JP2017113965A - 液体吐出装置及び液体吐出方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本体側の制御回路と、吐出異常検出部と温度異常検出部とを含む吐出ユニットとの間で伝送される検出信号の数の割に信号線の数を少なく抑えられる液体吐出装置及び液体吐出方法を提供する。
【解決手段】ヘッドユニットは、駆動信号生成回路74からの駆動信号COMを受けて液体を吐出可能な吐出部Dと、吐出部Dの吐出状態を検出して状態検出信号を出力する吐出異常検出部753と、ヘッドユニット52の温度異常を検出して温度異常検出信号を出力する温度異常検出部752とを備える。ヘッドコントローラー72は、状態検出信号に応じて吐出部Dの状態を判別する吐出状態判別部733と、温度異常検出信号に応じて駆動信号生成回路74に駆動信号COMの生成を停止させる駆動信号生成停止部732とを有する。共通の信号線CW1を介して伝送される各検出信号は、ヘッドユニット52が温度異常である場合、互いに異なる信号電位をとる。
【選択図】図8
【解決手段】ヘッドユニットは、駆動信号生成回路74からの駆動信号COMを受けて液体を吐出可能な吐出部Dと、吐出部Dの吐出状態を検出して状態検出信号を出力する吐出異常検出部753と、ヘッドユニット52の温度異常を検出して温度異常検出信号を出力する温度異常検出部752とを備える。ヘッドコントローラー72は、状態検出信号に応じて吐出部Dの状態を判別する吐出状態判別部733と、温度異常検出信号に応じて駆動信号生成回路74に駆動信号COMの生成を停止させる駆動信号生成停止部732とを有する。共通の信号線CW1を介して伝送される各検出信号は、ヘッドユニット52が温度異常である場合、互いに異なる信号電位をとる。
【選択図】図8
Description
本発明は、用紙等の媒体に対して液体を吐出可能な吐出部を備えた液体吐出装置及び液体吐出方法に関する。
従来から、この種の液体吐出装置として、吐出ヘッドの複数のノズルからインク(液体の一例)を吐出して用紙等の媒体に印刷を行うインクジェット式のプリンターが広く知られている。こうしたプリンターでは、インク滴を吐出する複数の吐出部を有し、吐出部ごとに設けられた圧電素子(駆動素子)が駆動信号に基づき変位することによって吐出部のノズルから液体が吐出される(例えば特許文献1、2等)。
例えば特許文献1,2に記載の液体吐出装置では、吐出部ごとの圧電素子にノズルからインク滴を吐出させるために供給される駆動信号を生成可能な駆動信号生成回路(駆動信号生成部の一例)及び制御回路が、装置本体側に設けられている。制御回路からの画素データ及び駆動信号発生回路からの駆動信号は、本体側の制御回路からフレキシブルフラットケーブル等の配線を介して吐出ユニットへ伝送される。
例えば特許文献1では、本体側の制御回路(コントローラー)から吐出ヘッドへ画素データ及び駆動信号が伝送され、一方、吐出ヘッドから制御回路へ温度異常検出信号(過加熱報知信号)が伝送される。また、特許文献1の液体吐出装置で使用されているフレキシブルフラットケーブルからなる配線では、各信号線をグランド線の間に配置することで、ノイズ対策が行われているため、信号線が1本増えるだけでもそのノイズ対策用の信号線を含めると複数本の信号線を増やさなければならない構成である。
また、例えば特許文献2に記載のインクジェットプリンターは、吐出部の状態を検出可能な残留振動検出部(状態検出部の一例)と、圧電素子に駆動信号形成回路からの駆動信号を供給するか、圧電素子の起電力を残留振動検出部に供給するかを選択する選択部とを吐出ユニット側に備える。残留振動検出部の出力信号(状態検出信号)は、フレキシブルフラットケーブル中の信号線を介して本体側の制御回路へ出力され、制御回路は出力信号に基づいて吐出ヘッドの吐出異常をノズルごと(圧電素子ごと)に検出する。
ところで、上記各特許文献1に記載の液体吐出装置が備えた温度異常検出部と、特許文献2に記載の吐出部の状態を検出する状態検出部(残留振動検出部)とを共に吐出ユニットに設けた場合、温度異常検出信号と状態検出信号とを液体吐出装置の本体側の制御回路に伝送する2本の信号線をフレキシブルフラットケーブル等の配線に設ける必要がある。しかし、本体側の制御回路と吐出ユニットとを接続している配線を構成する信号線の数が増えると、信号線の設計作業が複雑になる。このため、吐出ユニット内の検出部の数が増えても、制御回路と吐出ユニットとを接続している配線を構成する信号線の数をなるべく少なく抑えたいという要求がある。なお、シリアルプリンターやラインプリンターなど吐出方式の違いに依らず、本体側の制御回路と吐出ユニットとがフレキシブルフラットケーブル等の配線を介して接続された液体吐出装置であれば、この種の課題は概ね共通する。
本発明の目的は、本体側の制御回路と、吐出異常検出部と温度異常検出部とを含む吐出ユニットとの間で伝送される検出信号の数の割に信号線の数を少なく抑えられる液体吐出装置及び液体吐出方法を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決する液体吐出装置は、液体を吐出可能な吐出ユニットと、前記吐出ユニットを制御する制御回路とが配線を介して接続された液体吐出装置であって、前記吐出ユニットは、駆動信号を受けて駆動素子が動作することで液体を吐出可能な吐出部と、前記吐出部の吐出状態を検出して状態検出信号を出力する吐出異常検出部と、前記吐出部を含む吐出ユニットの温度異常を検出して温度異常検出信号を出力する温度異常検出部とを備え、前記配線は、前記状態検出信号と前記温度異常検出信号とを出力する信号出力端子に接続された1つの信号線を備え、前記制御回路は、前記駆動信号を生成する駆動信号生成部と、前記信号線を介して入力した前記状態検出信号に応じて前記吐出部の状態を判別する状態判別部と、前記信号線を介して入力した前記温度異常検出信号に応じて、前記駆動信号生成部における前記駆動信号の生成を停止させる駆動信号生成停止部と、を有し、前記状態検出信号と前記温度異常検出信号は、前記吐出ユニットが少なくとも温度異常である場合、互いに異なる信号電位をとる。
上記課題を解決する液体吐出装置は、液体を吐出可能な吐出ユニットと、前記吐出ユニットを制御する制御回路とが配線を介して接続された液体吐出装置であって、前記吐出ユニットは、駆動信号を受けて駆動素子が動作することで液体を吐出可能な吐出部と、前記吐出部の吐出状態を検出して状態検出信号を出力する吐出異常検出部と、前記吐出部を含む吐出ユニットの温度異常を検出して温度異常検出信号を出力する温度異常検出部とを備え、前記配線は、前記状態検出信号と前記温度異常検出信号とを出力する信号出力端子に接続された1つの信号線を備え、前記制御回路は、前記駆動信号を生成する駆動信号生成部と、前記信号線を介して入力した前記状態検出信号に応じて前記吐出部の状態を判別する状態判別部と、前記信号線を介して入力した前記温度異常検出信号に応じて、前記駆動信号生成部における前記駆動信号の生成を停止させる駆動信号生成停止部と、を有し、前記状態検出信号と前記温度異常検出信号は、前記吐出ユニットが少なくとも温度異常である場合、互いに異なる信号電位をとる。
この構成によれば、状態検出信号と温度異常検出信号は、互いに異なる信号電位をとるので、これらの信号が仮に重畳しても判別可能であり、1つの信号線を状態検出信号と温度異常検出信号とに兼用しても、吐出部の状態の判別と、温度異常時における駆動信号生成部による駆動信号の生成の停止とを、適切に行うことができる。
上記液体吐出装置では、前記状態検出信号はアナログ信号であり、前記温度異常検出信号は高電位と低電位とをとる2値の電位からなるデジタル信号であることが好ましい。
この構成によれば、状態検出信号はアナログ信号であり、温度異常検出信号が高電位と低電位とをとる2値の電位からなるデジタル信号である。このため、温度異常検出信号が温度異常時にとりうる高電位と低電位との2値のうちいずれか一方を、状態検出信号のとりうる電位の範囲と異ならせることが可能になる。よって、温度異常検出信号と状態検出信号とを判別し、吐出部の状態の判別と、温度異常検出信号に応じた駆動信号生成部による駆動信号の生成の停止とを、適切に行うことができる。
この構成によれば、状態検出信号はアナログ信号であり、温度異常検出信号が高電位と低電位とをとる2値の電位からなるデジタル信号である。このため、温度異常検出信号が温度異常時にとりうる高電位と低電位との2値のうちいずれか一方を、状態検出信号のとりうる電位の範囲と異ならせることが可能になる。よって、温度異常検出信号と状態検出信号とを判別し、吐出部の状態の判別と、温度異常検出信号に応じた駆動信号生成部による駆動信号の生成の停止とを、適切に行うことができる。
上記液体吐出装置では、前記吐出ユニットの温度異常を検出した場合、前記温度異常検出信号は、高電位と低電位のうち異常を示す一方に維持されることが好ましい。
この構成によれば、吐出ユニットの温度異常を検出した場合、温度異常検出信号は、高電位と低電位のうち異常を示す一方に維持される。よって、温度異常検出信号と状態検出信号とを判別し、吐出部の状態の判別と、温度異常検出信号に応じた駆動信号生成部による駆動信号の生成の停止とを、適切に行うことができる。
この構成によれば、吐出ユニットの温度異常を検出した場合、温度異常検出信号は、高電位と低電位のうち異常を示す一方に維持される。よって、温度異常検出信号と状態検出信号とを判別し、吐出部の状態の判別と、温度異常検出信号に応じた駆動信号生成部による駆動信号の生成の停止とを、適切に行うことができる。
上記液体吐出装置では、前記高電位は、前記状態検出信号の最大振幅のときの最大電位よりも高い電位であることが好ましい。
この構成によれば、2値のデジタル信号からなる温度異常検出信号の高電位は、アナログ信号からなる状態検出信号の最大振幅のときの最大電位よりも高い電位であるので、駆動信号生成停止部は、1つの共通の信号線を介して伝送される状態検出信号と区別して温度異常検出信号を適切に判別できる。
この構成によれば、2値のデジタル信号からなる温度異常検出信号の高電位は、アナログ信号からなる状態検出信号の最大振幅のときの最大電位よりも高い電位であるので、駆動信号生成停止部は、1つの共通の信号線を介して伝送される状態検出信号と区別して温度異常検出信号を適切に判別できる。
上記液体吐出装置では、前記1つの信号出力端子へ出力する信号を前記温度異常検出信号と前記状態検出信号との間で切り換える切換回路を更に備えていることが好ましい。
この構成によれば、切換回路によって、1つの信号出力端子へ出力される信号が温度異常検出信号と状態検出信号との間で切り換えられる。よって、共通の1つの信号線により温度異常検出信号と状態検出信号とを出力できるうえ、温度異常検出信号と状態検出信号との重畳を極力回避できる。
この構成によれば、切換回路によって、1つの信号出力端子へ出力される信号が温度異常検出信号と状態検出信号との間で切り換えられる。よって、共通の1つの信号線により温度異常検出信号と状態検出信号とを出力できるうえ、温度異常検出信号と状態検出信号との重畳を極力回避できる。
上記液体吐出装置では、前記駆動素子は圧電素子であり、前記吐出部は前記圧電素子の変位に応じて液体を吐出する構成であり、前記吐出異常検出部は、前記圧電素子が吐出時に変位した後の残留振動に基づく起電力を前記状態検出信号とすることが好ましい。
この構成によれば、吐出部は駆動信号を受けた圧電素子の変位に応じて液体を吐出する。吐出異常検出部は、圧電素子が吐出時に変位した後の残留振動に基づく起電力(例えば電圧)を状態検出信号とする。このように液体の吐出に使用される圧電素子が、吐出部の状態を検出する検出素子を兼ねるので、吐出部の状態を検出する専用の検出素子を別途設ける必要がない。
上記課題を解決する液体吐出方法は、駆動信号生成部が生成した駆動信号を受けて動作する駆動素子の変位に応じて液体を吐出する吐出部の状態を検出して状態検出信号を出力する吐出異常検出ステップと、前記吐出部を含む吐出ユニットの温度異常を検出して前記状態検出信号と互いに異なる範囲の信号電位をとる温度異常検出信号を出力する温度異常検出ステップと、1つの信号線を介して入力した前記状態検出信号に応じて前記吐出部の状態を判別する状態判別ステップと、前記1つの信号線を介して入力した前記温度異常検出信号に応じて前記駆動信号生成部における前記駆動信号の生成を停止させる駆動信号生成停止ステップとを備えている。この液体吐出方法によれば、上記液体吐出装置と同様の作用効果が得られる。
(第1実施形態)
以下、液体吐出装置の一例であるインクジェット式のプリンターの第1実施形態について、図面を参照して説明する。
以下、液体吐出装置の一例であるインクジェット式のプリンターの第1実施形態について、図面を参照して説明する。
図1に示すプリンター11は、外装ハウジングが取り外された状態にあるシリアルプリンターである。プリンター11は、上側と前側が開口する略四角箱状の本体フレーム20を有し、その本体フレーム20の図1におけるその左右の側壁間には所定長さを有するガイド軸21が架設されている。キャリッジ22はこのガイド軸21に沿って走査方向X(主走査方向)に移動可能に案内される。キャリッジ22は、本体フレーム20の背板の内側に取着された一対のプーリー23,23に巻き掛けられた無端状のタイミングベルト24の一部に固定されている。図1における右側のプーリー23はキャリッジモーター25の駆動軸に取着された駆動プーリーで、キャリッジモーター25が正逆転駆動されてタイミングベルト24が正転・逆転することにより、キャリッジ22は走査方向Xに往復移動する。
図1に示すように、キャリッジ22の下部には、吐出ヘッド26が設けられている。また、キャリッジ22の上部に凹設されたカートリッジホルダー22aには、複数個(図1の例では4個)の液体供給源の一例としてインクカートリッジ27が装着されている。各インクカートリッジ27には、液体の一例として、例えば黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)を含む複数色(図1の例では4色)のインクがそれぞれ1色ずつ収容されている。なお、インクの色数は4色に限らず、1色(一例として黒)、2色、3色、5〜8色でもよい。また、インクカートリッジ27の装着方式は、インクカートリッジ27をキャリッジ22に装着する所謂オンキャリッジタイプに替え、本体フレーム20側のカートリッジホルダーに装着する所謂オフキャリッジタイプでもよい。また、液体供給源は、インクカートリッジに限らず、例えばプリンター11の外装ハウジングの側面などに取り付けられるインク補充方式のインクタンクでもよい。
吐出ヘッド26は、各インクカートリッジ27から供給されたインクを、用紙等の媒体Pと対向する側の面であるノズル開口面26aに開口する各ノズル26b(いずれも図2参照)からそれぞれ吐出する。吐出ヘッド26は、キャリッジ22に接続されたフレキシブルフラットケーブル40を介してプリンター11内の本体フレーム20に取り付けられた不図示の制御基板に実装された制御回路51(図7参照)と通信可能に接続されている。そして、吐出ヘッド26は、制御回路51からキャリッジ22の1走査(1パス)で印刷する分ずつ逐次転送される印刷データに基づいて駆動される。
図1に示すように、吐出ヘッド26の印刷時の移動領域と対向する下方位置には、媒体Pを支持するとともに、吐出ヘッド26と媒体Pとの間隔(ギャップ)を規定する長尺状の支持台28が走査方向Xに沿って延びる状態に配置されている。印刷中は媒体Pのうち支持台28の上面(支持面)に支持された箇所に、吐出ヘッド26の各ノズル26bから吐出されたインク滴が着弾する。
また、キャリッジ22の背面側には、キャリッジ22の移動量に比例する数のパルスを含む検出信号(エンコーダーパルス信号)を出力するリニアエンコーダー29がガイド軸21に沿って延びるように設けられている。プリンター11は、リニアエンコーダー29の検出信号のパルスエッジの数を計数することでキャリッジ22の走査方向Xの位置及び速度(単位時間当たりのパルス数)を把握し、これらの位置及び速度の情報に基づきキャリッジ22の位置制御及び速度制御を行う。
また、本体フレーム20の図1における右側下部には、給送モーター30及び搬送モーター31が配設されている。給送モーター30は、不図示のカセット内に収容された複数枚の媒体Pの表面に当接する不図示の給送ローラー(例えばピックアップローラー)を駆動し、媒体Pを最上位のものから一枚ずつ給送する。また、給送モーター30は、プリンター11の背面側に設けられた不図示の手差し用の媒体載置部に載置された媒体を給送可能な不図示の給送ローラーを駆動することで、媒体Pをプリンター本体内へ給送する。給送された媒体Pはその先端部が搬送ローラー対32に到達するまで送り出される。
図1に示すように、搬送方向Yに支持台28を挟んだその上流側と下流側の各位置には、搬送モーター31を動力源とする、搬送ローラー対32と排出ローラー対33とがそれぞれ配置されている。給送された媒体Pは、搬送ローラー対32及び排出ローラー対33に挟持(ニップ)された状態で搬送方向Yに搬送され、印刷が終わると両ローラー対32,33の回転により搬送方向Yに不図示のスタッカー上へ排出される。
図1に示すシリアル式のプリンター11は、キャリッジ22を走査方向Xに往復動させながら吐出ヘッド26のノズル26b(図2参照)から媒体Pに向けてインクを吐出する印字動作と、媒体Pを搬送方向Yに次の走査位置(印刷位置)までの規定の搬送量で搬送する送り動作とを交互に繰り返すことで、媒体Pに文書や画像等を印刷する。
本実施形態のプリンター11は、例えば大判の媒体Pを搬送して印刷できる大判タイプの印刷装置である。このため、吐出ヘッド26のノズルの目詰まり等の吐出異常に起因して印刷画像に白筋等が発生して一定の印刷品質を満たさなくなると、その印刷物は失敗となり、その印刷に使った媒体Pとインクが無駄になる。このため、本実施形態のプリンター11は、吐出異常を検出する吐出異常検出機能を備えている。
図1においてキャリッジ22の移動経路上の一端位置(図1では右端位置)が、キャリッジ22が非印刷時に待機するホーム位置HP(ホームポジション)となっている。ホーム位置HPにあるキャリッジ22の直下となる位置には、吐出ヘッド26に対してクリーニング等のメンテナンスを行うメンテナンス装置34が配設されている。メンテナンス装置34は、キャップ35、ワイパー36及び吸引ポンプ37等を備えている。メンテナンス装置34は、ホーム位置HPに配置された吐出ヘッド26のノズル開口面26a(図2参照)にキャップ35を当接させた状態で吸引ポンプ37を駆動し、吐出ヘッド26のノズル26bからインクを強制的に吸引排出するクリーニングを行う。このクリーニング時に吸引排出された廃インクは、メンテナンス装置34から支持台28の下側に配置された廃液タンク38へ排出される。本実施形態では、搬送モーター31は、吸引ポンプ37の動力源ともなっており、ホーム位置HPに到達する過程でキャリッジ22が不図示の切換えレバーを操作することで、ホーム位置近傍に配置された動力伝達切換機構39の動力伝達経路が吸引ポンプ37側に切り換えられる。なお、吸引ポンプ37を専用の電動モーターの動力で駆動させてもよい。
また、キャリッジ22は印刷中に定期又は不定期にホーム位置HPに移動して、吐出ヘッド26の全ノズルから印刷とは関係のないインク滴をキャップ35に向けて吐出するフラッシング(空吐出)を行う。印刷中にインク滴が吐出されない不使用ノズル内のインクは、時間の経過と共に徐々に増粘し、これがノズル目詰まりの原因になる。このため、印刷中は前回のフラッシング実施時点からの経過時間が設定時間に達する度に、キャリッジ22はそのときの走査を終えると、ホーム位置HPに移動してフラッシングを実施する。
図2に示すように、吐出ヘッド26のノズル開口面26aには、搬送方向Yに一定のノズルピッチで一列に配列された♯1〜♯180の計180個のノズル26bによりそれぞれ構成された複数列(例えば4列)のノズル列N1〜N4が形成されている。本例では、4列のノズル列N1〜N4は、黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の4色にそれぞれ対応している。つまり、ノズル列N1に属するノズル26bが黒(K)のインク滴を吐出し、ノズル列N2に属するノズル26bがシアン(C)のインク滴を吐出し、ノズル列N3に属するノズル26bがマゼンタ(M)のインク滴を吐出し、さらにノズル列N4に属するノズル26bがイエロー(Y)のインク滴を吐出する。なお、ノズル列を構成する各ノズル26bの配列は、一定ピッチの直線状の配列に限らず、一定ピッチの二列が互いに半ピッチずれて配列されたジグザグ状でもよい。
また、図2に示すように、吐出ヘッド26には、♯1〜♯180の180個のノズル26bからインク滴を吐出するために駆動される駆動素子群41が設けられている。駆動素子群41は、ノズル26bと対応する駆動素子42をノズル数と同数(例えば720個)の駆動素子42を備えている。駆動素子42は、例えば圧電素子260(ピエゾ素子)(図3参照)からなる。なお、図2では、吐出ヘッド26の外側に、ノズル列N1を構成する♯1〜♯180の180個のノズル26bに対応する駆動素子42だけを模式的に描いている。
駆動素子42は、所定駆動波形の駆動信号が印加されると、電歪作用より、ノズル26bに連通するキャビティー264を区画する壁部の一部を構成する振動板265(いずれも図3参照)を振動させて、キャビティー264を膨張・圧縮させることによりノズル26bからインク滴を吐出させる。なお、駆動素子42は、圧電素子以外に、駆動信号に基づいて静電作用により駆動される静電駆動素子からなるものであってもよい。さらに駆動素子42は、インクを加熱して膜沸騰により発生した気泡の圧力(膨張圧)を利用してノズルからインク滴を吐出させるヒーター素子でもよい。このように吐出ヘッド26のノズル26bからインク滴を吐出する吐出駆動方式は、圧電駆動方式、静電駆動方式、加熱駆動方式のいずれを採用してもよい。
次に図3を参照して、吐出ヘッド26のノズル26bからインク滴を吐出する吐出部Dの構成について説明する。図3では、吐出ヘッド26に設けられた複数の吐出部Dのうちの1つの吐出部Dと、この1つの吐出部Dにインク供給口271を通じて連通するリザーバー272と、インクカートリッジ27からリザーバー272にインクを供給するためのインク供給流路273とを示している。
図3に示すように、吐出部Dは、駆動素子42の一例である圧電素子260と、内部にインクが充填されたキャビティー264(インク室)と、キャビティー264に連通するノズル26bと、振動板265とを備えている。吐出部Dは、圧電素子260が駆動信号COM(図7参照)により駆動されることにより、キャビティー264内のインクをノズル26bから吐出させる。
吐出部Dのキャビティー264は、凹部を有する所定形状に成形されたキャビティープレート266と、ノズル26bが形成されたノズルプレート267と、振動板265とにより区画される空間である。キャビティー264は、インク供給口271を通じてリザーバー272と連通している。リザーバー272は、インク供給流路273を通じて1つのインクカートリッジ27と連通している。
本実施形態では、圧電素子260として、例えば図3に示すようなユニモルフ(モノモルフ)型を採用する。圧電素子260は、下部電極261と、上部電極262と、下部電極261及び上部電極262の間に設けられた圧電体263とを有する。そして、下部電極261が所定の基準電位VSSに設定され、上部電極262に駆動信号COMが供給されることで、下部電極261及び上部電極262の間に電圧が印加されると、この印加された電圧に応じて圧電素子260が図3における上下方向に撓んで振動する。
キャビティープレート266の上面開口部を閉塞する振動板265には、圧電素子260の下部電極261が接合されている。このため、圧電素子260が駆動信号COMにより振動すると、振動板265も振動する。そして、振動板265の振動によりキャビティー264の容積(キャビティー264内の圧力)が変化し、キャビティー264内に充填されたインクがノズル26bより吐出される。
インクの吐出によりキャビティー264内のインクが減少した場合、リザーバー272からキャビティー264へインクが供給される。また、リザーバー272へはインクカートリッジ27からインク供給流路273を通じてインクが供給される。なお、圧電素子260は、バイモルフ型又は積層型でもよい。
次に、図4〜図6を参照して、吐出部Dのインク吐出動作について説明する。図4に示す状態において、吐出部Dが備える圧電素子260(図3参照)に駆動信号COM(図10参照)が供給されると、駆動信号COMを受けた圧電素子260に電極間の電界に応じた歪みが発生し、吐出部Dの振動板265は図5における上方向へ撓むことで変位する。これにより、図4に示す初期状態と比較して、図5に示すように、吐出部Dのキャビティー264の容積が拡大する。図5に示す状態において、駆動信号COMの印加が解消されると、振動板265は、その弾性復元力によって復元し、図6に示すように、初期状態における振動板265の位置を越えて同図における下方向に移動し、キャビティー264の容積が急激に収縮する。このときキャビティー264内に発生する圧力により、キャビティー264を満たすインクの一部が、このキャビティー264に連通しているノズル26bからインク滴として吐出される。
次に図7を参照してプリンター11の電気的構成を説明する。図7に示すように、プリンター11は、制御回路51と、複数の吐出部Dを有する吐出ユニットの一例としてのヘッドユニット52と、吐出ヘッド26を有するキャリッジ22を走査方向Xに移動させる走査機構53と、媒体Pの給送と搬送方向Yへの搬送とを行う搬送機構54とを備えている。また、プリンター11は、吐出部Dの吐出異常が検出された場合にその吐出部Dのインクの吐出状態を正常に回復させるメンテナンスを行うメンテナンス装置34を備える。また、制御回路51は、各種モーター25,30,31及び吐出部D等の制御による印刷制御と、メンテナンス装置34の制御によるメンテナンス制御と、吐出部Dの吐出異常を検出する吐出異常検査とを行う。さらにプリンター11は、各種の制御に用いられる制御プログラム及び各種情報を記憶する記憶部55を備える。
図7に示すように、走査機構53は、キャリッジ22を走査方向Xに移動させる動力源となるキャリッジモーター25と、キャリッジモーター25を駆動させるモーター駆動回路61と、キャリッジ22の走査方向Xにおける位置及び速度の取得に用いられるリニアエンコーダー29とを備える。
図7に示すように、搬送機構54は、給送モーター30と、給送モーター30を駆動させるモーター駆動回路62と、搬送モーター31と、搬送モーター31を駆動させるモーター駆動回路63とを備える。さらに搬送機構54は、媒体Pの搬送量に比例する数のパルスを含む検出信号(エンコーダーパルス信号)を出力するエンコーダー64を備える。また、搬送機構54は、給送モーター30の動力で回転する不図示の給送ローラー、搬送モーター31の動力で回転する図1に示す搬送ローラー対32及び排出ローラー対33を備える。
記憶部55は、ホスト装置100(ホストコンピューター)からプリンター11が受信した印刷データPDや、各種処理に必要なデータを一時的に格納し、あるいは制御プログラムを一時的に展開するRAM(Random Access Memory)と、プリンター11の各部を制御するための制御プログラム等を格納する不揮発性メモリーとにより構成される。
制御回路51は、CPU71(Central Processing Unit)及びヘッドコントローラー72を備える。ヘッドコントローラー72は、ASIC73(Application Specific IC)と駆動信号生成部の一例としての駆動信号生成回路74とを備える。ASIC73は、CPU71とバスを介して接続されている。
CPU71は記憶部55に記憶されている制御プログラムに従って動作することで、プリンター11の各部の動作を制御する。詳しくは、CPU71は、記憶部55から読み出した制御プログラムを実行し、リニアエンコーダー29からの検出信号に基づきキャリッジモーター25を制御し、エンコーダー64の検出信号に基づき給送モーター30及び搬送モーター31を駆動制御する。
また、CPU71は、メンテナンス実施時期になると、キャリッジモーター25を制御してキャリッジ22をメンテナンス位置(例えばホーム位置HP)に移動させた後、メンテナンス装置34を制御して吐出ヘッド26のクリーニングを行わせる。また、CPU71は、フラッシング実施時期になると、キャリッジモーター25を制御してキャリッジ22をフラッシング位置(例えばホーム位置HP)に移動させるとともに、ASIC73に指示して吐出ヘッド26の全ノズル26bから印刷とは関係のないインク滴を吐出させるフラッシング(空吐出)を行わせる。このフラッシングによりノズル26b内の増粘したインクやインク中の気泡等を排出させてノズル26b内のインクがリフレッシュされる。
また、CPU71は、ホスト装置100から受信した印刷データPDのうちヘッドユニット52の制御に用いられる印刷制御データSIn(図10参照)をASIC73へ送信する。ASIC73は、印刷制御データSInと吐出制御用の各種信号を、フレキシブルフラットケーブル40を介して吐出ヘッド26内のヘッド制御部75に送信する。また、駆動信号生成回路74は、ASIC73の指示により生成した駆動信号COMを、フレキシブルフラットケーブル40を介してヘッド制御部75に送信する。
ここで、ヘッドユニット52は、吐出ヘッド26と、インクカートリッジ27から吐出ヘッド26へインクを供給する不図示のインク供給流路を含むインク供給機構とにより構成されている。また、吐出ヘッド26は、ヘッド制御部75と、複数の吐出部Dを有する吐出部群76とを内蔵している。ヘッド制御部75はヘッドドライバーICを備える。図7では吐出部群76を1色分(ノズル1列分)のみ示しているが、実際には吐出部群76は複数列分(例えば4列分)設けられている。なお、ヘッドコントローラー72を構成する主制御回路としてASIC73を設けたが、FPGA(field-programmable gate array)に替えることもできる。また、CPU71はASIC73内に内蔵されていてもよい。
制御回路51は、印刷に関する各種制御を司る他、吐出ヘッド26から入力した状態検出信号NSAS(残留振動検出信号)に基づいて、吐出部Dが正常な吐出が可能な正常状態であるか、それとも正常な吐出が不能な吐出異常状態であるかを判別する判別処理を行う。さらに制御回路51は、吐出ヘッド26から後述する温度異常検出信号XHOTを入力すると、駆動信号生成回路74に対して駆動信号COMの生成を停止させる停止処理を行う。また、制御回路51は、キャリッジ22の走査方向Xの位置を示す値を計数する不図示のCRカウンター、及び媒体Pの搬送方向Yの位置を示す値を計数する不図示のPFカウンターを備える。
CPU71は、ホスト装置100からの印刷データPDに基づいてヘッドユニット52、走査機構53及び搬送機構54を制御し、媒体Pに印刷データPDに応じた文書又は画像を印刷する印刷制御を行う。このとき、ASIC73は、記憶部55に一時格納された印刷データPDのうち吐出ヘッド26へ転送すべき印刷制御データSInをヘッド制御部75に転送して吐出部Dを駆動させる。このとき、ヘッド制御部75は、印刷制御データSInに基づき、吐出部Dからのインクの吐出の有無、インクの吐出量及びインクの吐出タイミング等を制御する。これにより、吐出ヘッド26のノズル26bから吐出されたインク滴が媒体P上に着弾してできるドットのサイズ及び位置が調整され、媒体Pに印刷データPDに応じた画像等が印刷される。
次に図8を参照して、ヘッドコントローラー72及びヘッドユニット52の詳細な電気的構成を説明する。
図8に示すように、ヘッドコントローラー72内のASIC73は、データ転送部731、駆動信号生成停止部732及び状態判別部の一例としての吐出状態判別部733を備える。また、吐出ヘッド26内のヘッド制御部75は、ヘッド駆動回路751、温度異常検出部752及び吐出異常検出部753を備える。
図8に示すように、ヘッドコントローラー72内のASIC73は、データ転送部731、駆動信号生成停止部732及び状態判別部の一例としての吐出状態判別部733を備える。また、吐出ヘッド26内のヘッド制御部75は、ヘッド駆動回路751、温度異常検出部752及び吐出異常検出部753を備える。
データ転送部731は、印刷制御データSInをフレキシブルフラットケーブル40内の一部の信号線CWを介してヘッド駆動回路751に転送する。ヘッド駆動回路751は、印刷制御データSInに基づいて吐出部Dの駆動素子42を駆動させる。温度異常検出部752は、ヘッドユニット52の温度異常を検出する。特に本例の温度異常検出部752は、吐出ヘッド26内のヘッド制御部75(詳しくはヘッドドライバーIC)の温度異常を検出する検出処理を行い、温度異常検出信号XHOTを吐出ヘッド26からフレキシブルフラットケーブル40内の1つの信号線CW1を介してASIC73内の駆動信号生成停止部732に出力する。この温度異常検出信号XHOTは、高電位(Hレベル)と低電位(Hレベル)とをとる2値のデジタル信号である。本例では、温度異常検出信号XHOTは、検出した温度が正常なときは低電位(Lレベル)を出力し、検出した温度が異常なときは高電位(Hレベル)を出力するデジタル信号である。なお、温度異常検出部752の詳細な構成は後述する。
また、吐出異常検出部753は、圧電素子260が吐出時に変位した後の残留振動に基づく起電力を状態検出信号NSASとする。吐出異常検出部753は、各吐出部Dからの残留振動検出信号Vout(図11参照)を基に生成した状態検出信号NSAS(図14参照)を、吐出ヘッド26からフレキシブルフラットケーブル40内の1つの信号線CW1を介してヘッドコントローラー72内のASIC73に出力する。この状態検出信号NSASは、残留振動検出信号Voutを基に生成されたものであるため、残留振動に応じた所定の振幅で振動する電圧値をとるアナログ信号であり、吐出部Dの吐出正常時と吐出異常時とで異なる振動波形をとる。
図8に示すように、温度異常検出部752と吐出異常検出部753は、それぞれの検出信号XHOT,NSASを1つの共通の信号出力端子52Aに出力する。そのため、検出信号XHOT,NSASは、信号出力端子52Aに接続された1つの信号線CW1を介して制御回路51内のASIC73に入力される。この信号線CW1は、信号出力端子52Aと反対側の端部では信号入力端子72Aに接続されている。1つの共通の信号線CW1が使用されるため、各検出信号XHOT,NSASは重畳して伝送される場合もある。しかし、本例の各検出信号XHOT,NSASはそれぞれがとりうる電位が異なるため、伝送先のASIC73内の駆動信号生成停止部732及び吐出状態判別部733は、各検出信号XHOT,NSASの判別が可能である。なお、各検出信号XHOT,NSASは、ASIC73において駆動信号生成停止部732に入力された後、駆動信号生成停止部732から吐出状態判別部733に入力される。
また、駆動信号生成停止部732は、温度異常検出信号XHOTを入力すると、駆動信号生成回路74に停止指令信号STを出力し、駆動信号生成回路74に駆動信号COMの生成を停止させる。
駆動信号生成回路74は、吐出ヘッド26が有する複数の吐出部Dのそれぞれを駆動させる駆動信号COMを生成する。駆動信号生成回路74は、生成した駆動信号COMを、フレキシブルフラットケーブル40中の例えば1つの信号線CWを介してヘッド駆動回路751へ出力する。ヘッド駆動回路751は、駆動信号COMに含まれる複数の駆動パルス(電圧波形)のうち印刷制御データSInに基づき選択された1つ又は2つの駆動パルスを駆動素子42に印加することで、吐出部Dのノズル26bからインク滴を吐出させる。
次に、図9を参照して、ヘッド駆動回路751の具体的な構成について説明する。なお、図9では、2つの駆動素子42に対応する部分のみが図示されている。
図9に示すように、ヘッド駆動回路751は、駆動素子42ごとにそれぞれ対応する第1のシフトレジスター81、第2のシフトレジスター82、第1のラッチ回路83及び第2のラッチ回路84を備える。第1のシフトレジスター81には、駆動素子42用の印字データSI(2ビットのデータ)のうち上位ビットデータ「H」が入力され、第2のシフトレジスター82には、その下位ビットデータ「L」が入力される。
図9に示すように、ヘッド駆動回路751は、駆動素子42ごとにそれぞれ対応する第1のシフトレジスター81、第2のシフトレジスター82、第1のラッチ回路83及び第2のラッチ回路84を備える。第1のシフトレジスター81には、駆動素子42用の印字データSI(2ビットのデータ)のうち上位ビットデータ「H」が入力され、第2のシフトレジスター82には、その下位ビットデータ「L」が入力される。
第1のシフトレジスター81には、第1のラッチ回路83が電気的に接続され、第2のシフトレジスター82には、第2のラッチ回路84が電気的に接続されている。第1のラッチ回路83は、ラッチ信号LATが入力されると、第1のシフトレジスター81の上位ビットデータ「H」をラッチする。また、第2のラッチ回路84は、ラッチ信号LATが入力されると、第2のシフトレジスター82の下位ビットデータ「L」をラッチする。
また、図9に示すように、ヘッド駆動回路751は、第3のシフトレジスター85Aとロジック回路85Bとを備える。さらにヘッド駆動回路751は、駆動素子42ごとに、デコーダー86と、アンド回路87と、スイッチ回路88とを備える。ロジック回路85Bの出力端子は各デコーダー86の入力端子に接続されている。また、第1のラッチ回路83と第2のラッチ回路84の各出力端子は、対応するデコーダー86の2つの入力端子に接続されている。
第3のシフトレジスター85Aには定義データSPが入力される。ロジック回路85Bには、第3のシフトレジスター85Aからの定義データSP、ラッチ信号LAT及びチャンネル信号CHが入力される。ロジック回路85Bは、定義データSPを基にデコードデータ(真理値表)を生成し、そのデコードデータを、ラッチ信号LAT及びチャンネル信号CHに基づくタイミングで各デコーダー86に出力する。
デコーダー86には、第1のラッチ回路83から上位ビットデータ「H」、第2のラッチ回路84から下位ビットデータ「L」、及び上述したロジック回路85Bからデコードデータが入力される。そして、デコーダー86は、入力したビットデータ「H」,「L」を基にデコードデータを参照し、選択データPSを生成して出力する。
ヘッド駆動回路751には、温度異常検出信号XHOTの入力があると、駆動素子42への駆動信号COMの印加を遮断する遮断回路の一部としてアンド回路87が駆動素子42の数と同数個だけ組み込まれている。本例のアンド回路87は2入力型のアンド回路であり、その第1入力端子には、デコーダー86の出力である定義データSPが入力され、その第2入力端子には、温度異常検出部752の主スイッチ信号線MSWからの温度異常検出信号XHOTがノット回路89で反転された制御信号AXが入力される。温度異常検出部752の主スイッチ信号線MSWから入力される温度異常検出信号XHOTは2値(H/L)のデジタル信号であり、温度異常検出部752が温度異常を検出した際は、デコーダー86の第2入力端子には、温度異常であることを示す高電位であるHレベル(「1」)(図19参照)がノット回路89で反転されたLレベルが入力される。一方、検出温度が正常なときには、デコーダー86の第2入力端子には、温度異常検出信号XHOTの温度が正常であることを示す低電位であるLレベル(「0」)の信号がノット回路89で反転されたHレベルが入力される。
図9に示すように、アンド回路87の出力はスイッチ回路88の制御端子に接続されており、温度異常検出部752から温度異常検出信号XHOTを入力すると、駆動信号COMの駆動素子42への印加を遮断できる。このようにヘッド駆動回路751は、信号線CW1を介して伝送された駆動信号COMの駆動素子42への印加を遮断するためのアンド回路87及びスイッチ回路88を含み、駆動信号COMの駆動素子42への印加を制御する。
アンド回路87の第1入力端子には、デコーダー86からの後述する選択データPS(図10参照)が、上位ビットから順に入力される。アンド回路87は、第1入力端子に入力される選択データPSのそのときの入力ビットの値と、第2入力端子に入力される温度異常検出信号XHOTの値の反転した値の制御信号AXとが共に「1」(Hレベル)であるときにHレベルを出力し、1つの入力値のうち少なくとも一方が「0」(Lレベル)であるときにLレベルを出力する。アンド回路87の出力は、電圧増幅器として機能する不図示のレベルシフターで増幅された後にスイッチ回路88に入力される。アンド回路87の出力がHレベルである場合、例えば数十ボルト程度の電圧にレベルシフターによって昇圧された電気信号がスイッチ回路88の制御端子に入力され、アンド回路87はオンする。一方、アンド回路87の出力がLレベルである場合、そのLレベルがスイッチ回路88の制御端子に入力され、アンド回路87はオフする。
スイッチ回路88の入力端子には、駆動信号COMが入力される。また、スイッチ回路88の出力端子は、駆動素子42の高電位側端子に接続されている。駆動素子42の低電位側端子はグランド電位になるよう接続されている。なお、グランド電位はアースされた0Vでもよいが、0V以外の基準電位でもよい。基準電位としては例えば1〜5Vの範囲内の値を挙げることができる。
次に図10を参照して、駆動信号生成回路74によって生成される駆動信号COM及び吐出部の制御に使用される各種の制御信号について説明する。なお、駆動信号生成回路74が生成する駆動信号COMは、1つのノズル列に対応する全ての駆動素子42に対して共通に使用されるものである。
図10に示すように、駆動信号COMは、1ドットを形成するために確保された印刷周期TAの間に、時系列的に生成される複数(本実施形態では、4つ)の駆動パルス(波形)を含む信号である。駆動信号COMは、繰り返し周期における期間T1で生成される第1駆動パルスDP1と、期間T2で生成される第2駆動パルスDP2と、期間T3で生成される第3駆動パルスDP3と、期間T4で生成される第4駆動パルスDP4とを有する。
図10に示すように、ラッチ信号LATは、駆動信号COMの開始タイミング、すなわち駆動信号COMの第1駆動パルスDP1が発生するタイミング(期間T1の開始時期)を規定するための信号である。すなわち、ラッチ信号LATは、駆動信号COMの開始タイミングで発生するパルスを含んでいる。
図10に示すように、チャンネル信号CHは、一つ印刷周期TAの駆動信号COM中において前の駆動パルスDPから次の駆動パルスDPに切り替わるタイミングを規定する信号である。すなわち、チャンネル信号CHは、第1駆動パルスDP1から第2駆動パルスDP2に切り替わるタイミングで発生するパルス、第2駆動パルスDP2から第3駆動パルスDP3に切り替わるタイミングで発生するパルス、及び第3駆動パルスDP3から第4駆動パルスDP4に切り替わるタイミングで発生するパルスを含んでいる。
図10に示すように、ASIC73内のデータ転送部731は、印刷制御データSInを、クロック信号SCKに同期させてフレキシブルフラットケーブル40を通じてヘッド駆動回路751へ転送する。図10では、複数のノズル列に対応する複数色のうち1色分(1ノズル列分)の印刷制御データSInのみ示しているが、本例の場合、黒の印刷制御データSIn(K)、シアンの印刷制御データSIn(C)、マゼンタの印刷制御データSIn(M)、イエローの印刷制御データSIn(Y)が、ヘッド駆動回路751へパラレルで転送される。
印刷制御データSInには、1ノズル列分の吐出部Dが1回の吐出に用いる印字データSIと、駆動信号COMのうち駆動素子42に印加するべき駆動パルスを印字データに応じて選択する際に使用される定義データSPとが含まれる。ASIC73は、印刷制御データSIn(印字データSI及び定義データSP)を、クロック信号SCKに同期させてフレキシブルフラットケーブル40の信号線CWを介して転送する。
そして、図10に示すように、第1駆動パルスDP1、第3駆動パルスDP3及び第4駆動パルスDP4は、ノズル26bからインク滴を吐出させる際に用いられるものであり、ノズル26bからインク滴を吐出させることが可能な電圧を駆動素子42に印加しうる波形を有している。ここでは、小ドットの形成時に第3駆動パルスDP3が駆動素子42へ印加される。また、中ドットの形成時には、第1駆動パルスDP1及び第4駆動パルスDP4が駆動素子42へ印加され、大ドットの形成時には、第1駆動パルスDP1及び第3駆動パルスDP3が駆動素子42へ印加される。一方、第2駆動パルスDP2は、ノズル26b内のインクのメニスカスを微振動させるための微振動パルスであり、ドット無しの場合に駆動素子42へ印加される。
この駆動信号COMは、駆動パルスDP毎に駆動素子42へ印加させることができる。そして、駆動素子42に印加される駆動パルスDPは、印刷制御データSIn中の画素データSI[HL]の内容、つまりドットの階調に応じて定められる。この例では、ドット無しの階調値(画素データSI[00])の場合に、第2駆動パルスDP2が駆動素子42に印加される。そして、小ドットの階調値(画素データSI[01])の場合に、第3駆動パルスDP3が駆動素子42に印加され、中ドットの階調値(画素データSI[10])の場合に、第1駆動パルスDP1及び第4駆動パルスDP4が駆動素子42に印加される。また、大ドットの階調値(画素データSI[11])の場合に、第1駆動パルスDP1及び第3駆動パルスDP3が駆動素子42に印加される。
このような制御を行うため、選択データq0〜q3は、期間T1〜T4のそれぞれに各ビットを対応させた4ビットのデータで構成される。そして、温度異常検出信号XHOTが正常温度のときのLレベル(「0」)をとるときであってその反転された値の制御信号AXがHレベル(「1」)とき、選択データq0〜q3の各ビットは、期間T1〜T4におけるスイッチ回路88のオンオフを示す。すなわち、選択データq0〜q3の最上位ビットは、期間T1におけるスイッチ回路88のオンオフを示し、2番目のビットは期間T2におけるスイッチ回路88のオンオフを示す。また、3番目のビットは、期間T3におけるスイッチ回路88のオンオフを示し、最下位ビットは期間T4におけるスイッチ回路88のオンオフを示す。従って、ドット無し用の選択データq0は[0100]とされ、小ドット用の選択データq1は[0010]とされる。また、中ドット用の選択データq2は[1001]とされ、大ドット用の選択データq3は[1010]とされる。そして、ロジック回路85Bは、ラッチ信号LATのラッチパルスやチャンネル信号CHのチェンジパルスで規定されるタイミングに同期させて、選択データq0〜q3の各ビットを時系列で出力する。
そして、選択データPSに基づいてスイッチ回路88の動作が制御されることにより、駆動素子42への第1〜第4駆動パルスDP1〜DP4の選択的な印加が行われる。例えば、温度異常検出信号XHOTが正常温度検出時の値をとるとき、選択データPSが「1」である期間中では、スイッチ回路88にはアンド回路87からHレベル(「1」)のスイッチ信号SWが入力されるので、スイッチ回路88がオンしてその期間の駆動パルスが駆動素子42に印加される。一方、選択データPSが「0(零)」の期間中では、スイッチ回路88にはアンド回路87からLレベルのスイッチ信号SWが入力されるため、スイッチ回路88が切断状態になって駆動素子42には駆動パルスが印加されない。また、例えば、温度異常検出信号XHOTが温度異常検出時の値をとるとき、スイッチ回路88にはアンド回路87から選択データPSの値に依らずLレベル(「1」)のスイッチ信号SWが入力されるので、圧電素子260への駆動信号COMの印加が強制的に遮断される。つまり、図8に示す温度異常検出部752からヘッド駆動回路751へ温度異常検出時の温度異常検出信号XHOTが入力されると、ヘッド駆動回路751はその駆動を停止する。
次に図11を参照して、吐出ヘッド内の温度異常検出部と吐出異常検出部とを含む回路の構成について説明する。
図11に示すように、圧電素子260のプラス電位側には切換回路91が設けられている。切換回路91は、駆動信号COMが圧電素子260へ伝送される信号経路を開閉させる前述のスイッチ回路88と、圧電素子260の駆動後の残留振動に基づく起電力である残留振動検出信号Voutが吐出異常検出部753へ出力される信号経路を開閉させるスイッチ回路92とを備える。スイッチ回路88の制御端子には、アンド回路87の出力信号が入力される。また、スイッチ回路92の制御端子には、アンド回路87の出力信号がノット回路93を介して反転された信号が入力される。よって、スイッチ回路88がオンして圧電素子260に駆動信号COMの駆動パルスDPが印加されるときには、スイッチ回路92がオフされ、駆動パルスDPが吐出異常検出部753へ入力されることはない。一方、スイッチ回路88がオフして圧電素子260に駆動信号COMの駆動パルスDPが印加されないときに、スイッチ回路92がオンされ、残留振動に基づく起電力である残留振動検出信号Voutが吐出異常検出部753へ入力される。
図11に示すように、圧電素子260のプラス電位側には切換回路91が設けられている。切換回路91は、駆動信号COMが圧電素子260へ伝送される信号経路を開閉させる前述のスイッチ回路88と、圧電素子260の駆動後の残留振動に基づく起電力である残留振動検出信号Voutが吐出異常検出部753へ出力される信号経路を開閉させるスイッチ回路92とを備える。スイッチ回路88の制御端子には、アンド回路87の出力信号が入力される。また、スイッチ回路92の制御端子には、アンド回路87の出力信号がノット回路93を介して反転された信号が入力される。よって、スイッチ回路88がオンして圧電素子260に駆動信号COMの駆動パルスDPが印加されるときには、スイッチ回路92がオフされ、駆動パルスDPが吐出異常検出部753へ入力されることはない。一方、スイッチ回路88がオフして圧電素子260に駆動信号COMの駆動パルスDPが印加されないときに、スイッチ回路92がオンされ、残留振動に基づく起電力である残留振動検出信号Voutが吐出異常検出部753へ入力される。
温度異常検出部752はダイオード94を介して信号出力端子52Aに接続され、吐出異常検出部753はダイオード95を介して信号出力端子52Aに接続されている。そして、温度異常検出信号XHOTと状態検出信号NSASとが信号出力端子52Aに接続された1つの信号線CW1を介してASIC73へ出力される。このとき、温度異常検出信号XHOTがLレベルのときは、Lレベルの温度異常検出信号XHOTと状態検出信号NSASとが重畳された状態で共通の信号線CW1を通って伝送される。一方、温度異常検出信号XHOTがHレベルときは、Lレベルの制御信号AXがアンド回路87に入力されるので、アンド回路87の出力がLレベルとなり、圧電素子260には駆動パルスが印加されない。また、このときスイッチ回路92はオンし、圧電素子260から残留振動検出信号Voutが吐出異常検出部753へ出力され、吐出異常検出部753から状態検出信号NSASが、信号出力端子52A及び1つの信号線CW1を介してASIC73へ出力される。なお、温度異常が検出されたときは、駆動信号COMの駆動パルスの圧電素子260への印加は停止されるものの、前回の駆動パルスの圧電素子260への印加に基づく駆動後の残留振動検出信号Voutは出力される。このとき、温度異常検出信号XHOTと状態検出信号NSASが重畳する。
次に図12を参照して、温度異常検出部の構成について説明する。
図12に示す温度異常検出部752は、吐出ヘッド26の温度を計測し、計測した温度に応じて駆動信号COMの圧電素子260への印加を遮断させる回路により構成される。温度異常検出部752は、ヘッド制御部75が有するヘッドドライバーICの温度を計測するとともに計測した温度に応じた2値の温度異常検出信号XHOTを出力する。すなわち、温度異常検出部752は、計測した温度が閾値以下である場合、低電位(Lレベル)の温度異常検出信号XHOTを出力し、計測した温度が閾値を超えている場合、高電位(Hレベル)の温度異常検出信号XHOTを出力する。
図12に示す温度異常検出部752は、吐出ヘッド26の温度を計測し、計測した温度に応じて駆動信号COMの圧電素子260への印加を遮断させる回路により構成される。温度異常検出部752は、ヘッド制御部75が有するヘッドドライバーICの温度を計測するとともに計測した温度に応じた2値の温度異常検出信号XHOTを出力する。すなわち、温度異常検出部752は、計測した温度が閾値以下である場合、低電位(Lレベル)の温度異常検出信号XHOTを出力し、計測した温度が閾値を超えている場合、高電位(Hレベル)の温度異常検出信号XHOTを出力する。
図12に示すように、温度異常検出部752は、温度を計測する温度計測部としてダイオードDIを備える。ダイオードDIは、例えばヘッドドライバーICの外部に設けられている。ダイオードDIの順方向電圧は、温度に応じて変化し、例えば−2mV/℃という温度特性がある。この場合、25℃における順方向電圧が0.6Vのダイオードでは、75℃における順方向電圧が0.5Vになる。このため、ダイオードDIの順方向電圧は、吐出ヘッド26の温度に応じたレベルを示す。なお、ダイオードDIは、ヘッドドライバーICに内蔵される構成でもよい。
また、温度異常検出部752は、比較器としてのオペアンプOPを含んでいる。オペアンプOPの出力は、トランジスターTr1のベース端子に接続されている。トランジスターTr1は例えばNPN型である。オペアンプOPのプラス側入力と電源電圧VDD(例えば3.3V)とに挟まれるように抵抗R1が接続されている。また、オペアンプOPのプラス側入力とアースとに挟まれるように抵抗R2が接続されている。一方、オペアンプOPのマイナス側入力と電源電圧VDDとに挟まれるように抵抗R3が接続されている。さらに、オペアンプOPのマイナス側入力とアースとに挟まれるようにダイオードDIのアノードが接続されている。また、このダイオードDIのカソードがアースに接続されている。トランジスターTr1のコレクター端子と電源電圧VDDとに挟まれるように抵抗R4が接続されている。また、抵抗R4とトランジスターTr1のコレクター端子との間の電位が、トランジスターTr2のベース端子に入力される。
トランジスターTr2は例えばNPN型である。トランジスターTr2のコレクター端子と電源電圧VDDとに挟まれるように抵抗R5が接続されており、トランジスターTr2のエミッターはアースされている。トランジスターTr2のコレクター端子は、主スイッチ信号線MSWと接続されている。主スイッチ信号線MSWには、トランジスターTr2のコレクター端子と抵抗R5との間の電位が出力される。主スイッチ信号線MSWはノット回路89を介してアンド回路87(いずれも図11参照)の第2入力端子に接続されている。
図12に示す抵抗R1、R2及びR3は、ダイオードDIとの関係で温度が閾値温度Ts(例えば120〜160℃の範囲内の値)よりも高くなると、オペアンプOPの作動によりトランジスターTr1のスイッチング機能がオンになるように選択されている。
温度が閾値温度Ts以下のとき、トランジスターTr1はスイッチとしてオフの状態となる。このとき、トランジスターTr2はオンしている。そのため、主スイッチ信号線MSWに出力される温度異常検出信号XHOTは低電位(Lレベル)となっている。温度異常検出信号XHOTは、ノット回路89を介して高電位(Hレベル)に反転される。つまり、アンド回路87の入力の1つにはHレベルが入力される。アンド回路87の1つの入力がHレベルになると、デコーダー86からの入力にしたがってスイッチ回路88がオンオフし、そのオン時に駆動信号COMが圧電素子260に印加されることで吐出部Dはインク滴を吐出可能となる。
一方、温度が閾値温度Tsよりも高くなると、スイッチとしてのトランジスターTr1がオンになることから、電源電圧VDDからの電流がエミッター端子に流れ込む。すると、スイッチとしてのトランジスターTr2のベース端子の電位はアースと同電位になり、トランジスターTr2がオフになる。その結果、主スイッチ信号線MSWから出力される温度異常検出信号XHOTの電位は高電位(Hレベル)になり、ノット回路89を介して反転したLレベルがアンド回路87への第2入力端子に入力される。アンド回路87の入力の1つがLレベルであると、アンド回路87の出力もLレベルであり、スイッチ回路88はオフにされる。すると、駆動信号COMは、圧電素子260に印加されない。つまり、駆動信号COMの駆動素子42への供給が遮断される。なお、温度計測部であるダイオードDIの代替としてサーミスターを用いることもできる。
次に図11、図13〜図17を参照して、吐出異常検出部の詳細を説明する。
図11に示すように、吐出異常検出部753は、吐出部Dが駆動信号COMにより駆動された後に生じる吐出部D内のインクの残留振動等に起因する圧力の変化が振動板265に伝わる振動を受けた圧電素子260が出力する残留振動検出信号Voutを入力する。吐出異常検出部753は、入力した残留振動検出信号Voutに基づいて検査対象の吐出部Dの状態を検出し、その検出結果を状態検出信号NSASとして制御回路51へ出力する。なお、単位吐出動作期間と単位検査期間との和である単位期間の間に、圧電素子260への駆動信号COMの印加に基づく1ドット分のインク滴の吐出動作と、その1ドット分のインク滴の吐出動作に伴う残留振動が伝えられた駆動素子42が出力する残留振動検出信号Voutの取得とが行われる。
図11に示すように、吐出異常検出部753は、吐出部Dが駆動信号COMにより駆動された後に生じる吐出部D内のインクの残留振動等に起因する圧力の変化が振動板265に伝わる振動を受けた圧電素子260が出力する残留振動検出信号Voutを入力する。吐出異常検出部753は、入力した残留振動検出信号Voutに基づいて検査対象の吐出部Dの状態を検出し、その検出結果を状態検出信号NSASとして制御回路51へ出力する。なお、単位吐出動作期間と単位検査期間との和である単位期間の間に、圧電素子260への駆動信号COMの印加に基づく1ドット分のインク滴の吐出動作と、その1ドット分のインク滴の吐出動作に伴う残留振動が伝えられた駆動素子42が出力する残留振動検出信号Voutの取得とが行われる。
図11に示す吐出異常検出部753は、残留振動検出信号Voutに基づいて、検査対象の吐出部Dj(但し、j=1,2,…,K)の残留振動の周期と振幅とのうち少なくとも周期を含む波形情報を用いて、正常ノズルであるか異常ノズルであるかを検出する。異常ノズルである場合は原因別(気泡混入、乾燥、紙粉付着)に検出する。そして、吐出異常検出部753は、その検出結果を状態検出信号NSASとして出力する。詳しくは、吐出異常検出部753は、吐出部Dから出力される残留振動検出信号Voutからノイズ成分等を除去した整形波形信号を生成する波形整形部と、整形波形信号に基づいて状態検出信号NSASを生成して出力する計測部とを備える。波形整形部は、ノイズ除去機能の他、残留振動検出信号Voutの振幅を調整する機能やローインピーダンスの残留振動検出信号Voutに変換する機能などを含む構成であってもよい。計測部は、波形整形部が出力する整形波形信号の周期と振幅とのうち少なくとも周期の情報を複数の閾値と比較し、正常ノズルであるか異常ノズルであるかを、異常ノズルである場合は原因別に検出し、その検出結果を状態検出信号NSASとして出力する。なお、吐出異常検出部753は、正常ノズルであるか異常ノズルであるかの検出は行わず、整形波形信号を状態検出信号NSASとして出力し、吐出状態の判別は吐出状態判別部733が状態検出信号NSAS(整形波形信号)に基づき行う構成としてもよい。
制御回路51内の吐出状態判別部733は、吐出異常検出部753からの状態検出信号NSASに基づいて検査対象の吐出部Dが、正常ノズルの状態(正常吐出状態)であるか異常ノズルの状態(吐出異常状態)であるかを判別する。このとき、吐出状態判別部733は、異常ノズルの状態である場合は、さらに異常ノズルの状態を原因別に判別する。吐出状態判別部733が、異常ノズルの状態であると判別した場合、CPU71にメンテナンスを要求する。
ここで、吐出部Dの振動板265に生じる残留振動は、ノズル26bやインク供給口271の形状又はインクの粘度等による音響抵抗Rsと、流路内のインクの重量によるイナータンスIntと、振動板265のコンプライアンスCmとによって決定される固有振動周波数を有するものと想定できる。
図13は、上記想定に基づく振動板265の残留振動を想定した単振動の計算モデルを示す回路図である。この振動板265の残留振動の計算モデルは、音圧Psと、イナータンスInt、コンプライアンスCm及び音響抵抗Rsとで表される。そして、図13の回路に音圧Psを与えた時のステップ応答を体積速度Uvについて計算すると、次式が得られる。
Uv={Ps/(ω・Int)}e−ωt・sinωt
ω={1/(Int・Cm)−α2}1/2
α=Rs/(2・Int)
吐出部Dの残留振動の実験を行った。残留振動の実験とは、インクの吐出状態が正常である吐出部Dからインクを吐出させた後に、吐出部Dの振動板265において生じる残留振動を検出する実験である。
ω={1/(Int・Cm)−α2}1/2
α=Rs/(2・Int)
吐出部Dの残留振動の実験を行った。残留振動の実験とは、インクの吐出状態が正常である吐出部Dからインクを吐出させた後に、吐出部Dの振動板265において生じる残留振動を検出する実験である。
ここで、図3に示す吐出部Dが正常にインクを吐出し、音響抵抗Rs、イナータンスInt及びコンプライアンスCmに変化がなければ、振動板265の残留振動は正常時の所定の波形(図14の「正常時L0」参照)となる。しかし、インクの吐出が不良でドット抜けが発生する場合には、振動板265の残留振動の波形は正常時とは異なるものとなる。
図14は、残留振動の実験値の一例を示すグラフである。さて、吐出部Dが正常にインク吐出動作を行った場合、音響抵抗Rs、イナータンスInt及びコンプライアンスCmが正常時の値をとり、振動板265の残留振動波形は正常時の所定の波形(図14の「正常時L0」参照)となる。しかし、吐出部Dがインク吐出動作を行ったにもかかわらず、吐出部Dにおけるインクの吐出状態が異常であり、吐出部Dのノズル26bからインク滴が正常に吐出されない吐出異常(吐出不良)が発生する場合がある。この吐出異常が発生する原因としては、(a)キャビティー264内への気泡の混入、(b)ノズル26b及びキャビティー264内のインクの乾燥等に起因するインクの増粘又は固着、(c)ノズル26bの出口付近への紙粉等の異物の付着等が挙げられる。
上記(a)〜(c)の吐出異常が発生する原因別の詳細を、図15〜図17を参照して説明する。
図15に示すように、気泡Bがインクの流路(例えばキャビティー264)やノズル26bの先端に詰まった場合は、気泡Bが混入した分のインク重量が減ってイナータンスIntが減少し、気泡Bによりノズル径が大きくなった状態と等価となる。このため、気泡に起因する吐出異常では、音響抵抗Rsが減少し、周波数が高くなるという特徴的な残留振動波形として検出できる(図14の「気泡混入時L1」参照)。
図15に示すように、気泡Bがインクの流路(例えばキャビティー264)やノズル26bの先端に詰まった場合は、気泡Bが混入した分のインク重量が減ってイナータンスIntが減少し、気泡Bによりノズル径が大きくなった状態と等価となる。このため、気泡に起因する吐出異常では、音響抵抗Rsが減少し、周波数が高くなるという特徴的な残留振動波形として検出できる(図14の「気泡混入時L1」参照)。
図16に示すように、ノズル26bの内部のインクの乾燥による増粘又は固着によりインクが吐出しなくなった場合には、その乾燥によりノズル26b付近のインクの粘性が増加し、音響抵抗Rsが増大し、過減衰になるという特徴的な残留振動波形として検出できる(図14の「乾燥時L2」参照)。
図17に示すように、紙粉Pe(紙繊維等)やゴミがノズル開口面26aに付着した場合には、紙粉Peによりノズル26bからインクが染み出すことによって、振動板265から見たインク重量が増加してイナータンスIntが増加する。また、ノズル26bに付着した紙粉Peの繊維によって音響抵抗Rsが増大し、正常吐出時と比べて周期が大きくなる(周波数が低くなる)という特徴的な残留振動波形として検出することができる(図14の「紙粉付着時L3」参照)。
以上から、振動板265の残留振動の差異によって吐出ヘッド26の吐出異常の状態をその原因別に検出できる。そのために本例では、図8に示す吐出異常検出部753は、圧電素子260の残留振動に起因する起電力を残留振動検出信号Voutとして入力し、その残留振動検出信号Voutに必要な増幅処理及び整形処理を施して生成した状態検出信号NSASを信号線CW1によりASIC73内の吐出状態判別部733へ伝送する。
吐出状態判別部733は、状態検出信号NSASの図14に示す残留振動の周期と振幅のうち少なくとも周期の大小を検出し、上記原因別の残留振動を区別可能な複数の閾値を用いて、正常吐出状態か、気泡、乾燥、紙粉別の吐出異常状態かを判別する。吐出状態判別部733は、吐出異常検出部753の状態検出信号NSASに基づいて検査対象の各吐出部Dの吐出状態が正常であるか異常(気泡、乾燥、紙粉)であるかを判定する。
ここで、吐出部Dが吐出異常の状態にあるときは、ノズル26bからインクを吐出できずに、媒体Pに印刷した画像における画素のドット抜けを生じたり、ノズル26bからインクが吐出されたとしても、インクの量が過少であったり、吐出されたインク滴の飛行方向(飛行経路)がずれたりして適正な位置に着弾しないので、印刷不良の原因となる。
次に図18を参照してフレキシブルフラットケーブル40の構成について説明する。フレキシブルフラットケーブル40(以下、フラットケーブル40ともいう。)は、ASIC73から吐出ヘッド26へ出力される信号や、吐出ヘッド26からASIC73へ出力される信号を伝送するために用いられる。また、フラットケーブル40は、圧電素子260を駆動するための信号を供給するためにも用いられる。詳細は後述するが、吐出ヘッド26へ出力される信号には、前述した印字データSI、ラッチ信号LAT、チャンネル信号CH、及びクロック信号SCKが含まれている。一方、吐出ヘッド26からASIC73へ出力される信号には、温度異常検出信号XHOT及び状態検出信号NSASが含まれる。
このフラットケーブル40は、複数の芯線CW,CW1,CW2を有している。各芯線CW,CW1,CW2は、互いに平行に配置される。フラットケーブル40では、図18にその一部分を示すように、2枚のフラットケーブル40A,40Bが重なった構造となっている。そして、各芯線CW,CW1,CW2は、前述した信号が伝送されたり、グランド電位に設定されたりする。本明細書では、便宜上、信号が伝送される芯線CW,CW1を「信号線CW,CW1」ともいい、グランド電位に設定される芯線CW2を「グランド線CW2」ともいう。なお、信号線CW,CW1には、例えば図18に括弧( )内に示す信号が伝送される。
次に、フラットケーブル40における信号線及びグランド線の配置構造について説明する。フラットケーブル40は、複数の芯線CW,CW1,CW2が平行に配置された2枚のフラットケーブル40A,40Bを重ねた構成となっている。各芯線CW,CW1,CW2は、一定間隔で平行に配置されている。また、2枚のフラットケーブル40A,40Bが重ねられた状態で、フラットケーブル40Aの芯線CW,CW2とフラットケーブル40Bの芯線CW,CW1,CW2とは、互いに重なるように配置される。
図18における芯線CW(SI1)は、1番目のノズル列用の印字データSI1が伝送される信号線である。本例ではノズル26bは1番目から4番目までのノズル列を有するため、フラットケーブル40は、SI1〜SI4用の信号線(但しSI2〜SI4は図示略)を含んでいる。
芯線CW(LAT)はラッチ信号LATが伝送される信号線である。また、芯線CW(CH)はチャンネル信号が伝送される信号線である。同様に、芯線CW(SCK)は転送用のクロック信号SCKが伝送される信号線である。また、芯線CW1(XHOT/NSAS)は、温度異常検出信号XHOTと状態検出信号NSASとが伝送される信号線である。また、芯線CW(VDD)は、ロジック用の電源電圧VDD(例えば3.3V)が供給される電源線である。また、芯線CW(COM)は、駆動信号COMを伝送するための信号線である。なお、その他にもASIC73と吐出ヘッド26間において必要な不図示の信号線がフラットケーブル40には含まれている。そして、他の芯線CW2(GND)は、グランド線である。複数の信号線CW,CW1はグランド線CW2に対して千鳥状に配置され、信号線CW,CW1同士の間にグランド線CW2が配置されている。このように信号線CW,CW1の隣にグランド線CW2を配置することでノイズ対策を行っている。
このように、フラットケーブル40は、多くの信号線CW,CW1及びグランド線CW2を含んでいる。しかしながら、フラットケーブル40に多くの信号線CW,CW1が収容されることとなると、フラットケーブル40の幅及び厚みが増加してしまう。フラットケーブル40の幅及び厚みが増加すると、キャリッジ22を移動させるときの負荷も増加し、キャリッジ22の移動時の消費電力の増加、及びキャリッジ22の移動制御にとっても不都合を生ずる場合がある。そこで、本実施形態では、前述の温度異常検出信号XHOTと状態検出信号NSASを共通の信号線CW1で伝送することとし、信号線の数を極力減らしている。信号線が1本減るとグランド線も1本減らせることになる。また、温度異常検出信号XHOTと状態検出信号NSASとを1つの共通の信号線CW1を用いて伝送されるが、ASIC73は、各検出信号XHOT,NSASを判別して取得する。
図19に示すように、温度異常検出信号XHOTは、温度正常時に低電位(Lレベル)、温度異常時に高電位(Hレベル)をとる2値のデジタル信号である。また、状態検出信号NSASは、圧電素子260が駆動信号COMの印加によって変位した直後の残留振動に応じた起電力に基づく振動波形を電圧値にもつアナログ信号である。そして、ヘッドユニット52の温度異常を検出した場合、温度異常検出信号XHOTは、例えば図19における時刻t1で正常温度検出時の電位から温度異常検出時の電位に切り換わり、高電位と低電位のうち異常を示す一方の電位(例えばHレベル)に維持される。この温度異常検出時の電位は、状態検出信号NSASの最大振幅のときにとりうる電位の範囲と異なる値となっている。図19に示すように、温度異常検出信号XHOTの温度異常時の電位が高電位(Hレベル)である本例では、その高電位は、状態検出信号NSASの最大振幅の最大値よりも大きな値となっている。このため、仮に両検出信号XHOT,NSASが重畳した状態で信号線CW1を伝送されても、例えば状態検出信号NSASの最大振幅の最大値と高電位(Hレベル)との間に閾値を設定し、この閾値を超える電圧が検出された場合は、温度異常検出信号XHOTが温度異常時の高電位にあると判別できる。このような判別方法によって、ASIC73内の駆動信号生成停止部732及び吐出状態判別部733は、1つの共通の信号線CW1を介して入力した信号電位に基づき温度異常を判別している。
次にプリンター11の作用を説明する。以下、図20及び図21を参照して、ヘッド制御部75が行う処理を説明する。
ステップS11において、吐出状態を検出して状態検出信号NSASを出力する。この吐出状態検出は、吐出異常検出部753が行う。すなわち、吐出異常検出部753は、圧電素子260の吐出動作直後の残留振動に基づく起電力を残留振動検出信号Voutとして入力し、必要に応じて適宜に増幅及び波形整形されたアナログ信号からなる状態検出信号NSAS(図19参照)を出力する。この状態検出信号NSASは、図14及び図19に示すように、温度異常検出信号XHOTの異常時の信号電位である高電位(例えば3V)よりも小さな電圧範囲内の値をとる信号である。なお、このステップS11の処理が、吐出異常検出ステップの一例に相当する。
ステップS11において、吐出状態を検出して状態検出信号NSASを出力する。この吐出状態検出は、吐出異常検出部753が行う。すなわち、吐出異常検出部753は、圧電素子260の吐出動作直後の残留振動に基づく起電力を残留振動検出信号Voutとして入力し、必要に応じて適宜に増幅及び波形整形されたアナログ信号からなる状態検出信号NSAS(図19参照)を出力する。この状態検出信号NSASは、図14及び図19に示すように、温度異常検出信号XHOTの異常時の信号電位である高電位(例えば3V)よりも小さな電圧範囲内の値をとる信号である。なお、このステップS11の処理が、吐出異常検出ステップの一例に相当する。
ステップS12では、温度異常検出信号XHOTを出力する。すなわち、温度異常検出部752が温度を検出し、その内部の比較回路であるオペアンプOPがその温度検出値と基準電圧とを比較し、その比較結果をオン/オフで示す温度異常検出信号XHOTを出力する。温度異常検出部752は、温度検出値がその閾値である基準電圧を超えた場合に高電位(Hレベル)の温度異常検出信号XHOTを出力し、温度検出値が基準電圧以下である場合に低電位(Lレベル)の温度異常検出信号XHOTを出力する。こうして温度異常検出信号XHOT及び状態検出信号NSASはフラットケーブル40を介して制御回路51内のヘッドコントローラー72へ出力される。なお、このステップS12の処理が、温度異常検出ステップの一例に相当する。
次に図21を参照して、制御回路51が行う処理について説明する。
ステップS21では、温度異常検出信号XHOTは高電位であるか否かを判定する。この判定は、駆動信号生成停止部732内の不図示の比較回路が、入力した温度異常検出信号XHOTと基準電圧Vrefとを比較することで行う。比較回路は、温度異常検出信号XHOTが高電位であってその電圧値が閾値である基準電圧Vrefを超えると、オン信号(Hレベル)を出力し、一方、温度異常検出信号XHOTが低電圧であってその電圧値が基準電圧Vref以下であれば、オフ信号(Lレベル)を出力する。温度異常検出信号XHOTが低電位(Lレベル)であればステップS22に進み、高電位であればステップS25に進む。
ステップS21では、温度異常検出信号XHOTは高電位であるか否かを判定する。この判定は、駆動信号生成停止部732内の不図示の比較回路が、入力した温度異常検出信号XHOTと基準電圧Vrefとを比較することで行う。比較回路は、温度異常検出信号XHOTが高電位であってその電圧値が閾値である基準電圧Vrefを超えると、オン信号(Hレベル)を出力し、一方、温度異常検出信号XHOTが低電圧であってその電圧値が基準電圧Vref以下であれば、オフ信号(Lレベル)を出力する。温度異常検出信号XHOTが低電位(Lレベル)であればステップS22に進み、高電位であればステップS25に進む。
ステップS22では、状態判別処理を行う。すなわち、吐出状態判別部733が信号線を介して入力した状態検出信号NSASに基づき吐出異常であるか否かを判別する。このとき、吐出状態判別部733は、状態検出信号NSASの波形(図14参照)を解析して、正常吐出状態であるか吐出異常状態であるかを判別する。特に吐出異常状態である場合、吐出状態判別部733は、吐出異常の原因別の種類(図15〜図17参照)も判別する。すなわち、気泡混入に起因する吐出異常か、ノズル26b内のインクの乾燥(増粘を含む)に起因する吐出異常か、紙粉付着による吐出異常かなどを判別する。なお、このステップS22の処理が、状態判別ステップの一例に相当する。
ステップS23では、吐出異常であるか否かを判定する。すなわち、吐出状態判別部733がその判別結果から吐出異常状態であるか否かを判定する。吐出異常であればステップS24に進み、吐出異常でなければ、つまり正常吐出であればそのままCPU71への正常吐出信号の出力を維持する。
ステップS24では、吐出ヘッドのメンテナンスを行う。詳しくは、吐出異常のときは、吐出状態判別部733がCPU71へ吐出異常検出信号を出力する。そして、CPU71は、そのとき実行中のキャリッジ22の走査を終えると、キャリッジモーター25を制御して吐出ヘッド26を例えば媒体Pと対向しない所定位置(フラッシング位置)まで移動させ、印刷とは関係のないインク滴を媒体P以外の所定位置へ吐出させるフラッシングを行う。また、フラッシングを実施した後、まだ吐出異常と判定された場合は、吐出ヘッド26のノズル26bからインクを強制的に吸引排出させるクリーニングを実施する。
ステップS25では、駆動信号生成停止指令を行う。駆動信号生成停止部732が、温度異常検出信号XHOTが高電位であると判定した判定結果として出力された停止指令信号STを駆動信号生成回路74に出力し、駆動信号生成回路74に駆動信号COMの生成を停止させる。なお、このステップS25の処理が、駆動信号生成停止ステップの一例に相当する。
以上詳述した第1実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)ヘッドユニット52は、駆動信号COMを受けて動作してインクを吐出可能な吐出部Dと、吐出部Dの吐出状態を検出して状態検出信号NSASを出力する吐出異常検出部753と、吐出部Dを含むヘッドユニット52の温度異常を検出して温度異常検出信号XHOTを出力する温度異常検出部752とを備える。制御回路51とヘッドユニット52とを接続する配線の一例としてのフラットケーブル40は、状態検出信号NSASと温度異常検出信号XHOTとを出力する信号出力端子52Aに接続された1つの信号線CW1を備える。制御回路51は、駆動信号COMを生成する駆動信号生成回路74と、信号線CW1を介して入力した状態検出信号NSASに応じて吐出部Dの状態を判別する吐出状態判別部733と、信号線CW1を介して入力した温度異常検出信号XHOTに応じて駆動信号生成回路74に駆動信号COMの生成を停止させる駆動信号生成停止部732とを有する。状態検出信号NSASと温度異常検出信号XHOTは、ヘッドユニット52が少なくとも温度異常である場合、互いに異なる範囲の信号電位をとる。よって、状態検出信号NSASと温度異常検出信号XHOTは、互いに異なる範囲の信号電位をとるので、これらの信号NSAS,XHOTが仮に重畳しても判別可能である。よって、1つの信号線CW1を状態検出信号NSASと温度異常検出信号XHOTとに兼用しても、吐出部Dの状態の判別と、温度異常時における駆動信号生成回路74による駆動信号COMの生成停止とを、適切に行うことができる。
(1)ヘッドユニット52は、駆動信号COMを受けて動作してインクを吐出可能な吐出部Dと、吐出部Dの吐出状態を検出して状態検出信号NSASを出力する吐出異常検出部753と、吐出部Dを含むヘッドユニット52の温度異常を検出して温度異常検出信号XHOTを出力する温度異常検出部752とを備える。制御回路51とヘッドユニット52とを接続する配線の一例としてのフラットケーブル40は、状態検出信号NSASと温度異常検出信号XHOTとを出力する信号出力端子52Aに接続された1つの信号線CW1を備える。制御回路51は、駆動信号COMを生成する駆動信号生成回路74と、信号線CW1を介して入力した状態検出信号NSASに応じて吐出部Dの状態を判別する吐出状態判別部733と、信号線CW1を介して入力した温度異常検出信号XHOTに応じて駆動信号生成回路74に駆動信号COMの生成を停止させる駆動信号生成停止部732とを有する。状態検出信号NSASと温度異常検出信号XHOTは、ヘッドユニット52が少なくとも温度異常である場合、互いに異なる範囲の信号電位をとる。よって、状態検出信号NSASと温度異常検出信号XHOTは、互いに異なる範囲の信号電位をとるので、これらの信号NSAS,XHOTが仮に重畳しても判別可能である。よって、1つの信号線CW1を状態検出信号NSASと温度異常検出信号XHOTとに兼用しても、吐出部Dの状態の判別と、温度異常時における駆動信号生成回路74による駆動信号COMの生成停止とを、適切に行うことができる。
(2)状態検出信号NSASはアナログ信号であり、温度異常検出信号XHOTは高電位と低電位とをとる2値の電位からなるデジタル信号である。このため、温度異常検出信号XHOTが温度異常時にとりうる高電位と低電位との2値のうちいずれか一方を、状態検出信号のとりうる電位の範囲と異ならせることが可能になる。よって、制御回路は、温度異常検出信号XHOTと状態検出信号NSASとを電位から判別し、吐出部Dの吐出状態の判別と、温度異常検出信号XHOTに応じた駆動信号生成回路74による駆動信号COMの生成の停止とを、適切に行うことができる。
(3)ヘッドユニット52の温度異常を検出した場合、温度異常検出信号XHOTは、高電位と低電位のうち異常を示す一方に維持される。よって、温度異常検出信号XHOTと状態検出信号NSASとを判別し、吐出部Dの状態の判別と、温度異常検出信号XHOTに応じた駆動信号生成回路74による駆動信号COMの生成の停止とを、適切に行うことができる。
(4)デジタル信号からなる温度異常検出信号XHOTの高電位は、アナログ信号からなる状態検出信号NSASの最大振幅よりも高い電位であるので、両検出信号XHOT,NSASを適切に判別できる。
(5)駆動素子の一例として圧電素子260を用い、吐出部Dは圧電素子260の変位に応じてインクを吐出する構成とし、吐出異常検出部753は、圧電素子260の吐出時の変位に基づく残留振動に基づく起電圧を状態検出信号NSASとする。よって、吐出に使用する圧電素子によって吐出部の状態を検出することもできるので、状態検出のための検出部を別途設ける必要がない。よって、簡単な構成により、吐出部Dの状態の判別と、温度異常時における駆動信号生成回路74による駆動信号COMの生成停止とを、適切に行うことができる。
(6)駆動信号生成回路74が生成した駆動信号COMを受けて動作する駆動素子42の変位に応じてインクを吐出する吐出部Dの状態を検出して状態検出信号NSASを出力する吐出異常検出ステップ(S11)を備える。また、吐出部Dを含むヘッドユニット52の温度異常を検出して状態検出信号NSASと互いに異なる範囲の信号電位をとる温度異常検出信号XHOTを出力する温度異常検出ステップ(S12)を備える。さらに1つの信号線CW1を介して入力した状態検出信号NSASに応じて吐出部Dの状態を判別する状態判別ステップ(S22)と、1つの信号線CW1を介して入力した温度異常検出信号に応じて駆動信号生成回路74における駆動信号COMの生成を停止させる駆動信号生成停止ステップ(S25)とを備える。よって、1つの信号線CW1を状態検出信号NSASと温度異常検出信号XHOTとに兼用しても、吐出部Dの状態の判別と、温度異常時における駆動信号生成回路74による駆動信号COMの生成停止とを、適切に行うことができる。
(第2実施形態)
次に図22及び図23を参照して、第2実施形態について説明する。前記第1実施形態では、温度異常時において2種類の検出信号XHOT,NSASが1つの共通の信号線CW1を伝送される際に重畳したが、この第2実施形態では、2種類の検出信号XHOT,NSASを切り換える切換回路を有する構成である。なお、前記第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付してその説明を省略し、特に異なる構成についてのみ説明する。
次に図22及び図23を参照して、第2実施形態について説明する。前記第1実施形態では、温度異常時において2種類の検出信号XHOT,NSASが1つの共通の信号線CW1を伝送される際に重畳したが、この第2実施形態では、2種類の検出信号XHOT,NSASを切り換える切換回路を有する構成である。なお、前記第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付してその説明を省略し、特に異なる構成についてのみ説明する。
図22に示すように、温度異常検出部752と吐出異常検出部753の各出力端子は、それぞれダイオード94,95を介して切換回路96と接続されている。切換回路96は、1つの信号出力端子52Aへ出力する信号を温度異常検出信号XHOTと状態検出信号NSASとの間で切り換える機能を有している。切換回路96は、温度異常検出信号XHOTの伝送経路を開閉する第1スイッチ97と、状態検出信号NSASの伝送経路を開閉する第2スイッチ98とを備える。第1スイッチ97の制御端子には温度異常検出信号XHOTが入力され、第2スイッチ98の制御端子には温度異常検出信号XHOTがノット回路99で反転された信号が入力される。よって、第1スイッチ97は、温度異常検出信号XHOTが低電位(Lレベル)のときにオフし、高電位(Hレベル)のときにオンする。また、第2スイッチ98は、温度異常検出信号XHOTが低電位(Lレベル)のとき、つまり低電位であるLレベルがノット回路99で反転したHレベルが制御端子に入力されているときにオンし、温度異常検出信号XHOTのHレベルがノット回路99で反転したLレベルが制御端子に入力されているときにオフする。このため、切換回路96は、温度異常検出信号XHOTがLレベルのとき、信号出力端子52Aから状態検出信号NSASを出力し、温度異常検出信号XHOTがHレベルのとき、信号出力端子52Aから状態検出信号NSASを出力せず、これに切り換えて温度異常検出信号XHOTを出力する。
以下、ヘッド制御部75が行う図23に示す検出処理について説明する。
ステップS31において、吐出状態を検出して状態検出信号NSASを出力する。
次のステップS32では、温度異常検出信号XHOTを出力する。これらステップS31,S32の各処理は、第1実施形態における図20のS11,S12の各処理と同様である。
ステップS31において、吐出状態を検出して状態検出信号NSASを出力する。
次のステップS32では、温度異常検出信号XHOTを出力する。これらステップS31,S32の各処理は、第1実施形態における図20のS11,S12の各処理と同様である。
ステップS33では、温度異常検出信号XHOTが高電位であるか否かを判定する。この判定は、本例では、切換回路96内の第1スイッチ97及び第2スイッチ98と、ノット回路99とにより構成される判定回路により行われる。なお、ヘッド制御部75が、温度異常検出信号XHOTが高電位であるか否かを判定する判定処理を行い、その判定結果信号を切換回路96に出力する構成でもよい。
ステップS34では、切換回路から温度異常検出信号XHOTを出力する。切換回路96では、Hレベルの温度異常検出信号XHOTを入力した第1スイッチ97がオンし、温度異常検出信号XHOTを反転したLレベルを入力した第2スイッチ98がオフすることにより、切換回路96は温度異常検出信号XHOTを出力する。例えば温度が正常状態から異常状態になって温度異常検出信号XHOTがLレベルからHレベルに切り換わると、切換回路96の出力が状態検出信号NSASから温度異常検出信号XHOTへ切り換えられる。
ステップS35では、切換回路から状態検出信号NSASを出力する。切換回路96では、Lレベルの温度異常検出信号XHOTを入力した第1スイッチ97がオフし、温度異常検出信号XHOTを反転したHレベルが入力した第2スイッチ98がオンすることにより、切換回路96は温度異常検出信号XHOTを出力することなく、状態検出信号NSASを出力する。このため、1つの信号線CW1を温度異常検出信号XHOTと状態検出信号NSASとが重畳した状態で伝送されることはほぼなくなる。
以上詳述した第2実施形態によれば、第1実施形態で述べた前記(1)〜(6)の効果を同様に得られる他、以下に示す効果を更に得ることができる。
(7)1つの信号出力端子52Aへ温度異常検出信号XHOTを出力するか、状態検出信号NSASを出力するかを切り換える切換回路96を更に備えた。よって、1つの信号出力端子52Aへ温度異常検出信号XHOTを出力するか、状態検出信号NSASを出力するかが切換回路96により切り換えられる。よって、共通の1つの信号線CW1により温度異常検出信号XHOTと状態検出信号NSASとを出力できる。
(7)1つの信号出力端子52Aへ温度異常検出信号XHOTを出力するか、状態検出信号NSASを出力するかを切り換える切換回路96を更に備えた。よって、1つの信号出力端子52Aへ温度異常検出信号XHOTを出力するか、状態検出信号NSASを出力するかが切換回路96により切り換えられる。よって、共通の1つの信号線CW1により温度異常検出信号XHOTと状態検出信号NSASとを出力できる。
なお、上記実施形態は以下のような形態に変更することもできる。
・温度異常検出信号が温度異常時にとる電位を低電位とし、2値のうち低電位(Lレベル)を、状態検出信号のとりうる電位の範囲と異ならせてもよい。
・温度異常検出信号が温度異常時にとる電位を低電位とし、2値のうち低電位(Lレベル)を、状態検出信号のとりうる電位の範囲と異ならせてもよい。
・温度異常検出信号を2値のデジタル信号、状態検出信号を多値のデジタル信号とし、両検出信号のとりうる電位を異ならせてもよい。
・温度異常検出信号をアナログ信号とし、状態検出信号を高電位と低電位とをとる2値のデジタル信号として両検出信号のとりうる電位を異ならせてもよい。また、温度異常検出信号と状態検出信号とを共にアナログ信号とし、両検出信号のとりうる電位を異ならせてもよいし、温度異常検出信号と状態検出信号とを共にデジタル信号とし、両検出信号のとりうる電位を異ならせてもよい。
・温度異常検出信号をアナログ信号とし、状態検出信号を高電位と低電位とをとる2値のデジタル信号として両検出信号のとりうる電位を異ならせてもよい。また、温度異常検出信号と状態検出信号とを共にアナログ信号とし、両検出信号のとりうる電位を異ならせてもよいし、温度異常検出信号と状態検出信号とを共にデジタル信号とし、両検出信号のとりうる電位を異ならせてもよい。
・温度異常検出部の検出対象はヘッド制御部のヘッドドライバーICに限定されない。要するに吐出ユニットの温度異常を検出ものであれば足りる。例えば吐出ヘッド26内のヘッドドライバーIC以外の回路の温度、吐出ヘッド内の空間の温度、吐出ユニット内のフレームの温度、インクカートリッジとノズルとの間を接続するインク流路の温度、さらには吐出ヘッド26の外壁面の温度を検出するものでもよい。また、温度異常検出部は、温度を検出可能な各種の温度センサーを用いることができ、ダイオード式やサーミスター以外のもの、例えば熱電対(例えばサーモバイル)でもよい。
・吐出ヘッド26のノズル26bからインク滴を吐出する吐出駆動方式は、静電駆動方式又は加熱駆動方式でもよい。静電駆動方式の場合、インク室(キャビティー)の一部を形成している振動板に対して所定の間隔で対向電極を対峙させ、振動板及び対向電極の間に、駆動信号生成部が生成した所定波形の駆動電圧パルスからなる駆動信号を印加して、振動板を静電気力によって弾性変位させることで、インク室に連通しているノズルからインク滴を吐出させる。また、加熱駆動方式の場合、駆動素子として、液体を吐出するために利用される熱エネルギーを発生するための電気熱変換素子が用いられ、駆動信号生成部が生成した駆動信号を電気熱変換素子の一例としてのヒーターに印加することで、ヒーターを加熱してその熱によりインク中に発生した膜沸騰時の気泡により吐出部のノズルから液体を吐出する。これらの場合、吐出異常検出部は、振動板又はインク圧力室の残留振動を検出する専用の圧電素子を設け、圧電素子の圧電作用により吐出部の状態を検出して状態検出信号(残留振動検出信号)を出力する。これらの構成であっても、配線の信号線を少なく抑えたり、他の用途に利用したりすることができる。
・配線はフレキシブルフラットケーブルに限定されず、フレキシブル基板(FPC(Flexible printed circuits))でもよい。さらに断面丸型のケーブルでもよいし、複数の信号線を含むケーブルが複数設けられていてもよい。また、FFC又はFPC等の配線は、本体側の制御回路51と吐出ヘッド26との間に吐出ヘッドごとに接続されていてもよい。
・液体吐出装置は、吐出ヘッドが媒体の搬送方向と交差する方向に移動可能で、吐出ヘッドの移動による主走査と媒体の搬送による副走査とを略交互に行って媒体に印刷するシリアルプリンターに限定されず、吐出ヘッドが主走査方向と副走査方向との両方に移動して媒体に印刷するラテラル式プリンターでもよい。ラテラル式プリンターに適用した場合も、同様の効果を得ることができる。また、ラインプリンターに適用してもよい。ラインプリンターの場合、そのラインヘッドは、複数の吐出ヘッドを配列してなるマルチヘッドタイプでもよいし、媒体Pの搬送方向と交差する幅方向に亘る印刷領域の全域に一定のピッチでノズルが配列されてなる複数のノズル列を有する1つの長尺状のラインヘッドを備えた構成でもよい。さらにマルチヘッドタイプにおいて、各吐出ヘッドをノズル列方向が印刷媒体の搬送方向に対して斜めに交差する向きに傾けた状態に配列することで、ノズルの搬送方向と直交する方向のピッチを短くして印刷解像度を高くする構成のものでもよい。この場合、一のノズル列のノズルの搬送方向と直交する方向のピッチ間に、他の一のノズル列のノズルが位置する状態に複数のノズル列を配置し、更なる高解像度を得る構成としてもよい。
・吐出ヘッドに備えられた複数のノズル列は、異なるインク色のものでもよいし、同一のインク色のものでもよい。
・吐出ヘッドは、サイズの異なる複数種のドットを形成するべく、1つの吐出部のノズルから複数種(例えば大中小の3種類)のサイズの液体を吐出する4階調の構成としたが、1種類のサイズの液体を吐出するか吐出しないかを選択する2階調の構成でもよい。さらに、大小の2種類のサイズのインク滴を吐出したり、4種類以上のサイズのインク滴を吐出したりする構成でもよい。
・吐出ヘッドは、サイズの異なる複数種のドットを形成するべく、1つの吐出部のノズルから複数種(例えば大中小の3種類)のサイズの液体を吐出する4階調の構成としたが、1種類のサイズの液体を吐出するか吐出しないかを選択する2階調の構成でもよい。さらに、大小の2種類のサイズのインク滴を吐出したり、4種類以上のサイズのインク滴を吐出したりする構成でもよい。
・吐出ユニット(特にヘッド制御部75)が行う処理及び制御回路51(特にヘッドコントローラー72)が行う処理は、例えばFPGA(field-programmable gate array)やASIC等の電子回路によりハードウェアで実現されることに限定されず。プログラムを実行するコンピューターによりソフトウェアで実現されたり、ソフトウェアとハードウェアとの協働により実現されたりしてもよい。
・前記各実施形態では、液体吐出装置の1つであるインクジェット式プリンターに具体化したが、液体吐出装置に適用する場合、プリンターに限定されず、インク以外の他の液体や、機能材料の粒子が液体に分散又は混合されてなる液状体、ゲルのような流状体を含む)を吐出する液体吐出装置に具体化することもできる。例えば、液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ及び面発光ディスプレイの製造などに用いられる電極材や色材(画素材料)などの材料を分散または溶解のかたちで含む液状体を吐出する液体吐出装置でもよい。また、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を吐出する液体吐出装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を吐出する液体吐出装置であってもよい。さらに、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために熱硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に吐出する液体吐出装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を吐出する液体吐出装置、ゲル(例えば物理ゲル)などの流状体を吐出する流状体吐出装置であってもよい。そして、これらのうちいずれか一種の流体吐出装置に本発明を適用することができる。このように媒体は、素子や配線等がインクジェットで形成される基板でもよい。液体吐出装置が吐出する「液体」には、液体(無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)等を含む)、液状体、流状体などが含まれる。
11…液体吐出装置の一例としてのプリンター、22…キャリッジ、25…キャリッジモーター、26…吐出ヘッド、26b…ノズル、29…ロータリーエンコーダー、30…給送モーター、31…搬送モーター、40…フレキシブルフラットケーブル(フラットケーブル)、42…駆動素子、51…制御回路、52…吐出ユニットの一例としてのヘッドユニット、52A…信号出力端子、72A…信号入力端子、64…エンコーダー、71…CPU、72…ヘッドコントローラー、73…ASIC、74…駆動信号生成部の一例としての駆動信号生成回路、75…ヘッド制御部、76…吐出部群、86…デコーダー、87…アンド回路、88…スイッチ、92…スイッチ、96…切換回路、97…第1スイッチ、98…第2スイッチ、100…ホスト装置、260…圧電素子、731…データ転送部、732…駆動信号生成停止部、733…状態判別部の一例としての吐出状態判別部、751…ヘッド駆動回路、752…温度異常検出部、753…吐出異常検出部、N1〜N4…ノズル列、D…吐出部、CW1…信号線、CW…信号線、COM…駆動信号、LAT…ラッチ信号、CH…チャンネル信号、SIn…印字制御データ、SI…画素データ、SP…定義データ、SCK…クロック信号、PS…選択データ、PD…印刷データ、P…媒体、XHOT…温度異常検出信号、NSAS…状態検出信号、X…走査方向、Y…搬送方向。
Claims (7)
- 液体を吐出可能な吐出ユニットと、前記吐出ユニットを制御する制御回路とが配線を介して接続された液体吐出装置であって、
前記吐出ユニットは、
駆動信号を受けて駆動素子が動作することで液体を吐出可能な吐出部と、
前記吐出部の吐出状態を検出して状態検出信号を出力する吐出異常検出部と、
前記吐出部を含む吐出ユニットの温度異常を検出して温度異常検出信号を出力する温度異常検出部とを備え、
前記配線は、前記状態検出信号と前記温度異常検出信号とを出力する信号出力端子に接続された1つの信号線を備え、
前記制御回路は、
前記駆動信号を生成する駆動信号生成部と、
前記信号線を介して入力した前記状態検出信号に応じて前記吐出部の状態を判別する状態判別部と、
前記信号線を介して入力した前記温度異常検出信号に応じて、前記駆動信号生成部における前記駆動信号の生成を停止させる駆動信号生成停止部と、
を有し、
前記状態検出信号と前記温度異常検出信号は、前記吐出ユニットが少なくとも温度異常である場合、互いに異なる信号電位をとる、
ことを特徴とする液体吐出装置。 - 前記状態検出信号はアナログ信号であり、前記温度異常検出信号は高電位と低電位とをとる2値の電位からなるデジタル信号であることを特徴とする請求項1記載の液体吐出装置。
- 前記吐出ユニットの温度異常を検出した場合、前記温度異常検出信号は、高電位と低電位のうち異常を示す一方に維持されることを特徴とする請求項2に記載の液体吐出装置。
- 前記高電位は、前記状態検出信号の最大振幅のときの最大電位よりも高い電位であることを特徴とする請求項2又は3に記載の液体吐出装置。
- 前記1つの信号出力端子へ出力する信号を前記温度異常検出信号と前記状態検出信号との間で切り換える切換回路を更に備えたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の液体吐出装置。
- 前記駆動素子は圧電素子であり、前記吐出部は前記圧電素子の変位に応じて液体を吐出する構成であり、
前記吐出異常検出部は、前記圧電素子が吐出時に変位した後の残留振動に基づく起電力を前記状態検出信号とすることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の液体吐出装置。 - 駆動信号生成部が生成した駆動信号を受けて動作する駆動素子の変位に応じて液体を吐出する吐出部の状態を検出して状態検出信号を出力する吐出異常検出ステップと、
前記吐出部を含む吐出ユニットの温度異常を検出して前記状態検出信号と互いに異なる範囲の信号電位をとる温度異常検出信号を出力する温度異常検出ステップと、
1つの信号線を介して入力した前記状態検出信号に応じて前記吐出部の状態を判別する状態判別ステップと、
前記1つの信号線を介して入力した前記温度異常検出信号に応じて前記駆動信号生成部における前記駆動信号の生成を停止させる駆動信号生成停止ステップと
を備えたことを特徴とする液体吐出方法。
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-
2015
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