JP2017115577A - 鋼管の接合継手 - Google Patents
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Abstract
【課題】接合開始時からねじ締めつけ完了時までの作業性を向上でき、施工性に優れる鋼管の接合継手を得る。
【解決手段】本発明に係る鋼管の接合継手は、地中に打設する構造体を構成する鋼管1の端部に取り付けられて鋼管1を接合する接合継手3であって、平行ねじで3条以上の多条ねじからなる雄ねじを有する雄側筒体5と、平行ねじで3条以上の多条ねじからなる雌ねじを有する雌側筒体7とからなり、雄側筒体5の先端に雌ねじ内径に遊嵌する外径を有する円筒部11を設け、雄側筒体5の雄ねじをねじ込んで締めた状態において、雌側筒体先端部13が雄側筒体5に形成した外周座15に当接するように構成し、雌側筒体先端部13に、筒軸中心に対して点対称で、かつ径方向に傾斜する雌側傾斜面13aを全周に亘って形成すると共に、雌側傾斜面13aに当接する雄側筒体5の外周座15に雌側傾斜面13aと傾斜方向及び傾斜角が同じ雄側傾斜面15aを全周に亘って設けたものである。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明に係る鋼管の接合継手は、地中に打設する構造体を構成する鋼管1の端部に取り付けられて鋼管1を接合する接合継手3であって、平行ねじで3条以上の多条ねじからなる雄ねじを有する雄側筒体5と、平行ねじで3条以上の多条ねじからなる雌ねじを有する雌側筒体7とからなり、雄側筒体5の先端に雌ねじ内径に遊嵌する外径を有する円筒部11を設け、雄側筒体5の雄ねじをねじ込んで締めた状態において、雌側筒体先端部13が雄側筒体5に形成した外周座15に当接するように構成し、雌側筒体先端部13に、筒軸中心に対して点対称で、かつ径方向に傾斜する雌側傾斜面13aを全周に亘って形成すると共に、雌側傾斜面13aに当接する雄側筒体5の外周座15に雌側傾斜面13aと傾斜方向及び傾斜角が同じ雄側傾斜面15aを全周に亘って設けたものである。
【選択図】 図1
Description
本発明は、鋼管杭、鋼管矢板、構真柱などの地中に打設する構造体を構成する鋼管同士を接合する接合継手に関するものである。
地滑り抑止用の鋼管杭や長尺の支持杭等は施工場所の条件によっては、例えば直径200〜1500mm程度で長さ数十mにも及ぶものがある。
このような場合、短尺の鋼管杭を施工現場において杭の打設途中で接合することが必要となり、この接合には接合対象となる鋼管杭のそれぞれの端部に取り付けられる接合継手が用いられる。
このような場合、短尺の鋼管杭を施工現場において杭の打設途中で接合することが必要となり、この接合には接合対象となる鋼管杭のそれぞれの端部に取り付けられる接合継手が用いられる。
このような接合継手の例として、特許文献1に開示された、「鋼管杭の接合継手」がある。
この鋼管杭の接合継手は、「鋼管杭端にそれぞれ設けられ、雄ねじを有する雄側筒体と雌ねじを有する雌側筒体とからなり、ねじは平行ねじの3条以上の多条ねじとし、雄側筒体の先端に前記雌ねじ内径に遊嵌する外径を有する円筒部を設けたことを特徴とする」ものである(特許文献1の請求項1参照)。
この鋼管杭の接合継手は、「鋼管杭端にそれぞれ設けられ、雄ねじを有する雄側筒体と雌ねじを有する雌側筒体とからなり、ねじは平行ねじの3条以上の多条ねじとし、雄側筒体の先端に前記雌ねじ内径に遊嵌する外径を有する円筒部を設けたことを特徴とする」ものである(特許文献1の請求項1参照)。
特許文献1に記載のものは、円筒部を雌ねじの内径に嵌合させて位置決めできるようにしたので、現場施工における上杭と下杭の接合の際に、継手部の芯合せを短時間で容易にでき、施工性に優れるというものである。
そして、上記接合継手においては、多条ねじを用いていることから、ねじの噛み合い始めが多数位置で起こり、上記の円筒部の位置決め作用と相俟って上下杭の軸芯を容易に一致させることができるとしている(特許文献1の段落[0010]参照)。
そして、上記接合継手においては、多条ねじを用いていることから、ねじの噛み合い始めが多数位置で起こり、上記の円筒部の位置決め作用と相俟って上下杭の軸芯を容易に一致させることができるとしている(特許文献1の段落[0010]参照)。
確かに、施工現場においては接合開始時の芯合わせは重要であるが、接合継手による接合完了時のずれ(目違い)を防止することも重要である。
何故なら、接合継手の接合部に目違いが生じると、接合継手における荷重伝達面積が小さくなり、荷重伝達を適切に行うことができず、また接合部の周方向での接合面積の違いから力のアンバランスが生じ、設計では想定しない曲げが発生することも考えられるからである。
何故なら、接合継手の接合部に目違いが生じると、接合継手における荷重伝達面積が小さくなり、荷重伝達を適切に行うことができず、また接合部の周方向での接合面積の違いから力のアンバランスが生じ、設計では想定しない曲げが発生することも考えられるからである。
この点、仮に接合継手におけるねじ部にクリアランスが全く存在しなければ目違いが生ずることはない。
しかし、鋼管の製作精度や接合継手の取り付け・加工精度には限界があり、鋼管杭の端部に取り付けられる接合継手のねじ部には若干のクリアランスを設けることは避けられない。むしろ、施工性を考えると、接合継手のねじ部のクリアランスは大きい方が好ましいとも言える。そのため、ねじ締め付け完了時にはそのクリアランス分のずれ(目違い)が生じてしまうことがある。特に、鋼管杭が大径化した場合や、特許文献1の接合継手のように多条ねじを用いた場合には、施工性を考慮してクリアランスが大きくなり、目違いが生ずる可能性が高くなる。
もっとも、このような目違いは接合作業時において、例えばガイド等を用いて慎重な作業を行うことで防止することは可能であるが、重量の大きい杭体の芯合わせ作業には手間がかかり施工性を損なうことになる。
このように、目違いの防止と施工性の向上とは二律背反の関係にある。
しかし、鋼管の製作精度や接合継手の取り付け・加工精度には限界があり、鋼管杭の端部に取り付けられる接合継手のねじ部には若干のクリアランスを設けることは避けられない。むしろ、施工性を考えると、接合継手のねじ部のクリアランスは大きい方が好ましいとも言える。そのため、ねじ締め付け完了時にはそのクリアランス分のずれ(目違い)が生じてしまうことがある。特に、鋼管杭が大径化した場合や、特許文献1の接合継手のように多条ねじを用いた場合には、施工性を考慮してクリアランスが大きくなり、目違いが生ずる可能性が高くなる。
もっとも、このような目違いは接合作業時において、例えばガイド等を用いて慎重な作業を行うことで防止することは可能であるが、重量の大きい杭体の芯合わせ作業には手間がかかり施工性を損なうことになる。
このように、目違いの防止と施工性の向上とは二律背反の関係にある。
以上のように、特許文献1に開示された接合継手は接合開始時における芯合わせを容易かつ確実に行うことができるが、ねじの締め付け開始後、完了までの作業性を向上するという点において、課題が残されていた。
なお、上記の課題は、鋼管杭を構成する鋼管の接合継手に限られるものではなく、例えば鋼管矢板、構真柱など地中に打設して形成される鋼管杭以外の構造体を構成する鋼管についても同様に存在する。
本発明はかかる課題を解決するためになされたものであり、接合開始時からねじ締めつけ完了時までの作業性を向上でき、施工性に優れる鋼管の接合継手を得ることを目的としている。
なお、上記の課題は、鋼管杭を構成する鋼管の接合継手に限られるものではなく、例えば鋼管矢板、構真柱など地中に打設して形成される鋼管杭以外の構造体を構成する鋼管についても同様に存在する。
本発明はかかる課題を解決するためになされたものであり、接合開始時からねじ締めつけ完了時までの作業性を向上でき、施工性に優れる鋼管の接合継手を得ることを目的としている。
(1)本発明に係る鋼管の接合継手は、地中に打設する構造体を構成する鋼管の端部に取り付けられて前記鋼管同士を接合する鋼管の接合継手であって、
平行ねじで3条以上の多条ねじからなる雄ねじを有する雄側筒体と、平行ねじで3条以上の多条ねじからなる雌ねじを有する雌側筒体とからなり、
前記雄側筒体の先端に前記雌ねじ内径に遊嵌する外径を有する円筒部を設け、
前記雄側筒体の雄ねじをねじ込んで締めた状態において、前記雌側筒体の先端部が前記雄側筒体に形成した外周座に当接するように構成し、
前記雌側筒体の先端部に、筒軸中心に対して点対称で、かつ径方向に傾斜する傾斜面を全周に亘って形成すると共に、該傾斜面に当接する前記雄側筒体の外周座に前記傾斜面と傾斜方向及び傾斜角が同じ傾斜面を全周に亘って設けたことを特徴とするものである。
平行ねじで3条以上の多条ねじからなる雄ねじを有する雄側筒体と、平行ねじで3条以上の多条ねじからなる雌ねじを有する雌側筒体とからなり、
前記雄側筒体の先端に前記雌ねじ内径に遊嵌する外径を有する円筒部を設け、
前記雄側筒体の雄ねじをねじ込んで締めた状態において、前記雌側筒体の先端部が前記雄側筒体に形成した外周座に当接するように構成し、
前記雌側筒体の先端部に、筒軸中心に対して点対称で、かつ径方向に傾斜する傾斜面を全周に亘って形成すると共に、該傾斜面に当接する前記雄側筒体の外周座に前記傾斜面と傾斜方向及び傾斜角が同じ傾斜面を全周に亘って設けたことを特徴とするものである。
(2)また、上記(1)に記載のものにおいて、前記傾斜面の径方向に対する傾斜角度を5度〜25度の範囲に設定したことを特徴とするものである。
(3)また、上記(1)又は(2)に記載のものにおいて、前記雌側筒体の先端部及び前記雄側筒体の外周座における前記傾斜面の径方向内側に互いに軸方向に遊嵌する遊嵌合部を全周に亘って形成したことを特徴とするものである。
本発明にかかる鋼管の接合継手においては、雄側筒体の先端に雌ねじ内径に遊嵌する外径を有する円筒部を設け、前記雄側筒体の雄ねじをねじ込んで締めた状態において、前記雌側筒体の先端部が前記雄側筒体に形成した外周座に当接するように構成し、前記雌側筒体の先端部に、筒軸中心に対して点対称で、かつ径方向に傾斜する傾斜面を全周に亘って形成すると共に、該傾斜面に当接する前記雄側筒体の外周座に前記傾斜面と傾斜方向及び傾斜角が同じ傾斜面を全周に亘って設けたことにより、接合開始時には前記円筒部が雌側筒体の雌ねじ内径に挿入されることで、位置決めが容易になり接合開始時の施工性に優れ、かつねじ込み完了直前には雄側筒体と雌側筒体に形成した傾斜面が当接してガイドされることにより雄側筒体と雌側筒体の軸芯が調整されるので、ガイド等を用いた慎重な作業を行うことなく目違いを防止でき、接合開始時からねじ締めつけ完了時までの一連の作業性を向上でき、施工性に優れている。
[実施の形態1]
本実施の形態においては、地中に打設する構造体として、鋼管杭を例に挙げて説明する。
鋼管杭を構成する鋼管の接合継手(以下、単に「接合継手」という)は、図1、図2に示すように、鋼管1の端部に取り付けられて鋼管1同士を接合する接合継手3であって、平行ねじで3条以上の多条ねじからなる雄ねじを有する雄側筒体5と、平行ねじで3条以上の多条ねじからなる雌ねじを有する雌側筒体7とからなる。
なお、図1に示すものは4条ねじであり、正面から見た状態ではねじの始端部9が3箇所見えている。
そして、雄側筒体5の先端には、雌ねじ内径に遊嵌する外径を有する円筒部11が設けられている。
本実施の形態においては、地中に打設する構造体として、鋼管杭を例に挙げて説明する。
鋼管杭を構成する鋼管の接合継手(以下、単に「接合継手」という)は、図1、図2に示すように、鋼管1の端部に取り付けられて鋼管1同士を接合する接合継手3であって、平行ねじで3条以上の多条ねじからなる雄ねじを有する雄側筒体5と、平行ねじで3条以上の多条ねじからなる雌ねじを有する雌側筒体7とからなる。
なお、図1に示すものは4条ねじであり、正面から見た状態ではねじの始端部9が3箇所見えている。
そして、雄側筒体5の先端には、雌ねじ内径に遊嵌する外径を有する円筒部11が設けられている。
また、雄側筒体5の雄ねじをねじ込んで締めた状態において、図2に示すように、雌側筒体7の雌側先端部13が雄側筒体5に形成した外周座15に当接するように構成されている。
このようにするには、図2に示すように、雄側筒体5の雄ねじをねじ込んで締めた状態において、雄側筒体5の雄側先端部17と雌側筒体7の内周座19との間に隙間が生ずるようにすればよい。もっとも、接合継手3による接合完了と同時に、雄側筒体5の先端部と雌側筒体7の内周座19とが当接するようにしてもよい。
このようにするには、図2に示すように、雄側筒体5の雄ねじをねじ込んで締めた状態において、雄側筒体5の雄側先端部17と雌側筒体7の内周座19との間に隙間が生ずるようにすればよい。もっとも、接合継手3による接合完了と同時に、雄側筒体5の先端部と雌側筒体7の内周座19とが当接するようにしてもよい。
また、雌側筒体7の先端部の全周には、筒軸中心に対して点対称となると共に、先端部を上方に向けた状態で径外方向に下り傾斜となる傾斜角度αの雌側傾斜面13aが形成されている。傾斜角度αの好ましい値については後述する。
他方、雌側傾斜面13aに当接する雄側筒体5の外周座15には、接合状態において雌側傾斜面13aと傾斜方向が同じ方向となり、かつ傾斜角度が同じ雄側傾斜面15aが設けられている。
他方、雌側傾斜面13aに当接する雄側筒体5の外周座15には、接合状態において雌側傾斜面13aと傾斜方向が同じ方向となり、かつ傾斜角度が同じ雄側傾斜面15aが設けられている。
上記のように構成された接合継手3の作用について説明する。
雄側筒体5の先端に雌ねじ内径に遊嵌する外径を有する円筒部11を設けたことにより、杭接合開始時において円筒部11がガイドとなってねじの噛み合いを促進し、芯合わせ容易にすると共に、杭接合開始時の作業性を向上させる。
また、4条ねじの多条ねじを用いていることから、ねじの噛み合い始めが4箇所で起こり、上記の円筒部11の位置決め作用と相俟って上下杭の軸芯を容易に一致させることができる。
さらに、4条ねじの場合、ねじが1回転するときに軸方向のリードがピッチの4倍となるので、ねじ込み作業を効率的に行うことができる。
雄側筒体5の先端に雌ねじ内径に遊嵌する外径を有する円筒部11を設けたことにより、杭接合開始時において円筒部11がガイドとなってねじの噛み合いを促進し、芯合わせ容易にすると共に、杭接合開始時の作業性を向上させる。
また、4条ねじの多条ねじを用いていることから、ねじの噛み合い始めが4箇所で起こり、上記の円筒部11の位置決め作用と相俟って上下杭の軸芯を容易に一致させることができる。
さらに、4条ねじの場合、ねじが1回転するときに軸方向のリードがピッチの4倍となるので、ねじ込み作業を効率的に行うことができる。
またさらに、ねじ込み完了直前には、雌側筒体7に形成した雌側傾斜面13aが雄側筒体5の外周座15に形成した雄側傾斜面15aに当接し、これらの当接とねじの回転による押し付け力によってクリアランスに基づく芯ずれを自動的に調整する作用が生ずる。
以下、この点について、図3、図4に基づいて詳細に説明する。
以下、この点について、図3、図4に基づいて詳細に説明する。
図3(a)は、ねじ込み完了直前の雌側傾斜面13aと雄側傾斜面15aの一部が当接した状態における縦断面図である。
図3(a)に示すように、ねじ込み完了直前には、ねじ部に設けたクリアランスの影響で雌側傾斜面13aと雄側傾斜面15aが水平方向にずれる場合がある。このとき、仮に図3(a)に示すように図中上側にある雄側傾斜面15aが雌側傾斜面13aに対して図中右方向にずれたとすると、雄側傾斜面15aは水平状態を保って雌側傾斜面13aに近づくので、図中左側の雄側傾斜面15aと雌側傾斜面13aは当接するが、図中右側の雄側傾斜面15aと雌側傾斜面13aは当接することなく隙間が存在する。
この状態で、雄側筒体5を回転させて最後のねじ込みを行うと、上側に存在する雄側傾斜面15aが下側に存在する雌側傾斜面13aに案内されて傾斜面を滑るようにして、図3(b)の状態になる。
このようにして、ねじ込み完了時には雌側筒体7と雄側筒体5の軸芯が一致した状態に自動的に調芯される。
図3(a)に示すように、ねじ込み完了直前には、ねじ部に設けたクリアランスの影響で雌側傾斜面13aと雄側傾斜面15aが水平方向にずれる場合がある。このとき、仮に図3(a)に示すように図中上側にある雄側傾斜面15aが雌側傾斜面13aに対して図中右方向にずれたとすると、雄側傾斜面15aは水平状態を保って雌側傾斜面13aに近づくので、図中左側の雄側傾斜面15aと雌側傾斜面13aは当接するが、図中右側の雄側傾斜面15aと雌側傾斜面13aは当接することなく隙間が存在する。
この状態で、雄側筒体5を回転させて最後のねじ込みを行うと、上側に存在する雄側傾斜面15aが下側に存在する雌側傾斜面13aに案内されて傾斜面を滑るようにして、図3(b)の状態になる。
このようにして、ねじ込み完了時には雌側筒体7と雄側筒体5の軸芯が一致した状態に自動的に調芯される。
なお、傾斜角度αが小さすぎるとねじ込み完了時の雄側筒体5を案内する作用が小さくなり、逆に傾斜角度αが大きくなりすぎると当接面における圧縮荷重の伝達機能が損なわれる。そこで、傾斜角度αの好ましい範囲について検討したので、この点について以下説明する。
図4は傾斜角度と芯ずれ補正力及び荷重伝達機能との関係をグラフ表示したものであり、横軸が傾斜角度αを示し、左側の縦軸が芯ずれ補正力を示し、右側の縦軸が荷重伝達機能の健全性を示している。
図4に示すように、傾斜角度αが大きくなるに従って芯ずれの補正力は向上する。他方、傾斜角度がある値(25度)以上になると荷重伝達機能の健全性が阻害されるようになる。
このことから、補正力を発揮しつつ荷重伝達機能の健全性を担保できる傾斜角度αの範囲としては、5度以上25度以下が好ましい。
図4に示すように、傾斜角度αが大きくなるに従って芯ずれの補正力は向上する。他方、傾斜角度がある値(25度)以上になると荷重伝達機能の健全性が阻害されるようになる。
このことから、補正力を発揮しつつ荷重伝達機能の健全性を担保できる傾斜角度αの範囲としては、5度以上25度以下が好ましい。
以上のように構成された接合継手3を用いて施工現場において鋼管杭を構成する鋼管1を接合する方法の一例を、図5に基づいて説明する。
まず、雌側筒体7を取り付け、地中に打設された下杭の鋼管1上方にクレーン等によって下端に雄側筒体5を取り付けた鋼管1を吊り、雄側筒体5の円筒部11を雌側筒体7の雌ネジ内に挿入する。この位置合わせは、上述したように円筒部11の作用によって簡易に行うことができる。
まず、雌側筒体7を取り付け、地中に打設された下杭の鋼管1上方にクレーン等によって下端に雄側筒体5を取り付けた鋼管1を吊り、雄側筒体5の円筒部11を雌側筒体7の雌ネジ内に挿入する。この位置合わせは、上述したように円筒部11の作用によって簡易に行うことができる。
この状態で、図5に示すように、例えば人力によって上杭を回転させることで、ねじ込みができる。
なお、接合継手3のねじ部にはある程度のクリアランスが設けられているため、ねじ込み完了直前には、図3に示すように、芯ずれが生ずることがあるが、雌側傾斜面13aと雄側傾斜面15aの作用によってねじ込み完了時には雌側筒体7と雄側筒体5の軸芯が自動的に調整される。
なお、接合継手3のねじ部にはある程度のクリアランスが設けられているため、ねじ込み完了直前には、図3に示すように、芯ずれが生ずることがあるが、雌側傾斜面13aと雄側傾斜面15aの作用によってねじ込み完了時には雌側筒体7と雄側筒体5の軸芯が自動的に調整される。
このように、本実施の形態の接合継手3によれば、接合開始時の位置合わせから、ねじ込み途中、そしてねじ込み完了時において極めて円滑な施工が可能になる。
つまり、本実施の形態の接合継手3は、目違いの防止と施工性の向上という二律背反と思われた課題を解決して、荷重伝達機能と施工性の両方に優れたものである。
つまり、本実施の形態の接合継手3は、目違いの防止と施工性の向上という二律背反と思われた課題を解決して、荷重伝達機能と施工性の両方に優れたものである。
なお、雌側傾斜面13a及び雄側傾斜面15aの態様としては、図6(a)に示すように雌側筒体7の先端全面に平面状の傾斜面を設けてもよく、また、図6(b)に示すように雌側筒体7の先端面の一部が平坦面で一部が傾斜面となるようなものでもよく、また、図6(c)に示すように、傾斜面が湾曲面であってもよい。
また、図6(d)に示すように、図6(a)に示したのとは逆に傾斜面が径外方向に向かって上り傾斜となるようなものであってもよい。図6(d)に示した態様の場合にも、図6(b)、図6(c)に示したのと同様の態様を採用することができることは言うまでもない。
また、図6(d)に示すように、図6(a)に示したのとは逆に傾斜面が径外方向に向かって上り傾斜となるようなものであってもよい。図6(d)に示した態様の場合にも、図6(b)、図6(c)に示したのと同様の態様を採用することができることは言うまでもない。
また、上記の実施の形態では、多条ねじの例として4条ねじを例示したが、本発明はこれに限られるものではなく、ねじの条数としては、3条〜8条を適用できる。8条を上限としたのは、8条を超えると加工が困難となるからである。
[実施の形態2]
本実施の形態の接合継手23は、図7、図8に示すように、雌側筒体7の先端部及び雄側筒体5の外周座15における傾斜面の径方向内側に互いに軸方向に遊嵌する遊嵌合部21を全周に亘って形成したものである。
図7、図8には遊嵌合部21の例として、雌側筒体7の先端部に円環状の凸部21aを設け、雄側筒体5の外周座15には、凸部21aが遊嵌する円環状の凹溝21bを設けたものを示している。
本実施の形態の接合継手23は、図7、図8に示すように、雌側筒体7の先端部及び雄側筒体5の外周座15における傾斜面の径方向内側に互いに軸方向に遊嵌する遊嵌合部21を全周に亘って形成したものである。
図7、図8には遊嵌合部21の例として、雌側筒体7の先端部に円環状の凸部21aを設け、雄側筒体5の外周座15には、凸部21aが遊嵌する円環状の凹溝21bを設けたものを示している。
遊嵌合部21を設けることにより、接合された鋼管杭に曲げ力が作用し、接合継手23が図9の点線で示すように湾曲したときにも、雌側筒体7と雄側筒体5の螺合しているねじが外れるのを防止することができる。
なお、凸部21aや凹溝21bを設けた場合であっても、接合継手23をねじ込んだときには雌側傾斜面13a及び雄側傾斜面15aが当接することが必須であり、凸部21aと凹溝21bとの間には図8に示すように隙間が形成されるようになっている。
本発明の接合継手の具体例として、例えば鋼管の材料としてSKK490とし、接合継手の材料として80キロ鋼を用いる。また、鋼管の直径としては400mm〜1500mm程度が考えられる。
なお、接合継手に傾斜面を設けたことによる目違い防止効果を確認するため、本発明例と傾斜面を設けた場合と、傾斜面を設けなかった場合とで、ねじ込み完了時の目違いについて調査した。
その結果、傾斜面を設けた場合には、目違いはほとんど発生しなかったが、傾斜面を設けなかった場合には、クリアランスの半分程度の目違いが生じた。
その結果、傾斜面を設けた場合には、目違いはほとんど発生しなかったが、傾斜面を設けなかった場合には、クリアランスの半分程度の目違いが生じた。
上記の説明では、地中に打設する構造体として、鋼管杭を例に挙げて説明したが、本発明が対象としている構造体は鋼管杭に限られるものではなく、例えば鋼管矢板、構真柱など地中に打設して形成される他の構造体も含む。
1 鋼管
3 接合継手(実施の形態1)
5 雄側筒体
7 雌側筒体
9 始端部
11 円筒部
13 雌側先端部
13a 雌側傾斜面
15 外周座
15a 雄側傾斜面
17 雄側先端部
19 内周座
21 遊嵌合部
21a 凸部
21b 凹溝
23 接合継手(実施の形態2)
3 接合継手(実施の形態1)
5 雄側筒体
7 雌側筒体
9 始端部
11 円筒部
13 雌側先端部
13a 雌側傾斜面
15 外周座
15a 雄側傾斜面
17 雄側先端部
19 内周座
21 遊嵌合部
21a 凸部
21b 凹溝
23 接合継手(実施の形態2)
Claims (3)
- 地中に打設する構造体を構成する鋼管の端部に取り付けられて前記鋼管同士を接合する鋼管の接合継手であって、
平行ねじで3条以上の多条ねじからなる雄ねじを有する雄側筒体と、平行ねじで3条以上の多条ねじからなる雌ねじを有する雌側筒体とからなり、
前記雄側筒体の先端に前記雌ねじ内径に遊嵌する外径を有する円筒部を設け、
前記雄側筒体の雄ねじをねじ込んで締めた状態において、前記雌側筒体の先端部が前記雄側筒体に形成した外周座に当接するように構成し、
前記雌側筒体の先端部に、筒軸中心に対して点対称で、かつ径方向に傾斜する傾斜面を全周に亘って形成すると共に、該傾斜面に当接する前記雄側筒体の外周座に前記傾斜面と傾斜方向及び傾斜角が同じ傾斜面を全周に亘って設けたことを特徴とする鋼管の接合継手。 - 前記傾斜面の径方向に対する傾斜角度を5度〜25度の範囲に設定したことを特徴とする請求項1記載の鋼管の接合継手。
- 前記雌側筒体の先端部及び前記雄側筒体の外周座における前記傾斜面の径方向内側に互いに軸方向に遊嵌する遊嵌合部を全周に亘って形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の鋼管の接合継手。
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