JP2017113329A - カテーテル - Google Patents

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Abstract

【課題】より操作性が良好なカテーテルを提供する。【解決手段】カテーテル100は、シース本体(管状本体10)と、シース本体の内部に通孔形成されたルーメン(副管腔42)と、ルーメンに挿通されているとともにシース本体の先端部に連結されている操作線60と、を有し、操作線60が牽引されることにより先端部が屈曲するカテーテルである。ルーメンの周壁と操作線60との摺動抵抗は、シース本体の先端部と基端部との間の中間部における摺動抵抗よりも、先端部における摺動抵抗が大きい。【選択図】図1

Description

本発明は、カテーテルに関する。
体腔内に導入して用いられるカテーテルとしては、近年、遠位端部を屈曲させることにより体腔への進入方向を操作可能なものが提供されている。
たとえば、特許文献1には、主管腔(同文献の中央内腔)の周囲に、これよりも細径の2つの副管腔(同文献のワイヤ内腔)を設けたカテーテルが記載されている。このサブルーメンの内部には操作線(同文献の変向ワイヤ)が挿通されており、基端側の作動ハンドルを操作して操作線を牽引することによりカテーテルの先端が曲がるようになっている。
特開2006−192269号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたようなカテーテルでは、先端部が局部的に過大な曲率で屈曲してしまうことにより、カテーテルを太い血管から細い血管に進入させる場合などにおいて良好な操作性を得られないことがある。
本発明は上述のような課題に鑑みてなされたものであり、より操作性が良好なカテーテルを提供するものである。
本発明は、シース本体と、前記シース本体の内部に通孔形成されたルーメンと、前記ルーメンに挿通されているとともに前記シース本体の先端部に連結されている操作線と、を有し、前記操作線が牽引されることにより前記先端部が屈曲するカテーテルであって、
前記ルーメンの周壁と前記操作線との摺動抵抗は、前記シース本体の前記先端部と基端部との間の中間部における前記摺動抵抗よりも、前記先端部における前記摺動抵抗が大きいカテーテルを提供するものである。
本発明によれば、カテーテルの操作性をより良好にすることが可能となる。
第1の実施形態に係るカテーテルの縦断面図である。 第1の実施形態に係るカテーテルの横断面図である。 第1の実施形態に係るカテーテルの拡大縦断面図である。 実施形態に係るカテーテルの挙動を説明するための模式図である。 比較形態に係るカテーテルの挙動を説明するための模式図である。 第2の実施形態に係るカテーテルの縦断面図である。 第3の実施形態に係るカテーテルの縦断面図である。 第4の実施形態に係るカテーテルの縦断面図である。 第5の実施形態に係るカテーテルの縦断面図である。 副管腔(ルーメン)の周壁と操作線との摺動抵抗の測定方法の説明図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は適宜に省略する。
〔第1の実施形態〕
図1〜図3は第1の実施形態に係るカテーテル100を示す図であり、このうち図1はカテーテル100を長手方向に沿って切った断面図(縦断面図)であり、図2はカテーテル100を長手方向に対して垂直に切った断面図(横断面図)であり、図3は図1よりも模式的で拡大した縦断面図である。図1は図2のI−I線断面図であり、図2は図1のII−II線断面図である。また、図3において左側が遠位側(先端側)、右側が近位側(基端側)である。なお、図3においては、図1に示される構成のうち、1本のサブチューブ40と、サブチューブ40内に挿通された操作線60と、サブチューブ40の内部空間である副管腔42と、サブチューブ40の周囲の外層50とを選択的に示しており、他の構成については図示を省略している。
本実施形態のカテーテル100は、シース本体(管状本体10)と、シース本体の内部に通孔形成されたルーメン(本実施形態の場合、副管腔42)と、ルーメンに挿通されているとともにシース本体の先端部に連結されている操作線60と、を有し、操作線60が牽引されることにより先端部が屈曲するカテーテルである。
ルーメンの周壁と操作線60との摺動抵抗は、シース本体の先端部と基端部との間の中間部における摺動抵抗よりも、先端部における摺動抵抗が大きい。
これにより、シース本体の先端部が局部的に過大な曲率(過小な曲率半径)で屈曲してしまうことを抑制できるため、管状本体10の先端の向きを容易に調整できるとともに、管状本体10の先端を所望の体腔に進入させることが容易となる。
ここで、ルーメンの周壁と操作線60との摺動抵抗とは、シース本体を屈曲させた状態で、単位長さのルーメンに対して相対的に操作線60を軸方向に移動させる際の抵抗の大きさを意味する。
図1及び図3に示すように、本実施形態の場合、管状本体10()の先端部における副管腔42の内径が、管状本体10の中間部における副管腔42の内径よりも小さい。これにより、副管腔42の周壁と操作線60との摺動抵抗が、中間部における摺動抵抗よりも、先端部における摺動抵抗が大きくなっている。
より詳細には、副管腔42の内径は、管状本体10の中間部から基端部に亘って一定となっており、先端部において局部的に小さくなっている。
本実施形態の場合、副管腔42は、管状本体10に埋設されているサブチューブ40の内部空間により構成されている。そして、管状本体10の中間部におけるサブチューブ40の内径よりも、管状本体10の先端部におけるサブチューブ40の内径が小さくなっている。このような構成は、例えば、熱収縮チューブなどを用いて管状本体10の先端部を選択的に加熱及び加圧し、先端部においてサブチューブ40を潰すことによって、実現することができる。
すなわち、カテーテル100は、管状本体10に埋設されたチューブ(サブチューブ40)を備え、チューブの内部空間がルーメンを構成しており、管状本体10の先端部においてチューブが潰れている。
このような構成とすることにより、サブチューブ40により構成された副管腔42を有するタイプのカテーテル100において、先端部における副管腔42の内径が、中間部における副管腔42の内径よりも小さい構成を実現することができる。
以下、本実施形態をより詳細に説明する。本実施形態のカテーテル100は、管状本体10を血管内に挿通させて用いられる血管内カテーテルである。
管状本体10は、内部に主管腔(メインルーメン)20が通孔形成された中空管状かつ長尺の部材である。より具体的には、管状本体10は、肝臓の8つの亜区域の何れにも進入させることが可能な外径および長さに形成されている。
管状本体10は積層構造を有している。図2に示すように、主管腔20を中心に、内径側から順に内層24、第1外層52および第2外層54が積層されて管状本体10は構成されている。第2外層54の外表面には親水層(図示せず)が形成されている。内層24、第1外層52および第2外層54は、可撓性の樹脂材料により構成され、それぞれ円環状で略均一の厚みを有している。第1外層52と第2外層54とを合わせて外層50と呼称する場合がある。
内層24は管状本体10の最内層であり、その内壁面により主管腔20を画定する。主管腔20の横断面形状は特に限定されないが、本実施形態では円形である。横断面円形の主管腔20の場合、その直径は、管状本体10の長手方向に亘って均一でもよく、または長手方向の位置により相違してもよい。たとえば、管状本体10の一部または全部の長さ領域において、先端から基端に向かって主管腔20の直径が連続的に拡大するテーパー状とすることができる。
内層24の材料としては、例えば、フッ素系の熱可塑性ポリマー材料を挙げることができる。このフッ素系の熱可塑性ポリマー材料としては、具体的には、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)およびペルフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)を挙げることができる。内層24をこのようなフッ素系ポリマー材料で構成することにより、主管腔20を通じて薬液等を供給する際のデリバリー性が良好となる。また、主管腔20にガイドワイヤーを挿通する場合に、ガイドワイヤーの摺動抵抗が低減される。
外層50は、管状本体10の厚みの大部分を占める。本実施形態の外層50は、保持ワイヤ70を内包する断面円環状の第1外層52と、この第1外層52の周囲に設けられて第2補強層80を内包する断面円環状の第2外層54と、を含んでいる。
外層50の内側層にあたる第1外層52の内部には、内径側から順にワイヤ補強層30、サブチューブ(チューブ)40および保持ワイヤ70が設けられている。外層50の外側層にあたる第2外層54の内部には、第2補強層80が設けられている。第2補強層80は、第1外層52の外表面に接している。ワイヤ補強層30と第2補強層80は、管状本体10と同軸に配置されている。第2補強層80はワイヤ補強層30およびサブチューブ40の周囲を取り囲むように、これらと離間して配置されている。
外層50の材料としては熱可塑性ポリマー材料を用いることができる。この熱可塑性ポリマー材料としては、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、ポリアミド(PA)、ポリアミドエラストマー(PAE)、ポリエーテルブロックアミド(PEBA)などのナイロンエラストマー、ポリウレタン(PU)、エチレン−酢酸ビニル樹脂(EVA)、ポリ塩化ビニル(PVC)またはポリプロピレン(PP)を挙げることができる。
外層50には無機フィラーを混合してもよい。無機フィラーとしては、硫酸バリウムや次炭酸ビスマスなどの造影剤を例示することができる。外層50に造影剤を混合することで、体腔内における管状本体10のX線造影性を向上することができる。
第1外層52と第2外層54とは、同種または異種の樹脂材料により構成されている。図2では第1外層52と第2外層54との境界面を明示してあるが、本発明はこれに限られない。第1外層52と第2外層54とを同種の樹脂材料で構成した場合、両層は渾然一体に融合していて明瞭な境界面を持っていなくてもよい。すなわち、本実施形態の外層50は、第1外層52と第2外層54とが互いに区別可能な多層で構成されていてもよく、または第1外層52と第2外層54とが一体となった単一層として構成されていてもよい。
ワイヤ補強層30は、管状本体10のうち操作線60よりも内径側に設けられて内層24を保護する保護層である。操作線60の内径側にワイヤ補強層30が存在することで、操作線60が第1外層52および内層24を破断させて主管腔20に露出することが抑制される。
ワイヤ補強層30は補強ワイヤ32を巻回してなる。補強ワイヤ32の材料には、タングステン(W)、ステンレス鋼(SUS)、ニッケルチタン系合金、鋼、チタン、銅、チタン合金または銅合金などの金属材料のほか、内層24および第1外層52よりも剪断強度が高いポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)またはポリエチレンテレフタレート(PET)などの樹脂材料を用いることができる。本実施形態では、補強ワイヤ32としてステンレス鋼の細線を挙げる。
ワイヤ補強層30は、補強ワイヤ32をコイル巻回すること、又は、メッシュ状に編組することなどにより構成されている。補強ワイヤ32の条数や、コイルピッチ、メッシュ数は特に限定されない。ここで、ワイヤ補強層30のメッシュ数とは、補強ワイヤ32の延在方向にみた単位長さ(1インチ)あたりの交差本数(目の数)をいう。
補強ワイヤ32は、内層24の周囲に斜めに巻回されている。内層24の径方向に対する補強ワイヤ32の延在方向の為す角を、補強ワイヤ32のピッチ角という。補強ワイヤ32が密ピッチで巻回されている場合、ピッチ角は小さな角度になる。逆に補強ワイヤ32が管状本体10の軸心に沿って浅い角度で巻回されている場合、ピッチ角は90度に近い大きな角度になる。本実施形態の補強ワイヤ32のピッチ角は特に限定されないが、30度以上、好ましくは45度以上、かつ75度以下とすることができる。
本実施形態のワイヤ補強層30として、補強ワイヤ32を編組したブレード層を例示する。第1外層52はワイヤ補強層30とサブチューブ40との間に含浸している。
第2補強層80は、管状本体10のうち操作線60よりも外径側に設けられて第2外層54を保護する保護層である。操作線60の外径側に第2補強層80が存在することで、操作線60が第2外層54および親水層(図示せず)を破断させて管状本体10の外部に露出することを防止する。
第2補強層80は第2補強ワイヤ82をコイル巻回またはメッシュ状に編組してなる。第2補強ワイヤ82には、ワイヤ補強層30の補強ワイヤ32として例示した上記の材料を用いることができる。第2補強ワイヤ82と補強ワイヤ32とは同種の材料でもよく、または異種の材料でもよい。本実施形態では、第2補強ワイヤ82として、補強ワイヤ32と同種の材料(ステンレス鋼)により構成された細線をメッシュ状に編組したブレード層を例示する。
第2補強ワイヤ82と補強ワイヤ32との線径は同一でもよく、または異なってもよい。本実施形態では、第2補強ワイヤ82と補強ワイヤ32とは同一の線径である。
また、ワイヤ補強層30を構成する補強ワイヤ32の条数と、第2補強層80を構成する第2補強ワイヤ82の条数との大小も特に限定されないが、本実施形態では同数とする。図2では、ワイヤ補強層30、第2補強層80ともにそれぞれ16条のワイヤ(補強ワイヤ32、第2補強ワイヤ82)により構成されたブレード層を図示してある。
サブチューブ40は副管腔(ルーメン)42を画定する中空管状の部材である。サブチューブ40は外層50(第1外層52)の内部に埋設されている。サブチューブ40は、たとえば熱可塑性ポリマー材料により構成することができる。その熱可塑性ポリマー材料としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、または四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体(FEP)などの低摩擦樹脂材料が挙げられる。
サブチューブ40は、外層50よりも曲げ剛性率および引張弾性率が高い材料で構成されている。
サブチューブ40の外表面には金属ナトリウム処理またはプラズマ処理などのエッチング処理が施されている。これによりサブチューブ40と外層50との密着性を向上している。
図2に示すように、ワイヤ補強層30の周囲に180度対向して2本のサブチューブ40が配置され、これらの2本のサブチューブ40には操作線60がそれぞれ挿通されている。2本のサブチューブ40は、管状本体10の軸心方向に対して平行である。
2本のサブチューブ40は、主管腔20を取り囲むように、同一の円周上に配置されている。本実施形態に代えて、3本または4本のサブチューブ40を主管腔20の周囲に等間隔で配置してもよい。この場合、総てのサブチューブ40に操作線60を配置してもよく、または一部のサブチューブ40に操作線60を配置してもよい。
操作線60は、サブチューブ40に対して摺動可能に遊挿されている。操作線60の先端部は管状本体10の遠位部DEに固定されている。操作線60を基端側に牽引することで、管状本体10の軸心に対して偏心した位置に引張力が付与されるため管状本体10は屈曲する。本実施形態の操作線60は極めて細く可撓性が高いため、操作線60を遠位側に押し込んでも、管状本体10の遠位部DEには実質的に押込力は付与されない。
操作線60は、単一の線材により構成されていてもよいが、複数本の細線を互いに撚りあわせることにより構成された撚り線であってもよい。操作線60の一本の撚り線を構成する細線の本数は特に限定されないが、3本以上であることが好ましい。細線の本数の好適な例は、7本または3本である。
ここで、操作線60は、例えば、複数本(本実施形態では7本)の素線を互いに撚り合わせた撚り線である。より具体的には、例えば、1本の素線(中心素線)を中心とし、その周囲に6本の素線(周辺素線)を螺旋巻回することにより7本の素線を一体に撚り合わせてある。6本の周辺素線は、中心素線を中心とする六角形の頂点に配置されている。かかる操作線60の線径とは、7本の素線(中心素線および周辺素線)を包含する外接円の直径をいう。
または、操作線60は、3本の素線を互いに撚り合わせたものであってもよい。この場合の操作線60の線径も、3本の素線を包含する外接円の直径をいう。なお、互いに同径の複数本の素線を撚り合わせて操作線60を構成する場合、素線の本数は3本または7本が好ましい。これらの本数とすることで、素線同士が周方向および径方向に互いに密着するように最密に撚り合わせた状態となる。
操作線60(素線)としては、低炭素鋼(ピアノ線)、ステンレス鋼(SUS)、耐腐食性被覆した鋼鉄線、チタンもしくはチタン合金、またはタングステンなどの金属線を用いることができる。このほか、操作線60(素線)としては、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリ(パラフェニレンベンゾビスオキサゾール)(PBO)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリイミド(PI)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、またはボロン繊維などの高分子ファイバーを用いることができる。
保持ワイヤ70は、サブチューブ40とワイヤ補強層30とを共巻きしている。保持ワイヤ70は、サブチューブ40の周囲にコイル巻回またはメッシュ状に編組してなる。このうち、保持ワイヤ70はコイルであり、より具体的には複数本の素線が多条に巻回されたコイル(多条コイル)である。
保持ワイヤ70は、主管腔20の周囲に対向配置された一対のサブチューブ40の外側を取り囲んで螺旋状に巻回されている。本実施形態の保持ワイヤ70の巻回形状は、サブチューブ40の並び方向を長径方向とする略楕円形または略菱形である。図2では、巻回形状が略菱形をなす保持ワイヤ70を破線で図示してある。保持ワイヤ70は、サブチューブ40の周面、具体的には主管腔20の軸心とは反対側にあたる外側表面に接している。ここで、略菱形とは、第1の対角線が第2の対角線よりも長く、かつ当該第1の対角線と当該第2の対角線とが略直交していることを意味している。ここでいう略菱形は、菱形のほか、凧形(カイト形)や、偏平六角形や偏平八角形などの偏平多角形を含む。また、略楕円形は、楕円形や長円形のほか、卵形などの偏心円形を含む。
本実施形態では主管腔20が円形で管状本体10の中心に配置され、2本のサブチューブ40が主管腔20の周囲に180度対向して配置されている態様を例示したが、三本以上(N本)のサブチューブ40が主管腔20の周囲に均等に分散配置されていてもよい。この場合、保持ワイヤ70の巻回形状は、各サブチューブ40をコーナーとする角丸N角形となってもよい。
保持ワイヤ70は、長径方向に直交する短径方向の両側または片側でワイヤ補強層30の外表面に接している。本実施形態では、図2に示すように16条の補強ワイヤ32が8条ずつ互いに逆向きに螺旋巻回されて編組されており、補強ワイヤ32同士の交点は内層24の周回方向に8個形成されている。本実施形態の保持ワイヤ70は、略菱形の巻回形状の短径方向の両側にあたる位置で、補強ワイヤ32同士の交点に乗り上げるようにして接している。
サブチューブ40の内側表面は、ワイヤ補強層30の外表面に接している(図1を参照)。すなわち、保持ワイヤ70は、一対のサブチューブ40の外側表面と、ハードポイントにあたるワイヤ補強層30と、に接して螺旋状に巻回されている。特に本実施形態の保持ワイヤ70は、短径方向の両側でワイヤ補強層30の外表面に接している。これにより、保持ワイヤ70は、サブチューブ40とワイヤ補強層30とを互いに緩みなく密着させて共巻きしている。このため、外層50の成形工程を経てもサブチューブ40がワイヤ補強層30に対して高い精度で平行な状態を保つことができる。すなわち、保持ワイヤ70が楕円形を為し、その長径の両端にサブチューブ40を抱えるようにしてワイヤ補強層30およびサブチューブ40に張力を付与して保持ワイヤ70が巻回されている。これにより、ワイヤ補強層30の周方向へのサブチューブ40の位置ずれが防止されている。
管状本体10の長手方向にみて、保持ワイヤ70は、サブチューブ40の略全長に亘って巻回されている。これにより、一対のサブチューブ40がワイヤ補強層30の表面に沿って管状本体10の軸線方向に平行を保った状態で、保持ワイヤ70によりワイヤ補強層30とサブチューブ40との相対位置が固定されている。
保持ワイヤ70の材料としては、補強ワイヤ32として使用可能な上記の金属材料または樹脂材料のいずれかを用いることができる。本実施形態では、保持ワイヤ70は補強ワイヤ32と異種の材料により構成されている。保持ワイヤ70の延性は、補強ワイヤ32の延性よりも高いことが好ましい。具体的には、鈍し材であるオーステナイト系の軟質ステンレス鋼(W1またはW2)や、銅または銅合金を保持ワイヤ70に用いる一方、補強ワイヤ32にはタングステンやステンレスバネ鋼を用いることができる。
保持ワイヤ70に延性の高い材料を用いることで、サブチューブ40の周囲に保持ワイヤ70をコイル巻回またはメッシュ状に編組(本実施形態ではコイル巻回)した際に、保持ワイヤ70が巻き緩むことなく塑性的に伸長変形してサブチューブ40を固定する。一方、ワイヤ補強層30は後述するように管状本体10のキンクの発生を防止する部材であるため、弾性復元力が高いバネ性の材料を用いることが好ましい。
管状本体10は、保持ワイヤ70の外側に、第2補強ワイヤ82を断面円形に巻回してなる第2補強層80を備えている。本実施形態の第2補強層80は金属の細線をメッシュ状に編組したブレード層である。すなわち、本実施形態の管状本体10は、ワイヤ補強層30、保持ワイヤ70および第2補強層80という三層の金属層を備えている。
第2補強層80は、ワイヤ補強層30とともに管状本体10に曲げ弾性を付与する部材である。操作線60の牽引操作により管状本体10の遠位部DEを屈曲させたのち、操作線60の引張荷重を除去したときに、管状本体10が弾性的に復元することが好ましい。このため、本実施形態の管状本体10は、ワイヤ補強層30(補強ワイヤ32)および第2補強層80(第2補強ワイヤ82)にバネ性の金属材料を用いることが好ましい。したがって、保持ワイヤ70の延性は、補強ワイヤ32および第2補強ワイヤ82のいずれの延性よりも高い。
管状本体10の遠位部DEには、第1マーカー14と、この第1マーカー14よりも近位側に位置する第2マーカー16と、が設けられている。第1マーカー14および第2マーカー16は、白金など、X線等の放射線が不透過の材料により構成されたリング状の部材である。第1マーカー14および第2マーカー16の2つのマーカーの位置を指標とすることにより、放射線(X線)観察下において体腔(血管)内における管状本体10の先端の位置を視認することができる。これにより、カテーテル100の屈曲操作を行うのに最適なタイミングを容易に判断することができる。
操作線60の先端部は、管状本体10のうち第2マーカー16よりも遠位側の部分に固定されている。操作線60を牽引することで、遠位部DEのうち第2マーカー16よりも遠位側の部分が屈曲する。本実施形態のカテーテル100では、操作線60の先端部は第1マーカー14に固定されている。操作線60を第1マーカー14に固定する態様は特に限定されず、ハンダ接合、熱融着、接着剤による接着、操作線60と第1マーカー14との機械的掛止などを挙げることができる。
第2マーカー16の内径は、第1マーカー14の内径よりも大きい。第1マーカー14はワイヤ補強層30の外表面に接触しているか、またはほぼ接触するように配置されている。第1マーカー14の内径はワイヤ補強層30の外径よりも大きく、第2補強層80の内径よりも小さい。
第1マーカー14の内壁面および外周表面と、サブチューブ40との径方向の位置関係は特に限定されない。操作線60を第1マーカー14の外周表面に固定する場合は、図1のように、第1マーカー14の外周表面がサブチューブ40の先端の配設位置の内部に位置するよう、第1マーカー14の外径を設定することができる。このほか、操作線60を第1マーカー14の基端側の端面に固定する場合は、当該端面がサブチューブ40の先端と径方向に重複するとよい。この場合、第1マーカー14の外周表面がサブチューブ40の先端の配設位置よりも外径側に位置してもよい。
第2マーカー16は、第2補強層80の外表面に接触しているか、またはほぼ接触するように配置されている。第2マーカー16の内径は第2補強層80の外径よりも大きい。
図2に示すように、ワイヤ補強層30の遠位端は、第1マーカー14の配設領域に達している。第1マーカー14の配設領域とは、管状本体10の軸心方向にみて第1マーカー14が形成されている長さ領域である。第2マーカー16に関しても同様である。ワイヤ補強層30の遠位端は、第1マーカー14の近位端よりも、管状本体10の遠位側に位置している。また、ワイヤ補強層30の遠位端は、第1マーカー14の遠位端の近傍に位置している。このように、ワイヤ補強層30が第1マーカー14の配設領域まで到達していることで、第1マーカー14の近位端における管状本体10の曲げ剛性の不連続性を緩和してキンクの発生を防止している。
第2補強層80の遠位端は、第1マーカー14の近位端よりも近位側、かつ第2マーカー16の配設領域の近位端よりも遠位側である。第2補強層80の遠位端は、第2マーカー16の遠位端の近傍に位置している。これにより、第2マーカー16の遠位端において管状本体10の曲げ剛性に不連続性を発生させている。このため、操作線60を牽引操作した場合に、第2マーカー16の僅かに遠位側において管状本体10をシャープに屈曲させることができる。なお、このように管状本体10をシャープに屈曲させても、上記のようにワイヤ補強層30が第1マーカー14の配設領域まで連続的に形成されているため、管状本体10にキンクが生じることがない。言い換えると、ワイヤ補強層30または第2補強層80の一方を管状本体10の遠位端近傍まで連続的に形成してキンクを防止し、他方を遠位部DEの途中で終端させることで管状本体10に曲げ剛性の不連続性を生じさせて屈曲位置を明確に規定している。
ワイヤ補強層30および第2補強層80の近位端は、管状本体10の近位端、すなわち操作部90の内部に位置している。
内層24の遠位端は、管状本体10の遠位端まで到達していてもよく、または遠位端よりも基端側で終端していてもよい。内層24が終端する位置としては、第1マーカー14の配設領域の内部でもよい。
ここで、上記のように、カテーテル100は、放射線不透過材料により構成されている第1マーカー(マーカー)14を備えている。
そして、副管腔42の先端、すなわちサブチューブ40の先端は、管状本体10の先基端方向において、第1マーカー14と重複する位置または第1マーカー14よりも基端側の位置で終端している。なお、図1には、第1マーカー14の基端とサブチューブ40の先端とが一致している例を示している。
また、上述のように、副管腔42の周壁(つまりサブチューブ40の内周面)と操作線60との摺動抵抗は、管状本体10の中間部における摺動抵抗よりも、先端部における摺動抵抗が大きい。換言すれば、管状本体10の先端部の少なくとも一部の長さ領域における上記摺動抵抗が、管状本体10の中間部における上記摺動抵抗よりも大きい。ここで、先端部の少なくとも一部の長さ領域は、本実施形態の場合、先端部のサブチューブ40のうち、中間部におけるサブチューブ40よりも小径の部分の長さである。
そして、本実施形態の場合、図1に示すように、管状本体10の先基端方向において、管状本体10の先端部における上記少なくとも一部の長さ領域の長さが、第1マーカー14の長さよりも長い。
これにより、十分な長さ領域において、操作線60と副管腔42の周壁との摺動抵抗を大きくすることができる。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
上記の実施形態では、ワイヤ補強層30がブレード層であって、第1外層52がサブチューブ40の周囲からワイヤ補強層30の目開きの内部に含浸して、内層24、ワイヤ補強層30およびサブチューブ40が一体に固着されていることを例示した。これに代えて、外層50の内側層にあたる第1外層52が、ワイヤ補強層30とサブチューブ40との間に実質的に含浸していなくてもよい。
第2外層54の外表面に形成される親水層は、カテーテル100の最外層を構成する。親水層は、管状本体10の全長に形成されていてもよく、または遠位部DEを含む先端側の一部長さ領域のみに形成されていてもよい。親水層は、たとえば、ポリビニルアルコール(PVA)などの無水マレイン酸系ポリマーやその共重合体、ポリビニルピロリドンなどの親水性の樹脂材料により構成されている。
本実施形態のカテーテル100の構成要素の代表的な寸法について説明する。
主管腔20の直径は400μm〜600μm(上限値および下限値を含む。以下同じ。)、内層24の厚さは5μm〜30μm、外層50の厚さは10μm〜200μmとすることができる。サブチューブ40の肉厚は、内層24よりも薄く、かつ1μm〜10μmとすることができる。ワイヤ補強層30の内径は410μm〜660μm、ワイヤ補強層30の外径は450μm〜740μm、第2補強層80の内径は560μm〜920μm、第2補強層80の外径は600μm〜940μmとすることができる。
第1マーカー14の内径は450μm〜740μm、第1マーカー14の外径は490μm〜820μm、第2マーカー16の内径は600μm〜940μm、第2マーカー16の外径は640μm〜960μmとすることができる。第1マーカー14の幅寸法(管状本体10の長手方向の寸法)は0.3mm〜2.0mm、第2マーカー16の幅寸法は0.3mm〜2.0mmとすることができる。
カテーテル100の軸心からサブチューブ40の中心までの半径(距離)は300μm〜450μm、サブチューブ40の内径(直径)は40μm〜100μm、操作線60の太さは25μm〜60μmとすることができる。
管状本体10の直径は700μm〜980μm、すなわち外径が直径1mm未満であり、腹腔動脈などの血管に挿通可能である。
カテーテル100が備える2本の操作線60のうち、一方の操作線60が基端側に牽引されると、カテーテル100の遠位端部には、当該一方の操作線60を介して引張力が与えられる。これにより、管状本体10の軸心を基準として、当該一方の操作線60が挿通されているサブチューブ40の側に向かって、管状本体10の遠位部DEは屈曲する。また、他方の操作線60が基端側に牽引されると、カテーテル100の遠位部DEには、当該他方の操作線60を介して引張力が与えられる。これにより、管状本体10の軸心を基準として、当該他方の操作線60が挿通されているサブチューブ40の側に向かって、管状本体10の遠位部DEは屈曲する。
ここで、管状本体10が屈曲するとは、管状本体10が「L字」状に折れ曲がる態様と、弓なりに湾曲する態様とを含む。
以上のような第1の実施形態によれば、上述のように、副管腔42の周壁(サブチューブ40の内周面)と操作線60との摺動抵抗は、管状本体10の中間部における摺動抵抗よりも、管状本体10の先端部における摺動抵抗が大きい。
これにより、管状本体10の先端部が局部的に過大な曲率(過小な曲率半径)で屈曲してしまうことを抑制できるため、管状本体10の先端の向きを容易に調整できるとともに、管状本体10の先端を所望の体腔に進入させることが容易となる。
すなわち、カテーテル100の操作性をより良好にすることが可能となる。
ここで、従来の血管内カテーテルでは、操作線を牽引していくと、まず全体と先端部が屈曲する。中間部や基端部は血管(分岐元の太い血管)または親カテーテルによって形状が或る程度保持されており、血管の分岐部分(細い血管)で先端部が屈曲する。先端部が90度ほど屈曲した状態で、先端部を狙いの分岐血管に指向させ、そのままカテーテルを押し込むと、先端部は分岐血管に少し引っ掛かっているだけなので、カテーテルの全体が太血管の内部をまっすぐ進行する力に負けてしまい、先端部が分岐血管から脱落してしまう。
そして、屈曲した先端部を分岐血管に引っ掛けた状態で、操作線の牽引長さを増大させながらカテーテルを押し込むと、カテーテルの先端部に続けて中間部が屈曲して分岐血管に入り込んでいくため、カテーテルを狙いの分岐血管にうまく進入させることができると考えられる。しかし、このように操作線の牽引長さを増大させると、カテーテルの中間部が屈曲する際には、先端部の曲率が過大となる。先端部の屈曲角度が180度となると、先端部が基端側(つまり分岐血管から視て分岐元側)を指向することとなり、カテーテルを押し込むと分岐血管から脱落しやすい。
これに対し、本実施形態に係るカテーテル100においては、操作線60を牽引する力が管状本体10の先端部における摺動抵抗で消費される結果、先端部に掛かる牽引力が抑制される。このため、管状本体10の先端部が局部的に過大な曲率(過小な曲率半径)で屈曲してしまうことを抑制できるとともに、先端部と中間部とを含む範囲をなだらかに屈曲させることができる。
よって、管状本体10の先端を分岐血管に引っ掛けた状態でカテーテル100を押し込むことにより、その分岐血管から脱落することなく狙いの方向にカテーテル100を進入させることが容易となる。
ここで、図4及び図5を用いて、メカニズムを説明する。
図4は実施形態に係るカテーテル100の挙動を説明するための模式図であり、このうち(a)及び(b)は管状本体10の曲率が小さいときのモーメント(a)及び管状本体10の先端(遠位端)から手元(基端)側に向かってモーメントを積算した累積値(b)を示し、(c)及び(d)は管状本体10の曲率が大きいときのモーメント(a)及び累積値(b)を示す。
一方、図5は比較形態に係るカテーテルの挙動を説明するための模式図であり、このうち(a)及び(b)は管状本体10の曲率が小さいときのモーメント(a)及び累積値(b)を示し、(c)及び(d)は管状本体10の曲率が大きいときのモーメント(a)及び累積値(b)を示す。
比較形態に係るカテーテルは、先端部におけるサブチューブ40の径が、中間部におけるサブチューブ40の径と同じである点で、実施形態に係るカテーテル100と相違し、その他の点では、実施形態に係るカテーテル100と同様に構成されている。
図4(a)及び(b)、並びに、図5(a)及び(b)に示すように、管状本体10の曲率が小さいとき(操作線60を牽引する力が弱いとき)には、本実施形態及び比較形態の双方について、副管腔42の周壁と操作線60との擦れが実質的に生じないため、先端部のみに局所的にモーメントが作用し、先端部のみが局所的に屈曲する(ただし、曲率は小さい)。
一方、図4(c)及び(d)に示すように、本実施形態の場合に、管状本体10の曲率が大きいとき(操作線60を牽引する力が強いとき)には、副管腔42の周壁と操作線60との擦れが生じるため、先端部から中間部(一点鎖線の矩形枠が配置されている領域に相当)に亘って分散してモーメントが作用し、先端部から中間部にかけてなだらかに管状本体10が屈曲する。
ただし、図5(c)及び(d)に示すように、比較形態の場合に、管状本体10の曲率が大きいとき(操作線60を牽引する力が強いとき)は、先端部にモーメントが集中し、主として先端部が屈曲する。
ここで、図10を用いて、サブチューブ40の内周面(副管腔42の周壁)と操作線60との摺動抵抗の測定方法について説明する。
先ず、カテーテルの先端部と中間部からそれぞれ管状本体10を切り出し、管状本体10を屈曲させて固定する。なお、先端部から切り出す管状本体10の長さと中間部から切り出す管状本体10の長さは互いに等しくする(以下、この長さを所定長という)。また、先端部から切り出された管状本体10の屈曲形状と中間部から切り出された管状本体10の屈曲形状についても互いに等しくする。なお、所定長の管状本体10の両端からそれぞれ操作線60が突出した状態となるように、所定長よりも長めに切り出した管状本体10の両端を(操作線60は切らずに)切除することによって、所定長の管状本体10を準備する。なお、管状本体10の両端から突出する操作線60は、共通の副管腔42から突出しているものとする。
次に、切り出した管状本体10の一端から突出する操作線60の先端をロードセル(不図示)に固定し、切り出した管状本体10の他端から突出する操作線60の先端はプーリ130を介して錘140に固定し、錘140をプーリ130から吊り下げた状態とする。
この状態で、ロードセルにより操作線60の一端を牽引し、そのときの牽引荷重を測定する。測定された牽引荷重から錘140の自重による荷重(錘140の質量と重力加速度との積算値)を差し引いた値を、摺動抵抗として計測する。
〔第2の実施形態〕
図6は第2の実施形態に係るカテーテル100の縦断面図である。
本実施形態の場合、副管腔42の周壁に対する操作線60の密着性は、管状本体10の中間部における密着性よりも、管状本体10の先端部における密着性が強い。
これにより、副管腔42の周壁と操作線60との摺動抵抗が、中間部における摺動抵抗よりも、先端部における摺動抵抗が大きくなっている。
ここで、副管腔42の周壁に対する操作線60の密着性とは、副管腔42の周壁と操作線60との動摩擦係数と正の相関がある性質である。
副管腔42の周壁に対する操作線60の密着性は、当該周壁を構成する樹脂材料などに応じて定まる。このため、副管腔42の周壁を構成する樹脂材料を、先端部と中間部とで異ならせることによって、管状本体10の中間部における密着性よりも、管状本体10の先端部における密着性が強い構成を実現することができる。
本実施形態の場合、図6に示すように、サブチューブ40の先端は、管状本体10の中間部において終端している。
そして、副管腔42は、サブチューブ40の内部空間により構成された第1部分42aと、サブチューブ40よりも先端側において管状本体10に形成され第1部分42aと連通している第2部分42bと、を含んで構成されている。
副管腔42の第2部分42bの周壁は、例えば、外層50により構成されており、より詳細には、例えば第1外層52(図2参照)により構成されている。なお、第2部分42bの内径は、第1部分42aの内径よりも小さい。
そして、外層50の構成材料に対する操作線60の密着性が、サブチューブ40の構成材料に対する操作線60の密着性よりも強い。
よって、副管腔42の周壁と操作線60との摺動抵抗が、中間部における摺動抵抗よりも、先端部における摺動抵抗が大きい構成が実現されている。
なお、本実施形態に係るカテーテル100は、その他の構成については第1の実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
〔第3の実施形態〕
図7は第3の実施形態に係るカテーテル100の縦断面図である。
本実施形態の場合も、副管腔42の周壁に対する操作線60の密着性は、管状本体10の中間部における密着性よりも、管状本体10の先端部における密着性が強く、これにより、副管腔42の周壁と操作線60との摺動抵抗が、中間部における摺動抵抗よりも、先端部における摺動抵抗が大きくなっている。
本実施形態の場合、図7に示すように、サブチューブ40は、管状本体10の中間部に位置する第1チューブ40aと、第1チューブ40aの先端側に連接されて管状本体10の先端部に位置する第2チューブ40bと、を含んで構成されている。
そして、第1チューブ40aと第2チューブ40bとは互いに異種の材料により構成されている。すなわち、第2チューブ40bの構成材料に対する操作線60の密着性が、第1チューブ40aの構成材料に対する操作線60の密着性よりも強い。
よって、副管腔42の周壁と操作線60との摺動抵抗が、中間部における摺動抵抗よりも、先端部における摺動抵抗が大きい構成が実現されている。
なお、本実施形態に係るカテーテル100は、その他の構成については第1の実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
〔第4の実施形態〕
図8は第4の実施形態に係るカテーテル100の縦断面図である。なお、図8においては、図3と同様に、カテーテル100の一部の構成についての図示を省略している。
本実施形態の場合も、副管腔42の周壁に対する操作線60の密着性は、管状本体10の中間部における密着性よりも、管状本体10の先端部における密着性が強く、これにより、副管腔42の周壁と操作線60との摺動抵抗が、中間部における摺動抵抗よりも、先端部における摺動抵抗が大きくなっている。
本実施形態の場合、管状本体10の先端部において、サブチューブ40の内外を貫通する開口41がサブチューブ40に形成されている。そして、開口41を介して、管状本体10の構成材料がサブチューブ40内に突出している。より詳細には、外層50(中でも例えば第1外層52(図2))の構成材料が、開口41を介してサブチューブ40内に突出している。開口41を介してサブチューブ40内に突出している樹脂材料の存在によって、先端部における摺動抵抗が増大している。その結果、副管腔42の周壁と操作線60との摺動抵抗が、中間部における摺動抵抗よりも、先端部における摺動抵抗が大きい構成が実現されている。
なお、本実施形態に係るカテーテル100は、その他の構成については第1の実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
〔第5の実施形態〕
図9は第5の実施形態に係るカテーテル100の縦断面図である。なお、図9においては、図3と同様に、カテーテル100の一部の構成についての図示を省略している。
図9に示すように、本実施形態の場合、管状本体10の先端部において、サブチューブ40の内面には凹凸(微小な凹凸)が形成されている。一方で、管状本体10の中間部においては、サブチューブ40の内面は滑らかに(少なくとも先端部よりも滑らかに)形成されている。
より詳細には、例えば、サブチューブ40が軸方向に圧縮されることにより、管状本体10の先端部においてサブチューブ40が蛇腹状に形成され、その結果、サブチューブ40の内面及び外面に凹凸47が形成されている。
これにより、副管腔42の周壁と操作線60との摺動抵抗が、中間部における摺動抵抗よりも、先端部における摺動抵抗が大きい構成が実現されている。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的が達成される限りにおける種々の変形、改良等の態様も含む。
なお、本発明の各種の構成要素は、個々に独立した存在である必要はない。複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、一つの構成要素が複数の部材で形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等を許容する。
上記実施形態は、以下の技術思想を包含するものである。
(1)シース本体と、前記シース本体の内部に通孔形成されたルーメンと、前記ルーメンに挿通されているとともに前記シース本体の先端部に連結されている操作線と、を有し、前記操作線が牽引されることにより前記先端部が屈曲するカテーテルであって、
前記ルーメンの周壁と前記操作線との摺動抵抗は、前記シース本体の前記先端部と基端部との間の中間部における前記摺動抵抗よりも、前記先端部における前記摺動抵抗が大きいカテーテル。
(2)前記先端部における前記ルーメンの内径が、前記中間部における前記ルーメンの内径よりも小さい(1)に記載のカテーテル。
(3)前記シース本体に埋設されたチューブを備え、
前記チューブの内部空間が前記ルーメンを構成しており、
前記先端部において前記チューブが潰れている(2)に記載のカテーテル。
(4)前記シース本体に埋設されたチューブを備え、
前記チューブの内部空間が前記ルーメンを構成しており、
前記先端部において前記チューブの内面には凹凸が形成されている(1)から(3)のいずれか一項に記載のカテーテル。
(5)前記ルーメンの周壁に対する前記操作線の密着性は、前記中間部における前記密着性よりも、前記先端部における前記密着性が強い(1)から(4)のいずれか一項に記載のカテーテル。
(6)前記シース本体に埋設されたチューブを備え、
前記チューブの先端は、前記中間部において終端しており、
前記ルーメンは、
前記チューブの内部空間により構成された第1部分と、
前記チューブよりも先端側において前記シース本体に形成され、前記第1部分と連通している第2部分と、
を含む(5)に記載のカテーテル。
(7)前記シース本体に埋設されたチューブを備え、
前記チューブの内部空間が前記ルーメンを構成しており、
前記チューブは、
前記中間部に位置する第1チューブと、
前記第1チューブの先端側に連接されて前記先端部に位置する第2チューブと、
を含み、
前記第1チューブと前記第2チューブとは互いに異種の材料により構成されている(5)に記載のカテーテル。
(8)前記シース本体に埋設されたチューブを備え、
前記チューブの内部空間が前記ルーメンを構成しており、
前記先端部において、前記チューブの内外を貫通する開口が形成され、
前記開口を介して、前記シース本体の構成材料が前記チューブ内に突出している(5)に記載のカテーテル。
(9)放射線不透過材料により構成されているマーカーを備え、
前記ルーメンの先端は、前記シース本体の先基端方向において、前記マーカーと重複する位置または前記マーカーよりも基端側の位置で終端しており、
前記先端部の少なくとも一部の長さ領域における前記摺動抵抗が、前記中間部における前記摺動抵抗よりも大きく、
前記シース本体の先基端方向において、前記先端部における前記少なくとも一部の長さ領域の長さが、前記マーカーの長さよりも長い(1)から(8)のいずれか一項に記載のカテーテル。
10 管状本体(シース本体)
14 第1マーカー
16 第2マーカー
20 主管腔
24 内層
30 ワイヤ補強層
32 補強ワイヤ
40 サブチューブ(チューブ)
40a 第1チューブ
40b 第2チューブ
41 開口
42 副管腔
42a 第1部分
42b 第2部分
50 外層
52 第1外層
54 第2外層
60 操作線
70 保持ワイヤ
80 第2補強層
82 第2補強ワイヤ
100 カテーテル
130 プーリ
140 錘
DE 遠位部

Claims (9)

  1. シース本体と、前記シース本体の内部に通孔形成されたルーメンと、前記ルーメンに挿通されているとともに前記シース本体の先端部に連結されている操作線と、を有し、前記操作線が牽引されることにより前記先端部が屈曲するカテーテルであって、
    前記ルーメンの周壁と前記操作線との摺動抵抗は、前記シース本体の前記先端部と基端部との間の中間部における前記摺動抵抗よりも、前記先端部における前記摺動抵抗が大きいカテーテル。
  2. 前記先端部における前記ルーメンの内径が、前記中間部における前記ルーメンの内径よりも小さい請求項1に記載のカテーテル。
  3. 前記シース本体に埋設されたチューブを備え、
    前記チューブの内部空間が前記ルーメンを構成しており、
    前記先端部において前記チューブが潰れている請求項2に記載のカテーテル。
  4. 前記シース本体に埋設されたチューブを備え、
    前記チューブの内部空間が前記ルーメンを構成しており、
    前記先端部において前記チューブの内面には凹凸が形成されている請求項1から3のいずれか一項に記載のカテーテル。
  5. 前記ルーメンの周壁に対する前記操作線の密着性は、前記中間部における前記密着性よりも、前記先端部における前記密着性が強い請求項1から4のいずれか一項に記載のカテーテル。
  6. 前記シース本体に埋設されたチューブを備え、
    前記チューブの先端は、前記中間部において終端しており、
    前記ルーメンは、
    前記チューブの内部空間により構成された第1部分と、
    前記チューブよりも先端側において前記シース本体に形成され、前記第1部分と連通している第2部分と、
    を含む請求項5に記載のカテーテル。
  7. 前記シース本体に埋設されたチューブを備え、
    前記チューブの内部空間が前記ルーメンを構成しており、
    前記チューブは、
    前記中間部に位置する第1チューブと、
    前記第1チューブの先端側に連接されて前記先端部に位置する第2チューブと、
    を含み、
    前記第1チューブと前記第2チューブとは互いに異種の材料により構成されている請求項5に記載のカテーテル。
  8. 前記シース本体に埋設されたチューブを備え、
    前記チューブの内部空間が前記ルーメンを構成しており、
    前記先端部において、前記チューブの内外を貫通する開口が形成され、
    前記開口を介して、前記シース本体の構成材料が前記チューブ内に突出している請求項5に記載のカテーテル。
  9. 放射線不透過材料により構成されているマーカーを備え、
    前記ルーメンの先端は、前記シース本体の先基端方向において、前記マーカーと重複する位置または前記マーカーよりも基端側の位置で終端しており、
    前記先端部の少なくとも一部の長さ領域における前記摺動抵抗が、前記中間部における前記摺動抵抗よりも大きく、
    前記シース本体の先基端方向において、前記先端部における前記少なくとも一部の長さ領域の長さが、前記マーカーの長さよりも長い請求項1から8のいずれか一項に記載のカテーテル。
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