JP2017114950A - 塗膜及び塗膜の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、特許文献1〜4においては、多孔起因材を用いて塗膜中に空孔を導入した多孔体が開示されている。
また、特許文献5〜7においては、多孔起因材を塗膜から抽出することが不要な低屈折率の多孔体を製膜する方法が開示されている。
さらに、特許文献8及び10においては、鎖状のシリカゾル及び球状微粒子を含有する塗布液を用いて得られた、耐擦傷性に優れた反射防止膜が開示されている。
さらにまた、特許文献9においては、機械強度、透明性、耐候性、耐薬品性、光学特性、防汚性、防曇性、及び帯電防止性等に優れた水性高分子分散体を用いた塗膜が開示されている。
またさらに、特許文献11においては、防汚性能に優れたコーティング組成物が記載されている。
また、特許文献5〜7に開示されている方法で得られた多孔体は、機械的強度に乏しいという問題を有している。
さらに、特許文献8及び10に開示されている反射防止膜は、耐候性に改善の余地があるという問題を有している。
さらにまた、特許文献9及び11に開示されている塗膜及びコーティング組成物は、反射防止特性に改善の余地があるという問題を有している。
またさらに、従来一般的な公知のガラスを基材とする反射防止膜は、多湿環境下でガラス内部からアルカリ成分が溶出することが知られており、長期間の環境曝露において、この溶出したアルカリ成分が反射防止膜の空孔に侵入し、反射防止効果を低下させるといった、耐候性に関する問題を有している。
すなわち、本発明は以下の通りである。
シリカを主成分とする塗膜であって、
空孔を有し、
前記空孔の長径の平均値が5〜300nmであり、
前記塗膜の断面の単位断面積あたりにおいて、長径が20nm未満の空孔の数(X)と長径が20nm以上の空孔の数(Y)の比(Y/X)が0.3〜3.0である、塗膜。
〔2〕
前記塗膜の断面の単位断面積あたりにおいて、長径が10nm未満の空孔の数(Z)と長径が20nm以上の空孔の数(Y)の比(Y/Z)が1.0〜10.0である、前記〔1〕に記載の塗膜。
〔3〕
前記塗膜中の前記空孔の体積率が20〜60vol%である、前記〔1〕又は〔2〕に記載の塗膜。
〔4〕
反射防止膜である、前記〔1〕乃至〔3〕のいずれか一に記載の塗膜。
〔5〕
前記〔1〕乃至〔4〕のいずれか一に記載の塗膜の製造方法であって、
シリカ(A)と、重合体エマルジョン粒子(B)と、を、含むコーティング組成物を塗布し、乾燥する工程と、
500℃以上の温度で焼結する工程と、
を、有する、塗膜の製造方法。
〔6〕
前記〔1〕乃至〔4〕のいずれか一に記載の塗膜を含む太陽電池用ガラス。
〔7〕
前記〔1〕乃至〔4〕のいずれか一に記載の塗膜を含む太陽電池モジュール。
〔8〕
前記〔1〕乃至〔4〕のいずれか一に記載の塗膜を含む太陽電池用集光レンズ。
以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜変形して実施できる。
なお、本明細書において「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート及びそれに対応するメタクリレートの両方を意味する。また、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸及びそれに対応するメタクリル酸の両方を意味する。
本実施形態の塗膜は、
シリカを主成分とする塗膜であって、
空孔を有し、
前記空孔の長径の平均値が5〜300nmであり、
前記塗膜の断面の単位断面積あたりにおいて、長径が20nm未満の空孔の数(X)と長径が20nm以上の空孔の数(Y)の比(Y/X)が0.3〜3.0である。
なお、「主成分」とは、塗膜中の70質量%以上であることを意味し、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上である。
本実施形態の塗膜は、当該塗膜中に空孔を有している。
空孔の形状は、球状、略球状、楕円状、多面体状、針状、板状、繊維状、不定形状等のいずれでもよい。特に不定形状の空孔であることが、塗膜の膜厚が不均一の場合においても、面積当たりの透光性能がムラになり難く好ましい。
空孔の形状は電子顕微鏡で直接観察された空孔の写真から特定することができる。
本実施形態の塗膜が有する空孔は、その長径の平均値が5〜300nmであり、好ましくは5〜150nmであり、より好ましくは10〜100nmである。
空孔は、長径(L)が5≦L≦300nmの範囲で、様々なサイズの空孔が存在することが好ましく、さらには長径(L)が5≦L≦150nmの範囲で様々なサイズの空孔が存在することが好ましい。
空孔の長径の平均値は、後述する実施例に記載する方法により測定することができる。
空孔サイズを上記数値範囲に制御する方法としては、後述する塗膜を形成するために用いるコーティング組成物の成分であるシリカ(A)や重合体エマルジョン粒子(B)の粒子径や後述する加水分解性珪素化合物(C)の添加量を制御したり、これらの添加順序の調整、コーティング組成物作製時の撹拌条件、後処理の調整等の手段を制御したりする方法等が挙げられる。
具体的には、塗膜断面の単位断面積あたりにおいて、長径が20nm未満の空孔の数(X)と長径が20nm以上の空孔の数(Y)の比(Y/X)が0.3〜3.0である。これにより高い反射防止性能と高い硬度の発現を両立させることができ、特に、高温高湿雰囲気に晒した後でも反射防止性能が大きく変わらないという優れた性能が得られる。好ましくは(Y/X)は0.4〜2.5であり、より好ましくは0.5〜2.0である。
更に、長径が10nm未満の空孔の数(Z)と長径が20nm以上の空孔の数(Y)の比(Y/Z)が1.0〜10.0であることが好ましく、より好ましくは1.5〜8.5であり、さらに好ましくは2.0〜8.0である。
空孔のサイズ分布は、後述する実施例に記載する方法により測定することができる。
本実施形態の塗膜が有する空孔の体積率は、反射防止性能及び硬度の観点から20〜60vol%であることが好ましい。より好ましくは35〜60vol%であり、さらに好ましくは40〜55vol%である。
本実施形態の塗膜における空孔の体積率は、塗膜の屈折率から算出することができる。
具体的には、本実施形態の塗膜が主成分として含有するシリカの屈折率1.46と、空孔、すなわち空気の屈折率1を用い、塗膜の屈折率から以下の式(1)を用いて空孔の体積率を求めることができる。
(空孔の体積率)=(1.46−(塗膜の屈折率))/(1.46−1)×100・・・(1)
塗膜の屈折率は、例えば反射分光膜厚計を用いることにより得ることができる。
空孔の体積率が前記範囲とするためには、後述するシリカの平均粒子径や量、重合体エマルジョン粒子の平均粒子径や量を調整する、あるいはコーティング組成物作製時の各成分の添加順序や混合条件を調整する等の方法が挙げられる。
本実施形態の塗膜は、反射防止膜として利用でき、塗膜の膜厚は、充分な反射防止性能が生じさせる観点から、50nm以上150nm以下であることが好ましく、80nm以上130nm以下であることがより好ましい。
膜厚が50nm以上であることにより、膜の強度が十分に保たれる傾向にあり、膜厚が150nm以下であることで、反射防止性能が均一となり、均一なコーティング膜が得られる傾向にある。
膜厚がこのような範囲にある塗膜を得るためには、塗装速度を調整すればよい。
膜厚は、断面を電子顕微鏡で測定したり、光学エリプソメーターや反射分光膜厚計により薄膜の干渉による反射光を測定して計算により求めることができる。
本実施形態の塗膜は、
シリカ(A)と、重合体エマルジョン粒子(B)とを含むコーティング組成物を塗布し、乾燥する工程と、
500℃以上の温度で焼結する工程と、
を、有する。
すなわち、本実施形態の塗膜は、シリカ(A)及び重合体エマルジョン粒子(B)を含むコーティング組成物を塗布し、乾燥して形成される前駆体を、500℃以上の温度で焼結することにより形成されたものである。
本実施形態の塗膜は、シリカ(A)及び重合体エマルジョン粒子(B)を含むコーティング組成物を用いることにより、シリカ(A)と重合体エマルジョン粒子(B)とのヘテロ凝集、又はシリカ(A)同士の凝集を形成させることができる。
また、焼結により重合体エマルジョン粒子(B)が除去される結果、空孔が形成される。
本実施形態の塗膜は、前記コーティング組成物中に、後述する加水分解性珪素化合物(C)をさらに含むことが好ましい。
また、コーティング組成物には、加水分解触媒、縮合触媒としての酸を添加してもよく、これらの酸を添加する場合には、配合安定性の観点から、シリカ(A)及び重合体エマルジョン粒子(B)を混合して混合物を得た後に、当該混合物に酸を添加することが好ましい。
また、シリカ(A)に対して、シリカ(A)の等電点まで酸を添加して凝集させた後に、塩基で中和して安定化し、その後に重合体エマルジョン粒子(B)を加えて混合物を得てもよい。
固形分を15質量%以下含むことにより、乾燥後の塗膜において所望の膜厚に制御することが容易となる傾向にあり、固形分を0.1質量%以上含むことで、所望の乾燥膜厚を得るためにコーティング組成物を厚く塗装する必要がないため、膜厚の制御が容易になる傾向にある。
コーティング組成物の粘度をこのような範囲に制御するためには、シリカ(A)の量、重合体エマルジョン粒子(B)の量や、用いる溶媒の種類を調整したり、公知の増粘剤や表面張力調整剤を用いて調整したりする方法が挙げられる。
コーティング組成物の粘度は、公知の粘度計により測定することができる。
また、後述する焼結工程により、コーティング組成物は、重合体エマルジョン粒子(B)成分が除去されて空孔(M)が形成され、シリカ(A)の粒子間の空孔として空孔(N)が形成される。これにより、コーティング組成物から、空孔を有するコーティング膜が得られる。
シリカ(A)は、球状のシリカ(a1)及び/又はアスペクト比(長径/短径)が3〜25の非球状のシリカ(a2)を含むことが好ましい。
ここで、前記球状のシリカ(a1)とは、アスペクト比(長径/短径)が3未満の粒子状態で存在しているシリカ(A)をいう。
なお、アスペクト比は、一次粒子そのもので存在しているものについては、一次粒子のアスペクト比を、また、凝集粒子として存在しているものについては、凝集粒子のアスペクト比を指す。
前記球状のシリカ(a1)は、一次粒子であってもよく、凝集粒子であってもよい。
球状のシリカ(a1)が凝集粒子である場合には、その形状は完全な球である必要はなく、例えば、角部を有していてもよい。
なお、短径及び長径とは、各々順に、シリカ(A)粒子に外接する面積が最小となる外接長方形の短辺及び長辺に相当するものである。
前記コーティング組成物においては、後述する加水分解性珪素化合物(C)を含む場合、加水分解性珪素化合物(C)のシラノール基と前記シリカ(A)の表面に存在する水酸基との間に水素結合が形成される。これにより、前記コーティング組成物から得られる塗膜は、機械的強度がより増加する。なお、加水分解性珪素化合物(C)については下記に詳述する。
すなわち、球状のシリカ(a1)の粒子が100個以上200個以下を写るように調整して撮影した透過型顕微鏡(TEM)写真の中に存在している、シリカ(a1)の粒子径(二軸平均径、すなわち、短径と長径との平均値)を測定し、これらの各粒子径の平均を求めることにより決定する。
具体的に、球状のシリカ(a1)の数平均粒子径は、後述の実施例に記載する方法により測定することができる。
非球状のシリカ(a2)は、上述したようにアスペクト比(長径/短径)が3以上25以下であり、3以上15以下であることが好ましく、3以上10以下であることがより好ましい。
また、非球状のシリカ(a2)の長径の平均(平均長径)は、20nm以上250nm以下であることが好ましく、30nm以上150nm以下であることがより好ましく、40nm以上100nm以下であることがさらに好ましい。
アスペクト比が3以上であり、平均長径が20nm以上であることで、適当な空孔率及び屈折率を得られる傾向にある。また、アスペクト比は25以下であり、平均長径は250nm以下であることで、透明性及び反射防止性能に優れる傾向にある。アスペクト比及び平均長径がこのような範囲にある非球状のシリカ(a2)を得るためには、シリカ(A)を公知のゾルゲル法で製造することが有効である。
非球状のシリカ(a2)の数平均粒子径は、上述したシリカ(a1)の平均粒子径の測定方法と同様の方法により測定することができる。具体的に非球状のシリカ(a2)の数平均粒子径は、後述の実施例に記載する方法により測定することができる。
また、非球状のシリカ(a2)の平均長径は、非球状のシリカ(a2)の粒子が100個以上200個以下写るように調整して撮影した透過型顕微鏡(TEM)写真の中に存在しているシリカ(a2)の長径を測定し、当該測定された各長径の平均を求めることにより得られる。
本実施形態の塗膜の機械的強度と反射防止効果を向上させる観点から、非球状のシリカ(a2)に対する球状のシリカ(a1)の混合比率((a1/a2)、質量比)は1/40以上1/1以下が好ましく、1/20以上1/3以下がより好ましく、1/10以上1/3以下がさらに好ましい。
本実施形態の塗膜を形成するコーティング組成物は、重合体エマルジョン粒子(B)を含む。
重合体エマルジョン粒子(B)を構成する重合体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリ(メタ)アクリレート系、ポリ(メタ)アクリレート−シリコーン系共重合体、ポリビニルアセテート系、ポリブタジエン系、ポリ塩化ビニル系、塩素化ポリプロピレン系、ポリエチレン系、ポリスチレン系、ポリスチレン−(メタ)アクリレート系共重合体、ロジン系誘導体、スチレン−無水マレイン酸共重合体のアルコール付加物から構成される重合体が挙げられる。
また、重合体エマルジョン粒子(B)は、水及び乳化剤の存在下で、加水分解性珪素化合物(b1)と、2級及び/又は3級アミド基を有するビニル化合物(b2)とを重合して得たものであることがより好ましい。
重合体エマルジョン粒子(B)の数平均粒子径を上記範囲に調整することにより、耐候性、耐薬品性、光学特性、防汚性、防曇性、帯電防止性等がより一層優れた塗膜を形成することができる。また、重合体エマルジョン粒子(B)の数平均粒子径は、後述の実施例に記載する方法により測定することができる。
この場合、コーティング組成物から得られる本実施形態の塗膜は機械的強度が向上するために好ましい。
SiWxRy ・・・(2)
(式(2)中、Wは炭素数1〜20のアルコキシ基、水酸基、炭素数1〜20のアセトキシ基、ハロゲン原子、水素原子、炭素数1〜20のオキシム基、エノキシ基、アミノキシ基、及びアミド基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を表す。Rは、直鎖状又は分岐状の炭素数が1〜30個のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、及び置換されていないか又は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基若しくはハロゲン原子で置換されている炭素数6〜20のアリール基からなる群より選ばれる少なくとも1種の炭化水素基を表す。xは1以上4以下の整数であり、yは0以上3以下の整数である。また、x+y=4である。)
また、上記の加水分解性珪素化合物(b1)の中で、3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリn−プロポキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、2−トリメトキシシリルエチルビニルエーテル等のビニル重合性基を有するシランカップリング剤、及び3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のチオール基を有するシランカップリング剤は、上述した2級及び/又は3級アミド基を有するビニル化合物(b2)と共重合又は連鎖移動反応して化学結合を生成することができ、耐候性、耐薬品性、光学特性、強度等がさらに優れる塗膜を形成できるため、好ましい。
加水分解性珪素化合物(b1)としては、上述した各種化合物の他、ビニル重合性基又はチオール基を有するシランカップリング剤を、単独で又は上述した珪素アルコキシド、その他のシランカップリング剤、及びそれらの縮合生成物と混合又は複合化させたものを用いることができる。
また、これらの加水分解性珪素化合物(b1)は、1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
当該3級アミドを有するビニル化合物(b2)の中でも、N,N−ジエチルアクリルアミドは、水及び乳化剤の存在下における重合安定性に優れるとともに、加水分解性珪素化合物(b1)の重合生成物の水酸基及びシリカ(A)の水酸基と強固な水素結合を形成することが可能となる傾向にあるため、より好ましい。
前記ビニル重合性基やチオール基を有するシランカップリング剤である加水分解性珪素化合物(b1)の配合量は、重合安定性の観点から、2級及び/又は3級アミド基を有するビニル化合物(b2)100質量部に対して、0.1質量部以上100質量部以下であることが好ましく、0.5質量部以上50質量部以下であることがより好ましく、0.5質量部以上5質量部以下であることがさらに好ましい。
ビニル化合物(b3)としては、具体的には、(メタ)アクリル酸エステル、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物;カルボキシル基含有ビニル化合物、水酸基含有ビニル化合物、エポキシ基含有ビニル化合物、カルボニル基含有ビニル化合物のような官能基を含有する化合物が挙げられる。水酸基含有ビニル化合物を用いると、シリカ(A)とビニル化合物(b2)との水素結合力を制御することが容易となるとともに、重合体エマルジョン粒子(B)の水分散安定性を向上させることが可能となる傾向にあるため、好ましい。
アルキル部の炭素数が1〜50の(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸メチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ドデシルが挙げられる。エチレンオキシド基の数が1〜100個の(ポリ)オキシエチレンジ(メタ)アクリレートとしては、ジ(メタ)アクリル酸エチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、メトキシ(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸テトラエチレングリコールが挙げられる。
芳香族ビニル化合物としては、スチレン、ビニルトルエンが挙げられる。
シアン化ビニル化合物としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリルが挙げられる。
なお、上記(b2)は、ビニル化合物(b2)の質量を、上記(b3)は、ビニル化合物(b3)の質量を表す。
カルボキシル基含有ビニル化合物の配合量(複数のカルボキシル基含有ビニル化合物を使用する場合には、その合計量)は、耐水性の観点から、重合体エマルジョン粒子(B)を構成する全ビニル化合物全量((b2)+(b3)、100質量%)に対して、0質量%以上50質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上10質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以上5質量%以下であることがさらに好ましい。
前記ビニル化合物(b3)として、水酸基ビニル化合物を用いると、シリカ(A)と2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)との水素結合力を制御することが容易となると共に、重合体エマルジョン粒子(B)の水分散安定性を向上させることが可能となる。
水酸基含有ビニル化合物の配合量は、重合体エマルジョン粒子(B)を構成する全ビニル化合物全量((b2)+(b3)、100質量%)に対して、0質量%以上80質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上50質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以上10質量%以下であることがさらに好ましい。
カルボニル含有ビニル化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ダイアセトンアクリルアミドが挙げられる。
エポキシ基含有ビニル化合物、及び/又はカルボニル基含有ビニル化合物を使用すると、重合体エマルジョン粒子(B)が反応性を有するものとなり、ヒドラジン誘導体、カルボン酸誘導体及びイソシアネート誘導体等により架橋させることによって耐溶剤性等の優れた塗膜の形成が可能となる。
エポキシ基含有ビニル化合物、及びカルボニル基含有ビニル化合物の配合量は、重合体エマルジョン粒子(B)を構成する全ビニル化合物全量((b2)+(b3)、100質量%)に対して、0質量%以上50質量%以下が好ましい。
乳化剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルスルホン酸、アルキルスルホコハク酸、ポリオキシエチレンアルキル硫酸、ポリオキシエチレンアルキルアリール硫酸、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテルスルホン酸等の酸性乳化剤;酸性乳化剤のアルカリ金属(Li、Na、K等)塩、酸性乳化剤のアンモニウム塩、脂肪酸石鹸等のアニオン性界面活性剤;アルキルトリメチルアンモニウムブロミド、アルキルピリジニウムブロミド、イミダゾリニウムラウレート等の四級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩型のカチオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテル等のノニオン型界面活性剤、ラジカル重合性の二重結合を有する反応性乳化剤が挙げられる。
これらの乳化剤の中で、ラジカル重合性の二重結合を有する反応性乳化剤は、重合体エマルジョン粒子(B)の水分散安定性がより一層良好になるとともに、耐水性、耐薬品性、光学特性、強度等に優れた塗膜を形成することができる傾向にあるため、好ましい。
スルホン酸基のアンモニウム塩、ナトリウム塩又はカリウム塩である基により一部が置換されたコハク酸基を有する化合物としては、アリルスルホコハク酸塩が挙げられる。
また、市販品としては、エレミノールJS−2(商品名)(三洋化成(株)製)、ラテムルS−120、S−180A又はS−180(商品名)(花王(株)製)が挙げられる。
スルホン酸基のアンモニウム塩、ナトリウム塩又はカリウム塩である基により一部が置換された、炭素数2〜4のアルキルエーテル基又は炭素数2〜4のポリアルキルエーテル基を有する化合物としては、アクアロンHS−10又はKH−1025(商品名)(第一工業製薬(株)製)、アデカリアソープSE−1025N又はSR−1025(商品名)(旭電化工業(株)製)が挙げられる。
加水分解性珪素化合物(b1)の重合触媒としては、重合に用いる成分等に応じて適宜選択できるため、特に限定されるものではないが、例えば、塩酸、フッ酸等のハロゲン化水素類、酢酸、トリクロル酢酸、トリフルオロ酢酸、乳酸等のカルボン酸類;硫酸、p−トルエンスルホン酸等のスルホン酸類;アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルスルホン酸、アルキルスルホコハク酸、ポリオキシエチレンアルキル硫酸、ポリオキシエチレンアルキルアリール硫酸、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテルスルホン酸等の酸性乳化剤類;酸性又は弱酸性の無機塩、フタル酸、リン酸、硝酸のような酸性化合物類;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラート、酢酸ナトリウム、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、トリブチルアミン、ジアザビシクロウンデセン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、エタノールアミン類、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)−アミノプロピルトリメトキシシランのような塩基性化合物類;ジブチル錫オクチレート、ジブチル錫ジラウレートのような錫化合物が挙げられる。
これらの中で、重合触媒のみならず乳化剤としての作用を有する観点から、酸性乳化剤類が好ましく、炭素数が5〜30のアルキルベンゼンスルホン酸がより好ましい。
ビニル化合物(b2)の重合触媒としては、以下に限定されるものではないが、例えば、水溶性又は油溶性の過硫酸塩、過酸化物、アゾビス化合物が挙げられる。
より具体的には、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、t−ブチルヒドロパーオキシド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、2,2−アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビス(2−ジアミノプロパン)ヒドロクロリド、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)が挙げられる。
上述したように、重合体エマルジョン粒子(B)は、水及び乳化剤の存在下で加水分解珪素化合物(b1)と2級及び/又は3級アミド基を有するビニル化合物(b2)、さらには必要に応じて前記ビニル化合物(b2)と共重合可能な他のビニル化合物(b3)を用いて、この好ましくは重合触媒下で重合することにより得ることができる。
また、得られる塗膜の透明性が向上する観点から、5nm以上200nm以下であることがより好ましく、10nm以上150nm以下であることがさらに好ましく、20nm以上100nm以下であることがさらにより好ましい。
このような数平均粒子径の重合体エマルジョン粒子(B)を得る方法としては、特に限定されないが、乳化剤がミセルを形成するのに十分な量の水の存在下で、加水分解性珪素化合物(b1)及び2級及び/又は3級アミド基を有するビニル化合物(b2)を重合する、いわゆる乳化重合によって、重合体エマルジョン粒子(B)を合成する方法が挙げられる。
前記重合体エマルジョン粒子(B)の乳化重合方法としては、加水分解性珪素化合物(b1)と、2級及び/又は3級アミド基を有するビニル化合物(b2)と、必要に応じてビニル化合物(b3)とを、そのまま又は乳化した状態で、一括、分割、又は連続的に反応容器中に滴下した後、上記の重合触媒の存在下、好ましくは大気圧から必要により10MPaまでの圧力下、及び約30℃以上150℃以下の反応温度の条件下で重合させる方法が挙げられる。なお、これらの圧力と反応温度は適宜変更してもよい。
なお、シェル層とは、最も外側の層を示し、シェル層以外の層がコア層である。
さらには、コア層の柔軟性とシェル層の柔軟性が異なることが好ましく、シェル層の柔軟性がコア層の柔軟性よりも高いことがより好ましい。シェル層の柔軟性がコア層の柔軟性より高いことにより、所望の塗膜を効率よく製造できる傾向にある。
コア層とシェル層の柔軟性を制御するためには、加水分解性珪素化合物(b1)として、加水分解性官能基を3個以上含む加水分解性珪素化合物(b1−3)(以下、単に「加水分解性珪素化合物(b1−3)」ともいう。)を用い、加水分解性珪素化合物(b1−3)の前記2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)と全加水分解性珪素化合物(b1)の合計量に対する質量比率を規定することが好ましい。
また、当該加水分解性珪素化合物(b1)は、加水分解性官能基を3個以上含む加水分解性珪素化合物(b1−3)を含むことが好ましい。
さらに、下記式(3)中の「0.20」を「0.35」とした下記式(3)を満足することがより好ましい。
下記式(3)を満足することで、塗膜強度が向上する傾向にある。
((b11−3)/((b11)+(b12)))≧0.20 ・・・(3)
(式(3)中で、(b11−3)は、コア層に含まれる加水分解性珪素化合物(b1−3)に由来する成分の質量を表し、(b11)は、コア層に含まれる全加水分解性珪素化合物(b1)に由来する成分の質量を表し、(b12)は、コア層に含まれるビニル化合物(b2)に由来する成分の質量を表す。)
((b21−3)/((b21)+(b22)))≦((b11−3)/((b11)+(b12))) ・・・(4)
(式(4)中で、(b21−3)は、シェル層に含まれる加水分解性珪素化合物(b1−3)に由来する成分の質量を表し、(b21)は、シェル層に含まれる全加水分解性珪素化合物(b1)に由来する成分の質量を表し、(b22)は、シェル層に含まれるビニル化合物(b2)に由来する成分の質量を表し、(b11−3)は、コア層に含まれる加水分解性珪素化合物(b1−3)に由来する成分の質量を表し、(b11)は、コア層に含まれる全加水分解性珪素化合物(b1)に由来する成分の質量を表し、(b12)は、コア層に含まれるビニル化合物(b2)に由来する成分の質量を表す。)
すなわち、塗膜は、当該焼結によって、重合体エマルジョン粒子(B)の全て又は一部を除去され、空孔(M)が形成されている。
その際に、重合体エマルジョン粒子(B)の周囲のシリカ(A)の層の縮合が急激に進み、塗膜全体が収縮する。ここで、重合体エマルジョン粒子(B)の柔軟性の異なるコア層とシェル層が存在することで、塗膜の収縮が緩和され、空孔(M)の崩壊を抑制しながらコーティング膜を形成することができる。
その結果、空孔(M)を保持しながら、当該空孔(M)の周囲に密な空孔(N)が効率的に形成され、高い反射防止性能と強度とを発現することが可能となる。なお、「周囲」とは、空孔(M)の表面に直接接触しているか、あるいは、化学的に相互作用できる程度の距離で存在することを意味する。また、塗膜を形成する基材界面と、塗膜中の空孔(M)が直接接することが抑制される。これは、重合体エマルジョン粒子(B)が塗膜の収縮を緩和することにより、空孔(M)が押しつぶされて基材と接触してしまうことを抑制するためと考えられる。
加水分解性珪素化合物(b1−3)としては、以下に限定されるものではないが、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン等のテトラアルコキシシラン類;メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−ペンチルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘプチルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフロロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフロロプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−ヒドロキシエチルトリメトキシシラン、2−ヒドロキシエチルトリエトキシシラン、2−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、2−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン、3−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、3−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアナートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリn−プロポキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリイソプロポキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等のトリアルコキシシラン類が挙げられる。
本実施形態の塗膜は、上述したシリカ(A)、重合体エマルジョン粒子(B)に加え、重合体エマルジョン粒子(B)の重合に用いられる加水分解性珪素化合物とは区別して、加水分解性珪素化合物(C)をさらに含有することが好ましい。
加水分解性珪素化合物(C)を含む場合は、加水分解性珪素化合物(C)が有するシラノール基とシリカ(A)の表面に存在する水酸基との間の縮合反応により結合を形成したり、又は加水分解性珪素化合物(C)とシリカ(A)との間に水素結合を形成したりする。これらにより、上記コーティング組成物から得られる塗膜は、機械的強度がより増加する傾向にある。
本実施形態の塗膜は、シリカ(A)と、加水分解性珪素化合物(C)と、に起因する表面親水性を有する場合に、親水性の汚れに対して防汚効果を有する。すなわち、雨水によって汚れを洗い流す防汚効果を有する。
なお、上述した加水分解性珪素化合物(b1)は、重合体エマルジョン粒子(B)を構成する成分であり当該重合体エマルジョン粒子(B)成分中に一体として組み込まれている。よって、重合体エマルジョン粒子(B)と別個独立して添加される加水分解性珪素化合物(C)は、加水分解性珪素化合物(b1)とは明確に区別される。
(式(5)中、R1は水素原子、ハロゲン基、ヒドロキシ基、メルカプト基、アミノ基、(メタ)アクリロイル基、及びエポキシ基からなる群より選ばれるいずれかを有してもよい、炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基を表す。Xは、加水分解性基を表し、nは0〜3の整数である。)
(式(6)中、X3は加水分解性基を表し、R2は炭素数1〜6のアルキレン基又はフェニレン基を表す。nは0又は1である。)
(式(7)中、R3は炭素数1〜6のアルキル基を表す。nは2〜8の整数である。)
シリカ(A)と加水分解性珪素化合物(C)の質量(以下、単に「(C)」ともいう。)との質量比率((A):(C))は、強度の観点から、1:0.05〜1:5であることが好ましく、1:0.1〜1:3であることがより好ましく、1:0.5〜1:2であることがさらに好ましい。
シリカ(A)と加水分解性珪素化合物(C)との質量比率((A):(C))は、機械的強度、耐候性の観点から、1:0.05以上であることが好ましい。また、((A):(C))は、空孔率を高め、塗膜を低屈折率とする観点から、1:5以下が好ましい。なお、加水分解性珪素化合物(C)の質量とは、加水分解性珪素化合物(C)が加水分解、縮合した後のSiO2換算での質量であるものとする。
また、塗膜は、加水分解縮合物(C’)が、重合体エマルジョン粒子(B)が塗膜中で焼結されて生成する重合体粒子(B’)(以下、単に「重合体粒子(B’)」という。)の表面に結合し、非球状のシリカ(a2)が重合体粒子(B’)の表面に直接又は球状のシリカ(a1)を介して結合し、空孔(M)を形成される構造体を有していることが好ましい。
さらには、非球状のシリカ(a2)が重合体粒子(B’)の表面に直接又は球状のシリカ(a1)を介して間接に結合している構造体は、加水分解縮合物(C’)に被覆され、重合体粒子(B’)に固定化されたコーティング組成物を介して空孔(M)が形成されていることがより好ましい。このような構造を有するコーティング膜は、反射防止膜として、優れた機械的強度及び耐候性を発揮する傾向にある。
本実施形態の塗膜は、所定の基材上に形成されている。
基材は、本実施形態の塗膜の用途に応じて、種々選択可能である。基材としては、以下に限定されるものではないが、例えば、合成樹脂、天然樹脂等の有機基材、ガラス等の無機基材や、それらの組み合わせがいずれも適用でき、具体的には、太陽電池用の部材(ガラス、及びモジュール等)、太陽電池用集光レンズ、光電池、液晶ディスプレイ、メガネ、窓ガラス、テレビ塔、光透過性の向上及び/又は映り込みの防止を必要としている各種の部材が挙げられる。
その他、太陽光発電用保護材、集光型太陽光発電用ミラー、太陽熱発電用ミラー、太陽熱発電用集光ガラス、建築物、鋼構造物、建材、モルタル、コンクリート、プラスチック、自動車等も基材として挙げられる。
本実施形態の塗膜の製造方法におけるコーティング組成物の塗布工程においては、シリカ(A)と重合体エマルジョン粒子(B)とを含むコーティング組成物を所定の基材に塗布する。
コーティング組成物を基材に塗布する方法として、以下に限定されるものではないが、例えば、スプレー吹き付け法、フローコーティング法、ロールコート法、刷毛塗り法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、スクリーン印刷法、キャスティング法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法等が挙げられる。
生産性の観点からは、ロールコート法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法が好ましい。また、大判の基材上へ塗装する目的では、ロールコート法が好ましい。
本実施形態の塗膜の製造方法における乾燥工程においては、コーティング組成物を乾燥させる。つまりは、上記のようにコーティング組成物を基材上に塗布した後、乾燥させ、コーティング組成物に含まれ得る溶剤を脱揮する。
乾燥方法として、以下に限定されるものではないが、例えば、自然乾燥、冷風乾燥、熱風乾燥、赤外線乾燥等、これらの組み合わせが挙げられる。
乾燥温度としては、5℃以上700℃以下が好ましく、10℃以上300℃以下がより好ましく、20℃以上200℃以下がさらに好ましく、25℃以上80℃以下がさらにより好ましい。
本実施形態の塗膜の製造方法における焼結工程においては、コーティング組成物を500℃以上の温度で焼結する。つまりは、塗布したコーティング組成物を、空孔形成工程として、500℃以上の温度で焼結する。焼結する温度は、500℃以上800℃以下が好ましく、600℃以上700℃以下がより好ましい。さらに、高圧水銀灯等の紫外線照射等の処理を同時又は直列に行うことで焼結してもよい。
表面水接触角が40°以下であることで、親水性の汚れを防ぐ効果がある傾向にあり、40°以上であると親油性の汚れがふき取りやすくなる傾向にある。
本実施形態の塗膜は、透明性、反射防止特性、耐久性に優れているため、太陽電池用コーティング膜として用いることできる。
すなわち、太陽電池用ガラスの塗膜、太陽電池モジュール用の塗膜、太陽電池用集光レンズの塗膜として適用できる。
これらの塗膜とすることにより、太陽電池の出力の向上が図られ、長期にわたり高い出力を維持することができる太陽電池が得られる。
後述する合成例、実施例及び比較例における、各種の物性の測定及び評価は、下記の方法で測定及び評価した。
((物性1)シリカ(A)の数平均粒子径(nm))
後述する実施例及び比較例で用いたシリカ(A)について、50,000〜100,000倍に拡大し、球状のシリカ(A)の粒子が100個〜200個写るように調整して透過型顕微鏡を用いて、写真を撮影した。
次いで、撮影された各シリカ(A)の粒子径(長径と短径)を測定し、それらの平均値((長径+短径)/2)を求めた。シリカ(A)粒子100個〜200個に対する平均値を算出し、数平均粒子径とした。
後述する合成例により製造した重合体エマルジョン粒子(B)の数平均粒子径を、動的光散乱式粒度分布測定装置(日機装社製、商品名マイクロトラックUPA)により測定した。
重合体エマルジョン粒子(B)のコア層における、加水分解性官能基を3つ以上含む加水分解性珪素化合物(b1−3)に由来する成分の質量(b11−3)の、ビニル化合物(b2)に由来する成分の質量(b12)と全加水分解性珪素化合物(b1)に由来する成分の質量(b11)との合計量に対する割合すなわち、((b11−3)/((b11)+(b12))を算出した。これを、表1及び表2中において、「質量比率 コア層」に示した。
また、シェル層における、加水分解性官能基を3つ以上含む加水分解性珪素化合物(b1−3)に由来する成分の質量(b21−3)の、ビニル化合物(b2)に由来する成分の質量(b22)と全加水分解性珪素化合物(b1)に由来する成分の質量(b21)との合計量に対する割合、すなわち((b21−3)/((b21)+(b22))を算出した。これを、表1及び表2中において、「質量比率 シェル層」に示した。
後述する実施例及び比較例で製造した試験板を金づちで破壊し、破壊した試験板の断面を、走査型電子顕微鏡(日立製作所社製商品名「S−5500」)を用いて観察し、測定した。
試料台に試験板を固定した後に、イオンスパッタによって試験板断面をPtコーティング(約3nmの厚み)した。
次いで、ナフタレンコータを用いて、コーティングした表面にナフタレン保護膜(約200nmの厚み)を付与した。
その後、FIB加工装置でAR層のマイクロサンプリング加工を実施し、加工片をピックアップした。
ピックアップした加工片をグリッドに固定し、薄片化加工(約100nmt)した後に検鏡試料とした。
測定倍率は100,000倍とし、得られる像より、コーティング膜中の空孔を特定した。
さらに測定倍率は100,000倍とし、得られる像の幅1250nmの範囲の膜中に存在する全ての空孔の長径を測定し、長径の平均値(平均長径サイズ)を算出した。
また、長径が20nm以上の空孔の数(Y)と長径が20nm未満の空孔の数(X)をカウントした。
その数から存在比(Y/X)を算出した。
同様に、長径が10nm未満の空孔の数(Z)をカウントした。その数から存在比(Y/Z)を算出した。
後述する実施例及び比較例で製造した試験板の塗膜に対して、反射分光膜厚計(大塚電子製 型式:FE−3000)を用い、230〜800nmの波長ごとの反射率を測定し、ガラス基材の裏側を用いてガラス基材の屈折率を測定した。
次に、コーティング膜側の230〜800nmの波長ごとのガラス基材とコーティング薄膜による干渉している反射率を測定し、最小二乗法により測定値のフィッティングを行い、コーティング膜の屈折率及び膜厚(nm)を求めた。
さらに空気の屈折率を1、シリカの屈折率を1.46とし、下記式(8)より空孔体積率を求めた。
(空孔体積率)=(1.46−(コーティング膜の屈折率))/(1.46−1)×100 ・・・(8)
(評価1)全光線透過率(%)
後述する実施例及び比較例で製造した試験板について、日本国日本電色工業株式会社製濁度計NDH2000を用いて、JIS K7361−1に規定される方法に準拠して、全光線透過率を測定した。
コーティング膜のない試験板(ガラス)の透過率91.7%に対し、1.5%以上透過率が高ければ、太陽電池の出力に貢献できる太陽電池用コーティング膜として良好な特性を有していると判断した。
表1及び表2中、コーティング膜のない試験板(ガラス)の透過率との差異をAR(%)として示した。
後述する実施例及び比較例で製造した試験板について、加速環境試験器(エスペック(株)製、EHS−411)を用い、−40℃から85℃までの温度範囲で昇温及び冷却させる温度環境とした。
温度85℃湿度85%の環境下で、20時間時間放置後、−40℃まで冷却し、0.5時間放置し、また85℃に昇温させるサイクルを10サイクル繰り返す結露凍結試験を行った。
昇温及び降温速度は、各10℃/secで実施した。
HF試験後の試験板の全光線透過率を、上記(評価1)に記載した方法に従い、測定した。
HF試験後の全光線透過率の低下が1%未満であれば、耐HF試験性が良好であると判断した。
表1及び表2中、コーティング膜のない試験板(ガラス)の透過率との差異をAR(%)として示し、初期値とHF試験後の値のAR(%)の差異を「AR変化率%」として示した。
JIS S6006が規定する試験用鉛筆を用いて、JIS K5400に規定される鉛筆硬度の評価方法に従い、1kg荷重における鉛筆硬度を評価した。
光学塗膜の表面に脱イオン水の滴(1.0μL)を乗せ、20℃で10秒間放置した。
その後、協和界面科学株式会社製CA−X150型接触角計を用いて水接触角を測定した。
光学塗膜に対する水接触角が小さいほど、膜表面の親水性が高いと評価した。
以下、後述する実施例及び比較例において用いた重合体エマルジョン粒子(B)の合成例を記載する。
還流冷却器、滴下槽、温度計及び撹拌装置を有する反応器に、イオン交換水1600g、及びドデシルベンゼンスルホン酸7gを投入した後、撹拌しながら80℃に加温して混合液(1)を得た。
得られた混合液(1)に、コア層の原料としてジメチルジメトキシシラン185g及びフェニルトリメトキシシラン(b1−3)117gを混合して得られた混合液(2)を、反応容器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて滴下して、混合液(3)を得た。
その後、反応容器中の温度が80℃の状態で混合液(3)を約1時間撹拌した。
次に、得られた混合液(3)に、シェル層の原料としてアクリル酸ブチル150g、テトラエトキシシラン(b1−3)30g、フェニルトリメトキシシラン(b1−3)145g、及び3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(b1−3)1.3gを混合して得られた混合液(4)と、ジエチルアクリルアミド165g、アクリル酸3g、反応性乳化剤(商品名「アデカリアソープSR−1025」、旭電化(株)製、固形分25質量%水溶液)13g、過硫酸アンモニウムの2質量%水溶液40g、及びイオン交換水1900gを混合して得られた混合液(5)とを、反応容器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて同時に滴下して混合物(6)を得た。
さらに熱養生として、反応容器中の温度が80℃の状態で混合物(6)を約2時間撹拌した。
その後、混合物(6)を室温まで冷却し、100メッシュの金網で濾過し、精製水で濃度を調整して数平均粒子径87nmの重合体エマルジョン粒子(B−1)の水分散体(固形分10質量%、pH3.2)を得た。
還流冷却器、滴下槽、温度計及び撹拌装置を有する反応器に、イオン交換水1600g、及びドデシルベンゼンスルホン酸22gを投入した後、撹拌しながら80℃に加温して混合液(1)を得た。
得られた混合液(1)に、コア層の原料としてジメチルジメトキシシラン185g及びフェニルトリメトキシシラン(b1−3)151gを混合して得られた混合液(2)を、反応容器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて滴下して混合液(3)を得た。
その後、反応容器中の温度が80℃の状態で混合液(3)を約1時間撹拌した。
次に、得られた混合液(3)に、シェル層の原料としてアクリル酸ブチル150g、テトラエトキシシラン(b1−3)30g、フェニルトリメトキシシラン(b1−3)145g、及び3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(b1−3)1.3gを混合して得られた混合液(4)と、ジエチルアクリルアミド165g、アクリル酸3g、反応性乳化剤(商品名「アデカリアソープSR−1025」、旭電化(株)製、固形分25質量%水溶液)13g、過硫酸アンモニウムの2質量%水溶液40g、及びイオン交換水1900gを混合して得られた混合液(5)とを、反応容器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて同時に滴下して混合物(6)を得た。
さらに熱養生として、反応容器中の温度が80℃の状態で混合物(6)を約2時間撹拌した。
その後、混合物(6)を室温まで冷却し、100メッシュの金網で濾過し、製水で濃度を調整して数平均粒子径30nmの重合体エマルジョン粒子(B−2)の水分散体(固形分10質量%、pH3.2)を得た。
還流冷却器、滴下槽、温度計及び撹拌装置を有する反応器に、イオン交換水1600g、及びドデシルベンゼンスルホン酸15gを投入した後、撹拌しながら80℃に加温して混合液(1)を得た。
得られた混合液(1)に、コア層の原料としてジメチルジメトキシシラン185g及びフェニルトリメトキシシラン(b1−3)117gを混合して得られた混合液(2)を、反応容器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて滴下して混合液(3)を得た。
その後、反応容器中の温度が80℃の状態で混合液(3)を約1時間撹拌した。
次に、得られた混合液(3)に、シェル層の原料としてアクリル酸ブチル150g、テトラエトキシシラン(b1−3)30g、フェニルトリメトキシシラン(b1−3)105g、及び3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(b1−3)1.3gを混合して得られた混合液(4)と、ジエチルアクリルアミド165g、アクリル酸3g、反応性乳化剤(商品名「アデカリアソープSR−1025」、旭電化(株)製、固形分25質量%水溶液)13g、過硫酸アンモニウムの2質量%水溶液40g、及びイオン交換水1900gを混合して得られた混合液(5)とを、反応容器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて同時に滴下して混合物(6)を得た。
さらに熱養生として、反応容器中の温度が80℃の状態で混合物(6)を約2時間撹拌した。
その後、混合物(6)を室温まで冷却し、100メッシュの金網で濾過し、精製水で濃度を調整して数平均粒子径45nmの重合体エマルジョン粒子(B−3)の水分散体(固形分10質量%、pH3.2)を得た。
還流冷却器、滴下槽、温度計及び撹拌装置を有する反応器に、イオン交換水1600g、及びドデシルベンゼンスルホン酸4gを投入した後、撹拌しながら80℃に加温して混合液(1)を得た。
得られた混合液(1)に、コア層の原料としてジメチルジメトキシシラン185g及びフェニルトリメトキシシラン(b1−3)72gを混合して得られた混合液(2)を、反応容器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて滴下して混合液(3)を得た。
その後、反応容器中の温度が80℃の状態で混合液(3)を約1時間撹拌した。
次に、得られた混合液(3)に、シェル層の原料としてアクリル酸ブチル150g、テトラエトキシシラン(b1−3)30g、フェニルトリメトキシシラン(b1−3)92g、及び3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(b1−3)1.3gを混合して得られた混合液(4)と、ジエチルアクリルアミド165g、アクリル酸3g、反応性乳化剤(商品名「アデカリアソープSR−1025」、旭電化(株)製、固形分25質量%水溶液)13g、過硫酸アンモニウムの2質量%水溶液40g、及びイオン交換水1900gを混合して得られた混合液(5)とを、反応容器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて同時に滴下して混合物(6)を得た。
さらに熱養生として、反応容器中の温度が80℃の状態で混合物(6)を約2時間撹拌した。その後、混合物(6)を室温まで冷却し、100メッシュの金網で濾過し、精製水で濃度を調整して数平均粒子径140nmの重合体エマルジョン粒子(B−4)の水分散体(固形分10質量%、pH3.2)を得た。
還流冷却器、滴下槽、温度計及び撹拌装置を有する反応器に、イオン交換水2600g、及びドデシルベンゼンスルホン酸5g、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルの25%水溶液(エマルゲン950、花王(株)製)10質量部を投入した後、撹拌しながら80℃に加温して混合液(1)を得た。
得られた混合液(1)に、コア層の原料としてメタクリル酸18g、メタクリル酸メチル216g、アクリル酸ブチル216g、及び3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(b1−3)6.9g、メチルトリメトキシシラン(b1−3)101g、過硫酸アンモニウムの2質量%水溶液40gを混合して得られた混合液(2)を反応容器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて滴下して混合液(3)を得た。
その後、反応容器中の温度が80℃の状態で混合液(3)を約1時間撹拌した。
次に、得られた混合液(3)に、シェル層の原料としてアクリル酸ブチル245g、メタクリル酸メチル245g、アクリル酸10g、反応性乳化剤(商品名「アデカリアソープSR−1025」、旭電化(株)製、固形分25質量%水溶液)13g、過硫酸アンモニウムの2質量%水溶液40g、及びイオン交換水1900gを混合して得られた混合液(4)を、反応容器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて同時に滴下して混合物(5)を得た。
さらに熱養生として、反応容器中の温度が80℃の状態で混合物(5)を約2時間撹拌した。
その後、混合物(5)を室温まで冷却し、100メッシュの金網で濾過し、精製水で濃度を調整して数平均粒子径120nmの重合体エマルジョン粒子(B−5)の水分散体(固形分10質量%)を得た。
還流冷却器、滴下槽、温度計及び撹拌装置を有する反応器に、イオン交換水2600g、及びドデシルベンゼンスルホン酸12g、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルの25%水溶液(エマルゲン950、花王(株)製)20質量部を投入した後、撹拌しながら80℃に加温して混合液(1)を得た。
得られた混合液(1)に、コア層の原料としてメタクリル酸18g、メタクリル酸メチル216g、アクリル酸ブチル216g、過硫酸アンモニウムの2質量%水溶液40gを混合して得られた混合液(2)を反応容器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて滴下して混合液(3)を得た。
その後、反応容器中の温度が80℃の状態で混合液(3)を約1時間撹拌した。
次に、得られた混合液(3)に、シェル層の原料としてアクリル酸ブチル245g、メタクリル酸メチル245g、アクリル酸10g、及び3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(b1−3)6.9g、メチルトリメトキシシラン(b1−3)101g、反応性乳化剤(商品名「アデカリアソープSR−1025」、旭電化(株)製、固形分25質量%水溶液)13g、過硫酸アンモニウムの2質量%水溶液40g、及びイオン交換水1900gを混合して得られた混合液(4)を、反応容器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて同時に滴下して混合物(5)を得た。
さらに熱養生として、反応容器中の温度が80℃の状態で混合物(5)を約2時間撹拌した。
その後、0.1Nのアンモニア水を徐々に加え、混合物のpHが8になるまで撹拌した。混合物(5)を100メッシュの金網で濾過し、精製水で濃度を調整して数平均粒子径120nmの重合体エマルジョン粒子(B−6)の水分散体(固形分10質量%)を得た。
還流冷却器、滴下槽、温度計及び撹拌装置を有する反応器に、イオン交換水2600g、及びドデシルベンゼンスルホン酸12g、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルの25%水溶液(エマルゲン950、花王(株)製)10部を投入した後、撹拌しながら80℃に加温して混合液(1)を得た。
得られた混合液(1)に、コア層の原料としてメタクリル酸18g、メタクリル酸メチル216g、アクリル酸ブチル216g、過硫酸アンモニウムの2質量%水溶液40gを混合して得られた混合液(2)を反応容器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて滴下して混合液(3)を得た。
その後、反応容器中の温度が80℃の状態で混合液(3)を約1時間撹拌した。
次に、得られた混合液(3)に、シェル層の原料としてアクリル酸ブチル245g、メタクリル酸メチル245g、アクリル酸10g、メチルトリメトキシシラン(b1−3)101g、反応性乳化剤(商品名「アデカリアソープSR−1025」、旭電化(株)製、固形分25質量%水溶液)13g、過硫酸アンモニウムの2質量%水溶液40g、及びイオン交換水1900gを混合して得られた混合液(4)を、反応容器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて同時に滴下して混合物(5)を得た。
さらに熱養生として、反応容器中の温度が80℃の状態で混合物(5)を約2時間撹拌した。
その後、0.1Nのアンモニア水を徐々に加え、混合物のpHが8になるまで撹拌した。混合物(5)を100メッシュの金網で濾過し、精製水で濃度を調整して数平均粒子径140nmの重合体エマルジョン粒子(B−7)の水分散体(固形分10質量%)を得た。
還流冷却器、滴下槽、温度計及び撹拌装置を有する反応器に、イオン交換水1600g、及びドデシルベンゼンスルホン酸44gを投入した後、撹拌しながら80℃に加温して混合液(1)を得た。
得られた混合液(1)に、コア層の原料としてジメチルジメトキシシラン185g及びフェニルトリメトキシシラン(b1−3)151gを混合して得られた混合液(2)を、反応容器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて滴下して混合液(3)を得た。
その後、反応容器中の温度が80℃の状態で混合液(3)を約1時間撹拌した。
次に、得られた混合液(3)に、シェル層の原料としてアクリル酸ブチル150g、テトラエトキシシラン(b1−3)30g、フェニルトリメトキシシラン(b1−3)145g、及び3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(b1−3)1.3gを混合して得られた混合液(4)と、ジエチルアクリルアミド165g、アクリル酸3g、反応性乳化剤(商品名「アデカリアソープSR−1025」、旭電化(株)製、固形分25質量%水溶液)13g、過硫酸アンモニウムの2質量%水溶液40g、及びイオン交換水1900gを混合して得られた混合液(5)とを、反応容器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて同時に滴下して混合物(6)を得た。
さらに熱養生として、反応容器中の温度が80℃の状態で混合物(6)を約2時間撹拌した。
その後、混合物(6)を室温まで冷却し、100メッシュの金網で濾過し、製水で濃度を調整して数平均粒子径20nmの重合体エマルジョン粒子(B−8)の水分散体(固形分8質量%、pH2.8)を得た。
重合体エマルジョン粒子(B)として(合成例1)で合成した重合体エマルジョン粒子(B−1)の水分散体を用いた。
球状のシリカ(A)の原料として平均粒子径5nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスOXS(表1中、「ST−OXS」と記載する)」、日産化学工業(株)製、固形分10質量%)を用いた。
加水分解性珪素化合物(C)としてテトラエトキシシラン(TEOS 信越化学工業(株)製)を用いた。
これらを、表1に記載の固形分質量比となるよう調整して混合し、全体の固形分が2質量%となるように20%エタノール水で調整した後、攪拌し、コーティング組成物(E−1)を得た。
基材(5cm×5cmの太陽電池用ガラス:旭硝子製 Solite 全光線透過率91.7%)の太陽光が入光してくる面側に、上記コーティング組成物(E−1)を、スピンコーターを用いて回転数1500rpmで、10secで、膜厚が100nmになるように塗布した後、25℃で60分間乾燥し、さらに電気炉中で600℃、3分間焼結した後に、急冷して塗膜(F−1)を有する試験板(G−1)を得た。
このとき塗膜(F−1)中の組成比(コーティング組成物の固形分換算で計算した各成分の質量比率と同様)は、(A)/(B’)/(C’)=100/60/50となった。
なお、(A)は、シリカ(A)の質量比率であり、(B’)は、上記焼結後に得られる重合体エマルジョン粒子(B)に由来する重合体粒子(B’)の質量比率であり、(C’)は、上記焼結後に得られる加水分解性珪素化合物(C)の加水分解縮合物(C’)の質量比率である。
空孔は不定形状であり、得られた試験板(G−1)の評価結果を表1に示す。
前記塗膜(F−1)に相当する塗膜中の組成比(コーティング組成物の固形分換算で計算した各成分の質量比率と同様)が、(A)/(B’)/(C’)=40/110/50となるように混合量を調整した。
その他の条件は実施例1と同様にして試験板(G−2)を得た。
得られた試験板(G−2)の評価結果を表1に示す。
重合体エマルジョン粒子(B)として前記(合成例2)で合成した重合体エマルジョン粒子(B−2)の水分散体を用いた。
その他の条件は〔実施例1〕と同様にして試験板(G−3)を得た。
得られた(G−3)の評価結果を表1に示す。
重合体エマルジョン粒子(B)として前記(合成例3)で合成した重合体エマルジョン粒子(B−3)の水分散体を用いた。
その他の条件は〔実施例1〕と同様にして試験板(G−4)を得た。
得られた(G−4)の評価結果を表1に示す。
球状のシリカ(A)の原料として、平均粒子径10nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスOS(表1中、「ST−OS」と記載する。)」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)を用いた。
その他の条件は、〔実施例4〕と同様にして試験板(G−5)を得た。
得られた試験板(G−5)の評価結果を表1に示す。
塗膜の各成分の組成比(コーティング組成物の固形分換算で計算した各成分の質量比率と同様)が、(A)/(B’)/(C’)=100/200/60となるように混合量を調整した。
その他の条件は、〔実施例5〕と同様にして試験板(G−6)の評価結果を表1に示す。
得られた試験板(G−6)の評価結果を表1に示す。
重合体エマルジョン粒子(B)として前記(合成例4)で合成した重合体エマルジョン粒子(B−4)の水分散体を用いた。
各成分の組成比(コーティング組成物の固形分換算で計算した各成分の質量比率と同様)を、(A)/(B’)/(C’)=50/100/50となるように混合量を調整した。
その他の条件は〔実施例1〕と同様にして試験板(G−7)を得た。
得られた試験板(G−7)の評価結果を表1に示す。
重合体エマルジョン粒子(B)として前記(合成例5)で合成した重合体エマルジョン粒子(B−5)の水分散体を用いた。
その他の条件は、〔実施例7〕と同様にして試験板(G−8)を得た。
得られた試験板(G−8)の評価結果を表2に示す。
重合体エマルジョン粒子(B)として前記(合成例6)で合成した重合体エマルジョン粒子(B−6)の水分散体を用いた。
その他の条件は、〔実施例1〕と同様にして試験板(G−9)を得た。
得られた試験板(G−9)の評価結果を表2に示す。
重合体エマルジョン粒子(B)として前記(合成例7)で合成した重合体エマルジョン粒子(B−7)の水分散体を用いた。
その他の条件は、〔実施例1〕と同様にして試験板(G−10)を得た。
得られた試験板(G−10)の評価結果を表2に示す。
重合体エマルジョン粒子(B)として前記(合成例6)で合成した重合体エマルジョン粒子(B−6)の水分散体を用い、球状のシリカ(A)の原料として平均粒子径4nmの水分散体コロイダルシリカ(商品名「NALCO1115」、NalcoCompany製、固形分16.5質量%)を用いた。
これらを、表2に記載の固形分質量比となるよう調整して混合し、全体の固形分が2質量%となるように20%エタノール水で調整した後、攪拌し、コーティング組成物(E−11)を得た。
基材(5cm×5cmの太陽電池用ガラス:旭硝子製 Solite 全光線透過率91.7%)の太陽光が入光してくる面側に、上記コーティング組成物(E−11)を、スピンコーターを用いて回転数1500rpmで10sec塗布した後、25℃で60分間乾燥し、さらに電気炉中で600℃、3分間焼結した後に、急冷して塗膜(F−11)を有する試験板(G−11)を得た。
このとき、前記塗膜(F−11)中の組成比(コーティング組成物の固形分換算で計算した各成分の質量比率と同様)は、(A)/(B’)/(C’)=90/10/0となるように調整した。
その他の条件は、実施例1と同様にして試験板(G−11)を得た。
得られた試験板(G−11)の評価結果を表2に示す。
重合体エマルジョン粒子(B)として前記(合成例7)で合成した重合体エマルジョン粒子(B−7)の水分散体を用い、球状のシリカ(A)の原料として平均粒子径4nmの水分散体コロイダルシリカ(商品名「NALCO1115」、NalcoCompany製、固形分16.5質量%)を、表2に記載の固形分質量比で混合した。
その後、0.1N塩酸水溶液でpH2.5に調整し、さらに固形分が2質量%となるように20%エタノール水で調整して、コーティング組成物(E−12)を得た。
基材(5cm×5cmの太陽電池用ガラス:旭硝子製 Solite 全光線透過率91.7%)の太陽光が入光してくる面側に、上記コーティング組成物(E−12)を、スピンコーターを用いて回転数1500rpmで、10secで、膜厚が100nmになるように塗布した後、25℃で60分間乾燥し、さらに電気炉中で600℃、3分間焼結した後に、急冷して塗膜(F−12)を有する試験板(G−12)を得た。
このとき、前記塗膜(F−12)中の組成比(コーティング組成物の固形分換算で計算した各成分の質量比率と同様)は、(A)/(B’)/(C’)=90/10/0となるように調整した。
その他の条件は、〔実施例1〕と同様にして試験板(G−12)を得た。
得られた試験板(G−12)の評価結果を表2に示す。
重合体エマルジョン粒子(B)として前記(合成例8)で合成した重合体エマルジョン粒子(B−7)の水分散体を用い、球状のシリカ(A)の原料として平均粒子径4nmの水分散体コロイダルシリカ(商品名「NALCO1115」、NalcoCompany製、固形分16.5質量%)を用いた。
その他の条件は、〔実施例1〕と同様にして試験板(G−13)を得た。
得られた試験板(G−13)の評価結果を表2に示す。
なお、表2中、右端欄には、前記実施例1〜7、比較例1〜5で用いた基材(5cm×5cmの太陽電池用ガラス:旭硝子製 Solite 全光線透過率91.7%)のみの全光線透過率及び水接触角のデータを示した。
実施例1〜7においては、高い反射防止特性と高い機械的強度を両立しながら、高温高湿環境下で反射防止特性を長時間維持できる塗膜が得られた。
Claims (8)
- シリカを主成分とする塗膜であって、
空孔を有し、
前記空孔の長径の平均値が5〜300nmであり、
前記塗膜の断面の単位断面積あたりにおいて、長径が20nm未満の空孔の数(X)と長径が20nm以上の空孔の数(Y)の比(Y/X)が0.3〜3.0である、塗膜。 - 前記塗膜の断面の単位断面積あたりにおいて、長径が10nm未満の空孔の数(Z)と長径が20nm以上の空孔の数(Y)の比(Y/Z)が1.0〜10.0である、請求項1に記載の塗膜。
- 前記塗膜中の前記空孔の体積率が20〜60vol%である、請求項1又は2に記載の塗膜。
- 反射防止膜である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の塗膜。
- 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の塗膜の製造方法であって、
シリカ(A)と、重合体エマルジョン粒子(B)と、を、含むコーティング組成物を塗布し、乾燥する工程と、
500℃以上の温度で焼結する工程と、
を、有する、塗膜の製造方法。 - 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の塗膜を含む太陽電池用ガラス。
- 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の塗膜を含む太陽電池モジュール。
- 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の塗膜を含む太陽電池用集光レンズ。
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