JP2017117751A - 膜電極接合体の製造方法及び膜電極接合体、並びに固体高分子形燃料電池 - Google Patents
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Abstract
Description
対のセパレータ板で挟持した電池である。一方のセパレータ板には、電極の一方に水素を含有する燃料ガスを供給するためのガス流路が形成されており、他方のセパレータ板には、電極の他方に酸素を含む酸化剤ガスを供給するためのガス流路が形成されている。ここで、燃料ガスが供給される上述した他方の電極を燃料極、酸化剤ガスが供給される上述した一方の電極を空気極とする。これらの電極は、高分子電解質と白金系の貴金属などの触媒物質を担持したカーボン粒子とを積層してなる電極触媒層、及びガス通気性と電子伝導性とを兼ね備えたガス拡散層を備えている。また、これらの電極は、ガス拡散層がセパレータと対向するように配置されている。
この低コスト化の手段の一つに、加湿器の削減が挙げられる。膜電極接合体の中心に位置する高分子電解質膜には、パーフルオロスルホン酸膜や炭化水素系膜が広く用いられている。そして、優れたプロトン伝導性を得るためには飽和水蒸気圧雰囲気に近い水分管理が必要とされており、現在、加湿器によって外部から水分供給を行っている。そこで、低消費電力やシステムの簡略化のために、加湿器を必要としないような、低加湿条件下であっても、十分なプロトン伝導性を示す高分子電解質膜の開発が進められている。
媒層とガス拡散層の間に、湿度調整フィルムを挟み込む方法が考案されている。
特許文献6には、高分子電解質膜と接する触媒電極層の表面に溝を設ける方法が考案されている。触媒電極層の表面に0.1〜0.3mmの幅を有する溝を形成することで、低加湿条件下における発電性能の低下を抑制する方法が考案されている。
そこで、本発明にあっては、低加湿条件下でも高い発電特性を示す膜電極接合体及びその膜電極接合体の製造方法、並びに固体高分子形燃料電池を提供することを目的とする。
以下に、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。なお、本発明は、以下に記載の実施形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて設計の変更等の変形を加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施の形態も本発明の範囲に含まれうるものである。
まず、本実施形態に係る膜電極接合体11について説明する。
図1は、本実施形態に係る膜電極接合体11の構成を模式的に示す分解斜視図である。図1に示すように、膜電極接合体11は、高分子電解質膜1と、高分子電解質膜1を高分子電解質膜1の上面から狭持する第1の電極触媒層2(図1中、上側に示す)及び第2の電極触媒層3(図1中、下側に示す)とを備える。また、膜電極接合体11において、第1の電極触媒層2及び第2の電極触媒層3の少なくとも一方は、触媒物質担持粒子と高分子電解質とを備える。更に、膜電極接合体11の第1の電極触媒層2及び第2の電極触媒層3は、それぞれ高分子電解質膜1の平面方向に2分割されている。より詳細には、図1中、上側に示す第1の電極触媒層2は、ガスの入口側に位置する第1の電極触媒部2aと、ガスの出口側に位置する第2の電極触媒部2bとを有する。同様に、図1中、下側に示す第2の電極触媒層3は、ガスの入口側に位置する第1の電極触媒部3aと、ガスの出口側に位置する第2の電極触媒部3bとを有する。
膜電極接合体11では、従来の湿度調整フィルムの適用や、電極触媒層表面への溝の形成によって低加湿化を図る場合と異なり、界面抵抗の増大による発電特性の低下が見られない。このことより、従来の膜電極接合体を備えた固体高分子形燃料電池に比べ、膜電極接合体11を備える固体高分子形燃料電池は、低加湿条件下でも高い発電特性を示すという顕著な効果を奏する。
次に、本実施形態に係る固体高分子形燃料電池12について説明する。
図2は、本実施形態に係る固体高分子形燃料電池12を模式的に示す分解斜視図である。固体高分子形燃料電池12は、膜電極接合体11の第1の電極触媒層2と対向するように配置される空気極側のガス拡散層4と、第2の電極触媒層3と対向するように配置される燃料極側のガス拡散層5とを備える。第1の電極触媒層2とガス拡散層4とは、空気極(カソード)6を形成する。第2の電極触媒層3とガス拡散層5とは、燃料極(アノード)7を形成する。また、ガス流通用のガス流路8(8a,8b)と、冷却水流通用の冷却水流路9(9a,9b)とを備えた、導電性及び不透過性を有する材料よりなる一組のセパレータ10(10a、10b)が、ガス拡散層4及び5の外側にそれぞれ配置される。燃料極7側のセパレータ10bのガス流路8bからは、燃料ガスとして例えば水素ガスが供給される。一方、空気極6側のセパレータ10aのガス流路8aからは、酸化剤ガスとして例えば酸素ガスが供給される。燃料ガスの水素と、酸化剤ガスの酸素とを触媒の存在下で電極反応させることにより、燃料極と空気極の間に起電力を生じさせることができる。
次に、本実施形態に係る膜電極接合体11の製造方法の一例について説明する。
本実施形態に係る膜電極接合体11の製造方法は、以下の各工程を含む。なお、本実施形態に係る膜電極接合体11の製造方法では、膜電極接合体11の第1の電極触媒層2が、第1の電極触媒部2a及び第2の電極触媒部2bを有し、第2の電極触媒層3が、第1の電極触媒部3a及び第2の電極触媒部3bを有している。
水を含む溶媒に触媒を担持した粒子及び高分子電解質を分散させて第1の触媒インク及び第2の触媒インクを調製する工程
(第2工程)
第1の触媒インクを塗布し、乾燥させることにより、第1の電極触媒部(第1の電極触媒層2における第1の電極触媒部2a、第2の電極触媒層3における第1の電極触媒部3a)を形成する工程
(第3工程)
第2の触媒インクを塗布し、乾燥させることにより、第2の電極触媒部(第1の電極触媒層2における第2の電極触媒部2b、第2の電極触媒層3における第2の電極触媒部3b)を形成する工程
高分子電解質膜1の少なくとも一方の面に、第1の電極触媒部及び第2の電極触媒部(第1の電極触媒部2a及び第2の電極触媒部2b、第1の電極触媒部3a及び第2の電極触媒部3b)を有する電極触媒層を形成する工程
なお、第1工程は触媒インク作製工程に対応し、第2工程は第1の電極触媒部形成工程に対応する。また、第3工程は、第2の電極触媒部形成工程に対応し、第3工程は、電極触媒層形成工程に対応する。また、以下、第1の触媒インク、第2の触媒インクを限定しない場合には、「触媒インク」と記載する。
一方、触媒インクに含まれる水の比率が小さい場合、触媒インクはガス拡散層4,5に浸透する。ガス拡散層4,5内に浸透して形成された電極触媒部は、ガスや生成水の輸送を阻害し、触媒の利用率を低くする要因となる。
このため、第1工程において、第1の電極触媒部(2a,3a)を形成するための第1の触媒インクに含まれる水の比率が、第2の電極触媒部(2b,3b)を形成するための第2の触媒インクに含まれる水の比率よりも大きくなるように調製する。これにより、第3工程で形成される第2の電極触媒部(2b,3b)の細孔容積を、第2工程で形成される第1の電極触媒部(2a,3a)の細孔容積よりも大きくすることができる。
本実施形態では、第2の電極触媒部(2b,3b)の直径1.0μm以下の細孔の細孔容積容積から第1の電極触媒部(2a,3a)の直径1.0μm以下の細孔の細孔容積を減算した差分の値が、水銀圧入法で求められる細孔の円筒近似による換算値で、0.1mL/g以上1.0mL/g以下となるように、触媒インクに含まれる水の量を調製する。
以下、本実施形態に係る膜電極接合体11及び固体高分子形燃料電池12について更に詳細に説明する。
(高分子電解質膜)
高分子電解質膜1としては、プロトン伝導性を有するものであれば良く、フッ素系高分子電解質膜、炭化水素系高分子電解質膜を用いることができる。フッ素系高分子電解質膜の例として、デュポン社製Nafion(登録商標)、旭硝子(株)製Flemion(登録商標)、旭化成(株)製Aciplex(登録商標)、ゴア社製Gore Select(登録商標)等を用いることができる。また、炭化水素系高分子電解質膜としては、スルホン化ポリエーテルケトン、スルホン化ポリエーテルスルホン、スルホン化ポリエーテルエーテルスルホン、スルホン化ポリスルフィド、スルホン化ポリフェニレン等の電解質膜を用いることができる。特に、高分子電解質膜1として、デュポン社製Nafion(登録商標)系材料を好適に用いることができる。
第1の電極触媒層2及び第2の電極触媒層3は、触媒インクを用いて高分子電解質膜1の両面に形成される。触媒インクは、少なくとも高分子電解質及び溶媒を含む。
上述の触媒インクに含まれる高分子電解質としては、プロトン伝導性を有するものであれば良く、高分子電解質膜1と同様の材料を用いることができ、フッ素系高分子電解質、炭化水素系高分子電解質を用いることができる。フッ素系高分子電解質の例として、デュポン社製Nafion(登録商標)系材料等を用いることができる。また、炭化水素系高分子電解質としては、スルホン化ポリエーテルケトン、スルホン化ポリエーテルスルホン、スルホン化ポリエーテルスルホン、スルホン化ポリスルフィド、スルホン化ポリフェニレン等の電解質を用いることができる。特に、フッ素系高分子電解質として、デュポン社製Nafion(登録商標)系材料を好適に用いることができる。なお、第1の電極触媒層2及び第2の電極触媒層3と、高分子電解質膜1との密着性を考慮すると、触媒インクに含まれる高分子電解質には高分子電解質膜1と同一の材料を用いることが好ましい。
カーボン粒子の平均粒子径は、10nm以上1000nm以下程度が好ましく、10nm以上100nm以下がより好ましい。ここで、平均粒子径とは、SEM(Scanning Electron Microscope:走査型電子顕微鏡)像から求めた平均粒径をいう。カーボン粒子の平均粒子径が10nm以上1000nm以下の範囲にある場合、触媒の活性及び安定性が向上するため好ましい。電子伝導パスが形成されやすくなり、また、第1の電極触媒層2及び第2の電極触媒層3のガス拡散性や触媒の利用率が向上するため好ましい。
また、触媒物質担持粒子を分散させるために、触媒インクに分散剤が含まれていても良い。分散剤としては、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤等を挙げることができる。
また、触媒インクは必要に応じて分散処理が行われる。触媒インクの粘度と、触媒インクに含まれる粒子のサイズとを、触媒インクの分散処理の条件によって制御することができる。分散処理は、様々な装置を採用して行うことができる。特に、分散処理の方法は限定されるものではない。例えば、分散処理としては、ボールミルやロールミルによる処理、せん断ミルによる処理、湿式ミルによる処理、超音波分散処理等が挙げられる。また、遠心力で攪拌を行うホモジナイザー等を採用しても良い。細孔容積は、分散時間が長くなるのに伴い、触媒物質担持粒子の凝集体が破壊されて小さくなる。
触媒インクを基材上に塗布する塗布方法としては、ドクターブレード法、ディッピング法、スクリーン印刷法、ロールコーティング法等を採用することができる。
基材として用いられる転写シートとしては、転写性が良い材質であれば良く、例えば、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系樹脂を用いることができる。また、ポリイミド、ポリエチレンテレフタラート、ポリアミド(ナイロン)、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテル・エーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリアリレート、ポリエチレンナフタレート等の高分子シート、高分子フィルムを転写シートとして用いることができる。また、基材として転写シートを用いた場合には、高分子電解質膜1に溶媒除去後の塗膜である電極膜を接合した後に転写シートを剥離し、高分子電解質膜1の両面に第1の電極触媒層2及び第2の電極触媒層3を備える膜電極接合体11とすることができる。
ガス拡散層4,5としては、ガス拡散性と導電性とを有する材質を用いることができる。例えば、ガス拡散層4,5として、カーボンクロス、カーボンペーパー、不織布等のポーラスカーボン材を用いることができる。
また、ガス拡散層4,5は、触媒インクを塗布する基材として用いることもできる。ガス拡散層4,5を触媒インクを塗布する基材として用いた場合、第1の電極触媒層2及び第2の電極触媒層3を高分子電解質膜1に接合した後に、基材として用いたガス拡散層4,5を剥離する必要は無い。
セパレータ10(10a,10b)としては、カーボンタイプあるいは金属タイプのもの等を用いることができる。なお、ガス拡散層4,5とセパレータ10(10a,10b)とはそれぞれ一体構造となっていても良い。また、セパレータ10(10a,10b)は、ガス拡散層4,5の機能を有していてもよい。この場合、ガス拡散層4,5は省略しても良い。
以下、本実施形態における固体高分子形燃料電池用電極触媒層の製造方法について具体的な実施例及び比較例を挙げて説明する。なお、本実施形態は、以下の実施例及び比較例によって制限されるものではない。
〔第1の触媒インクの調製〕
白金担持量が50質量%である白金担持カーボン触媒(商品名:TEC10E50E、田中貴金属工業製)と、20質量%高分子電解質溶液(商品名:Nafion(登録商標)、デュポン社製)とを溶媒中で混合し、遊星型ボールミルで分散処理を行った。このとき、分散時間を30分間とし、第1の触媒インクを調製した。調製した第1の触媒インクの出発原料の組成比は、カーボン担体:高分子電解質を質量比で1:1とした。第1の触媒インクの溶媒は、超純水と1−プロパノールとの混合溶媒とし、第1の触媒インクに含まれる溶媒における水の比率は90質量%とした。また、第1の触媒インクにおける固形分含有量は12質量%とした。
白金担持量が50質量%である白金担持カーボン触媒(商品名:TEC10E50E、田中貴金属工業製)と、20質量%高分子電解質溶液(商品名:Nafion(登録商標)、デュポン社製)とを溶媒中で混合し、遊星型ボールミルで分散処理を行った。このとき、分散時間を30分間とし、第2の触媒インクを調製した。調製した第2の触媒インクの出発原料の組成比は、カーボン担体:高分子電解質を質量比で1:1とした。第2の触媒インクの溶媒は、超純水と1−プロパノールとの混合溶媒とし、第2の触媒インクに含まれる溶媒における水の比率は50質量%とした。また、第2の触媒インクにおける固形分含有量は12質量%とした。
すなわち、実施例1では、第1の触媒インクに含まれる水の比率と、第2の触媒インクに含まれる水の比率が90:50(1.8:1)となるように調製した。
転写シートである、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)シートを基材として用いた。
ドクターブレード法により、上述した第1の触媒インクを基材上に塗布し、大気雰囲気中80℃で乾燥させ、第1の電極触媒部を形成した。同様に、上述した第2の触媒インクを基材上に塗布し、大気雰囲気中80℃で乾燥させ、第2の電極触媒部を形成した。このとい、第1の触媒インク及び第2の触媒インクの塗布量は、白金担持量0.2mg/cm2となるようにそれぞれ調製した。
得られた第1の電極触媒部及び第2の電極触媒部の細孔容積を水銀ポロシメータで測定した。その結果、ガスの入口側に設けられた第1の電極触媒部の直径1.0μm以下の細孔の細孔容積よりも、ガスの出口側に設けられた第2の電極触媒部の直径1.0μm以下の細孔容積が大きくなり、その差分の値は0.19mL/gであった。
第1の電極触媒部が形成された基材、及び第2の電極触媒部が形成された基材を、それぞれ縦5cm×横2.5cmにそれぞれ打ち抜いた。高分子電解質膜(商品名:Nafion(登録商標)、デュポン社製)上に、第1の電極触媒部をガス流路の上流側、第2の電極触媒部をガス流路の下流側に隣接して配置し、縦5cm×横5cmの電極触媒層とした。
このような、第1の電極触媒部及び第2の電極触媒部を備える電極触媒層を高分子電解質膜の両面に配置し、温度130℃、圧力6.0×108Paの条件でホットプレスを行い、膜電極接合体を形成した。
〔触媒インクの調製〕
実施例1の第1の触媒インクと同様にして、比較例1の触媒インクを調製した。
〔基材〕
実施例1と同様にポリテトラフルオロエチレン(PTFE)シートを基材として用いた。
実施例1の第1の電極触媒部と同様に、ドクターブレード法により電極触媒部を形成した。
〔膜電極接合体の作製〕
第1の触媒インクの塗布、乾燥により電極触媒部が形成された基材を面積25cm2(縦5cm×横5cm)の正方形に打ち抜き、高分子電解質膜の両面に対面するように電極触媒部を配置した。続いて、温度130℃、圧力6.0×108Paの条件でホットプレスを行い、膜電極接合体を得た。すなわち、比較例1では、第1の触媒インクのみで1つの電極触媒層を形成することにより、ガスの上流側と下流側とで細孔容積の違いが生じないようにして電極触媒層を形成した。
〔触媒インクの調製〕
実施例1の第2の触媒インクと同様にして、比較例2の触媒インクを調製した。
〔基材〕
実施例1と同様にポリテトラフルオロエチレン(PTFE)シートを基材として用いた。
実施例1の第1の電極触媒部と同様に、ドクターブレード法により電極触媒部を形成した。
〔膜電極接合体の作製〕
第2の触媒インクの塗布、乾燥により電極触媒部が形成された基材を面積25cm2(縦5cm×横5cm)の正方形に打ち抜き、高分子電解質膜の両面に対面するように電極触媒部を配置した。続いて、温度130℃、圧力6.0×108Paの条件でホットプレスを行い、膜電極接合体を得た。すなわち、比較例2では、第2の触媒インクのみで1つの電極触媒層を形成することにより、ガスの上流側と下流側とで細孔容積の違いが生じないようにして電極触媒層を形成した。
〔発電特性〕
実施例1並びに比較例1及び比較例2で作製した膜電極接合体を挟持するように、ガス拡散層として用いるカーボンペーパーを貼りあわせ、発電評価セル内に設置した。燃料電池測定装置を用いて、セル温度80℃とし、以下に示す2つの運転条件で電流電圧測定を行った。燃料ガスとして水素、酸化剤ガスとして空気を用い、利用率一定による流量制御を行った。なお、背圧は100kPaとした。
〔運転条件〕
1.フル加湿:相対湿度 アノード100%RH、カソード100%RH
2.低加湿:相対湿度 アノード40%RH、カソード40%RH
実施例1で作製した膜電極接合体は、比較例1及び比較例2で作製した膜電極接合体よりも、低加湿の運転条件下で優れた発電性能を示した。また、実施例1で作製した膜電極接合体は、低加湿の運転条件下においても、フル加湿の運転条件下と同等レベルの発電性能を発揮した。特に、電圧0.7V付近の発電性能が向上した。実施例1で作製した膜電極接合体は、比較例1で作製した膜電極接合体と比べて1.7倍の発電特性を示した。また、実施例1で作製した膜電極接合体は、比較例2で作製した膜電極接合体と比べて2.0倍の発電特性を示した。
本実施形態は、低加湿条件下で高い発電特性を示す膜電極接合体とその製造方法及びその膜電極接合体を備えてなる固体高分子形燃料電池に関するものである。
本実施形態に係る膜電極接合体は、高分子電解質膜を一対の電極触媒層で挟持した膜電極接合体である。ここで、本実施形態に係る膜電極接合体は、高分子電解質膜と、細孔を有し高分子電解質膜の一方の面に設けられた第1の電極触媒層と、細孔を有し高分子電解質膜の他方の面に第1の電極触媒層と対向するように設けられた第2の電極触媒層とを備えている。
また、本実施形態に係る固体高分子形燃料電池は、上述の膜電極接合体を備えている。
また、上述した膜電極接合体の製造方法は、触媒インク作製工程において、溶媒中水が15質量%以上90質量%以下含まれるように第1の触媒インク及び第2の触媒インクを作製する。
さらに、上述した膜電極接合体の製造方法は、触媒インク作製工程において、第1の触媒インク及び第2の触媒インクの少なくとも一方の溶媒として、アルコール類を混合する。
以上、本発明の実施形態を詳述してきたが、実際には、上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の変更があっても本発明に含まれる。
2 電極触媒層
2a 第1の電極触媒部
2b 第2の電極触媒部
3 電極触媒層
3a 第1の電極触媒部
3b 第2の電極触媒部
4 ガス拡散層
5 ガス拡散層
6 空気極(カソード)
7 燃料極(アノード)
8,8a,8b ガス流路
9,9a,9b 冷却水流路
10,10a,10b セパレータ
11 膜電極接合体
12 固体高分子形燃料電池
Claims (6)
- 高分子電解質膜を一対の電極触媒層で挟持した膜電極接合体の製造方法であって、
溶媒として水を含む第1の触媒インク及び溶媒として水を含む第2の触媒インクを、前記第1の触媒インクにおける水の比率と前記第2の触媒インクにおける水の比率との比が1.2:1以上5:1以下の範囲となるように調製して作製する触媒インク作製工程と、
前記第1の触媒インクを塗布して乾燥させることにより、細孔を有する第1の電極触媒部を形成する第1の電極触媒部形成工程と、
前記第2の触媒インクを塗布して乾燥させることにより、細孔を有する第2の電極触媒部を形成する第2の電極触媒部形成工程と、
前記高分子電解質膜の少なくとも一方の面に、前記第1の電極触媒部と、前記高分子電解質膜の平面方向において前記第1の電極触媒部に隣接する前記第2の電極触媒部とを有する電極触媒層を形成する電極触媒層形成工程と、
を備える、
膜電極接合体の製造方法。 - 前記触媒インク作製工程において、溶媒中水が15質量%以上90質量%以下含まれるように前記第1の触媒インク及び前記第2の触媒インクを作製する
請求項1に記載の膜電極接合体の製造方法。 - 前記触媒インク作製工程において、前記第1の触媒インク及び前記第2の触媒インクの少なくとも一方の溶媒として、アルコール類を混合する
請求項1又は2に記載の膜電極接合体の製造方法。 - 高分子電解質膜と、
細孔を有し、前記高分子電解質膜の一方の面に設けられた第1の電極触媒層と、
細孔を有し、前記高分子電解質膜の他方の面に前記第1の電極触媒層と対向するように設けられた第2の電極触媒層と、
を備え、
前記第1の電極触媒層及び前記第2の電極触媒層の少なくとも一方は、第1の電極触媒部と、前記高分子電解質膜の平面方向において前記第1の電極触媒部に隣接して設けられた第2の電極触媒部とを有し、
水銀圧入法で求められる細孔の円筒近似による換算値で、前記第2の電極触媒部の直径1.0μm以下の細孔の細孔容積から前記第1の電極触媒部の直径1.0μm以下の細孔の細孔容積を減算した値が、0.1mL/g以上1.0mL/g以下である
膜電極接合体。 - 高分子電解質膜と、
細孔を有し、前記高分子電解質膜の一方の面に設けられた第1の電極触媒層と、
細孔を有し、前記高分子電解質膜の他方の面に前記第1の電極触媒層と対向するように設けられた第2の電極触媒層と、
を備え、
前記第1の電極触媒層及び前記第2の電極触媒層の少なくとも一方は、第1の電極触媒部と、前記高分子電解質膜の平面方向において前記第1の電極触媒部に隣接して設けられた第2の電極触媒部とを有し、
水銀圧入法で求められる細孔の円筒近似による換算値で、前記第2の電極触媒部の直径1.0μm以下の細孔の細孔容積から前記第1の電極触媒部の直径1.0μm以下の細孔の細孔容積を減算した値が、0.1mL/g以上1.0mL/g以下である膜電極接合体
を備える、固体高分子形燃料電池。 - 前記膜電極接合体を挟持し、前記第1の電極触媒層及び前記第2の電極触媒層に対してそれぞれガスを供給するガス流路を有する一対のセパレータを備え、
前記第1の電極触媒部は、前記ガス流路の上流側に位置し、前記第2の電極触媒部は、前記ガス流路の下流側に位置する、請求項5に記載の固体高分子形燃料電池。
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