃のホウ酸水溶液である架橋溶液1に120秒浸漬させ、次いで、ホウ酸およびヨウ化カリウムの含む70℃の架橋溶液2に60秒浸漬させた。その後10℃の純水で10秒間洗浄し、最後に40℃で150秒間乾燥させた後、55℃で150秒間乾燥させた。
以上の工程により樹脂層から偏光フィルム層を形成し、偏光性積層フィルムを得た。各溶液の配合比率は以下である。
水:100重量部
ヨウ素:0.6重量部
ヨウ化カリウム:10重量部
<架橋溶液1>
水:100重量部
ホウ酸:9.5重量部
<架橋溶液2>
水:100重量部
ホウ酸:5.0重量部
ヨウ化カリウム:6重量部
以下の各成分を混合し、脱泡して、紫外線硬化性樹脂接着剤を液体状態で調製した。なお、光カチオン重合開始剤は、50%プロピレンカーボネート溶液の形で入手したものを使用した。上に示した配合量(2.25部)は、固形分量である。
1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル 20部
2−エチルヘキシルグリシジルエーテル 5部
トリアリールスルホニウム ヘキサフルオロホスフェート系の光カチオン重合開始剤
2.25部
第1保護フィルムとして保護フィルム1(貼合面にコロナ処理を施したもの)を使用し、そのコロナ処理面に(4)で調製した紫外線硬化性接着剤をマイクログラビアコーターで塗工し、(3)で作製した偏光性積層フィルムの偏光フィルム層における基材フィルムとは反対側の面に貼合した。その後、フュージョンUVシステムズ社製の紫外線ランプ“Dバルブ”が取り付けられたベルトコンベア付き紫外線照射装置を用い、積算光量が250mJ/cm2となるように紫外線を保護フィルム側より照射して紫外線硬化性接着剤を硬化させた。以上により基材フィルム/プライマー層/偏光フィルム層/紫外線硬化性接着剤層/第1保護フィルムからなる5層のフィルムを得た。偏光フィルム層の厚さは5.6μmであった。硬化後の接着剤層の厚さは1.0μmであった。
上記(5)で作製した5層構造のフィルムから基材フィルムを剥離除去して、片面保護フィルム付き偏光板を得た。基材フィルムは容易に剥離することができた。次に、第2保護フィルムとして(5)で使用したものと同じ保護フィルム1を使用し、そのコロナ処理面に同じ紫外線硬化性接着剤をマイクログラビアコーターを用いて塗工し、これを上記片面保護フィルム付き偏光板におけるプライマー層面に貼合した。次に、第2保護フィルム側から、(5)同条件で紫外線を照射して接着剤層を硬化させて、偏光板を得た。硬化後の接着剤層の厚さは1.0μmであった。
(3)染色工程における乾燥条件を、まず50℃で150秒間乾燥させ、次いで85℃で150秒間乾燥させるように変更した以外は実施例1と同様にして偏光板を作製した。
偏光フィルム層の厚さは5.4μmであった。
(3)染色工程における乾燥条件を40℃で150秒間の乾燥を2回行うように変更した以外は実施例1と同様して偏光板を作製した。偏光フィルム層の厚さは5.4μmであった。
(3)染色工程における架橋溶液2に配合するヨウ化カリウムを8重量部に変更し、乾燥条件を40℃で150秒間の乾燥を2回行うように変更した以外は実施例1と同様にして偏光板を作製した。偏光フィルム層の厚さは5.5μmであった。
第1保護フィルムとして保護フィルム2(貼合面にコロナ処理を施したもの)を用い、第2保護フィルムとして保護フィルム3(貼合面にコロナ処理を施したもの)用いた以外は、参考例2と同様にして偏光板を作製した。
第1保護フィルムとして保護フィルム3(貼合面にコロナ処理を施したもの)を用いた以外は、実施例3と同様にして偏光板を作製した。
第1保護フィルムとして保護フィルム4を用いた以外は、実施例3と同様にして偏光板を作製した。
第1保護フィルム及び第2保護フィルムとして保護フィルム5(貼合面にコロナ処理を施したもの)を用いた以外は、実施例1と同様にして偏光板を作製した。
(2)延伸工程における延伸倍率を5.8倍に、(3)染色工程における架橋溶液2に配合するヨウ化カリウムを6重量部に、乾燥条件を40℃で150秒間の乾燥を2回行うように変更した以外は実施例1と同様にして偏光板を作製した。偏光フィルム層の厚さは5.7μmであった。
実施例、参考例及び比較例で製造した偏光板を、シクロヘキサンに浸しながら超音波洗浄機にかけ、両面に貼合されている保護フィルムを溶解除去して偏光フィルムを取り出し、突刺し試験を行った。突刺し試験は、先端径1mmφ、0.5Rのニードルを装着したカトーテック株式会社製のハンディー圧縮試験機“KES−G5ニードル貫通力測定仕様”を使用し、温度23±3℃の環境下、突刺し速度0.33cm/秒の測定条件下で行った。突刺し試験で測定される突刺し強度は、試験片12個に対して突刺し試験を行い、その平均値とした。偏光フィルムの厚さを接触式膜厚計〔株式会社ニコン製の商品名“DIGIMICRO(登録商標) MH−15M”〕で測定し、偏光フィルムの単位膜厚あたりの突刺し強度(強度P)を求めた。結果を、表1の「強度P」の欄に示した。
実施例及び比較例で作製した偏光板の第2保護フィルム側にコロナ処理を実施し、粘着剤(貯蔵弾性率:390KPa、厚さ:20μm)を貼合し、粘着剤付き偏光板を作製した。粘着剤付き偏光板を、吸収軸が長辺と平行になるように長辺100mm、短辺60mmにスーパーカッターで切り出し、冷熱衝撃試験評価サンプルとした。この評価サンプルは、粘着剤層側で無アルカリガラス板〔コーニング社製の“Eagle−XG(登録商標)”〕に貼合し、オートクレーブ中、温度50℃で圧力5MPaの条件下で20分間加圧処理を行ない、温度23℃で相対湿度60%の雰囲気下で1日放置した。その後、株式会社エスペック製の冷熱衝撃試験器(TSA−301L−W)にて、低温側−40℃で30分間保持した後、高温側85℃で30分間保持することを1サイクルとし、これを100サイクル行う耐久性試験を行なった。試験中、常温にさらすことはしなかった。評価サンプル50枚について、それぞれ100サイクルの耐久性試験を行い、評価サンプル50枚のうち、クラック状の外観不具合の発生を目視で確認した枚数を表1の「冷熱衝撃試験」の欄に示した。例えば、実施例1の”0/50”は、評価サンプル50枚中、クラック状の外観不具合の発生を目視で確認できた枚数は、0枚であったことを意味する。
比較例1で作製した偏光板の第2保護フィルム側にコロナ処理を実施し、粘着剤(貯蔵弾性率:390KPa、厚さ:20μm)を貼合し、粘着剤付き偏光板を作製した。この粘着剤付き偏光板をガラスに貼合せずに、株式会社エスペック製の冷熱衝撃試験器(TSA−301L−W)にて、低温側−40℃で30分間保持した後、高温側85℃で30分間保持することを1サイクルとし、これを100サイクル行う耐久性試験を行なった。試験中、常温にさらすことはしなかった。試験後、評価サンプル中にクラック状の外観不具合の発生を目視で確認したところ、ガラスに貼合しない状態ではクラックは発生していなかった。このことから、ガラスと偏光板のひずみ差により偏光フィルムの割れが生じていると考えられる。
冷熱衝撃試験時に用いた無アルカリガラス表面にひずみゲージを接着し、株式会社エスペック製の冷熱衝撃試験器(TSA−301L−W)にて、低温側−40℃で30分間保持した後、高温側85℃で30分間保持することを1サイクルとし、これを100サイクル行う耐久性試験を行い、冷熱衝撃試験時の無アルカリガラスのひずみ量を測定した。試験中、常温にさらすことはしなかった。無アルカリガラスのひずみ変化量Aは実施例、参考例及び比較例記載で使用した保護フィルムのひずみ変化量Aの値よりも小さい値となっており、冷熱衝撃試験時にガラスの挙動と保護フィルムの挙動との間に差が生じる事によりクラック状の外観不具合が発生しやすくなっていると考えられる。ひずみ変化量Bについてもひずみ変化量Aと同様のメカニズムが考えられ、対照例2よりも保護フィルムのひずみ変化量Bが小さい実施例3において、強度Pが4.2gf/μmであっても冷熱衝撃試験時にクラック状の外観不具合が発生していない理由はひずみ変化量Bが無アルカリガラスの挙動と一致している為である考えられる。
5 偏光フィルム
10 第1保護フィルム
15 接着剤層
20 第2保護フィルム
25 粘着剤層
30 ガラス基板
35 無アルカリガラス板
40 ひずみゲージ
Claims (8)
- 偏光フィルムの少なくとも片面に保護フィルムが積層されている偏光板であって、
前記偏光フィルムは、厚さが10μm以下であり、且つ、偏光フィルムの単位膜厚あたりの突刺し強度Pが3.6gf/μm以上である偏光板。 - 前記偏光板は、前記保護フィルムに対し、−40℃で30分間の保持と85℃で30分間の保持とを繰り返す冷熱衝撃試験を行い、−40℃及び85℃間における前記保護フィルムのひずみ変化量が一定となった後、前記保護フィルムにおける前記偏光フィルムの透過軸方向と平行である方向に生じる−40℃及び85℃間のひずみ変化量A(με)と、前記突刺し強度P(gf/μm)とが、下記式(1)を満たす、請求項1に記載の偏光板。
1>(ひずみ変化量A−540)/(突刺し強度P×21) (1) - 前記偏光板は、前記保護フィルムに対し、−40℃で30分間の保持と85℃で30分間の保持とを繰り返す冷熱衝撃試験を行い、−40℃及び85℃間における前記保護フィルムのひずみ変化量が一定となった後、冷熱衝撃試験前と85℃との間のひずみ変化量B(με)と、前記突刺し強度P(gf/μm)とが、下記式(2)を満たす、請求項1又は2に記載の偏光板。
1>(ひずみ変化量B+25)/(突刺し強度P×42) (2) - 前記偏光板は、前記保護フィルムにおける偏光フィルムの透過軸方向と平行である方向の23℃における引張り弾性率が、1000〜10000MPaである、請求項1〜3のいずれかに記載の偏光板。
- 前記偏光板は、引張り弾性率と前記保護フィルムの厚さとの積である、前記保護フィルムにおける偏光フィルムの透過軸方向と平行である方向の強度Hが、10〜500N/mmである、請求項4に記載の偏光板。
- 前記偏光フィルムは、80℃の温度で240分間保持したときの、その吸収軸方向の幅2mmあたりの収縮力が、2N以下である、請求項1〜5のいずれかに記載の偏光板。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の偏光板が、粘着剤層を介して液晶セルに積層されている液晶表示装置であって、
前記粘着剤層は、23℃における貯蔵弾性率が100〜1000KPaである液晶表示装置。 - 請求項1〜6のいずれかに記載の偏光板が、粘着剤層を介して有機エレクトロルミネッセンスディスプレイに積層されている有機エレクトロルミネッセンス表示装置であって、 前記粘着剤層は、23℃における貯蔵弾性率が100〜1000KPaである有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
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